いなか侍川中美幸 | 川中美幸 | もず唱平 | 聖川湧 | 伊戸のりお | ふるさと捨てゝ 悔いてると 悲しい便りをくれたひと 馬鹿ね 帰っておいでよ 意地張らず ヤケ酒 呑んでる場合じゃないわ 祭りの仕度に 要る男 いなか侍 いばっていゝよ 躓(つまず)きどうし 振り向けば 何にも無いよと 悔いたひと 馬鹿ね 私がいるのを忘れたの 縁談話がいくつもあるが どこにも行かずに待ってます いなか侍 泣くんじゃないよ だんだん夢が 遠くなる 愚かさ知ったと 嘆くひと 馬鹿ね そろそろ 雲雀が騒ぎ出す この身に朝日をいっぱいあびて 二人でしようよ深呼吸 いなか侍 元気を出せよ 元気を出せよ |
深川浪花物語川中美幸 | 川中美幸 | もず唱平 | 聖川湧 | 伊戸のりお | 浪花の生まれ お転婆が もう駄目なんていうんじゃないよ 深川不動 ご利益通り 年寄り 若い衆 世話焼き揃い 甘えてご覧よ 遠慮せず 悲しい時は相身互(あいみたが)いさ 正直なのは いゝけれど みなまでいうな 解っているよ 思案の外(ほか)の色恋沙汰に 誰でも一度は躓(つまず)くものさ 任せてみないか このオレに 何とかなるさ 一息つけよ 夕闇迫る隅田川 泪の種を流してやれよ 揃いの浴衣 二人で作り 来年夏には お江戸の祭り みんなでワッショイ 観に行こう 笑顔をみせろ 泣くのはおよし |
みかんの木陰山口瑠美 | 山口瑠美 | 森坂とも | 聖川湧 | 石倉重信 | 瀬戸の夕凪ぎ 尾を引く船は 遠いあの日へ 帰る船 不憫な思いは させまいと 働きとおした あなたの背中 苦労の枝に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛 無事な暮らしを 見守るように 霞む島影 うるむ海 元気でやるのよ それだけを 何度もつぶやき 手をふる母の 忘れはしない あの涙 白い蜜柑の こぼれ花 今日という日を 薄紅色に 染める夕陽の おだやかさ 他人(ひと)をねたまず 疑わず 小さな幸せ 分け合う姿 笑顔の先に 実をむすぶ 香る蜜柑は 母の愛 |
紅殻情話山口瑠美 | 山口瑠美 | 森坂とも | 聖川湧 | 石倉重信 | 恋の柄杓(ひしゃく)で 散らした水に 濡れる祗園の 石畳 追って追われて 紅殻情話 格子へだてた あなたの背中 息をひそめて やり過ごす あわせ鏡の うなじに咲いた 夢のなごりの 紅(あか)い花 やがて悔しい 紅殻情話 元の白地(しろじ)に 戻せるならば 洗い流して 高瀬川 わざと小さく 縁どる口紅(べに)は あなた好みの 薄化粧 五山(ござん)送り火 紅殻情話 燃えて散りじり 蛍の恋は 今夜限りの 命です |
歌一輪牧村三枝子 | 牧村三枝子 | 本橋夏蘭 | 聖川湧 | 南郷達也 | 北の大地で産声あげた 幼き娘は 夢抱(いだ)く 幾星霜(いくせいそう)の 時は過ぎ 名もない花は 実を結び 決めたこの道 ひとすじに 命をかけた 歌一輪 雨に嵐に さらされながら 心が折れそな 日もあった 電話の向こう 母の声 くじけちゃ駄目と 励まされ 倦(う)まず弛(たゆ)まず 誇らしく 想いを込めて 歌一輪 咲いた花見て 喜ぶならば 咲かせた根元の 恩を知れ 座右の銘と 父親の 言葉はいつも 胸の中 春夏秋冬 凛(りん)と咲け 真実一路 歌一輪 |
カワセミ瀬生ひろ菜 | 瀬生ひろ菜 | 麻生あかり | 聖川湧 | 伊戸のりお | やさしいあなたが そばにいる あゝそれで それでよかったの… 連れて行ってと 言えないままに 季節の流れに 消えたひと カワセミの カワセミの 掠(かす)めたこころ すまし顔が 憎らしくて 切なくて 恋しくて… 遠くであなたが 見つめてる あゝそれが それがつらかった… 知らず知らずに 私の胸に 潜んで盗んだ 遠賀川(おんががわ) カワセミの カワセミの 鳴きさえずりに 騒ぐ微風(かぜ)が 悔しくって 哀しくて 愛しくて… 噂ひとつを たどりたどって ひと目でいいから 逢いたくて カワセミの カワセミの 青彩(あおいろどり)に 浮かぶ影が 綺麗すぎて 冷たくて 眩しくて… 眩しくて… |
