さだまさし作詞の歌詞一覧リスト  711曲中 401-600曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
渚にて −センチメンタル・フェスティバル−さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君は知らぬ間に ベッドから脱け出して 庭づたいに浜辺 素足で歩いてる 長い黒髪は 逆光線に透けて 白いえりあしは 銀色に揺れている 思い出を拾い集める様に 寄せて返す 波を数えているね 僕の愛なら 君が踏みしめている 砂粒の数ほど あるというのに  つい週末まで 色彩りだったボートが おなかを並べている近くに腰かけて 理由もない不安 悲しみのヒロインに なりたい気分 ひとりきりの青空 君だけの センチメンタル・フェスティバル もうしばらく ひとりにしてあげる 幼かった君が ふと手の届かないくらい まぶしすぎる程 きれいになった  君だけの センチメンタル・フェスティバル もうしばらく ひとりにしてあげる ずっとみつめたい 遠くからでもいい 君の倖せ 守ってあげたい
桐の花さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸鈍色の空を 低く飛ぶ鳥が 短く啼いてゆきます 真昼の雨 遠くで季節のかわりゆく音を 独りきり聴いている午后 手紙を書きます 少しつらいです 離れて暮らしてる あなたが見えない 私元気です 本当は嘘です 書けない言葉を 読んでください  咲いてよいのか 枯れてよいのかわからない うらみがましい文字になるのがやるせない 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花  浅薄な色に やせてゆく心 あなたにはけして 見せたくない顔で カステラの色に 珈琲の湯気に いらだつ自分がせつない 例えばあなたに 裁かれるのなら 疑いもせずに うなずけるはずです 忘れていいです 今のは嘘です 抱きしめてください 嘘でもいいから  待てというなら 二千年でも待ちましょう 去れというなら 夕暮れ迄に消えましょう ひとことで かまわない 返事を ください  咲けというなら 二千年でも咲きましょう 散れというなら 夕暮れ迄に散りましょう 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花
おむすびクリスマスさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君はもう忘れてしまったかしら 二人だけのクリスマス・イヴ あの頃僕等 お互いの愛のほか 何も持たなかった  それでも僕等は精一杯に 生きようとしてたね ケーキのかわりに君がこさえた おむすびの塩が胸にしみた  おむすびクリスマス 忘れない 笑い乍ら 泣いていた君を おむすびクリスマス 本当は とても幸せだったと あとで気づいた  あれからいくつもの年を重ね 別々の人生 それぞれがそれぞれの愛に包まれ 迎えているクリスマス・イヴ  ひとりでおむすびをほおばる僕を とても不思議そうに みつめる小さな瞳にいつか話して やる日が来るかしら  おむすびクリスマス 忘れない 笑い乍ら 泣いていた君を おむすびクリスマス 本当は とても幸せだったと あとで気づいた
距離(ディスタンス)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久君の住む故郷では もう季節が 海峡をゆらゆら 渡り始める頃 僕は都会の電車の中で ふと君の 懐かしい横顔 思いだせなかった ドアにもたれ 人と人との間で 踏みつけるのは 自分の影ばかり 赤い文字の スポーツ新聞の 向う側で 誰かため息をついた もうそろそろ 帰ろうと 帰らなくちゃ いけないと 思いはじめていたんだ 改札口抜けた処で 立ち止まっている僕に 誰も気づかない そんな街角  君はまだ「愛」や「夢」や「希望」そういった 懐かしい言葉を 笑いはしないだろう 僕はもう コップ一杯の水と引換えに 「嘘」なんて言葉を 飲み込める様になった 誰も彼も 網棚に笑顔を 置き忘れたままで 足早に歩く それもこれも まるで街がすべて悪いと 圧しつけているけれど 都会はけっして 人を変えてはゆかない 人が街を変えてゆくんだ 人と人との距離が 心に垣根を 静かに刻みはじめる  もうそろそろ帰ろう 帰らなくちゃいけない 僕が僕でいるうちに もうそろそろ帰ろう 帰らなくちゃいけない 君が君でいるうちに
検察側の証人さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久『あいつを棄てた女は 今頃別の男の部屋で おそらく 可愛い涙混じりに 鮮やかな嘘を身にまとっている 自分の何処が魅力か 数え尽くして知り抜いていて あいつの悲しい程の純愛を 階段昇る様に 踏みつけて行った 踏みつけてった 恋はいつでも必ず 独法師の影踏みゲーム 足元にあるのに追いつけない 追えば追う程きっと 取り残されてゆく 気がつけば いつも夕暮れ』  『違うわ別れた夜の あの娘の姿見てないからよ 一晩 私の部屋で泣いて 血を吐く程に泣いて 謝り続けていたわ 確かにそれはあの娘の 心変わりがすべてだったわ けれどもあの娘なりにいつも 一所懸命いつも 生きようとしてる 生きている 恋はいつでも必ず 両刃の剣と同じ 傷つかない方がきっと 嘘をついてる 斬りつけていった方が 斬りつけられた方より 傷つく事だってあるはずよ』  『あの娘を棄てた男は 今頃別の女の部屋で 自分の掌の広さと懐の狭さを 身に浸みているさ あの娘は自分の姿を 口に出すのが下手だったから 男はあんなにすてきなひとを 酒を変える様に 飲み捨てて行ったに 決まってる 恋はいつでも必ず あみだくじみたいなものさ たどる奴以外は道程を知らない ひとしきり風吹けば 風紋が消える様に 見て見ぬふりの藪の中』
聖野菜祭(セント・ヴェジタブル・デイ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久僕の故郷すてきな町 第三階層 今日は年に一度の 聖野菜祭 だからちょっと ぜいたくをして 砂糖きびと うんとふんぱつして 蝋燭を買ってきたんだ 今日だけは 練状昼食や 固形夕食は 見たくないよ みんな盛りあがって 騒いでるし 今日は浴びる程 水を飲むんだ 平和な時に生まれて 良かったな 貧しいけれど すてきな仲間達  僕の恋人が住んでいるのは 第二階層 人は身分が違うって いうけれど 恋に上下のへだてが あるものか いつか幸せに なってみせるさ 早く出世して 偉くなって 人に「野菜持ち」って 呼ばれたいね そしたら 馬車でデートする もちろん あの娘とさ 今日はなんつっても 聖野菜祭 「壁」が開くから あの娘に会えるんだ  夜は美しい 硝子衛星 うるう年だから 5つ昇るよ みんな盛りあがって 騒いでるし 今日は死ぬ程に 水を飲むんだ 戦争の無い平和な町 第三階層 ああ本当に 生まれて来て良かった
みるくは風になったさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久なだらかな丘を 夕陽がおりてくるよ 二人の影が 長く長く伸びていた 綿毛達が染まり乍ら すり抜けてく 光の中で 時間が輝いてた OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU ビラカンサスとミルクが 好きだった君を 友達はみんな みるくと呼んでいたね 僕等は誰かのコンサートで 知り合って またたくうちに 互いの心に住んだ 例えば僕への 愛し方にしても それから仲間と 遊ぶ術にしても 思えば 何かを急ぐ旅の様だった みるく キラキラと風の様に笑うばかりの みるく  少しだけ移り気な 処もあったが おしゃべり好きの 陽気な娘だったよ 本気で神様を信じていた みるく なのに突然 君が選ばれてしまった OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU 車だけは気をつけなって 言ったじゃない 雨の日は特に気をつけろって あれ程 5分だけでも早く 僕に会いたくて そのまま風になってしまった みるく 例えば僕への 愛し方にしても それから仲間と 遊ぶ術にしても 思えば 何かを急ぐ旅の様だった みるく キラキラと風の様に笑うばかりの みるく  本当の恋さえ 知らずに逝ってしまった 話したい事は 山程あったのに OH みるく I MISS YOU OH みるく I MISS YOU キラキラと風の様に笑うばかりの みるく
たずねびとさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久いつもの様に この店のカウベル 鳴らして ドアを開いて 狭いカウンター とまり木にすがれば 黙っていても出てくるアメリカン それから ほの暗い柱の陰に ロートレックのおなじみのポスター 常連達の吐息と煙草の海 喘ぐ様に泳ぐレコード 壁紙の落書きは 昔の青春達 書いた人も書かれた人も 昔の恋人達 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと  壁紙が 若い頃に あなたが 照れ乍ら記した 4Bの鉛筆 二人のイニシャル 誰かの文字の奥で まだ 咲いてる きれいごとはいつでも話せる 言うに言えない想いを みんな水割りの氷に託して 静かに溶けるのを待っている 壁紙の落書きは 昔の青春達 来る人も去る人も 昔の恋人達 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと 色褪せて うずくまる 待つ人のないたずねびと
推理小説(ミステリー)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久グラスで氷が カラカラ音たてた あなたは静かに 眼をそらした 暁闇色の イヴニングドレス 肩口を転げ落ちる ため息  あなたの最后の 不在証明が崩れて 指先の煙草を震わせる ベージュのカーテンが 風をはらんで 時計が音を刻んで 刻んで  つまり僕たちの 推理小説 答を僕が先に読んだ これから後 過ごす時間は 僕にはただ 苦痛なだけ すなわち今夜で さよなら  誰かが忘れた ライターの炎を あなたは静かに みつめている かすかに流れる クロイツェルソナタ とても優しい 優しい裏切り  それでも最后に 笑ってみせたのは 想い出の為の心づくし 夜風に揺らめく イヴニングドレス やわからな嘘 包んでかくして  ひとつ分からない事は この愛どちらの吸い殻 あなたが僕を 僕があなたを どちらが先に捨てたのか それでも今夜で さよなら 推理小説
0-15さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久えー、さて、えー、次のおハガキを読んでみたいと思います。 これは、えー、練馬区ですね。えー、新井秀次、ね。練馬から、 いらっしゃい。きたねえ字だなこりゃな。字かこりゃ。 僕は以前、えー、あ、さださんお願いがあります。僕は昔から 以前から、好きな女の子がいる、いたんです。ところが、最近、 えー、彼女は、えー、テニス部のキャプテンにすごく熱を上げてしまって、 なんか、自分は捨てられるんじゃないか。バカなことを言っている。  あなたの風が僕を離れて 彼に向って歩いている 彼をみつめて輝いている あなたの愛が眩しい 自分の枝に結んでおいた 風船が糸をほどいて 自由に空へ舞い上がるのを 見送る子供の様だ  男はやはり、勇気だ、根性だ、勝利だ。そういう歌をおおくり いたしましょう。さらまわしとザ・スチャラカバンドの歌で聴い ていただきます。“素敵な Tennis Boy”よーく、聴くように。  ポイントはわずかに0-15 1点リードを許しただけ まだまだ勝負はこれから Tennis Boy フォームはどうでもいいんだ 来た球を素直に返せ 同じエラー繰り返すなよ Tennis Boy コントロールを磨いて 集中力さえつけば あとはかけひき そして最后は自信で 流れも変わる ポイントはわずかに0-15 まだまださ これからさ 逆点チャンスは 必ずやってくる  もしもし、あー、さだまさしです。あ、どうも。 なに、今ハガキを実は読んだ。 読んだものの、非常に君の場合にはだらしないという気がする。 ね、うん。いや、そうじゃない。そうじゃない。 やはり、えー男というものはだ、えー、あっ、そう。 そんなキャプテンがカッコいい。あっ、そう。君はダメか、ダメ。  あなたにとってそれが本当に 幸せだというのであれば 見守る事も 愛のひとつの答になると思うが 為すすべもなく見送るのなら 僕は男でなくなる 彼よりきっと 僕の想いが深いと信じる以上  えー、また続けて曲をずっとかけてみますかね。あのー、 スチャラカバンドの歌で。“素敵な Tennis Boy”、 後半でございます。失礼いたしました。  ポイントはわずかに0-15 勝負は実際これから 思いきり勇気を出すんだ Tennis Boy 焦ってミスを重ねるな 相手にはいつも誠実に 手の内読んで足を使え Tennis Boy 僕らはエースの陰で ラケット磨く為にだけ 生まれて来たんじゃないんだぜ さあコートに立つんだ  ポイントはわずかに0-15 1点リードを許しただけ まだまだ勝負はこれから Tennis Boy フォームはどうでもいいんだ 来た球を素直に返せ 同じエラー繰り返すなよ Tennis Boy コントロールを磨いて 集中力さえつけば あとはかけひき そして最后は自信で 流れも変わる ポイントはわずかに0-15 まだまださ これからさ 逆点チャンスは 必ずやってくる
神話さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久いつまでも今のまま 暮らせるなんて思っても みなかった 本当だよ 本当だよ いつかしらあんたが これで終わりだって言う日が 来ることは分かってた 気がしてた 大丈夫だよ あたし少しバカだけれど あんたの為なら 死のうと思ってたんだから ちょっとだけ 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて それから ちょっとだけあんたのこと 憎むかも知れないけれど それくらい それくらい  分かったよ 時々想い出してくれるなら どこかで生きてく 本当だよ 嫌われることだけが 一番こわかった ねえ まだ嫌いじゃないでしょ 本当だよ あたし少しバカだけれど あんたを愛する ことだけ 誰にも負けない きっといつか 神話になるよ あたし位あんたのこと 愛した女はいないって 神話になるよ 本当だよ それは本当だよ  きっといつか神話になって あんたとあたしの ふたりが星座になって 輝く時がくるよ きれいだろうね 本当だよ きれいだろうね 本当だよ
博物館さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久ひとつ目の部屋には 手首の傷が置いてある 若い頃に失くした 愛の形見として  ふたつ目の部屋には 言葉を全部閉じ込めた 他人の心を いくつか殺した償いに  涙の数だけ 部屋を増やして 怒りの数だけ ドアを叩いて  流れゆく時のほとりで 哀しみ数え乍ら  思い出にするには 余りに重すぎるものや 忘れ去ってゆく程に 軽くもないものたち  みっつ目の部屋には 失くした人の面影を 美術館のように 静かに並べてある  よっつ目の部屋からは 明るい色で重ねたい あざなう縄の様に 幸せちりばめたい  らせん階段昇り続けて 喜び悲しみ まわりつづけて  流れゆく時のほとりで せめて上を向いて  そして最后の部屋は お前の為にあけてある 寂しいばかりでない 人生生きた証に 生きた証に
唐八景-序さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし鬼のおらんうちに ハタ上げしよう がめんこは おいていけ  愛宕の山から 風もらおう 今風もどそう  稲佐の山から 風もらおう 今風もどそう  鬼のおらんうちに ハタ上げしよう がめんこは おいていけ
風の篝火さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸水彩画の蜉蝣の様な 君の細い腕がふわりと 僕の替わりに宙を抱く 蛍祭りの夕間暮れ 時折君が散りばめた 土産がわりの町言葉 から廻り立ち停まり 大人びた分だけ遠ざかる きらきら輝き覚えた 君を見上げる様に すかんぽの小さな花が 埃だらけで揺れているよ  不思議絵の階段の様に 同じ高さ昇り続けて 言葉の糸を紡ぎ乍ら 別れの時を待ちつぶす 君ははかない指先で たどる明日の独言 雲の間に天の川 君と僕の間に橋が無い 突然舞い上がる 風の篝火が 二人の物語に 静かに幕を引く  ふりしきる雪の様な蛍・蛍・蛍 光る風祭りの中すべてがかすみ すべて終る
歳時記(ダイアリィ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸卒業迄に咲けばいいねと君は ある日急に窓辺にはち植えを置いた 何もなしに別れてゆくよりも 残したいと はじめた歳時記 一頁目には 二人の略歴 二頁目には 二人の出逢い 三頁目から たどる季節 記す度つのる悲しみに 君は耐えかね 七頁目からは 僕の名前何度も連ねた  花の名前もきかず買ったくせに 勝手に自分でかすみ草と決めつけたね 早く咲いてと 毎朝祈って 水を過ごして 枯らしそうになって 眠らず一人 看病してたよね 花の名前 呼び乍ら 無事だった朝 涙ぐんで すてきな水色に君は笑った そんなちひろの子供の絵の様な 君の笑顔がとても好きだった  卒業したら君は故郷へ帰って 小さな子供の先生になるといった 言葉通りに 子供に囲まれた 君の笑顔の写真が今朝届いた お嫁にゆくと 添えた手紙 つまりそれが2年の月日 書きかけた歳時記あとがきにかえて 君が自ら刻んださよなら 今思い出を 煙に帰して せめて君の明日を祈る さよなら僕の好きだった人
春告鳥さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸衣笠の古寺の侘助椿の たおやかに散りぬるも陽に映えて そのひとの前髪僅かにかすめながら 水面へと身を投げる  鏡のまどろみのくだかれて 錦の帯の魚のふためいて 同心円に拡がる紅のまわりで さんざめくわたしの心  春の夢 朧気に咲き 春の夢 密やかに逝く 古都の庭先野辺の送り ふりむけばただ閑かさ  化野の古宮の嵯峨竹の ふりしきる葉洩れ陽にきらめいて そのひとのこぼした言葉にならない言葉が 音も無く谺する  足元に蟠る薄氷に 靄めいた白い風立ちこめて 春告鳥の問いかける別離に たじろぐわたしの心  春の夢 朧気に咲き 春の夢 密やかに逝く 古都の庭先野辺の送り ふりむけばただ閑かさ
立ち止まった素描画さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸別れたんだってね彼とまるであっけなく 僕との時の様に君から云い出して 一寸買物に出かける様な調子で ふらりと部屋を出て来たに決まってる いい加減に『幸せ』の奴と 妥協してみたらどうなんだ 忘れちゃいけないもし君が 地図にない町を捜したきゃ 初めに地図が必要だって事 君と僕で前に一度 身に浸みたはずなのに君は スケッチ・ブックに素描画だけ済ませたら 色付けの前に投げ出すくり返し  確かにこの世はとても虚しい事だらけ だからといって投げていいものだろうか 僕も偉そうに云えた義理じゃないけれど 優しいくせに悪ぶるのはお止し 走り疲れたらお歩き 歩き疲れたらお休み やがて休み疲れたなら どうせまた走りたくなるさ ファッションだけでは語り尽くせない 君も僕もひとつふたつ それなりの夢がある 多分 人生って奴はかなしいよね でもごらん よく見りゃまんざら捨てたもんじゃない
空蝉さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸名も知らぬ駅の待合室で 僕の前には年老いた夫婦 足元に力無く寝そべった 仔犬だけを現世の道連れに 小さな肩寄せ合って 古新聞からおむすび 灰の中の埋火おこすように 頼りない互いのぬくもり抱いて 昔ずっと昔熱い恋があって 守り通したふたり  いくつもの物語を過ごして 生きて来た今日迄歩いて来た 二人はやがて来るはずの汽車を 息を凝らしじっと待ちつづけている 都会へ行った息子がもう 迎えに来るはずだから けれど急行が駆け抜けたあと すまなそうに駅員がこう告げる  もう汽車は来ません とりあえず今日は来ません 今日の予定は終わりました  もう汽車は来ません とりあえず今日は来ません 今日の予定は終わりました
木根川橋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸『先生、俺達の木造校舎 すっかりなくなっちまったんですねェ それに、あの暑い夏に重いローラー転がしてならした テニス・コートの上にプールなんか出来ちまって… 先生、時の流れって、そんなもんですかねェ』  木根川橋から水道路抜けた 白髭神社の縁日は アセチレンたいて あんずあめ売ってますか 相も変わらず にぎやかなんでしょうね  あの頃何やら覚えて居るのは あの娘の笑顔と冷たさと 不思議な胸のどよめきと あっけらかんとあっけらかんと みんなみんな 許せた毎日  『先生、あの頃よくのりちゃんと銭湯行ってね あいつときたら、15番の下駄箱があくまでは どんな雪の中だって雨の中だって中へ入らなかった 先生、覚えているかな、うちのクラスの15番、そう 目のステキなのりの好きだったあの娘の 出席番号だったんですよ』  僕らはこっそり ノォトの片隅に あの娘の名前に 自分の苗字を かぶせて書いてはあわててぬりつぶし あたりを見廻し 赤くなったもんです  使いの帰りは廻り道をして あの娘の家の前を通ったもの そのくせ会えば そっぽを向いた なんともはや すてきだった 仲間達に カンパイ!!  木根川薬師の植木市の日には 今でも必ず雨が降りますか もんじゃ焼きのコツ 忘れちゃいませんよ カルメ焼き冷やすより易しかったもの  あの頃チャリンコ転がして行った 曵舟、押上、浅草の 不思議な胸の高鳴りと 荒川土手の忘れちゃいけない 毎度毎度の 草野球  『先生、みんな変っちまいましたねェ 先生、先生……なんだ寝ちまったんですか…』
ひき潮さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸都会の暮らしは鮮やかな色どり 華やかな寂しさと夢に良く似た嘘と そんなもので出来ている可笑しい程に  哀しみが穏やかに扉を叩いて ああ いつの間に私の友達になる 知らず知らずのうちに 自分が変わってゆく  こんな日は故郷の海鳴りが聴きたい 子供の頃の様に 涙を流してみたい 生きるのが下手な人と 話がしたい  ひき潮の悲しみの中から生まれる ああ 夢もある わかってくれるならば 黙って旅支度に 手を貸しておくれ  帰ろう 帰ろう 帰ろう 帰ろう  帰ろう 帰ろう 帰ろう 帰ろう
虹の木さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸空港の長い回廊を 君の肩さえ抱けずに 途切れ途切れの言葉で 時はゆく 28番ゲート 折りから風に吹かれて散る 虹の木の花びらが まるで遠くで雨の降る如く キラキラと光ってた  「逢わなければ」と僕が 何気なく独白けば 「逢えたから」と君は 小さな声でさえ切り乍ら あふれる涙拭いもせずに それでも眩しそうに笑った そしてお互いが想い出とすれ違うのを みつめあっている  足早に去る僕の背中に君の声「ALOHA MAHALO」 ふり返ればまだ君はそこに居て ちぎれる程 手を振る  タべタンタロスの丘でみつめた ホノルル・シティ・ライツそれから 君の髪に咲いたプルメリア 風に揺れる「月下美人草」 そしてミシェルの窓辺に寄り添い 波打際のガス燈みつめ ピアノに乗せて君は歌う様に 僕にさよならと言った  思えば君からは 奪うことばかりで 与えるひとつもない片肺飛行の夢だった だから静かに氷がとけてゆく様に おだやかに疲れたのは君 為す術もなく一輪の花が枯れてゆくのを 見送るのは僕  フリーウェイでふと空を仰げば 君を乗せた飛行機が 丁度真珠湾の蒼い空を ゆっくり横切る処
もう愛の歌なんて唄えないさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたの嫁ぐ朝 始発列車に乗って 僕は青春から出来るだけ遠ざかる 年上のあなたには初めから 僕の手の届かない愛が居た 200マイルも離れた 名も知らぬ駅で降りよう そしてむかしあなたの為 作った歌 唄おう 教会の鐘が鳴り響く頃 お別れに一度だけあなたの名を呼ぼう  花をちぎれない程 やさしい人に 恋は無理よとあの日あなたは言った 恋の上手な人たちは少し意地悪 僕の胸を吹き抜けたあなたの吐息 200マイルも離れた 名も知らぬ駅で降りたら あなたの好きな花さえも ちぎり捨てて みせよう 列車が陽の当たる坂道を登ってく 遠くに青い海が光ってる 訳もなく涙があふれて来て もう愛の歌なんて唄えない
Forget-me-notさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたの向うであの人があなたの 片手を強く抱きしめている このまま私が手を離さなければ あなたの腕がちぎれてしまう それが辛くて手を離すそんな 愛し方しか出来ずに ごめんなさい Forget me not 私の誕生日に あなたが種を植えた忘れな草 Forget me not 今朝方ひとつめの 小さな花が咲いたばかり  あなたを私より愛する人はない それだけは自信があるけれど 私よりあなたに愛される人なら どこかにきっとあるかも知れない とても悲しくてはずかしいけれど 最后にお願いがあるたったひとつ Forget me not お別れに鉢植えを 部屋に残すことだけ許して Forget me not 忘れないで私の事 この花が枯れるまででいいから Forget me not 私の誕生日に あなたが種を植えた忘れな草 Forget me not 今朝方ひとつめの 小さな花が咲いたばかり
空缶と白鷺さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・渡辺俊幸白鷺が一羽 一輪の白菊の様に 汚れた河のほとりで 空缶に埋もれ 静かに 水をみつめてる  かくれんぼを知らない子供が増えたって 誰かが話してた ひとり暮らしの老人達が増えたって 誰かがつぶやいた 僕がこんな風にお前を抱きしめている時に 何処かで誰かが お腹を空かせて死んでゆく ああ いつだって 彼らを追いつめているのは僕だった そう そのくせに 手を差しのべるふりするのも僕だった それが時代の正体だと嘘を承知で 笑える程に 大人を演じ ふと気がつけば 僕は卑怯な顔になった  世論調査では国民の九割が 中位満足してるって 何かとひきかえにこの国も 一流の服だけ手に入れた 僕がこんな風にお前を抱きしめている時に 何処かで誰かがピストルに射たれて死んでゆく ああ いつだって 失くしたくないものたちが多すぎて そう そのくせに 失くしたあとで気づくものばかり それが幸福の証しだと嘘を承知で 悲しみながら 迷いながら それでも 精一杯に 誰もが 現在を生きている  2016年の夏に子供が 今の僕の歳になる その時代は彼に自由に唄を 唄わせてくれるだろうか 卑怯な顔になって生きることに 彼が迷う頃に 僕は何かの 答えを出せるだろうか
