TODAY SONGS

今日のうた

あたらよ/そうして超えた夜の先に散る茜を

あたらよ
そうして超えた夜の先に散る茜を

 2025年10月8日に“あたらよ”がNew Mini Album『泡沫の夢は幻に』をリリースしました。今作には、「雫」「ツキノフネ」「忘愛」をはじめとした全8曲が収録。ジャケット写真は、タイトルの世界観が幻想的に表現され、朧げな夢のイラストが印象的で、空や水面は収録されている楽曲それぞれを象徴しております。    さて、今日のうたではそんな“あたらよ”のひとみによる歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第2弾は、収録曲「 夜空を蝕んで 」にまつわるお話です。音楽制作中の自身を俯瞰して書いたこの歌。あたらよの楽曲はどのように生まれているのか…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 私はよく深夜に曲を書いています。曲を書くという行為は私にとってのデトックスであり、心の整理整頓の時間なのです。この「夜空を蝕んで」という曲は、まさにそんな制作中の自分を俯瞰して書いた曲になっています。   あたらよを組む少し前、恋愛の曲をひたすらに書いていた時期がありました。何か深い理由があってそうしていたというよりは、心の内からとめどなく溢れてくる不安や悲しみ、行き場のない怒りを曲にして消化することで、自分の心を守っていたように思います。衝動で曲を書くようになったのはその頃からでした。   あの頃は、たった1人「その人」にさえ届けばそれでいいと思って曲を書いていました。   もともと“素直になる”ってやつがあまり得意ではない私は、モヤッとした感情を上手く吐き出せずにいました。その結果、溜まりに溜まったフラストレーションにより、「この曲を聴いた貴方が、いっそ罪悪感で泣いてしまえばいい」ぐらいのとても強い、意地悪な気持ちで言葉を紡いでいました。でも、結局泣いていたのは私の方だったのです。   溢れてくる感情を、文字通り吐き出すようにして言葉にしていく過程の中で、自分も意図していなかった本音が口から飛び出た瞬間、涙が止まらなくなるのです。   歌えば歌うほど、「私本当はこう思ってたんだ」とか「これが言いたかったんだ」とか、感情の答え合わせがされていくんです。本音を誰かに話そうとすると、涙が止まらなくなるあの感覚と同じです。   あたらよの楽曲はどれも、こうした感情の爆発から生まれています。悲しみを食べて育つバンドは、悲しみだけじゃなく幾つもの夜空を蝕んで歩いてきました。   そうして超えた夜の先に散る茜を、私は美しいと思うのです。   <あたらよ・ひとみ> ◆紹介曲「 夜空を蝕んで 」 作詞:ひとみ 作曲:ひとみ・Soma Genda ◆New Mini Album『泡沫の夢は幻に』 2025年10月8日発売   <収録曲> 01 朝凪 02 ツキノフネ 03 夜空を蝕んで 04 忘愛 05 溺れている 06 雫 07 しないで 08 夢現、夏風薫る

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