長編歌謡浪曲 豪商一代 紀伊国屋文左衛門惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船 肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦 浜辺に送る妻や子が、別れを惜しんで呼ぶ声も風に悲しく千切れ飛ぶ、 まして文左の新妻は、今年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びしながら手を振れど、 雨と嵐にさえぎられ、かすむ良人の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心の切なさよ。 「白装束に身を固めて、梵天丸に乗り移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝まだき。 此の時、遥か街道に駒のいななき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打って、 パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉津島明神の神官、高松河内。 可愛い娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願をこめました。 海上安全守りの御幣背中にしっかりとくくりつけ、 嵐の中を歯を喰いしばり親の心の有り難さ。 婿どのイヤ待ったと駆けつけた。」 涙で受取る文左衛門。未練心を断つように、 波切丸を抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐな此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさながら息の根を、止めんばかりの凄まじさ。 舳に立った文左衛門は、両の眼をらんらんと、 刀を頭上に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模の荒灘も、 男一代名をかけて、乗り切る文左のみかん船。 沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー 八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く | 三波春夫 | 北村桃児 | 長津義司 | 長津義司 | 惚れた仕事に 命をかけて 散るも華だよ 男なら 怒濤逆巻く 嵐の中を 目指すは遙か 江戸の空 花の文左の みかん船 肝の太さと 度胸の良さに 勇み集まる 十二人 力合せて 乗り出す船は これも故郷の 人の為 征くぞ夜明けの 和歌の浦 浜辺に送る妻や子が、別れを惜しんで呼ぶ声も風に悲しく千切れ飛ぶ、 まして文左の新妻は、今年十九のいじらしさ、 せめても一度もう一度、背伸びしながら手を振れど、 雨と嵐にさえぎられ、かすむ良人の後ろ影、 これが別れになりゃせぬか、女心の切なさよ。 「白装束に身を固めて、梵天丸に乗り移った文左衛門。 時に承応元年十月二十六日の朝まだき。 此の時、遥か街道に駒のいななき、蹄の音は、連銭芦毛に鞭打って、 パッ、パッ、パッパッパッパー。 馬上の人は誰あろう、歌に名高き玉津島明神の神官、高松河内。 可愛い娘の婿どのが、今朝の船出の餞けと、 二日二夜は寝もやらず、神に祈願をこめました。 海上安全守りの御幣背中にしっかりとくくりつけ、 嵐の中を歯を喰いしばり親の心の有り難さ。 婿どのイヤ待ったと駆けつけた。」 涙で受取る文左衛門。未練心を断つように、 波切丸を抜き放ち、切ったとも綱、大碇は、 しぶきを上げて海中へ、ザ、ザ、ザ、さぶん――。 眺めて驚く船頭に、せくな騒ぐな此の船は、神の守りの宝船じゃ。 張れよ白帆を巻き上げよ、船は忽ち海原へ、疾風の如く乗り出す。 寄せくる波は山の様、嵐はさながら息の根を、止めんばかりの凄まじさ。 舳に立った文左衛門は、両の眼をらんらんと、 刀を頭上に振りかざし、無事に江戸まで、 八大竜王守らせ給えと念じつつ、 熊野の沖や志摩の海、遠州相模の荒灘も、 男一代名をかけて、乗り切る文左のみかん船。 沖の暗いのに白帆がサー見ゆる あれは紀の国ヤレコノコレワイノサ みかん船じゃエー 八重の汐路に 広がる歌が 海の男の 夢を呼ぶ 花のお江戸は もうすぐ近い 豪商一代 紀伊国屋 百万両の 船が行く |
世界平和音頭ハアー 世界は一つよ 地球は丸い 丸い心で 両手をつなぐ つなぐその手に 花が咲き 夢も咲きます チョイト 和やかな ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 夢も咲きます 和やかな ハアー お国が変われば 言葉も違う 違う言葉がどうして解る 西と東の 恋人も 同じみ空の チョイト 月を見る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 同じみ空の 月を見る ハアー 皆んなが揃えば 踊りもはずむ 歌はかずかず 希望は一つ 世界平和の 国造り 交す笑顔に チョイト 朝が来る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 世界平和の 朝が来る | 三波春夫 | 北村桃児 | 春川一夫 | | ハアー 世界は一つよ 地球は丸い 丸い心で 両手をつなぐ つなぐその手に 花が咲き 夢も咲きます チョイト 和やかな ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 夢も咲きます 和やかな ハアー お国が変われば 言葉も違う 違う言葉がどうして解る 西と東の 恋人も 同じみ空の チョイト 月を見る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 同じみ空の 月を見る ハアー 皆んなが揃えば 踊りもはずむ 歌はかずかず 希望は一つ 世界平和の 国造り 交す笑顔に チョイト 朝が来る ラララ ララララ ランララ ラララ ララララ ランララ 世界平和の 朝が来る |
深川百年人の浮世は 辛いというが 木場の掟にゃ 歯がたたぬ 親子三代 さかずき一つ 守りつづけた 深川仁義 筏ながしは いのちがけ 死ぬも生きるも 笑うも泣くも こころ次第と いうけれど 木場の男にゃ 理屈は無用 意地も人情も 丸太で裁く 晴れて笑顔の 春を待つ 木遣い一ト節 その一ト節に 絡み合わせた 夢いくつ 夢を抱えて 深川百年 人は変れど 変らぬものは 水のながれと 木場の月 | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | | 人の浮世は 辛いというが 木場の掟にゃ 歯がたたぬ 親子三代 さかずき一つ 守りつづけた 深川仁義 筏ながしは いのちがけ 死ぬも生きるも 笑うも泣くも こころ次第と いうけれど 木場の男にゃ 理屈は無用 意地も人情も 丸太で裁く 晴れて笑顔の 春を待つ 木遣い一ト節 その一ト節に 絡み合わせた 夢いくつ 夢を抱えて 深川百年 人は変れど 変らぬものは 水のながれと 木場の月 |
螢の飛ぶ故郷幼ななじみの 一番星が 今日も峠の 上に出た ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 瞼閉じれば 故郷はるか いまも聞こえる あの童唄 夢もほのぼの 初恋同士 嫁ぐあの娘は 泣いていた ホ ホ ほたる来い あっちの水は 辛いぞ 声を限りに 呼んではみたが 風は涙を 散らして吹いた 幼ななじみと 手を取り合って ほたる狩りした 川の岸 ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 濡れて帰って 叱られ乍ら 母に抱かれた 昔が恋し | 三波春夫 | 大久保まこと | 八幡幸夫 | | 幼ななじみの 一番星が 今日も峠の 上に出た ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 瞼閉じれば 故郷はるか いまも聞こえる あの童唄 夢もほのぼの 初恋同士 嫁ぐあの娘は 泣いていた ホ ホ ほたる来い あっちの水は 辛いぞ 声を限りに 呼んではみたが 風は涙を 散らして吹いた 幼ななじみと 手を取り合って ほたる狩りした 川の岸 ホ ホ ほたる来い こっちの水は あまいぞ 濡れて帰って 叱られ乍ら 母に抱かれた 昔が恋し |
暴れん坊若様三ツ葉葵に 旭が映えて 天下御免の 旅姿 まかり通るぞ 六十余洲 暴れ若様 浮世のよごれを 斬り捨てに 金も要らなきゃ お城も要らぬ 恋と情けに 泣くもよし 花を散らして 長七郎が 別れつらさを 振り切る小袖に ひとしぐれ 空を流れる 無情の月に むせぶ流転の 葵笠 若い血潮の 捨て場はどこか ゆくぞ島原 徳川魂 火と燃えて | 三波春夫 | 猪又良 | 長津義司 | | 三ツ葉葵に 旭が映えて 天下御免の 旅姿 まかり通るぞ 六十余洲 暴れ若様 浮世のよごれを 斬り捨てに 金も要らなきゃ お城も要らぬ 恋と情けに 泣くもよし 花を散らして 長七郎が 別れつらさを 振り切る小袖に ひとしぐれ 空を流れる 無情の月に むせぶ流転の 葵笠 若い血潮の 捨て場はどこか ゆくぞ島原 徳川魂 火と燃えて |
俺は藤吉郎何時(いつ)も 温かな 心でいたい 何時も 命を 燃やしていたい 雲の彼方に 夢かけて 駒よ 駒よ いなゝけ 俺は藤吉郎 恋に一度は 泣いてもみたい 想う 花なら 抱いてもみたい 辛い この世で あればこそ 共に 共に ゆこうよ 俺は 藤吉郎 母の泪を 大事にしたい 人の倖せ 守ってやりたい 建てゝみせよう 城一つ 男 男 なりゃこそ 俺は 藤吉郎 | 三波春夫 | 北村桃児 | 遠藤実 | | 何時(いつ)も 温かな 心でいたい 何時も 命を 燃やしていたい 雲の彼方に 夢かけて 駒よ 駒よ いなゝけ 俺は藤吉郎 恋に一度は 泣いてもみたい 想う 花なら 抱いてもみたい 辛い この世で あればこそ 共に 共に ゆこうよ 俺は 藤吉郎 母の泪を 大事にしたい 人の倖せ 守ってやりたい 建てゝみせよう 城一つ 男 男 なりゃこそ 俺は 藤吉郎 |
櫓かこんで笛や太鼓は 伊達には鳴らぬ 一人かけても チョイト 輪にゃならぬ みんな揃って 科よく丸く そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 甘い夜風が 音頭とる 音頭とる あの娘十八 この娘は二十 身振り手振りも チョイト なよなよと 誰が染めたか 藍染浴衣 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 月も見とれて 下りて来る 下りて来る 月のあるうちゃ 勿体なくて こゝらあたりじゃ チョイト やめられぬ 年にいちどの 今月今夜 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 櫓かこんで 夜あけまで 夜あけまで | 三波春夫 | 門井八郎 | 春川一夫 | | 笛や太鼓は 伊達には鳴らぬ 一人かけても チョイト 輪にゃならぬ みんな揃って 科よく丸く そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 甘い夜風が 音頭とる 音頭とる あの娘十八 この娘は二十 身振り手振りも チョイト なよなよと 誰が染めたか 藍染浴衣 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 月も見とれて 下りて来る 下りて来る 月のあるうちゃ 勿体なくて こゝらあたりじゃ チョイト やめられぬ 年にいちどの 今月今夜 そうぢゃないか そうぢゃないか そうぢゃないか スッチョイチョチョント 櫓かこんで 夜あけまで 夜あけまで |
妻恋双六生れ故郷も ふた親さまも はぐれ鴉にゃ 用はない どうせ俺らは 浅間の煙り 風のまにまに 散る命 惚れた阿呆に 好かれた阿呆 それが恋なら それもよし 結ぶ草鞋に 絡まる紅緒(べにお) 乙な木曽路の わたり鳥 三月三年 ながれた雲に 明日の運命を また賭ける 落ちて裏目の 妻恋笠に お陽(ひ)は照らずに 雨が降る | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | | 生れ故郷も ふた親さまも はぐれ鴉にゃ 用はない どうせ俺らは 浅間の煙り 風のまにまに 散る命 惚れた阿呆に 好かれた阿呆 それが恋なら それもよし 結ぶ草鞋に 絡まる紅緒(べにお) 乙な木曽路の わたり鳥 三月三年 ながれた雲に 明日の運命を また賭ける 落ちて裏目の 妻恋笠に お陽(ひ)は照らずに 雨が降る |
