島津亜矢の歌詞一覧リスト  361曲中 201-361曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
なみだ船涙の終りの ひと滴 ゴムのかっぱに しみとおる どうせおいらは ヤン衆かもめ 泣くな怨むな 北海の 海に芽をふく 恋の花  クルクル帆綱を 巻きあげて 暁の千島を 忍び立ち あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ 舵であやつる 舟のよに 女心は ままならぬ  惚れたら遠慮は できまいが いやというなら ぜひもない 夢をみるなよ ヤン衆かもめ にしん枕に 北海の 月に哀しや 泪船島津亜矢星野哲郎船村徹涙の終りの ひと滴 ゴムのかっぱに しみとおる どうせおいらは ヤン衆かもめ 泣くな怨むな 北海の 海に芽をふく 恋の花  クルクル帆綱を 巻きあげて 暁の千島を 忍び立ち あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ 舵であやつる 舟のよに 女心は ままならぬ  惚れたら遠慮は できまいが いやというなら ぜひもない 夢をみるなよ ヤン衆かもめ にしん枕に 北海の 月に哀しや 泪船
演歌船波に頭を ぶんなぐられて プロになるのさ 北洋の 時化(しけ)を怖れぬ 荒くれたちも 赤い夕陽に おふくろの 影を重ねる ヨーホホホ 演歌船  親父ゆずりの 塩から声で 歌う恋唄 こがれ唄 ここはさいはて スケソウ船の 銹(さ)びたデッキに 咲く花は 浪と鱗と ヨーホホホ 雪の花  涙だけしか あげられないと 別れ惜しんだ あの女(ひと)は 無事にいるやら 根室のあたり 青く尾をひく あの星に 思い届けと ヨーホホホ 演歌船島津亜矢星野哲郎船村徹波に頭を ぶんなぐられて プロになるのさ 北洋の 時化(しけ)を怖れぬ 荒くれたちも 赤い夕陽に おふくろの 影を重ねる ヨーホホホ 演歌船  親父ゆずりの 塩から声で 歌う恋唄 こがれ唄 ここはさいはて スケソウ船の 銹(さ)びたデッキに 咲く花は 浪と鱗と ヨーホホホ 雪の花  涙だけしか あげられないと 別れ惜しんだ あの女(ひと)は 無事にいるやら 根室のあたり 青く尾をひく あの星に 思い届けと ヨーホホホ 演歌船
流れる雲の 移り気よりも 動かぬ山の 雪化粧 ガンコ印の 野良着をまとい 生きる師匠(おやじ)の 横顔に おれは男の 山をみた おれもなりたい 山をみた  けわしい山に 登ってみたい 自分の道を 極めたい それは男の 見果てぬ夢か 山に登れば その山の 山の向こうに 待っている 山の深さを 知るばかり  目先のことに うろちょろするな 昨日と同じ 今日はない それが師匠の 口癖だった たった一度の 人生を 花にするのも がまんなら 山にするのも またがまん島津亜矢星野哲郎原譲二流れる雲の 移り気よりも 動かぬ山の 雪化粧 ガンコ印の 野良着をまとい 生きる師匠(おやじ)の 横顔に おれは男の 山をみた おれもなりたい 山をみた  けわしい山に 登ってみたい 自分の道を 極めたい それは男の 見果てぬ夢か 山に登れば その山の 山の向こうに 待っている 山の深さを 知るばかり  目先のことに うろちょろするな 昨日と同じ 今日はない それが師匠の 口癖だった たった一度の 人生を 花にするのも がまんなら 山にするのも またがまん
海の祈り果てしなき 海の彼方に 水色の やすらぎを 求めた友は 帰らない 陸(おか)には住めない 依怙地(いこじ)な男が 木の葉の船に つかまりながら 蛙のように 歌っていると 無線をくれた ゆかいなあいつ あいつを呑んだ 嵐が憎い  安らかに 眠れよ友と 花を投げ 伏しおがむ おれにも明日は 知れないが 守っておくれよ おまえの力で オイルのしみた 形見のギター おふくろさんに 届けるまでは いい奴でした 男でしたと おふくろさんに 伝えるまでは  あなたには 海があるから いいわねと 泣いていた 港の女(ひと)を おもいだす 逃げだすつもりは さらさらないけど 海には広い こころがあって 昨日の俺が 小さくみえる 荒れるな海よ おまえに惚れた 男の夢を 奪うな海よ島津亜矢星野哲郎船村徹果てしなき 海の彼方に 水色の やすらぎを 求めた友は 帰らない 陸(おか)には住めない 依怙地(いこじ)な男が 木の葉の船に つかまりながら 蛙のように 歌っていると 無線をくれた ゆかいなあいつ あいつを呑んだ 嵐が憎い  安らかに 眠れよ友と 花を投げ 伏しおがむ おれにも明日は 知れないが 守っておくれよ おまえの力で オイルのしみた 形見のギター おふくろさんに 届けるまでは いい奴でした 男でしたと おふくろさんに 伝えるまでは  あなたには 海があるから いいわねと 泣いていた 港の女(ひと)を おもいだす 逃げだすつもりは さらさらないけど 海には広い こころがあって 昨日の俺が 小さくみえる 荒れるな海よ おまえに惚れた 男の夢を 奪うな海よ
女の港口紅が 濃すぎたかしら 着物にすれば よかったかしら 二ヶ月(ふたつき)前に 函館で はぐれた人を 長崎へ 追えば 一夜(ひとよ)が 死ぬほど長い 私は港の 通(かよ)い妻  信じても ひとりになると ぷつんと切れる ふたりの絆(きずな) たしかめあった 横浜の 桟橋はなれ 塩釜へ 向かうあなたが もう気にかかる いつまでたっても 恋女(こいおんな)  海猫の 声ききながら 港の宿で あなたを待てば たずねる船は 青森にゃ 寄らずに 佐渡へ行くという つらい知らせは 馴(な)れっこだから 夜汽車でマフラー 編むのです島津亜矢星野哲郎船村徹口紅が 濃すぎたかしら 着物にすれば よかったかしら 二ヶ月(ふたつき)前に 函館で はぐれた人を 長崎へ 追えば 一夜(ひとよ)が 死ぬほど長い 私は港の 通(かよ)い妻  信じても ひとりになると ぷつんと切れる ふたりの絆(きずな) たしかめあった 横浜の 桟橋はなれ 塩釜へ 向かうあなたが もう気にかかる いつまでたっても 恋女(こいおんな)  海猫の 声ききながら 港の宿で あなたを待てば たずねる船は 青森にゃ 寄らずに 佐渡へ行くという つらい知らせは 馴(な)れっこだから 夜汽車でマフラー 編むのです
みだれ髪髪のみだれに 手をやれば 赤い蹴出(けだ)しが 風に舞う 憎や 恋しや 塩屋の岬 投げて届かぬ 想いの糸が 胸にからんで 涙をしぼる  すてたお方の しあわせを 祈る女の 性(さが)かなし 辛(つ)らや 重たや わが恋ながら 沖の瀬をゆく 底曳(そこび)き網の 舟にのせたい この片情(かたなさ)け  春は二重(ふたえ)に 巻いた帯 三重(みえ)に巻いても 余る秋 暗(くら)や 涯てなや 塩屋の岬 見えぬ心を 照らしておくれ ひとりぽっちに しないでおくれ島津亜矢星野哲郎船村徹髪のみだれに 手をやれば 赤い蹴出(けだ)しが 風に舞う 憎や 恋しや 塩屋の岬 投げて届かぬ 想いの糸が 胸にからんで 涙をしぼる  すてたお方の しあわせを 祈る女の 性(さが)かなし 辛(つ)らや 重たや わが恋ながら 沖の瀬をゆく 底曳(そこび)き網の 舟にのせたい この片情(かたなさ)け  春は二重(ふたえ)に 巻いた帯 三重(みえ)に巻いても 余る秋 暗(くら)や 涯てなや 塩屋の岬 見えぬ心を 照らしておくれ ひとりぽっちに しないでおくれ
神奈川水滸伝光り輝く 表の顔を 裏で支える バカが居る だからいいのさ この世の中は とめてくれるな 丹沢時雨 これがしたくて 生きてきた  他人を蹴落とし お山に登りゃ 次は自分が 落ちる番 悔いを残さず 燃えようじゃないか 幼なじみの 六郷橋が 骨は拾って やるという  無事でいてくれ おまえのからだ 心半分 俺のもの そんなせりふで 別れを惜しむ 男相傘 ほろりと濡らす 雨も神奈川 水滸伝島津亜矢星野哲郎船村徹光り輝く 表の顔を 裏で支える バカが居る だからいいのさ この世の中は とめてくれるな 丹沢時雨 これがしたくて 生きてきた  他人を蹴落とし お山に登りゃ 次は自分が 落ちる番 悔いを残さず 燃えようじゃないか 幼なじみの 六郷橋が 骨は拾って やるという  無事でいてくれ おまえのからだ 心半分 俺のもの そんなせりふで 別れを惜しむ 男相傘 ほろりと濡らす 雨も神奈川 水滸伝
風雪ながれ旅破れ単衣(ひとえ)に 三味線だけば よされ よされと 雪が降る 泣きの十六 短い指に 息をふきかけ 越えて来た アイヤー アイヤー 津軽 八戸(はちのへ) 大湊(おおみなと)  三味が折れたら 両手を叩け バチがなければ 櫛(くし)でひけ 音の出るもの 何でも好きで かもめ啼く声 ききながら アイヤー アイヤー 小樽 函館 苫小牧(とまこまい)  鍋のコゲ飯(めし) 袂(たもと)でかくし 抜けてきたのか 親の目を 通い妻だと 笑ったひとの 髪の匂いも なつかしい アイヤー アイヤー 留萌(るもい) 滝川 稚内(わっかない)島津亜矢星野哲郎船村徹破れ単衣(ひとえ)に 三味線だけば よされ よされと 雪が降る 泣きの十六 短い指に 息をふきかけ 越えて来た アイヤー アイヤー 津軽 八戸(はちのへ) 大湊(おおみなと)  三味が折れたら 両手を叩け バチがなければ 櫛(くし)でひけ 音の出るもの 何でも好きで かもめ啼く声 ききながら アイヤー アイヤー 小樽 函館 苫小牧(とまこまい)  鍋のコゲ飯(めし) 袂(たもと)でかくし 抜けてきたのか 親の目を 通い妻だと 笑ったひとの 髪の匂いも なつかしい アイヤー アイヤー 留萌(るもい) 滝川 稚内(わっかない)
風そして花風は 優しくそよと 吹いていました それはいつでも 追い風でした 風に押されて その誘(いざな)いに 見知らぬ場所へ 導かれようと 不安も湧かず ただ愉(たの)しんで 蕾は開花を 待ちました  風は 時に乱れて 荒れすさびます 雨も呼び寄せ 嵐ともなり 枝も折れよと 幹も撓(たわ)めと 襲われる度 試練と受け止め 望み捨てずに よりしなやかに 新たな芽吹きを 抱きました  おなごとは さほど か弱いものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と咲きます  風は 花の盛りに 強く咲きます 散るが定めの 命寿(ことほ)ぎ 名残りに空へ 舞い立たせます 今や一番 美しくあれと 花影のこし 想い残さず また咲く祈りが 香ります  おなごとは さほど ひ弱なものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と舞います  おなごとは さほど か弱いものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と咲きます島津亜矢小椋佳小椋佳萩田光雄風は 優しくそよと 吹いていました それはいつでも 追い風でした 風に押されて その誘(いざな)いに 見知らぬ場所へ 導かれようと 不安も湧かず ただ愉(たの)しんで 蕾は開花を 待ちました  風は 時に乱れて 荒れすさびます 雨も呼び寄せ 嵐ともなり 枝も折れよと 幹も撓(たわ)めと 襲われる度 試練と受け止め 望み捨てずに よりしなやかに 新たな芽吹きを 抱きました  おなごとは さほど か弱いものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と咲きます  風は 花の盛りに 強く咲きます 散るが定めの 命寿(ことほ)ぎ 名残りに空へ 舞い立たせます 今や一番 美しくあれと 花影のこし 想い残さず また咲く祈りが 香ります  おなごとは さほど ひ弱なものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と舞います  おなごとは さほど か弱いものでは ありません 吹く風に 愛を 感じてるかぎり 花と咲きます
夢見鳥ホームを流れて 行くは終列車 誰もが笑顔で 乗り込んだ 正月 帰省旅 ごんごん ごんごんと 除夜の鐘が鳴る さらさら さらさらと 雪が舞う 雪が舞う 幸福の 春まだき 独り 塒(ねぐら)鳥  あの人恋しと 啼くは川千鳥 人込みの中で 手を繋ぐ 納涼 夏花火 ぽろぽろ ぽろぽろと 涙が頬伝う くるくる くるくると 回る回る 風車 戻りたい 戻れない 心 乱れ鳥  故郷離れて 早幾年か 祭り囃子が 聞こえて来る 豊年 秋祭り とととん とととんと 太鼓が鳴り響く ちちちん ちちちんと 鉦(かね)を撞(つ)く 鉦を撞く 帰りたい 故郷へ 逸(はぐ)れ 夢見鳥島津亜矢永井龍雲永井龍雲川村栄二ホームを流れて 行くは終列車 誰もが笑顔で 乗り込んだ 正月 帰省旅 ごんごん ごんごんと 除夜の鐘が鳴る さらさら さらさらと 雪が舞う 雪が舞う 幸福の 春まだき 独り 塒(ねぐら)鳥  あの人恋しと 啼くは川千鳥 人込みの中で 手を繋ぐ 納涼 夏花火 ぽろぽろ ぽろぽろと 涙が頬伝う くるくる くるくると 回る回る 風車 戻りたい 戻れない 心 乱れ鳥  故郷離れて 早幾年か 祭り囃子が 聞こえて来る 豊年 秋祭り とととん とととんと 太鼓が鳴り響く ちちちん ちちちんと 鉦(かね)を撞(つ)く 鉦を撞く 帰りたい 故郷へ 逸(はぐ)れ 夢見鳥
新内「明烏」より 浦里不幸の匂いが わかるのか 逢うた初手から 相惚(あいぼ)れて 花の吉原 賑わう闇に 愛し恋しの 起請文(きしょうもん) 何百交わせど 苦界(くがい)では 夫婦になれない 篭の鳥  「お許し下さい… お店にかかりのある時次郎さんゆえ、 浦里が手引きをして 二階へ上げたのでございます。 ああ酷(むご)い、寄ってたかって時次郎さんを 打つの蹴るのと仕放題。 その責め苦、どうか私に下さい… この浦里が悪いのです。 心底惚れた時次郎さんの身替りなら、 どのような目に 遭おうとも、私は厭(いと)いません……」  ご法度破りの 折檻(せっかん)に 哀れ浦里 身をさらす 物見高いは 色里ごのみ 雪も連れだち 覗きみる どのよな憂き目に 会おうとも 主さんあるなら 耐えられる  「時次郎さん、 どうして戻ってきたのですか… ここで死ぬのは容易(たやす)いけれど、 廓で死ぬのは恥の恥。 早くこの縄、早くこの縄を断ち切って、 箱梯子のぼり塀を乗り越えましょう。 大門(おおもん)抜ければ自由の身… 浦里嬉しゅうございます……」  この世の旅路の 行く先は 右も左も 行きどまり いっそ二人で 手を取り合うて 渡る三途の 夫婦船 闇夜の名残りを 告げるよに 啼いてせつない 明烏島津亜矢吉岡治村沢良介不幸の匂いが わかるのか 逢うた初手から 相惚(あいぼ)れて 花の吉原 賑わう闇に 愛し恋しの 起請文(きしょうもん) 何百交わせど 苦界(くがい)では 夫婦になれない 篭の鳥  「お許し下さい… お店にかかりのある時次郎さんゆえ、 浦里が手引きをして 二階へ上げたのでございます。 ああ酷(むご)い、寄ってたかって時次郎さんを 打つの蹴るのと仕放題。 その責め苦、どうか私に下さい… この浦里が悪いのです。 心底惚れた時次郎さんの身替りなら、 どのような目に 遭おうとも、私は厭(いと)いません……」  ご法度破りの 折檻(せっかん)に 哀れ浦里 身をさらす 物見高いは 色里ごのみ 雪も連れだち 覗きみる どのよな憂き目に 会おうとも 主さんあるなら 耐えられる  「時次郎さん、 どうして戻ってきたのですか… ここで死ぬのは容易(たやす)いけれど、 廓で死ぬのは恥の恥。 早くこの縄、早くこの縄を断ち切って、 箱梯子のぼり塀を乗り越えましょう。 大門(おおもん)抜ければ自由の身… 浦里嬉しゅうございます……」  この世の旅路の 行く先は 右も左も 行きどまり いっそ二人で 手を取り合うて 渡る三途の 夫婦船 闇夜の名残りを 告げるよに 啼いてせつない 明烏
花と竜波も荒けりゃ 心も荒い 度胸一つの 玄海男 恋も未練も 波間に捨てる それが男さ それが男さ 花と竜  ごんぞ稼業で 生きぬく俺は どんな苦労も 承知の上だ 胸をたたいて 青空にらむ それが男さ それが男さ 花と竜  竜のほりもの 伊達ではないぞ 命捨て身の 若松港 俺の死に場所 ここだときめた それが男さ それが男さ 花と竜島津亜矢二階堂伸北くすを波も荒けりゃ 心も荒い 度胸一つの 玄海男 恋も未練も 波間に捨てる それが男さ それが男さ 花と竜  ごんぞ稼業で 生きぬく俺は どんな苦労も 承知の上だ 胸をたたいて 青空にらむ それが男さ それが男さ 花と竜  竜のほりもの 伊達ではないぞ 命捨て身の 若松港 俺の死に場所 ここだときめた それが男さ それが男さ 花と竜
会津の小鉄梅の浪花で 産声(うぶごえ)上げて 度胸千両の 江戸育ち 何の世間が 笑おうとままよ やくざ渡世に 「五尺の体」 かけた京都の かけた京都の 会津部屋  義理と人情が 男の道と いつもささやく 加茂川の 水の流れに 白刃をかざし 恋も情けも 笑顔ですてる 泣くな未練の 泣くな未練の 川千鳥  引くに引かれぬ 男の意地で どうせすて身の 稲荷(いなり)山 咲いた花なら 一度は散るさ のぼる朝日が 草木をそめて 男小鉄の 男小鉄の 晴れ姿島津亜矢松島一夫和田香苗梅の浪花で 産声(うぶごえ)上げて 度胸千両の 江戸育ち 何の世間が 笑おうとままよ やくざ渡世に 「五尺の体」 かけた京都の かけた京都の 会津部屋  義理と人情が 男の道と いつもささやく 加茂川の 水の流れに 白刃をかざし 恋も情けも 笑顔ですてる 泣くな未練の 泣くな未練の 川千鳥  引くに引かれぬ 男の意地で どうせすて身の 稲荷(いなり)山 咲いた花なら 一度は散るさ のぼる朝日が 草木をそめて 男小鉄の 男小鉄の 晴れ姿
森の石松山が富士なら 男は次郎長 あまた子分の いる中で 人のいいのが 取り柄だが 喧嘩早いが 玉に疵(きず) 森の…森の石松 いい男  「そこの若えのは 海道一の親分は清水の次郎長だってねぇ いい子分が居るって言うのかい そうよ…一に大政 二に小政 三に大瀬の半五郎 四番増川の仙右衛門 五番法印大五郎 中でも一番強えのが 遠州森の石松だい… うれしいねぇ…呑みねぇ 呑みねぇ 寿司喰いねぇ 江戸ッ子だってねぇ…」  やっと出ました 俺らの名前 清水一家の 暴れん坊 情がからめば ついほろり うれし涙が こぼれます 男…男石松 泣き笑い  「酒を呑んだら虎になり 暴れ出したら止まらない あゝ…馬鹿は死ななきゃ癒らねえ…」  腕は強いが おっちょこちょいで 酒と女と 喧嘩好き 讃岐金刀比羅 代参で 死出の旅とも 知らないで 森の森の石松 ひとり旅島津亜矢宮沢守夫村沢良介山が富士なら 男は次郎長 あまた子分の いる中で 人のいいのが 取り柄だが 喧嘩早いが 玉に疵(きず) 森の…森の石松 いい男  「そこの若えのは 海道一の親分は清水の次郎長だってねぇ いい子分が居るって言うのかい そうよ…一に大政 二に小政 三に大瀬の半五郎 四番増川の仙右衛門 五番法印大五郎 中でも一番強えのが 遠州森の石松だい… うれしいねぇ…呑みねぇ 呑みねぇ 寿司喰いねぇ 江戸ッ子だってねぇ…」  やっと出ました 俺らの名前 清水一家の 暴れん坊 情がからめば ついほろり うれし涙が こぼれます 男…男石松 泣き笑い  「酒を呑んだら虎になり 暴れ出したら止まらない あゝ…馬鹿は死ななきゃ癒らねえ…」  腕は強いが おっちょこちょいで 酒と女と 喧嘩好き 讃岐金刀比羅 代参で 死出の旅とも 知らないで 森の森の石松 ひとり旅
悲しい酒ひとり酒場で 飲む酒は 別れ涙の 味がする 飲んで棄てたい 面影が 飲めばグラスに また浮かぶ  「ああ 別れたあとの心残りよ 未練なのね あの人の面影 淋しさを忘れるために 飲んでいるのに 酒は今夜も私を悲しくさせる 酒よどうして どうして あの人を あきらめたらいいの あきらめたらいいの」  酒よこころが あるならば 胸の悩みを 消してくれ 酔えば悲しく なる酒を 飲んで泣くのも 恋のため  一人ぼっちが 好きだよと 言った心の 裏で泣く 好きで添えない 人の世を 泣いて怨(うら)んで 夜が更ける島津亜矢石本美由起古賀政男南郷達也ひとり酒場で 飲む酒は 別れ涙の 味がする 飲んで棄てたい 面影が 飲めばグラスに また浮かぶ  「ああ 別れたあとの心残りよ 未練なのね あの人の面影 淋しさを忘れるために 飲んでいるのに 酒は今夜も私を悲しくさせる 酒よどうして どうして あの人を あきらめたらいいの あきらめたらいいの」  酒よこころが あるならば 胸の悩みを 消してくれ 酔えば悲しく なる酒を 飲んで泣くのも 恋のため  一人ぼっちが 好きだよと 言った心の 裏で泣く 好きで添えない 人の世を 泣いて怨(うら)んで 夜が更ける
愛することに疲れたみたい 嫌いになったわけじゃない 部屋の灯はつけてゆくわ カギはいつものゲタ箱の中 きっと貴方はいつものことと 笑いとばすにちがいない だけど今度は本気みたい 貴方の顔もちらつかないわ  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  多分貴方はいつもの店で 酒を飲んでくだをまいて 洗濯物は机の上に 短い手紙そえておくわ 今度生まれてくるとしたなら やっぱり女で生まれてみたい だけど二度とヘマはしない 貴方になんかつまずかないわ  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  それでも恋は恋島津亜矢松山千春松山千春愛することに疲れたみたい 嫌いになったわけじゃない 部屋の灯はつけてゆくわ カギはいつものゲタ箱の中 きっと貴方はいつものことと 笑いとばすにちがいない だけど今度は本気みたい 貴方の顔もちらつかないわ  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  多分貴方はいつもの店で 酒を飲んでくだをまいて 洗濯物は机の上に 短い手紙そえておくわ 今度生まれてくるとしたなら やっぱり女で生まれてみたい だけど二度とヘマはしない 貴方になんかつまずかないわ  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  男は いつも 待たせるだけで 女は いつも 待ちくたびれて それでもいいと なぐさめていた それでも恋は恋  それでも恋は恋
想いで遊び西陽のあたる アパートで あなたは誰と 暮らしているの それともひとり あのままで あれから二年 早いものね それを愛だと 言わないけれど それを返せと 言わないけれど 可愛いい女が いたことだけは 想いで遊びを 今もしてるから  窓から見える 坂道を あなたは誰と 歩いているの それとも白い 乳母車 倖せ押して いるのかしら それと妬(ねた)みは しないけれど それを恨みは しないけれど 淋しい女が いたことだけは 想いで探しを 今もしてるから  それを愛だと 言わないけれど それを返せと 言わないけれど 可愛いい女が いたことだけは 想いで遊びを 今もしてるから  想いで遊びを 今もしてるから島津亜矢荒木とよひさ三木たかし西陽のあたる アパートで あなたは誰と 暮らしているの それともひとり あのままで あれから二年 早いものね それを愛だと 言わないけれど それを返せと 言わないけれど 可愛いい女が いたことだけは 想いで遊びを 今もしてるから  窓から見える 坂道を あなたは誰と 歩いているの それとも白い 乳母車 倖せ押して いるのかしら それと妬(ねた)みは しないけれど それを恨みは しないけれど 淋しい女が いたことだけは 想いで探しを 今もしてるから  それを愛だと 言わないけれど それを返せと 言わないけれど 可愛いい女が いたことだけは 想いで遊びを 今もしてるから  想いで遊びを 今もしてるから
元禄花の兄弟 赤垣源蔵酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい  迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る  兄のきものに盈々(なみ)と 差して呑み干す酒の味 「兄上 もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」  兄の屋敷を立ち出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。  「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて 目指す 行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助 天を仰いで嘆く時 誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは 赤垣源蔵なり  一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、  「市助!市助はおらぬか!」 「市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟が その中に居るはずじゃ そなた早よう行って 見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」  もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。祈る心で待つ裡(うち)に転がる様に戻り来て、  「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて、真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け、前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、 探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に 通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。  夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟 今朝のお江戸は日本晴れ島津亜矢北村桃児春川一夫酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい  迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る  兄のきものに盈々(なみ)と 差して呑み干す酒の味 「兄上 もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」  兄の屋敷を立ち出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。  「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて 目指す 行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助 天を仰いで嘆く時 誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは 赤垣源蔵なり  一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、  「市助!市助はおらぬか!」 「市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟が その中に居るはずじゃ そなた早よう行って 見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」  もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。祈る心で待つ裡(うち)に転がる様に戻り来て、  「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて、真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け、前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、 探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に 通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。  夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟 今朝のお江戸は日本晴れ
大利根無情利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛 あかね雲  「佐原囃子が聴えてくらあ想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」  義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪の 落し差し  「止めて下さるな、妙心殿。 落ちぶれ果てゝも 平手は武士じゃ 男の散りぎわは知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」  瞼瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺島津亜矢猪又良長津義司池多孝春利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛 あかね雲  「佐原囃子が聴えてくらあ想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」  義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪の 落し差し  「止めて下さるな、妙心殿。 落ちぶれ果てゝも 平手は武士じゃ 男の散りぎわは知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」  瞼瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺
チャンチキおけさ月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや  ひとり残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬすまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる  故郷(くに)を出る時 持って来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ泪で 曇る月島津亜矢門井八郎長津義司池多孝春月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや  ひとり残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬすまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる  故郷(くに)を出る時 持って来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ泪で 曇る月
船方さんよおーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を  おーい船方さん 船方さんよ 昨夜(ゆうべ)一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ  おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ島津亜矢門井八郎春川一夫池多孝春おーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を  おーい船方さん 船方さんよ 昨夜(ゆうべ)一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ  おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ
雪の渡り鳥合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し  意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている  払い除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪島津亜矢清水みのる陸奥明池多孝春合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し  意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている  払い除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪
天竜しぶき笠思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す  みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜  誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる島津亜矢萩原四朗倉若晴生池多孝春思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す  みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜  誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる
トッチャカ人生何をくよくよ 川端柳 どうせこの世は トコトン人生 泣くも笑うも 泣くも笑うも身のさだめ トッチャカ チャッチャカスットコトン トッチャカ チャッチャカスットコトン  水の流れと 空ゆく雲は どこがねぐらの トコトン人生 住めば都と 住めば都と云うけれど  下を見るより 上見てくらしゃ 花も実もある トコトン人生 空にゃ小判の 空にゃ小判の月が照る  飲んで歌うて さらりと捨てりゃ 浮ぶ背もある トコトン人生 浮世ささ舟 浮世ささ舟風まかせ島津亜矢門井八郎春川一夫池多孝春何をくよくよ 川端柳 どうせこの世は トコトン人生 泣くも笑うも 泣くも笑うも身のさだめ トッチャカ チャッチャカスットコトン トッチャカ チャッチャカスットコトン  水の流れと 空ゆく雲は どこがねぐらの トコトン人生 住めば都と 住めば都と云うけれど  下を見るより 上見てくらしゃ 花も実もある トコトン人生 空にゃ小判の 空にゃ小判の月が照る  飲んで歌うて さらりと捨てりゃ 浮ぶ背もある トコトン人生 浮世ささ舟 浮世ささ舟風まかせ
桃中軒雲右ヱ門芸道一代 男のいのち… 意地と情けの からみ合い たとえ形は 女夫(みょうと)で居ても 芸のためなら 死ぬ覚悟 泣いて鬼にも 泣いて鬼にも 仇敵(かたき)にも  艱難辛苦 その甲斐あって… 晴れの花道 都入り 泣くなお浜よ 涙は不吉 天下無双の 幕びらき かげの三すじも かげの三すじも 意地で弾け  花は桜木 山なら富士よ… 浪花ぶしなら 桃中軒 雲をつらぬく あの紋どころ 女房あれ見よ 大幟(のぼ)り 二つ巴に 二つ巴に… 春の風島津亜矢藤田まさと長津義司池多孝春芸道一代 男のいのち… 意地と情けの からみ合い たとえ形は 女夫(みょうと)で居ても 芸のためなら 死ぬ覚悟 泣いて鬼にも 泣いて鬼にも 仇敵(かたき)にも  艱難辛苦 その甲斐あって… 晴れの花道 都入り 泣くなお浜よ 涙は不吉 天下無双の 幕びらき かげの三すじも かげの三すじも 意地で弾け  花は桜木 山なら富士よ… 浪花ぶしなら 桃中軒 雲をつらぬく あの紋どころ 女房あれ見よ 大幟(のぼ)り 二つ巴に 二つ巴に… 春の風
出世佐渡情話お国訛(なま)りを嗤(わら)われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古(かんげいこ)  泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話  佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇(たたず)んで 若き男女の語り合い  晴れの舞台に七彩(いろ)の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九里 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙 輝やく 金屏風(びょうぶ)島津亜矢北村桃児長津義司池多孝春お国訛(なま)りを嗤(わら)われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古(かんげいこ)  泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話  佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇(たたず)んで 若き男女の語り合い  晴れの舞台に七彩(いろ)の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九里 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙 輝やく 金屏風(びょうぶ)
元禄名槍譜 俵星玄蕃GOLD LYLIC槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜  姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残りに 見ておけよ 俵崩しの 極意の一手 これが餞(はなむ)け 男の心  涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓。  「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、 響くは山鹿流儀の陣太鼓、しかも一打ち二打ち 三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え、おう、 正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ、 助太刀するは此の時ぞ、 もしやその中にひるま別れた あのそば屋が居りわせぬか、 名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢(じゅんばん)に身を固めて、 段小倉の袴、股立ち高く取り上げし 白綾たたんで後ろ鉢巻き眼のつる如く、 なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に踏み出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を 蹴立てて行く手は松坂町…」  吉良の屋敷に来て見れば、 今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助(くらのすけ)。 見つけて駆け寄る俵星が、 天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は 深き御恩はこの通り、 厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有難し、 かかる折しも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、 サク、サク、サク、――、  『先生』 『おうッ、そば屋か』  いや、いや、いや、いや、 襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、 わしが教えたあの極意、 命惜しむな名をこそ惜しめ、 立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。 赤穂浪士に邪魔する奴は何人(なにびと) たりとも通さんぞ、 橋のたもとで石突き突いて、 槍の玄蕃は仁王立ち。  打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光るGOLD LYLIC島津亜矢北村桃児長津義司槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜  姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残りに 見ておけよ 俵崩しの 極意の一手 これが餞(はなむ)け 男の心  涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓。  「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、 響くは山鹿流儀の陣太鼓、しかも一打ち二打ち 三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え、おう、 正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ、 助太刀するは此の時ぞ、 もしやその中にひるま別れた あのそば屋が居りわせぬか、 名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢(じゅんばん)に身を固めて、 段小倉の袴、股立ち高く取り上げし 白綾たたんで後ろ鉢巻き眼のつる如く、 なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に踏み出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を 蹴立てて行く手は松坂町…」  吉良の屋敷に来て見れば、 今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助(くらのすけ)。 見つけて駆け寄る俵星が、 天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は 深き御恩はこの通り、 厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有難し、 かかる折しも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、 サク、サク、サク、――、  『先生』 『おうッ、そば屋か』  いや、いや、いや、いや、 襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、 わしが教えたあの極意、 命惜しむな名をこそ惜しめ、 立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。 赤穂浪士に邪魔する奴は何人(なにびと) たりとも通さんぞ、 橋のたもとで石突き突いて、 槍の玄蕃は仁王立ち。  打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る
温故知新ながい道程(みちのり) 歯をくいしばり やっとここまで 歩いてきたな ごらん空には 流れ雲 背のびしないで 暮らそじゃないか 人生まだまだ いいことあるさ!  勝った負けたは 他人の値踏み いつか誰かが 教えてくれた 塩をつかんで 枯れ枝に まけば梅の香 ほろりと匂う 濃いめの人情で 行こうじゃないか!  どんな時代も 肩よせあって 俺とおまえは ぶれずに生きる 温故知新だ 人の道 握りこぶしは 心でにぎり 笑顔が一番 自然でいいな!島津亜矢星野哲郎原譲二ながい道程(みちのり) 歯をくいしばり やっとここまで 歩いてきたな ごらん空には 流れ雲 背のびしないで 暮らそじゃないか 人生まだまだ いいことあるさ!  勝った負けたは 他人の値踏み いつか誰かが 教えてくれた 塩をつかんで 枯れ枝に まけば梅の香 ほろりと匂う 濃いめの人情で 行こうじゃないか!  どんな時代も 肩よせあって 俺とおまえは ぶれずに生きる 温故知新だ 人の道 握りこぶしは 心でにぎり 笑顔が一番 自然でいいな!
