仲間酒永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | こんな時に よく来てくれたな あんたも何かと 大変だろうに 今夜はあんたが お客で俺が 亭主って 訳なのか 自棄(やけ)酒飲んで 憂さ晴らし 痛いほどわかる あんたの気持ちが その日暮らしの 俺たち稼業は 相身互いさ 共に仲間酒 杓子定規の 学ある奴には 分かりゃしないさ 生な世の中が 誰かが誰かを 支えてそれで 世間は 回ってる 強がり言って 馬鹿話し 笑い飛ばすしか 生きてく術ない あってもなくても 俺たち稼業は 相身互いさ 一緒に飲もうよ うなぎ寝床の こんな店にも 慕って来てくれる 馴染客がいる 真心尽くした 男の城と 人生を 賭けて来た 消しちゃいけない 夢明かり 人が人として 生きてく限りは なくてはならない 俺たち稼業は 相身互いさ 共に仲間酒 なくてはならない 俺たち稼業は 相身互いさ 共に仲間酒 |
当世酒場唄鳥羽一郎 | 鳥羽一郎 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 蔦将包 | 景気が悪くて いけないね カウンター隣りの 常連客の 酒が言わすか 愚痴また愚痴を 黙って聞いてる 一人酒 あぁ、当世 世の中は 小賢(こざか)しい奴等が幅利(き)かせ 俺らみたいなヨ 昔気質(かたぎ)の 馬鹿正直にゃヨ 居場所がない 安酒でなんですが よかったら 一杯受けて くれますか 時代がなんとも いけないね 酒場主人の 漫(そぞ)ろ言葉 誰に聞かすか 昔語り 黙って聞いてる 一人酒 あぁ、当世 世の中は 人情を口説(くど)けば 笑われる 人と人とはヨ 一期一会の 情けの糸でヨ 繋がれている 新参者ですが 近付きに 一杯受けて くれますか あぁ、当世 世の中は 懐(ふところ)の重さで 人量る 男の値打ちはヨ 修羅場くぐり抜けた 背中で見せるヨ 優しさにある 僭越至極(せんえつしごく)ですが 近付きに 一杯受けて くれますか 安酒でなんですが よかったら 一杯受けて くれますか |
罪酒叶竜也 | 叶竜也 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 萩田光雄 | 酒の飲み方さえ知らずに 一人舞台の絡み酒 酔い醒めのほぞ噛むほどの後悔を 忘れるためにまた酒を呑む ああ、なんて馬鹿なことの繰り返し 愚かしいのもほどがあるよね ああ、なんて馬鹿なことの繰り返し 馬鹿は死ななきゃ治らない 罪酒 胸のむしゃくしゃを晴らせば 一年一度の暴れ酒 負け犬の火が出るほどの悔しさが 抑え効かずにまた溢れ出す ああ、なんて無駄なことの繰り返し 恥ずかしいにもほどがあるよね ああ、なんて無駄なことの繰り返し 開いた口が塞がらない 罪酒 女心さえも分からず やもめ暮らしの想い酒 置き去りの身を切るほどの切なさを 堪えきれずにまた酒を足す ああ、なんて罪なことの繰り返し 自分勝手もほどがあるよね ああ、なんて罪なことの繰り返し 煮ても焼いても食えやせぬ 罪酒 …罪酒 |
つまさき坂 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 爪先上がりの坂道で 偶然君と出会ったのは 春の日にしては肌寒く 日射しの頼りない午後の事 うつむき加減に坂を下りて来る君を 僕はもう疾くに立止まり見ていた ふと目を上げたその顔は まるで病葉(わくらば)が散るように 微かに揺れた その場に二人は立ち尽くし 暫くは思い出に迷い込む 再びざわめきが戻って来ると 軽く会釈をして通り過ぎた 擦れ違い様のあるなしのそよ風に 君の香水の芳りが漂う それはいつでも君からの 便りにそっとさりげなく 添えられていた 随分君も変わったね 薄く口紅も引いてたみたい お化粧嫌いの君を誰が そんなに自由に操っているのか 徒らに過ぎる時に戸惑いながら 僕はまだ君の面影に逡巡(ためら)う 足早に行く君の背は 雲に濾(こ)された日の光に 空しく消えた 雲に濾(こ)された日の光に 空しく消えた |
美ら旅氷川きよし | 氷川きよし | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 丸山雅仁 | 砕ける波と 珊瑚グリーンの 海が見えたらもうそこは 憧れの島 疲れた体を 癒すため さ迷う心を 叱るため 優しい人に 会いに来ました 文庫本だけ入れて はるばると ハイビスカスは 島乙女のよう きっと叶わぬその夢は 憧れの恋 瞳で想いを 告げたなら 涙の笑顔を くれました 清々しさが 胸に広がる 美しいものに触れて はればれと 強い日射しを 遮るフクギの 木陰(こかげ)はまるでおふくろの ふところの中 小さな体を 折るように 過ぎ行く人と 面影が 美ら旅終えて 会いに帰ろう 今の素直な心の そのままに 美ら旅終えて 会いに帰ろう 今の素直な心の そのままに |
達磨(だるま)日高正人 | 日高正人 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 桜庭伸幸 | 名前知れない 花なれど 愚痴らず誇らず 咲いている 横殴る風にも耐え 春に生命を 尽くすよう まして 人間ならば 倒れても 起き上がれ 達磨人生は いつか必ず 墨が入り 花開く 流れ険しき 川なれど 魚は休まず 溯る 岩肌に 傷付いても 明日に生命を 継ぐため まして 人間ならば 辛くても 夢を持て 忍人生は 心の刃 叩かれ 強くなる 肩に優しき 雨なれど 滴は石をも 穴穿つ ちっぽけな 水たまりも いつか大きな 海になる まして 男なら 揺るぎない 意志を持て 棘人生は ひと山越えて 情の 実をつける |
想夫恋坂本冬美 | 坂本冬美 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | もしもお前が男だったら 天下取るよな 器量の男 そんな言葉の溜め息ついた 貴方の 辛さ弱さ解るけど 私が一生賭けて 惚れた人だから 愚痴る酒より 夢見る酒を 大きな男でいてほしい 強く見えても 女は女 口で言うのと 心は違う 些細な気持ちに躓く夜は 震える 身体ずっと抱いていて 親の反対押して惚れた人だから 責める酒より 許せる酒を 優しい男でいてほしい 男三十路は 小僧と同じ 女三十路に 咲く情け花 他人を踏むよな 出世なら要らぬ 言い切る 潔さが いとおしい この人ならと信じ 惚れた人だから 食らう酒より 味わう酒を 粋な男でいてほしい 粋な男でいてほしい |
