| 川口松太郎原作「明治一代女」より お梅島津亜矢 | 島津亜矢 | 志賀大介 | 村沢良介 | | 戻れない… 戻らない… 時の流れに 棹させば 女の時間は 止まるでしょうか 浪に千鳥の 浜町河岸に 誰が 誰が架けたか なみだの橋 お梅運命の… 恋に泣く 「巳之さん すまない 堪忍しておくれ… 太夫とはどうしても別れられなかった… でも 初手から巳之さんを騙すつもりはなかった 太夫の襲名披露が終わったら 巳之さんの所に戻るつもりだった… 所詮この世界は一幕物の夢芝居 これで梅のひとり芝居も終わったのさ…」 なぜ泣くの… なぜ泣かす… 道はふたすじ あるけれど 心も迷いは もうありません 義理の川風 人情の夜風 乗せて 乗せて流れる もやい舟 お梅しぐれる… ほつれ髪 「唐紅のおんなの性が 二つの枝に狂い咲き… あぁー梅はもう思い直すことは何もない 身を清め 髪を結び 紅 白粉の旅支度… せめて せめて こんな女がいたことを 覚えていて下さいね… 楽しかった太夫との思い出を心に秘めて 梅はあの世に参ります あぁー あの人の舞台の幕が開く…」 夢ですが… 夢なのね… 浮かれた浜町 三味の音に 三日月眉毛の 柳が曇る 明治一代 悲しく燃えた 恋の 恋の火玉は 何処へやら お梅泣かせ… 隅田川 …津の国屋ぁー… |
| 菊池寛原作「藤十郎の恋」より お梶島津亜矢 | 島津亜矢 | 吉田博司・村沢良介 | 村沢良介 | | 噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎 「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」 浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎 「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照って 狂いそうでございます おんなの真実は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」 命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎 |
| 菊池寛原作「藤十郎の恋」より お梶島津亜矢 | 島津亜矢 | 吉田博司・補作詞:村沢良介 | 村沢良介 | 池多孝春 | 噛んだ唇 したたり落ちる 血で書く名前は 藤十郎 おんな心を もてあそび 奈落へおとして 消えた人 憎いの 憎いの 憎い 恋しい 藤十郎 「恋の成就が叶わぬならば この黒髪をプッツリ切って 冥途の旅へ旅支度 悔しさも 哀しさも 憎しみも 今は消えました あゝ きれいやなァ 祇園の町の宵明り 藤さま 梶はおんなに戻ります」 浮世舞台の からくりなんか 忘れてあなたと 流れたい 墨絵ぼかしの 夕暮れに 人目しのんだ 屋形船 愛しい 愛しい おんな泣かせの 藤十郎 「ふたつに重ねて 切り刻まれて あの世とやらに堕ちましょう 嬉しい 嬉しい 藤さまのあの夜の言葉 思い出しても 耳朶まで火照(ほて)って 狂いそうでございます おんなの真実(まこと)は 阿修羅の流れの様でございます 幾度 この世に生まれて来ても 梶はあなたの 女でいとうございます」 命 下さい わたしにすべて 地獄に落ちても かまわない お梶あなたに ついてゆく おんな哀しい 恋綴り 逢いたい 逢いたい せめて夢でも 藤十郎 |
| 切られ与三島津亜矢 | 島津亜矢 | 野本高平 | 村沢良介 | 池多孝春 | 「御新造さんえ おかみさんえ お富さんえ… いやさぁー…お富 久しぶりだなぁー…」 しがねえ恋路の 木更津追われ めぐる月日も 三年(みとせ)越し 三十四ヶ所に 貰った疵(きず)が 俺の綽名(あだな)よ 俺の綽名よ 切られ与三 惚れちゃいけねえ 他人(ひと)の花 エー…他人の花 「しがねえ恋の情けが仇… 命の綱の切れたのを どう取り留めてか木更津から めぐる月日も三年越し… 江戸の親には勘当うけ よんどころなく鎌倉の… 谷七郷(やつしちごう)は食い詰めても面(つら)へ受けたる看板の 疵がもっけの幸いに 切られの与三と異名を取り 押借(おしか)り強請(ゆず)りも習おうより 慣れた時代の源氏店(げんじだな)…」 忘れてくれたか 与三郎だよと 名乗りゃ目が泣く 洗い髪 急(せ)くな騒ぐな 蝙蝠安(こうもりやす)よ たかが一分じゃ たかが一分じゃ 草鞋銭(わらじせん) 恋の始末にゃ 安すぎる エー…安すぎる 「死んだと思った お富たぁー お釈迦さまでも気がつくめぇー よくまぁー お主しぁー 達者でいたなぁー…」 港に身を投げ 死んだと聞いて 唱えましたぜ 念仏を いまのお富は 堅気と言うが 色香(いろ)で磨いた 色香で磨いた 源氏店 なんで浮世を もてあそぶ エー…もてあそぶ |
| 沓掛時次郎島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 意地の筋金 一本通し 義理と仁義の 道を行く やむにやまれず 長脇差を 抜けば仏が また増える 片手拝みの 片手拝みの 時次郎 「渡世の道は無情なものでございます 一宿一飯の恩義から おきぬさんの大事なご亭主の命を奪い 太郎吉を父無しっ子にさせちまった 詫びてすむことじゃござんせんが これからは 二人の身を守ることが この時次郎の せめてもの罪ほろぼしで ございます 追われ鴉が 流れて着いた 風の熊谷 仮の宿 残るこの子が 不憫なら 死んじゃいけねえ おきぬさん 涙こらえる 涙こらえる 時次郎 「泣くんじゃねえ 太郎吉 おっかさんは 天国の父のところへ行ってしまったんだ 死んだおきぬさんの夢でも見たのか 目から うっすらと 涙がにじんでる 太郎吉の寝顔を見ていると不憫でならねぇ どうか おきぬさん天国で見守ってやって おくんなせぇ 三人で川の字に寝た夜を 思い出しておりやす」 生まれ故郷の 浅間をしのび 唄う追分 子守唄 笠と合羽を 投げ捨てて 堅気姿で 戻りたい 男 沓掛 男 沓掛 時次郎 |
