雨夜譚~渋沢伝~人の世は 志し杉の如く 葵は義を以って 花と咲く 雨の終わりの ひと雫 落ちて澱(よど)むか 利根の川 風は武州(ぶしゅう)の 如月(きさらぎ)に 産ぶ声あげる 赤子(あかご)あり やがて白眉(はくび)と 知る由(よし)もなし 何と申されるか? 御用金が五百両とな! 我はいまだ十七才(じゅうしち) いかに領主(りょうしゅ)さまのご命令であろうと 手元不如意(ふにょい)にござる 一途に農民・町人と卑下(ひげ)され まさに人間以下に扱われては 歯牙(しが)にも掛けられぬ有様ではあるまいか! 家柄だけが無闇(むやみ)に重んぜられる そんな そんな世の中が…癪(しゃく)の種(たね) 同じ人間に生まれたからには 何が何でも 武士になって見返すこと… それがそれが私の栄一(えいいち)の生きる道にございます 勝てば官軍 負ければ賊(ぞく)と 非情無情(ひじょうむじょう)な 鳥羽(とば)・伏見(ふしみ) 暗雲(あんうん)流るる 都の空に 時世時節(ときよじせつ)か 葵(あおい)が枯れる 我れ主君(しゅくん) 徳川慶喜公(とくがわよしのぶこう) 臆病者(おくびょうもの)と謗(そし)られようが 戦わずして明け渡す 江戸の城 なぜに汚名(おめい)晴らさぬ 日陰身(ひかげみ)の 侘住居(わびずまい) あ…吾(われ)思う 天の使命と心して 枯れ木に花を 咲かせなければ 恩に背(そむ)いて 男が…男がアンア…立たぬ 男はいかに 丸くとも 角を持たねばならぬもの 金はボロに包んでも 金でもあるが 石は錦に包んでも 石のまま… 夢なき者は 理想なし 更に信念・計画・実行 成果なき者 幸福(こうふく)なし ゆえに 幸福求むる者は 夢なかるべからず わが人生は 実業に在り 明治維新(めいじいしん)の 幕開けが 八面六臂(はちめんろっぴ)の 国づくり 明日の日本の 礎(いしずえ)に 算盤(そろばん)弾き 大暴れ 雨夜譚(あまよがたり)に 我れ姿あり | 永井裕子 | 万城たかし | 四方章人 | 伊戸のりお | 人の世は 志し杉の如く 葵は義を以って 花と咲く 雨の終わりの ひと雫 落ちて澱(よど)むか 利根の川 風は武州(ぶしゅう)の 如月(きさらぎ)に 産ぶ声あげる 赤子(あかご)あり やがて白眉(はくび)と 知る由(よし)もなし 何と申されるか? 御用金が五百両とな! 我はいまだ十七才(じゅうしち) いかに領主(りょうしゅ)さまのご命令であろうと 手元不如意(ふにょい)にござる 一途に農民・町人と卑下(ひげ)され まさに人間以下に扱われては 歯牙(しが)にも掛けられぬ有様ではあるまいか! 家柄だけが無闇(むやみ)に重んぜられる そんな そんな世の中が…癪(しゃく)の種(たね) 同じ人間に生まれたからには 何が何でも 武士になって見返すこと… それがそれが私の栄一(えいいち)の生きる道にございます 勝てば官軍 負ければ賊(ぞく)と 非情無情(ひじょうむじょう)な 鳥羽(とば)・伏見(ふしみ) 暗雲(あんうん)流るる 都の空に 時世時節(ときよじせつ)か 葵(あおい)が枯れる 我れ主君(しゅくん) 徳川慶喜公(とくがわよしのぶこう) 臆病者(おくびょうもの)と謗(そし)られようが 戦わずして明け渡す 江戸の城 なぜに汚名(おめい)晴らさぬ 日陰身(ひかげみ)の 侘住居(わびずまい) あ…吾(われ)思う 天の使命と心して 枯れ木に花を 咲かせなければ 恩に背(そむ)いて 男が…男がアンア…立たぬ 男はいかに 丸くとも 角を持たねばならぬもの 金はボロに包んでも 金でもあるが 石は錦に包んでも 石のまま… 夢なき者は 理想なし 更に信念・計画・実行 成果なき者 幸福(こうふく)なし ゆえに 幸福求むる者は 夢なかるべからず わが人生は 実業に在り 明治維新(めいじいしん)の 幕開けが 八面六臂(はちめんろっぴ)の 国づくり 明日の日本の 礎(いしずえ)に 算盤(そろばん)弾き 大暴れ 雨夜譚(あまよがたり)に 我れ姿あり |
酔歌ぽつり ぽつりと 降りだした雨に 男は何故か 女を想う ひとり ひとりで 飲みだした酒に 夢を浮かべて この胸に流す ヤーレン ソーランヨ 都会の隅で ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を 風に 風にヨ 暖簾巻く風にヨ 遠い故郷(くに)のヨ 親父(おやじ)を想う ふらり ふらりと 居酒屋を出れば 冬の近さが 心に吹くよ ヤーレン ソーランヨ 雨から霙(みぞれ) ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を ふわり ふわりと 降りだした雪に この手当てれば おふくろを想う 詫びて 合わせる 右の手と左 酒が降らせた 男の涙 ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を | 永井裕子 | 吉幾三 | 吉幾三 | | ぽつり ぽつりと 降りだした雨に 男は何故か 女を想う ひとり ひとりで 飲みだした酒に 夢を浮かべて この胸に流す ヤーレン ソーランヨ 都会の隅で ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を 風に 風にヨ 暖簾巻く風にヨ 遠い故郷(くに)のヨ 親父(おやじ)を想う ふらり ふらりと 居酒屋を出れば 冬の近さが 心に吹くよ ヤーレン ソーランヨ 雨から霙(みぞれ) ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を ふわり ふわりと 降りだした雪に この手当てれば おふくろを想う 詫びて 合わせる 右の手と左 酒が降らせた 男の涙 ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を ヤーレン ソーランヨ 積もり行く雪に ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を |
みちづれ水にただよう 浮草に おなじさだめと 指をさす 言葉少なに 目をうるませて 俺をみつめて うなずくおまえ きめた きめた おまえとみちづれに 花の咲かない 浮草に いつか実のなる ときをまつ 寒い夜ふけは お酒を買って たまのおごりと はしゃぐ姿に きめた きめた おまえとみちづれに 根なし明日(あす)なし 浮草に 月のしずくの やどるころ 夢の中でも この手をもとめ さぐりあてれば 小さな寝息 きめた きめた おまえとみちづれに | 永井裕子 | 水木かおる | 遠藤実 | | 水にただよう 浮草に おなじさだめと 指をさす 言葉少なに 目をうるませて 俺をみつめて うなずくおまえ きめた きめた おまえとみちづれに 花の咲かない 浮草に いつか実のなる ときをまつ 寒い夜ふけは お酒を買って たまのおごりと はしゃぐ姿に きめた きめた おまえとみちづれに 根なし明日(あす)なし 浮草に 月のしずくの やどるころ 夢の中でも この手をもとめ さぐりあてれば 小さな寝息 きめた きめた おまえとみちづれに |
矢切の渡し「つれて逃げてよ……」 「ついておいでよ……」 夕ぐれの雨が降る 矢切の渡し 親のこころに そむいてまでも 恋に生きたい ふたりです 「見すてないでね……」 「捨てはしないよ……」 北風が泣いて吹く 矢切の渡し 噂かなしい 柴又すてて 舟にまかせる さだめです 「どこへ行(ゆ)くのよ……」 「知らぬ土地だよ……」 揺れながら艪(ろ)が咽(むせ)ぶ 矢切の渡し 息を殺して 身を寄せながら 明日(あす)へ漕(こ)ぎだす 別れです | 永井裕子 | 石本美由起 | 船村徹 | | 「つれて逃げてよ……」 「ついておいでよ……」 夕ぐれの雨が降る 矢切の渡し 親のこころに そむいてまでも 恋に生きたい ふたりです 「見すてないでね……」 「捨てはしないよ……」 北風が泣いて吹く 矢切の渡し 噂かなしい 柴又すてて 舟にまかせる さだめです 「どこへ行(ゆ)くのよ……」 「知らぬ土地だよ……」 揺れながら艪(ろ)が咽(むせ)ぶ 矢切の渡し 息を殺して 身を寄せながら 明日(あす)へ漕(こ)ぎだす 別れです |
漁歌俺が網を引くのはよ 可愛い女房(おまえ)と子供によ 腹一杯 飯を食わすためなんだよ 坊の岬に 桃花咲く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ 俺が海で死んだらよ 可愛い女房と子供はよ どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ 夫婦鶯 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 沖は荒海 男の海よ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ | 永井裕子 | 山田孝雄 | 浜圭介 | | 俺が網を引くのはよ 可愛い女房(おまえ)と子供によ 腹一杯 飯を食わすためなんだよ 坊の岬に 桃花咲く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ 俺が海で死んだらよ 可愛い女房と子供はよ どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ 夫婦鶯 裏山で鳴く頃 今年も鰹が 鰹が来るぞ はまらんかい きばらんかい 沖は荒海 男の海よ はまらんかい きばらんかい 東支那海は 男の海よ |
