まよい舟めぐり逢うのが さだめなら なぜに添えない 忍ぶ宿 月に一度が 十日に一度 あなた急いで 逢いたがる どこへ流れる まよい舟 浮舟かなしい 恋しぐれ たとえ夢でも いいのです いのち重ねて 行けるなら 帯をほどけば 情けに負けて もとの岸には 戻れない 舟はあなたの 腕まかせ まかせてせつない 恋模様 修羅の川でも 叶うなら 流れつきたい しあわせに 夢よ夢よね あなたの向こう 奪いきれない ひとがいる 揺れてゆられて まよい舟 浮舟かなしい 恋名残り | 鏡五郎 | 岡崎ふくみ | 徳久広司 | 前田俊明 | めぐり逢うのが さだめなら なぜに添えない 忍ぶ宿 月に一度が 十日に一度 あなた急いで 逢いたがる どこへ流れる まよい舟 浮舟かなしい 恋しぐれ たとえ夢でも いいのです いのち重ねて 行けるなら 帯をほどけば 情けに負けて もとの岸には 戻れない 舟はあなたの 腕まかせ まかせてせつない 恋模様 修羅の川でも 叶うなら 流れつきたい しあわせに 夢よ夢よね あなたの向こう 奪いきれない ひとがいる 揺れてゆられて まよい舟 浮舟かなしい 恋名残り |
人生車意地と人情(なさけ)の 二つの輪っか 弱音を吐けば 空廻り 今は半端な 火の車 俺は涙と 血の汗で いつかかならず いつかかならず 押し上げる 右に躓(つまず)き 左によろけ それでも俺は 前に出る 愚痴も言わずに 肩をかす そんなあの娘に 夢の花 せめて一枝(ひとえだ) 送らなきゃ 死ぬに死ねない 死ぬに死ねない 男なら 男いのちの 人生車 梶棒(かじぼう)離しゃ 後戻り 雨にずぶ濡れ 泥まみれ ここが根性の 見せどころ 辛抱二(ふた)文字 噛みしめて 俺は明日の 俺は明日の 虹をみる | 鏡五郎 | 松井由利夫 | 大沢浄二 | | 意地と人情(なさけ)の 二つの輪っか 弱音を吐けば 空廻り 今は半端な 火の車 俺は涙と 血の汗で いつかかならず いつかかならず 押し上げる 右に躓(つまず)き 左によろけ それでも俺は 前に出る 愚痴も言わずに 肩をかす そんなあの娘に 夢の花 せめて一枝(ひとえだ) 送らなきゃ 死ぬに死ねない 死ぬに死ねない 男なら 男いのちの 人生車 梶棒(かじぼう)離しゃ 後戻り 雨にずぶ濡れ 泥まみれ ここが根性の 見せどころ 辛抱二(ふた)文字 噛みしめて 俺は明日の 俺は明日の 虹をみる |
瞼の母軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす (セリフ) おかみさん、今何とか言いなすったね 親子の名のりが したかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねえぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは 無理な話しよ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んで もらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き (セリフ) 何を言ってやんでぇ 何が今更、忠太郎だ 何が倅でぇ 俺にゃおっ母は、いねぇんでぇ おっ母さんは、俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしい おっ母さんの面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんでぇ 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る (セリフ) おっ母さん | 鏡五郎 | 坂口ふみ緒 | 沢しげと | | 軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす (セリフ) おかみさん、今何とか言いなすったね 親子の名のりが したかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねえぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは 無理な話しよ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んで もらえぬような こんなやくざに 誰がしたんでぇ 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き (セリフ) 何を言ってやんでぇ 何が今更、忠太郎だ 何が倅でぇ 俺にゃおっ母は、いねぇんでぇ おっ母さんは、俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしい おっ母さんの面影が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ瞼をつむるんでぇ 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る (セリフ) おっ母さん |
残り雪ひとつ枕に 身をよせながら なぜに結べぬ さだめの糸よ 人目しのんだ 別れの旅も 今日で最後の あゝ 夢一夜(ひとよ) 情けに染まれ… 残り雪 灯りおとして 紅ひもとけば 匂うほのかな 湯上がり化粧 あとがつくほど この指噛んで すがるおまえが あゝ いじらしい 舞い散る恋の… 残り雪 燃えたふたりの 幾春秋(いくはるあき)が みんな夢なら 忘れもしよう 尽きぬなごりに 酒くみあえば いつか夜明けの あゝ 風の宿 命につもれ… 残り雪 | 鏡五郎 | 水木れいじ | 桜田誠一 | | ひとつ枕に 身をよせながら なぜに結べぬ さだめの糸よ 人目しのんだ 別れの旅も 今日で最後の あゝ 夢一夜(ひとよ) 情けに染まれ… 残り雪 灯りおとして 紅ひもとけば 匂うほのかな 湯上がり化粧 あとがつくほど この指噛んで すがるおまえが あゝ いじらしい 舞い散る恋の… 残り雪 燃えたふたりの 幾春秋(いくはるあき)が みんな夢なら 忘れもしよう 尽きぬなごりに 酒くみあえば いつか夜明けの あゝ 風の宿 命につもれ… 残り雪 |