| 「坂本龍馬」より おりょう島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 村沢良介 | | 燃えて火を吐く 男の夢に 惚れる女も 命がけ 華の友禅 桔梗の帯に 好きな 好きな龍の字 一文字入れて 影を支える…京おんな 「男まさりのおりょうが 初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました 龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です 誰も好きにならないで… おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」 加茂の川原を 流れる水は 人のさだめに 似て哀し たとえ短い 月日であろと 好きな 好きなあなたと 結んだ契り 生きて甲斐ある…おんな町 「国が生まれ変わる為には 誰かが死ななくてはならないのですか… 春の嵐に散り急ぐ花の様に 命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか… 龍馬さま…龍馬さま…」 龍馬いのちの 維新のおんな 散るを 散るを惜しまぬ おりょうの心 月もご存じ…嵐山 |
| 「品川心中」より お染島津亜矢 | 島津亜矢 | 久仁京介 | 村沢良介 | | 江戸の頃、品川は大層賑わっておりまして、わたしお染は 「白木屋(しろきや)」という貸し座敷の板頭(いたがしら)を務めております。 しかし、若い娘(こ)たちにどんどんお客がついて、 ついには「お茶っぴき」。移り代えのお金も工面出来ない始末。 こんなことなら、いっそ死んじまおうかと思うが、 どこかに一緒に逝ってくれる馬鹿はいないもんかねぇ。 江戸の南の 品川宿は 浮いて沈んで 女郎花(おみなえし) 一夜一生 思いをこめて 死出にいざなう 恋もどき ともに行(ゆ)きましょ この世の果てに 沖の 沖の不知火 エーエー 袖しぐれ 若いってだけでチヤホヤされて、浅ましいったらありゃしない。男も男だ。 若い女なら何でもいいときたもんだ。まぁ、いいわ。貸本屋の金蔵をうまく 誑(たら)し込む事が出来た。これでようやく面目がたつというもの。 さて、どうやって死んでやろうか…。あっ、丁度いいところに。 「ちょっとちょっと、金さ~ん。」 宵の明星 東へちろり 明けのカラスも 鳴いてとぶ 浮世舞台じゃ 真も嘘も 生きるよすがの 決めぜりふ ちょっと待ってて あの世の果てで 春の 春の名残りの エーエー 散り桜 何が悪いのさ。男と女なんて、騙して騙されて、お互い様じゃないの。 お金を湯水の様に使っての毎夜毎夜のドンチャン騒ぎ。 「踊る阿呆に見る阿呆」とはよく言ったもんさ。情に溺れて、 欲に逆上(のぼ)せて、いい加減疲れちゃったんだよ。さぁ、もうおしまい。 黄楊(つげ)の横櫛 この洗い髪 知って落せぬ 染みひとつ 首を洗った 覚悟もできた せめて死ぬ時ゃ にっこりと… 夢をみたとて 仕方がないが 聴いて 聴いておくれよ エーエー 江戸端唄 一寸先は闇。本当にどうなるかわかったもんじゃあないもんだ。 それにしてもついてない男だね、金さんは。ひとりだけ逝っちまって、 悪い事をしちゃったよ。でも、まぁ死んじゃったもんはしょうがない。 そっちに逝ったらちゃんと詫びるから堪忍ね。ごめんよ~。 |
| 清水港島津亜矢 | 島津亜矢 | つるぎまさる | 村沢良介 | | 駿河名代の 次郎長さんは 義理にゃ強くて 男伊達 箱根峠を 三島へ抜けりゃ 清水港は もう近い お蝶身内の アアン アアアン… 声がする (セリフ)富士の白雪ゃノーエ 富士の白雪ゃ ノーエ 富士のサイサイ 白雪ゃ朝日でとける 富士のお山に ちゃっきり節が 風に流れる 昼下がり 聞いてお帰り 八十八夜 駿河茶どころ 菜摘み唄 囃す紅緒の アアン アアアン… 菅の笠 槍の大政 居合いの小政 森の石松 暴れん坊 寄っておいでよ 噂の通り 夢と任侠 売り出しの 清水一家の アアン アアアン… 晴れ姿 |
| 三味線やくざ島津亜矢 | 島津亜矢 | つるぎまさる | 村沢良介 | 池多孝春 | 生まれ深川 住吉育ち 辰巳芸者の 羽織の紐を 解いて結んだ 明烏 何が 何が 不足で 裃(かみしも)脱いで 渡る浮世を エー エー 三味線やくざ 親の意見に背いてまでも 武士を嫌ってのやくざ稼業 まァ… 固てぇことを云わねぇで 唄の一ッでも 聞いてやっておくんなせぇ なんだ なんだ なんだねぇ… あんな男のひとりやふたり… 小唄端唄に 新内流し 屋台囃子に 送られながら 惚れた女と 屋形船 うぶな うぶな 奴だよ 肩さえ抱けぬ 本所掘り割り エー エー 三味線やくざ 野暮なけんかは 俺には出来ぬ 筋が通らにゃ 白刃の舞を 見せてやろうか 千葉仕込み 月も 月も 横向く 浜町河岸(がし)に 粋な音締(ねじ)めの エー エー 三味線やくざ |
| 新内「明烏」より 浦里島津亜矢 | 島津亜矢 | 吉岡治 | 村沢良介 | | 不幸の匂いが わかるのか 逢うた初手から 相惚(あいぼ)れて 花の吉原 賑わう闇に 愛し恋しの 起請文(きしょうもん) 何百交わせど 苦界(くがい)では 夫婦になれない 篭の鳥 「お許し下さい… お店にかかりのある時次郎さんゆえ、 浦里が手引きをして 二階へ上げたのでございます。 ああ酷(むご)い、寄ってたかって時次郎さんを 打つの蹴るのと仕放題。 その責め苦、どうか私に下さい… この浦里が悪いのです。 心底惚れた時次郎さんの身替りなら、 どのような目に 遭おうとも、私は厭(いと)いません……」 ご法度破りの 折檻(せっかん)に 哀れ浦里 身をさらす 物見高いは 色里ごのみ 雪も連れだち 覗きみる どのよな憂き目に 会おうとも 主さんあるなら 耐えられる 「時次郎さん、 どうして戻ってきたのですか… ここで死ぬのは容易(たやす)いけれど、 廓で死ぬのは恥の恥。 早くこの縄、早くこの縄を断ち切って、 箱梯子のぼり塀を乗り越えましょう。 大門(おおもん)抜ければ自由の身… 浦里嬉しゅうございます……」 この世の旅路の 行く先は 右も左も 行きどまり いっそ二人で 手を取り合うて 渡る三途の 夫婦船 闇夜の名残りを 告げるよに 啼いてせつない 明烏 |
| 女優・須磨子島津亜矢 | 島津亜矢 | 鈴木信子 | 村沢良介 | | 愛と舞台に この身を任せ 喝采浴びる 華舞台 須磨子は女 …炎の女 あなたの胸で 覚えるセリフ あぁー あなた 命をぶつけて ノラになる 「ひとりじゃ 寒いんです… ひとりじゃ 辛いんです… でも須磨子には抱月先生が居る限り… 生きて行けます」 抱いて下さい その手で強く 辛さも苦労も 忘れたい 須磨子は女 …一途な女 楽屋の隅で かくした涙 あぁー あなた 噂も届かぬ 神楽坂 劇場(こや)の灯りに 背を向けながら 誰も知らない かくれ宿 須磨子は女 …あなたの女 ライトを浴びて カチューシャ唄う あぁー あなた 二人の世界の 幕が開く |
