昔物語あの頃いつもお前と俺と あの娘の三人は 酒を飲むのも授業の時も 旅をするのも一緒に居た 安保の年はわからぬくせに 人並にデモったりして 催涙ガスと水でぐしょぐしょの 顔で怒ったりもしていた キラキラしてたな俺たち 一所懸命だったな 貧しいけれども酒と音楽と 希望にはことかかなかった あの頃俺はあの娘がすきで あの娘はお前に惚れていて お前は別の女に夢中 そんな不思議な親友だった 覚えているか卒業間近の 大雪の降った日に 三人してヤケ酒を飲んで 泣きながら歌ったあの唄 あの晩俺はあの娘にふられ あの娘はお前にふられて お前は別の女にふられ 三人で慰め合った あれから十年が過ぎて 俺もお前も嫁を貰って あの娘はこの春二人目の こどもを産んだと聞いた 久し振りにこうしてお前に 手紙を書いたのは 今度東京へ出てゆく時に 一緒に飲もうと思って あの頃みたいに三人で 十年の時間持ち寄って 泣きながら歌えたらいいね 思い出のあの唄を 泣きながら歌えたらいいね 懐かしいあの唄を | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 服部克久 | あの頃いつもお前と俺と あの娘の三人は 酒を飲むのも授業の時も 旅をするのも一緒に居た 安保の年はわからぬくせに 人並にデモったりして 催涙ガスと水でぐしょぐしょの 顔で怒ったりもしていた キラキラしてたな俺たち 一所懸命だったな 貧しいけれども酒と音楽と 希望にはことかかなかった あの頃俺はあの娘がすきで あの娘はお前に惚れていて お前は別の女に夢中 そんな不思議な親友だった 覚えているか卒業間近の 大雪の降った日に 三人してヤケ酒を飲んで 泣きながら歌ったあの唄 あの晩俺はあの娘にふられ あの娘はお前にふられて お前は別の女にふられ 三人で慰め合った あれから十年が過ぎて 俺もお前も嫁を貰って あの娘はこの春二人目の こどもを産んだと聞いた 久し振りにこうしてお前に 手紙を書いたのは 今度東京へ出てゆく時に 一緒に飲もうと思って あの頃みたいに三人で 十年の時間持ち寄って 泣きながら歌えたらいいね 思い出のあの唄を 泣きながら歌えたらいいね 懐かしいあの唄を |
桜の樹の下で桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け 力があるなら力を出せ 知恵があるなら知恵を出せ お金があるならお金を出せ 何もないヤツは歌え ららららら ららららら みんなで歌え ららららら ららららら みんなで笑え 泣いて泣いて泣いたら笑え 笑って笑ったら怒れ 怒り疲れたら働け 働き疲れたら休め ららららら ららららら みんなで笑え 桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け 桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け 力があるなら力を出せ 知恵があるなら知恵を出せ お金があるならお金を出せ 何もないヤツは歌え ららららら ららららら みんなで歌え ららららら ららららら みんなで笑え 泣いて泣いて泣いたら笑え 笑って笑ったら怒れ 怒り疲れたら働け 働き疲れたら休め ららららら ららららら みんなで笑え 桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け 桜の樹の下に集まって みんなで最初からやり直そう 両手に余る悲しみを越えて みんなで最初から始めよう ららららら ららららら みんな働け |
ひまわり人は誰も 心に 花の種を 抱いて生きているんだよと あなたの口癖や声の響きが このごろとても恋しい 夢見て咲いているのなら 菫 密やかに咲くのなら 野菊 人を傷つけてしまう 紅い薔薇 散ってゆくのなら 桜 それから私に あんな風に咲けよと 指さした花は 一輪の ひまわり 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ ひと夏を力の限り 明るく咲く花 私はその時 本当にそんな風に 生きてゆきたいと 心から思った いつまでもあなたを愛していると あの日約束したでしょう はるかな時の流れを越えてまだ 約束を守ってます あなたと暮らした懐かしい町を 独り遠く離れて 海辺に色とりどりの花が咲く 風の街で 咲いてます 鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きていると 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ 一日を力の限り 明るく生きてる 鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きてる 背すじを伸ばして あなただけをみつめ 約束どおりに 明るく咲いてる | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 人は誰も 心に 花の種を 抱いて生きているんだよと あなたの口癖や声の響きが このごろとても恋しい 夢見て咲いているのなら 