舞化粧藤野とし恵 | 藤野とし恵 | 木下龍太郎 | 蔦将包 | | 女ごころの 煩悩(ぼんのう)は 何で拭いたら 取れますか 灰になるまで 燃えるのが 憎い女の 性(さが)ですか いまは他人の あの人が 忘れられずに 薬王坂(やっこうざか) 転びながらも ひとり越え 冬の鞍馬の雪に舞う ああ 未練舞い 百と八つの 鐘の音は 迷い断ち切る 音ですか 消えぬ時には 私だけ 鐘を撞(つ)かせて くれますか 浮いた浮いたの 木屋町の 恋はひと夜の 冬桜 雪に散り敷く 徒花(あだばな)と 承知しながら後を引く ああ 乱れ舞い みれん走り根 木の根道 草履取られて 足袋はだし 幹にすがって 立ち上がり 暮れの貴船(きぶね)の雪に舞う ああ 女舞い |
男の航路氷川きよし | 氷川きよし | たきのえいじ | 蔦将包 | 蔦将包 | 花と嵐の 雨風に 打たれて男の 顔になる 人の姿が 鏡なら 映る己れも また鏡 夢が積み荷の 男の航路 意地を通せば 角が立つ 弱音を吐いたら 笑われる そんな浮世の 片隅で 浴びた苦労の 一文字 胸に収めて 男の航路 思いがけずに 受けた恩 何度も心で 手を合わす 右か左か 迷うなら 前に向かって まっしぐら 明日に漕ぎ出す 男の航路 |
かたくりの花森若里子 | 森若里子 | 大久保與志雄 | 蔦将包 | 蔦将包 | 雪の重さを 耐え抜いて 冬の終わりを 告げるよに うすむらさきの 花が咲く あなたのやさしい 微笑みが 明日(あす)の私の 道しるべ 春を呼ぶ 春を呼ぶ かたくりの花 たとえどんなに 辛くても つなぐ手と手は 離さずに 生きてきました 寄り添って ふたりが出逢った この町で 悔し涙を ばねにして 幸せを 幸せを つかみたい 寒い季節を 乗り越えて やっと開いた 花ひとつ うすむらさきの 春だより 縁(えにし)を結んだ ふたりなら ともにこの道 どこまでも 春を呼ぶ 春を呼ぶ かたくりの花 |
さだめの海瀬口侑希 | 瀬口侑希 | 本橋夏蘭 | 蔦将包 | 竹内弘一 | 背伸びしたって 見えぬ明日(あす) ふたりの暦(こよみ)は 捲(めく)れない 宿命(さだめ)と云う名の あなたの海に 心もからだも 投げ出したのは 霧に霞んだ 夜でした 幸せそれとも 不幸せ どうして世間が 決めるのか 宿命(さだめ)と云う名の あなたの海で 燃えてもだえて 溺れるほどに 思慕(おもい)なおさら 深くなる 離れられない 離れない この世で添えない ふたりなら 宿命(さだめ)と云う名の あなたの海を 小舟に揺られて 抗(あらが)いながら たどり着きたい 次の世へ |
雨恋花藤野とし恵 | 藤野とし恵 | 木下龍太郎 | 蔦将包 | 南郷達也 | いまは他人の あの人なのに 聴けば乱れる 風便り 雨恋花の 紫陽花の 雨は雨は雨は女の 涙でしょうか… 拾い集めた 良いことだけを 想い出してる 私です 後も向かない 冷たい背中を 追ったあの日の 蛇の目傘 雨恋花の 紫陽花の 恋は恋は恋は移り気 遊びでしょうか… 憎い仕打ちも 月日が経てば 許すつもりの 私です 募る逢いたさ 浴衣の袖を 濡らす涙の 肘まくら 雨恋花の 紫陽花の 夢は夢は夢はこぼれる 雫でしょうか… 当てのないのは 分っていても 明日に賭けたい 私です |
花散里瀬川瑛子 | 瀬川瑛子 | 木下龍太郎 | 蔦将包 | 蔦将包 | 終わった恋の 捨て場所を 見付けるための ひとり旅 雨に駆け込む… 花散里は 隠れ里 私の運命を 見るようで 散り行く花に 貰い泣き あなたの愛は 続いてた 気配りもっと していたら 尽くし足りなさ… 花散里は 悔やみ里 気付いた時には 吹いていた 二人の胸に すきま風 なみだの恋も 想い出の 一つに代わる 日が経てば 軒を借りてる… 花散里は 忍び里 笑顔に戻って 花の頃 たずねるつもり もういちど |