沖縄月夜なんなん菜の花 髪かざり あの娘はそわそわ 誰れを待つ 日昏れの港の 岩の蔭 幼馴染みの 俺らの胸を 知っているやら 知らぬやら ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 とんとん機織る 筬の音 あの娘の夜なべは 何時終る 乱れて切ない 恋ごころ 島の娘は 他国の人に 惚れちゃならない 筈なのに ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 つんつん月夜の 影法師 あの娘は若衆と 二人連れ 海神祭りの 遠囃子 ひとりさみしく 見返える空に 濡れて傾く 二十日月 ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 | 三波春夫 | 渋谷郁夫 | 久慈ひろし | | なんなん菜の花 髪かざり あの娘はそわそわ 誰れを待つ 日昏れの港の 岩の蔭 幼馴染みの 俺らの胸を 知っているやら 知らぬやら ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 とんとん機織る 筬の音 あの娘の夜なべは 何時終る 乱れて切ない 恋ごころ 島の娘は 他国の人に 惚れちゃならない 筈なのに ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 つんつん月夜の 影法師 あの娘は若衆と 二人連れ 海神祭りの 遠囃子 ひとりさみしく 見返える空に 濡れて傾く 二十日月 ホロホロ ホロホロ 沖縄月夜 |
人情桧舞台寄らば斬るぞと 大見得切れど 恋も人情も 斬れませぬ 春が来たのに 塗る白粉が やけに冷たい 楽屋うら あゝ檜舞台は まだ遠い 客が喜ぶ 芝居の心 それが掴めぬ この辛さ 月を見ながら 歩いた夜は 人も浮世も 冷たくて あゝ凍りつくような 影法師 人の情が わからぬようじゃ 檜舞台は 踏めやせぬ 剣がきらめき 火花が咲いた 男命の 花道に あゝひびく出囃子 本調子 | 三波春夫 | 三波春夫 | 佐藤川太 | | 寄らば斬るぞと 大見得切れど 恋も人情も 斬れませぬ 春が来たのに 塗る白粉が やけに冷たい 楽屋うら あゝ檜舞台は まだ遠い 客が喜ぶ 芝居の心 それが掴めぬ この辛さ 月を見ながら 歩いた夜は 人も浮世も 冷たくて あゝ凍りつくような 影法師 人の情が わからぬようじゃ 檜舞台は 踏めやせぬ 剣がきらめき 火花が咲いた 男命の 花道に あゝひびく出囃子 本調子 |
恋さま道中人の浮世が 表と裏と 二つあるとは つい知らなんだ 嫌でござんす お天道様よ 親は極楽 罪もないのに 子は地獄 どこが塒か 一本刀 馬鹿な話よ 日の暮れ時は 旅の永さと 草鞋の重さ 胸にこたえて 泣かぬつもりが ついほろり 江戸を離れて 西空百里 鳥羽の宿場で 拾った夢は 緑も深川 浮名も辰巳 仇なあの娘の 解いて崩した 洗い髪 | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | | 人の浮世が 表と裏と 二つあるとは つい知らなんだ 嫌でござんす お天道様よ 親は極楽 罪もないのに 子は地獄 どこが塒か 一本刀 馬鹿な話よ 日の暮れ時は 旅の永さと 草鞋の重さ 胸にこたえて 泣かぬつもりが ついほろり 江戸を離れて 西空百里 鳥羽の宿場で 拾った夢は 緑も深川 浮名も辰巳 仇なあの娘の 解いて崩した 洗い髪 |
長編歌謡浪曲 元禄花の兄弟 赤垣源蔵酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい 迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る 兄のきものに盈々(なみなみ)と差して呑み干す酒の味 「兄上もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」 兄の屋敷を立出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も 少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。 「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて目指す行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助天を仰いで嘆く時誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは赤垣源蔵なり」 一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「おう、市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟がその中に居るはずじゃ そなた早よう行って見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」 もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。 祈る心で待つ裡(うち)に 転がる様に戻り来て 「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。 夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟(あにおとうと) 今朝のお江戸は日本晴れ | 三波春夫 | 北村桃児 | 春川一夫 | 佐藤川太 | 酒は呑(の)んでも 呑まれちゃならぬ 武士の心を 忘れるな 体こわすな源蔵よ 親の無い身にしみじみと 叱る兄者(あにじゃ)が懐かしい 迫る討入り この喜びを せめて兄者に よそながら 告げてやりたや知らせたい 別れ徳利を手に下げりゃ 今宵名残りの雪が降る 兄のきものに盈々(なみなみ)と差して呑み干す酒の味 「兄上もはや今生(こんじょう)のお別れとなりました。 お顔見たさに来てみたが、 源蔵此れにてお暇仕(いとまつかまつ)りまする。」 兄の屋敷を立出でる 一足歩いて立ち止まり 二足歩いて振り返り 此れが別れか見納めか さすが気丈(きじょう)の赤垣も 少時(しばし)佇む雪の中 熱い涙は止めどなし。 「かくて果てじと気を取り直し 饅頭笠を傾けて目指す行手は両国か。 山と川との合言葉 同じ装束(いでたち)勇しく 山道ダンダラ火事羽織 白き木綿の袖じるし 横川勘平武林が大門開けば赤垣は宝蔵院流九尺の手槍、 りゅう!としごいてまっさきに吉良の屋敷に踏込んだり。 されど東が開け初めても未だに解らぬ吉良殿在処(ありか) さすがの大石内蔵之助天を仰いで嘆く時誰が吹くやら呼子の笛 吉良の手を取り引い出し吹くは赤垣源蔵なり」 一夜開くれば十五日 赤穂浪士が 引揚げと 聞くより兄の塩山は もしや源蔵がその中に 居りはせぬかと立ち上り、 「市助!市助はおらぬか!」 「おう、市助赤穂浪士が今引揚げの最中、たしか弟がその中に居るはずじゃ そなた早よう行って見届けてきて呉れ! もしも源蔵が居たならば、隣近所にも聞こえる様に 大きな声で叫んでくれ、よいか!」 もしも居らないその時は 小さな声で儂(わし)にだけ 知らせてくれよ頼んだぞ。 祈る心で待つ裡(うち)に 転がる様に戻り来て 「ヤァー源蔵さまが居りましたワイ」 嬉し泪の塩山は雪を蹴立てて真っしぐら仙台候の御門前 群がる人をかき分け、かき分け前に進めば源蔵も 兄は来ぬかと背延びして、探し求めている様子。 「源蔵!」 「兄上か!」 ひしと見交わす顔と顔、固く握った手の中に通う血汐の温かさ 同じ血じゃもの肉じゃもの。 夢を果した男の顔に 昇る旭が美しや 笑顔交して別れゆく 花の元禄兄弟(あにおとうと) 今朝のお江戸は日本晴れ |
長編歌謡浪曲 あゝ松の廊下「吉良殿、吉良殿。勅使に対し奉りこの浅野長矩が お出迎えする場所はお玄関式台下にござりましょうか、 それとも上にござりましょうか、今一度お教え下されましょう。」 「何度言うたら解るのじゃ。さてさて頭の悪い田舎大名 それでも饗応役か、お主の様な人間を鮒侍と申すのじゃ、ウフフフ。 えゝッ!! そこを退かしちょれ!!」 「余りと言えば…。 己れ上野(こうずけ)!覚悟!!」 武士(もののふ)が 刃を一度び 抜く時は 死ぬも生きるも 命がけ 千代田の城の 奥深き あゝ松の廊下 花に恨みの 風が吹く 「放して下され梶川殿、五万三千石、家をも身をも省(かえりみ)ず、 上野介(こうずけのすけ)を討つは、 将軍家の御威光(いこう)と役職を笠に着て、 私利私欲に走る人非人を斬る為じゃ、 その手を放して討たして下され梶川殿!!」 武士の 情けを貴殿(あなた)が 知るならば 止めて呉れるな 手を放せ 男の怒り 燃ゆる時 あゝ松の廊下 床に流した 血の涙 武士の 厳しき運命(さだめ)が 恨めしや 明日の命は すでになく 無念が残る 千代田城 あゝ松の廊下 忠臣蔵の 幕が開く 「役儀に依って言葉を改める拙者御目付当番、 多門伝八郎、さて朝散の太夫浅野内匠頭長矩。 其方儀御大法をも辯えず今日、 松の廊下に於て争いに及ばれたるは如何なる御所存あっての事か。」 「恐れ入りました。上(かみ)へ対し奉りては、聊(いささ)かのお恨み もござりませぬが私の怨(うらみ)を持って 前後を忘れ刃傷(にんじょう)に及びました。」 「其方上野介を討ち果たす心であったか? 又、私ごとの怨(うらみ)とは?…」 「も早や此の場に於いては何事も…何事も… ただ無念なわ上野介を討ち損じたる事。 この身の未熟お恥ずかしく存じまする。 この上は御定法通り御仕置賜るよう、お願いを申しあげまする」 両手を突いた長矩の 顔の白さが痛ましや さすがに彼も武士よ 覚悟の程も潔(いさぎ)よし 噫ゝ(ああ) 外様大名の悲しさか 天下の法を振りかざし 将軍綱吉直々に 厳しく下る裁断は 家名断絶身は切腹 今朝の晴れ着と打ち変り 網乗物にて芝愛宕下(しばあたごした)の田村邸 泣くに泣けない家臣の一人 片岡源五は殊(こと)の外 おそば近くにつかえたが、 せめてはひと目御主君の 最後のお姿見届けん 又、二つには御遺言お聞きせねばと 田村邸 検死役なる伝八郎に 願い出でたるその時に 逢わしてやるぞ片岡よ 法に照らせばこの儂も 後でおとがめ受けようが 儂の知行の七百石など 惜しくはないぞ 武士の心は 武士の心は 武士が知る。 | 三波春夫 | 北村桃児 | 伏見竜治 | 山倉たかし | 「吉良殿、吉良殿。勅使に対し奉りこの浅野長矩が お出迎えする場所はお玄関式台下にござりましょうか、 それとも上にござりましょうか、今一度お教え下されましょう。」 「何度言うたら解るのじゃ。さてさて頭の悪い田舎大名 それでも饗応役か、お主の様な人間を鮒侍と申すのじゃ、ウフフフ。 えゝッ!! そこを退かしちょれ!!」 「余りと言えば…。 己れ上野(こうずけ)!覚悟!!」 武士(もののふ)が 刃を一度び 抜く時は 死ぬも生きるも 命がけ 千代田の城の 奥深き あゝ松の廊下 花に恨みの 風が吹く 「放して下され梶川殿、五万三千石、家をも身をも省(かえりみ)ず、 上野介(こうずけのすけ)を討つは、 将軍家の御威光(いこう)と役職を笠に着て、 私利私欲に走る人非人を斬る為じゃ、 その手を放して討たして下され梶川殿!!」 武士の 情けを貴殿(あなた)が 知るならば 止めて呉れるな 手を放せ 男の怒り 燃ゆる時 あゝ松の廊下 床に流した 血の涙 武士の 厳しき運命(さだめ)が 恨めしや 明日の命は すでになく 無念が残る 千代田城 あゝ松の廊下 忠臣蔵の 幕が開く 「役儀に依って言葉を改める拙者御目付当番、 多門伝八郎、さて朝散の太夫浅野内匠頭長矩。 其方儀御大法をも辯えず今日、 松の廊下に於て争いに及ばれたるは如何なる御所存あっての事か。」 「恐れ入りました。上(かみ)へ対し奉りては、聊(いささ)かのお恨み もござりませぬが私の怨(うらみ)を持って 前後を忘れ刃傷(にんじょう)に及びました。」 「其方上野介を討ち果たす心であったか? 又、私ごとの怨(うらみ)とは?…」 「も早や此の場に於いては何事も…何事も… ただ無念なわ上野介を討ち損じたる事。 この身の未熟お恥ずかしく存じまする。 この上は御定法通り御仕置賜るよう、お願いを申しあげまする」 両手を突いた長矩の 顔の白さが痛ましや さすがに彼も武士よ 覚悟の程も潔(いさぎ)よし 噫ゝ(ああ) 外様大名の悲しさか 天下の法を振りかざし 将軍綱吉直々に 厳しく下る裁断は 家名断絶身は切腹 今朝の晴れ着と打ち変り 網乗物にて芝愛宕下(しばあたごした)の田村邸 泣くに泣けない家臣の一人 片岡源五は殊(こと)の外 おそば近くにつかえたが、 せめてはひと目御主君の 最後のお姿見届けん 又、二つには御遺言お聞きせねばと 田村邸 検死役なる伝八郎に 願い出でたるその時に 逢わしてやるぞ片岡よ 法に照らせばこの儂も 後でおとがめ受けようが 儂の知行の七百石など 惜しくはないぞ 武士の心は 武士の心は 武士が知る。 |