玻璃草子さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ぬばたまの君が黒髪の 褥に貸せるこの腕の 躰温も未ださめやらで 後朝の別離する  侘びぬれど 恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく 振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白  あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ  逢ひみての後の想ひこそ生命より深きものなれど 現世の人は生まれ来て果つるまでただひとり 足曳きの長き山道を君ひとりいかにか越ゆらむ 振り向けば君が振る腕に 散りまどう雪の白  あはれ君に降る雪は 玻璃細工の夢なりき 掌に落ちて とけもせず また積もるほど 降りもせず  あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ
道の途中で(ON THE WAY)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸リラ冷えの朝に 旅立つ君へ 今迄の愛を込めて 唄を贈ろう 君の道程は 三叉路ばかり 迷って傷ついた時 思い出してくれ ON THE WAY 僕等はいつでも 道の途中 ON THE WAY 喜びも悲しみも 季節の様に巡り巡る  さよなら 君に会えてよかった さよなら 君が好きでした  誰かの言葉や 時代の嘘で その微笑みやこころを 曇らせぬよう 君は君らしく 生き抜いてくれ 僕は僕のとおりに 歩いてゆくから ON THE WAY 僕等はいつでも 道の途中 ON THE WAY 力の限りに 時の流れを生きて生きて  さよなら また会う日まで さよなら 君に幸あれ  さよなら 君に会えてよかった さよなら 君が好きでした
名もない花さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしむかしあるひとに恋をした とてもかなしい恋だった  むかし そのひとが好きだった 花は名もない花だった
上海物語さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたと歩いた黄浦江の散歩道(バンド) 夜霧のガーデンブリッジ ふり向けばブロードウェイ・マンション 淮山マ頭の汽笛はジャーディーン・マジソン 南京路の新世界で観た プレミア・ショーの「風と共に去りぬ」 そうキャセイホテルのバーがとても不思議だった ジャズと軍歌の奇妙なハーモニー 同じテーブルで世界中の不安と欲望が 快楽のマティーニ飲み干した 焼き栗の香りとライラックの花と 四馬路(すまろ)の女達の香水で満たされた町  ひねもすあなたと飲茶かハイアライで過ごす そんな夢本気で見ていた 薬指の赤い琥珀の指輪 あなたの笑顔の向うをジャンクの帆が通る 愛を砕くものがあるなんて 信じてもいなかった青春 ピストル片手に世界中の野心と思惑が あいそ笑いでカード・ゲーム やがてあなたを奪い去る嵐の火種が 霧と汽笛に密んでた 不幸な時代に生まれた恋も人も いつしか風と共に去ってしまったようで… すべてが風と共に… 幻の町 上海
安曇野さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸夢を夢で終わらせたくないと 君はこの町を出る ちぎれるほど振るその指先が 芒にとけた秋の日 野分き吹く安曇野(あずみの)に君の後ろ姿 まだ明け染めぬ空に名残り月 僕の愛を一包み 君の知らぬ間に その小さな荷物に忍ばせた それに気付く程疲れた時は 思い出して梓川  君は味気無きその便箋に 恋を覚えたと綴る 山を染めた白が山葵の花に 色を移した春の日 立ち昇る陽炎に君の面影を 映してすぐに消えた忍草 乱れ染めうつろいゆく そんな人の世に 咲いてまた散る一炊の夢 鳥が一声啼いてゆく 日は西へと落ちてゆく  君は夢の道程を 君の色で染めて 幸福になれ それも僕の愛 春疾風安曇野に辛夷の香り撒いて 今暮れなずむ空に朧月 夢がそっと帰ってゆく ふと八十八夜
甲子園さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸喫茶店のTVでは夏の甲子園 準決勝の熱気が店のクーラーと戦ってる 君は男は皆野球好きねと笑い 大観衆の声援聞くだけで私は暑さがつのるわ 負けた人は現在(いま)これを観ているのかしら それともまた来年を夢みているかしらとソーダ水 多分君は知らない「この次」なんて言葉に 期待しない男は案外多いって事をね 「ホームラン」と突然TVが叫ぶ また誰かの夢がこわれる音がする 僕はふと君との来年を思う 故郷ゆきのチケット 二枚握りしめたままで  青春のドラマですねと解説者 文字だけのニュース速報が海辺の事故を伝えている 君は女はいつも男が演じるドラマを 手に汗握りみつめるだけなんて割に合わないわと溜息 3000幾つの参加チームの中で たったの一度も負けないチームはひとつだけ でも多分君は知ってる敗れて消えたチームも 負けた回数はたったの一度だけだって事をね 「あと一人」と突然TVが叫ぶ 君は僕をみつめ涙をこぼしてる 背番号14の白いユニフォームが 彼の青春の最初で 最后の打席に入ったところ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
あこがれの雲南さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸はるかなる雲南 夢の西双版納(シーサンバンナン) 母なるメ公河に抱かれて 伝説を語れよ 溶樹(ガジュマル)達 想い出を告げよ 黄金の仏舎利(バゴダ) 蒼く澄んだ湖よ 妖精のように 娘らが水を汲み乍ら くちずさむ雲南 響け唄声 国境を越えて広がれ  はるかなる雲南 最后の楽園(パラダイス) 父なる山々に隠された 幻の別天地(オアシス)よ 百万の蝶と小鳥が冬を越す谷間よ 春のあけぼのをついて 百万の蝶が 花吹雪の様に舞い立つ あこがれの雲南 遥か西双版納 果てしなく青き大空よ
CONGRATULATIONSさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸事件と生理は忘れた頃訪れる 実は突然あの娘が嫁にゆくという そもそもあの娘は俺達の憧れで 例え自分が死んでも一緒に死のうと思ってた それを馬の骨に 掠め盗られるなんて かなりゆゆしき事態 許すまじ暴力 順番守れと 社会正義の炎 仲間は集い怒りうろたえた (Congratulations) その時誰かふとつぶやいた (Congratulations) 一番大切な事がある (Congratulations) もしもあの娘がそれを選んで 幸せになるなら それが何より  あの娘が白いヴェールに包まれて おだやかな日射しの階段降りてくる いつもの笑顔の頬に涙が光る 仲間はみんなハンカチを出して欠伸する やい馬の骨 俺達は先程 キャンセル待ちの順を あみだくじで決めたんだ 虎視眈眈と 狙うぞ幸せ者 そこの処日記に書いておけ (Congratulations) しっかり頼んだぞ馬の骨 (Congratulations) こうなったらお前だけが頼り (Congratulations) これから俺達はやけ酒だ もしも悩んだ時は相談しろよ  (Congratulations) 一番大切な事がある (Congratulations) もしも二人がそれを選んで (Congratulations) 幸せになってくれるのなら どんな事より それが何より
孤独(ソリティア)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸部屋には今もあなたの 風が吹いている 想うだけで息がとまる程 深く愛してた ベランダの花の色も レコードの響きも 薄いお酒の氷の溶ける音も あなたを覚えてるのに 私の孤独は 時計の中で あなたの年齢さえ 追い越してしまった 話をするその仕草や 間の取り方から 横顔や煙草の煙の形まで 好きだった  記念日だらけのカレンダー あきれてたあなた でももう赤い日付は増えない それが寂しくて 私の孤独を 縁取るものは 想い出のぬくもりと あなたの居ない音 明日この町を出ると 決めた途端に 壁紙の染みさえ愛しくて 涙がとまらない
転校生(ちょっとピンボケ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸バスを待つ君の長い髪に Blow in the wind 僕は今 物語を一人で読み返してる 僕の目の前に 君が現れたHalloween 寄宿舎は大騒ぎ カボチャと君の噂で みんな君に熱を上げて 波乱含みで迎えた Christmas Eve 驚く事に 冴えない僕を 何故か君は選んだ (Woo!) うろたえて 僕はWHISKYをがぶ飲みし そのせいか僕が撮った君の写真は ちょっとピンボケ  そのまま酔っぱらって醒めずに迎えた New Years Eve 初めてKissした 愛しのSt.Valentine 喧嘩してまずくなり どうにか仲直りEaster 思い出が多過ぎて 一人じゃ数えられない そんな君が帰ってく 来たときみたいに風の様に バスがやってくる 振返って君は なにか言おうとした 手を振り遠ざかる 君を追いかけ Blow in the wind 見送る風景が ちょっとピンボケ
津軽さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸蕭々と吹く風に雪煙 土蜘蛛の如くうずくまる林檎の樹 寂しさに立ち枯れたみちのくの 名も知らぬ木に氷が華と咲く 思えば あなたとの心の道行きは 荒海に 揺蕩二つの小舟の様に 櫂を失くして流されて 行方も知れずあてもなく 引き返すにも進むにも 浮かぶ瀬も無く  滔々とゆく河に泡沫の はじける瞬(いとま)の儚さを 哀しいと言わず愛しいと 答えたあなたの優しさが胸を突く 津軽に訪れる春 まだ遠く 心の道行く先は なお遠く 凍てつく指に耐えかねて ふとあなたの名をくちずさめば 降りしきる雪の彼方から 幽かな海鳴り
虫くだしのララバイさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸大好きなおじいちゃんが死んでしまった 約束だったからだから泣かなかったけど気持ちが 落ち着くまで三月かかって  今日はじめて彼の書斎の片付けをした ひき出しの中からでて来た新品ののし袋 おめでとうと書かれた誕生祝いは来月の 僕宛に早く嫁をもらえとメッセージ 懐かしい文字抱きしめて僕は不覚にも 泣いてしまった約束破った  約束…約束…約束…そうだ約束で思い出した ことがひとつ それはまだ僕のおなかにさなだ虫が居た頃  プラモデルくれたら薬を飲むと約束をして  医者と薬が死ぬほど嫌いな僕はしかとして逃げたっけ そしたらお前は男じゃないとひどくしかられた それでも飲まないから彼はついに奥の手を出してきた ほんとはこれを飲めば空が自由に飛べるのだ わしの魔法のマントを貸してやるぞともちかけた どっこい僕はませてたから鼻で笑いとばした おじいちゃんは悲しそうな目をした  ナフタリンくさいタンスの中から兵隊マント 何気なく着てみたらいつの間に今の僕にぴったりだった 僕はあわてて家を飛び出し薬屋へ走る そしてチョコレイト色懐かし薬ひとびん買って来た それから水で一気に虫くだしを流し込み 今こそ約束を果たしたぞとマントをひるがえし 走り出した両手広げ近くの公園へ そしてジャングル・ジムへ駆けのぼる  ジャングル・ジムへ駆けのぼる
人買さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸古里の野辺は早蕨の 萠え出る頃浅い春 渡りそびれた冬鳥と 霞立つ沢の糸柳 いつもと変わらぬ風景に 今年は君がなじまない 誰かと同じ目をしてる 何より笑顔が色褪せた 町で暮せば誰も彼も 哀しい顔に染まりゆく まるで鏡の向こうから 話しかけられている様な気がする そうか 君までがそうなのか 何故だ 一体あの町には何があるんだ  誰かに聞いた事がある 町に人買が棲むという 皆幸せに憧れて 何かを売り渡すという そうしなければ生きられぬ それですべてがうまくゆく そしてこころを無理矢理に 開かずの間に閉じこめると おそらく僕と観た夢を 君は何かと取り替えた それで大人になる気なら ついでにここで僕をすててしまえ 泣くな 泣いて逃げちゃいけない 返せ さもなくば君を返してもらえ どうか どうか どうか  泣くな 泣いて逃げちゃいけない 返せ さもなくば君を返してもらえ 僕は 此処で 待ってる
まりこさんさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸夜中に目が覚めたら まりこさんがベットの端に腰かけて 身づくろいをしていた 酒に張り倒されて 起きられない僕横目で笑ってビール もらうわと冷蔵庫あけて なみ・なみ・なみとグラスに注いで まるで薬あける様に飲み干して 大きなため息を 遠慮無しに吐いて それから下着姿でソファに腰かけて 身体のあちこちの 青アザやバンドエイドを数え乍ら さびしいと独白く  お酒に酔えばいつも 必ずいくつかの傷をこさえるのよ みてよこんなに沢山 お湯を沸かす時に カップラーメン食べるつもりで火傷 それにガラスで切った指先 ほら・ほら・ほらとグラスをあおって 何か無理に流し込んでるみたいだ お酒やめればいいのに そんなに好きかときけば ふいに彼女は怒った様に吐きすてた 酒なんて大嫌いよ だけど男にひっかかるよりましね そうよ百倍は好きよ  あんた幸福だから わからないのよあたしこれから何処へ 帰ると思うの 誰も待ってない部屋 灯り点けた時の淋しさあんたには 一生わからないわよ 酒・酒・酒友達などないわ 男と心中なんて死んでもいやだわ さみしいねお酒より 上手な嘘つきの 男に逢いたいわね 処であんた バンドエイド持ってない? 新しい傷が出来たと彼女は笑って 靴下をはいた
片おしどりさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸彼女は夏の間 湖のほとりで 家族と共に過ごす事になってた 危な気に走る 孫達を目で追って 水辺に過ぎゆく一日を愛してた  働くだけの日々を 過ごしてふと気付けば もう自分で歩けない程年老いてしまった 人は 子供達の為に生きて来たというけれど それは違うわただあなたに ほめてもらいたくて夢中で生きただけ  愛する人々に 恵まれた幸福を 彼女は少し恥ずかしい気がしてた 先の戦さで死んだ 愛する人の事を いつしかしぼんだ掌であたため乍ら  時折目を閉ざして その人に呼びかける あなただけいつもいつもあの日のまま若いなんて ずるいわ 私ばかりこんなおばあちゃんになってしまったわ だからもう恥ずかしくて ほめてほしくてもあなたに会えないじゃないの  今日もまた湖の 向こうに陽が沈む さざ波がいつか金色に変ってる シルエットになった おしどりがただ一羽 静かに水面を泳いでいった
夢ばかりみていたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いつも夢ばかりみてた 子供の頃から 風に誘われ空に憧れ 海に恋してた どんなに辛い時も あきらめなかった 宝島やトム・ソーヤ、ピーターパン みんな仲間だった 君の夢は 元気でいますか 今も地平の果てを にらんでいますか いつしか時は過ぎて 大人になっても 僕の夢はまだ星空みつめて 今も咲いてる
1989年 渋滞―故 大屋順平に捧ぐ―さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしギターケース抱えて 満員電車 迷惑そうな視線が新聞越しに こっちを見てた あの頃の俺は 故郷の香り そこら中まき散らし乍ら それでも夢と暮らしてた 二十歳の秋 札束で人の夢の頬を叩く町で 「昭和」のたどりついた町で うろたえ乍ら やがて「夢」と「希望」とを 別ける事を覚えて いつの間にか 大人ぶった顔になった 巡る季節の風景の中で 人だけが少しずつ変わってゆく 車や人だけでなく夢までも 渋滞(ラッシュ)の中で あきらめてるこの町  お前を抱きしめて いつまでもと誓ったあの日 「願い」は「誓い」ではないと気づかず 傷つけていた 夢のかけらを 拾い集めて いつしか俺は歌ってた 掌の中で 暖めるように 悲しい歌ばかり 札束で人の心さえ買えるこの町で 憎み乍ら好きでたまらない不思議な町で やがて「愛」と「恋」とを 別ける事を覚えて どうやら少しばかり 不幸になったようだ ベルリンの壁が消えたその夜に この町にある壁にふと気づいた 今よりずっとずっと大きな声で 歌い続けたいと心から思った  歌で世界は変わらないけれど 自分だけは変わらずにいられるから 渋滞の中に心を置き去りにして からっぽで生きてゆくなんて出来ない  ギターケース抱えて 飛び乗った「ひかり」 疲れた身体をシートに沈めて ふと空を見た 今世紀最后の 金星蝕が 終わったばかり 何事もないように 宝石がひとつ 空に投げてある  ギターケース抱えて 俺は明日も 歌っているだろう 多分何処かで 多分何処かで
初恋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸通学バスが止まる坂道を少し降りたら 小さな公園があったでしょう あの頃の私はあなたに声もかけられず そこであなたの通るのを見てた 好きとつぶやくだけで 胸が張り裂けそうで 大きな桜の樹に そっと ささやいてた あの人よ あの人よ 誰かにもらったあなたの写真に 音もなく 降りしきった 桜の花 花 花びら  初恋はそうして季節の花とともに いつしか消えてしまったけど つらい時も私のこの胸の中で咲いて 時折悲しみを支えてくれた あなたは何も知らずに 何処かで幸せですか 大きな桜の樹は 今年 公園と一緒に消えたけど あなたの写真の中では今も その腕をひろげて 桜の花 花 咲いてる  あなたの写真の中では今も 音もなく 降りしきる 桜の花 花 花びら
赤い靴さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸坂道の途中でふと振り返れば 幻のように 光る海が見えた あの頃の二人は いつも港を見てた 外国船の白と 君の赤い靴 坂道をたどる時に 感じる自分の重さと 登りつめた時に ふいに拡がる眩しい風景を君は愛してた とてもとても優しいまなざしで 僕は誰かが君を遠くへ連れていってしまいそうで 悲しかった  僕はまだ今でも 坂の途中に居て やっと自分の 重さ感じている 今でも忘れない 栗の花の向うの 飛行機雲の白と 君の赤い靴 僕の長い坂道は 遠く険しいけれど 登りつめた時に きっと眩しい風景が待っていると信じて 辛い時は君の赤い靴 思い出しながら 強く生きている  いつの日か君と二人で 見るはずだったあの青い海を 信じて坂道 登り続けているよ
十六夜さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸火をおこせ 木をくべろ 今宵は十六夜 初恋を偲びながら いざ酔い 酒を注げ 夜空ふんわり雲が往く 火の粉が舞い上がる あれは土星か 木星か さて螢か幻か 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 ここをせんどの盛り上がり 旅は道連れ世は情 友よ 友よ 頼りなき友よ ずぼんが焦げておるぞ  ふと黙るその一瞬を 虫の音が埋めてゆく 照れ乍ら恋を語る おまえが愛しくなる 時はゆく時はゆく 土足で胸こじあけて 負けるもんか 負けるもんかと 何故か昂ぶる心 我等どの道 風まかせ 子供の顔で生きている 宝の地図の切れ端を 信じて 生命 無駄に はしゃぐ 友よ 友よ 情無き友よ 酒をこちらにも廻せ 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 上を下への大騒ぎ 一里踏み出しゃ旅の空 友よ 友よ ふがいなき友よ 寝るにはまだ早いぞ
せっせっせさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしせっせっせ 憶えていますか 淋しがり屋が 手をとり合って ぬくもり 確かめるように せっせっせ せっせっせ あなたが求めた愛は もしかしたら そんな哀しい 遊びに似ていた 夢から覚めるように あなたが 冷めてゆく 枯木が倒れるように 愛が終ってゆく  せっせっせ 忘れないでね 次にあなたが 愛する人の指は離さないでね  せっせっせ 憶えていますか 出合った頃の もどかしい恋 さみしさ重ね合うように せっせっせ せっせっせ 私の過ごした愛は 糸が絡んだ 独りあやとり ほどくために 糸を切る 時が代わるように あなたが 変わってゆく 夕陽が落ちるように 愛が 沈んでゆく せっせっせ 忘れないでね 次にあなたが 愛する人に 嘘はつかないでね  せっせっせ 忘れないでね 次にあなたが 愛する人の指は離さないでね
イーハトーヴさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦石川鷹彦北上川 秋風吹いて あなたは 遠くを見ていた こんな風に あなたのこと ずっとみつめていたいけれど あなたのそばにいたいけれど  早池峰山 遠く雪化粧 あなたは 出てゆくと決めた すぐに君を 迎えに来る 瞳輝かせて笑った 何も言えずに うなずいてた  イーハトーヴ 春風吹いて あなたは 傷ついて帰った 青い鳥は 捜してあげる すぐに傷も治してあげる もうあなたから 離れはしない
時計さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦最後まで僕が見送れば 約束をきっと守れない そういって君は時計を見た 空港のロビーの時計たちは 少し進んでいるようねと つぶやいて また時計を見た  あいつと君とのハネムーン 仲間たちに囲まれて 笑顔で輝きなさい それが約束だったね  時は流れてゆく こんな場面まさか 来るなんて思いもしない そんな頃があったね  芝居じみた君の笑顔と みんなの弾ける笑い声が ロビーに時折響く 花束を僕に投げてよこして 仲間たちがどっと笑った 不思議だね 僕もちゃんと笑えた  ガラスの向こうで君は 僕の姿をみつめた 口元が動いたけれど 僕には読み取れなかった  時は流れてゆく 後ろ姿がゆく 二人とも最後まで 約束を守った  携帯電話が鳴った 僕はふと時計を見た 君はまだサテライトあたり 電話は鳴り続けた  時は流れてゆく 別の町へ向かう 飛行機が滑走路へ 今 動き始めた
山ざくらのうたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦かあさんが好きだった 山ざくらの花は 今年も里より少し遅れて きれいに咲きました 新しいランドセル 小川に映ります ねこやなぎの芽がふくらんで 春は静かに咲きました たらの芽を摘み乍ら あなたに手を引かれ 歩いた山の深みどりは 今もかわらない 草笛はなつかしい故里の唄  夏休み 水遊び 牛がえるの声は 泥まみれで帰った時 かあさんの困った顔 盆踊り 新しいかすりの浴衣着て 転んだ膝小僧に あなたの赤チンキの匂いがした 麦わら帽 カブト虫 夕立ち 拾った仔犬 しかられて泣き乍らみつめた 赤い夕焼け 遠花火消ゆるあたりは母の里  稲刈り 栗 柿にカラス瓜 やきいも りんどう そして紅葉 あの子の吐く息 白い霜 やがて雪 あたたかなあたたかな あなたのような 膝のぬくもりが私にも もてるでしょうか ささやかなしあわせ くるでしょうか  かあさんの好きだった 山ざくらの花は 今年も里より少し遅れて きれいに咲きました
心斎橋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之夢を見てた 桜の樹の下を ある日二人 通り抜けた時 ふと あなた急に 別れを告げたまま 心斎橋の向こうへ 消えてしまう夢  人は誰も こうして何かに 怯えるように 暮らすものかしら 幸せな程 不安を捜して 明日降るかも知れない雨のことを 悲しんでる 実は  嘘をついた この恋を守る為に あの人なら 許してくれると思うけど  悲しいことに 慣れ過ぎた人は 始めから全て あきらめているものかしら 心斎橋を 笑顔でこちらへ 渡ってくるあなたみてたら 涙が 何故か止まらない  信じてみる 桜の樹の下を 今夜二人 歩いてみよう あなたの笑顔 信じてみよう
遍路さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦いつかあなたと来た道を今ひとり 転び転びあなたのあとを追う 夢で幾度か追いついて目が覚めて 膝を抱いてまた あなたの夢を見る うず潮の 生まれて消えて また結び また解けるように わずかな思い出 くりかえしたどる道 あなたの知らない 旅  ふいに名前を呼ばれて振り返れば 別の物語の二人を見るばかり 橋のない川のほとりで迷うように あなたを越えて向こうまでゆけない 吉野川の 流れ静かに あなたから生まれ あなたに帰る なつかしいあの唄 くちずさみ歩く道 あなたの知らない 旅
吾亦紅さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦二本目の徳利を傾け乍ら 奴はふと思い出すように言った 明日の朝小さな山の分校の 子供たちに会いに来ないか 今奴は分校の校長先生 可愛い可愛い子供たちの 笑顔をおまえに見せてやりたい どうだ明日来ないか 折から秋の雨も上がって かすかに 鈴虫鳴く 今俺は子供たちを野球できたえてる いつか本校に勝たせたくて 幾度も挑んで 幾度も敗れたが そこはそれ 衆寡敵せず  山あいの分校は傾いていたが 子供たちは裸足で駆け廻ってた 四十いくつもの瞳に囲まれて 奴は先生らしく笑ってた このすばらしい分校の子供たちは どんなすてきな大人になるだろう はじける笑顔や瞳の輝きを どうすれば守ってやれるだろう 折から朝の霧も晴れて まぢかに 大山見ゆ 手作りの野球場に歓声響く 僕はふと脇の草むらに 桑の実によく似た 紅い花をみつけた 子供が教えてくれた 吾亦紅  奴からふいに手紙が届いた ついに本校に勝ったぞと 手紙を読み乍ら 子供たちの瞳と 雄大な山を思い出してた 奴の得意気な顔と 色あざやかに 小さく咲いた 吾もまた紅なり 人あざやかに 色あざやかに 小さく咲いた 吾もまた紅なり
理想郷(ニライカナイ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之海原 静かに 全てを抱いて 水鳥 願いを 竜宮に伝えよ 悲しみは何処から来るのか 喜びは何処へと去るのか 教えてよ  遥かなる 海の涯て理想郷(ニライカナイ) 在るという 青空よ 幻でかまわない 写せよ  陽差しに デイゴの 花咲き 輝く 神々 何故 生命を たまうや 花は花の悲しみあるのか 人は人の悲しみあるように 教えてよ  遥かなる 海の涯て理想郷(ニライカナイ) 在るという 青空よ 幻でかまわない 写せよ  いつの日か ささやかな この願いよ 届けよ いつまでも あの人を 守りたまえ いつまでも
