さだまさし作曲の歌詞一覧リスト  685曲中 201-400曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
キーウから遠く離れてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君は誰に向かって その銃を構えているの 気づきなさい君が撃つのは 君の自由と未来 力で生命を奪う事が出来たとしても 力で心を奪う事は決して出来ない  わたしは君を撃たないけれど 戦車の前に立ち塞がるでしょう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて  わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに  キーウから遠く離れた平和な町では 人はささやかに自分の生命を生きています 何も出来ずに悔し涙に暮れる生命があり 何が起きているかも知らずに生きる生命がある  わたしは君を撃たないけれど 世界に生命の重さを歌おう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて  わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに 色とりどりに 色とりどりに
いつも君の味方さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 支えていてくれて ありがとう 愛してくれて  たった一人で生まれてきて それから たった一度の人生 不安だらけで歩いてた 独りきりじゃないよって君の笑顔が 孤独から僕を救い出してくれた  あの空の高さ海の青さに初めて 気づいたときに 僕は自分が生まれてきたことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう  もしも生まれた意味があるというなら きっと誰かを支えるため生まれてきた もっと強くもっと優しくなりたい 君を守って僕が生きてゆくために  この夢の高さ愛の広さに初めて 気づいたときに 人は心で生きると言うことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう ありがとう ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方
銀杏散りやまずさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸春未だ浅き如月の 望月の頃君逝けり 来たれば還る生命にて 何ぞ悲しむ事やある あの戦いを終へし折 我をば共に誘ひて 君が故郷に帰りしが 我が青春の始めにて  思へば君が妹の 吾が子の母となりてより 兄弟の契りもて 爾来(じらい)過ごせし半世紀 共に誇りし不器用の 生活(くらし)は楽にあらねども 吾俺(わいおい)のまた管鮑(かんぽう)の 友よ君の名を呼べば  桜 散りやまず 春風 黄砂 舞いやまず 我が涙 流れてやまず 桜 散りやまず  奇しくも八月十五日 君の御影を吾が子らと 精霊船に花火もて 送る事とは思はざり 君旅立ちし港より 敬礼をもて老兵の 送りし心届きしや 君終戦を迎へしや  時待たずして秋となり 我のみ歳を加へたり 未だ独り我戦場に 立つ老木の心地なり 共に笑ひし不器用の 青春遥か遠けれど 嗚呼 兄弟よ君の名を 誇りもて語る時  銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が思ひ あふれてやまず 銀杏 散りやまず  銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が涙 あふれてやまず 銀杏 散りやまず
八ヶ岳に立つ野ウサギさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸諏訪湖を渡る風は もう春の匂いがします 元気ですか 今日も君は 何処かで歌っているのでしょう  六斗川沿いの 桜はまだまだ遠いね 今朝ほど診療所に来る鶯が やっと地鳴きを始めたところ  悪い風邪が流行り 実は僕も移されてね 看護婦に注射して貰い 僻地の患者を回っている  一昨日の夜中のこと 山二つ越えた村まで 呼び出されたら僕の方が 熱が高かった これは笑えるだろう?  都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生命について あるいは心について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ  診療室の壁は 相変わらず美術館 下手くそだけど子供達の 愛と真心で溢れてる  みんな大きくなって いつかこの町離れて まるで僕だけ一人廃校に 取り残された教師のようだよ  花の季節が過ぎ 短い夏が去って 秋になりすぐにまた 白い冬がやって来る  僻地の子供達や 老人の笑顔に 背中を押されて小さな医者は 今日も一所懸命に歩いています  都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生活(くらし)について あるいは涙について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ  君の歌に出てくる ライオンには ほど遠いけれど 心が健康であるように 誇りを忘れないように 今日からは 「八ヶ岳に立つ野ウサギ」と 自分で名乗ることにしたんだ
かすてぃらさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸昭和の頃ふるさとを離れ 随分未来まで来たもんだ 手に入れたものと失ったものと 一体どちらが多いんだろう  いつの間にか得体の知れない 生き物に変身しちまったようで 捨ててはいけないものと 捨てなきゃいけないものの 境目がぼやけちまった  母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら 青空にかざしてみたら 涙こぼれて味がわからなかった  子供の頃天まで届いた 東京タワーが小さく見えた 僕は大きくなったのか それとも小さくなったのか ライトアップが目に染みる  押上までこっそり出掛けて スカイツリーを見上げた時に 嬉しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合って 「東京」って小さく呟いた  父が大好きだった かすてぃら一切れ ふるさとに透かしてみたら 涙こぼれて少し塩っぽかったな  母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら いつの間にか遠い未来に 僕は辿り着いてしまったようだ
檸檬(アルバムVer.)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし或の日湯島聖堂の白い石の階段に腰かけて 君は陽溜まりの中へ盗んだ檸檬細い手でかざす それを暫くみつめた後で  きれいねと云った後で齧る 指のすきまから蒼い空に 金糸雀色の風が舞う  喰べかけの檸檬聖橋から放る 快速電車の赤い色がそれとすれ違う 川面に波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 捨て去る時には こうして出来るだけ 遠くへ投げ上げるものよ  君はスクランブル交差点斜めに渡り 乍ら不意に涙ぐんで まるでこの町は青春達の姥捨山みたいだという ねェほらそこにもここにも かつて使い棄てられた愛が落ちてる 時の流れという名の鳩が舞い下りて それをついばんでいる  喰べかけの夢を聖橋 から放る 各駅停車の檸檬色がそれをかみくだく 二人の波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 消え去る時には こうして出来るだけ 静かに堕ちてゆくものよ
哀しきマリオネットグレープグレープさだまさしさだまさし糸が絡んだ操りピエロ 僕と同じ涙の色して 君に飽かれて手足もがれて いつの間にやら君のおもちゃ箱 そこで思った操りピエロ 君をこの手に抱きしめ様など 初めから無理 だから空振り とどのつまりは君のおもちゃ箱  マリオネット マリオネット 悲しすぎるね そうだね だから最初に言ったろ 駄目なものは駄目 A・HA・HA・HA… だから いつになっても 操りピエロ  肩をおとして操りピエロ やっぱり君もすてられたのかい 隣に寝てる おもちゃの兵士 何を笑うか 五十歩百歩 いつもそうだよ操りピエロ 珍しいうち もてはやされて やがて飽きたら ポイとあきれた ほこりかぶって 君のおもちゃ箱  マリオネット マリオネット おかし過ぎるね そうだね だから最初に言ったろ 駄目なものは駄目 A・HA・HA・HA… つまり いつになっても 操りピエロ  A・HA・HA・HA… だから いつになっても 操りピエロ
桜月夜さだまさしさだまさし谷村新司さだまさし渡辺俊幸桜月夜の二年坂 薄紅色の風の中 祇園あたりははなやいで 酔人達の歌の中  藍の浴衣の君の手を ひいて人混みさけながら 枝垂れ桜を抱くように 月に隠れて君を抱く  見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい  世に永遠のないように 儚き夢は風の中 花見小路のきらめきも いにしえ人の歌の中  紅い花緒の塗り下駄の 音も消される東山 せめて一夜の恋にだけ 溺れていたい春の夜  見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい  咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど
月蝕さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々の 送り囃子か 速神楽  遙かな山際の雲間には 稲妻かまさか流星か 今宵群れなす人々と あなたを送る 舟を出す  出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか ああ  暗闇散りばめた 舟を曳く 涙隠して 舟を押す 花火にまぎれて名を呼べば 思い出すのは 笑顔ばかり  振り仰げば夜空には赤い月 今宵月蝕の月明かり 翳れば満ちてゆく理も わたしの胸は ああ  出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか  あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々を 呼ぶ声遙か 夢祭
立ち止まった素描画さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸別れたんだってね彼とまるであっけなく 僕との時の様に君から云い出して 一寸買物に出かける様な調子で ふらりと部屋を出て来たに決まってる いい加減に『幸せ』の奴と 妥協してみたらどうなんだ 忘れちゃいけないもし君が 地図にない町を捜したきゃ 初めに地図が必要だって事 君と僕で前に一度 身に浸みたはずなのに君は スケッチ・ブックに素描画だけ済ませたら 色付けの前に投げ出すくり返し  確かにこの世はとても虚しい事だらけ だからといって投げていいものだろうか 僕も偉そうに云えた義理じゃないけれど 優しいくせに悪ぶるのはお止し 走り疲れたらお歩き 歩き疲れたらお休み やがて休み疲れたなら どうせまた走りたくなるさ ファッションだけでは語り尽くせない 君も僕もひとつふたつ それなりの夢がある 多分 人生って奴はかなしいよね でもごらん よく見りゃまんざら捨てたもんじゃない
約束小林幸子小林幸子さだまさしさだまさし母の手にすがり乍ら 歩いたあの道を いつか私も同じように 歩きたいと思ってた 思い出はセピア色に いつも坂の途中 大きな樟の枝の向こう 遠く海が見えた  道ばたの名もない花 あなたに見えますか ある時母は振り向いて 約束しようと云った それぞれに人は誰も 自分の色で咲く いつか必ずしあわせに 咲くと約束してね  悲しみは棘に変わってく 甘えたら色は褪せてゆく 思いどおりには 生きられないけれど 一生懸命咲いてね  あなたの背中はいつも とてもあたたかだった どんな時でも私を 信じてくれた 憶えています必ず 約束は守ります あの人と二人きっと 笑顔で咲きます
私は犬に叱られたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少し思い上がっているんじゃないかって 何の役にも立たぬ死に様を犬死になんて 軽々しく言うんじゃないと本気で怒ってた  犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少しのぼせ上がっているんじゃないかって 散々人に迷惑かけて死ぬことを これからは人死にと呼ぶことにするがいいって  飼い犬に手をかまれるなどと平気で言うけど 飼い主に殺される犬の方が多いくらいだ 言っておくが別に猿とは仲も悪くないし 負けて遠吠えするのは君らじゃないかって もっともだ もっともだ  犬に叱られた夢を見た 君らの前頭葉が発達した訳は 犬が臭いの部分を受け持ってやったからだ 君らに知恵を持たせてやった感謝を忘れてるって  犬に叱られた夢を見た 花咲か爺から桃太郎まで面倒見たのに 猫と違って泥棒もせず恨んで化けもせず 救助や介助やおまわりさんまで務めてきたのに  第一 人も食わぬ夫婦喧嘩やなんかを 犬が食わぬのは当たり前のことだろう それより犬も歩けば棒に当たると言うけど それの何処が幸せなのか説明してみろって もっともだ もっともだ  犬に叱られた夢を見た 犬死になんて軽く言うなと叱られた もっともだ もっともだ
十六夜さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸火をおこせ 木をくべろ 今宵は十六夜 初恋を偲びながら いざ酔い 酒を注げ 夜空ふんわり雲が往く 火の粉が舞い上がる あれは土星か 木星か さて螢か幻か 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 ここをせんどの盛り上がり 旅は道連れ世は情 友よ 友よ 頼りなき友よ ずぼんが焦げておるぞ  ふと黙るその一瞬を 虫の音が埋めてゆく 照れ乍ら恋を語る おまえが愛しくなる 時はゆく時はゆく 土足で胸こじあけて 負けるもんか 負けるもんかと 何故か昂ぶる心 我等どの道 風まかせ 子供の顔で生きている 宝の地図の切れ端を 信じて 生命 無駄に はしゃぐ 友よ 友よ 情無き友よ 酒をこちらにも廻せ 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 上を下への大騒ぎ 一里踏み出しゃ旅の空 友よ 友よ ふがいなき友よ 寝るにはまだ早いぞ
昭和から前川清前川清さだまさしさだまさし坂本昌之電話のダイヤル回す指が震えた 声を聞くだけで幸せだった 駅の伝言板に君の名前を書いた 君はやがてそこにサヨナラと書いた あの日貧しかったけど諦めなかった あの頃夢は次々と生まれては消えてった 僕は昭和から来て 今未来にたどり着いた まだ終わらない物語を も少し読んでみようか  手紙の下書き書いては消して 出せないまんまちぎって捨てた 原っぱに仲間とごろりと寝転んで 星を見てたら涙がこぼれた 苦しかったけど自分を捨てずに済んだ 誰かがそっと遠くで支えてくれてた 僕は昭和から来て 今未来を生きているんだ 故郷行きの夜汽車は消えて ああ故郷がほどけてゆく  亡き友の懐かしい声が聞こえる まあお前は慌てず急がずのんびり来いと 僕は令和まで来て まだ少し未来があるようだ お前の分まで生きてやるよと 一人で酒を酌む お前の分まで生きてやるよと 二人で酒を酌む
虹の木さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸空港の長い回廊を 君の肩さえ抱けずに 途切れ途切れの言葉で 時はゆく 28番ゲート 折りから風に吹かれて散る 虹の木の花びらが まるで遠くで雨の降る如く キラキラと光ってた  「逢わなければ」と僕が 何気なく独白けば 「逢えたから」と君は 小さな声でさえ切り乍ら あふれる涙拭いもせずに それでも眩しそうに笑った そしてお互いが想い出とすれ違うのを みつめあっている  足早に去る僕の背中に君の声「ALOHA MAHALO」 ふり返ればまだ君はそこに居て ちぎれる程 手を振る  タべタンタロスの丘でみつめた ホノルル・シティ・ライツそれから 君の髪に咲いたプルメリア 風に揺れる「月下美人草」 そしてミシェルの窓辺に寄り添い 波打際のガス燈みつめ ピアノに乗せて君は歌う様に 僕にさよならと言った  思えば君からは 奪うことばかりで 与えるひとつもない片肺飛行の夢だった だから静かに氷がとけてゆく様に おだやかに疲れたのは君 為す術もなく一輪の花が枯れてゆくのを 見送るのは僕  フリーウェイでふと空を仰げば 君を乗せた飛行機が 丁度真珠湾の蒼い空を ゆっくり横切る処
みるくは風になったさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久なだらかな丘を 夕陽がおりてくるよ 二人の影が 長く長く伸びていた 綿毛達が染まり乍ら すり抜けてく 光の中で 時間が輝いてた OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU ビラカンサスとミルクが 好きだった君を 友達はみんな みるくと呼んでいたね 僕等は誰かのコンサートで 知り合って またたくうちに 互いの心に住んだ 例えば僕への 愛し方にしても それから仲間と 遊ぶ術にしても 思えば 何かを急ぐ旅の様だった みるく キラキラと風の様に笑うばかりの みるく  少しだけ移り気な 処もあったが おしゃべり好きの 陽気な娘だったよ 本気で神様を信じていた みるく なのに突然 君が選ばれてしまった OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU 車だけは気をつけなって 言ったじゃない 雨の日は特に気をつけろって あれ程 5分だけでも早く 僕に会いたくて そのまま風になってしまった みるく 例えば僕への 愛し方にしても それから仲間と 遊ぶ術にしても 思えば 何かを急ぐ旅の様だった みるく キラキラと風の様に笑うばかりの みるく  本当の恋さえ 知らずに逝ってしまった 話したい事は 山程あったのに OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU キラキラと風の様に笑うばかりの みるく
ありがとうさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸小さな物語を 愛しく抱きしめて 君は美しい故郷で 生きてる それはささやかな 祈りにも似ている 川の清らかな 流れにも似ている 多くを望みもせず 望みを捨てもせず めぐり来る明日を 穏やかに見ている それは健やかな 子供にも似ている いつもきらめいた 瞳には青空 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい  さざめく鳥の声を 窓辺に散りばめて 朝日のびやかに 枕辺に日だまり 君のやわらかな 一日は始まる 辛いことは全て 夜の闇に 埋めて 優しさを誇りもせず 優しさに流されもせず めぐり来る季節は いつも君の友達 海は海の色に 山は山の色に 君は君の色に 床しき 故郷 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 君がそれを幸せというなら 永遠に守ってあげたい ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい
MOTTAINAIさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦豊かな時代に生まれて来たから 食べられるものが沢山あって 食べ残しても胸が痛まなくなっちゃったよ MOTTAINAI 例えば壊れた物なんかでも 修理するより買う方がずっと安い まだ使えるのに捨てる物ばかりなんて MOTTAINAI  自由な時代に生まれて来たから どんな風に生きても勝手だって 働けるのに働かないなんて MOTTAINAI ちょっと勇気だそう 自分さえ良ければいいってのは 自由ではなくって利己主義なんだよと 誰も教えてくれなかったなんて MOTTAINAI  心が痛い 冥利が悪い もったいない もったいない もったいない もったいない  親が命懸けで生んでくれて それなりに必死になって育ててくれて なのに自分だけで育った気になるなんて MOTTAINAI 転んだら怪我を心配し 離れれば健康を心配し いつも子供の人生を思ってるのに気づかないのは MOTTAINAI  愛してもらうことを願うならば 愛することから始めたらいい 本当は愛に囲まれてるのに気づくだろう MOTTAINAI 愛されてるんだよ 誰もが自分本位だからって 心を閉ざしてしまったらきっと 誰かが気遣ってくれてもそれに気づかないよ MOTTAINAI  心が痛い 冥利が悪い もったいない もったいない もったいない もったいない  平和な時代に生まれて来たから 平和がどれ程素晴らしいかに 気づかないからありがとうを忘れたね MOTTAINAI 生命を大切に 誰かの犠牲の上の今の平和が どれ程尊いかどれ程大切か 誰も教えなかったねごめんね MOTTAINAI ごめんねごめんね  愛に溢れた時代なんだよ 本当は今世界に愛は溢れているんだよ 受け止める心が枯れているだけなんだよ MOTTAINAI 君を愛してる  こんなに豊かで平和な時代に 生まれて来たというのに こんなに豊かで平和な時代に生きているのに MOTTAINAI  いつかは届く 必ず届く この愛 この苦しみ この痛み やがてしあわせ  心が痛い 冥利が悪い もったいない もったいない もったいない もったいない  いつかは届く 必ず届く この愛 この苦しみ この痛み やがてしあわせ  心が痛い 冥利が悪い もったいない もったいない もったいない もったいない
道化師のソネット鈴木雅之鈴木雅之さだまさしさだまさし武部聡志笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために  僕達は小さな舟に 哀しみという荷物を積んで 時の流れを下ってゆく 舟人たちのようだね 君のその小さな手には 持ちきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師(ピエロ)になれるよ  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために きっと誰もが同じ河の ほとりを歩いている  僕等は別々の山を それぞれの高さ目指して 息も吐がずに登ってゆく 山びと達のようだね 君のその小さな腕に 支えきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師になろう  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために いつか真実(ほんとう)に笑いながら 話せる日がくるから  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために 笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために
椎の実のママへさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし漢口の春は 大使館の柳の青 それから池の降る その花の白 甘露園のコール・コーヒー越しに うちあけられた愛 それが春  漢口の秋は 焼き栗のはじける香り 読み終えた文庫本で うけとめた愛 かぞえの二十二で嫁いでそのまま 終戦を迎え だから秋  天津からひきあげたあと七年たって彼女にとって初めての そして最後の子供を産んだ 夫は優しくて働き者だったから 誰もが彼女を幸福とよんだし 確かに幸福なはずだった  いくつかの春は 知らず知らず人を変え 淡い思い上がりが その心を変え 煙草とコルトレーンの中で二度目の恋をみつけて それも春  ひとつ屋根の下で やがて別の愛 それぞれが違う 愛を過ごして 一人息子だけが取り残される形で 終わるも愛 つまり秋  みんなの謗(そし)りの中で 彼女は故里の長崎へ帰り 小さな喫茶店をはじめた 「椎の実」のママを慕って沢山の若者達が集まって 「椎の実」はいつでも 煙草とコルトレーンで一杯だった  僕と同い年の一人息子は おきまりの様に ビーチボーイズを聴き乍ら一度ぐれたが 自分の足で歩き出す迄に随分迷ったけれど やがて歩き出した 彼は父親を愛するのと同じ位に 母親を愛していたし 僕はそんな彼が大好きだった  長崎の春は黄砂と凧(はた)上げ 一人息子は母と暮らすと決めた 小さな店のカウンターに二人で 立てたらいいねと そんな春  彼がもうひとつの 愛を手にした頃 母は突然に病いをみつけた 癒るはずのない病名を知らされて 立ちつくしたのは それも春  まさか彼が母より先に まさか逝っちまうなんて 誰も思わなかった だって恋人と海に出かけて オールを流されて 飛び込んだまま だって昨日まで 元気だったんだもの  母は嘆き悲しみ出来るなら私とひきかえにと 今までを悔やんだ ねェ早かったよ ねェ早過ぎたよ  僕は彼の為に 唄を作った……  ジャズとクラシック以外は耳を貸さなかった彼女が 僕の唄を愛する様になったのはこの頃だった 自分の残り時間のすべてをかけて 息子の為に祈り それと同じ位に 僕を 僕の唄を愛した  三度目の手術の後は 彼女の生き甲斐だった お店にも立てなくなってしまい それでも生きようとしたのは この時初めてひとつになった 彼女の兄弟達の心と 死んだ息子の為だったと思う  思い起こせば 誰も彼も皆 本当はとても愛し合っていた わずかなすれ違いが物語を 変えてしまうなんて それも愛  椎の実のママが 死んだ晩に みんな同じ色の涙を流した 結局愛されて死んでいった彼女は 幸福だったと 思っていいかい  ねェ愛されて死んでいったあなたは 幸福だったよね そうだよね  さよなら 椎の実のママ さよなら 僕のおばさん
邂逅さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦父が私を許さなかったのか 私が父を拒んでしまったのか 彼はついに孫の顔も見ずに 三年前に世を去った 今となれば果たして人の世に 生命を懸けていさかい合う程の 憎しみなどあろうはずもないと 今更に気付く愚かしさ 形見といえば古くさい 写真機が一台あるばかり 無趣味の人のなぐさみに 何を写していたのやら 無骨な指で不器用に シャッターを切ったのだろうか ふと気付けば撮りかけの フィルムが入ったままだった  父のフィルムの残り半分を 私が引き継ぐことにした 少し悩んでやはり最初には こっそりと母を撮った それから彼の孫の姿を撮り 最后に母が私達を撮り 出来上がったそのフィルムが 今 私の前にある 父は最初に庭を撮っており 次に道端の花を撮り そして最后は多分こっそりと 母の姿を写してた ネガフィルムに隣り合わせて 二人の写した母がいる 初めて父とめぐり逢った 涙が止まらなかった  涙が止まらなかった