ひとり鍋羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 前田俊明 | 木枯しひゅるひゅる 泣いてます お鍋がフツフツ 煮えてます おひとりさまの お鍋です こころが寒く なる夜は なぜかお鍋に するのです 好きでした あなたのことは何もかも ちょっと淋しい横顔と あったかかった想い出と あれから何度も 見ましたよ あなたの隣りに 居る夢を しあわせいつも 夢ン中 今夜はどこに いるかしら そっとたずねる あなた鍋 好きでした 今でもずっと好きですよ 涙かわいたあの日から ちょっぴり強くなれました 好きでした あなたのことは何もかも ちょっと淋しい横顔と あったかかった想い出と |
古いタイプの女です羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 前田俊明 | みんながやめろと 言ったけど あなたと一緒になれました なんのとりえもありません 古いタイプの女です それでも愛してくれるなら ついてゆきます あなたの夢に ふたりで向き合う ちゃぶ台で 湯呑みはいつでも右側に 茶碗左に置くような 古いタイプの女です わたしでよければ いつまでも 置いてください あなたのそばに かなしいことなら 分けあって うれしいことなら 倍にする そんな言葉に涙ぐむ 古いタイプの女です 人生荒波覚悟です 乗せてください あなたの舟に |
ふるさとさんありがとう小田代直子 | 小田代直子 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 朝日が海面(うみも)に きらめいて あの夢この夢… 幾重に寄せる 楽しかったわ 子供の頃の 秋のお祭り 手踊りが… ふるさとさんふるさとさん ありがとう 生まれて良かった この町に 瞼の奥には 友の笑顔(かお) 淋しい時ほど… 元気をくれた 海で遊んだ 想い出連れて みんなあれから 何処行った… ふるさとさんふるさとさん 会いたいナぁ 鴎と待ちます 港町 早池峰さんへと 手を合わせ 幸せ祈るの… この子の明日 小さな暮らしの 大きな愛を どんなものより 守る町 ふるさとさんふるさとさん ありがとう 生きてる喜び 歌います 歌います |
荒くれ度胸船小田代直子 | 小田代直子 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 船のデッキを 雪空(そら)から叩く 暴れて吼えてる 喧嘩波 面舵取舵 度胸でさばき 網をぶち込む 男の漁場 女房子供が 命綱 五臓六腑を(ぐいと!) 締める神酒(さけ) 痛みなんかは 仕事で飛ばす 鍛えた二の腕 血が滲む 百戦錬磨の 荒くれ船も 南無や八幡 大漁祈願 女房子供の 飯のため 凍れ漁場の(ぐいと!) ど真ン中 鴎騒げば 勝負の海だ 破れた網ほど 愛しいぜ 生きてる魚が 激しく踊り 銀鱗(ぎん)の花咲く 男の漁場 女房子供が 待つ港 沖の土産だ(ぐいと!) 大漁旗 |
故郷こころ唄谷島明世 | 谷島明世 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 私の生まれた この町が 私をいつでも 守ってくれた 七色十色の… 思い出ごよみ 乙女の切ない 涙も光り そして… 大人になって ゆくのでしょうか やさしさ溢れる 故郷(ふるさと)こころ唄 私もいつしか この町で 外から見つめる おんなの歳月(つきひ) 雨の日風の日… この顔上げて 知らない世界へ 踏み出す度に そうよ… 私の町の 尊さわかる ぬくもり羽織れる 故郷(ふるさと)いのち唄 私を育てて くれた町 今では一緒に 歩いています あの愛この愛… 幸せごよみ 子供へ孫へと 繋いでゆける ここに… 生まれた事が 私の誇り 明日(あした)が微笑む 故郷(ふるさと)こころ唄 |