さよなら にっぽんさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸生命を投げた少年の手紙を またTVが写している 仏蘭西の水爆のニュースと共に 故郷から帰る車の列で事故が 起きたと告げている 上九一式村の中継の後で 黒字が少し減るようだと 妙なことを喜んでいる 思い出した様に地震の 被災者の背中をかすめてゆくマイク 空港の映像は 海の向こうへ旅立つ青春達の笑顔 この国の誰かが拳銃で撃たれるなんて さよなら にっぽん さよなら にっぽん ふとつぶやいたら 涙がこぼれた  美しいのは花そのものではなく そう感じる心だと もう誰も教えてはくれない 夢の見方を教える代わりに 大人達は目を覚ませという 売り物と買い物しか無いかのように 心は贈り物 こわれ易い贈り物 何でもそろうこの国では 心までの道が遠すぎる 昔この国には妖精たちが住むと 信じた人がいた こんな僕のどこかにも まだ住んでいるのだろうか さよなら にっぽん さよなら にっぽん そう文字に書いたら 涙がこぼれた さよなら にっぽん さよなら にっぽん 妖精達はどんな顔で 笑ったのだろう さよなら にっぽん さよなら にっぽん この国には妖精達が住んでいる 今でも
ステラ,僕までの地図さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸夢を見てた うたた寝をしたらしい また君の夢だったよ ステラ いつものこと  昔のまま 君の部屋のままさ 時折 ここへ来て ステラ 話をするよ  焦がした料理に 涙ぐんでた夜も あったね ステラ 思い出というのは いいことづくめなんてこと ないけれど  君だけは 特別な人らしい 何ひとついやな ステラ 思い出など無い  地図を描いてた 僕までの地図を 君のあの日の言葉が ステラ 忘れられない  「出逢うまでに 道に迷い過ぎたわ 次の人生までに あなた 地図を描いといてね」  何ひとつ変わらない 僕の想いはむしろ つのるよ ステラ 思い出というのは 色あせてゆくばかりだと いうけれど  君だけは 特別な人らしい 何ひとつ色あせた ステラ 思い出など無い  Happy Birthday 今日は君の誕生日 ほんとうなら君は ステラ いくつになるんだっけ  ステラ…
六日のあやめさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸子供の頃から 遅れて咲いていた 六日のあやめと 笑われて泣いた 遅れまいとしたら 転んで怪我をした 十日の菊と あきらめて泣いた  やっと大人になったのに 変らないのが悲しくて そうつぶやいたらあなたは 遠くを見ながら笑った  遅れて咲いても 花は花 実らなくっても 恋は恋 叶わなくっても 夢は夢 届かなくっても 愛は愛 ほら 一番星みつけた  子供の頃から 年寄りっ子だった 三文安いと 笑われて怒った 怒るまいとしたら 涙がこぼれた 母だけが笑った 明日天気になあれ  こんな私でもいいですか 変らないけどいいですか そうつぶやいたらあなたは また遠くを見ながら笑った  雲にかくれても 月は月 飛べなくっても 鳥は鳥 どこへ流れても 水は水 変らなくっても 君は君 ほら 一番星
鳥辺山心中さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦硝子細工の其の思い出の 割れたかけらで 凍えた指を切る 今だに二人居るかのような 夢の夢の夢こそ 哀れなれ どれ程きれいにつこうと嘘は嘘 あなたがついたか 私がつかせたか 茨道 袖を裂く けもの道 陵墓(みさきぎ)づたいに 枯れた竹林 追いかけられるようで おそるおそる振り向けば しづ心なくはらり 紅い寒椿  独り道行く身には あなたの くれた傷の痛みさえ愛おしい 私の髪をすべるあなたの 指先の名残こそ 哀れなれ どれ程きれいに刺しても傷は傷 私が刺したか あなたが刺させたか 耳を塞いでも 水の音 真昼の月 傾いて鳥辺山 遠くで嘲い声 誰かの嘲い声 小さな石になって 沈みゆく私 追いかけられるようで おそるおそる振り向けば しづ心なくはらり 紅い寒椿 あなたのいくつかの 嘘を道連れに 私の心だけ 今 死んでゆく  一足ずつに 消えてゆく 夢の夢こそ 哀れなれ
銀杏散りやまずさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸春未だ浅き如月の 望月の頃君逝けり 来たれば還る生命にて 何ぞ悲しむ事やある あの戦いを終へし折 我をば共に誘ひて 君が故郷に帰りしが 我が青春の始めにて  思へば君が妹の 吾が子の母となりてより 兄弟の契りもて 爾来(じらい)過ごせし半世紀 共に誇りし不器用の 生活(くらし)は楽にあらねども 吾俺(わいおい)のまた管鮑(かんぽう)の 友よ君の名を呼べば  桜 散りやまず 春風 黄砂 舞いやまず 我が涙 流れてやまず 桜 散りやまず  奇しくも八月十五日 君の御影を吾が子らと 精霊船に花火もて 送る事とは思はざり 君旅立ちし港より 敬礼をもて老兵の 送りし心届きしや 君終戦を迎へしや  時待たずして秋となり 我のみ歳を加へたり 未だ独り我戦場に 立つ老木の心地なり 共に笑ひし不器用の 青春遥か遠けれど 嗚呼 兄弟よ君の名を 誇りもて語る時  銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が思ひ あふれてやまず 銀杏 散りやまず  銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が涙 あふれてやまず 銀杏 散りやまず
絵画館さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸授業を抜け出して 球場のアーケード ゆっくり すれ違う スワローズのユニフォーム 秋の日射しの中 君の指に触れた  木漏れ陽が揺らした 水に映る絵画館 ほどけた靴紐を結び直す 君の横顔  外苑を染めてゆく 金色の銀杏並木 青春という名の答えのない問いかけに怯えてた 君と僕のセピア色の傷口さえ いつしか懐かしむ そんな歳になった  足元に転がった 誰かのファウルボール ゆっくり投げ返す 君の細い腕の白さ  もしかして誰かに 壊される日を待つような 青春という名の あやうさを君に感じていた 絵画館の天窓からゆるやかに こぼれる日射の中 君は輝いてた 遠い光の中で…
月の光さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久君が戯れに弾く 月光の ピアノの音の寂しさは 別離(わかれ)の刻(とき)を識る人の 吐息の霜か ツィス・モール  芍薬の花びらの散り際の 君の背筋のいさぎよさ 立ち枯れてゆく青春の 恋の終わりの 五月闇  いつか君の名前を 思い出と呼ぶ日が来るのか その眼差しも その唇も 季節の中で色褪せてゆくのか 生きることとは…  姿見に写る君の横顔 窓に上弦の月の色 鏡の中のさかさまの 台詞の露か ため息か  恋とは消えゆく炎のことか とけてゆく氷のことなのか されば守れぬ約束を 涙ひとつで 弔うか  いつか君の 笑顔を 思い出せぬ日が 来るのか あのときめきも この悲しみも 時の流れに 埋もれてゆくのか しあわせとは…
短篇小説さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ささやかな嘘があなたから滲む 季節の替わり目に ふとこぼれたのですね 思い出の中はあたたかいですか 私はその人に よく似ているのですか 短篇小説の始まりの様に ガラス細工の言葉で 明日という文字をあなたの背中に いつもつづっていたのに  積み木細工みたいに つぎだらけの愛 思いあがりですか 幸福(しあわせ)と名づけるには 閉じて下さい できることなら 心の古地図と思い出の中の人 短篇小説のおしまいの様に ふいにつき落とさないで お願いあなたを思い出の人に どうぞしないで下さい どうぞしないで下さい
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
オールド・ファッションド・ラブ・ソングさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしいつまでくよくよ 悩んでいたって始まらないね いっそ旅に出るか センチメンタルジャーニー 風に吹かれて 涙こらえて 懐かしい恋の唄を そっとくちずさみ乍ら  今頃君の方も もしかしたら傷ついているのかもね 旅に出てたりして どっかで会ったりして ありえないことが 起きるのが人生 だから楽しくもあり だから切なくもある  笑って唄って過ごせるような場合じゃないんだけれど 本当は こころが はり裂けそうで 苦しくて息も出来ない位 君のことを 今も愛してる  子供の頃のように 靴の裏か表で行き先きめよ いつかどこかで君に出会った時に 目をそらさずに 笑えるように 懐かしい恋の唄を ちゃんと唄えるように  明日に向かって歩けるような場合じゃないんだけれど 本当は こころが 張り裂けそうで 苦しくて息も出来ない位 君のことを 今も愛してる たぶん ずっと君を忘れない 君のことを 今も愛してる
甘い手紙さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰も私を知らない 遠くの町へゆくから 真っ白なノートで やり直してみるから もしも 思い出してくれて もしも 私の場所が もしも ほんの少しでも もしも 残っていたら 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰にも見せずに 何度も読むから 誰にも見せずに 抱いて眠るから  やさしい時代(とき)もあったね あれはけして嘘じゃないよね それだけのぬくもりでも 生きられる気がする たとえ どんな悲しみでも やがて あんな日もあったと いつか 懐かしむ日が来る それは 約束するから 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて 誰にも知られず 泣きながら読むから 誰にも知られず 抱いて死ぬから 甘い手紙を 書いてください 上手な嘘を 少しだけ混ぜて
金糸雀、それから…さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし一方通行の路地を 抜けてあなたに会いにゆく 道すがら目をとめた花を買いました 今日はさようならを告げる為に会いにゆくの 迷い悩み苦しんで やっと決めました 前に私の部屋の金糸雀(カナリヤ)をみつめながら あなたは独白(つぶや)いたね 逃がしておやりよと 自由に空を 飛ばしてやれよ それが幸せだよと あなたは 男の人だから きっとわからないのでしょう 金糸雀は ひとりでは 生きてはゆけないのです  唄を唄えなければ金糸雀ではないでしょうか もしも空を飛べなければ鳥ではないでしょうか 本当の空より広い空は確かにあるのです それはあなたの腕の中 私にはそうでした 秋の終わりの雲が ゆっくりと流れてゆく あなたひとりのために唄っていたかった ふと立ち停まる三叉路で今 幸せとすれ違った あなたは 男の人だから きっと気付かないのでしょう 金糸雀は ひとりでは 生きてはゆけないのです
帰郷さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし疲れた時 見る夢は 故郷の夢 家に着いて扉を開けて そこで目が覚める 幼い頃 庭で遊んだ 犬の夢も見る 若い頃の 父と母に とても会いたい 今も あの海は 青く澄んでいるか オリーブ色の風は 今日も吹いているか あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい  子供の頃 夕陽を追って 岬まで行った 帰り道が 遠すぎて 泣いた事がある 今でもまだ 思い出す 家の灯(あかり)の色 疲れた時 故郷の 言葉が聴きたい 今も あの空は 島の影を写し 鳥たちは白い船を かすめて飛んでいるか あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい
君を信じてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸人は皆 君のことを 駄目な奴と笑うけれど 僕だけは知っている 本当の君のことを  人は皆 君のことを 意気地無しと笑うけれど 僕だけは知っている 君の勇気 君の力  君は今 ほんの少し 迷い道でうろたえてるだけ  君を信じてる いつか本当の 君に会える そんな日が来る  君を信じてる 君の笑顔 どんな時でも 君を信じてる
修二会さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦春寒の弥生三月花まだき 君の肩にはらり 良弁椿 ここは東大寺 足早にゆく人垣の 誰となく独白く南無観世音 折から名残り雪  君の手は 既に凍り尽くして居り その心 ゆらり他所(よそ)にあり もはや二月堂 天も焦げよと松明の 炎見上げつつ何故君は泣く 雪のように火の粉が降る  走る 火影 揺れる君の横顔 燃える 燃える 燃える おたいまつ 燃える  過去帳に 青衣(しょうえ)の女人の名を聴けば 僕の背に 君の香りゆらめく ここは女人結界 君は格子の外に居り 息を殺して聴く南無観世音 こもりの僧の沓の音  ふり向けば 既に君の姿はなく 胸を打つ痛み 五体投地 もはやお水取り やがて始まる達陀(だったん)の 水よ清めよ 火よ焼き払えよ この罪この業(カルマ)  走る 火影 揺れる あふれる涙 燃える 懲える 燃える 松明 燃える 走る 火影 揺れる あふれる涙 燃える 燃える 燃える 松明 燃える
ETERNALLYさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし・服部隆之服部隆之儚く移ろう時の流れ うたかたの恋 そして置き去りの夢達 あなたに あの時 出会わなければ あのまま この心は枯れ果てたはず  着飾る前のシンデレラの美しさ 思い出させてくれた あなたの笑顔  信じることから 愛は生まれる 真実は 永遠に変わらぬもの  夢見る頃は もう過ぎたはずだと 少しずつ疑うことを憶えかけてた あなたのぬくもりで魔法がとけて 夢のかけらたちが つながりはじめた  幼い日窓辺に見た 空を往く船 黄金色に輝く 雲の階段  今宵こそ あなたに そっと告げよう 永遠に変わらぬ この想いを  今こそ 信じた あなたに誓う 永遠に変わらぬ愛を  ETERNALLY
雨の夜と淋しい午後はさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人は 季節はずれの薔薇のように 今も鮮やかに密やかに咲いてる  たとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いた そのひとの泣き顔の ストップモーション おそらく あゝ 一杯のスープ分け合うような ささやかなぬくもり 求め合う恋だった  別れの理由を思い出せない あれ程 熱い恋も知らない その人が 仮に僕を忘れても あの恋を忘れることはないだろう  たとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが 激しく抱きあっていた ストップモーション おそらく あゝ 傷つけ乍ら いたわりあった 哀しいくらい倖せな恋だった  忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人も どこかで僕のことを ふと こんな風に思い出すだろうか  たとえば あゝ 雨の夜と淋しい午後は 甘く痛む恋の ストップモーション おそらく あゝ 君という名の愛しい花は 僕の中で もう枯れることはない あゝ 雨の夜と淋しい午後は 君という名の花が咲く季節(シーズン) あゝ 雨の夜と淋しい午後は……
昨日・京・奈良、飛鳥・明後日。さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之駅前旅館をバスが 出たのは8時5分 これからわしらは修学旅行の第2日 794ウグイス平安京から 大化の改新ヘ 半分寝ながら 向かっているところ プレイボーイの山下がガイドにべたついて 週番の広田はビニール袋に蒼い顔 坂元たちは夕べのぞいた女風呂談議 誰の乳がでかいのちいさいの  春日大社に興福寺 誰かが唄った東大寺 柱の穴がくぐれずに 秋田が静かに落ち込んだ 鹿せんべいを喰った奴 こそこそ土産を選ぶ奴 ひたすら眠りこける奴 ため息ばかりついてる奴  昨日 京 奈良 飛鳥 明後日 青春は青空なのぢゃ あゝ 美しき思い出の 修学旅行  昨日京都で謎を見た 女は一人じゃ便所へゆけぬ ブラシ持っては金閣寺 しゃべり続けて銀閣寺 八瀬の大喰い食べ続けては 京都大腹三千人 おそらく生涯 治らぬことだろう クラス委員の福田と野原に怪しい噂 記念写真に隣同士で必ず写っとる 立山の奴が今夜井上に告白するから わしはそのシナリオ書きにまっこと忙しい  龍馬に中岡慎太郎 舞妓に月形半平太 わしの相手が見つからぬ 人の世話ばかりじゃ身が持たぬ 姉三六角蛸錦 四条五条の橋の上 わしが独りで見栄を切る 弁慶すらも現れぬ  昨日 京 奈良 飛鳥 明後日 青春は孤独なのぢゃ あゝ 美しき思い出の 修学旅行  宅間の酒が見つかって 男は連帯責任と 全員正座の腹いせに あいつ後ほど布団むし いつか笑える時が来る ふと懐かしむ時が来る そんなこんなで日が暮れて ああだこうだで明日が来る  昨日 京 奈良 飛鳥 明後日 青春はときめきなのぢゃ あゝ 美しき思い出の 修学旅行 修学旅行 修学旅行~♪
二軍選手さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之スター選手とのトレードで 彼がこの町に来たのは 三年前北風の強く吹く午後だった 合宿所迄の道程を きかれたことから二人の 二流の歌手と投手は友達になった  泥まみれの彼の笑顔が 僕を勇気づけ 僕の歌が 彼の安らぐところとなり ともすればくじけそうな それぞれの 夢という名の自分を支え合っていた そして  チャンスは 初め僕に来た オーディションに通ってレコード・デビューが決まった 僕は彼からギターを贈られた 彼は自分の事のように はしゃいだ まるで自分の事のようにね  翌年の春過ぎに 僕はこの町に帰った 僕の歌は少しも 売れはしなかった 彼はまだ二軍(ファーム)に居て 僕をなぐさめるかわりに 泥にまみれたいつもの 笑顔で迎えた  挫けそうな僕のステージの傍らで 時折遠くをみつめる彼がいた ともすれば はじけそうな それぞれの 風船みたいな夢を守ろうとするように やがて  チャンスは 次に彼に来た ナイトゲーム先発で彼の名前が呼ばれた プレイボールの声を聞き乍ら僕は まるで自分の事みたいに震えてた そう自分の事のようにね  彼は今スター選手の「恋人」と呼ばれてる バッティングピッチャーとして泥まみれで投げ続けてる 僕は小さな酒場で こうして歌ってる ささやかな物語を誰かに伝えたくて  誰もが夢見るスターのポジションは もう僕らに与えられることはないけど そうして誰の為の道かを教わった今 実は僕らの夢は始まったばかり そうさ  彼は心から野球を愛してる 僕は心から歌を愛してる たとえ泥まみれで捨てられても笑ってみせる たぶん自分の事以上に愛してる そう 自分の事以上にね
マグリットの石さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之あいそ笑いで生きるより ののしりの中で死にたい そう吐き捨てて遠くを見てた まなざしがとても恋しい  生まれ乍らに与えられた ものなんてほんのわずかなもの 嘘で磨いた輝きよりも 真実のまま錆びた魂が欲しい お前の口癖だったそんな とがった言葉達が いまさら 熱く俺の胸を揺さぶる やっと時代がお前に追いついた  あいそ笑いで生きるより ののしりの中で死にたい そう吐き捨てて遠くを見てた まなざしがとても恋しい  輝くのは一度だけでいい 砕け散る そのひとときだけで 売り渡してたまるか このプライド お前の声が今でも 聴こえるようだ マグリットの石は俺達の 時代を見すかして笑ってる お前はデ・ラ・ラ・マンチャの様に 風車に戦いを挑んでた  今初めて俺にあの時の お前の叫びが伝わる お前は夢を手にする為に 生命懸けで生き抜いたんだね 嘘で磨いた輝きよりも 真実のまま錆びた魂 売り渡してたまるか このプライド やっとお前が時代に伝わった
紫野さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之君 いつの間に 誰 恋して 眩暈を覚える 綺麗になったね その眼差しで 僕 見ないで 垣根がほどける 綺麗になった  七重八重 山吹は 実をつけず 枝垂れ咲く 鐘の声の 風の声の うらぶれて 道遠く  護りつつ犯しつつ 二人来た紫野  君 知らぬ間に 誰 壊して 妖しく哀しい 笑顔になったね ふと 今何か 僕 はじけた 肩口すべって 揺らり一葉落ちた  幾度の 初恋を 君すでに 脱ぎ捨てて 紅色の 唇に 香り立つ 薄明かり  与えつつ奪いつつ 二人来た紫野  幾度の 三叉路を 選び来て ゆき過ぎて また同じ 三叉路に 今二人 巡り来て  迷いつつ刻みつつ 茜さす紫野  君 いつの間に 誰 恋して 眩暈を覚える 綺麗になった
天狼星にさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之自分だけは だませなくて 独り夜汽車で旅立つけれど ひとつひとつ 数える駅の 数だけ不安も 数えている  それ程遠くへ行く訳じゃない それが悲しい理由でもない 父さんよりも愛する人が 出来るなんて 思わなかった  膝の荷物が 二十余年の 重さというには 軽すぎるけど いつか何処かで 根付いたならば 許してもらえる そう信じてる  窓から見上げる夜空にひときわ 輝く星の名は知らないけれど 蒼い光に かけて誓う 何があっても くじけない  それ程遠くへ行く訳じゃない それが悲しい理由でもない 父さんよりも愛する人に 出会うなんて 思わなかった  父さんよりも愛する人が 出来るなんて 思わなかった
残照さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君と二人で旅したあの町 もう僕は帰れない まして誰かと肩を並べて 思い出は作れない けれども君はひとりでもしくは 他の誰かと 幾度もあの場所訪ねただろう 思い出を守るため 女心と君は言い 男心と僕が言う 人と人としてなら それは同じものなのに だからこそ愛し合えるのに 僕らは  君はおそらく別れたあの日の 僕の嘘を見抜いていた それを承知でいつもの笑顔で 思い出を守った 僕が今更みつめているのは そんな君の残照 遠ざかる程あざやかになり 思い出が動いてる 君の好きだったあの店 君に教わったあの歌 どうしていつまでも忘れない 別のしあわせに居るのに 空に描かれた飛行機雲 いつの間にか ほどけて消えた
さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之またひとつ恋が生まれたよ 泣きたくなるほど いい子だよ 今度こそは 本当に しあわせに してやれると 思う 新宿発 あいつの町ゆき 今夜の夜行バスで ゆくつもり 今までいくつも 恋を迷って来たから 少しはきちんと 愛せると思う ビルの谷間で 狭い空を仰げば 折から朧に 上弦の月 北へ帰る 鳥が鳴いてゆく 缶ビール片手に 地図もない 俺の春  新宿発 あいつの町ゆき 最終バスに今 乗ったところ どんな顔で 笑ったらいいだろうか どんなふうに 抱きしめたらいいだろうか 三寒四温の 花冷えの旅立ちか お似合いじゃないか もう迷わない どこからか桜 降りしきる風の色 桜・桜咲くか 地図もない 俺の春  またひとつ恋が生まれたよ 泣きたくなるほど いい子だよ 今度こそは 本当に しあわせに してやれると 思う
ハックルベリーの友達さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸Huckleberry Friends Forever Huckleberry Friends Forever  ばったり街角で 出っくわした時に がっかりしたんだよ 君の目が曇ってた あんなにキラキラと 輝いてたのに 大人になったと 言い訳はいらない  ちょっと待って いつだって僕ら Huckleberry Friends 忘れないで 子供の頃の夢を きっと いつだって僕ら Huckleberry Friends 指切りしたじゃないか  Huckleberry Friends Forever Huckleberry Friends Forever  すっかり疲れたら こっちへお帰りよ そんなに世の中を つらく思わず もっとときめきなよ ずっと君らしいよ 死ぬまで子供の 心を守ろう  ちょっと聞いて いつだって僕ら Huckleberry Friends 冒険旅行へと出かけようよ そうさ いつだって僕ら Huckleberry Friends 元気はいつも味方さ  ちょっと待って いつだって僕ら Huckleberry Friends 忘れないで 子供の頃の夢を きっと いつだって僕ら Huckleberry Friends 指切りしたじゃないか  Huckleberry Friends Forever Huckleberry Friends Forever
神様のくれた5分さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし地下鉄の駅を出た処で 懐しい制服に出会ったわ あなたの選んだ待ち合わせ場所は 私の学校の近くだった 眩しすぎる初夏の日射しに 立ちのぼる陽炎の向うから あの日の私が横断歩道を ゆっくりと渡って来る いくつもの初恋を過ごして 教科書にない恋も学んで いつも青空を背負っていた私が 傘の差しかたもいつの間にか憶えて ああ あの頃好きだった人は いつかイニシャルの向う側に去り アイスティ越しにあなたを待っている 神様のくれた5分  散水車が町を濡らしてく お店に流れるのはサティ 白い野球部のユニフォーム達が 思い出を横切ってゆく いくつもの記念日を刻んで あなたには内緒の日もある 笑顔を作るのが上手な私が 今は泣き顔を演じられる しあわせ ああ あの頃悲しかったことも あなたのポロシャツの向う側に去り アイスティ越しにあなたを待っている 神様のくれた5分
猫に鈴さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之そんな笑顔で 僕を見ないで これ以上夢中にさせてどうするの 知ってるつもり 君は遠い人 友達で かまわないと言いきかせて 来たけれど  仲間の噂じゃ君は 誰にもつかまらないって 抱きしめたつもりでいても もう何処かにいるらしい (テレポーテーション テレポーテーション) 描の首に鈴をつける そんな感じでみんな おそるおそる君のこと 様子をうかがっている (フラストレーション フラストレーション) いつでもスキなど見せない でもお高い訳じゃない 途方に暮れてたある日 君から声かけられた 「今度ゆっくり 会いたいわ」 さすがに耳を疑ったさ 何がおきたのかと ストップモーション  いつもの笑顔で君は 僕をじっと見つめて あなたの噂教えるわと いきなりきり出した (イントロダクション イントロダクション) 誰にもつかまらないって みんなが言ってるわ あんな笑顔で私を 見つめるのは何故なの (インスピレーション インスピレーション) いつでもスキなど見せない でもお高い訳じゃない 途方に暮れたの私 だから実は今日 「猫に鈴を つけに来たのよ」 さすがに耳を疑ったさ それじゃあべこべだ ストップモーション  そんな笑顔で 僕を見つめて これ以上夢中にさせてどうするの 知ってるつもり 二匹の猫は 時々は爪をたてたりするけれど そばに居る いつでも そばに居る
