想い出よありがとう想い出よ ありがとう やっと今 そう云える私 数えきれない 昨日に それぞれの 心をこめて 想い出よ ありがとう 哀しみも 苦しみも含め ときに憎んで いたけど それもまた 人生だった 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう 時が過ぎ 懐かしさだけが 胸の扉を 叩きに 今日もまた 訪れて来る 想い出よ ありがとう ほろ苦い さよならも今は 愛の言葉に 思えて 乾杯の グラスを上げる 待ってはぐれ はぐれて探し 恋に酔い 酒にすがり 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう ありがとう… | 島津亜矢 | 阿久悠 | 都志見隆 | | 想い出よ ありがとう やっと今 そう云える私 数えきれない 昨日に それぞれの 心をこめて 想い出よ ありがとう 哀しみも 苦しみも含め ときに憎んで いたけど それもまた 人生だった 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう 時が過ぎ 懐かしさだけが 胸の扉を 叩きに 今日もまた 訪れて来る 想い出よ ありがとう ほろ苦い さよならも今は 愛の言葉に 思えて 乾杯の グラスを上げる 待ってはぐれ はぐれて探し 恋に酔い 酒にすがり 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 逢って別れ 別れて出逢い 愛に泣き 夢に迷い 歌よりも 歌らしく 心を揺さぶる 想い出よ ありがとう ありがとう… 想い出よ ありがとう ありがとう… |
見果てぬ夢夢 見果てぬ夢 この無駄ないくさ ただ 悲しみだけの道 私はゆく 愛 かなわぬ愛 たとえ むなしくとも この信じる道をゆく 一人ゆくよ 私はあの空の遠い星を追いながら ゆくだけさ 進むだけさ それがさだめならば 地獄へでも やがて この命はつきるだろう その日 この心はやすらかだろう この世も平和だろう 胸に傷だらけの男一人の夢は あの遠い星さ | 島津亜矢 | JOE DARION・訳詞:岩谷時子 | MITCH LEIGH | | 夢 見果てぬ夢 この無駄ないくさ ただ 悲しみだけの道 私はゆく 愛 かなわぬ愛 たとえ むなしくとも この信じる道をゆく 一人ゆくよ 私はあの空の遠い星を追いながら ゆくだけさ 進むだけさ それがさだめならば 地獄へでも やがて この命はつきるだろう その日 この心はやすらかだろう この世も平和だろう 胸に傷だらけの男一人の夢は あの遠い星さ |
糸なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語 縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ 夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ こんな糸が なんになるの 心許なくて ふるえてた風の中 縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの 傷をかばうかもしれない 縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます | 島津亜矢 | 中島みゆき | 中島みゆき | 田代修二 | なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語 縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ 夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ こんな糸が なんになるの 心許なくて ふるえてた風の中 縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの 傷をかばうかもしれない 縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に 出逢えることを 人は 仕合わせと呼びます |
女は男の言葉で変わるどうせ別れるつもりさ そんなセリフを残して あいつはフラリと 何処かへ消えた ちょっとあぶない野郎に 心うばわれ泣いてた あたしはみじめな恋女 もしも願いが叶うものなら 想い出全部雨に流して 女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… つくす女はいつでも お前ひとりじゃないのさ すました顔して また駄目を押す 愛がくずれてボロボロ 夢が破れてズタズタ あたしはおろかな恋女 酔いにまかせて踊ってみても どこかさめてる 今夜のあたし 女は男の言葉で変わる 明るくなったり 暗くなったり 女は男の言葉で変わる そうさいつかきっと きれいになる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… 女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… | 島津亜矢 | 杉本眞人 | 杉本眞人 | 矢野立美 | どうせ別れるつもりさ そんなセリフを残して あいつはフラリと 何処かへ消えた ちょっとあぶない野郎に 心うばわれ泣いてた あたしはみじめな恋女 もしも願いが叶うものなら 想い出全部雨に流して 女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… つくす女はいつでも お前ひとりじゃないのさ すました顔して また駄目を押す 愛がくずれてボロボロ 夢が破れてズタズタ あたしはおろかな恋女 酔いにまかせて踊ってみても どこかさめてる 今夜のあたし 女は男の言葉で変わる 明るくなったり 暗くなったり 女は男の言葉で変わる そうさいつかきっと きれいになる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… 女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow… |
道南夫婦船親に貰った この血の中を 熱く流れる 命潮 元へ辿れば 父と母 いつも元気で いて欲しい 熱い祈りを 波に浮かべて 仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳 荒れる海辺に 縋って生きる 北の漁師は 波の花 群れる鴎も 仲間衆 こぼれ秋刀魚を 分けながら 地球岬を 右に眺めて 今日もあんたと アヨイショ 網を刺す 浜の女房と 呼ばれるからにゃ 雪も氷も 恐れぬが 浮気されたら わしの恥 二つ合わせて 一になる 愛の人生 海に咲かせる 夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 新井利昌 | 池多孝春 | 親に貰った この血の中を 熱く流れる 命潮 元へ辿れば 父と母 いつも元気で いて欲しい 熱い祈りを 波に浮かべて 仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳 荒れる海辺に 縋って生きる 北の漁師は 波の花 群れる鴎も 仲間衆 こぼれ秋刀魚を 分けながら 地球岬を 右に眺めて 今日もあんたと アヨイショ 網を刺す 浜の女房と 呼ばれるからにゃ 雪も氷も 恐れぬが 浮気されたら わしの恥 二つ合わせて 一になる 愛の人生 海に咲かせる 夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船 |
瞼の母軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす 「おかみさん 今何とか言いなすったね 親子の名のりがしたかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねぇぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ」 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き 「何を言ってやんでぇ 何が今更、 忠太郎だ 何が倅でぇ 俺らにゃおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは 俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしいおっ母の面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんだ」 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る 「おっ母さん」 | 島津亜矢 | 坂口ふみ緒 | 沢しげと | 池多孝春 | 軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす 「おかみさん 今何とか言いなすったね 親子の名のりがしたかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねぇぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ」 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き 「何を言ってやんでぇ 何が今更、 忠太郎だ 何が倅でぇ 俺らにゃおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは 俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしいおっ母の面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんだ」 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る 「おっ母さん」 |