出世男道谷島明世 | 谷島明世 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 夜明けの前が 一番寒い 出世の前が 一番つらい この世の試練は そこにある 九分(くぶ)と九厘(くりん)の ゴール前 ここで勝つ人 負ける人 どんと行こうぜ どんと行け 凍(しば)れの雨にゃ 一歩に燃えろ 噛み付く風にゃ 一歩も退くな 泣くまで待とうの 忍(にん)の字が やがて行く手に 夢を呼ぶ ここで勝つ者 負ける者 どんと行こうぜ どんと行け 浮かれる時が 一番転ぶ 世に出る時が 一番恐い 男の値打ちは そこにある 見せろ大器の 片鱗を ここで勝つ奴 負ける奴 どんと行こうぜ どんと行け |
人生波止場奥山えいじ | 奥山えいじ | 鈴木青児 | 聖川湧 | 石倉重信 | 春の夜更けに 港を発(た)った しどろ舟足 舵(かじ)無し小舟 あれから何年 やんちゃな俺も 揉(も)まれ打たれて どっこい生きて 辿り着いたよ 夢咲く波止場 口を開けば 口唇寒い 義理を立てれば 道理に迷う 冷たい浮世に つい背を向けりゃ 向けた背中に 世間の風が ジンと滲(し)みたよ 男の波止場 恋のいろはにゃ 無縁な俺に 咲いた一輪 愛(いと)しい花が 無器用者だと あいつは云うが 二人三脚 心の絆 固く結んだ 人生波止場 |
只見線恋歌奥山えいじ | 奥山えいじ | 槙桜子 | 聖川湧 | 石倉重信 | 会津の空は 淡紅(うすべに)ぼかし 八重の桜に 天守も霞む 失くした人の 思い出たどる ひとりの旅です 只見線 いいえ いいえ 一人じゃないの あなたは今も 胸の内(なか) あの日は川霧(きり)の 鉄橋ながめ 今日は若葉の 峡谷渡る あなたの歓声(こえ)が 聞こえるみたい 山吹ゆれてる 無人駅 はらり はらり 花びらこぼれ 涙がにじむ 奥会津 六十里越 トンネル抜けて 空が明るく なったでしょうか 外さぬ指輪 かざして見れば 陽ざしが降ります 只見線 そうよ そうよ 一人じゃないの あなたと明日も 生きてゆく |
音戸の恋唄成世昌平 | 成世昌平 | 原文彦 | 聖川湧 | 石倉重信 | ヤーレ 鳶(とび)が空から 魚をつかむヨー 瀬戸は凪(な)いでも 心は時化(しけ)る 海を捨てたか 忘れたか 便りひとつも ない人に 伝えたい あんた! 今日(きょう)もヨ 漁日和(りょうびより) 漁日和 ヤーレ 今もどこかで 空見上げてはヨー 明日(あす)の天気を 気にしてるやら たとえネクタイ 締めてても 高いお酒に 酔ってても 漁(りょう)のこと あんた! 忘れる 人じゃない 人じゃない ヤーレ 音戸大橋 素知らぬ振りでヨー なぜに戻さぬ ふたりの縁(えにし) ひとりぽつりと 舟唄を 歌う おんなの 性(さが)哀(かな)し ひげ面(づら)が あんた! 恋しい 日暮れだよ 日暮れだよ |
大阪情話~うちと一緒になれへんか~朝花美穂 | 朝花美穂 | もず唱平 | 聖川湧 | | 人はこころや銭やない 泣いたらあかん 泣いたらあかん 別嬪(べっぴん)台なしや 飛田(とびた)のお店に出るという 十日戎(とおかえびす)の 前の晩 あんたがいうた言葉を忘れへん うちは今でも 忘れ 忘れへん なきながら通天閣見上げ これでウチの人生終りやと思った。 けど死んだらあかん。精一杯生きてみよ。 あんたの言葉きいてそう思(おも)たんや 何が不足や知らんけど すねたらあかん すねたらあかん 男がすたります 無い無い尽くしで来たクセに 愚痴を肴(さかな)に はしご酒 道頓堀の鴎に嘲(わら)われる うちも厭(いや)です 嫌い 嫌いです なァあんた。ヤケ酒呑んでも何(なん)にも変らへん。 この世で起こったこと この世で納まらん筈がない。 山より大きい獅々は出えへん。気を大きい持ちいなァー。 夢を捨てたというのなら ひろうて上げる ひろうて上げる 大事にあたためる 花の十九と十五まで 共にどぶ板 踏んだ仲 焼けぼっくいに今こそ火をつけて うちと一緒になれ なれへんか うちと一緒になれ なれへんか |
恋待ち夜雨城之内早苗 | 城之内早苗 | 石原信一 | 聖川湧 | 蔦将包 | 雨が止みそで 止まない日暮れ まるで未練の 女雨 お酒人肌 温めて たかが男と 飲んではみても 駄目ね 駄目ね…… あなたが欲しい 胸にそぼ降る 恋待ち夜雨 あんないい人 ほかにはいない なんで別れた あきらめた 素肌襟足 すきま風 早く戻って も一度抱いて 馬鹿ね 馬鹿ね…… いまさら泣いて 雨と添い寝の 恋待ち夜雨 ちょいと晴れ間の 忘れたふりも すぐに崩れる 女雨 淋しがり屋の あの人は きっと誰かと 暮らしているの 嫌よ 嫌よ…… わたしのあなた 夢も濡れます 恋待ち夜雨 |