湘南・江ノ電沖田真早美 | 沖田真早美 | 木下龍太郎 | 蔦将包 | 前田俊明 | あなたはいまも 憶えてますか 二人の愛が もつれたままで 別れを迎えた 経緯(いきさつ)を 路面電車の 私の後を あなたは車で 追いかけた 途中下車して 戻っていたら あるいは出来た やり直し あの日の想い出 電車は走る 藤沢 江ノ島 七里ヶ浜 湘南・江ノ電 恋路線 あなたはいまも 憶えてますか 二人が愛を 語った店は 線路を横切る 甘味処(かんみどこ) 路面電車を 何度も送り あんみつ二つで ねばってた 悪い私の わがままぐせを あなたはいつも 許してた 幸せまぼろし 電車は走る 鎌倉 和田塚 由比ヶ浜 湘南・江ノ電 愛路線 帰らぬ青春 電車は走る 腰越 極楽寺 稲村ヶ崎 湘南・江ノ電 夢路線 |
風の口笛氷川きよし | 氷川きよし | 麻こよみ | 蔦将包 | | 遠い故郷(ふるさと) 思い出させて 風がヒュルヒュル 口笛吹いて行く 手のひら落ちて こぼれた夢は 夜空に流れる 星ひとつ ヒュルヒュル ヒュルヒュルル しみじみ浮かぶ あの山川よ まるで汽笛が 泣いているよに 風がヒュルヒュル 耳元(みみもと)吹き抜ける 夜明けの駅で 別れた女(ひと)は 幸せ見つけて いるだろか ヒュルヒュル ヒュルヒュルル 想いを胸に 幾歳月(いくとしつき)よ 祭り囃子(ばやし)を 思い出させて 風がヒュルヒュル 口笛吹いて行く 心で詫びる 御無沙汰つづき 今年の暮れには 帰ろうか ヒュルヒュル ヒュルヒュルル 瞼に浮かぶ 夕焼け小焼け |
一番星よ こんばんは氷川きよし | 氷川きよし | 喜多條忠 | 蔦将包 | | 一番星よ こんばんは そこから見える 東京の スカイツリーは まぶしかないか もしもあの娘を みつけたら 泣いたらだめだと 言っとくれ 今も好きだと 今も好きだと 言っとくれ 一番星よ こんばんは 幾万年も 昔から 遠く光って さびしかないか もしもあの娘を みつけたら やさしい言葉を かけとくれ 涙ぬぐって 涙ぬぐって やっとくれ 一番星よ こんばんは 今でも僕は ひとりもの きっとあの娘も ひとりじゃないか もしもあの娘を みつけたら 一緒になろうと 言ってたと そっと教えて そっと教えて やっとくれ |
我武者羅鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 新本創子 | 蔦将包 | 蔦将包 | 女の小指と 情けほどけず おくれをとったと あおる酒 惚れたばかりに 惜しくなる この浮き世… 捨て身の命… よしな よしなよ 男一匹 海狼(かいろう)ならば 船を我武者羅… 日本海 鬼火か漁り火 波の背のせに 荒くれ漁師の 不夜城だ 恋に溺れる 男なら 藻屑だぜ… 船もろともに… まけてなるかよ 吠える横顔(づら) しぶきが殴りゃ 烏賊(いか)が鳴きよる… 武蔵堆(たい) 女の夜汽車は 忍路(おしょろ)沖まで 追ってはゆけぬと なみだ花 未練ごころを 映すよな 北海の… 満月紅く… ばかだ ばかだぜ 男一代 海狼ならば 北へ我武者羅… 日本海 |
赤いレンガの港町走裕介 | 走裕介 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | 北の寒さに かじかむその手に ぬくもりあげるよ もうすぐ会える 都会の暮らしには 向いてないからと 遠く離れて僕を 待ってくれてた もうすぐ会えるよ 抱きしめあえるよ 長く待たせたね 海辺の坂道で 赤いレンガの港町 夢の長さに 眠れぬその眼に くちづけあげるよ もうすぐ会える まもなく春が来て 雪の中からも 若いタンポポ君に 笑いかけるよ やさしい微笑み 忘れた日は無い 次の街角を 曲がれば君が居る 赤いレンガの港町 熱い涙を こらえたその胸 あふれる想いを ぶつけてごらん シベリア降ろしなど 僕のぬくもりで 消してしまうよ君の 寒い冬まで もうすぐ会えるよ 抱きしめあえるよ 長く待たせたね 海辺の坂道で 赤いレンガの港町 |
