Re:name
one room
2026年3月25日に“Re:name”がニューアルバム『1626』をリリースしました。2016年に当時16歳の現メンバー3人で結成し、同メンバーで今年26歳になるという結成10周年に放たれた記念碑的なアルバム。この節目を飾る、珠玉の全8曲が収録(CDのみボーナストラック2曲収録)。Re:nameにしか鳴らせないポップロックの集大成を掲げ、次なる10年への旅が始まります。
さて、今日のうたではそんな“Re:name”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け!第1弾はヤマケンが執筆。綴っていただいたのは収録曲「 one room 」にまつわるお話です。自身の作詞法。そして、改めて向き合った“未練”という言葉についての気づきは…。
歌ネットをご覧のみなさん、こんにちは。Re:nameというバンドで一部楽曲の作詞とドラムを担当しております、ヤマケンです。
僕は普段作詞をするとき、ボーカルの作ったデモ曲にハマったフェイク英語(英語でも日本語でもない言語)の聞き間違いから書き始めます。先日リリースしたアルバム『1626』のリード曲「one room」で言うと、<吉祥寺のワンルーム>や<ねえ、BABY>の部分は聞き間違いからできた歌詞です。僕は東京に住んだこともなければ、関西から出たこともありません。だけど聞こえちゃったならしょうがない、東京の吉祥寺に住む主人公の歌として、歌詞を書き進めました。
ノートを広げ、聞き間違いから出たフレーズ同士を繋げて、埋めて、完成させていく。繋がらなかったらどうしよう、少しヒヤヒヤしながらも、いつも最後には大切なものが出来上がっています。自分を信じて、言葉と音に体を任せる。そのバランスが最近やっと分かってきたような気もしています。
そんな書き方をしているから、「曲を通して伝えたいこと」が書いている最中はあまり分かっていません。出来上がった歌詞を見て、「これはどういうことが書きたかった曲なんだろう」ということを考えます。音に体を預けて出てきた言葉には、普段考えていることが自然と詰まっていて、曲のことを考えると自分のことが分かったりもします。歌詞を書き終えた後は出来上がった曲を携えて毎日を過ごし、これはどういう曲なんだろう?ということを、生活の中で模索していくのです。
「未練」という言葉について、ここ最近ずっと考えていました。友人から聞いた「長く付き合って別れた彼女と街で偶然に会って、「元気にやってるよ」という少しの会話だけをした」という話が、とても素敵だなと思いました。過去に出会ってきた方やお付き合いをしてきた方に、元気にやってるよ、ということを伝えられたらいいだろうな、といつも思います。この気持ちってなんだか未練とは違う気がするな、なんてことを思っているときに書いていたのが「one room」。この曲を書き終えた後も、やっぱり今まで出会ったたくさんの人に聴いてほしくなりました。
うーん、と考えているうちに、これって未練というよりは、感謝に近いんじゃないかな、と思いました。誰かに教えてもらって、今も好きな歌があります。誰かに教えてもらって、作れるようになった料理があります。それは恋人だけではなく、すべての出会いに、です。そんなすべての日々や出会いの先に、今の自分がいて、「one room」という曲が書けた。そのことが自分はとても愛しく、「one room」を通して、その愛しさを書きたかったんだな、と思いました。
生活の中でそのことに気付いた瞬間があり、その瞬間を題材に短編小説を書きました。楽曲と同名タイトルの小説で、アルバムの初回封入特典に付属しています。その小説を題材にMusic Videoも作りました。ぜひ、そちらも観ていただきたいです。
今日会った友達が小説を読み、MVも観てくれていて「色々感想はあるけど、ヤマケンは今まで出会ったみんなのことが好きなんやな~って思った」という言葉をくれました。
きっと本当にそうなんだろうな、と思います。
拝啓、今まで出会ったすべてへ。
僕は元気にやっています。
みんなのおかげで「one room」という素敵な楽曲ができました。
よかったら、聴いてください。
<Re:name・ヤマケン>
◆紹介曲「 one room 」 作詞:ヤマケン 作曲:高木一成
◆ニューアルバム『1626』
2026年3月25日発売
<収録曲>
M1. MUCHU
M2. Bedroom Angel
M3. 愛はきっとLonely
M4. i don’t wanna
M5. OTHER SIDE
M6. Vintage Car
M7. Forever Always
M8. one room
M9. KISS ME HONEY ※CD限定
M10. I’ve ※CD限定