October ~リリー・カサブランカ~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之今日 君の誕生日 ふと思い出した 元気でいますか しあわせですか 君と二人きりで 祝ったあの日 しあわせなのが 切なかった 君を傷つけても 君が欲しかった リリー・カサブランカの 儚く白い風が 部屋を包んでいた 10月 午后の陽射し 愛はたおやかに 時計廻りに過ぎて もう 気が違う程に 違ざかったその風景は色褪せない  今日 君の誕生日 今頃誰と 祝っていますか しあわせですか 別れの言葉さえも 君に言わせた リリー・カサブランカの 花の香り淡く 君の髪を 梳かした 今でも愛している 苦しい程 想う夜更けもあるけれど 君のしあわせ 祈っている そう言ったら きれいごとだろうか  10月 午后の陽射し 愛はたおやかに 時針廻りに過ぎて もう 気が違う程に 遠ざかったその風景は色褪せない
秋の虹さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之まるめろの花の咲く頃に お前は生まれて来たのです 母さんが嫁いで 2年目の春でした  幼い頃から大人しく やさしい娘でありました 母さんが嫁いだ 歳を越えたなんて  こうして目を閉じて 思い起こせば 憶えたてのカタコトで 母さん呼んだお前を  嫁がせる朝 こんなことを 母は思い出しています  まるめろの実が実る頃 お前は嫁いでゆくのです 色深めるななかまど すてきな朝です  しあわせは形でなくて いつも心にあるのだと 言いかけてふと空に 虹を見つけました  そういえば私が 嫁いだ朝にも 母はやはり 庭に出て 花を見ていた  どうかお前が いつまでも しあわせでありますように
戦友会さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之櫛の歯が欠けるように 仲間が減ってゆく 戦友会に出掛けた夜 おやじが呟いた 学舎でなく古の戦の友が集う 年に一度の 思えばなんて儚い祭りだろう 誰もがいつか 年老いてゆくけれど 何とも俺達の風情は 他人に玉手箱 開けられてしまった 青春の浦島たちのようだ 生命懸けておまえ達を 守ったと言わせてやれ それを正義と言うつもりはないが 時代と片付けたくもない  今の青春を羨ましくなくもないが 替わろうかと言われても断るだろう 不幸な時代の若者たちはそれでも青春を確かに見たのだ 銃弾に倒れた友の顔を 忘れることなど出来ない あいつの分もあいつの分もと 生きる思いは解るまい いつかは消えゆく 集いなのだ 冬の名残の雪なのだ そして必ず 二度と必ず 降ってはならない雪なのだ 穏やかにそう言った後 息子の僕をサカナに 珍しくおやじは家で酒を呑んで その日は早くつぶれた  雪が降る今日もどこかで 誰かが凍えてる 遠くでバイクの走り去る 青春が聞こえた
秘恋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸形見分けで貰った 祖母の机に 古ぼけた写真と 封筒が眠っていた 祖父でないそのひとは 若い兵士で 出しそびれた恋文の 宛名の主だろう 昔 愛した ひとだろうか せつなく別れた ひとだろうか ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を  時代とはいえども 祖母の秘めた恋は 誰に語る事もなく 静かに閉じていた どんな風に祖母を 愛したひとだろうか そのひとの面影は 少し僕に似ていた どんな思いで諦めたのだろう どんなに悲しく想い続けたのだろう ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を  今は昔の物語 人知れず咲いて 消えた花 ユキノシタの白い花を祖母は愛していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を
バニヤン樹に白い月~Lahaina Sunset~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ワイングラス片手に 酔った振りしてあなた オレンヂ色に溶ける夕陽 危気なシルエット あの人が留守だから いけない風が吹いて MUSKの香り イヤリング揺らり バニヤン樹に白い月 僕の胸に頬を預け ため息などついたりして 遊び上手な あなたは もう僕との別れを考えているね  我儘な人だから 気紛れに恋をする あなたにとって 一体僕は いくつ目のスペアキイ 僕の背中を抱いた 体温が熱いね ブレスレットに写るときめき バニヤン樹に白い月 ビロードの様に過ぎゆく おだやかな不安の中で 僕が強く抱きしめても きっと あなたはずっと遠くにいるね  あなたは海流になった 僕の羅針盤は壊れた 女はいつも見知らぬ入江 だから僕は今 マゼランになる
6ヶ月の遅刻~マリナ・デル・レイ~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸待たせてばかりいた恋だった 僕がどれ程遅刻をしても いつも笑顔で 来てくれてありがとうと言ったね 約束だから待つ訳じゃない もしも会いたくて来てくれるなら いつまでもと言いかけて 窓の外を見た君の横顔 マリナ・デル・レイ 穏やかな午后の陽射し 鴎の影がゆるやかな 曲線を描いてテーブルを横切る マリナ・デル・レイ 君の好きだった ストロベリイ・マルガリータのストローで咲いた 名も知らぬ紅い花 愛し方も傷つく心も 二人とても似すぎてた だから あんなに晴れた午后に別れたのだった  久し振りに訪ねたこの店で あの頃の様に過ごしてみた ライト・ビールにポテト・スキンのピザに思い出ソース 窓の外に揺れるクルーザー 水彩の様な空と海の色 息をとめてそっと振りむけば ふいに君がそこに居た  マリナ・デル・レイ 後ろ姿で君とすぐに気づいた 別れた日と同じ白いカチューシャ マリナ・デル・レイ 君の好きだった ストロベリイ・マルガリータのストローに咲いた なつかしい紅い花 約束をしてた時の様に いつもの笑顔で振り返って 君は小さな声で おかえりと言った どうやら僕は半年も遅刻をした
シ バス パラ チリ~もしチリへ行くなら~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦シ バス パラ チリ もしも君がチリヘ行くなら 僕の愛しい あの娘の住む 故郷を訪ねておくれ ぶどう畑 山は緑 きらめく川のほとりで鳥は唄う シ バス パラ チリ その歌声は 懐かし 僕を恋うる歌 遙かな村よ ラスコンデス 誰もが君を迎える 昔からの友達 やさしく迎えるように チリヘ行けば誰もが すぐに友達になるよ 川の水がへだてなく すべてを うるおすように  そして伝えてあの娘に 僕は元気でいるから いつも遠くの町で 故郷思っている もしもチリヘ行くなら あの娘に伝えておくれ どんなに離れようと 今でも愛している  シ バス パラ チリ
時差~蒼空に25¢~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦迎えに来てよ あなた そんな手紙を受け取ったのは 今日昼過ぎ その頃 僕は別の町へ向けて 荷作りをしていたところ 都会へ行くと君が言い出した時 僕は言ったはずさ 憧れだけで生きてゆける町じゃないと分かってたはず あゝ 君のことをようやく あゝ 忘れかけたという時に TIME LAG 君と僕に TIME LAG 時差がある 君は北の町に居て 僕は南へゆく 今更といい乍ら 君の泣き顔思い出している  迎えに来てよ あなた たった一行だけの手紙を読み返す 上りの汽車は事故で遅れているというアナウンス 南へ向う列車は定刻どおり ホームに滑り込んで来る ふと見れば僕の時計は 昼過ぎをさしたままで止まっていた あゝ 何故か胸が高鳴る あゝ 君の笑顔を思い出して TIME LAG 僕の心に TIME LAG 時差がある 今発車のベルが ホームに鳴り響く TIME LAG 南へゆくか TIME LAG 北へゆくか 君は北の町に居て 僕はここに居る TIME LAG 銀色の TIME LAG コインひとつ 指で強く弾いて 空へ投げ上げる キラキラ廻り乍ら スローモーションで舞いおりてくる 迎えに来てよ あなた
回転木馬さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸回転木馬が廻る 君と僕とをのせて 日曜日だけ僕の子供に戻る君の笑顔が弾む たがい違いに廻る 君と僕との木馬 僕が上がる 君が下がる 君が進む 僕が遅れる 昔 君のママと 深く愛し合い そして君が生まれた それだけは真実 けれど愛だけでは どうにもならないことがあるんだ 哀しいね 大人になれば 君は すてきな笑顔で鳩に 手を差しのべているけど 驚かしちゃいけないよ 空に帰ってしまうよ  噴水のふちを歩く 君の危気な足取り 赤い風船は手を放せば もう帰って来ないよ ひとつひとつ覚えて 早く大きくおなり そしていつか恋をしたら 話したいことがあるから 何処かで鐘が鳴る お別れが近い 君のママに伝えて 今でも愛してる けれどそれだけでは どうにもならないことがあるんだ 哀しいね おかしいよね だから せめて今日は楽しい 二人だけのカーニバル ピエロなのに 涙なんか こぼしたりして ごめんね
東京さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸君と別れて今旅立つ 東京 空港の人波に疲れて ふと立ち止まり めまぐるしく変わる 標示板を見つめてる みんな独り 君が生まれて育った町 東京 もうそれだけで好きな町だった 川の流れも 歩道橋から見た 車の流れも 人の流れも 時の流れも 東京 東京 孤独で 切なくて 虚しくて 冷たいくせに優しくて弱い 思えばみな僕の 心が町に写っていただけ  舞い上がるジェットの爆音が 君と君の町にさよなら もしもまた会えたら笑ってほしい 君や君の町のやり方でいいから 東京 東京 ゆるやかに傾く小さな窓から 拡がる街の灯がきらめいて そのひとつひとつに 愛と哀しみが暮らしてる  東京 東京 摩天楼に咲く光の海が いつしか銀河にながれこんでゆくよ とても愛していた 僕にはいい町だった 東京
病んだ星さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸この星に生まれて よかった 今の時代を生きて よかった 君にめぐりあえて よかった 君にめぐりあえて よかった  水は清く大地を 流れ潤し 木々の緑は深く オアシスを育て 生き物たちは静かに 互いを慈しみ 風はふくよかに 明日を告げる  争い事もなく 憎み合わず 許し合い 信じ合い 強きものは守り 弱きものは助け 全て 愛のたまもの  この星の まわる音が 聴こえますか この星の まわる音が 聴こえますか
春の鳥さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ひきだしにしまっておいた 出しそびれた恋文は 私からあなたへの 最後の手紙になるはずでした あんなに深く愛されて あんなにせつなく別れた 書きながら三度泣いて 出せなくて二度泣いた手紙を 今 一枚ずつ マッチで火を灯せば ふるえる文字が 胸を衝く 本当に本当に あなたが好きでした 春の鳥のように 手紙の白い煙が まっすぐに 青空に 舞い上がってゆきます そう丁度 春の鳥のように ようやくあなたから 巣立ってゆきます 明日 嫁ぎます  幼すぎたわたしが あなたと別れたことで 大人になれたなんて 皮肉なものだと思います 親を追う子供のように いつもあなたのうしろを ついて歩くばかりの 足手まといだったのですから 今 出会ったなら あなたは誉めてくれる そんな自信もみな あなたがくれた 本当に本当に あなたが好きでした しあわせになります 約束ですから まっすぐにまっすぐに 歩いてゆきます そうきっと しあわせになります どんなにつらいことも 笑えるつもりです 大人になりました  春の鳥のように 手紙の白い煙が まっすぐに 青空に 舞い上がってゆきます そう丁度 春の鳥のように ようやくあなたから 巣立ってゆきます 明日 嫁ぎます
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
予約席さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから  花の降る午後に 春は暮れてゆく 光咲く夏は 海へと帰ってく 人は一体 生きてるうちに いくつの「さよなら」を言えばいいのだろう あなたの笑顔に 出会えなかったら 今でも私は「さよなら」に縛られて 誰かが待っていてくれること 信じなかったと思う もしかしたら こんな私でさえ 誰かが求めてる いつか誰かの 支えになれる 場所があると思う  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから  山を染め乍ら 秋は去ってゆく 積もった雪なら いつか消えてゆく 人は決して独りきりで 生きている訳じゃない いつかきっと こんな私でさえ 誰かが待っている 私の為の 予約席がある それを信じてる  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね がんばって がんばって 私 生きてゆくから  かなしいね やさしいね 生きているって すごいね 泣かないで 負けないで 私 生きてみるから
約束さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸母の手にすがり乍ら 歩いたあの道を いつか私も同じように 歩きたいと思ってた 思い出はセピア色に いつも坂の途中 大きな樟の枝の向こう 遠く海が見えた 時は音もなく降りつもる 悲しみもいつか解けてゆく 思いどおりには 生きられないけれど 一所懸命だったね あなたの背中はいつも とてもあたたかだった どんな時でも私を 信じてくれた  道ばたの名もない花 あなたに見えますか ある時母は振り向いて 約束しようと云った それぞれに人は誰も 自分の色で咲く いつか必ず しあわせに咲くと約束してね 悲しみは棘に変わってく 甘えたら色は褪せてゆく 思いどおりには 生きられないけれど 一所懸命咲いてね 憶えています必ず 約束は守ります あなたの分まで高く 笑顔で咲きます あの人と二人きっと しあわせになります あなたの分まで高く しあわせになります
ひまわりさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸人は誰も 心に 花の種を 抱いて生きているんだよと あなたの口癖や声の響きが このごろとても恋しい 夢見て咲いているのなら 菫 密やかに咲くのなら 野菊 人を傷つけてしまう 紅い薔薇 散ってゆくのなら 桜 それから私に あんな風に咲けよと 指さした花は 一輪の ひまわり 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ ひと夏を力の限り 明るく咲く花 私はその時 本当にそんな風に 生きてゆきたいと 心から思った  いつまでもあなたを愛していると あの日約束したでしょう はるかな時の流れを越えてまだ 約束を守ってます あなたと暮らした懐かしい町を 独り遠く離れて 海辺に色とりどりの花が咲く 風の街で 咲いてます 鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きていると 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ 一日を力の限り 明るく生きてる  鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きてる 背すじを伸ばして あなただけをみつめ 約束どおりに 明るく咲いてる
ひとりぽっちのダービーさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸子供たちを背中に乗っけてゆっくりと 砂丘を歩くだけの馬がいる 春も夏も秋も冬も 実は彼は昔 レースで走っていた 一度も勝ったことはないけれど ターフに吹く風を知ってる 幼い頃にはみんなに 期待されて育った もしかしたらと彼自身も 少しは思っただろうか あのダービー 夢のダービー 東京の芝の上を 大歓声の中 ゴールを駆け抜けてく風になる あのダービー 夢のダービー もしも怪我さえなければ 彼にもチャンスはあっただろうか 誰にも小さな伝説があるように 彼にもある小さな伝説を 他人(ひと)ごとだと思えないんだ  松林を抜けて しばらく歩いたなら 砂丘の向こう側に海が見える 春も夏も秋も冬も 彼はそこでひととき遠くをながめたら 今来た道を戻ってゆく いつもおだやかな眼をして 生き方には色々ある 他人(ひと)の幸(しあわせ)は計れない 彼の背中で輝いてる 子供の目を見るがいい  あのダービー 夢のダービー 彼は今も走ってる 人々の思い出の中に 彼のゴールがある ひとりぽっちのダービー 誰も知らないレースを 彼なりに戦ってる あのダービー 夢のダービー 第4コーナーから 沸き返るメインスタンドを彼だけが駆け抜ける ひとりぽっちのダービー あの海の潮騒が 彼への大歓声に変わってゆく  子供たちを背中に乗っけてゆっくりと 小さな伝説が歩いてゆく 春も夏も秋も冬も 春も夏も秋も冬も
病んだ星(インターミッション)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸この星に生まれて よかった 今の時代に生きて よかった
おもひで泥棒さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸心配しなくていいよ おもひで泥棒なんていない  おばあちゃんが物忘れをするのは 泥棒なんかのせいじゃない 家族旅行のことや運動会のことを 忘れても 君を忘れやしないだろ  おばあちゃんが物忘れをするのは 近頃の楽しいことばかり 実はそこんところに 秘密が隠されてるのさ 本当のこと 教えてあげようか  心配しなくていいよ おもひで泥棒なんていない  誰でもみんな歳をとったなら 神様と約束をするのさ 思い出とひきかえに 幸せの回数券と とりかえて そっと貯めておくんだよ  楽しいものや新しいものほど 高くひきとってもらえるよ ただし条件がある 幸せの回数券は 自分の為には 使えないんだ  おばあちゃんが誰の為に 幸せを貯めていると思う そう そのとおりさ 幸せの回数券は 君の未来に とってくれているんだよ  おばあちゃんが物忘れをするのは 泥棒なんかのせいじゃない ありがとうなんていらない 優しくしてあげるんだよ でも このこと知ってると言っちゃだめだよ  心配しなくていいよ おもひで泥棒なんていない  心配しなくていいよ おもひで泥棒なんていない  おもひで泥棒なんていない
虹~ヒーロー~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸こんなにも長い間 何故歌って来たのだろう ちいさなしあわせや 伝説の向こう側に 逃げ込むチャンスは いくらもあったのに まだ 歌っている  控室の窓辺の かすみ草の向こうを 君の横顔に よく似た思い出が とおり過ぎてゆく 開演のベルが鳴るまで あと 15分  全てを手に入れたり 全て失くしたり 君までも ひきかえにして 歌い手は虹のように 悲しみの雨の向こうで 咲くものだろうか  I'm a singer 虹になりたい ひとときのヒーロー 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに  時々ふとラジオから 先に逝った友達の なつかしい唄が 流れることがある そうだね永遠に 唄い続ける しあわせ ふしあわせ  誰に負けても構わない 自分には負けられない いつか時が過ぎて 思い出に変わったとき 目をそむけないで いたいだろう 僕はまだ 旅の途中  誰かの心の 扉を叩き続けて 何もかも ひきかえにして 可笑しくって哀しくって 美しき人生 さあ 幕が降りる迄  I'm a singer 虹になりたい ひとときのヒーロー 演じてそして I'm a singer 君の空を ひとときでも 僕の色で 染められたら それでいい  Yes, I'm a singer 虹になりたい ひとときのヒーロー 演じてそして I'm a singer 振り返ったら 幻のように 消え去るもの 誰かのしあわせと 入れ違いに
夢と呼んではいけない~星屑倶楽部さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸それを夢と呼んではいけない 希望ではなく期待でもない 信じて そして待つことを 私は約束と呼びたい それを嘘と呼んではいけない 多分ではなくきっとでもない 信じて 歩き始めたら それは愛に変わってゆく  遠くから見れば誰もが 小さな星屑のひとつ けれど見つめてごらんよ そうさ それぞれがひとつ 輝いてる太陽 それを忘れちゃいけない  思い出したら ここへおいで Together Together  星屑倶楽部へ おいでよ すべて忘れて おやすみ 星屑倶楽部へ おいでよ 明日の為に笑っておくれ  誰の目もはばからず 声を出して泣きたい そんな時があるよね 誰かの名前を 大きな声で叫んで みたい時だってあるさ  そんな時には ここへおいで Together Together  星屑倶楽部は いつでも 君を迎えてくれるよ 星屑倶楽部は 誰でも すぐに友達になれるから  星屑倶楽部へ ようこそ すべて忘れて おやすみ 星屑倶楽部へ ようこそ 明日の為に笑っておくれ  星屑倶楽部は いつでも 君を迎えてくれるよ 星屑倶楽部は 誰でも すぐに友達になれるから…
ふきのとうのうたさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ふきのとうが 咲いたよ 春は もうそこまで 君の笑顔に 似ているね 水辺で 輝いたよ  僕を忘れちゃ いやだよ 季節が 過ぎても 時々でいいから 少し 思い出してね
初雪の頃さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久初雪の頃 郷里を離れて あれから二つほど 季節が過ぎました 元気ですか こちらは無事に生きてます 駅を出る時 紙袋には はちきれんばかりの 野心や夢や希望詰め込んで 恥ずかしい位 気負ってました  都会はひとが言う程に 怖い処だと思わない ただ 時々電車の窓に写る 疲れた自分に驚いて 案外 都会の魔物の正体は きっとそんなものです  忙しごっこで なかなか休みも言い出しにくくって 帰れないでいます そうだありがとう 昨日小包が着きました  友達がみな 優しすぎから 時折自分がふと 相手にされてないって気がしたり 勿論甘えだと解っています 実は一度だけ 自分に疲れて あの改札口まで 帰ったことがあるけれど その日 忘れ雪にひきとめられて  辛いことは書きません みんな過ぎゆくことですから ただ時々具合の悪い時に すこし不安になるくらい 毎日魔物を笑わせる為に 元気出しています  そういう訳です 少しは自信もついて来ましたから 必ず胸を張って帰ります きっと初雪の降る前に そう初雪の降る前に
十七歳の町さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸エレベーターの中で 2年と8ヶ月振りに あれ程愛した 君と昨日出会って どぎまぎするだけの 自分が不甲斐なかった  それで今日海辺の この町にふと会いたくなった 海へと向って 岬が伸びていて ゆるやかな傾斜の 坂道が懐かしかった  小さな露地がふたつ 重なる川端の広場 不思議な占い師がいて 僕らを呼び止めたね  二人はこれからきっと 倖せになりますよって 残念乍ら 予言ははずれたけど 十七歳までを 君が過ごした この町  エレベーターの中へ 誰かに手を引かれて 現われた君は 純白の花嫁衣裳 どぎまぎするだけの 僕にすぐに気付いたね  どんな顔をすればいい 時間を止めた僕に 君はおだやかに 笑ってくれたよね 岬に咲く花を みつめた時みたいにね  君を愛したことや 君に愛されたことが いい加減じゃなかったねって なんだか嬉しかった  それから君はその手の 白いレースの手袋 はずして僕に 手を差し出したよね 君の手はやっぱり とても暖かだった
花の色さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたの言い訳を 受話器で聞き乍ら 心は遠い海の潮騒を聴いている 鏡に写った 時計の針だけが 過ぎゆく時間(とき)の流れを遡るように見える  長い手紙を書くように 流行りの色で頓染めて こんな時 声を荒らげて 泣けたらどんなだろう 季節は静かに 花の色を変える  私のため息を うつろな眼差しで あなたは聞かぬ振りで 遠くを見つめてる それからこころの 入口閉ざして 出口だけを開けて 見えない誰かと話してる  風に吹かれて散る様に 短い嘘をつけばいい こんな時 あなたの為に 笑えたらどんなだろう 季節は静かに 花の色を変える  長い手紙を書くように 短い嘘をつけばいい 季節は静かに 花の色を変える
普通の人々さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸鍵の数だけ不幸を抱いているって 誰かが言ってたね 僕には部屋のドアの鍵がひとつだけ 幸せのうちなんだろう  午前零時前の暗い部屋には 留守番電話の赤いランプが No Message  TVは好きじゃないね ヒステリックでセンセイション 疲れは増すばかり クレジットカードとファッション雑誌に 追いかけられるなんて 耐えられない  シャワーの音を気づかってドライビール 雑誌の見出しに驚くけど No Message  退屈と言える程 幸せじゃないけれど 不幸だと嘆く程 暇もない毎日  例えば朝の電車 みんなの顔が同じに見えて来る 例えばTVで笑う みんなの顔が同じに見えて来る  危険信号 誰かが言うけど どっちが危ないのかな No Message  好きな人はいるよ あたり前にね 愛し合っているよ 友達も多い方 いい奴ばかりで 僕は普通なんだろう?  何も気にする事なんかない なのに何か不安で No Message  寂しいと言える程 幸せじゃないけれど 不幸だと嘆く程 孤独でもない 生きる為の方法(やりかた)は 駅の数程あるんだから 生きる為の方法は 人の数だけあるんだから