雫走裕介 | 走裕介 | 松井五郎 | 蔦将包 | 蔦将包 | 小枝の先に 滴る雨が ぽとりと水面に 輪を作る ほんのわずかな 一粒だけど 果てなく広がり どこへ行く 人もおんなじ はじめは雫さ ただひたむきに ただ思うまま 心を信じて いつか いつか大河になれ 日照りに脆く 負ける日もある 自分がなにかも 見失う 流れを逸れて うつむいてれば 思わぬ夕立ち 救われる 人もひとりじゃ 生きてはいけない ただひたむきに ただ思うまま 明日を信じて いつか いつか大河になれ 人は誰もが はじめは雫さ ただひたむきに ただ思うまま 心を信じて いつか いつか大河になれ 大河になれ |
星降る夜のメロディ森サカエ | 森サカエ | 水木れいじ | 蔦将包 | 蔦将包 | あなたにやさしく 肩を抱かれたら 都会(まち)の夜景は 銀河の海になる 恋につづきが あるのなら つれて行ってよ エデンの島へ…… 抱きしめてくちづけて 想い出たどりながら 星降る夜のメロディ もういちど踊って 誰にも言えない 若い情事(ひめごと)は 窓辺(まど)に咲いてた ミモザが知っている 別ればなしを 聞いた日も こんな綺麗な 星空だった…… 泣きぬれて酔いしれて あなたを待っていたの 星降る夜のメロディ もういちど踊って 淋しい瞳(め)をして どうか見ないでね 時間(とき)はいじわる あなたのせいじゃない もしも希(ねが)いが 叶うなら ずっとこのまま アダムとイブで…… 揺れながら燃えながら 囁きかわしながら 星降る夜のメロディ もういちど踊って |
ふる里の母城めぐみ | 城めぐみ | 水木れいじ | 蔦将包 | 蔦将包 | 母さんの好きな花 ひとり静かの白い花 この頃 夢に よく見ます ごめん ごめんね 優しい言葉も かけないで… 雪溶け前には 帰ります 信州・信濃路・大糸線で たくさんの苦労して 笑顔たやさぬその?が 初めて涙 浮かべてた ごめん ごめんね 心配ばっかり かけたよね… 恋して 故郷(ふるさと) 捨てました 信州・信濃路・大糸線で 母さんに 似てきたと そっと手鏡のぞいては 口紅(べに)さす指を ふと止める ごめん ごめんね あげたい言葉は ありがとう… 約束しました 帰ります 信州・信濃路・大糸線で |
渡川岩本公水 | 岩本公水 | 峰崎林二郎 | 蔦将包 | 蔦将包 | 届かぬ土手の キシツツジ こころが燃える 渡川(わたりがわ) 母なる川は 幾曲がり 一途にはるか 土佐の海 好きで 好きで なのに別れた あれから五年 今でも私 咲いていますか あなたの胸に 荒れれば沈む 沈下橋(ちんかばし) 晴れれば笑みの 渡川 二人であの日 見た景色 変わらず今も 美しい 遠く 遠く 過ぎた想い出 この川のよう 今でも涸(か)れず 流れていますか あなたの胸に 流れる川に この指で あなたへ手紙 書きました 昔をいつか 振り返り たたずみ泣くか 渡川 いつか いつか あなたのそばに 届けと祈る 夕陽の中で 隣に見ている ふたつの影を |
故郷恋々走裕介 | 走裕介 | 峰崎林二郎 | 蔦将包 | | かあさん田舎は もう雪ですか 今年は足が 痛みませんか 勤めて帰る 秋の夜に 風にめくれる 駅のポスター 帰りそびれた ふるさとの文字 母を思って 何度も詫びる あのひと変わらず 元気でしょうか 一人で今も いるのでしょうか 吹雪に濡れた 黒髪の 香り懐かし 甘くやさしく もしかそれとも 静かな夜は 子守唄など 歌ってますか とうさん働き 過ぎてませんか 無口な酒は 変わりませんか いつもの店で とうさんの 地酒見つけて 酔ったしみじみ 親に背いて 出て来たはずの 北のふるさと 恋しい今は |