裏みちの花背のびをしたって 向日葵(ひまわり)に なれない花だと 承知です 白い花咲いた 小さな小さな花だけど 砂漠のような 男の胸に ひっそり咲いたよ 裏みちの花  名前が一文字 欠けたまま 路地にネオンの しのび泣き 赤い雨降った 小さな小さな粒だけど どれだけ泣いたら 思いがとどく わたしも知りたい 裏みちの花  ガラスの薄さの 意地っぱり それでもおんなは 惚れたがる 白い花咲いた 小さな小さな花だけど 千年万年 男の春に 踏まれて咲くでしょ 裏みちの花島津亜矢吉岡治杉本眞人背のびをしたって 向日葵(ひまわり)に なれない花だと 承知です 白い花咲いた 小さな小さな花だけど 砂漠のような 男の胸に ひっそり咲いたよ 裏みちの花  名前が一文字 欠けたまま 路地にネオンの しのび泣き 赤い雨降った 小さな小さな粒だけど どれだけ泣いたら 思いがとどく わたしも知りたい 裏みちの花  ガラスの薄さの 意地っぱり それでもおんなは 惚れたがる 白い花咲いた 小さな小さな花だけど 千年万年 男の春に 踏まれて咲くでしょ 裏みちの花
女優・須磨子愛と舞台に この身を任せ 喝采浴びる 華舞台 須磨子は女 …炎の女 あなたの胸で 覚えるセリフ あぁー あなた 命をぶつけて ノラになる  「ひとりじゃ 寒いんです… ひとりじゃ 辛いんです… でも須磨子には抱月先生が居る限り… 生きて行けます」  抱いて下さい その手で強く 辛さも苦労も 忘れたい 須磨子は女 …一途な女 楽屋の隅で かくした涙 あぁー あなた 噂も届かぬ 神楽坂  劇場(こや)の灯りに 背を向けながら 誰も知らない かくれ宿 須磨子は女 …あなたの女 ライトを浴びて カチューシャ唄う あぁー あなた 二人の世界の 幕が開く島津亜矢鈴木信子村沢良介愛と舞台に この身を任せ 喝采浴びる 華舞台 須磨子は女 …炎の女 あなたの胸で 覚えるセリフ あぁー あなた 命をぶつけて ノラになる  「ひとりじゃ 寒いんです… ひとりじゃ 辛いんです… でも須磨子には抱月先生が居る限り… 生きて行けます」  抱いて下さい その手で強く 辛さも苦労も 忘れたい 須磨子は女 …一途な女 楽屋の隅で かくした涙 あぁー あなた 噂も届かぬ 神楽坂  劇場(こや)の灯りに 背を向けながら 誰も知らない かくれ宿 須磨子は女 …あなたの女 ライトを浴びて カチューシャ唄う あぁー あなた 二人の世界の 幕が開く
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
翔歌(しょうか)おなごは泣いても 許してくれる だけど男は 泣いたらいかん 七つに成る日を 待ってた父が 鮒釣り川の 向岸(むこう)で呼んだ 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 背中見せるな  浮き世はうつろう 漂うままに 回れ右すりゃ 尻尾が頭 躓き転んだ 路傍の石が 野に咲く花を 教えてくれる 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 逃げて生きるな  おなごは負けても 愛嬌ひとつ だけど男は 負けたらいかん いつもは無口で 優しい母が そっと握った 拳が道標(しるべ) 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 勝負にかけろ島津亜矢山田孝雄岡千秋おなごは泣いても 許してくれる だけど男は 泣いたらいかん 七つに成る日を 待ってた父が 鮒釣り川の 向岸(むこう)で呼んだ 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 背中見せるな  浮き世はうつろう 漂うままに 回れ右すりゃ 尻尾が頭 躓き転んだ 路傍の石が 野に咲く花を 教えてくれる 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 逃げて生きるな  おなごは負けても 愛嬌ひとつ だけど男は 負けたらいかん いつもは無口で 優しい母が そっと握った 拳が道標(しるべ) 翔ぼうかい 泣こうかい どうせ泣くなら 勝負にかけろ
おてもやん純情右は有明 左は八代(やっちろ) 海ふたつ 仲を取り持つ 宇土半島 肥後は五十と 四万石ばい 男まさりは しよんなか わたしゃ根っから おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん  春日(かすが)ぼーぶら げんぱく茄子(なすび)は 惚れ薬 おなご純情 一直線 受けて立つ気の 覚悟はよかね 恋はまっこと 命がけ 一生あんたの おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん  阿蘇は朝霧 夕べは夕日の カラス城 夢があるけん 超えてきた 雨と涙の あの田原坂 負けずぎらいは 親(まま)ゆずり わたしゃ根性の おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん島津亜矢志賀大介岡千秋右は有明 左は八代(やっちろ) 海ふたつ 仲を取り持つ 宇土半島 肥後は五十と 四万石ばい 男まさりは しよんなか わたしゃ根っから おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん  春日(かすが)ぼーぶら げんぱく茄子(なすび)は 惚れ薬 おなご純情 一直線 受けて立つ気の 覚悟はよかね 恋はまっこと 命がけ 一生あんたの おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん  阿蘇は朝霧 夕べは夕日の カラス城 夢があるけん 超えてきた 雨と涙の あの田原坂 負けずぎらいは 親(まま)ゆずり わたしゃ根性の おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん おてもやん
お光呼んで… 呼んでみたとて 届かぬあんた 海に漁火 影もない 波が打ち消す 常夜灯 ひと目だけでも 逢わせてほしい お光 哀しやエェー たらい舟  ハァー 惚れちゃならない 他国の人によ…  泣いて… 泣いてなみだで 霞んで見えぬ 佐渡は四十九里 小木港 かもめお願い そのつばさ 柏崎まで わたしに貸して お光 嘆きのエェー おけさ節  ハァー 佐渡と柏崎ゃ 棹さしゃ届くよ…  いのち… いのちひとつを 何故もてあそぶ 誰が消したか 恋灯り あんた信じて 波に散る 願い叶わぬ 運命がにくい お光 吾作のエェー 佐渡情話島津亜矢志賀大介村沢良介呼んで… 呼んでみたとて 届かぬあんた 海に漁火 影もない 波が打ち消す 常夜灯 ひと目だけでも 逢わせてほしい お光 哀しやエェー たらい舟  ハァー 惚れちゃならない 他国の人によ…  泣いて… 泣いてなみだで 霞んで見えぬ 佐渡は四十九里 小木港 かもめお願い そのつばさ 柏崎まで わたしに貸して お光 嘆きのエェー おけさ節  ハァー 佐渡と柏崎ゃ 棹さしゃ届くよ…  いのち… いのちひとつを 何故もてあそぶ 誰が消したか 恋灯り あんた信じて 波に散る 願い叶わぬ 運命がにくい お光 吾作のエェー 佐渡情話
清水港駿河名代の 次郎長さんは 義理にゃ強くて 男伊達 箱根峠を 三島へ抜けりゃ 清水港は もう近い お蝶身内の アアン アアアン… 声がする  (セリフ)富士の白雪ゃノーエ 富士の白雪ゃ ノーエ 富士のサイサイ 白雪ゃ朝日でとける  富士のお山に ちゃっきり節が 風に流れる 昼下がり 聞いてお帰り 八十八夜 駿河茶どころ 菜摘み唄 囃す紅緒の アアン アアアン… 菅の笠  槍の大政 居合いの小政 森の石松 暴れん坊 寄っておいでよ 噂の通り 夢と任侠 売り出しの 清水一家の アアン アアアン… 晴れ姿島津亜矢つるぎまさる村沢良介駿河名代の 次郎長さんは 義理にゃ強くて 男伊達 箱根峠を 三島へ抜けりゃ 清水港は もう近い お蝶身内の アアン アアアン… 声がする  (セリフ)富士の白雪ゃノーエ 富士の白雪ゃ ノーエ 富士のサイサイ 白雪ゃ朝日でとける  富士のお山に ちゃっきり節が 風に流れる 昼下がり 聞いてお帰り 八十八夜 駿河茶どころ 菜摘み唄 囃す紅緒の アアン アアアン… 菅の笠  槍の大政 居合いの小政 森の石松 暴れん坊 寄っておいでよ 噂の通り 夢と任侠 売り出しの 清水一家の アアン アアアン… 晴れ姿
都会の雀雀 雀 都会の雀 雀 雀 夜明けの雀  飾りまくった ガラスの街に サイレンばかり 駆けぬける 呼ぶ名もなくて 倒れた道で バカな涙が あふれて熱い 雀 雀 都会の雀 眠れないのか 寒風(さむかぜ)で 雀 雀 俺ンち来いよ あったか西日の 裏窓に  夢のかたちも あいつのことも 生きてくうちに 脱け落ちた そのうちケリは 必ずつける バカな希(のぞ)みが からだに悪い 雀 雀 夜明けの雀 飛べる蒼空 あるのなら 雀 雀 俺ンち来いよ 朝日が弾ける 裏窓に  雀 雀 都会の雀 眠れないのか 寒風で 雀 雀 俺ンち来いよ あったか西日の 裏窓に 裏窓に島津亜矢吉岡治杉本眞人雀 雀 都会の雀 雀 雀 夜明けの雀  飾りまくった ガラスの街に サイレンばかり 駆けぬける 呼ぶ名もなくて 倒れた道で バカな涙が あふれて熱い 雀 雀 都会の雀 眠れないのか 寒風(さむかぜ)で 雀 雀 俺ンち来いよ あったか西日の 裏窓に  夢のかたちも あいつのことも 生きてくうちに 脱け落ちた そのうちケリは 必ずつける バカな希(のぞ)みが からだに悪い 雀 雀 夜明けの雀 飛べる蒼空 あるのなら 雀 雀 俺ンち来いよ 朝日が弾ける 裏窓に  雀 雀 都会の雀 眠れないのか 寒風で 雀 雀 俺ンち来いよ あったか西日の 裏窓に 裏窓に
感謝状 ~母へのメッセージ~GOLD LYLICひとりだけの とき 誰もいない とき そっと小声で 呼ぶのです お母さん お母さん 呼んでいる内に 口の中が 甘く切なく なるのです お母さん お母さん あとになり さきになり 歩いた 砂山 あとになり さきになり さがした しあわせの星 お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう  旅に泣いた とき とても寒い とき 窓に名前を 書くのです お母さん お母さん 書いている内に 胸は晴れて 生きる希望を みつけます お母さん お母さん あとになり さきになり 連れとぶ かもめは あとになり さきになり あなたと さがした倖せ お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう  お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう あなたに贈る 感謝状GOLD LYLIC島津亜矢星野哲郎弦哲也ひとりだけの とき 誰もいない とき そっと小声で 呼ぶのです お母さん お母さん 呼んでいる内に 口の中が 甘く切なく なるのです お母さん お母さん あとになり さきになり 歩いた 砂山 あとになり さきになり さがした しあわせの星 お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう  旅に泣いた とき とても寒い とき 窓に名前を 書くのです お母さん お母さん 書いている内に 胸は晴れて 生きる希望を みつけます お母さん お母さん あとになり さきになり 連れとぶ かもめは あとになり さきになり あなたと さがした倖せ お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう  お母さん お母さん あのときも 言えなかった あなたに贈る ありがとう あなたに贈る 感謝状
美保関潮歌小さな入江に 肩よせ合って 小さな町が 息づいている 関の五本松 一本伐(き)りや四本(しほん) あとは伐られぬ 夫婦松 心温(ぬく)める 舟唄の 唄の向うに ショコホイ ショコホイ 美保関  焼きイカ肴(さかな)に 地酒を酌(く)めば のれんをくぐる 潮風甘い 呼ぶな急(せ)かすな 出船の汽笛 隠岐(おき)は島国 逃げはせぬ 酒のうまさに ついほろり 酔って帰りを ショコホイ ショコホイ 忘れても  元気でゆこうと 海猫(うみねこ)啼けば しぶきの虹が 岬を染める 関はよいとこ 師走の海を 寒くないのか 諸手船(もろたぶね) 神が選んだ つわ者が 水をかけあう ショコホイ ショコホイ 美保関島津亜矢星野哲郎弦哲也小さな入江に 肩よせ合って 小さな町が 息づいている 関の五本松 一本伐(き)りや四本(しほん) あとは伐られぬ 夫婦松 心温(ぬく)める 舟唄の 唄の向うに ショコホイ ショコホイ 美保関  焼きイカ肴(さかな)に 地酒を酌(く)めば のれんをくぐる 潮風甘い 呼ぶな急(せ)かすな 出船の汽笛 隠岐(おき)は島国 逃げはせぬ 酒のうまさに ついほろり 酔って帰りを ショコホイ ショコホイ 忘れても  元気でゆこうと 海猫(うみねこ)啼けば しぶきの虹が 岬を染める 関はよいとこ 師走の海を 寒くないのか 諸手船(もろたぶね) 神が選んだ つわ者が 水をかけあう ショコホイ ショコホイ 美保関
お俊恋唄「女は恋に生きるもの 憎らしいねぇ 新太郎さんは 夢まで見させて 女ごころを掴んでおいて 今は何処かの空の下 だっ嫌いだよ 旅鴉なんか」  忍び泣きして からだもやせて 結ぶ帯にも 女の泪 こんなわたしに したまま気まま 旅に出た人 旅に 旅に 旅に出た人 恨みはせぬが 思いすごしか 茶碗酒  ぬれた枕に 頬すり寄せて 呼んですがって 両手を合わせ 夢になりとも 逢いたいものと 泣けば雨風 泣けば 泣けば 泣けば雨風 夜明けのからす 女泣かせの 鐘がなる  「おんな心は情けの小枝 とまれば夜露もしのげるものを それはどうして あの人には 判ってもらえないンだろうねぇ」  神にねがいを 新太郎さんに 茶だち塩だち お百度詣り またの逢う瀬を 命にかけて 待ってこがれて 待って 待って 待ってこがれて 五年はおろか 柳新芽の 枯れるまで島津亜矢吉川静夫佐々木俊一馬場良「女は恋に生きるもの 憎らしいねぇ 新太郎さんは 夢まで見させて 女ごころを掴んでおいて 今は何処かの空の下 だっ嫌いだよ 旅鴉なんか」  忍び泣きして からだもやせて 結ぶ帯にも 女の泪 こんなわたしに したまま気まま 旅に出た人 旅に 旅に 旅に出た人 恨みはせぬが 思いすごしか 茶碗酒  ぬれた枕に 頬すり寄せて 呼んですがって 両手を合わせ 夢になりとも 逢いたいものと 泣けば雨風 泣けば 泣けば 泣けば雨風 夜明けのからす 女泣かせの 鐘がなる  「おんな心は情けの小枝 とまれば夜露もしのげるものを それはどうして あの人には 判ってもらえないンだろうねぇ」  神にねがいを 新太郎さんに 茶だち塩だち お百度詣り またの逢う瀬を 命にかけて 待ってこがれて 待って 待って 待ってこがれて 五年はおろか 柳新芽の 枯れるまで
大利根月夜「あゝ鐘が鳴る あれは生命(いのち)の送り鐘か 今宵は八月十三夜(や) 抜いちゃいけねえ 義理が絡んだ白刃を抜けば 利根が三途の川になる」  あれを御覧と 指差す方に 利根の流れを ながれ月 昔笑うて ながめた月も 今日は 今日は涙の 顔で見る  「侍がなんだ やくざがどうした 人が住む世の裏街道 命ひとつを手土産に ここまで落ちた平手造酒 いいってことよ どんなに愚痴ってみても 昔にかえる 風は吹かねえって ことなんだ」  愚痴じゃないけれど 世が世であれば 殿のまねきの 月見酒 男 平手と もてはやされて 今じゃ 今じゃ浮世を 三度笠  もとをたゞせば 侍育ち 腕は自慢の 千葉仕込み 何が不足で 大利根ぐらし 故郷(くに)じゃ故郷じゃ妹が 待つものを島津亜矢藤田まさと長津義司山田年秋「あゝ鐘が鳴る あれは生命(いのち)の送り鐘か 今宵は八月十三夜(や) 抜いちゃいけねえ 義理が絡んだ白刃を抜けば 利根が三途の川になる」  あれを御覧と 指差す方に 利根の流れを ながれ月 昔笑うて ながめた月も 今日は 今日は涙の 顔で見る  「侍がなんだ やくざがどうした 人が住む世の裏街道 命ひとつを手土産に ここまで落ちた平手造酒 いいってことよ どんなに愚痴ってみても 昔にかえる 風は吹かねえって ことなんだ」  愚痴じゃないけれど 世が世であれば 殿のまねきの 月見酒 男 平手と もてはやされて 今じゃ 今じゃ浮世を 三度笠  もとをたゞせば 侍育ち 腕は自慢の 千葉仕込み 何が不足で 大利根ぐらし 故郷(くに)じゃ故郷じゃ妹が 待つものを
勘太郎月夜唄影か柳か 勘太郎さんか 伊那は七谷(ななたに) 糸ひく煙り 棄てて別れた 故郷の月に しのぶ今宵の ほととぎす  「広い世間をななめに渡る 馬鹿な旅笠詰め合羽 堪忍しておくんなさい やくざはやくざらしく 心にだけは 絹のさらしを 巻いております」  形(なり)はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦 生まれ変って 天竜の水に うつす男の 晴姿  菊は栄える 葵は枯れる 桑を摘む頃 逢おうじゃないか 霧に消えゆく 一本刀 泣いて見送る 紅つつじ島津亜矢佐伯孝夫清水保雄山田年秋影か柳か 勘太郎さんか 伊那は七谷(ななたに) 糸ひく煙り 棄てて別れた 故郷の月に しのぶ今宵の ほととぎす  「広い世間をななめに渡る 馬鹿な旅笠詰め合羽 堪忍しておくんなさい やくざはやくざらしく 心にだけは 絹のさらしを 巻いております」  形(なり)はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦 生まれ変って 天竜の水に うつす男の 晴姿  菊は栄える 葵は枯れる 桑を摘む頃 逢おうじゃないか 霧に消えゆく 一本刀 泣いて見送る 紅つつじ
後追い三味線「負けるものかと云いながら あの人だけには泣かされました 男ぎらいの金看板を 女ぎらいにはずされて 弱い女になりました」  後を追うなと 薄情がらす 闇にひと声 月夜に三声 すがりつかせぬ 道中合羽 糸も切れそな 三味線抱いて 泣いてまた越す おんな坂  末はこうよと 承知のはずが 惚れた弱味の この未練酒 酔えば恋しさ 悲しさつのる 可愛いがられた むかしはむかし いまは涙の 流れ島  帯も結ばず 黒髪とかず 逢えぬ日数を 指折るばかり 神も仏も この世になけりゃ 合わしますまい この両の手を 三味も知らない おんな旅島津亜矢吉川静夫吉田正馬場良「負けるものかと云いながら あの人だけには泣かされました 男ぎらいの金看板を 女ぎらいにはずされて 弱い女になりました」  後を追うなと 薄情がらす 闇にひと声 月夜に三声 すがりつかせぬ 道中合羽 糸も切れそな 三味線抱いて 泣いてまた越す おんな坂  末はこうよと 承知のはずが 惚れた弱味の この未練酒 酔えば恋しさ 悲しさつのる 可愛いがられた むかしはむかし いまは涙の 流れ島  帯も結ばず 黒髪とかず 逢えぬ日数を 指折るばかり 神も仏も この世になけりゃ 合わしますまい この両の手を 三味も知らない おんな旅
伊那の勘太郎山は御岳 川なら天竜 道は木曽路の 村はずれ 恋を譲って 草鞋をはいて あてもないのに 急ぎ足 伊那を背にする 伊那を背にする…勘太郎  ハァー 天竜下れば 飛沫がかかる…  慣れた板場を 賭場へと変えりゃ 握る包丁 長脇差へ 里の灯りが ちらほら点もりゃ しのぶ蔦屋の 宿灯り 伊那は今頃 伊那は今頃…秋祭り  「今日は今日…明日は明日の風まかせ どうせなるようにしかならねぇ …旅人でござんす…」  江戸の暮らしにゃ 慣れては来たが 夢に出て来る おしんさん 恋は咲かずに 終わったけれど 咲いているだろ 蕎麦の花 伊那が恋しい 伊那が恋しい…勘太郎島津亜矢宮沢守夫村沢良介池多孝春山は御岳 川なら天竜 道は木曽路の 村はずれ 恋を譲って 草鞋をはいて あてもないのに 急ぎ足 伊那を背にする 伊那を背にする…勘太郎  ハァー 天竜下れば 飛沫がかかる…  慣れた板場を 賭場へと変えりゃ 握る包丁 長脇差へ 里の灯りが ちらほら点もりゃ しのぶ蔦屋の 宿灯り 伊那は今頃 伊那は今頃…秋祭り  「今日は今日…明日は明日の風まかせ どうせなるようにしかならねぇ …旅人でござんす…」  江戸の暮らしにゃ 慣れては来たが 夢に出て来る おしんさん 恋は咲かずに 終わったけれど 咲いているだろ 蕎麦の花 伊那が恋しい 伊那が恋しい…勘太郎
鴛鴦道中「可笑(おか)しいねえ 年も違えば故郷も違う もとは他人の男と女が 今では夫婦(めおと) 鴛鴦ぐらし お前さん寒くはないかい それとも想い出しているのかい ふるさとをさ」  堅気育ちも 重なる旅に いつか外れて 無宿者 知らぬ他国の たそがれ時は 俺も泣きたい ことばかり  染まぬ縁談(はなし)に 故郷をとんで 娘ざかりを 茶屋ぐらし 茶碗酒なら 負けないけれど 人情からめば もろくなる  「あんなやくざみたいな男の どこがよくって惚れたのさって 世間の人は嗤うけれど お前さんのホントの値打ちは この私が一番よく知っているのさ お前さんだったら 一緒に死ねるもんねえ」  かたちばかりの おしどり姿 ならぶ草鞋(わらじ)に 風が吹く 浮世あぶれた やくざな旅は どこで散るやら 果てるやら  泣くも笑うも ふところ次第 もとでなくした その時は 遠慮いらずの 女房じゃないか 丁とはりゃんせ わしが身を島津亜矢藤田まさと阿部武雄山田年秋「可笑(おか)しいねえ 年も違えば故郷も違う もとは他人の男と女が 今では夫婦(めおと) 鴛鴦ぐらし お前さん寒くはないかい それとも想い出しているのかい ふるさとをさ」  堅気育ちも 重なる旅に いつか外れて 無宿者 知らぬ他国の たそがれ時は 俺も泣きたい ことばかり  染まぬ縁談(はなし)に 故郷をとんで 娘ざかりを 茶屋ぐらし 茶碗酒なら 負けないけれど 人情からめば もろくなる  「あんなやくざみたいな男の どこがよくって惚れたのさって 世間の人は嗤うけれど お前さんのホントの値打ちは この私が一番よく知っているのさ お前さんだったら 一緒に死ねるもんねえ」  かたちばかりの おしどり姿 ならぶ草鞋(わらじ)に 風が吹く 浮世あぶれた やくざな旅は どこで散るやら 果てるやら  泣くも笑うも ふところ次第 もとでなくした その時は 遠慮いらずの 女房じゃないか 丁とはりゃんせ わしが身を
大利根しぐれ利根のしぐれか 瞼が濡れる 夢はどこかへ 落し差し 武士のこころは 忘れはせぬが 風にまかせた 枯れ落葉 浮世流転の 浮世流転の 平手造酒  「江戸は神田 お玉ヶ池の千葉道場で 昔、磨いたこの腕を 買われてなった用心棒― これが平手の…なれの果てだ」  受けた恩義は 白刃で返す 野暮な渡世の かえし業(わざ) 喧嘩沙汰なら 命もままよ 賭けて裏目が 出ようとも 義理にゃ勝てない 義理にゃ勝てない 平手造酒  「無器用に生きた平手造酒 痩せても枯れても 武士は武士 小さな誇りと脇差し抱いて どこかへ消えて行くだけさ」  酒に溺れた 男の明日を 空の徳利が 知るものか どうせこの道ァ あの世とやらへ 啼くな葦切(よしきり) 灯(ひ)のかげで 影もやつれた 影もやつれた 平手造酒島津亜矢野本高平村沢良介池多孝春利根のしぐれか 瞼が濡れる 夢はどこかへ 落し差し 武士のこころは 忘れはせぬが 風にまかせた 枯れ落葉 浮世流転の 浮世流転の 平手造酒  「江戸は神田 お玉ヶ池の千葉道場で 昔、磨いたこの腕を 買われてなった用心棒― これが平手の…なれの果てだ」  受けた恩義は 白刃で返す 野暮な渡世の かえし業(わざ) 喧嘩沙汰なら 命もままよ 賭けて裏目が 出ようとも 義理にゃ勝てない 義理にゃ勝てない 平手造酒  「無器用に生きた平手造酒 痩せても枯れても 武士は武士 小さな誇りと脇差し抱いて どこかへ消えて行くだけさ」  酒に溺れた 男の明日を 空の徳利が 知るものか どうせこの道ァ あの世とやらへ 啼くな葦切(よしきり) 灯(ひ)のかげで 影もやつれた 影もやつれた 平手造酒
瞼の母軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす  「おかみさん 今何とか言いなすったね 親子の名のりがしたかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねぇぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ」  世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き  「何を言ってやんでぇ 何が今更、 忠太郎だ 何が倅でぇ 俺らにゃおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは 俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしいおっ母の面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんだ」  逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る  「おっ母さん」島津亜矢坂口ふみ緒沢しげと池多孝春軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす  「おかみさん 今何とか言いなすったね 親子の名のりがしたかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねぇぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ」  世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き  「何を言ってやんでぇ 何が今更、 忠太郎だ 何が倅でぇ 俺らにゃおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは 俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしいおっ母の面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんだ」  逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る  「おっ母さん」
旅笠道中「人間 おぎゃアと生まれて思う様に 生きられる者は 一体何人おりましょう 上を見ればきりがない 下を見れば我慢もできる 近道なんかするよりもせめて おのれの心に嘘をつかず 生きてみたいと思います」  夜が冷たい 心が寒い 渡り鳥かよ 俺等の旅は 風のまにまに 吹きさらし  風が変れば 俺等も変る 仁義双六 丁半かけて 渡るやくざの たよりなさ  「明日がない 夢がないと仰るんですかい そりゃ一寸先は闇の浮世と云いますが ごらんなさい道端の 名もない小さな花でさえ 春が来りゃぁ世に出ます この人間界(うきよ) まんざら捨てたもんじゃ ございませんぜ」  亭主もつなら 堅気をおもち とかくやくざは 苦労の種よ 恋も人情も 旅の空島津亜矢藤田まさと大村能章馬場良「人間 おぎゃアと生まれて思う様に 生きられる者は 一体何人おりましょう 上を見ればきりがない 下を見れば我慢もできる 近道なんかするよりもせめて おのれの心に嘘をつかず 生きてみたいと思います」  夜が冷たい 心が寒い 渡り鳥かよ 俺等の旅は 風のまにまに 吹きさらし  風が変れば 俺等も変る 仁義双六 丁半かけて 渡るやくざの たよりなさ  「明日がない 夢がないと仰るんですかい そりゃ一寸先は闇の浮世と云いますが ごらんなさい道端の 名もない小さな花でさえ 春が来りゃぁ世に出ます この人間界(うきよ) まんざら捨てたもんじゃ ございませんぜ」  亭主もつなら 堅気をおもち とかくやくざは 苦労の種よ 恋も人情も 旅の空
名月赤城山男ごころに 男が惚れて 意気がとけ合う 赤城山 澄んだ夜空の まんまる月に 浮世横笛 誰が吹く  「赤城の山も今夜を限り 生まれ故郷の国定の 村や 縄張りを捨て国を捨て 可愛い乾分(こぶん)の 手前ぇたちとも わかれわかれになる首途だ」  意地の筋金 度胸のよさも いつか落目の 三度笠 云われまいぞえ やくざの果てと さとるわらじに 散る落葉  「加賀の国の住人 小松五郎義兼が鍛えた業物 万年溜の雪水に浄めて 俺には生涯ぇ手前ぇと いう強ぇ味方があったのだ」  渡る雁がね 乱れてないて 明日はいずこの ねぐらやら 心しみじみ 吹く横笛に またも騒ぐか 夜半の風島津亜矢矢島寵児菊地博池多孝春男ごころに 男が惚れて 意気がとけ合う 赤城山 澄んだ夜空の まんまる月に 浮世横笛 誰が吹く  「赤城の山も今夜を限り 生まれ故郷の国定の 村や 縄張りを捨て国を捨て 可愛い乾分(こぶん)の 手前ぇたちとも わかれわかれになる首途だ」  意地の筋金 度胸のよさも いつか落目の 三度笠 云われまいぞえ やくざの果てと さとるわらじに 散る落葉  「加賀の国の住人 小松五郎義兼が鍛えた業物 万年溜の雪水に浄めて 俺には生涯ぇ手前ぇと いう強ぇ味方があったのだ」  渡る雁がね 乱れてないて 明日はいずこの ねぐらやら 心しみじみ 吹く横笛に またも騒ぐか 夜半の風
流転「この裏通りは どこまで続いているのかと 伺いましたら あの世までだと 世間さまが教えてくれました」  男命を みすじの糸に かけて三七(さんしち) 二十一目(さいのめ)くずれ 浮世かるたの 浮世かるたの 浮沈み  どうせ一度は あの世とやらへ 落ちて流れて 行く身じゃないか 鳴くな夜明けの 鳴くな夜明けの 渡り鳥  「お袋さんから せっかく貰った五尺の身体(からだ)も いつか崩れて三味線やくざ とんだバチ当りでござんすが 男の意地と あったけえ 涙の一粒ぐれえは 大事に 持っていてえもんでございます」  意地は男よ 情は女子 ままになるなら 男を捨てて 俺も生きたや 俺も生きたや 恋のため島津亜矢藤田まさと阿部武雄山田年秋「この裏通りは どこまで続いているのかと 伺いましたら あの世までだと 世間さまが教えてくれました」  男命を みすじの糸に かけて三七(さんしち) 二十一目(さいのめ)くずれ 浮世かるたの 浮世かるたの 浮沈み  どうせ一度は あの世とやらへ 落ちて流れて 行く身じゃないか 鳴くな夜明けの 鳴くな夜明けの 渡り鳥  「お袋さんから せっかく貰った五尺の身体(からだ)も いつか崩れて三味線やくざ とんだバチ当りでござんすが 男の意地と あったけえ 涙の一粒ぐれえは 大事に 持っていてえもんでございます」  意地は男よ 情は女子 ままになるなら 男を捨てて 俺も生きたや 俺も生きたや 恋のため
吉良の仁吉「やくざ稼業は 因果なもンでございます まして 渡世の掟は きびしいもンでございます 男と男の杯を 守り通して恋女房に 泣いて持たせた離縁状 吉良の仁吉は 男の中の男でございます」  海道名物 数あれど 三河音頭に 打太鼓 ちょいと太田の 仁吉どん 後ろ姿の粋な事  吉良の港は おぼろ月 泣けば乱れる 黒髪の 赤いてがらも 痛ましや お菊十八 恋女房  引くに引かれぬ 意地の道 止めてくれるな 名がすたる いやな渡世の 一本刀 辛い訣れを なぜ切らぬ  嫁と呼ばれて まだ三月 ほんに儚い 夢のあと 行かせともなや 荒神山へ 行けば血の雨 涙雨島津亜矢萩原四朗山下五郎山田年秋「やくざ稼業は 因果なもンでございます まして 渡世の掟は きびしいもンでございます 男と男の杯を 守り通して恋女房に 泣いて持たせた離縁状 吉良の仁吉は 男の中の男でございます」  海道名物 数あれど 三河音頭に 打太鼓 ちょいと太田の 仁吉どん 後ろ姿の粋な事  吉良の港は おぼろ月 泣けば乱れる 黒髪の 赤いてがらも 痛ましや お菊十八 恋女房  引くに引かれぬ 意地の道 止めてくれるな 名がすたる いやな渡世の 一本刀 辛い訣れを なぜ切らぬ  嫁と呼ばれて まだ三月 ほんに儚い 夢のあと 行かせともなや 荒神山へ 行けば血の雨 涙雨