ずっと永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 窓辺に座ってひとり 夕焼けを見つめて ギター爪弾くは君の好きだったメロディー 壁に掛かった あの日二人の 肖像画(ポートレイト) 涙で霞んで それも見えない 夜が来るたび 君のこと思い出して 唄っているよ ずっとずっとずっと 永遠に 君を忘れない 憂鬱な気分に抱かれ 街角を彷徨えば 聞こえて来るブルースは あまりにもパロディー 店に並んだ 青いマイセン陶磁器(ポテリー) 甘えてねだった 君が恋しい 街に出るたび 君のこと探していて 想っているよ ずっとずっとずっと 夜が来るたび 君のこと思い出して 唄っているよ ずっとずっとずっと ずっとずっとずっと 永遠に 君を忘れない |
捨て猫永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 信じた男に 捨てられて ボロボロになった 私に 何か暖まるものをください 寒くて今にも死にそうなんです 浮かれた夜の盛り場に 迷い込んだ私を あんた ほしいなら抱いていいよ 男は みんな同じだから 愛し過ぎるのが どうしていけない 教えてほしいよ 円(まる)いお月様 夜中に何度も 眼が覚めた カラカラに喉が 渇いて 明かりも消さずに 服も着替えず 眠っても誰も叱ってくれない 子供の頃の思い出が 夢の中に 甦(よみがえ)る 親の優しさが懐かしいよ 大人はとても難しいから 尽くし過ぎるのが どうしていけない 教えてほしいよ 壁のリトグラフ 三十半ばの盛りに 一人暮らしのマンション ニ度と恋なんかしたくないよ 心が辛過ぎるから 女が手酌で飲むのはおかしい 今夜も泣いてる 哀れな捨て猫 今夜も泣いてる 哀れな捨て猫 今夜も泣いてる 哀れな捨て猫 |
すずらん通り門倉有希 | 門倉有希 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | すずらん通りを 通り抜け 灯りの途絶えた 一角に ひとつぼんやり 居酒屋の 赤提灯 揺れている 言葉少なに 男たちが 憂さ晴らしに 飲む酒 愛し あゝ あゝ あの人の 寂しい背中を 思い出す 群れに馴染まぬ 者どうし 目と目を合わせた それだけで 心通わす 夜もある 身体通わす 夜もある 情に絆(ほだ)され 女たちが 嘘を承知で 飲む酒 哀し あゝ あゝ あの人は 今頃どうして いるだろか 理屈で割れぬ 男と女 差しつ差されつ 飲む酒 可笑(おかし) あゝ あゝ あの人が そっと肩を叩く 気がする あゝ あゝ あの人の 寂しい背中を 思い出す 今頃どうして いるだろか |
親友への手紙永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | ツルノリヒロ | 俺とお前は 無二の親友だから 何かあった時は 連絡してくれよ しばらく会っては いなかったけれど 変わらぬ昔の気持ちで お前となら会える いつだって 学生時代 あいつの教室に 恋文(ラブレター)代わりに届けてくれたっけ 今度帰るさ 二人で飲もう できたらあいつも来れたらいいけど 俺はお前の 晴れの結婚式も 祝ってやれなくて 勘弁してくれよ 大口叩いて 田舎飛び出して 中途半端じゃ帰れない わかってくれるだろう お前なら 覚えているか 下宿屋の近くで 銭湯帰りに焼き鳥食べたこと 今度帰るさ みんなで飲もう 何なら上さん連れて来ればいい 身体壊していると 誰かに聞いた あんなに元気だった お前がまさかだよな そろそろ俺たち のんびりできると 思って楽しみにしていた わからないものだな 人生って これも褒美と 気楽に受け止めて 具合が良ければ旅にでも出ないか 今度帰るさ 相談しよう できたら俺たち長生きしようぜ 今度帰るさ 相談しよう できたら俺たち長生きしようぜ |
道標ない旅ケイタク | ケイタク | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 閉ざされた部屋の窓を 開けてごらんよ いつまでも そんな風に 塞いでいないで そこにはあの日 希望に燃えて 君が見上げた 青い空が 変わらずに 続いている筈だ 大空に群れなす鳥たちよ 君の声を見失うなよ 青春を旅する若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる あてのない青春の 橋の途中で すれ違う 人の多くは 名前も知らない 見果てぬ夢を 探し求めて 出会う仲間は それだけに すばらしいのさ 言葉はいらないさ 大空を飛び交う鳥たちよ 今よりはるか高くのぼれよ 青春を旅する若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる 大空を飛び交う鳥たちよ 今よりはるか高くのぼれよ 青春を旅する若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる… |
道標ない旅 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 閉ざされた 部屋の窓を 開けてごらんよ いつまでも そんな風に 塞(ふさ)いでいないで そこにはあの日 希望に燃えて 君が見上げた 青い空が 変わらずに 続いている筈だ 大空に群れなす 鳥達よ 君の声を 見失うなよ 青春を旅する 若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる 当てのない 青春の 橋の途中で 擦れ違う 人の多くは 名前も知らない 見果てぬ夢を 探し求めて 出会う仲間は それだけに 素晴らしいのさ 言葉はいらないさ 大空を翔び交う 鳥達よ 今より遥か 高く上れよ 青春を旅する 若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる 大空を翔び交う 鳥達よ 今より遥か 高く上れよ 青春を旅する 若者よ 君が歩けば そこに必ず 道はできる ラララ…… |