刃傷松の廊下勅使下向(ちょくしげこう)の 春弥生(やよい) いかに果さん 勤めなん 身は饗応(きょうおう)の 大役ぞ 頼むは吉良(きら)と 思えども 彼(か)の振舞の 心なき 「各々方(おのおのがた) 各々方! お出合い そうらえ! 浅野殿 刃傷(にんじょう)にござるぞ!」 積る遺恨(いこん)を 堪忍(かんにん)の 二字で耐えたる 長矩(ながのり)も 武士には武士の 意気地あり 刃(やいば)に及ぶ 刃傷の 血涙(けつるい)悲し 松の廊下 「おはなし下され 梶川殿。 五万三千石 所領も捨て 家来も捨てての 刃傷でござる。 武士の情を ご存じあらば その手はなして 今一太刀(ひとたち) 討たせて下され 梶川殿…」 花の命を さながらに 赤穂三代 五十年 浅野の家も これまでか 君君(きみきみ)たらずとも 臣は臣 許せよ吾(われ)を この無念(むねん) | 鏡五郎 | 藤間哲郎 | 桜田誠一 | | 勅使下向(ちょくしげこう)の 春弥生(やよい) いかに果さん 勤めなん 身は饗応(きょうおう)の 大役ぞ 頼むは吉良(きら)と 思えども 彼(か)の振舞の 心なき 「各々方(おのおのがた) 各々方! お出合い そうらえ! 浅野殿 刃傷(にんじょう)にござるぞ!」 積る遺恨(いこん)を 堪忍(かんにん)の 二字で耐えたる 長矩(ながのり)も 武士には武士の 意気地あり 刃(やいば)に及ぶ 刃傷の 血涙(けつるい)悲し 松の廊下 「おはなし下され 梶川殿。 五万三千石 所領も捨て 家来も捨てての 刃傷でござる。 武士の情を ご存じあらば その手はなして 今一太刀(ひとたち) 討たせて下され 梶川殿…」 花の命を さながらに 赤穂三代 五十年 浅野の家も これまでか 君君(きみきみ)たらずとも 臣は臣 許せよ吾(われ)を この無念(むねん) |
道頓堀人情ふられたぐらいで 泣くのはあほや 呑んで忘れろ 雨の夜は 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は 未練捨てたら けじめをつけて きっぱり今日から 浪花に生きるのさ くちびるかんでも きのうは過去や わかるやつには わかってる 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は でんと構えた 通天閣は どっこい生きてる 浪花のど根性 三吉魂 あんたにあれば うちが小春に なりもしょう 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は ほれてつきあう 今夜の酒は まっ赤に流れる 浪花の心意気 | 鏡五郎 | 若山かほる | 山田年秋 | | ふられたぐらいで 泣くのはあほや 呑んで忘れろ 雨の夜は 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は 未練捨てたら けじめをつけて きっぱり今日から 浪花に生きるのさ くちびるかんでも きのうは過去や わかるやつには わかってる 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は でんと構えた 通天閣は どっこい生きてる 浪花のど根性 三吉魂 あんたにあれば うちが小春に なりもしょう 負けたらあかん 負けたらあかんで東京に 冷(つ)めとない やさしい街や道頓堀(とんぼり)は ほれてつきあう 今夜の酒は まっ赤に流れる 浪花の心意気 |
風花の宿春にはすこし 早いけど ひとりたずねる 山の宿 涙を湯舟に 落として泣けば 季節はずれの 風花が チラチラむなしい 風花の宿 強く抱かれて 幸せに 暮らすことさえ できません 胸にくすぶる 残り火さえも 逢えぬつらさに なお燃える どうすりゃいいのよ 風花の宿 命を燃やした 旅路の春を 酒に浮かべて 涙ぐむ 幸せうすい 運命(さだめ)が憎い | 鏡五郎 | 大沢浄二 | 大沢浄二 | | 春にはすこし 早いけど ひとりたずねる 山の宿 涙を湯舟に 落として泣けば 季節はずれの 風花が チラチラむなしい 風花の宿 強く抱かれて 幸せに 暮らすことさえ できません 胸にくすぶる 残り火さえも 逢えぬつらさに なお燃える どうすりゃいいのよ 風花の宿 命を燃やした 旅路の春を 酒に浮かべて 涙ぐむ 幸せうすい 運命(さだめ)が憎い |
夫婦盃遅れて来た春かみしめながら 久しぶりだね さしむかい 命ふたつのおもいで月夜… 苦労かけたと抱きよせて 夫婦 盃…おまえと 水いらず しがない俺らを男にすると 影に日向に 尽くす女房 命ふたつの裏町ぐらし… 湯の香ほんのり口紅させば 夫婦 盃…おまえは きれいだよ 川面のおしどりごらんよ おまえ 惚れて惚れぬく あの姿 命ふたつの 海山千里… 何処へ流れてゆこうとも 夫婦 盃…おまえと ふたりづれ | 鏡五郎 | 水木れいじ | 水森英夫 | | 遅れて来た春かみしめながら 久しぶりだね さしむかい 命ふたつのおもいで月夜… 苦労かけたと抱きよせて 夫婦 盃…おまえと 水いらず しがない俺らを男にすると 影に日向に 尽くす女房 命ふたつの裏町ぐらし… 湯の香ほんのり口紅させば 夫婦 盃…おまえは きれいだよ 川面のおしどりごらんよ おまえ 惚れて惚れぬく あの姿 命ふたつの 海山千里… 何処へ流れてゆこうとも 夫婦 盃…おまえと ふたりづれ |