流星雨さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いつか君に会えたら告げたいことがある どんなときも 片時も 君のこと忘れずにいたと  悲しいときは悲しく切ないときは切なく いつもいつも ずっといつも 君に語りかけていたと  愛はひとときのまぼろしの呼び名でなく 永久にめぐり来る季節のようなもの  君に教えられたあの夜 空に降りしきった流星雨 ふたり 時を越えた あの一瞬  いつか君に会えたら 告げたいことがある どんなときも なにごとも あきらめずに生きてきたと  夏が過ぎれば秋の 風は必ず訪れ 冬が来れば 信じていい いつか必ず春は来る  愛はつかの間の浅い夢のなごりでなく 永久に寄せて返す水辺の波のよう  君に約束したあの夜空を埋め尽くした流星雨 今も 愛している 君に 逢いたい
息子へ ~父からの風~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸お前はいくつも 大切な事を 選べないで生まれて来た 時代も国も 場所も名前も あげくは親さえも 親がこうなので 顔も頭も 余り期待はしないがいい 血筋がああだから 才能の方も まずはあきらめろ 強く明るく優しくたくましく それが何より一番 それが何より 駄目な親に 恵まれたのだから よりによってここへ来たのだから それともお前は 全て承知の上で ここを選んでくれたのだろうか  落ち着きのない子だと 言われて育つだろう 俺がそうだった 受験も一度くらい 失敗するだろう 俺がそうだった きっと女には 結構もてるだろう 俺がそうだったかな 借金なんかも するかもしれない 俺も親父もそうだった 愛する人と別れる苦しみや 憎しみという切ない苦しみや 生きることは辛く恥ずかしいことと お前も少しずつ覚えてゆくだろう 生まれて来た以上 いつか消えてゆくのだ それも選んだのだよ  誰の真似でもなく お前はお前らしく お前の空を飛べ たったひとつの お前の生命 輝けばそれでいい どちらかを選ぶなら 傷つける人よりも 傷つく人に 騙す人よりも 騙される人に その方がずっといい 生きてゆくのは 楽しいぞ 辛いけど 辛い時こそ 胸を張れ 前を見ろ いつか愛する人が出来たなら お前の勇気で包み込んでやれ 喜びの種をまけ 幸せの花が咲く どこかに味方はいる お前はひとりじゃない  父は いつでも お前の味方だよ おたんじょう おめでとう
マグリットの石さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之あいそ笑いで生きるより ののしりの中で死にたい そう吐き捨てて遠くを見てた まなざしがとても恋しい  生まれ乍らに与えられた ものなんてほんのわずかなもの 嘘で磨いた輝きよりも 真実のまま錆びた魂が欲しい お前の口癖だったそんな とがった言葉達が いまさら 熱く俺の胸を揺さぶる やっと時代がお前に追いついた  あいそ笑いで生きるより ののしりの中で死にたい そう吐き捨てて遠くを見てた まなざしがとても恋しい  輝くのは一度だけでいい 砕け散る そのひとときだけで 売り渡してたまるか このプライド お前の声が今でも 聴こえるようだ マグリットの石は俺達の 時代を見すかして笑ってる お前はデ・ラ・ラ・マンチャの様に 風車に戦いを挑んでた  今初めて俺にあの時の お前の叫びが伝わる お前は夢を手にする為に 生命懸けで生き抜いたんだね 嘘で磨いた輝きよりも 真実のまま錆びた魂 売り渡してたまるか このプライド やっとお前が時代に伝わった
記念樹さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸少し大人びた午後の陽射しの中を わざと背中伸ばして 今あなたの腕の中から 歩きはじめたところ 信号が変わる人波が動きだす 足が震えて恥ずかしい ふと掌を陽にかざせば若葉が目に染みるわ  ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY さよなら最初で最后の恋 ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY ただ一度ただひとりのひとに  とても愛してたたぶん生まれる前から あなたの事知ってた だから出会えただけでとても とてもしあわせだった 次に生まれてもあなたを愛せる 記憶なんてなくても あなたに出会っただけで必ずあなたに気づいてみせる  ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY さよなら最初で最后の恋 ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY ただ一度 ただひとりのひとに  ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY さよなら最初で最后の恋 ONCE AND ONLY ONCE AND FOR ONE ONLY ただ一度 ただひとりのひとに
夜想曲さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし亀山社中空に拡がる 銀河の涯てから はるかな風が吹いて来る夜は 子供の頃から 膝を抱えて 降り注ぐ愛の数をかぞえた 父よ母よ友よ 生命をありがとう ささやかな私に勇気をありがとう 小さな星で生まれそこで育ちそこを愛し そうしてあなたに めぐり逢った 存在の全てをかけて  愛しいあなたや あなたのまわりの 全てがしあわせでありますよう 愛しいあなたの 小さな生命を 護りゆくことが私の願い いつもどんな時も 遠く離れようと 時の流れも超えてずっと いつもずっと 春の花も鳥も 夏の風も月の光も みんなあなたの 味方でありますように 私が愛するように
大きな森の小さな伝説さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし山本直純お前と一緒になったあとは 二人で大きな森へ行き 小さな小さな家を建てるのだ 丸太小屋に煙突つけて  森のシマリスやキツツキは 素敵な隣人になるだろうが 別に怖いわけじゃ無いが ヘビだけは苦手だからお前よろしく  それからお前は川へお洗濯に 俺は山へ炭焼きに お前大声で下手な歌を歌う 俺は切り株でヴァイオリン  子供が出来たら勉強は 適当でよいから健康で 野兎追いかけ野菜を育てて 空と土とを愛するように  俺がブナの木やヒッコリーで 美味しい薫製作るから 別に怖いわけじゃ無いが ゴキブリは苦手なのでお前らよろしく  鹿肉の塩の加減覚えたなら 魚釣りを教えよう 明るく輝く瞳の子供達よ 爽やかで勇気があるように  地震 雷に 火事 嵐 力を合わせて乗り越えよう 誰かが病気になった時は 俺が担心で町の医者まで走る  花が咲いたなら野苺や キノコを採りに出かけよう 本当は怖いけれど森の熊だけは 俺に任せてみんなは逃げるように  月に誘われて 夜は丘に登り みんなで星を数える 雨の降る夜は窓辺にランプ灯し 静かに語り合うのさ  時は流れて全てを変えるだろう 子供は巣立ってゆき 俺とお前の二人に戻るだろう 初めの頃のように  お前は相変わらず川へお洗濯に 俺は山へ芝刈りに お前大声で下手な歌を歌う 俺は切り株でヴァイオリン  大きな森の片隅で 綴る俺達の物語 小さな小さな伝説として 子供が語り継ぐだろう  俺達が居なくなっても 子供達よ胸を張って 俺達の墓を乗り越えて行け 新しい伝説のために  
草枕さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸寂しさに耐えかねて 窓をあければ 西に傾く月影に 蒼くふちどられて浮浪雲 遠くで枕木が 旅をかぞえている  渡り鳥が南の空をめざして 帰るあてのない旅に出る オリオンの胸かすめ乍ら 凩よ息を呑め かばうように虫の音  よろこびの中に かなしみがあるように かなしみの中から よろこびが生まれる  長い坂道があり そこで生まれて 営みを重ね生きて来て 振り返りもせず歩き来て いつしか気がつけば そこもまだ 坂の途中  思えば人と出会い いつか愛し合い 疑いそして憎み合い 許し合いまた 愛し合い 見失いめぐり逢い 全て 草枕  よろこびの中に かなしみがあるように かなしみの中から よろこびが生まれる  東の空にやがて朝が生まれる 夜はかならず明けてゆく 傷も必ず いえてゆく 転んでも倒れても そこもまだ 坂の途中
秋の虹さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之まるめろの花の咲く頃に お前は生まれて来たのです 母さんが嫁いで 2年目の春でした  幼い頃から大人しく やさしい娘でありました 母さんが嫁いだ 歳を越えたなんて  こうして目を閉じて 思い起こせば 憶えたてのカタコトで 母さん呼んだお前を  嫁がせる朝 こんなことを 母は思い出しています  まるめろの実が実る頃 お前は嫁いでゆくのです 色深めるななかまど すてきな朝です  しあわせは形でなくて いつも心にあるのだと 言いかけてふと空に 虹を見つけました  そういえば私が 嫁いだ朝にも 母はやはり 庭に出て 花を見ていた  どうかお前が いつまでも しあわせでありますように
下宿屋のシンデレラさだまさしさだまさし太田正子さだまさし渡辺俊幸洗濯物に囲まれて毎日を過ごします 下宿屋の娘ですおつとめと心意気 レンガ通り抜けてゆくきらめきの女学生 憧れてため息をつく日だってありますわ でも ひとつだけ信じてた チャンスは誰にでも 平等に与えられるはずですもの  下宿屋のシンデレラ 物干台のマドンナ オーデコロンはシャボンの薫り がんばった人にはそれなりの幸せが いつかきっと扉を叩く 空に白い雲  お伽話じゃこの後王子様が現れて めでたしの結末を迎える訳ですが わたくしが病いに倒れたその時に 花束とおせんべと手紙が届いたの でも 現れたその人は どこかしらぼーっとした あろう事かお向かいの洗濯屋さん  下宿屋のシンデレラ 物干台のマドンナ オーデコロンはシャボンの薫り そんな訳で相変わらず洗濯物に囲まれて 今は子持ちのおばさんですわ 下宿屋のシンデレラ 物干台のマドンナ オーデコロンはシャボンの薫り 子供達に囲まれてそれなりの幸せ あなたやっぱりわたくしの王子様 空に白い雲
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
ヴァージン・ロードさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード  もう道の途中で 迷っちゃいけないよ まっすぐまっすぐ信じた人の 瞳めざし 胸を張って 幸せの重さを 喜びの涙を ゆっくりゆっくり 歩き乍ら 抱きしめて 強く  (花吹雪) おりから花吹雪 (花吹雪) 君だけの為に (花吹雪) ステンドグラスから (花吹雪) 君の陽射し  君 綺麗だ 君 とても 綺麗だ 待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード  ああ いつの日か 振り返る時 いつも微笑みが そばに居ますよう 今 花吹雪 舞い散る中で 誓う この愛は とこしえに咲く もう道の途中で迷っちゃいけないよ  ああ いつの日か 振り返る時 いつも微笑みが そばに居ますよう 今 花吹雪 舞い散る中で 誓う この愛は とこしえに咲く もう道の途中で迷っちゃいけないよ  ララ ラララララ ラララララララ…  待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード
都府楼さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸はじめは「逢初め川」といい 出会って「思い川」という 大宰府の秋はいにしえ川の 白鷺と銀杏黄葉 朱の楼門 朱の橋 池の水面に 空の青 白い手を合わせて君は ため息で歌うように  人の心が いつまでも 変わらない ものなら 人の世の 哀しみの多くは 消えると言った きっと 千年あとまでも 想い続けると 樟の葉の緑に 恋を託したと  秋思う祭りの宵に 独り来て恋を訪ねる 大宰府の色は観世音寺の 白萩と尾花 鐘の音 ぼくの心の鷽の鳥 まことに替える間もあらで あの恋にほふったものは 君の手とあの真心と  人の心の 移ろいは 生きて行く 術なら 人の世の 哀しみの多くは そこで生まれる いまさらに 切なくて切なくて 君を歌えば 君の言葉だけが 真実になる 千年あとまでも 想い続けると 樟の樹の生命に 恋を託したと  月山に 刻を尋ねる 神官の 白衣は白く 篝火は 赤々と燃え 果てしなく 赤々と燃え  千年変わらない 月の光が 都府楼の甍を 闇に浮かべた 千年あとまでも 想い続けると あの月の光に 恋を託した
約束さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸母の手にすがり乍ら 歩いたあの道を いつか私も同じように 歩きたいと思ってた 思い出はセピア色に いつも坂の途中 大きな樟の枝の向こう 遠く海が見えた 時は音もなく降りつもる 悲しみもいつか解けてゆく 思いどおりには 生きられないけれど 一所懸命だったね あなたの背中はいつも とてもあたたかだった どんな時でも私を 信じてくれた  道ばたの名もない花 あなたに見えますか ある時母は振り向いて 約束しようと云った それぞれに人は誰も 自分の色で咲く いつか必ず しあわせに咲くと約束してね 悲しみは棘に変わってく 甘えたら色は褪せてゆく 思いどおりには 生きられないけれど 一所懸命咲いてね 憶えています必ず 約束は守ります あなたの分まで高く 笑顔で咲きます あの人と二人きっと しあわせになります あなたの分まで高く しあわせになります
しあわせについて彩風彩風さだまさしさだまさし彩風(AYAKAJI)幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり みんなみんな 幸せになれたらいいのに 悲しみなんて すべてなくなればいいのに  どうぞ あやまちは二度とくり返さずに あなたは必ず幸せになってください 愛する人と めぐり逢えたら 抱きしめた腕をゆるめてはいけない  風は移り気 身を任せてはいけないよ 時を越えて 変わらないのが愛だよ みんなみんな あなたが教えてくれた 生きる喜び 人を愛する喜び  ありがとう さよなら 生まれ変われたならば やっぱりあなたと愛し合いたいと思う ひたむきな人と 愛を信じて 生きがいを咲かせ 幸せになりたい  ひとりひとりは 皆とても優しいのに 何も傷つけ合う事などないのに みんなみんな 幸せになれたらいいのに 悲しみなんて すべてなくなればいいのに  幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり 幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり
時代はずれさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸元気だったか 汚ねえ顔ずらり並べやがってって お互い様だってか そりゃ そいじゃ始めっか 有り金全部 テーブルに出したか かくすんじゃねーぞ! まずは乾杯! つまみなんか頼んどけよ てきとーに あ、俺 海老抜いといてね 嫌いだから ナニ相変わらず? あたり前だ 簡単に変わるか 男がよ  俺たち昔からアレバダスの法則で 助け合って足引っぱって生きてきた 正しい青春の法則 アレバダス おじん臭いって言わしとけ言わしとけ そんなもの 古い歌と古い型の女が好きだね 俺たちってキレがあるのにコクがあるって それほどでもねーってか!  ごめんね 時代はずれで ごめんね 時代はずれで こんなやり方しか知らないけど あったかいんだ心がね ホントだよ 触ってごらん ウールだよ、だって!?  世間にもまれてお互い老けたよな 髪の話してんじゃないよ 無口んなっちゃうよ 俺 そうじゃなくて みんな責任持てる顔になって来たって 俺の話聞いてんのか! そうか乾杯! ナニ終電? 終電が怖くて酒が飲めるか あ、あ本当に怖いの? あ、そ、じゃ いいよ帰っても 流行がどうした 流行が怖くて風邪ひけるか なあぉぃ!って 何言ってんだか わかんなくなっちゃった  俺たち昔から時代はずれだったよな 遅れてもいないけど進んでる訳じゃない 他人のやり方なんて気にしたことがなかった DCブランドもグルメブームもいいじゃないか クロワッサンにコーヒーのブランチなんて まあハイカラやね 貸し衣装だって 似合うなら幸せだ  ごめんね お茶漬が食べたい ごめんね お茶漬が食べたい シバ漬も付けてね こんな生き方しか出来ないけど あったかいんだ心がね ホントだよ ちょっと照れるけど ホントだよ 御一緒にどーぞ! ごめんね 時代はずれで ごめんね 時代はずれで もう一軒行ってみよう!  ごめんね 時代はずれで ごめんね 時代はずれで
残像グレープグレープさだまさしさだまさし青木望君が最後に告げた 冷たいひとことが 僕を 凍てつかせて もう何も見えないよ もう一度 扉を開けて 昨日までと同じように 僕の胸を あたためておくれ  もうふたりの恋は終ったのですか 楽しかった日々のかけらは もう君と僕との間には ほほえみさえ 残して置いては くれなかったの  それを君はひとこと 季節はずれの通り雨と 言い捨てて しまうのでしょうか  もうふたりの恋は終ったのですか 楽しかった日々のかけらは もう君と僕との間には ほほえみさえ 残して置いては くれなかったの
神様のくれた5分さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし地下鉄の駅を出た処で 懐しい制服に出会ったわ あなたの選んだ待ち合わせ場所は 私の学校の近くだった 眩しすぎる初夏の日射しに 立ちのぼる陽炎の向うから あの日の私が横断歩道を ゆっくりと渡って来る いくつもの初恋を過ごして 教科書にない恋も学んで いつも青空を背負っていた私が 傘の差しかたもいつの間にか憶えて ああ あの頃好きだった人は いつかイニシャルの向う側に去り アイスティ越しにあなたを待っている 神様のくれた5分  散水車が町を濡らしてく お店に流れるのはサティ 白い野球部のユニフォーム達が 思い出を横切ってゆく いくつもの記念日を刻んで あなたには内緒の日もある 笑顔を作るのが上手な私が 今は泣き顔を演じられる しあわせ ああ あの頃悲しかったことも あなたのポロシャツの向う側に去り アイスティ越しにあなたを待っている 神様のくれた5分
恋文さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしグレープ一人で人知れず旅に出る 誰も知る人のない町へ 海辺の風の吹く遠い町で 遙かな君を想うために  その町で君への切ない恋文を したためるつもり 一文字ずつ一文字ずつ この恋を刻むように  二人で旅をしたあの町の 湖の畔に咲く花 群れなす秋茜 川縁の道 ゆらりと僕の影法師  あの町で君からの悲しい恋文を 読み返すつもり ありがとうと さようならと もう一度と 愛してると  その町で君への切ない恋文を したためるつもり 一文字ずつ一文字ずつ もう二度と会えない人へ  ありがとうと さようならと もう一度と 愛してると
働くおじさん宣言~関白宣言~嘉門タツオ嘉門タツオさだまさし・脚色:嘉門達夫さだまさしテレビタレント 山ほど居るが みのより働く 男を知らない みのもんたみたいに なりたいならば 俺の言う事聞いておけ みのより先に寝てはいけない みのより後に起きてもいけない 夜中3時に起きて 毎朝テレビで 土偶みたいな顔して ダジャレを言ってる 忘れてくれるな 仕事の出来る男は 二日酔い気にせずに 今夜も銀座へ繰り出そう!  美輪明宏さん 70越えて 何食べてるのか? 若返ってる 美輪は男ですか? 多分男でしょう 女なんじゃないかな? ま、ちょっと妖怪かもね しあわせを 手にするには 無償の愛が大切よ 光の分だけ闇があるのよ 人生はプラマイゼロ  明石家さんま 喋り続ける 仕事終わっても 同じテンション 寝ているところ 人に見られるな 差し歯白く磨いて ツバをまき散らせ 忘れてくれるな 俺の愛する男は 愛する男は地球上で俺ひとり  ラララみのみのみのもんたに 美輪あきひろー もっと働け いつ寝てる 明石家さんま  さだまさしさん コンサートの鬼 3333回 越えてまだまだ 唄い続ける 小説も書く 借金はもうない ステージの醍醐味 トークは明るく歌は暗く ちょっと長い時間忘れて 心底笑って涙を流す  忘れてくれるな 働くおじさん達の事を 若者よ その背中を しっかり見て ついて行け  ラララみのみのみのもんたに 美輪あきひろー 明石家さんまさだまさし もっと働けー! ラララみのみのみのもんたに 美輪あきひろー 明石家さんまさだまさし もっと働けー!
死んだらあかんさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし高見沢俊彦ようけ居(い)てるやろ 腸煮えるほど ようけ居てるやろ 悪い奴 けどよく見たら 善(え)え奴が居(お)る 悲しくなるような善人が居る 世の中あんまり不公平やねと 悔しくって腹も立つけど 捨てたらあかん 捨てたらあかん お天道様はちゃんと見てはる 空を見上げて 最後に笑(わろ)たらええねん  人の弱みをつく 悪い奴が居(お)る 冷えた心のままの エゴイスト それに騙される 温かな奴が居る 泣くほど不器用な善人が居る 世の中矛盾で出来ているけれど 損ばかりしても胸を張れ 泣いたらあかん 泣いたらあかん 泣いたら幸せが遠ざかる 人を信じて 最後まで生きたらええねん  信じてることがある 人は優しい 信じてることがある 人は温かい 信じてることがある 人は助け合える 信じてることがある 人は支え合える  生きていたいのに 許されない人 生きられるのに いのちを捨てる人 勿体ない勿体ない そのいのちを それなら代わりに生きてゆきたい あの人が失い 私が貰った いのちには重い役目があるはず 死んだらあかん 死んだらあかん 神様 それはあんまりやでと 笑顔で愚痴って ひたすら生きたらええねん  死んだらあかん 死んだらあかん 神様 時々こっち向いてと 小さないのちを ひたすら生きたらええねん  小さないのちを ひたすら生きたらええねん 小さないのちを ひたすら生きたらええねん
戦友会さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之櫛の歯が欠けるように 仲間が減ってゆく 戦友会に出掛けた夜 おやじが呟いた 学舎でなく古の戦の友が集う 年に一度の 思えばなんて儚い祭りだろう 誰もがいつか 年老いてゆくけれど 何とも俺達の風情は 他人に玉手箱 開けられてしまった 青春の浦島たちのようだ 生命懸けておまえ達を 守ったと言わせてやれ それを正義と言うつもりはないが 時代と片付けたくもない  今の青春を羨ましくなくもないが 替わろうかと言われても断るだろう 不幸な時代の若者たちはそれでも青春を確かに見たのだ 銃弾に倒れた友の顔を 忘れることなど出来ない あいつの分もあいつの分もと 生きる思いは解るまい いつかは消えゆく 集いなのだ 冬の名残の雪なのだ そして必ず 二度と必ず 降ってはならない雪なのだ 穏やかにそう言った後 息子の僕をサカナに 珍しくおやじは家で酒を呑んで その日は早くつぶれた  雪が降る今日もどこかで 誰かが凍えてる 遠くでバイクの走り去る 青春が聞こえた
推理小説(ミステリー)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久グラスで氷が カラカラ音たてた あなたは静かに 眼をそらした 暁闇色の イヴニングドレス 肩口を転げ落ちる ため息  あなたの最后の 不在証明が崩れて 指先の煙草を震わせる ベージュのカーテンが 風をはらんで 時計が音を刻んで 刻んで  つまり僕たちの 推理小説 答を僕が先に読んだ これから後 過ごす時間は 僕にはただ 苦痛なだけ すなわち今夜で さよなら  誰かが忘れた ライターの炎を あなたは静かに みつめている かすかに流れる クロイツェルソナタ とても優しい 優しい裏切り  それでも最后に 笑ってみせたのは 想い出の為の心づくし 夜風に揺らめく イヴニングドレス やわからな嘘 包んでかくして  ひとつ分からない事は この愛どちらの吸い殻 あなたが僕を 僕があなたを どちらが先に捨てたのか それでも今夜で さよなら 推理小説
眉山さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸遠い故郷のような あなたを愛して生きた 眉山にかかる月のように 手は届かなくても いつまでも傍にいた  幾つか嘘をついた 本当を守るために でも嘘は嘘 誰かや 自分を傷つけた とても苦しかったけれど 決して哀しくはなかった 確かに一所懸命に 生きてきたのだから 遠い故郷のような あなたを愛して生きた 眉山にかかる月のように 手は届かなくても いつまでも傍にいた  喜び悲しみ苦しみ あるがままに受け入れて 辛くても生きることは そういうことだと思う たからものがひとつあれば 生きることは哀しくない あなたのたましいこそが 私の生命(いのち)の全て 遠い故郷のような あなたを愛して生きた 眉山にかかる月のように 手は届かなくても いつまでも傍にいた  眉山にかかる月のように 手は届かなくても いつまでも傍にいた
赤い月さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸散りゆけば 何も無き 桜に厭きて 見捨て行く人もある 春の夕暮れ 人もまた 一時を 咲祝いながら たちまちに 黄昏に 迷い佇む 花散る里に 想い人 一人残して 行く人に 今もあなたが 好きですと 言伝をせよ 赤い月 鳥が啼く 鳥が啼く あはれあはれと 季節(とき)を超え 咲きつのる 花はあれども 果たしてや 美しき 生命(いのち)と覚えず 咲きもせず 散りもせぬ 花は無けれど 愛おしき 人の名は 永遠に散らさじ 花降る里に またひとつ 花に連れ行く 生命あり 名残惜しやと あの人に 言伝をせよ 赤い星 風が啼く 風が啼く さらばさらばと  花散る里に 想い人 一人残して 行く人に 今もあなたが 好きですと 言伝をせよ 赤い月 鳥が啼く 鳥が啼く あはれあはれと 風が啼く 風が啼く さらばさらばと
夢の轍橋幸夫橋幸夫さだまさしさだまさし宮下博次もしもこの歌で 何かが変わるなら 私のこの生命(いのち)と 引き替えて構わない たとえば此の世から 戦さが消え去り 風が昔のように 透きとおるのなら  木を植えるように 夢を植え続けたら いつか大きな夢の 森が出来るだろう 木を植えるように 愛を植え続けたら いつかこころは愛で 満たされるだろう 君と  もしもこの歌で 世界が変わるなら わたしのこの生命(いのち)を 捧げて構わない たとえば優しさや 希望に満ちた町や 美しい地球が 帰ってくるのなら  道無き道も 歩き続けたならば いつかそこには小さな 道が出来るだろう 夢を諦めないで 歩き続けて行けば 夢の轍がいつか 刻まれるだろう  木を植えるように 夢を植え続けたら いつか大きな夢の 森が出来るだろう 木を植えるように 愛を植え続けたら いつかこころは愛で 満たされるだろう 君と