お祭り鴉親が恋しい 年頃に なってしみじみ しのぶ顔 風の便りは もう聞き飽きた せめて情けの 声が聞きたい 母恋鴉 祭り太鼓に 誘われて 来れば宿場は 通り雨 旅は憂いもの 八幡さまの あばれ神輿に 羽をとられた お祭り鴉 ドスは捨てても 捨てられぬ 昔なじみの 里の唄 母は何処か 東か西か 泣いて一ト節 節でうらなう 風吹き鴉 | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | | 親が恋しい 年頃に なってしみじみ しのぶ顔 風の便りは もう聞き飽きた せめて情けの 声が聞きたい 母恋鴉 祭り太鼓に 誘われて 来れば宿場は 通り雨 旅は憂いもの 八幡さまの あばれ神輿に 羽をとられた お祭り鴉 ドスは捨てても 捨てられぬ 昔なじみの 里の唄 母は何処か 東か西か 泣いて一ト節 節でうらなう 風吹き鴉 |
大江戸かわら版サーテ サテサテ サテサテ ちょいとそこゆく ご新造さん 熊さん八っあん ご隠居さん 天地神命 神かけて 仕込んだネタに 嘘はない 涙もあれば 夢もある 天下ご免の かわら版 サーテ サテサテ サテサテ 義理と人情の しがらみに 咲くのも花なら 散るも花 毎度皆さま お馴染みの 強きをくじく こころ意気 いのちを筆に 傾けた 天下ご免の かわら版 吉良家の付け人剣豪清水一角が、赤穂浪士の討入りに何んであえなく 斃れたか、こいつにゃ深けえわけがある。 皆さんとくとご存知の呑んべ安兵衛、喧嘩安、 堀部安兵衛武庸が聞かせてくれた裏ばなし。 サアテその夜、吉良の屋敷に乗り込んだ赤穂浪士は四十と七人。 一際目に立つ安兵衛の行く手をさえぎる清水一角 「やあれ安兵衛、久し振りよな。真庭念流樋口の道場、 共に学んだ兄弟弟子が刃交わすも宿世の縁。斟酌無用ー」 と呼わって大上段に構えたり。 誘いの大刀か捨身の術か、不思議な事があるものよ、 ただの一度も一角はこんな構えはしなかった。 「ハッ!」と気付いたその時に、降り下したる大刀風を危くかわした横一文字。 愛刀関の孫六が相手の胴に決まったり。 雪を真赤な血に染めて、どうと斃れた一角がー よくぞ安兵衛 出かしたり お前に斬られて 嬉しいぞ 敵と味方に 別れても 誓い交わした 友ならば 恨みつらみを 持ちはせぬ 忠義に刃向う 敵はなし 死出の旅路のその真際、口にゃ出さねどそれとなく震える指で 教えてくれた仇の在所。 炭小屋深く吉良様がかくれひそんでいたと言う。 どうです皆さんー江戸っ子ならば清水一角の武士の情けに泣いとくれ。 サーテ サテサテ サテサテ 鏡は上野か 浅草か 墨田の川面を 流れゆく 人の浮世も 流れゆく せめて明日の しあわせを 祈る心で 書き上げた 天下ご免の からわ版 | 三波春夫 | 渋谷郁男 | 佐藤川太 | | サーテ サテサテ サテサテ ちょいとそこゆく ご新造さん 熊さん八っあん ご隠居さん 天地神命 神かけて 仕込んだネタに 嘘はない 涙もあれば 夢もある 天下ご免の かわら版 サーテ サテサテ サテサテ 義理と人情の しがらみに 咲くのも花なら 散るも花 毎度皆さま お馴染みの 強きをくじく こころ意気 いのちを筆に 傾けた 天下ご免の かわら版 吉良家の付け人剣豪清水一角が、赤穂浪士の討入りに何んであえなく 斃れたか、こいつにゃ深けえわけがある。 皆さんとくとご存知の呑んべ安兵衛、喧嘩安、 堀部安兵衛武庸が聞かせてくれた裏ばなし。 サアテその夜、吉良の屋敷に乗り込んだ赤穂浪士は四十と七人。 一際目に立つ安兵衛の行く手をさえぎる清水一角 「やあれ安兵衛、久し振りよな。真庭念流樋口の道場、 共に学んだ兄弟弟子が刃交わすも宿世の縁。斟酌無用ー」 と呼わって大上段に構えたり。 誘いの大刀か捨身の術か、不思議な事があるものよ、 ただの一度も一角はこんな構えはしなかった。 「ハッ!」と気付いたその時に、降り下したる大刀風を危くかわした横一文字。 愛刀関の孫六が相手の胴に決まったり。 雪を真赤な血に染めて、どうと斃れた一角がー よくぞ安兵衛 出かしたり お前に斬られて 嬉しいぞ 敵と味方に 別れても 誓い交わした 友ならば 恨みつらみを 持ちはせぬ 忠義に刃向う 敵はなし 死出の旅路のその真際、口にゃ出さねどそれとなく震える指で 教えてくれた仇の在所。 炭小屋深く吉良様がかくれひそんでいたと言う。 どうです皆さんー江戸っ子ならば清水一角の武士の情けに泣いとくれ。 サーテ サテサテ サテサテ 鏡は上野か 浅草か 墨田の川面を 流れゆく 人の浮世も 流れゆく せめて明日の しあわせを 祈る心で 書き上げた 天下ご免の からわ版 |
終り無きわが歌の道私の歌のふるさとは 父の民謡 私の歌の想い出は 母の子守唄 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔 よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け 私の歌のふるさとは 流行歌と浪花節 私の歌の想い出は 小学校のオルガン 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔 よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け (新しき夢かけて 歌よ 翔け) 愛する国に 歌よ 翔け あゝ終り無きわが歌の道 終り無きわが歌の道 遥か 遥か 遥か 遥か | 三波春夫 | 三波春夫 | 宮川泰 | | 私の歌のふるさとは 父の民謡 私の歌の想い出は 母の子守唄 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔 よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け 私の歌のふるさとは 流行歌と浪花節 私の歌の想い出は 小学校のオルガン 私の歌の故郷は 日本の心 私の歌の生甲斐は 人々の笑顔 よろこびに 湧き立つ手拍子に 命の限り私は歌う 人生がこの中に 真心と愛が溢れて 悲しみを洗う 涙の如く 新しき夢かけて 歌よ 翔け 愛する国に 歌よ 翔け (新しき夢かけて 歌よ 翔け) 愛する国に 歌よ 翔け あゝ終り無きわが歌の道 終り無きわが歌の道 遥か 遥か 遥か 遥か |
日本を頼みます(セリフ)「皆さま、日本を頼みます」 春は桜の花が咲き 夏は海辺でひと泳ぎ 秋は枯れ葉を踏みしめて 冬は静かに雪が降る 喜びも悲しみも いろいろ あったけど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます 春に誰かと知り合って 夏に2人は愛し合い 秋にサヨナラ告げられて 冬に1人で思い出す 出逢いとか別れとか いろいろ あるけれど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます ああ~ 日本を頼みます | 三波春夫 | 秋元康 | 鈴木キサブロー | | (セリフ)「皆さま、日本を頼みます」 春は桜の花が咲き 夏は海辺でひと泳ぎ 秋は枯れ葉を踏みしめて 冬は静かに雪が降る 喜びも悲しみも いろいろ あったけど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます 春に誰かと知り合って 夏に2人は愛し合い 秋にサヨナラ告げられて 冬に1人で思い出す 出逢いとか別れとか いろいろ あるけれど しあわせは また巡る この国に生まれてよかった ああ~ 日本を頼みます ああ~ 日本を頼みます |
人力一代廻るくるまに 男の夢を 乗せて明治の 街を行く 人力一代 恋も情けも 仕事の邪魔と 笑う瞳に 涙が光る 浮世はぐるま 何故何故合わぬ 破れ障子に 秋の月 人力一代 江戸の名残りの 馬場先門に 走るひびきは 時代の響き 人の噂を 気にする様じゃ 花も咲かなきゃ 実も成らぬ 人力一代 可愛い伜の 制服姿 晴れておやじが 乗せて引く | 三波春夫 | 北村桃児 | 長津義司 | | 廻るくるまに 男の夢を 乗せて明治の 街を行く 人力一代 恋も情けも 仕事の邪魔と 笑う瞳に 涙が光る 浮世はぐるま 何故何故合わぬ 破れ障子に 秋の月 人力一代 江戸の名残りの 馬場先門に 走るひびきは 時代の響き 人の噂を 気にする様じゃ 花も咲かなきゃ 実も成らぬ 人力一代 可愛い伜の 制服姿 晴れておやじが 乗せて引く |
頑固親爺の浪花節男は何時でも 自分の道を 決めて いかなきゃ女も惚れぬ 甘えて 世間が通れるものか 何を するにも命を懸けろ 頑固おやじの 浪花節 何故か 今頃 胸を刺す 北風 木枯し みぞれの夜に 津軽海峡 涙で越えた 南の町でも 芽が出ぬ時は 西も 東も あるではないか 頑固おやじの 目の奥に 何故か 泪が 浮かんでた どんなに 小さな情けも恩も 石に刻んで 覚えて置けよ 恩とは 着るもの 着せてはならぬ それが男と 言うものなのさ 頑固おやじの 浪花節 今宵しみじみ 想い出す | 三波春夫 | 三波春夫 | 岡千秋 | | 男は何時でも 自分の道を 決めて いかなきゃ女も惚れぬ 甘えて 世間が通れるものか 何を するにも命を懸けろ 頑固おやじの 浪花節 何故か 今頃 胸を刺す 北風 木枯し みぞれの夜に 津軽海峡 涙で越えた 南の町でも 芽が出ぬ時は 西も 東も あるではないか 頑固おやじの 目の奥に 何故か 泪が 浮かんでた どんなに 小さな情けも恩も 石に刻んで 覚えて置けよ 恩とは 着るもの 着せてはならぬ それが男と 言うものなのさ 頑固おやじの 浪花節 今宵しみじみ 想い出す |
万国博覧会音頭ハァー さくら日本の 博覧会を ひと目みせたい 晴れすがた 千里山から 世界の空へ かけて世紀の ササ ヨイショ ヨイショ 虹が立つ 虹が立つ ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 ハァー すすむ時代に 名乗りをあげて さすが日本の 心意気 歌よひろがれ しあわせ呼んで まるい地球を ササ ヨイショ ヨイショ ひとまわり ひとまわり ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 ハァー はずむ思いを 太鼓にのせて 夢の祭りの 幕があく さても大阪 うれしじゃないか 世界繁盛の ササ ヨイショ ヨイショ 招きうた 招きうた ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 | 三波春夫 | 宮田隆 | 長津義司 | | ハァー さくら日本の 博覧会を ひと目みせたい 晴れすがた 千里山から 世界の空へ かけて世紀の ササ ヨイショ ヨイショ 虹が立つ 虹が立つ ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 ハァー すすむ時代に 名乗りをあげて さすが日本の 心意気 歌よひろがれ しあわせ呼んで まるい地球を ササ ヨイショ ヨイショ ひとまわり ひとまわり ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 ハァー はずむ思いを 太鼓にのせて 夢の祭りの 幕があく さても大阪 うれしじゃないか 世界繁盛の ササ ヨイショ ヨイショ 招きうた 招きうた ソレ 「パットパラリト パッとひらく 花の万国花の万国博覧会」 |
縞の合羽に三度笠峠7里の 夕焼け空を 縞の合羽に 三度笠 親が恋しゅうて 泣きたい時は 長脇差(ドス)を抜きたくなるんだぜ 「チェッ 調子がでねぇや」 バカはお止しと 言うように 白い蝶々が 手に止まる 独(ひと)り咲いてる 紅山百合(やまゆり)に 足が止まるよ 三度笠 聞いてくれるか 身の上話 野暮な男の 故郷(くに)の歌 「チェッ しけてやがらア」 月が出そうな あの山に 雨をはらんだ 雲が飛ぶ 何処(どこ)で終わるか 浮世の旅を 縞の合羽に 三度笠 恨みつらみは さらりと捨てて 明日の命を さいころに 「ヘン 一寸先ア闇だ!」 泣くも笑うも 旅の空 義理も人情も 風任せ | 三波春夫 | 北村桃児 | 伏見竜治 | | 峠7里の 夕焼け空を 縞の合羽に 三度笠 親が恋しゅうて 泣きたい時は 長脇差(ドス)を抜きたくなるんだぜ 「チェッ 調子がでねぇや」 バカはお止しと 言うように 白い蝶々が 手に止まる 独(ひと)り咲いてる 紅山百合(やまゆり)に 足が止まるよ 三度笠 聞いてくれるか 身の上話 野暮な男の 故郷(くに)の歌 「チェッ しけてやがらア」 月が出そうな あの山に 雨をはらんだ 雲が飛ぶ 何処(どこ)で終わるか 浮世の旅を 縞の合羽に 三度笠 恨みつらみは さらりと捨てて 明日の命を さいころに 「ヘン 一寸先ア闇だ!」 泣くも笑うも 旅の空 義理も人情も 風任せ |