昭和名残り唄青戸健 | 青戸健 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 桜庭伸幸 | ふと湧き出づる 哀しみは 演歌流しの 弾くギター 諦めきれずに 消え残る 昭和時代の 名残り唄 傘を開いて 待っていた 改札口で 雨ん中 薬缶(やかん)沸かして 啜(すす)り合う インスタントの 粉珈琲 都会の片隅 忘られた 六畳一間の 鳥籠で 夢を黙って 聞いていた 炬燵布団(こたつぶとん)に 包(くる)まって ふと込み上げる 切なさは プラットホームの 解(ほつ)れ髪 心が潰れる 済まなさに 故郷(ふるさと)列車の ベルの音 窓を開いて 手を振った 涙笑顔で いつまでも |
傷心キム・ランヒ | キム・ランヒ | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 国吉良一 | 愛していたと ひとこと言って 一度は私を 誰よりも それで黙って 戻って行くの ひとりぼっちの私に 人込みに 肩ぶつけて すれ違う人に 叱られて ふと 自分に返って 惨めな気持ちになる 他の誰かと 幸せの階段上る 好きだったからこそ 密かに 身を引く 愛していたと ひとこと言って 一度は私を 誰よりも それで黙って 戻って行くの ひとりぼっちの私に 突然の にわか雨に ずぶ濡れの髪を ハンカチで そっと 拭ってくれた それが初めての朝 心優しい 臆病な貴方のこと 苦しめたくないから この街 出て行く 愛していたと ひとこと言って 一度は私を 誰よりも それで黙って 戻って行くの ひとりぼっちの私に 愛していたと ひとこと言って 一度は私を 誰よりも それで黙って 戻って行くの ひとりぼっちの私に ひとりぼっちの私に |
島の女平浩二 | 平浩二 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 船が出る 船が出る 島が 遠離(ざか)る 青い風 赤い服 貴女 遠離(ざか)る 千切れるほどに 手を振れば 名残りの涙 白い 白いハンカチに 包んでくれた お弁当 また来る また来る あゝ 島の女(ひと) 船が行く 船が行く 貴男 遠離(ざか)る 思い出だけ残して 貴男 遠離(ざか)る さようならとは 今度逢う 約束の言葉 心 こころ疲れたら いつでも島で 待っている いつ来る いつ来る あゝ 街(まち)の男(ひと) 胸を打つ 胸を打つ 初心な 優しさが 世知辛い 世の中に 純な 優しさが 相身(あいみ)互いの 支え合い 人生の旅路 酔って 唄い踊ったら 淡く芽生えた 恋心 また来る また来る あゝ 島の女(ひと) |
雫永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 安田裕美 | 雨の中を 言葉もなく二人 傘の中は 二人だけの世界 唇にさえまだ触れもせず 歩くだけの恋 それでも心は満ち足りていた そばにいるだけで 雨の街は 音のない世界 傘の 雫(しずく) 二人だけの世界 古いシネマ リバイバル映画 君の涙 小さな恋のメロディ 手を繋いでいるだけでよかった 甘く淡い恋 今でも心に蘇るのは 美しい二人 窓の外は 灰色の世界 伝う雫 失われた世界 唇にさえまだ触れもせず 歩くだけの恋 それでも心は満ち足りていた そばにいるだけで 雨の街は 音のない世界 傘の雫 二人だけの世界 窓の外は 灰色の世界 伝う雫 失われた世界 |
静かな心永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | ツルノリヒロ | 麦わら帽子を被って 庭の草むしり 無心になれるこの時間が 今は何よりも大切 誰にも邪魔されたくない 愛する者さえ やっと見つけたこの安らぎは 私一人だけの世界 若いとか綺麗だとか もう卒業した人生から 私だけにしかできないことを 夢中に追い続けたい 傍らで仔犬が戯れる 雨に捨てられてた 孤独な心 通わせられる 今は一番の友達 恨みとか妬みだとか もう克服した人生から 私にできることだけ精一杯 無理せず生きて行きたい 小さな声で口遊む アメージング・グレース 優しく心 包まれている 私には一つの命 Amazing grace how sweet the sound That saved a wretch like me I once was lost but now am found Was blind but now I see 若いとか綺麗だとか もう卒業した人生から 私だけにしかできないことを 夢中に追い続けたい 傍らで仔犬が戯れる 雨に捨てられてた 孤独な心 通わせられる 今は一番の友達 麦わら帽子を被って 庭の草むしり 無心になれるこの時間が 今は何よりも大切 私一人だけの世界 |
潮騒~The sound of the sea~永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 住友紀人 | 明け染めの潮騒は 孤独を際立たせ 厚い雲に覆われて 人の影もない オレンジの街灯り 遠くに瞬いて 夜と朝の境界で 人を眠らせる ショールの温もりに包まれ 砂浜に降り立ち 拾った流木で名前を書いた 思い出の中で生きて行くのは 寂しいことと人は言うけれど 嫌われて嫌って生きるよりも まだ価値あることと思った The sound of the sea 仮初めの恋愛は 虚しく繰り返す 心暗き深海で 人を溺れさす 貝(シェル)の欠けらを集めて 掌で遊んで 尖った先端で指先を切った 諦めの中で生きて行くのは 誰もそうだと人は言うけれど 傷ついて傷つけ生きるよりも 一人の方がいいと思った 思い出の中で生きて行くのは 寂しいことと人は言うけれど 嫌われて嫌って生きるよりも まだ価値あることと思った The sound of the sea The sound of the sea |
孤高の鳥永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 国吉良一 | 防潮堤に止まった 名も知らぬ鳥は 今まさに飛び立たんと 長い沈黙の後で 心に何かを決めた人のように 俺はこれでいいのか 今のままで 鳥ほどの 決心もなく 波よ 飛沫よ 俺を濡らせよ 波よ 飛沫よ 俺を目覚めさせよ 工場跡に茂った 名も知らぬ草に 今まさに花咲かんと 長い闘病の後で 命の何たるか知った人のように 俺はこれでいいのか 今のままで 草ほどの 情熱もなく 雨よ 嵐よ 俺を殴れよ 雨よ 嵐よ 俺を目覚めさせよ 俺はこれでいいのか 今のままで 鳥ほどの 決心もなく 波よ 飛沫よ 俺を濡らせよ 波よ 飛沫よ 俺を目覚めさせよ ラララ 俺を目覚めさせよ |