| 関の弥太っぺ島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 義理の重たさ 背にしょって 流れ道中 子連れ旅 一夜泊りの 草鞋をぬぐも なにかのご縁 無理を承知で たのみます どうか どうか どうかこの子の 親がわり 「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん 理由は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか きっと迎えに参ります 喧嘩渡世のこの身では 幼な子を刃くぐりの巻き添えには出来ません 身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」 昇る朝日に 手を合わせ 沈む夕日に また祈る 無事でいるやら 辛くはないか しあわせなのか 気にはしてたが 長の旅 やっと やっと やっと戻りの 甲州路 「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥ 云いたい事も聞きたい事も山ほどある 逢えば泣けて来てなにも云えないだろう ただ一目だけ大きくなったお小夜を見たら 土産に買ったこのかんざしを置いて立ち去ろう それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」 可愛いがられて 育てられ 嫁に行く日も 近いとか どんな親でも 命をわけた 親なら子なら せめても一度 逢いたかろう 関の 関の 関の弥太っぺ 男泣き |
| 大忠臣蔵島津亜矢 | 島津亜矢 | 松井由利夫 | 村沢良介 | | かぜさそふ はなよりもなほ われはまた ならぬ堪忍 耐えてこそ 武門の意地も 立瀬川 今はこれまで この一太刀を 吉良殿お受け 候えや 吾れ桜木の 花と散る 殿中にての刃傷沙汰は 罪萬死に値すること この内匠頭 重々承知いたしております さりながら積もる遺恨の数々… 浅野家五万三千石 所領も捨て家臣を捨てての 覚悟の所業でござる 梶川殿…武士の情けじゃ この手を離しくだされ 今ひと太刀…今ひと太刀 上野介を討たせてくだされ…梶川殿 忠に生きるは 武士の道 命を盾の 槍ぶすま 敵を欺く 言挙げならば 瑤泉院さま 許されよ 雪ふりしきる 南部坂 われら幡州赤穂の浪士 大石内蔵助以下 四十七名の者どもでござる この言挙げは私怨に非ず 天下の御政道の是非を正すためなり おのおの方 かまえてその旨を心にしかと刻まれい 忠左衛門どの…吉良殿の所在は未だつかめぬか 源五…東の空も白んでくるわ くまなく探せ われらの命運はあと半刻ぞ… 天よ地よ神よ仏よ 慈悲あらばわれらが本懐を遂げさせたまえ “吉良殿…見つかり申した…” あれは山鹿の 陣太鼓 一打ち 二打ち 三流れ 一期一会は この世のならい 粒々辛苦 血の涙 暁染める 松坂町 |
| 近松門左衛門原作「冥途の飛脚」より 梅川島津亜矢 | 島津亜矢 | さとの深花 | 村沢良介 | | 逢うこと叶わぬひとに逢いたくて… 逢いたくて… 重い不幸の罪科(つみとが)を 今は地の果てまでも追われる身 いとしい忠兵衛さまを誰が 誰がこうさせた みんな このわたし故… この梅川ゆえに… 情念(あい)をつらぬく この命 隠しきれない 阿弥陀笠 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻(ぶん)だけ 添いましょう 人目忍んで 後や先 足も乱れる… 隠れ雪 忠兵衛さま この世に未練などありませぬ この梅川は あなたを離したくない… 身は粉々に砕かれようと 二人で燃えつきたい… あなたに逢えてこそ 女に還れました… 逢えて 逢えてよかった… 声を立てずに 泣くことは いつか覚えた 身についた 生きられるだけ 生きましょう 添える時刻だけ 添いましょう 罠にかかった 雉子(とり)のよに 闇におびえる… 峠越え お役人さまお願いで御座います… 見納めで御座います… お父上の嘆きが目に入り 忠兵衛さまはあの世へ行けません お情けあらばどうか どうか顔を包んであげて下さい 腰の手拭いで目を 目を 目を隠して下さい… お役人さまー… 罪の深さを 大和路に 詫びて死にたい この命 生きられるだけ 生きました 添える時刻だけ 添いました せめて冥途の 草枕 紅い血が舞う… 雪が舞う 忠さま… 忠さま… 忠兵衛さまー… |
| 近松門左衛門原作「心中 天の網島」より 小春島津亜矢 | 島津亜矢 | 松井由利夫 | 村沢良介 | | 浮名を流す蜆川 小春治兵衛の エー道行きじゃぞェ… 帯も身幅も 思いの丈も 痩せて浪花の 神無月 治兵衛さま…小春… まして浮き名の 曽根崎新地 人の噂で 運命が変わる 小春 哀しや… 義理に泣く 縁とは不思議なものです 逢うたびに、情は深まり 心が傾く そしていつしか、切るに切れない絆となるものです これがこの世の運命とあらば 小春はすべてを 運命の川にまかせます 運命の川に流れます さあ治兵衛さま、この橋を渡りましょう 橋の名前も梅、桜… 渡り切れたら花となり、 散って散ってあの世へ参りましょう 恋は気まぐれ こころの迷い それは世間の 逃げ言葉 治兵衛さま… 小春… 引くに引けない 情けの狭間 たかが一枚 この誓紙(かみ)きれで 小春 涙で… 帯を解く 風に誘われて聞こえて来るのは大長寺の鐘の音… ここは小春が治兵衛さまと、最後の場と決めた綱島です 母さまに何の親孝行も出来ないまま先立つ不幸 どうか、どうかお許し下さいませ そして先の世に行っても、小春は大好きな母さまの 娘でいさせて下さい 小春は、小春は母さまが大好きでした… 女いのちの 建て前本音 捌ききれずに 袖を噛む 治兵衛さま… 小春… 死ぬも生きるも 絵草紙ならば 夢の道行き 浄土の旅へ 小春 治兵衛に… 雪が舞う 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 治兵衛さま~ |