丼音頭日本全国 お昼時 (ハイ ラッシャイ) のれんくぐれば 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「ハイ イラッシャイ えー一寸おつめを願います。」 フタをあければ 湯気が立つ (ハイ ラッシャイ) 箸の香りも 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「えーお待たせしております。 おーい急いでおくれ…!ハイ お待ち遠さま。」 今日は豪華に大盛で (ハイ ラッシャイ) 御飯ほかほか 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「三番さん オシンコ大盛だよ。」 勘定払って ごちそうさん (ハイ まいど) おなか一杯 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「毎度ありがとう存じます。」 | 三波春夫 | 丼盛太郎 | 小町昭 | | 日本全国 お昼時 (ハイ ラッシャイ) のれんくぐれば 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「ハイ イラッシャイ えー一寸おつめを願います。」 フタをあければ 湯気が立つ (ハイ ラッシャイ) 箸の香りも 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「えーお待たせしております。 おーい急いでおくれ…!ハイ お待ち遠さま。」 今日は豪華に大盛で (ハイ ラッシャイ) 御飯ほかほか 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「三番さん オシンコ大盛だよ。」 勘定払って ごちそうさん (ハイ まいど) おなか一杯 嬉しいね ハイ天丼 サァかつ丼 チョイトうな丼 コリャ牛丼 人情カランデ 親子丼 「毎度ありがとう存じます。」 |
あばれ太鼓親の無学を 嗤うじゃないぞ 親はわが子に いのちだけ 伸びよ育てよ 麟太郎 貧乏暮しの 路地裏に こころふくらむ 春の風 母の涙で 情けを悟れ 父のこぶしで 意地を知れ つらい修行の 明けくれに 負けて死にたきゃ 権現の 滝に打たれて 目をさませ 若い血汐が 時代を変える ゆけよ走れよ 麟太郎 今がお前の 出番だぞ 花の明治の あけぼのへ あばれ太鼓が 鳴り渡る | 三波春夫 | 猪又良 | 春川一夫 | | 親の無学を 嗤うじゃないぞ 親はわが子に いのちだけ 伸びよ育てよ 麟太郎 貧乏暮しの 路地裏に こころふくらむ 春の風 母の涙で 情けを悟れ 父のこぶしで 意地を知れ つらい修行の 明けくれに 負けて死にたきゃ 権現の 滝に打たれて 目をさませ 若い血汐が 時代を変える ゆけよ走れよ 麟太郎 今がお前の 出番だぞ 花の明治の あけぼのへ あばれ太鼓が 鳴り渡る |
人生おけさ何をくよくよ 明日があるさ 肩を叩いて 酒場の隅で 涙忘れて しみじみと のんで語ろか 人生おけさ 捨てちゃならない その夢だけは 荒いこの世の 波風うけて 浮いて沈んで 沈んで浮いて 何処の港に 着くのやら 勝つも負けるも 人生おけさ 波にまかせて ゆこうじゃないか 独り陽かげに 咲く花みれば 思い出すのさ 故郷の母を 夢も侘しい 裏町で 泣くも笑うも 人生おけさ 何をくよくよ 明日があるさ | 三波春夫 | 北村桃児 | 長津義司 | | 何をくよくよ 明日があるさ 肩を叩いて 酒場の隅で 涙忘れて しみじみと のんで語ろか 人生おけさ 捨てちゃならない その夢だけは 荒いこの世の 波風うけて 浮いて沈んで 沈んで浮いて 何処の港に 着くのやら 勝つも負けるも 人生おけさ 波にまかせて ゆこうじゃないか 独り陽かげに 咲く花みれば 思い出すのさ 故郷の母を 夢も侘しい 裏町で 泣くも笑うも 人生おけさ 何をくよくよ 明日があるさ |
筑波の鴉たかがひとりの 身軽な旅も 故郷(くに)の近くじゃ 気が重い はぐれついでの 筑波の鴉 寄ろか寄ろか過ぎよか 諸川宿は 生まれ在所へ ひとっ飛び 一宿一飯軒下三尺借りうけましてと、あれから三年経った。 手前勝手と、わかっちゃいるが一目逢いてえ、 逢いてえなア、お袋さんにヨー なまじやくざに 惚れさせまいと 心ならずも 袖にした あの娘恋しい 境の渡し 利根の利根の河原に 風立つ頃は 夢にまで見た 夜がある おちょぼ口のやさしい娘だったお千世坊、 今頃はお歯黒染めて堅気のいいおかみさんになっているかもしれねえ、 フン、俺らァ阿呆鴉だぜ 逢えば逢(お)うたで 不孝がつのる どうせ俺らは 親泣かせ 莫迦が莫迦なり 思案を決めりゃ 月の月のお山の 男体女体 片手拝みの 眼に痛い | 三波春夫 | 藤間哲郎 | 清水ひでお | | たかがひとりの 身軽な旅も 故郷(くに)の近くじゃ 気が重い はぐれついでの 筑波の鴉 寄ろか寄ろか過ぎよか 諸川宿は 生まれ在所へ ひとっ飛び 一宿一飯軒下三尺借りうけましてと、あれから三年経った。 手前勝手と、わかっちゃいるが一目逢いてえ、 逢いてえなア、お袋さんにヨー なまじやくざに 惚れさせまいと 心ならずも 袖にした あの娘恋しい 境の渡し 利根の利根の河原に 風立つ頃は 夢にまで見た 夜がある おちょぼ口のやさしい娘だったお千世坊、 今頃はお歯黒染めて堅気のいいおかみさんになっているかもしれねえ、 フン、俺らァ阿呆鴉だぜ 逢えば逢(お)うたで 不孝がつのる どうせ俺らは 親泣かせ 莫迦が莫迦なり 思案を決めりゃ 月の月のお山の 男体女体 片手拝みの 眼に痛い |
ジャン・ナイト・じゃん急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さん ズガーンと行かねばならぬのだ 下チャ上チャも 雀仲間 勝負懸けたら 情け無用の狙いうち 君はあげ満素敵じゃないか僕と満願ツモろうよ ズガーンと幸せ掴もうぞ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか いつもツカンボ口惜し泣き男 泪を かくして勝負の道を行く 読みの深さはメンタンピンどこでツモるか 三 色を ズガーンとテンパイ見せようかここが三面待ちどころ行くぜカンチャン 国士無双[こくしむそう]の関ヶ原 ツモニモ負けずにやり抜いて勝って飲み干すビールがうまい ズガーンと男は命がけ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか 急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さんズガーンと行かねばならぬのだ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか ズガーンと ズガーンと行かねばならぬのだ | 三波春夫 | 三波春夫 | CHOKKAKU | CHOKKAKU | 急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さん ズガーンと行かねばならぬのだ 下チャ上チャも 雀仲間 勝負懸けたら 情け無用の狙いうち 君はあげ満素敵じゃないか僕と満願ツモろうよ ズガーンと幸せ掴もうぞ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか いつもツカンボ口惜し泣き男 泪を かくして勝負の道を行く 読みの深さはメンタンピンどこでツモるか 三 色を ズガーンとテンパイ見せようかここが三面待ちどころ行くぜカンチャン 国士無双[こくしむそう]の関ヶ原 ツモニモ負けずにやり抜いて勝って飲み干すビールがうまい ズガーンと男は命がけ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか 急ぐな騒ぐなあわてるなパイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く 運賦 天賦 とリーチを賭ける 止めてくれるな正面さんズガーンと行かねばならぬのだ 闇で役満 待つ心翔んで花見が咲くものか ズガーンと ズガーンと行かねばならぬのだ |
天竜しぶき笠思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜 誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる | 三波春夫 | 萩原四朗 | 倉若晴生 | | 思い溢れて 来はしたが 思い残して また行くさだめ 天竜、天竜、天竜よお前は何(なん)にも言わず ヨーイトホイー 辛い別れを 押し流す みどり恋しい 山々や 惚れたあの娘に なぜ背を向ける 男、男、男の泪が磧(かわら)の砂に ヨーイトホイー 落ちて滲んだ 宵月夜 誰も知らない それでよい 嫌な渡世の 仁義のかけら 天竜、天竜、天竜を下ればしぶきか雨か ヨーイトホイー 笠がぬれるよ 身もぬれる |
高田屋嘉兵衛国は何処かと聞かれたら 日本人だと 胸を張る 男、高田屋嘉兵衛どん 此処はエトロフ千島の沖で 波の飛沫を受けて立つ 「ロシアの艦長さん、如何にもあなたがたの上官ゴロヴニン中佐は、 松前藩の役人衆の手に捕らえられました。 それは何故だかご存知でございましょう、あなたがたがエトロフ島に 不法上陸をなされ剰え発砲騒ぎをおこされたからでござります。 若しどうしても中佐を帰して欲しいと仰有るなら今後ロシアのお国が、 エトロフやクナシリには決して手出しをしないとお誓いなされ、 さすりゃ高田屋嘉兵衛、命にかえても将軍さまにかけ合って進ぜましょう。 はばかり乍らこのエトロフは、この高田屋が開拓をした島でござります。 いいえ、さ!日本の領土でござりますわい。」 顔は笑っているけれど 度胸千両の瞳の光り 男、高田屋嘉兵衛どん 捕えられても首斬られても 日本の領土は渡されぬ 「おう、お前達よ元気じゃったか、一年半ぶりじゃのう、 儂はロシアの牢屋につながれている時、 しみじみ国の淡路や函館が恋しかったわい、しかしロシアがあやまりを 認める迄は儂は死んでも帰らぬと頑張った、 さあ、これで日本とロシアの紛争も治まった、 これからは皆大きな顔して海の仕事に精がだせるぞよ」 花の明治にさきがけて 港 函館 春を呼ぶ 男、高田屋嘉兵衛どん 夢は故郷の淡路の島か 月の鳴戸のうず汐か | 三波春夫 | 北村桃児 | いずみたく | | 国は何処かと聞かれたら 日本人だと 胸を張る 男、高田屋嘉兵衛どん 此処はエトロフ千島の沖で 波の飛沫を受けて立つ 「ロシアの艦長さん、如何にもあなたがたの上官ゴロヴニン中佐は、 松前藩の役人衆の手に捕らえられました。 それは何故だかご存知でございましょう、あなたがたがエトロフ島に 不法上陸をなされ剰え発砲騒ぎをおこされたからでござります。 若しどうしても中佐を帰して欲しいと仰有るなら今後ロシアのお国が、 エトロフやクナシリには決して手出しをしないとお誓いなされ、 さすりゃ高田屋嘉兵衛、命にかえても将軍さまにかけ合って進ぜましょう。 はばかり乍らこのエトロフは、この高田屋が開拓をした島でござります。 いいえ、さ!日本の領土でござりますわい。」 顔は笑っているけれど 度胸千両の瞳の光り 男、高田屋嘉兵衛どん 捕えられても首斬られても 日本の領土は渡されぬ 「おう、お前達よ元気じゃったか、一年半ぶりじゃのう、 儂はロシアの牢屋につながれている時、 しみじみ国の淡路や函館が恋しかったわい、しかしロシアがあやまりを 認める迄は儂は死んでも帰らぬと頑張った、 さあ、これで日本とロシアの紛争も治まった、 これからは皆大きな顔して海の仕事に精がだせるぞよ」 花の明治にさきがけて 港 函館 春を呼ぶ 男、高田屋嘉兵衛どん 夢は故郷の淡路の島か 月の鳴戸のうず汐か |
赤い椿と三度笠花がひと片 夜風に落ちた 抱いておくれと 笠の上 こんなやくざにゃ お寄りなさんな 洗い流せぬ 身の錆に 俺も泣きたい 旅ぐらし 赤い椿の 身の上話し 聞けば俺らも ついほろり 縞の合羽に 抱いてた夢は 脇差も要らなきゃ 名も要らぬ せめて堅気に 戻りたや 無理に通れば 白刃の雨が 俺の行手に 降りかかる ままよ地獄の 峠を越えて 花の手を引く 旅発(だ)ちに 被り直した 三度笠 | 三波春夫 | 北村桃児 | 遠藤実 | | 花がひと片 夜風に落ちた 抱いておくれと 笠の上 こんなやくざにゃ お寄りなさんな 洗い流せぬ 身の錆に 俺も泣きたい 旅ぐらし 赤い椿の 身の上話し 聞けば俺らも ついほろり 縞の合羽に 抱いてた夢は 脇差も要らなきゃ 名も要らぬ せめて堅気に 戻りたや 無理に通れば 白刃の雨が 俺の行手に 降りかかる ままよ地獄の 峠を越えて 花の手を引く 旅発(だ)ちに 被り直した 三度笠 |