雪の桜田門~あゝ井伊大老黒船前にして 江戸城は 攘夷開国(じょういかいこく) 揺れ動く たとえ刺客に 出逢うとも 男大老 決意する あ…… 明日の日本を 救える道は 開国以外に 道はなし (セリフ) 宵節句というに季節外れの雪ではござらぬか。 水戸の白梅が彦根の赤鬼を斬るには持ってこいの雪だ。 おのおの方、革新の大義をはたすには……「雨でもない」 ……「風でもない」……大雪あるのみじゃ めざすは大老(たいろう) ただ一人 水戸の浪士(ろうし)は 斬るという 時は三(さん)月 登城日と かたい約束 誓う酒 あ…… 菊は二度咲く 葵は枯れる 西からくつわの 音がする (セリフ) 諸大名の行列がと絶えたあとである。 めざす彦根の一隊が一本道具を先に立て、 およそ同勢六十人、いずれも赤合羽にかぶり笠、 「下にー下にー」と進み出た。 見物するように 見せかけて 彦根行列 駕籠(かご)を待つ 不意をつかれた 大老は 桜田門の 雪と散る あ…… 花の生涯 白刃の舞いに むなしく天誅(てんちゅう) 受けて死す | 鏡五郎 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 白石十四男 | 黒船前にして 江戸城は 攘夷開国(じょういかいこく) 揺れ動く たとえ刺客に 出逢うとも 男大老 決意する あ…… 明日の日本を 救える道は 開国以外に 道はなし (セリフ) 宵節句というに季節外れの雪ではござらぬか。 水戸の白梅が彦根の赤鬼を斬るには持ってこいの雪だ。 おのおの方、革新の大義をはたすには……「雨でもない」 ……「風でもない」……大雪あるのみじゃ めざすは大老(たいろう) ただ一人 水戸の浪士(ろうし)は 斬るという 時は三(さん)月 登城日と かたい約束 誓う酒 あ…… 菊は二度咲く 葵は枯れる 西からくつわの 音がする (セリフ) 諸大名の行列がと絶えたあとである。 めざす彦根の一隊が一本道具を先に立て、 およそ同勢六十人、いずれも赤合羽にかぶり笠、 「下にー下にー」と進み出た。 見物するように 見せかけて 彦根行列 駕籠(かご)を待つ 不意をつかれた 大老は 桜田門の 雪と散る あ…… 花の生涯 白刃の舞いに むなしく天誅(てんちゅう) 受けて死す |
鞍馬の火祭り夜空に火を吐く 大松明(だいたいまつ)を 背負えば男が 弾(はじ)けて燃える 俺の故郷(ふるさと) 鞍馬の火祭り 「祭礼(さいれい)や最良(さいりょう)」 「祭礼(さいれい)や最良(さいりょう)」 掛け声篝火 舞い散る火の粉 おやじが担(かつ)いだ 甲斐性松(かいしょうまつ)を 今夜はこの俺 度胸で担ぐ 裸一貫 鞍馬の火祭り 「祭礼や最良」「祭礼や最良」 命火燃やして 男を焦がす 男は千両 金(きん)張り神輿 あの娘は手松(てまつ)で 足元照らす 夢をゆさぶれ 鞍馬の火祭り 「祭礼や最良」「祭礼や最良」 根性ひとつで 祭りを飾る | 鏡五郎 | 鈴木信子 | 四方章人 | | 夜空に火を吐く 大松明(だいたいまつ)を 背負えば男が 弾(はじ)けて燃える 俺の故郷(ふるさと) 鞍馬の火祭り 「祭礼(さいれい)や最良(さいりょう)」 「祭礼(さいれい)や最良(さいりょう)」 掛け声篝火 舞い散る火の粉 おやじが担(かつ)いだ 甲斐性松(かいしょうまつ)を 今夜はこの俺 度胸で担ぐ 裸一貫 鞍馬の火祭り 「祭礼や最良」「祭礼や最良」 命火燃やして 男を焦がす 男は千両 金(きん)張り神輿 あの娘は手松(てまつ)で 足元照らす 夢をゆさぶれ 鞍馬の火祭り 「祭礼や最良」「祭礼や最良」 根性ひとつで 祭りを飾る |
おまえはかすみ草蔭であなたを 支える花に 私なるのと 微笑むおまえ いつも気ままで いつも勝手で 幸せやれぬ 俺なのに 尽くしてくれるよ いい女だ 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 夢に向って ひたすら歩く そんなあなたに 惚れたのと云う 苦労かけても 涙見せずに 笑顔でいつも 耐えている 可愛いい女だよ 離さない 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 ふたり咲いたら 目立って映える ひとりだけでは 映えないふたり いつも離れず 側にいてくれ いのちを重ね 暮らそうよ いつかは陽のさす 春が来る 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 | 鏡五郎 | 鈴木信子 | 奈和成悟 | 南郷達也 | 蔭であなたを 支える花に 私なるのと 微笑むおまえ いつも気ままで いつも勝手で 幸せやれぬ 俺なのに 尽くしてくれるよ いい女だ 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 夢に向って ひたすら歩く そんなあなたに 惚れたのと云う 苦労かけても 涙見せずに 笑顔でいつも 耐えている 可愛いい女だよ 離さない 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 ふたり咲いたら 目立って映える ひとりだけでは 映えないふたり いつも離れず 側にいてくれ いのちを重ね 暮らそうよ いつかは陽のさす 春が来る 一緒に咲こうよ おまえはかすみ草 |