凛憧−りんどう−さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久父と共に 城跡から見おろす 夕焼けが好きだった 息を切らす 肩に置かれた 手の体温(ぬくもり)はもっと好きだった  ある日父が いつもの気まぐれに 僕を抱きしめたりしたが そのままじっと 声も立てず 静かに泣いたことがあった  その朧気な 記憶がいつか 重さを増すと 知るはずもなく 幼い僕は 何か恥ずかしく 崖の淵に咲いた  薄紫の花を じっとみつめていた 早咲きのりんどうと それは あとで 知った  僕が父の 涙を見たのは その一度きりだった 祖母を送り 友を送り その時にも涙は見せなかった  あれ程に 可愛がった妹が 嫁ぐと決めた日も ただおだやかな 父の姿に 僕はふと あの日を思い出した  父といえど 男といえど 時のはざまに 落ちる刻(とき)がある 今となれば わかることがあり そっと胸が つまる  花嫁の父が今 少し照れた背中で 娘から花束を 贈られているところ  薄紫の花が じっと見つめていた 遅咲きのりんどうと それは すぐに わかった
Bye Bye Guitar(ドゥカティにボルサリーノ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あんたがいなくなってから 片手程年を数えたね もう泣きそうにならないで あんたを語れる歳になった ボルサリーノ目深にかぶり 白いストラト ジェフ・ベック気取りで鳴らしてた ドゥカティ転がして格好つけて そのくせショートケーキで口の周り汚してた  俺たちみんな元気でいるよ 俺たちみんなバリバリだよ そう聴かしてやるよ 心を込めて あんたの知らない あんたの歌  Bye Bye Guitar 俺は歌い続けているよ Bye Bye Guitar 旅の中で生命の限り  1カートンの煙草を 五日で燃やし乍ら こうして歌を書いてる  ほんとうの事で正しいことを きつく言われると腹が立つもんだが あんたに言われると素直に聴けた ほんとうにやさしかったからな プライドの高い照れ屋のリベラリスト アンダンテ・カンタービレ 妙に愛してた あんたが教えてくれた事 笑いたきゃ 泣く事から学べってね  みんなあんたを好きだったよ あんたがみんなを好きだった様にね だから聴かしてやるよ 心を込めて あの頃よりずっといい 俺の唄  Bye Bye Guitar 俺は歌い続けてゆくよ Bye Bye Guitar ずっと味方でいてくれるんだろう  もう泣かずに あんたを歌う そう そんな歳になった  Bye Bye Guitar 俺は歌い続けてゆくよ Bye Bye Guitar 旅の中で生命の限り
少年達の樹さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし時々思い出すんだ 昔遊んだ 名前も知らない 大きな樹のこと 少年遠の樹  枝から枝へ 小鳥より速く すり傷だらけの ヒーローたち  君や僕やあいつや それから あの娘  洞窟(ほらあな)とかくれ家と宝の地図と 名前も持だない 雑種の野良犬 少年達の樹  夢から夢へ おとなより高く 生意気ざかりの ヒーローたち  君や僕や あいつや それから あの娘
Only~薔薇園~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部克久季節の光浴びて 二人の薔薇園 笑いながらあなたが そこにいるみたい  あなたの植えた薔薇が ひとつひとつ花と咲いた 庭一面にルビーを まき散らしたみたいに あなたの愛を絵にしたように 夢は何処からかしら あなたを失くした日から それともこの生命の はじまりからすべてが 夢ならその方が ずっといいのにね  ONLY あなたしか愛せない 私はその為に 生まれてきたのだから そう いつまでも ONLY あなたしか愛さない この身が滅びようと 想いは消えない  たとえ生まれ変わり 100人の人と出会い 恋をするより あなたひとりとそれ以上に 何度も何度も恋がしたい もしも叶うならば 時々会いに来てね たとえば季節の風や たとえば季節の雨に姿を仮りても 私すぐにわかるから  ONLY 或は空に架かる 虹ならばあなたにとても似合うから そう いつまでも ONLY あなたしか愛さない 私はその為に 生まれてきたのだから  季節の光浴びて 二人の薔薇園 笑いながらあなたが そこにいるみたい
薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲クさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦庭と呼べない程の 狭い土地に母が 花の種を播いた 借家暮らしの2年目の春 父の仕事はうまくゆかず 祖母も寝ついた頃で 祈るような母の思いが やがて色とりどりに咲いた 学校の2階の廊下の窓から 見下ろすといつも 洗濯をする母が見えた 弟と僕が手を振れば母は 小さな妹と 笑顔で応えた アマリリスの白い花 貧しかったはずだけれど 決して不幸などではなかった あの日の あの青空  貸し本屋の帰り道 崖下の川のほとりに ぽつりと咲くバラの花を 弟がみつけた 傷だらけでたどりつけば 待っていたかのように花は 根こそぎあっけなく 母への土産となった その花は根づいて 僕らの希望のように 毎年少しずつ 紅い花を増やした 8つに増えた頃 愛する祖母を送り 僕は泣き続けて 生命を教わった バラは十幾つになり 静かに風に揺れていた どんなにつらい時もあきらめるなよと 咲き続けた  そのあと父は 町のはずれに 小さいけれども 新しい家を建てた 引っ越しの日が来て 沢山の思い出を 残して僕らは トラックに乗り込んだ 庭中紅いバラの花 手を振るように風に揺れた あの青空
警戒水位さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦故郷の言葉さえもう忘れたふりして 都会で息ひそめ 私はここで何をしたかったんだろう 知らず知らずのうちに 私の心は 既に警戒水位 ギシギシ音をたてて揺れてる せつなか せつなか もう一人の自分が呼んでる せつなか せつなか 故郷の海が みたいよ  無表情を装って 傷つかぬふりをして 深夜のストアの中 棚をみつめて何を捜してるんだろう あなたを待ち続けるのに 疲れた訳じゃなく ふと警戒水位 涙が音をたてて揺れてる 恋しか 恋しか 本当の自分が叫ぶよ 恋しか 恋しか あなたの笑顔が みたいよ せつなか せつなか もう一人の自分が呼んでる せつなか せつなか 故郷の山が みたいよ
邂逅さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦父が私を許さなかったのか 私が父を拒んでしまったのか 彼はついに孫の顔も見ずに 三年前に世を去った 今となれば果たして人の世に 生命を懸けていさかい合う程の 憎しみなどあろうはずもないと 今更に気付く愚かしさ 形見といえば古くさい 写真機が一台あるばかり 無趣味の人のなぐさみに 何を写していたのやら 無骨な指で不器用に シャッターを切ったのだろうか ふと気付けば撮りかけの フィルムが入ったままだった  父のフィルムの残り半分を 私が引き継ぐことにした 少し悩んでやはり最初には こっそりと母を撮った それから彼の孫の姿を撮り 最后に母が私達を撮り 出来上がったそのフィルムが 今 私の前にある 父は最初に庭を撮っており 次に道端の花を撮り そして最后は多分こっそりと 母の姿を写してた ネガフィルムに隣り合わせて 二人の写した母がいる 初めて父とめぐり逢った 涙が止まらなかった  涙が止まらなかった
本当は泣きたいのにさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦助手席のドアを 今開けたところ このドアを閉じたら 永遠にさよなら 泣いて頼んでまで ひきとめたくはない そんな風にしか 生きられないから 嘘をつくことも 甘えるのも下手 まして可愛い振りなど 上手な訳がない 独り樹の実は熟して落ちて やがて秋が来る 強がり乍ら生きて来たのよ 本当は 泣きたいのに  助手席のドアを 今閉じたところ 振り返りもせずに テールランプが遠ざかる 降り始めた雨に 車の轍が 交わらないままで サヨナラと描いた 寂しがり屋でも 甘えん坊でも 口に出さない限り 誰も気付かない 生きるのが下手な女はいつも背中ばかり見てる すがりついてもついてゆきたい 本当は 泣きたいのに  嘘をつくことも 甘えるのも下手 まして可愛い振りなど 上手な訳がない 生きるのが下手な女はいつも背中ばかり見てる すがりついてもついてゆきたい 本当は 泣きたいのに  強がり乍ら生きて来たのよ 本当は 泣きたいのに
聖域~こすぎじゅんいちに捧ぐ~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦テレビやラジオが毎日告げるのは 悲しい事件ばかり 生命は軽くなるばかり みんな気付いてる 何かおかしいってこと なのに明日になれば 忘れたふりをするのかな それを尋ねたら みんな笑いながら僕に言うんだ お前ひとり悩んでも無駄なことさ切ないだけだよ 君もそんな風に僕を嘲うのかな 君もそんな風に僕を嘲うのかな  愛は音もなく 現れては消える 君と僕とをつなぐ 確かなものは何もない 何が真実か 何を信じるのか それを考えることは 古くさいことらしい 愛について 生命について 時の流れについて 父や母や友達や 君のやさしい笑顔について 君はいつまで僕を愛せるだろう 僕はいつまで君を守れるだろう 君はいつまで僕を愛せるだろう 僕はいつまで君を守れるだろう
極光(オーロラ)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いきなり私の眼の前に座ったあなた 自分はせっかちだからと言い訳し乍ら 前から君が好きでしたと突然告白したあと 私のコーヒーを一気に呑み干した そのあとの強引さときたら人の返事も きかずにすっかり一人で盛りあがり 山岳部に来なさい 山はいいから 本当にいいからと 知らないうちに 丸め込まれてた 自然はとても大きいって それが得意のフレーズ 人間が狭い輪っかの中で傷つけあうのを 静かに観てる 大空 広い大空 いつかカメラマンになって こいつに近づくと 目を輝かせてた あなたを愛して気づいた どんどん先に歩いて 行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ  おい結婚するぞ そしてアメリカへゆくぞと いっぺんにふたつ びっくりをつきつけて それから 俺仕事やめたぞ カメラマンになるんだと 腰が抜けなかったのが奇跡だわ そのあとのあなたは夢の通りに歩いて とうとう本物のカメラマンになった グランド・キャニオンも死の谷も みんな友達にして 知らないうちに 丸め込んでいた 自然はやはりすてきだ だけど不安がひとつ もっと大きなものが撮りたくなって 俺はどこまで 行けばいいのか オーロラ それはオーロラ 地球も夢を見るんだ こいつがそうだと 目を輝かせてた あなたを愛して気づいた どんどん先に歩いて 行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ  アラスカで あなたが突然空気になったと そんな事 信じられると思う 飛行機のプロペラが廻っているのに気づかない程 オーロラに夢中だったのね あなたの残したものは 世にも美しい 地球が夢を見ている写真と それからこの私と オーロラ それはオーロラ なんてせっかちなあなた オーロラに愛されて オーロラになってしまった あなたを愛して気づいた どんどん先に歩いて 行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ
広島の空さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦その日の朝が来ると 僕はまずカーテンを開き 既に焼けつくような陽射しを 部屋に迎える 港を行き交う船と 手前を横切る路面電車 稲佐山の向こうの入道雲と 抜けるような青空  In August nine 1945 この町が燃え尽きたあの日 叔母は舞い降りる悪魔の姿を見ていた 気付いた時炎の海に 独りさまよい乍ら やはり振り返ったら 稲佐の山が見えた  もううらんでいないと彼女は言った 武器だけを憎んでも仕方がないと むしろ悪魔を産み出す自分の 心をうらむべきだから どうか くり返さないで くり返さないで 広島の空に向かって 唄おうと 決めたのは その時だった  今年のその日の朝も 僕はまずカーテンを開き コーヒーカップ片手に 晴れた空を見上げ乍ら 観光客に混じって 同じ傷口をみつめた あの日のヒロシマの蒼い蒼い空を思い出していた  In August six 1945 あの町が燃え尽きたその日 彼は仲間たちと蝉を追いかけていた ふいに裏山の向こうが 光ったかと思うと すぐに生温かい風が 彼を追いかけてきた  蝉は鳴き続けていたと彼は言った あんな日に蝉はまだ鳴き続けていたと 短い生命 惜しむように 惜しむように鳴き続けていたと どうか くり返さないで くり返さないで 広島の空に向かって 唄ってる 広島の空も 晴れているだろうか くり返さないで くり返さないで 広島の空に向かって 唄ってる 広島の空も 晴れているだろうか
まほろばGOLD LYLICさだまさしGOLD LYLICさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸春日山から飛火野辺り ゆらゆらと影ばかり泥む夕暮れ 馬酔木の森の馬酔木に たずねたずねた 帰り道  遠い明日しか見えない僕と 足元のぬかるみを気に病む君と 結ぶ手と手の虚ろさに 黙り黙った 別れ道  川の流れは よどむことなく うたかたの時 押し流してゆく 昨日は昨日 明日は明日 再び戻る今日は無い  例えば君は待つと 黒髪に霜のふる迄 待てると云ったがそれは まるで宛て名のない手紙  寝ぐらを捜して鳴く鹿の 後を追う黒い鳥鐘の声ひとつ 馬酔の枝に引き結ぶ 行方知れずの懸想文  二人を支える蜘蛛の糸 ゆらゆらと耐えかねてたわむ白糸 君を捨てるか僕が消えるか いっそ二人で落ちようか  時の流れは まどうことなく うたかたの夢 押し流してゆく 昨日は昨日 明日は明日 再び戻る今日は無い  例えば此処で死ねると 叫んだ君の言葉は 必ず嘘ではない けれど必ず本当でもない  日は昇り 日は沈み振り向けば 何もかも移ろい去って 青丹よし平城山の空に満月
パンプキン・パイとシナモン・ティーさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸二丁目の交差点から17軒目で 時々走って2分と15秒 平均112.3歩目に我等の コーヒー・ベーカリー『安眠』がある  お人好しのマスター三十六 独身の理由は 引っ込み思案で 照れ屋でまぬけの 複雑な性格による コーヒーは確かにうまい でも僕等男には 理解出来ないが娘等は ここのかぼちゃパイが 美味しいという  パンプキン・パイとシナモン・ティーに バラの形の角砂糖ふたつ シナモンの枝でガラスに三度 恋しい人の名を書けば 愛が叶えられると 娘等は信じてる  ミス・パンプキンのいつもの座席は 窓際のゴムの木の向う側 背は高からず 低からず 容姿端麗 彼女は僕等の憧れの的  実は不敵にもマスターがこのマドンナに恋をした まぬけないじらしさ見たさに 授業を抜け出して来てるのに ちっともらちがあかないマスターは 照れ屋でまぬけだから たった一言かけた言葉が 事もあろうに「毎度ありがとう」  日頃のお世話に感謝をこめて 僕等はまたまた授業抜け出して シナモンの枝でガラスにラブ・レター ミス・パンプキンに差し出した ところが急に店を飛び出した彼女の 背中とマスターの半ベソ交互に見くらべ 僕等は立場失くして ひたすらうろたえた  それからしばらくしてマスターは お陰さまで嫁さんをもらった 相手がミス・パンプキンかどうかは ああいう性格だから白状しなかった  ただそれから僕等の待遇が 良くなった事と 僕等の追試が決まった事の 他には変わりは無い 2代目ミス・パンプキンはなかなか現われないけれど 此頃すこうし僕等にもかぼちゃパイの 味が解ってきたところ  パンプキン・パイとシナモン・ティーに バラの形の角砂糖ふたつ シナモンの枝でガラスに三度 恋しい人の名を書けば  パンプキン・パイとシナモン・ティーに バラの形の角砂糖ふたつ シナモンの枝でガラスに三度 恋しい人の名を書けば
夜間飛行 ~毛利衛飛行士の夢と笑顔に捧ぐ~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦夕べ風になった夢をみた 僕はまだ少年のままだった そっと君の家まで飛んでみた 君もまだ少女のままだった  庭にとても大きな犬がいて そいつだけが僕に気付いた 僕はにれの木の枝に腰かけて 小さく君の名前を呼んだ  夜空にはエンデバー無重力の満月 サソリづたいに銀河鉄道 夢よこのまま覚めるな 夢よこのまま覚めるな 僕は祈り続けた  そうだ思いだした子供の頃 ほんとうに空を飛んだことがある 公園のジャングルジムの上から 教会の十字架ぞいに港まで  もちろん誰も信じないけど 僕は今でも信じてる むかし人は空を飛んでいた どこかに羽根を忘れただけ  夜空には リンドバーグ 相対性の煩悩 仕事疲れの場合じゃない ベランダから見渡せば 町は光の洪水 明日 元気になろう  夕べ風になった夢を見た 僕はまだ少年のままだった…
青の季節さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あの日 二人きり 隣に腰かけて みつめた シャガールの 五枚のステンドグラスの青  若葉のしずくが 朝日を浴びてきらめき ぽとりと身を投げて大地に抱かれ それから 小さなせせらぎが生まれるように あなたを愛し やがてひとつの流れに育ち 空をも映す 大きな河になり そんなふうに ゆるやかなまま 時は過ぎると信じた青の季節  海辺の仏舎利塔(パゴダ)は 夕陽を受けて輝き 波間の鴎の向こうに虹が架かって 四月の鯨は私を誘う 遠い季節へ すべての河は海へと流れ そしてまた空へ帰り くり返す 海辺で待てば きっとあなたの 水の粒と もう一度出会えそうで いつか私が海に帰ったら あなたの隣にそっと腰かけて またはじめから 愛したい 何度でも 何度でも 何度でも あなたと
地平線さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ひとしずくの雨が いつか海になる そんな風に愛を育ててゆけ 地平線から朝日が昇るように 君は しあわせになれ  言葉少なに 君は大切な恋を語る 君のその唇は つつましく紅に染まる どこか眩しそうに まばたいた黒い瞳は 不安と喜びと とまどいの重なり合う色 君に贈るのは 君の中の勇気 いいかい答は いつも心の中にある  はばたく鳥が蒼空に消えてゆく そんな風に君は旅立ってゆく 季節の花が静かに薫るように 君は大人になる  君はいくつかの傷を隠して強く笑う 後れ毛は風に揺れてそっと痛みをかばう どこか遠くへと耳を澄ます君に聴こえる 過去と未来とがきしむ刹那の現在そのもの 君に贈るのは 君の中の勇気 いいかい答は いつも心の中にある  山で生まれた霧がほら雲になる 悲しみもいつの日か雲になる 吹き抜ける風が季節を運ぶように 君は笑顔になれ ひとしずくの雨が いつか海になる そんな風に愛を育ててゆけ 地平線から朝日が昇るように 君は しあわせになれ
ソフィアの鐘さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている 四谷見附橋 街路樹の枯れ葉 君は上手に 嘘をつけない  夕陽が眩しくて信号の青に しばらく気付かなかったね 二人共 神宮へ帰る 鴉が二羽三羽 黄昏ゆく師走の闇を往く  ソフィアの鐘が 凩に乗って僕等を追い越してゆく 折から牡丹雪が 街灯の周りで冬の蛍になる  言葉が足りなくて君を傷つけ 言葉が過ぎて また僕も傷つき 逢魔が辻の角を曲がれば 遥か遠く君の手には届かない  春には桜吹雪の舞うはずの道で今 ミサへ向かうキャンドルの列とすれ違う 四谷見附橋 名も知らぬビルの 屋上でクレーンが揺れてる  水のない橋の底を快速電車がゆく パンタグラフの蒼い火が きれいだね 冬の花火だね きっと沢山の 悲しみをのせながら闇に咲く  ソフィアの鐘が 思い出伝いに僕等を追い越してゆく 折から救急車が サイレンを鳴らしながら 赤い風になる  遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている 思い出通りの 向こう岸で ほら サヨナラが手を振る  ソフィアの鐘が 凩に乗って僕等を追い越してゆく 折から牡丹雪が 街灯の周りで冬の蛍になる  遠くでクリスマス・キャロルが聞こえる 君の涙に気付かないふりをしている
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
落日さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦夕日が沈んでく 君の瞳の中に 浮浪雲が朱鷺色に そう悲し気な朱鷺の羽根の色に 染まり乍ら風に流れてゆく  少し風が出て来た 君の肩を抱いた 生命は何処から来てどこへ行きたいのだろう 真実が知りたい 僕らの愛のことも  しあわせになろう いつかかならず 約束をしよう しあわせになろう  明日もまた陽は昇る それを疑いもせず 君と僕だけのことを考えればいいのなら それはそれでとてもしあわせに違いないけど  うまく言えないけれど 心のどこかが 不安と恥ずかしさでいつも少し汚れてる 真実が知りたい 人の「こころ」のことも  しあわせになろう いつかかならず 約束をしよう しあわせになろう  しあわせになろう いつかかならず 約束をしよう しあわせになろう  しあわせになろう いつかかならず 約束をしよう しあわせになろう
祈りさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸悲しい蒼さの 広い大空を 小さな鳥が一羽 海を目指してる 鳥を撃たないで 約束の町へ ひたむきに羽ばたく夢を消さないで 誰もが時の流れに 傷つき疲れ あきらめそして いつしか生まれた時の 溢れる程の愛を見失う  この町がかつて 燃(も)え尽きた季節(とき)に 私達は誓った 繰りかえすまじと 生命を心を 奪い去ってゆく ちからも言い訳も総て許せない 私は祈る以外に 知恵も力も 持たないけれど 短い花の生命を ささやかなこの愛で染めたい
天然色の化石さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし亀山社中今 都会ではビルに敷き詰めた石の間から 化石を見つけ出す遊びがあると聞いた そういえばデパートの恐竜展で この間不思議に思ったことがあった  何故恐竜たちはみんな同じ様に 淋しそうに緑や黒に塗られているのだろう ピンクや赤や黄色やトカゲのように 虹色に光ったっていいと思わないか  あなたが永遠にしあわせでありますように あなたが永遠にしあわせでありますように  ふと思うのは今から5億年ほどが過ぎて 地球に次の人類が生まれていたなら ライオンの雄だけにたてがみがあることや 馬には縞や白があると気付くだろうか  たとえば小鳥が人間の言葉を真似て 犬が愛らしく尻尾を振ってなついたことや 空も海も森もみんな僕たちが 壊してしまったことに気付くだろうか  あなたが永遠にしあわせでありますように あなたが永遠にしあわせでありますように  もしも僕が化石になって見つかったときに 僕の肌が黄色だったことに気付くだろうか 彼の肌が黒いというそれだけで 傷つけられた時代があったと気付くだろうか  あなたと僕が並んで化石になったとしたら 二人がこんなに深く愛し合っていたことに 誰か気付いてくれるだろうか 切ない生命のいとなみについて  あなたが永遠にしあわせでありますように あなたが永遠にしあわせでありますように  あなたが永遠にしあわせでありますように あなたが永遠にしあわせでありますように
好敵手さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦子供の頃のお前と俺は 何ともキラキラした目をしてる 二人並んだ古いアルバムで エースと四番を争っていた  大人になって照れていたよ ときめくことや 夢見ることを も一度泥にまみれてみるか 疲れたなんて お前に恥ずかしい  負けるもんか 笑いとばせ 八番ライトもいなけりゃ困る 精一杯だ いいじゃないか 辛いってなんて 楽しいんだろう 辛いってなんて 楽しいんだろう  学生時代のお前と俺は 何だかドキドキした目をしてる 女なんてと粋がりながら あの娘の恋を争っていた  忘れていたよ幸せの 形なんて無いってことを 誰にも知れず ひと泣きしたら あとは野となれ山となれ  負けるもんか 笑いとばせ 元気でいるだけ立派なもんだ 一生懸命何が悪い 苦しいって なんて面白いんだろう 苦しいって なんて面白いんだろう  負けるもんか 笑いとばせ ありがとう 友よライバルよ 明日は明日の風よ吹け 辛いって なんて楽しいんだろう 辛いって なんて楽しいんだろう
Wonderful Loveさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸風は東へ 東へと吹き抜けてゆく 僕独り西へ 西へ向い風の中をゆく 迷ってもいい 間違えていい そう言いきかせながら 走り疲れて 立ち止まった日 その季節に 君がいた 笑ってもっと強く 抱きしめて ひるまないように 勇気を失くさないように What a Wonderful Wonderful Wonderful Love いつも そばにいる  愛は君へ 君へと吹き抜けてゆく つないだ指を 指を 見失わないよう 泣いてもいい 傷ついていい 誰もが揺れる道を ゆっくりでいい 明日になれば 明日の花が咲く 道はひとつだけじゃない 自分らしく 信じればいつか 必ず 咲く日が来るよ What a Wonderful Wonderful Wonderful Love ずっと そばにいる What a Wonderful Wonderful Wonderful Love いつも そばにいる What a Wonderful Wonderful Wonderful Love ずっとそばにいる What a Wonderful Wonderful Wonderful Wonderful Love
療養所(サナトリウム)GOLD LYLICさだまさしGOLD LYLICさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸病室を出てゆくというのに こんなに心が重いとは思わなかった きっとそれは 雑居病棟のベージュの壁の隅に居た あのおばあさんが気がかりなせい  たった今飲んだ薬の数さえ すぐに忘れてしまう彼女は しかし 夜中に僕の毛布をなおす事だけは 必ず忘れないでくれた  歳と共に誰もが子供に帰ってゆくと 人は云うけれどそれは多分嘘だ 思い通りにとべない心と動かぬ手足 抱きしめて燃え残る夢達  さまざまな人生を抱いた療養所は やわらかな陽溜りと かなしい静けさの中  病室での話題と云えば 自分の病気の重さと人生の重さ それから とるに足らない噂話をあの人は いつも黙って笑顔で聴くばかり  ふた月もの長い間に 彼女を訪れる人が誰もなかった それは事実 けれど人を憐れみや同情で 語れば それは嘘になる  まぎれもなく人生そのものが病室で 僕より先にきっと彼女は出てゆく 幸せ 不幸せ それは別にしても 真実は冷やかに過ぎてゆく  さまざまな人生を抱いた療養所は やわらかな陽溜りと かなしい静けさの中  たったひとつ僕にも出来る ほんのささやかな真実がある それは わずか一人だが 彼女への見舞客に 来週からなれること
