二葉百合子の歌詞一覧リスト  55曲中 1-55曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
あゝ笠戸丸(セリフ) 「ああ、あれから何年いいえ、何十 年たったことでしょう。笠戸丸のデッキから 万歳、万歳と声を限りに叫びつづけたのが、 まるで昨日のことのようでございます」  行くも送るも 血を吐く想い 叫び続けた あの日の港 錦かざって 帰る誓いの 真赤なテープ 波に千切れりゃ ああ ふるさとの 旗も泣いてた 笠戸丸  つらい長雨 つれない旱(ひでり) 祈る両手を 突きさす夜風 意地をたよりに 他国ぐらしを 堪(こら)えて来たが いつも偲ぶは ああ ふるさとの 祭り囃子よ 藁の屋根  (セリフ) 「血の滲むような苦労の毎日で ございました。桜の季節が来るたび、雪 の便りをきくたびにせめて一度、一度だ けでいい。この足でふるさとの土を踏んで みたい……しきりに思うのでございます」  盆にゃ行けるか 正月頃か 噂きくたび 心がうずく 遠くはなれて 積り積った 思いを数を 夢のふるさと ああ ふるさとの 山に向って ぶつけたい二葉百合子横井弘遠藤実(セリフ) 「ああ、あれから何年いいえ、何十 年たったことでしょう。笠戸丸のデッキから 万歳、万歳と声を限りに叫びつづけたのが、 まるで昨日のことのようでございます」  行くも送るも 血を吐く想い 叫び続けた あの日の港 錦かざって 帰る誓いの 真赤なテープ 波に千切れりゃ ああ ふるさとの 旗も泣いてた 笠戸丸  つらい長雨 つれない旱(ひでり) 祈る両手を 突きさす夜風 意地をたよりに 他国ぐらしを 堪(こら)えて来たが いつも偲ぶは ああ ふるさとの 祭り囃子よ 藁の屋根  (セリフ) 「血の滲むような苦労の毎日で ございました。桜の季節が来るたび、雪 の便りをきくたびにせめて一度、一度だ けでいい。この足でふるさとの土を踏んで みたい……しきりに思うのでございます」  盆にゃ行けるか 正月頃か 噂きくたび 心がうずく 遠くはなれて 積り積った 思いを数を 夢のふるさと ああ ふるさとの 山に向って ぶつけたい
赤穂浪士花の大江戸 空飛ぶ雲は 遥か赤穂の 流れ雲 時は元禄 泰平なれど 君に忠節 尽くさんと 四十七士の 四十七士の晴れ姿  (セリフ) 「おそれながら徳川幕府の御 政道(ごせいどう)に物申す 御事(おんこと)の発端(ほったん)は 主君浅野と吉良(きら)殿の 武士(もののふ)同士の遺恨沙汰(いこんざた) お咎(とが)めならば 両成敗(りょうせいばい)がしかるべき なれど身は切腹の血しぶきに 染めて断絶赤穂城 遺恨を晴らして 忠節忠義 殿のお側(そば)に 参りまする」  春の名残りを 桜に問うて 散りて儚(はかな)き 運命(さだめ)かよ 松の廊下の 葵(あおい)の風に あおぐお城も 崩(くず)れゆく 哭(な)くか路頭(ろとう)の 哭(な)くか路頭(ろとう)のはぐれ鳥  殿の無念の 裁きは如何(いか)に 上意理不尽(じょういりふじん) 片手落ち 若き命も 老いたる身でも 赤穂浪士と 名を連(つら)ね かざす白刃に かざす白刃に鬨(とき)の声二葉百合子嶋淳平山中博花の大江戸 空飛ぶ雲は 遥か赤穂の 流れ雲 時は元禄 泰平なれど 君に忠節 尽くさんと 四十七士の 四十七士の晴れ姿  (セリフ) 「おそれながら徳川幕府の御 政道(ごせいどう)に物申す 御事(おんこと)の発端(ほったん)は 主君浅野と吉良(きら)殿の 武士(もののふ)同士の遺恨沙汰(いこんざた) お咎(とが)めならば 両成敗(りょうせいばい)がしかるべき なれど身は切腹の血しぶきに 染めて断絶赤穂城 遺恨を晴らして 忠節忠義 殿のお側(そば)に 参りまする」  春の名残りを 桜に問うて 散りて儚(はかな)き 運命(さだめ)かよ 松の廊下の 葵(あおい)の風に あおぐお城も 崩(くず)れゆく 哭(な)くか路頭(ろとう)の 哭(な)くか路頭(ろとう)のはぐれ鳥  殿の無念の 裁きは如何(いか)に 上意理不尽(じょういりふじん) 片手落ち 若き命も 老いたる身でも 赤穂浪士と 名を連(つら)ね かざす白刃に かざす白刃に鬨(とき)の声
あの娘が泣いてる波止場思い出したんだとさ 逢いたくなったんだとさ いくらすれても 女はおんな 男心にゃ わかるもんかと 沖の煙を 見ながら あゝ あの娘(こ)が泣いてる 波止場  (セリフ) 「なによ、マドロスなんて 浮気で邪険で薄情で… でも…会いたいのよ」  呼んでみたんだとさ 淋しくなったんだとさ どうせカーゴの マドロスさんは 一夜(いちや)泊まりの 旅の鴎(かもめ)と 遠い汽笛を しょんぼり あゝ あの娘は聞いてる 波止場  (セリフ) 「もう大丈夫よ。涙が涸れちゃ ったの。私、泣いたりして馬鹿ね。そう、 悟ったの。そしたらわかったの。 だから待つ気になりました」  涙捨てたんだとさ 待つ気になったんだとさ 海の鳥でも 月夜にゃきっと 飛んで来るだろ 夢ではろばろ それをたよりに いつまで あゝ あの娘がたたずむ 波止場  (セリフ) 「あなた、どうぞご無事で 早く帰ってきて!待ってるわ」二葉百合子高野公男船村徹思い出したんだとさ 逢いたくなったんだとさ いくらすれても 女はおんな 男心にゃ わかるもんかと 沖の煙を 見ながら あゝ あの娘(こ)が泣いてる 波止場  (セリフ) 「なによ、マドロスなんて 浮気で邪険で薄情で… でも…会いたいのよ」  呼んでみたんだとさ 淋しくなったんだとさ どうせカーゴの マドロスさんは 一夜(いちや)泊まりの 旅の鴎(かもめ)と 遠い汽笛を しょんぼり あゝ あの娘は聞いてる 波止場  (セリフ) 「もう大丈夫よ。涙が涸れちゃ ったの。私、泣いたりして馬鹿ね。そう、 悟ったの。そしたらわかったの。 だから待つ気になりました」  涙捨てたんだとさ 待つ気になったんだとさ 海の鳥でも 月夜にゃきっと 飛んで来るだろ 夢ではろばろ それをたよりに いつまで あゝ あの娘がたたずむ 波止場  (セリフ) 「あなた、どうぞご無事で 早く帰ってきて!待ってるわ」
アンコ可愛いや赤く咲いても 椿の花は ホロリ落ちそで 落ちぬとさ アンコ可愛いや 紅椿 どこのどなたに どこのどなたに 落ちる気か  (セリフ) 「あゝどうしたのかしらあの人。 三原山がまた火を噴いているのに あゝ汽笛、船が入った、波浮の港へ。」  島の御神火 燃えたつ夜は 胸に想いを 焦がすとさ アンコ可愛いや 紅椿 今日も岬で  今日も岬で 誰を待つ  (セリフ) 「あの人来なかった。ひとりぼっ ちの島の娘はやっぱりこれでいいのかし ら……。」  沖の瀬(せ)の瀬で 汐鳴る宵は 夢で千鳥も 嘆くとさ アンコ可愛いや 紅椿 といた黒髪 といた黒髪 胸に抱く二葉百合子松村又一上原げん赤く咲いても 椿の花は ホロリ落ちそで 落ちぬとさ アンコ可愛いや 紅椿 どこのどなたに どこのどなたに 落ちる気か  (セリフ) 「あゝどうしたのかしらあの人。 三原山がまた火を噴いているのに あゝ汽笛、船が入った、波浮の港へ。」  島の御神火 燃えたつ夜は 胸に想いを 焦がすとさ アンコ可愛いや 紅椿 今日も岬で  今日も岬で 誰を待つ  (セリフ) 「あの人来なかった。ひとりぼっ ちの島の娘はやっぱりこれでいいのかし ら……。」  沖の瀬(せ)の瀬で 汐鳴る宵は 夢で千鳥も 嘆くとさ アンコ可愛いや 紅椿 といた黒髪 といた黒髪 胸に抱く
一本刀土俵入り山と積まれたお宝さえも 人の情けにゃ 代えられぬ なんで忘れよ 花かんざしに こもる心を 受けて茂兵衛の こらえ泣き  (セリフ) 「取的さん、お前本当に精を出し て立派な関取りにおなり、いっしょう懸命お やり、そうして故郷のおッ母さんのお墓の 前で横綱の土俵入りを、きっとやるんだよ」  厚い化粧に 涙をかくす 茶屋の女も 意地はある まして男よ 取的さんよ 見せてお呉れな きっとあしたの 晴れ姿  (セリフ) 「おおお蔦さん、棒ッ切れを振 りまわしてする茂兵衛のこれが十年前 に、櫛・笄・巾着ぐるみ、意見をもらった 姐さんに、せめて見てもらう駒形の、し がねえ姿の土俵入りでござんす」  逢えて嬉しい 瞼の人は つらい連れ持つ 女房雁 飛んで行かんせ どの空なりと これがやくざの せめて白刃の 仁義沙汰二葉百合子藤間哲郎桜田誠一山と積まれたお宝さえも 人の情けにゃ 代えられぬ なんで忘れよ 花かんざしに こもる心を 受けて茂兵衛の こらえ泣き  (セリフ) 「取的さん、お前本当に精を出し て立派な関取りにおなり、いっしょう懸命お やり、そうして故郷のおッ母さんのお墓の 前で横綱の土俵入りを、きっとやるんだよ」  厚い化粧に 涙をかくす 茶屋の女も 意地はある まして男よ 取的さんよ 見せてお呉れな きっとあしたの 晴れ姿  (セリフ) 「おおお蔦さん、棒ッ切れを振 りまわしてする茂兵衛のこれが十年前 に、櫛・笄・巾着ぐるみ、意見をもらった 姐さんに、せめて見てもらう駒形の、し がねえ姿の土俵入りでござんす」  逢えて嬉しい 瞼の人は つらい連れ持つ 女房雁 飛んで行かんせ どの空なりと これがやくざの せめて白刃の 仁義沙汰
命尊し空の広さと くらべたら あなたの悩みは 小さいよ いじめに負けて 泣くなんて 元気を出して 立ち上がれ 死ぬなんて だめです 強く・強く生きるのよ  (孤独の中からさがした夢は一生の宝物です 親が子を 子が親を それに いじめ… 弱い者を苦しめる卑怯者など相手にせずに 尊い命を大切にしなさい あなたは生きる為に生まれてきたのですよ)  愛があるから 人は生き トゲ持つ言葉が 苦しめる いじめを受けて 悩まずに 家族につらさ 話すのよ 死ぬなんて だめです 春は・春はきっと来る  (この世で起きた事ならば この世で解決できるはず 苦しみをかみしめて初めて人の優しさが判るものです ほら あの青空の虹のように きれいに輝いてください あなたは生きる為に生まれてきたのですよ)  死ぬなんて だめです 強く・強く生きるのよ二葉百合子遠藤実遠藤実空の広さと くらべたら あなたの悩みは 小さいよ いじめに負けて 泣くなんて 元気を出して 立ち上がれ 死ぬなんて だめです 強く・強く生きるのよ  (孤独の中からさがした夢は一生の宝物です 親が子を 子が親を それに いじめ… 弱い者を苦しめる卑怯者など相手にせずに 尊い命を大切にしなさい あなたは生きる為に生まれてきたのですよ)  愛があるから 人は生き トゲ持つ言葉が 苦しめる いじめを受けて 悩まずに 家族につらさ 話すのよ 死ぬなんて だめです 春は・春はきっと来る  (この世で起きた事ならば この世で解決できるはず 苦しみをかみしめて初めて人の優しさが判るものです ほら あの青空の虹のように きれいに輝いてください あなたは生きる為に生まれてきたのですよ)  死ぬなんて だめです 強く・強く生きるのよ