三波のハンヤ節「西郷隆盛」ハンヤ エー ハンヤ一節(ひとふし) 借りうけましてよ ヨイヤサ ヨイヤサ 薩摩名物読み上げまする 花は霧島 タバコは国分 燃えて上がるは桜島 波が煌(きら)めく 錦江湾 月も 月も 涙の城山に 忘れちゃならないその人は 姓は西郷 名は隆盛よ ヨイヤサ ヨイヤサ ハンヤ エー 生まれながらの よか青年(にせ)どんじゃて ヨイヤサ ヨイヤサ 人に好かれる 心の広さ 薩摩西郷どんは 世界の偉人 国の為なら 死ぬと言うた 明治維新の 先頭に 立って 立って進んだ 雄々しさよ 錦の御旗は 伊達じゃない 旧(ふる)い日本は 変えなきゃならぬ ヨイヤサ ヨイヤサ ハンヤ エー ハンヤぶし聴きゃァ 薩摩が恋しョ ヨイヤサ ヨイヤサ 夢は破れた 征韓論に 還(かえ)るふるさと 唯なつかしや 慕い集まる 四千人 遂に西南戦争は 明治 明治十年秋九月 散らした命は かえらねど 永久(とわ)に生きてる 大南州よ ヨイヤサ ヨイヤサ | 三波春夫 | 三波春夫 | 佐藤川太 | | ハンヤ エー ハンヤ一節(ひとふし) 借りうけましてよ ヨイヤサ ヨイヤサ 薩摩名物読み上げまする 花は霧島 タバコは国分 燃えて上がるは桜島 波が煌(きら)めく 錦江湾 月も 月も 涙の城山に 忘れちゃならないその人は 姓は西郷 名は隆盛よ ヨイヤサ ヨイヤサ ハンヤ エー 生まれながらの よか青年(にせ)どんじゃて ヨイヤサ ヨイヤサ 人に好かれる 心の広さ 薩摩西郷どんは 世界の偉人 国の為なら 死ぬと言うた 明治維新の 先頭に 立って 立って進んだ 雄々しさよ 錦の御旗は 伊達じゃない 旧(ふる)い日本は 変えなきゃならぬ ヨイヤサ ヨイヤサ ハンヤ エー ハンヤぶし聴きゃァ 薩摩が恋しョ ヨイヤサ ヨイヤサ 夢は破れた 征韓論に 還(かえ)るふるさと 唯なつかしや 慕い集まる 四千人 遂に西南戦争は 明治 明治十年秋九月 散らした命は かえらねど 永久(とわ)に生きてる 大南州よ ヨイヤサ ヨイヤサ |
出世佐渡情話お国訛りを嗤われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古 泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話 佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇んで 若き男女のアー語り合い 晴れの舞台に七彩の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九厘 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙輝やく 金屏風 | 三波春夫 | 北村桃児 | 長津義司 | | お国訛りを嗤われて なんど楽屋で泣いたやら 浮かぶふるさと あの山小川 飾る錦が男の誓い 今宵 血を吐く寒稽古 泣いて別れたあの人に 熱い想いを通わせて 島の娘の黒髪恋し 唄うおけさも米若ぶしに 乗せて出世の 佐渡情話 佐渡へ佐渡へと草木もなびく 佐渡は居よいか住みよいか 唄で知られた 佐渡ヶ島 寄せては返す浪の音 立つや鴎か群千鳥 浜の小岩に佇んで 若き男女のアー語り合い 晴れの舞台に七彩の 夢を呼ぶよな名調子 恋の四十九厘 たらいの舟も 今は昔よ お光と吾作 涙輝やく 金屏風 |
忠太郎月夜辛い浮世の しがらみ格子 義理が情を 通せんぼ 姿やくざに 姿やくざに やつれていても 瞼はなれぬ 母の顔 「おかみさん- 二十年前番場の宿に置いていかれた、 あんたの伜、忠太郎でござんす。 よっく顔をみてやっておくんなさいまし。え、 それじゃ、覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい、 覚えがねえと- - - - - -」 来るじゃなかった 水熊横丁 筑波おろしが 身にしみる 責めちゃなるまい 責めちゃなるまい おふくろさんを これが親子の さだめなら 「そうだ今更ら恨んでみたって、どうにもならねえ、 こうやって上と下の瞼を合せりゃ 逢わねえ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくるんだ。 それでいい、逢いたくなったら、逢いたくなったら、 俺ァ瞼を つぶるんだ」 何処へ飛ぼうと 番場のからす 西も東も 風まかせ 浮世旅笠 浮世旅笠 幾山越えて 今日も瞼の 母と行く 「おっ母さん おっ母さん」 | 三波春夫 | 門井八郎 | 春川一夫 | | 辛い浮世の しがらみ格子 義理が情を 通せんぼ 姿やくざに 姿やくざに やつれていても 瞼はなれぬ 母の顔 「おかみさん- 二十年前番場の宿に置いていかれた、 あんたの伜、忠太郎でござんす。 よっく顔をみてやっておくんなさいまし。え、 それじゃ、覚えがねえとおっしゃるんでござんすかい、 覚えがねえと- - - - - -」 来るじゃなかった 水熊横丁 筑波おろしが 身にしみる 責めちゃなるまい 責めちゃなるまい おふくろさんを これが親子の さだめなら 「そうだ今更ら恨んでみたって、どうにもならねえ、 こうやって上と下の瞼を合せりゃ 逢わねえ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくるんだ。 それでいい、逢いたくなったら、逢いたくなったら、 俺ァ瞼を つぶるんだ」 何処へ飛ぼうと 番場のからす 西も東も 風まかせ 浮世旅笠 浮世旅笠 幾山越えて 今日も瞼の 母と行く 「おっ母さん おっ母さん」 |
富士山桜の花が 咲いている 旅立ちのとき 胸あつく 遥かな空に 虹かける 仰げばそこに 富士の山 逆巻く波が 打ち寄せる 真っ直ぐな道 曲り道 傷つくたびに 泣くたびに 「元気出せよ」と 富士の山 夕焼け雲が 燃えている ふるさとの山 光る河 父、母、幼友達の 歌が聞こえる 富士の山 白雪しんと 降りしきる さまざまなこと 思いだす 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 | 三波春夫 | 新井満 | 新井満 | 久米大作 | 桜の花が 咲いている 旅立ちのとき 胸あつく 遥かな空に 虹かける 仰げばそこに 富士の山 逆巻く波が 打ち寄せる 真っ直ぐな道 曲り道 傷つくたびに 泣くたびに 「元気出せよ」と 富士の山 夕焼け雲が 燃えている ふるさとの山 光る河 父、母、幼友達の 歌が聞こえる 富士の山 白雪しんと 降りしきる さまざまなこと 思いだす 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 「よくやったね」と微笑んで 春を夢見る 富士の山 |
恐竜音頭恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー(グーチョキパー) 遠い太古の時代にはいろんなお方が 生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ ティラノサウルス こちらにゃ タルボサウルス 右を向いても 左を向いても 直立歩行(ちょくりつほこう)の爬虫類(はちゅうるい) にぎやかですな (のしのしのしのし) のしのしのし 我がもの顔で大地を行けば そこで誰かが通せんぼ グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー (グーチョキ パー) そして6500万年 図鑑の中には生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ リストロサウルス こちらにゃ ディキノドン 前を向いても 後ろを向いても 進化するのは哺乳類(ほにゅうるい) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう (えらいわぁ) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー | 三波春夫 | 秋元康 | 三波春夫 | 仙波清彦・吉田智 | 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー(グーチョキパー) 遠い太古の時代にはいろんなお方が 生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ ティラノサウルス こちらにゃ タルボサウルス 右を向いても 左を向いても 直立歩行(ちょくりつほこう)の爬虫類(はちゅうるい) にぎやかですな (のしのしのしのし) のしのしのし 我がもの顔で大地を行けば そこで誰かが通せんぼ グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー (グーチョキ パー) そして6500万年 図鑑の中には生きとった (ソレソレソレソレ) あちらにゃ リストロサウルス こちらにゃ ディキノドン 前を向いても 後ろを向いても 進化するのは哺乳類(ほにゅうるい) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう (えらいわぁ) お見事ですな (のしのしのしのし) のしのしのし 俺らがここで 生きてた事を 化石に残して伝えよう グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー グーチョキ グーチョキ グーチョキ パー 恐竜音頭(きょうりゅうおんど)で グーチョキ パー |
百年桜ハァー 花か蝶々か春風さんか ハアヨイヨイトナー 袖にそよろと 舞いかかる ハア、ヨイショ 明治大正昭和の御代を かけて三代 日の本の ソレ 意気もうれしや 百年桜 咲いてかがやく 六十余州 シャシャントネー ハァー 笠の紅紐 横っちょで結び ハアヨイヨイトナー そろう姿で 総おどり ハア、ヨイショ 親は子を連れ 子は孫抱いて お家ますます 大繁昌 ソレ 祝えめでたと 手を打ちならしゃ 鶴も来て舞う わが家の空へ シャシャントネー ハァー 人に踏まれた 小草(おぐさ)でさえも ハアヨイヨイトナー やがて芽をふく 花ひらく ハア、ヨイショ つらい涙の 幾年月も すぎてしまえば 夢の夢 ソレ 打てや太鼓に 景気をそえて 海のむこうへ とどけとばかり シャシャントネー ハァー 梅が誘えば 桜が招く ハアヨイヨイトナー 黄菊白菊 勢ぞろい ハア、ヨイショ 明治このかた ことしでちょうど 星はめぐって 三代を ソレ 伸びて栄えた 百年桜 花よ実となれ 実よ花と咲け シャシャントネー | 三波春夫 | 宮田隆 | 長津義司 | | ハァー 花か蝶々か春風さんか ハアヨイヨイトナー 袖にそよろと 舞いかかる ハア、ヨイショ 明治大正昭和の御代を かけて三代 日の本の ソレ 意気もうれしや 百年桜 咲いてかがやく 六十余州 シャシャントネー ハァー 笠の紅紐 横っちょで結び ハアヨイヨイトナー そろう姿で 総おどり ハア、ヨイショ 親は子を連れ 子は孫抱いて お家ますます 大繁昌 ソレ 祝えめでたと 手を打ちならしゃ 鶴も来て舞う わが家の空へ シャシャントネー ハァー 人に踏まれた 小草(おぐさ)でさえも ハアヨイヨイトナー やがて芽をふく 花ひらく ハア、ヨイショ つらい涙の 幾年月も すぎてしまえば 夢の夢 ソレ 打てや太鼓に 景気をそえて 海のむこうへ とどけとばかり シャシャントネー ハァー 梅が誘えば 桜が招く ハアヨイヨイトナー 黄菊白菊 勢ぞろい ハア、ヨイショ 明治このかた ことしでちょうど 星はめぐって 三代を ソレ 伸びて栄えた 百年桜 花よ実となれ 実よ花と咲け シャシャントネー |
