三つの恋林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 逢うが別れの 縁(えにし)なら 残るいたみは なにゆえぞ のがれて遠く 旅路の空に ふかむ瞼(まぶた)の かげいとし 愛という字は 変わらねど むすぶあてない 道二つ あきらめながら あきらめきれず 祈る涙を 君知るや 燃えた炎が まことなら 消すなつれない 夜の風 相呼びかわす 心と心 迷う十字路 涯(はて)いずこ |
夜の緋牡丹林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 東條寿三郎 | 林伊佐緒 | | 燃える陽炎(かげろう)か あの日の夢か 仄かに銀の 星が降る ああ 君恋し 狂おし胸に 幾度も 切なくひらく 夜の緋牡丹 乙女ごころに 足音すれど 面影遠い 愛の窓 ああ 君恋し 涙に濡れて 呼び交わす 初恋の春 いまは何処 来る日去る日の 夢かき抱く 我ゆえ忍ぶ この嘆き ああ 君恋し 炎のなかに ひとり見る 哀しく咲いた 夜の緋牡丹 |
恋の幌馬車林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 走れ幌馬車 急げ幌馬車 ヤッホーホーイ 望む地平の ちらちら灯り かわいあの娘(こ)が 住んでる町さ 燃える唇 輝く瞳 咲いた南の シャボテン娘 恋は一筋 パンパス越えて 通う俺(おい)らは 夢心地 ヤッホーホーイ 夢心地 赤い月さえ ほのぼのかすむ かわいあの娘に 逢いたい宵さ 甘いメロディー とろける歌で 開く小窓の シャボテン娘 恋は一筋 ギターを抱いて 通う俺らは 夢心地 ヤッホーホーイ 夢心地 はずむわだちに 飛ぶ飛ぶ思い かわいあの娘も さぞ待つだろさ とげがあるなら 刺されてみたい 男殺しの シャボテン娘 恋は一筋 きのうもきょうも 通う俺らは 夢心地 ヤッホーホーイ 夢心地 |
草原をゆく男林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 真赤な夕陽が 燃えつきて 落ちてく遥かな 地平線 何時の日にはてるやら さすらいの旅 オーイゝ 泣かすな 草原をゆく風が 呼んでるゝ 遠い日の夢 夜霧が泌みこむ ジャンバーの 切ない重さを 知った肩 抱きしめるあてもない 愛(いと)しあの人 オーイゝ 泣かすな むらさきの空の涯 揺れてるゝ 遠い星影 砂地を刻んで 行く馬の ひづめの音だけ 続く夜 たどたどと口ずさむ 想い出の唄 オーイゝ 泣かすな 荒れ果てた胸底に 浮かべるゝ 遠いふるさと |
銀座夜曲林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | むらさきふかみゆき 銀座はほのかに暮れて チャペルの鐘の音も 夕べの祈りをつげる たれやらうたうか 胸にしみるあの歌は 踊るリズム 甘いメロディー なつかし面影浮かび はるか偲ぶふるさと 柳の並木路(なみきじ)に 街(まち)の灯うるみてともり 茶房のカーテンは ピンクの夢をばはらむ どこからもれくる 胸にしみるあの歌は 踊るリズム 甘いメロディー あの娘(こ)を待ちつつえがく 楽し恋のプラン 夜空に消え残る ホールのネオンは燃えて おぐらきビルの蔭 小霧(さぎり)は音なくこめる 舗道(ほどう)に流れて 胸にしみるあの歌は 踊るリズム 甘いメロディー 飛びかう星影かぞえ 君とたどる家路 |
大地よ三船浩 | 三船浩 | 宇川確 | 林伊佐緒 | | 春の息吹に 目覚めた大地 水あふれ 川になり 音になり 草木を飾り 地を走る 季節を刻(きざ)む 歌が聞こえる 全ての生命(いのち) 夢の大地よ 地球を護る 無限の力 太陽(ひ)が昇る 海も陸(ち)も 豊かなり 年輪(とし)を重ねて 止めどなく 自然の愛は 耐えて応える 全ての生命 夢の大地よ 大事(こと)が起きれば 戦(おのの)くばかり 天(そら)も地も 逆らうは 愚かなり 生きる者々(ものもの) ひたすらに 自分(おのれ)と語れ 明日の未来を 全ての生命 夢の大地よ |
あゝ谷川岳三船浩 | 三船浩 | 高橋掬太郎 | 林伊佐緒 | | 君の名を呼び 仰げば悲し 谷川岳の 茜雲 あーしみじみと うつろの胸に 涙を誘う 風が吹く 尾根の夕月 侘しく遠く 心は傷(いた)む 登山口 あーおもかげは 瞼に消えず 木隠れ鳥よ 何を啼く 叫べど帰らぬ 君故悲し 谷川岳の 道標(みちしるべ) あーさむざむと 嘆きをこめて 今宵も降るか 山の霧 あーさむざむと 嘆きをこめて 今宵も降るか 山の霧 |
