SHE'S
私はこの15年間、擬態してきた。
2026年9月2日“SHE'S”が、8枚目のオリジナル・フルアルバム『Who am I?』をリリースしました。2025年にリリースした「モンストグランプリ2025 ジャパンチャンピオンシップ」大会テーマソングである「Four」、夏の終わりを彷彿とさせる楽曲「花雨」や、ドラマ『ぴーすおぶせーふ』オープニング楽曲「Good Life」を含む、全10曲を収録。
今日のうたではそんな“SHE'S”の井上竜馬による歌詞エッセイをお届けします。環境によって様々な“自己”を持っている私たち。いろんな自分を受け入れながら、あらゆるジャンルの音楽を吸収して作り上げたアルバム『Who am I ?』に込めた思いとは…。
音楽と文章を愛してやまない皆々様、ここで会うのはお久しぶりですね。毎度世話になります。『Who am I ?』というアルバムを作った自分の考えを垂れ流すような文章を書こうと思う。
コラムやらエッセイやら、単語は知っていても改めて明確に説明しろと言われればわからない。脳内で?マークがこちらを見ながら小踊りしてやがる。煽るような顔しやがって。調べるほどでもない程度には空気感で理解してるからいいんだよ、ええい。ともかく、今回もそれを寄稿しにきたのだ。
さて、そんな私も実は8月下旬から日記を毎日欠かさず書いている。誰に見せるわけでもなく、見られたいわけでもない、それはあらゆる消費から自分を匿う避難所のようなもの。Havenというやつだ。だから頭の中で四六時中ドタバタと走り回る思考を文字にするのにも慣れてきた。
日記は、数ある手段の中で最も身近で簡単な芸術だと思う。芸術と呼称してしまうと大層なように捉えられてしまうが、自分にとって芸術とは自己の発見や表現だから、日記も例に漏れずそうだと感じるのだ。
芸術にどんな起源がありどんな文化が根源的なもので、そして近代での解釈がどうだとか、そういったことにさして興味はない。ただ、自分が好きで触れる文学や絵画など、一般的な芸術と総称されるものたちにどうしても自己表現の側面を受け取ってしまう自分がいるのだ。
34年も生きていれば、片手では足りない程の表情を持った自分と出会っていく。家族、一人、友達、恋人、職場、様々な関係の中でまるで役者のようにその環境にフィットした自己を形成していくことに、個人差はあれど共感してくれる人は多いのではないだろうか。そのどれもが自分が選んだにも関わらず、"らしくない"とか"本当の自分は"とか言いながら、葛藤して探すのが人間という生き物だ。清々しいほどに全てが私だというのに。
私はこの15年間、擬態してきた。前述した内容を鑑みたときに、その言葉がしっくりきた。擬態とは、生物が身を守ったり獲物を捕まえるときに自分の姿や形を違う対象に似せる行為だ。
音楽という芸術に携わる中で、100%ピュアで真新しい発想を作り続けるのはあまりに困難だ。そして99%は既に世に出ているアイデアなのだ。だから他者の色を取り込んだり、アップデートを目論みながらモノ作りに励む。きっとそれは自分を守る為でもあり、なりたい自分を捕まえる為でもある。
思えば子供の時からそうして生きてきたのだと思う。歩き方や話し方、箸の持ち方まで誰かの模倣をしながら育っていく。擬態は楽しい。新たな可能性を探るにはかっこうの手段だ。らしさを知ろうとしたり求められることに疲れる人は、これを用いてあらゆる分野や行為に足を突っ込んでみるといい。
「私は何者なんだろう?何者になりたいんだろう?」
そうやって性懲りもなく私たちは考えたり忘れたり悩んだりして生きているけれど、きっとどの擬態先でも、どんな形や色になろうと私であることに変わりはないのだ。
だから、今作は意図してあらゆるジャンルを出来るだけ吸収しながら曲を書いた。その上で、『Who am I ?』というタイトルをつけたのだ。胸を張って、このどれもが愛すべき自己表現であり芸術なのだというために。
<SHE'S・井上竜馬>
◆オリジナル・フルアルバム『Who am I?』
2026年9月2日発売
<収録曲>
1. 光灯の右手 (Re-recording)
2. Four
3. Toy Box
4. 葡萄
5. Help Me Out!
6. Dead
7. 花雨
8. Good Life
9. Dec. XX
10. Interlude
11. 詩歌
◆ツアー情報
・「SHE’S 15th Anniversary Tour “Who am I?”」
9月26日(土)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
9月27日(日)浜松 窓枠
10月3日(土)鹿児島CAPARVO HALL
10月4日(日)長崎 DRUM BE-7
10月9日(金)周南 RISING HALL
10月12日(月祝)広島 CLUB QUATTRO
10月17日(土)札幌 cube garden
10月23日(金) 盛岡 CLUBCHANGE WAVE
10月24日(土) 仙台 darwin
10月28日(水)神戸 VARIT.
10月30日(金)松山 WStudio RED
10月31日(土)高松 オリーブホール
11月2日(月)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11月3日(火祝)福岡 DRUM LOGOS
11月9日(月)恵比寿 LIQUIDROOM
11月14日(土)宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
11月15日(日)横浜 F.A.D
11月19日(木)京都 KYOTO MUSE
11月20日(金)名古屋 DIAMOND HALL
11月22日(日)金沢 RED SUN
11月23日(月祝)長野 JUNKBOX
11月25日(水)渋谷 www
11月28日(土)山形 ミュージック昭和SESSION
11月29日(日)新潟 GOLDENPIGS RED STAGE
12月6日(日)大阪 なんばHatch
料金:オールスタンディング:¥5,500 (税込)
2F指定席(なんばHatchのみ):¥6,000 (税込)
※ドリンク代別途(山形公演を除く)
※小学生以上有料
チケット購入はこちら: https://tix.to/shes15th-tour
◆ツアーファイナル情報:
「SHE’S 15th Anniversary Final」
日程:2027年2月5日(金)
会場:SGC HALL ARIAKE
開場 18:00 / 開演 19:00