I WILL ALWAYS LOVE YOUIf I should stay I would only be in your way So I'll go But I know I'll think of you every step of the way And I will always love you Will always love you You, my darling, you Bittersweet memories That is all I'm taking with me So goodbye, Please don't cry We both know I'm not What you need And I will always love you Will always love you I hope life treats you kind And I hope you have all you ever dreamed of And I wish you joy and happiness But above all this I wish you love And I Will always love you I will always love you I will always love you I will always love you I will always love you I will always love you You, darling, I love you I'll always, I'll always love you | 島津亜矢 | DOLLY PARTON | DOLLY PARTON | | If I should stay I would only be in your way So I'll go But I know I'll think of you every step of the way And I will always love you Will always love you You, my darling, you Bittersweet memories That is all I'm taking with me So goodbye, Please don't cry We both know I'm not What you need And I will always love you Will always love you I hope life treats you kind And I hope you have all you ever dreamed of And I wish you joy and happiness But above all this I wish you love And I Will always love you I will always love you I will always love you I will always love you I will always love you I will always love you You, darling, I love you I'll always, I'll always love you |
一本釣り日暮れ港に 花火があがり 祭ばやしが 地べたを走る 負けてなるかと 大漁旗を 風にハタハタ なびかせる 色気なんかは 男の餌よ おあいにくねと 肩肘はって 化粧知らずの あの娘も今夜 年に一度の 紅を塗る 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 星が降るよな 夜空の下で ギター抱えて 恋唄うたい あの娘しのんだ 三月と十日 やがて終わると 気がはやる おさななじみの 気やすさだけで 愛だ恋だに 照れてたけれど 今夜おとこの 匂いを嗅がせ 頬をまっかに 染めさせる 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 | 島津亜矢 | 阿久悠 | 浜圭介 | | 日暮れ港に 花火があがり 祭ばやしが 地べたを走る 負けてなるかと 大漁旗を 風にハタハタ なびかせる 色気なんかは 男の餌よ おあいにくねと 肩肘はって 化粧知らずの あの娘も今夜 年に一度の 紅を塗る 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 星が降るよな 夜空の下で ギター抱えて 恋唄うたい あの娘しのんだ 三月と十日 やがて終わると 気がはやる おさななじみの 気やすさだけで 愛だ恋だに 照れてたけれど 今夜おとこの 匂いを嗅がせ 頬をまっかに 染めさせる 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 惚れたよ 惚れたよ 冗談ぬきだよ まっしぐら 一本釣りだよ おまえの心 一本釣りだよ おまえの心 |
「坂本龍馬」より おりょう燃えて火を吐く 男の夢に 惚れる女も 命がけ 華の友禅 桔梗の帯に 好きな 好きな龍の字 一文字入れて 影を支える…京おんな 「男まさりのおりょうが 初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました 龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です 誰も好きにならないで… おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」 加茂の川原を 流れる水は 人のさだめに 似て哀し たとえ短い 月日であろと 好きな 好きなあなたと 結んだ契り 生きて甲斐ある…おんな町 「国が生まれ変わる為には 誰かが死ななくてはならないのですか… 春の嵐に散り急ぐ花の様に 命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか… 龍馬さま…龍馬さま…」 龍馬いのちの 維新のおんな 散るを 散るを惜しまぬ おりょうの心 月もご存じ…嵐山 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 村沢良介 | | 燃えて火を吐く 男の夢に 惚れる女も 命がけ 華の友禅 桔梗の帯に 好きな 好きな龍の字 一文字入れて 影を支える…京おんな 「男まさりのおりょうが 初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました 龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です 誰も好きにならないで… おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」 加茂の川原を 流れる水は 人のさだめに 似て哀し たとえ短い 月日であろと 好きな 好きなあなたと 結んだ契り 生きて甲斐ある…おんな町 「国が生まれ変わる為には 誰かが死ななくてはならないのですか… 春の嵐に散り急ぐ花の様に 命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか… 龍馬さま…龍馬さま…」 龍馬いのちの 維新のおんな 散るを 散るを惜しまぬ おりょうの心 月もご存じ…嵐山 |