祝い酒浮世荒波 ヨイショと越える 今日はおまえの 晴れの門出だよ 親が咲かせた 命の花が ふたつ並んだ 鶴と亀 笑顔うれしい 祝い酒 五臓六腑(ごぞうろっぷ)に 樽酒しみる 酔うてめでたい 唄のはなむけさ 七つ転んで 八つで起きろ 明日(あす)は苦労の ふたり坂 縁がうれしい 祝い酒 花も嵐も 人生航路 愛が舵とる 若い二人だよ 吹けばとぶよな 小さな木でも 枝は栄える 葉もしげる 門出うれしい 祝い酒 | 永井裕子 | たかたかし | 猪俣公章 | | 浮世荒波 ヨイショと越える 今日はおまえの 晴れの門出だよ 親が咲かせた 命の花が ふたつ並んだ 鶴と亀 笑顔うれしい 祝い酒 五臓六腑(ごぞうろっぷ)に 樽酒しみる 酔うてめでたい 唄のはなむけさ 七つ転んで 八つで起きろ 明日(あす)は苦労の ふたり坂 縁がうれしい 祝い酒 花も嵐も 人生航路 愛が舵とる 若い二人だよ 吹けばとぶよな 小さな木でも 枝は栄える 葉もしげる 門出うれしい 祝い酒 |
東京アンナライトの虹を 踏みながら 銀座の夜を ひらく薔薇 ああ 誰か呼ぶ 舞姫の その名はアンナ 東京アンナ 噂のアンナ 柔(やわ)らな肌を 黒髪に 隠せど甘き 流し瞳(め)よ ああ 誰ゆえに 情熱の その名はアンナ 東京アンナ 妖(あや)しきアンナ 重ねる酒の 激しさは 耐(こら)えた恋の しわざやら ああ 誰が知ろ くずれ咲く その名はアンナ 東京アンナ 吐息のアンナ | 永井裕子 | 藤間哲郎 | 渡久地政信 | | ライトの虹を 踏みながら 銀座の夜を ひらく薔薇 ああ 誰か呼ぶ 舞姫の その名はアンナ 東京アンナ 噂のアンナ 柔(やわ)らな肌を 黒髪に 隠せど甘き 流し瞳(め)よ ああ 誰ゆえに 情熱の その名はアンナ 東京アンナ 妖(あや)しきアンナ 重ねる酒の 激しさは 耐(こら)えた恋の しわざやら ああ 誰が知ろ くずれ咲く その名はアンナ 東京アンナ 吐息のアンナ |
海猫あんたによく似た 広い背中の 男があたいの 影をまたいでさ 潮の香りを プンとのこして 黙って通りすぎたよ 日暮れの港は 女がひとり 淋(さみ)しすぎるよね 振りむいてくれたって いいのにさ 声かけてくれたって いいのにさ つれないね うしろ姿に あんたの面影 うかべるあたいは 海猫さ あんたと暮らした 愛の古巣で 海猫みたいに 沖をながめてさ 船が着くたび あんたを探しに 今日も飛んで来るのさ 日暮れの港は 女がひとり 可哀そうだよね 逢いに来てくれたって いいのにさ 抱きしめてくれたって いいのにさ せつないね 無情の風に 吹かれてぬくもり 抱いてるあたいは 海猫さ 振りむいてくれたって いいのにさ 声かけてくれたって いいのにさ つれないね うしろ姿に あんたの面影 うかべるあたいは 海猫さ | 永井裕子 | 高橋直人 | 小林学 | | あんたによく似た 広い背中の 男があたいの 影をまたいでさ 潮の香りを プンとのこして 黙って通りすぎたよ 日暮れの港は 女がひとり 淋(さみ)しすぎるよね 振りむいてくれたって いいのにさ 声かけてくれたって いいのにさ つれないね うしろ姿に あんたの面影 うかべるあたいは 海猫さ あんたと暮らした 愛の古巣で 海猫みたいに 沖をながめてさ 船が着くたび あんたを探しに 今日も飛んで来るのさ 日暮れの港は 女がひとり 可哀そうだよね 逢いに来てくれたって いいのにさ 抱きしめてくれたって いいのにさ せつないね 無情の風に 吹かれてぬくもり 抱いてるあたいは 海猫さ 振りむいてくれたって いいのにさ 声かけてくれたって いいのにさ つれないね うしろ姿に あんたの面影 うかべるあたいは 海猫さ |
兄弟船波の谷間に 命の花が ふたつ並んで 咲いている 兄弟船は 親父のかたみ 型は古いが しけにはつよい おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ 陸(おか)に上って 酒のむときは いつもはりあう 恋仇(がたき) けれども沖の 漁場(りょうば)に着けば やけに気の合う 兄弟鴎(かもめ) 力合わせてヨ 網を巻きあげる たったひとりの おふくろさんに 楽な暮らしを させたくて 兄弟船は 真冬の海へ 雪の簾(すだれ)を くぐって進む 熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ | 永井裕子 | 星野哲郎 | 船村徹 | | 波の谷間に 命の花が ふたつ並んで 咲いている 兄弟船は 親父のかたみ 型は古いが しけにはつよい おれと兄貴のヨ 夢の揺り篭さ 陸(おか)に上って 酒のむときは いつもはりあう 恋仇(がたき) けれども沖の 漁場(りょうば)に着けば やけに気の合う 兄弟鴎(かもめ) 力合わせてヨ 網を巻きあげる たったひとりの おふくろさんに 楽な暮らしを させたくて 兄弟船は 真冬の海へ 雪の簾(すだれ)を くぐって進む 熱いこの血はヨ おやじゆずりだぜ |
浪花節だよ人生は飲めといわれて 素直に飲んだ 肩を抱かれて その気になった 馬鹿な出逢いが 利口に化けて よせばいいのに 一目惚れ 浪花節だよ 女の女の人生は 嘘は誰れかが 教えてくれる 恋も誰れかが 見つけてくれる そんな誰れかに 振り廻されて 消えた女が またひとり 浪花節だよ 女の女の人生は 咲いて萎(しぼ)んで 捨てられました 逢って別れて 諦めました 人の情けに つかまりながら 折れた情けの 枝で死ぬ 浪花節だよ 女の女の人生は | 永井裕子 | 藤田まさと | 四方章人 | | 飲めといわれて 素直に飲んだ 肩を抱かれて その気になった 馬鹿な出逢いが 利口に化けて よせばいいのに 一目惚れ 浪花節だよ 女の女の人生は 嘘は誰れかが 教えてくれる 恋も誰れかが 見つけてくれる そんな誰れかに 振り廻されて 消えた女が またひとり 浪花節だよ 女の女の人生は 咲いて萎(しぼ)んで 捨てられました 逢って別れて 諦めました 人の情けに つかまりながら 折れた情けの 枝で死ぬ 浪花節だよ 女の女の人生は |
花と竜波も荒けりゃ 心も荒い 度胸ひとつの 玄海(げんかい)男 恋も未練(みれん)も 波間に捨てる それが男さ それが男さ 花と竜(りゅう) ごんぞ稼業(かぎょう)で 生きぬく俺は どんな苦労も 承知の上だ 胸を叩(たた)いて 青空にらむ それが男さ それが男さ 花と竜 竜の彫(ほ)りもの 伊達(だて)ではないぞ 命すて身の 若松みなと 俺の死に場所 ここだと決めた それが男さ それが男さ 花と竜 | 永井裕子 | 二階堂伸 | 北くすを | | 波も荒けりゃ 心も荒い 度胸ひとつの 玄海(げんかい)男 恋も未練(みれん)も 波間に捨てる それが男さ それが男さ 花と竜(りゅう) ごんぞ稼業(かぎょう)で 生きぬく俺は どんな苦労も 承知の上だ 胸を叩(たた)いて 青空にらむ それが男さ それが男さ 花と竜 竜の彫(ほ)りもの 伊達(だて)ではないぞ 命すて身の 若松みなと 俺の死に場所 ここだと決めた それが男さ それが男さ 花と竜 |
二人でお酒をうらみっこなしで 別れましょうね さらりと水に すべて流して 心配しないで ひとりっきりは 子供のころから 慣(な)れているのよ それでもたまに 淋(さみ)しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね いたわり合って 別れましょうね こうなったのも お互いのせい あなたと私(わたし)は 似たもの同志 欠点ばかりが 目立つ二人よ どちらか急に 淋しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね どうにかなるでしょ ここの町の どこかで私は 生きてゆくのよ それでもたまに 淋しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね | 永井裕子 | 山上路夫 | 平尾昌晃 | | うらみっこなしで 別れましょうね さらりと水に すべて流して 心配しないで ひとりっきりは 子供のころから 慣(な)れているのよ それでもたまに 淋(さみ)しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね いたわり合って 別れましょうね こうなったのも お互いのせい あなたと私(わたし)は 似たもの同志 欠点ばかりが 目立つ二人よ どちらか急に 淋しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね どうにかなるでしょ ここの町の どこかで私は 生きてゆくのよ それでもたまに 淋しくなったら 二人でお酒を 飲みましょうね 飲みましょうね |
アカシアの雨がやむときアカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日がのぼる 朝の光のその中で 冷たくなった わたしを見つけて あの人は 涙を流して くれるでしょうか アカシアの雨に泣いてる 切ない胸はわかるまい 想い出の ペンダント 白い真珠のこの肌で 淋しく今日も あたためてるのに あの人は 冷たい瞳(め)をして 何処かへ消えた アカシアの雨がやむとき 青空さして鳩がとぶ むらさきの 羽の色 それはベンチの片隅で 冷たくなった 私のぬけがら あの人を さがして遥(はる)かに 飛び立つ影よ | 永井裕子 | 水木かおる | 藤原秀行 | | アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日がのぼる 朝の光のその中で 冷たくなった わたしを見つけて あの人は 涙を流して くれるでしょうか アカシアの雨に泣いてる 切ない胸はわかるまい 想い出の ペンダント 白い真珠のこの肌で 淋しく今日も あたためてるのに あの人は 冷たい瞳(め)をして 何処かへ消えた アカシアの雨がやむとき 青空さして鳩がとぶ むらさきの 羽の色 それはベンチの片隅で 冷たくなった 私のぬけがら あの人を さがして遥(はる)かに 飛び立つ影よ |