恋はゆっくり時間をかけて永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 恋はゆっくり時間をかけて 愛の余韻を楽しむように ロマンチックに 追ってほしいの ふざけ過ぎた 真夜中パーティー 月明りに 波の甘いざわめき ノスタルジックな 気分に任せ 港を離れる 船の汽笛にも 二人の憧れ 果てしなく広がる 恋はゆっくり時間をかけて お伽噺に夢中な今夜 アバンチュールな 潮風に誘われ 戻れない 気紛れゲーム メリー・ゴー・ラウンド 男と女は ドラマチックに 愛してほしい 埠頭に輝く 星の光にも 何億光年 旅が今 始まる 恋はゆっくり時間をかけて お伽噺に夢中な今夜 恋はゆっくり時間をかけて 愛の余韻を楽しむように 恋はゆっくり時間をかけて 愛の余韻を楽しむように ラララ…… |
恋初めし氷川きよし | 氷川きよし | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 石倉重信・萩田光雄 | ひとはひとを 好きになり こころの不思議を 悟る 風そよぐ花 枝伝う鳥 すべてに君を 想う 会う喜びよりも 別れの辛さ 先に立って 途方に暮れて 吐息する それ 恋の初めなり ゆうべゆうべの つれづれに 手紙したため 破る 朝のしらじら 恥ずかし言葉 少しく君を 恨む 愛していいですか それとも夢と 忘れますか 千々に乱れて 涙する それ 恋の初めなり 愛してくれますか それとも誰か いるのですか 頬の辺りが 痩せ細る それ 恋の初めなり それ 恋の初めなり それ 恋の初めなり |
献杯永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 萩田光雄 | ひょっこりいつも 現れた カウンター席の 端っこに イカの塩辛 肴にして 夏でも熱燗 呑んでいた 目立たないけど 目立ってた 黙って話しを 聞いていた 人の心に 寄り添った 誰にも優しい やつだった 皆んな集まり 馴染みの店で 今夜も飲んでは いるけれど お前がいなくなって 寂しくなったよ 今夜もお前に 献杯 本音言うほど 野暮じゃなく さりとて軽い 訳じゃない 涙脆さを 隠すため 乾いた風を 纏ってた 聞かずもがなを 聞いてみた 余計なことだと 知りながら 苦労重ねた 身の上を 愚痴にも語らず 旅立った 皆んな集まり 馴染みの店で 今夜も飲んでは いるけれど お前がいなくなって 寂しくなったよ 今夜もお前に 献杯 他人行儀な 顔をして 思い思いに 偲び酒 空のコップに 酒を足し お前の分まで 飲み干した お前がいなくなって 寂しくなったよ お前がいなくなって 寂しくなったよ お前がいなくなって 寂しくなったよ 今夜もお前に 献杯 今夜もお前に 献杯 今夜もお前に 献杯 |
偶然永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | あの日何故 あんな嘘をついたのか 結婚する気だなんて くちづけの後 それはでも 全く嘘でもなくて 止めてほしさ半分 心見たさ 仕事の帰りの 信号待ちで 隣に貴方の 車が並ぶ そんな偶然を まだ夢見てる 夕時 小さなこの町で 今はもう 違うお店に変わって 行くこともないけれど 時々通る 私まだ 今からすれば若くて うしろめたさ半分 愛し合った 仕事に戻って お部屋を借りて 子供と二人で 暮らしています きっと偶然は どこかに潜む 夕時 小さなこの町の 仕事の帰りの 信号待ちで 隣に貴方の 車が並ぶ そんな偶然を まだ夢見てる 夕時 小さなこの町で 夕時 小さなこの町で |
クロスポイント永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 真っ直ぐに行けばまた違う人生が 君を待っていたかもしれない だけど君は僕と出会いこの道を選んだ それまでの何もかも捨てて 人生における交差点で 二人出会い暮らしたことを 君にもし後悔させたとしたら それは僕の望むことではなかった 毎日多くの人生が交差する それぞれに関わることなく 一億分の一の奇跡と呼ぶに相応しい 愛でなければいけなかった 人生における交差点で 二人愛し過ごした日々を 君がもし愛しく思い出すなら それは僕のせめての心の救い 人生における交差点で 二人出会い暮らしたことを 君にもし後悔させたとしたら それは僕の望むことではなかった |
胡桃永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 道で見つけた 可憐な花の 名前さえ知らずに 生きて来た 胡桃のような 固い指先で 触れようもなら 折れてしまうだろう 真面目なだけが 取り柄だった 仕事ばかりが 生き甲斐だった 俺は本当に 無骨者 俺を支えた 優しい人の 想いさえ気づかず 生きて来た 胡桃のような 野暮な頑固さで お前無しでは 駄目になっただろう 無駄な事だと わかっていても 黒を白とは 言えなかった 俺は本当に 無骨者 夢は墓場に 疾に葬られ 在りかさえ知れずに 草生した 胡桃のような 粗野な掌で お前抱いたら 惚れてしまうだろう 急ぐばかりの 人生だった 酔ってばかりが 気休めだった 俺は本当に 無骨者 |
悲しみとともに永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 窓枠に割れ残ったガラスのような 無惨な私の心にも あなたの温かな日差しが届き ようやく春を迎えることができました 悲しみは乗り越えて行くものではなく 自分を映す鏡のようなものだと あなたの言葉に前を向き 歩き始めることができました 会館の前で撮った成人式の 写真が最後の一枚に 全てがあの時に止まったようで それでも時はいつしか進んでいました 悲しみは一人で抱えるものではなく 誰かと話し分かち合われるものだと あなたの言葉に愛を知り 愛を迎えることができました 悲しみは忘れ去られるものではなく ともにあって思い返されるものだと あなたに心を動かされ 愛の絆が強くなりました 悲しみは乗り越えて行くものではなく 自分を映す鏡のようなものだと あなたの言葉に前を向き 歩き始めることができました 生きて行く 悲しみとともに |