傷心の夜三船浩 | 三船浩 | 高橋掬太郎 | 林伊佐緒 | | ひとり生きれば 都もさびし 暗い露地裏 仮の宿 思い出しても かえらぬ夢に 更けて涙の 星が散る 忘れたいのに まぼろし浮かぶ いまは人妻 遠い君 思い諦(あきら)め しあわせだけを 祈る心が なぜ痛む 古い手紙は 読むさえ悲し どうせはかなく 消えた恋 思い出すほど せつない胸に 吹くな都の 夜の風 |
灯影の兄妹三船浩 | 三船浩 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 暗い灯影に さしうつむいて 夜毎やつれる 横顔いとし むくな心を だまして逃げた あんな男が あゝ 何故忘られぬ 同じふところ 子守の唄を 聞いて育った 兄ではないか わけておくれよ お前の悩み じっと黙って あゝ 見ている辛さ 胸に刻んだ 面影ならば 消せと責めても そりゃ無理だろな 判る判るぜ 何にも言うな せめて一緒に あゝ 泣こうじゃないか |
少女若原一郎 | 若原一郎 | 鈴木比呂志 | 林伊佐緒 | | だまってそばに いるだけで 花の匂いの するひとよ 前髪風に ふさふさと 君 なに憶う から松の 林の径に 木もれ陽淡く さびしいときに いつもきて 肩にしみじみ ふれた手よ 星より清い 眸をあげて 君 ふり仰ぐ から松の 林の空は 海よりあおく おさない花の 横顔に ほのと紅さす いとしさよ つぼみのような 唇も 君 かぐわしや から松の 林の雲は 薔薇いろ染めて |
東京ナイト若原一郎 | 若原一郎 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 銀座は雨も 虹の色 溶けたネオンを 踏んで行こ 小さい傘が 只ひとつ 世界は 僕とあなただけ あゝ ワンダフル ワンダフル東京 東京ナイト 六区の空が 映ってる 隅田パークの 柳かげ もつれてからむ 三味の音 世界は 僕とあなただけ あゝ ワンダフル ワンダフル東京 東京ナイト 屋台が並ぶ 暗い露地 新宿(ジュク)の谷間のノスタルジャ ほろりと酔って 組んだ腕 世界は 僕とあなただけ あゝ ワンダフル ワンダフル東京 東京ナイト |
リンゴ村から五木ひろし | 五木ひろし | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | おぼえているかい 故郷の村を たよりもとだえて 幾年過ぎた 都へ積み出す まっかなリンゴ 見るたびつらいよ 俺らのナ 俺らの胸が おぼえているかい 子供の頃に 二人で遊んだ あの山・小川 昔とちっとも 変っちゃいない 帰っておくれよ 俺らのナ 俺らの胸に |
海猫の啼く波止場春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 崩(くず)れた岸壁 洗う波 さびれた波止場(はとば)にゃ 海猫ばかり おまえを知った あの夜から 俺の恋人は 海じゃなくなった それに気づいたは 出船の汽笛が 出船の汽笛が 鳴ったあと 夕陽(ゆうひ)にしょんぼり 浮ぶブイ 人待ち顔なは 海猫ばかり 南で遭(あ)った ハリケーンも 俺の思いほど 荒れはしなかった ひとり眠られず 甲板(デッキ)で呼んだよ 甲板で呼んだよ 恋しさに せつない痛手(いたで)に しみる風 いっしょに泣くのは 海猫ばかり おまえはどこへ 行ったのか 俺のともしびは 消えてしまってた 胸に書きとめた 航海日記も 航海日記も 聞かないで |
リンゴ花咲く故郷へ三橋美智也 | 三橋美智也 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 生れ故郷を 何で忘れてなるもんか 昨夜(ゆんべ)も夢見て しみじみ泣いた そろそろお山の 雪さえ溶けて 白いリンゴの 花がちらほら あゝ 咲くだろな いとしお前を 何で忘れてなるもんか 木立も芽をふく 鎮守の小路 好きよ好きだと 手をとりあった 紅のたすきが 今も揺れてる あゝ 目の中に 遠く離りょと 何で忘れてなるもんか 待ってておくれよ 必ず帰る 俺とお前と あの日のように 歌をうたって リンゴもぎする あゝ それまでは |