しんちゃん音頭 ~オラといっしょにおどろうよ!~さぁー みんなでおどりまくるぞー パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! 夢を咲かせる お子様は (あ、オラのこと?) いつも大きく 生きている (いやぁ それほどでも…) えらくなりな 強くなりなよ (なれば?) あんたにまかせた (ア~?) ニホンの未来 はぁ~ パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (しゅっぱつしんこう!ナスのおしんこ) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! いきでいなせな お子様の (ア~!エヘ~) 笑うかどには 福きたる (ア~そうともいう) ここ掘れワンワン ネコにはニャンニャン (じゃ、ウサギは?) ごほうびザグザク (ア~?) お茶の子サイサイ はぁ~ パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (ウーアミーゴ!!イェーイ) (よっしゃ もうひとおどりするゾー) パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! めでためでたの お子様は (ア~!オ~ イエ~イ) みんみんみんなの にんきもの (いゃー 照れるなー) 心意気は 天下一だぜ (オー イェー) あんたの出番だ お子様音頭はぁ~ パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! (オラもう 疲れた) | 三波春夫 | 加藤茂一 | おづたいりく・星野やすひこ | | さぁー みんなでおどりまくるぞー パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! 夢を咲かせる お子様は (あ、オラのこと?) いつも大きく 生きている (いやぁ それほどでも…) えらくなりな 強くなりなよ (なれば?) あんたにまかせた (ア~?) ニホンの未来 はぁ~ パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (しゅっぱつしんこう!ナスのおしんこ) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) (ア ソレ! ア ソレ! ア ソレソレソレ!) パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! いきでいなせな お子様の (ア~!エヘ~) 笑うかどには 福きたる (ア~そうともいう) ここ掘れワンワン ネコにはニャンニャン (じゃ、ウサギは?) ごほうびザグザク (ア~?) お茶の子サイサイ はぁ~ パァ~ッとうたいましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとわらいましょ ほほいのホイ! (ウーアミーゴ!!イェーイ) (よっしゃ もうひとおどりするゾー) パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! めでためでたの お子様は (ア~!オ~ イエ~イ) みんみんみんなの にんきもの (いゃー 照れるなー) 心意気は 天下一だぜ (オー イェー) あんたの出番だ お子様音頭はぁ~ パァ~ッとおどりましょ ドドンが DON! DON! パァ~ッとさわぎましょ ほほいのホイ! (オラもう 疲れた) |
大東京音頭人が輪になる (ソレ) 輪が花になる (ヨイサヨイサ) 江戸の残り香 ほのぼのとけて 通う心に 咲き残る (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 咲いて咲かせて いつまでも ソレいつまでも 明日のしあわせ (ソレ) 願いをこめて (ヨイサヨイサ) 伸びる地下鉄 高速道路 苦労なんかは 吹きとばせ (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) ご覧隅田の 水も澄む ソレ水も澄む 富士も見えます (ソレ) 筑波も見える (ヨイサヨイサ) むかし武蔵野 いまニュータウン ビルの林に 歌が湧く (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 月が笑顔で 今晩は ソレ今晩は 夢はひろがる (ソレ) 南へ西へ (ヨイサヨイサ) 文化日本の あこがれ乗せて 今日も空から 港から (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 行くぞ世界の 果てまでも ソレ果てまでも | 三波春夫 | 滝田常晴・補作詞:藤田まさと | 遠藤実 | | 人が輪になる (ソレ) 輪が花になる (ヨイサヨイサ) 江戸の残り香 ほのぼのとけて 通う心に 咲き残る (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 咲いて咲かせて いつまでも ソレいつまでも 明日のしあわせ (ソレ) 願いをこめて (ヨイサヨイサ) 伸びる地下鉄 高速道路 苦労なんかは 吹きとばせ (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) ご覧隅田の 水も澄む ソレ水も澄む 富士も見えます (ソレ) 筑波も見える (ヨイサヨイサ) むかし武蔵野 いまニュータウン ビルの林に 歌が湧く (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 月が笑顔で 今晩は ソレ今晩は 夢はひろがる (ソレ) 南へ西へ (ヨイサヨイサ) 文化日本の あこがれ乗せて 今日も空から 港から (ヨイショ) 東京東京 大東京 (サテ) 行くぞ世界の 果てまでも ソレ果てまでも |
男の峠道苦労六つに 喜び一つ 後の三つは 世間が決めた 男 五十の 峠道 越えて振り向きゃ お前の笑顔 よかったな よかったな お前と二人で よかったな 汗が六つに 根性一つ 後の三つは 運命に任せ 男 五十の 峠道 夢と涙を 背負って越えて よかったな よかったな お前と二人で よかったな 義理が六つに 身体が一つ 後の三つは 女房に借りた 男 五十の 峠道 恩と情けの 夕焼け雲に よかったな よかったな お前と二人で よかったな | 三波春夫 | 杉義也 | 三波春夫 | | 苦労六つに 喜び一つ 後の三つは 世間が決めた 男 五十の 峠道 越えて振り向きゃ お前の笑顔 よかったな よかったな お前と二人で よかったな 汗が六つに 根性一つ 後の三つは 運命に任せ 男 五十の 峠道 夢と涙を 背負って越えて よかったな よかったな お前と二人で よかったな 義理が六つに 身体が一つ 後の三つは 女房に借りた 男 五十の 峠道 恩と情けの 夕焼け雲に よかったな よかったな お前と二人で よかったな |
明日咲くつぼみに想い出の ふるさと 想い出の 人々 明日咲くつぼみよ 今日散る花びらよ 想い出の 笑顔よ 想い出の 涙よ 昨日 今日 明日 過去 現在 未来 時は還らず 世は移りゆく いつか別れの言葉 さようなら 想い出の あの町 想い出の あの人 明日咲くつぼみに 今日の生命を | 三波春夫 | 永六輔 | 久米大作 | 久米大作 | 想い出の ふるさと 想い出の 人々 明日咲くつぼみよ 今日散る花びらよ 想い出の 笑顔よ 想い出の 涙よ 昨日 今日 明日 過去 現在 未来 時は還らず 世は移りゆく いつか別れの言葉 さようなら 想い出の あの町 想い出の あの人 明日咲くつぼみに 今日の生命を |
鞍馬天狗の歌嵐うずまく 勤王佐幕 理想も夢も 誰のため 無駄に刃を 抜くじゃない どれほど刀が 切れようとも 切るに切られぬ 人ごころ ああー 鞍馬天狗の 声がする 菊が栄えて 葵は枯れる 時代の波が 呼んでいる 泣くな杉作 男なら 打て打て夜明けの 獅子太鼓 打てやひびけや 空高く ああー 鞍馬天狗の つるぎ風 風をつかんで 砂塵をまいて 駆けゆく駒は まっしぐら あれは疾風か まぼろしか 京洛の空は あかね雲 花の維新の 朝が来る ああー 鞍馬天狗の 夢がとぶ | 三波春夫 | 門井八郎 | 渡辺岳夫 | 渡辺岳夫 | 嵐うずまく 勤王佐幕 理想も夢も 誰のため 無駄に刃を 抜くじゃない どれほど刀が 切れようとも 切るに切られぬ 人ごころ ああー 鞍馬天狗の 声がする 菊が栄えて 葵は枯れる 時代の波が 呼んでいる 泣くな杉作 男なら 打て打て夜明けの 獅子太鼓 打てやひびけや 空高く ああー 鞍馬天狗の つるぎ風 風をつかんで 砂塵をまいて 駆けゆく駒は まっしぐら あれは疾風か まぼろしか 京洛の空は あかね雲 花の維新の 朝が来る ああー 鞍馬天狗の 夢がとぶ |
ルパン音頭オレはルパンだぞ ちょいとそこらの ドロちゃんや アタマ使わぬ バカなギャングとは くらべてもらっちゃこまる 日本国中 盗みとれ 世界の宝を 盗みとれ あした目がさめて ソレおどろくな ヤレおどろくな あゝ腰などぬかすなよ……ごきげんよう オレはルパンだぞ 霧のロンドン 花のパリ モンテカルロやイスタンブールにも 神出鬼没でござる いただきましょうか ピカソの絵 失敬しますよ 王冠を 電子ロックなど ソレちょちょいのちょい ヤレちょちょいのちょい あゝ今日また大成功……ごきげんよう オレはルパンだぞ 狙いつけたら ダイヤでも たとえ砂漠の でかいピラミッド 不可能など あるものか 細工は流々 そのあとは 仕上げをじっくり 御覧じろ たとえ軍隊が ソレ追いかけて ヤレとりかこみ あゝばくだん落としても……ごきげんよう オレはルパンだぞ ちょいとひと飛び 太平洋 ディスコディスコで 浮かれアメリカの ドギモをぬくのはいかが ゴールデン・ブリッジ盗みとれ 自由の女神を 盗みとれ やがておおさわぎ ソレかんらから ヤレイヒヒノヒ あゝたかみの見物で……ごきげんよう | 三波春夫 | モンキー・パンチ・補作詞:中山大三郎 | 大野雄二 | | オレはルパンだぞ ちょいとそこらの ドロちゃんや アタマ使わぬ バカなギャングとは くらべてもらっちゃこまる 日本国中 盗みとれ 世界の宝を 盗みとれ あした目がさめて ソレおどろくな ヤレおどろくな あゝ腰などぬかすなよ……ごきげんよう オレはルパンだぞ 霧のロンドン 花のパリ モンテカルロやイスタンブールにも 神出鬼没でござる いただきましょうか ピカソの絵 失敬しますよ 王冠を 電子ロックなど ソレちょちょいのちょい ヤレちょちょいのちょい あゝ今日また大成功……ごきげんよう オレはルパンだぞ 狙いつけたら ダイヤでも たとえ砂漠の でかいピラミッド 不可能など あるものか 細工は流々 そのあとは 仕上げをじっくり 御覧じろ たとえ軍隊が ソレ追いかけて ヤレとりかこみ あゝばくだん落としても……ごきげんよう オレはルパンだぞ ちょいとひと飛び 太平洋 ディスコディスコで 浮かれアメリカの ドギモをぬくのはいかが ゴールデン・ブリッジ盗みとれ 自由の女神を 盗みとれ やがておおさわぎ ソレかんらから ヤレイヒヒノヒ あゝたかみの見物で……ごきげんよう |
名月綾太郎ぶし芸道修行の 辛さより あかぬまなこは 尚辛い いとし女房の 三味線が 今日も壷坂 霊験記 泣いて語れと 泣いて語れと 背をうつ 妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ 頃は六月中の頃 夏とはいえど片田舎 木立の森も いと涼し 風が冷たく 身を責める まして俺らは 目無し鳥 知らぬ他国の 旅の宿 やせた女房の 手をとって 何度泣いたろ 何度泣いたろ 拝んだろ 夢の十年 ひとむかし お里沢市 壷坂の 語り文句を そのままに 今宵三すじの 糸の音も さえて心に さえて心に 返る春 | 三波春夫 | 藤田まさと | 長津義司 | | 芸道修行の 辛さより あかぬまなこは 尚辛い いとし女房の 三味線が 今日も壷坂 霊験記 泣いて語れと 泣いて語れと 背をうつ 妻は夫をいたわりつ 夫は妻に慕いつつ 頃は六月中の頃 夏とはいえど片田舎 木立の森も いと涼し 風が冷たく 身を責める まして俺らは 目無し鳥 知らぬ他国の 旅の宿 やせた女房の 手をとって 何度泣いたろ 何度泣いたろ 拝んだろ 夢の十年 ひとむかし お里沢市 壷坂の 語り文句を そのままに 今宵三すじの 糸の音も さえて心に さえて心に 返る春 |
旅笠道中春は世に出る 草木もあるに 阿呆鴉の 泣き別れ 連れに逸(はぐ)れた 一本刀(がたな) 旅はいつまで つづくやら 人のいのちと 空ゆく雲は どこで散るやら 果てるやら まして俺らは お天陽様(てんとさま)を 晴れて拝めぬ 罰(ばち)あたり 泣いて別れて 旅人さんの 足は重かろ さびしかろ 伊那の伊那ぶし 聞きたい時は 捨ててお出でよ 三度笠 | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | | 春は世に出る 草木もあるに 阿呆鴉の 泣き別れ 連れに逸(はぐ)れた 一本刀(がたな) 旅はいつまで つづくやら 人のいのちと 空ゆく雲は どこで散るやら 果てるやら まして俺らは お天陽様(てんとさま)を 晴れて拝めぬ 罰(ばち)あたり 泣いて別れて 旅人さんの 足は重かろ さびしかろ 伊那の伊那ぶし 聞きたい時は 捨ててお出でよ 三度笠 |