一万年の旅路さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸何故私の顔に深い皺が刻まれたのか 教えようと老人は静かに言った 彼の前に腰掛けた時 暖炉の明かりがパチパチ音を立てた  迷った道の数の分と 傷つけた心の数を 忘れないよう顔に刻んできた 驚くことはない 生きてゆくことは 大概そういうことなのさ  若いという美しさは身体の外にあるから いっときは目が眩むけれど 年老いての美しさは心の中にあるから 気付いたものだけが美しい  そんなことを理解するために 人は生きているのかも知れない  誰もが老人になれるとは 限らないじゃないかと 彼は少し笑って静かに言った 生きた証の皺を恥ずかしいと 思う方がおかしいだろう  君もいつか気付くだろう 悲しみの皺だけじゃない 嬉し涙の流れを刻み 喜びの笑顔さえもまた 自分の顔に刻んできたのだろう  自分の顔が好きかと訊かれたらきっと嫌いだと 答えるに決まってるけれど これでも昔の私の顔よりは少しばかり ましになったと思っているんだよ  そんなことを理解するために 人は生まれてきたのかも知れない  四苦三十六 八苦七十二 足して108の煩悩の 数をまさか信じてる訳じゃない 実際その数の何倍もの悩みと 一緒に暮らして生きてきた  若い頃に見えたものと 年老いて見えるものとの 違いがいつか君にも分かるだろう 本物と偽者あるいは正義について 気付くものだけが美しい  笑う門には福が来る 辛い時でも笑ってる そんな人になりたいと思わないか? 恩は石に刻み給え 恨みは水に流し給え 胸を張って生きてゆき給え  若いという名の花は身体の外に咲くから いっときは目が眩むけれど 年老いてからの花は心の中に咲くから 気付いたものだけが美しい  そんなことを理解するために 人は生きているのかも知れない 人は生まれてきたのかも知れない
奇跡 ~大きな愛のように~林部智史林部智史さだまさしさだまさし安部潤どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない けれどあなたを想う心なら 神様に負けない たった一度の人生に あなたとめぐりあえたこと 偶然を装いながら奇跡は いつも近くに居る  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい  どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  今日と未来の間に 流れる河を夢というなら あなたと同じ夢を見ることが 出来たならそれでいい 僕は神様でないから 奇跡を創ることは出来ない けれどあなたを想う奇跡なら 神様に負けない  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい ああ大きな夢になりたい あなたを包んであげたい あなたの笑顔を守る為に 多分僕は生まれて来た
赤い靴さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸坂道の途中でふと振り返れば 幻のように 光る海が見えた あの頃の二人は いつも港を見てた 外国船の白と 君の赤い靴 坂道をたどる時に 感じる自分の重さと 登りつめた時に ふいに拡がる眩しい風景を君は愛してた とてもとても優しいまなざしで 僕は誰かが君を遠くへ連れていってしまいそうで 悲しかった  僕はまだ今でも 坂の途中に居て やっと自分の 重さ感じている 今でも忘れない 栗の花の向うの 飛行機雲の白と 君の赤い靴 僕の長い坂道は 遠く険しいけれど 登りつめた時に きっと眩しい風景が待っていると信じて 辛い時は君の赤い靴 思い出しながら 強く生きている  いつの日か君と二人で 見るはずだったあの青い海を 信じて坂道 登り続けているよ
理・不・尽さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし心が冷めてく 自分から遠ざかる おまえ抱きしめていて 不安でたまらない 新聞の一行が TVのひと言が辛い 余りにも廻りが 理不尽に過ぎてゆく  言葉はもう ぬくもりさえ 伝えてくれはしない 捨てたくないものから先に 捨て去られてゆく  理不尽 理不尽 理不尽 そうつぶやきながら 僕の弱い心が 同じ色に染まる  子供の頃には 見てたはずの空の色 花の色まですべて アスファルト色してる 子供じゃないのだから 世の中はそんなもの 自分に言いきかせては 嘘色のため息  強くなりたい お前の愛 守り抜けるように 強くなりたい お前の夢 叶えられるように  理不尽 理不尽 理不尽 そうつぶやきながら 負けてたまるものかと 高い空を見てる お前抱きしめていて 見失わないように ほんのしばらくでいい お前抱きしめていて
絵画館さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸授業を抜け出して 球場のアーケード ゆっくり すれ違う スワローズのユニフォーム 秋の日射しの中 君の指に触れた  木漏れ陽が揺らした 水に映る絵画館 ほどけた靴紐を結び直す 君の横顔  外苑を染めてゆく 金色の銀杏並木 青春という名の答えのない問いかけに怯えてた 君と僕のセピア色の傷口さえ いつしか懐かしむ そんな歳になった  足元に転がった 誰かのファウルボール ゆっくり投げ返す 君の細い腕の白さ  もしかして誰かに 壊される日を待つような 青春という名の あやうさを君に感じていた 絵画館の天窓からゆるやかに こぼれる日射の中 君は輝いてた 遠い光の中で…
天狼星にさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之自分だけは だませなくて 独り夜汽車で旅立つけれど ひとつひとつ 数える駅の 数だけ不安も 数えている  それ程遠くへ行く訳じゃない それが悲しい理由でもない 父さんよりも愛する人が 出来るなんて 思わなかった  膝の荷物が 二十余年の 重さというには 軽すぎるけど いつか何処かで 根付いたならば 許してもらえる そう信じてる  窓から見上げる夜空にひときわ 輝く星の名は知らないけれど 蒼い光に かけて誓う 何があっても くじけない  それ程遠くへ行く訳じゃない それが悲しい理由でもない 父さんよりも愛する人に 出会うなんて 思わなかった  父さんよりも愛する人が 出来るなんて 思わなかった
十三夜さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸十三夜の月が 東の空に昇る 黄昏ゆく海が見える 南の空へ向かう 流れ星がひとつ 少し風が吹いていた 幸せですか、元気でいるねきっと どこかでこの月をみてる 温もりを決して忘れない君の 面影色褪せない 一つだけ残った耳飾りは 今はなき君のもの 十三夜  十三夜の月が 照らす海の道を 船の影が横切っていく 君の愛していた  鉢植えの花は 今年も綺麗に咲いたよ 別れも言わず去りゆく君の胸の 苦しみに気づかずに 自分を悲しむだけの僕の 幼さが切なくて 一つだけ誓った僕の愛は 今はなき君のもの 十三夜  幸せですか、元気でいるねきっと どこかでこの月をみてる 温もりを決して忘れない君の 面影色褪せない 一つだけ残った僕の愛は 今はなき君のもの 十三夜
さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之いつまでもあなたのものでいると 一体誰が約束したの 突っ張って Far away これでお別れです Get away 夢から醒めて Run away. It's my way  振り向けば誰もが皆 つもる 想い出に引き止められるけど 振り切って Far away 降りしきる雨に Get away 傘もささないまま Run away. to my way  そんなに驚かないで 心は移ろい易い 教えてくれた人は あなたのはずでしょう 背中でドアの悲鳴を聞きながら  いつまでも あなたのものでいたい どこかで誰か 叫んでるけど 聞こえないわ Far away サヨナラ  掌に拡げるている想い出 処々が破れている 突っ張って Far away 傷ついたまま Get away それはお互いよね Run away. It's my way  あんなに冷たい顔で 知らない人見るように 氷の心のふり 私をみつめて 答えを私に出させた ずるい  いつまでも 私のままでいたい だから もう振り向きはしないわ 振っ切って Far away これでお別れです Get away 夢から醒めて Run away. to my way  突っ張って Far away Get away 突っ張って Far away Run away 突っ張って Far away Get away 突っ張って Far away サヨナラ
ひとり占いグレープグレープさだまさしさだまさし木田高介今日のあなたは 冷たいね 夢を何処かに置き忘れて来たね 気まずい思いだけはさせたくないから 今日は帰るよ 会ったばかりだけど お酒は飲む気になれないし テレビはいつでもつまらないし トランプゲームのひとり占いを こわしては作り作ってはこわしてみる  今日はお前の方が夢を忘れてたんだと クラブのジャックが 怒った様な笑った様な  僕はいつものミルクティー 君もいつものチョコレートパフェ 違っているのは君がうつむき加減に 他のことを考えていた 寂しい唄は好きじゃないし 楽しい唄はもっとつまらないし 四三じゅうにのカードを並べて 疲れた言葉をくずかごに捨ててみる  明日電話をすれば 待人必ず来ると ハートのクインが悲しい様な嬉しい様な 明日電話をすれば 待人必ず来ると……
雲にらくがきグレープグレープさだまさしさだまさしグレープ風よ 青春という 僕の舟をだいて 舞いあがれ 君をのせて 僕をのせて 君と出会った時に 僕は手に入れたよ 長い事夢みていた 愛の翼  これからは君と空のお散歩 雲のキャンバスにちょっとらくがき 高い煙突にリボン あれは君のいたずら 空を空を空を飛んで 遠い 僕の故郷へ連れていってあげる  これからは君と空のお散歩 雲のキャンバスにちょっとらくがき 虹のかけらを盗んで 君へのエンゲージリング 海を海を海を越えて遠い 僕の故郷へ連れていってあげる  海を海を海を越えて遠い 僕の故郷へ連れていってあげる
夢一色さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄なにものにもとらわれることなく 君は君の空をゆけ わたしは力のすべてをかけて 君の空を護ろう 信じているから 愛する訳ではない 愛しているから 信じる訳でもない 同じ夢を追いかけて 同じ場所まで往きたい ただ一度だけの生命 夢一色に 染まれ  渡ることの出来ない河ならば わたしを橋にすればいい 暗闇に迷うことがあるなら わたしを燃やせばいい 許しているから 捧げる訳ではない 捧げているから 許せる訳でもない 同じ夢を積み上げて 同じ高さを生きたい ただ一度だけの恋よ 夢一色に 染まれ  同じ夢を追いかけて 同じ場所まで往きたい ただ一度だけの生命 夢一色に 染まれ
Forget-me-notさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたの向うであの人があなたの 片手を強く抱きしめている このまま私が手を離さなければ あなたの腕がちぎれてしまう それが辛くて手を離すそんな 愛し方しか出来ずに ごめんなさい Forget me not 私の誕生日に あなたが種を植えた忘れな草 Forget me not 今朝方ひとつめの 小さな花が咲いたばかり  あなたを私より愛する人はない それだけは自信があるけれど 私よりあなたに愛される人なら どこかにきっとあるかも知れない とても悲しくてはずかしいけれど 最后にお願いがあるたったひとつ Forget me not お別れに鉢植えを 部屋に残すことだけ許して Forget me not 忘れないで私の事 この花が枯れるまででいいから Forget me not 私の誕生日に あなたが種を植えた忘れな草 Forget me not 今朝方ひとつめの 小さな花が咲いたばかり
山ざくらのうたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦かあさんが好きだった 山ざくらの花は 今年も里より少し遅れて きれいに咲きました 新しいランドセル 小川に映ります ねこやなぎの芽がふくらんで 春は静かに咲きました たらの芽を摘み乍ら あなたに手を引かれ 歩いた山の深みどりは 今もかわらない 草笛はなつかしい故里の唄  夏休み 水遊び 牛がえるの声は 泥まみれで帰った時 かあさんの困った顔 盆踊り 新しいかすりの浴衣着て 転んだ膝小僧に あなたの赤チンキの匂いがした 麦わら帽 カブト虫 夕立ち 拾った仔犬 しかられて泣き乍らみつめた 赤い夕焼け 遠花火消ゆるあたりは母の里  稲刈り 栗 柿にカラス瓜 やきいも りんどう そして紅葉 あの子の吐く息 白い霜 やがて雪 あたたかなあたたかな あなたのような 膝のぬくもりが私にも もてるでしょうか ささやかなしあわせ くるでしょうか  かあさんの好きだった 山ざくらの花は 今年も里より少し遅れて きれいに咲きました
建具屋カトーの決心 −儂がジジイになった頃−さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし建具屋カトーはこの頃 長いスランプにおち入ってる 町の消防団のけいこにも 力が入らないでいる 原因はあの無茶苦茶な 消費税のせいばかりでなく 勿論仕上げの遅れた サダ家の 便所の扉のせい でもない  この頃カトーは自分が ガイジンになってしまった気がしてる 絶滅間近の 朱鷺という名の美しい鳥のように ニッポンジンて奴がどんどんいなくなってるじゃねェかョ 冷や酒 口に運び乍ら彼は 淋しそうに そう つぶやいた  マニュアル・ビジュアル・セクシャル あいつら 都合が悪くなっとヨ 何だか訳のわかんねぇ言葉で ごまかしやがってヨ  何だ トレンデーのヤングの為の スペシャル・コーデネートの デーシーブランドの プレタポルテったって おめえ どーゆー意味だか さっぱり分かんねぇな  そう思わねぇかヨ 兄弟 そう思わねぇか まさし おめえよ  彼は少し赤くなった顔で 僕にそう言った  彼はこの頃 子供達が風の子でなくなったと嘆いてる 上目づかいの淋しい目で 冷たく笑うのを悲しんでる 原因はその母親が 母として堕落したからで 勿論悪いのは そうさせた その夫たちだと怒ってる  政治も学校もTVも本もカネも みな悪いけれど もっともっと悪いのはそんな親に育てたじじとばば達だってサ 子供に気に入られようと ガンコじじいやごうつくババアが いなくなった事が世間の秩序を 乱したと彼は 主張している  人間国宝になる 予定を変更して彼は 世の為 人の為に いやなジジイになる決心をした 「あ、そりゃ僕も賛成だな」って言うと そんじゃ共に手をとり合って いやなジジイになろうじゃねェのって 大声で笑った  さあ 手をとり合って 共に立ち上がろう 「さあ 手をとり合って 共に立ち上がろう 僕たちは まだ間に合うと思うんです さあみんなで ガンコじじいやごーつくババアになろう ハンド・イン・じじい」  建具屋カトーは 谷村さんのファンであった  年にも負けず 病気にも負けず 金で負けても ロマンは売らない いつも心に歌を忘れず 若い友達に夢を語ろう 東に危険な子供あれば あぶねーことやめろと張り倒し 西に生意気な娘があれば 行って 優しく屁をかましてあげよう  北に淋しき未亡人あれば 行って共に梅こぶ茶をすすりつつ 青春はこれからですよと はげまし ついでに自分の頭もはげましてたりして 南に迷う女学生あれば あなたの人生の中で あなたが主人公だよと 優しく唄ってあげよう  人に くそじじいと呼ばれ 早くくたばれと ののしられ ほめられもせず 嫌われても けして心の愛は捨てない  そういうじじいに 私はなりたい この愛しい町で 思えば何て 美しい国に生まれて来たんだろう こうして生きているというだけで幸せな一日がある  吹雪の如く 風を彩る 桜 天女の如く 夜空に舞う 蛍  藍より蒼き森の青 紅(べに)より赤き里の秋 静かに心を埋める 雪の白  ああ 僕等はこの美しさを この手で亡ぼそうとしている  ああ 僕はこの美しい国を 愛し乍ら憎んでいる  ん~~ ちょっと マジんなっちゃったかな  建具屋カトーと僕は そしていつかガンコじじいになる 何故か若い奴等がホラ話を聞きに集まって来る 峨眉山からゴビ砂漠に向かって しょんべんして借金して 島の王様で 昔は歌手と言っても 「嘘つけ このハゲ」かなんか言われてしまうだろう  建具屋カトーと僕は 死ぬ間際の事まで もう決めてる 若い奴等を前にして 最后は自分の大ヒット曲を歌う  「故意に」間違えたりして 最后まで笑いを取りに行ったりなんかして そして高らかに歌うのだ  たいした人生では なかったけど あ~~ 面白かった 思いっきり生きて来たから あ~~ 面白かったよ 「さあ別れの時が来た 世話んなったな 最后の儀式だ お手を拝借 『三本締め』 ご協力ありがとう いよいよ別れの時だ さらばぢゃ」  で もう一回生き返ってみしたりなんかして
きみを忘れない ~タイムカプセル~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸きみを忘れない 生命のある限り 哀しみも喜びも 永遠の タイムカプセルに詰めて  遠い記憶の中で きみは今も僕に 笑いかけてくる とても懐かしくて とても暖かくて 切なくて 悲しい笑顔で  さよならも言えずに別れた あの花の降りしきる季節に  きみを忘れない 生命のある限り 指先の温もりも やわらかに 僕を呼ぶ声も  長い長い手紙を きみ宛のラブレターを 描き続けてる とてもささやかで とても苦しくて 不思議で 美しい人生  いつの日か きみに会えたときに 胸張って生きたと言えるように  きみを忘れない 生命のある限り 愛おしく 愛おしく 愛おしく きみを歌い続けて  さよならも言えずに別れた あの花の降りしきる季節に  きみを忘れない 生命のある限り 哀しみも喜びも 永遠の タイムカプセルに詰めて
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
夢の夢さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたとふたりきりで どこかの町で暮らしてる そんな嬉しい夢を見た そして少し悲しかった 夢から覚めてみれば まるで子供じみていると 自分を嗤ったら切なくて 少し涙が出た  気づかれず咲いて散る花もあるように 咲かないままで散る恋もある  夢の夢だと わかってる けれど 逢いたい  いきさつはそれぞれあるし 生き方もそれぞれあって 誰もが思いがけずに暮らしたり はからずも生きていたり 夢を見るくらいは 多分許されると思う けれど見るなら見るほどに つのる痛みもある  嘘と識って聴く言葉があるように 夢と知って見る夢もある  嘘の嘘だと わかっても 愛を 聴きたい  気づかれず咲いて散る花もあるように 咲かないままで散る恋もある  夢の夢だと わかってる けれど 逢いたい
サクラサクさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし冬は季節の終わりではなくて 冬は季節の次の始まり 冬に季節が死ぬ訳じゃなくて 冬は春を生み出すちから  季節の終わりを 心に刻んだ 傷は傷として そっと痛むまま胸に秘めた 君のことも 愛のことも 夢のまた夢のよう 鳥の声も 森の風も 君と共に去りゆく 思い出 消そうとした時 僕の心は壊れた 君こそが僕の 愛の すべてだった  冬は季節の終わりではなくて 冬は季節の次の始まり 冬に季節が死ぬ訳じゃなくて 冬は春を生み出すちから  けれど ときめきは 僕のどこかで あきらめもせずに 静かに季節を待ち続けた 時は過ぎて 凍りついた 君の心が融けて 心細い 枝の先に 春は色を許した 光に輝くような 小さなつぼみがふくらむ 桜まで 少し もうすぐに届く  冬は季節の終わりではなくて 冬は季節の次の始まり 冬に季節が死ぬ訳じゃなくて 冬は春を生み出すちから  冬が厳しい程に 春の花は美しい 桜まで 少し もうすぐに届く 桜まで 少し もうすぐに
案山子吉幾三吉幾三さだまさしさだまさし成田訓雄元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る  城跡から見下ろせば 蒼く細い河 橋のたもとに造り酒屋の レンガ煙突 この町を綿菓子に 染め抜いた雪が 消えればお前がここを出てから 初めての春  手紙が無理なら電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ  元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る  山の麓 煙はいて列車が走る 凩(こがらし)が雑木林を 転げ落ちてくる 銀色の毛布つけた 田圃にぽつり 置き去られて雪をかぶった 案山子がひとり  お前も都会の雪景色の中で 丁度あの案山子の様に 寂しい思いしてはいないか 体をこわしてはいないか  手紙が無理なら電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ  元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る  寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る
それぞれの旅さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし見送りもない二人の旅立ちは 各駅停車の方がいい お前と僕と荷物はひとつ 待たせたね 長い間  少し時間があるからあのひとに も一度電話で声を聞かせておいで 大きな声でありがとうと言えば それだけで いいから  ベルが鳴れば旅が始まる 時刻表も地図も持たずに 喜びと悲しみのレールを 誰もがこうして乗り継ぎ乍ら それぞれに それぞれの旅を 生きている  一人旅なら父から教わった 母からはそれが帰るための旅だと それからお前が教えてくれたのは 許すこと 愛すること  動き始めた列車の窓に 二人の顔が写って揺れる 喜びと悲しみのレールを 誰もがこうして乗り継ぎ乍ら それぞれに それぞれの旅を 生きている それぞれに それぞれの愛を 生きている
愛の音さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸心静かに目を閉じて あなたの愛の音を聞く 寄せては返す波のごとく 寄せては返す愛の音  雪の窓辺に頬寄せて 白い吐息を耳に聴く 降っては降っては降り積もる あなたの愛の降るごとく  よしやあなたに生き別れ 寂しき野辺に果つるとも ただ一輪の花となり 咲いて伝えん永遠(とわ)の 愛の色  よしやあなたに死に別れ 独り海辺に朽ちぬとも ただ一粒の水となり 刻み続けん永遠(とわ)の 愛の音  独り静かに目を閉じて あなたの愛の音を聞く 寄せては返す波のごとく 寄せては返す愛の音
夢の轍さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸もしもこの歌で 何かが変わるなら 私のこの生命(いのち)と 引き替えて構わない たとえば此の世から 戦さが消え去り 風が昔のように 透きとおるのなら  木を植えるように 夢を植え続けたら いつか大きな夢の 森が出来るだろう 木を植えるように 愛を植え続けたら いつかこころは愛で 満たされるだろう 君と  もしもこの歌で 世界が変わるなら 私のこの生命(いのち)を 捧げて構わない たとえば優しさや 希望に満ちた町や 美しい地球が 帰ってくるのなら  道無き道も 歩き続けたならば いつかそこには小さな 道が出来るだろう  夢を諦めないで 歩き続けて行けば 夢の轍がいつか 刻まれるだろう  木を植えるように 夢を植え続けたら いつか大きな夢の 森が出来るだろう 木を植えるように 愛を植え続けたら いつかこころは愛で 満たされるだろう 君と
神の恵み~A Day of Providence~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦ひとつ忘れてはいけないことは 僕たちは戦争に負けた国に生まれたってこと どういう意味かは人によって少しずつ違うけれど この事実だけは 誰にも違わないってこと  魚雷艇に乗っていたハンサムな兵士が 戦勝国のリーダーになった頃のこと 「神の恵み」という名の戦艦が僕の町に来て 白い服を着た大きな人たちが町に溢れた  A Day of Providence 子供達は船に群がり 親切な兵士達に “give me”と 小声で悲しく歌ってた A Day of Providence ポケットはチョコレートで膨らみ ひきかえに こころは しぼんでいったよ 青い空だった  あの爆弾をこの町に落とした人が 今度は僕たちの国を護っていると聞かされて 僕には どういう意味だか 呑み込めなかったんだ そう、もう少し大人になる迄は  何故そうなったのかは判らないんだけれど 僕が大人になるにつれて この国はひどくなった 「わがまま」と「自由」との境目がどんどんぼやけてゆき 「おとな」が「こども」になり 「子供」が「大人」になった  国を語れば“left”からブーイング 平和を歌えば“right”からクレーム こんな風に僕の言葉は 怪しげに変わって行く 美しい言葉は この国の誇りだったのに  A Day of Providence 自由になったはずだった 親切な白い人が“trust me”と 小声で優しく歌ってた A Day of Providence 大人達は誇りを失い ひきかえにチョコレートを 神棚に飾った  これからの子供達に伝えてゆこう 僕たちの間違いを繰り返さぬように 二度と戦わないという強い意志と共に 二度と魂を売り渡さない勇気を  これからの子供達に伝えてゆこう これからの大人達に伝えてゆこう 間違いをただすために未来はあるのだと 未来こそが「神の恵み」そのものだということを  A Day of Providence この美しい季節の中で 本当の僕たちの笑顔を 作り直せばいい A Day of Providence この美しい星に生まれて いつの日か永遠の平和を君が手にするために いつの日か永遠の笑顔を君が抱きしめるために
カーテン・コールさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸バスが来たから お別れですね 今迄愛をありがとう 短かったけど 私のトランクは あふれる程の想い出ばかり ふとよみがえる 昨日のラスト・ショー 手を振るあなた 何か叫ぶ声 光 ざわめき 手拍子が この胸を叩いて 喜び 悲しみ散りばめた カーテン・コール 歌おうと したけれど 声にならなかった  あなたのことや この町のことは 決して忘れない 私は何処かで 元気でいるから 誰かの為に 歌ってるから ふと振り返る 陽だまりの中 手を振るあなた 何か叫ぶ声 さよなら さよなら さよならと 遠ざかる風景 喜び 悲しみ散りばめた カーテン・コール 笑おうと するけれど 涙があふれてくる  これが私の最后の歌 あなたにとどけ 歌おうと したけれど 声にならなかった
奇跡~大きな愛のように~岩崎宏美岩崎宏美さだまさしさだまさし上杉洋史どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない けれどあなたを想う心なら 神様に負けない たった一度の人生に あなたとめぐりあえたこと 偶然を装いながら奇跡は いつも近くに居る  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい  どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  今日と未来の間に 流れる河を夢というなら あなたと同じ夢を見ることが 出来たならそれでいい 僕は神様でないから 奇跡を創ることは出来ない けれどあなたを想う奇跡なら 神様に負けない  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい ああ大きな夢になりたい あなたを包んであげたい あなたの笑顔を守る為に多分僕は生れて来た  どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない
残したい花についてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸何を残そうかな 今日生きた記念に 下手だけど精一杯 頑張ったんだから 悔しかったことや 傷ついたことや そんなものは残さない 忘れることにしよう 明日は明日の 私が生まれ 今日とは違う 私を生きる 良いことだけ残そう 嫌なことは置いてこう 下手だけど精一杯 生きているんだから  明日の記憶が あれば良いのにね 準備なんかもゆっくり 出来るんだけどね でも明日の記憶は ない方が良いね がっかりすることは 知らない方が良い 明日は明日の 私が待ってる 今日とは違う 私が待ってる 明日の希望は ときめきだけでいい 大好きなあなたの 笑顔があれば良い  何を歌おうかな 人生の記念に 下手だけど精一杯 頑張ったんだから  楽しい歌や 切ない歌を 舞台中に広げて 抱きしめたいから 明日は明日の 私が笑い 今日とは違う 私が歌う 何を歌おうかな 今日生きた記念に あなたの笑顔を 忘れないように  何を歌おうかな 人生の記念に 大切なあなたを 忘れないように
城のある町さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄春は お城に花吹雪 ぼんぼりに淡い明かり灯る いにしえに石垣をひとつひとつ 積み上げた誰かを偲ぶ頃  城のある町で 生まれたから 辛いときには 坂道のぼれ 見返り坂を抜けて 振り向けば どうにかなるさと 瀬戸の青い海  夏は 白壁に赤い色 あなたの手の団扇が風を呼ぶよ 虫送り 夜空に遠花火 踊りの宴 やがて地蔵盆  城のある町で 生まれたから 嬉しいときにも 坂道のぼれ 潮湧く瀬戸は 光りに揺れて あれは北前船か さて幻か  秋は 月見の天守閣 ふと暖をとるや月菜汁 冬も 変わらぬ讃岐富士 金刀比羅へ向かう遍路みち  城のある町で 生まれたから 悲しいときこそ 坂道のぼれ 二の丸越しに 明日が見える 石垣の向こうに すぐ春が来る  城のある町で 生まれたから…
人買さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸古里の野辺は早蕨の 萠え出る頃浅い春 渡りそびれた冬鳥と 霞立つ沢の糸柳 いつもと変わらぬ風景に 今年は君がなじまない 誰かと同じ目をしてる 何より笑顔が色褪せた 町で暮せば誰も彼も 哀しい顔に染まりゆく まるで鏡の向こうから 話しかけられている様な気がする そうか 君までがそうなのか 何故だ 一体あの町には何があるんだ  誰かに聞いた事がある 町に人買が棲むという 皆幸せに憧れて 何かを売り渡すという そうしなければ生きられぬ それですべてがうまくゆく そしてこころを無理矢理に 開かずの間に閉じこめると おそらく僕と観た夢を 君は何かと取り替えた それで大人になる気なら ついでにここで僕をすててしまえ 泣くな 泣いて逃げちゃいけない 返せ さもなくば君を返してもらえ どうか どうか どうか  泣くな 泣いて逃げちゃいけない 返せ さもなくば君を返してもらえ 僕は 此処で 待ってる
おむすびクリスマスさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君はもう忘れてしまったかしら 二人だけのクリスマス・イヴ あの頃僕等 お互いの愛のほか 何も持たなかった  それでも僕等は精一杯に 生きようとしてたね ケーキのかわりに君がこさえた おむすびの塩が胸にしみた  おむすびクリスマス 忘れない 笑い乍ら 泣いていた君を おむすびクリスマス 本当は とても幸せだったと あとで気づいた  あれからいくつもの年を重ね 別々の人生 それぞれがそれぞれの愛に包まれ 迎えているクリスマス・イヴ  ひとりでおむすびをほおばる僕を とても不思議そうに みつめる小さな瞳にいつか話して やる日が来るかしら  おむすびクリスマス 忘れない 笑い乍ら 泣いていた君を おむすびクリスマス 本当は とても幸せだったと あとで気づいた
ふるさとの風さだまさしさだまさし工藤玲音・補作詞:さだまさしさだまさし渡辺俊幸ふるさとの山の風は 美(うるわ)しき川をすべり 私の幼き翼を 慈しみ吹くよ あの山のそびえるところ 川の流れいずるところ いつかふるさとは 夢の旅立つところ 風よ風よ風よ ふるさとの風よ 愛おしき人を 守りたまえ  あの日を忘れない たとえ時が過ぎて 大切な人と 遠く離れようと ささやかな街角 ささやかな人々 ささやかな笑顔と ささやかなしあわせの思い出  ふるさとにやっと帰る 少年の瞳のまま ふるさとにやっと戻れる 少女の瞳のまま あの海の始まるところ あの鳥の羽ばたくところ いつかふるさとは 心癒やすところ 海よ海よ海よ ふるさとの海よ 温かき人を 守りたまえ  あの日を忘れない 遙か時代(とき)を超えて 大切な人は 永遠に消えない 麗しき街角 麗しき人々 麗しき笑顔と 麗しきしあわせの思い出  風よ風よ風よ ふるさとの風よ 愛おしき人を 守りたまえ
風を見た人さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし風を見たことはないけど 風の音なら聞く事ができる 心を見たことなどないのだけれど 心は伝えられる あの子が生まれ変わるなら 何がいいかと聞いてみたい もう一度人に生まれたいだなんて 本当にそう思うだろうか あんな目に遭ったというのに  決してては届かないけど 全ての青空は繋がっている 写真に写すことは出来ないけれど 誰にも愛はある チグリス川の空と 長崎の空 そして ニューヨークの空と 広島の空  もしも生まれ変われるなら ほんの一粒の麦だといいね 悲しみを痛む心も要らないし 誰かのために死ねるし ヨルダン川の空と エルサレムの空 そして バグダッドの空と きみの故郷  もしも生まれ変われるなら ほんの一粒の麦だといいね 時を超えて地上に満ちていつか きみの生命に替わる きみのために生きる
さだまさしさだまさし永六輔さだまさし服部隆之しあわせだと思った人が ふしあわせ ふしあわせだと思った人が しあわせ そんなことってあるんだよね あの時は若かったのさ  まじめだと思ったヤツが ふまじめ ふまじめだと思ったヤツが まじめ そんなことってあるんだよね あの時は若かったのさ  どこかで しあわせ ふしあわせ だれかが しあわせ ふしあわせ あした しあわせみつけて育てよう 育てたしあわせ もう離さない  自由だと信じた日々が不自由 不自由だと信じた日々が自由 そんなことってあるんだよね あの時は若かったのさ  しんせつだと思ったヒトが ふしんせつ ふしんせつだと思ったヒトが しんせつ そんなことってあるんだよね あの時は若かったのさ  どこかで しんせつ ふしんせつ だれかが しんせつ ふしんせつ あした しあわせみつけて育てよう 育てたしあわせ もう離さない  どこかで しあわせ ふしあわせ だれかが しあわせ ふしあわせ あした しあわせみつけて育てよう 育てたしあわせ もう離さない  どこかで しあわせ ふしあわせ だれかが しあわせ ふしあわせ あした しあわせみつけて育てよう 育てたしあわせ もう離さない  しあわせだと信じた時代が ふしあわせ ふしあわせだと信じた時代が しあわせ そんなことってあるんだよね あの時は若かったのさ  そんなことってあるんだよね あの時は幼かったのさ
夢百合草(あるすとろめりあ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸間違ってなどないからねと 誰かが言ってくれたら 少しは救われるかしら 一生一度のこの恋に 回る因果の糸車 紡ぐしあわせ不幸せ 夢見る夢子の夢百合草が あるすとろめりあ あるすとろめりあ そっと昨日を消しに来る あるすとろめりあ あるすとろめりあ 愛しい人を連れて来い  あなただけしか見えないのじゃなくて あなただけしか見ないのです 少しは伝わるかしら 一生一度の恋故に 回る因果の糸車 紡ぐ喜び哀しみ 夢咲く夢子の夢百合草が あるすとろめりあ あるすとろめりあ そっと明日を置きに来る あるすとろめりあ あるすとろめりあ 愛しい人を連れて来い
さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸遠過ぎて 遠過ぎて 届かない恋 近過ぎて 近過ぎて 聞こえない愛  滅びない恋を 捜しています 掌で包む程 小さくて良いのです 朽ち果てぬ夢を 知りませんか ため息で融ける程 短くて良いのです  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことじゃ ないのですか  忘れても 忘れても 覚えてる恋 祈っても 祈っても 叶わない愛  傷つかぬ心 捜しています 悲しみに苦しみに ひるまない心 やさしい人を 知りませんか 奇跡でも嘘でもない ほんとうの人を  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことと 思う  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことじゃ ないのですか  遠過ぎて 遠過ぎて 届かない恋 遠過ぎて 遠過ぎて
回転木馬さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸回転木馬が廻る 君と僕とをのせて 日曜日だけ僕の子供に戻る君の笑顔が弾む たがい違いに廻る 君と僕との木馬 僕が上がる 君が下がる 君が進む 僕が遅れる 昔 君のママと 深く愛し合い そして君が生まれた それだけは真実 けれど愛だけでは どうにもならないことがあるんだ 哀しいね 大人になれば 君は すてきな笑顔で鳩に 手を差しのべているけど 驚かしちゃいけないよ 空に帰ってしまうよ  噴水のふちを歩く 君の危気な足取り 赤い風船は手を放せば もう帰って来ないよ ひとつひとつ覚えて 早く大きくおなり そしていつか恋をしたら 話したいことがあるから 何処かで鐘が鳴る お別れが近い 君のママに伝えて 今でも愛してる けれどそれだけでは どうにもならないことがあるんだ 哀しいね おかしいよね だから せめて今日は楽しい 二人だけのカーニバル ピエロなのに 涙なんか こぼしたりして ごめんね
おかあさんへさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸このごろとても おかあさんのことを 懐かしく思い出す 町中で誰かが おかあさんを呼んでる 羨ましいなと思う おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん いつまでも大好きだよ  町で子供が 道に迷っている おかあさんどうか気づいて 早く助けてあげて おかあさんにだけしか 救い出せない心  おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん いつまでも大好きだよ  褒めて叱って 甘えてそして 喧嘩なんかしても どんなときでも 本当は優しかった 懐かしいあたたかさ おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん おかあさん いつまでも大好きだよ
冬薔薇(ふゆそうび)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸カフェラテ越しに不意の別れ告げる君の向こうで ベビーピンクの真冬の薔薇 風もなくゆらり揺れた 読みかけの物語に残された数ページ 手に汗握るまさかの展開には声もない ミステリーなら最後のどんでん返しが 待ち構えてるんだけど  読み落としてた大切な君の心の傷を もう一度君の美しい笑顔を温めるために 私を助けてという君の声が聞こえる 僕の細胞は全て君で出来てたと気づいた 口先だけの言葉じゃない こころで守ってゆくから  まだ僕にロスタイムが残されているのなら どんでん返しの瞬間に運命を賭けるつもり  カフェラテ越しに不意の別れ告げる君の向こうで ベビーピンクの真冬の薔薇 風もなくゆらりゆらり ゆらりゆらり揺れた
もう来る頃…さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄心の奥で わだかまっていたことがある なぜ自分だけ春まだ遠く 報われない毎日 切なくなって 何もかも投げ出してしまいそう 悲しいような悔しいような 虚しい気持ちでいたけれど  もう来る頃って 信じてみればいい 君にそう言われた時 光が見えた  もう来る頃 もう来る頃 その角をホラしあわせが 笑顔で曲がってくる  心の隅で ふと疑っていたことがある 自分が生まれ生きていること 何の意味があるのだろうかと 悩んでいたら 光が差すように君は歌う 誰でもみんな 同じ悩みを 抱いて生きていると  もう来る頃って 信じてみようかな 君の笑顔に触れて 勇気が生まれた  もう来る頃 もう来る頃 その角をホラしあわせが 笑顔で曲がってくる  もう来る頃 もう来る頃 その角をホラしあわせが 笑顔で曲がってくる
あこがれの雲南さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸はるかなる雲南 夢の西双版納(シーサンバンナン) 母なるメ公河に抱かれて 伝説を語れよ 溶樹(ガジュマル)達 想い出を告げよ 黄金の仏舎利(バゴダ) 蒼く澄んだ湖よ 妖精のように 娘らが水を汲み乍ら くちずさむ雲南 響け唄声 国境を越えて広がれ  はるかなる雲南 最后の楽園(パラダイス) 父なる山々に隠された 幻の別天地(オアシス)よ 百万の蝶と小鳥が冬を越す谷間よ 春のあけぼのをついて 百万の蝶が 花吹雪の様に舞い立つ あこがれの雲南 遥か西双版納 果てしなく青き大空よ
君が選んだひとさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄そう 約束したね もしもふたりが 違う道を歩く日が来ても どんなときにも 助け合えると それだけは 信じよう (Um~)全てを包むような 向日葵のような笑顔が 今日から 僕のものじゃないのは どこか とても切ないけれど 君が選んだひとの 笑顔を護れますように 苦しいときこそ 辛いときこそ その手を 離さないで  そう 白いドレスの 君の笑顔は 僕も見たことがないほどに この日の為に とっておきだね 妬けるほど 綺麗だよ (Um~)切ないはずなのに 何故か嬉し涙が溢れるよ 僕のことじゃないのに どこか とても幸せなんだ 不思議だね こうして 恋が愛に変わってゆく 苦しいときこそ 辛いときこそ いつでも 君の味方 生きてゆくことは 辛いことばかり けれどひとは 独りきりではない 君が選んだひとの 笑顔を護れますように 苦しいときこそ 辛いときこそ その手を 離さないで 不思議だね こうして 恋が愛に変わってゆく 君が選んだひとの 笑顔を護れますように
51さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸背番号51番の選手がフェンスを蹴って空に舞い上がり ホームランを掴みだして アウトにした時ボールパークは大きく揺れた でも口々に彼の名を叫ぶ人々の多くは彼の生まれた その国が地球上の一体何処にあるかなんて知らないと思う Yea Yea Yea そう多分ね 多分ね… 知らないと思う その国では赤信号など無視して平然と渡る歩行者ばかり その後ろを小さな子供が慌ててついて行くよ信号など見ないよ この子がやがて無灯火の自転車でいつか赤信号を横切って 事故で死んだら大人達が殺したのと同じだと思うんだけどな Yea Yea Yea そう多分ね 多分ね… 同じだと思う 今朝ベランダのクチナシが咲いたよ 君の髪に飾ったらとても似合うと思う 今朝 君の夢を見た 君の笑顔を守るために 一体僕に何が出来るんだろう  春の夜 僕の故郷で一輪の向日葵が銃弾に撃ち抜かれた その翌週別の町で警官が撃たれ六時間も置き去りにされた 生後三ヶ月の赤ん坊が病院のゆりかごに棄て去られた きっと年金の事なんて政治家が本気で気にする訳がない Yea Yea Yea そう多分ね 多分ね… 気にする理由(わけ)もない バグダッドで78人を巻き添えにして市民がひとり死んだ 合衆国の政治家達が正義について熱く語り合っている 日本がその国の51番目の州になるとジョークを言うひとびと 本当は自分達が 何処へ追い詰められているかに気づかないのだろう Yea Yea Yea そう多分ね 多分ね… 全く気づいていない 今朝 君の夢を見た 君の笑顔を守るために 僕に出来ることはなんだろう 僕の家のテレビ番組よ 焦げ付いた平和をありがとう ため息つきながらチャンネルを変えたら  背番号51番の選手がフェンスを蹴って空に舞い上がった Yea Yea Yea そう多分ね 多分ね… もうすぐ夏が来る
人生の贈り物~他に望むものはない~岩崎宏美岩崎宏美楊姫銀・訳詞:さだまさしさだまさし季節の花がこれほど美しいことに 歳を取るまで少しも気づかなかった 美しく老いてゆくことがどれ程に 難しいかということさえ気づかなかった  もしももう一度だけ若さを くれると言われても おそらく 私はそっと断るだろう 若き日のときめきや迷いをもう一度 繰り返すなんてそれはもう望むものではない  それが人生の秘密 それが人生の贈り物  季節の花や人の生命の短さに 歳を取るまで少しも気づかなかった 人は憎み諍いそして傷つけて いつか許し愛し合う日が来るのだろう  そして言葉も要らない友に なってゆくのだろう 迷った分だけ 深く慈しみ 並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他に望むものはない  それが人生の秘密 それが人生の贈り物  季節の花がこれほど美しいことに 歳を取るまで少しも気づかなかった 私の人生の花が 散ってしまう頃 やっと花は私の心に咲いた  並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他に望むものはない 並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他になにも望むものはない 他になにも望むものはない 他になにも望むものはない  それが人生の秘密 それが人生の贈り物
秋麗さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄倒れかかった身体同士で 互いを支えあえたら人という文字になる 支えられたり支えたり 人は一人では生きられないと気づくもの きっとあなたとふたり 生きてゆくと決めた 水篶刈る信濃 月は田毎に 残菊薫る 秋麗  夢見るように生きちゃいけない 人の夢と書けば儚いという文字になる 夢見たことを手に入れるには 夢から覚めなければ永遠に届かない きっとあなたの生命 護ってゆくと決めた 黄昏白く 山に初雪 秋桜揺れて 秋麗  どんな苦労もいつかは過ぎる 水に戻すと書けば涙という文字になる 涙の色が教えてくれた 明日を本当に明るい日と書くために きっとあなたとふたり 幸せに辿り着く 草笛遙かに 色づく林檎 桐一葉舞う 秋麗  秋去姫や 星麗
賢者の贈り物さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君がレジの前で振り返った その時 あらためて君を好きだと思った これまでにも辛い時には必ず 僕を支えてくれてた 遠く微かに流れてるクリスマスソング その時 僕を見て君が優しく笑った その笑顔を守りぬけるかどうかを 僕は今試されてる 淡紅(うすくれない)のシクラメンが 君の胸に抱かれて 蝋燭のようにゆらり揺れた 僕の真心問いかけるように メリークリスマス  君にクリスマスに何を贈ろうかと 今まで 考えてとても悩んでたんだ お金でも物でもない素晴らしい 何かをずっと探して 淡紅の君の頬が 僕に教えてくれた 君のその笑顔 守ることが 一番大切な贈り物  君がレジの前で振り返った その時 あらためて君を好きだと思った その笑顔を守りぬけるかどうかを 僕は今試されてる 僕は今試されてる 約束するよ メリークリスマス
修羅の如くさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之人は何故 男と女に 分かれてしまったのだろう あらゆる哀しみが そこから始まるのに たとえば愛だけでは 生きてはゆけないけれど もしも愛なしでは とても 生きられない  次に男に 生まれたならば 修羅の如く 激しく生きるだろう 日が沈み また昇るように 生命くりかえし 子供のような瞳で眠るだろう  次に女に 生まれたならば 母の如く 強く生きるだろう 悲しみを悲しみとして 受け止めながら 疲れた修羅を 抱いて眠るだろう  人は何故 光と影に 分かれてしまったのだろう あらゆる憎しみが そこから生まれるのに たとえば雨のなかで 日差しに憧れても やがて日差しのなかで 雨を恋しがるだろう  次に女に 生まれたならば 天女の如く 柔らかく生きるだろう 喜びを喜びとして 受け止めながら 悲しい修羅を 愛して生きるだろう  次に男に 生まれたならば 修羅の如く 激しく生きるだろう 寄せては返す 波のように 生命くりかえし 愛しい人を 守って生きるだろう 寄せては返す 波のように 生命くりかえし 愛しい人を 守って生きるだろう
空缶と白鷺さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸白鷺が一羽 一輪の白菊の様に 汚れた河のほとりで 空缶に埋もれ 静かに 水をみつめてる  かくれんぼを知らない子供が増えたって 誰かが話してた ひとり暮らしの老人達が増えたって 誰かがつぶやいた 僕がこんな風にお前を抱きしめている時に 何処かで誰かが お腹を空かせて死んでゆく ああ いつだって 彼らを追いつめているのは僕だった そう そのくせに 手を差しのべるふりするのも僕だった それが時代の正体だと嘘を承知で 笑える程に 大人を演じ ふと気がつけば 僕は卑怯な顔になった  世論調査では国民の九割が 中位満足してるって 何かとひきかえにこの国も 一流の服だけ手に入れた 僕がこんな風にお前を抱きしめている時に 何処かで誰かがピストルに射たれて死んでゆく ああ いつだって 失くしたくないものたちが多すぎて そう そのくせに 失くしたあとで気づくものばかり それが幸福の証しだと嘘を承知で 悲しみながら 迷いながら それでも 精一杯に 誰もが 現在を生きている  2016年の夏に子供が 今の僕の歳になる その時代は彼に自由に唄を 唄わせてくれるだろうか 卑怯な顔になって生きることに 彼が迷う頃に 僕は何かの 答えを出せるだろうか
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
人生の贈り物~他に望むものはない~ダ・カーポダ・カーポ楊姫銀・訳詞:さだまさしさだまさし榊原政敏・松尾早人季節の花がこれほど美しいことに 歳を取るまで少しも気づかなかった 美しく老いてゆくことがどれ程に 難しいかということさえ気づかなかった  もしももう一度だけ若さを くれると言われても おそらく 私はそっと断るだろう 若き日のときめきや迷いをもう一度 繰り返すなんてそれはもう望むものではない  季節の花や人の生命の短さに 歳を取るまで少しも気づかなかった 人は憎み諍いそして傷つけて いつか許し愛し合う日が来るのだろう  そして言葉も要らない友に なってゆくのだろう 迷った分だけ 深く慈しみ 並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他に望むものはない  それが人生の秘密 それが人生の贈り物  季節の花がこれほど美しいことに 歳を取るまで少しも気づかなかった 私の人生の花が 散ってしまう頃 やっと花は私の心に咲いた  並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他に望むものはない 並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる 友が居れば 他に何も望むものはない  他に(他に)何も(何も) 他に何も望むものはない それが人生の秘密 それが人生の贈り物
本当は泣きたいのにさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦助手席のドアを 今開けたところ このドアを閉じたら 永遠にさよなら 泣いて頼んでまで ひきとめたくはない そんな風にしか 生きられないから 嘘をつくことも 甘えるのも下手 まして可愛い振りなど 上手な訳がない 独り樹の実は熟して落ちて やがて秋が来る 強がり乍ら生きて来たのよ 本当は 泣きたいのに  助手席のドアを 今閉じたところ 振り返りもせずに テールランプが遠ざかる 降り始めた雨に 車の轍が 交わらないままで サヨナラと描いた 寂しがり屋でも 甘えん坊でも 口に出さない限り 誰も気付かない 生きるのが下手な女はいつも背中ばかり見てる すがりついてもついてゆきたい 本当は 泣きたいのに  嘘をつくことも 甘えるのも下手 まして可愛い振りなど 上手な訳がない 生きるのが下手な女はいつも背中ばかり見てる すがりついてもついてゆきたい 本当は 泣きたいのに  強がり乍ら生きて来たのよ 本当は 泣きたいのに
瑠璃光さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸振り向けば薬師寺東塔の 軒を貫く眉月に 折から深き暁暗の 山際幽か茜雲  君の手を朧に引きながら こころ波打つ春の暮 かはたれ時の鐘の音も すでに尽きたか西の京  道に迷った訳ではなくって 闇にはぐれた訳でもなくって 過去と未来のすれ違う 重なる時の十字路に 立ちすくむ 恋  振り仰ぐ薬師寺東塔の 一千二百有余年 一瞬のまた永遠の 沈黙のその交響曲(シンフォニア)  ふるえる指でたどる二人の 短く長い物語 秋篠川に写すのは すべての前かすべての後か  嘘を信じた訳ではなくって 真実(ほんとう)を疑る訳でもなくって 善と悪とが行き違う 逢魔ヶ辻の背中越し 立ち眩む 夢
夢一匁さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸閑かな日だまりに並んだ ささやかな鉢植えの様に 老人たちは おだやかに吹いて来る 風を聴いてる  遠い昔のことの方が ずっと確かに憶えている 遠ざかる風景は何故か 初めて自分に優しい  生まれた時に母が 掌に与えてくれた 小さな宇宙だけがいつも 私の支えだった  こうして今すべてを越えて しぼんだ掌に残ったのは 父の文字で おまえの命と書かれた 夢一匁  生まれ来た生命よ すこやかに羽ばたけ 悲しみの数だけをけして かぞえてはいけない  父と母が伝えた愛に 抱きしめられた子供たちよ みつめてごらん その手に小さく光る 夢一匁
聖野菜祭(セント・ヴェジタブル・デイ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久僕の故郷すてきな町 第三階層 今日は年に一度の 聖野菜祭 だからちょっと ぜいたくをして 砂糖きびと うんとふんぱつして 蝋燭を買ってきたんだ 今日だけは 練状昼食や 固形夕食は 見たくないよ みんな盛りあがって 騒いでるし 今日は浴びる程 水を飲むんだ 平和な時に生まれて 良かったな 貧しいけれど すてきな仲間達  僕の恋人が住んでいるのは 第二階層 人は身分が違うって いうけれど 恋に上下のへだてが あるものか いつか幸せに なってみせるさ 早く出世して 偉くなって 人に「野菜持ち」って 呼ばれたいね そしたら 馬車でデートする もちろん あの娘とさ 今日はなんつっても 聖野菜祭 「壁」が開くから あの娘に会えるんだ  夜は美しい 硝子衛星 うるう年だから 5つ昇るよ みんな盛りあがって 騒いでるし 今日は死ぬ程に 水を飲むんだ 戦争の無い平和な町 第三階層 ああ本当に 生まれて来て良かった