仲乗り新三木曽の生まれよ 仲乗り新三 夜風身に沁む 旅鴉 生まれ在所で いつかはきっと 寝ずに覚えた 木曽節を いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 結ぶ草鞋と アンァー アー… 三度笠  木曽のナー ナカノリサン 木曽の御岳 ナンジャラホイ 夏でも寒い ヨイヨイヨイ アラ ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイー  斬って切れない 情けの糸で 後ろ髪ひく 茶屋娘 こんなやくざに 惚れたら苦労 明けの木曽路を 忍び立ち いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 縞の合羽に アンァー アー… ひとしずく  「お控えなすって お控えなすって… 手前 生国と発しまするは 木曽でござんす 木曽は木曽でも木曽川で 産湯を使った 仲乗り新三と申します…」 遠音・山越し・ふるさと囃子… じーんと来やんす瞼の奥で… 捨てたあの娘が 捨てたあの娘が俺を呼ぶ…」  石の地蔵さんと 野仏さんに 片手拝みの いそぎ旅 ままよ長脇差 水棹に代えて 流す筏は 十三里 いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 娘 手を振る アンァー アー… 中仙道島津亜矢つるぎまさる村沢良介池多孝春木曽の生まれよ 仲乗り新三 夜風身に沁む 旅鴉 生まれ在所で いつかはきっと 寝ずに覚えた 木曽節を いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 結ぶ草鞋と アンァー アー… 三度笠  木曽のナー ナカノリサン 木曽の御岳 ナンジャラホイ 夏でも寒い ヨイヨイヨイ アラ ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイー  斬って切れない 情けの糸で 後ろ髪ひく 茶屋娘 こんなやくざに 惚れたら苦労 明けの木曽路を 忍び立ち いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 縞の合羽に アンァー アー… ひとしずく  「お控えなすって お控えなすって… 手前 生国と発しまするは 木曽でござんす 木曽は木曽でも木曽川で 産湯を使った 仲乗り新三と申します…」 遠音・山越し・ふるさと囃子… じーんと来やんす瞼の奥で… 捨てたあの娘が 捨てたあの娘が俺を呼ぶ…」  石の地蔵さんと 野仏さんに 片手拝みの いそぎ旅 ままよ長脇差 水棹に代えて 流す筏は 十三里 いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 娘 手を振る アンァー アー… 中仙道
妻恋道中「堅気嫌ってやくざになって 野暮は承知の喧嘩沙汰 飽きも飽かれもしねぇ夫婦(みょうと)の仲も 俺ァこの脇差(どす)で切ってしまったんだ 馬鹿は死んでも なおらねえ」  好いた女房に 三下(みくだ)り半を 投げて長脇差(ながどす) 永の旅 怨むまいぞえ 俺等のことは またの浮世で 逢うまでは  惚れていながら 惚れない素振り それがやくざの 恋とやら 二度と添うまい 街道がらす 阿呆阿呆で 旅ぐらし  「意地を通すか人情(なさけ)をとるか 二つに一つの返答は 男なりゃこそ胸のうち どうせこの世は一天地六(いってんちろく) 出たとこ勝負と賽の目ふれば お釈迦様さえ横をむく」  泣いてなるかと 心に誓や 誓う矢先に またほろり 馬鹿を承知の 俺等の胸を 何故に泣かすか 今朝の風島津亜矢藤田まさと阿部武雄馬場良「堅気嫌ってやくざになって 野暮は承知の喧嘩沙汰 飽きも飽かれもしねぇ夫婦(みょうと)の仲も 俺ァこの脇差(どす)で切ってしまったんだ 馬鹿は死んでも なおらねえ」  好いた女房に 三下(みくだ)り半を 投げて長脇差(ながどす) 永の旅 怨むまいぞえ 俺等のことは またの浮世で 逢うまでは  惚れていながら 惚れない素振り それがやくざの 恋とやら 二度と添うまい 街道がらす 阿呆阿呆で 旅ぐらし  「意地を通すか人情(なさけ)をとるか 二つに一つの返答は 男なりゃこそ胸のうち どうせこの世は一天地六(いってんちろく) 出たとこ勝負と賽の目ふれば お釈迦様さえ横をむく」  泣いてなるかと 心に誓や 誓う矢先に またほろり 馬鹿を承知の 俺等の胸を 何故に泣かすか 今朝の風
赤城山「幾百千里離れても、 俺の命を庇(かば)ってくれた、 赤城のお山と手前たちのこと、 忠治は生涯、忘れはしねえぞ。」  やむにやまれず 長脇差(ながどす)抜いた 俺を御用の 提灯(ひ)が囲む これが運命(さだめ)か 裏街道 落ち目くだり目 涯(はて)ない首途(かどで) さらば赤城山(あかぎ)の さらば赤城山の 月灯り  「関(かん)八州に身のおきどころ、 追われ追われて仮寝(かりね)の枕。」 今日があっても、明日はねえンだ。 いいってことよ、泣くんじゃねぇ。 あと振り返って背伸びをすりゃあ 赤城のお山は、拝めるんだ。」  義理の盃(さかずき) 男の意地も 勝てぬ浮世に 腹が立つ どこへ飛ぶのか 雁の声 こんど逢う時ァ あの世じゃないか 風が身にしむ 風が身にしむ 秋しぐれ  「親子づれか、兄弟か。 ――雁が鳴いて飛んでゆく。 やっぱりあいつも、 故郷(こきょう)の空が恋しいんだろうなあ。」  木綿角帯(もめんかくおび) 堅気(かたぎ)の姿 夢にまでみて 捨ててきた どうせ戻れぬ 旅がらす こころ故郷(こきょう)へ 草鞋(わらじ)は西へ 泣かぬ忠治の 泣かぬ忠治の 目に涙島津亜矢野本高平村沢良介池多孝春「幾百千里離れても、 俺の命を庇(かば)ってくれた、 赤城のお山と手前たちのこと、 忠治は生涯、忘れはしねえぞ。」  やむにやまれず 長脇差(ながどす)抜いた 俺を御用の 提灯(ひ)が囲む これが運命(さだめ)か 裏街道 落ち目くだり目 涯(はて)ない首途(かどで) さらば赤城山(あかぎ)の さらば赤城山の 月灯り  「関(かん)八州に身のおきどころ、 追われ追われて仮寝(かりね)の枕。」 今日があっても、明日はねえンだ。 いいってことよ、泣くんじゃねぇ。 あと振り返って背伸びをすりゃあ 赤城のお山は、拝めるんだ。」  義理の盃(さかずき) 男の意地も 勝てぬ浮世に 腹が立つ どこへ飛ぶのか 雁の声 こんど逢う時ァ あの世じゃないか 風が身にしむ 風が身にしむ 秋しぐれ  「親子づれか、兄弟か。 ――雁が鳴いて飛んでゆく。 やっぱりあいつも、 故郷(こきょう)の空が恋しいんだろうなあ。」  木綿角帯(もめんかくおび) 堅気(かたぎ)の姿 夢にまでみて 捨ててきた どうせ戻れぬ 旅がらす こころ故郷(こきょう)へ 草鞋(わらじ)は西へ 泣かぬ忠治の 泣かぬ忠治の 目に涙
豪商一代 紀伊国屋文左衛門惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船  肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦  浜辺に送る妻や子が、別れを惜 しんで呼ぶ声も風に悲しく千切 れとぶ、まして文左の新妻は、今 年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びし ながら手を振れど、雨と嵐にさ えぎられ、かすむ良人(おっと)の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心 の切なさよ。  「白装束に身を固め、梵天丸に乗り 移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝ま だき。此の時、遥か街道に駒のいな なき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打っ て、パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉 津島明神の神官、高松河内。可愛い 娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願を こめました。 海上安全守りの御幣、背中にしっか りとくくりつけ、嵐の中を歯を喰いし ばり親の心の有り難さ。婿どのイヤ 待ったと駆けつけた。」  涙で受取る文左衛門。 未練心を断つように、波切丸を 抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、 さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐ な此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は 忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさな がら息の根を、止めんばかりの凄 まじさ、舳(へさき)に立った文左衛門は、 両の眼をらんらんと、刀を頭上 に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模 の荒灘も、男一代名をかけて、乗 り切る文左のみかん船。  沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー  八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く島津亜矢北村桃児長津義司惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船  肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦  浜辺に送る妻や子が、別れを惜 しんで呼ぶ声も風に悲しく千切 れとぶ、まして文左の新妻は、今 年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びし ながら手を振れど、雨と嵐にさ えぎられ、かすむ良人(おっと)の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心 の切なさよ。  「白装束に身を固め、梵天丸に乗り 移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝ま だき。此の時、遥か街道に駒のいな なき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打っ て、パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉 津島明神の神官、高松河内。可愛い 娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願を こめました。 海上安全守りの御幣、背中にしっか りとくくりつけ、嵐の中を歯を喰いし ばり親の心の有り難さ。婿どのイヤ 待ったと駆けつけた。」  涙で受取る文左衛門。 未練心を断つように、波切丸を 抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、 さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐ な此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は 忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさな がら息の根を、止めんばかりの凄 まじさ、舳(へさき)に立った文左衛門は、 両の眼をらんらんと、刀を頭上 に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模 の荒灘も、男一代名をかけて、乗 り切る文左のみかん船。  沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー  八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く
村松梢風原作「残菊物語」より お徳「お徳、お前がいのち」と言って下さった あの夜の若旦那の言葉、 お徳は若旦那と離れられなくなりました…  親の許さぬ ふたりの仲を 恋の炎は なぜ焦がす 花の音羽屋 お徳のいのち 髪を 髪を ほどけば紅が散る 夢はおぼろ 夢はおぼろ 泣いて浪花へ 都落ち  父親の跡を継いで芝居をとるか、お徳をとるか… 若旦那はお徳をとって下さいました あの時から若旦那とお徳の命は、 二人で一つになりました… だから、どんな事をしてでも 若旦那を立派な役者にしなければ…  妻と名のれず あなたと呼べず 隠れ所帯は 路地の奥 好きなお方が 世に出るまでは 苦労 苦労 覚悟のいく曲がり 涙おぼろ 涙おぼろ 生きて尽くして 愛されて  えっ、本当ですか? 旦那様が二人の事を許して下さったのですか? それじゃ、このお徳は世間晴れて、 若旦那の女房になれたのですね… これからは「あなた」と呼んでもいいのですね… あなた…これで私の病気も治りますね… 私の命はあなたのいのち、 お徳は…お徳は…幸せ者です……  出世花道 舟乗り込みを せめて笑顔で 送る朝 今日が最期か お徳のつとめ 終えて 終えて 黄泉路をひとり旅 あとはおぼろ あとはおぼろ 声が聞こえる 大向う  あなた あなた あなた…音羽屋……島津亜矢野本高平村沢良介「お徳、お前がいのち」と言って下さった あの夜の若旦那の言葉、 お徳は若旦那と離れられなくなりました…  親の許さぬ ふたりの仲を 恋の炎は なぜ焦がす 花の音羽屋 お徳のいのち 髪を 髪を ほどけば紅が散る 夢はおぼろ 夢はおぼろ 泣いて浪花へ 都落ち  父親の跡を継いで芝居をとるか、お徳をとるか… 若旦那はお徳をとって下さいました あの時から若旦那とお徳の命は、 二人で一つになりました… だから、どんな事をしてでも 若旦那を立派な役者にしなければ…  妻と名のれず あなたと呼べず 隠れ所帯は 路地の奥 好きなお方が 世に出るまでは 苦労 苦労 覚悟のいく曲がり 涙おぼろ 涙おぼろ 生きて尽くして 愛されて  えっ、本当ですか? 旦那様が二人の事を許して下さったのですか? それじゃ、このお徳は世間晴れて、 若旦那の女房になれたのですね… これからは「あなた」と呼んでもいいのですね… あなた…これで私の病気も治りますね… 私の命はあなたのいのち、 お徳は…お徳は…幸せ者です……  出世花道 舟乗り込みを せめて笑顔で 送る朝 今日が最期か お徳のつとめ 終えて 終えて 黄泉路をひとり旅 あとはおぼろ あとはおぼろ 声が聞こえる 大向う  あなた あなた あなた…音羽屋……
飾りじゃないのよ涙は私は泣いたことがない 灯の消えた街角で 速い車にのっけられても 急にスピンかけられても恐くなかった  赤いスカーフがゆれるのを 不思議な気持ちで見てたけど 私 泣いたりするのは違うと感じてた  私は泣いたことがない つめたい夜の真ん中で いろんな人とすれ違ったり 投げKiss受けとめたり投げ返したり  そして友達が変わるたび 想い出ばかりがふえたけど 私 泣いたりするのは違うと感じてた  飾りじゃないのよ涙は HAHAN 好きだと言ってるじゃないの HO HO 真珠じゃないのよ涙は HAHAN きれいなだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は HOHOHO  HOHOHO… HUHUHU……WA!!  私は泣いたことがない 本当の恋をしていない 誰の前でもひとりきりでも 瞳の奥の涙は隠していたから  いつか恋人に会える時 私の世界が変わる時 私 泣いたりするんじゃないかと感じてる きっと 泣いたりするんじゃないかと感じてる  飾りじゃないのよ涙は HAHAN 好きだと言ってるじゃないの HO HO 真珠じゃないのよ涙は HA HAN きれいなだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は  飾りじゃないのよ涙は HAHAN かがやくだけならいいけど HO HO ダイヤと違うの涙は HAHAN さみしいだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は  La La La………島津亜矢井上陽水井上陽水私は泣いたことがない 灯の消えた街角で 速い車にのっけられても 急にスピンかけられても恐くなかった  赤いスカーフがゆれるのを 不思議な気持ちで見てたけど 私 泣いたりするのは違うと感じてた  私は泣いたことがない つめたい夜の真ん中で いろんな人とすれ違ったり 投げKiss受けとめたり投げ返したり  そして友達が変わるたび 想い出ばかりがふえたけど 私 泣いたりするのは違うと感じてた  飾りじゃないのよ涙は HAHAN 好きだと言ってるじゃないの HO HO 真珠じゃないのよ涙は HAHAN きれいなだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は HOHOHO  HOHOHO… HUHUHU……WA!!  私は泣いたことがない 本当の恋をしていない 誰の前でもひとりきりでも 瞳の奥の涙は隠していたから  いつか恋人に会える時 私の世界が変わる時 私 泣いたりするんじゃないかと感じてる きっと 泣いたりするんじゃないかと感じてる  飾りじゃないのよ涙は HAHAN 好きだと言ってるじゃないの HO HO 真珠じゃないのよ涙は HA HAN きれいなだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は  飾りじゃないのよ涙は HAHAN かがやくだけならいいけど HO HO ダイヤと違うの涙は HAHAN さみしいだけならいいけど ちょっと悲しすぎるのよ涙は  La La La………
男の花火泣くになけない 涙のつぶを 火薬代わりに つめこんで 明日が見えなきゃ 心の闇に 夢の花火を 打ち上げろ ドーンとね 思い切り 思い切り 男の命を 打ち上げろ  惚れたはれたと 言えない想い 酒でかくして 湿気(しけ)らすな 駄目でもともと あの娘の胸に 恋の花火を 打ち上げろ ドーンとね 今夜こそ 今夜こそ 男の純情 打ち上げろ  今日の今日まで 出逢った人に 返し切れない 恩がある 裏も表も ないほどでかい 夢の花火を 打ち上げろ ドーンとね あざやかに あざやかに 男の誠を 打ち上げろ島津亜矢田久保真見宮下健治南郷達也泣くになけない 涙のつぶを 火薬代わりに つめこんで 明日が見えなきゃ 心の闇に 夢の花火を 打ち上げろ ドーンとね 思い切り 思い切り 男の命を 打ち上げろ  惚れたはれたと 言えない想い 酒でかくして 湿気(しけ)らすな 駄目でもともと あの娘の胸に 恋の花火を 打ち上げろ ドーンとね 今夜こそ 今夜こそ 男の純情 打ち上げろ  今日の今日まで 出逢った人に 返し切れない 恩がある 裏も表も ないほどでかい 夢の花火を 打ち上げろ ドーンとね あざやかに あざやかに 男の誠を 打ち上げろ
縁舞台おぎゃあと産まれた その瞬間(とき)に ずいと 上がった 幕がある お天道様(てんとさま)が 照らしてくれる 一生一度の 夢舞台 こんな自分を 生き抜いて 親に見せたい 晴れ姿  あぜみち坂道 いばら道 こころ ほころぶ 夜もある 涙でにじむ 浮世のかがみ 誰にもみせない 舞台裏 風に背中を なぞられて 遠いふるさと 想う夜  明日へと続いた 花道の 中心(なか)に 奈落の 谷がある 一寸先は 光か闇か おごるな負けるな 夢舞台 運命(さだめ)相手の 闘いに 勝って勝ち抜き 明日を行く島津亜矢田久保真見宮下健治南郷達也おぎゃあと産まれた その瞬間(とき)に ずいと 上がった 幕がある お天道様(てんとさま)が 照らしてくれる 一生一度の 夢舞台 こんな自分を 生き抜いて 親に見せたい 晴れ姿  あぜみち坂道 いばら道 こころ ほころぶ 夜もある 涙でにじむ 浮世のかがみ 誰にもみせない 舞台裏 風に背中を なぞられて 遠いふるさと 想う夜  明日へと続いた 花道の 中心(なか)に 奈落の 谷がある 一寸先は 光か闇か おごるな負けるな 夢舞台 運命(さだめ)相手の 闘いに 勝って勝ち抜き 明日を行く
天竜三度笠しぐれ街道 夜風に吹かれ 急ぎ旅です 中仙道 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 ひと目逢いてぇ おふくろに 夢でござんす 夢でござんす …天竜三度笠  お控ぇなすって… お控ぇなすって… 手前ぇ生国と発しまするは 信濃の国でござんす 天竜の水で産湯を浸かった 人呼んで… 母恋半次郎と申すけちな野郎でござんす 以後万端お見知りおき… よろしゅうお頼う申します  長脇差(どす)を抱き寝の 浮草ぐらし 渡る仁義の うら表 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 故郷(くに)へ帰れる 身じゃねぇが 愚痴でござんす 愚痴でござんす …天竜三度笠  どこへ飛ぼうか 賽の目まかせ 縞の合羽に 謎かける おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 詫びておりやす 親不孝 辛うござんす 辛うござんす …天竜三度笠島津亜矢チコ早苗村沢良介伊戸のりおしぐれ街道 夜風に吹かれ 急ぎ旅です 中仙道 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 ひと目逢いてぇ おふくろに 夢でござんす 夢でござんす …天竜三度笠  お控ぇなすって… お控ぇなすって… 手前ぇ生国と発しまするは 信濃の国でござんす 天竜の水で産湯を浸かった 人呼んで… 母恋半次郎と申すけちな野郎でござんす 以後万端お見知りおき… よろしゅうお頼う申します  長脇差(どす)を抱き寝の 浮草ぐらし 渡る仁義の うら表 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 故郷(くに)へ帰れる 身じゃねぇが 愚痴でござんす 愚痴でござんす …天竜三度笠  どこへ飛ぼうか 賽の目まかせ 縞の合羽に 謎かける おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 詫びておりやす 親不孝 辛うござんす 辛うござんす …天竜三度笠
日本の昔話「鶴女房」より おつう「日本に古くから伝わる民話 美しくも哀しい鶴の物語です。」  うれしくて うれしくて 雪にさまよう この命 助けてくれた 恩返し 羽根を千本 引き抜いて 織り上げましょう 千羽織り あなた…あなた… つうはあなたの 女房になりました  「あの雪の降る寒い夜… あなたは私の胸に 食い込んだ矢を抜いて、命を助けてくれました。 その恩返しにあなたの所にお嫁に来たのです。 そしてあなたに喜んで貰おうと思って、 心を込めて一生懸命に布を織りました。 貧乏でも構いません…。私はあなたの側に いたいのです。だからお願いです…。 私から離れないで… どこへも行かないで下さい…。」  せつなくて せつなくて 力 尽きても 死のうとも 心をこめて 織りました 違う世界の 人の様に 冷たくなって いかないで あなた…あなた… つうはあなたの お側で暮らしたい  「あれほど覗かないでと言ったのに、 あなたは覗きましたね…なぜ見たのです! 私は以前、傷ついた所を助けていただいた鶴です…。 その恩に報いるために、命を、命をかけて、 心を込めて布を織りました…。 でも私の本当の姿を見られては、 もうここに住むことは出来ないのです。 許して下さい…私は鶴に戻ります!」  夢でした 夢でした どうぞ機屋を 覗かずに その約束は 雪に散る 祈り願いも 叶わずに 茜に染まる 空の果て あなた…あなた… つうは涙で 昔にもどります  「さようならあなた…私は飛び立ちます! さようなら…」島津亜矢さとの深花村沢良介「日本に古くから伝わる民話 美しくも哀しい鶴の物語です。」  うれしくて うれしくて 雪にさまよう この命 助けてくれた 恩返し 羽根を千本 引き抜いて 織り上げましょう 千羽織り あなた…あなた… つうはあなたの 女房になりました  「あの雪の降る寒い夜… あなたは私の胸に 食い込んだ矢を抜いて、命を助けてくれました。 その恩返しにあなたの所にお嫁に来たのです。 そしてあなたに喜んで貰おうと思って、 心を込めて一生懸命に布を織りました。 貧乏でも構いません…。私はあなたの側に いたいのです。だからお願いです…。 私から離れないで… どこへも行かないで下さい…。」  せつなくて せつなくて 力 尽きても 死のうとも 心をこめて 織りました 違う世界の 人の様に 冷たくなって いかないで あなた…あなた… つうはあなたの お側で暮らしたい  「あれほど覗かないでと言ったのに、 あなたは覗きましたね…なぜ見たのです! 私は以前、傷ついた所を助けていただいた鶴です…。 その恩に報いるために、命を、命をかけて、 心を込めて布を織りました…。 でも私の本当の姿を見られては、 もうここに住むことは出来ないのです。 許して下さい…私は鶴に戻ります!」  夢でした 夢でした どうぞ機屋を 覗かずに その約束は 雪に散る 祈り願いも 叶わずに 茜に染まる 空の果て あなた…あなた… つうは涙で 昔にもどります  「さようならあなた…私は飛び立ちます! さようなら…」
元禄男の友情 立花左近忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近  松の並木に 灯がゆれて 今宵泊は 鳴海の宿(しゅく)か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら  「何んとこの宿に、立花左近が泊まってい る?黙れ!吾こそは、まこと九條関白の名 代として江戸は、東叡山寛永寺に献上の 品々を宰領(さいりょう)して東へ下る、立花左近じゃ。 えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内(あない)を致せ。」  音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を 足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖 ハッと思わず立花が 目を見晴らすも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴じゃ おう、この人が内蔵之助 仇(あだ)を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同士の胸の裡(うち)。  「あゝ恐れ入りましてござりまする、お名 前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、この目録はすでに拙者に要のない 品、関白殿下直筆のこの御書状をお持 ちになれば、関所、宿場も無事にお通り なさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇(かたき)を討ち晴ら し、あ、いやいや、目出度く務めを果たさ れまするようお祈り致しておりますぞ。」  罪を破って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る  時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の袖じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士(もののふ)の 意地と天下の政道(せいどう)を 正さんものと火と燃えて 打つか山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞こゆる太鼓の音に 布団をけって立ち上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後(あと)一人 播州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと。島津亜矢北村桃児佐藤川太忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近  松の並木に 灯がゆれて 今宵泊は 鳴海の宿(しゅく)か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら  「何んとこの宿に、立花左近が泊まってい る?黙れ!吾こそは、まこと九條関白の名 代として江戸は、東叡山寛永寺に献上の 品々を宰領(さいりょう)して東へ下る、立花左近じゃ。 えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内(あない)を致せ。」  音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を 足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖 ハッと思わず立花が 目を見晴らすも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴じゃ おう、この人が内蔵之助 仇(あだ)を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同士の胸の裡(うち)。  「あゝ恐れ入りましてござりまする、お名 前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、この目録はすでに拙者に要のない 品、関白殿下直筆のこの御書状をお持 ちになれば、関所、宿場も無事にお通り なさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇(かたき)を討ち晴ら し、あ、いやいや、目出度く務めを果たさ れまするようお祈り致しておりますぞ。」  罪を破って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る  時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の袖じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士(もののふ)の 意地と天下の政道(せいどう)を 正さんものと火と燃えて 打つか山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞こゆる太鼓の音に 布団をけって立ち上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後(あと)一人 播州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと。
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
人生劇場やると思えば どこまでやるさ それが男の 魂じゃないか 義理がすたれば この世はやみだ なまじとめるな 夜の雨  あんな女に 未練はないが なぜか涙が 流れてならぬ 男ごころは 男でなけりゃ わかるものかと あきらめた  時世時節(ときよじせつ)は 変わろとままよ 吉良の仁吉は 男じゃないか おれも生きたや 仁吉のように 義理と人情の この世界島津亜矢佐藤惣之助古賀政男やると思えば どこまでやるさ それが男の 魂じゃないか 義理がすたれば この世はやみだ なまじとめるな 夜の雨  あんな女に 未練はないが なぜか涙が 流れてならぬ 男ごころは 男でなけりゃ わかるものかと あきらめた  時世時節(ときよじせつ)は 変わろとままよ 吉良の仁吉は 男じゃないか おれも生きたや 仁吉のように 義理と人情の この世界
龍馬残影風が舞うのか お龍(りょう)の声か 頬をたたいた 京しぐれ 夢のつづきが あるならば おまえと見たい 最後まで 龍馬血染めの 龍馬血染めの 夢が哭(な)く  馬鹿が無用の 剣ぬいて それで日本が 拓(ひら)けるか 話してわかる 刺客(やつ)ではないが まことこの世は ままならぬ 浮いて漂(ただ)よう 高瀬舟  土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし 買うをみた ヨサコイ ヨサコイ……  維新回天 命を賭けて 散って実のなる 華(はな)もある 荒れて吠えるな 土佐の海 明日(あす)は七つの 海越えて 龍馬夜明けの 龍馬夜明けの 天を征(ゆ)く島津亜矢吉岡治市川昭介風が舞うのか お龍(りょう)の声か 頬をたたいた 京しぐれ 夢のつづきが あるならば おまえと見たい 最後まで 龍馬血染めの 龍馬血染めの 夢が哭(な)く  馬鹿が無用の 剣ぬいて それで日本が 拓(ひら)けるか 話してわかる 刺客(やつ)ではないが まことこの世は ままならぬ 浮いて漂(ただ)よう 高瀬舟  土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし 買うをみた ヨサコイ ヨサコイ……  維新回天 命を賭けて 散って実のなる 華(はな)もある 荒れて吠えるな 土佐の海 明日(あす)は七つの 海越えて 龍馬夜明けの 龍馬夜明けの 天を征(ゆ)く