おまんた囃子東京のお方も ソレソレソレソレ 名古屋のお方も ソレソレソレソレ 浪花のお方も ソレソレソレソレ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた どこに居たとて 祭りの日には 帰らさっしゃれヨー 故郷(くに)の父母 あの祖父祖母(じじばば)も 指を折りつつ 待つほどに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 親の意見と茄子(なすび)の花は 千にひとつのヨー 無駄はないぞえ 聞いときなされ やがて実がなる 花が咲く みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 日本国中 ソレソレソレソレ 陽気に踊ろよ ソレソレソレソレ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 魚獲れたか 田んぼはどうじゃ 心結んでヨー 守るふるさと この山河よ 街の灯りも にぎやかに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 今宵うれしや 揃いの浴衣 好いた同志でヨー 誰に気兼も 何いるものか 弾む囃子に 身をのせて みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 北海道のお方も ソレソレソレソレ 四国のお方も ソレソレソレソレ 九州のお方も ソレソレソレソレ | 三波春夫 | 三波春夫 | 三波春夫 | | 東京のお方も ソレソレソレソレ 名古屋のお方も ソレソレソレソレ 浪花のお方も ソレソレソレソレ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた どこに居たとて 祭りの日には 帰らさっしゃれヨー 故郷(くに)の父母 あの祖父祖母(じじばば)も 指を折りつつ 待つほどに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 親の意見と茄子(なすび)の花は 千にひとつのヨー 無駄はないぞえ 聞いときなされ やがて実がなる 花が咲く みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 日本国中 ソレソレソレソレ 陽気に踊ろよ ソレソレソレソレ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 魚獲れたか 田んぼはどうじゃ 心結んでヨー 守るふるさと この山河よ 街の灯りも にぎやかに みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ おまんたー ソレソレソレソレ おまんた 今宵うれしや 揃いの浴衣 好いた同志でヨー 誰に気兼も 何いるものか 弾む囃子に 身をのせて みんなそろって おまんた囃子 サーテ サテサテサテサテサテナ 北海道のお方も ソレソレソレソレ 四国のお方も ソレソレソレソレ 九州のお方も ソレソレソレソレ |
桃太郎侍の歌ほのぼのと ほのぼのと 冷たい浮世に 灯をともす 一人の男 たくましい 後姿に どこのお方と 尋ねたら 俺の名前は 桃太郎 ほほえむ瞳が 涼しく光る ほのぼのと ほのぼのと 明けゆく 枯葉の街道を 一人の男 眉あげて 笠をかざして どこへゆくかと 尋ねたら 俺は地獄の 鬼退治 ほほえむ瞳に 朝日が赫い ほのぼのと ほのぼのと 女の胸に 灯をともす 一人の男 知らされた 花の命を 連れて行ってと 追いかけりゃ 雲の切れ間の 満月が ほほえむ瞳を 照らしてくれた | 三波春夫 | 三波春夫 | 平尾昌晃 | | ほのぼのと ほのぼのと 冷たい浮世に 灯をともす 一人の男 たくましい 後姿に どこのお方と 尋ねたら 俺の名前は 桃太郎 ほほえむ瞳が 涼しく光る ほのぼのと ほのぼのと 明けゆく 枯葉の街道を 一人の男 眉あげて 笠をかざして どこへゆくかと 尋ねたら 俺は地獄の 鬼退治 ほほえむ瞳に 朝日が赫い ほのぼのと ほのぼのと 女の胸に 灯をともす 一人の男 知らされた 花の命を 連れて行ってと 追いかけりゃ 雲の切れ間の 満月が ほほえむ瞳を 照らしてくれた |
世界の国からこんにちはこんにちは こんにちは 西のくにから こんにちは こんにちは 東のくにから こんにちは こんにちは 世界のひとが こんにちは こんにちは さくらの国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 月の宇宙へ こんにちは こんにちは 地球をとび出す こんにちは こんにちは 世界の夢が こんにちは こんにちは みどりの丘で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 笑顔あふれる こんにちは こんにちは 心のそこから こんにちは こんにちは 世界をむすぶ こんにちは こんにちは 日本の国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 握手をしよう | 三波春夫 | 島田陽子 | 中村八大 | 福島正二 | こんにちは こんにちは 西のくにから こんにちは こんにちは 東のくにから こんにちは こんにちは 世界のひとが こんにちは こんにちは さくらの国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 月の宇宙へ こんにちは こんにちは 地球をとび出す こんにちは こんにちは 世界の夢が こんにちは こんにちは みどりの丘で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 笑顔あふれる こんにちは こんにちは 心のそこから こんにちは こんにちは 世界をむすぶ こんにちは こんにちは 日本の国で 1970年の こんにちは こんにちは こんにちは 握手をしよう こんにちは こんにちは 握手をしよう |
元禄男の友情 立花左近忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近 松の並木の 灯がゆれて 今宵泊りは 鳴海の宿か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら (左近) 「何とこの宿に、立花左近が泊っている? 黙れ!! 吾こそは、まこと九條関白の名代として 江戸は、東叡山寛永寺に献上の品々を宰領して東へ下る、 立花左近じゃ。えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内を致せ」 音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を 足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖(ふすま) ハッと思わず立花が 目を見張すも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴(どもえ)じゃ おう、この人が内蔵之助 仇を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同志の胸の裡(うち) (左近) 「あゝ恐れ入りましてござりまする、 お名前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、此の目録はすでに拙者に要のない品、 関白殿下直筆のこの御書状をお持ちになれば、関所、 宿場も無事にお通りなさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇を討ち晴し、 あ、いや、いや、目出度く務を果たされまするよう お祈り致しておりますぞ」 罪を被(かぶ)って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭(な)いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る 時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の柚じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士の 意地と天下の政道を 正さんものと火と燃えて 打った山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞ゆる太鼓の音に 布団をけって立上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後一人 幡州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと | 三波春夫 | 北村桃児 | 佐藤川太 | | 忍ぶ姿の 哀れさに 真、武士なら 泣かずに居よか 時は元禄 ゆく春に 咲くも華なら 散るも華 男立花 名は左近 松の並木の 灯がゆれて 今宵泊りは 鳴海の宿か 夢は遥かな 江戸の空 めぐり合わせの 糸車 誰が解くやら つなぐやら (左近) 「何とこの宿に、立花左近が泊っている? 黙れ!! 吾こそは、まこと九條関白の名代として 江戸は、東叡山寛永寺に献上の品々を宰領して東へ下る、 立花左近じゃ。えゝッ、その曲者(くせもの)のもとへ案内を致せ」 音に名高き東海道 鳴海の宿の日暮れ時 本陣宿の玄関を 足音荒く踏み鳴らし 奥の座敷へ進みゆき ガラリと開けた大襖(ふすま) ハッと思わず立花が 目を見張すも無理じゃない 去年三月十四日 松の廊下の刃傷(にんじょう)で 家は断絶身は切腹 無念の涙のみながら 散った浅野の定紋が 荷物の上に掛けてあり 左近と名乗る曲者(くせもの)の 羽織の紋はありゃ確か二つ巴(どもえ)じゃ おう、この人が内蔵之助 仇を討つ日が近いのか 東下りの行列は 夜討ち道具を運ぶのか じっと見つめる立花左近 見返す大石内蔵之助 物は言わねど両の目に 滲む涙が万感の 想いとなってほとばしる 武士の辛さも哀れさも 知っていますぞ 男、同志の胸の裡(うち) (左近) 「あゝ恐れ入りましてござりまする、 お名前をかたりましたる罪はお許し下され。 さて、此の目録はすでに拙者に要のない品、 関白殿下直筆のこの御書状をお持ちになれば、関所、 宿場も無事にお通りなさるゝでござりましょう。 江戸へ下った暁は目指す仇を討ち晴し、 あ、いや、いや、目出度く務を果たされまするよう お祈り致しておりますぞ」 罪を被(かぶ)って 爽やかな 笑顔残して 去りゆく左近 哭(な)いて見送る 内蔵之助 庭の紅葉の 霜白く 月は明かるく 冴え渡る 時は来にけり十二月 十と四日の雪のよる 勇む四十七人が 目指すは本所吉良屋敷 山道だんだら火事羽織 白き木綿の柚じるし 山と川との合言葉 表門から二十と三人 裏門よりも二十と三人 総大将は内蔵之助 殿の無念と武士の 意地と天下の政道を 正さんものと火と燃えて 打った山鹿の陣太鼓 今は本所の侘住居(わびずまい) 貧乏ぐらしはしていても 心は錦の立花は 遠く聞ゆる太鼓の音に 布団をけって立上り 耳を澄ませて指を折り あれは確かに山鹿流 広い日本で打つ者は 松浦肥前の御隠居か 千坂兵部か後一人 幡州赤穂の大石じゃ 今宵はたしか十四日 さてこそ殿の命日に 討入りしたか内蔵之助 よくぞやったぞ 嬉しいぞ 膝を叩いてほめながら 哭いた左近の横顔に 雪が降ります ハラハラと 雪が降ります ハラハラと |
船方さんよ おーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を おーい船方さん 船方さんよ 昨夜一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ | 三波春夫 | 門井八郎 | 春川一夫 | | おーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を おーい船方さん 船方さんよ 昨夜一節 きかせたは 河原すゝきの つなぎ船 エンヤサーと 帆をあげ あとは白波 つれなかろ つれなかろ おーい船方さん 船方さんよ 月の出汐を 忘れずに 早寝千鳥を 起さずに エンヤサーと 流して 人目忍んで 来てお呉れ 来てお呉れ |