潮騒さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし音も無く過ぎゆく飛行機が 遠く真白な線を引く 明日は雨になるだろうか 季節の開く音がする  息を継ぐ風の隙間から 青瑠璃色(ラピスラズリ)の鳥が啼く 向こうの浅瀬を噛む波が 思い出を数えはじめた  喜びは数えない 悲しみも数えない 泣けるだけ泣けたなら それで良いと思う  寄せては返す潮騒は 時の過ぎてゆく息吹か 遙か岬の灯台に 灯りが入ったようだ  子供の頃なら計らない しあわせの重さなどを 計るから見失ってしまう 大人という名のおろかさ  しあわせは数えない ふしあわせも数えない いつの日か笑えたなら それで良いと思う  喜びは数えない 悲しみも数えない 泣けるだけ泣けたなら それで良いと思う
道化師のソネット岩崎宏美岩崎宏美さだまさしさだまさし上杉洋史笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために  僕たちは小さな舟に 哀しみという荷物を積んで 時の流れを下ってゆく 舟人たちのようだね 君のその小さな手には 持ちきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師(ピエロ)になれるよ  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために きっと誰もが 同じ河のほとりを歩いている  僕等は別々の山を それぞれの高さ目指して 息も吐がずに登ってゆく 山びと達のようだね 君のその小さな腕に 支えきれない程の哀しみを せめて笑顔が救うのなら 僕は道化師(ピエロ)になろう  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために いつか真実(ほんとう)に 笑いながら話せる日がくるから  笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために 笑ってよ君のために 笑ってよ僕のために
君は歌うことが出来るさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし高見沢俊彦君は歌うことが出来る 知らない名前の雨や 知らない季節の花や 知らない風の匂いを  君は歌うことが出来る 誰も使わない言葉で 誰も知らない言葉で 誰にも解る言葉で  ありきたりの愛の言葉や 使い古された励ましの言葉 そんな言葉を捨てて 君は君の言葉で 歌うことが出来る  目の前の何者かに 決して媚びて歌を売るな 遙か未来で聴く筈の 尊い誰かのために歌え  いつか君の歌が遥か 時代(とき)を超えて響くために その遠い遠い未来へ 必ず届くように歌え  君は君の言葉で歌え 自分の声で泣きたいなら 僕は僕の言葉で歌う 自分の声で泣きたいから  君は祈ることが出来る 愛する人のために 見知らぬ誰かのために 自分以外の全てのために  君は祈ることが出来る 傷ついた人のために 傷つけた人のために それを恨む人のために  建前の満たす虚ろな言葉や その場凌ぎの思いつきや そんな言葉を捨てて 君は君の言葉で 祈ることが出来る  目の前の痛みから 逃れるために他人(ひと)を傷つけ おのれを傷つけてしまう そんな人のためにも  君の祈りの多くは 時の流れに忘れ去られる それでも忘れない誰かへ 必ず届くように祈れ  君は君の言葉で祈れ 自分の声を信じたいなら 僕は僕の言葉で祈る 僕の声を信じたいから  君は救うことが出来る この国の悲しい有様や この国の無残な心や この国の無慈悲でさえ  君は救うことが出来る 他の国の悲しい有様や 他の国の無残な心や 他の国の無慈悲でさえ  清いだけの無力ではなく けれど力ずくの正義でもない 是は是 非は非の 眼を見開いて君は きっと救うことが出来る  では正しいとは一体何か 自分の都合だけではなく では愛とは一体何か 決して自分の都合だけでなく  君は救うことが出来る 大切な人の心も 君は救うことが出来る 自分自身の心も  僕は歌うことが出来る 僕は祈ることが出来る 僕は救うことが出来る 僕は歌うことが出来る  君は歌うことが出来る 君は祈ることが出来る 君は救うことが出来る 君は歌うことが出来る
誰も知らない二番目のうたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし世界一高い山はエベレスト (8848m) 二番目はK2 (8611m)  日本一は富士山 (3776m) 二番は南アルプスの北岳って (3193m) みんなにきーただけ  世界一長い川はナイル川 (6650km) 二番目はアマゾン川 (6516km)  日本一は信濃川 (367km) 坂東太郎の利根川は二番目だとね (322km)  二番目って偉いよね 一番を支えてるもんね でももしかして 一番になりたいのかな?  面積一位は北海道っしょ (83456・87km2) 二番が岩手県だべ (15278・89km2)  面積一番狭い香川県 (1876・53km2) 二番目が大阪府 (1898・47km2) なにわほんまでっか?  梨作り一は千葉県 (267200t) 二位は茨城 (36900t) ああ鳥取三位 (28000t)  島の数が一番多かとは長崎ばってん (971島) 二番は鹿児島でごわす (605島)  みんなもどんどん調べて作ろう 誰も知らない二番目のうた  世界で一番長生きしたのはフランスの ジャンヌ・カルマンさん (122歳) じゃあ二番目は? うーーーん 大好きな君だといいな
風の宮さだまさしさだまさし西行・補作詞:さだまさしさだまさし渡辺俊幸多羅葉樹の葉に託す あなたへの言葉探し 永遠という二文字を 幾度も幾度も書いてみる  僅かばかりのベクトルに すがりついての文字探し 己の胸の底の底 あなたの胸の内の内  あくがるう こころはさてもやま桜 ちりなむのちや みにかへるべき  山田の原の五十鈴川 さざ波立ちて風の宮 川原に禊ぎ奉り ただただ感謝いたします  百万言に優るもの 尊きことは祈ること やっとあなたに伝えられます きっとお守りいたします  なにごとも かはりのみゆくよのなかに おなじかげにて すめる月かな  なにごとの おはしますをばしらねども かたじけなさに 涙こぼるる
風の谷からさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸終着駅を降りたら 故郷の匂いがしたよ 少し遅めの桜便りに 誘われて来た ふり向けば鈴の音 古の遍路みち 春霞の向こうで 君が手を振るのが見えた  風の谷へようこそ やさしい風の吹く村へ ゆっくりしていけるかい ゆっくりしてゆきなよ もう 春だよ  つつじが咲き終えたら すぐに螢が咲いたよ 久し振りにどうだい 鮎で一杯やらないか 麦わら帽がいいね 日焼けした笑顔がいいね お寺の仏さんと にらめっこでもするかい  風の谷へ お帰り やさしい風の吹く村へ のんびりしていけるかい のんびりしてゆきなよ さあ 夏だよ  紅葉の向こう側に ほら冬が待ってるよ 谷汲の里はもう 踊りも終わる頃だよ 山の向こうの夕焼け きっと明日は晴れるよ 次の踊りの頃には もう春だからね  風の谷へようこそ やさしい風の吹く村へ きっとまたおいでよ いつでも待っているから あゝ 雪だね 風の谷へようこそ やさしい風の吹く村へ ゆっくりしていけるかい ゆっくりしてゆきなよ もう 春だよ もう 春だよ もうすぐ 春だよ
月の光さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久君が戯れに弾く 月光の ピアノの音の寂しさは 別離(わかれ)の刻(とき)を識る人の 吐息の霜か ツィス・モール  芍薬の花びらの散り際の 君の背筋のいさぎよさ 立ち枯れてゆく青春の 恋の終わりの 五月闇  いつか君の名前を 思い出と呼ぶ日が来るのか その眼差しも その唇も 季節の中で色褪せてゆくのか 生きることとは…  姿見に写る君の横顔 窓に上弦の月の色 鏡の中のさかさまの 台詞の露か ため息か  恋とは消えゆく炎のことか とけてゆく氷のことなのか されば守れぬ約束を 涙ひとつで 弔うか  いつか君の 笑顔を 思い出せぬ日が 来るのか あのときめきも この悲しみも 時の流れに 埋もれてゆくのか しあわせとは…
ソフィアの鐘さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている 四谷見附橋 街路樹の枯れ葉 君は上手に 嘘をつけない  夕陽が眩しくて信号の青に しばらく気付かなかったね 二人共 神宮へ帰る 鴉が二羽三羽 黄昏ゆく師走の闇を往く  ソフィアの鐘が 凩に乗って僕等を追い越してゆく 折から牡丹雪が 街灯の周りで冬の蛍になる  言葉が足りなくて君を傷つけ 言葉が過ぎて また僕も傷つき 逢魔が辻の角を曲がれば 遥か遠く君の手には届かない  春には桜吹雪の舞うはずの道で今 ミサへ向かうキャンドルの列とすれ違う 四谷見附橋 名も知らぬビルの 屋上でクレーンが揺れてる  水のない橋の底を快速電車がゆく パンタグラフの蒼い火が きれいだね 冬の花火だね きっと沢山の 悲しみをのせながら闇に咲く  ソフィアの鐘が 思い出伝いに僕等を追い越してゆく 折から救急車が サイレンを鳴らしながら 赤い風になる  遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている 思い出通りの 向こう岸で ほら サヨナラが手を振る  ソフィアの鐘が 凩に乗って僕等を追い越してゆく 折から牡丹雪が 街灯の周りで冬の蛍になる  遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている
抱きしめてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸抱きしめて あなたの手の ぬくもりの 記憶へ その道を 辿り辿って あなたに会いたい  抱きしめて もう一度だけ その笑顔を 忘れないように 月影に 揺れる思い 深く深く 胸に刻んで  もう二度と 悲しみに 泣かないと 誓った その道を 巡り巡って 笑顔に 会いたい  抱きしめて この笑顔を 守り抜いて 曇らせぬように 星影に 届く願い いつの日にか しあわせに  もう二度と 悲しみに 泣かないと 誓った その道を 巡り巡って 笑顔に 会いたい  抱きしめて もう一度だけ ぬくもりの 記憶へ その道を 巡り巡って あなたに会いたい
無縁坂中森明菜中森明菜さだまさしさだまさし古池孝浩母はまだ若い頃 僕の手をひいて この坂を登るたび いつもため息をついた ため息つけば それで済む 後ろだけは見ちゃだめと 笑ってた白い手は とてもやわらかだった 運がいいとか 悪いとか 人は時々 口にするけど そういうことって 確かにあると あなたをみてて そう思う 忍ぶ 不忍(しのばず) 無縁坂 かみしめるような ささやかな僕の 母の人生  いつかしら僕よりも 母は小さくなった 知らぬまに白い手は とても小さくなった 母はすべてを 暦に刻んで 流して来たんだろう 悲しさや苦しさは きっとあったはずなのに 運がいいとか 悪いとか 人は時々 口にするけど めぐる暦は 季節の中で 漂いながら 過ぎてゆく 忍ぶ 不忍(しのばず) 無縁坂 かみしめるような ささやかな僕の 母の人生
おかあさんへ小林幸子小林幸子さだまさしさだまさし渡辺俊幸このごろとても お母さんのことを 懐かしく思い出す 町中で誰かが お母さんを呼んでる 羨ましいなと思う お母さん お母さん お母さん お母さん お母さん いつまでも大好きだよ  町で子供が 道に迷っている お母さんどうか気づいて 早く助けてあげて お母さんにだけしか 救い出せない心 お母さん お母さん お母さん お母さん お母さん いつまでも大好きだよ  あの時もっと 甘えたら良かった 叱られたことが愛しい 強く抱きしめたら 壊れそうだったあなたを もっと抱きしめればよかった お母さん お母さん お母さん お母さん お母さん いつまでも大好きだよ  このごろとても お母さんのことを 懐かしく思い出す どこかで誰かが お母さんを呼んでる 羨ましいなと思う お母さん お母さん お母さん お母さん お母さん いつまでも大好きだよ
東京さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君と別れて今旅立つ 東京 空港の人波に疲れて ふと立ち止まり めまぐるしく変わる 標示板を見つめてる みんな独り 君が生まれて育った町 東京 もうそれだけで好きな町だった 川の流れも 歩道橋から見た 車の流れも 人の流れも 時の流れも 東京 東京 孤独で 切なくて 虚しくて 冷たいくせに優しくて弱い 思えばみな僕の 心が町に写っていただけ  舞い上がるジェットの爆音が 君と君の町にさよなら もしもまた会えたら笑ってほしい 君や君の町のやり方でいいから 東京 東京 ゆるやかに傾く小さな窓から 拡がる街の灯がきらめいて そのひとつひとつに 愛と哀しみが暮らしてる  東京 東京 摩天楼に咲く光の海が いつしか銀河にながれこんでゆくよ とても愛していた 僕にはいい町だった 東京
肖像画さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久白いキャンバスにひたすら 僕は自分を描いた 並べた絵具と指先で 服を染め乍ら 君は編物の向うで 僕を疑いもせずに 優しい光の様にいつも微笑んでた あなたは 自分の信じたとおりに 思い切り 自分を描いてください 私はただその背中を見ているだけで幸せだから 世界一の自画像 描き上げて下さいと言った  そんな君の美しさに 僕は気付きもしないで あやうくかけがえのないものを 見失なおうとしてた 何を描いたかではなく 如何にして描いたかの 道程が君と僕にとって大切だと気付いた 今日から 二人の信じたとおりに 思い切り 二人を描き始めよう だから君は変わらぬままその笑顔を僕にください 世界一の肖像画 描き上げるその時まで
長崎の空さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄海風に乗せて汽笛が聞こえた 遠くで鐘の音が雲に消えた 君と出会ったあの夏の日も 滲むような虹色の夕暮れだった  遙かに時は 過ぎても あの夏の祈り 忘れない 未来へ未来へ 想い伝えて  長崎 長崎 いつか必ず 長崎 長崎 また会えるよね  坂道の途中で君が手を振る あの山の向こうに明日が見える 君の歌声は 届いただろう 長崎の空から 世界の空へ  いつか生命は 尽きても あの夏の祈り 忘れない 笑顔へ笑顔へ 伝え続けて  長崎 長崎 いつか必ず 長崎 長崎 帰っておいで  長崎 長崎 歌をありがとう 長崎 長崎 愛をありがとう
糸遊さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸風に漂う蜘蛛の糸 木漏れ日に光る 春の日の蝶のように ふわりと花片 言葉足らずより言葉過ぎる方が 心に痛い 言わぬ事よりも言えぬ言の葉が 胸を焼く  糸遊(かげろう)ゆらり  風に抗う術もなく 思いに声もなく 密かに身を焦がす 片恋の螢 見えるものならば 見せもしようもの 心は見えず 触れられるならば 触れもするものを 届かぬ思い  糸遊ゆらり  夢に見るだけで 構わないのなら 傷つきもせず 捨てられるならば 護らないものを 愛しき矛盾  糸遊ゆらり 糸遊ゆらり 糸遊ゆらり
0-15さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久えー、さて、えー、次のおハガキを読んでみたいと思います。 これは、えー、練馬区ですね。えー、新井秀次、ね。練馬から、 いらっしゃい。きたねえ字だなこりゃな。字かこりゃ。 僕は以前、えー、あ、さださんお願いがあります。僕は昔から 以前から、好きな女の子がいる、いたんです。ところが、最近、 えー、彼女は、えー、テニス部のキャプテンにすごく熱を上げてしまって、 なんか、自分は捨てられるんじゃないか。バカなことを言っている。  あなたの風が僕を離れて 彼に向って歩いている 彼をみつめて輝いている あなたの愛が眩しい 自分の枝に結んでおいた 風船が糸をほどいて 自由に空へ舞い上がるのを 見送る子供の様だ  男はやはり、勇気だ、根性だ、勝利だ。そういう歌をおおくり いたしましょう。さらまわしとザ・スチャラカバンドの歌で聴い ていただきます。“素敵な Tennis Boy”よーく、聴くように。  ポイントはわずかに0-15 1点リードを許しただけ まだまだ勝負はこれから Tennis Boy フォームはどうでもいいんだ 来た球を素直に返せ 同じエラー繰り返すなよ Tennis Boy コントロールを磨いて 集中力さえつけば あとはかけひき そして最后は自信で 流れも変わる ポイントはわずかに0-15 まだまださ これからさ 逆点チャンスは 必ずやってくる  もしもし、あー、さだまさしです。あ、どうも。 なに、今ハガキを実は読んだ。 読んだものの、非常に君の場合にはだらしないという気がする。 ね、うん。いや、そうじゃない。そうじゃない。 やはり、えー男というものはだ、えー、あっ、そう。 そんなキャプテンがカッコいい。あっ、そう。君はダメか、ダメ。  あなたにとってそれが本当に 幸せだというのであれば 見守る事も 愛のひとつの答になると思うが 為すすべもなく見送るのなら 僕は男でなくなる 彼よりきっと 僕の想いが深いと信じる以上  えー、また続けて曲をずっとかけてみますかね。あのー、 スチャラカバンドの歌で。“素敵な Tennis Boy”、 後半でございます。失礼いたしました。  ポイントはわずかに0-15 勝負は実際これから 思いきり勇気を出すんだ Tennis Boy 焦ってミスを重ねるな 相手にはいつも誠実に 手の内読んで足を使え Tennis Boy 僕らはエースの陰で ラケット磨く為にだけ 生まれて来たんじゃないんだぜ さあコートに立つんだ  ポイントはわずかに0-15 1点リードを許しただけ まだまだ勝負はこれから Tennis Boy フォームはどうでもいいんだ 来た球を素直に返せ 同じエラー繰り返すなよ Tennis Boy コントロールを磨いて 集中力さえつけば あとはかけひき そして最后は自信で 流れも変わる ポイントはわずかに0-15 まだまださ これからさ 逆点チャンスは 必ずやってくる
予約席さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから  花の降る午後に 春は暮れてゆく 光咲く夏は 海へと帰ってく 人は一体 生きてるうちに いくつの「さよなら」を言えばいいのだろう あなたの笑顔に 出会えなかったら 今でも私は「さよなら」に縛られて 誰かが待っていてくれること 信じなかったと思う もしかしたら こんな私でさえ 誰かが求めてる いつか誰かの 支えになれる 場所があると思う  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから  山を染め乍ら 秋は去ってゆく 積もった雪なら いつか消えてゆく 人は決して独りきりで 生きている訳じゃない いつかきっと こんな私でさえ 誰かが待っている 私の為の 予約席がある それを信じてる  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね がんばって がんばって 私 生きてゆくから  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから
梁山泊さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 必ず最後に正義は勝つのだ 俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 俺等が正義かどうかは別だけど  悪い奴らの のさばる世の中 ひっくり返してやりましょう 一人一人は小さいけれど 心集めりゃ敵はない 俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ  俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 必ず最後に正義は勝つのだ 俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 俺等が正義かどうかは別だけど  正直者が 損をするような 世間許してなるものか せっかく生まれた人生だもの お役に立たなきゃ甲斐がない 俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ  俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 必ず最後に正義は勝つのだ 俺達ゃ梁山泊の山賊だぁ 俺等が正義かどうかは別だけど  はははは
苺ノ唄さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし苺ノ紅ヲ見ル度ニ ミルクノ白ヲ見ル毎ニ アノ娘ノ愛シタアノ唄ガ 耳ノ底カラコボレテ落チル  「ららら 寂しいよ るるる 愛しておくれ ららら 寂しいよ るるる 信じておくれ」  花ハ季節ニ恋ヲスル ダカラ黙ッテ散リ急グ アノ娘ノ唄ガ切ナクテ 耳ヲ塞イデ泣イタ日モアル  「ららら 優しいね るるる 笑っておくれ ららら 優しいね るるる 抱きしめとくれ」  悲シイ人ニ会ウ度ニ 小サナ嘘ヲツク毎ニ アノ娘ガ信ジヨウトシタ 夢ノ結末(さいご)ヲ思イ出ス  「ららら 寂しいよ るるる 愛しておくれ ららら 寂しいよ るるる 信じておくれ ららら 優しいね るるる 笑っておくれ ららら 優しいね るるる 抱きしめとくれ」
白秋歌さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄探してる 言葉を探してる あなたに伝えたい言葉を 「恋」では軽い 「愛」でも足りない 想いの深さを言葉に出来ない  秋の花が咲く前に 伝えたいこの心 ただ背筋を伸ばして 好きだと告げようか  祈ってる 自分に祈ってる あなたに相応しいかどうか 「希望」では遠く 「夢」では儚い 想いの深さを言葉に出来ない  秋の花が散る前に 伝えたいこの心 ただ不器用に一途に 好きだと言えば良い  ただひたむきにあなたが 好きだと言えば良い
片おしどりさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸彼女は夏の間 湖のほとりで 家族と共に過ごす事になってた 危な気に走る 孫達を目で追って 水辺に過ぎゆく一日を愛してた  働くだけの日々を 過ごしてふと気付けば もう自分で歩けない程年老いてしまった 人は 子供達の為に生きて来たというけれど それは違うわただあなたに ほめてもらいたくて夢中で生きただけ  愛する人々に 恵まれた幸福を 彼女は少し恥ずかしい気がしてた 先の戦さで死んだ 愛する人の事を いつしかしぼんだ掌であたため乍ら  時折目を閉ざして その人に呼びかける あなただけいつもいつもあの日のまま若いなんて ずるいわ 私ばかりこんなおばあちゃんになってしまったわ だからもう恥ずかしくて ほめてほしくてもあなたに会えないじゃないの  今日もまた湖の 向こうに陽が沈む さざ波がいつか金色に変ってる シルエットになった おしどりがただ一羽 静かに水面を泳いでいった
静夜思さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸ゆうらりと山際に のぼり来る十三夜 薄絹をまとふ如く 銀色(しろがね)に光降る 風も無き雲路に 静静心細く 思ひ出の縁取りの ほつれゆく音のあはれ ふるさとは既に遠く 日ぐれて尚 道遠し たおやかな 月の光に 知らず知らず涙零る 未だ見ず流星の 落ちゆく 昊(そら)の涯 独り寝の窓辺に聴く 君を恋うる歌  オルフェウス 或いはセレネの母 ティアの形見 一年に4センチ 遠ざかりゆく恋 ふるさとは遙か遠く 日ぐれて尚 道遠し 振り向けば かくも長き 迷い道に 人も絶へ 君知るや言の葉に 尽きせぬ恋の行方 ゆうらりと山際に のぼり来る十三夜
ひとりぽっちのダービーさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸子供たちを背中に乗っけてゆっくりと 砂丘を歩くだけの馬がいる 春も夏も秋も冬も 実は彼は昔 レースで走っていた 一度も勝ったことはないけれど ターフに吹く風を知ってる 幼い頃にはみんなに 期待されて育った もしかしたらと彼自身も 少しは思っただろうか あのダービー 夢のダービー 東京の芝の上を 大歓声の中 ゴールを駆け抜けてく風になる あのダービー 夢のダービー もしも怪我さえなければ 彼にもチャンスはあっただろうか 誰にも小さな伝説があるように 彼にもある小さな伝説を 他人(ひと)ごとだと思えないんだ  松林を抜けて しばらく歩いたなら 砂丘の向こう側に海が見える 春も夏も秋も冬も 彼はそこでひととき遠くをながめたら 今来た道を戻ってゆく いつもおだやかな眼をして 生き方には色々ある 他人(ひと)の幸(しあわせ)は計れない 彼の背中で輝いてる 子供の目を見るがいい  あのダービー 夢のダービー 彼は今も走ってる 人々の思い出の中に 彼のゴールがある ひとりぽっちのダービー 誰も知らないレースを 彼なりに戦ってる あのダービー 夢のダービー 第4コーナーから 沸き返るメインスタンドを彼だけが駆け抜ける ひとりぽっちのダービー あの海の潮騒が 彼への大歓声に変わってゆく  子供たちを背中に乗っけてゆっくりと 小さな伝説が歩いてゆく 春も夏も秋も冬も 春も夏も秋も冬も
なにはともあれ森進一・森昌子森進一・森昌子さだまさしさだまさし若草恵ららら 歌うように生きられたら ららら 喜びや悲しみさえ ららら 笑うように生きられたならば どんなに素敵だろう  思いがけずにあなたに出会い 何故か不思議に惹かれ合い いつの間にか同じ歩幅で 隣同士を歩いてる 普段は照れて 言えないけれど 歌に託して愛と感謝を 割れ鍋から閉じ蓋様へ なにはともあれ元気でいてね  ららら 歌うように生きられたら ららら どんなに辛い時も ららら 幸せが向こうからゆっくりと 歩いてくるかしら  酸いも甘いも噛み分けながら それを二人で分け合いながら いつの間にか同じ高さの 未来を見つめてる 普段は照れて言えないけれど 聞こえてしまった独り言 とても一人じゃ生きられない なにはともあれ元気でいてね  ららら 歌うように生きられたら ららら どんなに辛い時も ららら 幸せが向こうからゆっくりと 歩いてくるかしら  歌うように生きられたら…
小さな手さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸生まれた時に僕には その小さな小さな掌に 大切そうに握りしめてきたものがある 生まれた時に僕は この小さな小さな体よりも ずっと大きな宝物を抱きしめて来た 右手には永遠の未来 左手には無限の希望 心は透き通って愛は 果てしなく深く いつかしらぬ間に 僕の掌はこんなに いつか大きく育ったけれど 握りしめたものは何故か小さくしぼんでしまった  生まれた時に誰もが 抱きしめてきた宝物がある 使えば使うほどに増えてゆく不思議で大切なもの 右手には溢れる元気 左手には強い勇気 たった一度の人生 たった一度だけの いつかしらぬ間に 僕の掌は既に とても汚れてしまったけれど あと少しだけほんの一寸だけ頑張ってみようかな  仮に来年の春に僕の 生命(いのち)が尽きると判っても その次の春に咲く花を 明日植えるように 生きてゆきたいと 生まれた時に僕には その小さな小さな掌に 大切そうに握りしめてきたものがある……