真赤な太陽まっかに燃えた 太陽だから 真夏の海は 恋の季節なの 渚をはしる ふたりの髪に せつなくなびく 甘い潮風よ はげしい愛に 灼けた素肌は 燃えるこころ 恋のときめき 忘れず残すため まっかに燃えた 太陽だから 真夏の海は 恋の季節なの  いつかは沈む 太陽だから 涙にぬれた 恋の季節なの 渚に消えた ふたりの恋に 砕ける波が 白く目にしみる くちづけかわし 永遠(とわ)を誓った 愛の孤独 海にながして はげしく身をまかす いつかは沈む 太陽だから 涙にぬれた 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの島津亜矢吉岡治原信夫まっかに燃えた 太陽だから 真夏の海は 恋の季節なの 渚をはしる ふたりの髪に せつなくなびく 甘い潮風よ はげしい愛に 灼けた素肌は 燃えるこころ 恋のときめき 忘れず残すため まっかに燃えた 太陽だから 真夏の海は 恋の季節なの  いつかは沈む 太陽だから 涙にぬれた 恋の季節なの 渚に消えた ふたりの恋に 砕ける波が 白く目にしみる くちづけかわし 永遠(とわ)を誓った 愛の孤独 海にながして はげしく身をまかす いつかは沈む 太陽だから 涙にぬれた 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの 恋の季節なの
翼をくださいいま私の願いごとが かなうならば 翼がほしい この背中に 鳥のように 白い翼 つけてください この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい  いま富とか名誉ならば いらないけど 翼がほしい 子供の時 夢見たこと 今も同じ 夢に見ている この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ  この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい島津亜矢山上路夫村井邦彦いま私の願いごとが かなうならば 翼がほしい この背中に 鳥のように 白い翼 つけてください この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい  いま富とか名誉ならば いらないけど 翼がほしい 子供の時 夢見たこと 今も同じ 夢に見ている この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ  この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい
千の風になって私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています  秋には光になって 畑にふりそそぐ 冬はダイヤのように きらめく雪になる 朝は鳥になって あなたを目覚めさせる 夜は星になって あなたを見守る  私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 死んでなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています  千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています あの大きな空を 吹きわたっています島津亜矢不詳・訳詞:新井満新井満私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています  秋には光になって 畑にふりそそぐ 冬はダイヤのように きらめく雪になる 朝は鳥になって あなたを目覚めさせる 夜は星になって あなたを見守る  私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 死んでなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています  千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています あの大きな空を 吹きわたっています
ヨイトマケの唄“父ちゃんのためなら エンヤコラ 母ちゃんのためなら エンヤコラ もひとつおまけに エンヤコラ”  今も聞こえるヨイトマケの唄 今も聞こえるあの子守唄 工事現場のひるやすみ たばこふかして目を閉じりゃ 聞こえてくるよあの唄が 働く土方のあの唄が 貧しい土方のあの唄が  子供の頃に小学校で ヨイトマケの子供きたない子供と いじめぬかれてはやされて くやし涙にくれながら 泣いて帰った道すがら 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た  姉(あね)さんかむりで泥にまみれて 日に灼(や)けながら汗を流して 男にまじって網を引き 天にむかって声をあげて 力の限りにうたってた 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た  慰(なぐさ)めてもらおう抱いてもらおうと 息をはずませ帰ってはきたが 母ちゃんの姿見たときに 泣いた涙も忘れはて 帰って行ったよ学校へ 勉強するよと云いながら 勉強するよと云いながら  あれから何年たった事だろ 高校も出たし大学も出た 今じゃ機械の世の中で おまけに僕はエンジニア 苦労苦労で死んでった 母ちゃん見てくれこの姿 母ちゃん見てくれこの姿  何度か僕もグレかけたけど やくざな道はふまずにすんだ どんなきれいな唄よりも どんなきれいな声よりも 僕をはげまし慰めた 母ちゃんの唄こそ世界一 母ちゃんの唄こそ世界一  今も聞こえるヨイトマケの唄 今も聞こえるあの子守唄 “父ちゃんのためなら エンヤコラ 子供のためなら エンヤコラ”島津亜矢美輪明宏美輪明宏“父ちゃんのためなら エンヤコラ 母ちゃんのためなら エンヤコラ もひとつおまけに エンヤコラ”  今も聞こえるヨイトマケの唄 今も聞こえるあの子守唄 工事現場のひるやすみ たばこふかして目を閉じりゃ 聞こえてくるよあの唄が 働く土方のあの唄が 貧しい土方のあの唄が  子供の頃に小学校で ヨイトマケの子供きたない子供と いじめぬかれてはやされて くやし涙にくれながら 泣いて帰った道すがら 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た  姉(あね)さんかむりで泥にまみれて 日に灼(や)けながら汗を流して 男にまじって網を引き 天にむかって声をあげて 力の限りにうたってた 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た 母(かあ)ちゃんの働くとこを見た  慰(なぐさ)めてもらおう抱いてもらおうと 息をはずませ帰ってはきたが 母ちゃんの姿見たときに 泣いた涙も忘れはて 帰って行ったよ学校へ 勉強するよと云いながら 勉強するよと云いながら  あれから何年たった事だろ 高校も出たし大学も出た 今じゃ機械の世の中で おまけに僕はエンジニア 苦労苦労で死んでった 母ちゃん見てくれこの姿 母ちゃん見てくれこの姿  何度か僕もグレかけたけど やくざな道はふまずにすんだ どんなきれいな唄よりも どんなきれいな声よりも 僕をはげまし慰めた 母ちゃんの唄こそ世界一 母ちゃんの唄こそ世界一  今も聞こえるヨイトマケの唄 今も聞こえるあの子守唄 “父ちゃんのためなら エンヤコラ 子供のためなら エンヤコラ”
兄弟船波の谷間に 命の花が ふたつ並んで 咲いている 兄弟船は 親父のかたみ 型は古いが しけにはつよい おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ  陸に上って 酒のむときは いつもはりあう 恋仇 けれども沖の 漁場に着けば やけに気の合う 兄弟鴎 力合わせてヨ 網を捲きあげる  たったひとりの おふくろさんに 楽な暮らしを させたくて 兄弟船は 真冬の海へ 雪の簾を くぐって進む 熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ島津亜矢星野哲郎船村徹池多孝春波の谷間に 命の花が ふたつ並んで 咲いている 兄弟船は 親父のかたみ 型は古いが しけにはつよい おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ  陸に上って 酒のむときは いつもはりあう 恋仇 けれども沖の 漁場に着けば やけに気の合う 兄弟鴎 力合わせてヨ 網を捲きあげる  たったひとりの おふくろさんに 楽な暮らしを させたくて 兄弟船は 真冬の海へ 雪の簾を くぐって進む 熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ
漁歌俺が網を 引くのはよ 可愛い女房(おまい)と 子供によ 腹一杯飯(めし)を 食わすためなんだよ 坊(ぼん)の岬に 桃花咲く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ  俺が海で 死んだらよ 可愛い女房と 子供はよ どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ 夫婦鴬 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 沖は荒海 男の海よ  夫婦鴬 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ島津亜矢山田孝雄浜圭介伊戸のりお俺が網を 引くのはよ 可愛い女房(おまい)と 子供によ 腹一杯飯(めし)を 食わすためなんだよ 坊(ぼん)の岬に 桃花咲く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ  俺が海で 死んだらよ 可愛い女房と 子供はよ どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ 夫婦鴬 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 沖は荒海 男の海よ  夫婦鴬 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ
岸壁の母母は来ました 今日も来た この岸壁に 今日も来た とどかぬ願いと 知りながら もしやもしやに もしやもしやに ひかされて  「又引揚船が帰って来たに、 今度もあの子は帰らない…。 この岸壁で待っているわしの姿が 見えんのか…。 港の名前は舞鶴なのになぜ飛んで 来てはくれぬのじゃ…。 帰れないなら大きな声で…お願い せめて、せめて一言…。」  呼んで下さい おがみます ああ おっ母さん よく来たと 海山千里と 言うけれど なんで遠かろ なんで遠かろ 母と子に  「あれから十年…。 あの子はどうしているじゃろう。 雪と風のシベリアは寒いじゃろう… つらかったじゃろうと 命の限り抱きしめて… この肌で温めてやりたい…。 その日の来るまで死にはせん。 いつまでも待っている。」  悲願十年 この祈り 神様だけが 知っている 流れる雲より 風よりも つらいさだめの つらいさだめの 杖ひとつ  「ああ風よ、心あらば伝えてよ。 愛し子待ちて今日も又、 怒濤砕くる岸壁に立つ母の姿を…」島津亜矢藤田まさと平川浪竜池多孝春母は来ました 今日も来た この岸壁に 今日も来た とどかぬ願いと 知りながら もしやもしやに もしやもしやに ひかされて  「又引揚船が帰って来たに、 今度もあの子は帰らない…。 この岸壁で待っているわしの姿が 見えんのか…。 港の名前は舞鶴なのになぜ飛んで 来てはくれぬのじゃ…。 帰れないなら大きな声で…お願い せめて、せめて一言…。」  呼んで下さい おがみます ああ おっ母さん よく来たと 海山千里と 言うけれど なんで遠かろ なんで遠かろ 母と子に  「あれから十年…。 あの子はどうしているじゃろう。 雪と風のシベリアは寒いじゃろう… つらかったじゃろうと 命の限り抱きしめて… この肌で温めてやりたい…。 その日の来るまで死にはせん。 いつまでも待っている。」  悲願十年 この祈り 神様だけが 知っている 流れる雲より 風よりも つらいさだめの つらいさだめの 杖ひとつ  「ああ風よ、心あらば伝えてよ。 愛し子待ちて今日も又、 怒濤砕くる岸壁に立つ母の姿を…」
寄せては返す 波また波を あえぎただよう 木の葉舟 それが私の 人生ならば 一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め 夢という名の 舟を漕ぐ  雄たけびあげて 逆巻く波に 呑まれ叩かれ はいあがりゃ 板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄 明日(あす)の行方は 知らないけれど 風に向かって 舟を漕ぐ  大波小波 上げては下ろす 波に身をもむ 女舟 乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う 泣くなくさるな 希望の二文字 胸にかかげて 舟を漕ぐ 島津亜矢星野哲郎船村徹蔦将包寄せては返す 波また波を あえぎただよう 木の葉舟 それが私の 人生ならば 一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め 夢という名の 舟を漕ぐ  雄たけびあげて 逆巻く波に 呑まれ叩かれ はいあがりゃ 板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄 明日(あす)の行方は 知らないけれど 風に向かって 舟を漕ぐ  大波小波 上げては下ろす 波に身をもむ 女舟 乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う 泣くなくさるな 希望の二文字 胸にかかげて 舟を漕ぐ 
海ぶしおなご雪浪 かいくぐり 岬がくれに 船を待つ 髪を束ねて 日暮れには くずれ番屋で 飯を炊く ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる  砂にさらされ 転がって 浜にゃ涙の 廃船(ふね)一つ 飲んで踊った 万祝(まいわ)いも 爺(じ)さま婆(ば)さまの 語り草 ヤンアレサー 追分の 風に揺れながら ヤンアレサー 男衆は 腰で舵を切る  おなご飛沫(しぶき)に 叩かれて 今日も大漁の 夢を抱く 凍る昆布を 引きながら 十の指から 血を流す ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる島津亜矢塚口けんじ櫻田誠一丸山雅仁おなご雪浪 かいくぐり 岬がくれに 船を待つ 髪を束ねて 日暮れには くずれ番屋で 飯を炊く ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる  砂にさらされ 転がって 浜にゃ涙の 廃船(ふね)一つ 飲んで踊った 万祝(まいわ)いも 爺(じ)さま婆(ば)さまの 語り草 ヤンアレサー 追分の 風に揺れながら ヤンアレサー 男衆は 腰で舵を切る  おなご飛沫(しぶき)に 叩かれて 今日も大漁の 夢を抱く 凍る昆布を 引きながら 十の指から 血を流す ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる
日本列島二人旅雨の札幌 すすきのゆけば 夜がネオンの 灯をともす あなたの胸に すがりつつ おまえの笑顔に 支えられ 北の国から 南まで 日本列島 二人旅  河原町(かわらまち)から 木屋町(きやまち)あたり 加茂(かも)の流れも 声かける あなたの肩で 風をさけ おまえの心が 星になる 噂のこさず ひっそりと 日本列島 二人旅  瀬戸の大橋 明日をかけて 柳井(やない) 尾道(おのみち) 西の旅 あなたの腕に ぬくもりを おまえの可愛さ 抱きしめて 朝日にかえよう 街の灯を 日本列島 二人旅  海に流れる 小倉(こくら)のあかり 中州(なかす) 那珂川(なかがわ) 夜の街 あなたの愛を 信じつつ おまえのやさしさ 春を呼ぶ 夢を咲かそう いつの日か 日本列島 二人旅島津亜矢大里由知・補作詞:岩瀬ひろし野村旬平伊戸のりお雨の札幌 すすきのゆけば 夜がネオンの 灯をともす あなたの胸に すがりつつ おまえの笑顔に 支えられ 北の国から 南まで 日本列島 二人旅  河原町(かわらまち)から 木屋町(きやまち)あたり 加茂(かも)の流れも 声かける あなたの肩で 風をさけ おまえの心が 星になる 噂のこさず ひっそりと 日本列島 二人旅  瀬戸の大橋 明日をかけて 柳井(やない) 尾道(おのみち) 西の旅 あなたの腕に ぬくもりを おまえの可愛さ 抱きしめて 朝日にかえよう 街の灯を 日本列島 二人旅  海に流れる 小倉(こくら)のあかり 中州(なかす) 那珂川(なかがわ) 夜の街 あなたの愛を 信じつつ おまえのやさしさ 春を呼ぶ 夢を咲かそう いつの日か 日本列島 二人旅
「あんた」ことし最初の 雪がひらひら窓辺に舞うわ 薄紅さした寝化粧ですが 雪見酒でも交わしましょうか  「あんた」夢の破片(かけら) 手のひらのせて暖めていて 夢追い人のあんたがいれば 沈む夕陽に背を向けられる  こらえた涙も生きてる証し あんたに抱かれるいのちの証し いつまでも いつまでも 私は「あんた」を守ってあげる  「あんた」春になったら 想い出つむぎの旅に出ましょう 波打ち際の名もない宿で 昔ばなしに酔いしれましょう  金蘭緞子の花嫁衣裳 羽織って渡るわ三途の川も いつまでも いつまでも お願い私の名前を呼んで  ふたりで歩いた人生だもの 悔いなどないわよ私は女 この命 果ててまで 私は「あんた」を守ってあげる  いつまでも いつまでも 私は「あんた」を守ってあげる島津亜矢T.TAKAMITSUT.TAKAMITSU伊戸のりお「あんた」ことし最初の 雪がひらひら窓辺に舞うわ 薄紅さした寝化粧ですが 雪見酒でも交わしましょうか  「あんた」夢の破片(かけら) 手のひらのせて暖めていて 夢追い人のあんたがいれば 沈む夕陽に背を向けられる  こらえた涙も生きてる証し あんたに抱かれるいのちの証し いつまでも いつまでも 私は「あんた」を守ってあげる  「あんた」春になったら 想い出つむぎの旅に出ましょう 波打ち際の名もない宿で 昔ばなしに酔いしれましょう  金蘭緞子の花嫁衣裳 羽織って渡るわ三途の川も いつまでも いつまでも お願い私の名前を呼んで  ふたりで歩いた人生だもの 悔いなどないわよ私は女 この命 果ててまで 私は「あんた」を守ってあげる  いつまでも いつまでも 私は「あんた」を守ってあげる
流氷番屋流氷離れりゃ 番屋の浜に 海猫(ごめ)と一緒に 春が来る はぐれハマナス 咲いたけど 漁に出たまま 行ったまま 帰らぬ亭主(あんた)を あてなく待って 今日も番屋で 飯支度(めしじたく)  元気を出しなと コップの酒を そっと差し出す 荒れた指 恋しあの人 思い出す 口は荒いが 男衆(やんしゅう)の 優しい心で 支えてくれる 漁師仲間の 情(じょう)に泣く  あの人奪った この海憎い 沖をにらんで 石を蹴る 波にあくたれ ついて泣く 魚臭さの しみついた 髭面(ひげづら)笑顔で 私を抱いた 太いあの腕 返してよ島津亜矢桜このみ櫻田誠一伊戸のりお流氷離れりゃ 番屋の浜に 海猫(ごめ)と一緒に 春が来る はぐれハマナス 咲いたけど 漁に出たまま 行ったまま 帰らぬ亭主(あんた)を あてなく待って 今日も番屋で 飯支度(めしじたく)  元気を出しなと コップの酒を そっと差し出す 荒れた指 恋しあの人 思い出す 口は荒いが 男衆(やんしゅう)の 優しい心で 支えてくれる 漁師仲間の 情(じょう)に泣く  あの人奪った この海憎い 沖をにらんで 石を蹴る 波にあくたれ ついて泣く 魚臭さの しみついた 髭面(ひげづら)笑顔で 私を抱いた 太いあの腕 返してよ
お立ち唄箪笥長持 宝船 いのち華やぐ 金屏風 涙こらえて にっこり笑う 母の仕草が 目に痛い ごめんねお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄  昆布かちぐり のし鮑 心づくしの 縁起物 母が歩いた おんなの道と 同じ目線で 歩きたい ありがとうお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄  情け七坂 越えるたび 人は大きく なるという 母の祈りを 無駄にはしない きっとなります しあわせに 元気でお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄島津亜矢志賀大介聖川湧前田俊明箪笥長持 宝船 いのち華やぐ 金屏風 涙こらえて にっこり笑う 母の仕草が 目に痛い ごめんねお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄  昆布かちぐり のし鮑 心づくしの 縁起物 母が歩いた おんなの道と 同じ目線で 歩きたい ありがとうお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄  情け七坂 越えるたび 人は大きく なるという 母の祈りを 無駄にはしない きっとなります しあわせに 元気でお母さん わたし嫁ぎます 長持唄は 私のお立ち唄
風の祭あの夏 空の花火は 草の香りを連れて 見上げる頬を染めてた ときめいた宵の時 こころ震わせてた 空に咲く大輪 笑顔弾ませ 鳴り響いた音色  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 怖いもの無かった 風の夜を 今も忘れずに 胸秘めて  後悔 夜毎に増えて 眠れぬ夜のしじま 孤独をかみしめながら くじけそうになっても 大事な思い出に 皆な守られてる 焦らなくても 自分らしい色で  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 瞳に焼き付けた 花火の音 今もきらめいて 胸の奥に  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 怖いもの無かった 風の祭 今も忘れずに 胸に秘めて 胸に秘めて島津亜矢岩井薫梶原茂人宮崎慎二あの夏 空の花火は 草の香りを連れて 見上げる頬を染めてた ときめいた宵の時 こころ震わせてた 空に咲く大輪 笑顔弾ませ 鳴り響いた音色  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 怖いもの無かった 風の夜を 今も忘れずに 胸秘めて  後悔 夜毎に増えて 眠れぬ夜のしじま 孤独をかみしめながら くじけそうになっても 大事な思い出に 皆な守られてる 焦らなくても 自分らしい色で  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 瞳に焼き付けた 花火の音 今もきらめいて 胸の奥に  風が吹いて来ては なつかしさと 勇気を包んで 運んでくる 怖いもの無かった 風の祭 今も忘れずに 胸に秘めて 胸に秘めて
越後路ながれ旅越後・筒石 親不知 風が背中の 三味を弾く 火の気の枯れた 番小屋は 荒くれヤン衆の 夢のあと 雪の越後路 雪の越後路 ながれ旅 無上甚深薇妙法  仮の親でも 甘えたい 結びゃほどけぬ 真田紐(さなだひも) 涙をいくら 集めても くちくはならない 空(す)きっ腹 佐渡は四十九里 佐渡は四十九里 日本海 無上甚深薇妙法  何が苦労か 知らぬまま 咲いて悲しい 雪つばき ひと夜の宿の こぼれ酒 軋んだこころが 丸くなる 春はそこまで 春はそこまで ながれ旅 無上甚深薇妙法島津亜矢志賀大介村沢良介南郷達也越後・筒石 親不知 風が背中の 三味を弾く 火の気の枯れた 番小屋は 荒くれヤン衆の 夢のあと 雪の越後路 雪の越後路 ながれ旅 無上甚深薇妙法  仮の親でも 甘えたい 結びゃほどけぬ 真田紐(さなだひも) 涙をいくら 集めても くちくはならない 空(す)きっ腹 佐渡は四十九里 佐渡は四十九里 日本海 無上甚深薇妙法  何が苦労か 知らぬまま 咲いて悲しい 雪つばき ひと夜の宿の こぼれ酒 軋んだこころが 丸くなる 春はそこまで 春はそこまで ながれ旅 無上甚深薇妙法
荒波おんな船嵐の夜明けに 漁に出て それきり帰って 来なかった 泣いてるひまなど ありゃしない とうちゃんの とうちゃんの とうちゃんの 忘れ形見を 守るため 人生海峡 荒波おんな船  月命日には 薄化粧 言ってもきかない 男(ひと)だけど あん時とめれば よかったよ 寒くって 寒くって 寒くって 胸に両ひざ 抱き寄せて 涙におぼれる 荒波おんな船  言い寄るカモメを 蹴飛ばして 朝から晩まで イカを干す 男はとうちゃん だけでいい 負けないよ 負けないよ 負けないよ 浜の女の 心意気 人生海峡 荒波おんな船島津亜矢田久保真見岡千秋伊戸のりお嵐の夜明けに 漁に出て それきり帰って 来なかった 泣いてるひまなど ありゃしない とうちゃんの とうちゃんの とうちゃんの 忘れ形見を 守るため 人生海峡 荒波おんな船  月命日には 薄化粧 言ってもきかない 男(ひと)だけど あん時とめれば よかったよ 寒くって 寒くって 寒くって 胸に両ひざ 抱き寄せて 涙におぼれる 荒波おんな船  言い寄るカモメを 蹴飛ばして 朝から晩まで イカを干す 男はとうちゃん だけでいい 負けないよ 負けないよ 負けないよ 浜の女の 心意気 人生海峡 荒波おんな船
毎度みなさまおなじみの毎度みなさま おなじみの 意地と涙の 男節 義理もすたれた 人情もかれた 今のご時世 とてもじゃないが 俺の出番じゃ ないけれど よろしゅう おたのみ申します  毎度みなさま おなじみの 好いた惚れたの 迷い節 先の出方じゃ 鬼にもなるが なぜか逃げ腰 あの娘にだけは みての通りの 野暮なやつ よろしゅう おたのみ申します  毎度みなさま おなじみの 酒のつまみは 演歌節 はぐれ雲だと 笑われようと 自分だけには まっ正直に 生きてゆきたい この世間 よろしゅう おたのみ申します島津亜矢松井由利夫岡千秋毎度みなさま おなじみの 意地と涙の 男節 義理もすたれた 人情もかれた 今のご時世 とてもじゃないが 俺の出番じゃ ないけれど よろしゅう おたのみ申します  毎度みなさま おなじみの 好いた惚れたの 迷い節 先の出方じゃ 鬼にもなるが なぜか逃げ腰 あの娘にだけは みての通りの 野暮なやつ よろしゅう おたのみ申します  毎度みなさま おなじみの 酒のつまみは 演歌節 はぐれ雲だと 笑われようと 自分だけには まっ正直に 生きてゆきたい この世間 よろしゅう おたのみ申します
おきな草踏まれても 踏まれても また立ち上がる 翁草(おきなぐさ) 雨に濡れ 風に揺れ 夢がやぶれても 春を待つ 母ちゃんはそう言って ほほえんだ あの日の言葉が 今もきこえる 泣きたいときには 帰っておいで 子供の昔に 帰っておいで  紫に むらさきに 春野を染める 翁草 うつむいて 咲いてても いつか銀色の 穂をつける 母ちゃんが好きだった この花を 私は呼びます 母ちゃん花と 迷子になったら やさしくそっと 私の涙を 拭ってくれる  母ちゃんが好きだった この花が 心のお守り 宝ものです 泣きたいときには 帰っておいで 子供の昔に 帰っておいで  あの日の言葉が 聞こえてきます島津亜矢紺野あずさ弦哲也南郷達也踏まれても 踏まれても また立ち上がる 翁草(おきなぐさ) 雨に濡れ 風に揺れ 夢がやぶれても 春を待つ 母ちゃんはそう言って ほほえんだ あの日の言葉が 今もきこえる 泣きたいときには 帰っておいで 子供の昔に 帰っておいで  紫に むらさきに 春野を染める 翁草 うつむいて 咲いてても いつか銀色の 穂をつける 母ちゃんが好きだった この花を 私は呼びます 母ちゃん花と 迷子になったら やさしくそっと 私の涙を 拭ってくれる  母ちゃんが好きだった この花が 心のお守り 宝ものです 泣きたいときには 帰っておいで 子供の昔に 帰っておいで  あの日の言葉が 聞こえてきます
追憶の破片月のあかり 背にうけて 小さくなる 手を振る姿が 息をひそめてる 闇の中 感じている 孤独の波を  まわる 時のいたずら 離れていても 胸の奥 しのび込んでくる  何故なの 何故なの 教えて 惹かれる訳を 逢うたびに増えていくの 涙の滴 何処なの 何処なの せつない 追憶の破片(かけら) 風がからだを 吹き抜けていく 記憶かき消して 破片が舞うの  深い夜の寂しさで 滲んでいる あしたの扉が 現在(いま)を映し出す 鏡の前 透かしてみる 心の行方  視線 気付かない振りで 隠していても 指先が 熱くなっている  何故なの 何故なの 教えて 惹かれる訳を 逢うたびに増えていくの 涙の滴 還して 還して 小さな追憶の破片  風がからだを 吹き抜けていく 記憶かき消して 破片が舞うの島津亜矢岩井薫梶原茂人宮崎慎二月のあかり 背にうけて 小さくなる 手を振る姿が 息をひそめてる 闇の中 感じている 孤独の波を  まわる 時のいたずら 離れていても 胸の奥 しのび込んでくる  何故なの 何故なの 教えて 惹かれる訳を 逢うたびに増えていくの 涙の滴 何処なの 何処なの せつない 追憶の破片(かけら) 風がからだを 吹き抜けていく 記憶かき消して 破片が舞うの  深い夜の寂しさで 滲んでいる あしたの扉が 現在(いま)を映し出す 鏡の前 透かしてみる 心の行方  視線 気付かない振りで 隠していても 指先が 熱くなっている  何故なの 何故なの 教えて 惹かれる訳を 逢うたびに増えていくの 涙の滴 還して 還して 小さな追憶の破片  風がからだを 吹き抜けていく 記憶かき消して 破片が舞うの
花の幡隨院花のお江戸は 幡隨院の 侠客長兵衛が 引き受けた 一人乗り込む 旗本屋敷 命 命捨て身の アンア アアアア アンアアー 町奴  男伊達なら あの長兵衛と…  人に云われたこの俺が 片手を上げりゃ千、二千 子分身内は集まるけれど ぐっとこらえて来た俺だ 罪なき江戸の町人衆に 俺ゃ喜んで死んで行くと にっこり笑って息絶える 東男のアンアンアン アアンアアン アーアーアン アーアーアー 晴れ姿  「さすがは長兵衛… あっぱれな最後… 武士の遺恨と意地とは云え 惜しい男を亡くしてしまった… 許せ長兵衛 そちは日本一の…男であった」  度胸千両で 今売り出しの 侠客長兵衛は 江戸育ち 死出の旅路の 桜の花を 散らす 散らす無情の アンア アアアア アンアアー なみだ雨島津亜矢渋谷郁男村沢良介池多孝春花のお江戸は 幡隨院の 侠客長兵衛が 引き受けた 一人乗り込む 旗本屋敷 命 命捨て身の アンア アアアア アンアアー 町奴  男伊達なら あの長兵衛と…  人に云われたこの俺が 片手を上げりゃ千、二千 子分身内は集まるけれど ぐっとこらえて来た俺だ 罪なき江戸の町人衆に 俺ゃ喜んで死んで行くと にっこり笑って息絶える 東男のアンアンアン アアンアアン アーアーアン アーアーアー 晴れ姿  「さすがは長兵衛… あっぱれな最後… 武士の遺恨と意地とは云え 惜しい男を亡くしてしまった… 許せ長兵衛 そちは日本一の…男であった」  度胸千両で 今売り出しの 侠客長兵衛は 江戸育ち 死出の旅路の 桜の花を 散らす 散らす無情の アンア アアアア アンアアー なみだ雨