男の流転針で刺すよな 世間の目より 痛い他国の 雪つぶて 他人(ひと)のうわさを 逃れる旅は すがるお前を みちづれに 流れ流れて 小樽 函館 男の流転 肩の寒さに 眠れぬ宿は 夢も凍える 軒つらら やせてやつれた お前の背中(せな)に 煎餅布団を 掛け直す 流れ流れて 北見 札幌 男の流転 明日(あす)が見えない 地吹雪だけど 止めば来る春 北の春 弱音吐いたら 柵(しがらみ)捨てて 恋に逃れた 甲斐がない 流れ流れて 根室 網走 男の流転 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 岡千秋 | 南郷達也 | 針で刺すよな 世間の目より 痛い他国の 雪つぶて 他人(ひと)のうわさを 逃れる旅は すがるお前を みちづれに 流れ流れて 小樽 函館 男の流転 肩の寒さに 眠れぬ宿は 夢も凍える 軒つらら やせてやつれた お前の背中(せな)に 煎餅布団を 掛け直す 流れ流れて 北見 札幌 男の流転 明日(あす)が見えない 地吹雪だけど 止めば来る春 北の春 弱音吐いたら 柵(しがらみ)捨てて 恋に逃れた 甲斐がない 流れ流れて 根室 網走 男の流転 |
浪花人情なんぼ上手に 儲(もう)けてみても 持って死なれる 銭はない 浪花人情 紙芝居…… 酔うて 見栄きる ド甲斐性なしに つくす可愛い ゝ おまえという女(おんな) 生まれついての 極楽トンボ 苦労水掛け 法善寺 浪花人情 しのび雨…… 愚痴もこぼさず 傘さしかけて ほろり泣かせる ゝ おまえという女 空を見上げりゃ 通天閣は ドンとどでかい 夢灯(とも)す 浪花人情 明日(あす)に咲け…… 肩を抱きよせ 行く花道に 春を呼ぶよな ゝ おまえという女 | 鏡五郎 | 水木れいじ | 岡千秋 | 馬場良 | なんぼ上手に 儲(もう)けてみても 持って死なれる 銭はない 浪花人情 紙芝居…… 酔うて 見栄きる ド甲斐性なしに つくす可愛い ゝ おまえという女(おんな) 生まれついての 極楽トンボ 苦労水掛け 法善寺 浪花人情 しのび雨…… 愚痴もこぼさず 傘さしかけて ほろり泣かせる ゝ おまえという女 空を見上げりゃ 通天閣は ドンとどでかい 夢灯(とも)す 浪花人情 明日(あす)に咲け…… 肩を抱きよせ 行く花道に 春を呼ぶよな ゝ おまえという女 |
春という名の女春よ来い 春よ来い 春よ早く来い‥ 物ごころつかない ガキの頃に 嫁いだ母の 俤しのべば こらえきれない この涙 風の便りに 苦労を重ねて 齢よりふけていたという 母は宿命に不似合いな 春という名の 女だった 「おまえに惚れたのは確かだ。 お前を倖せにしてやりてェ、 そうも 心底思っているんだ。 けどよう‥‥‥ このオレの心の奥底に、 もっと恋しい人がいるんだ。 ごめんよ、勘弁しておくれ‥‥‥ オレのお袋さんだよ。 “春よ来い 春よ来い来い 早く来い” オレの手を引きながら歌っていた、 あの時の俤と手の温み‥‥‥。 三つ四つで訣れた親をと、 お前は笑うかも知れねェが、 お袋を不倖せのままにして、 オレが倖せになるわけには いかねェんだよ。」 いつまでも 若くはないとすがる お前の言葉 忘れちゃいないが 待っておくれよ もう少し 白髪まじりの 賄い女が こんなに寒い冬の夜 枕ぬらしちゃいないかと 薄い縁でも 気にかかる 春よ来い 春よ来い 春よ早く来い 春よ早く来い‥‥‥ | 鏡五郎 | もず唱平 | 遠藤実 | | 春よ来い 春よ来い 春よ早く来い‥ 物ごころつかない ガキの頃に 嫁いだ母の 俤しのべば こらえきれない この涙 風の便りに 苦労を重ねて 齢よりふけていたという 母は宿命に不似合いな 春という名の 女だった 「おまえに惚れたのは確かだ。 お前を倖せにしてやりてェ、 そうも 心底思っているんだ。 けどよう‥‥‥ このオレの心の奥底に、 もっと恋しい人がいるんだ。 ごめんよ、勘弁しておくれ‥‥‥ オレのお袋さんだよ。 “春よ来い 春よ来い来い 早く来い” オレの手を引きながら歌っていた、 あの時の俤と手の温み‥‥‥。 三つ四つで訣れた親をと、 お前は笑うかも知れねェが、 お袋を不倖せのままにして、 オレが倖せになるわけには いかねェんだよ。」 いつまでも 若くはないとすがる お前の言葉 忘れちゃいないが 待っておくれよ もう少し 白髪まじりの 賄い女が こんなに寒い冬の夜 枕ぬらしちゃいないかと 薄い縁でも 気にかかる 春よ来い 春よ来い 春よ早く来い 春よ早く来い‥‥‥ |
天翔の舞天に羽ばたけ 星雲越えて 芸にいのちを 賭けて翔べ 夢は雄々(おお)しく 新たな世紀(とし)の 檜舞台を 踏みしめながら あゝ天翔の 晴れの門出の 舞い姿 浮世荒波 艱難辛苦(かんなんしんく) おとこ一代 受けて立つ 望み豊かな 明るい御代(みよ)に 燃える心を 一途に生きる あゝ天翔の 祝賀重ねて 四季を舞う 光り輝く 黎明(よあけ)の空に 昇る金龍 雲の果て 千代に栄えて 吉祥天(きっしょうてん)の 雅極める 男の姿 あゝ天翔の 宴(うたげ)寿(ことほ)ぐ 舞い扇 | 鏡五郎 | 浜大介 | 山中博 | 鈴木英明 | 天に羽ばたけ 星雲越えて 芸にいのちを 賭けて翔べ 夢は雄々(おお)しく 新たな世紀(とし)の 檜舞台を 踏みしめながら あゝ天翔の 晴れの門出の 舞い姿 浮世荒波 艱難辛苦(かんなんしんく) おとこ一代 受けて立つ 望み豊かな 明るい御代(みよ)に 燃える心を 一途に生きる あゝ天翔の 祝賀重ねて 四季を舞う 光り輝く 黎明(よあけ)の空に 昇る金龍 雲の果て 千代に栄えて 吉祥天(きっしょうてん)の 雅極める 男の姿 あゝ天翔の 宴(うたげ)寿(ことほ)ぐ 舞い扇 |
夫婦劇場俺に甲斐性が あったなら とおに倖せ やれたろに 夫婦劇場 ないないづくし 着のみ着のまま つれ添って いくつ越えたか 苦労坂 愚痴のひとつも こぼさずに 他人は他人だとついて来た 夫婦劇場 ないないづくし 春と想えば 冬が来て 酒のうまさが わかる歳 ごらん緑の あの松葉 ふたりづれだよ 枯れるまで 夫婦劇場 ないないづくし 泣いて 笑った 人生に 明日は陽がさす 花が咲く | 鏡五郎 | 水木れいじ | 松浦孝之 | 馬場良 | 俺に甲斐性が あったなら とおに倖せ やれたろに 夫婦劇場 ないないづくし 着のみ着のまま つれ添って いくつ越えたか 苦労坂 愚痴のひとつも こぼさずに 他人は他人だとついて来た 夫婦劇場 ないないづくし 春と想えば 冬が来て 酒のうまさが わかる歳 ごらん緑の あの松葉 ふたりづれだよ 枯れるまで 夫婦劇場 ないないづくし 泣いて 笑った 人生に 明日は陽がさす 花が咲く |