| 近松門左衛門原作「曽根崎心中」より お初島津亜矢 | 島津亜矢 | さとの深花 | 村沢良介 | | 命追われて 力も尽きて 闇路に光る ふたつ星 泣いてさめざめ 天満屋お初 帯は裂けても 心は裂けぬ お初…徳さま… 忍び爪立ち 梅田橋 「冬に耐えれば春がくる 例え…この身は蜆川(しじみがわ)の水底(みぞこ)に沈んでも あなたの側にいたい 徳さま…離さないで… 願い叶わぬ夢ならば 次の世でもその次の世でも あなたと暮らしたい 徳さま…きっと…きっと…幸福にして下さいますね」 肌に白無垢(しろむく) 無情の霧道(みち)は 一足ずつに 消えてゆく 風の曽根崎 天神様よ どうぞお願い 一緒に泣いて お初…徳さま… 恋の道行(みちゆき) 鐘の音(こえ) 「徳さま…浅黄(あさぎ)の色の抱え帯 この帯で二人の躰をしっかと縛って下さいな 松と棕櫚(しゅろ)とは根元(ねもと)でひとつ この連理(れんり)の木にすがって死にましょう あ…あれは暁(あけ)の七ッの鐘 六ッ嶋りて残る一ッが 今生(こんじょう)の鐘の響きの聞きおさめ 徳さま…早よう迷わずその脇差しを抜いて下さいな 徳さまと一緒に死ねることがうれしい…うれしいの…」 解けた黒髪 震(ふる)える肩は この世のなごり 夜も別れ 抱いて下さい 力の限り 永遠(とわ)の契りは 誰にも断(き)れぬ お初…徳さま… きっとあの世で 添い遂げる |
| 近松門左衛門原作「大経師昔暦」より おさん島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | ひとり寝は… そっと茂兵衛に逢いたくて 夢で逢う気で 灯り消す… 好きになっては いけない人と 恋の道行き しのび旅 たったひと夜の ふれ合いなのに 掟破りの 罪ですか あぁー 雪が あぁー 雪が… 闇に小走り おさん 茂兵衛の…影二つ 「茂兵衛に不義密通の汚名をかけてしまい 許しておくれ… でも このおさんのことを好きだと言ってくれた お前の今の一言で 決心がつきました 生きて 生きて一緒に逃げましょう… おさんは どこまでも どこまでも茂兵衛について行きます…」 せめてひととき あなたの胸で どうか泣かせて 下さいね 女ごころを 知ってるように 瀬音哀しい 高瀬川 あぁー 雪が あぁー 雪が… そっと寄り添う おさん 茂兵衛の…恋模様 「初暦の出る霜月は こぼれる涙も凍てついてしまいそうでございます… この身は 琵琶湖の露と消えようと おさんは身も心も茂兵衛のもの 今のおまえは奉公人やない このおさんの夫や… この世が駄目なら あの世で あの世で結ばれとうございます…」 息をひそめて 目と目で話す 覚悟してます 不義の道 風が雨戸を ゆさぶる夜は 心細くて 身を寄せる あぁー 雪が あぁー 雪が… 夢にはぐれた おさん 茂兵衛の…隠れ宿 |
| 近松門左衛門原作「夕霧阿波鳴渡」より 夕霧島津亜矢 | 島津亜矢 | 下地亜記子 | 村沢良介 | | いやよいやです もう待つなんて 待てば命の 炎(ひ)が細る これが習いか 身の因果 少し泣いても いいですか… 恋は 恋は… こんなに 何故つらい …つらい この夕霧のために恋しい伊左衛門様は 勘当されて流浪(るろう)の身。 今頃どうしておいでやら… 何度も文(ふみ)を送っても 音沙汰なしとは、 あまりにもつれない仕打ち。恨みにござんす。 逢えぬつらさに煩(わずろ)うて これこのようにやつれ果てて… 夕の… 夕の… 命あるうちに どうぞ逢いに来てくださんせ… 伊左衛門様… 髪もほどけて 涙も散って 明日も見えない 運命川(さだめがわ) 何処へ流れる おんな舟 袖にすがって いいですか… 夢は 夢は 儚(はかな)く 何故消える …消える この夕霧をまだ花魁(おいらん)と思うてか… そなた様とは 二世(にせい)を誓(ちこ)うた夫婦(みょうと)でありんす。 たとえ離れて暮らそうと 心はひとつ 身はひとつ。 共に死のうと言うてくだしゃんすなら 夕は… 夕は… 喜んで ついて行(ゆ)くものを… かたい契りも 夢まぼろしか 諸行無常の 鐘の音 せめて添いたい 浄土(じょうど)では 少し泣いても いいですか… おんな おんな 倖せ 何故遠い …遠い |
| 忠治侠客旅島津亜矢 | 島津亜矢 | たなかゆきを | 村沢良介 | 池多孝春 | 「忠治!御用だ!御用だ! 御用だ、御用だ…」 「喧しいやい、静かにしろい!義理と人情 忘れたそんな奴らに我慢ができず、 堪忍袋の緒を切った、男忠治の心意気、 たっぷり見せてやらァ!」 生まれ在所を 我が物顔に 渡る奴らは 許せねぇ 義理を表に 情けを裏に 侠客忠治が 赤城の山で 乗るか反るかの 乗るか反るかの 勝負する 「赤城の山も今宵を限り、生まれ故郷の 国定の村や縄張りを捨て 国を捨て、可愛い子分の手前(てめえ)たちとも 別れ別れになる首途(かどで)だ。 …加賀の国の住人、小松五郎義兼が 鍛えた、業物(わざもの)。万年溜の雪水に浄(きよ)めて、 俺には生涯手前という強ぇ味方が あったのだ。」 麓囲んだ 追手の灯り 守る俺達ァ 暴れ獅子 灰になっても 親分子分 七分飲み干す 赤城の地酒 あとの三分は あとの三分は 別れ酒 「人の運命(さだめ)は五十歩百歩。 咲くも花なら散るも花。 長い草鞋(わらじ)も承知の上で、 心の向くまま、足の向くまま、 あても果てしもねぇ旅に発つのだ。」 筋を通した この生き様も 今宵限りと 仁王立ち 小松五郎を 万年溜の 水に浄めりゃ 赤城の月が うつす忠治の うつす忠治の 旅姿 「たとえ世間は変わろうと、 忠治は忠治で生きていかァ。」 |
| 鶴八鶴次郎島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 三味に女の 命を込めて ツンと爪弾く 明鳥 好いて好かれて 喧嘩して 恋の恋の 二上がり 三下がり 月に聞かせる エ……泣き語り 愛の深さを知ってから 三味線の技を知りました 恋しさといとしさと切なさが 女心の三筋の糸 次郎さんの胸に届けたい……届けたい 聞いて下さい 今夜の音色 艶が出たねと 言われます 二人一緒の 舞台なら これがこれが 最後に なったのね 涙押さえる エ…牡丹刷毛 もう一度二人で 一緒の舞台に出たかった 切っても切れない 二枚看板なのに… 引き離す宿命を恨みます…憎みます おまえあなたと 呼び合いながら そばで一生 暮らしたい それも今では 夢なのね 消えて消えて はかない 水の泡 恋の緞帳 エ…幕を引く |