おんなの旅路羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 南郷達也 | 夢という名の 積み荷を降ろし 北の港を 旅立つわたし 生きてくことが 旅ならば 明日はどんな 港町 霧が泣いてる 霧が泣いてる おんなの旅路 あなた愛した この町捨てて 愛の港を 旅立つわたし 幸せすぎた 罰だよと 心を波が 責め立てる 星が泣いてる 星が泣いてる おんなの旅路 涙こぼせば 涙も凍る 冬の港を 旅立つわたし イカ釣り船の 群れあかり 想い出白く 照らします 汽笛泣いてる 汽笛泣いてる おんなの旅路 |
雪割り酒羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 南郷達也 | 他人(ひと)の幸せ見るたびに 胸の中まで 雪が降る 風待ち 波待ち あなた待ち 北の港は 雪酒場 ハタハタつまみの手酌酒 夢も溶けゆく 雪割り酒よ 高いお山を境い目に あちら晴れても こちら雪 春待ち 花待ち サクラ待ち 今も逢いたい 逢いたいよ あなたの背中のぬくもりを 想い出させる 雪割り酒よ 幼なじみが嫁ぐ日は 胸に夜通し 雪が降る 恋雪 来な雪 せつな雪 こんな私もいつの日か 金襴緞子(きんらんどんす)が着れますか そっと教えて 雪割り酒よ |
金原明善五島つばき | 五島つばき | 一龍齋貞花 | 聖川湧 | 石倉重信 | 為せば成るよと諭しても 巷の風の冷たさ 知れば気が重い 手を差し伸べて やらなきゃいかん 財産 投げ出し 世のためと あゝゝ 愛を愛で包む …金原明善 罪だ罰だと 処するのみでは更生させる事は出来ん 人として接する事じゃ 保護する方法を考えなきゃいかん 人を導く 更生を 一字にすれば甦るのに むずかしい 人を人とし 生かしてやると 土下座で造った 勧善会 あゝゝ 更生保護の父 …金原明善 遺言状も書いた あとは命の続く限り 保護事業のために 働くだけじゃ 文句も言わず ついて来てくれた 妻の玉城あればこそじゃ 妻よありがとう 口出さず いいえ 尊いそのお仕事を いつまでも 先に往くこと許してあなた 冷たくなった妻の指 あゝゝ 愛を愛で包む …金原明善 |
偲び酒五島つばき | 五島つばき | 峰崎林二郎 | 聖川湧 | 石倉重信 | 雨降る居酒屋で おんなの偲び酒 あなたしか愛せない 我が儘ですか 好きです会いたい もう一度 未練をこぼして 注(つ)ぐおさけ 今夜は 恋しい 優しい胸が 酔うほどに… 雨降る居酒屋で おんなの偲び酒 帰らない思い出が 消えては浮かぶ ちいさなアパート 冬の夜 あなたの両手の あたたかさ 今夜は 恋しい 夢見た日々が 酔うほどに… 雨降る居酒屋で おんなの偲び酒 店のすみ一輪の りんどう哀し 心に鍵まで かけたのに 未練の夜風が 呼ぶようで 今夜は 恋しい あなたの声が 酔うほどに… |
花供養清水たま希 | 清水たま希 | 坂口照幸 | 聖川湧 | 石倉重信 | 「分かりますとも ひと目みて 娘さんだと 貴女のことは」 この日は母の 花供養 そっと微笑む そのひとの 肩のむこうに 揺れる花 来てくれましたよ お母さん 季節はずれに この花を 母に手向ける 優しさ深さ その花 母の 好きな花 ひとり通して また守り 生きた母にも あった春 小さな誇りよ お母さん 坂を下りてく そのひとの うしろ姿に 舞う花びらよ 私もやがて 母になる 同じこの道 辿っても そうよしません 後悔は しあわせでしたね お母さん お母さん |