近松門左衛門原作「冥途の飛脚」より 梅川逢うこと叶わぬひとに逢いたくて… 逢いたくて… 重い不幸の罪科(つみとが)を 今は地の果てまでも追われる身 いとしい忠兵衛さまを誰が 誰がこうさせた みんな このわたし故… この梅川ゆえに…  情念(あい)をつらぬく この命 隠しきれない 阿弥陀笠 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻(ぶん)だけ 添いましょう  人目忍んで 後や先 足も乱れる… 隠れ雪  忠兵衛さま この世に未練などありませぬ この梅川は あなたを離したくない… 身は粉々に砕かれようと 二人で燃えつきたい… あなたに逢えてこそ 女に還れました… 逢えて 逢えてよかった…  声を立てずに 泣くことは いつか覚えた 身についた 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻だけ 添いましょう 罠にかかった 雉子(とり)のよに 闇におびえる… 峠越え  お役人さまお願いで御座います… 見納めで御座います… お父上の嘆きが目に入り 忠兵衛さまはあの世へ行けません お情けあらばどうか どうか顔を包んであげて下さい 腰の手拭いで目を 目を 目を隠して下さい… お役人さまー…  罪の深さを 大和路に 詫びて死にたい この命 生きられるだけ 生きました 添える時刻だけ 添いました せめて冥途の 草枕 紅い血が舞う… 雪が舞う  忠さま… 忠さま… 忠兵衛さまー…島津亜矢さとの深花村沢良介逢うこと叶わぬひとに逢いたくて… 逢いたくて… 重い不幸の罪科(つみとが)を 今は地の果てまでも追われる身 いとしい忠兵衛さまを誰が 誰がこうさせた みんな このわたし故… この梅川ゆえに…  情念(あい)をつらぬく この命 隠しきれない 阿弥陀笠 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻(ぶん)だけ 添いましょう  人目忍んで 後や先 足も乱れる… 隠れ雪  忠兵衛さま この世に未練などありませぬ この梅川は あなたを離したくない… 身は粉々に砕かれようと 二人で燃えつきたい… あなたに逢えてこそ 女に還れました… 逢えて 逢えてよかった…  声を立てずに 泣くことは いつか覚えた 身についた 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻だけ 添いましょう 罠にかかった 雉子(とり)のよに 闇におびえる… 峠越え  お役人さまお願いで御座います… 見納めで御座います… お父上の嘆きが目に入り 忠兵衛さまはあの世へ行けません お情けあらばどうか どうか顔を包んであげて下さい 腰の手拭いで目を 目を 目を隠して下さい… お役人さまー…  罪の深さを 大和路に 詫びて死にたい この命 生きられるだけ 生きました 添える時刻だけ 添いました せめて冥途の 草枕 紅い血が舞う… 雪が舞う  忠さま… 忠さま… 忠兵衛さまー…
富士樹齢百年 そびえる幹も ちいさな芽から はじまった 裸一貫 何にもなけりゃ 何でもできるよ ねえあんた 遥かに見える 富士山を てのひらに乗せて 春を待つ  月の満ち欠け 流れる星も 大きな天の 懐(ふところ)で 夢に一筋 こうだと決めりゃ 何とかなるさと 腹くくれ 遥かに見える 富士山を てのひらで掴み 夏をゆく  ひとみ凝らして 見えないものは ひとみを閉じて 胸に訊く 男一匹 勝負の時は 私の命も さあ賭けろ 遥かに見える 富士山に てのひらを伸ばし 冬を越す島津亜矢田久保真見岡千秋伊戸のりお樹齢百年 そびえる幹も ちいさな芽から はじまった 裸一貫 何にもなけりゃ 何でもできるよ ねえあんた 遥かに見える 富士山を てのひらに乗せて 春を待つ  月の満ち欠け 流れる星も 大きな天の 懐(ふところ)で 夢に一筋 こうだと決めりゃ 何とかなるさと 腹くくれ 遥かに見える 富士山を てのひらで掴み 夏をゆく  ひとみ凝らして 見えないものは ひとみを閉じて 胸に訊く 男一匹 勝負の時は 私の命も さあ賭けろ 遥かに見える 富士山に てのひらを伸ばし 冬を越す
旅鴉百里千里(ひゃくりせんり)を 歩いても 歩くだけでは 能(のう)がない ましてやくざな 仁義沙汰(じんぎざた) 広い世間(せけん)を 狭くして どこに男のどこに男の 明日(あす)がある  はなればなれに 散る雲に 訊(き)いて応(こた)えが 出るものか 一(ひと)つしかない 命なら 一(ひと)つしかない ふるさとの せめて畳(たたみ)のせめて畳(たたみの)の 上で死ね  意地(いじ)と情(なさ)けは 垣根(かきね)越(ご)し それが道理(どうり)と 知りながら 知った道理(どうり)の 裏(うら)をゆく 野暮(やぼ)な野郎(やろう)の 意地(いじ)ッ張(ぱ)り 今日(きょう)も草鞋(わらじ)の今日も草鞋(わらじ)の 紐(ひも)が泣く島津亜矢藤田まさと遠藤実山形勝人百里千里(ひゃくりせんり)を 歩いても 歩くだけでは 能(のう)がない ましてやくざな 仁義沙汰(じんぎざた) 広い世間(せけん)を 狭くして どこに男のどこに男の 明日(あす)がある  はなればなれに 散る雲に 訊(き)いて応(こた)えが 出るものか 一(ひと)つしかない 命なら 一(ひと)つしかない ふるさとの せめて畳(たたみ)のせめて畳(たたみの)の 上で死ね  意地(いじ)と情(なさ)けは 垣根(かきね)越(ご)し それが道理(どうり)と 知りながら 知った道理(どうり)の 裏(うら)をゆく 野暮(やぼ)な野郎(やろう)の 意地(いじ)ッ張(ぱ)り 今日(きょう)も草鞋(わらじ)の今日も草鞋(わらじ)の 紐(ひも)が泣く
北の漁場いのち温(ぬく)めて 酔いながら 酒をまわし飲む 明日の稼ぎを 夢に見て 腹に晒(さら)し巻く 海の男にゃョ 凍る波しぶき 北の漁場はョ 男の仕事場サ  沖は魔物だ 吠えながら 牙をむいてくる 風にさらした 右腕の 傷は守り札 海の男にゃョ 雪が巻いて飛ぶ 北の漁場はョ 男の遊び場サ  銭のおもさを 数えても 帰るあてはない 二百浬(かいり)を ぎりぎりに 網をかけてゆく 海の男にゃョ 怒濤(なみ)が華になる 北の漁場はョ 男の死に場所サ島津亜矢新條カオル桜田誠一いのち温(ぬく)めて 酔いながら 酒をまわし飲む 明日の稼ぎを 夢に見て 腹に晒(さら)し巻く 海の男にゃョ 凍る波しぶき 北の漁場はョ 男の仕事場サ  沖は魔物だ 吠えながら 牙をむいてくる 風にさらした 右腕の 傷は守り札 海の男にゃョ 雪が巻いて飛ぶ 北の漁場はョ 男の遊び場サ  銭のおもさを 数えても 帰るあてはない 二百浬(かいり)を ぎりぎりに 網をかけてゆく 海の男にゃョ 怒濤(なみ)が華になる 北の漁場はョ 男の死に場所サ
お吉ひどい!ひどいじゃございませんか いくら私がハリスさんの処へ行く事を 承知したからといって…  涙を積み荷の 黒船が おんなの運命(さだめ)を変えました 浜に浜木綿 咲いたけど 泣いて爪噛む 爪木崎 伊豆はしぐれる 下田は曇る ああ お吉は 辛(つ)ろうございます  鶴さんそりゃァ あんまりだァ たとえ 天城の山が崩れても このお吉を 離すもんかと言った あれは嘘だったのかい あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい 夢さ 夢にきまってるよ…  お酒よおまえに 罪はない この世の仕組みに 毒がある うわさ指さす 石つぶて 耐えて下田の 糸やなぎ 生きる証の 灯りがほしい ああ お吉に 明日は見えません  あゝ お酒がほしいよう お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ 愚痴も涙も涸れ果てました あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ  名もない路傍の 草だって 季節が巡れば 春の顔 破れ三味線 黄八丈 泣くな下田の 明け烏 夢の続きは あの世とやらで ああ お吉は もう泣きません  あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね島津亜矢志賀大介村沢良介池多孝春ひどい!ひどいじゃございませんか いくら私がハリスさんの処へ行く事を 承知したからといって…  涙を積み荷の 黒船が おんなの運命(さだめ)を変えました 浜に浜木綿 咲いたけど 泣いて爪噛む 爪木崎 伊豆はしぐれる 下田は曇る ああ お吉は 辛(つ)ろうございます  鶴さんそりゃァ あんまりだァ たとえ 天城の山が崩れても このお吉を 離すもんかと言った あれは嘘だったのかい あゝ こんな哀しい筋書きを 誰が書いたんだい 夢さ 夢にきまってるよ…  お酒よおまえに 罪はない この世の仕組みに 毒がある うわさ指さす 石つぶて 耐えて下田の 糸やなぎ 生きる証の 灯りがほしい ああ お吉に 明日は見えません  あゝ お酒がほしいよう お酒で何もかも 忘れてしまいたいのさ 愚痴も涙も涸れ果てました あゝ あたしの人生って なんだったんだろうねぇ  名もない路傍の 草だって 季節が巡れば 春の顔 破れ三味線 黄八丈 泣くな下田の 明け烏 夢の続きは あの世とやらで ああ お吉は もう泣きません  あゝ 寒い… 鶴さん 今行くからね
決闘高田の馬場江戸は夕焼け 灯(ひ)ともし頃に 夢を求めて みなし子が 国の越後の 空を見る 顔も赤鞘(あかざや) 安兵衛が 何時か覚えた 酒の味  喧嘩するなら 相手になろうか 俺は天下の 素浪人 真(まこと)武士なら 男なら やると決めたら 安兵衛は 行くぞ白刃の 只中へ  のり屋のばあさんが差出した 手紙を開く 中山安兵衛 急ぎしたため参らせ候 堀内源左衛門先生 道場で深く知り合い 叔父甥の 義を結んだるこの菅野 引くにひけない 武士の意地 村上兄弟一門と 高田の馬場で果し合い 六十すぎた拙者には 勝目は一つも御座無く候 後に残れる妻や子を お願い申す安兵衛殿 文武秀れたそなたじゃが 酒をつゝしみ身を修め 天晴れ出世なさるよう 草葉の陰から祈り参らせ候と 涙で書いた遺言状  「ばあさん!今何ん刻だ! 何に!辰の下刻かうーむ 高田の馬場まで後半刻 南無や八幡大菩薩 此の安兵衛が 行きつくまでは叔父の身の上守らせ 給え!ばあさん水だ! 水を呉れ!」  関の孫六わし掴み 牛込天竜寺竹町の 長屋を飛出す安兵衛は 小石をけとばし砂巻き上げて 宙飛ぶ如く駆けてゆく 此れを眺めた大工に左官 床やも 八百やも 米やのおやじも 魚やも それゆけ やれゆけ 安さんが大きな喧嘩を見つけたぞ 今夜はタラフク呑めそうだ 後から後から付いて行く 一番後からのり屋の婆さん 息を切らして ヨイショコラショ ヨイショコラショ 安さん安さん!! 喧嘩は止しなとかけてゆく  高田の馬場に来てみれば 卑怯未練な村上一門 わずか二人を取り囲み 白刃揃えて斬りかゝる 哀れ菅野と 若党は次第次第に追いつめられて すでに危うく見えた時 馬場に飛込む安兵衛が 関の孫六抜く手も見せず 村上三郎斬り捨てゝ 天にも轟く大音声(おんじょう) 中山安兵衛武庸が 叔父の菅野に助太刀致す 名乗りをあげて さあ来いと脇差抜いて 左手に天地に構えた二刀流 右に左に斬り捲くる 折しも叔父の背後(うしろ)から薙刀(なぎなた)持って 祐見が 斬り下ろさんとした時に 撥止投げた脇差が 背中を貫き見事倒した有様は さながら 鬼神か天魔の業か かたずを呑んで 見ていた群集 どっとあげたる歓声が 高田の馬場にこだまする  剣がきらめく 高田の馬場に 桜吹雪が舞いかかる 勝って驕(おご)らぬ 爽やかさ 花の青年 安兵衛の 顔に明るい 春の風島津亜矢北村桃児山倉たかし江戸は夕焼け 灯(ひ)ともし頃に 夢を求めて みなし子が 国の越後の 空を見る 顔も赤鞘(あかざや) 安兵衛が 何時か覚えた 酒の味  喧嘩するなら 相手になろうか 俺は天下の 素浪人 真(まこと)武士なら 男なら やると決めたら 安兵衛は 行くぞ白刃の 只中へ  のり屋のばあさんが差出した 手紙を開く 中山安兵衛 急ぎしたため参らせ候 堀内源左衛門先生 道場で深く知り合い 叔父甥の 義を結んだるこの菅野 引くにひけない 武士の意地 村上兄弟一門と 高田の馬場で果し合い 六十すぎた拙者には 勝目は一つも御座無く候 後に残れる妻や子を お願い申す安兵衛殿 文武秀れたそなたじゃが 酒をつゝしみ身を修め 天晴れ出世なさるよう 草葉の陰から祈り参らせ候と 涙で書いた遺言状  「ばあさん!今何ん刻だ! 何に!辰の下刻かうーむ 高田の馬場まで後半刻 南無や八幡大菩薩 此の安兵衛が 行きつくまでは叔父の身の上守らせ 給え!ばあさん水だ! 水を呉れ!」  関の孫六わし掴み 牛込天竜寺竹町の 長屋を飛出す安兵衛は 小石をけとばし砂巻き上げて 宙飛ぶ如く駆けてゆく 此れを眺めた大工に左官 床やも 八百やも 米やのおやじも 魚やも それゆけ やれゆけ 安さんが大きな喧嘩を見つけたぞ 今夜はタラフク呑めそうだ 後から後から付いて行く 一番後からのり屋の婆さん 息を切らして ヨイショコラショ ヨイショコラショ 安さん安さん!! 喧嘩は止しなとかけてゆく  高田の馬場に来てみれば 卑怯未練な村上一門 わずか二人を取り囲み 白刃揃えて斬りかゝる 哀れ菅野と 若党は次第次第に追いつめられて すでに危うく見えた時 馬場に飛込む安兵衛が 関の孫六抜く手も見せず 村上三郎斬り捨てゝ 天にも轟く大音声(おんじょう) 中山安兵衛武庸が 叔父の菅野に助太刀致す 名乗りをあげて さあ来いと脇差抜いて 左手に天地に構えた二刀流 右に左に斬り捲くる 折しも叔父の背後(うしろ)から薙刀(なぎなた)持って 祐見が 斬り下ろさんとした時に 撥止投げた脇差が 背中を貫き見事倒した有様は さながら 鬼神か天魔の業か かたずを呑んで 見ていた群集 どっとあげたる歓声が 高田の馬場にこだまする  剣がきらめく 高田の馬場に 桜吹雪が舞いかかる 勝って驕(おご)らぬ 爽やかさ 花の青年 安兵衛の 顔に明るい 春の風
雪の降る日も 雨の日も 竹は節目(ふしめ)で 伸びてゆく 人もまた 己(おのれ)が道の一里塚 確かめながら 行けばいい そこに出逢いも 彩(いろど)りも ああ…粛々(しゅくしゅく)と 行けばいい  月の世界に 憧れて 竹に托(たく)した 夢もある 人はみな 見果てぬ夢の夢灯り しっかと抱いて 生きりゃいい 熱い想いを 温(ぬく)もりを ああ…粛々と 行けばいい  花の咲くのは ただ一度 竹は寿命(いのち)が 尽きるとき 人もまた 上辺(うわべ)の花を飾るより 誠実(まこと)の花を 持てばいい こころ豊かに しなやかに ああ…粛々と 行けばいい島津亜矢野村耕三原譲二雪の降る日も 雨の日も 竹は節目(ふしめ)で 伸びてゆく 人もまた 己(おのれ)が道の一里塚 確かめながら 行けばいい そこに出逢いも 彩(いろど)りも ああ…粛々(しゅくしゅく)と 行けばいい  月の世界に 憧れて 竹に托(たく)した 夢もある 人はみな 見果てぬ夢の夢灯り しっかと抱いて 生きりゃいい 熱い想いを 温(ぬく)もりを ああ…粛々と 行けばいい  花の咲くのは ただ一度 竹は寿命(いのち)が 尽きるとき 人もまた 上辺(うわべ)の花を飾るより 誠実(まこと)の花を 持てばいい こころ豊かに しなやかに ああ…粛々と 行けばいい
近松門左衛門原作「心中 天の網島」より 小春浮名を流す蜆川 小春治兵衛の エー道行きじゃぞェ…  帯も身幅も 思いの丈も 痩せて浪花の 神無月 治兵衛さま…小春… まして浮き名の 曽根崎新地 人の噂で 運命が変わる 小春 哀しや… 義理に泣く  縁とは不思議なものです 逢うたびに、情は深まり 心が傾く そしていつしか、切るに切れない絆となるものです これがこの世の運命とあらば 小春はすべてを 運命の川にまかせます 運命の川に流れます さあ治兵衛さま、この橋を渡りましょう 橋の名前も梅、桜… 渡り切れたら花となり、 散って散ってあの世へ参りましょう  恋は気まぐれ こころの迷い それは世間の 逃げ言葉 治兵衛さま… 小春… 引くに引けない 情けの狭間 たかが一枚 この誓紙(かみ)きれで 小春 涙で… 帯を解く  風に誘われて聞こえて来るのは大長寺の鐘の音… ここは小春が治兵衛さまと、最後の場と決めた綱島です 母さまに何の親孝行も出来ないまま先立つ不幸 どうか、どうかお許し下さいませ そして先の世に行っても、小春は大好きな母さまの 娘でいさせて下さい 小春は、小春は母さまが大好きでした…  女いのちの 建て前本音 捌ききれずに 袖を噛む 治兵衛さま… 小春… 死ぬも生きるも 絵草紙ならば 夢の道行き 浄土の旅へ 小春 治兵衛に… 雪が舞う  南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 治兵衛さま~島津亜矢松井由利夫村沢良介浮名を流す蜆川 小春治兵衛の エー道行きじゃぞェ…  帯も身幅も 思いの丈も 痩せて浪花の 神無月 治兵衛さま…小春… まして浮き名の 曽根崎新地 人の噂で 運命が変わる 小春 哀しや… 義理に泣く  縁とは不思議なものです 逢うたびに、情は深まり 心が傾く そしていつしか、切るに切れない絆となるものです これがこの世の運命とあらば 小春はすべてを 運命の川にまかせます 運命の川に流れます さあ治兵衛さま、この橋を渡りましょう 橋の名前も梅、桜… 渡り切れたら花となり、 散って散ってあの世へ参りましょう  恋は気まぐれ こころの迷い それは世間の 逃げ言葉 治兵衛さま… 小春… 引くに引けない 情けの狭間 たかが一枚 この誓紙(かみ)きれで 小春 涙で… 帯を解く  風に誘われて聞こえて来るのは大長寺の鐘の音… ここは小春が治兵衛さまと、最後の場と決めた綱島です 母さまに何の親孝行も出来ないまま先立つ不幸 どうか、どうかお許し下さいませ そして先の世に行っても、小春は大好きな母さまの 娘でいさせて下さい 小春は、小春は母さまが大好きでした…  女いのちの 建て前本音 捌ききれずに 袖を噛む 治兵衛さま… 小春… 死ぬも生きるも 絵草紙ならば 夢の道行き 浄土の旅へ 小春 治兵衛に… 雪が舞う  南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 治兵衛さま~
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
まつり男は祭りをそうさ かついで生きてきた 山の神 海の神 今年も本当にありがとう 白い褌 ひきしめた 裸若衆に雪が舞う 祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り 土の匂いのしみこんだ 伜その手が宝物  男は祭りでそうさ 男をみがくんだ 山の神 海の神 いのちを本当にありがとう 船に五色の旗をたて 海の男が風を切る 祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り 見ろよ真っ赤な陽が昇る 伜一番船をこげ  燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン 俺もどんとまた 生きてやる これが日本の祭りだよ島津亜矢なかにし礼原譲二男は祭りをそうさ かついで生きてきた 山の神 海の神 今年も本当にありがとう 白い褌 ひきしめた 裸若衆に雪が舞う 祭りだ 祭りだ 祭りだ 豊年祭り 土の匂いのしみこんだ 伜その手が宝物  男は祭りでそうさ 男をみがくんだ 山の神 海の神 いのちを本当にありがとう 船に五色の旗をたて 海の男が風を切る 祭りだ 祭りだ 祭りだ 大漁祭り 見ろよ真っ赤な陽が昇る 伜一番船をこげ  燃えろよ 涙と汗こそ 男のロマン 俺もどんとまた 生きてやる これが日本の祭りだよ
寿三杯船一番船には 親が乗り 三番船には 孫が乗り 中の船には おまえとおれが 紋付き 留袖 晴れ姿 よーいさよいこら よーいとさっさ めでためでたの 寿上り船  一番船には 富士の山 三番船には こもかぶり 中の船には 鶴亀乗せて 七福神も ほろ酔いで よーいさよいこら よーいとさっさ 飲めや歌えの 寿揃い船  一番船には 夢を乗せ 三番船には ど根性 中の船には 度胸を乗せて ジャンジャカしぶきを かき分けて よーいさよいこら よーいとさっさ 明日へ旅立つ 寿祝い船島津亜矢星野哲郎安藤実親一番船には 親が乗り 三番船には 孫が乗り 中の船には おまえとおれが 紋付き 留袖 晴れ姿 よーいさよいこら よーいとさっさ めでためでたの 寿上り船  一番船には 富士の山 三番船には こもかぶり 中の船には 鶴亀乗せて 七福神も ほろ酔いで よーいさよいこら よーいとさっさ 飲めや歌えの 寿揃い船  一番船には 夢を乗せ 三番船には ど根性 中の船には 度胸を乗せて ジャンジャカしぶきを かき分けて よーいさよいこら よーいとさっさ 明日へ旅立つ 寿祝い船
父娘坂(おやこざか)山に山風 野原に野風 親の心に 別れ風 蝶よ花よと 育てた娘 今日は嫁入り つのかくし 越えて行くのか 峠道 送る涙の イヤー 父娘坂 父娘坂  誰が唄うか 娘の為に じんと身にしむ 祝い唄 細い目もとは 母さんゆずり とてもきれいな 晴れ姿 鈴を鳴らして 馬の背に ゆれて越えるか イヤー 父娘坂 父娘坂  親が許した やさしい人に やっともらわれ となり村 何もお前に やれないけれど せめて自慢の お立ち酒 無事で倖せ つかみなと 祈りつづける イヤー 父娘坂 父娘坂島津亜矢臼井ひさし稲毛康人山に山風 野原に野風 親の心に 別れ風 蝶よ花よと 育てた娘 今日は嫁入り つのかくし 越えて行くのか 峠道 送る涙の イヤー 父娘坂 父娘坂  誰が唄うか 娘の為に じんと身にしむ 祝い唄 細い目もとは 母さんゆずり とてもきれいな 晴れ姿 鈴を鳴らして 馬の背に ゆれて越えるか イヤー 父娘坂 父娘坂  親が許した やさしい人に やっともらわれ となり村 何もお前に やれないけれど せめて自慢の お立ち酒 無事で倖せ つかみなと 祈りつづける イヤー 父娘坂 父娘坂
流れて津軽GOLD LYLICよされよされと しばれて積もる 雪はおんなの 恨み花 三味は抱いても 情けは抱けぬ みれん深浦 鯵ヶ沢 よされ よされと… 流れて津軽  よされよされと 吹雪いて見えぬ 三味をたよりの くどき唄 雪の向こうに かくれた春を せめて手さぐり 五所川原 よされ よされと… 流れて津軽  よされ よされと… 流れて津軽GOLD LYLIC島津亜矢松井由利夫チコ早苗南郷達也よされよされと しばれて積もる 雪はおんなの 恨み花 三味は抱いても 情けは抱けぬ みれん深浦 鯵ヶ沢 よされ よされと… 流れて津軽  よされよされと 吹雪いて見えぬ 三味をたよりの くどき唄 雪の向こうに かくれた春を せめて手さぐり 五所川原 よされ よされと… 流れて津軽  よされ よされと… 流れて津軽
奥尻はいま辛い季節を くぐり抜け たくましくよみがえる ふるさと ぐるりと海に 囲まれた 島は一つの 宝石(たま)となり 光を放つよ 北日本海 どこかがちがう 何かがちがう この奥尻の 輝きを ぜひみなさんに 見て欲しい 島中みんなで 呼んでます 島中みんなで お待ちしています  人の情に 励まされ 美しくよみがえる ふるさと ぐるりと海に 囲まれた 島は一羽の 鳥となり 未来へとび立つ 北日本海 どこかがちがう 昔とちがう この奥尻の はばたきを ぜひみなさんに 聴いて欲しい 島中みんなで 呼んでます 島中みんなで お待ちしています 島中みんなで 島中みんなで島津亜矢星野哲郎弦哲也辛い季節を くぐり抜け たくましくよみがえる ふるさと ぐるりと海に 囲まれた 島は一つの 宝石(たま)となり 光を放つよ 北日本海 どこかがちがう 何かがちがう この奥尻の 輝きを ぜひみなさんに 見て欲しい 島中みんなで 呼んでます 島中みんなで お待ちしています  人の情に 励まされ 美しくよみがえる ふるさと ぐるりと海に 囲まれた 島は一羽の 鳥となり 未来へとび立つ 北日本海 どこかがちがう 昔とちがう この奥尻の はばたきを ぜひみなさんに 聴いて欲しい 島中みんなで 呼んでます 島中みんなで お待ちしています 島中みんなで 島中みんなで
美しい昔赤い地の果てに あなたの知らない 愛があることを 教えたのは誰? 風の便りなの 人のうわさなの 愛を知らないで いてくれたならば 私は今も あなたのそばで 生命(いのち)つづくまで 夢みてたのに 今は地の果てに 愛を求めて 雨に誘われて 消えて行くあなた  来る日も来る日も 雨は降り続く お寺の屋根にも 果てしない道にも 青空待たずに 花はしおれて ひとつまたひとつ 道に倒れていく 誰が誰が 雨を降らせるのよ この空にいつまでも いつまでも 雨よ降るならば 思い出流すまで 涙のように この大地に降れ  私は今も あなたのそばで 生命つづくまで 夢みてたのに 今は地の果てに 愛を求めて 雨に誘われて 消えて行くあなた島津亜矢SON TRINH CONG・訳詞:高階真SON TRINH CONG赤い地の果てに あなたの知らない 愛があることを 教えたのは誰? 風の便りなの 人のうわさなの 愛を知らないで いてくれたならば 私は今も あなたのそばで 生命(いのち)つづくまで 夢みてたのに 今は地の果てに 愛を求めて 雨に誘われて 消えて行くあなた  来る日も来る日も 雨は降り続く お寺の屋根にも 果てしない道にも 青空待たずに 花はしおれて ひとつまたひとつ 道に倒れていく 誰が誰が 雨を降らせるのよ この空にいつまでも いつまでも 雨よ降るならば 思い出流すまで 涙のように この大地に降れ  私は今も あなたのそばで 生命つづくまで 夢みてたのに 今は地の果てに 愛を求めて 雨に誘われて 消えて行くあなた
昴~すばる~目を閉じて 何も見えず 哀しくて目を開ければ 荒野に向かう道より 他に見えるものはなし 嗚々(ああ) 砕け散る宿命(さだめ)の星たちよ せめて密やかに この身を照らせよ 我は行く 蒼白き頬のままで 我は行く さらば昴よ  呼吸(いき)をすれば胸の中 凩(こがらし)は吠(ふ)き続ける されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり 嗚々 さんざめく 名も無き星たちよ せめて鮮やかに その身を終われよ 我も行く 心の命ずるままに 我も行く さらば昴よ  嗚々 いつの日か誰かがこの道を 嗚々 いつの日か誰かがこの道を 我は行く 蒼白き頬のままで 我は行く さらば昴よ 我は行く さらば昴よ島津亜矢谷村新司谷村新司目を閉じて 何も見えず 哀しくて目を開ければ 荒野に向かう道より 他に見えるものはなし 嗚々(ああ) 砕け散る宿命(さだめ)の星たちよ せめて密やかに この身を照らせよ 我は行く 蒼白き頬のままで 我は行く さらば昴よ  呼吸(いき)をすれば胸の中 凩(こがらし)は吠(ふ)き続ける されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり 嗚々 さんざめく 名も無き星たちよ せめて鮮やかに その身を終われよ 我も行く 心の命ずるままに 我も行く さらば昴よ  嗚々 いつの日か誰かがこの道を 嗚々 いつの日か誰かがこの道を 我は行く 蒼白き頬のままで 我は行く さらば昴よ 我は行く さらば昴よ
恋暦あんたの背(せな)を 止まり木に 泣くだけ泣いて 明け烏 切れぬ未練の糸を 爪弾きの 三味に託して 黄楊の櫛 つもれつもれよ 白々(しらじら)と わすれ雪  螢は闇を 恋しがり 蝶々は花を 恋しがる わたし欲しがるあんた 待ってます 渡り比べて この川の 水の甘さに 気づいたら 帰ってこ  秋には赤い 紅葉酒 冬には白い 雪見酒 分けた寝酒の酔いが 冷めぬまに 二年三年 五年分 愛の形見が 残るよう 抱きしめて島津亜矢星野哲郎原譲二南郷達也あんたの背(せな)を 止まり木に 泣くだけ泣いて 明け烏 切れぬ未練の糸を 爪弾きの 三味に託して 黄楊の櫛 つもれつもれよ 白々(しらじら)と わすれ雪  螢は闇を 恋しがり 蝶々は花を 恋しがる わたし欲しがるあんた 待ってます 渡り比べて この川の 水の甘さに 気づいたら 帰ってこ  秋には赤い 紅葉酒 冬には白い 雪見酒 分けた寝酒の酔いが 冷めぬまに 二年三年 五年分 愛の形見が 残るよう 抱きしめて
大器晩成GOLD LYLIC枝を張るのは まだ早い いまはしっかり 根をのばせ 大器晩成 あしたにかける 夢と希望の 大空を 雲が流れる 悠々と  まぐれ当たりも あるけれど それを狙えば 遠まわり 大器晩成 地道(じみち)な努力 ものをいう日が くるまでは 牛の歩みを くりかえせ  笑うときには 豪快に 嘘も真実(まこと)の 一里塚 大器晩成 ただまっしぐら 若く凛々(りり)しい 足跡を 刻みつけよう この大地(だいち)GOLD LYLIC島津亜矢星野哲郎原譲二南郷達也枝を張るのは まだ早い いまはしっかり 根をのばせ 大器晩成 あしたにかける 夢と希望の 大空を 雲が流れる 悠々と  まぐれ当たりも あるけれど それを狙えば 遠まわり 大器晩成 地道(じみち)な努力 ものをいう日が くるまでは 牛の歩みを くりかえせ  笑うときには 豪快に 嘘も真実(まこと)の 一里塚 大器晩成 ただまっしぐら 若く凛々(りり)しい 足跡を 刻みつけよう この大地(だいち)
赤城の子守唄泣くなよしよし ねんねしな 山の鴉が 啼いたとて 泣いちゃいけない ねんねしな 泣けば鴉が 又さわぐ  坊や男児(おとこ)だ ねんねしな 親がないとて 泣くものか お月様さえ ただひとり 泣かずにいるから ねんねしな  にっこり笑って ねんねしな 山の土産に 何をやろ どうせやくざな 犬張子 貰ってやるから ねんねしな島津亜矢佐藤惣之助竹岡信幸泣くなよしよし ねんねしな 山の鴉が 啼いたとて 泣いちゃいけない ねんねしな 泣けば鴉が 又さわぐ  坊や男児(おとこ)だ ねんねしな 親がないとて 泣くものか お月様さえ ただひとり 泣かずにいるから ねんねしな  にっこり笑って ねんねしな 山の土産に 何をやろ どうせやくざな 犬張子 貰ってやるから ねんねしな
渡り鳥仁義夜の酒場の 赤い灯が 俺にゃ似合いの ひとり酒 ごめんなすって 俺らすねに傷もつ 浮世双六 渡り鳥 後ろ髪ひく 後ろ髪ひく ああ流し唄  可愛いあの娘の つぐ酒に ホロリこぼした ひとしずく ごめんなすって 俺ら色の出入りが いまだイロハの 未熟者 無理はいうなよ 無理はいうなよ ああ泣きぼくろ  雲よおまえは どこへ行く 伊豆か越後か ふるさとか ごめんなすって 俺らはじき出されて 意地がひとつの 裏街道 背中に冷たい 背中に冷たい ああ初しぐれ島津亜矢たかたかし市川昭介夜の酒場の 赤い灯が 俺にゃ似合いの ひとり酒 ごめんなすって 俺らすねに傷もつ 浮世双六 渡り鳥 後ろ髪ひく 後ろ髪ひく ああ流し唄  可愛いあの娘の つぐ酒に ホロリこぼした ひとしずく ごめんなすって 俺ら色の出入りが いまだイロハの 未熟者 無理はいうなよ 無理はいうなよ ああ泣きぼくろ  雲よおまえは どこへ行く 伊豆か越後か ふるさとか ごめんなすって 俺らはじき出されて 意地がひとつの 裏街道 背中に冷たい 背中に冷たい ああ初しぐれ
沓掛時次郎意地の筋金 一本通し 義理と仁義の 道を行く やむにやまれず 長脇差を 抜けば仏が また増える 片手拝みの 片手拝みの 時次郎  「渡世の道は無情なものでございます 一宿一飯の恩義から おきぬさんの大事なご亭主の命を奪い 太郎吉を父無しっ子にさせちまった 詫びてすむことじゃござんせんが これからは 二人の身を守ることが この時次郎の せめてもの罪ほろぼしで ございます  追われ鴉が 流れて着いた 風の熊谷 仮の宿 残るこの子が 不憫なら 死んじゃいけねえ おきぬさん 涙こらえる 涙こらえる 時次郎  「泣くんじゃねえ 太郎吉 おっかさんは 天国の父のところへ行ってしまったんだ 死んだおきぬさんの夢でも見たのか 目から うっすらと 涙がにじんでる 太郎吉の寝顔を見ていると不憫でならねぇ どうか おきぬさん天国で見守ってやって おくんなせぇ 三人で川の字に寝た夜を 思い出しておりやす」  生まれ故郷の 浅間をしのび 唄う追分 子守唄 笠と合羽を 投げ捨てて 堅気姿で 戻りたい 男 沓掛 男 沓掛 時次郎島津亜矢宮沢守夫村沢良介意地の筋金 一本通し 義理と仁義の 道を行く やむにやまれず 長脇差を 抜けば仏が また増える 片手拝みの 片手拝みの 時次郎  「渡世の道は無情なものでございます 一宿一飯の恩義から おきぬさんの大事なご亭主の命を奪い 太郎吉を父無しっ子にさせちまった 詫びてすむことじゃござんせんが これからは 二人の身を守ることが この時次郎の せめてもの罪ほろぼしで ございます  追われ鴉が 流れて着いた 風の熊谷 仮の宿 残るこの子が 不憫なら 死んじゃいけねえ おきぬさん 涙こらえる 涙こらえる 時次郎  「泣くんじゃねえ 太郎吉 おっかさんは 天国の父のところへ行ってしまったんだ 死んだおきぬさんの夢でも見たのか 目から うっすらと 涙がにじんでる 太郎吉の寝顔を見ていると不憫でならねぇ どうか おきぬさん天国で見守ってやって おくんなせぇ 三人で川の字に寝た夜を 思い出しておりやす」  生まれ故郷の 浅間をしのび 唄う追分 子守唄 笠と合羽を 投げ捨てて 堅気姿で 戻りたい 男 沓掛 男 沓掛 時次郎