祝い船(セリフ) 「結婚おめでとう 本当におめ でとうございます」  晴れの門出の はなむけに 唄に踊りに 手拍子を 今日はめでたい 心の船出 辛いこの世の 荒波越えて ドンと漕ぎ出す 祝い船  「高砂や この浦船に 帆をあげて 月もろともに 入り汐の…」 (セリフ) 「二人 絆の人生航路 旅立ち を祝い無事を心からお祈りします」  今度港に 着くときは 小舟孫舟 連れて来い 今日はめでたい 二人の船出 愛の積荷と しあわせ乗せて 鶴と亀との 祝い船  (セリフ) 「どうかお二人 力を合わせ立 派な家庭を築き末永くお幸せに」  いまは名もない 舟だけど いつかなります 宝船 今日はめでたい 希望の船出 夢の帆柱 天までとどけ 舵を明日(あした)へ 祝い船二葉百合子千葉幸雄・補作詞:野村耕三中村典正(セリフ) 「結婚おめでとう 本当におめ でとうございます」  晴れの門出の はなむけに 唄に踊りに 手拍子を 今日はめでたい 心の船出 辛いこの世の 荒波越えて ドンと漕ぎ出す 祝い船  「高砂や この浦船に 帆をあげて 月もろともに 入り汐の…」 (セリフ) 「二人 絆の人生航路 旅立ち を祝い無事を心からお祈りします」  今度港に 着くときは 小舟孫舟 連れて来い 今日はめでたい 二人の船出 愛の積荷と しあわせ乗せて 鶴と亀との 祝い船  (セリフ) 「どうかお二人 力を合わせ立 派な家庭を築き末永くお幸せに」  いまは名もない 舟だけど いつかなります 宝船 今日はめでたい 希望の船出 夢の帆柱 天までとどけ 舵を明日(あした)へ 祝い船
浮き草人情あんな亭主(ていしゅ)と 笑わりょが 惚れて連(つ)れ添(そ)や わたしの命 浮き草人情 合縁奇縁(あいえんきえん) 極楽トンボに なさけをかけて 着のみ着のまま ついて来た  鯵(あじ)のたたきに 燗(かん)つけて 酔えば嬉(うれ)しい おもいで月夜 浮き草人情 八百八橋…… 泣きごと言う間にゃ 尽(つ)くすと決めて 耐(た)えてしのんだ 露地(ろじ)ぐらし  金は無(の)うても えやないの 辛抱がまんが なんぼのもんや 浮き草人情 こころは錦…… 明日(あした)を信じて 夫婦(めおと)が咲かす 花を散らすな 春の風二葉百合子水木れいじ久保進一あんな亭主(ていしゅ)と 笑わりょが 惚れて連(つ)れ添(そ)や わたしの命 浮き草人情 合縁奇縁(あいえんきえん) 極楽トンボに なさけをかけて 着のみ着のまま ついて来た  鯵(あじ)のたたきに 燗(かん)つけて 酔えば嬉(うれ)しい おもいで月夜 浮き草人情 八百八橋…… 泣きごと言う間にゃ 尽(つ)くすと決めて 耐(た)えてしのんだ 露地(ろじ)ぐらし  金は無(の)うても えやないの 辛抱がまんが なんぼのもんや 浮き草人情 こころは錦…… 明日(あした)を信じて 夫婦(めおと)が咲かす 花を散らすな 春の風
梅川忠兵衛雪のふるさと 落ち行く影は 死出の晴着の 梅川忠兵衛 恋の意気地の 封印切りに 夢もちりぢり エゝ 追われ旅  親子つないだ 縁の糸は 晴れて名のれぬ せつない小糸 握る手と手も 目かくしゆえに ふるえふるえて エゝ たゞ涙  父が情けで 指さす道へ 比翼かなしや 梅川忠兵衛 罪と不孝を 重ねて背負って 果てはどこやら エゝ 雪が散る二葉百合子横井弘白石十四男雪のふるさと 落ち行く影は 死出の晴着の 梅川忠兵衛 恋の意気地の 封印切りに 夢もちりぢり エゝ 追われ旅  親子つないだ 縁の糸は 晴れて名のれぬ せつない小糸 握る手と手も 目かくしゆえに ふるえふるえて エゝ たゞ涙  父が情けで 指さす道へ 比翼かなしや 梅川忠兵衛 罪と不孝を 重ねて背負って 果てはどこやら エゝ 雪が散る
お夏清十郎可愛いお夏を 小舟にのせて 花の清十郎に 漕がせたや 春は夜明けの ソレ こがれ潮  (セリフ)お夏 「初の契りは尾上の桜。薄 紅のぼんぼりが瞬たきはじめた小袖幕 の蔭であった。忘れはせぬ。未来までも と誓った仲……なのに………清十郎の 姿は見えぬ………どこへいった。逢いた い。あ………逢いたい………」  向う通るは 清十郎じゃないか 笠がよう似た 菅笠が 何故に恋しい ソレ 顔かくす  (セリフ)お夏 「ああ違う、清十郎ではな い。何じゃと? 百両の金を奪った科(とが)に より、清十郎は仕置きを受けたと?嘘 じゃ。清十郎は奪(と)りはせぬ。奪らぬ者が 仕置とは…」  清十郎殺さば お夏も殺せ 生きて思いを さしょよりも なまじ情けが ソレ 仇となる  (セリフ)お夏 「アハハハ、誰も知らぬのじ ゃ。清十郎は死にはせぬ。ここにいる。 いつまでも、わしの胸の中にいるのじゃ。 アハハ、アハハハ、アハハハ……………」二葉百合子佐藤惣之助大村能章可愛いお夏を 小舟にのせて 花の清十郎に 漕がせたや 春は夜明けの ソレ こがれ潮  (セリフ)お夏 「初の契りは尾上の桜。薄 紅のぼんぼりが瞬たきはじめた小袖幕 の蔭であった。忘れはせぬ。未来までも と誓った仲……なのに………清十郎の 姿は見えぬ………どこへいった。逢いた い。あ………逢いたい………」  向う通るは 清十郎じゃないか 笠がよう似た 菅笠が 何故に恋しい ソレ 顔かくす  (セリフ)お夏 「ああ違う、清十郎ではな い。何じゃと? 百両の金を奪った科(とが)に より、清十郎は仕置きを受けたと?嘘 じゃ。清十郎は奪(と)りはせぬ。奪らぬ者が 仕置とは…」  清十郎殺さば お夏も殺せ 生きて思いを さしょよりも なまじ情けが ソレ 仇となる  (セリフ)お夏 「アハハハ、誰も知らぬのじ ゃ。清十郎は死にはせぬ。ここにいる。 いつまでも、わしの胸の中にいるのじゃ。 アハハ、アハハハ、アハハハ……………」
母子酒誰が憎くて 我が子を棄てる 怨(うら)んじゃいけない 父さんを 回り道して いつかは帰る 信じて母娘(おやこ)で 縄のれん 明りともして… 待っていましょう あの人を  父を訪ねて 隠れて行った 娘のこころを 何故叱る 縁は切れても 絆は切れぬ 運命(さだめ)のむごさに 泣けました 紅を拭きとる… 指もせつない 雨の夜は  妻を捨てた日 女も捨てて 明日はおまえの 晴れ姿 苦労しただけ しあわせになれ 祈っております 母さんは 酔っていいでしょ… 一生一度の 母子酒二葉百合子吉岡治岡千秋誰が憎くて 我が子を棄てる 怨(うら)んじゃいけない 父さんを 回り道して いつかは帰る 信じて母娘(おやこ)で 縄のれん 明りともして… 待っていましょう あの人を  父を訪ねて 隠れて行った 娘のこころを 何故叱る 縁は切れても 絆は切れぬ 運命(さだめ)のむごさに 泣けました 紅を拭きとる… 指もせつない 雨の夜は  妻を捨てた日 女も捨てて 明日はおまえの 晴れ姿 苦労しただけ しあわせになれ 祈っております 母さんは 酔っていいでしょ… 一生一度の 母子酒
母子船頭唄(セリフ) 「母さんほらあんなきれいなお 月さんが」 「まぁほんとうに今夜は特にきれいだわねぇ」 「父さんも戦地でこのお月さん見てるかなぁ」 「そうねぇつい先だっての父さんからの手紙 にはあまり激しい戦闘もなく手柄話の書 きようがないってあったからひょっとして今 頃はおまえのことなどを考えながらこの お月さんを眺めているかも知れないよ」 「そうだといいねお母さん」  利根のお月さん 空の上 ぼくとかあさん 水の上 漕いで流して 日が暮れる 船頭ぐらしは さびしいな  水に流れる お月さん 遠い戦地の とうさんも ぼくやかあさん 思い出し どこで眺めて いるでしょか  (セリフ) 「父さんが無事帰ってくるまで はお前も母さんもまだまだ頑張らなく てはねぇ」  もしもお月さん 鏡なら 戦闘帽子で とうさんが 進む笑顔を ひと目でも 見せて下さい お月さま  (セリフ) 「ねぇ母さん二人してお月さん に父さんの無事を祈ろうよ」  こんな晩には 父さんが いつもうたった 船唄を かあさんふたりで 元気よく 漕いで流して うたおうよ  (セリフ) 「父さーん」二葉百合子佐藤惣之助細川潤一(セリフ) 「母さんほらあんなきれいなお 月さんが」 「まぁほんとうに今夜は特にきれいだわねぇ」 「父さんも戦地でこのお月さん見てるかなぁ」 「そうねぇつい先だっての父さんからの手紙 にはあまり激しい戦闘もなく手柄話の書 きようがないってあったからひょっとして今 頃はおまえのことなどを考えながらこの お月さんを眺めているかも知れないよ」 「そうだといいねお母さん」  利根のお月さん 空の上 ぼくとかあさん 水の上 漕いで流して 日が暮れる 船頭ぐらしは さびしいな  水に流れる お月さん 遠い戦地の とうさんも ぼくやかあさん 思い出し どこで眺めて いるでしょか  (セリフ) 「父さんが無事帰ってくるまで はお前も母さんもまだまだ頑張らなく てはねぇ」  もしもお月さん 鏡なら 戦闘帽子で とうさんが 進む笑顔を ひと目でも 見せて下さい お月さま  (セリフ) 「ねぇ母さん二人してお月さん に父さんの無事を祈ろうよ」  こんな晩には 父さんが いつもうたった 船唄を かあさんふたりで 元気よく 漕いで流して うたおうよ  (セリフ) 「父さーん」
お雪物語鬼と世間は 指さすけれど やはり人の子 ひとりでは 命捨て身で 生きてく方(かた)の 熱い情けに お雪は解(と)ける 京の宿  (セリフ) 「尊皇とか佐幕とか 女にはど うでも良いのでございます。私にとって 大事なのはこの世の中に土方歳三様た だおひとり。」  加茂の河原に 時雨(しぐれ)が走る 今日も誰かの なみだ雨 強い方だと 分っていても もしやもしやと お雪はまたも 先案じ  (セリフ) 「卑怯者とうしろ指をさされよ うとも、どうぞどうぞ生きて戻って下さ いませ。土方様のお命はお雪の命でご ざいます。」  北の彼方にゃ 届かぬ祈り いつか跡絶(とだ)えた 風だより 惚れたお方の 供養のために ひとり生きてく お雪は強い 京おんな二葉百合子木下龍太郎四方章人鬼と世間は 指さすけれど やはり人の子 ひとりでは 命捨て身で 生きてく方(かた)の 熱い情けに お雪は解(と)ける 京の宿  (セリフ) 「尊皇とか佐幕とか 女にはど うでも良いのでございます。私にとって 大事なのはこの世の中に土方歳三様た だおひとり。」  加茂の河原に 時雨(しぐれ)が走る 今日も誰かの なみだ雨 強い方だと 分っていても もしやもしやと お雪はまたも 先案じ  (セリフ) 「卑怯者とうしろ指をさされよ うとも、どうぞどうぞ生きて戻って下さ いませ。土方様のお命はお雪の命でご ざいます。」  北の彼方にゃ 届かぬ祈り いつか跡絶(とだ)えた 風だより 惚れたお方の 供養のために ひとり生きてく お雪は強い 京おんな
