王将  24曲中 1-24曲を表示

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曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
王将五木ひろし五木ひろし西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将桜井くみ子桜井くみ子西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる おいらの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も云わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出てゆくからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将島津亜矢島津亜矢西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将ちあきなおみちあきなおみ西條八十船村徹船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将天童よしみ天童よしみ西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将西方裕之西方裕之西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将氷川きよし氷川きよし西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将福田こうへい福田こうへい西條八十船村徹山田年秋吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将船村徹船村徹西條八十船村徹吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる おいらの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も云わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出てゆくからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将真山一郎真山一郎藤間哲郎桜田誠一西脇功露地に飛び出りゃ 夜空の星が 駒に見えるよ この目には 馬鹿よ阿呆と 言われても 将棋ばかりが なぜ止められぬ  「わいは今 女房や子供にわかれるか 将棋の駒にわかれるか ギリギリ結着のとこまで来てしもてるんや」  小春済まぬな 夫のために 愚痴もこぼさず 苦労する 浪花根性を 二人して 明日の勝負に かけよやないか 「今日の将棋はわてが勝ったんやない。 関根はんの方で負けてくれはったんや… 八年間なにくそなにくそと思もて来た 相手に勝ちながら ちっとも嬉しいことあらへん」 西の坂田と もてはやされて 行けばきびしい 茨道 どこにこころの 駒がある 神よ仏よ 教えておくれ
王将美空ひばり美空ひばり西條八十船村徹佐伯亮吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将PLATINA LYLIC村田英雄PLATINA LYLIC村田英雄西條八十船村徹安藤実親・佐伯亮吹けば飛ぶよな 将棋の駒に 賭けた命を 笑わば笑え うまれ浪花の 八百八橋 月も知ってる 俺らの意気地  あの手この手の 思案を胸に やぶれ長屋で 今年も暮れた 愚痴も言わずに 女房の小春 つくる笑顔が いじらしい  明日は東京に 出て行くからは なにがなんでも 勝たねばならぬ 空に灯がつく 通天閣に おれの闘志が また燃える
王将一代佐伯一郎佐伯一郎峰崎林二郎佐伯一郎伊戸のりおたった一寸 小さな駒に 男五尺の いのちを乗せる 浪速根性 どろんこ将棋 暴れ飛車だぞ 勇み角 意地を通して 泣かせた駒に 詫びる三吉 誰が知る  長屋暮らしの しがない身でも 何時か王将 夢みるふたり 冷えた小鍋の 豆腐のくずを 笑顔ですくう ああ小春 俺の宝は おまえと将棋 生きるつらさを かみしめる  星が流れる 東の空へ 明日は勝ちたい でっかい将棋 運は引き寄せ この手でつかめ 淀の流れが 渦を巻く 義理の重ね着 ずっしり重く 坂田三吉 月を見る