おしどり人生こんなド阿呆に 惚れたも阿呆よ 抱けばうなずく 恋女房 おしどり人生 二十年 泣いて笑うて 憂き世坂 命ふたつで 越えてきた おまえ…おまえ… 咲いてうれしい 夫婦花 金も甲斐性も ないない尽くし みんな承知で ついて来た おしどり人生 幕あきは 着のみ着のまま 飲みほした やぶれ屋台の 契り酒 おまえ…おまえ… 幾度腹では 詫びたやら 苦労くの字に 身を折らりょうと 松のみどりは 天をさす おしどり人生 悔いはない 明日も頼むと 肩よせりゃ 春のうす陽が 目にしみる おまえ…おまえ… この手離すな いつまでも | 鏡五郎 | 水木れいじ | 久保進一 | 池多孝春 | こんなド阿呆に 惚れたも阿呆よ 抱けばうなずく 恋女房 おしどり人生 二十年 泣いて笑うて 憂き世坂 命ふたつで 越えてきた おまえ…おまえ… 咲いてうれしい 夫婦花 金も甲斐性も ないない尽くし みんな承知で ついて来た おしどり人生 幕あきは 着のみ着のまま 飲みほした やぶれ屋台の 契り酒 おまえ…おまえ… 幾度腹では 詫びたやら 苦労くの字に 身を折らりょうと 松のみどりは 天をさす おしどり人生 悔いはない 明日も頼むと 肩よせりゃ 春のうす陽が 目にしみる おまえ…おまえ… この手離すな いつまでも |
浪花春秋通天閣を 見上げる町で お前に逢って ほだされて ゴンタ納めた 二十一 浪花春秋 八方破れ 果ての果て 凌ぐ情が オレにはあった 世間のそしり 背にうけながら お前と越えた 山坂は あかり憚る 獣道 浪花春秋 切ない夜は願かけて この掌あわせた あゝ法善寺 人より勝る ところはないが お前と酒を くみかわす 宵の一献 宝だよ 浪花春秋 これから先も その先も 縁でこそあれ 夫婦の絆 | 鏡五郎 | もず唱平 | 叶弦大 | | 通天閣を 見上げる町で お前に逢って ほだされて ゴンタ納めた 二十一 浪花春秋 八方破れ 果ての果て 凌ぐ情が オレにはあった 世間のそしり 背にうけながら お前と越えた 山坂は あかり憚る 獣道 浪花春秋 切ない夜は願かけて この掌あわせた あゝ法善寺 人より勝る ところはないが お前と酒を くみかわす 宵の一献 宝だよ 浪花春秋 これから先も その先も 縁でこそあれ 夫婦の絆 |
人生一代男花演歌ひとすじ やるぞと決めて 浮世こがらし 流し唄 通天閣の赤い灯よりも 燃えるこの花 男花 引くな人生 俺の道 縄ののれんに 肩叩かれて くぐる横町の 屋台酒 陰にまわって 支えてくれた 可愛いお前が いればこそ 真一輪 花となる 俺の出番と 薄陽がさせば 廻り舞台の 幕が開く 道頓堀の 水面に映す 度胸千両の 晴れ姿 人生一代 男花 | 鏡五郎 | 久保進一 | 山田年秋 | | 演歌ひとすじ やるぞと決めて 浮世こがらし 流し唄 通天閣の赤い灯よりも 燃えるこの花 男花 引くな人生 俺の道 縄ののれんに 肩叩かれて くぐる横町の 屋台酒 陰にまわって 支えてくれた 可愛いお前が いればこそ 真一輪 花となる 俺の出番と 薄陽がさせば 廻り舞台の 幕が開く 道頓堀の 水面に映す 度胸千両の 晴れ姿 人生一代 男花 |
いで湯の宿湯舟に浮かぶ 三日月を 手桶で掬(すく)い 湯を浴びる きれいな肌で 抱かれたい 最後なら… もう戻れない 元の二人に いで湯の宿 障子の陰の 虫の音(ね)は 私の胸の しのび泣き 浴衣の袖を 押し当てて 乱れたら… もう見られない 夢の続きは いで湯の宿 別れの朝は 明けたのに 袂(たもと)に隠す 時刻表 汽笛はここで 聴くつもり 辛いから… もう戻れない 元の二人に いで湯の宿 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 久保進一 | 佐伯亮 | 湯舟に浮かぶ 三日月を 手桶で掬(すく)い 湯を浴びる きれいな肌で 抱かれたい 最後なら… もう戻れない 元の二人に いで湯の宿 障子の陰の 虫の音(ね)は 私の胸の しのび泣き 浴衣の袖を 押し当てて 乱れたら… もう見られない 夢の続きは いで湯の宿 別れの朝は 明けたのに 袂(たもと)に隠す 時刻表 汽笛はここで 聴くつもり 辛いから… もう戻れない 元の二人に いで湯の宿 |
うちの女房女将さん うれしいよ 燗の地酒に 風呂吹きかぶら 久しぶりだよ 我が家の気分 こんな夜は 想い出す 一ツ違いの姉さん女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 今だって 惚の字だよ 咲くも咲かぬも 人生ドラマ あたし脇役 あなたが主役 なんていい このオレを 立ててくれたよ過ぎたる女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 もう一度 逢いたいよ この手握って 今わの際に 忘れ形見を 泣かせぬために 好い人を 探してと 笑顔無理して作った女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 | 鏡五郎 | もず唱平 | 市川昭介 | 馬場良 | 女将さん うれしいよ 燗の地酒に 風呂吹きかぶら 久しぶりだよ 我が家の気分 こんな夜は 想い出す 一ツ違いの姉さん女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 今だって 惚の字だよ 咲くも咲かぬも 人生ドラマ あたし脇役 あなたが主役 なんていい このオレを 立ててくれたよ過ぎたる女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 もう一度 逢いたいよ この手握って 今わの際に 忘れ形見を 泣かせぬために 好い人を 探してと 笑顔無理して作った女房(にょうぼう) できたヤツだった あゝうちの女房 |