女国定上州小町は 昔のことさ 今じゃ呼び名も 火の車 丁と張りましょ 若し半でたら 見せて上げましょ この肌を  (セリフ) 「手前生国と発しますは 関東にござ んす 関東関東と申しましても いさ さか広うござんす 上州は山田郡赤城の山のふきおろし 天王村にござんす 庄屋の家におぎゃぁと発しました手前 こそ女らしさはみじんも無く お見か け通りの白むく鉄火 一天地六の賽の 目に張った命は利根川の深さに勝さる 不孝者にござんす 親の意見も空吹く風とふき流し 四六 三年半目を売って長脇差(どす)を抱き寝の旅 がらす 名前申し上げます失礼さんに 御座んす 通称火の車お万と発しまして 稼業昨 今駆け出しもんに御座んす」  女だてらに 仁義を切って 結ぶ一夜の かりの宿 ぐれたこの身を くやむじゃないが 夢で泣く夜も たまにゃある  風に吹かれて 旅から旅へ やくざ渡世の 七曲り 胸に抱いてる 故郷の空を 晴れて見る日は 何時じゃやら二葉百合子山崎正山口俊郎上州小町は 昔のことさ 今じゃ呼び名も 火の車 丁と張りましょ 若し半でたら 見せて上げましょ この肌を  (セリフ) 「手前生国と発しますは 関東にござ んす 関東関東と申しましても いさ さか広うござんす 上州は山田郡赤城の山のふきおろし 天王村にござんす 庄屋の家におぎゃぁと発しました手前 こそ女らしさはみじんも無く お見か け通りの白むく鉄火 一天地六の賽の 目に張った命は利根川の深さに勝さる 不孝者にござんす 親の意見も空吹く風とふき流し 四六 三年半目を売って長脇差(どす)を抱き寝の旅 がらす 名前申し上げます失礼さんに 御座んす 通称火の車お万と発しまして 稼業昨 今駆け出しもんに御座んす」  女だてらに 仁義を切って 結ぶ一夜の かりの宿 ぐれたこの身を くやむじゃないが 夢で泣く夜も たまにゃある  風に吹かれて 旅から旅へ やくざ渡世の 七曲り 胸に抱いてる 故郷の空を 晴れて見る日は 何時じゃやら
おんな無法松なにを好んで 買うのじゃないが 売られた喧嘩は 受けて立つ あれは おんなの無法松 うしろ指さす 指さきで 一つ舞おうか ああんあんあー 祇園太鼓の 暴れ打ち 暴れ打ち  口が裂けても 云えない人の 面影ばかりの 一升酒 男まさりが 紅つけて 惚れたはれたも あるもんか 一つ唄おか ああんあんあー 月に泣いてる うしろ影 うしろ影  空に響けよ 玄界灘の 怒涛(なみ)に砕けて 華と咲け これが おんなの無法松 切った啖呵は 伊達じゃない 一つかまそか ああんあんあー 小倉名代の 心意気 心意気二葉百合子吉岡治岡千秋なにを好んで 買うのじゃないが 売られた喧嘩は 受けて立つ あれは おんなの無法松 うしろ指さす 指さきで 一つ舞おうか ああんあんあー 祇園太鼓の 暴れ打ち 暴れ打ち  口が裂けても 云えない人の 面影ばかりの 一升酒 男まさりが 紅つけて 惚れたはれたも あるもんか 一つ唄おか ああんあんあー 月に泣いてる うしろ影 うしろ影  空に響けよ 玄界灘の 怒涛(なみ)に砕けて 華と咲け これが おんなの無法松 切った啖呵は 伊達じゃない 一つかまそか ああんあんあー 小倉名代の 心意気 心意気
山なみ越える そよ風が 幸せ薄い 肩を抱く ありがとう あなた ありがとう 風よ ひとりじゃないと 囁(ささや)いて 優しく包む 花吹雪 涙は捨てて 歩こうよ  ひとつの川の 流れさえ 別れる時が 来ると言う ありがとう あなた ありがとう 風よ 心の限り 尽くしても 背中を向ける 愛の影 未練は消して 歩こうよ  渚を渡る そよ風が やつれた頬(ほほ)に 頬寄せる ありがとう あなた ありがとう 風よ 昨日の夢を 遠くする 明日(あした)の色の 沖の船 行く手を見つめ 歩こうよ二葉百合子横井弘弦哲也池多孝春山なみ越える そよ風が 幸せ薄い 肩を抱く ありがとう あなた ありがとう 風よ ひとりじゃないと 囁(ささや)いて 優しく包む 花吹雪 涙は捨てて 歩こうよ  ひとつの川の 流れさえ 別れる時が 来ると言う ありがとう あなた ありがとう 風よ 心の限り 尽くしても 背中を向ける 愛の影 未練は消して 歩こうよ  渚を渡る そよ風が やつれた頬(ほほ)に 頬寄せる ありがとう あなた ありがとう 風よ 昨日の夢を 遠くする 明日(あした)の色の 沖の船 行く手を見つめ 歩こうよ
関東一本〆やると決めたら どこまでも いのち一つの 筋一つ 関東気質(かたぎ)の 意地一つ お受けしました 〆(しめ)の手も 一本〆で参ります お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆  酒は千樽 万の樽 お山颪(おろ)しも そよろ風 阪東太郎は 男です お受けしました ニッコリと 一本〆でつとめます お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆  祝いごとなら 数あれど 夫婦契(めおとちぎ)りの 上はない 二人が一つに なる祝い お受けしました 仲だちを 一本〆で願います お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆二葉百合子藤間哲郎千木良政やると決めたら どこまでも いのち一つの 筋一つ 関東気質(かたぎ)の 意地一つ お受けしました 〆(しめ)の手も 一本〆で参ります お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆  酒は千樽 万の樽 お山颪(おろ)しも そよろ風 阪東太郎は 男です お受けしました ニッコリと 一本〆でつとめます お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆  祝いごとなら 数あれど 夫婦契(めおとちぎ)りの 上はない 二人が一つに なる祝い お受けしました 仲だちを 一本〆で願います お手を拝借 「お手を拝借 ヨーオ!」(ポン!) 祝い〆
関東仁義「ご列席のご一統さん 失礼さんにござ んす。 私生国と発します 関東にござんす。 関東は江戸 改めまして東京は浅草 花川戸にござんす。 男度胸の二の腕かけて 義理人情の紅い花 彫って入った稼業にござんす。 渡世縁持ちまして天神一家にござんす。 姓は左近寺 名は龍也 通称抜き打ちの龍と発します。 昨今かけ出しの 若輩者にござんす。 向後(きょうこう) 万端よろしゅうおたの申します」  お世辞笑いで 生きてくよりは 義理の二文字 抱いて死ぬ 古い男の 誠の道を なんで世間は 馬鹿という  惚れた女に 難くせつけて むける背中に 夜の風 短刀(ドス)を呑んでる この懐(ふところ)に 抱いちゃいけない 堅気花  半ぱ者でも 傷もつ身でも なんで汚(けが)そう 心まで 割ってみせたい 五尺の身体 どこに男の 嘘がある二葉百合子木下龍太郎白石十四男「ご列席のご一統さん 失礼さんにござ んす。 私生国と発します 関東にござんす。 関東は江戸 改めまして東京は浅草 花川戸にござんす。 男度胸の二の腕かけて 義理人情の紅い花 彫って入った稼業にござんす。 渡世縁持ちまして天神一家にござんす。 姓は左近寺 名は龍也 通称抜き打ちの龍と発します。 昨今かけ出しの 若輩者にござんす。 向後(きょうこう) 万端よろしゅうおたの申します」  お世辞笑いで 生きてくよりは 義理の二文字 抱いて死ぬ 古い男の 誠の道を なんで世間は 馬鹿という  惚れた女に 難くせつけて むける背中に 夜の風 短刀(ドス)を呑んでる この懐(ふところ)に 抱いちゃいけない 堅気花  半ぱ者でも 傷もつ身でも なんで汚(けが)そう 心まで 割ってみせたい 五尺の身体 どこに男の 嘘がある
岸壁の母GOLD LYLIC母は来ました 今日も来た この岸壁に 今日も来た とどかぬ願いと 知りながら もしやもしやに もしやもしやに ひかされて  (セリフ) 「又引き揚げ船が帰って来たのに、今度もあの子は帰らない。 この岸壁で待っているわしの姿が見えんのか……。 港の名前は舞鶴なのに何故飛んで来てはくれぬのじゃ…… 帰れないなら大きな声で……。」  呼んで下さい おがみます ああ おっ母さんよく来たと 海山千里と言うけれど なんで遠かろ なんで遠かろ 母と子に  (セリフ) 「あの子は今頃どうしているでしょう。 雪と風のシベリアは寒かろう…… つらかっただろうと命の限り抱きしめて…… 温めてやりたい……。」  悲願十年 この祈り 神様だけが 知っている 流れる雲より 風よりも つらいさだめの つらいさだめの 杖ひとつ  (セリフ) 「ああ風よ、心あらば伝えてよ。 愛し子待ちて今日も又、 怒涛砕くる岸壁に立つ母の姿を……」GOLD LYLIC二葉百合子藤田まさと平川浪竜母は来ました 今日も来た この岸壁に 今日も来た とどかぬ願いと 知りながら もしやもしやに もしやもしやに ひかされて  (セリフ) 「又引き揚げ船が帰って来たのに、今度もあの子は帰らない。 この岸壁で待っているわしの姿が見えんのか……。 港の名前は舞鶴なのに何故飛んで来てはくれぬのじゃ…… 帰れないなら大きな声で……。」  呼んで下さい おがみます ああ おっ母さんよく来たと 海山千里と言うけれど なんで遠かろ なんで遠かろ 母と子に  (セリフ) 「あの子は今頃どうしているでしょう。 雪と風のシベリアは寒かろう…… つらかっただろうと命の限り抱きしめて…… 温めてやりたい……。」  悲願十年 この祈り 神様だけが 知っている 流れる雲より 風よりも つらいさだめの つらいさだめの 杖ひとつ  (セリフ) 「ああ風よ、心あらば伝えてよ。 愛し子待ちて今日も又、 怒涛砕くる岸壁に立つ母の姿を……」
草燃える白富士けむる 野の果てに たなびく雲は 旗の色 新たな夜明け 告げた日の 雄叫(おたけ)びしのぶ 胸ふかく ああ 今もなお 草燃える  若宮大路 さまよえば 勇者(つわもの)どもの 夢の跡 はげしい修羅の 火に追われ 宴(うたげ)の歌も ちりぢりに ああ 消えゆける 花いずこ  栄枯は哀(かな)し 世の習い 銀杏(いちよう)の梢 風が泣く 無常の鐘に 三代の 想い出たどる 夜は更けて ああ 鎌倉の 月冴える二葉百合子横井弘市川昭介白富士けむる 野の果てに たなびく雲は 旗の色 新たな夜明け 告げた日の 雄叫(おたけ)びしのぶ 胸ふかく ああ 今もなお 草燃える  若宮大路 さまよえば 勇者(つわもの)どもの 夢の跡 はげしい修羅の 火に追われ 宴(うたげ)の歌も ちりぢりに ああ 消えゆける 花いずこ  栄枯は哀(かな)し 世の習い 銀杏(いちよう)の梢 風が泣く 無常の鐘に 三代の 想い出たどる 夜は更けて ああ 鎌倉の 月冴える