涙を抱いた渡り鳥ひと声ないては 旅から旅へ くろうみやまの ほととぎす 今日は淡路か 明日(あした)は佐渡か 遠い都の 恋しさに 濡らす袂(たもと)の はずかしさ いいさ 涙を抱いた渡り鳥 女と生れた よろこびさえも 知らぬ他国の 日暮道 ままよ浮世の 風まま気まま つばさぬらして 飛んで行く 乙女心の 一人旅 いいさ 涙を抱いた渡り鳥 見せてはならない 心の傷を かくす笑顔に 月も輝(て)る 口にゃだすまい 昔のことは 水に流して はればれと 仰ぐ夜空も 久し振り いいさ 涙を抱いた渡り鳥 | 永井裕子 | 星野哲郎 | 市川昭介 | | ひと声ないては 旅から旅へ くろうみやまの ほととぎす 今日は淡路か 明日(あした)は佐渡か 遠い都の 恋しさに 濡らす袂(たもと)の はずかしさ いいさ 涙を抱いた渡り鳥 女と生れた よろこびさえも 知らぬ他国の 日暮道 ままよ浮世の 風まま気まま つばさぬらして 飛んで行く 乙女心の 一人旅 いいさ 涙を抱いた渡り鳥 見せてはならない 心の傷を かくす笑顔に 月も輝(て)る 口にゃだすまい 昔のことは 水に流して はればれと 仰ぐ夜空も 久し振り いいさ 涙を抱いた渡り鳥 |
酒きずな一度結んだ 命のきずな 結び通して どこまでも これが二人の 生甲斐ですと 決めた心に… エエエ… 嘘はない 晴れて添えない この世の運命(さだめ) 怨む気持ちは ないものを 私独りを 残して逝った あなたあの世は… エエエ… 遠すぎる 古い女と 笑われようと 肌は誰にも 許さない 月に淋(さび)しさ 打ち明けながら なみだ杯… エエエ… 酒きずな | 永井裕子 | 石本美由起 | 水森英夫 | | 一度結んだ 命のきずな 結び通して どこまでも これが二人の 生甲斐ですと 決めた心に… エエエ… 嘘はない 晴れて添えない この世の運命(さだめ) 怨む気持ちは ないものを 私独りを 残して逝った あなたあの世は… エエエ… 遠すぎる 古い女と 笑われようと 肌は誰にも 許さない 月に淋(さび)しさ 打ち明けながら なみだ杯… エエエ… 酒きずな |
郡上八幡おんな町母を泣かせて 故郷すてる それが出来ない 恋ごころ 郡上踊りで 知り染めた 旅のお方を どうすりゃいいの 三日三晩を 寄り添って 郡上なみだで 袖しぼる 明日の夢より あなたの胸に 今を賭けたい 罪ぶかさ 橋の下には 吉田川 好きな気持ちは もう戻せない 迷う思いを 叱るよに 渡りなさいと 雨になる 古い町です 噂が走る 今日をかぎりの 腕枕 祭り終れば 秋風が もしやあなたに 吹くかも知れぬ 母と暮らすが 身のさだめ 郡上八幡 おんな町 | 永井裕子 | 彩ちかこ | 四方章人 | 前田俊明 | 母を泣かせて 故郷すてる それが出来ない 恋ごころ 郡上踊りで 知り染めた 旅のお方を どうすりゃいいの 三日三晩を 寄り添って 郡上なみだで 袖しぼる 明日の夢より あなたの胸に 今を賭けたい 罪ぶかさ 橋の下には 吉田川 好きな気持ちは もう戻せない 迷う思いを 叱るよに 渡りなさいと 雨になる 古い町です 噂が走る 今日をかぎりの 腕枕 祭り終れば 秋風が もしやあなたに 吹くかも知れぬ 母と暮らすが 身のさだめ 郡上八幡 おんな町 |
祭り女の渡り鳥ねじり鉢巻 三社の神輿 担ぎゆさぶる いなせぶり 祭りに惚れたか 男に惚れた あんた追いかけ 渡り鳥 今日は浅草 あしたはどこやら 燃えて火となれ 祭りの女 なんだ神田で 姿も形(なり)も 見れば見るほど いい男 やけども覚悟の 度胸と意地で 粋に咲きたい 咲かせたい お神酒(みき)あおって 襷(たすき)をしめる 色は小粋な 江戸こむらさき 情け深川 隅田の水に 産湯つかった このわたし 木遣りもさのさも 得意な喉も 惚れたあんたは 渡り鳥 今日も祭りだ あしたはどこやら 恋も千里の 祭りの女 | 永井裕子 | 岡みゆき | 四方章人 | 前田俊明 | ねじり鉢巻 三社の神輿 担ぎゆさぶる いなせぶり 祭りに惚れたか 男に惚れた あんた追いかけ 渡り鳥 今日は浅草 あしたはどこやら 燃えて火となれ 祭りの女 なんだ神田で 姿も形(なり)も 見れば見るほど いい男 やけども覚悟の 度胸と意地で 粋に咲きたい 咲かせたい お神酒(みき)あおって 襷(たすき)をしめる 色は小粋な 江戸こむらさき 情け深川 隅田の水に 産湯つかった このわたし 木遣りもさのさも 得意な喉も 惚れたあんたは 渡り鳥 今日も祭りだ あしたはどこやら 恋も千里の 祭りの女 |
勝負坂生きているから 花も実も 咲いて微笑む 浮世じゃないか 辛抱する木の 枝から育つ 夢のつぼみは ほんものだ 風が背を押す 風が背を押す 勝負坂 決めた道なら 真っ直ぐに 行けば望みの 灯りが見える 足元見ないで 歩いていたら 道に迷って 泣きをみる 後ろ向くなよ 後ろ向くなよ 勝負坂 悔しなみだの その味は 噛んだ奥歯が 覚えているよ 勇気の一歩で 一段登りゃ 生きる希望の 陽が昇る 春が呼んでる 春が呼んでる 勝負坂 | 永井裕子 | 志賀大介 | 徳久広司 | 南郷達也 | 生きているから 花も実も 咲いて微笑む 浮世じゃないか 辛抱する木の 枝から育つ 夢のつぼみは ほんものだ 風が背を押す 風が背を押す 勝負坂 決めた道なら 真っ直ぐに 行けば望みの 灯りが見える 足元見ないで 歩いていたら 道に迷って 泣きをみる 後ろ向くなよ 後ろ向くなよ 勝負坂 悔しなみだの その味は 噛んだ奥歯が 覚えているよ 勇気の一歩で 一段登りゃ 生きる希望の 陽が昇る 春が呼んでる 春が呼んでる 勝負坂 |
夢…ひとり波の音さえ 悲しくて 人に云えない 恋ごころ 逢えば逢えば逢えば切ない 残り香に 女ごころが また痛む 一夜(ひとよ)しのぎの 夢…ひとり 心捨てます 忘れます 夢の欠片が 散る前に 胸の胸の胸の寒さが 苦しさが 過ぎたあの日を 思い出す 恋は哀しい 夢…ひとり 忘れましたと 嘘のうそ あなただけです 今もまだ どこかどこかどこか空似の 人を見て 未練ごころに 火がともる ひとり焦がれる 夢…ひとり | 永井裕子 | 美貴裕子 | 佐々木雄喜 | 南郷達也 | 波の音さえ 悲しくて 人に云えない 恋ごころ 逢えば逢えば逢えば切ない 残り香に 女ごころが また痛む 一夜(ひとよ)しのぎの 夢…ひとり 心捨てます 忘れます 夢の欠片が 散る前に 胸の胸の胸の寒さが 苦しさが 過ぎたあの日を 思い出す 恋は哀しい 夢…ひとり 忘れましたと 嘘のうそ あなただけです 今もまだ どこかどこかどこか空似の 人を見て 未練ごころに 火がともる ひとり焦がれる 夢…ひとり |
そして…湯の宿遠い 遠い波音 聞きながら そっとうすめの 紅を差す そして そして最後の 湯の宿よ 伊豆のひと夜を もえつきて 胸にあなたを のこしたい 旅の 旅のおわりが 悲しいと 泣けばしぐれが 糸をひく そして そして最後の 湯の宿よ なごりつきない つかの間を いくつ重ねる わかれやら 海も 海も荒れるか まくら辺に 潮の匂いが からみつく そして そして最後の 湯の宿よ 好きで添えない この世なら きえてなくなれ 雪になれ | 永井裕子 | 池田充男 | 岡千秋 | 蔦将包 | 遠い 遠い波音 聞きながら そっとうすめの 紅を差す そして そして最後の 湯の宿よ 伊豆のひと夜を もえつきて 胸にあなたを のこしたい 旅の 旅のおわりが 悲しいと 泣けばしぐれが 糸をひく そして そして最後の 湯の宿よ なごりつきない つかの間を いくつ重ねる わかれやら 海も 海も荒れるか まくら辺に 潮の匂いが からみつく そして そして最後の 湯の宿よ 好きで添えない この世なら きえてなくなれ 雪になれ |
帰ろうか足が西向きゃ 背は東 帰ろうか 帰ろうか 帰りゃ故郷(こきょう)にヨー 何も語らず 涙をひとつ 拾ってくれる 友がいる 愚痴を土産(みやげ)にヨ… 帰ろうか ア… 惚れたあいつの 夢をみた 帰ろうか 帰ろうか こころ残りがヨー あの日夜汽車で 連れだしたなら いまごろ妻で いるだろか 夢で一晩ヨ… 帰ろうか ア… やけにお袋 恋しくて 帰ろうか 帰ろうか 今じゃ故郷はヨー 親も居なけりゃ 未練もないが 育ててくれた 恩がある ひと目だけでもヨ… 帰ろうか ア… | 永井裕子 | 万城たかし | 岡千秋 | 蔦将包 | 足が西向きゃ 背は東 帰ろうか 帰ろうか 帰りゃ故郷(こきょう)にヨー 何も語らず 涙をひとつ 拾ってくれる 友がいる 愚痴を土産(みやげ)にヨ… 帰ろうか ア… 惚れたあいつの 夢をみた 帰ろうか 帰ろうか こころ残りがヨー あの日夜汽車で 連れだしたなら いまごろ妻で いるだろか 夢で一晩ヨ… 帰ろうか ア… やけにお袋 恋しくて 帰ろうか 帰ろうか 今じゃ故郷はヨー 親も居なけりゃ 未練もないが 育ててくれた 恩がある ひと目だけでもヨ… 帰ろうか ア… |