夕月の花清水たま希 | 清水たま希 | 坂口照幸 | 聖川湧 | 石倉重信 | しあわせに なる為の 今はまだ まわり道 あなたの励まし あればこそ 幾坂 この坂 越えた坂 生きるに下手な 私でも あなたに寄り添い 生きたいの ついてゆきます 夕月の花 人の世の 悲しみを 嘆かずに 愚痴らずに いつでもぶれずに 生きている あなたの姿が 道しるべ 私でいいの 目で訊けば お酒を注ぐ間の いとおしさ ついてゆきます 夕月の花 これまでの 永い冬 これからの 遅い春 あなたと並んで 木漏れ日を うなずき返して ふり仰ぐ 生きるに下手な 私でも あなたに寄り添い 生きてゆく ついてゆきます 夕月の花 |
大阪情話~うちと一緒になれへんか~小川みすず | 小川みすず | もず唱平 | 聖川湧 | 石倉重信 | 人はこころや銭やない 泣いたらあかん 泣いたらあかん 別嬪(べっぴん)台なしや 飛田のお店に出るという 十日戎(とおかえびす)の前の晩 あんたがいうた言葉を忘れへん うちは今でも 忘れ 忘れへん 「泣きながら通天閣見上げ これでうちの人生終りやと思った。 けど死んだらあかん。精一杯生きてみよ。 あんたの言葉きいてそう思たんや。」 何が不足や知らんけど すねたらあかん すねたらあかん 男がすたります 無い無い尽くしで来たクセに 愚痴を肴にはしご酒 道頓堀の 鴎に嘲(わら)われる うちも厭です 嫌い 嫌いです 「なァあんた。ヤケ酒呑んでも何も変わらへん。 この世で起こったこと この世で納まらん筈がない。 山より大きい獅子(しし)は出えへん 気を大きい持ちいなァー。」 夢を捨てたというのなら ひろうて上げる ひろうて上げる 大事にあたためる 花の十九と十五まで 共にどぶ板踏んだ仲 焼けぼっくいに今こそ火をつけて うちと一緒になれ なれへんか うちと一緒になれ なれへんか |
乙だね成世昌平 | 成世昌平 | もず唱平 | 聖川湧 | 馬飼野俊一 | 空にひと筋 はぐれ雲 相棒どうした 淋しくないか 男やもめの このオレと 差しでいっぱいやって行かないか 乙だね 酒はワインのとって置き 肴はアイツの里(さと)のホッケのひらき 乙だね なんて云うのは痩せ我慢 馬鹿を承知で故郷(くに)を捨て 俄か思案の東京ぐらし 『惚れている』とも『好きだ』とも たった一度もいわず仕舞いだよ 乙だね 古武士みたいに恰好よく 寡黙な男といつも女房に見せた 乙だね なんて云うのは痩せ我慢 北へ旅立つ渡り鳥 男心を伝えておくれ 今度生まれて来る時は きっと愛していると云えるだろ 乙だね 窓の向こうの遠花火 ミュートを利(き)かせたように聴こえる太鼓 乙だね なんて云うのは痩せ我慢 |
百日紅成世昌平 | 成世昌平 | もず唱平 | 聖川湧 | 馬飼野俊一 | 遠い遠い遠い日を 想いおこし泣いてる 好きだよと云えないで背を向けていたよ 「終りにしましょ 始まるものが何もないから」 そんな筈はないけれど 罪の重さ 深さに 頭(こうべ)垂れ 咲いていた百日紅 目に浮かぶ 今も今も今だって 忘れられず夢みる ふるさとの駅頭でサヨナラを云った 「元気でいてね たまには便り書いて下さい」 きっと出せと云いたげに 風に我が身揺らして 訴える八月の百日紅 目に浮かぶ 風に風に風に聴く 想い人の身の上 年嵩(かさ)を気にやんだあの人の噂 「ひとりで行って 私は嫁ぐ先があるから」 言葉信じ背を向けた 科(とが)のシッペ返しか 泣いている追憶の百日紅 目に浮かぶ |
いろは紅葉羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 伊戸のりお | あの人と幸せに なれるでしょうか 赤い紅葉でも 世間に染まらずに 不器用なままの ふたりのあした 夢一文目 こころにも いろはにほへとと 降りしきる 恋紅葉 恋紅葉 いろは坂 あの人と登るのは いろは坂ですね ここの紅葉には 七枚葉があって いろはにほへとと 数えてゆくの 夢一文目 てのひらに 大事な大事な たからもの 恋紅葉 恋紅葉 いろは坂 夢一文目 こころにも いろはにほへとと 降りしきる 恋紅葉 恋紅葉 いろは坂 |
