松室政哉
これっきりのLove you
2026年7月15日に“松室政哉”が4th EP『これっきりのLove you』をリリースしました。シンガーソングライター・来島エルをフィーチャリングした楽曲「纏い feat.来島エル」を含め、「言葉も感情も溢れる時代に、探せばいつでも見つけられる一等星のような曲になれば」という思いが込められた全4曲が収録されております。
さて、今日のうたではそんな“松室政哉”による歌詞エッセイを3週連続でお届けします。最終回は、収録曲「 これっきりのLove you 」にまつわるお話です。よくもわるくも、人間の感情が可視化されやすい現代。ストレートに何かを伝えられる今だからこそ、大切にしたいものは…。
「これっきりのLove you」は、日本の昭和歌謡へのオマージュとして作った曲だ。
あの時代の楽曲は恋や愛について、とにかく大げさに、ど真面目に、そして情熱的に歌っていた。
「愛してる」という言葉を疑いも逃げもせず、真正面から投げかけてくる。
その姿に僕は昔から惹かれていた。
もちろん、「昔はよかった」という話をしたいわけではない。
時代が一周したとも思っていない。
最近は「ストレートに気持ちを言いにくい時代」という言葉を耳にすることがある。
でも、自分はあまりそうは思っていない。
例えばSNSを見ていると、むしろみんな驚くほど率直だ。
怒り、不安、違和感。
それぞれが自分の言葉でちゃんと外に出している。
混沌とした世の中ではあるけれど、一人ひとりの感情自体は、かなりはっきりと可視化されているように思う。
ただ、その中でどうしても目についてしまうのがネガティブな言葉だ。
人は負の感情に共感しやすい生き物だということは理解している。
でも、誰かを傷つけたり陥れたりする言葉に触れるたび、やっぱり少し寂しい気持ちになる。
せっかくストレートに何かを伝えられる時代なら、それはもっとポジティブなものであってもいいんじゃないか。
そんな思いが、このEPを作る出発点になった。
だから今回は、昭和歌謡の「感情を言い切る」という表現を借りて、今だからこそストレートに愛を歌ってみたかった。
歌い方や唱法をなぞるというよりも、「気持ちを真正面から差し出す」という姿勢に惹かれたのだと思う。
サウンドも同じ発想で作っている。
温かさや人肌感のあるアレンジは、歌詞にある「覚悟」や「感謝」という言葉を過剰に演出せず、そのまま受け止めるための器のようなもの。
まさに、僕ら人間の体温に近い温度感。
この曲が言葉も感情も溢れるこの時代に、探せばいつでも見つけられる一等星のような曲になればいい。
そんな願いを込めて。
<松室政哉>
◆紹介曲「 これっきりのLove you 」 作詞:金木和也 作曲:松室政哉
◆4th EP『これっきりのLove you』
2026年7月15日発売
<収録曲>
1. これっきりの Love you
2. 纏い feat. 来島エル
3. 嘘つきボレロ
4. 愛なんて