元禄花の兄弟 赤垣源蔵酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい 迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る 兄のきものに盈々(なみ)と 差して呑み干す酒の味 「兄上 もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」 兄の屋敷を立ち出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。 「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて 目指す 行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助 天を仰いで嘆く時 誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは 赤垣源蔵なり 一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟が その中に居るはずじゃ そなた早よう行って 見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」 もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。祈る心で待つ裡(うち)に転がる様に戻り来て、 「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて、真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け、前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、 探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に 通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。 夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟 今朝のお江戸は日本晴れ | 島津亜矢 | 北村桃児 | 春川一夫 | | 酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい 迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る 兄のきものに盈々(なみ)と 差して呑み干す酒の味 「兄上 もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」 兄の屋敷を立ち出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。 「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて 目指す 行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助 天を仰いで嘆く時 誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは 赤垣源蔵なり 一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟が その中に居るはずじゃ そなた早よう行って 見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」 もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。祈る心で待つ裡(うち)に転がる様に戻り来て、 「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて、真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け、前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、 探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に 通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。 夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟 今朝のお江戸は日本晴れ |
夜桜挽花あたしの中の 悪い子が 欲しい欲しいと またせがむ 口紅(べに)を噛み切り 投げつけりゃ 死んだふりして 夢ん中 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ 此(こ)の世も彼(あ)の世も みんな散れ Ah…来世(こんど)は男になってやる 涙の粒が 月あかり 泣けよ泣けよと 数珠つなぎ 髪を洗って 素裸 波うつ寝台(ベッド)に 身を投げる 夜桜よ散れ みんな散れ 心も身体も みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる 夜桜よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる | 島津亜矢 | 荒木とよひさ | 杉本眞人 | 矢野立美 | あたしの中の 悪い子が 欲しい欲しいと またせがむ 口紅(べに)を噛み切り 投げつけりゃ 死んだふりして 夢ん中 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ 此(こ)の世も彼(あ)の世も みんな散れ Ah…来世(こんど)は男になってやる 涙の粒が 月あかり 泣けよ泣けよと 数珠つなぎ 髪を洗って 素裸 波うつ寝台(ベッド)に 身を投げる 夜桜よ散れ みんな散れ 心も身体も みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる 夜桜よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる |
波寄せては返す 波また波を あえぎただよう 木の葉舟 それが私の 人生ならば 一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め 夢という名の 舟を漕ぐ 雄たけびあげて 逆巻く波に 呑まれ叩かれ はいあがりゃ 板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄 明日(あす)の行方は 知らないけれど 風に向かって 舟を漕ぐ 大波小波 上げては下ろす 波に身をもむ 女舟 乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う 泣くなくさるな 希望の二文字 胸にかかげて 舟を漕ぐ | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 船村徹 | 蔦将包 | 寄せては返す 波また波を あえぎただよう 木の葉舟 それが私の 人生ならば 一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め 夢という名の 舟を漕ぐ 雄たけびあげて 逆巻く波に 呑まれ叩かれ はいあがりゃ 板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄 明日(あす)の行方は 知らないけれど 風に向かって 舟を漕ぐ 大波小波 上げては下ろす 波に身をもむ 女舟 乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う 泣くなくさるな 希望の二文字 胸にかかげて 舟を漕ぐ |
恋慕海峡単(ひとえ)じゃ寒いと 袷(あわせ)を出して それでも震えて 胸かき合わせ この身で熱いは 二つの乳房 あんたが恋しと 無理を云う みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て 一人にしていちゃ 心がゆれる あとから悔やんで もう遅いから 凍えた指先 息吹きかけて あんたが憎いと しのび泣く 知らない文字の 貨物船 霧笛を鳴らし 霧笛を鳴らし 海峡通る ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て | 島津亜矢 | 阿久悠 | 弦哲也 | | 単(ひとえ)じゃ寒いと 袷(あわせ)を出して それでも震えて 胸かき合わせ この身で熱いは 二つの乳房 あんたが恋しと 無理を云う みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て 一人にしていちゃ 心がゆれる あとから悔やんで もう遅いから 凍えた指先 息吹きかけて あんたが憎いと しのび泣く 知らない文字の 貨物船 霧笛を鳴らし 霧笛を鳴らし 海峡通る ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て みじかい秋は 駆け足で ヒュルヒュル泣いて ヒュルヒュル泣いて 海峡過ぎる ああ やがて冬なのね あんた あんた 早く来て |
菊池寛原作「藤十郎の恋」より お梶噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎 「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」 浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎 「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照って 狂いそうでございます おんなの真実は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」 命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎 | 島津亜矢 | 吉田博司・村沢良介 | 村沢良介 | | 噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎 「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」 浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎 「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照って 狂いそうでございます おんなの真実は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」 命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎 |
森の石松山が富士なら 男は次郎長 あまた子分の いる中で 人のいいのが 取り柄だが 喧嘩早いが 玉に疵(きず) 森の…森の石松 いい男 「そこの若えのは 海道一の親分は清水の次郎長だってねぇ いい子分が居るって言うのかい そうよ…一に大政 二に小政 三に大瀬の半五郎 四番増川の仙右衛門 五番法印大五郎 中でも一番強えのが 遠州森の石松だい… うれしいねぇ…呑みねぇ 呑みねぇ 寿司喰いねぇ 江戸ッ子だってねぇ…」 やっと出ました 俺らの名前 清水一家の 暴れん坊 情がからめば ついほろり うれし涙が こぼれます 男…男石松 泣き笑い 「酒を呑んだら虎になり 暴れ出したら止まらない あゝ…馬鹿は死ななきゃ癒らねえ…」 腕は強いが おっちょこちょいで 酒と女と 喧嘩好き 讃岐金刀比羅 代参で 死出の旅とも 知らないで 森の森の石松 ひとり旅 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 山が富士なら 男は次郎長 あまた子分の いる中で 人のいいのが 取り柄だが 喧嘩早いが 玉に疵(きず) 森の…森の石松 いい男 「そこの若えのは 海道一の親分は清水の次郎長だってねぇ いい子分が居るって言うのかい そうよ…一に大政 二に小政 三に大瀬の半五郎 四番増川の仙右衛門 五番法印大五郎 中でも一番強えのが 遠州森の石松だい… うれしいねぇ…呑みねぇ 呑みねぇ 寿司喰いねぇ 江戸ッ子だってねぇ…」 やっと出ました 俺らの名前 清水一家の 暴れん坊 情がからめば ついほろり うれし涙が こぼれます 男…男石松 泣き笑い 「酒を呑んだら虎になり 暴れ出したら止まらない あゝ…馬鹿は死ななきゃ癒らねえ…」 腕は強いが おっちょこちょいで 酒と女と 喧嘩好き 讃岐金刀比羅 代参で 死出の旅とも 知らないで 森の森の石松 ひとり旅 |
出世坂千里を走る 虎よりも 一里を登る 牛になれ やると決めたら 男じゃないか 曲げるな道を ひとすじの 闘志が結ぶ 出世坂 こぼれた人に 手を貸して 一緒にこける 時もある いいさ待とうよ またくる春を 死ぬまで続く 人生の 灯りは人の 愛だから 紬は雪で 艶を出す 流れて石は 丸くなる 苦労くの字に からだを曲げて 涙と登る この坂が 明日へ続く 出世坂 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 市川昭介 | | 千里を走る 虎よりも 一里を登る 牛になれ やると決めたら 男じゃないか 曲げるな道を ひとすじの 闘志が結ぶ 出世坂 こぼれた人に 手を貸して 一緒にこける 時もある いいさ待とうよ またくる春を 死ぬまで続く 人生の 灯りは人の 愛だから 紬は雪で 艶を出す 流れて石は 丸くなる 苦労くの字に からだを曲げて 涙と登る この坂が 明日へ続く 出世坂 |
花として 人として人の子は なぜ泣きながら この地球(ほし)に 生まれてくるの 人生は悲しみおおい ものだとしても 川の流れは きれいか 森の緑は すこやかか 花として きみの涙に 花のこころ飾りたい 人として しあわせな花 きれいなままで いつの日か 咲かせてあげたい 人は行く この目に見えぬ ひとすじの 遥かな道 生きてゆくことに時には 途方に暮れて 雲は流れて 何処(いずこ)へ 時はかけ足 影もなく 花として 一期一会の 花のいのち飾りたい 人として 愛を一輪 未来のきみに さりげなく 咲かせてあげたい 花として きみの涙に 花のこころ飾りたい 人として しあわせな花 きれいなままで いつの日か 咲かせてあげたい | 島津亜矢 | たかたかし | 杉本眞人 | 川村栄二 | 人の子は なぜ泣きながら この地球(ほし)に 生まれてくるの 人生は悲しみおおい ものだとしても 川の流れは きれいか 森の緑は すこやかか 花として きみの涙に 花のこころ飾りたい 人として しあわせな花 きれいなままで いつの日か 咲かせてあげたい 人は行く この目に見えぬ ひとすじの 遥かな道 生きてゆくことに時には 途方に暮れて 雲は流れて 何処(いずこ)へ 時はかけ足 影もなく 花として 一期一会の 花のいのち飾りたい 人として 愛を一輪 未来のきみに さりげなく 咲かせてあげたい 花として きみの涙に 花のこころ飾りたい 人として しあわせな花 きれいなままで いつの日か 咲かせてあげたい |
歌路遥かに歌なんて 無くていいもの 無くても人は 病んだりしない けれども歌は 悲しみを慰め あるいは歌で 喜びが膨らむ 歌の一つで 心 洗われたりも しませんか 歌の一つで 命 救われたりも しませんか 歌なんて 辛い別れの 時一コマも 巻き戻せない けれども歌で 寂しさは薄らぎ あるいは歌で 空しさも和らぐ 歌の一つに まこと 尽くす想いで いるのです 歌の一つに わたし 真心込めて いるのです 私の証し あなたのために 歌いたい 歌っていたい 歌路遥かに 歌路遥かに 私の証し あなたのために 歌いたい 歌っていたい 歌路遥かに 歌路遥かに | 島津亜矢 | 小椋佳 | 小椋佳 | 川村栄二 | 歌なんて 無くていいもの 無くても人は 病んだりしない けれども歌は 悲しみを慰め あるいは歌で 喜びが膨らむ 歌の一つで 心 洗われたりも しませんか 歌の一つで 命 救われたりも しませんか 歌なんて 辛い別れの 時一コマも 巻き戻せない けれども歌で 寂しさは薄らぎ あるいは歌で 空しさも和らぐ 歌の一つに まこと 尽くす想いで いるのです 歌の一つに わたし 真心込めて いるのです 私の証し あなたのために 歌いたい 歌っていたい 歌路遥かに 歌路遥かに 私の証し あなたのために 歌いたい 歌っていたい 歌路遥かに 歌路遥かに |
大忠臣蔵かぜさそふ はなよりもなほ われはまた ならぬ堪忍 耐えてこそ 武門の意地も 立瀬川 今はこれまで この一太刀を 吉良殿お受け 候えや 吾れ桜木の 花と散る 殿中にての刃傷沙汰は 罪萬死に値すること この内匠頭 重々承知いたしております さりながら積もる遺恨の数々… 浅野家五万三千石 所領も捨て家臣を捨てての 覚悟の所業でござる 梶川殿…武士の情けじゃ この手を離しくだされ 今ひと太刀…今ひと太刀 上野介を討たせてくだされ…梶川殿 忠に生きるは 武士の道 命を盾の 槍ぶすま 敵を欺く 言挙げならば 瑤泉院さま 許されよ 雪ふりしきる 南部坂 われら幡州赤穂の浪士 大石内蔵助以下 四十七名の者どもでござる この言挙げは私怨に非ず 天下の御政道の是非を正すためなり おのおの方 かまえてその旨を心にしかと刻まれい 忠左衛門どの…吉良殿の所在は未だつかめぬか 源五…東の空も白んでくるわ くまなく探せ われらの命運はあと半刻ぞ… 天よ地よ神よ仏よ 慈悲あらばわれらが本懐を遂げさせたまえ “吉良殿…見つかり申した…” あれは山鹿の 陣太鼓 一打ち 二打ち 三流れ 一期一会は この世のならい 粒々辛苦 血の涙 暁染める 松坂町 | 島津亜矢 | 松井由利夫 | 村沢良介 | | かぜさそふ はなよりもなほ われはまた ならぬ堪忍 耐えてこそ 武門の意地も 立瀬川 今はこれまで この一太刀を 吉良殿お受け 候えや 吾れ桜木の 花と散る 殿中にての刃傷沙汰は 罪萬死に値すること この内匠頭 重々承知いたしております さりながら積もる遺恨の数々… 浅野家五万三千石 所領も捨て家臣を捨てての 覚悟の所業でござる 梶川殿…武士の情けじゃ この手を離しくだされ 今ひと太刀…今ひと太刀 上野介を討たせてくだされ…梶川殿 忠に生きるは 武士の道 命を盾の 槍ぶすま 敵を欺く 言挙げならば 瑤泉院さま 許されよ 雪ふりしきる 南部坂 われら幡州赤穂の浪士 大石内蔵助以下 四十七名の者どもでござる この言挙げは私怨に非ず 天下の御政道の是非を正すためなり おのおの方 かまえてその旨を心にしかと刻まれい 忠左衛門どの…吉良殿の所在は未だつかめぬか 源五…東の空も白んでくるわ くまなく探せ われらの命運はあと半刻ぞ… 天よ地よ神よ仏よ 慈悲あらばわれらが本懐を遂げさせたまえ “吉良殿…見つかり申した…” あれは山鹿の 陣太鼓 一打ち 二打ち 三流れ 一期一会は この世のならい 粒々辛苦 血の涙 暁染める 松坂町 |