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
主人公田尾安志田尾安志さだまさしさだまさし時には思い出ゆきの 旅行案内書(ガイドブック)にまかせ 「あの頃」という名の駅で下りて 「昔通り」を歩く いつもの喫茶店(テラス)には まだ時の名借りが少し 地下鉄(メトロ)の駅の前には「62番」のバス 鈴懸(プラタナス)並木の古い広場と学生だらけの街 そういえば あなたの服の 模様さえ覚えてる あなたの眩しい笑顔と 友達の笑い声に 抱かれて 私はいつでも 必ずきらめいていた  「或いは」「もしも」だなんて あなたは嫌ったけど 時を遡(さかのぼ)る切符(チケット)があれば 欲しくなる時がある あそこの別れ道で選びなおせるならって…… 勿論 今の私を悲しむつもりはない 確かに自分で 選んだ以上精一杯生きる そうでなきゃ あなたにとても とても はずかしいから あなたは 教えてくれた 小さな物語でも 自分の人生の中では 誰もがみな主人公 時折思い出の中で あなたは支えてください 私の人生の中では 私が主人公だと
紫野さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之君 いつの間に 誰 恋して 眩暈を覚える 綺麗になったね その眼差しで 僕 見ないで 垣根がほどける 綺麗になった  七重八重 山吹は 実をつけず 枝垂れ咲く 鐘の声の 風の声の うらぶれて 道遠く  護りつつ犯しつつ 二人来た紫野  君 知らぬ間に 誰 壊して 妖しく哀しい 笑顔になったね ふと 今何か 僕 はじけた 肩口すべって 揺らり一葉落ちた  幾度の 初恋を 君すでに 脱ぎ捨てて 紅色の 唇に 香り立つ 薄明かり  与えつつ奪いつつ 二人来た紫野  幾度の 三叉路を 選び来て ゆき過ぎて また同じ 三叉路に 今二人 巡り来て  迷いつつ刻みつつ 茜さす紫野  君 いつの間に 誰 恋して 眩暈を覚える 綺麗になった
秋桜 (Live)桜田淳子桜田淳子さだまさしさだまさし淡紅(うすべに)の秋桜(こすもす)が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆(もろ)くなった母が 庭先でひとつ咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くり返す 独言みたいに 小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし 元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少し あなたの子供で いさせてください
まんまるさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし古川忠英誰か僕のとても大切な あいつを知らないか 生まれてから今迄ずっと あいつを捜してる  ふちの欠けたのや 傷だらけのや そんな奴じゃなく 大きすぎない 小さすぎない 僕にふさわしい奴  とても気紛れなあいつ 近くにいても届かない 「まんまるなしあわせ」と呼ばれてる あいつを知らないか  誰も傷つけず 傷つけられずに 生きてはゆけないか 悲しませずに 苦しませずに 生きてはゆけないか  上手すぎずに 下手すぎもせず 生きてはゆけないか きれいでもなく 汚くもなく 生きてはゆけないか  誰かが僕にささやいた 捜しているうちは届かない 「まんまるなしあわせ」はそばに居る お前の中にある  もしも僕のでこぼこが とれたらいつか会えるだろう 「まんまるなしあわせ」と呼ばれてる 僕に会えるだろう  誰か僕のとても大切な あいつを知らないか
君の歌うラブソングさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄君の歌う切ないラブソング ラジオから聞こえる 僕との恋の歌 今はもう過ぎ去りしラブソング すれ違う心を止められず別れたあの日  サヨナラの代わり 君に手渡されて そのまま読まずにいた手紙 そっと開けばそこに  添えられてた「もう一度だけ」の魔法のカード 明日は別れて二度目のクリスマスイブ  今更に聴き返すラブソング 僕だけに聞こえる魔法の呪文 「もう一度」そんな名前の港のカフェ 二人の懐かしい恋のふるさと  いつもの窓の 星の見える席で 今降り始めた雪を 眺めながら君を待てば
さよなら にっぽんさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸生命を投げた少年の手紙を またTVが写している 仏蘭西の水爆のニュースと共に 故郷から帰る車の列で事故が 起きたと告げている 上九一式村の中継の後で 黒字が少し減るようだと 妙なことを喜んでいる 思い出した様に地震の 被災者の背中をかすめてゆくマイク 空港の映像は 海の向こうへ旅立つ青春達の笑顔 この国の誰かが拳銃で撃たれるなんて さよなら にっぽん さよなら にっぽん ふとつぶやいたら 涙がこぼれた  美しいのは花そのものではなく そう感じる心だと もう誰も教えてはくれない 夢の見方を教える代わりに 大人達は目を覚ませという 売り物と買い物しか無いかのように 心は贈り物 こわれ易い贈り物 何でもそろうこの国では 心までの道が遠すぎる 昔この国には妖精たちが住むと 信じた人がいた こんな僕のどこかにも まだ住んでいるのだろうか さよなら にっぽん さよなら にっぽん そう文字に書いたら 涙がこぼれた さよなら にっぽん さよなら にっぽん 妖精達はどんな顔で 笑ったのだろう さよなら にっぽん さよなら にっぽん この国には妖精達が住んでいる 今でも
不器用な花さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君が選んだ花は 名もない花で 一番好きだと思ったから 選んだ 誰にあげよかちょっと迷ったが 野辺の地蔵さんにちょっとあげた  君が選んだ夢は 途方もない夢で 一番遠いと思ったから 選んだ 少し無理かとちょっとひるんだが 駄目で元々と歩き出す  くよくよするな 笑いとばせ 夜は悩まずに寝るが良い 明日 拓ける 道もあろう 明けない夜などあるものか そのうちきっと 報われるだろう 不器用に咲く君の花が良い  君が選んだ人は 優しい人で 一番好きだと思ったから 選んだ 誰に告げよかちょっと照れたので 水辺の蜻蛉にちょっと告げた  君が選んだ道は 険しい道で 一番綺麗と思ったから 選んだ 少しきついとちょっと疲れるが いずこも同じだと汗をかく  がっかりするな 笑いとばせ なんとかなるさと言い聞かせ 一所懸命 暮らしてる 止まない雨などあるものか 必ずいつか 報われるだろう 不器用に咲く君の花が良い 不器用に咲く君の花が良い
思い出暮らしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸あの頃は良かったなんて 口に出して言うもんじゃないよ 多分思い出の良いとこだけを「あの頃」と呼びたがる 「もしかしてあの時」なんて 逃げ込みたくもなるけど 待って それで上手くいかないことだけに 「もしも」を押しつける 誰だって思い出暮らしの方が良いさ 良いことだけならね 霞でも食って 鏡見ないで 歳だけ取って バカに笑って 生まれて生きて死ぬだけなんだったらそれも良い 未来は悪い事だけ 連れてくるもんだなんて怯えるなんて 後ろ向きの思い出暮らしにはまだまだ若すぎる  記憶の中だけのヒーロー セピア色の自分伝説 そんなモン早く捨てちまって たかだかの僕になれ 傷口から腐るあいつ 傷口から強くなるあいつ 一つだけ胸に刻みたい 僕らは今を生きる 誰だって思い出暮らしの方が良いさ 嫌なことから逃げて 心を開いて 心で見て 受け止めたい 生命の理由(わけ) 折角生まれて生きているんだったら勿体ない あの頃は良かったはず 永遠に過去は美しい 後ろ向きの思い出暮らしなどまだまだ早すぎる  あの頃は良かったなんて 口に出して言うもんじゃないよ 多分思い出の良いとこだけを「あの頃」と呼びたがる
虹 ~Singer~雪村いづみ雪村いづみさだまさしさだまさしこんなにも長い間 何故歌って来たのかしら ちいさなしあわせや 伝説の向こう側に 逃げ込むチャンスは いくらもあったのに まだ 歌ってる 控室の窓辺の かすみ草の向こうを あなたの横顔に よく似た思い出が とおり過ぎてゆく 開演のベルが鳴るまで あと 15分  全てを手に入れたり 全て無くしたり あなたまで ひきかえにして 歌い手は 虹のように 悲しみの雨の向こうで 咲くものかしら  I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに  時々ふとラジオから 先に逝った友達の なつかしい唄が 流れることがある そうね永遠に 歌い続けてる しあわせ? ふしあわせ? 誰に負けてもいいの 自分に負けたくないの だってそれがいつか 思い出に変わった時 目をそむけないで いたいでしよ私はまだ 旅の途中  誰かの心の 扉を叩き続けて 何もかも ひきかえにして 可笑くて哀しくて 美しき人生 さあ 幕が降りる迄  Yes I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer あなたの空を ひとときでも 私の色に 染められたら それでいい  I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに
心の時代さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いつまでも夢を 追い続けていたい 誰でもがきっと おんなじだと思う でも夢まで遠い 果てしなく遠い 眠れない時代を 僕は生きてる  いつまでも君を 愛し続けていたい それはウソじゃない  でも少しだけ怖い 愛するって事の  ホントが判らない 愛せない時代を 僕は生きている  誰か教えてよ あきらめずに済むやりかたがあるなら せめて学び方を 生きることの意味と 素晴らしさを 一度きりの生命を ささやかに生きたい 君とふたりで  いつまでも笑顔 持ち続けていたい どんなに辛くても 少しもひるまずに でも笑顔が軽い 悲しいほど軽い 笑えない時代を 僕は生きてる  いつまでも君を 守り続けていたい それは心から でも少しだけ怖い 守り続ける事の ホントが判らない 護れない時代を 僕は生きている  誰か みつけてよ 誰も傷つけ合わない世界を 心の時代を 生きることの意味と美しさを 一度きりの生命を ひたすらに生きたい 君とふたりで  いつまでも夢を 追い続けていたい いつまでも君を 愛し続けていたい
未来さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦僕はよく峠道で迷うことがある そんな時 いつも峠は深い霧で これからゆく道はもとより 今来た道さえ見失ってしまう  もしもあの時 君にめぐり逢えなかったなら僕は きっとあの峠道で 生命を落としていただろう 人を愛すること それさえも知らず  君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ 軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ  多分僕等は超高速の乗り物にうしろ向きに座らされ 過去という名の風景と うしろから来る未来と呼ばれる 希望との間でうろたえている  陽は昇りまた陽は沈み 長い長い道のりは続いても これから来る峠道で もう迷うことはないだろう 君の手のぬくもり それさえあるなら  僕は今君の瞳に映る 全てのものを信じられる 君の生命が愛おしい 僕と一緒に暮らさないか  君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ 軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ
夢しだれさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸吉野の里の桜には まだ早過ぎると君が 僕の指をとり誘う先は 春に霞む斑鳩の 古の夢殿にひとめぐりめぐり会えば ふり仰ぐ満開の桜 誰が名付けたのか夢しだれ  思えば長い道程を 歩き続けているようで 愛と呼ぶには遠過ぎて 恋というには近過ぎて  迷え この道は薮不知 来し方知らず 行方知らず 君のかわりに 僕の頬を 花びらが打つ 風 風  昼閑かなる秋篠の妓芸天女の面影を 君の横顔に写し 明日は都へと帰るか 風の間に間に滞る 巣立ちを終えた揚雲雀 啼く声遥か鐘の音 見上ぐれば星朧  君の笑顔を護るのに 人の笑顔をあてがえば 僕が苦しむのみならず 君が悲しむことばかり  迷え この道は薮不知 来し方知らず 行方知らず 君のかわりに 僕の頬を 花びらが打つ 風 風
アパート物語さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸初めて暮らしたアパートは きつい西日の安い部屋 お前と寄り添い暮らすには それでも手頃な部屋だった  隣は貧しい画学生 廊下まで絵の具を匂わせて いつでも腹を空かしてたっけ お前の料理に救われていた  人というものは哀しいもの 生まれて生きて 誰かと 出会い愛し合い 時に憎みあい 別れ そして死ぬるまで おのれの舵すら おのれで取れず 迷い迷って生きている  いつしかお前は絵描きに惚れて ひっそり二人で出ていった 忘れていった絵の具のような サンドベージュの空の日に  あの後 名画座の客席で たったひとりで泣いたっけ 少しも恨んじゃいないんだ お前が一番苦しんだはず  仕事帰りに坂の下から ふたりの窓の明かりが見えた 短いけれど 貧しいけれど 幸せだった 春のこと  人というものは哀しいもの 生まれて生きて 誰かと 出会い愛し合い 時に憎みあい 別れ そして死ぬるまで おのれの舵すら おのれで取れず 迷い迷って生きている  夜になれば夜空の 星より沢山の 家の窓辺に灯が点る ひとつひとつに 生命とそれから それぞれの物語(ドラマ)がある 悲しみ 喜び 泣いて 笑って 誰もが必死に 生きている  生きてゆくという そのことは 本当はとてもささやかなこと そんな風に思えるような 穏やかな 秋のこと
女優さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸涙こぼし別れ告げた 思いついた嘘で棄てた けれど嘘と思いはしない そんな世界で暮らしてる 空はいつも青くはないし 水はいつも澄んではいない 風も吹けば雨も降るし 心の中じゃいつものこと 何が悪いのと言い聞かせ生きる 私は 女優  恋なんて幾つ迄 数えたら終わる? 悲しみの数よりは 少なくて 浅い 人生に一つだけ 命懸けの愛 抱きしめて抱きしめて 消えてゆきたい 嘘と本当のはざまで 溺れ死ぬのが 夢  顔色一つ変えないままで 別れの言葉を聞いた むしろ笑顔でさようならと自分の方から告げた 流石一人になって吐くほど 泣いたけれど涙だけは こぼさなかった明日も仕事 生きる中じゃいつものこと 何が哀しいと言い聞かせ生きる 私は 女優  芝居より酷い恋 演じてる振りで 痛くない顔をして 気づいてる孤独 寂しくて気が遠く なりそうな時も 幸せな振りをして 夢のように生きる 嘘と本当のはざまで 溺れないのも 女優  恋なんて幾つ迄 数えたら終わる? 悲しみの数よりは 少なくて 浅い 人生に一つだけ 命懸けの愛 抱きしめて抱きしめて 消えてゆきたい 嘘と本当のはざまで 溺れ死ねたら 女優
となりの芝生さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸清く正しく美しく 生きて来たとは言わないけれど 格別人より欲張りに 生きて来た訳でもないつもり しあわせになりたくて そりゃ ほんの少しは背伸びもしたけれど しあわせの くらべっこ するつもりは さらさらないのだけれど  となりの芝生はやっぱり青い 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 私のいやしい心が憎い Hu でも やっぱりとなりの芝生は青い  努力が必ず報われると 決して信じちゃいないけど 何の苦もなくお気楽に 生きておられる方もある 世の中の 不公平 そりゃ ほんの少しは愚痴も言うけれど 私より 報われぬ 人の多さに いらいらするけれど  となりの芝生はやっぱり青い 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 そのうちきっと いいことがある Hu でも なんだかとなりの芝生は青い  夢の庭付き一戸建 建つか建たぬか 建たぬか建つか 男の悩みはけっこう深いぞ そのうち絶対 いいことがある Hu でも けっきょくとなりの芝生は青い サンキュー 
道の途中で(ON THE WAY)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸リラ冷えの朝に 旅立つ君へ 今迄の愛を込めて 唄を贈ろう 君の道程は 三叉路ばかり 迷って傷ついた時 思い出してくれ ON THE WAY 僕等はいつでも 道の途中 ON THE WAY 喜びも悲しみも 季節の様に巡り巡る  さよなら 君に会えてよかった さよなら 君が好きでした  誰かの言葉や 時代の嘘で その微笑みやこころを 曇らせぬよう 君は君らしく 生き抜いてくれ 僕は僕のとおりに 歩いてゆくから ON THE WAY 僕等はいつでも 道の途中 ON THE WAY 力の限りに 時の流れを生きて生きて  さよなら また会う日まで さよなら 君に幸あれ  さよなら 君に会えてよかった さよなら 君が好きでした
神話さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久いつまでも今のまま 暮らせるなんて思っても みなかった 本当だよ 本当だよ いつかしらあんたが これで終わりだって言う日が 来ることは分かってた 気がしてた 大丈夫だよ あたし少しバカだけれど あんたの為なら 死のうと思ってたんだから ちょっとだけ 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて それから ちょっとだけあんたのこと 憎むかも知れないけれど それくらい それくらい  分かったよ 時々想い出してくれるなら どこかで生きてく 本当だよ 嫌われることだけが 一番こわかった ねえ まだ嫌いじゃないでしょ 本当だよ あたし少しバカだけれど あんたを愛する ことだけ 誰にも負けない きっといつか 神話になるよ あたし位あんたのこと 愛した女はいないって 神話になるよ 本当だよ それは本当だよ  きっといつか神話になって あんたとあたしの ふたりが星座になって 輝く時がくるよ きれいだろうね 本当だよ きれいだろうね 本当だよ
虹がかかったらグレープグレープさだまさしさだまさし青木望君の長い髪が 木洩れ日と遊ぶよ 風に吹かれてもっと 笑ってごらんよ 僕のギターにあわせ 揺れるふたりの影 夢をみながらもっと 唄ってみようよ 緑の森の中 とてもいい気持 何だか君とても きれいだよ 藁葺き屋根の家 遠くにみえるよ もう一度だけ言おうか 君が好きだなんて  君の澄んだ瞳 僕にはまぶしくて 背中越しになにかを 言おうとしたけど 気まぐれなにわか雨 とってもいじわるで ぼくの小さなつぶやきを 喰べてしまったよ 緑の雲の上 虹がかかったら 明日もまた ここであえるかな ほんとは少しだけ 照れくさいんだけれど 雨にぬれた君の髪 ふいてあげようかな  緑の雲の上 虹がかかったら 明日もまた ここであえるかな ほんとは少しだけ 照れくさいんだけれど 雨にぬれた君の髪 ふいてあげようかな  もう一度だけ言おうか 君が好きだなんて
SMILE AGAINさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸もしもあなたが今 悲しみの中にいて よるべない不安に 震えているのなら 声にならない声を今その見えない涙を今 わかちあうことが できないだろうか  言葉で伝わらない 言葉もあるけれど せめてこの歌声が あなたに届いたら 勇気をふりしぼって今 涙をぬぐいさって今 なつかしい笑顔に もう一度会いたい  SMILE AGAIN 祈りは海を越え SMILE AGAIN 願いは風に乗り SMILE AGAIN 夢を忘れないで 愛は時を渡る  忘れないで欲しい いつも思っている だからこの歌声が あなたに聞こえたら 小さな声でいい今 一緒にくちずさんで今 どうか僕のために もう一度笑って  SMILE AGAIN 一人は小さくて SMILE AGAIN とても弱いけれど SMILE AGAIN 強くこの愛を 心こめて歌う  SMILE AGAIN 祈りは海を越え SMILE AGAIN 願いは風に乗り SMILE AGAIN 夢を忘れないで 愛は時を渡る  SMILE AGAIN 祈りは海を越え SMILE AGAIN 願いは風に乗り SMILE AGAIN 夢を忘れないで 愛は時を渡る  SMILE AGAIN 祈りは海を越え SMILE AGAIN 願いは風に乗り SMILE AGAIN 夢を忘れないで 愛は時を渡る  SMILE AGAIN 祈りは海を越え SMILE AGAIN 願いは風に乗り SMILE AGAIN 夢を忘れないで 愛は時を渡る
秘恋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸形見分けで貰った 祖母の机に 古ぼけた写真と 封筒が眠っていた 祖父でないそのひとは 若い兵士で 出しそびれた恋文の 宛名の主だろう 昔 愛した ひとだろうか せつなく別れた ひとだろうか ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を  時代とはいえども 祖母の秘めた恋は 誰に語る事もなく 静かに閉じていた どんな風に祖母を 愛したひとだろうか そのひとの面影は 少し僕に似ていた どんな思いで諦めたのだろう どんなに悲しく想い続けたのだろう ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を  今は昔の物語 人知れず咲いて 消えた花 ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を
名もない花さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしむかしあるひとに恋をした とてもかなしい恋だった  むかし そのひとが好きだった 花は名もない花だった
青空背負ってさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸もっと もっと 強くなりたい もっと もっと 優しくなりたい  青空背負って 笑っていたい あなたに恥ずかしくないように 願いは強く夢はもっと高く もう少し あと少し 諦めない勇気が欲しい  もっと もっと 強くなりたい もっと もっと 優しくなりたい  青空背負って 笑ってみせる 自分に恥ずかしくないように 立ち向かう勇気 怖れない強さ もう少し あと少し 憧れた夢に届くまで  もっと もっと 強くなりたい もっと もっと 優しくなりたい  もっと もっと 強くなりたい もっと もっと 優しくなりたい
遍路さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦いつかあなたと来た道を今ひとり 転び転びあなたのあとを追う 夢で幾度か追いついて目が覚めて 膝を抱いてまた あなたの夢を見る うず潮の 生まれて消えて また結び また解けるように わずかな思い出 くりかえしたどる道 あなたの知らない 旅  ふいに名前を呼ばれて振り返れば 別の物語の二人を見るばかり 橋のない川のほとりで迷うように あなたを越えて向こうまでゆけない 吉野川の 流れ静かに あなたから生まれ あなたに帰る なつかしいあの唄 くちずさみ歩く道 あなたの知らない 旅
案山子島津亜矢島津亜矢さだまさしさだまさし田代修二元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る  城跡(しろあと)から見下せば蒼く細い河 橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突 この町を綿菓子に染め抜いた雪が 消えればお前がここを出てから 初めての春  手紙が無理なら 電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ  元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る  山の麓煙吐いて列車が走る 凩(こがらし)が雑木林を転げ落ちて来る 銀色の毛布つけた田圃(たんぼ)にぽつり 置き去られて雪をかぶった 案山子がひとり  お前も都会の雪景色の中で 丁度あの案山子の様に 寂しい思いしてはいないか 体をこわしてはいないか  手紙が無理なら 電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ  元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る
微熱さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君が聴こえる 君の鼓動が聴こえる とても静かに 波が押し寄せて来る 生まれる前から 出会っていたかの様に とても自然に 君の名前が呼べる その眼を閉じて 言葉を閉じて 空から愛 降り注いでいる 今 てのひらに 感じている 微熱 (DAY & NIGHT NIGHT & DAY) 君の事しか 見えない  君が伝わる 君の鼓動が伝わる この手を伸ばせば 君の心に届く 可笑しい位 ひどくうろたえている 生まれ変わっても 出会えるとさえ思う たとえこの世が 明日終わろうと めぐりあいそして 君を愛せると 今 てのひらに感じている 微熱 (DAY & NIGHT NIGHT & DAY) 君の事しか 見えない  (DAY & NIGHT NIGHT & DAY) 君の事しか 見えない
悦楽の園長山洋子長山洋子阿久悠さだまさし若草恵お許し下さい 悦楽の園におります いつ帰れるやら 心はあなたを想い からだはこの場を動きません 人間だからでしょうか 女であるからでしょうか  またたびを嗅いだ猫です バイオリンで金縛りです 悪い男が とても親切で 私を惑わせつづけます  今は秋 やがて冬 きっと冬は長く ここを出られません 春には戻ります  お忘れください 悦楽の園におります もう見知らぬひと この世はいつわりばかり 愛には嘘など混りません 溺れているのでしょうか はかない夢なのでしょうか  哀しみを捨てた鳥です ただ楽しく歌っています 悪い女が ここは天国と ささやきつづけているのです  今は秋 やがて冬 きっと冬は暗く 道に迷いそうで 春まで過します  今は秋 やがて冬 きっと冬は長く ここを出られません 春には戻ります
秋桜ET-KINGET-KINGさだまさしさだまさし淡紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くり返す 独言みたいに小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
がんばらんばMotttoさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば 何でんかんでん がんばらんば がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば どいでんこいでん がんばらんばね  わいなんばしょっと そいけん言うたったい きつかとはなーんもわいだけじゃなかとよ 世間は景気ん悪かて だいちゃかいちゃ言いよるばってん そいがなんねどんげんか すーですーで  そんげん言うばってん 今までっちゃずーっと よか時ゃ長うはつづかんやったやっかね どんげんねそんげん思わんね こん位で塩垂れとったら笑わるっばい (ハイ)  でんでらりゅうばでてくるばってん でんでられんけんでてこんけん こんこられんけんこられられんけん こんこん  がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば 何でんかんでん がんばらんば がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば どいでんこいでん がんばらんばよ  心ん割れても意地できびって止めんね 忘れた頃にゃようなっとるばい 小さか花でも自分の花たい 明後日にゃ綺麗に咲くやろうたい  わいなんばしょっと そいけん言うたやかね 悪か事ばっかし続いてたまるもんね 本当ばい明日笑おうで そんげんばってんあんまいやったらちゃんぽん喰うて寝(ぬ)っ (ハイ)  でんでらりゅうばでてくるばってん でんでられんけんでてこんけん こんこられんけんこられられんけん こんこん  がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば 何でんかんでん がんばらんば がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば どいでんこいでん がんばらんばぞ  でんでらりゅうばでてくるばってん でんでられんけんでてこんけん こんこられんけんこられられんけん こんこん  がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば 何でんかんでん がんばらんば がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば どいでんこいでん がんばらんばたい  がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば 何でんかんでん がんばらんば がんばらんば Mottto Mottto がんばらんば がんばらんば どいでんこいでん がんばらんばね
唐八景-序さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし鬼のおらんうちに ハタ上げしよう がめんこは おいていけ  愛宕の山から 風もらおう 今風もどそう  稲佐の山から 風もらおう 今風もどそう  鬼のおらんうちに ハタ上げしよう がめんこは おいていけ
ふきのとうのうたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ふきのとうが 咲いたよ 春は もうそこまで 君の笑顔に 似ているね 水辺で 輝いたよ  僕を忘れちゃ いやだよ 季節が 過ぎても 時々でいいから 少し 思い出してね
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
もう愛の歌なんて唄えないさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたの嫁ぐ朝 始発列車に乗って 僕は青春から出来るだけ遠ざかる 年上のあなたには初めから 僕の手の届かない愛が居た 200マイルも離れた 名も知らぬ駅で降りよう そしてむかしあなたの為 作った歌 唄おう 教会の鐘が鳴り響く頃 お別れに一度だけあなたの名を呼ぼう  花をちぎれない程 やさしい人に 恋は無理よとあの日あなたは言った 恋の上手な人たちは少し意地悪 僕の胸を吹き抜けたあなたの吐息 200マイルも離れた 名も知らぬ駅で降りたら あなたの好きな花さえも ちぎり捨てて みせよう 列車が陽の当たる坂道を登ってく 遠くに青い海が光ってる 訳もなく涙があふれて来て もう愛の歌なんて唄えない
みらいへさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸その一瞬の 笑顔を 明日に繋いでゆく その幸せを 絆を みらいへ みらいへ みらいへ伝えたくて  誰もが小さなその人生を 小さな歩幅で歩いてる 春の花に夏の空に 秋に冬に雨に陽に  聞こえますか 明日が 大切なたからもの その笑顔を 生命を みらいへ みらいへ みらいへ届けたくて  ささやか過ぎるその人生の 喜び哀しみを超えて 父や母や友だちや 大切なあなたへ  その一瞬の 笑顔を 明日に繋いでゆく その幸せを 絆を みらいへ みらいへ みらいへ伝えたくて  みらいへ みらいへ みらいへ伝えたくて
なつかしい海さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄(Returning to the place where I was belong to) 列車のタラップ昇りかけた (My little sea shore) 僕の腕引きとめて 言葉選んで君は さよならを切り出す (Nice to come home) ああ これが最後の見送りになるから 元気でいてくださいだなんて 空はこんなに抜ける様に (MH) 青く拡がってるのに さりげない悲しみ列車に乗せて 懐しい海に帰ろう  愛の腕の中は時が止まってみえる 気がつけばいつでも年老いた『浦島』 ああ ひと駅過ぎる毎に 君が遠ざかって昨日に とけてゆく 列車の窓の向う側に (MH) 懐しい海がみえたら 君に似合った白い波が (MH) 近くに見えたならば 約束を守ろう 思い出をみんな 紙吹雪にして 飛ばそう
たずねびとさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久いつもの様に この店のカウベル 鳴らして ドアを開いて 狭いカウンター とまり木にすがれば 黙っていても出てくるアメリカン それから ほの暗い柱の陰に ロートレックのおなじみのポスター 常連達の吐息と煙草の海 喘ぐ様に泳ぐレコード 壁紙の落書きは 昔の青春達 書いた人も書かれた人も 昔の恋人達 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと  壁紙が 若い頃に あなたが 照れ乍ら記した 4Bの鉛筆 二人のイニシャル 誰かの文字の奥で まだ 咲いてる きれいごとはいつでも話せる 言うに言えない想いを みんな水割りの氷に託して 静かに溶けるのを待っている 壁紙の落書きは 昔の青春達 来る人も去る人も 昔の恋人達 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと
虹~Singer~岩崎宏美岩崎宏美さだまさしさだまさし服部隆之こんなにも長い間 何故歌って来たのかしら ちいさなしあわせや 伝説の向こう側に 逃げ込むチャンスは いくらもあったのに まだ 歌ってる 控室の窓辺の かすみ草の向こうを あなたの横顔に よく似た思い出が とおり過ぎてゆく 開演のベルが鳴るまで あと 15分  全てを手に入れたり 全て失くしたり あなたまで ひきかえにして 歌い手は 虹のように 悲しみの雨の向こうで 咲くものかしら  I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに  時々ふとラジオから 先に逝った友達の なつかしい唄が 流れることがある そうだね永遠に 歌い続けてる しあわせ? ふしあわせ? 誰に負けてもいいの 自分に負けたくないの だってそれがいつか 思い出に変わった時 目をそむけないで いたいでしょ 私はまだ 旅の途中  誰かの心の 扉を叩き続けて 何もかも ひきかえにして 可笑しくて哀しくて 美しき人生 さあ 幕が降りる迄  Yes I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer あなたの空を ひとときでも 私の色に 染められたら それでいい  I'm a singer 虹になりたい ひとときの主役(ヒロイン) 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに
もうひとつの人生さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄・さだまさし別の人生が あったかも知れないと 鏡の中の自分を 見ながら思う日がある 今の生き方を 悔やむ訳ではなくって 決して自分の心を 諦めるのじゃなくって  やり直したいなどと 思いもしないけれど 逃げ出したいなどと 思いもしないけれど 子供の頃に 夢見た未来から 遠く遠く遠く遠く遠く離れて 少し切ない  もう梅雨が明ける 青空は広すぎる 君の寝顔に罪は 何もないのだけれど  ららららら…  別の人生が あったかも知れないと 朝起きたときに思う 雨の日もあるけれど 今の人生を 恥じるつもりなどないし 薄笑い浮かべて 誤魔化してたまるものか  もう一度なんて 思いもしないけれど もしかしたらなんて 思いもしないけれど 子供の頃に 夢見た自分から 遠く遠く遠く遠く遠く離れて 少し切ない  きっと誰だって 燃え残る夢を抱いて 自分しか聞こえない 唄を歌ってるんだろう  ららららら…  別の人生が あったかも知れないが 俺はこんなふうに 思うことにしてるんだ もしも何回も 生まれ変わったとしても 今の自分が多分 一番好きだろうと  ららららら…
上海物語さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたと歩いた黄浦江の散歩道(バンド) 夜霧のガーデンブリッジ ふり向けばブロードウェイ・マンション 淮山マ頭の汽笛はジャーディーン・マジソン 南京路の新世界で観た プレミア・ショーの「風と共に去りぬ」 そうキャセイホテルのバーがとても不思議だった ジャズと軍歌の奇妙なハーモニー 同じテーブルで世界中の不安と欲望が 快楽のマティーニ飲み干した 焼き栗の香りとライラックの花と 四馬路(すまろ)の女達の香水で満たされた町  ひねもすあなたと飲茶かハイアライで過ごす そんな夢本気で見ていた 薬指の赤い琥珀の指輪 あなたの笑顔の向うをジャンクの帆が通る 愛を砕くものがあるなんて 信じてもいなかった青春 ピストル片手に世界中の野心と思惑が あいそ笑いでカード・ゲーム やがてあなたを奪い去る嵐の火種が 霧と汽笛に密んでた 不幸な時代に生まれた恋も人も いつしか風と共に去ってしまったようで… すべてが風と共に… 幻の町 上海
道(はないちもんめ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし父の手に背伸びして歩いた道 叱られて泣きながら走った あの道 留守番に耐えかねて母を待った道 土産持つ祖母の胸に跳び込んだ あの道  今更に懐かしい あの頃を 今 遠い町でひとり想う まだ天使だった私を 道は 憶えているかしら ふるさと 離れて はないちもんめ ふるさと 恋しい はないちもんめ  放課後に初恋を眼で追った道 草野球 夕焼け ともだち あの道 卒業の熱い胸冷ました道 胸張って町へ出る時 ふり返った あの道 今更に遠い空にひとり誓う 辛くとも 心だけは捨てない もっと 大きくなった私を 道よ 待っていておくれ ふるさと 離れて はないちもんめ ふるさと 恋しい はないちもんめ ふるさと 離れて はないちもんめ ふるさと 恋しい はないちもんめ
つばめよつばめさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし全ての試合に勝って欲しいとは 言わない思ったこともない 頑張ってるのはちゃんと知ってるが 半分くらいだったら勝てるんじゃない?  勝った負けたは世の習い どこに負けてもいいんだでも 自分にだけは負けたくないんだ 自分にだけは負けたくないんだ  つばめよつばめ 愛しき燕 明日こそ 勝利を我らに  良い助っ人を連れてくれば 何年か後は敵に廻る 必死で生え抜き育てても いつしか気づけば敵のベンチに居るんじゃない?  投手が良い時何故打てないのか 打っても何故だか打たれて負けてる 巡り合わせか運なのか それともおいらが悪いのか  つばめよつばめ 愛しき燕 今日こそ 奇跡を我が手に  学生野球の間借りだけど 神宮の空に羽ばたくんだ 家族のように支え合う 仲良しチームもファンも人が好すぎるんじゃない?  惜しまず手を抜かないプレーで 誰に負けてもいいんだでも 自分にだけは負けたくないんだ 自分にだけは負けたくないんだ  つばめよつばめ 愛しき燕 今こそ 勝利を我らに  つばめよつばめ 愛しき燕 今こそ 奇跡を我が手に  つばめよつばめ 愛しき燕 今こそ しあわせを我らに
予感さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸季節が変わるように 静かに押し寄せる波が 沁みるようにあなたで 満たされてゆく予感 八重山吹の花が 香るように風に揺れた その坂道をあなたが歩いてくる いつしかあなたに恋をした 遅咲きの花のように 気づいてもらえないかも知れないけど 小さく咲いたから しあわせ しあわせ  朝焼けの水際に 光が満ちるように ゆっくりとあなたに 染まりはじめる予感 ときめきを数えれば 悲しみが始まるから この坂道を一人で歩いて行く いつしかあなたに恋をした 遅咲きの夢のように あなたに届かないかも知れないけど 小さく咲いたから しあわせ しあわせ しあわせ
名刺さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸たかが50平方センチの 名前を書いた白い紙切れに 振り廻されて何だろね されど四角いその紙切れを とりあえず俺の顔と信じて 誰もが疑わないんだもんね 強い名刺で張られてごらんよ どうもどうものあとが出ない 今にみてろ 今にみてろ 今にみてろっても 誰も見てない 手前に下げた頭じゃねえぞ 手前の名刺に下げたんだと 負け惜しみと愚痴が悲しいぜ生ビール あ、またポケベル 電話どこ  嫌な野郎ってホントにいるよね それが自分の上司と来てみろ いっそ 刺し違えたろか あ、でも家族が… たかが一枚1gの 名刺ごときに振り廻されてる 今日でも明日でも辞めたる! あ、でも思うツボかも… 弱い名刺を出されてごらんよ 抱きしめたくって仕方ない がんばろうね がんばろうね がんばろうねってば 天下取るまで あ、流れ星 俺らに下げた頭じゃねえだろ 俺らの名刺に下げたんだろ わかるから飲め いいから飲め ほら熱燗 あ、またポケベル いいや切っちゃえ  赤坂見附の交番前で 独り相撲をとってみる 負けるもんか 負けるもんか 負けるもんかったら 絶対 負けない クリスマス模様の歩道橋の上 車のライトがきれいだね ありったけの名刺細かくちぎって パッとまけば ほら ぼたん雪  メリークリスマス そしてよい年を ベリー メリークリスマス ほんとによい年を 白い雪 この町を染めろ 白い白い白い雪が降る この町を染めろ メリークリスマス どうぞよい年を ハッピー ハッピークリスマス ほんとによい年を
鳥辺山心中さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦硝子細工の其の思い出の 割れたかけらで 凍えた指を切る 今だに二人居るかのような 夢の夢の夢こそ 哀れなれ どれ程きれいにつこうと嘘は嘘 あなたがついたか 私がつかせたか 茨道 袖を裂く けもの道 陵墓(みさきぎ)づたいに 枯れた竹林 追いかけられるようで おそるおそる振り向けば しづ心なくはらり 紅い寒椿  独り道行く身には あなたの くれた傷の痛みさえ愛おしい 私の髪をすべるあなたの 指先の名残こそ 哀れなれ どれ程きれいに刺しても傷は傷 私が刺したか あなたが刺させたか 耳を塞いでも 水の音 真昼の月 傾いて鳥辺山 遠くで嘲い声 誰かの嘲い声 小さな石になって 沈みゆく私 追いかけられるようで おそるおそる振り向けば しづ心なくはらり 紅い寒椿 あなたのいくつかの 嘘を道連れに 私の心だけ 今 死んでゆく  一足ずつに 消えてゆく 夢の夢こそ 哀れなれ
まぼろしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸欲望は降りしきる 白い雪のようなもの 降り積もればきっと 道を見失う 求めるばかりの愚かしさに 早く気づけば良かった ああ君の面影さえ あああの深い愛さえ 感謝知らずの僕が まぼろしにする  なにひとつ留まるものなど 無い世界で 何故か苦しみだけ呼び止めて 苦しんでいた 喜びの隣で喜びも見えず 不満ばかり数えていた ああ君の優しい笑顔 あああの真心さえも 感謝知らずの僕が まぼろしにする  生まれ変わることなど決して 出来ないけれど 生き直すことならきっと 出来ると思う 月に叢雲(むらくも)花に風 今欲しいものは勇気 ああ君の悲しみ全て あああの苦しみさえも いつか必ず僕が まぼろしにする
秋桜柴田淳柴田淳さだまさしさだまさし羽毛田丈史淡紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くり返す 独言みたいに小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
長崎BREEZEさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸路面電車の窓から 想い出が風の様に おだやかに吹いてくる 海風を孕んだ あじさい色の空 君を愛して過ごしたこの町  停車場を幾つか数えて やがてゆるやかなカーブ かすかに車輪が軋んで 気づかぬうちにポイントを乗り換えていた あの時もあとで乗り違えたことに気づいた  長崎BREEZE 優しすぎる風が 長崎BREEZE あの日も吹いていた  沖をゆく船の窓のきらめきに 軽いめまいを感じ 最后の言葉をききとれなかった  待たせるのはいつでも僕で 南山手坂の途中 赤煉瓦の小さな店 ステンドグラスの窓辺で君はいつも微笑んだ 来ると信じた人を待つなら辛くないわ  お互いの愛の形が 本当は初めから少しだけ違っていたんだろう 丁度子供がシャツの釦のひとつ目を違えて 最后になって気づく様にね  長崎BREEZE 待ち疲れるなんて 長崎BREEZE 思いもしなかった  喜びと悲しみは隣あわせ 愛と憎しみは背中あわせ そんなことにも気づかずにいたあの頃  長崎BREEZE 過ぎ去った季節は 長崎BREEZE 全てが美しい  君に良く似た子供の手を引いた 君に良く似たひとと 坂道で今すれ違った  長崎BREEZE 優しすぎる風が 長崎BREEZE あの日も吹いていた
精霊流し高田みづえ高田みづえさだまさしさだまさし去年のあなたの想い出が テープレコーダーから こぼれています あなたのためにお友達も 集まってくれました  二人でこさえたおそろいの 浴衣も今夜は一人で着ます 線香花火が見えますか 空の上から  約束通りに あなたの愛した レコードも一緒に流しましょう そしてあなたの 舟のあとを ついてゆきましょう  私の小さな弟が 何にも知らずに はしゃぎまわって 精霊流しが華やかに 始まるのです  あの頃あなたがつま弾いた ギターを私が奏いてみました いつの間にさびついた糸で くすり指を切りました  あなたの愛した母さんの 今夜の着物は浅黄色 わずかの間に年老いて 寂しそうです  約束通りに あなたの嫌いな 涙は見せずに過ごしましょう そして黙って 舟のあとを ついてゆきましょう  人ごみの中を縫う様に 静かに時間が通り過ぎます あなたと私の人生を かばうみたいに
沈吟さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸もうこれ以上 迷わせないで 気紛れに優しい それが辛い あゝ あなたの その微笑みを いっそ憎めたら 更に辛い  誰にもあるジェラシー それが自分で悲しい 上げ底の心を つきつけられた気がして あなたにふさわしい 人になりたい  僕をみつめて 微笑まないで みていないこと 分かってる もうこれ以上 迷わせないで 気紛れに優しい それが辛い  大声で唄うだけが 唄うことではないように 抱きしめることだけが 愛の形でないだろう 静かに口ずさむ 恋でいい  だからもうこれ以上 迷わせないで 気紛れに優しい それが辛い あゝ あなたの その微笑みを いっそ憎めたら 更に辛い
いにしへさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし翠巒(すいらん)の奥駆道に 千数百年立ちたまふ 大杉の根の石仏 なんとやはらに笑みたまふ ほんのすこうし いのちのことなど 教えたまへと手を合わせれば ひと眠り ひと眠り いのちのありかは ひと眠りの中 されども惜しき命あり ただひたすらに生きたまへ  碧山に降る滝の間に 数千万年立ちたまふ 巌の麓の石仏 なんと微かに笑みたまふ ほんのすこうし こころのことなど 教えたまへと手を合わせれば ただ一途 ただ一途 こころのありかは ひたすらの中 ひたすらひたすら生きたまへ ただの一途に生きたまへ  ああ  いにしへの道が私に繋がっている
茨の木さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸耐えて 耐えて 耐えて 生きて 生きて 生きて それでも笑えたら良いね  季節の変わり目の雨が降る 坂道(さか)の上は霧で見えない 母の夢を見た ただ笑ってた 坂道(さかみち)もいつか終わるよ  名も無い花などないように 喩え誰にも気づかれなくても 必ず花は咲く それでいいじゃない いつか花は咲く それでいい  耐えて 耐えて 耐えて 生きて 生きて 生きて  それでも笑えたら良いね  季節を疑(うたぐ)る私がいるから 明日を疑る時がある 母の夢を見た ただ笑ってた 季節もいつか変わるよ  頑張り過ぎない諦めない 夢だけは決して捨てない いつか明日は来る それで良いでしょう いつか明日は来る それでいい  耐えて 耐えて 耐えて 生きて 生きて 生きて それでも笑えたら良いね  耐えて 耐えて 耐えて 生きて 生きて 生きて それでも笑えたら良いね
精霊流し中森明菜中森明菜さだまさしさだまさし鳥山雄司去年のあなたの想い出が テープレコーダーから こぼれています あなたのために お友達も 集まってくれました 二人でこさえた おそろいの 浴衣も今夜は一人で着ます せんこう花火が見えますか 空の上から 約束通りに あなたの愛した レコードも一緒に 流しましょう そしてあなたの舟のあとを ついてゆきましょう 私の小さな弟が 何も知らずに はしゃぎ廻って 精霊流しが華やかに始まるのです  あの頃あなたがつま弾いた ギターを私が奏いてみました いつの間にかさびついた糸で くすり指を切りました あなたの愛した母さんの 今夜の着物は浅黄色 わずかの間に年老いて 寂しそうです 約束通りに あなたの嫌いな 涙は見せずに 過ごしましょう そして黙って 舟のあとを ついてゆきましょう 人ごみの中を縫う様に 静かに時間が通り過ぎます あなたと私の人生を かばうみたいに
秋桜岩崎宏美岩崎宏美さだまさしさだまさし塩谷哲淡紅の秋桜が 秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くりかえす 独言みたいに小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくりかえす母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせて  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
黄金律さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし池田貴史ラララララ 「好きだ」って何だろう ラララララ 「好きだ」って何だろう  誰かが喜ぶことがしたいって 思うんだけれど 誰もが 全く同じ気持ちじゃないでしょ だからすれ違うばかりで 「一般的」って誰が決めるのか 教えてほしいよ  善かれと思った笑顔が 誰かを傷つけてしまったり 怒りを買ってしまうことだってあるでしょ 「あたりまえ」とか「ふつう」って意味や 「みんな」って誰のことなのか 教えてほしいよ  ある日 海の向こうから 戦がやってきて 君を守るため僕が 死んでしまったなら 君は喜ぶかな 君は悲しむかな  ラララララ 「好きだ」って何だろう ラララララ 「好きだ」って何だろう  困ってる人の役に立ちたいと 思うんだけれど 誰もが 同じように困ってないでしょ 不公平だって叱るんだったら 「公平」とは一体何だか 教えてほしいよ  ある日 海の向こうから 幸せがやってきて 君を連れて行くのを僕が 止めてしまったなら 君は幸せかな 君は悲しいかな  ラララララ 「好きだ」って何だろう ラララララ 「好きだ」って何だろう  怪我の重い人から順番に 手当をするのが「公平」なんだと 思うんだけどって言ったら 「綺麗事だよ」って笑われたけど それだけは多分 違うと思う  ラララララ 「好きだ」って何だろう ラララララ 「好きだ」って何だろう ラララララ こんなに想ってるのに ラララララ 「好きだ」って何だろう  ラララ…
記憶さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸今でも君に話しかけるよ 迷ったりとても寂しいときに 必ず君は答えてくれる いつもいつもいつもいつも君らしく暖かく  おそらく遙か時は過ぎても 僕の心の中で君は 一緒に暮らしてきたと思う だから思い出はこうして少しずつ成長する  あの角を曲がれば 色とりどりのサフィニアの こぼれ咲く庭先で 君はいつも照れながら 笑顔で手を振った まるで青空のようだった  時折忘れてしまいそうだ やさしい君の声の響きを それほど夢のように時は過ぎる あっという間に僕もこんなに歳を取ってしまったよ  今でも君に話しかけるよ 笑ったりとても嬉しいときに 美しい物に出会ったときや 感じる全ての感動を君と分け合っているよ  あの海に帰ろう 色とりどりの貝殻を 子供のように集め 掌にひろげては 笑顔で笑ったね まるで春風のようだった  まもなく花の季節が終わる けれども君が教えてくれた どんなに時が過ぎてゆこうと 花は咲き続けるまたいつか春が巡る限り  僕の中で咲き続けている 君のように
桜桃(さくらんぼ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし泣いてもいいよ こらえなくてもいいよ 幼い頃のように 大きな声あげて 泣いてもいいよ こらえなくてもいいよ どれほどの悲しみも いつかはきっと消えるから  出はじめの桜桃 そっと口に運ぶ君の 桜色の唇から 僕の季節が生まれた 君の笑顔が喜びだった  なのに傷つけてしまった 時は色を閉じた 言葉は花冷えの曇り空のように凍えた それでも君は笑おうとしてくれたね  泣いてもいいよ こらえなくてもいいよ どれほどの悲しみも いつかはきっと消えるから  笑えたらいいね 本当に心の底から 最初の頃のように 何の不安もなく 笑えたらいいね 本当に心の底から その胸の苦しみの すべてを洗い流すほど  必ず春はめぐる どんなに寒い冬でも 真白に輝く雪が 陽射しにいつかとけるように 僕が太陽になれるのなら  もう一度ふたり手を添えて 小さな種を播いて めぐる春の奇跡を いつか実る桜桃を 君が信じてくれるのなら  泣いてもいいよ こらえなくてもいいよ 幼い頃のように 大きな声あげて 泣いてもいいよ こらえなくてもいいよ どれほどの悲しみも いつかは消えるから  笑えたらいいね 本当に心の底から 最初の頃のように 何の不安もなく 笑えたらいいね 本当に心の底から その胸の苦しみの すべてを洗い流すほど