未来さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦僕はよく峠道で迷うことがある そんな時 いつも峠は深い霧で これからゆく道はもとより 今来た道さえ見失ってしまう  もしもあの時 君にめぐり逢えなかったなら僕は きっとあの峠道で 生命を落としていただろう 人を愛すること それさえも知らず  君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ 軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ  多分僕等は超高速の乗り物にうしろ向きに座らされ 過去という名の風景と うしろから来る未来と呼ばれる 希望との間でうろたえている  陽は昇りまた陽は沈み 長い長い道のりは続いても これから来る峠道で もう迷うことはないだろう 君の手のぬくもり それさえあるなら  僕は今君の瞳に映る 全てのものを信じられる 君の生命が愛おしい 僕と一緒に暮らさないか  君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ 軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ
償いPLATINA LYLICさだまさしPLATINA LYLICさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸月末になるとゆうちゃんは薄い給料袋の封も切らずに 必ず横町の角にある郵便局へとび込んでゆくのだった 仲間はそんな彼をみてみんな貯金が趣味のしみったれた奴だと 飲んだ勢いで嘲笑ってもゆうちゃんはニコニコ笑うばかり  僕だけが知っているのだ彼はここへ来る前にたった一度だけ たった一度だけ哀しい誤ちを犯してしまったのだ 配達帰りの雨の夜横断歩道の人影に ブレーキが間にあわなかった彼はその日とても疲れてた  人殺しあんたを許さないと彼をののしった 被害者の奥さんの涙の足元で 彼はひたすら大声で泣き乍ら ただ頭を床にこすりつけるだけだった  それから彼は人が変わった何もかも 忘れて働いて働いて 償いきれるはずもないがせめてもと 毎月あの人に仕送りをしている  今日ゆうちゃんが僕の部屋へ泣き乍ら走り込んで来た しゃくりあげ乍ら彼は一通の手紙を抱きしめていた それは事件から数えてようやく七年目に初めて あの奥さんから初めて彼宛に届いた便り  「ありがとうあなたの優しい気持ちはとてもよくわかりました だからどうぞ送金はやめて下さいあなたの文字を見る度に 主人を思い出して辛いのですあなたの気持ちはわかるけど それよりどうかもうあなたご自身の人生をもとに戻してあげて欲しい」  手紙の中身はどうでもよかったそれよりも 償いきれるはずもないあの人から 返事が来たのがありがたくてありがたくて ありがたくて ありがたくて ありがたくて  神様って思わず僕は叫んでいた 彼は許されたと思っていいのですか 来月も郵便局へ通うはずの やさしい人を許してくれてありがとう  人間って哀しいねだってみんなやさしい それが傷つけあってかばいあって 何だかもらい泣きの涙がとまらなくて とまらなくて とまらなくて とまらなくて 
東京物語さだまさしさだまさしさだまさし服部隆之服部隆之ロードショウで 憶えたての メインテーマ 口ずさんで 二人肩を並べたまま 夕暮れの迫る街を そぞろ歩けば 銀座の町も ちらほら 灯ともし頃 東京 東京 君はつぶやいた 本当のこの町の 姿なんて 誰も知らない  晴海通り 数寄屋橋へ 皇居前の広場あたり 議事堂にかかる 夕陽みつめ この町で 生まれた君と 東京 東京 確かに僕は 本当のこの町の 姿なんて 何も知らない  何もかもすべて 包み込んで わがままさえも 包み込んで まるで母の愛のように  東京 東京 君の横顔に 誓っている いつか 東京 東京 すばらしき人と すばらしきこの町 みつめ乍ら ここで暮らそう 
奇跡~大きな愛のように~GOLD LYLICさだまさしGOLD LYLICさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  僕は神様でないから 本当の愛は多分知らない けれどあなたを想う心なら 神様に負けない たった一度の人生に あなたとめぐりあえたこと 偶然を 装いながら奇跡は いつも近くに居る  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい  どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない  今日と未来の間に 流れる河を夢と言うなら あなたと同じ夢を見ることが 出来たならそれでいい 僕は神様でないから 奇跡を創ることは出来ない けれどあなたを想う奇跡なら 神様に負けない  ああ大きな愛になりたい あなたを守ってあげたい あなたは気付かなくても いつでも隣を歩いていたい ああ大きな夢になりたい あなたを包んであげたい あなたの笑顔を守る為に多分僕は生まれて来た  どんなにせつなくても 必ず明日は来る ながいながい坂道のぼるのは あなた独りじゃない
あなた三昧さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦頑張りすぎないでね 何もいらないから あなたが元気でいたなら 何もいらないから  お仕事大変でしょうけど 無理し過ぎないでね 離れて暮らしているから いつも気になっています 時々ゆっくりしてますか ちゃんとごはんたべてますか 少し淋しいけれど私は元気でいます  この間おくってくれたお土産おいしかったわ 友達に分けてあげたら皆喜んでくれた たまにはお母さんにも電話をしてあげますか かっこつけて飲み過ぎたりしていては駄目よ  ああ あなた三昧でずっと暮らせたら あなたが疲れてしまうかしら ああ あなた三昧で 三日くらいなら あなたもしあわせでいてくれるかしら  頑張りすぎないでね 何もいらないから あなたが元気でいたなら 何もいらないから  この次の週末には 私が行くから 最終便にはどうにか 間に合うと思う だから土曜日はきっと 早く帰って来ててね 勿論おつきあいのあとで構わないから  お願いがひとつあります 日曜日には どこへも行かなくていいから 私に下さいね ゆっくりお洗濯して じっくりお掃除をして あなた気が向いたら笑ってくれたらいい  ああ あなた三昧で ずっと暮らせたら しあわせまみれで死んでしまうわ ああ あなた三昧で四日くらいなら かろうじて生きていられるかしら  頑張りすぎないでね 何もいらないから あなたが元気でいたなら 何もいらないから  頑張りすぎないでね 何もいらないから あなたが元気でいたなら 何もいらないから
名刺さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸たかが50平方センチの 名前を書いた白い紙切れに 振り廻されて何だろね されど四角いその紙切れを とりあえず俺の顔と信じて 誰もが疑わないんだもんね 強い名刺で張られてごらんよ どうもどうものあとが出ない 今にみてろ 今にみてろ 今にみてろっても 誰も見てない 手前に下げた頭じゃねえぞ 手前の名刺に下げたんだと 負け惜しみと愚痴が悲しいぜ生ビール あ、またポケベル 電話どこ  嫌な野郎ってホントにいるよね それが自分の上司と来てみろ いっそ 刺し違えたろか あ、でも家族が… たかが一枚1gの 名刺ごときに振り廻されてる 今日でも明日でも辞めたる! あ、でも思うツボかも… 弱い名刺を出されてごらんよ 抱きしめたくって仕方ない がんばろうね がんばろうね がんばろうねってば 天下取るまで あ、流れ星 俺らに下げた頭じゃねえだろ 俺らの名刺に下げたんだろ わかるから飲め いいから飲め ほら熱燗 あ、またポケベル いいや切っちゃえ  赤坂見附の交番前で 独り相撲をとってみる 負けるもんか 負けるもんか 負けるもんかったら 絶対 負けない クリスマス模様の歩道橋の上 車のライトがきれいだね ありったけの名刺細かくちぎって パッとまけば ほら ぼたん雪  メリークリスマス そしてよい年を ベリー メリークリスマス ほんとによい年を 白い雪 この町を染めろ 白い白い白い雪が降る この町を染めろ メリークリスマス どうぞよい年を ハッピー ハッピークリスマス ほんとによい年を
さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸遠過ぎて 遠過ぎて 届かない恋 近過ぎて 近過ぎて 聞こえない愛  滅びない恋を 捜しています 掌で包む程 小さくて良いのです 朽ち果てぬ夢を 知りませんか ため息で融ける程 短くて良いのです  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことじゃ ないのですか  忘れても 忘れても 覚えてる恋 祈っても 祈っても 叶わない愛  傷つかぬ心 捜しています 悲しみに苦しみに ひるまない心 やさしい人を 知りませんか 奇跡でも嘘でもない ほんとうの人を  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことと 思う  私がこわれても あなただけ守りたい それは正しいことじゃ ないのですか  遠過ぎて 遠過ぎて 届かない恋 遠過ぎて 遠過ぎて
ヴァージン・ロードさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード  もう道の途中で 迷っちゃいけないよ まっすぐまっすぐ信じた人の 瞳めざし 胸を張って 幸せの重さを 喜びの涙を ゆっくりゆっくり 歩き乍ら 抱きしめて 強く  (花吹雪) おりから花吹雪 (花吹雪) 君だけの為に (花吹雪) ステンドグラスから (花吹雪) 君の陽射し  君 綺麗だ 君 とても 綺麗だ 待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード  ああ いつの日か 振り返る時 いつも微笑みが そばに居ますよう 今 花吹雪 舞い散る中で 誓う この愛は とこしえに咲く もう道の途中で迷っちゃいけないよ  ああ いつの日か 振り返る時 いつも微笑みが そばに居ますよう 今 花吹雪 舞い散る中で 誓う この愛は とこしえに咲く もう道の途中で迷っちゃいけないよ  ララ ラララララ ラララララララ…  待ち続けて 待ち続けた君の夢が 今 叶う ヴァージン・ロード
寒北斗さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸幾つになっても郷土へ帰るのはいいもんだ 照れ臭くってあたたかくっていいもんだ 土産といってもこの躰 折りから郷土は煤払い  ひと息ついたら親父は美味そうに煮凝を喰う お袋は炊事場で酒を煮る 子供の頃から動いてる 柱時計が時を打つ  昔晦日に餅もなく 子供の顔をみつめてた あなたの気持わかる程 大人になって去年今年  親父は時計に向ってひとり言 此頃合わないぞとひとり言 知ってか知らずかまな板の 遠くで葱切る音がする  幾つになってお袋には子供は子供 酒飲むなの躰こわすなの小言いう 小言といってもこの耳に 何故か今夜は心地よい  二本目の徳利を差出せば お袋は座ったまま眠ってる 胸をつかれて不覚にも 涙ひとつこぼれました  ふと仰ぎ見る古里の 窓に横たう天の川 お前の意志を曲ぐるなと はげますごとき寒北斗  たった今決心がつきました 年があけたら嫁をもらいます 知ってか知らずか床の間で ゆらりと揺れた福寿草
冬の蝉さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし服部隆之時として人は 季節を違えて 生まれることがある 冬の蝉のように けれど短い時代(とき)を 悲しみもせずに 鳴き尽くせたら誰も 嘘と呼びはしない  せめて 枯野を駆け巡る 夢と呼んでも いつか 時の流れを越えて 真実(ほんとう)になる日が来る  あゝ生命は生命 夢は夢 何処で咲くかは 風に訊け  時として花は 季節を違えて 咲き匂うことがある 早い春のように 迷い咲きと呼ばれて 疑いもせずに 咲き尽くしたら誰も 嘘と呼びはしない  せめて蒼い空を埋める 風の色になれ いつか時の流れを越えて 実を結ぶ日も来る  あゝ心は心 花は花 何処で散るかは 風に訊け  せめて 枯野を駆け巡る 夢と呼んでも いつか 時の流れを越えて 真実(ほんとう)になる日が来る  あゝ生命は生命 夢は夢 何処で咲くかは 風に訊け
軽井沢ホテルさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸誰もいなくなった テニスコートにひとつ 忘れ去られたテニスボールひとつ まるであの日二人が置き去りにした 愛の様に折からの雨に打たれてた  部屋のぬくもりで曇った窓ガラスに ありもしない家の間取りを書いた 無邪気なあなたが あの日静かに ふと曇った僕の胸にサヨナラと書いた  軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた 失くしてから気付くものたちは かえらない分だけ悲しい あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ  あなたは今頃 何処でこの歌を 聴いていてくれるだろうか あるいはそれとも 思い出すのも 辛くて耳を塞いでいるかしら  女は自分が不幸だと思った時に 別れた人を思い出すと聞いた それならばずっと あの愛のことは 思い出さずに居ることを 遠くで祈ってる  軽井沢ホテルの空から 雨の日は思い出が見える どれ程深く刻んだ恋も 時のしずくに けずられてゆく あゝ愛が哀しいのではなくて 自分の こころが哀しいのだ  軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ
しあわせについて彩風彩風さだまさしさだまさし彩風(AYAKAJI)幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり みんなみんな 幸せになれたらいいのに 悲しみなんて すべてなくなればいいのに  どうぞ あやまちは二度とくり返さずに あなたは必ず幸せになってください 愛する人と めぐり逢えたら 抱きしめた腕をゆるめてはいけない  風は移り気 身を任せてはいけないよ 時を越えて 変わらないのが愛だよ みんなみんな あなたが教えてくれた 生きる喜び 人を愛する喜び  ありがとう さよなら 生まれ変われたならば やっぱりあなたと愛し合いたいと思う ひたむきな人と 愛を信じて 生きがいを咲かせ 幸せになりたい  ひとりひとりは 皆とても優しいのに 何も傷つけ合う事などないのに みんなみんな 幸せになれたらいいのに 悲しみなんて すべてなくなればいいのに  幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり 幸せですか 幸せですか あなた今 何よりそれが 何より一番気がかり
秋桜島津亜矢島津亜矢さだまさしさだまさし淡紅の秋桜が 秋の日の 何気ない陽溜りに 揺れている 此頃 涙脆くなった母が 庭先でひとつ 咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の 思い出を 何度も 同じ話くり返す 独言みたいに 小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが 浸みて来る 明日嫁ぐ私に 苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我侭な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくり返す母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに  こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
BirthdayGOLD LYLICさだまさしGOLD LYLICさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦幸せをありがとう ぬくもり届きました なによりあなたが元気でよかった 宝物をありがとう 思い出届きました 生まれてきてよかった  誕生祝いをありがとう 忘れずにいてくれてありがとう 古い時計が時を刻むように 緩やかに年老いてゆけたらいいなどと この頃思うようになりました  誕生祝いをありがとう 忘れずにいてくれてありがとう 誰かが私の生まれ日のこと 憶えていてくれると 独りきりではないと とても勇気が湧いてくるのです  幸せをありがとう ぬくもり届きました なによりあなたが元気でよかった 宝物をありがとう 思い出届きました 生まれてきてよかった  やさしい手紙をありがとう 気にかけてくれていてありがとう 下書きの跡が胸に沁みます こんなわたしの為に こんなに沢山の あなたの時間をくれたのですね  心からどうもありがとう 忘れずにいてくれてありがとう 季節の花を少し送ります あなたのあの笑顔を 飾るには足りないけど せめて私の心を添えて  幸せをありがとう ぬくもり届きました なによりあなたが元気でよかった 宝物をありがとう 思い出届きました 生まれてきてよかった
秋桜岩崎宏美岩崎宏美さだまさしさだまさし塩谷哲淡紅の秋桜が 秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする  縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くりかえす 独言みたいに小さな声で  こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと 笑った  あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます  明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくりかえす母  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせて  ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください
すろうらいふすとーりーさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしふいにあなたと知り合えて 思いがけないことなので 急いであなたを詰め込みすぎて こころが少し過熱気味  もっとあなたが知りたくて どうしても早口になるようで もどかしくて切なくてだから いわゆるこれは 恋なので  でも慌てない 慌てない 慌てない 急がない 急がない 急がない ゆっくり長く遠くまで すろうらいふすとーりー 旅をしよう  あなたのすべてが珍しくて あなたのすべてが愛おしくて こっそりこころが爆発するけど 内緒にしとこ 自分にも  恥ずかしいほど純情で 笑っちゃうほど臆病で 苦しくて嬉しくてだから 見事にこれは 恋なので  でも慌てない 慌てない 慌てない 急がない 急がない 急がない ゆっくり長く遠くまで すろうらいふすとーりー 恋をしよう  ふいにあなたと知り合えて 思いがけないことなので 急いであなたを詰め込みすぎて こころが少し過熱気味
風を見た人さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし風を見たことはないけど 風の音なら聞く事ができる 心を見たことなどないのだけれど 心は伝えられる あの子が生まれ変わるなら 何がいいかと聞いてみたい もう一度人に生まれたいだなんて 本当にそう思うだろうか あんな目に遭ったというのに  決してては届かないけど 全ての青空は繋がっている 写真に写すことは出来ないけれど 誰にも愛はある チグリス川の空と 長崎の空 そして ニューヨークの空と 広島の空  もしも生まれ変われるなら ほんの一粒の麦だといいね 悲しみを痛む心も要らないし 誰かのために死ねるし ヨルダン川の空と エルサレムの空 そして バグダッドの空と きみの故郷  もしも生まれ変われるなら ほんの一粒の麦だといいね 時を超えて地上に満ちていつか きみの生命に替わる きみのために生きる
しあわせの星さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦この海は誰の物? この大地は誰の物? この空は この星は 私の命は誰の物?  空を飛ぶ鳥や 海で暮らす魚たち 森の中のけものたちも 私のように 生きることが悲しいと思う日があるだろうか たまには楽しい日もあるだろうか  勝手に気ままにこの木 そしてこの森を 切り倒して切り開いて燃やし尽くして 勝手気ままな私たちをうらんでるだろうか それとも許してくれるだろうか  ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、少しずつ譲り合って ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、みんな幸せになれたら  けものも鳥も魚も森も空も海も風も雲も人もみんな…  空をゆく白い雲や 海をゆく鯨 森の中のウサギたちも私のように 暮らすことが辛いと思う日があるだろうか たまには嬉しい日もあるだろうか  勝手気ままにこの星を そしてこの海を つくりかえて仲間同士でも戦って 勝手気ままな私たちを笑うだろうか それとも許してくれるだろうか  ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、少しずつ譲り合って ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、みんな幸せになれたら  けものも鳥も魚も森も空も海も風も雲も人もみんな…  ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、少しずつ譲り合って ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、みんな幸せになれたら ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、少しずつ譲り合って ああ、みんなが仲良くなれたら ああ、みんな幸せになれたら
どんぐり通信さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦あいつに会ったら伝えてよ それぞれ苦労はあるけれど みんななんとか暮らしてる どうにか生きてると  校舎の隅のどんぐりの木の下に埋めたはずで みつからなかった俺たちのタイムカプセルが ようやく今年四年も遅れてみつかって やっと仲間たちで開けてみた お袋に書いた手紙が間に合わなかったあいつ 自分に書いた手紙が間に合わなかったあのこ みんなの写真はそれでも無邪気に笑ってる 確かに我らが生きた証  悲しむのはやめようじゃないか 肩抱いて笑おうよ いずれ必ず別れるその日まで ともだちでいよう  あいつに会ったら伝えてよ それぞれ苦労はあるけれど みんななんとか暮らしてる どうにか生きてると  この歳になれば色々と物語には事欠かぬ 子供がぐれた親がぼけたリストラされた毛が抜けた 良いことばかりは続かぬが悪いことばかりでもない 半分ずつだと気が付いた きっと俺たちはドミノ倒しの大事なひと駒 俺で止めてもお前で止めても駄目なのだ みんな懸かりで俺たちにしか残せない 俺たちの絵を描くのだ  次にみんなで集まるチケットは どんぐり三つずつにしよう どこかできっと拾って駆けつけろ ともだちでいよう  あいつに会ったら伝えてよ それぞれ苦労はあるけれど みんななんとか暮らしてる どうにか生きてると  あいつに会ったら伝えてよ…
南風に吹かれてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし萩田光雄次の「のぞみ」で君は故郷に帰る 南風が君の髪を揺らした まだ想い出にするには重すぎる恋を 君一人で抱えながら さよならが言葉にならない 行き違う恋が遠ざかる 梅雨明けの青空が眩しい 扉が閉まるまで 君の目を見つめてた あんなに見つめあったのは 初めてだったね  最初から別のホームで 僕らは違う列車を 待っていたことに気づかず 僅かな 同じ夢を信じて 歩幅を合わせてたね 疲れてもしあわせだった 別れ際何故ありがとうと 手を握り言えなかっただろう 本当のしあわせになってと  窓辺に君が残した 名も知らぬ赤い花 南風に吹かれて さよならが言葉にならない 行き違う恋が遠ざかる 梅雨明けの青空が眩しい 扉が閉まるまで 君の目を見つめていた あんなに見つめあったのは 初めてだったね
八月のガーデニアさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし萩田光雄八月の朝靄に 香り立つ白い花 君かと目を凝らせば 既にもう君はなく 梔子ゆらり揺れて 忘れ花 君を慕うよ あの海へ帰りたい あの風に吹かれたい 約束を忘れないのに 約束を果たせない まさか君が想い出に なるとは思わなかった 八月のガーデニア I MISS YOU  花茶(ジャスミン)のアイスティー ストローを持つ君の 指先を覚えている 今も側にいるように 想い出は少しずつ 成長してゆくもののようだ あの夏に帰りたい あの笑顔抱きしめたい 約束を忘れないのに 約束を果たせない 八月の朝靄に 一輪の白い花 君かと目を凝らせば 君を慕う梔子の花 あの海へ帰りたい あの風に吹かれたい 約束を忘れないのに 約束を果たせない まさか君が想い出に なるとは思わなかった 八月のガーデニア I MISS YOU
百日紅(ひゃくじつこう)さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ひらいたひらいた 何の花がひらいた れんげの花がひらいた ひらいたと思ったら いつのまにかつぼんだ  つぼんだつぼんだ 何の花がつぼんだ れんげの花がつぼんだ つぼんだと思ったら いつのまにかひらいた  ひらいたひらいた 何の花がひらいた れんげの花がひらいた ひらいたと思ったら いつのまにかつぼんだ  あなたの瞳に映る 真白な百日紅 遙かな青空の 遠くに白い雲 去ってゆく季節に 取り残されるより いっそ季節ごと 消してしまえたら 心の色も 想い出色も 咲いては散ってゆく 風が吹く 百日紅の花  あなたの瞳に映る 夾竹桃の白 坂の上の空に 白く残る月 散ってゆく花より これから咲く花を 数える方がいい 数え切れなくとも 近くて遠い 遠くて近い ふたりの坂道に 雨が降る 夾竹桃の花  心の色も 想い出色も 明日を染めてゆく あきらめない 百日紅の花