| 天竜三度笠島津亜矢 | 島津亜矢 | チコ早苗 | 村沢良介 | 伊戸のりお | しぐれ街道 夜風に吹かれ 急ぎ旅です 中仙道 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 ひと目逢いてぇ おふくろに 夢でござんす 夢でござんす …天竜三度笠 お控ぇなすって… お控ぇなすって… 手前ぇ生国と発しまするは 信濃の国でござんす 天竜の水で産湯を浸かった 人呼んで… 母恋半次郎と申すけちな野郎でござんす 以後万端お見知りおき… よろしゅうお頼う申します 長脇差(どす)を抱き寝の 浮草ぐらし 渡る仁義の うら表 おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 故郷(くに)へ帰れる 身じゃねぇが 愚痴でござんす 愚痴でござんす …天竜三度笠 どこへ飛ぼうか 賽の目まかせ 縞の合羽に 謎かける おひけぇなすって 手前ぇあだ名は 母恋鴉 詫びておりやす 親不孝 辛うござんす 辛うござんす …天竜三度笠 |
| 仲乗り新三島津亜矢 | 島津亜矢 | つるぎまさる | 村沢良介 | 池多孝春 | 木曽の生まれよ 仲乗り新三 夜風身に沁む 旅鴉 生まれ在所で いつかはきっと 寝ずに覚えた 木曽節を いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 結ぶ草鞋と アンァー アー… 三度笠 木曽のナー ナカノリサン 木曽の御岳 ナンジャラホイ 夏でも寒い ヨイヨイヨイ アラ ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイー 斬って切れない 情けの糸で 後ろ髪ひく 茶屋娘 こんなやくざに 惚れたら苦労 明けの木曽路を 忍び立ち いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 縞の合羽に アンァー アー… ひとしずく 「お控えなすって お控えなすって… 手前 生国と発しまするは 木曽でござんす 木曽は木曽でも木曽川で 産湯を使った 仲乗り新三と申します…」 遠音・山越し・ふるさと囃子… じーんと来やんす瞼の奥で… 捨てたあの娘が 捨てたあの娘が俺を呼ぶ…」 石の地蔵さんと 野仏さんに 片手拝みの いそぎ旅 ままよ長脇差 水棹に代えて 流す筏は 十三里 いいじゃないかい 春だもの いいじゃないかい 旅だもの 娘 手を振る アンァー アー… 中仙道 |
| 日本の昔話「鶴女房」より おつう島津亜矢 | 島津亜矢 | さとの深花 | 村沢良介 | | 「日本に古くから伝わる民話 美しくも哀しい鶴の物語です。」 うれしくて うれしくて 雪にさまよう この命 助けてくれた 恩返し 羽根を千本 引き抜いて 織り上げましょう 千羽織り あなた…あなた… つうはあなたの 女房になりました 「あの雪の降る寒い夜… あなたは私の胸に 食い込んだ矢を抜いて、命を助けてくれました。 その恩返しにあなたの所にお嫁に来たのです。 そしてあなたに喜んで貰おうと思って、 心を込めて一生懸命に布を織りました。 貧乏でも構いません…。私はあなたの側に いたいのです。だからお願いです…。 私から離れないで… どこへも行かないで下さい…。」 せつなくて せつなくて 力 尽きても 死のうとも 心をこめて 織りました 違う世界の 人の様に 冷たくなって いかないで あなた…あなた… つうはあなたの お側で暮らしたい 「あれほど覗かないでと言ったのに、 あなたは覗きましたね…なぜ見たのです! 私は以前、傷ついた所を助けていただいた鶴です…。 その恩に報いるために、命を、命をかけて、 心を込めて布を織りました…。 でも私の本当の姿を見られては、 もうここに住むことは出来ないのです。 許して下さい…私は鶴に戻ります!」 夢でした 夢でした どうぞ機屋を 覗かずに その約束は 雪に散る 祈り願いも 叶わずに 茜に染まる 空の果て あなた…あなた… つうは涙で 昔にもどります 「さようならあなた…私は飛び立ちます! さようなら…」 |
| 仁侠吉良港島津亜矢 | 島津亜矢 | 村沢良介 | 村沢良介 | 池多孝春 | 雨にあじさい 風にはすすき 俺にゃ似合いの 裏街道 赤い夕映え この胸に 抱いてやりたい 花一輪 合わす両手に ほろりと涙 お菊 十八 お菊 十八… 恋女房 「後にも先にも 惚れた女はただ一人… お菊 お前だけだ… 嫌いになった訳じゃねぇー 男には仁義のために命を掛けなきゃーならねえ時があるんだぁ なんにも言わずに この離縁状を受け取ってくれ… なぁー お菊…」 なるになれねぇ 渡世じゃないか 意地と情けの 板ばさみ 別れ盃 交わす夜は そっと心で 詫びている 行かにゃならない 荒神山へ 男 涙の 男 涙の… 離縁状 「明日の命も判らねぇのが この渡世… 安濃徳のあこぎなやり方を 許す訳にゃーいかねぇんだ 三途の川の川端で 男同士の約束を 守り通すも義理のため… 分かってくれ… お菊…」 惚れたお菊に 背中を向けて 野菊片手に 散り急ぐ 夫婦暮らしも 束の間の たった三月の 恋女房 義理を通した 白刃の舞に 波もざわめく 波もざわめく… 吉良港 |
| 花の幡隨院島津亜矢 | 島津亜矢 | 渋谷郁男 | 村沢良介 | 池多孝春 | 花のお江戸は 幡隨院の 侠客長兵衛が 引き受けた 一人乗り込む 旗本屋敷 命 命捨て身の アンア アアアア アンアアー 町奴 男伊達なら あの長兵衛と… 人に云われたこの俺が 片手を上げりゃ千、二千 子分身内は集まるけれど ぐっとこらえて来た俺だ 罪なき江戸の町人衆に 俺ゃ喜んで死んで行くと にっこり笑って息絶える 東男のアンアンアン アアンアアン アーアーアン アーアーアー 晴れ姿 「さすがは長兵衛… あっぱれな最後… 武士の遺恨と意地とは云え 惜しい男を亡くしてしまった… 許せ長兵衛 そちは日本一の…男であった」 度胸千両で 今売り出しの 侠客長兵衛は 江戸育ち 死出の旅路の 桜の花を 散らす 散らす無情の アンア アアアア アンアアー なみだ雨 |