一本刀土俵入り男度胸の 人生を 土俵ひとすじ 生きてゆく おれは角力の 鬼になる 想い出すまい 故郷のことは 晴れて錦を 飾るまで 「姐さん…わしはあんたのような親切な人に 出逢ったのは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬために わしが出世して 幕内に入ろうが三役になろうが 横綱を張るまでは どんな事があっても 駒形茂兵エで押し通します」 利根の川風 身に沁みて つくり笑いの 日を送る 繻子のだるまは 七転び 八起き浮世も 捨てばちなれど 花の情けは まだ枯れぬ 「お鳶さん…達者で何よりでござんした 十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時約束したように 大手を振って姐さんの前に 出られた義理じゃござんせんが 一目だけでも無事な姿を見た上で お礼の言葉を云いてえと 恥をしのんで尋ねてまいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすったか 十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざしに きんちゃくぐるみ 恵んで貰った姐さんに 見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の しがねえ姿の…土俵入りでござんす」 化粧まわしは 夢の夢 今は素袷 三度笠 西に東に 渡り鳥 誰に見せよか 駒形茂兵エ 一本刀の 土俵入り | 島津亜矢 | 高月ことば | 村沢良介 | | 男度胸の 人生を 土俵ひとすじ 生きてゆく おれは角力の 鬼になる 想い出すまい 故郷のことは 晴れて錦を 飾るまで 「姐さん…わしはあんたのような親切な人に 出逢ったのは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬために わしが出世して 幕内に入ろうが三役になろうが 横綱を張るまでは どんな事があっても 駒形茂兵エで押し通します」 利根の川風 身に沁みて つくり笑いの 日を送る 繻子のだるまは 七転び 八起き浮世も 捨てばちなれど 花の情けは まだ枯れぬ 「お鳶さん…達者で何よりでござんした 十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時約束したように 大手を振って姐さんの前に 出られた義理じゃござんせんが 一目だけでも無事な姿を見た上で お礼の言葉を云いてえと 恥をしのんで尋ねてまいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすったか 十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざしに きんちゃくぐるみ 恵んで貰った姐さんに 見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の しがねえ姿の…土俵入りでござんす」 化粧まわしは 夢の夢 今は素袷 三度笠 西に東に 渡り鳥 誰に見せよか 駒形茂兵エ 一本刀の 土俵入り |
富士樹齢百年 そびえる幹も ちいさな芽から はじまった 裸一貫 何にもなけりゃ 何でもできるよ ねえあんた 遥かに見える 富士山を てのひらに乗せて 春を待つ 月の満ち欠け 流れる星も 大きな天の 懐(ふところ)で 夢に一筋 こうだと決めりゃ 何とかなるさと 腹くくれ 遥かに見える 富士山を てのひらで掴み 夏をゆく ひとみ凝らして 見えないものは ひとみを閉じて 胸に訊く 男一匹 勝負の時は 私の命も さあ賭けろ 遥かに見える 富士山に てのひらを伸ばし 冬を越す | 島津亜矢 | 田久保真見 | 岡千秋 | 伊戸のりお | 樹齢百年 そびえる幹も ちいさな芽から はじまった 裸一貫 何にもなけりゃ 何でもできるよ ねえあんた 遥かに見える 富士山を てのひらに乗せて 春を待つ 月の満ち欠け 流れる星も 大きな天の 懐(ふところ)で 夢に一筋 こうだと決めりゃ 何とかなるさと 腹くくれ 遥かに見える 富士山を てのひらで掴み 夏をゆく ひとみ凝らして 見えないものは ひとみを閉じて 胸に訊く 男一匹 勝負の時は 私の命も さあ賭けろ 遥かに見える 富士山に てのひらを伸ばし 冬を越す |
温故知新ながい道程(みちのり) 歯をくいしばり やっとここまで 歩いてきたな ごらん空には 流れ雲 背のびしないで 暮らそじゃないか 人生まだまだ いいことあるさ! 勝った負けたは 他人の値踏み いつか誰かが 教えてくれた 塩をつかんで 枯れ枝に まけば梅の香 ほろりと匂う 濃いめの人情で 行こうじゃないか! どんな時代も 肩よせあって 俺とおまえは ぶれずに生きる 温故知新だ 人の道 握りこぶしは 心でにぎり 笑顔が一番 自然でいいな! | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 原譲二 | | ながい道程(みちのり) 歯をくいしばり やっとここまで 歩いてきたな ごらん空には 流れ雲 背のびしないで 暮らそじゃないか 人生まだまだ いいことあるさ! 勝った負けたは 他人の値踏み いつか誰かが 教えてくれた 塩をつかんで 枯れ枝に まけば梅の香 ほろりと匂う 濃いめの人情で 行こうじゃないか! どんな時代も 肩よせあって 俺とおまえは ぶれずに生きる 温故知新だ 人の道 握りこぶしは 心でにぎり 笑顔が一番 自然でいいな! |
お吉ひどい!ひどいじゃございませんか いくら私がハリスさんの処へ行く事を 承知したからといって… 涙を積み荷の 黒船が おんなの運命(さだめ)を変えました 浜に浜木綿 咲いたけど 泣いて爪噛む 爪木崎 伊豆はしぐれる 下田は曇る ああ お吉は 辛(つ)ろうございます 鶴さんそりゃァ あんまりだァ たとえ 天城の山が崩れても このお吉を 離すもんかと言った あれは嘘だったのかい あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい 夢さ 夢にきまってるよ… お酒よおまえに 罪はない この世の仕組みに 毒がある うわさ指さす 石つぶて 耐えて下田の 糸やなぎ 生きる証の 灯りがほしい ああ お吉に 明日は見えません あゝ お酒がほしいよう お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ 愚痴も涙も涸れ果てました あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ 名もない路傍の 草だって 季節が巡れば 春の顔 破れ三味線 黄八丈 泣くな下田の 明け烏 夢の続きは あの世とやらで ああ お吉は もう泣きません あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね | 島津亜矢 | 志賀大介 | 村沢良介 | 池多孝春 | ひどい!ひどいじゃございませんか いくら私がハリスさんの処へ行く事を 承知したからといって… 涙を積み荷の 黒船が おんなの運命(さだめ)を変えました 浜に浜木綿 咲いたけど 泣いて爪噛む 爪木崎 伊豆はしぐれる 下田は曇る ああ お吉は 辛(つ)ろうございます 鶴さんそりゃァ あんまりだァ たとえ 天城の山が崩れても このお吉を 離すもんかと言った あれは嘘だったのかい あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい 夢さ 夢にきまってるよ… お酒よおまえに 罪はない この世の仕組みに 毒がある うわさ指さす 石つぶて 耐えて下田の 糸やなぎ 生きる証の 灯りがほしい ああ お吉に 明日は見えません あゝ お酒がほしいよう お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ 愚痴も涙も涸れ果てました あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ 名もない路傍の 草だって 季節が巡れば 春の顔 破れ三味線 黄八丈 泣くな下田の 明け烏 夢の続きは あの世とやらで ああ お吉は もう泣きません あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね |
夏つばき彩(いろ)めく夏の 訪れを 教えてくれる 一夜花(いちやばな) やさしさだけを 置き去りに 白い花びら 夏つばき ぽとりと 落ちました こらえきれずに 私は泣いた 獣みたいに 泣きました こころの全てを 投げだした いのちを燃やす 恋でした 消えない傷を 知りながら 微笑みくれた ひとでした かすかに残る ぬくもりは 私ひとりの 胸の中 誰にも 渡さない 心ちぎって 私は泣いた 獣みたいに 泣きました あんなにきれいな 夏つばき どうしてひとり 散り急ぐ こらえきれずに 私は泣いた 獣みたいに 泣きました こころの全てを 投げだした いのちを燃やす 恋でした | 島津亜矢 | 喜多條忠 | 弦哲也 | 南郷達也 | 彩(いろ)めく夏の 訪れを 教えてくれる 一夜花(いちやばな) やさしさだけを 置き去りに 白い花びら 夏つばき ぽとりと 落ちました こらえきれずに 私は泣いた 獣みたいに 泣きました こころの全てを 投げだした いのちを燃やす 恋でした 消えない傷を 知りながら 微笑みくれた ひとでした かすかに残る ぬくもりは 私ひとりの 胸の中 誰にも 渡さない 心ちぎって 私は泣いた 獣みたいに 泣きました あんなにきれいな 夏つばき どうしてひとり 散り急ぐ こらえきれずに 私は泣いた 獣みたいに 泣きました こころの全てを 投げだした いのちを燃やす 恋でした |