弓ごころ羽山みずき | 羽山みずき | 喜多條忠 | 聖川湧 | 伊戸のりお | 目許(めもと)涼しい あなたの弓を そっと見つめる 恋でいい 狙えば揺れます 夢の的 きりりきりきり 残身の あなたの姿 遠く見て 弓を引くのに ちからは要らぬ こころ静かに 揺るがずに 自分のこころに 引けばいい きりりきりきり あなたの矢 わたしの胸を 射抜きます 人を恋した せつなさつらさ 弦(つる)のふるえで わかります ふたりの行く道 はなれても きりりきりきり 正直な あなたのままで いてほしい |
本州最北港駅~2020~金村ひろし | 金村ひろし | 中嶋歩人 | 聖川湧 | 石倉重信 | 夜汽車にゆられて 北国津軽 迷い心でホームに立てば 海鳥が舞い降りて 声かける 今更悔やむな 後振り向くな あの娘忘れろ 男の旅路 明日への舞台 本州最北港駅 東風(やませ)が冷たい 北国津軽 街の景色も霧の中では 霧笛さえしんしんと 呼びかける 今だよ我慢の しどころなのと 未練たちきる 男の旅路 明日への舞台 本州最北港駅 汐風凍れる 北国津軽 海がざわめき 地吹雪なぶる 雪の華舞い上がり 叫んでる も一度出直せ 心に決めろ けじめをつける 男の旅路 明日への舞台 本州最北港駅 |
立山連峰~2020~金村ひろし | 金村ひろし | 岬坊真明 | 聖川湧 | 石倉重信 | 高くそびえる 山ゆえに 深く険しい 谷間がひそむ はるかに望む 修行の峰に 辿り着けない この俺だけど 待っているよと 微笑み返す あゝ 立山連峰 いつも日陰に 咲いている 花の心が 大きく見える この手でいつか 不幸の数を ひとつぐらいは 返せるだろうか 辛い時ほど 支えてくれた あゝ 立山連峰 岩に根を張る 木や草に 負けるようでは 話にならぬ 嵐の海も 吹雪の空も 我慢・辛抱 試練に堪えりゃ 夢は叶うと 教えてくれた あゝ 立山連峰 |
天・地・人新川二朗 | 新川二朗 | 飯田新吾 | 聖川湧 | 南郷達也 | 木(こ)の葉をくぐる 雨水も いつか大河の 水となる 意地と情けと 腕っぷし 男の道を 真っしぐら 天を睨(にら)んで 大志に燃える 夢に雲呼ぶ 龍となれ 驕(おご)れるだけの 平家なら 負けて消えるさ 時代(とき)の常 拳あげるも 明日(あす)の為 男の道を 肌で知る 大地しっかり 杭打ち込んで 一瀉千里(いっしゃせんり)の 虎となれ 磨いて光る 石も有り 自然輝く 人もいる 実りの秋や 西東 男の道を 今も尚 人に諭(さと)して 笑った顔は 日の本一の 男伊達 |
わたし舟羽山みずき | 羽山みずき | もりちよこ | 聖川湧 | 馬飼野俊一 | あなたが好きで 漕ぎ出す舟に 乗りたいけれど すくむ足 一歩近づき 踵を返し この河 行こうか 行くまいか... 恋する女は あまんじゃく わたしが わたしで なくなるの さらりさらりら 流れる岸辺 時の小舟を 待たせては はらりはらりら こぼれる涙 ちょっと 焦らして わたし舟 あなたが今夜 迎えに来たら 手に手を取って 舟に乗り 明けの明星 輝く空を 見上げて ふたりで どこまでも 恋する女は あまんじゃく わたしが わたしを思い切る さらりさらりら 夢見る河は 胸にあふれて 流れます はらりはらりら ほどいた髪を あなたに なびかせ わたし舟 恋する女は あまんじゃく わたしが わたしで なくなるの さらりさらりら 流れる岸辺 時の小舟を 待たせては はらりはらりら こぼれる涙 ちょっと 焦らして わたし舟 ちょっと 焦らして わたし舟 |
どっこい縁歌で谷島明世 | 谷島明世 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 「苦労」という字を 「試練」と読んで 強いこころで 明日へ渡る 振り向きゃいつでも 見守る母と 秋の雨 冬の風 何度も越えた どっこい どっこい縁歌で 頑張れと 桜吹雪の あゝ 春の月 泣きたい時にも 拳を握り 笑顔一輪 咲かせる舞台 ひとりじゃないよと みんなが見てる あの人へ この人へ まごころ返し どっこい どっこい縁歌を ひとっ節 熱い感謝(おもい)を あゝ 唄います 元気を届けに 訪ねる町で 二倍三倍 勇気を貰う 出逢いの嬉しさ 何より好きで あの人も この人も 忘れはしない どっこい どっこい縁歌は ゆめ囃子 生きる証しの あゝ いのち絶唱(うた) |