石見のおんな海に添い寝の 鳴り砂も 踏まれてキュッと 鳴くのです ましてや遠い あの人を 想えば涙 あふれます 生きてくことは せつなくて 石見(いわみ) 鳴り砂 琴ヶ浜 根雪溶ければ 三瓶山(さんべさん) ユキワリイチゲ 咲くばかり 雪より白い この花は かなわぬ恋を 知ってます 想い出だけが いとしくて 石見 遥かに 日本海 涙たどれば 銀の道 夜風の港 沖泊 もいちど恋は できますか よく似た男(ひと)に 逢えますか 愛することは 願うこと 石見 温泉津(ゆのつ)は 夢の宿 | 永井裕子 | 喜多條忠 | 水森英夫 | 前田俊明 | 海に添い寝の 鳴り砂も 踏まれてキュッと 鳴くのです ましてや遠い あの人を 想えば涙 あふれます 生きてくことは せつなくて 石見(いわみ) 鳴り砂 琴ヶ浜 根雪溶ければ 三瓶山(さんべさん) ユキワリイチゲ 咲くばかり 雪より白い この花は かなわぬ恋を 知ってます 想い出だけが いとしくて 石見 遥かに 日本海 涙たどれば 銀の道 夜風の港 沖泊 もいちど恋は できますか よく似た男(ひと)に 逢えますか 愛することは 願うこと 石見 温泉津(ゆのつ)は 夢の宿 |
石見銀山ひとり坂別れの朝に 愛されるほど かなしい恋は ありません 代官屋敷に 降る雨も 五百羅漢に 散る花も あなたと ふたりの 想い出ばかり 石見銀山 ああ ひとり坂 忘れるための お酒の味は 飲むほど薄く 醒(さ)めてゆく 出雲の神様 怒らせて こころ乱れた この胸は あなたが 刻(きざ)んだ ノミ跡(あと)ばかり 石見銀山 ああ ひとり宿 季節の花に 手が触(ふ)れるたび 切ない恋は 香り立つ 苔(こけ)むす反り橋 はぐれ橋 紅(あか)い炎は 山つつじ あなたと もいちど 来るはずだった 石見銀山 ああ ひとり坂 | 永井裕子 | 喜多條忠 | 水森英夫 | 前田俊明 | 別れの朝に 愛されるほど かなしい恋は ありません 代官屋敷に 降る雨も 五百羅漢に 散る花も あなたと ふたりの 想い出ばかり 石見銀山 ああ ひとり坂 忘れるための お酒の味は 飲むほど薄く 醒(さ)めてゆく 出雲の神様 怒らせて こころ乱れた この胸は あなたが 刻(きざ)んだ ノミ跡(あと)ばかり 石見銀山 ああ ひとり宿 季節の花に 手が触(ふ)れるたび 切ない恋は 香り立つ 苔(こけ)むす反り橋 はぐれ橋 紅(あか)い炎は 山つつじ あなたと もいちど 来るはずだった 石見銀山 ああ ひとり坂 |
そして…雪の中酔ってあなたに つかまりながら 赤い傘さす 雪のなか 往(ゆ)くか戻るか 恋路(こいじ)はひとつ おちつく宿を さがしましょ そしてそして そこから先は わたしにください その命 旅の衣(ころも)を いちまい脱げば 部屋に綴(つづ)れの 帯(おび)の川 いいのこのまま あなたに抱かれ たとえば赤い 雪の花 そしてそして そこから先は 湯(ゆ)の町さすらう ふたりです わかれ話を 聞きたくなくて 悪いおんなの ふりをする あなたわたしの わたしの愛が あなたの肌に 染(し)みるまで そしてそして そこから先は 明日は吹雪の 峠ごえ | 永井裕子 | 池田充男 | 岡千秋 | 前田俊明 | 酔ってあなたに つかまりながら 赤い傘さす 雪のなか 往(ゆ)くか戻るか 恋路(こいじ)はひとつ おちつく宿を さがしましょ そしてそして そこから先は わたしにください その命 旅の衣(ころも)を いちまい脱げば 部屋に綴(つづ)れの 帯(おび)の川 いいのこのまま あなたに抱かれ たとえば赤い 雪の花 そしてそして そこから先は 湯(ゆ)の町さすらう ふたりです わかれ話を 聞きたくなくて 悪いおんなの ふりをする あなたわたしの わたしの愛が あなたの肌に 染(し)みるまで そしてそして そこから先は 明日は吹雪の 峠ごえ |
刈干キリキリ枯れすすき 阿蘇(あそ)の山みて 今日も高千穂(たかちほ) 幾曲(いくま)がり 牛の鈴の音(ね) 聞いちょるだろか 刈干(かりぼし)キリキリ 年暮(くれ)には帰る 誰も風邪(かぜ)など エ…ひかんよに暮らせ 秋祭り 炎(も)えるかがり火 笛や太鼓の 夜神楽(よかぐら)も きっと帰りを 待っちょるだろな 刈干キリキリ 野山に響く 恋しなつかし エ…ふる里の空よ あかね雲 山も日暮れて 青さカヤ草(ぐさ) 積み上げる 赤い夕日が 染(そ)めちょるだろか 刈干キリキリ いまごろ父は かっぽ酒(ざけ)など エ…呑(の)んでいるだろか | 永井裕子 | 万城たかし | 岡千秋 | 前田俊明 | 枯れすすき 阿蘇(あそ)の山みて 今日も高千穂(たかちほ) 幾曲(いくま)がり 牛の鈴の音(ね) 聞いちょるだろか 刈干(かりぼし)キリキリ 年暮(くれ)には帰る 誰も風邪(かぜ)など エ…ひかんよに暮らせ 秋祭り 炎(も)えるかがり火 笛や太鼓の 夜神楽(よかぐら)も きっと帰りを 待っちょるだろな 刈干キリキリ 野山に響く 恋しなつかし エ…ふる里の空よ あかね雲 山も日暮れて 青さカヤ草(ぐさ) 積み上げる 赤い夕日が 染(そ)めちょるだろか 刈干キリキリ いまごろ父は かっぽ酒(ざけ)など エ…呑(の)んでいるだろか |
玄海 恋太鼓風が出る 波が立つ 玄界灘に 陽が落ちる あんた恋しと 叩くとよ 撥も折れよと 叩くとよ 赤い赤い 赤い蹴出しの恋太鼓 届け 届け あんたに届け ああんああ 天まで届け つらかとよ 憎かとよ 淋しか夜は 長かとよ 秘めた想いに 炎(ひ)をともしや あんたゆずりの 乱れ打ち どんとどんと どんとしぶきの恋太鼓 響け 響け あんたに響け ああんああ 天まで響け 舟が行く 夢が散る 対馬や壱岐の灯(ひ)も揺れる あんた命と 決めたのに ほほにひと筋 流れ星 泣いて泣いて 泣いて玄海恋太鼓 届け 届け あんたに届け ああんああ 天まで届け | 永井裕子 | 喜多條忠 | 岡千秋 | 南郷達也 | 風が出る 波が立つ 玄界灘に 陽が落ちる あんた恋しと 叩くとよ 撥も折れよと 叩くとよ 赤い赤い 赤い蹴出しの恋太鼓 届け 届け あんたに届け ああんああ 天まで届け つらかとよ 憎かとよ 淋しか夜は 長かとよ 秘めた想いに 炎(ひ)をともしや あんたゆずりの 乱れ打ち どんとどんと どんとしぶきの恋太鼓 響け 響け あんたに響け ああんああ 天まで響け 舟が行く 夢が散る 対馬や壱岐の灯(ひ)も揺れる あんた命と 決めたのに ほほにひと筋 流れ星 泣いて泣いて 泣いて玄海恋太鼓 届け 届け あんたに届け ああんああ 天まで届け |
夜泣酒夜よおまえを みちづれに ひとり手酌で 呑むお酒 逃げる男が 悪いのか 尽くす女が 馬鹿なのか 愚痴を注ぎ足す 夜泣酒 胸のすきまに 風が吹く 酔えば酔うほど 傷に泣く めぐり合わせに 背かれて 春が過ぎたら また冬が 情つれづれ 夜泣酒 酒のしずくは なみだ味 みれんお猪口に 残るだけ 不幸ばかりを 追いかけて いつも幸せ 遠まわり 外は時雨の 夜泣酒 | 永井裕子 | 万城たかし | 四方章人 | 前田俊明 | 夜よおまえを みちづれに ひとり手酌で 呑むお酒 逃げる男が 悪いのか 尽くす女が 馬鹿なのか 愚痴を注ぎ足す 夜泣酒 胸のすきまに 風が吹く 酔えば酔うほど 傷に泣く めぐり合わせに 背かれて 春が過ぎたら また冬が 情つれづれ 夜泣酒 酒のしずくは なみだ味 みれんお猪口に 残るだけ 不幸ばかりを 追いかけて いつも幸せ 遠まわり 外は時雨の 夜泣酒 |
はぐれ雲あんな野暮天(やぼてん) おさらばと 下駄を蹴飛ばし ケリつけた なんで今さら 旅の空 祭りばやしの 笛の音(ね)に 胸のほの字が また燃える…… 呼べば泣けそな 呼べば泣けそな はぐれ雲 ねじり鉢巻き 左巻き お鈍(にぶ)すぎるよ 甲斐性なし 追って来たって 知らないよ やけでつよがり 並べても 花を手向ける 目に涙…… 見ないふりして 見ないふりして 地蔵さん 風につがいの 赤トンボ 羽根をよせあう 茜空 どこか似ている 若い衆の 法被(はっぴ)姿を ふり向けば 喧嘩みこしに 里ごころ…… どこへ帰ろか どこへ帰ろか はぐれ雲 | 永井裕子 | 水木れいじ | 四方章人 | 前田俊明 | あんな野暮天(やぼてん) おさらばと 下駄を蹴飛ばし ケリつけた なんで今さら 旅の空 祭りばやしの 笛の音(ね)に 胸のほの字が また燃える…… 呼べば泣けそな 呼べば泣けそな はぐれ雲 ねじり鉢巻き 左巻き お鈍(にぶ)すぎるよ 甲斐性なし 追って来たって 知らないよ やけでつよがり 並べても 花を手向ける 目に涙…… 見ないふりして 見ないふりして 地蔵さん 風につがいの 赤トンボ 羽根をよせあう 茜空 どこか似ている 若い衆の 法被(はっぴ)姿を ふり向けば 喧嘩みこしに 里ごころ…… どこへ帰ろか どこへ帰ろか はぐれ雲 |
明日に咲け先に咲いたら 散るのも早い 早いばかりが 勝ちじゃない 遅い分だけ 陽差しが伸びた 春が苦労の 先で待つ 人生焦らず 明日に咲け 持ちつ持たれつ この世の中は 何も出来ない 一人では 傘を譲れば 土砂降り雨に 他人(ひと)は情けの 軒を貸す 人生迷わず 明日に咲け 長く厳しい 冬の夜(よ)だって 遅れようとも 朝は来る いまは値打ちに 気づかぬけれど いつか世間も 目を覚ます 人生挫けず 明日に咲け | 永井裕子 | 木下龍太郎 | 四方章人 | | 先に咲いたら 散るのも早い 早いばかりが 勝ちじゃない 遅い分だけ 陽差しが伸びた 春が苦労の 先で待つ 人生焦らず 明日に咲け 持ちつ持たれつ この世の中は 何も出来ない 一人では 傘を譲れば 土砂降り雨に 他人(ひと)は情けの 軒を貸す 人生迷わず 明日に咲け 長く厳しい 冬の夜(よ)だって 遅れようとも 朝は来る いまは値打ちに 気づかぬけれど いつか世間も 目を覚ます 人生挫けず 明日に咲け |