父娘坂(おやこざか)山に山風 野原に野風 親の心に 別れ風 蝶よ花よと 育てた娘 今日は嫁入り つのかくし 越えて行くのか 峠道 送る涙の イヤー 父娘坂 父娘坂 誰が唄うか 娘の為に じんと身にしむ 祝い唄 細い目もとは 母さんゆずり とてもきれいな 晴れ姿 鈴を鳴らして 馬の背に ゆれて越えるか イヤー 父娘坂 父娘坂 親が許した やさしい人に やっともらわれ となり村 何もお前に やれないけれど せめて自慢の お立ち酒 無事で倖せ つかみなと 祈りつづける イヤー 父娘坂 父娘坂 | 島津亜矢 | 臼井ひさし | 稲毛康人 | | 山に山風 野原に野風 親の心に 別れ風 蝶よ花よと 育てた娘 今日は嫁入り つのかくし 越えて行くのか 峠道 送る涙の イヤー 父娘坂 父娘坂 誰が唄うか 娘の為に じんと身にしむ 祝い唄 細い目もとは 母さんゆずり とてもきれいな 晴れ姿 鈴を鳴らして 馬の背に ゆれて越えるか イヤー 父娘坂 父娘坂 親が許した やさしい人に やっともらわれ となり村 何もお前に やれないけれど せめて自慢の お立ち酒 無事で倖せ つかみなと 祈りつづける イヤー 父娘坂 父娘坂 |
眦生きる覚悟と 死ぬ覚悟 悔しなみだは おのれの糧さ 勝たねばならない 人生だけど 負けたあいつの 痛みもわかる 花と咲かせよ 花と あゝ生きてゆく つらいがまんが あればこそ 勝負どころに 気合がこもる 握った拳の その手の中に 何を残すか 魂ひとつ いのち燃やせよ いのち あゝ風が吹く 強きゃいいさと 云う奴に 見せてやりたい 心と情け 真の値打ちは 他人が決める おれは行くのさ おのれの道を 熱い眦 熱い あゝ滾らせて | 島津亜矢 | 久仁京介 | 原譲二 | 遠山敦 | 生きる覚悟と 死ぬ覚悟 悔しなみだは おのれの糧さ 勝たねばならない 人生だけど 負けたあいつの 痛みもわかる 花と咲かせよ 花と あゝ生きてゆく つらいがまんが あればこそ 勝負どころに 気合がこもる 握った拳の その手の中に 何を残すか 魂ひとつ いのち燃やせよ いのち あゝ風が吹く 強きゃいいさと 云う奴に 見せてやりたい 心と情け 真の値打ちは 他人が決める おれは行くのさ おのれの道を 熱い眦 熱い あゝ滾らせて |
道誰もほんとは ないものねだり 無理をとおせば はじかれる 断つこと出来ない こころの絆 恩は刻めよ 恨みはながせ 道に迷って 道を知る なにも云わずに 差し出すその手 いつか縁(よすが)の 実を結ぶ たがいを相見る こころの絆 傷もあるから 情けもしみる かよう血潮の あたたかさ 裸一貫 生まれたからにゃ 莫迦を承知で 進むだけ いのちを通わす こころの絆 義理も情けも すたれちゃならぬ めぐりめぐるが 人の道 | 島津亜矢 | 久仁京介 | 岡千秋 | 丸山雅仁 | 誰もほんとは ないものねだり 無理をとおせば はじかれる 断つこと出来ない こころの絆 恩は刻めよ 恨みはながせ 道に迷って 道を知る なにも云わずに 差し出すその手 いつか縁(よすが)の 実を結ぶ たがいを相見る こころの絆 傷もあるから 情けもしみる かよう血潮の あたたかさ 裸一貫 生まれたからにゃ 莫迦を承知で 進むだけ いのちを通わす こころの絆 義理も情けも すたれちゃならぬ めぐりめぐるが 人の道 |
阿吽の花紫陽花を 紫陽花を ひとまず白に 染める雨 やがて七彩 変えてゆく 合わす目と目で 互いはわかる 以心伝心 阿吽の花は 言の葉いらずの こころ花 身を尽くし 身を尽くし しくじることは 仕方ない 馬鹿じゃなれない 馬鹿になる 「あ」から始まり 「うん」で終わる それが人生 阿吽の花は 寄せあうふたりの ひとつ花 分かちあい 分かちあい 想いがふれて 出会うもの それがぬくもり ほのぼのと 云うにいわれぬ 綾なす模様 人情(にんじょ)一輪 阿吽の花は いのちを通わす こころ花 | 島津亜矢 | 久仁京介 | 村沢良介 | 丸山雅仁 | 紫陽花を 紫陽花を ひとまず白に 染める雨 やがて七彩 変えてゆく 合わす目と目で 互いはわかる 以心伝心 阿吽の花は 言の葉いらずの こころ花 身を尽くし 身を尽くし しくじることは 仕方ない 馬鹿じゃなれない 馬鹿になる 「あ」から始まり 「うん」で終わる それが人生 阿吽の花は 寄せあうふたりの ひとつ花 分かちあい 分かちあい 想いがふれて 出会うもの それがぬくもり ほのぼのと 云うにいわれぬ 綾なす模様 人情(にんじょ)一輪 阿吽の花は いのちを通わす こころ花 |
凛しんどいくらいで ちょうどいい 汗は知ってる しあわせを 泣いて笑って 悲喜こもごもの 味が教える 人の道 ごらん健気に 向日葵は お陽さま仰いで 凛と咲く 足元とられる 雨上がり 虹立つ空にも 気づかない 勝った負けたの 世間に染まず こころ濁さず いたいもの いつか時節は やってくる 春を待つなら 凛として 他人としあわせ 比べない 嘘ははなから 好まない 歩きゃつまずく 走れば転ぶ 千里万里も まず一歩 そうさ曲がらぬ 不器用を 己に諭(さと)して 凛と立つ | 島津亜矢 | 久仁京介 | 四方章人 | 南郷達也 | しんどいくらいで ちょうどいい 汗は知ってる しあわせを 泣いて笑って 悲喜こもごもの 味が教える 人の道 ごらん健気に 向日葵は お陽さま仰いで 凛と咲く 足元とられる 雨上がり 虹立つ空にも 気づかない 勝った負けたの 世間に染まず こころ濁さず いたいもの いつか時節は やってくる 春を待つなら 凛として 他人としあわせ 比べない 嘘ははなから 好まない 歩きゃつまずく 走れば転ぶ 千里万里も まず一歩 そうさ曲がらぬ 不器用を 己に諭(さと)して 凛と立つ |
心大事なものほど 根っこのように 見えぬところで ささえてる 莫迦(ばか)でいいのさ 心があれば 心があれば 拾うなさけの まわり道 空にゃお陽さま 見つめてる 人目にふれない 路傍(ろぼう)の花は 咲いて奢(おご)らず 美しい 才があっても 心がなけりゃ 心がなけりゃ 事は成せない 果たせない 人が咲かせぬ 花になる 悠々堂々 でっかい山を 載(の)せて大地は ゆるぎない 急がず行こうか 心があれば 心があれば 越えてゆけるさ 浮世坂 生きた証しは ついてくる | 島津亜矢 | 久仁京介 | 岡千秋 | 丸山雅仁 | 大事なものほど 根っこのように 見えぬところで ささえてる 莫迦(ばか)でいいのさ 心があれば 心があれば 拾うなさけの まわり道 空にゃお陽さま 見つめてる 人目にふれない 路傍(ろぼう)の花は 咲いて奢(おご)らず 美しい 才があっても 心がなけりゃ 心がなけりゃ 事は成せない 果たせない 人が咲かせぬ 花になる 悠々堂々 でっかい山を 載(の)せて大地は ゆるぎない 急がず行こうか 心があれば 心があれば 越えてゆけるさ 浮世坂 生きた証しは ついてくる |
かあちゃん最後にかあちゃんと 話しをしたのは 木枯らし吹き荒れる 二月半ばの寒い夜 小さなかあちゃんが ひび割れた手で 背中丸め寒い中 おれに酒買うて来てくれた そんな優しいかあちゃんが 風邪を引くなと寝る前に 湯たんぽ入れてくれたのに 口を閉じて冷たくなったのは 粉雪ちらつく 夜明け前だった いつもかあちゃんは 素顔のままだった 通夜(さいご)の夜はおれの手で 薄化粧させてくれ いつもかあちゃんに 苦労かけてきた 最後に紅をつけた時 優しい笑みを浮かべてた 明日には旅立つかあちゃんの 側に今夜はいたいのさ かあちゃん聞こえるかい 最後のわがままを おれとかあちゃんの 思い出話しを いっぱいいっぱい 話すから聞いてくれ いつかおれも 天国へいったなら 親孝行するからそれまで のんびり暮らしてな | 島津亜矢 | 増田空人 | 増田空人 | 田代修二 | 最後にかあちゃんと 話しをしたのは 木枯らし吹き荒れる 二月半ばの寒い夜 小さなかあちゃんが ひび割れた手で 背中丸め寒い中 おれに酒買うて来てくれた そんな優しいかあちゃんが 風邪を引くなと寝る前に 湯たんぽ入れてくれたのに 口を閉じて冷たくなったのは 粉雪ちらつく 夜明け前だった いつもかあちゃんは 素顔のままだった 通夜(さいご)の夜はおれの手で 薄化粧させてくれ いつもかあちゃんに 苦労かけてきた 最後に紅をつけた時 優しい笑みを浮かべてた 明日には旅立つかあちゃんの 側に今夜はいたいのさ かあちゃん聞こえるかい 最後のわがままを おれとかあちゃんの 思い出話しを いっぱいいっぱい 話すから聞いてくれ いつかおれも 天国へいったなら 親孝行するからそれまで のんびり暮らしてな |