旅姿三人男清水港の 名物は お茶の香りと 男伊達 見たか聞いたか あの啖呵(たんか) 粋な小政の 粋な小政の 旅姿  富士の高嶺の 白雪が 溶けて流れる 真清水(ましみず)で 男磨いた 勇み肌 なんで大政 なんで大政 国を売る  腕と度胸じゃ 負けないが 人情からめば ついほろり 見えぬ片眼に 出る涙 森の石松 森の石松 よい男島津亜矢宮本旅人鈴木哲夫清水港の 名物は お茶の香りと 男伊達 見たか聞いたか あの啖呵(たんか) 粋な小政の 粋な小政の 旅姿  富士の高嶺の 白雪が 溶けて流れる 真清水(ましみず)で 男磨いた 勇み肌 なんで大政 なんで大政 国を売る  腕と度胸じゃ 負けないが 人情からめば ついほろり 見えぬ片眼に 出る涙 森の石松 森の石松 よい男
一本刀土俵入り男度胸の 人生を 土俵ひとすじ 生きてゆく おれは角力の 鬼になる 想い出すまい 故郷のことは 晴れて錦を 飾るまで  「姐さん…わしはあんたのような親切な人に 出逢ったのは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬために わしが出世して 幕内に入ろうが三役になろうが 横綱を張るまでは どんな事があっても 駒形茂兵エで押し通します」  利根の川風 身に沁みて つくり笑いの 日を送る 繻子のだるまは 七転び 八起き浮世も 捨てばちなれど 花の情けは まだ枯れぬ  「お鳶さん…達者で何よりでござんした 十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時約束したように 大手を振って姐さんの前に 出られた義理じゃござんせんが 一目だけでも無事な姿を見た上で お礼の言葉を云いてえと 恥をしのんで尋ねてまいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすったか 十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざしに きんちゃくぐるみ 恵んで貰った姐さんに 見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の しがねえ姿の…土俵入りでござんす」  化粧まわしは 夢の夢 今は素袷 三度笠 西に東に 渡り鳥 誰に見せよか 駒形茂兵エ 一本刀の 土俵入り島津亜矢高月ことば村沢良介男度胸の 人生を 土俵ひとすじ 生きてゆく おれは角力の 鬼になる 想い出すまい 故郷のことは 晴れて錦を 飾るまで  「姐さん…わしはあんたのような親切な人に 出逢ったのは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬために わしが出世して 幕内に入ろうが三役になろうが 横綱を張るまでは どんな事があっても 駒形茂兵エで押し通します」  利根の川風 身に沁みて つくり笑いの 日を送る 繻子のだるまは 七転び 八起き浮世も 捨てばちなれど 花の情けは まだ枯れぬ  「お鳶さん…達者で何よりでござんした 十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時約束したように 大手を振って姐さんの前に 出られた義理じゃござんせんが 一目だけでも無事な姿を見た上で お礼の言葉を云いてえと 恥をしのんで尋ねてまいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすったか 十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざしに きんちゃくぐるみ 恵んで貰った姐さんに 見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の しがねえ姿の…土俵入りでござんす」  化粧まわしは 夢の夢 今は素袷 三度笠 西に東に 渡り鳥 誰に見せよか 駒形茂兵エ 一本刀の 土俵入り
仁侠吉良港雨にあじさい 風にはすすき 俺にゃ似合いの 裏街道 赤い夕映え この胸に 抱いてやりたい 花一輪 合わす両手に ほろりと涙 お菊 十八 お菊 十八… 恋女房  「後にも先にも 惚れた女はただ一人… お菊 お前だけだ… 嫌いになった訳じゃねぇー 男には仁義のために命を掛けなきゃーならねえ時があるんだぁ なんにも言わずに この離縁状を受け取ってくれ… なぁー お菊…」  なるになれねぇ 渡世じゃないか 意地と情けの 板ばさみ 別れ盃 交わす夜は そっと心で 詫びている 行かにゃならない 荒神山へ 男 涙の 男 涙の… 離縁状  「明日の命も判らねぇのが この渡世… 安濃徳のあこぎなやり方を 許す訳にゃーいかねぇんだ 三途の川の川端で 男同士の約束を 守り通すも義理のため… 分かってくれ… お菊…」  惚れたお菊に 背中を向けて 野菊片手に 散り急ぐ 夫婦暮らしも 束の間の たった三月の 恋女房 義理を通した 白刃の舞に 波もざわめく 波もざわめく… 吉良港島津亜矢村沢良介村沢良介池多孝春雨にあじさい 風にはすすき 俺にゃ似合いの 裏街道 赤い夕映え この胸に 抱いてやりたい 花一輪 合わす両手に ほろりと涙 お菊 十八 お菊 十八… 恋女房  「後にも先にも 惚れた女はただ一人… お菊 お前だけだ… 嫌いになった訳じゃねぇー 男には仁義のために命を掛けなきゃーならねえ時があるんだぁ なんにも言わずに この離縁状を受け取ってくれ… なぁー お菊…」  なるになれねぇ 渡世じゃないか 意地と情けの 板ばさみ 別れ盃 交わす夜は そっと心で 詫びている 行かにゃならない 荒神山へ 男 涙の 男 涙の… 離縁状  「明日の命も判らねぇのが この渡世… 安濃徳のあこぎなやり方を 許す訳にゃーいかねぇんだ 三途の川の川端で 男同士の約束を 守り通すも義理のため… 分かってくれ… お菊…」  惚れたお菊に 背中を向けて 野菊片手に 散り急ぐ 夫婦暮らしも 束の間の たった三月の 恋女房 義理を通した 白刃の舞に 波もざわめく 波もざわめく… 吉良港
井原西鶴原作「好色五人女」より お七“吉さま恋しや ホーレヤホー”  とろりとろりと 命火燃える ところは駒込 吉祥寺(きっしょうじ) 武兵衛はお七に 横恋慕 天国(あまくに)宝剣 盗みどり あー 雪が 雪が舞う お七 十六… 恋あわれ  すべてこの世は夢芝居… 降る雪を袖にてはらうみだれ髪… いとしき人に逢いたくて 夜更けに灯す命火は師走間近な吉祥寺 花のお江戸に火をつける そんな大それたことなど思いもよらぬ事 吉三郎さまとこのお七の仲を知りながら お七を嫁にと嫌な武兵衛の無理難題 あぁ羽が欲しい 飛んで行きたいあなたの側へ 恋の闇路をひとすじに 思いつめれば心も乱れ 罪は覚悟の火をつける…  木戸が閉まって まっくら闇夜 火の見櫓に かけ登り お七は火事じゃと 半鐘打つ 火あぶり覚悟で 半鐘打つ あー 雪が 雪が舞う するりするりと… 木戸が開く  唇に別れ名残りの紅をさし お七涙の鐘を打つ… ああ あの鐘の音は早や九つの知らせなり… たとえ地獄に落ちるとも 吉三郎さまとの恋のために死ねるお七は 倖せものでございます おんな心とは儚いもの… いつかこの身は焼き尽くされようと 嘘偽りで生き延びようなどとは思いませぬ お七は吉三郎さまに抱かれて あの世へ参りとうございます ひとめだけでも ひとめだけでも吉三郎さまに逢わせて下さいませ お願いでございます… お願い… お願いでございますーっ…  恋は火を呼ぶ その名の通り 炎と燃えます おんな舞 未練をみちづれ 地獄道 夢みてかなしや 鈴ヶ森 あー 雪が 雪が舞う お七吉三の… 焦がれ節  吉三郎さま… お七を お七を連れて逃げて下さいませ… 吉三郎さまーっ…島津亜矢星野哲郎村沢良介池多孝春“吉さま恋しや ホーレヤホー”  とろりとろりと 命火燃える ところは駒込 吉祥寺(きっしょうじ) 武兵衛はお七に 横恋慕 天国(あまくに)宝剣 盗みどり あー 雪が 雪が舞う お七 十六… 恋あわれ  すべてこの世は夢芝居… 降る雪を袖にてはらうみだれ髪… いとしき人に逢いたくて 夜更けに灯す命火は師走間近な吉祥寺 花のお江戸に火をつける そんな大それたことなど思いもよらぬ事 吉三郎さまとこのお七の仲を知りながら お七を嫁にと嫌な武兵衛の無理難題 あぁ羽が欲しい 飛んで行きたいあなたの側へ 恋の闇路をひとすじに 思いつめれば心も乱れ 罪は覚悟の火をつける…  木戸が閉まって まっくら闇夜 火の見櫓に かけ登り お七は火事じゃと 半鐘打つ 火あぶり覚悟で 半鐘打つ あー 雪が 雪が舞う するりするりと… 木戸が開く  唇に別れ名残りの紅をさし お七涙の鐘を打つ… ああ あの鐘の音は早や九つの知らせなり… たとえ地獄に落ちるとも 吉三郎さまとの恋のために死ねるお七は 倖せものでございます おんな心とは儚いもの… いつかこの身は焼き尽くされようと 嘘偽りで生き延びようなどとは思いませぬ お七は吉三郎さまに抱かれて あの世へ参りとうございます ひとめだけでも ひとめだけでも吉三郎さまに逢わせて下さいませ お願いでございます… お願い… お願いでございますーっ…  恋は火を呼ぶ その名の通り 炎と燃えます おんな舞 未練をみちづれ 地獄道 夢みてかなしや 鈴ヶ森 あー 雪が 雪が舞う お七吉三の… 焦がれ節  吉三郎さま… お七を お七を連れて逃げて下さいませ… 吉三郎さまーっ…
帰らんちゃよかGOLD LYLICそらぁときどきゃ 俺たちも 淋しか夜ば過ごすこつも あるばってん 二人きりの 暮らしも長うなって これがあたりまえのごつ 思うよ どこかの誰かれが 結婚したとか かわいか孫のできたて聞くとも もう慣れた ぜいたくば言うたら きりんなか 元気でおるだけ 幸せと思わんなら それでどうかい うまくいきよっとかい 自分のやりたかこつば 少しはしよっとかい 心配せんでよか 心配せんでよか けっこう二人で けんかばしながら暮らしとるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 母ちゃんもおまえのこつは わかっとるけん  そらぁときどきゃ 帰ってきたり ちょこちょこ電話ばかけてくるとは うれしかよ それにしたって 近頃やさしゅなったね なんか弱気になっとっとじゃ なかつかい 田舎があるけん だめなら戻るけん 逃げ道にしとるだけなら 悲しかよ 親のためとか 年のせいとか そぎゃんこつば 言訳にすんなよ それでどうかい 都会は楽しかかい 今頃後悔しとっとじゃ なかっかい 心配せんでよか 心配せんでよか 父ちゃんたちゃ 二人でなんとか暮らしてゆけるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 今度みかんばいっぱい 送るけん  心配せんでよか 心配せんでよか 親のために おまえの生き方かえんでよか どうせおれたちゃ 先に逝くとやけん おまえの思うたとおりに 生きたらよかGOLD LYLIC島津亜矢関島秀樹関島秀樹南郷達也そらぁときどきゃ 俺たちも 淋しか夜ば過ごすこつも あるばってん 二人きりの 暮らしも長うなって これがあたりまえのごつ 思うよ どこかの誰かれが 結婚したとか かわいか孫のできたて聞くとも もう慣れた ぜいたくば言うたら きりんなか 元気でおるだけ 幸せと思わんなら それでどうかい うまくいきよっとかい 自分のやりたかこつば 少しはしよっとかい 心配せんでよか 心配せんでよか けっこう二人で けんかばしながら暮らしとるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 母ちゃんもおまえのこつは わかっとるけん  そらぁときどきゃ 帰ってきたり ちょこちょこ電話ばかけてくるとは うれしかよ それにしたって 近頃やさしゅなったね なんか弱気になっとっとじゃ なかつかい 田舎があるけん だめなら戻るけん 逃げ道にしとるだけなら 悲しかよ 親のためとか 年のせいとか そぎゃんこつば 言訳にすんなよ それでどうかい 都会は楽しかかい 今頃後悔しとっとじゃ なかっかい 心配せんでよか 心配せんでよか 父ちゃんたちゃ 二人でなんとか暮らしてゆけるけん 帰らんちゃよか 帰らんちゃよか 今度みかんばいっぱい 送るけん  心配せんでよか 心配せんでよか 親のために おまえの生き方かえんでよか どうせおれたちゃ 先に逝くとやけん おまえの思うたとおりに 生きたらよか
娘に…幸せに なるんだよ 二人してきっと 涙拭き 笑い顔 絶やさずいいな 母さんと話したか 女ゆえ努め 甘えたか ありがとう さよなら言ったか 寒い北の はずれ町 体こわさず 達者でな みんな想い出 持って行け 写真一枚 あればいい  背中より でかかった 赤いランドセル 雨の中 泣いていた 学校帰りよ 夢だった二十年 ありがとう我が娘(こ) 長い旅 疲れたら 時々帰れ 明日(あす)の朝まで 飲んでるよ 別れの朝だ 起こしてくれよ みんな想い出 持って行け 写真一枚 あればいい 写真一枚 あればいい…島津亜矢吉幾三吉幾三南郷達也幸せに なるんだよ 二人してきっと 涙拭き 笑い顔 絶やさずいいな 母さんと話したか 女ゆえ努め 甘えたか ありがとう さよなら言ったか 寒い北の はずれ町 体こわさず 達者でな みんな想い出 持って行け 写真一枚 あればいい  背中より でかかった 赤いランドセル 雨の中 泣いていた 学校帰りよ 夢だった二十年 ありがとう我が娘(こ) 長い旅 疲れたら 時々帰れ 明日(あす)の朝まで 飲んでるよ 別れの朝だ 起こしてくれよ みんな想い出 持って行け 写真一枚 あればいい 写真一枚 あればいい…
年輪雪の重さを 撥ねのけながら 背のびしたかろ 枝も葉も 山に若葉の 春がくりゃ よくぞ耐えたと 笑う風 苦労、年輪 樹は育つ  みどり絶やさぬ お山の掟 守りつづけて 子や孫に 強く伸びろの 親ごころ 枝を切る木に 血が通う 苦労、年輪 樹は育つ  いつか世に出て 大黒柱 夢のようだか 夢じゃない 願い重ねた 歳月に 熱い思いが 生きている 苦労、年輪 樹は育つ島津亜矢関根縋一・補作詞:石本美由起原譲二雪の重さを 撥ねのけながら 背のびしたかろ 枝も葉も 山に若葉の 春がくりゃ よくぞ耐えたと 笑う風 苦労、年輪 樹は育つ  みどり絶やさぬ お山の掟 守りつづけて 子や孫に 強く伸びろの 親ごころ 枝を切る木に 血が通う 苦労、年輪 樹は育つ  いつか世に出て 大黒柱 夢のようだか 夢じゃない 願い重ねた 歳月に 熱い思いが 生きている 苦労、年輪 樹は育つ
佐渡の恋唄佐渡へ佐渡へと 流れる雲に のせてゆきたい わたしのこころ 離れて四十九里 小木の港は波の果て あなたに逢いたい 声をしのんで 啼く千鳥  ハアー 佐渡と柏崎ゃ 棹さしゃとどくよ なぜにとどかぬ この想い  佐渡の日暮れの 荒磯波は あだし仇波 寄せては返す あなたと踊った おけさ流しの篝火に 想いをこがした 赤いシャクナゲ 咲く岬  佐渡のつばめは 千里の海も 恋のつばさで 越えるときいた 小雪がちらちら 舞えばせつない雪の肌 あなたに逢いたい 海の荒さよ 佐渡の島島津亜矢たかたかし弦哲也佐渡へ佐渡へと 流れる雲に のせてゆきたい わたしのこころ 離れて四十九里 小木の港は波の果て あなたに逢いたい 声をしのんで 啼く千鳥  ハアー 佐渡と柏崎ゃ 棹さしゃとどくよ なぜにとどかぬ この想い  佐渡の日暮れの 荒磯波は あだし仇波 寄せては返す あなたと踊った おけさ流しの篝火に 想いをこがした 赤いシャクナゲ 咲く岬  佐渡のつばめは 千里の海も 恋のつばさで 越えるときいた 小雪がちらちら 舞えばせつない雪の肌 あなたに逢いたい 海の荒さよ 佐渡の島
かもめの街やっと店が終わって ほろ酔いで坂をおりる頃 白茶けたお天道が 浜辺を染め始めるのさ そんなやりきれなさは 夜眠る人にゃわからないさ 波止場に出れば かもめがブイに二、三羽 一服しながら ぼんやり潮風に吹かれてみるのが あたしは好きなのさ…  かもめよ かもめよ 淋しかないか 帰る故郷があるじゃなし おまえも一生 波の上 あたしも一生 波の上 ああ ああ どんぶらこ  いろんな人がいたし いろんな人がいなくなった 泣いてくれるのは かもめと霧笛ばかり 一服しながらあれこれ 取り止めなく懐かしむのが あたしは好きなのさ…  かもめよ かもめよ 風邪などひくな 絹の寝床があるじゃなし おまえも一生 波の上 あたしも一生 波の上 ああ ああ どんぶらこ  かもめよ かもめよ ああ ああ島津亜矢ちあき哲也杉本眞人やっと店が終わって ほろ酔いで坂をおりる頃 白茶けたお天道が 浜辺を染め始めるのさ そんなやりきれなさは 夜眠る人にゃわからないさ 波止場に出れば かもめがブイに二、三羽 一服しながら ぼんやり潮風に吹かれてみるのが あたしは好きなのさ…  かもめよ かもめよ 淋しかないか 帰る故郷があるじゃなし おまえも一生 波の上 あたしも一生 波の上 ああ ああ どんぶらこ  いろんな人がいたし いろんな人がいなくなった 泣いてくれるのは かもめと霧笛ばかり 一服しながらあれこれ 取り止めなく懐かしむのが あたしは好きなのさ…  かもめよ かもめよ 風邪などひくな 絹の寝床があるじゃなし おまえも一生 波の上 あたしも一生 波の上 ああ ああ どんぶらこ  かもめよ かもめよ ああ ああ
さくら(独唱)僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を さくら並木の道の上で 手を振り叫ぶよ どんなに苦しい時も 君は笑っているから 挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ  霞みゆく景色の中に あの日の唄が聴こえる  さくら さくら 今、咲き誇る 刹那(せつな)に散りゆく運命(さだめ)と知って さらば友よ 旅立ちの刻(とき) 変わらないその想いを 今  今なら言えるだろうか 偽りのない言葉 輝ける君の未来を願う 本当の言葉  移りゆく街はまるで 僕らを急かすように  さくら さくら ただ舞い落ちる いつか生まれ変わる瞬間(とき)を信じ 泣くな友よ 今惜別の時 飾らないあの笑顔で さあ  さくら さくら いざ舞い上がれ 永遠(とわ)にさんざめく光を浴びて さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散る道の さくら舞い散る道の上で島津亜矢森山直太朗・御徒町凧森山直太朗僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を さくら並木の道の上で 手を振り叫ぶよ どんなに苦しい時も 君は笑っているから 挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ  霞みゆく景色の中に あの日の唄が聴こえる  さくら さくら 今、咲き誇る 刹那(せつな)に散りゆく運命(さだめ)と知って さらば友よ 旅立ちの刻(とき) 変わらないその想いを 今  今なら言えるだろうか 偽りのない言葉 輝ける君の未来を願う 本当の言葉  移りゆく街はまるで 僕らを急かすように  さくら さくら ただ舞い落ちる いつか生まれ変わる瞬間(とき)を信じ 泣くな友よ 今惜別の時 飾らないあの笑顔で さあ  さくら さくら いざ舞い上がれ 永遠(とわ)にさんざめく光を浴びて さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散る道の さくら舞い散る道の上で
秋桜淡紅の秋桜が 秋の日の 何気ない陽溜りに 揺れている 此頃 涙脆くなった母が 庭先でひとつ 咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の 思い出を 何度も 同じ話くり返す 独言みたいに 小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る 明日嫁ぐ私に 苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我侭な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに  こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください島津亜矢さだまさしさだまさし淡紅の秋桜が 秋の日の 何気ない陽溜りに 揺れている 此頃 涙脆くなった母が 庭先でひとつ 咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の 思い出を 何度も 同じ話くり返す 独言みたいに 小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る 明日嫁ぐ私に 苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我侭な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに  こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
男…新門辰五郎男いのちを 纏に賭ける 火消し稼業の 勇み肌 江戸は「を」組の 元締めで 気っ風の良さで 名を挙げる 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎  サーエー 格子造りに御神燈下げて 兄貴ァ家かと姐御に問えば 兄貴ァ二階で木遣りの稽古 音頭とるのはアリャうちの人 エンヤーラエンヤラヤ サノヨーイサエンヤラヤ エンヤラヤレコノセー サノセー アレワサエーンヤーラヤー  惚れたおせきと 観音さまに 愛を誓えば 鳩が舞う 消すがさだめの 火消しでも 恋の火だけは 消されない 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎  江戸の華なら 数々あるが 火事と喧嘩と 纏持ち 見ろよ見てくれ 晴れ姿 「を」組いのちの この纏 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎島津亜矢宮沢守夫村沢良介池多孝春男いのちを 纏に賭ける 火消し稼業の 勇み肌 江戸は「を」組の 元締めで 気っ風の良さで 名を挙げる 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎  サーエー 格子造りに御神燈下げて 兄貴ァ家かと姐御に問えば 兄貴ァ二階で木遣りの稽古 音頭とるのはアリャうちの人 エンヤーラエンヤラヤ サノヨーイサエンヤラヤ エンヤラヤレコノセー サノセー アレワサエーンヤーラヤー  惚れたおせきと 観音さまに 愛を誓えば 鳩が舞う 消すがさだめの 火消しでも 恋の火だけは 消されない 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎  江戸の華なら 数々あるが 火事と喧嘩と 纏持ち 見ろよ見てくれ 晴れ姿 「を」組いのちの この纏 「男の中の…男でござる」 その名は…新門辰五郎
彼岸雪うなじの後れ毛直す手に 冷んやり一筋春の雪 七年前にはこの駅で 彼岸近くの別離唄(わかれうた) あのときあなたにすがって泣けば 違った私がいるのでしょうか 思い出ちらちら雪が降る ああ雪が降る  あなたは大人になれないで 私はあなたがみえなくて 傷つけあっての毎日に 出した答えが故郷へ 駅舎(えき)のホテルのロビーの窓で 過ぎ去る列車を見送りました 悲しみ残して雪が降る ああ雪が降る  浅黄(あさぎ)の袖を着た午後に 忘れた痛みがよみがえる いまさらこの都会(まち)この駅で あなた感じた雪の花 ひとりで生きるわ哀しくはない 決めた女の強がりですと 思いを隠して雪が降る ああ雪が降る島津亜矢寺井泰二郎都志見隆前田俊明うなじの後れ毛直す手に 冷んやり一筋春の雪 七年前にはこの駅で 彼岸近くの別離唄(わかれうた) あのときあなたにすがって泣けば 違った私がいるのでしょうか 思い出ちらちら雪が降る ああ雪が降る  あなたは大人になれないで 私はあなたがみえなくて 傷つけあっての毎日に 出した答えが故郷へ 駅舎(えき)のホテルのロビーの窓で 過ぎ去る列車を見送りました 悲しみ残して雪が降る ああ雪が降る  浅黄(あさぎ)の袖を着た午後に 忘れた痛みがよみがえる いまさらこの都会(まち)この駅で あなた感じた雪の花 ひとりで生きるわ哀しくはない 決めた女の強がりですと 思いを隠して雪が降る ああ雪が降る
おもいで宝箱あの日の空を 覚えてる 見果てぬ夢の さみしさを はげますような 阿蘇の山 おーいおーいと呼んでみよう 忘れられない 想い出がふり向くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 ぬくもり宝箱  天草の海 日が暮れて 手と手をつなぐ やさしさで 今日から明日(あす)に 架ける橋 おーいおーいと呼んでみよう 数えきれない 想い出が手をふるよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 ほほえみ宝箱  風の河ゆく 雲の船 はるかな時の 旅人を 見守るような 熊本城 おーいおーいと呼んでみよう 語りきれない 想い出が輝くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 おもいで宝箱  おーいおーいと呼んでみよう 語りきれない 想い出が輝くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 おもいで宝箱島津亜矢田久保真見出田敬三前田俊明あの日の空を 覚えてる 見果てぬ夢の さみしさを はげますような 阿蘇の山 おーいおーいと呼んでみよう 忘れられない 想い出がふり向くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 ぬくもり宝箱  天草の海 日が暮れて 手と手をつなぐ やさしさで 今日から明日(あす)に 架ける橋 おーいおーいと呼んでみよう 数えきれない 想い出が手をふるよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 ほほえみ宝箱  風の河ゆく 雲の船 はるかな時の 旅人を 見守るような 熊本城 おーいおーいと呼んでみよう 語りきれない 想い出が輝くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 おもいで宝箱  おーいおーいと呼んでみよう 語りきれない 想い出が輝くよ おーいおーいと呼んでみよう ここは火の国 おもいで宝箱
放っといておくれ道ばたに咲いている 草の花たちは どんなに美しい 花瓶(かびん)よりも 土の上が いいんだよ 放っといておくれ 草は草なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のあかり  サンゴ礁で暮らしてる 熱帯魚たちは どんなにすばらしい 水槽よりも 海の中が 好きなんだ 放っといておくれ 魚は魚なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のいのち  菜の花に止まってる 紋白蝶たちは どんなに上品な 虫籠(むしかご)よりも 花の宿が 一番さ 放っといておくれ 蝶は蝶なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のあかり島津亜矢星野哲郎船村徹蔦将包道ばたに咲いている 草の花たちは どんなに美しい 花瓶(かびん)よりも 土の上が いいんだよ 放っといておくれ 草は草なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のあかり  サンゴ礁で暮らしてる 熱帯魚たちは どんなにすばらしい 水槽よりも 海の中が 好きなんだ 放っといておくれ 魚は魚なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のいのち  菜の花に止まってる 紋白蝶たちは どんなに上品な 虫籠(むしかご)よりも 花の宿が 一番さ 放っといておくれ 蝶は蝶なりに 生きていたいのさ 放っといておくれ つよさが何になる やさしさだけが この世のあかり
海で一生終わりたかった甘い恋など まっぴらごめん 親のない子の 見る夢は 小さな貨物船(カーゴ)に 乗り組んで 港々で 恋をして 海で一生 終わりたかった  五体(からだ)こわして 船から降りて 陸(おか)にあがった かっぱだよ 海原とおく 眺めては 無念残念 くやし泣き 海で一生 終わりたかった  海は海でも ネオンの海は 俺にゃちっとも なじめない 海には母が いるという おとぎ噺を 追いかけて 海で一生 終わりたかった島津亜矢星野哲郎船村徹蔦将包甘い恋など まっぴらごめん 親のない子の 見る夢は 小さな貨物船(カーゴ)に 乗り組んで 港々で 恋をして 海で一生 終わりたかった  五体(からだ)こわして 船から降りて 陸(おか)にあがった かっぱだよ 海原とおく 眺めては 無念残念 くやし泣き 海で一生 終わりたかった  海は海でも ネオンの海は 俺にゃちっとも なじめない 海には母が いるという おとぎ噺を 追いかけて 海で一生 終わりたかった
幾山河いい日ばかりは 続きはしない 分っていながら 浮かれてた いいさ人の常だよ 回り道 シッペ返しを 血肉にかえて 痛みと越えよう 幾山河  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  挫折してこそ 苦労してこそ 天識る 地を識る 天識る 地を識る 我を識る  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  生身半身が 寄り添い合って 辛抱する木に 花が咲く いいさ嘘がやさしい 夜もある こんな時代こそ 運命にまかせ 情けに生きよう あるがまま  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  生きていてこそ 生きていてこそ 天識る 地を識る 天識る 地を識る 人を識る  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ島津亜矢吉岡治弦哲也前田俊明いい日ばかりは 続きはしない 分っていながら 浮かれてた いいさ人の常だよ 回り道 シッペ返しを 血肉にかえて 痛みと越えよう 幾山河  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  挫折してこそ 苦労してこそ 天識る 地を識る 天識る 地を識る 我を識る  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  生身半身が 寄り添い合って 辛抱する木に 花が咲く いいさ嘘がやさしい 夜もある こんな時代こそ 運命にまかせ 情けに生きよう あるがまま  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  生きていてこそ 生きていてこそ 天識る 地を識る 天識る 地を識る 人を識る  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ  エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ エンヤラドッコイショ エンヤラドッコイ ドッコイショ
