奥華子
歌詞を書くということ
2026年7月22日に“奥華子”がデビュー20周年を記念するニューアルバム『会いたいと思えること』をリリース。今作は、約7年ぶりのオリジナルアルバム。CDには全12曲が収録され、完全限定豪華盤・初回盤・通常盤の3形態でのリリースとなります。
さて、今日のうたではそんな“奥華子”による歌詞エッセイを3日連続でお届けします。第2弾は自身にとっての、歌詞を書くということについて綴っていただきました。17歳で初めて歌詞を書いたあの日から、今も変わらず歌詞を書き続ける理由とは…。
17歳のときに初めて書いた歌詞は「片想い」という曲で、当時好きだった人のことを想って、日記を書くように何の迷いもなく書いたのを覚えている。
作詞に興味があったとか、歌手になりたいとかではなく、ピアノを弾きながら自分の思いを言葉にして歌う事が楽しくて、何よりそれを友人に聞いてもらった時に、凄く褒めてもらえた事が嬉しかったのを覚えている。
それからも特に音楽をたくさん聴いたり、歌を歌うことが大好きという感じでもなく、やっぱり自分の作ったものが褒められるのが嬉しくて、夢中で作っていた。
なぜそんなに褒められたかったのだろうか。
なんでも話せる友達がいて、恋することに恋をして好きな人のことで頭がいっぱいになっていたような学生時代だったけれど、自分という存在にいつも不安を感じていたのかもしれない。自分にしかないものをいつも探して迷ってばかりだった。
何をしても続かなかったり飽きていたけれど、歌を作る事だけは続けられた。それはきっと、歌詞を褒められることは、自分自身を褒められるよりも、もっと心の深い部分を理解してもらえたような気がして嬉しかったから。
歌詞を誰かに共感してもらえることが何よりも自信になっていたのだった。
あれから数十年たった今はどうかというと、結局同じように、悩み迷いながら、誰かに共感してもらいたくて、褒められたくて書いているのだなと思う。
すべてが実体験というわけではないけれど、歌詞を書くということは、自分自身の心の内側と向き合う時間だから、自分の情けなさとか、ダメさを目の当たりにして、しんどくなる時もあるけれど、自分で良いと思える歌詞が出来た時の喜びは、他の何にも変え難いものだなと思う。
これからもきっと、迷い悩みながら喜びはそのままに、自分の胸の痛みも悲しみも、やがては、いつか誰かを抱き締められる言葉になると信じて。
<奥華子>
◆ニューアルバム『会いたいと思えること』
2026年7月22日発売 <収録曲>
1 会いたいと思えること
2 僕を失くした日
3 向日葵
4 ガラクタの思い出
5 輪郭
6 あなたに出会えたことで
7 好きになってしまったものはしょうがない
8 車窓
9 宝石
10 まばたき
11 カナリア
12 奇跡のかたまり