九段の母GOLD LYLIC上野駅から 九段まで かってしらない じれったさ 杖をたよりに 一日がかり せがれきたぞや 会いにきた  空をつくよな 大鳥居(おおとりい) こんな立派な おやしろに 神とまつられ もったいなさよ 母は泣けます うれしさに  両手あわせて ひざまずき おがむはずみの おねんぶつ はっと気づいて うろたえました せがれゆるせよ 田舎もの  鳶が鷹の子 うんだよで いまじゃ果報が 身にあまる 金鵄勲章(きんしくんしょう)が みせたいばかり 逢いにきたぞや 九段坂GOLD LYLIC二葉百合子石松秋二能代八郎上野駅から 九段まで かってしらない じれったさ 杖をたよりに 一日がかり せがれきたぞや 会いにきた  空をつくよな 大鳥居(おおとりい) こんな立派な おやしろに 神とまつられ もったいなさよ 母は泣けます うれしさに  両手あわせて ひざまずき おがむはずみの おねんぶつ はっと気づいて うろたえました せがれゆるせよ 田舎もの  鳶が鷹の子 うんだよで いまじゃ果報が 身にあまる 金鵄勲章(きんしくんしょう)が みせたいばかり 逢いにきたぞや 九段坂
木の葉舟生きているのが 辛い日も 涙であしたが 見えない時も あなたは苦労を 奥歯でかんで ここまで ここまで 浮世の川を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり  昔ばなしは 玉手箱 笑顔が染みこむ 小さな皺に あなたと夫婦(めおと)を 指折り数え 飲んでね 飲んでね 長生き酒を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり  もしもこの世が 夢ならば 幸せ何処へも 行かないように あなたが舵とる 心の水面 唄って 唄って 船頭唄を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり二葉百合子荒木とよひさ岡千秋生きているのが 辛い日も 涙であしたが 見えない時も あなたは苦労を 奥歯でかんで ここまで ここまで 浮世の川を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり  昔ばなしは 玉手箱 笑顔が染みこむ 小さな皺に あなたと夫婦(めおと)を 指折り数え 飲んでね 飲んでね 長生き酒を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり  もしもこの世が 夢ならば 幸せ何処へも 行かないように あなたが舵とる 心の水面 唄って 唄って 船頭唄を 人生の… 木の葉舟 あなたとふたり
小判鮫の唄かけた情が いつわりならば なんで濡れよか 男の胸が かつら下地に ともしび揺れて いつか浮き名の こぼれ紅  (セリフ) 「おらん様お情けうれしゅうは 存じますけれども、所詮この世で結ば れぬしがない役者の中村 紅雀(こうじゃく)、どうぞ お諦めくださいませ…と云うても真(まこと)は 明かされぬ、そうじゃどうせ捨て身のつ なわたり」  好きといおうか 嫌いといおうか 嘘と誠は 両花道よ 仇な夜風に まただまされて ほろり落とした 舞い扇  (セリフ) 「おらん様 紅雀めがお言葉に 従わぬのはあなたの父御(てゝご)が私の父の仇 ゆえ、なのにあなたは命までもとおっし ゃった…これが運命(さだめ)のお芝居ならば辛い 涙の牡丹刷毛」  誰の涙か 二片三片(ふたひらみひら) まわり舞台に 散る花片よ 恋は一筋 生命(いのち)にかけて なんの恐かろ 小判鮫二葉百合子高橋掬太郎大村能章かけた情が いつわりならば なんで濡れよか 男の胸が かつら下地に ともしび揺れて いつか浮き名の こぼれ紅  (セリフ) 「おらん様お情けうれしゅうは 存じますけれども、所詮この世で結ば れぬしがない役者の中村 紅雀(こうじゃく)、どうぞ お諦めくださいませ…と云うても真(まこと)は 明かされぬ、そうじゃどうせ捨て身のつ なわたり」  好きといおうか 嫌いといおうか 嘘と誠は 両花道よ 仇な夜風に まただまされて ほろり落とした 舞い扇  (セリフ) 「おらん様 紅雀めがお言葉に 従わぬのはあなたの父御(てゝご)が私の父の仇 ゆえ、なのにあなたは命までもとおっし ゃった…これが運命(さだめ)のお芝居ならば辛い 涙の牡丹刷毛」  誰の涙か 二片三片(ふたひらみひら) まわり舞台に 散る花片よ 恋は一筋 生命(いのち)にかけて なんの恐かろ 小判鮫
米つぶの詩生きてゆくのに 理屈はないが 辛抱してこそ 苦労が実る こんな小さな 米つぶも 八十八度 人の手が 忘れてならない 忘れてならない 日本のこころ  楽をしてたら 誰かが見てる 天につば吐きゃ わが身に還る こんな小さな 米つぶも 降ってはこないさ 空からは 教えてくれてる 教えてくれてる 日本のこころ  人という字は 優しいけれど 支えがなければ 倒れてしまう こんな小さな 米つぶも 生命を捧げて 人の為 この手をあわせる この手をあわせる 日本のこころ二葉百合子荒木とよひさ岡千秋生きてゆくのに 理屈はないが 辛抱してこそ 苦労が実る こんな小さな 米つぶも 八十八度 人の手が 忘れてならない 忘れてならない 日本のこころ  楽をしてたら 誰かが見てる 天につば吐きゃ わが身に還る こんな小さな 米つぶも 降ってはこないさ 空からは 教えてくれてる 教えてくれてる 日本のこころ  人という字は 優しいけれど 支えがなければ 倒れてしまう こんな小さな 米つぶも 生命を捧げて 人の為 この手をあわせる この手をあわせる 日本のこころ
雑草のうた下駄(あし)で踏まれりゃ 耐えなさい 泥をかぶれば 耐えなさい この世に生まれた 雑草は 雑草は 弱音吐かずに 背伸びして 空を見上げて 生きている  桜(はな)に生まれた 人もいる 母を知らない 人もいる この世に名もない 雑草は 雑草は 人を嫉(ねた)まず 羨(うらや)まず 大地(つち)に根っ子で 生きている  雨にも敗けずに くいしばり 風にも敗けずに くいしばり この世を見捨てず 雑草は 雑草は 冬に枯れても また春に 生命いっこで 生きている二葉百合子荒木とよひさ岡千秋下駄(あし)で踏まれりゃ 耐えなさい 泥をかぶれば 耐えなさい この世に生まれた 雑草は 雑草は 弱音吐かずに 背伸びして 空を見上げて 生きている  桜(はな)に生まれた 人もいる 母を知らない 人もいる この世に名もない 雑草は 雑草は 人を嫉(ねた)まず 羨(うらや)まず 大地(つち)に根っ子で 生きている  雨にも敗けずに くいしばり 風にも敗けずに くいしばり この世を見捨てず 雑草は 雑草は 冬に枯れても また春に 生命いっこで 生きている
残桜抄風誘う花よりも なを我はまた 春の名残をいかにとやせん せめてひと太刀 いまひと太刀の 胸に無念の 早や桜  残す家臣の 忠義まで 散らす 我が身の愚かさよ  [セリフ] あ…いま少しの辛抱があれば… そち達の苦労に報いることも出来たのに 許してくれい…許してくれい… 武士としての意地だった …せめて一言内蔵助(くらのすけ)に 内蔵助に いま一度 赤穂の桜が見たかった…と想いは馳せる  赤穂の城の幾春咲けし 庭桜(にわざくら) 心静かに 腹切れど 誰ぞ 放つか 鷹の羽を 散るも桜か 残すも桜 命ひとひら 風に舞う 武士の作法の 白袴(しらばかま) その名 汚がせぬ 一文字二葉百合子荒木とよひさ弦哲也風誘う花よりも なを我はまた 春の名残をいかにとやせん せめてひと太刀 いまひと太刀の 胸に無念の 早や桜  残す家臣の 忠義まで 散らす 我が身の愚かさよ  [セリフ] あ…いま少しの辛抱があれば… そち達の苦労に報いることも出来たのに 許してくれい…許してくれい… 武士としての意地だった …せめて一言内蔵助(くらのすけ)に 内蔵助に いま一度 赤穂の桜が見たかった…と想いは馳せる  赤穂の城の幾春咲けし 庭桜(にわざくら) 心静かに 腹切れど 誰ぞ 放つか 鷹の羽を 散るも桜か 残すも桜 命ひとひら 風に舞う 武士の作法の 白袴(しらばかま) その名 汚がせぬ 一文字
三味線仁義照る日曇る日 旅空ぐらし 私しゃ根っから 流れ鳥 露地の灯りが ありさえすれば そこをねぐらと 決めこんで 渡る娘の 三味線仁義  たかが女の 芸人などと 聞けばすまない 鉄火肌 気分次第で 金銭ずくじゃ 売らぬ唄でも 弾きもする 男まさりの 三味線仁義  こんな糸でも 私にゃ生命 伊達じゃ持たない バチ一つ 軒場すずめの 心のうちは 桧舞台を 踏むまでと かけた願いの 三味線仁義二葉百合子たなかゆきを細川潤一照る日曇る日 旅空ぐらし 私しゃ根っから 流れ鳥 露地の灯りが ありさえすれば そこをねぐらと 決めこんで 渡る娘の 三味線仁義  たかが女の 芸人などと 聞けばすまない 鉄火肌 気分次第で 金銭ずくじゃ 売らぬ唄でも 弾きもする 男まさりの 三味線仁義  こんな糸でも 私にゃ生命 伊達じゃ持たない バチ一つ 軒場すずめの 心のうちは 桧舞台を 踏むまでと かけた願いの 三味線仁義
十三夜河岸(かし)の柳の 行きずりに ふと見合せる 顔と顔 立止り 懐しいやら 嬉しやら 青い月夜の 十三夜  (セリフ) 「あの方とまた逢えた。にっこ り笑って下さった。それだけを楽しみに、 いつも河岸でお待ちした。なのに、もう あの方はいらっしゃらない」  夢の昔よ 別れては 面影ばかり 遠い人 話すにも 何から話す 振袖(ふりそで)を 抱いて泣きたい 十三夜  (セリフ) 「ご病気かしら、他の土地へい らしたのかしら。それとも私が半玉だか らかしら。でも、もしかしたらと来てみ たのに。やっぱりお空の月はあの方と最 後にお逢いした夜と同じ月なのに…」  空を千鳥が 飛んでいる 今更(いまさら)泣いて なんとしょう さようならと こよない言葉 かけました 青い月夜の 十三夜二葉百合子石松秋二長津義司河岸(かし)の柳の 行きずりに ふと見合せる 顔と顔 立止り 懐しいやら 嬉しやら 青い月夜の 十三夜  (セリフ) 「あの方とまた逢えた。にっこ り笑って下さった。それだけを楽しみに、 いつも河岸でお待ちした。なのに、もう あの方はいらっしゃらない」  夢の昔よ 別れては 面影ばかり 遠い人 話すにも 何から話す 振袖(ふりそで)を 抱いて泣きたい 十三夜  (セリフ) 「ご病気かしら、他の土地へい らしたのかしら。それとも私が半玉だか らかしら。でも、もしかしたらと来てみ たのに。やっぱりお空の月はあの方と最 後にお逢いした夜と同じ月なのに…」  空を千鳥が 飛んでいる 今更(いまさら)泣いて なんとしょう さようならと こよない言葉 かけました 青い月夜の 十三夜