恋女房昔かたぎの 気ままな俺に 愚痴もこぼさず 尽くしてくれた そんな女は お前だけ お前がひとり… 今は眸と眸で こころがわかる 俺の大事な 恋女房 出世なんかは 二の次ですと いつも笑顔で ささえてくれた そんな女は お前だけ お前がひとり… きっと返すぜ 苦労の借りは 俺にゃ過ぎてる 恋女房 夢があるから 倖せですと 傍に寄り添い 酌してくれる そんな女は お前だけ お前がひとり… ふたり歩こう これから先も 俺にゃ自慢の 恋女房 | 鏡五郎 | 仁井谷俊也 | 影山時則 | 佐伯亮 | 昔かたぎの 気ままな俺に 愚痴もこぼさず 尽くしてくれた そんな女は お前だけ お前がひとり… 今は眸と眸で こころがわかる 俺の大事な 恋女房 出世なんかは 二の次ですと いつも笑顔で ささえてくれた そんな女は お前だけ お前がひとり… きっと返すぜ 苦労の借りは 俺にゃ過ぎてる 恋女房 夢があるから 倖せですと 傍に寄り添い 酌してくれる そんな女は お前だけ お前がひとり… ふたり歩こう これから先も 俺にゃ自慢の 恋女房 |
酒しぐれいくら惚れても 尽くしても 所詮結べぬ えにし糸 酔えば未練が なおさらつのる 女ひとりの 夜ふけごろ 指にこぼれる ああ 酒しぐれ 男ごころの 嘘・まこと 知らぬうぶでは ないけれど 風の音にも かすかに痛む 夢の数かず 思い出を なんで濡らすか ああ 酒しぐれ 吐息まじりの こぼれ灯が 路地に咲いてる 花暖簾 忘れきれない 面影ばかり 浮かぶお猪口を 何としょう 胸にそぼ降る ああ 酒しぐれ | 鏡五郎 | 関口義明 | 宮下健治 | 佐伯亮 | いくら惚れても 尽くしても 所詮結べぬ えにし糸 酔えば未練が なおさらつのる 女ひとりの 夜ふけごろ 指にこぼれる ああ 酒しぐれ 男ごころの 嘘・まこと 知らぬうぶでは ないけれど 風の音にも かすかに痛む 夢の数かず 思い出を なんで濡らすか ああ 酒しぐれ 吐息まじりの こぼれ灯が 路地に咲いてる 花暖簾 忘れきれない 面影ばかり 浮かぶお猪口を 何としょう 胸にそぼ降る ああ 酒しぐれ |
漁火の宿わかれ盃 なみだで干して 返すお前の 移り紅 海に揺れてる 灯火(あかり)のように 燃えて死ねたら いいと言う 窓にちらちら 漁火の宿 肌を初めて 交わした夜も 同じ今夜の 宿枕 髪の乱れを 恥らいながら 梳(と)かすお前の 肩越しに 燃えてあかあか 漁火の宿 貸した手枕 お前は外し ひとり夜明けに 旅支度 わかれ化粧の 鏡の中に 映る灯火(あかり)は 残り火か 沖にゆらゆら 漁火の宿 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 影山時則 | 前田俊明 | わかれ盃 なみだで干して 返すお前の 移り紅 海に揺れてる 灯火(あかり)のように 燃えて死ねたら いいと言う 窓にちらちら 漁火の宿 肌を初めて 交わした夜も 同じ今夜の 宿枕 髪の乱れを 恥らいながら 梳(と)かすお前の 肩越しに 燃えてあかあか 漁火の宿 貸した手枕 お前は外し ひとり夜明けに 旅支度 わかれ化粧の 鏡の中に 映る灯火(あかり)は 残り火か 沖にゆらゆら 漁火の宿 |
なみだ川川面に揺れる かがり火は 女心の 残り火か これが最後の 恋一夜(ひとよ) たとえ死んでも 忘れない 鵜飼(うかい)い木曾川 なみだ川 枕の下の せせらぎを 聞いて眠れぬ せつなさよ せめて今夜は 夜明けまで 甘えさせてね 抱きしめて 未練木曾川 なみだ川 あなたとならば どこまでも 苦労七瀬(ななせ)も 越えられた 噂しぶきに 身をもまれ 手漕(てこ)ぎ笹舟(ささぶね) どこへゆく 別れ木曾川 なみだ川 | 鏡五郎 | 下地亜記子 | 四方章人 | 前田俊明 | 川面に揺れる かがり火は 女心の 残り火か これが最後の 恋一夜(ひとよ) たとえ死んでも 忘れない 鵜飼(うかい)い木曾川 なみだ川 枕の下の せせらぎを 聞いて眠れぬ せつなさよ せめて今夜は 夜明けまで 甘えさせてね 抱きしめて 未練木曾川 なみだ川 あなたとならば どこまでも 苦労七瀬(ななせ)も 越えられた 噂しぶきに 身をもまれ 手漕(てこ)ぎ笹舟(ささぶね) どこへゆく 別れ木曾川 なみだ川 |
雪桜情けの糸は むすべても たぐれば切れる 縁(えにし)の糸よ 好きで添えない おまえとふたり しんしん しんみり わかれ酒 燃えて燃えて散れ散れ あゝ 雪桜 灯りを消して 帯とけば ほのかに匂う 湯上り化粧 おまえひとりが こころの妻と しんしん静かに 抱きよせる 燃えて燃えて散れ散れ あゝ 雪の華 小指に残る 口紅(べに)のあと 夢なら泣いて 忘れもしよう 尽きぬなごりを 瞳(め)と瞳(め)で語りゃ しんしんしらじら 夜が明ける 燃えて燃えて散れ散れ あゝ なみだ雪 | 鏡五郎 | 水木れいじ | 四方章人 | 前田俊明 | 情けの糸は むすべても たぐれば切れる 縁(えにし)の糸よ 好きで添えない おまえとふたり しんしん しんみり わかれ酒 燃えて燃えて散れ散れ あゝ 雪桜 灯りを消して 帯とけば ほのかに匂う 湯上り化粧 おまえひとりが こころの妻と しんしん静かに 抱きよせる 燃えて燃えて散れ散れ あゝ 雪の華 小指に残る 口紅(べに)のあと 夢なら泣いて 忘れもしよう 尽きぬなごりを 瞳(め)と瞳(め)で語りゃ しんしんしらじら 夜が明ける 燃えて燃えて散れ散れ あゝ なみだ雪 |