カトレア永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 新聞受けの音で 目が覚めて ねむけ眼(まなこ)で お湯を沸かして 珈琲の香りを 嗅いだなら 僕の一日が 始まる やり掛けの仕事が テーブルに 散らかったまま 時を急(せ)かして 積み上げた 本の間から 君の写真が 微笑(ほほえ)む 声高に聞かせるほどの 夢はなく 毎日が穏やかに 過ぎて行けばいい 振り向いてただ 後悔しないように 僕は生きて行きたいだけ 踏切を待つ人の その中で 髪の寝癖を そっと直して 駆け出した 風の冷たさに 季節の変わり目を 感じる 街の景色が移る 電車窓 人間(ひと)の生活(いとなみ) 愛しく思う 駅前の花屋で 立ち止まり 君を少しだけ 想う 幸福(しあわせ)を競うほどの 欲もなく 毎日を直向(ひたむ)きに 過ごせたならいい 振り向いてただ 後悔しないように 僕は生きて行きたいだけ 声高に聞かせるほどの 夢はなく 毎日が穏やかに 過ぎて行けばいい 振り向いてただ 後悔しないように 僕は生きて行きたいだけ |
風呼ぶ口笛永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 裏窓に座って 湯上がりの夕涼み 吹く口笛の音に誘われて 風が風を連れて来る 篠笛のような どこか哀しい調べ 釣り蚊帳の中から聞いていた 母の風呼ぶ口笛 三度吹いてはまた三度 そしてまた三度 一度目は幼き頃思い出し 二度目は帰ることを願い 三度目は心諦めたように きっとそうして吹いていたんだろう 夕空を斜交いに 鳥は塒(ねぐら)へ急ぐ 可愛い子供の手を引くように 雲が雲を連れて行く 廻廊のように 風が吹き抜けて行く 沁みじみ沁みじみと懐かしい 母の風呼ぶ口笛 三度吹いてはまた三度 そしてまた三度 一度目は幼き頃思い出し 二度目は帰ることを願い 三度目は心諦めたように きっとそうして吹いていたんだろう 一度目は幼き頃思い出し 二度目は帰ることを願い 三度目は心諦めたように きっとそうして吹いていたんだろう きっとそうして私も吹くだろう |
風の華加納ひろし | 加納ひろし | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 海峡は 荒くれる波 カモメが 啼き騒ぐ 未練残し発つ 人のように 遠ざかる フェリーボート 温もり求め 人が寄り添う ターミナル 待合室 恋のいのち ちりぢり 儚くも 舞い飛ぶ 風の華 望郷が この胸を突く 夜汽車の 揺籃で 気丈に暮らす 母の姿 映し出す 曇り硝子 人の哀しみ そっと見て来た 鉄道 埠頭駅 愛の記憶 はらはら 寒々と 降り積む 雪の華 海鳴りが 掻き消して行く 激しい 慟哭を 漁火が灯る ぼんやりと 思い出の 集魚灯 慣れない酒に 酔い乱され 抱いて抱かれた 旅の宿 女心 こなごな 憐れにも 砕かれ 波の華 恋のいのち ちりぢり 儚くも 舞い飛ぶ 風の華 |
風がすべてを永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 時を上りて 昔 勇敢な 男たちが 世界中で 戦って この平和を もたらした 時を下りて 今 勇ましい 男たちが 世界中で 息巻いて また秩序を 破壊する 石に刻まれた 誓いの言葉も 夥しい数の 死者の名前も 風がすべてを 化し去って行く 風がすべてを 化し去って行く 街に集いて 人は 自由を 守るために 催涙ガスを 浴びて 弾圧と 闘ってる 危機に臨めど なお 権力に しがみついて チキンゲームを 仕掛ける 亡国の 独裁者 民族浄化の 大量殺戮も 若い兵士達の 罪悪感も 風がすべてを 化し去って行く 風がすべてを 化し去って行く 風がすべてを 化し去って行く 風がすべてを 化し去って行く |
カシスソーダを飲みながら氷川きよし | 氷川きよし | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 萩田光雄 | 疲れた心 癒される場所もなく 冷たい皮のソファーで 眠るだけ 港見下ろす ホテルまで 車の中から 貴方に電話した チークダンスを今夜 僕と踊りませんか 甘いムードの 曲に合わせて 大人の恋というのを 僕としてみませんか 赤いカシスソーダを 飲みながら 世界はいつも フェイクニュースに溢れて 誰もが疑心暗鬼に 落ち込んで 好きかどうかも あやふやで テーブル挟んで 貴方を誘ってた チークダンスをどうか 僕と踊りませんか 頬と頬を 寄せ合いながら 僕のリードに合わせて 愛をしてみませんか 赤いカシスソーダに 酔いながら チークダンスを今夜 僕と踊りませんか 淡いライトに 体揺らせて 洒落た大人の恋を 二人してみませんか 赤いカシスソーダを 飲みながら ラララ… |
飾らない愛永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 飾らない愛をあなたのもとへ さりげなく伝えたい 心が曇り空でも 微笑みを忘れずに 唇に歌を乗せて生きてたい 様々な人が孤独の街で 肩を寄せ暮らしてる 通りすがりにかけられた 何気ない挨拶に 悲しみを救われたこともある シャラララ 人生は夢のようで とりとめのないドラマ 一秒刻みの時の連なりの中で 確かなものは 愛だけ 飾らない愛をあなたのもとへ さりげなく伝えたい どんなに辛い夜でも 明けない夜はない 口笛も爽やかに歩いてこう シャラララ 人生は夢のようで とりとめのないドラマ 一秒刻みの時の連なりの中で 確かなものは 愛だけ 飾らない愛をあなたのもとへ さりげなく伝えたい 心が曇り空でも 微笑みを忘れずに 唇に歌を乗せて生きてたい 唇に歌を乗せて生きてたい |
顧みて永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 萩田光雄 | タバコ屋の赤い公衆電話から 三日に一度のふるさと電話 10円玉を右手一杯乗せて 左手でダイヤル回した 手紙の返事を出せない言い訳を 後ろめたさが早口にする 君は頷く「ウンウン」と何か 言い掛けて通話が途絶えた 夢さえなければ すぐに帰りたかった 夢さえなければ 君のそばにいたかった 寝台列車を降り立ったあれから 幾十年かの時が過ぎ去り 都会に憧れ僕が得たものは一体 顧みて何だったのか 虚しいばかりの諦めの気持ちと 少しばかりの要領良さと 君を失くした後悔とそれを 埋め尽くせない哀しみと 夢しかなかった 心支えるものは 夢しかなかった 君に誇れるものは 夢さえなければ すぐに帰りたかった 夢さえなければ 君のそばにいたかった |