その橋を渡る時さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸もしも僕がその橋を渡るなら 何も迷わずに胸を張って渡る もしもその橋を叩くくらいなら 僕にその橋を渡る資格はない Rubicon river その河を 河を渡るとはそういうことなのだ Rubicon river 決心とは 賽を投げるとはそういうことなのだ  渡った先での不安におののくなら 僕は水の色を眺めて死ぬが良い 永遠にこの河を眺めるだけの方が 幸せだという人生だってある Rubicon river 生きるとは 生きることとはそういう物なのだ Rubicon river 幸せとは 幸せとはそういう物なのだ  もしも僕がこの橋を渡る時 必ず一度は振り返ると思う 置き去りにするものを自分に刻むために そしてもう二度と戻らないために Rubicon river その河を 河を渡るとはそういうことなのだ Rubicon river 決心とは 賽を投げるとはそういうことなのだ Rubicon river 生きるとは 生きることとはそういう物なのだ Rubicon river 幸せとは 幸せとはそういう物なのだ
さよならさくらさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦あなたの優しさに 甘えすぎたみたい 重い荷物には決して なりたくはない 何度も何度も思い直したけど あなたに嫌われるほど 悲しいことはないから 最後の寝台列車で帰ることにする 故郷へ故郷へ花の散る前に さよならさくら 忘れないでね さよならさくら さよなら あなた  あなたの思い出を 鞄に詰めこんで ホームでまだ冷たい風に 震えていた 何にも持たずに故郷を出て来た 何にも持たずに帰れば それで良いと思う 故郷訛りの老人の背中 さよならさくら 忘れないでね さよならさくら さよなら あなた  最後の寝台列車が動き出したとき ホームにあなたの姿が見えた さよならさくら 忘れないでね さよならさくら さよなら あなた
甘い手紙さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰も私を知らない 遠くの町へゆくから 真っ白なノートで やり直してみるから もしも 思い出してくれて もしも 私の場所が もしも ほんの少しでも もしも 残っていたら 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰にも見せずに 何度も読むから 誰にも見せずに 抱いて眠るから  やさしい時代(とき)もあったね あれはけして嘘じゃないよね それだけのぬくもりでも 生きられる気がする たとえ どんな悲しみでも やがて あんな日もあったと いつか 懐かしむ日が来る それは 約束するから 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰にも知られず 泣きながら読むから 誰にも知られず 抱いて死ぬから 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて
凛憧−りんどう−さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久父と共に 城跡から見おろす 夕焼けが好きだった 息を切らす 肩に置かれた 手の体温(ぬくもり)はもっと好きだった  ある日父が いつもの気まぐれに 僕を抱きしめたりしたが そのままじっと 声も立てず 静かに泣いたことがあった  その朧気な 記憶がいつか 重さを増すと 知るはずもなく 幼い僕は 何か恥ずかしく 崖の淵に咲いた  薄紫の花を じっとみつめていた 早咲きのりんどうと それは あとで 知った  僕が父の 涙を見たのは その一度きりだった 祖母を送り 友を送り その時にも涙は見せなかった  あれ程に 可愛がった妹が 嫁ぐと決めた日も ただおだやかな 父の姿に 僕はふと あの日を思い出した  父といえど 男といえど 時のはざまに 落ちる刻(とき)がある 今となれば わかることがあり そっと胸が つまる  花嫁の父が今 少し照れた背中で 娘から花束を 贈られているところ  薄紫の花が じっと見つめていた 遅咲きのりんどうと それは すぐに わかった
孤悲さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸今わたしに何が出来るでしょう あなたのほんとうのさいわいのために 悲しみの雨はそこここに降り 傘もなく 闇に怯えて まずわたしの迷いを止めて 溢れ続けるこの涙を止めて あなたのために あなたのために 何が出来るでしょう  会いたくて 会えなくて もどかしい日々を生きて 寂しさに 負けないで たまゆらの ちいさな生命  あなたが苦しむときは迷わず わたしは独りの修羅となり 生命を尽くしてあなたを護るでしょう ささやかな 存在を懸けて あなたが安らぐ時には たおやかな菩薩のように あなたのために あなたのために 未来を祈りましょう  遠すぎて 遠ざかる あなたのこころの音を 追いかけて 切なくて 天雲の 遙かな道を  会いたくて 会えなくて もどかしい日々を生きて 寂しさに どうぞ負けないで たまゆらの このちいさな 孤悲
勇気凛凛 ~故 加藤シヅエ先生に捧ぐ~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし小さな事で少しも うじうじすることなどなく つらいときこそ明るく いつもいつも笑っている 心広く情け深く 安売りせず高ぶらずに 敵には強く味方には頼もしくて大きい  そんな人に あなたならなれる 夢を捨てず 夢に溺れず 二人支え合って歩く いつか そこにたどり着ける 花を咲かせます あなたに 私の夢はあなた  裏表を使い分けず 手柄は譲り恩は着せず 陰口など決して言わず 洒落はわかりすぎるくらい 女に弱かったり 欠点は幾らもあるけど 傷のない人は他の人の 痛みに気づかぬもの  忘れないで いつも信じてる 日本中が敵でも 私は味方 花を咲かせます あなたに いつか日本一大きな 花を咲かせます あなたに 私の夢はあなた  ほころびは繕えばいい 傷は癒し合えばいい あなたに出会えて良かった 私の特技はあなただけ いつの日か別れの時涙ちゃんと二つこぼして ありがとうと一番いい顔で 笑って言うからね  忘れないで いつも支えてる 世界中が敵でも 私は味方 花を咲かせます あなたに きっと世界一綺麗な 花を咲かせます あなたに 私の夢はあなた  花を咲かせます あなたに いつか夢にたどり着ける 花を咲かせます あなたに 私の夢はあなた
図書館にてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸大きな窓から差す 柔らかな光の中で パサージュ論を読む君の横顔に じっと見とれていた  真白な夏の雲が 山際の空に咲いた 水浅黄色の君のTシャツの 白い腕が眩しい  或いはベンヤミンを語る 君は強いアウラに満ちて 或いは賢治を語る 君は大いなる慈愛(アガペー)  図書館という大宇宙に 二人きり浮かんでた あの時  窓から見える水辺の 睡蓮が音も無く咲いた あたかも五次方程式のように 心も恋も解けない  大きな時間(とき)の粒に 緩やかに身を横たえ E=mc2 と僕が書けば 恋は光速を超えた  或いは未来を語る 君は不安と勇気に揺れて 或いはふるさとを語る まなざしは母に似ていた  図書館という大海原に 二人きり浮かんでた あの時  遙かな時間(とき)は過ぎて 図書館に僕は独りで 正義についてのディベートを 読みながら まだ君を想っている  大きな窓から差す 柔らかな光の中で…
いのちの理由平原綾香平原綾香さだまさしさだまさし坂本昌之私が生まれてきた訳は 父と母とに出会うため 私が生まれてきた訳は きょうだいたちに出会うため 私が生まれてきた訳は 友達みんなに出会うため 私が生まれてきた訳は 愛しいあなたに出会うため  春来れば 花自ずから咲くように 秋来れば 葉は自ずから散るように しあわせになるために 誰もが生まれてきたんだよ 悲しみの花の後からは 喜びの実が実るように  私が生まれてきた訳は 何処かの誰かを傷つけて 私が生まれてきた訳は 何処かの誰かに傷ついて 私が生まれてきた訳は 何処かの誰かに救われて 私が生まれてきた訳は 何処かの誰かを救うため  夜が来て 闇自ずから染みるよう 朝が来て 光自ずから照らすよう しあわせになるために 誰もが生きているんだよ 悲しみの海の向こうから 喜びが満ちて来るように  私が生まれてきた訳は 愛しいあなたに出会うため 私が生まれてきた訳は 愛しいあなたを護るため
君を信じてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸人は皆 君のことを 駄目な奴と笑うけれど 僕だけは知っている 本当の君のことを  人は皆 君のことを 意気地無しと笑うけれど 僕だけは知っている 君の勇気 君の力  君は今 ほんの少し 迷い道でうろたえてるだけ  君を信じてる いつか本当の 君に会える そんな日が来る  君を信じてる 君の笑顔 どんな時でも 君を信じてる
心斎橋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之夢を見てた 桜の樹の下を ある日二人 通り抜けた時 ふと あなた急に 別れを告げたまま 心斎橋の向こうへ 消えてしまう夢  人は誰も こうして何かに 怯えるように 暮らすものかしら 幸せな程 不安を捜して 明日降るかも知れない雨のことを 悲しんでる 実は  嘘をついた この恋を守る為に あの人なら 許してくれると思うけど  悲しいことに 慣れ過ぎた人は 始めから全て あきらめているものかしら 心斎橋を 笑顔でこちらへ 渡ってくるあなたみてたら 涙が 何故か止まらない  信じてみる 桜の樹の下を 今夜二人 歩いてみよう あなたの笑顔 信じてみよう
冬物語さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君影草って呼び名があると 教えてくれたスズランの ブーケを胸に嫁ぐ日を 夢見てた君を覚えてる  僕は若くて薄情で 君の愛すら質に入れ 知らん顔して酒を浴び 見知らぬ女に愛された  君を幸せに出来ないことが 解っていたから壊れてた それでも互いの温もりだけは 信じていた 冬物語  惨めな僕を嘲笑いもせずに 見下ろしていた時計台 今でも胸に痛いほど あの鐘の音を忘れない  都会へゆくと心に決めて 吹雪の駅で別れたね ホームで凍る君を残して 僕は心まで捨ててきた  時は遙かに過ぎ去り今は 幾星霜のライラック 青春なんて言い訳は 綺麗事だと解ってる  やがて君が嫁いだことを 誰かの手紙で知ったとき 独りっきり声をあげて泣いた 宝物だった 冬物語  君影草って呼び名があると 教えてくれたスズランの ブーケを胸に嫁ぐ日を 夢見てた君を覚えてる
Dream~愛を忘れない~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしDream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない  澄み渡る信濃の空 君の夢の音 白銀の迷宮に 刻む夢の轍よ 時を越えて 胸に響く 君の笑顔と涙を 僕は忘れない 君と共にこの空に 架けた虹の名前と 五つの色を忘れないよ Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 愛を忘れない  はるかなる長野の風 君の夢の色 幻の銀盤に 刻む光の階 時を閉じて 心に届く 君の勇気と力を 僕は忘れない 君と共にこの空に 懸けた夢の名前と 五つの色を忘れないよ Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない  Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない
天空の村に月が降るさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸棚田の里に月が降る 三十三個の月が咲く 水無月末の満月の 螢きらきら散る夜に  君と二人で 声もなく 田毎の月を 見つめてた 幾何学模様に 並んだ稲の 水面かすめて 流れ星  あたかも雪が降るように 月夜の里は銀世界 幽かな風も無い夜に 天空の村に 月が降る  樹齢千年楠木の 足下石仏御宮社 祭間近の篝火に 神楽舞う人 美しき  薄墨色に 重ねた指の 君の細さに 息を呑む いずれ叶わぬ 恋ゆえに 螢焦がして 夢を焼く  余韻嫋々 啼く鳥の あれは羽音か 瀧の音 金色に塗り込められて 天空の村に 月が降る
娘へ ~大和撫子養成ギブス編~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしお前がいつか大人になって旅立つその朝に 世にも素敵な女になっているように 父さんは「大和撫子養成ギブス」という名前の お前の面倒なハードルになろう  お前が素敵な女にならなきゃいけないその訳は 歴史を変えるのは常に女だからだ どんな男も女に創られ女に振り廻される 父さん結構身に染みてたりする  偉大な女は 偉大な男を育て アホな女は アホな男を増やす やけっぱちでこんなこと 言うんじゃないんだよ ちょっと此頃 世の中 淋しくてね  冷静に思えば女に生まれたのは割合得だぞ 照れずすねずに まっすぐに生きてゆけ いじめられたらお大声で泣きなさい 困ったらいい顔で笑いなさい それはまあ水戸黄門の印篭みたいなもんだからね  勉強なんかしなくていい そんなこと言うと母さん怒るかな 知識なんて教養の一部に過ぎない 重箱の隅つつくようなこと学ぶより もっと大らかな 本当の笑顔について 学びなさい  やさしさは 相手の側に立つことで 厳しさは自分をいじめることで 学べ 相手の目を見て 話せなくなったなら ちょっとおかしいぞって 自分にきいてごらん  「男はみんな狼なのよ」それは父さんが保証します だからつきあう前に見せなさいね 黙って座ればピタリとわかる てなこといい乍ら 三回迄は こわさしてもらおうっと  けれどもいつかお前も本当に 人を愛するだろう 父さんお前に願っていることは その人の隣にいるお前の心が恥ずかしくないように 生きるんだよって ことだけさ  お前がいつか大人になって旅立つその朝に 世にも素敵な女になっているように 父さんは「大和撫子養成ギブス」という名前の お前の面倒なハードルになろう  偉大な女は 偉大な男を育て アホな女は アホな男を増やす やけっぱちでこんなこと 言うんじゃないんだよ ちょっと此頃 世の中 淋しくてね  やけっぱちでこんなこと 言うんじゃないんだよ やっぱり しあわせに なって欲しいんだよ
さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之またひとつ恋が生まれたよ 泣きたくなるほど いい子だよ 今度こそは 本当に しあわせに してやれると 思う 新宿発 あいつの町ゆき 今夜の夜行バスで ゆくつもり 今までいくつも 恋を迷って来たから 少しはきちんと 愛せると思う ビルの谷間で 狭い空を仰げば 折から朧に 上弦の月 北へ帰る 鳥が鳴いてゆく 缶ビール片手に 地図もない 俺の春  新宿発 あいつの町ゆき 最終バスに今 乗ったところ どんな顔で 笑ったらいいだろうか どんなふうに 抱きしめたらいいだろうか 三寒四温の 花冷えの旅立ちか お似合いじゃないか もう迷わない どこからか桜 降りしきる風の色 桜・桜咲くか 地図もない 俺の春  またひとつ恋が生まれたよ 泣きたくなるほど いい子だよ 今度こそは 本当に しあわせに してやれると 思う
クリスマス・ローズさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦思い出の輪郭が 少しずつほどけてくると 思い出は全て 美しくぼやける もののようね 久しぶりに あなたの 故郷を訪ねたら 何故だか あの頃よりも 暖かくて 泣きそうになるわ  金色の麦畑の中を ただまっすぐに 一筋の小径が 地平線まで 伸びていたね ふたりきりで 手をつなぎ 歩いたあの頃 その道は 「永遠」まで 続くと 信じていた  あなたと暮らした 小さな川の 畔の小さな家は あの頃のまま 時間を止めて 私を 待っていた  見知らぬ人がささやかに暮らしてる 家の庭の 片隅にはあの頃よりも大きく 育った 桜 桜、桜、あなたが 植えた花が あんなに 綺麗に 咲いているよ 嬉しくて 泣きそうになるわ  雪解けで水かさが増している 小さな川の 跳ね橋の上をゆくひとがそっと私を見ているわ 思い出とは こうして 振り返るだけでなく 昔を 許すために 少しずつ 育つものらしい  思い出したわ あの頃そっと 私が植えた花を 桜の下の 木陰のあたり ほら まだ咲いてる  まるであなたに 抱きしめられた あの日の私のように 涙を止めて 時間を止めて 私の クリスマス・ローズ  忘れないで 居てくれたのね 二人の クリスマス・ローズ
プラネタリウムさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君の手に触れた時の プラネタリウムの空の色 暁の中秋無月群青に流れる星の二つ三つ 5億光年離れても超新星残骸空に咲く花 ほら理(イデア)と情(パトス)の狭間で二人の恋が揺れている  茉莉花(ジャスミン)の花が咲いたよ 地中海のほとりで 自由のために生命を投げ出す人がいる  ボクラハナニモノ  132億光年 プラネタリウムの空の色 明暗の宙に天つ雁 明星をよぎる影の二羽三羽 5億光年離れても見える星は幾つもあるというのに 2センチより近くても 君は遙か銀河よりも遠い  茉莉花(ジャスミン)の花は咲かない 何故だかこの国では 幸せ疲れで自由が見えなくなったのかな  ボクラハナニモノ  君の手に触れた時の プラネタリウムの空の色 暁の中秋無月群青に流れる星の二つ三つ
夢唄さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦夢の在所を 尋ね訪ねてゆく子らに 親はあれども 親は無し 寂し寂しや 肩に降り積む冬紅葉 友はあれども 友は無し 抱きしめて 暖めてやりたいよ  夢の在所に 迷い迷って散る花に 恋はあれども 愛は無し こころころころ 吹き抜けてゆく虎落笛 愛はあれども 情は無し 泣きながら 慰めてやりたいよ  夢の在所に 辿り疲れた指の皺 日暮れ眺めて 道遠し 哀し哀しや 言葉木枯らし鎌鼬 吾が育てた 子に伐られ  あはれあはれと 哭く鳥は あはれあはれと 哭くばかり 生きて生きてと 歌うなら 生きて生きて生きて歌え 夢唄  夢唄 負けてたまるかと 夢唄 歌い続けるよ 夢唄 聞こえるか 夢唄
茅蜩さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君が剥く梨(ありのみ)の香りの記憶 二十世紀は遠ざかりゆく 茅蜩(ヒグラシ)のかなかなかなと去りゆけば 山の端に宵の明星 忘れ色に舞う姫蛍 桜の散るように 一つ消え二つ灯してまた消えて 誰もいなくなった 音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ 鳴く虫よりもあはれなり  夕去ればいつの間にやら機織女(きりぎりす) 季節も恋も遠ざかりゆく 暗幕を果物ナイフで裂く如く 街の背に白い三日月 胸の煙は消えもせず 恋の名前を呼ぶ 一つ消し二つ灯してまた消して 君を数えた 己が火を木々に蛍や花の宿 二十世紀は遠ざかりゆく  茅蜩(ヒグラシ)のかなかなかなと去りゆけば
転校生(ちょっとピンボケ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸バスを待つ君の長い髪に Blow in the wind 僕は今 物語を一人で読み返してる 僕の目の前に 君が現れたHalloween 寄宿舎は大騒ぎ カボチャと君の噂で みんな君に熱を上げて 波乱含みで迎えた Christmas Eve 驚く事に 冴えない僕を 何故か君は選んだ (Woo!) うろたえて 僕はWHISKYをがぶ飲みし そのせいか僕が撮った君の写真は ちょっとピンボケ  そのまま酔っぱらって醒めずに迎えた New Years Eve 初めてKissした 愛しのSt.Valentine 喧嘩してまずくなり どうにか仲直りEaster 思い出が多過ぎて 一人じゃ数えられない そんな君が帰ってく 来たときみたいに風の様に バスがやってくる 振返って君は なにか言おうとした 手を振り遠ざかる 君を追いかけ Blow in the wind 見送る風景が ちょっとピンボケ
The Best for YouさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしWhen I was young 今迄に いくつもの恋を 重ねて来た せつない恋 悲しい恋 卑怯な恋さえあった I was alone 愛しても 何処か心に風が吹いていた 求めてばかりいたから いつもひとりだった  Nobody told me 誰ひとり 教えてくれなかった Nobody loved me 私は 一度も愛されたことがなかった  初めて心から安らげる お前に会った The Best for Me  静かに腕の中で 眠りにつく お前の横顔は 疑いのかけらもない それが愛だと語る様に  You never leave me お前だけに 荷物は持たせない I never let you go 生命をかけて 守ると云わせて 今 私は  お前にふさわしい おだやかな愛になりたい お前が心から安らげる人になりたい The Best for You  The Best for You
残照さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君と二人で旅したあの町 もう僕は帰れない まして誰かと肩を並べて 思い出は作れない けれども君はひとりでもしくは 他の誰かと 幾度もあの場所訪ねただろう 思い出を守るため 女心と君は言い 男心と僕が言う 人と人としてなら それは同じものなのに だからこそ愛し合えるのに 僕らは  君はおそらく別れたあの日の 僕の嘘を見抜いていた それを承知でいつもの笑顔で 思い出を守った 僕が今更みつめているのは そんな君の残照 遠ざかる程あざやかになり 思い出が動いてる 君の好きだったあの店 君に教わったあの歌 どうしていつまでも忘れない 別のしあわせに居るのに 空に描かれた飛行機雲 いつの間にか ほどけて消えた
奇跡の人さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄この頃僕ふと思うねん なんや藪から棒やなあ ちゃんと結婚出来るんか ま、出来たら奇跡やなあ 家庭は二人で作るもの そりゃまあそのとおり 奇跡の相手に出会えるんやろか ああ それはほんまやなー  若い子見てたら腰引けんねん ちょと解る気するわ プライド剥き出しそのくせ下品 確かにそんな子多いなあ 自分にだけしか興味は無いし 平気で嘘付く誰でもため口 朝から晩まで人の悪口 利己主義恥じない人だらけ  嘘でも清潔そうにしろ いや嘘はやっぱあかんて 上から目線で何でも言うな  俺を支配するな ありがとうとごめんなさいは ちゃんと言葉に出しなさい 見てくればかりが魅力じゃないよ 心の錦が大事だよ  ああ なんて切ないんだろ 駄目な子ばかり目立つのか けど絶対夢は手放さない 俺も悪いとこ直すから 此の世のどこかに 生まれてるはずの 君に会いたい  一所懸命な人を 笑ったら許さへん スマホじゃなくて俺を見ろよ 会話が一番大事さ 言葉遣いと礼儀だけは ちゃんとしとこうよ 冷たい人とは暮らせない 心の温度の話やで  真面目な色気と人の好さ 俺の友だち大切に 笑顔が似合って優しくて 上手に男を立てる人 気遣い上手で家庭的 辛いときこそ側に居て どんなときでも互いの味方 元気で明るい君が良い  ああ 巡り会えるのか そんな子きっと居るだろか こんな俺でも愛してくれる人 俺も駄目なとこ直すから ひょっとしてもう側に居て 気づいていないだけの 君に会いたい  じいちゃんばあちゃんになったら 介護し合おうな 笑いの絶えない暮らしが  出来たらいいな 恥ずかしくて言えなくても 愛しているからな 死ぬとき手紙を残すから 「今でも大好き」と  ああ 全てにありがとう 出会えて幸せでしたと 奇跡の人と暮らせたなら 俺好い奴になるからな 幸せ沢山抱えて どこかで待ってる 君に会いたい
桜紅葉さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし河野圭桜は春にだけ 美しいのではない ひともまた然り 月は夜にだけ 美しいのではない ひともまた然り 秋の日の桜紅葉に春の夢 密やかに 生まれています 愛しい人を お守り下さい  晴れの日ばかりが 続くものではない ひともまた然り 雨の日ばかりが 続くものではない ひともまた然り 出会いあり 別れありまた見失い いつの日か 邂逅(めぐりあ)うのです 愛しい人を お守り下さい  生命より大切なものがあること 今更に 思い募ります  愛しい人を お守り下さい お守り下さい
心にスニーカーをはいてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし何かに追われて あなたはとても疲れてる よそゆきの服を 無理矢理心に着込んでる  失くした夢を数えるより 生まれて来る夢を抱いて 笑うほうが似合ってる あなたはあなたでいて欲しい  心にスニーカーをはいて 飾らない言葉で抱きしめて 素顔のままで充分な程 あなたは あたたかい  何かを求めて あなたはとても疲れてる 「幸せ」は欲しいけど「幸せに似たもの」はいらない  真空パックのまごころや インスタントの愛だなんて そんなものいらない あなたはあなたでいて欲しい  心にスニーカーをはいて 飾らない言葉で抱きしめて 素顔のままで充分な程 あなたは あたたかい  心にスニーカーをはいて 飾らない言葉で抱きしめて 素顔のままで充分な程 あなたは あたたかい  心にスニーカーをはいて 飾らない言葉で抱きしめて 素顔のままで充分な程 あなたは あたたかい
とこしへさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし「とこしへ」とてのひらにそっと書いてみた 永遠や永久より遙かな匂いがした  あなたを想へば 僕の心に 浮かぶ言葉はいつも「とこしへ」 夏の暑さに 冬の寒さに 耐えて季節を待つ花のように  いつの日か いつの日か しあわせになれますように つつましく おだやかに 暮らしてゆけますように  「とこしへ」とてのひらにそっと握りしめた 悲しみや後悔が消えゆく匂いがした  過ぎ去った昨日を悔やまずに まだ来ない明日を怖れずに 春の朝を 秋の夕べを 柔らかに過ごせますように  坂道を 坂道を 手を離さず歩き続けて 大切なあなたを 護ってゆけますように  いつの日か いつの日か しあわせになれますように つつましく おだやかに 暮らしてゆけますように  とこしへに とこしへに しあわせになれますように
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