赤垣源蔵・徳利の別れ一升徳利を 手土産に 雪降る中を 饅頭笠 これが今生の 別れなら 酒で敷居は 高けれど 兄をたずねる 暇乞い (セリフ)義姉上さま 赤穂浪人 呑んべえのこの赤垣源蔵 やっと仕官が叶い、お別れに参上致しました。 兄上がお留守とあらば、そこに掛った小袖を兄上と思い、 別れの酒を一献傾けとうござりまする。 人は一代 武士は その名を惜しめ 末代も 下手な謡曲を 口ずさみ 膳を間に 懐しき 黒の小袖と 差し向い (セリフ)明十五日 寅の刻 吉良邸へ討入り致します。 二度と生きては戻れぬ身ならば、 せめて せめて一目なりともお逢いいたし 別れの酒を酌み交しとうございました。兄上様! 明日の討入り 身仕度を 急かせて鳴るか 鐘七つ 残る浮世の 未練やら 払う先から 降り積もる 雪が重たい 赤合羽 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 保田幸司郎 | | 一升徳利を 手土産に 雪降る中を 饅頭笠 これが今生の 別れなら 酒で敷居は 高けれど 兄をたずねる 暇乞い (セリフ)義姉上さま 赤穂浪人 呑んべえのこの赤垣源蔵 やっと仕官が叶い、お別れに参上致しました。 兄上がお留守とあらば、そこに掛った小袖を兄上と思い、 別れの酒を一献傾けとうござりまする。 人は一代 武士は その名を惜しめ 末代も 下手な謡曲を 口ずさみ 膳を間に 懐しき 黒の小袖と 差し向い (セリフ)明十五日 寅の刻 吉良邸へ討入り致します。 二度と生きては戻れぬ身ならば、 せめて せめて一目なりともお逢いいたし 別れの酒を酌み交しとうございました。兄上様! 明日の討入り 身仕度を 急かせて鳴るか 鐘七つ 残る浮世の 未練やら 払う先から 降り積もる 雪が重たい 赤合羽 |
深川しぐれ橋帯の結び目 逆手で締めて 霧をひと吹き 潔め酒 情け着流し 男の道は 胸に三寸 ぶちこんだ 義理の楔が 義理の楔が 守り札 (セリフ)生きるのも けじめ 死ぬのも けじめ けじめだけはきっちりとつけて 男の道を歩いて行こうと思っております 男いのちの 観音開き 好いた惚れたじゃ 閉じられぬ 酒の力を 借りてじゃないが すがる片袖 ふりはらい 涙ひとつぶ 涙ひとつぶ 反古にする (セリフ)涙は瞼でとめて 言いたいことは呑みこんで それでいいんだ それがあいつのあいつのためなんだ 一度かぎりで 二度ない浮世 濡れりゃ躓く 戻り雨 花は散るから その実が残る 意地のけじめは きっちりと つけて辰巳の つけて辰巳の しぐれ橋 | 鏡五郎 | 松井由利夫 | 吉田矢健治 | | 帯の結び目 逆手で締めて 霧をひと吹き 潔め酒 情け着流し 男の道は 胸に三寸 ぶちこんだ 義理の楔が 義理の楔が 守り札 (セリフ)生きるのも けじめ 死ぬのも けじめ けじめだけはきっちりとつけて 男の道を歩いて行こうと思っております 男いのちの 観音開き 好いた惚れたじゃ 閉じられぬ 酒の力を 借りてじゃないが すがる片袖 ふりはらい 涙ひとつぶ 涙ひとつぶ 反古にする (セリフ)涙は瞼でとめて 言いたいことは呑みこんで それでいいんだ それがあいつのあいつのためなんだ 一度かぎりで 二度ない浮世 濡れりゃ躓く 戻り雨 花は散るから その実が残る 意地のけじめは きっちりと つけて辰巳の つけて辰巳の しぐれ橋 |
大前田英五郎馬鹿な片意地 互いに張って なんで大事な 命を捨てる 野暮な喧嘩を 度胸で分けて 顔で治める 男伊達 生まれ上州 生まれ上州 大前田 「意地だ 義理だと角突き合わせて 親から貰った大事な躰、 粗末にしちゃあいけませんぜ。 ここはこの大前田の顔に免じて 引いちゃあくれませんか。」 悪さしたのも 若気の至り 付いた綽名が 火の玉小僧 二度と抜かぬと 長脇差に 結ぶ封印 こより糸 月も知ってる 月も知ってる 心意気 「雁も最後は生まれ故郷の土になるってなぁ。 鳥でさえそうなら 里心がつくのは当り前。 生まれ在所の上州へ明日は帰ろうか。 故里で最後のひと咲き それが男と言う者じゃあござんせんか。」 赤城おろしが 身に沁む頃か 捨てて出て来た 上州在は せめて最後は 故郷の空に 咲いて散りたい 男花 戻り草鞋の 戻り草鞋の 英五郎 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 宮下健治 | | 馬鹿な片意地 互いに張って なんで大事な 命を捨てる 野暮な喧嘩を 度胸で分けて 顔で治める 男伊達 生まれ上州 生まれ上州 大前田 「意地だ 義理だと角突き合わせて 親から貰った大事な躰、 粗末にしちゃあいけませんぜ。 ここはこの大前田の顔に免じて 引いちゃあくれませんか。」 悪さしたのも 若気の至り 付いた綽名が 火の玉小僧 二度と抜かぬと 長脇差に 結ぶ封印 こより糸 月も知ってる 月も知ってる 心意気 「雁も最後は生まれ故郷の土になるってなぁ。 鳥でさえそうなら 里心がつくのは当り前。 生まれ在所の上州へ明日は帰ろうか。 故里で最後のひと咲き それが男と言う者じゃあござんせんか。」 赤城おろしが 身に沁む頃か 捨てて出て来た 上州在は せめて最後は 故郷の空に 咲いて散りたい 男花 戻り草鞋の 戻り草鞋の 英五郎 |