北陸本線冬の旅窓の向うは 日本海 波の暗さに 目が凍(し)みる あゝ この手紙 燃やしたら あなたから自由になれますか 北陸本線 かもめを連れて 冬の旅 お酒のんでも とまらない 寒い心が 雪になる あゝ これ以上 望んだら あなたまで不幸にしてしまう 北陸本線 忘れるための 冬の旅 誰を呼ぶのか 海鳥よ 声がかなしい 港駅 あゝ もどらない 明日から 平凡なくらしを探します 北陸本線 かもめを連れて 冬の旅 | 永井裕子 | たかたかし | 四方章人 | 前田俊明 | 窓の向うは 日本海 波の暗さに 目が凍(し)みる あゝ この手紙 燃やしたら あなたから自由になれますか 北陸本線 かもめを連れて 冬の旅 お酒のんでも とまらない 寒い心が 雪になる あゝ これ以上 望んだら あなたまで不幸にしてしまう 北陸本線 忘れるための 冬の旅 誰を呼ぶのか 海鳥よ 声がかなしい 港駅 あゝ もどらない 明日から 平凡なくらしを探します 北陸本線 かもめを連れて 冬の旅 |
男の情歌春にそむいて ゆく俺を 路地で見送る 女傘 行くが人生 男なら 苦い涙を かみしめて なまじ濡らすな 夜の雨 二つ命が あるのなら 一つおまえに おいてゆく そうさこの世は 一度きり 悔いを残さず 歩こうぜ 晴れて笑える その日まで 意地をとおせば 角が立つ 情に棹さしゃ 流される 決めた道なら 男なら 照る日曇る日 七転び 夢を天まで 持ち上げろ | 永井裕子 | たかたかし | 四方章人 | 前田俊明 | 春にそむいて ゆく俺を 路地で見送る 女傘 行くが人生 男なら 苦い涙を かみしめて なまじ濡らすな 夜の雨 二つ命が あるのなら 一つおまえに おいてゆく そうさこの世は 一度きり 悔いを残さず 歩こうぜ 晴れて笑える その日まで 意地をとおせば 角が立つ 情に棹さしゃ 流される 決めた道なら 男なら 照る日曇る日 七転び 夢を天まで 持ち上げろ |
望郷岬岬の町を飛び出して ないものねだりの夢を見た 星だけは満天のアパートで 母子(おやこ)ふたりで眺めています 帰ろうか明日にも…… 離れて遠いふるさとは 雛のつるし飾りの春ですね 岬の家は遠目にも 昔のまんまの薄茶色 玄関のガラス戸も変わらずに 少し開けてもキリキリ泣いた ただいまと声かける…… 涙のむこうのふるさとは 今日も揺れてぼやけた春ですね 海鳴りは子守歌…… 漁火こぼれるふるさとは 雛のつるし飾りの春ですね | 永井裕子 | 吉岡治 | 四方章人 | 南郷達也 | 岬の町を飛び出して ないものねだりの夢を見た 星だけは満天のアパートで 母子(おやこ)ふたりで眺めています 帰ろうか明日にも…… 離れて遠いふるさとは 雛のつるし飾りの春ですね 岬の家は遠目にも 昔のまんまの薄茶色 玄関のガラス戸も変わらずに 少し開けてもキリキリ泣いた ただいまと声かける…… 涙のむこうのふるさとは 今日も揺れてぼやけた春ですね 海鳴りは子守歌…… 漁火こぼれるふるさとは 雛のつるし飾りの春ですね |
和江の舟唄酒の終わりは 丼(どんぶり)めしに 煮汁(にじる)ぶっかけ 掻(か)き込んだ そんなあんたが いとしくなって 男やもめに お節介 わたしはかもめ あんたはやもめ 和江(わえ)の港の かくれ妻 無理はしないで 人それぞれに 流れ浮(う)き寝(ね)の 過去をもつ 女房きどりで つくしてみても いつも勝てない 影がある わたしはかもめ あんたが命 和江の港の 風に泣く 夕日背にして あんたの船が 波にもまれて 帰る頃 セリで高値が ついたらいいね 髭(ひげ)の笑顔が 見たいから わたしはかもめ あんたは漁師(おとこ) 和江の港は 日本海 | 永井裕子 | 吉岡治 | 四方章人 | 池多孝春 | 酒の終わりは 丼(どんぶり)めしに 煮汁(にじる)ぶっかけ 掻(か)き込んだ そんなあんたが いとしくなって 男やもめに お節介 わたしはかもめ あんたはやもめ 和江(わえ)の港の かくれ妻 無理はしないで 人それぞれに 流れ浮(う)き寝(ね)の 過去をもつ 女房きどりで つくしてみても いつも勝てない 影がある わたしはかもめ あんたが命 和江の港の 風に泣く 夕日背にして あんたの船が 波にもまれて 帰る頃 セリで高値が ついたらいいね 髭(ひげ)の笑顔が 見たいから わたしはかもめ あんたは漁師(おとこ) 和江の港は 日本海 |
望郷神楽ばやし夕月は三瓶の山に 宵闇の神楽は風に 遥か神代を連れてくる どんなに遠く離れても 呼んでる故郷が 慣れぬ東京で気を張って 涙に負けた夜もある わたしは挫けない いつも心に故郷がある 夢の中ウミネコ飛んだ 琴ヶ浜夕波小波 ひとり歩けば砂が鳴く 三年ぶりに帰ろかな あなたに会えるかな 淡くはかない初恋は 始まる前に終わるとか あの日の落し物 わたし見守る故郷がある 淋しいときは目を閉じりゃ 浮かぶよ故郷が 石見銀山 三瓶川 夕焼け雲に笛太鼓 わたしを抱きしめる 神楽囃子の故郷がある 神楽囃子の故郷がある | 永井裕子 | 吉岡治 | 四方章人 | 前田俊明 | 夕月は三瓶の山に 宵闇の神楽は風に 遥か神代を連れてくる どんなに遠く離れても 呼んでる故郷が 慣れぬ東京で気を張って 涙に負けた夜もある わたしは挫けない いつも心に故郷がある 夢の中ウミネコ飛んだ 琴ヶ浜夕波小波 ひとり歩けば砂が鳴く 三年ぶりに帰ろかな あなたに会えるかな 淡くはかない初恋は 始まる前に終わるとか あの日の落し物 わたし見守る故郷がある 淋しいときは目を閉じりゃ 浮かぶよ故郷が 石見銀山 三瓶川 夕焼け雲に笛太鼓 わたしを抱きしめる 神楽囃子の故郷がある 神楽囃子の故郷がある |
石見路ひとり心変わりを 尋ねてみても あなたの心は 帰らない 唐人坂に 銀の雨 石見路ひとり…… 夢の花火か 曼珠沙華 花を散らして あゝ風が立つ 昔そのまま 寄り添うような 今夜は温泉津に泊ります 生意気ですが 湯上りに 地酒をちびり…… 問わず語りに 海鳴りと 酔ってからんで あゝ泣きますか 五百羅漢に お参りしたら 反り橋渡ってバスに乗る 金木犀が 匂いたつ 石見路ひとり…… 未練ごころを 少しずつ 捨てて笑顔で あゝ帰りたい | 永井裕子 | 吉岡治 | 四方章人 | 前田俊明 | 心変わりを 尋ねてみても あなたの心は 帰らない 唐人坂に 銀の雨 石見路ひとり…… 夢の花火か 曼珠沙華 花を散らして あゝ風が立つ 昔そのまま 寄り添うような 今夜は温泉津に泊ります 生意気ですが 湯上りに 地酒をちびり…… 問わず語りに 海鳴りと 酔ってからんで あゝ泣きますか 五百羅漢に お参りしたら 反り橋渡ってバスに乗る 金木犀が 匂いたつ 石見路ひとり…… 未練ごころを 少しずつ 捨てて笑顔で あゝ帰りたい |
石狩挽歌海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると 赤い筒袖(つつぼ)の やん衆がさわぐ 雪に埋もれた 番屋(ばんや)の隅(すみ)で わたしゃ夜通し 飯を炊く あれからニシンは どこへ行ったやら 破れた網(あみ)は 問(と)い刺(さ)し網か 今じゃ浜辺で オンボロロ オンボロボロロー 沖を通るは 笠戸丸(かさとまる) わたしゃ涙で ニシン曇(ぐも)りの 空を見る 燃えろ篝火(かがりび) 朝里(あさり)の浜に 海は銀色 ニシンの色よ ソーラン節に 頬そめながら わたしゃ大漁の 網を曳(ひ)く あれからニシンは どこへ行ったやら オタモイ岬の ニシン御殿も 今じゃさびれて オンボロロ オンボロボロロー かわらぬものは 古代文字 わたしゃ涙で 娘ざかりの 夢を見る | 永井裕子 | なかにし礼 | 浜圭介 | 近藤俊一 | 海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると 赤い筒袖(つつぼ)の やん衆がさわぐ 雪に埋もれた 番屋(ばんや)の隅(すみ)で わたしゃ夜通し 飯を炊く あれからニシンは どこへ行ったやら 破れた網(あみ)は 問(と)い刺(さ)し網か 今じゃ浜辺で オンボロロ オンボロボロロー 沖を通るは 笠戸丸(かさとまる) わたしゃ涙で ニシン曇(ぐも)りの 空を見る 燃えろ篝火(かがりび) 朝里(あさり)の浜に 海は銀色 ニシンの色よ ソーラン節に 頬そめながら わたしゃ大漁の 網を曳(ひ)く あれからニシンは どこへ行ったやら オタモイ岬の ニシン御殿も 今じゃさびれて オンボロロ オンボロボロロー かわらぬものは 古代文字 わたしゃ涙で 娘ざかりの 夢を見る |
旅まくら誰を探して ここまで来たと 私を呼ぶよな 三陸(さんりく)かもめ 宮古(みやこ) 八戸(はちのへ) 夏から秋へ あなた尋ねる 旅まくら 波の こころ 冷めたや ああ… ああ… ああ… 素肌が寒い 津軽海峡 海から暮れて 噂も聞けない 潮鳴りばかり 逢いたかろうと イカ釣り船の 遠い灯りも 涙ぐむ 北の 汽笛 淋(さみ)しや ああ… ああ… ああ… 酔えないお酒 頬に吹雪が 冷めたい夜は 側に寄り添う あなたが欲しい 行こか釧路(くしろ)へ 戻ろか襟裳(えりも) 春はどこやら 旅まくら 夢の 絆 ひとすじ ああ… ああ… ああ… 女のさだめ | 永井裕子 | 石本美由起 | 水森英夫 | 山田年秋 | 誰を探して ここまで来たと 私を呼ぶよな 三陸(さんりく)かもめ 宮古(みやこ) 八戸(はちのへ) 夏から秋へ あなた尋ねる 旅まくら 波の こころ 冷めたや ああ… ああ… ああ… 素肌が寒い 津軽海峡 海から暮れて 噂も聞けない 潮鳴りばかり 逢いたかろうと イカ釣り船の 遠い灯りも 涙ぐむ 北の 汽笛 淋(さみ)しや ああ… ああ… ああ… 酔えないお酒 頬に吹雪が 冷めたい夜は 側に寄り添う あなたが欲しい 行こか釧路(くしろ)へ 戻ろか襟裳(えりも) 春はどこやら 旅まくら 夢の 絆 ひとすじ ああ… ああ… ああ… 女のさだめ |