あかね恋谷島明世 | 谷島明世 | 新條カオル | 聖川湧 | 川端マモル | 茜の色に 山並み映えて 届かぬ恋が… また燃える いいえいいのよ あなたの夢が 花咲くその日を 祈ってる ハァー 月も十六夜 人目を忍んで 口紅をひく 手鏡とれば あなたを慕う こころの涙… 何故見える つらい恋ほど おんなを磨く 弱音を吐くなと 風の笛 ハァー 胸のいのち火 くれない恋唄 うたいます 逢えなくたって おもかげ寄せる 夜明けの海よ… ありがとう どこに居たって あなたの明日は 私の輝く 希望です ハァー 恋の訪れ 指折り数えて 髪を梳く |
黄昏~夢隣り香西かおり | 香西かおり | 里村龍一 | 聖川湧 | 石倉重信 | 時計が一秒 刻むたび 悲しみ一秒 深くなる 心が涙の 空をさまよう 今なら諦め きれるのに あゝあなた あなたの想い出 私を駄目に 駄目にする 海を見つめて 日が暮れて 今日も 心は 夢隣り 夢隣り 鴎がいつしか 鳴き止んで 桟橋ガス燈 ともる頃 淋しいでしょうと 風がささやく 逢いたいでしょうと 波が言う あゝあなた あなたの優しさ 私を今も 傷つける 涙からした 陽が沈み ひとり私は 夢隣り 夢隣り あゝあなた あなたの冷たさ こころが今も 恋しがる なみだひと色 たそがれて 愛の言葉は 夢隣り 夢隣り |
恋街しぐれ香西かおり | 香西かおり | 里村龍一 | 聖川湧 | 石倉重信 | おもいで濡らして雨が 降る夜は やめたお酒を未練が 未練が誘う 別(き)れて初めて しみじみ知った 恋ごころ 雨よ泣かすな ああ恋街しぐれ 振られたふりして逃げる ひとよりも 泣いて追わない私が 私が悪い 肌にしみつく あなたの匂い 離れない ひと目逢いたい ああ恋街しぐれ あなたも私とおなじ おもいして ひとり飲んでる気がする 気がする夜更け つくり話しの 夢でもいいの もう一度 酒よ返して ああ恋街しぐれ |
こころ町羽山みずき | 羽山みずき | もりちよこ | 聖川湧 | 馬飼野俊一 | 揃い浴衣で 夏祭り おみくじを引いたわ 冬は炬燵で 二人鍋 想い出そっと 数えます 泣かない私が 泣けるのは やさしいあなたの 胸しかないの この町は こころ町 こころが あなたを待ちたがる あの人と 別れたと 噂で聞きました… 二人暮らした あの頃に 帰りたくなる日は もしやあなたに 逢えるかと 夕焼け空の 駅通り 一人で生きると 強がって 生きてはいけない 弱い私ね この町は こころ町 こころが あなたに逢いたがる この涙 もう一度 拭ってくれますか… この町は こころ町 こころが あなたに逢いたがる この涙 もう一度 拭ってくれますか… 遠い夢 明日の夢 こころ待ち こころ待ち |
私のあなた羽山みずき | 羽山みずき | 峰崎林二郎 | 聖川湧 | 南郷達也 | また会える日を 夢見ています ありがとう さようなら 私のあなた 離れていたって 二人はひとつ 涙は見せずに 歩いて行くわ ありがとう さようなら 私のあなた あの微笑みに すくわれました ありがとう さようなら 私のあなた 冷たい雨の日 傘差しかけた あなたのぬくもり やさしい笑顔 ありがとう さようなら 私のあなた 花咲く春は 必ず来るわ ありがとう さようなら 私のあなた 涙の数だけ しあわせ掴み 笑って会えると 信じています ありがとう さようなら 私のあなた ありがとう さようなら 私のあなた |
ひとつ花羽山みずき | 羽山みずき | 峰崎林二郎 | 聖川湧 | 南郷達也 | 愛することの 苦しさを 愛することで 知りました どうしてあなたは 誰にでも 微笑みかけるの 優しいの 私一人を 私一人を 愛してください 私のために ひとつだけ 忘れずあなた いて欲しい あの花この花 きれいでも 残しておいてね 真心は 私一人を 私一人を 愛してください あなたが私の 夢ならば 私はあなたの 花になる あなたのこころに いつまでも 咲かせてください ひとつ花 私一人を 私一人を 愛してください |