| 「細川ガラシャ」より お玉島津亜矢 | 島津亜矢 | 祝部禧丸 | 村沢良介 | 丸山雅仁 | 散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ 時代(とき)の流れと 宿命(さだめ)のままに 嫁ぐお方は 細川さまへ 京は長岡 あの勝龍寺城(しょうりゅうじ) 城下町では お玉のことを ガラシャ ガラシャ ガラシャ夫人と 噂する わたくしは忠興さまに嫁ぎ、 幸せに思っておりましたが、 この味土野の淋しい暮らしは、 あまりにも虚しく、 儚いものでございます。 これからは神を信じ、 心の支えとして生きてまいります。 すべてはデウスの思し召し、 つらいとき、苦しいとき、 必ずデウスは、お助けくださいます。 死ぬも生きるも 乱世の女 暮らす味土野(みどの)は 虚しさつのる 天主(かみ)はお玉の 心の中に 遠く淋しい 丹後の里で 愛を 愛を 愛を祈って ひとり待つ わたくしはデウスの愛によって、 人の命はみな等しく、 尊いものであることを知りました。 お父上、お玉はなぜ女に 生まれてきたのでしょう。 嫁いだ身だとはいえ、 お玉は明智の誇りを胸に、 魂まで渡すつもりはございません。 わたくしも花のように、 潔く散りとうございます。 デウス(かみ)を信じて 真実(まこと)に生きる 人は心で 結ばれている 命ささげた 女のさだめ 胸の十字架(クルス)を 抱きしめながら 燃える 燃える 燃える紅蓮(ぐれん)の 紅桔梗は散る デウスさまぁ… |
| 村松梢風原作「残菊物語」より お徳島津亜矢 | 島津亜矢 | 野本高平 | 村沢良介 | | 「お徳、お前がいのち」と言って下さった あの夜の若旦那の言葉、 お徳は若旦那と離れられなくなりました… 親の許さぬ ふたりの仲を 恋の炎は なぜ焦がす 花の音羽屋 お徳のいのち 髪を 髪を ほどけば紅が散る 夢はおぼろ 夢はおぼろ 泣いて浪花へ 都落ち 父親の跡を継いで芝居をとるか、お徳をとるか… 若旦那はお徳をとって下さいました あの時から若旦那とお徳の命は、 二人で一つになりました… だから、どんな事をしてでも 若旦那を立派な役者にしなければ… 妻と名のれず あなたと呼べず 隠れ所帯は 路地の奥 好きなお方が 世に出るまでは 苦労 苦労 覚悟のいく曲がり 涙おぼろ 涙おぼろ 生きて尽くして 愛されて えっ、本当ですか? 旦那様が二人の事を許して下さったのですか? それじゃ、このお徳は世間晴れて、 若旦那の女房になれたのですね… これからは「あなた」と呼んでもいいのですね… あなた…これで私の病気も治りますね… 私の命はあなたのいのち、 お徳は…お徳は…幸せ者です…… 出世花道 舟乗り込みを せめて笑顔で 送る朝 今日が最期か お徳のつとめ 終えて 終えて 黄泉路をひとり旅 あとはおぼろ あとはおぼろ 声が聞こえる 大向う あなた あなた あなた…音羽屋…… |
| 桃色鴉島津亜矢 | 島津亜矢 | 星野哲郎 | 村沢良介 | | 二度や三度の 桃色話 あってよさそな 年頃を 男嫌いで 通したけれど 惚れました 惚れました 流れ流れて やっと見つけた ああ… あんたが命 色も盛りの 桃色桜(ざくら) 安く散るのは まっぴらと 粋(いき)に構(かま)えて 生きてたけれど 落ちました 落ちました 好きと言わずに 好きと言わせる ああ… あんたの胸に 旅が塒(ねぐら)の 桃色鴉(がらす) 夢を持たなきゃ 渡れない 殺し文句も 呉れないけれど 惚れました 惚れました 女心の 底の底まで ああ… あんたが命 |
| 森の石松島津亜矢 | 島津亜矢 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | | 山が富士なら 男は次郎長 あまた子分の いる中で 人のいいのが 取り柄だが 喧嘩早いが 玉に疵(きず) 森の…森の石松 いい男 「そこの若えのは 海道一の親分は清水の次郎長だってねぇ いい子分が居るって言うのかい そうよ…一に大政 二に小政 三に大瀬の半五郎 四番増川の仙右衛門 五番法印大五郎 中でも一番強えのが 遠州森の石松だい… うれしいねぇ…呑みねぇ 呑みねぇ 寿司喰いねぇ 江戸ッ子だってねぇ…」 やっと出ました 俺らの名前 清水一家の 暴れん坊 情がからめば ついほろり うれし涙が こぼれます 男…男石松 泣き笑い 「酒を呑んだら虎になり 暴れ出したら止まらない あゝ…馬鹿は死ななきゃ癒らねえ…」 腕は強いが おっちょこちょいで 酒と女と 喧嘩好き 讃岐金刀比羅 代参で 死出の旅とも 知らないで 森の森の石松 ひとり旅 |
| 八重~会津の花一輪~島津亜矢 | 島津亜矢 | 志賀大介 | 村沢良介 | 池多孝春 | 明日の夜は 何国(いずこ)の誰か ながむらん なれし御城に 残す月かげ ならぬことは ならぬもの これがふるさと 会津の魂(こころ) 時は幕末 葵は枯れる 仰ぐなみだの 鶴ヶ城 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します 「弟・三郎の形見の衣装を身にまとい 散るを覚悟で城に向かったあの日… あれは まるで昨日の事の様です 城 明渡しの夜 無念のうちに見上げた夜空に 煌々と輝いていたあの月が 目を閉じれば今もそこにあります あゝ 何故あれほど多くの命が 失われなくてはならなかったのでしょう… わたしたちは ただ国を ただ故郷を 守りたかっただけなのです」 胸に宿す こころざし 風が運んだ 日本の夜明け 青いガス燈 想いを照らす 馳せる希望の あかね雲 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します 「散切り頭にちょんまげ頭 時代は 『明治』に変わり 押し寄せる維新の波は 誰をも飲み込む潮流となって迫ってきました ジョー、あなたと共に夢を馳せた世も 争いは絶えません わかっています わかっているのです 誰も争いごとは望んでおりません 人はもともとやさしいもの… そのやさしさを求める人々に 私は手を差し伸べ続けます その先に… その先に…」 明日は明日の 陽が昇る 峰にかかれる むら雲晴れる いのちひとすじ 慈愛の精神(こころ) 夢にこの身を 捧げたい 八重は一生 女の 女の 女の誠を通します |
浪花しぐれ「桂春団治」 神野美伽 | 神野美伽 | 渋谷郁男 | 村沢良介 | | 酒も呑めなきゃ 女も抱けぬ そんな どアホは死になされ この世は呑ん兵衛が 引き受けた あの世はあんたに まかせたぜ 男浮名の エー 春団治 「わいは女が好きゃ ほんまに好きゃー、 世間の奴らはわいのことを女たらしとか 後家殺しとか云うけど アホぬかせ女もこしらえんと金ばっかりためる奴は一人前の 芸人とは云わんわいうまいもん喰うて飲みたいもん飲んで女が惚れてきたら こっちも惚れたるこれがほんまの芸人や… 何やて税金払わんよって差押えに来たてか ああ何ぼでも押えてやけど云うとくで そこらの品物にぎょうさん紙はっても無駄なこっちゃはるんやったらな わいの口に一枚はった方が ねうち有るでわいはなァ この春団治はなァ口が身上や」 人情小咄(こばなし) おいろけばなし 口も八丁 手も八丁 女房は捨てても 捨て切れぬ 八方破れの 寄席(よせ)太鼓 いのち捨身の エー春団治 「どいつもこいつもわいの心のわかる奴は一人も居らへん 女房まであいそつかして出て行きくさった えーわい春団治のねうちのわからん様な女房なんかいらんわい わいは高座に命を賭けてるんや 女房がなんじゃい子供がどないしたちゅんじゃい わいの女房は落語じゃい」 拗ねてせばめた 浪花の空に 何んで丸ァるい 月が出る ほろ酔い気嫌の 屋台酒 よろけてひと足 また三足 ホロリ涙の エー 春団治 |