北海恋唄百も承知で 男気(おとこぎ)だして よその火の粉を まるかぶり 他人をそれでも 信じきっている あんた 負けたよ 腹をくくって やるしかないね ここはヨイショと ヨイショとここは 我慢 我慢の網を引く  海は凪(な)いでも 心は時化て 家をとび出た こともある なにもいわずに 差し出す傘に あんた 泣けたよ 強いようでも 所詮はおんな ここはヨイショと ヨイショとここは ふたり 一緒に舟を漕ぐ  魚獲らせりゃ 北海一で あとはのろけの 夫婦仲 潮の満干(みちひ)は 誰にもあると あんた 負けたよ 骨も太けりゃ 態度もでかい ここはヨイショと ヨイショとここは 大漁 大漁の春を待つ島津亜矢吉岡治弦哲也池多孝春百も承知で 男気(おとこぎ)だして よその火の粉を まるかぶり 他人をそれでも 信じきっている あんた 負けたよ 腹をくくって やるしかないね ここはヨイショと ヨイショとここは 我慢 我慢の網を引く  海は凪(な)いでも 心は時化て 家をとび出た こともある なにもいわずに 差し出す傘に あんた 泣けたよ 強いようでも 所詮はおんな ここはヨイショと ヨイショとここは ふたり 一緒に舟を漕ぐ  魚獲らせりゃ 北海一で あとはのろけの 夫婦仲 潮の満干(みちひ)は 誰にもあると あんた 負けたよ 骨も太けりゃ 態度もでかい ここはヨイショと ヨイショとここは 大漁 大漁の春を待つ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
近松門左衛門原作「曽根崎心中」より お初命追われて 力も尽きて 闇路に光る ふたつ星 泣いてさめざめ 天満屋お初 帯は裂けても 心は裂けぬ お初…徳さま… 忍び爪立ち 梅田橋  「冬に耐えれば春がくる 例え…この身は蜆川(しじみがわ)の水底(みぞこ)に沈んでも あなたの側にいたい 徳さま…離さないで… 願い叶わぬ夢ならば 次の世でもその次の世でも あなたと暮らしたい 徳さま…きっと…きっと…幸福にして下さいますね」  肌に白無垢(しろむく) 無情の霧道(みち)は 一足ずつに 消えてゆく 風の曽根崎 天神様よ どうぞお願い 一緒に泣いて お初…徳さま… 恋の道行(みちゆき) 鐘の音(こえ)  「徳さま…浅黄(あさぎ)の色の抱え帯 この帯で二人の躰をしっかと縛って下さいな 松と棕櫚(しゅろ)とは根元(ねもと)でひとつ この連理(れんり)の木にすがって死にましょう あ…あれは暁(あけ)の七ッの鐘 六ッ嶋りて残る一ッが 今生(こんじょう)の鐘の響きの聞きおさめ 徳さま…早よう迷わずその脇差しを抜いて下さいな 徳さまと一緒に死ねることがうれしい…うれしいの…」  解けた黒髪 震(ふる)える肩は この世のなごり 夜も別れ 抱いて下さい 力の限り 永遠(とわ)の契りは 誰にも断(き)れぬ お初…徳さま… きっとあの世で 添い遂げる島津亜矢さとの深花村沢良介命追われて 力も尽きて 闇路に光る ふたつ星 泣いてさめざめ 天満屋お初 帯は裂けても 心は裂けぬ お初…徳さま… 忍び爪立ち 梅田橋  「冬に耐えれば春がくる 例え…この身は蜆川(しじみがわ)の水底(みぞこ)に沈んでも あなたの側にいたい 徳さま…離さないで… 願い叶わぬ夢ならば 次の世でもその次の世でも あなたと暮らしたい 徳さま…きっと…きっと…幸福にして下さいますね」  肌に白無垢(しろむく) 無情の霧道(みち)は 一足ずつに 消えてゆく 風の曽根崎 天神様よ どうぞお願い 一緒に泣いて お初…徳さま… 恋の道行(みちゆき) 鐘の音(こえ)  「徳さま…浅黄(あさぎ)の色の抱え帯 この帯で二人の躰をしっかと縛って下さいな 松と棕櫚(しゅろ)とは根元(ねもと)でひとつ この連理(れんり)の木にすがって死にましょう あ…あれは暁(あけ)の七ッの鐘 六ッ嶋りて残る一ッが 今生(こんじょう)の鐘の響きの聞きおさめ 徳さま…早よう迷わずその脇差しを抜いて下さいな 徳さまと一緒に死ねることがうれしい…うれしいの…」  解けた黒髪 震(ふる)える肩は この世のなごり 夜も別れ 抱いて下さい 力の限り 永遠(とわ)の契りは 誰にも断(き)れぬ お初…徳さま… きっとあの世で 添い遂げる
川口松太郎原作「明治一代女」より お梅戻れない… 戻らない… 時の流れに 棹させば 女の時間は 止まるでしょうか 浪に千鳥の 浜町河岸に 誰が 誰が架けたか なみだの橋 お梅運命の… 恋に泣く  「巳之さん すまない 堪忍しておくれ… 太夫とはどうしても別れられなかった… でも 初手から巳之さんを騙すつもりはなかった 太夫の襲名披露が終わったら 巳之さんの所に戻るつもりだった… 所詮この世界は一幕物の夢芝居 これで梅のひとり芝居も終わったのさ…」  なぜ泣くの… なぜ泣かす… 道はふたすじ あるけれど 心も迷いは もうありません 義理の川風 人情の夜風 乗せて 乗せて流れる もやい舟 お梅しぐれる… ほつれ髪  「唐紅のおんなの性が 二つの枝に狂い咲き… あぁー梅はもう思い直すことは何もない 身を清め 髪を結び 紅 白粉の旅支度… せめて せめて こんな女がいたことを 覚えていて下さいね… 楽しかった太夫との思い出を心に秘めて 梅はあの世に参ります あぁー あの人の舞台の幕が開く…」  夢ですが… 夢なのね… 浮かれた浜町 三味の音に 三日月眉毛の 柳が曇る 明治一代 悲しく燃えた 恋の 恋の火玉は 何処へやら お梅泣かせ… 隅田川  …津の国屋ぁー…島津亜矢志賀大介村沢良介戻れない… 戻らない… 時の流れに 棹させば 女の時間は 止まるでしょうか 浪に千鳥の 浜町河岸に 誰が 誰が架けたか なみだの橋 お梅運命の… 恋に泣く  「巳之さん すまない 堪忍しておくれ… 太夫とはどうしても別れられなかった… でも 初手から巳之さんを騙すつもりはなかった 太夫の襲名披露が終わったら 巳之さんの所に戻るつもりだった… 所詮この世界は一幕物の夢芝居 これで梅のひとり芝居も終わったのさ…」  なぜ泣くの… なぜ泣かす… 道はふたすじ あるけれど 心も迷いは もうありません 義理の川風 人情の夜風 乗せて 乗せて流れる もやい舟 お梅しぐれる… ほつれ髪  「唐紅のおんなの性が 二つの枝に狂い咲き… あぁー梅はもう思い直すことは何もない 身を清め 髪を結び 紅 白粉の旅支度… せめて せめて こんな女がいたことを 覚えていて下さいね… 楽しかった太夫との思い出を心に秘めて 梅はあの世に参ります あぁー あの人の舞台の幕が開く…」  夢ですが… 夢なのね… 浮かれた浜町 三味の音に 三日月眉毛の 柳が曇る 明治一代 悲しく燃えた 恋の 恋の火玉は 何処へやら お梅泣かせ… 隅田川  …津の国屋ぁー…
川の流れと 人の世は 澱みもあれば 渓流(たに)もある 義理の重さを 忘れたら 立つ瀬なくして 沈むだろ…黙って おとこは川になる  風にこぼれた 花びらを 浮かべて川に 情がある 生きる辛さに 耐えながら 人は優しさ 恋しがる…忍んで おとこは川になる  過去とうらみは 流れても 流しちゃならぬ 恩がある 他人の情けを かりながら 明日へ漕ぎだす 舟もある…揺られて おとこは川になる島津亜矢野村耕三池山錠川の流れと 人の世は 澱みもあれば 渓流(たに)もある 義理の重さを 忘れたら 立つ瀬なくして 沈むだろ…黙って おとこは川になる  風にこぼれた 花びらを 浮かべて川に 情がある 生きる辛さに 耐えながら 人は優しさ 恋しがる…忍んで おとこは川になる  過去とうらみは 流れても 流しちゃならぬ 恩がある 他人の情けを かりながら 明日へ漕ぎだす 舟もある…揺られて おとこは川になる
黒百合の歌黒百合は 恋の花 愛する人に 捧げれば 二人はいつかは 結びつく あああ……あああ この花ニシパに あげようか あたしはニシパが 大好きさ  黒百合は 魔物だよ 花のかおりが しみついて 結んだ二人は はなれない あああ……あああ あたしが死んだら ニシパもね あたしはニシパが 大好きさ  黒百合は 毒の花 アイヌの神の タブーだよ やがてはあたしも 死ぬんだよ あああ……あああ島津亜矢菊田一夫古関裕而黒百合は 恋の花 愛する人に 捧げれば 二人はいつかは 結びつく あああ……あああ この花ニシパに あげようか あたしはニシパが 大好きさ  黒百合は 魔物だよ 花のかおりが しみついて 結んだ二人は はなれない あああ……あああ あたしが死んだら ニシパもね あたしはニシパが 大好きさ  黒百合は 毒の花 アイヌの神の タブーだよ やがてはあたしも 死ぬんだよ あああ……あああ
女は男の言葉で変わるどうせ別れるつもりさ そんなセリフを残して あいつはフラリと 何処かへ消えた  ちょっとあぶない野郎に 心うばわれ泣いてた あたしはみじめな恋女  もしも願いが叶うものなら 想い出全部雨に流して  女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…  つくす女はいつでも お前ひとりじゃないのさ すました顔して また駄目を押す  愛がくずれてボロボロ 夢が破れてズタズタ あたしはおろかな恋女  酔いにまかせて踊ってみても どこかさめてる 今夜のあたし  女は男の言葉で変わる 明るくなったり 暗くなったり 女は男の言葉で変わる そうさいつかきっと きれいになる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…  女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…島津亜矢杉本眞人杉本眞人矢野立美どうせ別れるつもりさ そんなセリフを残して あいつはフラリと 何処かへ消えた  ちょっとあぶない野郎に 心うばわれ泣いてた あたしはみじめな恋女  もしも願いが叶うものなら 想い出全部雨に流して  女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…  つくす女はいつでも お前ひとりじゃないのさ すました顔して また駄目を押す  愛がくずれてボロボロ 夢が破れてズタズタ あたしはおろかな恋女  酔いにまかせて踊ってみても どこかさめてる 今夜のあたし  女は男の言葉で変わる 明るくなったり 暗くなったり 女は男の言葉で変わる そうさいつかきっと きれいになる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…  女は男の言葉で変わる やさしくなったり 冷たくなったり 女は男の言葉で変わる そうさあいつなんか 忘れてやる 見かえしてやる Wow… Wow… Wow… Wow…
夜桜挽花あたしの中の 悪い子が 欲しい欲しいと またせがむ 口紅(べに)を噛み切り 投げつけりゃ 死んだふりして 夢ん中 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ 此(こ)の世も彼(あ)の世も みんな散れ Ah…来世(こんど)は男になってやる  涙の粒が 月あかり 泣けよ泣けよと 数珠つなぎ 髪を洗って 素裸 波うつ寝台(ベッド)に 身を投げる 夜桜よ散れ みんな散れ 心も身体も みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる  夜桜よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる島津亜矢荒木とよひさ杉本眞人矢野立美あたしの中の 悪い子が 欲しい欲しいと またせがむ 口紅(べに)を噛み切り 投げつけりゃ 死んだふりして 夢ん中 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜(はな)よ散れ みんな散れ 此(こ)の世も彼(あ)の世も みんな散れ Ah…来世(こんど)は男になってやる  涙の粒が 月あかり 泣けよ泣けよと 数珠つなぎ 髪を洗って 素裸 波うつ寝台(ベッド)に 身を投げる 夜桜よ散れ みんな散れ 心も身体も みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる  夜桜よ散れ みんな散れ あたしもあいつも みんな散れ 夜桜よ散れ みんな散れ 此の世も彼の世も みんな散れ Ah…来世は男になってやる
女の道しるべ若い日のね 苦労は買っても するもんよ 旅の日暮れの プラット・ホーム 吹雪の中で やさしくわらう 母の笑顔は 女の、女の道しるべ  負けちゃだめよ 自分を信じて 行きなさい 未来(あす)の見えない 夢追い人にゃ 信じることが 力になるの 母のことばは 女の、女の道しるべ  女はね 愛する誰かの ネクタイの 陰に隠れる ボタンになるの 楽屋(がくや)鏡に 映ってゆれる 母の笑顔は 女の、女の道しるべ島津亜矢星野哲郎船村徹蔦将包若い日のね 苦労は買っても するもんよ 旅の日暮れの プラット・ホーム 吹雪の中で やさしくわらう 母の笑顔は 女の、女の道しるべ  負けちゃだめよ 自分を信じて 行きなさい 未来(あす)の見えない 夢追い人にゃ 信じることが 力になるの 母のことばは 女の、女の道しるべ  女はね 愛する誰かの ネクタイの 陰に隠れる ボタンになるの 楽屋(がくや)鏡に 映ってゆれる 母の笑顔は 女の、女の道しるべ
北海峡愛の渦潮 逆巻(さかま)く未練  海峡渡る 女の胸に  凍り付くよな しぶきが刺さる  捨てて来ました 悲しみは  遥か彼方に 見え隠れ  津軽の港 旅出(でた)ときに   今は引き潮 心も軋む  海峡越える 海鳥さえも  潮の流れに 戸惑うばかり  長い黒髪 切りました  もとへ戻れぬ 宿命(さだめ)なら  津軽の海を 何処までも   北へ走れば 波立つばかり  海峡染める 願い火遠く  釣瓶(つるべ)落としで 真冬の海へ  おんな片恋い ひとり旅  胸に花咲く 春はいつ  津軽の里へ 戻る日に  島津亜矢中島光原譲二南郷達也愛の渦潮 逆巻(さかま)く未練  海峡渡る 女の胸に  凍り付くよな しぶきが刺さる  捨てて来ました 悲しみは  遥か彼方に 見え隠れ  津軽の港 旅出(でた)ときに   今は引き潮 心も軋む  海峡越える 海鳥さえも  潮の流れに 戸惑うばかり  長い黒髪 切りました  もとへ戻れぬ 宿命(さだめ)なら  津軽の海を 何処までも   北へ走れば 波立つばかり  海峡染める 願い火遠く  釣瓶(つるべ)落としで 真冬の海へ  おんな片恋い ひとり旅  胸に花咲く 春はいつ  津軽の里へ 戻る日に  
哀愁波止場夜の波止場にゃ 誰(だ)ァれもいない 霧にブイの灯(ひ) 泣くばかり おどま盆ぎり盆ぎり 盆からさきゃ おらんと…… あの人の すきな歌 波がつぶやく 淋(さみ)しさよ  「ああ 今夜もブイの灯が…… 冷たい私の心のように うるんでいる あの人のいない港は 暗い海の波のように淋しいわ…… あの人がいつも歌った唄が 今夜も私を泣かすのね」  三月(みつき)待っても 逢うのは一夜(ひとよ) 恋も悲しい 波止場町 五ッ木(ぎ)くずしは しんから なけるよ…… 思い出の 滲(にじ)む歌 耳に残って 離れない島津亜矢石本美由起船村徹夜の波止場にゃ 誰(だ)ァれもいない 霧にブイの灯(ひ) 泣くばかり おどま盆ぎり盆ぎり 盆からさきゃ おらんと…… あの人の すきな歌 波がつぶやく 淋(さみ)しさよ  「ああ 今夜もブイの灯が…… 冷たい私の心のように うるんでいる あの人のいない港は 暗い海の波のように淋しいわ…… あの人がいつも歌った唄が 今夜も私を泣かすのね」  三月(みつき)待っても 逢うのは一夜(ひとよ) 恋も悲しい 波止場町 五ッ木(ぎ)くずしは しんから なけるよ…… 思い出の 滲(にじ)む歌 耳に残って 離れない
残侠子守唄「今日日(きょうび)「寄らば大樹の蔭」とかいう言葉が 巾をきかせているようでございます。 楽(らく)をしようとする心が、人間を だめにするのじゃないでしょうか。」  北の風吹きゃ北をむき 西の風ふきゃ西をむく 男の意地は どこにある 浮いた世間に 媚(こび)をうる めだかみたいな奴ばかり  「時の流れとでもいうのでしょうか。 自分さえよければよいという手合(てあい)が多すぎます。 まっとうに生きようとすればするほど、 住みにくい世の中になったものでございます。」  声の大きい奴だけが 勝って得する世の中さ 男の道は 暗すぎる どちら向いても 闇ばかり どこに実のなる花がある  「どこもかしこも、すっかり狂ってしまったようでございます。 と、申しましても、夜毎(よごと)酒に溺れる私(わたくし)も、 決して、まともな人間じゃございません。」  すねに傷もつこのおれにゃ まぶしすぎます お日様が 男の酒の ほろ苦さ 明日は どの色咲こうとも おれは生きたい おれの道島津亜矢たかたかし弦哲也「今日日(きょうび)「寄らば大樹の蔭」とかいう言葉が 巾をきかせているようでございます。 楽(らく)をしようとする心が、人間を だめにするのじゃないでしょうか。」  北の風吹きゃ北をむき 西の風ふきゃ西をむく 男の意地は どこにある 浮いた世間に 媚(こび)をうる めだかみたいな奴ばかり  「時の流れとでもいうのでしょうか。 自分さえよければよいという手合(てあい)が多すぎます。 まっとうに生きようとすればするほど、 住みにくい世の中になったものでございます。」  声の大きい奴だけが 勝って得する世の中さ 男の道は 暗すぎる どちら向いても 闇ばかり どこに実のなる花がある  「どこもかしこも、すっかり狂ってしまったようでございます。 と、申しましても、夜毎(よごと)酒に溺れる私(わたくし)も、 決して、まともな人間じゃございません。」  すねに傷もつこのおれにゃ まぶしすぎます お日様が 男の酒の ほろ苦さ 明日は どの色咲こうとも おれは生きたい おれの道
川の流れのように知らず知らず 歩いて来た 細く長いこの道 振り返れば 遥か遠く 故郷(ふるさと)が見える でこぼこ道や 曲がりくねった道 地図さえない それもまた 人生 ああ 川の流れのように ゆるやかに いくつも時代は過ぎて ああ 川の流れのように とめどなく 空が黄昏に 染まるだけ  生きることは 旅すること 終わりのないこの道 愛する人 そばに連れて 夢探しながら 雨に降られて ぬかるんだ道でも いつかは また 晴れる日が来るから ああ 川の流れのように おだやかに この身をまかせていたい ああ 川の流れのように 移りゆく 季節雪どけを 待ちながら  ああ 川の流れのように おだやかに この身をまかせていたい ああ 川の流れのように いつまでも 青いせせらぎを聞きながら島津亜矢秋元康見岳章知らず知らず 歩いて来た 細く長いこの道 振り返れば 遥か遠く 故郷(ふるさと)が見える でこぼこ道や 曲がりくねった道 地図さえない それもまた 人生 ああ 川の流れのように ゆるやかに いくつも時代は過ぎて ああ 川の流れのように とめどなく 空が黄昏に 染まるだけ  生きることは 旅すること 終わりのないこの道 愛する人 そばに連れて 夢探しながら 雨に降られて ぬかるんだ道でも いつかは また 晴れる日が来るから ああ 川の流れのように おだやかに この身をまかせていたい ああ 川の流れのように 移りゆく 季節雪どけを 待ちながら  ああ 川の流れのように おだやかに この身をまかせていたい ああ 川の流れのように いつまでも 青いせせらぎを聞きながら
勝つと思うな 思えば負けよ 負けてもともと この胸の 奥に生きてる 柔の夢が 一生一度を 一生一度を 待っている  人は人なり のぞみもあるが 捨てて立つ瀬を 越えもする せめて今宵は 人間らしく 恋の涙を 恋の涙を 噛みしめる  口で言うより 手の方が早い 馬鹿を相手の 時じゃない 行くも住(とま)るも 座るもふすも 柔一すじ 柔一すじ 夜が明ける島津亜矢関沢新一古賀政男勝つと思うな 思えば負けよ 負けてもともと この胸の 奥に生きてる 柔の夢が 一生一度を 一生一度を 待っている  人は人なり のぞみもあるが 捨てて立つ瀬を 越えもする せめて今宵は 人間らしく 恋の涙を 恋の涙を 噛みしめる  口で言うより 手の方が早い 馬鹿を相手の 時じゃない 行くも住(とま)るも 座るもふすも 柔一すじ 柔一すじ 夜が明ける
道南夫婦船親に貰った この血の中を 熱く流れる 命潮 元へ辿れば 父と母 いつも元気で いて欲しい 熱い祈りを 波に浮かべて 仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳  荒れる海辺に 縋って生きる 北の漁師は 波の花 群れる鴎も 仲間衆 こぼれ秋刀魚を 分けながら 地球岬を 右に眺めて 今日もあんたと アヨイショ 網を刺す  浜の女房と 呼ばれるからにゃ 雪も氷も 恐れぬが 浮気されたら わしの恥 二つ合わせて 一になる 愛の人生 海に咲かせる 夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船 島津亜矢星野哲郎新井利昌池多孝春親に貰った この血の中を 熱く流れる 命潮 元へ辿れば 父と母 いつも元気で いて欲しい 熱い祈りを 波に浮かべて 仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳  荒れる海辺に 縋って生きる 北の漁師は 波の花 群れる鴎も 仲間衆 こぼれ秋刀魚を 分けながら 地球岬を 右に眺めて 今日もあんたと アヨイショ 網を刺す  浜の女房と 呼ばれるからにゃ 雪も氷も 恐れぬが 浮気されたら わしの恥 二つ合わせて 一になる 愛の人生 海に咲かせる 夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船 
切られ与三「御新造さんえ おかみさんえ お富さんえ… いやさぁー…お富 久しぶりだなぁー…」  しがねえ恋路の 木更津追われ めぐる月日も 三年(みとせ)越し 三十四ヶ所に 貰った疵(きず)が 俺の綽名(あだな)よ 俺の綽名よ 切られ与三 惚れちゃいけねえ 他人(ひと)の花 エー…他人の花  「しがねえ恋の情けが仇… 命の綱の切れたのを どう取り留めてか木更津から めぐる月日も三年越し… 江戸の親には勘当うけ よんどころなく鎌倉の… 谷七郷(やつしちごう)は食い詰めても面(つら)へ受けたる看板の 疵がもっけの幸いに 切られの与三と異名を取り 押借(おしか)り強請(ゆず)りも習おうより 慣れた時代の源氏店(げんじだな)…」  忘れてくれたか 与三郎だよと 名乗りゃ目が泣く 洗い髪 急(せ)くな騒ぐな 蝙蝠安(こうもりやす)よ たかが一分じゃ たかが一分じゃ 草鞋銭(わらじせん) 恋の始末にゃ 安すぎる エー…安すぎる  「死んだと思った お富たぁー お釈迦さまでも気がつくめぇー よくまぁー お主しぁー 達者でいたなぁー…」  港に身を投げ 死んだと聞いて 唱えましたぜ 念仏を いまのお富は 堅気と言うが 色香(いろ)で磨いた 色香で磨いた 源氏店 なんで浮世を もてあそぶ エー…もてあそぶ島津亜矢野本高平村沢良介池多孝春「御新造さんえ おかみさんえ お富さんえ… いやさぁー…お富 久しぶりだなぁー…」  しがねえ恋路の 木更津追われ めぐる月日も 三年(みとせ)越し 三十四ヶ所に 貰った疵(きず)が 俺の綽名(あだな)よ 俺の綽名よ 切られ与三 惚れちゃいけねえ 他人(ひと)の花 エー…他人の花  「しがねえ恋の情けが仇… 命の綱の切れたのを どう取り留めてか木更津から めぐる月日も三年越し… 江戸の親には勘当うけ よんどころなく鎌倉の… 谷七郷(やつしちごう)は食い詰めても面(つら)へ受けたる看板の 疵がもっけの幸いに 切られの与三と異名を取り 押借(おしか)り強請(ゆず)りも習おうより 慣れた時代の源氏店(げんじだな)…」  忘れてくれたか 与三郎だよと 名乗りゃ目が泣く 洗い髪 急(せ)くな騒ぐな 蝙蝠安(こうもりやす)よ たかが一分じゃ たかが一分じゃ 草鞋銭(わらじせん) 恋の始末にゃ 安すぎる エー…安すぎる  「死んだと思った お富たぁー お釈迦さまでも気がつくめぇー よくまぁー お主しぁー 達者でいたなぁー…」  港に身を投げ 死んだと聞いて 唱えましたぜ 念仏を いまのお富は 堅気と言うが 色香(いろ)で磨いた 色香で磨いた 源氏店 なんで浮世を もてあそぶ エー…もてあそぶ
近松門左衛門原作「大経師昔暦」より おさんひとり寝は… そっと茂兵衛に逢いたくて 夢で逢う気で 灯り消す…  好きになっては いけない人と 恋の道行き しのび旅 たったひと夜の ふれ合いなのに 掟破りの 罪ですか  あぁー 雪が あぁー 雪が… 闇に小走り おさん 茂兵衛の…影二つ  「茂兵衛に不義密通の汚名をかけてしまい 許しておくれ… でも このおさんのことを好きだと言ってくれた お前の今の一言で 決心がつきました 生きて 生きて一緒に逃げましょう… おさんは どこまでも どこまでも茂兵衛について行きます…」  せめてひととき あなたの胸で どうか泣かせて 下さいね 女ごころを 知ってるように 瀬音哀しい 高瀬川  あぁー 雪が あぁー 雪が… そっと寄り添う おさん 茂兵衛の…恋模様  「初暦の出る霜月は こぼれる涙も凍てついてしまいそうでございます… この身は 琵琶湖の露と消えようと おさんは身も心も茂兵衛のもの 今のおまえは奉公人やない このおさんの夫や… この世が駄目なら あの世で あの世で結ばれとうございます…」  息をひそめて 目と目で話す 覚悟してます 不義の道 風が雨戸を ゆさぶる夜は 心細くて 身を寄せる  あぁー 雪が あぁー 雪が… 夢にはぐれた おさん 茂兵衛の…隠れ宿島津亜矢宮沢守夫村沢良介ひとり寝は… そっと茂兵衛に逢いたくて 夢で逢う気で 灯り消す…  好きになっては いけない人と 恋の道行き しのび旅 たったひと夜の ふれ合いなのに 掟破りの 罪ですか  あぁー 雪が あぁー 雪が… 闇に小走り おさん 茂兵衛の…影二つ  「茂兵衛に不義密通の汚名をかけてしまい 許しておくれ… でも このおさんのことを好きだと言ってくれた お前の今の一言で 決心がつきました 生きて 生きて一緒に逃げましょう… おさんは どこまでも どこまでも茂兵衛について行きます…」  せめてひととき あなたの胸で どうか泣かせて 下さいね 女ごころを 知ってるように 瀬音哀しい 高瀬川  あぁー 雪が あぁー 雪が… そっと寄り添う おさん 茂兵衛の…恋模様  「初暦の出る霜月は こぼれる涙も凍てついてしまいそうでございます… この身は 琵琶湖の露と消えようと おさんは身も心も茂兵衛のもの 今のおまえは奉公人やない このおさんの夫や… この世が駄目なら あの世で あの世で結ばれとうございます…」  息をひそめて 目と目で話す 覚悟してます 不義の道 風が雨戸を ゆさぶる夜は 心細くて 身を寄せる  あぁー 雪が あぁー 雪が… 夢にはぐれた おさん 茂兵衛の…隠れ宿
男の街道富士のお山を 枕に当てて 足をのばせば 御前崎 月を抱きしめ 寝返りうてば 遠くきこえる 遠州灘の 波が波が男の 子守唄  義理が通れば 情けがよける よける情けに 用はない 人を束ねる 次郎長よりも 八方破れの 石松気質 馬鹿が馬鹿が俺らの 旗印  夜討ち朝駆け 命もかけて やると決めたら どこまでも 通いつづけて 九十九日 冬に花咲く あの山茶花の 紅の紅の意気地が 俺の色島津亜矢星野哲郎安藤実親富士のお山を 枕に当てて 足をのばせば 御前崎 月を抱きしめ 寝返りうてば 遠くきこえる 遠州灘の 波が波が男の 子守唄  義理が通れば 情けがよける よける情けに 用はない 人を束ねる 次郎長よりも 八方破れの 石松気質 馬鹿が馬鹿が俺らの 旗印  夜討ち朝駆け 命もかけて やると決めたら どこまでも 通いつづけて 九十九日 冬に花咲く あの山茶花の 紅の紅の意気地が 俺の色
姉妹坂あのひとが 二人の前に現れなけりゃ おしどり姉妹で いたものを 恋は無情ね 道理も曲げて 蜜を争う 蝶二匹 赤い花粉が 乱れ舞う  姉さんの 持ってる物は何でも欲しい 悲しい癖が 治らない 恋は魔物ね あんなにまでも 甘え慕った 姉さんを 憎い女に してしまう  亡き母の 噂をしては手をとり泣いた みかんの木陰が 懐かしい 恋に裂かれた 縁(えにし)の糸が 枝にからまり 春が逝く 日暮れ淋しい 姉妹坂島津亜矢星野哲郎船村徹あのひとが 二人の前に現れなけりゃ おしどり姉妹で いたものを 恋は無情ね 道理も曲げて 蜜を争う 蝶二匹 赤い花粉が 乱れ舞う  姉さんの 持ってる物は何でも欲しい 悲しい癖が 治らない 恋は魔物ね あんなにまでも 甘え慕った 姉さんを 憎い女に してしまう  亡き母の 噂をしては手をとり泣いた みかんの木陰が 懐かしい 恋に裂かれた 縁(えにし)の糸が 枝にからまり 春が逝く 日暮れ淋しい 姉妹坂
おやじ男の値打ちは 心だと 昔親父が 云っていた 越すに越せない 人だけど その夢その意気 受けついで 生きていくのさ 人生を 負けという字は 俺にゃない  男が表へ 出たときは 敵が七人 いると云う 身体ひとつと 引きかえに 可愛いい妻子を 守るのさ 腹を据えたら この世には 何も恐れる ことはない  親父は生涯 負け知らず 島の男で 生き抜いた それを手本に 命がけ この手で築くぞ 俺の夢 今日も踏み出す この一歩 明日に大きな 虹かける島津亜矢堀内清三島大輔男の値打ちは 心だと 昔親父が 云っていた 越すに越せない 人だけど その夢その意気 受けついで 生きていくのさ 人生を 負けという字は 俺にゃない  男が表へ 出たときは 敵が七人 いると云う 身体ひとつと 引きかえに 可愛いい妻子を 守るのさ 腹を据えたら この世には 何も恐れる ことはない  親父は生涯 負け知らず 島の男で 生き抜いた それを手本に 命がけ この手で築くぞ 俺の夢 今日も踏み出す この一歩 明日に大きな 虹かける
断腸のミアリ峠ミアリ峠は 悲しい離別(わかれ)道 無情に引き裂く 冷たいクサリ 無事でと あなたの背中に縋りつき 落ちる涙 噛みしめる 倖せ連れ去る 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  あなた あなたはいま何処で どうしてますか… あなた恋しがるこの子も いまやっと 寝付いたのよ 私は十年 いえ百年でもあなたを待ってます 生きて 生きて帰って来て下さい ヨボ ヨボ……  ミアリ峠は 悲しい離別道 北風身を刺す 雪降る夜は あなたも どんなに苦しいことでしょう いつまでも 待っている 生きて帰って 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  ミアリ峠は 悲しい離別道 裸足で引かれる あなたが浮かぶ 幼い この子も泣いては恋しがる 神に祈る ほかにない 悲しいこの世の 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  ヨボ ヨボ ヨボ ヨボ……島津亜矢半夜月・日本語詞:三佳令二李在鎬ミアリ峠は 悲しい離別(わかれ)道 無情に引き裂く 冷たいクサリ 無事でと あなたの背中に縋りつき 落ちる涙 噛みしめる 倖せ連れ去る 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  あなた あなたはいま何処で どうしてますか… あなた恋しがるこの子も いまやっと 寝付いたのよ 私は十年 いえ百年でもあなたを待ってます 生きて 生きて帰って来て下さい ヨボ ヨボ……  ミアリ峠は 悲しい離別道 北風身を刺す 雪降る夜は あなたも どんなに苦しいことでしょう いつまでも 待っている 生きて帰って 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  ミアリ峠は 悲しい離別道 裸足で引かれる あなたが浮かぶ 幼い この子も泣いては恋しがる 神に祈る ほかにない 悲しいこの世の 涙の峠よ ハン マヌン ミアリ コゲ  ヨボ ヨボ ヨボ ヨボ……
花詞好きなのよ 好きなのよ だからあげるの さよならを 解ってあなた 笑顔でいても 花は香りで 泣いてます どうぞあの娘を しあわせに いいの諏訪湖の 畔(ほとり)に生きる 意地は女の 花詞  惚れました 惚れました とても好きなの このことば あなたに逢って 憶えたこころ 他の誰にも あげないわ どうぞ私に かまわずに 行ってあなたは 自分の道を 贈る女の 花詞  赤い花 白い花 恋に咲く花 街の花 散る日があれば 咲く日もあるわ もしもひとりに なったとき おもいだしてね この私 そうよ諏訪湖の 氷がとけて 都忘れの 咲く頃を島津亜矢星野哲郎船村徹好きなのよ 好きなのよ だからあげるの さよならを 解ってあなた 笑顔でいても 花は香りで 泣いてます どうぞあの娘を しあわせに いいの諏訪湖の 畔(ほとり)に生きる 意地は女の 花詞  惚れました 惚れました とても好きなの このことば あなたに逢って 憶えたこころ 他の誰にも あげないわ どうぞ私に かまわずに 行ってあなたは 自分の道を 贈る女の 花詞  赤い花 白い花 恋に咲く花 街の花 散る日があれば 咲く日もあるわ もしもひとりに なったとき おもいだしてね この私 そうよ諏訪湖の 氷がとけて 都忘れの 咲く頃を