宮古網場の大漁しぶき小田代直子 | 小田代直子 | 新條カオル | 聖川湧 | 石倉重信 | 幾春秋(はるあき)の 港の花は 宮古漁師の 大漁しぶき 先祖伝来(ゆずり)の 血潮を燃やし 時化(しけ)の漁場(りょうば)へ 舵とるあなた 無事を祈願の 朝日が昇る(ソーリャソリャソリャソリャ) 網場(あんば)様に(ドッコイ) 両手を合わす 似てくる日毎(ひごと) あなたとこの児(こ) 海の女房の 宝じゃないの 沖のうみねこ わんさと騒ぎゃ 今日も見えます 大漁旗が 滾(たぎ)る笑顔の 帰りを待って(ソーリャソリャソリャソリャ) 黒髪(かみ)を束ね(ドッコイ)網刺す波止場 幾年月を 命の灯台(あかり) 守り導く 大漁岬 潮風(かぜ)に抗(あらが)う 錦の船は 男度胸の あなたの誉(ほまれ) 宮古港の 間祝(まいわい)囃子(ソーリャソリャソリャソリャ) 網場(あんば)様に(ドッコイ) 御神酒(おみき)を奉(ささ)ぐ |
夫婦舟福田こうへい | 福田こうへい | 荒川利夫 | 聖川湧 | 山田年秋 | この川がどこへ 流れて行こうとも 岸をはなれた 夫婦舟 愛し合う ふたりに嵐が 吹こうとも 一緒に生きてく あなたがいるわ 浮草に似ても いいのよかまわない 夢が積荷の 夫婦舟 ふるさとに 戻れるその日が なくっても 涙を拭きあう あなたがいるわ 幸せをつなぐ どこかに橋がある そこへ着きたい 夫婦舟 この人の 明日に私の 明日がある 一緒に生きてく あなたがいるわ |
銀河への道成世昌平 | 成世昌平 | いではく | 聖川湧 | 石倉重信 | 夕暮れの街はずれ 潮騒の音 見上げればひとつ 宵の明星(みょうじょう) やがて来る 群星(むれぼし)を待つ 人は皆星に 行く道をたずね 願いをかけて幾千年 我もまた 語り語られ たどり行く 銀河への道 草木(くさき)さえ眠りつく 旅の宿にて ひとり酒くみて ふくむ盃 星明かり 影を落して 散りばめた帯の 天の川見れば 夢のかけらが幾千万 我もまた 西へ東へ たどり行く 銀河への道 七つ星みつめ 野の風をまとい 人は旅立つ幾千年 我もまた 北へ果てなし たどり行く 銀河への道 銀河への道 |
あんちゃん成世昌平 | 成世昌平 | いではく | 聖川湧 | 石倉重信 | どこまでも青く 澄んでた空と 山や川ふるさとは 変わってないか 今や親もなく 遠くなった家 大の字に寝ころんだ青畳 たまには帰って来いという ああ あんちゃん 兄貴のやさしさが染みてくる 日暮れ刻(どき)聞いた 松風の歌 家路へと急がせる 夕焼け小焼け 幼な友達も 便りとだえがち ふるさとが少しずつ逃げてゆく せめての救いは気兼ねない ああ あんちゃん 兄貴の日焼け顔なつかしい 旅立ちの朝に いつだって帰る この家があるからと 励まされ泣けた 北の七つ星 見つめ誓ってた こころざし果たせたら縁側で ふたりが地酒の差し向かい ああ あんちゃん 兄貴のほほえみが待っている |
下町ごよみ羽山みずき | 羽山みずき | 峰崎林二郎 | 聖川湧 | 石倉重信 | うわさ火の粉が 降っても耐えて 人目そらした 恋ひとつ ああ 仲見世 恋しさつらさ お江戸浅草 羽子板市に 甘えぶつける 肩も無い あなたひとりが 男じゃないと 言えりゃ嘘です 会えぬ夜も ああ 言問い 寂しさつらさ 引いたおみくじ 大吉だけど 好きで会えない 夜もある 絵馬も小鳩も 寒がりだから 我慢比べね 路地灯り ああ 仲見世 切なさつらさ 風の寒さは 下町ごよみ あなた逢いたい もう一度 |
恋春花羽山みずき | 羽山みずき | 菅麻貴子 | 聖川湧 | 石倉重信 | 梅の香りに 包まれて あなたの胸で 見た夢よ 何を惜しんで 鳴く小鳥 声も哀しい 春霞 恋春花 恨んだりしません 時のいたずらを 恋春花 恨んだりしません 風のいたずらを 遠いあの日へ 誘うよな 胡弓の調べ 誰が弾く 水に散らした 花びらを 追えど明日(あした)は ないものを 恋春花 恨んだりしません 時のいたずらを 恋春花 恨んだりしません 風のいたずらを 風に吹かれて 梅の香が うなじを髪を 撫でてゆく いくつ季節が 巡ろうと 花は涙の 露に咲く 恋春花 恨んだりしません 時のいたずらを 恋春花 恨んだりしません 風のいたずらを |