人生囃子先に咲いたら 散るのも早い 遅れ咲きには 明日がある 出世双六 素人芝居 幕を引くまで 分からない 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子  惚れたはれたと 騒いでみても しょせん色恋 はやり風邪 熱が冷めても 惚(ほ)の字であれば 恋は本物 脈がある 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子  こんなご時世 なおさら泌みる 人の情けの あたたかさ 人にゃ掛けとけ 情けのツケは 回り回って また戻る 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子二葉百合子木下龍太郎四方章人池多孝春先に咲いたら 散るのも早い 遅れ咲きには 明日がある 出世双六 素人芝居 幕を引くまで 分からない 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子  惚れたはれたと 騒いでみても しょせん色恋 はやり風邪 熱が冷めても 惚(ほ)の字であれば 恋は本物 脈がある 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子  こんなご時世 なおさら泌みる 人の情けの あたたかさ 人にゃ掛けとけ 情けのツケは 回り回って また戻る 泣くも阿呆なら 笑うも阿呆 どうせ阿呆なら 賑やかに 人生囃子
人生流転笠山があったら 登ればいいさ 川があったら 渡りゃいい 親も故郷も いのちの恋も 捨てていばらの ながれ旅 女・女一代 流転笠  花の向こうで うつむく落葉(おちば) これが浮き世と 云うものか 男まさりの こころを濡らす 情けなみだの 通り雨 女・女一代 流転笠  義理の柵(しがらみ) ほどけるまでは 脱いだ草鞋は 他人(ひと)のもの 運否天賦の 命がひとつ 明日へ転がりゃ 又の旅 女・女一代 流転笠二葉百合子志賀大介弦哲也前田俊明山があったら 登ればいいさ 川があったら 渡りゃいい 親も故郷も いのちの恋も 捨てていばらの ながれ旅 女・女一代 流転笠  花の向こうで うつむく落葉(おちば) これが浮き世と 云うものか 男まさりの こころを濡らす 情けなみだの 通り雨 女・女一代 流転笠  義理の柵(しがらみ) ほどけるまでは 脱いだ草鞋は 他人(ひと)のもの 運否天賦の 命がひとつ 明日へ転がりゃ 又の旅 女・女一代 流転笠
人生列車遠い 遠い望みを 尋ねる旅は 花も 花も咲かない 果てない鉄路 おなじ想いか 手荷物ひとつ 窓を見つめる 隣のひとに いつか いつか寄り添う 人生列車  なにも なにも当てなく 降(お)りたつ町は みんな みんなうわべの 優しさばかり 冷えた駅弁 分けあいながら 地図をひろげる 二人の指を せめて せめて星くず 温(ぬく)めてほしい  どこに どこにあるやら 終着駅は いつも いつも乗りかえ 乗りつぐ旅よ いいえ心の 絆があれば 春の陽ざしの やすらぐ里へ きっと きっと行きつく 人生列車 きっと きっと行きつく 人生列車二葉百合子横井弘弦哲也池多孝春遠い 遠い望みを 尋ねる旅は 花も 花も咲かない 果てない鉄路 おなじ想いか 手荷物ひとつ 窓を見つめる 隣のひとに いつか いつか寄り添う 人生列車  なにも なにも当てなく 降(お)りたつ町は みんな みんなうわべの 優しさばかり 冷えた駅弁 分けあいながら 地図をひろげる 二人の指を せめて せめて星くず 温(ぬく)めてほしい  どこに どこにあるやら 終着駅は いつも いつも乗りかえ 乗りつぐ旅よ いいえ心の 絆があれば 春の陽ざしの やすらぐ里へ きっと きっと行きつく 人生列車 きっと きっと行きつく 人生列車
すみだ川銀杏(いちょう)がえしに 黒襦子(くろじゅす)かけて 泣いて別れた すみだ川 思い出します 観音さまの 秋の日暮の 鐘の声  (セリフ) 「あゝそうでしたわね。あなた が二十歳(はたち)、わたしが十七。いつも清元の お稽古から帰って来ると、あなたは竹谷 の渡しで待っていてくだすった。 そして 二人の姿が水にうつるのを眺めながら、 ニッコリ笑っていつも淋しく別れたけど、 はかない恋っていじらしいもんだわねぇ」  娘心の 仲見世歩く 春を待つ夜の 歳(とし)の市 更けりゃ泣けます 今戸の空に 幼馴染(おさななじみ)の お月様  (セリフ) 「あれからわたしは芸者に出た もんだから、あなたは逢ってくれないし、 いつも観音様へお詣りする度に、廻り 道してなつかしい隅田のほとりを歩きな がらあの時分を思い出しては、一人で泣 いていたんですよ。でももう泣かないわ。 だって初恋のあなたに逢えたんですも の。まあ一緒に行って下さる。竹谷の渡 しへ」  都鳥さえ 一羽じゃとばぬ むかしこいしい 水の面(おも) 逢えば溶(と)けます 涙の胸に 海岸(かし)の柳も 春の雪二葉百合子佐藤惣之助山田栄一銀杏(いちょう)がえしに 黒襦子(くろじゅす)かけて 泣いて別れた すみだ川 思い出します 観音さまの 秋の日暮の 鐘の声  (セリフ) 「あゝそうでしたわね。あなた が二十歳(はたち)、わたしが十七。いつも清元の お稽古から帰って来ると、あなたは竹谷 の渡しで待っていてくだすった。 そして 二人の姿が水にうつるのを眺めながら、 ニッコリ笑っていつも淋しく別れたけど、 はかない恋っていじらしいもんだわねぇ」  娘心の 仲見世歩く 春を待つ夜の 歳(とし)の市 更けりゃ泣けます 今戸の空に 幼馴染(おさななじみ)の お月様  (セリフ) 「あれからわたしは芸者に出た もんだから、あなたは逢ってくれないし、 いつも観音様へお詣りする度に、廻り 道してなつかしい隅田のほとりを歩きな がらあの時分を思い出しては、一人で泣 いていたんですよ。でももう泣かないわ。 だって初恋のあなたに逢えたんですも の。まあ一緒に行って下さる。竹谷の渡 しへ」  都鳥さえ 一羽じゃとばぬ むかしこいしい 水の面(おも) 逢えば溶(と)けます 涙の胸に 海岸(かし)の柳も 春の雪
鳥辺山心中浮かれ囃子の 祇園の町に 誠ひとすじ 咲いた花 夢もむらさき 春待つ袖に 別れ川風 なぜに泣く  西と東に 袂を分かちゃ 結ぶあてない 恋の帯 酒に意気地の 白刃を抜けば 月の河原に 泣く千鳥  半九郎「ひく三味線は祇園町」 お染「茶屋のやま衆が色酒に」 半九郎「みだれて遊ぶ騒ぎ合い」 お染「あの面白さ見る時は」 「あゝ今更それを言うも、 愚痴でござんす。 さあ、ちっとも早よう」 半九郎「お染」 お染「半さま」  命ふたつを ひとつに寄せりゃ なんで怖かろ 死出の旅 対(つい)の晴着で 踏み出す道に 鐘が鳴る鳴る 鳥辺山二葉百合子横井弘吉田矢健治浮かれ囃子の 祇園の町に 誠ひとすじ 咲いた花 夢もむらさき 春待つ袖に 別れ川風 なぜに泣く  西と東に 袂を分かちゃ 結ぶあてない 恋の帯 酒に意気地の 白刃を抜けば 月の河原に 泣く千鳥  半九郎「ひく三味線は祇園町」 お染「茶屋のやま衆が色酒に」 半九郎「みだれて遊ぶ騒ぎ合い」 お染「あの面白さ見る時は」 「あゝ今更それを言うも、 愚痴でござんす。 さあ、ちっとも早よう」 半九郎「お染」 お染「半さま」  命ふたつを ひとつに寄せりゃ なんで怖かろ 死出の旅 対(つい)の晴着で 踏み出す道に 鐘が鳴る鳴る 鳥辺山
長崎物語(セリフ)お春 「いいんです。泣かないで… …異国の血を受けた者が流されるのは、 掟ですもの……。悲しいけど、締めて、 春はジャガタラへ行きますわ。ア、ア… …ふ、ふ、船が出る……」  赤い花なら 曼珠沙華 オランダ屋敷に 雨が降る 濡れて泣いてる ジャガタラお春 未練な出船の ああ鐘が鳴る ララ 鐘が鳴る  (セリフ)お春 「お別れね。いいえ御心配 なさらずに。でも………生まれて今日 まで十四年………もう会えないと思う と辛いけど、春は春は、決して泣きませ ん………」  映すガラスは 無いけれど 夢の港の 長崎の ザボン色した 宵の月 南京祭りの 笛の音と 数え切れない 思い出が 父が遺品(かたみ)のこの胸の 金のクルスに生きてます  (セリフ)お春 「神様がきっとお守り下さ います。父もオランダの空から見守って くれるでしょう……。それに………死ん だ母のお精霊(しょろ)様が、いつまでもいつまで も、一緒にいてくれますわ……。では、 左様なら」  坂の長崎 石だたみ 南京煙火に 日が暮れて そぞろ恋しい 出島の沖に 母の精霊が ああ流れ行く ララ 流れ行く  (セリフ)お春 「お別れ申せしより早二月 は夢の間に過ぎ行き候へども、忘れ得ぬ は懐しき故郷の姿にて候。雨の日も風 の日も、この世に生を享けて十四年、共 に生き」  平戸離れて 幾百里 つづる文さえ つくものを なぜに帰らぬ ジャガタラお春 サンタクルスの ああ鐘が鳴る ララ 鐘が鳴る二葉百合子梅木三郎佐々木俊一(セリフ)お春 「いいんです。泣かないで… …異国の血を受けた者が流されるのは、 掟ですもの……。悲しいけど、締めて、 春はジャガタラへ行きますわ。ア、ア… …ふ、ふ、船が出る……」  赤い花なら 曼珠沙華 オランダ屋敷に 雨が降る 濡れて泣いてる ジャガタラお春 未練な出船の ああ鐘が鳴る ララ 鐘が鳴る  (セリフ)お春 「お別れね。いいえ御心配 なさらずに。でも………生まれて今日 まで十四年………もう会えないと思う と辛いけど、春は春は、決して泣きませ ん………」  映すガラスは 無いけれど 夢の港の 長崎の ザボン色した 宵の月 南京祭りの 笛の音と 数え切れない 思い出が 父が遺品(かたみ)のこの胸の 金のクルスに生きてます  (セリフ)お春 「神様がきっとお守り下さ います。父もオランダの空から見守って くれるでしょう……。それに………死ん だ母のお精霊(しょろ)様が、いつまでもいつまで も、一緒にいてくれますわ……。では、 左様なら」  坂の長崎 石だたみ 南京煙火に 日が暮れて そぞろ恋しい 出島の沖に 母の精霊が ああ流れ行く ララ 流れ行く  (セリフ)お春 「お別れ申せしより早二月 は夢の間に過ぎ行き候へども、忘れ得ぬ は懐しき故郷の姿にて候。雨の日も風 の日も、この世に生を享けて十四年、共 に生き」  平戸離れて 幾百里 つづる文さえ つくものを なぜに帰らぬ ジャガタラお春 サンタクルスの ああ鐘が鳴る ララ 鐘が鳴る