雪國好きよあなた 今でも今でも 暦はもう少しで 今年も終りですね 逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜 そばにいて少しでも 話を聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 窓に落ちる 風と雪は 女ひとりの部屋には 悲しすぎるわあなた 酔いたくて泣きたくて ふるえるくちびる そばに来て少しでも わがまま聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 好きな人はいるの あなた バカねバカな女ね 意地をはってた私 逢いたくて夜汽車乗る デッキの窓に とめどなく頬つたう 涙のあとを 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜 そばにいて少しでも 話を聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 | 永井裕子 | 吉幾三 | 吉幾三 | 鈴木英明 | 好きよあなた 今でも今でも 暦はもう少しで 今年も終りですね 逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜 そばにいて少しでも 話を聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 窓に落ちる 風と雪は 女ひとりの部屋には 悲しすぎるわあなた 酔いたくて泣きたくて ふるえるくちびる そばに来て少しでも わがまま聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 好きな人はいるの あなた バカねバカな女ね 意地をはってた私 逢いたくて夜汽車乗る デッキの窓に とめどなく頬つたう 涙のあとを 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 逢いたくて恋しくて 泣きたくなる夜 そばにいて少しでも 話を聞いて 追いかけて 追いかけて 追いかけて…雪國 |
哀愁列車惚れて 惚れて 惚れていながら 行くおれに 旅をせかせる ベルの音 つらいホームに 来は来たが 未練心に つまずいて 落とす涙の 哀愁列車 燃えて 燃えて 燃えて過した 湯の宿に うしろ髪ひく 灯がひとつ 今宵逢瀬を 待ちわびる 君の幸せ 祈りつつ 旅にのがれる 哀愁列車 泣いて 泣いて 泣いているのを 知らぬげに 窓はふたりを 遠くする 堪(こら)えきれずに 見返れば すがるせつない 瞳(め)のような 星がとぶとぶ 哀愁列車 | 永井裕子 | 横井弘 | 鎌多俊与 | 丸山雅仁 | 惚れて 惚れて 惚れていながら 行くおれに 旅をせかせる ベルの音 つらいホームに 来は来たが 未練心に つまずいて 落とす涙の 哀愁列車 燃えて 燃えて 燃えて過した 湯の宿に うしろ髪ひく 灯がひとつ 今宵逢瀬を 待ちわびる 君の幸せ 祈りつつ 旅にのがれる 哀愁列車 泣いて 泣いて 泣いているのを 知らぬげに 窓はふたりを 遠くする 堪(こら)えきれずに 見返れば すがるせつない 瞳(め)のような 星がとぶとぶ 哀愁列車 |
舟唄お酒はぬるめの 燗(かん)がいい 肴(さかな)はあぶった イカでいい 女は無口な ひとがいい 灯りはぼんやり ともりゃいい しみじみ飲めば しみじみと 想い出だけが 行き過ぎる 涙がポロリと こぼれたら 歌いだすのさ 舟唄を 沖の鴎(かもめ)に 深酒させてヨ いとしあの娘とヨ 朝寝する ダンチョネ 店には飾りが ないがいい 窓から港が 見えりゃいい はやりの歌など なくていい ときどき霧笛(むてき)が 鳴ればいい ほろほろ飲めば ほろほろと 心がすすり 泣いている あの頃あの娘(こ)を 思ったら 歌いだすのさ 舟唄を ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと 未練が胸に 舞い戻る 夜更(よふ)けてさびしく なったなら 歌いだすのさ 舟唄を ルルル ルルル ……… | 永井裕子 | 阿久悠 | 浜圭介 | 桜庭伸幸 | お酒はぬるめの 燗(かん)がいい 肴(さかな)はあぶった イカでいい 女は無口な ひとがいい 灯りはぼんやり ともりゃいい しみじみ飲めば しみじみと 想い出だけが 行き過ぎる 涙がポロリと こぼれたら 歌いだすのさ 舟唄を 沖の鴎(かもめ)に 深酒させてヨ いとしあの娘とヨ 朝寝する ダンチョネ 店には飾りが ないがいい 窓から港が 見えりゃいい はやりの歌など なくていい ときどき霧笛(むてき)が 鳴ればいい ほろほろ飲めば ほろほろと 心がすすり 泣いている あの頃あの娘(こ)を 思ったら 歌いだすのさ 舟唄を ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと 未練が胸に 舞い戻る 夜更(よふ)けてさびしく なったなら 歌いだすのさ 舟唄を ルルル ルルル ……… |
火の国の女肥後は火の国よ 恋の国 燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす 一つしかないこの命 くれというならくれてやる 熱か 熱か こころもからだも 熱か 惚れた女(おなご)を抱きたけりゃ 火傷(やけど)かくごで 抱かんとね 抱かんとね 肥後は湯の里よ 滾(たぎ)る国 菊池 地獄谷 血がさわぐ たとえ地の底 針の山 来いというならついてゆく 熱か 熱か 情念(おもい)も涙も 熱か 恋は一生ただひとり それでよかなら 抱かんとね 抱かんとね 熱か 熱か 枕も吐息も 熱か うちはひとりじゃ よう寝れん 月にかくれて 逢いに来い 逢いに来い 熱か 熱か こころもからだも 熱か 闇を流れる火の河で うちはあんたの 夢をみる 夢をみる | 永井裕子 | たかたかし | 猪俣公章 | 山田年秋 | 肥後は火の国よ 恋の国 燃える中岳(なかだけ)よ 胸こがす 一つしかないこの命 くれというならくれてやる 熱か 熱か こころもからだも 熱か 惚れた女(おなご)を抱きたけりゃ 火傷(やけど)かくごで 抱かんとね 抱かんとね 肥後は湯の里よ 滾(たぎ)る国 菊池 地獄谷 血がさわぐ たとえ地の底 針の山 来いというならついてゆく 熱か 熱か 情念(おもい)も涙も 熱か 恋は一生ただひとり それでよかなら 抱かんとね 抱かんとね 熱か 熱か 枕も吐息も 熱か うちはひとりじゃ よう寝れん 月にかくれて 逢いに来い 逢いに来い 熱か 熱か こころもからだも 熱か 闇を流れる火の河で うちはあんたの 夢をみる 夢をみる |
白い海峡人はみな故郷(ふるさと)が 恋しくなって 一度は泣きに 帰るものなの みぞれが雪に かわる頃 わたしはあなたを あなたを捨てた 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳にのこる ああ北ゆく船の 窓は寒い 雪が雪が 雪が乱れ舞う 憧れた東京は 女の谷間 落ちたら深く 沈むばかりよ こころも胸も ぼろぼろで わたしは飛べない 飛べない鴎 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳に残る ああ夜ふけに帰る 白い海峡 あなたあなた あなた許してよ 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳に残る ああ北ゆく船の 窓は寒い 雪が雪が 雪が乱れ舞う | 永井裕子 | 池田充男 | 伊藤雪彦 | 山田年秋 | 人はみな故郷(ふるさと)が 恋しくなって 一度は泣きに 帰るものなの みぞれが雪に かわる頃 わたしはあなたを あなたを捨てた 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳にのこる ああ北ゆく船の 窓は寒い 雪が雪が 雪が乱れ舞う 憧れた東京は 女の谷間 落ちたら深く 沈むばかりよ こころも胸も ぼろぼろで わたしは飛べない 飛べない鴎 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳に残る ああ夜ふけに帰る 白い海峡 あなたあなた あなた許してよ 二度ともどって 来るなよと 言われた言葉が 耳に残る ああ北ゆく船の 窓は寒い 雪が雪が 雪が乱れ舞う |
北の旅人たどりついたら 岬のはずれ 赤い灯が点く ぽつりとひとつ いまでもあなたを 待ってると いとしい おまえの 呼ぶ声が 俺の背中で 潮風(かぜ)になる 夜の釧路は 雨になるだろう ふるい酒場で 噂をきいた 窓のむこうは 木枯まじり 半年まえまで 居たという 泣きぐせ 酒ぐせ 泪ぐせ どこへ去(い)ったか 細い影 夜の函館 霧がつらすぎる 空でちぎれる あの汽笛さえ 泣いて別れる さい果て港 いちどはこの手に 抱きしめて 泣かせてやりたい 思いきり 消えぬ面影 たずねびと 夜の小樽は 雪が肩に舞う | 永井裕子 | 山口洋子 | 弦哲也 | 丸山雅仁 | たどりついたら 岬のはずれ 赤い灯が点く ぽつりとひとつ いまでもあなたを 待ってると いとしい おまえの 呼ぶ声が 俺の背中で 潮風(かぜ)になる 夜の釧路は 雨になるだろう ふるい酒場で 噂をきいた 窓のむこうは 木枯まじり 半年まえまで 居たという 泣きぐせ 酒ぐせ 泪ぐせ どこへ去(い)ったか 細い影 夜の函館 霧がつらすぎる 空でちぎれる あの汽笛さえ 泣いて別れる さい果て港 いちどはこの手に 抱きしめて 泣かせてやりたい 思いきり 消えぬ面影 たずねびと 夜の小樽は 雪が肩に舞う |