天野屋利兵衛男同士の 約束ごとは 髪に書かずに 腹に書く ご恩ある身の 大石様の 隠しことなら 頼みなら 口が裂けても 漏らしゃせぬ 天野屋利兵衛は 男でござる ここで一言 漏らしたならば 赤穂浪士の皆々様の 長の苦労が 水の泡 吉良の屋敷へ 討入り道具 妻子に類が 及ぼとままよ 知らぬ存ぜぬ 押し通す 命 命捨て身の 天野屋利兵衛 (セリフ)「えゝ! 去る十五日未明 大石内蔵助様を始め赤穂浪士の方々が 吉良様のお屋敷に討入り。見事にご本懐を遂げられた…と。 ご奉行様、それは真実にござりまするか…。 ああ 有難や これで天野屋の浮き世の義理と男の意地が立ちました。 今となれば隠しごとの何もかも 何もかも包み隠さず申し上げます。」 受けた情けは この世で返す 借りちゃおけない あの世まで 儲けご破算 算盤捨てた 刀 差さない 商人の これがせめての お助太刀 天野屋利兵衛は 男でござる (セリフ)「見込んだりやな内蔵助 見込まれたりや天野屋利兵衛」 | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 保田幸司郎 | | 男同士の 約束ごとは 髪に書かずに 腹に書く ご恩ある身の 大石様の 隠しことなら 頼みなら 口が裂けても 漏らしゃせぬ 天野屋利兵衛は 男でござる ここで一言 漏らしたならば 赤穂浪士の皆々様の 長の苦労が 水の泡 吉良の屋敷へ 討入り道具 妻子に類が 及ぼとままよ 知らぬ存ぜぬ 押し通す 命 命捨て身の 天野屋利兵衛 (セリフ)「えゝ! 去る十五日未明 大石内蔵助様を始め赤穂浪士の方々が 吉良様のお屋敷に討入り。見事にご本懐を遂げられた…と。 ご奉行様、それは真実にござりまするか…。 ああ 有難や これで天野屋の浮き世の義理と男の意地が立ちました。 今となれば隠しごとの何もかも 何もかも包み隠さず申し上げます。」 受けた情けは この世で返す 借りちゃおけない あの世まで 儲けご破算 算盤捨てた 刀 差さない 商人の これがせめての お助太刀 天野屋利兵衛は 男でござる (セリフ)「見込んだりやな内蔵助 見込まれたりや天野屋利兵衛」 |
なぁ…お前お前がいたから ここまで来れた 運命の星に 生まれて育ち 俺の宝に なった女房 苦労ばなしが つれあいと 言えば二人の 言えば二人の瞳がうるむ やさしい心に 出逢って惚れた 貴方の肩に つかまりながら まわり道でも かまわない 貴方まかせの 幸せに ついて行きます ついて行きますどこまでも 涙を連れ添う 人生航路 お前の杖に ならせておくれ なにを今更 ねえ あんた 夢を浮かべる 夫婦酒 俺にゃすぎるぜ 俺にゃすぎるぜ なあ お前 | 鏡五郎 | 長内譲 | 山崎剛昭 | 前田俊明 | お前がいたから ここまで来れた 運命の星に 生まれて育ち 俺の宝に なった女房 苦労ばなしが つれあいと 言えば二人の 言えば二人の瞳がうるむ やさしい心に 出逢って惚れた 貴方の肩に つかまりながら まわり道でも かまわない 貴方まかせの 幸せに ついて行きます ついて行きますどこまでも 涙を連れ添う 人生航路 お前の杖に ならせておくれ なにを今更 ねえ あんた 夢を浮かべる 夫婦酒 俺にゃすぎるぜ 俺にゃすぎるぜ なあ お前 |
ひとり雨連れは一日 遅れて来ると その場つくろう つくり言 湯宿にいつか ひとり雨 泣きに来たのを 気付かれまいと 女ごころの あー 見栄を張る 呑めもせぬのに 頼んでみたが やはり余って 燗冷まし ひと夜が長い ひとり宿 障子閉めても 雨音までが またも貴方の あー 声になる 湯冷めしたのか 髪まで冷える 添い寝するよに 抱き枕 夜通し窓に ひとり雨 愛を覚えた 女の肌が 声を忍ばせ あー 夜泣きする | 鏡五郎 | 木下龍太郎 | 保田幸司郎 | | 連れは一日 遅れて来ると その場つくろう つくり言 湯宿にいつか ひとり雨 泣きに来たのを 気付かれまいと 女ごころの あー 見栄を張る 呑めもせぬのに 頼んでみたが やはり余って 燗冷まし ひと夜が長い ひとり宿 障子閉めても 雨音までが またも貴方の あー 声になる 湯冷めしたのか 髪まで冷える 添い寝するよに 抱き枕 夜通し窓に ひとり雨 愛を覚えた 女の肌が 声を忍ばせ あー 夜泣きする |
露地裏からからと木枯らしに 泣きながら 空き缶がとぶ板を ころがった 踏まれても 踏まれても それが浮世のさだめなら 裾のほこりはなぁ・・・ 笑ってはたこうぜ 古傷に沁みるのさ その演歌は 置き去りのあのひとを 思い出す 好きだって 好きだって 二度と帰らぬ 故郷なら 罪なたよりはなぁ・・・ 出さずにすまそうぜ しんしんと降りしきる 雪をみて 露地裏の居酒屋で 酒を呑む 辛くても 辛くても 明日に希望が あるのなら 今日の苦労はなぁ・・・ 黙ってたえようぜ | 鏡五郎 | 海老原秀元 | 桜田誠一 | | からからと木枯らしに 泣きながら 空き缶がとぶ板を ころがった 踏まれても 踏まれても それが浮世のさだめなら 裾のほこりはなぁ・・・ 笑ってはたこうぜ 古傷に沁みるのさ その演歌は 置き去りのあのひとを 思い出す 好きだって 好きだって 二度と帰らぬ 故郷なら 罪なたよりはなぁ・・・ 出さずにすまそうぜ しんしんと降りしきる 雪をみて 露地裏の居酒屋で 酒を呑む 辛くても 辛くても 明日に希望が あるのなら 今日の苦労はなぁ・・・ 黙ってたえようぜ |
ふたりの花道酒じゃ消せない心の憂さも おまえいりゃこそ 耐えられた 日陰町から苦労坂 ささえてくれたね永いこと 今日からふたりのふたりの花道を 他人に踏まれた世渡り下手の どこに惚れたか恋女房 つらい世間にすねていた 似たもの同士と言うおまえ 今日からふたりのふたりの花道を 敷居またげば男の世界 あとは頼むよこれからも 晴れの門出と抱きよせて 見上げる夜空に春の月 今日からふたりのふたりの花道を | 鏡五郎 | 水木れいじ | 久保進一 | | 酒じゃ消せない心の憂さも おまえいりゃこそ 耐えられた 日陰町から苦労坂 ささえてくれたね永いこと 今日からふたりのふたりの花道を 他人に踏まれた世渡り下手の どこに惚れたか恋女房 つらい世間にすねていた 似たもの同士と言うおまえ 今日からふたりのふたりの花道を 敷居またげば男の世界 あとは頼むよこれからも 晴れの門出と抱きよせて 見上げる夜空に春の月 今日からふたりのふたりの花道を |