日本太鼓日本名物 ソラマタナンダネ 富士のお山に さくら花 祭り花笠 揃いの笠へ ひびく太鼓の 意気のよさ (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  春は摘み草 ソラマタナンダネ 夏は釣り舟 涼み舟 秋の紅葉に 頬そめながら 冬の雪見で 深い仲 (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  日本男児は ソラマタナンダネ 馬鹿な意地でも 通す奴 大和撫子 口には出さず 陰で苦労を うけとめる (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  お国自慢は ソラマタナンダネ 名所古跡や 土産もの 知らぬ同士が いで湯の中で まこと裸の おつきあい (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  日本よいとこ ソラマタナンダネ 米の出どころ 酒どころ 親の盃 子供があけりゃ 孫が手拍子 ひきうける (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)二葉百合子横井弘白石十四男日本名物 ソラマタナンダネ 富士のお山に さくら花 祭り花笠 揃いの笠へ ひびく太鼓の 意気のよさ (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  春は摘み草 ソラマタナンダネ 夏は釣り舟 涼み舟 秋の紅葉に 頬そめながら 冬の雪見で 深い仲 (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  日本男児は ソラマタナンダネ 馬鹿な意地でも 通す奴 大和撫子 口には出さず 陰で苦労を うけとめる (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  お国自慢は ソラマタナンダネ 名所古跡や 土産もの 知らぬ同士が いで湯の中で まこと裸の おつきあい (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)  日本よいとこ ソラマタナンダネ 米の出どころ 酒どころ 親の盃 子供があけりゃ 孫が手拍子 ひきうける (ドンとあつまれ ドドンとはやせ 日本太鼓で 丸くなれ)
能登の海鳥かわいがられた 思い出だけを 抱いて別れる 七尾の港 能登の海鳥 啼(な)かずにおくれ 啼けば出船が 辛(つら)いじゃないか  沖は荒海 男の胸に 未練いうなと ぶつかる飛沫(しぶき) 能登の島山 さよならさらば せめて心で 呼ぼうじゃないか  深い情けの 夜霧に濡(ぬ)れて 泊まり重ねた 七尾の港 能登の海鳥 追わずにおくれ またのあう日を 待とうじゃないか二葉百合子高橋掬太郎桜田誠一かわいがられた 思い出だけを 抱いて別れる 七尾の港 能登の海鳥 啼(な)かずにおくれ 啼けば出船が 辛(つら)いじゃないか  沖は荒海 男の胸に 未練いうなと ぶつかる飛沫(しぶき) 能登の島山 さよならさらば せめて心で 呼ぼうじゃないか  深い情けの 夜霧に濡(ぬ)れて 泊まり重ねた 七尾の港 能登の海鳥 追わずにおくれ またのあう日を 待とうじゃないか
花衣男ごころの 狭間(はざま)に咲いた おんな友禅 花衣 この世ばかりか 次の世までも 真実一彩(まことひといろ) 倖(しあわ)せ染(ぞ)めと 決めた恋さえ 唐錦(からにしき)  逢えば短い 逢わなきゃ長い 焦(じ)れて泪の 花衣 夢の中だけ 優しくされて 覚めりゃ冷たい 逆夢(さかゆめ)ばかり 綴(つづ)れ帯とく 春の宿  憎(にく)さ余って 二の腕噛(か)めば 赤く芽を吹く 花衣 当てがあるよで 噂で消える 所帯話を つないでみても 結ぶ実のない 褄(つま)模様二葉百合子たなかゆきを弦哲也坂下滉男ごころの 狭間(はざま)に咲いた おんな友禅 花衣 この世ばかりか 次の世までも 真実一彩(まことひといろ) 倖(しあわ)せ染(ぞ)めと 決めた恋さえ 唐錦(からにしき)  逢えば短い 逢わなきゃ長い 焦(じ)れて泪の 花衣 夢の中だけ 優しくされて 覚めりゃ冷たい 逆夢(さかゆめ)ばかり 綴(つづ)れ帯とく 春の宿  憎(にく)さ余って 二の腕噛(か)めば 赤く芽を吹く 花衣 当てがあるよで 噂で消える 所帯話を つないでみても 結ぶ実のない 褄(つま)模様
母ありき母ありき 野菊の人よ 帰らない 帰らない 心の人よ 夕やけ小径(こみち)を 歩いたね 一緒に童謡(うた)を 歌ったね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる  母ありき 涙の人よ 会いたくて 会いたくて 悲しい人よ ふたりで東京へ 行ったよね 一緒に汽車に 乗ったよね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる  母ありき 瞼の人よ いつまでも いつまでも 優しい人よ 苦労いっぱい したんだね 一緒に涙 こぼしたね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる二葉百合子荒木とよひさ岡千秋佐伯亮母ありき 野菊の人よ 帰らない 帰らない 心の人よ 夕やけ小径(こみち)を 歩いたね 一緒に童謡(うた)を 歌ったね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる  母ありき 涙の人よ 会いたくて 会いたくて 悲しい人よ ふたりで東京へ 行ったよね 一緒に汽車に 乗ったよね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる  母ありき 瞼の人よ いつまでも いつまでも 優しい人よ 苦労いっぱい したんだね 一緒に涙 こぼしたね 「おかあさん おかあさん…」 そっと呼んでも あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる あゝ…故郷(ふるさと)の 風にちぎれる
母から娘へ悲しい時は 無理して笑え 笑顔(えがお)が心を 晴れにする 母の口ぐせ 受けついで 育てた娘が 母になる 世の中千篇(せんべん) 変っても 変らないのが 子や孫に 母が気づかう あたたかさ  上には上の 世界があって 下見りゃこれまた きりがない 見栄(みえ)をはっても 苦労だけ 自分の器量(きりょう)で 生きなさい あなたが育てる 子供らが 大きくなって 思うのは 母のぬくもり 子守唄  叶える夢や 叶わぬ夢も 人にはそれぞれ あるけれど 親がみるのは 唯(ただ)ひとつ 子供が立派(りっぱ)に 育つ夢 あなたに私が 生きてると 仕草(しぐさ)に見える この頃は 母のしあわせ 感じます二葉百合子いではく遠藤実伊戸のりお悲しい時は 無理して笑え 笑顔(えがお)が心を 晴れにする 母の口ぐせ 受けついで 育てた娘が 母になる 世の中千篇(せんべん) 変っても 変らないのが 子や孫に 母が気づかう あたたかさ  上には上の 世界があって 下見りゃこれまた きりがない 見栄(みえ)をはっても 苦労だけ 自分の器量(きりょう)で 生きなさい あなたが育てる 子供らが 大きくなって 思うのは 母のぬくもり 子守唄  叶える夢や 叶わぬ夢も 人にはそれぞれ あるけれど 親がみるのは 唯(ただ)ひとつ 子供が立派(りっぱ)に 育つ夢 あなたに私が 生きてると 仕草(しぐさ)に見える この頃は 母のしあわせ 感じます
母の旅路(セリフ) 「元気のいい子供というものは少 しづゝ親不幸なものでございます。でも その親不幸を味わわせてもらえない不幸 にくらべたら、何と幸福(しあわせ)なことでしょう」  秋と気づいて肌寒く 空に流れる鰯雲 あの子今ごろ何してる ぐれて泣いてはいやせぬか 母の匂いを忘れたら 母の匂いを忘れたら 小指しゃぶってみるがいい  一つ傘さす親子づれ みぞれおそれぬ笑い顔 今日は学校で何したと きっと話しているのだろう 母のぬくもり忘れたら 母のぬくもり忘れたら からだ丸めて寝るがいい  理由(わけ)があるから旅の空 理由があるから身をかくし 抱いた昔の手ごたえを 思い出してる夜ふけごろ 母のささやき忘れたら 母のささやき忘れたら 子守唄など歌やいい二葉百合子阿久悠小林亜星(セリフ) 「元気のいい子供というものは少 しづゝ親不幸なものでございます。でも その親不幸を味わわせてもらえない不幸 にくらべたら、何と幸福(しあわせ)なことでしょう」  秋と気づいて肌寒く 空に流れる鰯雲 あの子今ごろ何してる ぐれて泣いてはいやせぬか 母の匂いを忘れたら 母の匂いを忘れたら 小指しゃぶってみるがいい  一つ傘さす親子づれ みぞれおそれぬ笑い顔 今日は学校で何したと きっと話しているのだろう 母のぬくもり忘れたら 母のぬくもり忘れたら からだ丸めて寝るがいい  理由(わけ)があるから旅の空 理由があるから身をかくし 抱いた昔の手ごたえを 思い出してる夜ふけごろ 母のささやき忘れたら 母のささやき忘れたら 子守唄など歌やいい
母の便り(セリフ) 「辿々しくは候も、墨をすり、 筆を噛み、恥も外聞も考えず、憶えしい ろはの仮名書にて、老いし身のただひと つ、今生にての願いを込め……」  暗い夜業の 灯の蔭に そなた案じて 筆とり候 秋の祭りの 太鼓の音も 一人わび住む 母なれば なまじなまじ なまじ白髪の ますのみに候  (セリフ) 「いつまでもなんで子供と思う のかと笑われてもその子供をこそ忘れ られぬが母にて候」  結ぶ夜毎の 夢さえも 遥か都の 空にて候 よるべなき身に さぞやの苦労 離ればなれの 悲しさは 思い思い 思い届かず もどかしく候  (セリフ) 「雨の朝、月の夜、縁寺の鐘を 聞くたびにどうぞお守り下さいとご先 祖さまにお願いしては泣くばかり。」  老いの繰り言 たどたどと 便り書く手も 凍えて候 飾る錦は 何ほしかろう 親子二人で 水入らず 暮す暮す 暮すのぞみに すがり居り候二葉百合子矢野亮真木陽(セリフ) 「辿々しくは候も、墨をすり、 筆を噛み、恥も外聞も考えず、憶えしい ろはの仮名書にて、老いし身のただひと つ、今生にての願いを込め……」  暗い夜業の 灯の蔭に そなた案じて 筆とり候 秋の祭りの 太鼓の音も 一人わび住む 母なれば なまじなまじ なまじ白髪の ますのみに候  (セリフ) 「いつまでもなんで子供と思う のかと笑われてもその子供をこそ忘れ られぬが母にて候」  結ぶ夜毎の 夢さえも 遥か都の 空にて候 よるべなき身に さぞやの苦労 離ればなれの 悲しさは 思い思い 思い届かず もどかしく候  (セリフ) 「雨の朝、月の夜、縁寺の鐘を 聞くたびにどうぞお守り下さいとご先 祖さまにお願いしては泣くばかり。」  老いの繰り言 たどたどと 便り書く手も 凍えて候 飾る錦は 何ほしかろう 親子二人で 水入らず 暮す暮す 暮すのぞみに すがり居り候