木曽恋がらす三橋美智也 | 三橋美智也 | 東條寿三郎 | 林伊佐緒 | | 大手振っては 帰れぬものと きめていながら 草鞋(わらじ)をはいた 乙(おつ)な文句に ふり返りゃ 木曽のナー 仲乗りさん 木曽はよいとこ あの娘(こ)のすまい 笠(かさ)に紅葉(もみじ)の 花が散る 折って数えりゃ 一(ひ)ィ二(ふ)ゥ三年(みとせ) 山をきらって 旅人(たびにん)暮らし さんざ姿も やつれたが 木曽のナー 仲乗りさん 木曽はよいとこ 夜毎の夢にゃ いつも聞いたよ 祭り唄 裾(すそ)をはしょって 早瀬を渡りゃ 肌(はだ)にしみ込む 故郷の清さ やっといまさら 知りました 木曽のナー 仲乗りさん 木曽はよいとこ 高峰(たかみね)ぞろい 渡り鳥さえ 宿をとる |
リンゴ村から天童よしみ | 天童よしみ | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | おぼえているかい 故郷の村を 便りも途絶えて 幾年(いくとせ)過ぎた 都へ積出す 真赤なリンゴ 見る度辛いよ 俺らのナ俺らの胸が おぼえているかい 別れたあの夜 泣き泣き走った 小雨のホーム 上りの夜汽車の にじんだ汽笛 切なく揺(ゆす)るよ 俺らのナ俺らの胸を おぼえているかい 子供の頃に 二人で遊んだ あの山小川 昔とちっとも 変わっちゃいない 帰っておくれよ 俺らのナ俺らの胸に |
長崎の女 春日八郎 | 春日八郎 | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 恋の涙か 蘇鉄(そてつ)の花が 風にこぼれる 石畳 うわさにすがり ただひとり 尋ねあぐんだ 港町 ああ 長崎の 長崎の女(ひと) 海を見おろす 外人墓地で 君と別れた 霧の夜 サファイア色の まなざしが 燃える心に まだ残る ああ 長崎の 長崎の女 夢をまさぐる オランダ坂に しのび泣くよな 夜が来る 忘れることが しあわせと 遠くささやく 鐘の音 ああ 長崎の 長崎の女 |
高原の宿林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 高橋掬太郎 | 林伊佐緒 | | 都思えば 日暮れの星も 胸にしみるよ 眼にしみる ああ 高原の 旅に来て ひとりしみじみ ひとりしみじみ 君呼ぶ心 風にもだえて 夜露に濡(ぬ)れて 丘のリンドウ 何嘆く ああ 高原の 宿にみる 夢ははるかよ 夢ははるかよ 面影恋し 暮れる山脈(やまなみ) 哀(かな)しく遠く 涙浮かぶよ 旅の身は ああ 高原の 夜となれば 点(とも)すランプも 点すランプも 切(せつ)ない心 |
そっとこのまま林伊佐緒 | 林伊佐緒 | 横井弘 | 林伊佐緒 | | このまま このまま そっとこのまま ランプをつけたら 涙あふれる 小雨の 小雨の 音など聞かず だまって聞きましょ ときめく心 ふたりのこよい そっとこのまま このまま このまま そっとこのまま 耳輪がゆれたら 夢もくずれる この手に この手に すべてをかけて だまって抱きましょ しあわせだけを ふたりのこよい そっとこのまま このまま このまま そっとこのまま ため息ついたら 花がこぼれる 流れる 流れる 時など忘れ だまって呼びましょ いとしい名前 ふたりのこよい そっとこのまま |
母恋吹雪三門忠司 | 三門忠司 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 酔ってくだまく 父(とと)さの声を 逃げて飛び出しゃ 吹雪(ふぶき)の夜道 つらい気持ちは わかっちゃいるが 俺(おい)らばかりに あゝ なぜあたる こんなときには 母(かか)さが恋し なんで俺らを 残して死んだ 呼んでみたって ちぎれて消える 星のかけらも あゝ 見えぬ空 徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に 岩手おろしが じんじとしみる たったふたりの 親子であれば 涙ぬぐって あゝ もどる道 |
長崎の女清水博正 | 清水博正 | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 恋の涙か 蘇鉄の花が 風にこぼれる 石畳 噂にすがり ただひとり 尋ねあぐんだ 港町 ああ 長崎の 長崎の女(ひと) 海を見下ろす 外人墓地で 君と別れた 霧の夜 サファイヤ色の まなざしが 燃える心に まだ残る ああ 長崎の 長崎の女 夢をまさぐる オランダ坂に しのび泣くよな 夜が来る 忘れることが しあわせと 遠くささやく 鐘の音 ああ 長崎の 長崎の女 |