いつも君の味方さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしさだまさしありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 支えていてくれて ありがとう 愛してくれて  たった一人で生まれてきて それから たった一度の人生 不安だらけで歩いてた 独りきりじゃないよって君の笑顔が 孤独から僕を救い出してくれた  あの空の高さ海の青さに初めて 気づいたときに 僕は自分が生まれてきたことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう  もしも生まれた意味があるというなら きっと誰かを支えるため生まれてきた もっと強くもっと優しくなりたい 君を守って僕が生きてゆくために  この夢の高さ愛の広さに初めて 気づいたときに 人は心で生きると言うことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方  ありがとう ありがとう ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方
雨やどりチェリッシュチェリッシュさだまさしさだまさしそれはまだ 私が神様を信じなかった頃 九月のとある木曜日に雨が降りまして こんな日に素敵な彼が現われないかと 思ったところへ あなたが雨やどり  すいませんねと笑うあなたの笑顔 とても凛々しくて 前歯から右に四本目に虫歯がありまして しかたがないので買ったばかりの スヌーピーのハンカチ 貸してあげたけど 傘の方が 良かったかしら  でも爽やかさが とても素敵だったので そこは苦しい時だけの神だのみ もしも もしも 出来ることでしたれば あの人に も一度逢わせて ちょうだいませませ  ところが実に偶然というのは 恐しいもので 今年の初詣でに 私の晴着のスソを 踏んづけて あっこりゃまたすいませんねと笑う 口元から虫歯が キラリン 夢かと思って ほっぺつねったら 痛かった  そんな馬鹿げた話は 今まで 聞いたことがないと ママも兄貴も死ぬ程に笑いころげる 奴らでして それでも私が突然 口紅など つけたものだから おまえ大丈夫かと おでこに手をあてた  本当ならつれて来てみろという リクエストにお応えして 五月のとある水曜日に 彼を呼びまして 自信たっぷりに紹介したらば 彼の靴下に 穴がポカリン あわてて おさえたけど しっかり見られた  でも爽やかさが とても素敵だわと うけたので 彼が気をよくして 急に もしも もしも 出来ることでしたれば この人をお嫁さんにちょうだいませませ  その後 私 気を失ってたから よくわからないけど 目が覚めたら そういう話がすっかり 出来あがっていて おめでとうって言われて も一度 気を失って 気がついたら あなたの腕に 雨やどり
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
僕にまかせてくださいチェリッシュチェリッシュさだまさしさだまさしきみはその手に花をかかえて 急な坂をのぼる 僕の手には小さな水おけ きみのあとにつづく きみのかあさんが眠っている ささやかな石のまわり 草をつみながら振り返ると 泣き虫のきみがいた 両手をあわせたかたわらで 揺れてるれんげ草 あなたの大事な人を僕に まかせてください  きみがとても大切にしてた 藤色のお手玉 あれは昔きみのかあさんが 作ってくれたもの そして僕が大切にしてる 日だまりのような人 それもそっときみのかあさんが 残してくれたもの 集めた落ち葉に火をつけて きみはぽつりとありがとう 彼岸過ぎたら僕の部屋も あたたかくなる  集めた落ち葉に火をつけて きみはぽつりとありがとう 彼岸過ぎたら僕の部屋も あたたかくなる
夢街道さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄遠すぎる人を 愛し続けるように 追い続けて来た 夢がある 不器用だよねと 自分にあきれ乍ら それが少し嬉しい 旅の途中  この夢 にがいか しょっぱいか 瓢々と空行く 雲のように ただまっしぐら 駆け抜けてみるさ 夢街道 遥かなり  信じていいのか 道はこれでいいのか 問い続けて来た 夢がある ひとに傷ついて またひとに救われて それが生きることか 日はまた昇る  この夢 叶うか はじけるか 滔々と流れる 水のように 海に届かぬ 河などないさ 夢街道 一途なり  夢街道 果てしなく 永遠につらぬく 愛のように 道の途中で 倒れて悔いなし 夢街道 遥かなり
君は穏やかに春を語れさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君はうたぐることなく穏やかに 君の新しい春を語れ 僕は悲しむことなくゆるやかに 僕のなつかしい秋を歌う  ふと垣間みた 淡い恋は 君の背中越しの 僕の指の隙間の 丁度なだらかな 夢の斜面を 滑るように落ちて行く いま君は春をめぐり 僕は秋をたどる 遠く海の向こうに日が沈む音が聞こえて 少女は大人になる  君はふりむくことなくさわやかに 君の美しい春を歩め 僕は慈しみながら君の背を 僕の新しい秋に刻む  あの日 君の手のストローは 煌めきながら 日差しに透けた 丁度初めて咲く口紅の 紅い花の散るあたり いま君は愛を上り 僕は愛を下る 遠く空の彼方にかささぎの羽音聞こえて 少女は大人になる 君は春をめぐり 僕は秋をたどる 遠く海の向こうに日が沈む音が聞こえて 少女は大人になる
教室のドン・キホーテさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦今年も卒業の季節になりましたね お元気ですか 忘れ雪の舞う空を 見る度あの頃荒れていた自分を思い出す 耐えきれずに羊の群れを 飛び出して迷っていた頃 先生から届いた手書きの 卒業証書抱きしめて泣いた沈丁花の頃 僕は与えることを知らず ただ求めてばかりいたようだ わけもなく人を傷つけ わけもなく自分も傷つき それが生きることだと あきらめていた 世の中は少しずつの 勘違いで成り立っている 噛み合えば愛し合い 噛み合わずに憎み合う そんな風に少しずつわかってきた それはそれで悲しいけれど  去年の夏 蝉時雨に 背中を押されて先生に 会いにいった時 「あの頃の忘れ物を取りに来たか」と言ったね 僕にも気づいたよ今 学校はあの頃よりも もっとずっと沢山の 悲しい忘れ物に満ちていて自信を失くしてる 「時代はいつも生け贅として 弱いものに襲いかかるもの」 つぶやきながらあなたは それとまだ戦っていた ドン・キホーテのようだよと 笑いながら 世の中は善と悪とのすれ違いでできている いい人が罪を犯したり悪い人がいいことをすることも あるということがわかった そう言ったらあなたは泣きながら笑った
煌めいてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ときめいて ときめいて 待っていた 君の笑顔 煌めいて 煌めいて はばたいて 時は今 君の夢は 僕の夢 君が切る風の音が 聞こえる  夢よ もっともっと高く 夢よ もっともっと速く 夢よ もっともっと強く 美しく  明日咲く華よ 君の名を 憧れと呼ぶよ  ひたすらに ひたすらに 沸きあがる 君の力 輝いて 輝いて いつまでも 時は今  君の愛は 僕の愛 君が信じた歌が 聴こえる  愛よ もっともっと高く 愛よ もっともっと速く 愛よ もっともっと強く 美しく  夢よ もっともっと高く 夢よ もっともっと速く 夢よ もっともっと強く 美しく  明日咲く華よ 君の名を 永遠と呼ぶよ 憧れと呼ぶよ 永遠と呼ぶよ  ときめいて ときめいて 煌めいて 煌めいて
幸せブギさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄なんともヤな 世の中でもめげずに生きて行こう そのうち何とかなる とも思えないけど 何とかしよう  男の子ったら工ッチばかりで頭はスカスカ 女の子ったらかっこばかりで中身はハレホレ おやじは疲れはててる おばさん傍若無人 なんてこったいこのままじゃこの国は終わる それでも一生懸命生きている奴いるいる そういうお前が報われないで世の中たまるか いつか本当の時代が 来るから必ず来るから こんな馬鹿げた世界が続く訳がない  幸せプギウギ お前の為に歌う さあさ 手を取り踊って 悪魔祓いさ 幸せプギウギ なめんじゃねえって言ってやれ いつまでも やさしい俺だと 思うなよ なんともヤな 世の中でもめげずに生きて行こう そのうち何とかなる とも思えないけど 何とかしよう  「やさしさ」なんて口に出したらみんなでゲラゲラ 「正義」と言おうもんならよってたかってボロボ口 「夢」も「希望」も糞味噌これじゃ ワルがのびのびするはず こんなおかしな時代に誰がした 真面目にやるのが確かに虚しくなってイライラ イジメに襲われ金に使われ心はへ口へ口 みんな悔しいはずだよ だからこそ負けちゃいけない パッとここらで 革命起こすか  幸せプギウギ お前の為に歌う さあさ 手を取り踊って悪魔祓いさ 幸せプギウギ 俺の為にも歌う さあさ 手を取り歌って幸せ呼び込め なんともヤな 世の中でもめげずに生きて行こう そのうち何とかなる とも思えないけど 何とかしよう 幸せプギウギ みんなの為に歌う さあさ 手を取り踊って悪魔祓いさ 幸せプギウギ 世界の為に歌う さあさ 手を取り歌って 幸せ呼び込め
やすらぎ橋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦・さだまさしやすらぎ橋を覚えてますか むかしあなたの手を引いて歩いた道を 悲しみはすべて川に流してきた わたしがいつも笑っていられた理由  生きるということは そういうことのよう 気まぐれな風の吹きようで 泣いたり笑ったり  川のほとりに咲いた名もない花は いつも風をうらまずに ゆらりゆらり揺れてた  疲れたときに さがしてごらん しあわせならいつも あなたのポケットにある 切ないときも あきらめないで みつけておくれ あなたのやすらぎ橋  生きるということは そういうことのよう 気まぐれな日差しの照りようで 晴れたり曇ったり  街のほとりに咲いた名もないひとは 今日も風をうらまずに ゆらりゆらり揺れるよ 今日も風をうらまずに ゆらりゆらり揺れるよ
若葉は限りなく生まれつづけてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし吉田弥生愛の言葉ならば いくつも知っている けれどこの愛だけは 言葉にはならない 若葉は限りなく 生まれつづけてゆく そんなふうに君への 愛はあふれてくる  いつでも君をみつめている 辛いときこそ 必ずそばにいるから  忘れないで 信じること 君らしく 輝くように なにも恐れず  いくつも夢を見て 幾度も傷ついて けれどもあきらめずに 生きてゆけるように 若葉は限りなく 生まれつづけてゆく そんなふうに希望も 生まれつづけている  いつでも君を支えている ふりむけばすぐ 必ずそこにいるから  鳥のように まだ見ぬ空へ 羽ばたいて 陽射しの中に きっと 忘れないで 信じること 君らしく 輝くように なにも恐れず  若葉は限りなく 生まれつづけてゆく 若葉は限りなく…
ゆ・ら・ぎさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦夢が破れても 夢をうらまない 夢のせいではなく 僕のせいだから 愛が壊れても 愛をうらまない 愛のせいではなく 僕のせいだから 強い夢が欲しい 壊れないように 強い愛が欲しい 壊れないように  花が散っても 花をうらまない 花のせいではなく 僕のせいだから 君と別れても 君をうらまない 君のせいではなく 僕のせいだから 強い花が欲しい 散らないように 強い君が欲しい 忘れないように  心乱れても 心うらまない 心のせいではなく 僕のせいだから 生命なくしても 生命うらまない 生命のせいではなく 僕のせいだから 強い心が欲しい 乱れないように 強い生命が欲しい 消えないように 消えないように
夢唄さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦夢の在所を 尋ね訪ねてゆく子らに 親はあれども 親は無し 寂し寂しや 肩に降り積む冬紅葉 友はあれども 友は無し 抱きしめて 暖めてやりたいよ  夢の在所に 迷い迷って散る花に 恋はあれども 愛は無し こころころころ 吹き抜けてゆく虎落笛 愛はあれども 情は無し 泣きながら 慰めてやりたいよ  夢の在所に 辿り疲れた指の皺 日暮れ眺めて 道遠し 哀し哀しや 言葉木枯らし鎌鼬 吾が育てた 子に伐られ  あはれあはれと 哭く鳥は あはれあはれと 哭くばかり 生きて生きてと 歌うなら 生きて生きて生きて歌え 夢唄  夢唄 負けてたまるかと 夢唄 歌い続けるよ 夢唄 聞こえるか 夢唄
夢の夢さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸あなたとふたりきりで どこかの町で暮らしてる そんな嬉しい夢を見た そして少し悲しかった 夢から覚めてみれば まるで子供じみていると 自分を嗤ったら切なくて 少し涙が出た  気づかれず咲いて散る花もあるように 咲かないままで散る恋もある  夢の夢だと わかってる けれど 逢いたい  いきさつはそれぞれあるし 生き方もそれぞれあって 誰もが思いがけずに暮らしたり はからずも生きていたり 夢を見るくらいは 多分許されると思う けれど見るなら見るほどに つのる痛みもある  嘘と識って聴く言葉があるように 夢と知って見る夢もある  嘘の嘘だと わかっても 愛を 聴きたい  気づかれず咲いて散る花もあるように 咲かないままで散る恋もある  夢の夢だと わかってる けれど 逢いたい
叛乱(クーデター)さだまさしさだまさしさだまさし服部克久服部克久謝れば済むと思ってるでしょう そう思ううちは許さないわ いつも最後は私が折れて終わりなんて 多分ひどく慌ててるでしょう 手紙一つ残さず来たもの 覚悟を秘めて部屋を出た  一人きりのクーデター 戦え私 窓の外はラベンダー 空は青空  すぐに帰ると思ってるでしょう そう思ううちは帰らないわ いつもそう誓ってそのくせ折れて帰るけど 情けないけど今度も無理ね だって帰ろかやめよか考え中 ひとりきりでは寂しくて  一人きりのクーデター 今度も地味ね 丸をつけたカレンダー もう二日もひとり  一人きりのクーデター 迎えに来てよ 勝てないよサレンダー あなたは強い  一人きりのクーデター がんばれ私 窓の外はラベンダー 空は青空
遠い海さだまさしさだまさしさだまさし来生たかお服部克久遠い海の記憶がある 美しいその人は 日傘さしていつも独り 寂しそうに海を見てた  遠い人を 来ない人を 待ち続ける黒い瞳や 透けるような白い肌は 少年達の憧れだった  君に出会ったとき その人を思いだした そしてきみはやはり あの海が見たいと言ったね  すぐに来る あの夏の終わりの 悲しい予感は そのときにはまだ無かった  時間はまだあると そう、勝手に思っていた 海から吹く風や夢の音を 聴かせたかったね  海に連れて ゆけなくてごめんね 悲しい予感は あのときにはまだ無かった  遠い人を 来ない人を 待ちながら 一人きり 僕は君を 想って暮らすのだろう  遠い海で
歌紡ぎの小夜曲(セレナーデ)さだまさしさだまさしさだまさし南こうせつ渡辺俊幸愛の歌をあのひとに 届けたい 疲れ果て 笑顔さえ 忘れたひとに 鳥のように飛べたなら 小夜曲 満月の窓辺から あなたの夢に 言葉に出来ない 片思いを ささやかな 歌にして 紡いでいます どうかあなたの元気 明日の朝 生まれるよう  恋の夢をあのひとに 伝えたい 傷ついた 数だけ 強くなれると ギターのように 歌えたら 小夜曲 満月の窓辺まで 聴きに来てね 言葉にならない 片思いを 今日も又 歌にして 紡いでいます いつかあなたの胸に 届けと 小夜曲  言葉に出来ない この想いを いつの日も 歌にして 紡いでいます いつかあなたの胸で 眠れますように 小夜曲
素晴らしき夢さだまさしさだまさしさだまさし弾厚作服部克久素晴らしい夢を見よう 君と 一度きりの人生だから  この星に生まれたことさえ しあわせなのに 何故か消えぬ諍い 生命が愛しい 今こそ  素晴らしい夢を持とう 君と 一度きりの人生だから  いつの日かすべての人が 笑顔で生きる日が来る 強い夢なら必ず叶うよ 未来へ  素晴らしい夢を見よう 君と 一度きりの人生だから  素晴らしい夢を見よう 君と 一度きりの人生だから
流星雨さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いつか君に会えたら告げたいことがある どんなときも 片時も 君のこと忘れずにいたと  悲しいときは悲しく切ないときは切なく いつもいつも ずっといつも 君に語りかけていたと  愛はひとときのまぼろしの呼び名でなく 永久にめぐり来る季節のようなもの  君に教えられたあの夜 空に降りしきった流星雨 ふたり 時を越えた あの一瞬  いつか君に会えたら 告げたいことがある どんなときも なにごとも あきらめずに生きてきたと  夏が過ぎれば秋の 風は必ず訪れ 冬が来れば 信じていい いつか必ず春は来る  愛はつかの間の浅い夢のなごりでなく 永久に寄せて返す水辺の波のよう  君に約束したあの夜空を埋め尽くした流星雨 今も 愛している 君に 逢いたい
航跡さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし吉田弥生もうすぐ この海を よぎるように 遠い国へ 船が 出て行く 少し前に 日は落ちて 夕闇が僕らを 抱きすくめた  丘の上に 風が戻り 疲れた二人を癒すように 天主堂の 鐘の音が 遠く響く  ひたむきに 思い続けたなら いつか 願いは 叶うと 信じている 君のことも 僕の夢も もう少しだけ 頑張って みようか もう少しだけ  海原に 道のりを 示すように 金色に 月の河が流れる 僕たちは 孤独ではない 見上げれば 空には銀河の道  君とならば ふたりならば 嵐の海さえ越えられるはず もう少しだけ あと少しだけ 夢を捨てないで  ひたすらに 思い続けたなら いつか 願いは 叶うと 信じていい どこまでも この海を 越えて行こう 君とふたりで
都府楼さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸はじめは「逢初め川」といい 出会って「思い川」という 大宰府の秋はいにしえ川の 白鷺と銀杏黄葉 朱の楼門 朱の橋 池の水面に 空の青 白い手を合わせて君は ため息で歌うように  人の心が いつまでも 変わらない ものなら 人の世の 哀しみの多くは 消えると言った きっと 千年あとまでも 想い続けると 樟の葉の緑に 恋を託したと  秋思う祭りの宵に 独り来て恋を訪ねる 大宰府の色は観世音寺の 白萩と尾花 鐘の音 ぼくの心の鷽の鳥 まことに替える間もあらで あの恋にほふったものは 君の手とあの真心と  人の心の 移ろいは 生きて行く 術なら 人の世の 哀しみの多くは そこで生まれる いまさらに 切なくて切なくて 君を歌えば 君の言葉だけが 真実になる 千年あとまでも 想い続けると 樟の樹の生命に 恋を託したと  月山に 刻を尋ねる 神官の 白衣は白く 篝火は 赤々と燃え 果てしなく 赤々と燃え  千年変わらない 月の光が 都府楼の甍を 闇に浮かべた 千年あとまでも 想い続けると あの月の光に 恋を託した
白夜の黄昏の光さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ネナナの町のアイス・クラシックが終わり アラスカに遅い 春が帰るけれど なぜかあなたひとりだけが 帰らない  あなたが愛した 北の大地にも ユーコン川を 埋め尽くしながら 鮮やかな魚たちが すぐに帰るのに  楽しそうに氷河の軋む音を語りながら 竜巻のように舞うオーロラを歌うように写した あなたは風のような物語を駆け抜けるように 白夜の黄昏の光の中に帰っていった  あなたの残した 美しい写真を いつか懐かしむ 勇気が持てるのかしら ザトウクジラや白熊の親子やツノ鹿やそれから 白い息を吐く あなた自身の笑顔  地の果てと思う どんな土地にでも 必ず人々の 生活がある 誰もがただ一度の かけがえのない生命を生きてる  弱い者には 弱い者なりの 生きる術がきっと あるのだよと あなたの眼差しは どんなときにも暖かだった  何十年かもう少し早く生まれていたら 冒険者はいつの時代も そんな風に呟くのかしら あなたは風のような物語を駆け抜けるように 白夜の黄昏の光の中に帰っていった  極北の大地を 埋め尽くしたカリブー マッキンレーの 山頂を雲がゆく アラスカ鉄道が あなたまでつながればいいのに まだあなたは 夢に来てくれない  人生のブリザードを少しも怖れることなく 自分とは誰なのかを知るために生きぬいて あなたは風のような物語を駆け抜けるように 白夜の黄昏の光の中に帰っていった  あなたの残した 美しい写真に 包まれながら 生きているけれど 内緒だけど一番好きな写真はほかの人が撮った 子供とあなたと私の 一枚の笑顔  ネナナの町のアイス・クラシックが終わり アラスカに遅い 春が帰るけれど なぜかあなたひとりだけが 帰らない
こころとからださだまさしさだまさしさだまさしさだまさし吉田弥生愛することは楽しいと 大声で歌うひとがいる 愛することは悲しいと 小声で呟くひとがいる どちらも多分 間違いでしょう どちらも多分 本当でしょう 私のこころにも背中合わせの ふたりが 棲んでいる  ましてやあなたに 焦がれる夜には  からだのままに生きるなら 必ずこころが邪魔になる こころのままに生きるなら いつでもからだが邪魔になる 不思議ですね からだはここで こころはいつも あなたのところへ いつかふたつがひとつに なる日が来るとは 思えなくて  なおさらあなたに 焦がれる夜には
不器用な花さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦君が選んだ花は 名もない花で 一番好きだと思ったから 選んだ 誰にあげよかちょっと迷ったが 野辺の地蔵さんにちょっとあげた  君が選んだ夢は 途方もない夢で 一番遠いと思ったから 選んだ 少し無理かとちょっとひるんだが 駄目で元々と歩き出す  くよくよするな 笑いとばせ 夜は悩まずに寝るが良い 明日 拓ける 道もあろう 明けない夜などあるものか そのうちきっと 報われるだろう 不器用に咲く君の花が良い  君が選んだ人は 優しい人で 一番好きだと思ったから 選んだ 誰に告げよかちょっと照れたので 水辺の蜻蛉にちょっと告げた  君が選んだ道は 険しい道で 一番綺麗と思ったから 選んだ 少しきついとちょっと疲れるが いずこも同じだと汗をかく  がっかりするな 笑いとばせ なんとかなるさと言い聞かせ 一所懸命 暮らしてる 止まない雨などあるものか 必ずいつか 報われるだろう 不器用に咲く君の花が良い 不器用に咲く君の花が良い
神の恵み~A Day of Providence~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦ひとつ忘れてはいけないことは 僕たちは戦争に負けた国に生まれたってこと どういう意味かは人によって少しずつ違うけれど この事実だけは 誰にも違わないってこと  魚雷艇に乗っていたハンサムな兵士が 戦勝国のリーダーになった頃のこと 「神の恵み」という名の戦艦が僕の町に来て 白い服を着た大きな人たちが町に溢れた  A Day of Providence 子供達は船に群がり 親切な兵士達に “give me”と 小声で悲しく歌ってた A Day of Providence ポケットはチョコレートで膨らみ ひきかえに こころは しぼんでいったよ 青い空だった  あの爆弾をこの町に落とした人が 今度は僕たちの国を護っていると聞かされて 僕には どういう意味だか 呑み込めなかったんだ そう、もう少し大人になる迄は  何故そうなったのかは判らないんだけれど 僕が大人になるにつれて この国はひどくなった 「わがまま」と「自由」との境目がどんどんぼやけてゆき 「おとな」が「こども」になり 「子供」が「大人」になった  国を語れば“left”からブーイング 平和を歌えば“right”からクレーム こんな風に僕の言葉は 怪しげに変わって行く 美しい言葉は この国の誇りだったのに  A Day of Providence 自由になったはずだった 親切な白い人が“trust me”と 小声で優しく歌ってた A Day of Providence 大人達は誇りを失い ひきかえにチョコレートを 神棚に飾った  これからの子供達に伝えてゆこう 僕たちの間違いを繰り返さぬように 二度と戦わないという強い意志と共に 二度と魂を売り渡さない勇気を  これからの子供達に伝えてゆこう これからの大人達に伝えてゆこう 間違いをただすために未来はあるのだと 未来こそが「神の恵み」そのものだということを  A Day of Providence この美しい季節の中で 本当の僕たちの笑顔を 作り直せばいい A Day of Providence この美しい星に生まれて いつの日か永遠の平和を君が手にするために いつの日か永遠の笑顔を君が抱きしめるために
秘密さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄きみにはじめて くちづけたのは 夏の手前の 俄雨のあと 草の匂いを 運ぶ風と 明日から来る 夏休みの校舎  何処か遠くで 梅雨の終わりの 雷の音が 聞こえた気がして 耳を澄ませば きみと ぼくの 胸の鼓動 それとも全て 夢  きらめく一瞬の ときめきを残して  きみは 気まぐれな風のように ふいに消え去り ぼくは 初めての秘密を抱いて独り 立ちつくしていた 午後  次に会えたら どんな風に 振る舞えばいいか 長い休みを 気もそぞろに やがて香る 秋風に 尋ねつづけてた日々  第二学期に けれどもきみは 帰らなかった ぼくの隣の きみの机の 広さがぼくの 宇宙を呑み込んだようで  きらめく一瞬の ときめきを残して  きみは 気まぐれな風のように ふいに消え去り ぼくは 初めての秘密を抱いて独り 立ちつくしていた 秋  きみの名前を 胸の奥で 呟いたとき こみ上げる想いに 涙あふれて 秘密は 永遠に 閉じた  きみにはじめて くちづけたのは
君が選んだひとさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄そう 約束したね もしもふたりが 違う道を歩く日が来ても どんなときにも 助け合えると それだけは 信じよう (Um~)全てを包むような 向日葵のような笑顔が 今日から 僕のものじゃないのは どこか とても切ないけれど 君が選んだひとの 笑顔を護れますように 苦しいときこそ 辛いときこそ その手を 離さないで  そう 白いドレスの 君の笑顔は 僕も見たことがないほどに この日の為に とっておきだね 妬けるほど 綺麗だよ (Um~)切ないはずなのに 何故か嬉し涙が溢れるよ 僕のことじゃないのに どこか とても幸せなんだ 不思議だね こうして 恋が愛に変わってゆく 苦しいときこそ 辛いときこそ いつでも 君の味方 生きてゆくことは 辛いことばかり けれどひとは 独りきりではない 君が選んだひとの 笑顔を護れますように 苦しいときこそ 辛いときこそ その手を 離さないで 不思議だね こうして 恋が愛に変わってゆく 君が選んだひとの 笑顔を護れますように