ああ上野駅どこかに故郷の 香りをのせて 入る列車の なつかしさ 上野は俺らの 心の駅だ くじけちゃならない 人生が あの日ここから 始まった (セリフ) 「父ちゃん 僕がいなくなったんで 母ちゃんの畑仕事も大変だろうなあ、 今度の休みには必ずかえるから、 そのときは父ちゃんの肩も母ちゃんの肩も、 もういやだっていうまでたたいてやるぞ、 それまで元気で待っててくれよな」 就職列車に ゆられて着いた 遠いあの夜を 思い出す 上野は俺らの 心の駅だ 配達帰りの 自転車を とめて聞いてる 国なまり ホームの時計を 見つめていたら 母の笑顔に なってきた 上野は俺らの 心の駅だ お店の仕事は 辛いけど 胸にゃでっかい 夢がある | 永井裕子 | 関口義明 | 荒井英一 | 白石十四男 | どこかに故郷の 香りをのせて 入る列車の なつかしさ 上野は俺らの 心の駅だ くじけちゃならない 人生が あの日ここから 始まった (セリフ) 「父ちゃん 僕がいなくなったんで 母ちゃんの畑仕事も大変だろうなあ、 今度の休みには必ずかえるから、 そのときは父ちゃんの肩も母ちゃんの肩も、 もういやだっていうまでたたいてやるぞ、 それまで元気で待っててくれよな」 就職列車に ゆられて着いた 遠いあの夜を 思い出す 上野は俺らの 心の駅だ 配達帰りの 自転車を とめて聞いてる 国なまり ホームの時計を 見つめていたら 母の笑顔に なってきた 上野は俺らの 心の駅だ お店の仕事は 辛いけど 胸にゃでっかい 夢がある |
津軽平野津軽平野に 雪降る頃はよ 親父(おどう)ひとりで 出稼ぎ支度 春にゃかならず 親父(おどう)は帰る みやげいっぱい ぶらさげてよ 淋(さび)しくなるけど 馴(な)れだや親父(おどう) 十三みなとは 西風強くて 夢もしばれる 吹雪の夜更け ふるなふるなよ 津軽の雪よ 春が今年も 遅くなるよ ストーブ列車よ 逢いたや親父(おどう) 山の雪どけ 花咲く頃はよ かあちゃんやけによ そわそわするね いつもじょんがら 大きな声で 親父(おどう)うたって 汽車から降りる お岩木山よ 見えたか親父(おどう) | 永井裕子 | 吉幾三 | 吉幾三 | 山田年秋 | 津軽平野に 雪降る頃はよ 親父(おどう)ひとりで 出稼ぎ支度 春にゃかならず 親父(おどう)は帰る みやげいっぱい ぶらさげてよ 淋(さび)しくなるけど 馴(な)れだや親父(おどう) 十三みなとは 西風強くて 夢もしばれる 吹雪の夜更け ふるなふるなよ 津軽の雪よ 春が今年も 遅くなるよ ストーブ列車よ 逢いたや親父(おどう) 山の雪どけ 花咲く頃はよ かあちゃんやけによ そわそわするね いつもじょんがら 大きな声で 親父(おどう)うたって 汽車から降りる お岩木山よ 見えたか親父(おどう) |
北の里唄風の便りにヨー枕をぬらす 離ればなれの二人にも 春はきっと来る 東京へ行ったきり 帰ってこない 必ず迎えに 来るといい 祭りの晩に 抱きしめた あの日の指切り わすれたか 里の裏山 藪鶯(やぶうぐいす)が 鳴いてあんたに ホーホケキョー 惚れてしまえば 女のまけよ 今年も雪んこ 里に降り お地蔵さんは 綿帽子 お嫁にゆけるのは いつの日か 早く帰って 帰ってこいよ あんた逢いたい 逢いたいよ 軒の氷柱(つらら)がヨー 解けだすころにゃ 白いりんごの花が咲く 春がやって来る | 永井裕子 | たかたかし | 四方章人 | 前田俊明 | 風の便りにヨー枕をぬらす 離ればなれの二人にも 春はきっと来る 東京へ行ったきり 帰ってこない 必ず迎えに 来るといい 祭りの晩に 抱きしめた あの日の指切り わすれたか 里の裏山 藪鶯(やぶうぐいす)が 鳴いてあんたに ホーホケキョー 惚れてしまえば 女のまけよ 今年も雪んこ 里に降り お地蔵さんは 綿帽子 お嫁にゆけるのは いつの日か 早く帰って 帰ってこいよ あんた逢いたい 逢いたいよ 軒の氷柱(つらら)がヨー 解けだすころにゃ 白いりんごの花が咲く 春がやって来る |
雪港どこかへ下駄も 脱ぎ捨てて 走って来たけど 船は桟橋 離れてく ひと足違いで 掴めなかった 女ごころの しあわせを あなた待ってて いいですか… 声も届かぬ 雪港 見馴れた文字が 乱れてた 別れの一行 走り書きした置手紙 苦労を背負って 一緒に行くと 決めた想いも 知らないで あなた本当に 罪ですね… 夢も凍える 雪港 どんなに袖を 振ろうとも 霧笛を残して 船は岬に消えて行く これきり恋など しないと言った 酔った昨夜の ひとり言 あなた信じて いいですか… 答え貰えぬ 雪港 | 永井裕子 | 木下龍太郎 | 四方章人 | 前田俊明 | どこかへ下駄も 脱ぎ捨てて 走って来たけど 船は桟橋 離れてく ひと足違いで 掴めなかった 女ごころの しあわせを あなた待ってて いいですか… 声も届かぬ 雪港 見馴れた文字が 乱れてた 別れの一行 走り書きした置手紙 苦労を背負って 一緒に行くと 決めた想いも 知らないで あなた本当に 罪ですね… 夢も凍える 雪港 どんなに袖を 振ろうとも 霧笛を残して 船は岬に消えて行く これきり恋など しないと言った 酔った昨夜の ひとり言 あなた信じて いいですか… 答え貰えぬ 雪港 |
ソーラン家なき子あれが江差だ ニシンの町だ 列車を追いかけ 飛ぶカモメ… 知らぬ他国は 心も細る ましてねずみの 日の暮れ方は わたし家なき子 恋と東京を 捨てて来た 待って一年 未練で二年 つぶした若さが 惜しくなる… 口は軽いが 心も軽い そんなあんたに けじめをつけて わたし家なき子 せめて悔やんで いて欲しい いいえめそめそ もう泣くものか 涙の化石が 落ちただけ… 白いGジャン すっぽり被り 夢を見ましょう 乗り換えまでは わたし家なき子 ひとりソーラン 北を行く | 永井裕子 | ちあき哲也 | 四方章人 | 前田俊明 | あれが江差だ ニシンの町だ 列車を追いかけ 飛ぶカモメ… 知らぬ他国は 心も細る ましてねずみの 日の暮れ方は わたし家なき子 恋と東京を 捨てて来た 待って一年 未練で二年 つぶした若さが 惜しくなる… 口は軽いが 心も軽い そんなあんたに けじめをつけて わたし家なき子 せめて悔やんで いて欲しい いいえめそめそ もう泣くものか 涙の化石が 落ちただけ… 白いGジャン すっぽり被り 夢を見ましょう 乗り換えまでは わたし家なき子 ひとりソーラン 北を行く |
山鳩の啼く町屋根で啼く山鳩が 突然啼きやんで もしやと身支度をすれば また啼く鳩よ… こんな夜更けの ひとり芝居に 幕引く痛さも もう慣れて 帰るのですか 帰らないのですか 秋桜(こすもす) 目映(まばゆ)い この町に 一年のはずが 三年も わたしは 数えて 待ちました 少年の眼差しで あなたが追う夢を わかってあげたくて ひとり 送った駅よ… 母が気を揉む 見合い話も 写真は手つかず 閉じたまま ばかな娘(こ)ですね 不孝ばかりですね もらった 恩さえ 返せずに 鉄橋を愛が 戻るまで わたしは 運命(さだめ)を 止めました 迷い込んだか 朱(あか)いとんぼよ 窓から放せば 星月夜 帰るのですか 帰らないのですか 都会は 地球の 裏だから 一年のはずが いつまでも わたしは その日を 待つでしょう | 永井裕子 | ちあき哲也 | 四方章人 | | 屋根で啼く山鳩が 突然啼きやんで もしやと身支度をすれば また啼く鳩よ… こんな夜更けの ひとり芝居に 幕引く痛さも もう慣れて 帰るのですか 帰らないのですか 秋桜(こすもす) 目映(まばゆ)い この町に 一年のはずが 三年も わたしは 数えて 待ちました 少年の眼差しで あなたが追う夢を わかってあげたくて ひとり 送った駅よ… 母が気を揉む 見合い話も 写真は手つかず 閉じたまま ばかな娘(こ)ですね 不孝ばかりですね もらった 恩さえ 返せずに 鉄橋を愛が 戻るまで わたしは 運命(さだめ)を 止めました 迷い込んだか 朱(あか)いとんぼよ 窓から放せば 星月夜 帰るのですか 帰らないのですか 都会は 地球の 裏だから 一年のはずが いつまでも わたしは その日を 待つでしょう |
しあわせ音頭ハアー 北に南に 東に西に 春は一番 歌が咲く 花は桜木 日本一の ちょいとその名の 上をゆく しあわせ音頭で しあわせ音頭で 晴れやかに ハアー 生まれ有明 そのお隣りで 浴びた産湯の 演歌節 買って出ましょう 旗振り役を とかく元気の ない浮世 しあわせ音頭で しあわせ音頭で ご一緒に ハアー もっとご縁が 出来ますように 野暮な意見は 無用です 老いも若きも 手に手をとって 踊る笑顔の あたたかさ しあわせ音頭で しあわせ音頭で 輪になって ハアー 今日と云う日は 昨日の明日 うまく例える ものですね 夢を追う人 一番偉い あなた好き好き みんな好き しあわせ音頭で しあわせ音頭で 高らかに | 永井裕子 | 坂口照幸 | 四方章人 | 前田俊明 | ハアー 北に南に 東に西に 春は一番 歌が咲く 花は桜木 日本一の ちょいとその名の 上をゆく しあわせ音頭で しあわせ音頭で 晴れやかに ハアー 生まれ有明 そのお隣りで 浴びた産湯の 演歌節 買って出ましょう 旗振り役を とかく元気の ない浮世 しあわせ音頭で しあわせ音頭で ご一緒に ハアー もっとご縁が 出来ますように 野暮な意見は 無用です 老いも若きも 手に手をとって 踊る笑顔の あたたかさ しあわせ音頭で しあわせ音頭で 輪になって ハアー 今日と云う日は 昨日の明日 うまく例える ものですね 夢を追う人 一番偉い あなた好き好き みんな好き しあわせ音頭で しあわせ音頭で 高らかに |
