
歌詞は全体を通して考えたいので、言わばオートクチュールのジャケット。
その曲以外が羽織ることは出来ないものだと思っています。
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Q1. 歌詞を書くことになった、最初のきっかけを教えてください。
自分でアーティスト活動をしていたので、歌詞を書くことはその流れで自然に行なっていました。
その時、一緒に曲を作ってくれていたSHIBU(同事務所の作家、相棒)のお手伝いの延長で音楽作家としてのキャリアがスタートしました。 -
Q2. 歌詞を書く時には、どんなところからインスピレーションを得ることが多いですか?
最近は意識せずに、普段生きていて思う事から得ることが多いです。というか、そうするようにしています。
過去には様々なものから曲や歌詞インスピレーションを得る為に本を読んだり、映画を観たりしていましたが、結局は楽しめなかった気がするので。 -
Q3. 普段、どのように歌詞を構成していきますか?
パターンは全く決まってないです。いつも思いついたところから始めます。
理想は、歌詞とメロディの同時進行なので、テーマが決まっていたりする場合はサビから始めることが多いかもしれませんね。他のセクションで「この歌詞、使ってたかー!」という習性は二度手間になるので。 -
Q4. お気に入りの仕事道具や、作詞の際に必要な環境、場所などがあれば教えてください。
必須で言うとiPhoneのメモ。
英語の歌詞を入れたい時は翻訳サイトも無くてはならないツールです。 -
Q5. ご自身が手掛けた歌詞に関して、今だから言える裏話、エピソードはありますか?
Kis-My-Ft2宮田君、玉森君のユニット曲でストーリー仕立ての3部作2作目の「星に願いを」という曲を書かせていただいたのですが、3作目の「運命」という曲も作詞させていただきました。「運命」の歌詞の中に「星に願いを」の歌詞も入れながら書いたのを覚えています。
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Q6. 自分が思う「良い歌詞」とは?
いっぱいあるのですが、例えば二つ以上の意味が成り立つものは素敵だと思いますし、いつも意識しています。
「文字で見た時に後から気付く歌詞」にも憧れがあります。
あとは時代を超えて当てはまっているものも、予言みたいで好きです。 -
Q7. 「やられた!」と思わされた1曲を教えてください。
前述の「時代を超えて~」という点において、反町隆史さんの「POISON」のサビの歌詞が、最近になって刺さりました。
この曲1998年にリリースされているのですが、2025年の今のほうがよりしっくり来る気がしています。 当時、人気絶頂の本人が作詞されているところも、凄く攻めの姿勢が伝わってきてグッと来たポイントです。
あとはBoAさんの「VALENTI」の<タイトなジーンズにねじ込む>も素晴らしいですね。
ただデニムを履いているだけの描写なのに、勝負に向かう姿勢や女性であることさえも伝わってきます。難しい言葉が一切ないのも素敵です。 -
Q8. 歌詞を書く際、よく使う言葉、
または、使わないように意識している言葉はありますか?よく使う言葉はよく使うように、普段あまり使わない言葉はより積極的に使うようにしています。
自分自身の癖や味も出しながら、キャパシティーも広げたいので。
とても欲張りな人間です。 -
Q9. 言葉を届けるために、アーティスト、クリエイターに求められる資質とは?
表現する側としては、言葉に音符が付いているのか、音符に言葉が付いているのかを嗅ぎ分けられる能力が大事で。また作り手側としては、その隔たりをなるべく感じさせないように作る能力があるほうが良いと思っています。
ですが昨今、そうして作られた自然で滑らかなプロダクトは、音楽業界に限らずAIでもコピー可能になっていくのかもしれません(倫理的にどうとかは置いておいて)。
反対に文法や耳障り的に間違ったポイントがある事こそが人間が作った証拠とも言えます。個人的には、「違和感すらも自分らしく、我が物顔で表現していくこと」が、実はこの先の時代に必要なのかなと感じています。 -
Q10. 歌詞を書きたいと思っている人へのアドバイスをお願いします。
歌詞は言葉だけではないからこそ面白いと思っています。是非、言葉を歌ってみることをお勧めします。





学生時代にヒップホップ集団・JIDAI MASTERを結成、その一員としてキャリアがスタート。その後クラブシンガーとして、関西圏のクラブを中心に年間100本以上のライブをこなす。
2010年に1stアルバム「I’m Still In Here」をリリース。R&B、ヒップホップをベースにしたストリート感あふれる楽曲群は、自身の強力な個性をアピールした。以後、現行のトレンドも柔軟に消化しながら4作のオリジナルアルバムと1作のベストアルバムを発売。そのいずれもが幅広い音楽ファンを虜にした。
また、「自分を知らない多くの人にも歌声を届けたい」という思いからストリートライブも積極的に実施。これによりファン層をさらに拡大させた。
近年では、その鋭いセンスとボーカルに特化したレコーディングスキルを武器に音楽作家としても活躍。 これまでにKing & Prince、なにわ男子、Aぇ! group、Kis-My-Ft2、超特急、ZIPANG OPERA、Sonar Pocket、中山優馬、斉藤壮馬らのアーティストに楽曲を提供し、更にコーラスワークも多数担当。自らの新しいポテンシャルを最大限に開花させている。