海鳴りの詩五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の シワが男の 五線紙だ 明るい娘に 育てたことが 冥土の母ちゃんへ でかい土産だと 笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女 死んだあとまで 恋女房 世間の女が カボチャに見えて ヤモメを通したね 男盛りをよ いばる親父の 胸から腕(かいな)から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 母親知らずに 嫁いだ娘 無事に女房を してるやら 初孫祝って 酒のむまでは 倒れちゃなるまいと 波に揺れながら 力む親父の 舟から帆綱から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 船村徹 | | 五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の シワが男の 五線紙だ 明るい娘に 育てたことが 冥土の母ちゃんへ でかい土産だと 笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女 死んだあとまで 恋女房 世間の女が カボチャに見えて ヤモメを通したね 男盛りをよ いばる親父の 胸から腕(かいな)から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー 母親知らずに 嫁いだ娘 無事に女房を してるやら 初孫祝って 酒のむまでは 倒れちゃなるまいと 波に揺れながら 力む親父の 舟から帆綱から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー |
演歌桜生まれ火の国 あとにして たどる炎の 歌の道 親のこころを 胸に抱き 越える苦労の 幾山河(いくやまかわ)よ 演歌一節 アンアアンアンアン きかせます 雨は降る降る 陣羽は濡れる 越すに越されぬ 田原坂 海は不知火 燃える波 夢をゆさぶる 阿蘇の山 花も嵐も くぐりぬけ 恋のつらさは この身の艶(つや)に 歌は真実(まこと)の アンアアンアンアン 亜矢節さ 肥後のもっこす ご贔屓(ひいき)に 声も千両の 晴れ舞台 人の情けを ふところに 音頭とる手に 桜も咲いて 演歌一筋 アンアアンアンアン たのみます | 島津亜矢 | 新本創子 | 三島大輔 | | 生まれ火の国 あとにして たどる炎の 歌の道 親のこころを 胸に抱き 越える苦労の 幾山河(いくやまかわ)よ 演歌一節 アンアアンアンアン きかせます 雨は降る降る 陣羽は濡れる 越すに越されぬ 田原坂 海は不知火 燃える波 夢をゆさぶる 阿蘇の山 花も嵐も くぐりぬけ 恋のつらさは この身の艶(つや)に 歌は真実(まこと)の アンアアンアンアン 亜矢節さ 肥後のもっこす ご贔屓(ひいき)に 声も千両の 晴れ舞台 人の情けを ふところに 音頭とる手に 桜も咲いて 演歌一筋 アンアアンアンアン たのみます |
元禄名槍譜 俵星玄蕃槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜 姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残りに 見ておけよ 俵崩しの 極意の一手 これが餞(はなむ)け 男の心 涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓。 「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、 響くは山鹿流儀の陣太鼓、しかも一打ち二打ち 三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え、おう、 正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ、 助太刀するは此の時ぞ、 もしやその中にひるま別れた あのそば屋が居りわせぬか、 名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢(じゅんばん)に身を固めて、 段小倉の袴、股立ち高く取り上げし 白綾たたんで後ろ鉢巻き眼のつる如く、 なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に踏み出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を 蹴立てて行く手は松坂町…」 吉良の屋敷に来て見れば、 今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助(くらのすけ)。 見つけて駆け寄る俵星が、 天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は 深き御恩はこの通り、 厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有難し、 かかる折しも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、 サク、サク、サク、――、 『先生』 『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、 襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、 わしが教えたあの極意、 命惜しむな名をこそ惜しめ、 立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。 赤穂浪士に邪魔する奴は何人(なにびと) たりとも通さんぞ、 橋のたもとで石突き突いて、 槍の玄蕃は仁王立ち。 打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る | 島津亜矢 | 北村桃児 | 長津義司 | | 槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜 姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残りに 見ておけよ 俵崩しの 極意の一手 これが餞(はなむ)け 男の心 涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓。 「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、 響くは山鹿流儀の陣太鼓、しかも一打ち二打ち 三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え、おう、 正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ、 助太刀するは此の時ぞ、 もしやその中にひるま別れた あのそば屋が居りわせぬか、 名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢(じゅんばん)に身を固めて、 段小倉の袴、股立ち高く取り上げし 白綾たたんで後ろ鉢巻き眼のつる如く、 なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に踏み出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を 蹴立てて行く手は松坂町…」 吉良の屋敷に来て見れば、 今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助(くらのすけ)。 見つけて駆け寄る俵星が、 天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は 深き御恩はこの通り、 厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有難し、 かかる折しも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、 サク、サク、サク、――、 『先生』 『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、 襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、 わしが教えたあの極意、 命惜しむな名をこそ惜しめ、 立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。 赤穂浪士に邪魔する奴は何人(なにびと) たりとも通さんぞ、 橋のたもとで石突き突いて、 槍の玄蕃は仁王立ち。 打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る |
大器晩成枝を張るのは まだ早い いまはしっかり 根をのばせ 大器晩成 あしたにかける 夢と希望の 大空を 雲が流れる 悠々と まぐれ当たりも あるけれど それを狙えば 遠まわり 大器晩成 地道(じみち)な努力 ものをいう日が くるまでは 牛の歩みを くりかえせ 笑うときには 豪快に 嘘も真実(まこと)の 一里塚 大器晩成 ただまっしぐら 若く凛々(りり)しい 足跡を 刻みつけよう この大地(だいち) | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 原譲二 | 南郷達也 | 枝を張るのは まだ早い いまはしっかり 根をのばせ 大器晩成 あしたにかける 夢と希望の 大空を 雲が流れる 悠々と まぐれ当たりも あるけれど それを狙えば 遠まわり 大器晩成 地道(じみち)な努力 ものをいう日が くるまでは 牛の歩みを くりかえせ 笑うときには 豪快に 嘘も真実(まこと)の 一里塚 大器晩成 ただまっしぐら 若く凛々(りり)しい 足跡を 刻みつけよう この大地(だいち) |