驟雨さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし吉田弥生忘れていた 梔子の香りそよいだ 多分あなたの 心に 気がついていた 受話器置いて 窓をあけて胸をふさいだ 音もなく降る雨の音に 怯えた 何処か遠い町へ行きたい 今すぐ 旅立つ 鳥になりたい そこであなただけを 想って生きよう 水辺に静かに 咲く花のように  忘れていた 梅の実が青く揺らいだ 子供の頃の自分を ふと思い出した 少しだけ 父と母に すまない気がした 音もなく吹く風の音に 疲れた 何処か遠い町へ行きたい 今すぐ 流れる 雲になりたい そこであなただけを 想って生きよう 水辺に静かに 咲く花のように  忘れていた 紫陽花は色を移した 多分あなたの 心に
クリスマス・ローズさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし石川鷹彦思い出の輪郭が 少しずつほどけてくると 思い出は全て 美しくぼやける もののようね 久しぶりに あなたの 故郷を訪ねたら 何故だか あの頃よりも 暖かくて 泣きそうになるわ  金色の麦畑の中を ただまっすぐに 一筋の小径が 地平線まで 伸びていたね ふたりきりで 手をつなぎ 歩いたあの頃 その道は 「永遠」まで 続くと 信じていた  あなたと暮らした 小さな川の 畔の小さな家は あの頃のまま 時間を止めて 私を 待っていた  見知らぬ人がささやかに暮らしてる 家の庭の 片隅にはあの頃よりも大きく 育った 桜 桜、桜、あなたが 植えた花が あんなに 綺麗に 咲いているよ 嬉しくて 泣きそうになるわ  雪解けで水かさが増している 小さな川の 跳ね橋の上をゆくひとがそっと私を見ているわ 思い出とは こうして 振り返るだけでなく 昔を 許すために 少しずつ 育つものらしい  思い出したわ あの頃そっと 私が植えた花を 桜の下の 木陰のあたり ほら まだ咲いてる  まるであなたに 抱きしめられた あの日の私のように 涙を止めて 時間を止めて 私の クリスマス・ローズ  忘れないで 居てくれたのね 二人の クリスマス・ローズ
心の時代さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸いつまでも夢を 追い続けていたい 誰でもがきっと おんなじだと思う でも夢まで遠い 果てしなく遠い 眠れない時代を 僕は生きてる  いつまでも君を 愛し続けていたい それはウソじゃない  でも少しだけ怖い 愛するって事の  ホントが判らない 愛せない時代を 僕は生きている  誰か教えてよ あきらめずに済むやりかたがあるなら せめて学び方を 生きることの意味と 素晴らしさを 一度きりの生命を ささやかに生きたい 君とふたりで  いつまでも笑顔 持ち続けていたい どんなに辛くても 少しもひるまずに でも笑顔が軽い 悲しいほど軽い 笑えない時代を 僕は生きてる  いつまでも君を 守り続けていたい それは心から でも少しだけ怖い 守り続ける事の ホントが判らない 護れない時代を 僕は生きている  誰か みつけてよ 誰も傷つけ合わない世界を 心の時代を 生きることの意味と美しさを 一度きりの生命を ひたすらに生きたい 君とふたりで  いつまでも夢を 追い続けていたい いつまでも君を 愛し続けていたい
夢一色さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄なにものにもとらわれることなく 君は君の空をゆけ わたしは力のすべてをかけて 君の空を護ろう 信じているから 愛する訳ではない 愛しているから 信じる訳でもない 同じ夢を追いかけて 同じ場所まで往きたい ただ一度だけの生命 夢一色に 染まれ  渡ることの出来ない河ならば わたしを橋にすればいい 暗闇に迷うことがあるなら わたしを燃やせばいい 許しているから 捧げる訳ではない 捧げているから 許せる訳でもない 同じ夢を積み上げて 同じ高さを生きたい ただ一度だけの恋よ 夢一色に 染まれ  同じ夢を追いかけて 同じ場所まで往きたい ただ一度だけの生命 夢一色に 染まれ
Dream~愛を忘れない~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしDream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない  澄み渡る信濃の空 君の夢の音 白銀の迷宮に 刻む夢の轍よ 時を越えて 胸に響く 君の笑顔と涙を 僕は忘れない 君と共にこの空に 架けた虹の名前と 五つの色を忘れないよ Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 愛を忘れない  はるかなる長野の風 君の夢の色 幻の銀盤に 刻む光の階 時を閉じて 心に届く 君の勇気と力を 僕は忘れない 君と共にこの空に 懸けた夢の名前と 五つの色を忘れないよ Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない  Dream いつまでも Dream 色褪せることなく Dream 約束しよう Dream 君を忘れない
空色の子守歌さだまさしさだまさしさだまさし山本直純山本直純雲の上に 何がある 雲の上に 空がある 空の涯てに 何がある 大きな夢が 眠ってる  青い空に 風が吹く 青い風は どこへゆく 片想いの はぐれ雲 好きなあなたへ 連れてゆく  つらい時には 涙が出る 涙の向こうに 何がある 笑顔の似合う あなたがいる あなたは僕が 守ってく  海の上を 船がゆく 船の向こうに 陽が沈む 夕陽の涯てに 何がある 生まれ変われる 明日がくる
夢のつづきさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸疲れ果てて 動けない 誰にもあるけれど 立ちすくんだ 俺の夢を 見捨ててたまるものか あと少し もう少し 負けるな 俺の心 青空に 雨空に 笑顔で歌いながら ときめく心 熱い願い まだ忘れない まだ終わらせない  夢のつづき 見ようよ まだ間に合うから あと一歩だけ もう一歩だけ 歩いてゆこう  あきらめて あきらめて あきらめきれなくて 掌に 燃え残る 夢はまだ死んじゃいない あと少し もう少し 負けるな 俺の心 星空に あの人に 恥ずかしくないように たった一度の この人生を まだ倒れない まだ終わらせない  夢のつづき 生きよう まだ間に合うから あと一歩だけ もう一歩だけ 歩いてゆこう  夢のつづき 見ようよ まだ間に合うから あと一歩だけ もう一歩だけ 歩いてゆこう
夢の樹の下でさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄倉田信雄夢の樹の下で 今夜あなたに会えたら 美しい黒髪に 夢の花を飾りましょう  遠くにいてもあなたは いつも近くにいますよ 切ない恋のジレンマ 行きつ戻りつ  夢の樹の実をふたり 枝に腰掛けて食べましょう 甘い香りがするでしょう 思い通りの夢でしょう  暖かな温もりさえ 遠く感じる夜や 不安だらけで震える そんな夜もあるけれど  夢の種を蒔きましょう 明日きっと咲くように 綿毛が月の光に輝きながら あなたまで届くように  夢の樹の下でふたり 今夜きっと会いましょう 夢の樹の下は 暖かいでしょう 思い通りの夢でしょう 夢の樹の下で 会いましょう
もうひとつの人生さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄・さだまさし別の人生が あったかも知れないと 鏡の中の自分を 見ながら思う日がある 今の生き方を 悔やむ訳ではなくって 決して自分の心を 諦めるのじゃなくって  やり直したいなどと 思いもしないけれど 逃げ出したいなどと 思いもしないけれど 子供の頃に 夢見た未来から 遠く遠く遠く遠く遠く離れて 少し切ない  もう梅雨が明ける 青空は広すぎる 君の寝顔に罪は 何もないのだけれど  ららららら…  別の人生が あったかも知れないと 朝起きたときに思う 雨の日もあるけれど 今の人生を 恥じるつもりなどないし 薄笑い浮かべて 誤魔化してたまるものか  もう一度なんて 思いもしないけれど もしかしたらなんて 思いもしないけれど 子供の頃に 夢見た自分から 遠く遠く遠く遠く遠く離れて 少し切ない  きっと誰だって 燃え残る夢を抱いて 自分しか聞こえない 唄を歌ってるんだろう  ららららら…  別の人生が あったかも知れないが 俺はこんなふうに 思うことにしてるんだ もしも何回も 生まれ変わったとしても 今の自分が多分 一番好きだろうと  ららららら…
So It's a 大丈夫 Dayさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 なるなるなる どうにかなる 大丈夫 Day  頑張って何度も考えたんだけど やっぱりどう考えても君が好き 想えば想うだけ 想いが増えてゆく その都度少しずつ また君に惹かれてく  叶わぬ恋だと思えば尚更のこと 一方通行のエスカレーターで どんどん高く遠くまで こころが運ばれて 当然足など地に着いてない  夢見るだけでは動かない 傷つくことなど恐れない 倒れるなら前へ 前へと 背中につっかい棒  大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 なるなるなる どうにかなる 大丈夫 Day 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 するするする どうにかする 大丈夫 Day  誰もが本当は不安だらけの毎日 助けてくれって叫び出したい程 逃げ出したくても逃げ出せない 息苦しくても人間だもの まさか息をせずには生きられない  あと少しあと少しだけと頑張ってる あいつをみんなで褒めようじゃないか 肩の力を抜いて にっこり笑ってごらん ほら器量は十倍 力は百倍だぜ  今日を悔やんでもしょうがない 明日を恐れていちゃ意味がない 倒れるなら前へ 前へと 背中につっかい棒  大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 なるなるなる どうにかなる 大丈夫 Day 大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫 するするする どうにかする 大丈夫 Day
素直になりたくてさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄・さだまさし素直になりたくて 一人旅に出た 見栄も意地も捨てて 一人きりで泣きたくて  海に沈む夕日 ドラマみたいに見送れば 照れくさそうな 茜雲が 夜に融けてゆく  ちらほら町灯り 蛍の群れのようだよ そのひとつひとつに 人が暮らしてる 喜び悲しみ揺れる心を抱いて 誰もが少しずつ不安を分け合って生きていると 気づいたよ  素直になれなくて 大空狭くしてた 水が流れるように 生きてゆきたくなった  素直になりたくて 出さない手紙を書いた 夢や恋や生命 照れずに声に出したくて  夜空見上げたなら 折から十三夜 火照る心冷ますように 空を雲が行く  明日は山へ行き 大きな木を抱きしめて このちいさな生命 問いかけてみるか 生きるということに 妙に力むのはやめて 少し自分を許しても 良いんじゃないかと 涙がこぼれた  素直になれなくて 自分を傷つけてた 風に吹かれるように 生きてゆきたくなった  ちらほら町灯り 蛍の群れのようだよ そのひとつひとつに 人が暮らしてる 喜び悲しみ揺れる心を抱いて 誰もが少しずつ不安を分け合って生きていると 気づいたよ  素直になりたくて 一人旅に出た 水が流れるように 生きてゆきたくなった
Kana-shimi橋さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸柳川は並倉の赤煉瓦 殿の御花の白壁に 叶わぬ恋を捨てに来た 折から不意に忍雨 この恋を最後にもう二度と 渡らないと誓ったのに Kana-shimi橋で袖を引く あの日恋しと咲く躑躅  見送るばかりの切ない恋でした 捕まえられる筈もない恋でした 一度立ち止まってくれたというのに 手を振ってしまった Kana-shimi橋  掘割の小舟の紅い傘 花嫁の真白の綿帽子 水に映る柳の碧 町に似合いの花曇り 叶う恋あれば叶わぬ恋 幸せあればふしあわせ Kana-shimi橋ですれ違う 咲くはずもない桐の花  見つめるばかりの切ない恋でした 抱きしめられたい哀しい恋でした 答えなど分かってはいるけれど もう一度聞いてみたい  見送るばかりの切ない恋でした 捕まえられる筈もない恋でした 一度立ち止まってくれたというのに 手を振ってしまった Kana-shimi橋  嗚呼 恋を弔い 夢を弔い 生まれ変わりましょう 嗚呼 忘れ得ぬ人 忘れ行く人 時は過ぎてゆく  嗚呼 恋を弔い 夢を弔い 別の人になる 嗚呼 さよならさよならと白い雲が流れゆく ひとり Kana-shimi橋
永遠までさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄月のしずくをその手に すくえそうな晩は 深く眠りましょう  遅れてきた恋ならそれは きっと長い長い恋になるでしょう  熱くとろける短い恋でなく 時を急ぐ風のよな恋でなく  よりそう木漏れ日に道を尋ねる 旅人のようにゆうらゆうら 恋しましょう  永遠までは まだ日は長い  夢の中でも虹の七色が 数えられる夜は眠れない  自分本位の恋の不安を 数えだしたら長い夜になる  傷に怯える短い恋でなく 憧れのよな儚い恋でなく  涯てなく広い海原をたゆとう 木ぎれのようにゆうらゆうら 恋しましょう  永遠までは まだ時間はある  月のしずくをその手に すくえそうな晩は 深く眠りましょう  遅れてきた恋ならそれは きっと長い長い恋になるでしょう
生きることの1/3さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来てるはずさ  きっときっと生きることは そんな風なものなんだ 泣きすぎても 悔しすぎても 笑いすぎても きっといけないのだろう  1/3は何処まで行っても 割り切れることがないように 生きるということも 何処まで行っても 割り切れないのかな  きっと人を愛しながら きっと人を憎みながら その手のひらに 最後に残る 1/3は きっと笑顔なんだろう  生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来ている
大きな森の小さな伝説さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし山本直純お前と一緒になったあとは 二人で大きな森へ行き 小さな小さな家を建てるのだ 丸太小屋に煙突つけて  森のシマリスやキツツキは 素敵な隣人になるだろうが 別に怖いわけじゃ無いが ヘビだけは苦手だからお前よろしく  それからお前は川へお洗濯に 俺は山へ炭焼きに お前大声で下手な歌を歌う 俺は切り株でヴァイオリン  子供が出来たら勉強は 適当でよいから健康で 野兎追いかけ野菜を育てて 空と土とを愛するように  俺がブナの木やヒッコリーで 美味しい薫製作るから 別に怖いわけじゃ無いが ゴキブリは苦手なのでお前らよろしく  鹿肉の塩の加減覚えたなら 魚釣りを教えよう 明るく輝く瞳の子供達よ 爽やかで勇気があるように  地震 雷に 火事 嵐 力を合わせて乗り越えよう 誰かが病気になった時は 俺が担心で町の医者まで走る  花が咲いたなら野苺や キノコを採りに出かけよう 本当は怖いけれど森の熊だけは 俺に任せてみんなは逃げるように  月に誘われて 夜は丘に登り みんなで星を数える 雨の降る夜は窓辺にランプ灯し 静かに語り合うのさ  時は流れて全てを変えるだろう 子供は巣立ってゆき 俺とお前の二人に戻るだろう 初めの頃のように  お前は相変わらず川へお洗濯に 俺は山へ芝刈りに お前大声で下手な歌を歌う 俺は切り株でヴァイオリン  大きな森の片隅で 綴る俺達の物語 小さな小さな伝説として 子供が語り継ぐだろう  俺達が居なくなっても 子供達よ胸を張って 俺達の墓を乗り越えて行け 新しい伝説のために  
聖夜さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし山本直純こんなに 静かな 雪のふる夜は 私の心だけ 故郷へ帰る  みんなは 元気で暮らしているか 私の おもいが 聞こえるだろうか  静かに 静かに 雪のふる夜は 私の 愛だけが 道にまよう  
セロ弾きのゴーシュ森山良子森山良子さだまさしさだまさし青木望セロにはオンザロックが似合うと 飲めもしないで 用意だけさせて ひとつ覚えの サンサーンス あぶなげな指使い そしてボーイング まるで子供のように 汗までかいて 悲しすぎるほど やさしい人 私はいつでも 涙うかべて 楽しげなあなたを 見つめるだけで幸せだった  陽気なあなたの事だもの 今頃きっと 雲の上で 誰かを むりやり誘って 白鳥を聞かせているかしら 飲み手のいない ウイスキー 今夜も用意だけして 私のお相手は カザルスとティボー 私はいつでも 涙うかべて 想い出だけ聞いて 明日は晴れると笑うふり  明日 もしも晴れたら オンザロック用の お酒がきれたので 市場へ行こうとおもうの ねえ 想い出も売っているといいのに もっともっと たくさん想い出が欲しかった もう一度 あなたに逢うまでの糧に 私はいつでも 涙うかべて あなたの残した 大事なセロを一人で守る
坂のある町さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし海辺の坂のある町で 二人ある日出会った あなたは珈琲店の窓辺の陽だまりで 静かに海をみてた  それから高台に登り 船の汽笛を聴いた あなたがいつかひとりで遠くへ行ってしまう その時そんな気がした  びいどろ細工の指輪は 壊れ易いと分かっていても 好きなものは好きと思いたかった 今日の喜びと明日の悲しみを比べて 選びなおす程に 利口にだけはなりたくなかった  そうして坂のある町で あなたを愛し始めた  青空 坂の上の雲 あなたの好きな風景 あなたがこの町を出て行くと決めた日は 季節の雨が降ってた  必ず迎えに来るから あなたのそんな言葉 嘘ではないけど決して本当でもないと その時そんな気がした  びいどろ細工の知恵の輪を はずす時みたいなまなざしで あなた私をみつめてた 今日の悲しみと明日の希望をすりかえて 笑ってあげられる程 いつか利口になってしまってた  青空 坂の上の雲 独りで海をみてる
飛沫さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸ある雨の朝のこと 少年が 傘を差して 立っていた  おつかいの帰り道かな 信号のない 道端で 立っていた  笑顔で片手を高く上げて 雨の中で 飛沫を浴びて 立っていた  何故 停まってあげなかったんだろう?
風炎さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸一雨過ぎて ついぞ桜と別れたばかり 黄砂朧に 吹き抜く風炎の風模様 花の色は ゆらゆら移りゆく 胸は しくしく痛みます 名も無い川に 花びら敷き詰めて 夢の名残の花筏 さよなら 君  ふたとせ前の あの日も風炎の遅い春 君と重ねた 寸分違わぬ恋の色 あはれあはれ ほろほろ思い出は 胸に ひりひり刻みます たった一度の 恋なら尚更に 時の狭間に 埋めましょか さよなら 夢  君の声も 君の指も 君の唇も 君の瞳も 君のぬくもりも 君の笑顔も いつか忘れて しまうかしら
アパート物語さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸初めて暮らしたアパートは きつい西日の安い部屋 お前と寄り添い暮らすには それでも手頃な部屋だった  隣は貧しい画学生 廊下まで絵の具を匂わせて いつでも腹を空かしてたっけ お前の料理に救われていた  人というものは哀しいもの 生まれて生きて 誰かと 出会い愛し合い 時に憎みあい 別れ そして死ぬるまで おのれの舵すら おのれで取れず 迷い迷って生きている  いつしかお前は絵描きに惚れて ひっそり二人で出ていった 忘れていった絵の具のような サンドベージュの空の日に  あの後 名画座の客席で たったひとりで泣いたっけ 少しも恨んじゃいないんだ お前が一番苦しんだはず  仕事帰りに坂の下から ふたりの窓の明かりが見えた 短いけれど 貧しいけれど 幸せだった 春のこと  人というものは哀しいもの 生まれて生きて 誰かと 出会い愛し合い 時に憎みあい 別れ そして死ぬるまで おのれの舵すら おのれで取れず 迷い迷って生きている  夜になれば夜空の 星より沢山の 家の窓辺に灯が点る ひとつひとつに 生命とそれから それぞれの物語(ドラマ)がある 悲しみ 喜び 泣いて 笑って 誰もが必死に 生きている  生きてゆくという そのことは 本当はとてもささやかなこと そんな風に思えるような 穏やかな 秋のこと
城のある町さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし倉田信雄春は お城に花吹雪 ぼんぼりに淡い明かり灯る いにしえに石垣をひとつひとつ 積み上げた誰かを偲ぶ頃  城のある町で 生まれたから 辛いときには 坂道のぼれ 見返り坂を抜けて 振り向けば どうにかなるさと 瀬戸の青い海  夏は 白壁に赤い色 あなたの手の団扇が風を呼ぶよ 虫送り 夜空に遠花火 踊りの宴 やがて地蔵盆  城のある町で 生まれたから 嬉しいときにも 坂道のぼれ 潮湧く瀬戸は 光りに揺れて あれは北前船か さて幻か  秋は 月見の天守閣 ふと暖をとるや月菜汁 冬も 変わらぬ讃岐富士 金刀比羅へ向かう遍路みち  城のある町で 生まれたから 悲しいときこそ 坂道のぼれ 二の丸越しに 明日が見える 石垣の向こうに すぐ春が来る  城のある町で 生まれたから…
天空の村に月が降るさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸棚田の里に月が降る 三十三個の月が咲く 水無月末の満月の 螢きらきら散る夜に  君と二人で 声もなく 田毎の月を 見つめてた 幾何学模様に 並んだ稲の 水面かすめて 流れ星  あたかも雪が降るように 月夜の里は銀世界 幽かな風も無い夜に 天空の村に 月が降る  樹齢千年楠木の 足下石仏御宮社 祭間近の篝火に 神楽舞う人 美しき  薄墨色に 重ねた指の 君の細さに 息を呑む いずれ叶わぬ 恋ゆえに 螢焦がして 夢を焼く  余韻嫋々 啼く鳥の あれは羽音か 瀧の音 金色に塗り込められて 天空の村に 月が降る
The Day After Tomorrow ~明後日まで~さだまさしさだまさしさだまさしさだまさしそんなに寂しかったの 自分のことも 見失うほど 孤独だったの そっと壊れてゆく 君の心を 見ていられないよ  今日は昨日の続きだったけど 明日流れが変わるかも知れないじゃない? 今まで辛かったその分の 笑顔を取り戻そうよ  The Day After Tomorrow 明後日まで もう少しだけ 生きてみようよ  夢見て夢に破れて 自分のことを あきらめてゆく それは違う この世に出口のない 入り口なんて ありはしないよ  今日は昨日の続きだったけど 明日流れが変わるかも知れないじゃない? 大丈夫孤独に怯えた日々を いつか懐かしむ時がくる  The Day After Tomorrow そのうちきっと 生命について わかる日が来るから  The Day After Tomorrow 明後日まで もう少しだけ 生きてみようよ
舞姫さだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸一度だけ恋をした そのひとは旅人 何時の日か必ず 帰ると 約束した たまゆなの浅い夢と 仲間達は笑った 帰らない必ず そのひとはもう帰らないと その日から舞姫は 踊り続けて待ち続けてる それ以来誰の声にも 心を揺らさず  余りにも長すぎる 時を待ち続けたが 何一つ彼女は 変わらずに過ごした ある人は未練と言い ある人は健気と言い いつかしら彼女は 一途と呼ばれるようになる どんな日も舞姫は 踊り続けて待ち続けてる あれ以来誰の声にも 心を移さず  頼まれた訳じゃない 私が好きで待っている 待つことを不幸だと 思うあなたの方が不幸 意地でなく楽しみで待っているとしたなら 私はなんて幸せな人生だろう 私が待っている間は この恋決して嘘じゃない 待つことを止めたそのとき 恋は死んでしまう 舞姫は 笑って言う 愛した人を嘘つきと 呼ばせはしない この生命懸けて 恋を死なせはしない  「一途」と言う名の舞姫の 踊りを見たことがあるかい 悲しくてすてきで切なくて 人生そのもの  「一途」と言う名の舞姫の 蔭りを見たことがあるかい 悲しくてすてきで切なくて 人生そのもの ららら ららら ららら
八ヶ岳に立つ野ウサギさだまさしさだまさしさだまさしさだまさし渡辺俊幸諏訪湖を渡る風は もう春の匂いがします 元気ですか 今日も君は 何処かで歌っているのでしょう  六斗川沿いの 桜はまだまだ遠いね 今朝ほど診療所に来る鶯が やっと地鳴きを始めたところ  悪い風邪が流行り 実は僕も移されてね 看護婦に注射して貰い 僻地の患者を回っている  一昨日の夜中のこと 山二つ越えた村まで 呼び出されたら僕の方が 熱が高かった これは笑えるだろう?  都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生命について あるいは心について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ  診療室の壁は 相変わらず美術館 下手くそだけど子供達の 愛と真心で溢れてる  みんな大きくなって いつかこの町離れて まるで僕だけ一人廃校に 取り残された教師のようだよ  花の季節が過ぎ 短い夏が去って 秋になりすぐにまた 白い冬がやって来る  僻地の子供達や 老人の笑顔に 背中を押されて小さな医者は 今日も一所懸命に歩いています  都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生活(くらし)について あるいは涙について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ  君の歌に出てくる ライオンには ほど遠いけれど 心が健康であるように 誇りを忘れないように 今日からは 「八ヶ岳に立つ野ウサギ」と 自分で名乗ることにしたんだ
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