肩車鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 都丸悠 | 蔦将包 | 蔦将包 | でっかな親父の肩車 前に広がる海を見て これが男の道しるべ 男同士の話した 海の向こうで 生まれた風に 押されるように旅に出た たどり着いた 都会の夜空に ひざまずいてばかりいた いろんな人が生きている 夢に焦がれた東京は 光って消える ネオンのように あてにならない街だった くすんだ街の 飲み屋の陰に 銭にならない 「唄うたい」 夢に出るのは 親父の「肩車」 帰りたいけど意地がある 惚れた女の心柄 明日に見晴らす空を指し これが二人の道しるべ 君と未来の話した 早いか遅いか それよりも ひたすらここまで 生きてきた やっと登った丘の上から 見えない海を見つめてた 泣いてたまるか 俺の夢 まだまだ旅は続くけど 口先だらけのこの街で 親父の背中が懐かしい くすんだ街の 飲み屋の陰に 俺はひとりの 「唄うたい」 夢で飛び乗る 親父の「肩車」 来月あたり帰ろうか |
女満別から走裕介 | 走裕介 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | 雪がやんだ 女満別の空港に 東京行きのアナウンス 君が居たよ ガラス越しに微笑んで 何かを僕に 伝えてる 素顔のままで 素直なままで 君がサヨナラ 言おうとしてる 昨日までの想い出が 今日から過去へと変わるのに 君が泣いた 雪のような哀しみが 涙になって光ってる 僕は行くよ 翼ひろげ遠くまで 愛する人よ 泣かないで 愛する人よ わかってほしい 男は遠くに行くものだ 見果てぬ夢を追いかけて 孤独な旅をするものだ 故郷(ふるさと)さらば また会う時は 大きな男で会いに来る 追わない夢は 夢じゃない かなえぬ夢は 夢じゃない 故郷(ふるさと)さらば また会う時は 大きな男で会いに来る 追わない夢は 夢じゃない かなえぬ夢は 夢じゃない 追わない夢は 夢じゃない かなえぬ夢は 夢じゃない |
石割り桜氷川きよし | 氷川きよし | 喜多條忠 | 蔦将包 | 伊戸のりお | 冬の長さに 耐えながら 北の大地に 根を張って 想い一念 岩も割る 石割り桜は 心の花よ 夢のつぼみが 夢のつぼみが ああ 春に咲く 花の色なら 薄墨(うすずみ)の 遠い想い出 しのばせる 淡き初恋 清き白 石割り桜は 癒(いや)しの花よ 胸のぬくもり 胸のぬくもり ああ 甦(よみがえ)る 人の心は 弱くとも 折れず曲がらず くじけない 南部魂 ここに在り 石割り桜は 生命の花よ 遅い春にも 遅い春にも ああ 凛と咲け |
星屑の恋走裕介 | 走裕介 | 石原信一 | 蔦将包 | 蔦将包 | ネオン明かりが きらめく街は よけいひとりが つらいから あいつ忘れる 強めのお酒 ねえ 飲ませてよ ねえ 酔わせてよ 頬にキラキラ 光るしずくは 恋のかけらよ 涙じゃないわ 夜空をめがけ 投げつけてやる 星屑になれ あいつなんか いいえなぐさめ 欲しくはないわ 紅いルージュを 塗りなおす 誰が悪くて 別れたなんて ねえ 野暮なこと ねえ 訊かないで 胸でしくしく 泣いているのは 恋の迷子よ 私じゃないわ 銀河の下の 罪滅ぼしに 星屑になれ あいつなんか グラスゆらゆら 映る面影 恋はララバイ お眠りなさい 銀河の下の 罪滅ぼしに 星屑になれ あいつなんか |
明日への道氷川きよし | 氷川きよし | いではく | 蔦将包 | 伊戸のりお | ひとり行くのは 遠い道でも ともに歩めば 夢の道 人はいつでもひとりじゃないさ 愛し愛され 生きられる 歩き出そうよ明日への道 心に歌を くちずさみ 季節(とき)を彩(いろど)る 華麗(かれい)な花も 散ればふたたび 春を待つ 生きてゆくのはうれし涙と 悲し涙の くり返し 歩き出そうよ明日への道 心に歌を くちずさみ 己の道を信じてゆけば 冬は必ず 春となる 歩きだそうよ明日への道 心に歌を くちずさみ 心に歌を くちずさみ |