王将一代 小春しぐれ島津亜矢島津亜矢吉岡治市川昭介苦労かぞえりゃ 八十一の 桝目に風吹く 路地裏長屋 いまは歩だって いつかはと金 駒を握れば 眸(め)が生きる そんなあんたに 惚れてます  女房子どもを 泣かせた罰(ばち)は あの世でわたしが かわって受ける さしてください 気のすむように 将棋極道 えやないの そばに寄り添う 駒がいる  西の坂田に 東の関根 男の命を 茜に燃やす たとえ負けよと 日本一の あんたわたしの 王将と 小春三吉 めおと駒
王将一代 小春しぐれ大和さくら大和さくら吉岡治市川昭介苦労かぞえりゃ 八十一の 桝目に風吹く 路地裏長屋 いまは歩だって いつかはと金 駒を握れば 眸(め)が生きる そんなあんたに 惚れてます  女房子どもを 泣かせた罰(ばち)は あの世でわたしが かわって受ける さしてください 気のすむように 将棋極道 えやないの そばに寄り添う 駒がいる  西の坂田に 東の関根 男の命を 茜に燃やす たとえ負けよと 日本一の あんたわたしの 王将と 小春三吉 めおと駒
王将一代小春しぐれ 浪曲歌謡篇椎名佐千子椎名佐千子吉岡治市川昭介紅い灯青い灯通天閣の、此処は浪花の天王寺。 女房子どもを質入れしても、将棋さしたい阿呆なやつ。 貧乏手づまり千日手、それでも惚れてついてゆく、小春、三吉の物語‥‥。  苦労かぞえりゃ 八十一の 桝目に風吹く 路地裏長屋 いまは歩だって いつかはと金 駒を握れば 眸(め)が生きる そんなあんたに 惚れてます  「小春、ほんまに死ぬ気やったんか? …‥すまなんだ、わいはほんまに悪い亭主やった。 大阪の素人名人やらおだてられてのぼせていたんや。 もう今日から、一生将棋はささへん。 女房子どもにひもじいめさすようなこと、金輪際しやへん」 「あんた、つろうおっしゃろ。 あれだけ好きで好きでたまらん将棋をやめなはれ言うのが無理や…‥ おさしやす、おさしやす、かましまへんがな。 そのかわり、そのかわり、さすからには日本一の 将棋さしになって欲しい…」「小春……わい、今日から命がけや!」  空を仰いだ三吉の、背に回ってそっと拭く、頬の涙かはた露か、 小春しぐれを誰が知ろ…‥。  女房子どもを 泣かせた罰(ばち)は あの世でわたしが かわって受ける さしてください 気のすむように 将棋極道 えやないの そばに寄り添う 駒がいる  時は流れて幾星霜 天下に坂田の名があがる…‥。  「小春、わい勝ったで…‥ すぐ大阪に帰るさかい、死になや、死になや、死んだらあかんで、小春!」  西の坂田に 東の関根 男の命を 茜に燃やす たとえ負けよと 日本一の あんたわたしの 王将と 小春三吉 めおと駒
王将一代・小春しぐれ(浪曲歌謡編)神野美伽神野美伽吉岡治市川昭介紅い灯青い灯通天閣の、此処は浪花の天王寺。 女房子どもを質入れしても、将棋さしたい阿呆なやつ。 貧乏手づまり千日手、それで惚れてついてゆく、小春、三吉の物語…。  苦労かぞえりゃ 八十一の 桝目に風吹く 路地裏長屋 いまは歩だって いつかはと金 駒を握れば 眸(め)が生きる そんなあんたに 惚れてます  「小春、ほんまに死ぬ気やったんか?… すまなんだ、わいはほんまに悪い亭主やった。 大阪の素人名人やらおだてられてのぼせていたんや。 もう今日から、一生将棋はささへん。 女房子どもにひもじいめさすようなこと、 金輪際しやへんあんた、つろうおっしゃろ。 あれだけ好きで好きでたまらん将棋をやめなはれ言うんが無理や… おさしやす、おさしやす、 かましまへんがな。そのかわり、そのかわり、 さすからには日本一の将棋さしになって欲しい… 小春……わい、今日から命がけや!」  空を仰いだ三吉の、背に回ってそっと拭く、 頬の涙かはた露か、小春しぐれを誰が知ろ…。  女房子どもを 泣かせた罰(ばち)は あの世でわたしが かわって受ける さしてください 気のすむように 将棋極道 えやないの そばに寄り添う 駒がいる  時は流れて幾星霜 天下に坂田の名があがる…。  「小春、わい勝ったで…すぐ大阪へ帰るさかい、 死になや、死になや、死んだらあかんで、小春!」  西の坂田に 東の関根 男の命を 茜に燃やす たとえ負けよと 日本一の あんたわたしの 王将と 小春三吉 めおと駒
王将・夫婦駒石原裕次郎石原裕次郎大高ひさを野崎真一あばれ香車(やり)なら どろんこ桂馬(けいま) 乱れ角行(かく)なら むかい飛車(びしゃ) 坂田三吉 勝負にゃ泣かぬ 可愛い小春の ために泣く  駒を握らしゃ 将棋の鬼で 俥ひかせりゃ 甲斐性無(がしんたれ) こんな男の 情にひかれ 今朝も小春の やつれ髪  勝てば王将 負ければ歩(ひよこ) 浪花 東京の 勝負どこ 命二つを 一つに燃やす 俺と小春は 夫婦駒