| 泣きました菅原都々子 | 菅原都々子 | 湯村ひろし | 村沢良介 | | 本当に好きだと 言ったわね 忘れはしないと 言ったわね 指切りしながら 小雨の駅で お別れした日の あなたの言葉 忘れられずに 泣きました かならず帰ると 言ったわね 待ってておくれと 言ったわね イヤゝしながら 小雨の駅で 心に刻んだ あなたの言葉 思い出しては 泣きました 涙をおふきと 言ったわね 笑ってごらんと 言ったわね さよならしながら 小雨の駅で 汽笛に消された あなたの言葉 涙こらえて 泣きました |
| 日暮れの駅で菅原都々子 | 菅原都々子 | 大野義於 | 村沢良介 | | 日暮れの駅で ふと逢った 昔命を かけた君 お元気ですかと なにげなく 聞いたつもりの 涙声 どうせ帰らぬ 夢なのに あきらめ切れず 捨て切れず 思い悩んだ ひと昔 しばらくでしたと さりげなく 君が言葉の やるせなさ どうせ帰らぬ 夢なのに あそこの店も この道も みんな昔の ままなのに お幸せにと 別れゆく 君は昔の 君じゃなし 胸に切ない 日が落ちる |
愛ちゃんはお嫁に 鈴木三重子 | 鈴木三重子 | 原俊雄 | 村沢良介 | | さようなら さようなら 今日限り 愛ちゃんは太郎の 嫁になる 俺らのこころを 知りながら でしゃばりお米に 手を引かれ 愛ちゃんは太郎の 嫁になる さようなら さようなら 悲しい日 愛ちゃんは俺らに ウソついた ウソとは知らずに まにうけて 夢を見ていた あまい夢 愛ちゃんは俺らに ウソついた さようなら さようなら 遠ざかる 愛ちゃんは太郎と しあわせに なみだをこらえりゃ はらはらと ひと雨キツネの お嫁入り 愛ちゃんは太郎と しあわせに |
| 関の弥太っぺ善光寺広志 | 善光寺広志 | 宮沢守夫 | 村沢良介 | 藤沢コーヤ | 義理の重たさ 背にしょって 流れ道中 子連れ旅 一夜(いちや)泊(どま)りの 草鞋(わらじ)をぬぐも なにかのご縁 無理を承知で たのみます どうか どうか どうかこの子の 親がわり 「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん 理由(わけ)は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか きっと迎えに参ります 喧嘩(けんか)渡世(とせい)のこの身では 幼な子を刃(やいば)くぐりの巻き添えには出来ません 身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」 昇る朝日に 手を合わせ 沈む夕日に また祈る 無事でいるやら 辛(つら)くはないか しあわせなのか 気にはしてたが 長(なが)の旅 やっと やっと やっと戻りの 甲州路 「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥ 云いたい事も聞きたい事も 山ほどある 逢えば泣けて来て なにも云えないだろう ただ一目(ひとめ)だけ大きくなった お小夜(さよ)を見たら 土産(みやげ)に買った このかんざしを置いて立ち去ろう それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」 可愛がられて 育てられ 嫁に行く日も 近いとか どんな親でも 命をわけた 親なら子なら せめても一度 逢いたかろう 関の 関の 関の弥太っぺ 男泣き |
| 愛に散りたい鶴岡雅義と東京ロマンチカ | 鶴岡雅義と東京ロマンチカ | 上月たかし | 村沢良介 | | ふまれて散るのは 紅(あか)い花 夜更けに散るのは なみだ花(ばな)…… 泣き泣き散るのは 恋の花 死んでも離しは しないよと 誓った言葉が やさしさが…… 今でもうれしい わたしなの お酒にすがって 酔いながら しみじみ泣きたい 雨の夜は…… こころで貴方を 呼びながら はげしく愛して 燃えつきて 命がかれても しあわせよ…… わたしはあなたの こころ妻 |
| しのび逢う町鶴岡雅義と東京ロマンチカ | 鶴岡雅義と東京ロマンチカ | 二条冬詩夫 | 村沢良介 | | 愛するだけで 結ばれるなら 君をこんなに 苦しめはしない さよならも いつかぬれてた しのび逢う町 やつれた肩を うしろから 抱きしめて みたい ふたりでいても さみしい町は 君の涙が なによりもつらい 許されぬ 恋と知りつつ しのび逢う町 落葉の路(みち)は たそがれて かなしみが におう しあわせなんか 欲しくはないよ 君をいつまで 抱きしめていたい もえながら 別れるために しのび逢う町 さよならばかり していると 泣いている君よ |
| 愛ちゃんはお嫁に天童よしみ | 天童よしみ | 原俊雄 | 村沢良介 | | さようなら さようなら 今日限り 愛ちゃんは太郎の 嫁になる 俺らのこころを 知りながら でしゃばりお米に 手を引かれ 愛ちゃんは太郎の 嫁になる さようなら さようなら 悲しい日 愛ちゃんは俺らに ウソついた ウソとは知らずに まにうけて 夢を見ていた あまい夢 愛ちゃんは俺らに ウソついた さようなら さようなら 遠ざかる 愛ちゃんは太郎と しあわせに なみだをこらえりゃ はらはらと ひと雨キツネの お嫁入り 愛ちゃんは太郎と しあわせに |
| おしゃれなスパイ野際陽子 | 野際陽子 | 浅野哲秋・補作詞:野際陽子 | 村沢良介 | 小谷充 | パリから帰った おしゃれなスパイ どんなにきれいに 身をかざっても 恋に激しく 燃えようと 明日さえ知れない この命 心をよぎる 空しい想い 空しい想い 私は淋しい おしゃれなスパイ 冷たいさだめに 泣いたとしても 白いドレスが そまろうと 私は生きるの その中で 激しく燃やす 私のすべて 私のすべて 名もない街に 灯がともり セーヌのたそがれ 想わせるとき 胸しめつける 恋ごころ 冷たいおきてと 知りながら 私は恋する おしゃれなスパイ おしゃれなスパイ |