母流転たずねています 探しています 今も瞼に 残っています なのにお前を なぜ手ばなした 世間に気がね したばっかりに 母は 母はおいめの 流れ旅  (セリフ) 「許しておくれ 馬鹿だった母さんを どこに…… どこに居るの」  波止場で聞いた いで湯で聞いた 噂たずねて 歩いています 雨の降る夜は 泣いてじゃないか 今更云えた 義理ではないが そっと そっとつぶやく 子守唄  (セリフ) 「無事でいたなら…… お前も十九になるのねぇ」  似合うでしょうね 花嫁姿 一目みたなら 死んでもいいの 訳はどうあれ 母親らしい ことすら何も してやれないと 詫びる 詫びるこころの 母流転二葉百合子青山五平船村徹たずねています 探しています 今も瞼に 残っています なのにお前を なぜ手ばなした 世間に気がね したばっかりに 母は 母はおいめの 流れ旅  (セリフ) 「許しておくれ 馬鹿だった母さんを どこに…… どこに居るの」  波止場で聞いた いで湯で聞いた 噂たずねて 歩いています 雨の降る夜は 泣いてじゃないか 今更云えた 義理ではないが そっと そっとつぶやく 子守唄  (セリフ) 「無事でいたなら…… お前も十九になるのねぇ」  似合うでしょうね 花嫁姿 一目みたなら 死んでもいいの 訳はどうあれ 母親らしい ことすら何も してやれないと 詫びる 詫びるこころの 母流転
人は堂々嫌な奴ほど はびこるような 世紀数えりゃ 二十とひとつ 時代が生み出す 苦労とゴミは 捨てて自分に 値段をつけろ 歩き始めりゃ 仲間も出来る 人は堂々 生きるもの  早い流れに 置いてけぼりを 喰らう気がする この世の仕組 誰のせいとは 言わずに笑う 自分磨きに 精出す心 闇にひと筋 灯りを見つけ 人は堂々 道を往く  恋のつぼみが 忘れた頃に ひらくときめき 惚の字もあろう ままよいざこざ 待ち受けようと 愛と誠を 気取るも華よ 好きな人には きめ細やかに 人は堂々 生きるもの二葉百合子杉紀彦四方章人嫌な奴ほど はびこるような 世紀数えりゃ 二十とひとつ 時代が生み出す 苦労とゴミは 捨てて自分に 値段をつけろ 歩き始めりゃ 仲間も出来る 人は堂々 生きるもの  早い流れに 置いてけぼりを 喰らう気がする この世の仕組 誰のせいとは 言わずに笑う 自分磨きに 精出す心 闇にひと筋 灯りを見つけ 人は堂々 道を往く  恋のつぼみが 忘れた頃に ひらくときめき 惚の字もあろう ままよいざこざ 待ち受けようと 愛と誠を 気取るも華よ 好きな人には きめ細やかに 人は堂々 生きるもの
悲風千里誰がつけたか 残留孤児と 悲しい言葉で ございます 命は一つ ふるさと二つ 四十の孤児には 誰がした あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは  遠い音と 言いますけれど 空(むな)しい戦(いく)さの ぬけがらに 包まれながら 生きてる私 昔もなければ 今もない あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは  風は千里を 一夜で飛ぶが 孤児には千里は 遠すぎる 幾百千の こころの祈り 叶えて下さい 夢なりと あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは二葉百合子藤田まさと平川浪竜誰がつけたか 残留孤児と 悲しい言葉で ございます 命は一つ ふるさと二つ 四十の孤児には 誰がした あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは  遠い音と 言いますけれど 空(むな)しい戦(いく)さの ぬけがらに 包まれながら 生きてる私 昔もなければ 今もない あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは  風は千里を 一夜で飛ぶが 孤児には千里は 遠すぎる 幾百千の こころの祈り 叶えて下さい 夢なりと あゝ 続いて 続いて 続いて居ります たたかいは
ひめゆりの塔(セリフ) 「沖縄決戦最後の日、お前たちが ここ摩文仁の壕の中で、若い命を御国のた めに捧げてから、すでに三十と三年。母さ んもこの通りすっかり年をとってしまって。」  あなたに今日も 会いに来る あゝひめゆりの 白い塔 乙女の青春(はる)を 祖国(くに)のため 笑顔で捨てた 健気(けなげ)さを 偲べば母は ただ泣ける  (セリフ) 「母さんは年をとっても、母さん の心の中に生きてるお前は、いつまでたっ ても女学生の制服姿のままなのです。」  緑の髪を 櫛けずり あゝ水際で 散った娘(こ)よ この手でせめて 別れぎわ 晴着を着せて みたかった 未練がいまも 胸を刺す  (セリフ) 「いまでも、あの頃のお前と同じ年 頃の娘さんを見かけると、つい思い出して。」  あなたの好きな 大好きな あゝ沖縄の 青い空 形見の櫛を 抱き締めて 果てなく続く やすらぎを ひたすら母は 祈ります二葉百合子横井弘白石十四男(セリフ) 「沖縄決戦最後の日、お前たちが ここ摩文仁の壕の中で、若い命を御国のた めに捧げてから、すでに三十と三年。母さ んもこの通りすっかり年をとってしまって。」  あなたに今日も 会いに来る あゝひめゆりの 白い塔 乙女の青春(はる)を 祖国(くに)のため 笑顔で捨てた 健気(けなげ)さを 偲べば母は ただ泣ける  (セリフ) 「母さんは年をとっても、母さん の心の中に生きてるお前は、いつまでたっ ても女学生の制服姿のままなのです。」  緑の髪を 櫛けずり あゝ水際で 散った娘(こ)よ この手でせめて 別れぎわ 晴着を着せて みたかった 未練がいまも 胸を刺す  (セリフ) 「いまでも、あの頃のお前と同じ年 頃の娘さんを見かけると、つい思い出して。」  あなたの好きな 大好きな あゝ沖縄の 青い空 形見の櫛を 抱き締めて 果てなく続く やすらぎを ひたすら母は 祈ります
百年桜情(なさけ)に惚れて 惚れましょう わたしは思うの 人の世は みんな切ない 事があり つまずく時も あるけれど 人生っていいですね 想い出だけじゃない 百歳(ひゃく)まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  涙に惚れて 惚れましょう わたしもそうして 生きてきた みんな苦労の 種があり 泣きたい時も あるけれど 倖せは半分ね 欲張るものじゃない 百歳まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  人生っていいですね 想い出だけじゃない 百歳(ひゃく)まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  ふたりで咲かせる 百年桜二葉百合子荒木とよひさ弦哲也情(なさけ)に惚れて 惚れましょう わたしは思うの 人の世は みんな切ない 事があり つまずく時も あるけれど 人生っていいですね 想い出だけじゃない 百歳(ひゃく)まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  涙に惚れて 惚れましょう わたしもそうして 生きてきた みんな苦労の 種があり 泣きたい時も あるけれど 倖せは半分ね 欲張るものじゃない 百歳まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  人生っていいですね 想い出だけじゃない 百歳(ひゃく)まで惚れて 百歳まで惚れて あなたと咲かせる 百年桜  ふたりで咲かせる 百年桜
北郷の母ゆめも寒むかろ さいはての 母の墓標に 霧がふる かもめでさえも 行けるのに なぜに行けない あの島へ あー いまは異国のふるさと 千島  おかあさん… 聞こえますか 私の声が 島を追われたあの日から 人さまの情の袖にすがりつつ 女ひとり生きて来ました ………おかあさん あゝ また 霧笛が声を消すんです せめて故郷(ふるさと)が せめて故郷があったなら……  母の位牌を 背なにしょい 親のない子は 泣けもせず 知らない人に 手を引かれ 島をのがれた 想いでも あー いまは異国のふるさと 千島  はぐれ千鳥よ 啼くじゃない 泣いてみたとて かえれない 涙にかすむ 島染めて あかい夕陽が また沈む あー いまは異国のふるさと 千島二葉百合子菊池英夫沢昭夫ゆめも寒むかろ さいはての 母の墓標に 霧がふる かもめでさえも 行けるのに なぜに行けない あの島へ あー いまは異国のふるさと 千島  おかあさん… 聞こえますか 私の声が 島を追われたあの日から 人さまの情の袖にすがりつつ 女ひとり生きて来ました ………おかあさん あゝ また 霧笛が声を消すんです せめて故郷(ふるさと)が せめて故郷があったなら……  母の位牌を 背なにしょい 親のない子は 泣けもせず 知らない人に 手を引かれ 島をのがれた 想いでも あー いまは異国のふるさと 千島  はぐれ千鳥よ 啼くじゃない 泣いてみたとて かえれない 涙にかすむ 島染めて あかい夕陽が また沈む あー いまは異国のふるさと 千島
瞼の母親はあっても 顔さえ知らず 表通りを はずれ笠 どこに どこにいるのか おっかさん おっかさん 瞼あわせて 今日も呼ぶ  「おかみさんそれじゃあ番場宿の忠太郎と云う 者に憶えはねえとおっしゃるんでござんすか」  永い歳月(としつき) 別れて住めば 遠くなるのか 気持まで 俺は 俺は馬鹿だよ おっかさん おっかさん なまじ逢わなきゃ 泣くまいに  「考えてみりゃあ俺も馬鹿よ 骨をおって夢を消してしまった…」  西へ飛ぼうが 東へ行こうが とめてくれるな 花すすき これで これでいいのさ おっかさん おっかさん 瞼とじれば また逢える二葉百合子横井弘遠藤実親はあっても 顔さえ知らず 表通りを はずれ笠 どこに どこにいるのか おっかさん おっかさん 瞼あわせて 今日も呼ぶ  「おかみさんそれじゃあ番場宿の忠太郎と云う 者に憶えはねえとおっしゃるんでござんすか」  永い歳月(としつき) 別れて住めば 遠くなるのか 気持まで 俺は 俺は馬鹿だよ おっかさん おっかさん なまじ逢わなきゃ 泣くまいに  「考えてみりゃあ俺も馬鹿よ 骨をおって夢を消してしまった…」  西へ飛ぼうが 東へ行こうが とめてくれるな 花すすき これで これでいいのさ おっかさん おっかさん 瞼とじれば また逢える