女の酒場 五木ひろし | 五木ひろし | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 今にも降りそな 空のよう 溜まった涙 あたれ出す 人が見るのも 構わずに 思い切り 泣いた 優しい貴方の 面影を この唄聞けば 思い出す 傷つくことは 初めから 知っていたけど 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 倚(よ)りかかる 背凭(もた)れもない 女の止まり木 心に残った 未練酒 時間が行けば 苦くなる 強がり足して 薄めても 辛さに 噎せた どこかに貴方の 残り香が 残っていそうな あの部屋に ひとりぼっちが 寒いから 帰りたくない 寂しいよ 寂しいよ 身体が 寂しいよ 飲みたいよ 飲みたいよ 忘れて 飲みたい 酔うほどに 想い乱れる 女の酒場 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 酔うほどに 想い乱れる 女の酒場 |
女の酒場小金沢昇司 | 小金沢昇司 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 今にも降りそな 空のよう 溜まった涙 あふれ出す 人が見るのも 構わずに 思い切り 泣いた 優しい貴方の 面影を この唄聞けば 思い出す 傷つくことは 初めから 知っていたけど 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 倚(よ)りかかる 背凭(もた)れもない 女の止まり木 心に残った 未練酒 時間が行けば 苦(にが)くなる 強がり足(た)して 薄めても 辛さに 噎(む)せた どこかに貴方の 残り香(が)が 残っていそうな あの部屋に ひとりぼっちが 寒いから 帰りたくない 寂しいよ 寂しいよ 身体(からだ)が 寂しいよ 飲みたいよ 飲みたいよ 忘れて 飲みたい 酔うほどに 想い乱(みだ)れる 女の酒場 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 酔うほどに 想い乱れる 女の酒場 |
女の酒場寺本圭佑 | 寺本圭佑 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 西村幸輔 | 今にも降りそな 空のよう 溜まった涙、あふれ出す 人が見るのも 構わずに 思い切り 泣いた 優しい貴方の 面影を この唄聞けば 思い出す 傷つくことは 初めから 知っていたけど 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 倚りかかる 背凭(もた)れもない 女の止まり木 心に残った 未練酒 時間が行けば 苦くなる 強がり足して 薄めても 辛さに 噎(む)せた どこかに貴方の 残り香が 残っていそうな あの部屋に ひとりぼっちが 寒いから 帰りたくない 寂しいよ 寂しいよ 身体が 寂しいよ 飲みたいよ 飲みたいよ 忘れて 飲みたい 酔うほどに 想い乱れる 女の酒場 恋しいよ 恋しいよ 背中が 恋しいよ 逢いたいよ 逢いたいよ もう一度 逢いたい 酔うほどに 想い乱れる 女の酒場 |
想い永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | どうしたなら この苦しみを 逃れることが出来るのか 何と唄えば 僕の想いが 君に伝わるのだろうか 編物を膝におき 君がまどろむ部屋に 僕は風になって 窓からしのびこみ 君の眠りの中に 溶けこんで行きたい もう幾日 過ぎただろうか 長い夜な夜なを見届けて 灯りに集う 虫達にさえ 優しくなるのは何故だろう 愛を綴る言葉は あまりに少な過ぎて 僕は手紙の中の 小さな文字になり 君の心の中に 溶けこんで行きたい 君の心の中に 溶けこんで行きたい 君の心の中に 溶けこんで行きたい |
お遍路永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 鈴を打ちならし 日翳を選んで通る あれはお遍路よ 島を巡り歩く 人生の重みを杖一つで やっと支えながら 老いた身体(からだ)には 山路は嘸(さぞ)や辛かろ 畦の紅蓮華 乾いた心に染みる 死んだお遍路の 生まれ変わりの姿 人生に幾たび騙されても じっと怺えてきた 旅の草疲(くたび)れを 落ち着ける場所を尋ねる |
男と女の飲む酒は…角川博 | 角川博 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 桜庭伸幸 | 男が酒を飲む夜は 世間の辛さが身に沁みる 叱って 叱って 叱りつけ 自分の心の弱さを 運の悪さを恨んでは 人の想いを踏みにじる 男は孤独の友がいる 今日で止めよう 恨むのは 明日があるさ 明日があるさ 今がどんなに辛くても 明日があるさ 明日があるさ 信じて生きてりゃ きっといいことあるさ 女が酒を飲む夜は 別れた男を思い出す 拭(ぬぐ)えど 拭えど 留処なく 涙が溢れて零(こぼ)れる 好きで拗ねて強がって 人の優しさ傷つけた 女は抱かれて夢を見る 今日で止めよう強がりは 明日があるさ 明日があるさ 今は一人が辛くても 明日があるさ 明日があるさ 信じて生きてりゃ きっといいことあるさ 明日があるさ 明日があるさ 今がどんなに辛くても 明日があるさ 明日があるさ 信じて生きてりゃ きっといいことあるさ |
丘の上のホスピス永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | ツルノリヒロ | 始まりはバス停 手持ち無沙汰にバスを待つ ふと顔上げて僕の眼差しに 君が気づいたその時 美しい季節は 雲一つなく過ぎて行き 今独りきり児童公園の 木漏れ日に背を温めて 君は煌々の思い出残し 僕の心に住処を変える 人はそれぞれの役割を終えて 永く静かな時を迎える 丘の上のホスピス 天使のような束ね髪 涙混じりの君の微笑みに 僕は悟ったあの時 生きることの意味は 君が教えたその意味は 誰かの胸に消えることのない 愛の灯を灯し得たか 君は溌剌の思い出残し 僕の心に生き続けてる 人はそれぞれの約束を果たし 晴れて久遠の時に旅立つ 君は煌々の思い出残し 僕の心に住処を変える 人はそれぞれの役割を終えて 長く静かな時を迎える |