王将物語渡辺要渡辺要水木れいじすがあきら池多孝春男一代 将棋の駒に 賭けた浪花の 八百八橋 西に名高い ド阿呆坂田 さんざ苦労の 桝目(ますめ)が命… ついて来るのか 女房の小春 尽す情(なさけ)の めおと駒  質に荷を足し 苦に苦をかさね―― それでも黙って ついて来る  [台詞] 小春、堪忍やで そのかわりなぁ… 日本一の将棋さしに なったろやないか!  駒に惚れたら 惚れ抜きなはれ 勝つか負けるか 根性ひとつ 愚痴もこぼさず 通天閣の 灯り見上げる 棟割(むねわ)り長屋… おまえいりゃこそ 思案を胸に 燃えてひと筋 勝負道(しょうぶみち)  あれが極道 将棋の虫と 他人(ひと)は指さす 路地裏ぐらし 明日(あす)の一番 意地でも勝って 笑う天下に 王手をかける… 生きて行(ゆ)こうな これから先も 惚れてみちづれ めおと旅
女の王将谷本知美谷本知美たかたかし岡千秋馬場良やってみなはれ 男の勝負 うちがあんたに ついている なんぼのもんや 東京が あんたの将棋は きっと勝つ 笑顔千両の 女房小春の 心意気  肩におもたい 暮らしの苦労 陰でささえる 女駒 男やないの 気ばってや 背中をたたいて 酒をつぐ 惚れて寄り添う 女房小春の 駒さばき  空に灯がつく 通天閣に 今日も男の 夢が飛ぶ 負けたらあかん 東京に 浪花の根性 見せてやり うちも勝負や 女房小春の 心意気 
小春王将三笠優子三笠優子石本美由起聖川湧勝つか負けるか 勝負の読みは 駒に聞いても わかるまい ひとりはあんたは 夜汽車にゆられ 水の浪花を 後にする うしろ姿に 手を合わす  俥ひく手に 握った駒は 盤を睨(にら)んで 鬼になる そんなあんたに 心底惚れて つくす私は 世話女房 どんな苦労も いとわない  一世一代 東京の舞台 見せてあげなよ 名勝負 いつもあんたは 小春の王将 たとえ負けても 悔いはない 坂田三吉 名は残る
至高の王将~三吉、小春の物語~2020年バージョン山口瑠美山口瑠美中里はる中里はる苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)板 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかとト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で‥‥」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ! ―あたいらがお母ちゃんといくのはかめへんけど、 残ったお父ちゃんどうすんの。お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、 お腹すいて死んでしまいはる、可哀想や。 ―‥‥て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや‥‥エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春。ワイは金輪際将棋は指さへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ケ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた、あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すからには日本一の将棋指しになりなはれや!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。 お母ちゃんだけやお父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」  「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「坂田さん。よく来て下さいました。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んな事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん‥‥」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが‥‥。」 「何や、オウオウ、電話か。オウ、玉江か。 何?小春が危篤やって?え、危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して! 早よ小春出してえな!小春、小春!何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん。死んだらあかんで。お前が死んだら、 わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。なあ死になや、 死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょい)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る