長崎の女三山ひろし | 三山ひろし | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 恋の涙か 蘇鉄の花が 風にこぼれる 石畳 噂にすがり ただ一人 尋ねあぐんだ 港町 ああ 長崎の 長崎の女 海を見下ろす 外人墓地で 君と別れた 霧の夜 サファイヤ色の まなざしが 燃える心に まだ残る ああ 長崎の 長崎の女 夢をまさぐる オランダ坂に しのび泣くよな 夜が来る 忘れることが 幸せと 遠く囁やく 鐘の音 ああ 長崎の 長崎の女 |
てなもんや三度笠藤田まこと | 藤田まこと | 香川登志緒 | 林伊佐緒 | | 雲と一緒に あの山越えて 行けば街道は 日本晴れ おいら旅人 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 腕と度胸じゃ 負けないけれど なぜか女にゃ チョイと弱い 南風吹きゃ 花さえ咲くに 可愛いあの娘は 薄なさけ おいら旅人 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 口惜しまぎれに 言うのじゃないが あんな女は ザラにある 捨てた故郷に 未練はないが 忘れられよか 母の顔 おいら旅人 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 祭り囃子を しみじみ聞いて 男泣きする こともある |
ダンス・パーティーの夜大月みやこ | 大月みやこ | 和田隆夫 | 林伊佐緒 | 山田年秋 | 赤いドレスが よく似合う 君と初めて 逢ったのは ダンス・パーティーの 夜だった 踊りつかれて ふたりで ビルのテラスに 出てみたら 星がきれいな 夜だった 燃える想いを 秘めながら そっと唇 ふれたのも ダンス・パーティーの 夜だった 甘くせつない ブルースよ なんにもいわずに ほほ寄せて ふたりいつまでも 踊ったね 熱い泪を ためながら 君が別れを 告げたのも ダンス・パーティーの 夜だった はかない夢と あきらめて 忘れましょうと いった君 星が冷たい 夜だった |
母恋吹雪氷川きよし | 氷川きよし | 矢野亮 | 林伊佐緒 | 石倉重信 | 酔ってくだまく 父(とと)さの声を 逃げて飛び出しゃ 吹雪(ふぶき)の夜道 つらい気持は わかっちゃいるが 俺(おい)らばかりに あゝ なぜあたる こんなときには 母(かか)さが恋し なんで俺らを 残して死んだ 呼んでみたって ちぎれて消える 星のかけらも あゝ 見えぬ空 徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に 岩手おろしが じんじとしみる たったふたりの 親子であれば 涙ぬぐって あゝ もどる道 |
リンゴ村からレーモンド松屋 | レーモンド松屋 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | おぼえているかい 故郷の村を たよりもとだえて 幾年(いくとせ)過ぎた 都へ積み出す まっかなリンゴ 見るたびつらいよ 俺(おい)らのナ 俺(おい)らの胸が おぼえているかい 別れたあの夜 泣き泣き走った 小雨のホーム 上りの夜汽車の にじんだ汽笛 せつなく揺するよ 俺(おい)らのナ 俺(おい)らの胸を おぼえているかい 子供の頃に 二人で遊んだ あの山小川 昔とちっとも 変わっちゃいない 帰っておくれよ 俺(おい)らのナ 俺(おい)らの胸に |
国後の女春日八郎 | 春日八郎 | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 海鳴りさえも 凍(しば)れて絶えて 噂をとざす 北の島 あゝ国後の 国後の女 チャチャ岳の 麓(ふもと)に眠る 面影を しのぶ岬に 雪が舞う 産声あげた ふるさとだから 私はここで 死にたいの あゝ国後の 国後の女 あの夜は 素足のままで 流氷を 越せばよかった 二人して 地図からいまは 消されたような 島にもきっと 春がくる あゝ国後の 国後の女 その朝は 墓標に積る 雪のけて 逢いたかったと 抱いてやろ |
長崎の女福田こうへい | 福田こうへい | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 恋の涙か 蘇鉄(そてつ)の花が 風にこぼれる 石畳 噂にすがり ただ一人 尋ねあぐんだ 港町 ああ 長崎の 長崎の女(ひと) 夢をまさぐる オランダ坂に しのび泣くよな 夜が来る 忘れることが 幸せと 遠く囁やく 鐘の音 ああ 長崎の 長崎の女(ひと) |