桜桃忌~おもいみだれて~永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 襟元に吹く風が 心地よく肌に馴染む 衣更えが恋しく思える 今年も夏が来た 帰らない青春と ともに戻らぬ人 いつもならば 忘れているのに 思い出す 桜桃忌 若さは 時として残酷で 小さな生命(いのち)さえも奪って行く 貴方は他の誰よりも素直に生きていたわ ただ ほんの少し先を 急ぎすぎただけのこと 本棚の片隅に 貴方から借りた太宰 徒らに頁を捲(めく)れば 拙い走り書き 傾いた青春に 眩しい夏日差し 思いきり 駆け出したいけど 頼りなく 後ずさり 若さは 時として残酷で 小さな過(あやま)ちさえも引き摺って行く 貴方は他の誰よりも私を愛してくれた ただ ゆくと知っていたなら あんなまでに 溺れなかった 貴方は他の誰よりも素直に生きていたわ ただ ほんの少し先を 急ぎすぎただけのこと |
オイビト永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 腹から笑えることなどは この先幾度もありゃしない 長生きなんてしてみても 何の褒美も出やしない 馬鹿らしいほど必死になって いじらしいほど冷や汗かいて それが何だと言わぬばかりの 夜がちょっぴり憎らしい 心底楽したことなどは 今まで一度もありゃしない 右往左往と狼狽えて 挙句の果てのオイビトさ 見苦しいほど卑屈になって 訳もないのに得意になって それでどうだと言わぬばかりの 風がちょっぴり冷たくて 賭けて悔いない夢などを この先見ることあるだろか 立ち枯れの木と同じこと 老いて行くだけだとしたら 愚かしいほど泣き叫んで 数知れぬほど赤恥かいて そんなもんだと言わぬばかりの 酒がちょっぴり優しくて そんなもんだと言わぬばかりの 酒がちょっぴり優しくて |
栄光の星永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 古寺ななえ | 君よ栄光の旗を打ち振って 遥かなる夢の高み目指せよ 聞こえているだろうか 名もなき人の 声を嗄らした 無償の声援 果たし得ぬ夢の代わりを 君に託す時 無念のその思いは ひと時癒される 君よ栄光の鐘を打ち鳴らし 我らに希望の光示せよ 挫けそうな時には 思い馳せよ 見えないけれど そこにある星たち 選ばれし者だけに 与えられている 燦然の輝きを 君は手にしている 君よ栄光の旗を打ち振って 遥かなる夢の高み目指せよ 君よ栄光の鐘を打ち鳴らし 我らに希望の光示せよ 君よ栄光の旗を打ち振って 遥かなる夢の高み目指せよ 君よ栄光の鐘を打ち鳴らし 我らに希望の光示せよ ランランラン ラララララ |
うりずんの頃坂本冬美 | 坂本冬美 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 川村栄二 | 恋破れ 夢破れ 今宵もまた涙 目を閉じて 思い出す 赤花(あかばな) 青い空 島の 無垢鳥(むくどり)に 大和(やまと)の水苦く 帰りたい 故郷(ふるさと)は今 うりずんの頃 母恋し 筆便(ふでだよ)り 潮(しお)の香 仄薫(ほのかお)る 小包(つつみ)開け 懐かしい 手作り 油菓子 南風(はえ)よ 涼やかに 小さき老人(おい)の背に 帰りたい 故郷(ふるさと)は今 うりずんの頃 若夏の 初初し 緑葉 胸を打つ 辛くても 生きて行く 宝のこの命 響け 美海(ちゅらうみ)に 三線(さんしん) 大らかに 帰りたい 故郷(ふるさと)は今 うりずんの頃 帰りたい 故郷(ふるさと)は今 うりずんの頃 |
うりずんの頃森山愛子 | 森山愛子 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 川村栄二 | 恋破れ 夢破れ 今宵もまた涙 目を閉じて 思い出す 赤花 青い空 島の 無垢鳥に 大和の水苦く 帰りたい 故郷は今 うりずんの頃 母恋し 筆便り 潮の香 仄薫る 小包開け 懐かしい 手作り 油菓子 南風よ 涼やかに 小さき老人の背に 帰りたい 故郷は今 うりずんの頃 若夏の 初初し 緑葉 胸を打つ 辛くても 生きて行く 宝のこの命 響け 美海に 三線 大らかに 帰りたい 故郷は今 うりずんの頃 帰りたい 故郷は今 うりずんの頃 |
うらら中澤裕子 | 中澤裕子 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 上杉洋史 | 花のお寺に 届く ひと足早い 春便り 梅の蕾みが 煌りと光り 梢の鶯 啼くばかり 貴方を追って 小走りに 生きて来た 人生の 巣立ちの旅に 思い出を 納めに 来ました うらら 春麗ら うらうら うらら うらら 春麗ら うらうら うらら 苔の山門 上る 石段途中で 立ち尽くし 幻影の霞が 白く煙って 貴方の笑顔が 遠離る 迷う事なく 真っ直ぐに 貫いた この愛を 貴方のために 幸福を 願いに 来ました うらら 春麗ら うらうら うらら うらら 春麗ら うらうら うらら 愛し人の 心が 御百度踏んで 変わるなら 詮無い事と わかっていても 零れた涙の 波の紋 私のどこが 嫌われた 繰り返す 問い掛けに 答え出せない 愚かさを 縋りに 来ました うらら 春麗ら うらうら うらら うらら 春麗ら うらうら うらら |
石割りの花永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 誰が名付けた 石割りの花 アスファルトの隙間に 顔を出す 薄紅色の 日々草 健気に咲いて 風に耐えてる 街角で ふと足を止めて 見れば涙が 込み上げる まるで私の生き方と 愛しく 散り花 手で拾う 石割りの花 誰が奏でる ゴンドラの唄 ハーモニカの音色で 流れ来る いのち短し 恋せよと 低く歌った 夕暮れの道 街角で ふと空を見上げ 急に勇気が 湧き起こる これぞ私の生き方と 心で うなずき 胸を張る 石割りの花 石割りの花 街角で ふと足を止めて 見れば涙が 込み上げる まるで私の生き方と 愛しく 散り花 手で拾う 石割りの花 |
生きているのだから叶竜也 | 叶竜也 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 松井タツオ | いつもと同じような 始まりで 恋の旅へと 船出する わかりきった 別離(わかれ)の港に たとえ 辿り着こうとも 仕方ないじゃないか 生きているのだから いつもと同じような 風が吹き 心隙間を 擦り抜ける 生まれ付いた 孤独の獣が 愛に背き 突き放す 仕方ないじゃないか 生きているのだから いつもと同じような 結末で 恋の頁を 締め括る 疲れきった 優しい女が そっと 去って行こうとも 仕方ないじゃないか 生きているのだから |