一本刀土俵入り 千両万両 積んだとて 銭(ぜに)じゃ買えない 人ごころ 受けた情の 数々に 上州子鴉 泣いて居ります 泣いて居ります この通り (セリフ) 「わしゃア姐さんのようないい人に、 めぐり逢ったのは初めてだ、 はい、はい、きっと成ります。 横綱になった姿を姐さんに見て貰います。 そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの 御墓の前で立派な土俵入りがしたい……。」 野暮な浮世の うら表 教えこまれて 一昔 夢でござんす なにもかも 角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の 今じゃ日蔭の 三度笠 「角力にゃなれず、やくざになって 尋ねて見りゃこの始末。 さァ、姐さん、この金持って、 早くお行きなせえまし。飛ぶにぁ今が汐時だ。 後はあっしが 引受けました。 さァ、早く 早く 行きなさいまし。 ああ、もし、お蔦さん。 親子三人、何時までも 仲良く御暮しなさんせ。 十年前に 櫛、笄、巾着ぐるみ、 意見を貰った 姐はんへ、 せめて見て貰う駒形の しがねぇ姿の 土俵入りでござんす。」 御恩返しの 真似ごとは 取手(とって)宿場の 仁義沙汰 御覧下され お蔦さん せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り 花の手数入り 土俵入り | 三波春夫 | 藤田まさと | 春川一夫 | 福島正二 | 千両万両 積んだとて 銭(ぜに)じゃ買えない 人ごころ 受けた情の 数々に 上州子鴉 泣いて居ります 泣いて居ります この通り (セリフ) 「わしゃア姐さんのようないい人に、 めぐり逢ったのは初めてだ、 はい、はい、きっと成ります。 横綱になった姿を姐さんに見て貰います。 そしてなア、わしゃ、死んだおっ母さんの 御墓の前で立派な土俵入りがしたい……。」 野暮な浮世の うら表 教えこまれて 一昔 夢でござんす なにもかも 角力(すもう)修業も 今じゃ日蔭の 今じゃ日蔭の 三度笠 「角力にゃなれず、やくざになって 尋ねて見りゃこの始末。 さァ、姐さん、この金持って、 早くお行きなせえまし。飛ぶにぁ今が汐時だ。 後はあっしが 引受けました。 さァ、早く 早く 行きなさいまし。 ああ、もし、お蔦さん。 親子三人、何時までも 仲良く御暮しなさんせ。 十年前に 櫛、笄、巾着ぐるみ、 意見を貰った 姐はんへ、 せめて見て貰う駒形の しがねぇ姿の 土俵入りでござんす。」 御恩返しの 真似ごとは 取手(とって)宿場の 仁義沙汰 御覧下され お蔦さん せめて茂兵衛の 花の手数(でず)入り 花の手数入り 土俵入り |
雪の渡り鳥 合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し 意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている はらい除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪 | 三波春夫 | 清水みのる | 陸奥明 | | 合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し 意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている はらい除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(どす) ぬけば白刃に 血の吹雪 |
東京五輪音頭 ハァー あの日ローマで ながめた月が ソレ トトントネ きょうは都の 空照らす ア チョイトネ 四年たったら また会いましょと かたい約束 夢じゃない ヨイショコーリャ 夢じゃない オリンピックの 顔と顔 ソレトトントトトント 顔と顔 ハァー 待ちに待ってた 世界の祭り ソレ トトントネ 西の国から 東から ア チョイトネ 北の空から 南の海も 越えて日本へ どんときた ヨイショコーリャ どんときた オリンピックの 晴れ姿 ソレトトントトトント 晴れ姿 ハァー 色もうれしや かぞえりゃ五つ ソレ トトントネ 仰ぐ旗みりゃ はずむ胸 ア チョイトネ すがた形は ちがっていても いずれおとらぬ 若い花 ヨイショコーリャ 若い花 オリンピックの 庭に咲く ソレトトントトトント 庭に咲く ハァー きみがはやせば わたしはおどる ソレ トトントネ 菊の香りの 秋の空 ア チョイトネ 羽をそろえて 拍手の音に とんでくるくる 赤とんぼ ヨイショコーリャ 赤とんぼ オリンピックの きょうのうた ソレトトントトトント きょうのうた | 三波春夫 | 宮田隆 | 古賀政男 | | ハァー あの日ローマで ながめた月が ソレ トトントネ きょうは都の 空照らす ア チョイトネ 四年たったら また会いましょと かたい約束 夢じゃない ヨイショコーリャ 夢じゃない オリンピックの 顔と顔 ソレトトントトトント 顔と顔 ハァー 待ちに待ってた 世界の祭り ソレ トトントネ 西の国から 東から ア チョイトネ 北の空から 南の海も 越えて日本へ どんときた ヨイショコーリャ どんときた オリンピックの 晴れ姿 ソレトトントトトント 晴れ姿 ハァー 色もうれしや かぞえりゃ五つ ソレ トトントネ 仰ぐ旗みりゃ はずむ胸 ア チョイトネ すがた形は ちがっていても いずれおとらぬ 若い花 ヨイショコーリャ 若い花 オリンピックの 庭に咲く ソレトトントトトント 庭に咲く ハァー きみがはやせば わたしはおどる ソレ トトントネ 菊の香りの 秋の空 ア チョイトネ 羽をそろえて 拍手の音に とんでくるくる 赤とんぼ ヨイショコーリャ 赤とんぼ オリンピックの きょうのうた ソレトトントトトント きょうのうた |
大利根無情 利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛(はけ) あかね雲 「佐原囃子が聴えてくらあ、想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」 義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪(なみだ)の 落し差し 「止めて下さるな、妙心殿。落ちぶれ果てても平手は 武士じゃ男の散りぎわは 知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」 瞼(まぶた)瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺 | 三波春夫 | 猪又良 | 長津義司 | | 利根の利根の川風 よしきりの 声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば 江戸へ江戸へひと刷毛(はけ) あかね雲 「佐原囃子が聴えてくらあ、想い出すなア…、 御玉ヶ池の千葉道場か、うふ…。 平手造酒も、今じゃやくざの用心棒、 人生裏街道の枯落葉か。」 義理の義理の夜風に さらされて 月よお前も 泣きたかろ こゝろみだれて 抜いたすすきを 奥歯で噛んだ 男男泪(なみだ)の 落し差し 「止めて下さるな、妙心殿。落ちぶれ果てても平手は 武士じゃ男の散りぎわは 知って居り申す、 行かねばならぬそこをどいて下され、 行かねばならぬのだ。」 瞼(まぶた)瞼ぬらして 大利根の 水に流した 夢いくつ 息をころして 地獄まいりの 冷酒のめば 鐘が鐘が鳴る鳴る 妙円寺 |
チャンチキおけさ 月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや 一人残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬ すまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる 故郷(くに)を出る時 もって来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ涙で 曇る月 | 三波春夫 | 門井八郎 | 長津義司 | | 月がわびしい 露地裏の 屋台の酒の ほろ苦さ 知らぬ同士が 小皿叩いて チャンチキおけさ おけさせつなや やるせなや 一人残した あの娘 達者で居てか おふくろは すまぬ すまぬと 詫びて今夜も チャンチキおけさ おけさ おけさで 身をせめる 故郷(くに)を出る時 もって来た 大きな夢を 盃に そっと浮べて もらす溜息 チャンチキおけさ おけさ涙で 曇る月 |
俵星玄蕃 槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜 姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残に 見ておけよ 俵崩の 極意の一と手 これが餞け 男の心 涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓 「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、 しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え「おう、正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ」 助太刀するは此の時ぞ、もしやその中にひるま別れたあのそば屋が 居りあわせぬか、名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢に身を固めて、段小倉の袴、股立ち高く取り上げし、 白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を蹴立てて行手は松阪町…」 「吉良の屋敷に来てみれば、今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助。 見つけて駆け寄る俵星が、天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は深き御恩はこの通り、厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有り難し、 かかる折りも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、サク、サクー、 『先生』『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、わしが教えたあの極意、 命惜しむな名おこそ惜しめ、立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。赤穂浪士に邪魔する奴は何人たりとも 通さんぞ、橋のたもとで石突き突いて、槍の玄蕃は仁王立ち…」 打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る | 三波春夫 | 北村桃児 | 長津義司 | | 槍は錆びても 此の名は錆びぬ 男玄蕃の 心意気 赤穂浪士の かげとなり 尽す誠は 槍一筋に 香る誉れの 元禄桜 姿そば屋に やつしてまでも 忍ぶ杉野よ せつなかろ 今宵名残に 見ておけよ 俵崩の 極意の一と手 これが餞け 男の心 涙をためて振り返る そば屋の姿を呼びとめて せめて名前を聞かせろよと 口まで出たがそうじゃない 云わぬが花よ人生は 逢うて別れる運命とか 思い直して俵星 独りしみじみ呑みながら 時を過ごした真夜中に 心隅田の川風を 流れてひびく勇ましさ 一打ち二打ち三流れ あれは確かに確かにあれは 山鹿流儀の陣太鼓 「時に元禄十五年十二月十四日、 江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀の陣太鼓、 しかも一打ち二打ち三流れ、思わずハッと立ち上がり、 耳を澄ませて太鼓を数え「おう、正しく赤穂浪士の討ち入りじゃ」 助太刀するは此の時ぞ、もしやその中にひるま別れたあのそば屋が 居りあわせぬか、名前はなんと今一度、 逢うて別れが告げたいものと、 けいこ襦袢に身を固めて、段小倉の袴、股立ち高く取り上げし、 白綾たたんで後ろ鉢巻眼のつる如く、なげしにかかるは先祖伝来、 俵弾正鍛えたる九尺の手槍を右の手に、 切戸を開けて一足表に出せば、 天は幽暗地は凱々たる白雪を蹴立てて行手は松阪町…」 「吉良の屋敷に来てみれば、今、討ち入りは真最中、 総大将の内蔵之助。 見つけて駆け寄る俵星が、天下無双のこの槍で、 お助太刀をば致そうぞ、 云われた時に大石は深き御恩はこの通り、厚く御礼を申します。 されども此処は此のままに、 槍を納めて御引上げ下さるならば有り難し、 かかる折りも一人の浪士が雪をけたてて サク、サク、サク、サク、サク、サクー、 『先生』『おうッ、そば屋か』 いや、いや、いや、いや、襟に書かれた名前こそ、 まことは杉野の十兵次殿、わしが教えたあの極意、 命惜しむな名おこそ惜しめ、立派な働き祈りますぞよ、 さらばさらばと右左。赤穂浪士に邪魔する奴は何人たりとも 通さんぞ、橋のたもとで石突き突いて、槍の玄蕃は仁王立ち…」 打てや響けや 山鹿の太鼓 月も夜空に 冴え渡る 夢と聞きつつ 両国の 橋のたもとで 雪ふみしめた 槍に玄蕃の 涙が光る |