さすらい海峡恋をつらぬく 覚悟をきめて しのび発(だ)ちです… 港夜景が 遠ざかる 船は北国 小樽ゆき 泣くなとあなたに 抱きしめられりゃ なみだが溢(あふ)れる さすらい海峡 はぐれ鴎(かもめ)よ どこまで行くの 破れ翼で… 船と一緒の 浪のはて あれは漁火(いさりび) まぼろしか 見えない明日に いのちをかける しあわせ探しの さすらい海峡 弱いわたしを あなたにあずけ せめて一刻 (ひととき)… むすぶ仮寝の せつなさよ 風にまかせて 船泊り こゝろが搖れます 夜明けが寒い 霧笛が哭(な)いてる さすらい海峡 | 永井裕子 | 池田充男 | 四方章人 | 前田俊明 | 恋をつらぬく 覚悟をきめて しのび発(だ)ちです… 港夜景が 遠ざかる 船は北国 小樽ゆき 泣くなとあなたに 抱きしめられりゃ なみだが溢(あふ)れる さすらい海峡 はぐれ鴎(かもめ)よ どこまで行くの 破れ翼で… 船と一緒の 浪のはて あれは漁火(いさりび) まぼろしか 見えない明日に いのちをかける しあわせ探しの さすらい海峡 弱いわたしを あなたにあずけ せめて一刻 (ひととき)… むすぶ仮寝の せつなさよ 風にまかせて 船泊り こゝろが搖れます 夜明けが寒い 霧笛が哭(な)いてる さすらい海峡 |
旅路の女雨が降るから 泣けるのか 窓うつ汽笛が 泣かすのか 港 みなとを あなたたずねて 汽車から船に 春は瀬戸内 日が暮れて 汐鳴りきいてる かもめ宿 いつか逢えると 信じても 旅路の灯りに 瞳(め)がぬれる 港 みなとを あなたたずねて 女がひとり 浜のさびれた 居酒屋で お銚子ころがし 酒に泣く 西へ行っても だめだから 連絡船で 北へ行く 港 みなとを あなたたずねて 秋から冬へ 星が流れる 岬町 明日はしあわせ 見えますか… | 永井裕子 | たかたかし | 四方章人 | | 雨が降るから 泣けるのか 窓うつ汽笛が 泣かすのか 港 みなとを あなたたずねて 汽車から船に 春は瀬戸内 日が暮れて 汐鳴りきいてる かもめ宿 いつか逢えると 信じても 旅路の灯りに 瞳(め)がぬれる 港 みなとを あなたたずねて 女がひとり 浜のさびれた 居酒屋で お銚子ころがし 酒に泣く 西へ行っても だめだから 連絡船で 北へ行く 港 みなとを あなたたずねて 秋から冬へ 星が流れる 岬町 明日はしあわせ 見えますか… |
片恋しぐれ町酒のちからで 弾(はず)みをつけて それでどうなる 未練じゃないか なんなのなんです たかが恋ひとつ 弱虫毛虫 屋台の酒に 小犬もすり寄る しぐれ町 その場かぎりの やさしさだって いっそ戻ろか あんたの胸に よしてよよしましょ それはないじゃない 似たもの同士 誰でも迷子 この指とまれよ しぐれ町 ぐらりよろけて お不動さんに 片手拝みの 酔いどれ千鳥 いいのいいから 明日も風まかせ 涙をからめ 夢寄せ合えば 灯もゆれます しぐれ町 | 永井裕子 | 吉岡治 | 四方章人 | 前田俊明 | 酒のちからで 弾(はず)みをつけて それでどうなる 未練じゃないか なんなのなんです たかが恋ひとつ 弱虫毛虫 屋台の酒に 小犬もすり寄る しぐれ町 その場かぎりの やさしさだって いっそ戻ろか あんたの胸に よしてよよしましょ それはないじゃない 似たもの同士 誰でも迷子 この指とまれよ しぐれ町 ぐらりよろけて お不動さんに 片手拝みの 酔いどれ千鳥 いいのいいから 明日も風まかせ 涙をからめ 夢寄せ合えば 灯もゆれます しぐれ町 |
みちのく雪列車舞い散る雪が 手のひらで そっと涙に 変わります あなたと二人 夢を見た 街の灯りが 消えてゆく 凍てつく大地をひた走る みちのく雪列車 バカね バカね 意地をはるなんて 思い出だけが 降りしきる 俺など忘れ 故郷で きっと幸せ つかめよと 優しい声が トンネルを 越えて私を 抱きしめる 北国育ちの一途さよ みちのく雪列車 泣いて 泣いて 何も見えないわ あなたの愛が 遠ざかる 涙を積もらせひた走る みちのく雪列車 山が 風が 真っ白に泣いて あなたの愛が 遠ざかる | 永井裕子 | 上田紅葉 | 四方章人 | | 舞い散る雪が 手のひらで そっと涙に 変わります あなたと二人 夢を見た 街の灯りが 消えてゆく 凍てつく大地をひた走る みちのく雪列車 バカね バカね 意地をはるなんて 思い出だけが 降りしきる 俺など忘れ 故郷で きっと幸せ つかめよと 優しい声が トンネルを 越えて私を 抱きしめる 北国育ちの一途さよ みちのく雪列車 泣いて 泣いて 何も見えないわ あなたの愛が 遠ざかる 涙を積もらせひた走る みちのく雪列車 山が 風が 真っ白に泣いて あなたの愛が 遠ざかる |
愛のさくら記念日何も知らない 娘です さくら色した 娘です いつか汚れて しまうなら あなたの胸で 散りたい ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる 少女から 大人への 愛のさくら記念日 夢はいっぱい あるけれど あなた一人が 今は夢 心ひそかに 抱きしめた 色づく恋の 花びら ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる ふり積もれ ふり積もれ 愛のさくら記念日 風に吹かれて 散ってゆく 恋の命の 儚さを いつか私も 知るでしょう それまでどうか このまま ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる 少女から 大人への 愛のさくら記念日 | 永井裕子 | うえだもみじ | 四方章人 | | 何も知らない 娘です さくら色した 娘です いつか汚れて しまうなら あなたの胸で 散りたい ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる 少女から 大人への 愛のさくら記念日 夢はいっぱい あるけれど あなた一人が 今は夢 心ひそかに 抱きしめた 色づく恋の 花びら ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる ふり積もれ ふり積もれ 愛のさくら記念日 風に吹かれて 散ってゆく 恋の命の 儚さを いつか私も 知るでしょう それまでどうか このまま ほら…はらはらはらはら・・涙が 今…きらきらきらきら・・愛になる 少女から 大人への 愛のさくら記念日 |
菜の花情歌三日つづいた 西風が 夜の終わりに ふと止んで 窓を開けたら 一面に 菜の花咲いて 春でした これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしがきれいになったのが 陸を黄色に 染めたのは わたし迎えて ほしいから 千も万もの ハンカチを 並べたような つもりです これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしが本気になったのが 朧月夜の 菜の花は 恋のしとねに なるでしょうか そんな想いに 頬そめて 夢みて暮らす わたしです これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしの涙が光るのが | 永井裕子 | 阿久悠 | 四方章人 | 前田俊明 | 三日つづいた 西風が 夜の終わりに ふと止んで 窓を開けたら 一面に 菜の花咲いて 春でした これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしがきれいになったのが 陸を黄色に 染めたのは わたし迎えて ほしいから 千も万もの ハンカチを 並べたような つもりです これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしが本気になったのが 朧月夜の 菜の花は 恋のしとねに なるでしょうか そんな想いに 頬そめて 夢みて暮らす わたしです これなら沖から見えるでしょう 沖の舟からわかるでしょう わたしの涙が光るのが |
哀愁桟橋あの日あなたと ここへ来た 「もしや」に賭けたい 尋ね旅 どうして 教えて あなた その訳を 汽車を下りたら 終着駅の そこはもう海 哀愁桟橋 雨と思えば 雪になる 海から日暮れる 岬町 逆巻く波間に 小石 投げるよな 頼りない恋 わたしの恋は 想いとどかぬ 哀愁桟橋 船の別離(わかれ)は つらいから あんなに汽笛が むせぶのね どうして 教えて あなた 逢える日を 望み薄でも 北海岸の ここで春待つ 哀愁桟橋 | 永井裕子 | 坂口照幸 | 四方章人 | 前田俊明 | あの日あなたと ここへ来た 「もしや」に賭けたい 尋ね旅 どうして 教えて あなた その訳を 汽車を下りたら 終着駅の そこはもう海 哀愁桟橋 雨と思えば 雪になる 海から日暮れる 岬町 逆巻く波間に 小石 投げるよな 頼りない恋 わたしの恋は 想いとどかぬ 哀愁桟橋 船の別離(わかれ)は つらいから あんなに汽笛が むせぶのね どうして 教えて あなた 逢える日を 望み薄でも 北海岸の ここで春待つ 哀愁桟橋 |