| 白い花の青春浜田光夫 | 浜田光夫 | 松本栄 | 村沢良介 | | 山並みはうす紫に 希望の丘よわが町よ 歌声高く手を組んで 夢は明るい朝の道 ああ青春の白い花白い花 風薫るみどりの牧場 流れる霧よ湖よ 口笛軽く手を組んで ポプラ並木の果てしなく ああ青春の青い空青い空 |
| 三平の熱海の海岸林家三平 | 林家三平 | 門井八郎 | 村沢良介 | 長津義司 | 男ごころを知りながら なんで宮さん嫁に行く 熱海の海岸貫一の 泣いてしぼった せつない涙で 見てろあの月 くもらせる 金やダイヤに 目がくれた そんな宮さん 欲しくない 今月今夜で貫一は 生れ変って 金色夜叉に なって渡るぞ 人生を 顔をそむけて身をせめて すがる宮さん つきはなす しんからどうして憎かろう 間貫一 別れの辛さを 泣いて呉れるか 磯千鳥 |
| おわら恋唄福島千晴 | 福島千晴 | 鈴木信子 | 村沢良介 | 丸山雅仁 | おわらの囃子が 涙を誘う 今夜は泣いても いいですか あなたが結んだ 愛の糸 支えにわたしは 生きたいの おんなには おんなには 悲しい物語が 似合うのね 越中八尾の…風の盆 風の盆 やさしく抱かれて 灯りを消して 今夜は酔っても いいですか 指折り数えて 待ちました あなたのお側で 眠りたい おんなには おんなには 小さな幸せ 似合うのね 諏訪町 格子戸…石畳 石畳 胡弓の音色が 髪まで沁みる 今夜は夢見て いいですか わたしもひと夜の 酔芙蓉 忍んで逢いたい あなたです おんなには おんなには 切ない想い出 似合うのね 寂しさ連れてく…おわら節 おわら節 |
| 浪花しぐれ「桂春団治」藤田まこと | 藤田まこと | 渋谷郁男 | 村沢良介 | | 酒も呑めなきゃ 女も抱けぬ そんなど阿呆は 死になされ この世は呑ン兵衛が 引き受けた あの世はあんたに まかせたぜ 男浮名の エー 春団治 「わいは女が好きゃ、ほんまに好きゃー、 世間の奴らはわいのことを女たらしとか 後家殺しとか云うけど アホぬかせ 女もこしらえんと金ばっかりためる奴は 一人前の芸人とは云わんわい うまいもん喰うて飲みたいもん飲んで 女が惚れて 来たらこっちも惚れたる これがほんまの芸人や…… 何やて税金払わんよって差押えに来たてか ああ何ぼでも押えてや けど云うとくで そこらの品物にぎょうさん紙はっても 無駄なこっちゃ はるんやったらな わいの口に一枚はった方がねうち有るで わいはなァこの春団治はなァ 口が身上や」 人情小咄(こばなし) お色気ばなし 口も八丁 手も八丁 女房は捨てても 捨て切れぬ 八方破れの 寄席太鼓 いのち捨身の エー 春団治 「どいつもこいつも わいの心のわかる奴は一人も居らへん 女房まであいそつかして出て行きくさった えーわい 春団治のねうちの わからん様な女房なんかいらんわい わいは高座に命を賭けてるんや 女房が何じゃい子供がどないしたちゅんじゃい わいの女房は落語じゃい」 拗ねてせばめた 浪花の空に 何んで丸ァるい 月が出る ほろ酔い気嫌の 屋台酒 よろけてひと足 また三足 ホロリ涙の エー 春団治 |
| マイク片手にカラオケ人生増位山太志郎・川中美幸 | 増位山太志郎・川中美幸 | 大高ひさを | 村沢良介 | | あの娘自慢の 声のよさ 俺の得意は 節まわし 演歌なかまが 集まれば 夢とロマンの 花がさく マイク片手に 片手に マイク片手に 片手に カラオケ人生さ 恋につまづき 泣く夜は 酒に涙を こぼすより のどを涙で しめらせて 歌えば心も 晴れてくる マイク片手に 片手に マイク片手に 片手に カラオケ人生さ 夜が更けたら ボリュームを そっとしぼって しんみりと スター気どりの 振りもつけ 寄りそい甘えて デュエットで マイク片手に 片手に マイク片手に 片手に カラオケ人生さ 歌は世につれ 変るけど 歌う心は 変りゃせぬ 景気 不景気 浮き沈み 歌いとばして 乗りこえる マイク片手に 片手に マイク片手に 片手に カラオケ人生さ |
| 姫折鶴美貴じゅん子 | 美貴じゅん子 | 有美子 | 村沢良介 | 池多孝春 | あなたが残した 姫折鶴を 解けば悲しい 華になる 紅い千代紙 情念をこめて 折ればあなたに 逢えますか ひとつ恋しい ひとつ淋しい 飛ばすあてない 恋の鶴 抱かれたその手が 優しい声が 今もわたしを 熱くする 指の先まで 好きだと云った 夢に縋って 夢を見る ひとつ恋しい ひとつ切ない なみだ果てない 恋の鶴 あなたにはぐれた 姫折鶴の いのち愛しい 夜の窓 明日を信じて 生きてくことを 願うあなたの 声がする ひとつ恋しい ひとつ逢いたい おんなごころの 恋の鶴 |
おんな占い 南有二とフルセイルズ | 南有二とフルセイルズ | 二条冬詩夫 | 村沢良介 | | 胸にほくろの あるひとは 好きな男に だまされる ダイヤの指輪を していても あの娘はかなしい 恋に泣く あの娘はかなしい 恋に泣く 名前ばかりを 取りかえる あの娘お金に 縁がない 左にえくぼの かわいい娘 小さなお店の ママになる 小さなお店の ママになる 酔ったふりして からみつく あの娘 ほんとに 男好き フランス香水 匂わせる あの娘は秘密が 多すぎる あの娘は秘密が 多すぎる 青いシルクの 靴下を はいている娘は 口説けない 別れた男を 恋しがる あの娘はルージュが ぬれている あの娘はルージュが ぬれている 爪をピンクに 染める娘は いつも夢みる 恋をする 悲しいときでも 笑ってる あの娘はかわいい 妻になる あの娘はかわいい 妻になる |
| 流川ブルース八代亜紀 | 八代亜紀 | 高月ことば | 村沢良介 | 伊藤雪彦 | あの人に 逢いたくて ひとり来た この町は だれが だれが だれが名づけた 流川 いまのわたしの 身の上に とても似てます あの歌は 男と女 女と男 流川ブルース よそ者の わたしでも 住めそうな 気がします 夢も 夢も 夢もなみだも 流川 街に灯りが 点くころは 恋に身を灼く 宵化粧 男と女 女と男 流川ブルース たそがれの 橋の上 あの人を 呼んでみた きっと きっと きっと逢えます 流川 こんど逢ったら その時は あなた抱いてね しっかりと 男と女 女と男 流川ブルース |