俺の故郷千昌夫 | 千昌夫 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | 俺の故郷はよオ~ 来てみりゃわかる そりゃまあ うんといいとこだ 梅や桜や 桃の花 ちょいと遅れて リンゴの花も みんな一緒に 咲く春さ 咲く春さ 俺の故郷はよオ~ いい奴ばかり そりゃまあ うんといい奴だ 盆の休みや 正月は 土産持ち寄り 酒酌み交わし 昔ばなしで 夜が明ける 夜が明ける 俺の故郷はよオ~ でっかい空だ そりゃまあ うんといい空だ 夕焼けトンビが ピーヒョロロ 祭り太鼓も ドンドコドンと 今も心で 響いてる 響いてる |
北の傷歌走裕介 | 走裕介 | 石原信一 | 蔦将包 | 蔦将包 | 背中丸めて 燗酒あおる 窓に夜汽車の 過ぎる音 店の親父は 無口なままで 旅の男を かばうのか いくつ線路を 越えたなら 胸の痛みが 遠ざかる 北へ 北へ 北へ流れても おまえの泣き顔 傷跡うずく 襟を立てても 寒さがしみる 恋のすきまに 忍び込む 詫びる手紙の 言葉に迷い 風に名前を 呼んでみる 駄目な俺など 忘れろよ 無駄な想い出 捨ててくれ 北の 北の 北の街灯り おまえの面影 傷跡浮かぶ 白い海原 遥かな空よ なんて小さい 俺だろう 惚れた女に 倖せやれず なにが男の 夢なのか 春をふたりで もう一度 探し出せるか 今ならば 北へ 北へ 北へ流れつき おまえが欲しいと 傷跡叫ぶ |
友情の星村木弾 | 村木弾 | いではく | 蔦将包 | 蔦将包 | 長いといえば長く 短いといえば短い 君と過ごした日々が おれの宝物 たとえ星になっても 今も胸に輝いている 一番星として せめて夏の七夕(たなばた)の夜に おれの酒の中に降(お)りてこい 夢かといえば夢で 現実(うつつ)かといえば現実(うつつ)で 君が残した歌が おれの宝物 ひとり酔えば 無情(むじょう)を なげき唄(うた)い星を見つめて 昔をふり返る せめて秋の名月(めいげつ)の夜に おれの酒の中に降りてこい せめて君が旅立った夜は おれの酒の中に降りてこい |
北列車走裕介 | 走裕介 | 菅麻貴子 | 蔦将包 | 蔦将包 | 窓に地吹雪 汽笛が哭いて 命ぬくめる 雪景色 俺は明日(あした)の 夢を追い おまえ過去(むかし)を 捨てに来た 北の列車の めぐり逢い 頬の火照りに 両手をあてて おまえ見ている 窓の外 涙こころに 閉じ込めて 微笑(わら)うしぐさが 愛しくて ふたり寄り添う 北列車 旅の途中の 小さな出逢い 心かよわす 膝と膝 明日(あす)は何処やら この恋は 軋む車輪の 揺れまかせ 春も間近い 北列車 |
篝火のひと走裕介 | 走裕介 | 松井五郎 | 蔦将包 | 蔦将包 | 幸せはいつも 近いほどに遠い 篝火のような 笑顔ばかり見てた あふれる涙は どうしてたんだ 寂しい思いさせたのに こころ...こころ...こころ... ただ抱きしめながら どんな時も君は そばにいてくれた たどり着く先が どこかさえも訊かず 花のない道で 迷う空も見たろう せつなくなるのは どうしてなんだ ありがとうだけが言いたくて こころ...こころ...こころ... ただ抱きしめながら 夢の続き君は 信じててくれた こころ...こころ...こころ... ただ抱きしめながら どんな時も君は そばにいてくれた |
ひとり歩き越前二郎 | 越前二郎 | 木下龍太郎 | 蔦将包 | 蔦将包 | あなたの心が 移ったことは 女の勘で 気付いてた つくり笑いで 別れて来たが 胸はずぶ濡れ なみだ雨 つまずくけれど 明日から ひとり歩きを してみます 男と女は 影踏み遊び 追うほど先へ 逃げて行く 一度もつれた 絆の糸は 元のようには 解(ほぐ)れない ないものねだり するよりは ひとり歩きを してみます 最後のお願い 私で止(や)めて 女を陰で 泣かすのは いまにあなたも 傷つくような そんな気がして お節介(せっかい) いいとこ取りの 想い出と ひとり歩きを してみます |