縁(えにし)なんで実がなる 花よりさきに 浮世無情の 裏表 今は吹く風 沁みるとも 交わす目と目で 支えあう そっと寄り添う 影にさえ 明日が見えます 人世坂 心なくして どうして分かる 人の真実(ほんと)の その値打ち 意地を通して 泣こうとも 手酌貧乏 させません なさけ拾って 遠まわり バカもいいもの 人世坂 人の一生 折り合うように 出来ていますね 誰だって みんな縁から 始まって 「あなた」「おまえ」と 二人づれ 生きる姿の 中にこそ 道は見えます 人世坂 | 島津亜矢 | 坂口照幸 | 水森英夫 | 南郷達也 | なんで実がなる 花よりさきに 浮世無情の 裏表 今は吹く風 沁みるとも 交わす目と目で 支えあう そっと寄り添う 影にさえ 明日が見えます 人世坂 心なくして どうして分かる 人の真実(ほんと)の その値打ち 意地を通して 泣こうとも 手酌貧乏 させません なさけ拾って 遠まわり バカもいいもの 人世坂 人の一生 折り合うように 出来ていますね 誰だって みんな縁から 始まって 「あなた」「おまえ」と 二人づれ 生きる姿の 中にこそ 道は見えます 人世坂 |
独楽(こま)嘘とまことが 絡み合い しゃれじゃ通らぬ この世間 独楽は心棒 こころも心棒 七つ八つと 転んで起きて つまずき怖れぬ それでいい 手前勝手に 力(りき)んでも ひとりぼっちじゃ 廻れない 独楽は心棒 こころも心棒 損か得かで 動いてなるか 情けと絆で 動きたい 雨が降っても 乾いても いのちいっぱい 花は咲く 独楽は心棒 こころも心棒 軸をしっかり 本気に据えりゃ 己に勝てると 独楽がいう | 島津亜矢 | 久仁京介 | 岡千秋 | 丸山雅仁 | 嘘とまことが 絡み合い しゃれじゃ通らぬ この世間 独楽は心棒 こころも心棒 七つ八つと 転んで起きて つまずき怖れぬ それでいい 手前勝手に 力(りき)んでも ひとりぼっちじゃ 廻れない 独楽は心棒 こころも心棒 損か得かで 動いてなるか 情けと絆で 動きたい 雨が降っても 乾いても いのちいっぱい 花は咲く 独楽は心棒 こころも心棒 軸をしっかり 本気に据えりゃ 己に勝てると 独楽がいう |
流れて津軽よされよされと しばれて積もる 雪はおんなの 恨み花 三味は抱いても 情けは抱けぬ みれん深浦 鯵ヶ沢 よされ よされと… 流れて津軽 よされよされと 吹雪いて見えぬ 三味をたよりの くどき唄 雪の向こうに かくれた春を せめて手さぐり 五所川原 よされ よされと… 流れて津軽 よされ よされと… 流れて津軽 | 島津亜矢 | 松井由利夫 | チコ早苗 | 南郷達也 | よされよされと しばれて積もる 雪はおんなの 恨み花 三味は抱いても 情けは抱けぬ みれん深浦 鯵ヶ沢 よされ よされと… 流れて津軽 よされよされと 吹雪いて見えぬ 三味をたよりの くどき唄 雪の向こうに かくれた春を せめて手さぐり 五所川原 よされ よされと… 流れて津軽 よされ よされと… 流れて津軽 |
愛染かつらをもう一度花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります いつかいっしょに 唄いましょうね 愛染かつらを もう一度 灯りさざめく 東京の 日暮れは夢の 吹き溜まり 父さん私は あなたの娘 負けはしないと 唇を 噛めば心に 聞こえてきます 愛染かつらの あの歌が 真実(まこと)つくした男道 破れたけれど 悔いはない 俺にはかわいい おまえがいると 酔えば口癖 お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでも | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 新井利昌 | | 花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります いつかいっしょに 唄いましょうね 愛染かつらを もう一度 灯りさざめく 東京の 日暮れは夢の 吹き溜まり 父さん私は あなたの娘 負けはしないと 唇を 噛めば心に 聞こえてきます 愛染かつらの あの歌が 真実(まこと)つくした男道 破れたけれど 悔いはない 俺にはかわいい おまえがいると 酔えば口癖 お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでも |
感謝状 ~母へのメッセージ~ひとりだけの とき 誰もいない とき そっと小声で 呼ぶのです お母さん お母さん 呼んでいる内に 口の中が 甘く切なく なるのです お母さん お母さん あとになり さきになり 歩いた 砂山 あとになり さきになり さがした しあわせの星 お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう 旅に泣いた とき とても寒い とき 窓に名前を 書くのです お母さん お母さん 書いている内に 胸は晴れて 生きる希望を みつけます お母さん お母さん あとになり さきになり 連れとぶ かもめは あとになり さきになり あなたと さがした倖せ お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう あなたに贈る 感謝状 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 弦哲也 | | ひとりだけの とき 誰もいない とき そっと小声で 呼ぶのです お母さん お母さん 呼んでいる内に 口の中が 甘く切なく なるのです お母さん お母さん あとになり さきになり 歩いた 砂山 あとになり さきになり さがした しあわせの星 お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう 旅に泣いた とき とても寒い とき 窓に名前を 書くのです お母さん お母さん 書いている内に 胸は晴れて 生きる希望を みつけます お母さん お母さん あとになり さきになり 連れとぶ かもめは あとになり さきになり あなたと さがした倖せ お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう あなたに贈る 感謝状 |
帰らんちゃよかそらぁときどきゃ 俺たちも 淋しか夜ば過ごすこつも あるばってん 二人きりの 暮らしも長うなって これがあたりまえのごつ 思うよ どこかの誰かれが 結婚したとか かわいか孫のできたて聞くとも もう慣れた ぜいたくば言うたら きりんなか 元気でおるだけ 幸せと思わんなら それでどうかい うまくいきよっとかい 自分のやりたかこつば 少しはしよっとかい 心配せんでよか 心配せんでよか けっこう二人で けんかばしながら暮らしとるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 母ちゃんもおまえのこつは わかっとるけん そらぁときどきゃ 帰ってきたり ちょこちょこ電話ばかけてくるとは うれしかよ それにしたって 近頃やさしゅなったね なんか弱気になっとっとじゃ なかつかい 田舎があるけん だめなら戻るけん 逃げ道にしとるだけなら 悲しかよ 親のためとか 年のせいとか そぎゃんこつば 言訳にすんなよ それでどうかい 都会は楽しかかい 今頃後悔しとっとじゃ なかっかい 心配せんでよか 心配せんでよか 父ちゃんたちゃ 二人でなんとか暮らしてゆけるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 今度みかんばいっぱい 送るけん 心配せんでよか 心配せんでよか 親のために おまえの生き方かえんでよか どうせおれたちゃ 先に逝くとやけん おまえの思うたとおりに 生きたらよか | 島津亜矢 | 関島秀樹 | 関島秀樹 | 南郷達也 | そらぁときどきゃ 俺たちも 淋しか夜ば過ごすこつも あるばってん 二人きりの 暮らしも長うなって これがあたりまえのごつ 思うよ どこかの誰かれが 結婚したとか かわいか孫のできたて聞くとも もう慣れた ぜいたくば言うたら きりんなか 元気でおるだけ 幸せと思わんなら それでどうかい うまくいきよっとかい 自分のやりたかこつば 少しはしよっとかい 心配せんでよか 心配せんでよか けっこう二人で けんかばしながら暮らしとるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 母ちゃんもおまえのこつは わかっとるけん そらぁときどきゃ 帰ってきたり ちょこちょこ電話ばかけてくるとは うれしかよ それにしたって 近頃やさしゅなったね なんか弱気になっとっとじゃ なかつかい 田舎があるけん だめなら戻るけん 逃げ道にしとるだけなら 悲しかよ 親のためとか 年のせいとか そぎゃんこつば 言訳にすんなよ それでどうかい 都会は楽しかかい 今頃後悔しとっとじゃ なかっかい 心配せんでよか 心配せんでよか 父ちゃんたちゃ 二人でなんとか暮らしてゆけるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 今度みかんばいっぱい 送るけん 心配せんでよか 心配せんでよか 親のために おまえの生き方かえんでよか どうせおれたちゃ 先に逝くとやけん おまえの思うたとおりに 生きたらよか |