あまやどり石原詢子 | 石原詢子 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 矢野立美 | やりたいことも あるだろに 他人(ひと)のことを 先にする 苦労話を 聞かされて 涙流す そんな人 あなたの心に あまやどり 傷付いた心が 癒される そばにいても いいですか このまま ずっと 言いたいことも あるだろに 胸に秘めて 我慢する 俺が俺がと 世知辛い 世間に背を 向けた人 あなたの心に あまやどり 忘れてた心を 思い出す 付いて行って いいですか このまま ずっと 他にお店も あるだろに 同じ席で 同じ酒 偉そうなこと 口にせず 笑顔見せて くれる人 あなたの心に あまやどり 間違った心が 正される 連れて行って くれますか これから ずっと |
あの日のアイスクリーム永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 河合徹三 | 突然に貴方が 車のドアを開け 駆け出して 溶けかけのアイスクリームを 呉れた時 心に決めたの あれからもう30年が過ぎて 二人もう年老いてしまったけど 色んなこと乗り越えられたのは 私にとっては あの日のアイスクリーム A型の私と B型の貴方じゃ 無理もない 性格は違ってたけれど 趣味だけは不思議と合ったの これから後何十年生きるか 人生は光と同じスピード 欲などない願いはただ一つ 私にとっては 貴方がそばにいること あれからもう30年が過ぎて 二人もう年老いてしまったけど 色んなこと乗り越えられたのは 私にとっては あの日のアイスクリーム 私にとっては あの日のアイスクリーム 私にとっては あの日のアイスクリーム |
飛鳥永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 何処までも続く 青空はない 森羅万象(すべてのもの)に 限りある 生命(いのち) 人は 喜びの日を 人は 哀しみの日を だから 共に 花で 飾る 飛鳥 遥かな 旅立ちに あなたの魂よ 安らかに 瞑(ねむ)れ 窓辺に 落ちた 日溜りのような みんなが あなたの 笑顔に 集まった 夢を 抱(いだ)き続けて 愛を そのままに生きて そして 永遠(とわ)へ 生まれ 変わる 飛鳥 遥かな 旅立ちに あなたの 魂よ 安らかに 瞑れ 飛鳥 遥かな 旅立ちに あなたの 魂よ 安らかに 瞑れ 飛鳥 遥かな 旅立ちに あなたの 魂よ 安らかに 瞑れ 飛鳥 遥かな 旅立ちに あなたの 魂よ 安らかに 瞑れ |
秋麗門倉有希 | 門倉有希 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | 落葉の舞う 公園で 一人ベンチに 腰掛けて 貴方を想う 昼下がり 穏やかな 木洩れ日 通り過ぎる カップルの 幸福(しあわせ)そうな 足音が 瞳を閉じて 重なる あの頃の 二人に 恐くなかった 迷わなかった 永遠だと 思った この唇が 乾く間もなく 貴方と 愛し合っていた 夢のような 毎日を 哀しみ色に 変えたのは 貴方の白い ワイシャツに 着いていた 紅痕(べにあと) 何も聞かず 飛び出した 衝動と言う 汽車に乗り 今ならきっと 許せる 他愛(たわい)ない 遊びと いつか再び 二人出会って 恋を やり直せたら この髪の毛が 色褪せるまで 貴方を 決して離さない 恐くなかった 迷わなかった 永遠だと 思った この唇が 乾く間もなく 貴方と 愛し合っていた 貴方と 愛し合っていた |
愛はまだ輝きの中永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 国吉良一 | 暗い影が知らぬ間に 二人の隙間に 忍び込んでいたこと 気付かないでいた どこで何をしていようと 無関心でいた それが大人の男と女の流儀と 勘違いして 愛はまだ輝きの中 目映いばかりの 閉ざされた開き窓を 二人で開けよう 花はまだ枯れてなかった 窓辺のベゴニア 部屋の埃払って 暮らし始めよう 背中合わせに聞いていた 互いの寝息を いたわりの言葉さえ 掛けそびれていた いつか心もすれ違い 触れ合い失くして それが自然な男と女の結末と 諦めていた 愛はまだ輝きの中 目映いばかりの 閉ざされた開き窓を 二人で開けよう 花はまだ枯れてなかった 窓辺のベゴニア 部屋の埃払って 暮らし始めよう 愛はまだ輝きの中 目映いばかりの 閉ざされた開き窓を 二人で開けよう 花はまだ枯れてなかった 窓辺のベゴニア 部屋の埃払って 暮らし始めよう 暮らし始めよう |
愛し愛されてテレサ・テン | テレサ・テン | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 川口真 | あなたの胸の中で 抱かれて眠りたい 悲しい出来事 あったときは 仕事のこと忘れて そばにいてほしい そして優しい言葉 かけてほしいの たまには 恋人時代のように 映画に出かけて 帰りに食事をして すごしましょう いつもあなたに かわいいやつと 愛されたい 黒髪が 白い雪に染まるまで あなたの足音を 聞くまで眠れない 電話もくれない そんな時は 体のこと考えて 無理をしないでね 思っているほど もう若くないから たまには お部屋でふたりきりで お酒でものんで 思い出話をして すごしましょう いつもあなたを たよれる男性(ひと)と愛していたい 額に 深い波がよせるまで いつも二人は たがいに愛し愛されて 黒髪が 白い雪に染まるまで |
愛し愛されて永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | 永井龍雲 | | あなたの腕の中で抱かれて眠りたい 悲しい出来事あった時は 仕事のこと忘れて そばにいてほしい そして優しい言葉 かけてほしいの たまには 恋人時代のように 映画に出掛けて 帰りに食事をして 過(すご)しましょう いつもあなたに 可愛い奴と 愛されたい 黒髪が白い雪に染まるまで あなたの足音を聞くまで眠れない 電話もくれないそんな時は 体のこと考えて 無理をしないでね 思っているほどにもう若くないから たまには お部屋で二人きりで お酒でも飲んで 思い出話しをして 過しましょう いつもあなたを 頼れる男性(ひと)と 愛してたい 額に深い波が寄せるまで いつも二人は 互いに愛し 愛されて 黒髪が白い雪に染まるまで |