リンゴ村から福田こうへい | 福田こうへい | 矢野亮 | 林伊佐緒 | 川上英一 | おぼえているかい 故郷の村を たよりもとだえて 幾年(いくとせ)過ぎた 都へ積み出す まっかなリンゴ 見るたびつらいよ 俺(おい)らのナ 俺らの胸が おぼえているかい 別れたあの夜 泣き泣き走った 小雨のホーム 上りの夜汽車の にじんだ汽笛 せつなく揺するよ 俺らのナ 俺らの胸を おぼえているかい 子供の頃に 二人で遊んだ あの山・小川 昔とちっとも 変わっちゃいない 帰っておくれよ 俺らのナ 俺らの胸に |
母恋吹雪福田こうへい | 福田こうへい | 矢野亮 | 林伊佐緒 | 川上英一 | 酔ってくだまく 父(とと)さの声を 逃げて飛び出しゃ 吹雪(ふぶき)の夜道 つらい気持は わかっちゃいるが 俺(おい)らばかりに あゝ なぜあたる こんなときには 母(かか)さが恋し なんで俺らを 残して死んだ 呼んでみたって ちぎれて消える 星のかけらも あゝ 見えぬ空 徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に 岩手おろしが じんじとしみる たったふたりの 親子であれば 涙ぬぐって あゝ もどる道 |
てなもんや三度笠氷川きよし | 氷川きよし | 香川登志緒 | 林伊佐緒 | 石倉重信 | 雲と一緒に あの山越えて 行けば街道は 日本晴れ おいら旅人(たびにん) 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 腕と度胸じゃ 負けないけれど なぜか女にゃ チョイと弱い 南風吹きゃ 花さえ咲くに 可愛いあの娘は 薄なさけ おいら旅人(たびにん) 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 口惜しまぎれに 言うのじゃないが あんな女は ザラにある 捨てた故郷に 未練はないが 忘れられよか 母の顔 おいら旅人(たびにん) 一本刀 「お控えなさんせ」「お控えなすって」 祭り囃子を しみじみ聞いて 男泣きする こともある |
リンゴ村から三山ひろし | 三山ひろし | 矢野亮 | 林伊佐緒 | 伊戸のりお | おぼえているかい 故郷の村を たよりもとだえて 幾年(いくとせ)過ぎた 都へ積み出す まっかなリンゴ 見るたびつらいよ 俺(おい)らのナ 俺らの胸が おぼえているかい 別れたあの夜 泣き泣き走った 小雨のホーム 上りの夜汽車の にじんだ汽笛 せつなく揺するよ 俺らのナ 俺らの胸を おぼえているかい 子供の頃に 二人で遊んだ あの山・小川 昔とちっとも 変わっちゃいない 帰っておくれよ 俺らのナ 俺らの胸に |
ロザリオの島三山ひろし | 三山ひろし | たなかゆきを | 林伊佐緒 | 松井タツオ | 静かにひびく 鐘の音(ね)に 君をいとしむ 夜の海 二度と逢えない 微笑みは 銀のマリヤに 偲ぶだけ さよなら天草よ ロザリオの島 泪でつづる 思い出は 好きとはじめて 告げた夜 何も云わずに 教会の 坂を上(のぼ)って 行った女(ひと) さよなら天草よ ロザリオの島 まことの愛が ある限り 君は心の 中に住む いのちはかない 不知火(しらぬい)は たとえこのまま 消えるとも さよなら天草よ ロザリオの島 |
ダンスパーティーの夜三山ひろし | 三山ひろし | 和田隆夫 | 林伊佐緒 | 伊戸のりお | 赤いドレスが よく似合う 君と初めて 逢ったのは ダンスパーティーの 夜だった 踊りつかれて ふたりで ビルのテラスに 出てみたら 星がきれいな 夜だった 燃える思いを 秘めながら そっと唇 ふれたのも ダンスパーティーの 夜だった 甘くせつない ブルースよ なんにもいわずに ほほ寄せて ふたりいつまでも 踊ったね 熱い涙を ためながら 君が別れを 告げたのも ダンスパーティーの 夜だった はかない夢と あきらめて 忘れましょうと いった君 星が冷たい 夜だった |
長崎の女福田こうへい | 福田こうへい | たなかゆきを | 林伊佐緒 | | 恋の涙か 蘇鉄の花が 風にこぼれる 石畳 噂さにすがり ただ一人 尋ねあぐんだ 港町 あゝ 長崎の 長崎の女 海を見下ろす 外人墓地で 君と別れた 霧の夜 サファイア色の まなざしが 燃える心に まだ残る あゝ 長崎の 長崎の女 夢をまさぐる オランダ坂に しのび泣くよな 夜が来る 忘れることが 幸せと 遠く囁やく 鐘の音 あゝ 長崎の 長崎の女 |