恋文川真木ことみ | 真木ことみ | 山田孝雄 | 蔦将包 | 蔦将包 | 紙の舟には 櫂(かい)はない 流れまかせで 梶(かじ)もない そっと浮かべる 短冊に おんなごころを 添えましょう 恋しいあなたの あなたの胸に着け 恋文川は 渓流(たに)をゆく 募る思いを 詩(うた)にして 好きという字で 留めました 逢える明日が 来るならば 恋の蛍が 翔ぶでしょう 笑顔のわたしが わたしが見えますか 恋文川は 里をゆく 一つ二つは 母の子で 七つ八つは 父の子で 愛に背いて 旅立って 二十才(はたち)過ぎたら 帰れない 恋しいあなたの あなたの胸に着け 恋文川は 街をゆく |
彼岸花咲いて門松みゆき | 門松みゆき | 石原信一 | 蔦将包 | 蔦将包 | 夢で抱かれて 目が覚めて 宿の独(ひと)り寝 夜明けがつらい 淋しがり屋の 小さな胸に ぽつり灯りを くれた人 噂追いかけ たずねる先に もしやあなたが いないかと 彼岸花 咲いて…秋 やせた女の 急ぎ旅 あなたなしでは 生きられないと 泣いて 泣いてわかった 彼岸花 紅く燃えて あなたどの町 どのあたり 雨の酒場か 夜汽車の窓か 寒い躰を 寄り添い合えば それで幸せ 感じてた 噂追いかけ 見知らぬ駅を たどる線路は はてしなく 彼岸花 咲いて…秋 風の季節の 置手紙 遠く幸せ 祈っていると わずか わずか一行 彼岸花 しおれないで 彼岸花 咲いて…秋 やせた女の 急ぎ旅 あなたなしでは 雪舞う冬は いのち いのち凍える 彼岸花 紅く燃えて |
冬の恋歌瀬口侑希 | 瀬口侑希 | 水木れいじ | 蔦将包 | 蔦将包 | あなたの夢見て 目が覚めた 忘れたはずの 人なのに ひとり寝が 芯まで寒い 外は荒海 日本海… あゝ 如月(きさらぎ)の 雪が舞う 冬の恋歌 みなと宿 心でどんなに 恨んでも この身があなた 恋しがる くすり指 噛みしめながら しのぶぬくもり 腕まくら… あゝ もう一度 抱き寄せて 冬の恋歌 みれん宿 泣けよとばかりに 胸を打つ 闇夜(やみよ)を走る 虎落笛(もがりぶえ) ふり向かず 明日(あした)へ渡る 春の出船は まだ遠い… あゝ 命火が 凍りつく 冬の恋歌 おんな宿 |
鳥羽の海女鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 武田鉄矢 | 蔦将包 | 蔦将包 | おやじ操る 小舟から 浮き樽かかえて 鳥羽の海女 水面(みなも)ひと蹴り さかさまに 青き潮(うしお)の 底めざす ドーマン・セーマン お守り下さい 白き足裏 鳥羽の海女 岩を伝って まだ潜る 真一文字(まいちもんじ)の 命綱 アワビはがして ウニ拾い 真珠の玉の 息を吐く ドーマン・セーマン お守り下さい もうひとかせぎ 鳥羽の海女 浜にあがれば 母の顔 東京のせがれに 小包みを アジの干物の その下に 小瓶に詰めた 鳥羽の砂 ドーマン・セーマン お守り下さい 両手合わせる 鳥羽の海女 |
夫婦絆鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 祝部禧丸 | 蔦将包 | 蔦将包 | 息子二人と 愛する妻と かわいい孫に 囲まれて 春は日吉の 花渡り 家族肩よせ これたのも 妻の支えが あればこそ 酒を飲むなと 酒を飲むなと 妻の声 よう今日までついて来てくれたなあ。 おまえという港がなかったら、真誠丸(しんせいまる) は座礁するとこやった。おおきに、おおきにやで。 親父(おやじ)みたいな あの酒呑みに どうしてなった この俺も 悪い酒だと 知りつつも 弱い男の 茶碗酒 あいそつかされ 嫌がられ 酒を飲むなと 酒を飲むなと 妻の声 あんたの体は 家族の命やで。 これからも、おばあちゃんの知恵をかりて、 みんなで頑張っていこうな。さぁ真誠丸の船出や。 押しのひとすじ 後へは引けぬ 仕事に生きる 鬼となる 俺も男の 意地がある 負けてたまるか 真誠(まこと)道 願いかなわせ 日枝(ひえ)の神 酒を飲むなと 酒を飲むなと 妻の声 |