荒くれ大漁船一番太鼓が ドンとくりゃ 海に乗り出す 男の背中 恋の未練は さっぱり流し 意地と度胸の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船  嵐が来ようと 逃げはせぬ 親父おふくろ 心の守り いつも励まし 叱ってくれる うれし涙の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船  大波小波の 花が咲く 東シナ海 海原千里 眉を焦がして 夕陽が沈み 夢と希望の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船島津亜矢豊新三島大輔一番太鼓が ドンとくりゃ 海に乗り出す 男の背中 恋の未練は さっぱり流し 意地と度胸の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船  嵐が来ようと 逃げはせぬ 親父おふくろ 心の守り いつも励まし 叱ってくれる うれし涙の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船  大波小波の 花が咲く 東シナ海 海原千里 眉を焦がして 夕陽が沈み 夢と希望の おたけびは エンヤ ドッコイ ドッコイ 荒くれ大漁船
無法松の一生 ~度胸千両入り~小倉生まれで 玄海育ち 口も荒いが 気も荒い 無法一代 涙を捨てて 度胸千両で 生きる身の 男一代 無法松  空にひびいた あの音は たたく太鼓の 勇駒 山車の竹笹 提灯は 赤い灯(あかし)に ゆれて行く 今日は祇園の 夏祭 揃いの浴衣の 若い衆は 綱を引出し 音頭とる 玄海灘の 風うけて ばちがはげしく 右左 小倉名代は 無法松 度胸千両の あばれうち  泣くな 嘆くな 男じゃないか どうせ実らぬ 恋じゃもの 愚痴や未練は 玄海灘に 捨てて太鼓の 乱れ打ち 夢も通えよ 女男(みょうと)波島津亜矢吉野夫二郎古賀政男小倉生まれで 玄海育ち 口も荒いが 気も荒い 無法一代 涙を捨てて 度胸千両で 生きる身の 男一代 無法松  空にひびいた あの音は たたく太鼓の 勇駒 山車の竹笹 提灯は 赤い灯(あかし)に ゆれて行く 今日は祇園の 夏祭 揃いの浴衣の 若い衆は 綱を引出し 音頭とる 玄海灘の 風うけて ばちがはげしく 右左 小倉名代は 無法松 度胸千両の あばれうち  泣くな 嘆くな 男じゃないか どうせ実らぬ 恋じゃもの 愚痴や未練は 玄海灘に 捨てて太鼓の 乱れ打ち 夢も通えよ 女男(みょうと)波
相生~ふたりの絆はほどけない~おれに命を くれという そんなあなたの 情けに泣ける 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 傘は一つで いいですね 夢をかさねて あなたと生きる  結ぶふたりの この縁(きずな) なんで切れましょ 解(ほど)けはしない 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 拾う涙に くじけたら あなた叱って この手を引いて  つよく生きるわ 生きてこそ 明日がふたりに しあわせ運ぶ 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 泣く日笑う日 どこまでも 愛がみちづれ あなたと生きる島津亜矢たかたかし水森英夫南郷達也おれに命を くれという そんなあなたの 情けに泣ける 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 傘は一つで いいですね 夢をかさねて あなたと生きる  結ぶふたりの この縁(きずな) なんで切れましょ 解(ほど)けはしない 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 拾う涙に くじけたら あなた叱って この手を引いて  つよく生きるわ 生きてこそ 明日がふたりに しあわせ運ぶ 濡らすなら あゝ濡れてゆく 相生しぐれ 泣く日笑う日 どこまでも 愛がみちづれ あなたと生きる
「坂本龍馬」より おりょう燃えて火を吐く 男の夢に 惚れる女も 命がけ 華の友禅 桔梗の帯に 好きな 好きな龍の字 一文字入れて 影を支える…京おんな  「男まさりのおりょうが 初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました 龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です 誰も好きにならないで… おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」  加茂の川原を 流れる水は 人のさだめに 似て哀し たとえ短い 月日であろと 好きな 好きなあなたと 結んだ契り 生きて甲斐ある…おんな町  「国が生まれ変わる為には 誰かが死ななくてはならないのですか… 春の嵐に散り急ぐ花の様に 命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか… 龍馬さま…龍馬さま…」  龍馬いのちの 維新のおんな 散るを 散るを惜しまぬ おりょうの心 月もご存じ…嵐山島津亜矢星野哲郎村沢良介燃えて火を吐く 男の夢に 惚れる女も 命がけ 華の友禅 桔梗の帯に 好きな 好きな龍の字 一文字入れて 影を支える…京おんな  「男まさりのおりょうが 初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました 龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です 誰も好きにならないで… おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」  加茂の川原を 流れる水は 人のさだめに 似て哀し たとえ短い 月日であろと 好きな 好きなあなたと 結んだ契り 生きて甲斐ある…おんな町  「国が生まれ変わる為には 誰かが死ななくてはならないのですか… 春の嵐に散り急ぐ花の様に 命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか… 龍馬さま…龍馬さま…」  龍馬いのちの 維新のおんな 散るを 散るを惜しまぬ おりょうの心 月もご存じ…嵐山
紅灯の海けがれなき者よ この海に迷い込むな 幼き者よ この海に憧れるな あてのない明日と しどけない過去の日々が すれ違うための 束の間の海だ 櫂もなくして舵もなくして 浮かれ浮かれ身も世もなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい  かもめよかもめよ 真白き指先は 手招きするか 別れを告げるのか 忘れた素振りの 忘れえぬ面影が 灯台のようにひるがえる海だ どこへ帰ろうどこへ帰ろう 浮かれ浮かれあてどもなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい  どこへ帰ろうどこへ帰ろう 浮かれ浮かれあてどもなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい 海と名の付くものは優しい島津亜矢中島みゆき中島みゆきけがれなき者よ この海に迷い込むな 幼き者よ この海に憧れるな あてのない明日と しどけない過去の日々が すれ違うための 束の間の海だ 櫂もなくして舵もなくして 浮かれ浮かれ身も世もなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい  かもめよかもめよ 真白き指先は 手招きするか 別れを告げるのか 忘れた素振りの 忘れえぬ面影が 灯台のようにひるがえる海だ どこへ帰ろうどこへ帰ろう 浮かれ浮かれあてどもなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい  どこへ帰ろうどこへ帰ろう 浮かれ浮かれあてどもなしに 足は千鳥となり果てて 遠い月夜を物語る 紅灯の海に漂い ひとつふたつの思い出を抱き 紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい 海と名の付くものは優しい
人生二勝一敗人間やってりゃ何事も 負けるか勝つかの 大勝負 三度勝負を 挑(いど)んだら 勝ち・負け・勝ちと いきたいね 人生二勝一敗さ いっぺん泣くのも いいだろう  三つも勝ったら 気味悪い 三つも負けたら 情けない 恋を実らす 筋道も ○(マル)・×(バツ)・○(マル)が 面白い 愛情二勝一敗で じらされ結んだ 恋絆  出世という名の 階段は トントン拍子にゃ 昇れない 調子出たなと 思う時 トン・トン・ストンと くるもんだ 人生二勝一敗で 明日に希望を 残そうよ島津亜矢阿多豊一市川昭介池多孝春人間やってりゃ何事も 負けるか勝つかの 大勝負 三度勝負を 挑(いど)んだら 勝ち・負け・勝ちと いきたいね 人生二勝一敗さ いっぺん泣くのも いいだろう  三つも勝ったら 気味悪い 三つも負けたら 情けない 恋を実らす 筋道も ○(マル)・×(バツ)・○(マル)が 面白い 愛情二勝一敗で じらされ結んだ 恋絆  出世という名の 階段は トントン拍子にゃ 昇れない 調子出たなと 思う時 トン・トン・ストンと くるもんだ 人生二勝一敗で 明日に希望を 残そうよ
愛・たそがれ悲しみが この都会を濡らしても 時はあしたの 用意を始めてる 生きてきた 長さより 輝けば 過去を旅した それが人生  あゝ 黄昏が綺麗 悲しくなるほど 心を染めて あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから  追憶に たたずみふりむけば 若きあの日の 時代がそこにある 恋をして 別れても 燃えたなら 夢に残した それも小説  あゝ 黄昏が綺麗 切なくなるほど 心は自由 あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから  あゝ 黄昏が綺麗 悲しくなるほど 心を染めて あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから島津亜矢荒木とよひさ幸耕平悲しみが この都会を濡らしても 時はあしたの 用意を始めてる 生きてきた 長さより 輝けば 過去を旅した それが人生  あゝ 黄昏が綺麗 悲しくなるほど 心を染めて あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから  追憶に たたずみふりむけば 若きあの日の 時代がそこにある 恋をして 別れても 燃えたなら 夢に残した それも小説  あゝ 黄昏が綺麗 切なくなるほど 心は自由 あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから  あゝ 黄昏が綺麗 悲しくなるほど 心を染めて あゝ 愛されて綺麗 いまが一番 美しいから
憂き世春秋風が頬うつ 雨が泣く あなたの背中に 隠れて越える 憂き世春秋 ふたり坂 いのち連れ添う しあわせに 賭けて悔いない 女です  いつかあなたの 胸に咲く 雪割り草だと 云われてみたい 憂き世春秋 ふたり坂 こころ寄せあい 寒い夜は ともに飲みたい このお酒  苦労ひとつに 夢がある 笑顔をあなたと たやさずいたい 憂き世春秋 ふたり坂 花の咲く日へ 七曲がり 明日を信じて 生きてゆく島津亜矢新本創子三島大輔風が頬うつ 雨が泣く あなたの背中に 隠れて越える 憂き世春秋 ふたり坂 いのち連れ添う しあわせに 賭けて悔いない 女です  いつかあなたの 胸に咲く 雪割り草だと 云われてみたい 憂き世春秋 ふたり坂 こころ寄せあい 寒い夜は ともに飲みたい このお酒  苦労ひとつに 夢がある 笑顔をあなたと たやさずいたい 憂き世春秋 ふたり坂 花の咲く日へ 七曲がり 明日を信じて 生きてゆく
女にゃ年はいらないよ二十歳にゃ二十歳の 色があり 三十路にゃ三十路の 味がある 梅や桜が 枯れるまで 春を忘れず 咲くように 女にゃ年はいらないよ いらないよ  男がまぶたを とじるとき ひとりの女の 名が浮かぶ 下手でいいのさ 手料理は 美人でなくても 心だよ 女にゃ年はいらないよ いらないよ  男は女を 守るため 戦い疲れて 帰りたい きみの明るい 顔みれば 明日もやる気が わいてくる 女にゃ年はいらないよ いらないよ島津亜矢星野哲郎市川昭介二十歳にゃ二十歳の 色があり 三十路にゃ三十路の 味がある 梅や桜が 枯れるまで 春を忘れず 咲くように 女にゃ年はいらないよ いらないよ  男がまぶたを とじるとき ひとりの女の 名が浮かぶ 下手でいいのさ 手料理は 美人でなくても 心だよ 女にゃ年はいらないよ いらないよ  男は女を 守るため 戦い疲れて 帰りたい きみの明るい 顔みれば 明日もやる気が わいてくる 女にゃ年はいらないよ いらないよ
海鳴りの詩五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の シワが男の 五線紙だ 明るい娘に 育てたことが 冥土の母ちゃんへ でかい土産だと 笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー  酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女 死んだあとまで 恋女房 世間の女が カボチャに見えて ヤモメを通したね 男盛りをよ いばる親父の 胸から腕(かいな)から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー  母親知らずに 嫁いだ娘 無事に女房を してるやら 初孫祝って 酒のむまでは 倒れちゃなるまいと 波に揺れながら 力む親父の 舟から帆綱から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー島津亜矢星野哲郎船村徹五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の シワが男の 五線紙だ 明るい娘に 育てたことが 冥土の母ちゃんへ でかい土産だと 笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー  酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女 死んだあとまで 恋女房 世間の女が カボチャに見えて ヤモメを通したね 男盛りをよ いばる親父の 胸から腕(かいな)から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー  母親知らずに 嫁いだ娘 無事に女房を してるやら 初孫祝って 酒のむまでは 倒れちゃなるまいと 波に揺れながら 力む親父の 舟から帆綱から 海鳴りの詩が 聞こえてくる ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー
桃色鴉二度や三度の 桃色話 あってよさそな 年頃を 男嫌いで 通したけれど 惚れました 惚れました 流れ流れて やっと見つけた ああ… あんたが命  色も盛りの 桃色桜(ざくら) 安く散るのは まっぴらと 粋(いき)に構(かま)えて 生きてたけれど 落ちました 落ちました 好きと言わずに 好きと言わせる ああ… あんたの胸に  旅が塒(ねぐら)の 桃色鴉(がらす) 夢を持たなきゃ 渡れない 殺し文句も 呉れないけれど 惚れました 惚れました 女心の 底の底まで ああ… あんたが命島津亜矢星野哲郎村沢良介二度や三度の 桃色話 あってよさそな 年頃を 男嫌いで 通したけれど 惚れました 惚れました 流れ流れて やっと見つけた ああ… あんたが命  色も盛りの 桃色桜(ざくら) 安く散るのは まっぴらと 粋(いき)に構(かま)えて 生きてたけれど 落ちました 落ちました 好きと言わずに 好きと言わせる ああ… あんたの胸に  旅が塒(ねぐら)の 桃色鴉(がらす) 夢を持たなきゃ 渡れない 殺し文句も 呉れないけれど 惚れました 惚れました 女心の 底の底まで ああ… あんたが命
あすなろごころあすなろ あすなろ 桧になろう 俺は持ちたい あすなろごころ 昨日の涙と くやしさバネに 越えてゆこうよ 九十九折坂(つづらざか) 今日がだめでも 今日がだめでも ヨー オットどっこい! 明日があるさ  あすなろ あすなろ くちびる噛んで 行くぞ前向き あすなろごころ 雪よりつめたい 憂き世の風が 前途(ゆくて)じゃまして 吹こうとも にげてどうする にげてどうする ヨー オットどっこい! 男じゃないか  あすなろ あすなろ 燦(きら)めく星に 希望(のぞみ)ひとすじ あすなろごころ 男の宝は 負けん気根気 耐えて貫きゃ いつの日か きっとお前の きっとお前の ヨー オットどっこい! 時代は来るさ島津亜矢吉田旺岡千秋あすなろ あすなろ 桧になろう 俺は持ちたい あすなろごころ 昨日の涙と くやしさバネに 越えてゆこうよ 九十九折坂(つづらざか) 今日がだめでも 今日がだめでも ヨー オットどっこい! 明日があるさ  あすなろ あすなろ くちびる噛んで 行くぞ前向き あすなろごころ 雪よりつめたい 憂き世の風が 前途(ゆくて)じゃまして 吹こうとも にげてどうする にげてどうする ヨー オットどっこい! 男じゃないか  あすなろ あすなろ 燦(きら)めく星に 希望(のぞみ)ひとすじ あすなろごころ 男の宝は 負けん気根気 耐えて貫きゃ いつの日か きっとお前の きっとお前の ヨー オットどっこい! 時代は来るさ
度胸船人を押しのけ 出世のできる 柄じゃないぜと あきらめて 北へきたんだ 千島の海に 眠る親父を ゆりおこし 唄う男の 度胸船  親父来たぞと 吹雪を呼べば 風がほめるぜ よくきたと 写真だけしか 知らないけれど 海を見せれば 勇み立つ 熱い血をひく 度胸船  ころぶ兄貴を 弟がかばう 沖は地獄だ 戦場だ ホッケ大漁の 祈りをこめて 網に御神酒を ふりかけて 雪に放浪う 度胸船島津亜矢星野哲郎市川昭介人を押しのけ 出世のできる 柄じゃないぜと あきらめて 北へきたんだ 千島の海に 眠る親父を ゆりおこし 唄う男の 度胸船  親父来たぞと 吹雪を呼べば 風がほめるぜ よくきたと 写真だけしか 知らないけれど 海を見せれば 勇み立つ 熱い血をひく 度胸船  ころぶ兄貴を 弟がかばう 沖は地獄だ 戦場だ ホッケ大漁の 祈りをこめて 網に御神酒を ふりかけて 雪に放浪う 度胸船
母ごころ宅配便風邪をひくなと 送ってくれた 綿入れ羽織が 泣かせるね 心づくしの 宅配便に 一枝(ひとえだ) 添えた 紅梅(こうばい)の 花は 花は 花は わが子に賭ける 母の夢  蝶よ花よと 育ててくれた 苦労は涙の つづら折り 男女(おとこおんな)と 指さされても 化粧も せずに 働いた 愛を 愛を 愛を 夕陽に偲ぶ 母の恩  生まれ故郷を 忘れるなよと ちりめん鰯(いわし)も 入れてある 磯の香りの 宅配便は 街より 一歩(ひとあし) 先にくる 春を 春を 春を わが子に送る 母ごころ島津亜矢星野哲郎聖川湧風邪をひくなと 送ってくれた 綿入れ羽織が 泣かせるね 心づくしの 宅配便に 一枝(ひとえだ) 添えた 紅梅(こうばい)の 花は 花は 花は わが子に賭ける 母の夢  蝶よ花よと 育ててくれた 苦労は涙の つづら折り 男女(おとこおんな)と 指さされても 化粧も せずに 働いた 愛を 愛を 愛を 夕陽に偲ぶ 母の恩  生まれ故郷を 忘れるなよと ちりめん鰯(いわし)も 入れてある 磯の香りの 宅配便は 街より 一歩(ひとあし) 先にくる 春を 春を 春を わが子に送る 母ごころ
出世坂千里を走る 虎よりも 一里を登る 牛になれ やると決めたら 男じゃないか 曲げるな道を ひとすじの 闘志が結ぶ 出世坂  こぼれた人に 手を貸して 一緒にこける 時もある いいさ待とうよ またくる春を 死ぬまで続く 人生の 灯りは人の 愛だから  紬は雪で 艶を出す 流れて石は 丸くなる 苦労くの字に からだを曲げて 涙と登る この坂が 明日へ続く 出世坂島津亜矢星野哲郎市川昭介千里を走る 虎よりも 一里を登る 牛になれ やると決めたら 男じゃないか 曲げるな道を ひとすじの 闘志が結ぶ 出世坂  こぼれた人に 手を貸して 一緒にこける 時もある いいさ待とうよ またくる春を 死ぬまで続く 人生の 灯りは人の 愛だから  紬は雪で 艶を出す 流れて石は 丸くなる 苦労くの字に からだを曲げて 涙と登る この坂が 明日へ続く 出世坂
愛染かつらをもう一度GOLD LYLIC花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります いつかいっしょに 唄いましょうね 愛染かつらを もう一度  灯りさざめく 東京の 日暮れは夢の 吹き溜まり 父さん私は あなたの娘 負けはしないと 唇を 噛めば心に 聞こえてきます 愛染かつらの あの歌が  真実(まこと)つくした男道 破れたけれど 悔いはない 俺にはかわいい おまえがいると 酔えば口癖 お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでもGOLD LYLIC島津亜矢星野哲郎新井利昌花と嵐の 青春を 涙と共に 生きるとき 父さんあなたの 主題歌だった 古い艶歌が わかります いつかいっしょに 唄いましょうね 愛染かつらを もう一度  灯りさざめく 東京の 日暮れは夢の 吹き溜まり 父さん私は あなたの娘 負けはしないと 唇を 噛めば心に 聞こえてきます 愛染かつらの あの歌が  真実(まこと)つくした男道 破れたけれど 悔いはない 俺にはかわいい おまえがいると 酔えば口癖 お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いつまでも
泉鏡花原作「婦系図」より お蔦涙残して 別れるよりも いっそ絶ちたい この命 湯島白梅 お蔦のこころ 知るや知らずや なぜ散りいそぐ 春は名のみの 切り通し  別れろ切れろは 芸者のときに云う言葉 別れろと云うその口で なぜ…死ねとは云って下さらないの あなたはお蔦の命の支え あなたが居ればこそ 夢も見ました 心の花を咲かせることも出来ました それなのに…ひどい…ひどすぎます その言葉…  義理という字の 重さに負けて 袂ふり切る 真砂町 青い瓦斯燈 よろける影に つもる未練は くちびる噛んで 意地の堅縞 江戸育ち  梅の花びらが 雪のように散ってゆくわ 蒼い月の光が 今夜はまるで 氷の刃のようね わかりましたもう泣きません もうなにも云いません 真砂町の先生に お蔦は笑って別れたと 伝えて下さいね 未練だけれど もう一度だけお蔦のこの肩を この心を…力いっぱい抱いて…抱いて下さい 昔のように…  連れにはぐれた 白鷺一羽 月の不忍 水鏡 髪のほつれを つくろいながら せめて一刻 名残りを惜しむ 遠く上野の 鐘の声島津亜矢松井由利夫村沢良介涙残して 別れるよりも いっそ絶ちたい この命 湯島白梅 お蔦のこころ 知るや知らずや なぜ散りいそぐ 春は名のみの 切り通し  別れろ切れろは 芸者のときに云う言葉 別れろと云うその口で なぜ…死ねとは云って下さらないの あなたはお蔦の命の支え あなたが居ればこそ 夢も見ました 心の花を咲かせることも出来ました それなのに…ひどい…ひどすぎます その言葉…  義理という字の 重さに負けて 袂ふり切る 真砂町 青い瓦斯燈 よろける影に つもる未練は くちびる噛んで 意地の堅縞 江戸育ち  梅の花びらが 雪のように散ってゆくわ 蒼い月の光が 今夜はまるで 氷の刃のようね わかりましたもう泣きません もうなにも云いません 真砂町の先生に お蔦は笑って別れたと 伝えて下さいね 未練だけれど もう一度だけお蔦のこの肩を この心を…力いっぱい抱いて…抱いて下さい 昔のように…  連れにはぐれた 白鷺一羽 月の不忍 水鏡 髪のほつれを つくろいながら せめて一刻 名残りを惜しむ 遠く上野の 鐘の声
大忠臣蔵かぜさそふ はなよりもなほ われはまた  ならぬ堪忍 耐えてこそ 武門の意地も 立瀬川 今はこれまで この一太刀を 吉良殿お受け 候えや 吾れ桜木の 花と散る  殿中にての刃傷沙汰は 罪萬死に値すること この内匠頭 重々承知いたしております さりながら積もる遺恨の数々… 浅野家五万三千石 所領も捨て家臣を捨てての 覚悟の所業でござる 梶川殿…武士の情けじゃ この手を離しくだされ 今ひと太刀…今ひと太刀 上野介を討たせてくだされ…梶川殿  忠に生きるは 武士の道 命を盾の 槍ぶすま 敵を欺く 言挙げならば 瑤泉院さま 許されよ 雪ふりしきる 南部坂  われら幡州赤穂の浪士 大石内蔵助以下 四十七名の者どもでござる この言挙げは私怨に非ず 天下の御政道の是非を正すためなり おのおの方 かまえてその旨を心にしかと刻まれい 忠左衛門どの…吉良殿の所在は未だつかめぬか 源五…東の空も白んでくるわ くまなく探せ われらの命運はあと半刻ぞ… 天よ地よ神よ仏よ 慈悲あらばわれらが本懐を遂げさせたまえ “吉良殿…見つかり申した…”  あれは山鹿の 陣太鼓 一打ち 二打ち 三流れ 一期一会は この世のならい 粒々辛苦 血の涙 暁染める 松坂町島津亜矢松井由利夫村沢良介かぜさそふ はなよりもなほ われはまた  ならぬ堪忍 耐えてこそ 武門の意地も 立瀬川 今はこれまで この一太刀を 吉良殿お受け 候えや 吾れ桜木の 花と散る  殿中にての刃傷沙汰は 罪萬死に値すること この内匠頭 重々承知いたしております さりながら積もる遺恨の数々… 浅野家五万三千石 所領も捨て家臣を捨てての 覚悟の所業でござる 梶川殿…武士の情けじゃ この手を離しくだされ 今ひと太刀…今ひと太刀 上野介を討たせてくだされ…梶川殿  忠に生きるは 武士の道 命を盾の 槍ぶすま 敵を欺く 言挙げならば 瑤泉院さま 許されよ 雪ふりしきる 南部坂  われら幡州赤穂の浪士 大石内蔵助以下 四十七名の者どもでござる この言挙げは私怨に非ず 天下の御政道の是非を正すためなり おのおの方 かまえてその旨を心にしかと刻まれい 忠左衛門どの…吉良殿の所在は未だつかめぬか 源五…東の空も白んでくるわ くまなく探せ われらの命運はあと半刻ぞ… 天よ地よ神よ仏よ 慈悲あらばわれらが本懐を遂げさせたまえ “吉良殿…見つかり申した…”  あれは山鹿の 陣太鼓 一打ち 二打ち 三流れ 一期一会は この世のならい 粒々辛苦 血の涙 暁染める 松坂町
菊池寛原作「藤十郎の恋」より お梶噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎  「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」  浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎  「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照って 狂いそうでございます おんなの真実は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」  命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎島津亜矢吉田博司・村沢良介村沢良介噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎  「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」  浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎  「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照って 狂いそうでございます おんなの真実は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」  命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎
関の弥太っぺ義理の重たさ 背にしょって 流れ道中 子連れ旅 一夜泊りの 草鞋をぬぐも なにかのご縁 無理を承知で たのみます どうか どうか どうかこの子の 親がわり  「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん 理由は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか きっと迎えに参ります 喧嘩渡世のこの身では 幼な子を刃くぐりの巻き添えには出来ません 身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」  昇る朝日に 手を合わせ 沈む夕日に また祈る 無事でいるやら 辛くはないか しあわせなのか 気にはしてたが 長の旅 やっと やっと やっと戻りの 甲州路  「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥ 云いたい事も聞きたい事も山ほどある 逢えば泣けて来てなにも云えないだろう ただ一目だけ大きくなったお小夜を見たら 土産に買ったこのかんざしを置いて立ち去ろう それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」  可愛いがられて 育てられ 嫁に行く日も 近いとか どんな親でも 命をわけた 親なら子なら せめても一度 逢いたかろう 関の 関の 関の弥太っぺ 男泣き島津亜矢宮沢守夫村沢良介義理の重たさ 背にしょって 流れ道中 子連れ旅 一夜泊りの 草鞋をぬぐも なにかのご縁 無理を承知で たのみます どうか どうか どうかこの子の 親がわり  「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん 理由は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか きっと迎えに参ります 喧嘩渡世のこの身では 幼な子を刃くぐりの巻き添えには出来ません 身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」  昇る朝日に 手を合わせ 沈む夕日に また祈る 無事でいるやら 辛くはないか しあわせなのか 気にはしてたが 長の旅 やっと やっと やっと戻りの 甲州路  「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥ 云いたい事も聞きたい事も山ほどある 逢えば泣けて来てなにも云えないだろう ただ一目だけ大きくなったお小夜を見たら 土産に買ったこのかんざしを置いて立ち去ろう それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」  可愛いがられて 育てられ 嫁に行く日も 近いとか どんな親でも 命をわけた 親なら子なら せめても一度 逢いたかろう 関の 関の 関の弥太っぺ 男泣き
命よ越えてはならぬ 垣根をこえて 咲かせた花も 色あせて 思い出だけが 道しるべ ああ 人生 いろは坂 恥じらう心 鞭打ちながら 命よ命 いずこへゆく  届かぬ星に 手をさしのべて 転がり落ちて また登る 愚情(ぐじょう)の旅は いつ終わる ああ 人生 九十九折(つづらおり) 誰かを酔わせ 誰かを泣かせ 命よ命 いずこへゆく  始めがあれば 終わりがあると わかっていても 悟(さと)れずに 奪うがために 嘘をつく ああ 人生 折り返し 灯りも見えぬ 彼方(かなた)を指(さ)して 命よ命 いずこへゆく島津亜矢星野哲郎船村徹蔦将包越えてはならぬ 垣根をこえて 咲かせた花も 色あせて 思い出だけが 道しるべ ああ 人生 いろは坂 恥じらう心 鞭打ちながら 命よ命 いずこへゆく  届かぬ星に 手をさしのべて 転がり落ちて また登る 愚情(ぐじょう)の旅は いつ終わる ああ 人生 九十九折(つづらおり) 誰かを酔わせ 誰かを泣かせ 命よ命 いずこへゆく  始めがあれば 終わりがあると わかっていても 悟(さと)れずに 奪うがために 嘘をつく ああ 人生 折り返し 灯りも見えぬ 彼方(かなた)を指(さ)して 命よ命 いずこへゆく
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