長編歌謡物語 至高の王将~三吉、小春の物語~山口瑠美山口瑠美中里はる中里はる苦労升目は八十一の 命削った端切(はぎれ)坂 女房子供にゃすまないけれど 退くに退けない端歩(はしほ)突き 将棋の鬼と世に謳われた 王将坂田三吉と女房小春の物語  千里飛び越す 飛車角も 合いの歩一つで 手が詰まる 胸突き八丁 棟割長屋 明日のあてない 暮らしでも いつかト金で 竜を斬る  「小春、生きとったんかあ!よかったよかった。ワイは心配で心配で…」 「あんた、わてがどないな気持ちで生き恥さらして帰ってきたんか、 分かりまっか?この子等の手引っ張って今宮はんの踏み切りに 飛び込もうとした時に、玉江と義雄が何て言うたか、 あんた知りはれしまへんやろ!−あたいらがお母ちゃんといくのは かめへんけど、残ったお父ちゃんはどうすんの。 お父ちゃんはご飯もよう炊かはらへんし、お腹すいて死んでしまいはる、 可哀想や。−……て、そんな事言うたんやで。」 「アア…堪忍や堪忍や、小春堪忍やで。ワイは目が覚めた。 勝負師や、素人名人やら言われてのぼせとったワイが悪かった。 ちょっと待ってや……エエイこんなもんこうしてやる。」 「アッ、何しはりまんねん。」 「かめへん、かめへんねん。小春、ワイはもう金輪際将棋は指せへん。 お前らに苦労はさせへんで。」 「あんた!」  闇に突き出た通天閣の 赤い灯青い灯瓦に反射(はね)て 寝返り打った三吉の 目に涙止め処なく 阿弥陀ヶ池の藤の茶屋 屈辱無念の千日手 何で忘れられようか そっと表に忍び出て 割れた板目を接(つ)いでみる  「あんた」 「アッ小春、何や今時分‥‥。」 「あんたは本真に将棋が好きなんやな。よっしゃ、かめしまへん。 そんな好きな将棋やったら思う存分指しなはれな。 今日からわてがあんたの面倒みますっさかいに。 それが女房の務めかも知れへん。せやけどな、その代わり、 将棋指すんやったら日本一の将棋指しになりなはれや!」 「わかったで小春、わいは日本一の将棋指しになったるで!」  過ぎにし春秋 幾星霜 将棋の鬼と身を化して 西の坂田三吉と 天下にその名が鳴り響く 桜花爛漫 春穏やかな 築地倶楽部の対局は 関根金次郎八段と 銀を泣かせた大勝負  「お父ちゃん、行ったらあかん。関根はんには何遍も勝ってんのに、 そやのに何でお母ちゃんがこんなときに あの人のお祝いに行かなあかんの!」 「玉江、お前には分からへん。お母ちゃんだけや お父ちゃんの気持ち分かってくれるのは。 小春やったら早よ行け言うて怒りよる。ほな、お父ちゃん行ってくるで。」 「関根はん、坂田でおます。十三世名人襲名お目出度うさんです。 お祝いに来ましたんや。」 「オウッ、坂田さんよく来て下さいました。有難う御座います。 私はあなたのその言葉がなによりも嬉しい。」 「わてもあんたには、色んなこ事教えてもろうたさかい。」 「イエイエ、私にとってあなた程恐い人はいなかった。 あなたこそ真の名人だと呼ばれるべきだ。」 「関根はん…」 「先生、大変だす。奥さんが、小春さんが…」 「何や電話か。小春がどうしたって。玉江か、エッ、小春が危篤やて、 危篤てなんやなんのこっちゃ。小春出して、早よ小春出してえな! 小春、小春、何や、何で返事せえへんねん。 死んだらあかん、死んだらあかんで。 お前が死んだら、わては明日からどうやって将棋指したらエエねん。 なあ死になや、死んだらあかんで、小春!」  貧乏十八番(おはこ)と 笑うて泣いて 苦労一生 背負(しょ)い込んだ 今池堀に 通天閣の 潤むネオンが 揺らぐ頃 み空に小春の 灯が点る
浪花の王将米倉ますみ米倉ますみ宮川ひろし宮川ひろし佐伯亮「貧乏がなんじゃい 世間のうわさがなんぼのもんじゃい あんたら坂田三吉 なめたらあかんで」  将棋一筋 男の道を ばかや あほうやと 嘲笑(わら)われながら 苦労しがらみ 笑顔にかくし 男値打ちを 信じてくれる 小春許せよ 浪花育ちの 男の意地を…  「勝てば官軍 負ければ賊軍 今度の王将戦は わいにとっては 一世一代の大勝負なんや… 小春 堪忍やで」  西の坂田か 東の関根 歩には歩なりの 人生(みち)がある 香車(やり)を使えば 日本一と あれが浪花の 三吉さんと 背なで指さす そんな日もくる 浪花の春が…  「神様たのむわ…あと三日 いや二日でええ わいの命 ちぢめてもかまへん 小春を助けてぇな 小春待っててや 死んだら 死んだらあかんで」  明日は東京へ 旅だつ俺に こころ残りは 小春の身体 見せてやりたい 男の舞台 夫婦さかずき たもとに入れて 小春死ぬなよ 坂田三吉 人生勝負…
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