北国フェリー走裕介 | 走裕介 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | この胸に 顔を埋めて泣いた人 今はどの町 誰といる 赤い燈台 かすめて入る 流水波止場に 氷柱(つらら)が光る 北国フェリーは 北国フェリーは こころがきしむ もう二度と 恋はしないと言った人 切れたテープを みつめてた ふたり歩いた 桟橋通り 想い出見上げりゃ 粉雪ばかり 北国フェリーは 北国フェリーは 若さを詰(なじ)る 黒髪の 香り今でも蘇(よみが)える 白い故郷 君の町 きっと今では 暖炉のむこう やさしくみつめる いい人がいる 北国フェリーは 北国フェリーは 振り向かない船 |
海賊の舟唄鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 山田孝雄 | 蔦将包 | 蔦将包 | 今ゆけ 海賊(さむらい) 英虞湾(あごわん)駈けて 伊勢志摩あおぎ 夢を 抱いてゆけ のぞみは遥か 怒涛(なみ)の果て 俺も連れてけ 安宅船(あたけぶね) エイヤヨッホイ エイヤヨッホイ 火の矢を 解(と)き放(はな)て エンヤヨッシャ エンヤヨッシャ 天下を 取りにきた 見てゆけ 若衆(わかしゅう) 時代に耐えて 朝熊山(あさまやま)に 咲いた 恋の花 勝利を信じ 紅(あか)く燃え 海の男を 送り出す エイヤヨッホイ エイヤヨッホイ 牙むけ 九鬼(おに)になれ エンヤヨッシャ エンヤヨッシャ 天下を 取りにきた エイヤヨッホイ エイヤヨッホイ 火の矢を 解き放て エンヤヨッシャ エンヤヨッシャ 天下を 取りにきた |
北国街道・日本海走裕介 | 走裕介 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | 人を愛した かなしみは 海にこぼせば 漁火に 空に光れば 星になる わたしのこころに あの人は 戻ってきますか ひとり旅 北国街道 ああ 日本海 夕陽映した ハマナスは 海に寄り添う こぼれ紅 江差追分 かもめ島 面影浮かべば せつなくて この胸抱きしめ かがみ込む 北国街道 ああ 日本海 北の男の まぼろしは いつかニシンが 銀色に 群れて戻って 来る夢か 稚内から 松前と ニシンの街道 たどる旅 北国街道 ああ 日本海 |
知床挽歌走裕介 | 走裕介 | 高田ひろお | 蔦将包 | 蔦将包 | ことしの冬は 蝦夷(えぞ)ふくろうが おまえをさがして こずえで鳴くよ 汚れてしまった 哀しみだけを 暖炉にもやして 眠りにつこう 春は まだ遠い 知床挽歌 三年まえは 揺り椅子ゆらし おまえはセーター 編んでたそばで そろそろ流氷 岸辺によせる おもいでばなしが 手ぶらでくるよ 夢を もう一度 知床挽歌 やかんのお湯が たぎっているよ おまえがいたなら この髭づらを 剃りなと笑って 剃刀わたす 今夜は凍(しば)れる 北斗の星よ 冬の 月が照る 知床挽歌 |
北のひとり星 走裕介 | 走裕介 | 喜多條忠 | 蔦将包 | 蔦将包 | 北の夜風は 粉雪まじり お前と暮らした 二年の月日 時の流れに こころがきしむ お前がいたから 俺がいた 空を見上げりゃ 北極星も お前をさがして 光ってる どこに どこに どこに居るのさ ひとり星 人の噂じゃ この町捨てて 行方も知れない お前の舟は どこの港で 涙を捨てた ひとりでどうしているだろか 雪のかなたに お前の星が 淋しい笑顔で 光ってる ふるえ ふるえ ふるえ泣いてる ひとり星 夢を追いかけ はぐれたふたり 凍えるその手を この手で包み 頬のぬくもり 確かめたいよ もいちど会えたら 離さない 今日もお前が みつめる星は 真北の夜空に 光ってる きっと きっと きっと出会える ひとり星 |