靖国の母夢を見ました 倅(せがれ)の夢を 肩をたたいて くれました 骨になっても 母を忘れぬその優しさに その優しさに 月がふるえる 九段坂  (セリフ) あの日、万歳の声に応えて、 お前は挙手の礼をしたっけ。 日の丸の旗を、たすきにかけたお前は、 とても凛々しかった。 「お国の為に、立派に死ぬんだよ」 私は殊更きびしく言ったけど、 心の中では 「どうか無事で帰ってくるように」って、 泣きながら祈っていたんだよ。  生きてきました 嵐に耐えて めぐり逢う日を 待ちました 愚痴は言うまい ここの社(やしろ)へ 詣(もう)でる人は 詣でる人は みんなせつない 人ばかり  (セリフ) それでも、まだ南の島に 日本兵がいるって噂をきくと、 もしやお前じゃないか、 もしや生きているのじゃないかと、 居ても立ってもいられなくなるのさ。 こんな母さんを、許してくれるね。  花が咲きます 桜の花が まるで倅(せがれ)の 姿です 帰る望みも 今じゃはかない陰膳(かけぜん)だけど 陰膳だけど 供え続ける いつまでも二葉百合子横井弘遠藤実夢を見ました 倅(せがれ)の夢を 肩をたたいて くれました 骨になっても 母を忘れぬその優しさに その優しさに 月がふるえる 九段坂  (セリフ) あの日、万歳の声に応えて、 お前は挙手の礼をしたっけ。 日の丸の旗を、たすきにかけたお前は、 とても凛々しかった。 「お国の為に、立派に死ぬんだよ」 私は殊更きびしく言ったけど、 心の中では 「どうか無事で帰ってくるように」って、 泣きながら祈っていたんだよ。  生きてきました 嵐に耐えて めぐり逢う日を 待ちました 愚痴は言うまい ここの社(やしろ)へ 詣(もう)でる人は 詣でる人は みんなせつない 人ばかり  (セリフ) それでも、まだ南の島に 日本兵がいるって噂をきくと、 もしやお前じゃないか、 もしや生きているのじゃないかと、 居ても立ってもいられなくなるのさ。 こんな母さんを、許してくれるね。  花が咲きます 桜の花が まるで倅(せがれ)の 姿です 帰る望みも 今じゃはかない陰膳(かけぜん)だけど 陰膳だけど 供え続ける いつまでも
屋台酒あつい情けが あればこそ 酒のまわりも またはやい 風のさむさを よけながら 夢を肴の 屋台酒  無事でいるやら 達者でか 俺と別れて はや二年 おっとこのさきゃ ぐちになる 泣いて別れた やつだけに  すぎた昔を 語る夜は 酒の二升が からになる 男どうしの この屋台 なまじ女は じゃまになる二葉百合子小金井一正弦哲也あつい情けが あればこそ 酒のまわりも またはやい 風のさむさを よけながら 夢を肴の 屋台酒  無事でいるやら 達者でか 俺と別れて はや二年 おっとこのさきゃ ぐちになる 泣いて別れた やつだけに  すぎた昔を 語る夜は 酒の二升が からになる 男どうしの この屋台 なまじ女は じゃまになる
夜更けの酒夜更けにひとり 酒を酌(く)む 哀しいくせは 誰のため 忘れる筈の 酒なのに 恋しさだけが なぜつのる  酔えない胸に 浮かぶのは 倖せだった ことばかり 左の指に きざまれた 指輪のあとが またうずく  泣かされながら 耐えながら 歩いた道の 懐しさ 今では泣かす 人もなく グラスの数が ついふえる  夜明けが近い 盛り場の ネオンが消える ひとつずつ 消えても残る 想い出に 空(むな)しい酒は いつ果てる二葉百合子横井弘白石十四男夜更けにひとり 酒を酌(く)む 哀しいくせは 誰のため 忘れる筈の 酒なのに 恋しさだけが なぜつのる  酔えない胸に 浮かぶのは 倖せだった ことばかり 左の指に きざまれた 指輪のあとが またうずく  泣かされながら 耐えながら 歩いた道の 懐しさ 今では泣かす 人もなく グラスの数が ついふえる  夜明けが近い 盛り場の ネオンが消える ひとつずつ 消えても残る 想い出に 空(むな)しい酒は いつ果てる
利休絶唱天下人でも 頭を下げて くぐる数寄屋の にじり口 人に上下の ないのが茶の湯 千利休の 点(た)てる茶は 侘(わ)びと寂(さび)との 黒茶碗  明日のある身を どうして絶った お吟哀しや 痛わしや 親の想いが 解るか花も 咲いたばかりの 詫助(わびすけ)が 今日も一輪 泣いて散る  造り物なら いつかは朽ちる 天にそびえる 聚楽第 今宵詰腹 切らされようと 誰か伝える 後の世に 一期(ご)一会(え)の 茶の心二葉百合子木下龍太郎猪俣公章天下人でも 頭を下げて くぐる数寄屋の にじり口 人に上下の ないのが茶の湯 千利休の 点(た)てる茶は 侘(わ)びと寂(さび)との 黒茶碗  明日のある身を どうして絶った お吟哀しや 痛わしや 親の想いが 解るか花も 咲いたばかりの 詫助(わびすけ)が 今日も一輪 泣いて散る  造り物なら いつかは朽ちる 天にそびえる 聚楽第 今宵詰腹 切らされようと 誰か伝える 後の世に 一期(ご)一会(え)の 茶の心
浪曲ドドンパ妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ  見えぬその目を 治そうと たどる壺阪 月の道 可愛いお里の 純情が 観音様に 通じてか やがてご利益 あらたかに 沢市さんの 両の目が ドドンパっと 開(あ)いたとさ ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ  旅行けば 駿河の国に茶の香り  富士を背にして 四国まで ひとり気侭(きまま)な 船の旅 話し相手の 江戸っ子に 東海道(かいどう)一の 暴れん坊 馬鹿と云われて 口惜しくて 石松さんは カッとなり ドドンパっと 啖呵切る ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ  遠くへちらちら 灯りがゆれる  悪いようでも 心底は こころ隅田の 男まえ かけた情けが 縁となり 危うい命 助けられ 晴れて訪ねる 奥州路 吉五郎さんは 袈裟衣(けさごろも) ドドンパっと 旅に出る ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ二葉百合子たなかゆきを林恭生妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ  見えぬその目を 治そうと たどる壺阪 月の道 可愛いお里の 純情が 観音様に 通じてか やがてご利益 あらたかに 沢市さんの 両の目が ドドンパっと 開(あ)いたとさ ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ  旅行けば 駿河の国に茶の香り  富士を背にして 四国まで ひとり気侭(きまま)な 船の旅 話し相手の 江戸っ子に 東海道(かいどう)一の 暴れん坊 馬鹿と云われて 口惜しくて 石松さんは カッとなり ドドンパっと 啖呵切る ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ  遠くへちらちら 灯りがゆれる  悪いようでも 心底は こころ隅田の 男まえ かけた情けが 縁となり 危うい命 助けられ 晴れて訪ねる 奥州路 吉五郎さんは 袈裟衣(けさごろも) ドドンパっと 旅に出る ドドンパ ドドンパ 浪曲ドドンパ
我が人生はなみだ川(セリフ) 「生きるすべてを、語りつづけ、 うたいつづける事に、ささげて来た私。 その思い出を拾いあつめてみるならば、 人生をぬって流れる、なみだの川になる ようでございます。」  照る日曇る日 吹雪の日 芸がいのちと 仕込まれて 泪うかべる ひまもなく おさな芸人 流れ旅 幾年月(いくとしつき)を幾年月を あゝ……流れ旅  むしろがこいの かけ小屋が 娘浪曲 晴れ舞台 たった一つの 衣裳着て 十九 二十(はたち)を 汗まみれ 恋すら忘れ恋すら忘れ あゝ……汗まみれ  (セリフ) 「ひもじさと貧しさを道づれに、ひ たすら修業の歳月をすごした私には、いつ の間にか、ふれあうお方一人一人の、つらいく るしい人生が分かって参りました。人の泪 は私の泪……、共に泣き共に応(こた)えて筒井 筒、私に命ある限り、歌い続けて参ります。」  生きるつらさを わけあえば 他人(ひと)の泪も わが泪 つきぬこの世の 哀しみを 拾いあつめる なみだ川 我が人生は我が人生は あゝ……なみだ川二葉百合子杉紀彦吉田矢健治(セリフ) 「生きるすべてを、語りつづけ、 うたいつづける事に、ささげて来た私。 その思い出を拾いあつめてみるならば、 人生をぬって流れる、なみだの川になる ようでございます。」  照る日曇る日 吹雪の日 芸がいのちと 仕込まれて 泪うかべる ひまもなく おさな芸人 流れ旅 幾年月(いくとしつき)を幾年月を あゝ……流れ旅  むしろがこいの かけ小屋が 娘浪曲 晴れ舞台 たった一つの 衣裳着て 十九 二十(はたち)を 汗まみれ 恋すら忘れ恋すら忘れ あゝ……汗まみれ  (セリフ) 「ひもじさと貧しさを道づれに、ひ たすら修業の歳月をすごした私には、いつ の間にか、ふれあうお方一人一人の、つらいく るしい人生が分かって参りました。人の泪 は私の泪……、共に泣き共に応(こた)えて筒井 筒、私に命ある限り、歌い続けて参ります。」  生きるつらさを わけあえば 他人(ひと)の泪も わが泪 つきぬこの世の 哀しみを 拾いあつめる なみだ川 我が人生は我が人生は あゝ……なみだ川
渡り鳥でござんす旅の烏で 三年三月 影もやつれた やくざ髷 ドスを抱き寝の 今宵の夢も 風に流転の 三度笠  (セリフ) 「あれから三年――おふくろさん、 今頃ァ何うして居なさるか、会いてえ、 一目でもいいから会いてえ、 あゝ、見える、生まれ故郷の山川が ――聞える俺を呼んでる おふくろさんのアノ声が――」  男なりゃこそ 忘れて居たに 思い出させて 又泣かす アレは宵宮の 太鼓か笛か 知らぬ他国の 祭り唄  翼あろうが なかろがまゝよ 鳥と名前が つくからにゃ 行かざなるまい やくざの果てと 泣いて浮世を 渡り鳥二葉百合子室町京之介山口俊郎旅の烏で 三年三月 影もやつれた やくざ髷 ドスを抱き寝の 今宵の夢も 風に流転の 三度笠  (セリフ) 「あれから三年――おふくろさん、 今頃ァ何うして居なさるか、会いてえ、 一目でもいいから会いてえ、 あゝ、見える、生まれ故郷の山川が ――聞える俺を呼んでる おふくろさんのアノ声が――」  男なりゃこそ 忘れて居たに 思い出させて 又泣かす アレは宵宮の 太鼓か笛か 知らぬ他国の 祭り唄  翼あろうが なかろがまゝよ 鳥と名前が つくからにゃ 行かざなるまい やくざの果てと 泣いて浮世を 渡り鳥
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