菫 密やかに咲くのなら 野菊 人を傷つけてしまう 紅い薔薇 散ってゆくのなら 桜 それから私に あんな風に咲けよと 指さした花は 一輪の ひまわり 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ ひと夏を力の限り 明るく咲く花 私はその時 本当にそんな風に 生きてゆきたいと 心から思った いつまでもあなたを愛していると あの日約束したでしょう はるかな時の流れを越えてまだ 約束を守ってます あなたと暮らした懐かしい町を 独り遠く離れて 海辺に色とりどりの花が咲く 風の街で 咲いてます 鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きていると 背すじを伸ばして 憧れだけをみつめ 一日を力の限り 明るく生きてる 鳥よあの人に 出会ったら伝えてよ ひまわりの様に 私は生きてる 背すじを伸ばして あなただけをみつめ 約束どおりに 明るく咲いてる |
8つ目の青春僕が先輩を尊敬している訳は 男は恋をしていればいつだって青春だぞと 幾度倒れてもきっぱりと言い切れる その明るさと強さ 先輩は既に7つの青春を散らして来たが その都度不屈の努力と勇気で立ち直るだけか みごとそれを自分のエネルギーにかえて 成長したのだった 最初の春が散った時 彼が涙こらえて手にしたのは オートバイのライセンス ふたつ目の春がこわれた日 彼がやけっぱちで手に入れたのが 自動車免許証 何故そっちに走ったのかは謎だが次々と 春を散らす度に大きな車に乗り替えて そんな訳で 7つ目の春が散った去年から 先輩は 2トン車に乗ってる ひどい照れ屋で無口で おせっかいで涙もろくて水虫だけど 気前がよく間抜けだが強くて優しい こんないかした男の魅力に誰も気づかないとは 女たちは ばかか 青春を没にしたあと いつも僕を用賀まで呼び 高速料金所のカード おじさんから無愛想に ひったくって あてどない傷心の旅に出るのが唯一悪いクセだった 先輩がついに8つ目の春に挑んだ相手は可愛ゆい 利口で優しいすてきな娘 今度こそはと 思わず僕はお百度参りに水ごり それとこっそり不安の旅支度 僕のそんな願いを 踏み散らかして 半年たたずに電話が来たよ あの場所で待てと 環8 午前5時 朝靄をけたてて やって来たのは 4トン車 処が何と助手席にちょこんと座ってるのは8つ目の 可愛ゆい青春ではないかいな 先輩はおでこぽりぽり 赤い顔して無愛想に言う そんな訳でよ ちょっと行ってくるからョ バンザイ やったね Vサインでも出してよ 料金所でカードも ひったくらずに済むもんね ちょいと 8つ目の青春 あんたは偉い 頼んだぜ 先輩をヨロシク バンザイ! さっそうと、でもないけど去りゆく 4トン車の背中に キッス投げて振り向けば ほんの少し寂しそうな僕の荷物越しに 蒲田方面から 朝の日射し | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 僕が先輩を尊敬している訳は 男は恋をしていればいつだって青春だぞと 幾度倒れてもきっぱりと言い切れる その明るさと強さ 先輩は既に7つの青春を散らして来たが その都度不屈の努力と勇気で立ち直るだけか みごとそれを自分のエネルギーにかえて 成長したのだった 最初の春が散った時 彼が涙こらえて手にしたのは オートバイのライセンス ふたつ目の春がこわれた日 彼がやけっぱちで手に入れたのが 自動車免許証 何故そっちに走ったのかは謎だが次々と 春を散らす度に大きな車に乗り替えて そんな訳で 7つ目の春が散った去年から 先輩は 2トン車に乗ってる ひどい照れ屋で無口で おせっかいで涙もろくて水虫だけど 気前がよく間抜けだが強くて優しい こんないかした男の魅力に誰も気づかないとは 女たちは ばかか 青春を没にしたあと いつも僕を用賀まで呼び 高速料金所のカード おじさんから無愛想に ひったくって あてどない傷心の旅に出るのが唯一悪いクセだった 先輩がついに8つ目の春に挑んだ相手は可愛ゆい 利口で優しいすてきな娘 今度こそはと 思わず僕はお百度参りに水ごり それとこっそり不安の旅支度 僕のそんな願いを 踏み散らかして 半年たたずに電話が来たよ あの場所で待てと 環8 午前5時 朝靄をけたてて やって来たのは 4トン車 処が何と助手席にちょこんと座ってるのは8つ目の 可愛ゆい青春ではないかいな 先輩はおでこぽりぽり 赤い顔して無愛想に言う そんな訳でよ ちょっと行ってくるからョ バンザイ やったね Vサインでも出してよ 料金所でカードも ひったくらずに済むもんね ちょいと 8つ目の青春 あんたは偉い 頼んだぜ 先輩をヨロシク バンザイ! さっそうと、でもないけど去りゆく 4トン車の背中に キッス投げて振り向けば ほんの少し寂しそうな僕の荷物越しに 蒲田方面から 朝の日射し |
好敵手子供の頃のお前と俺は 何ともキラキラした目をしてる 二人並んだ古いアルバムで エースと四番を争っていた 大人になって照れていたよ ときめくことや 夢見ることを も一度泥にまみれてみるか 疲れたなんて お前に恥ずかしい 負けるもんか 笑いとばせ 八番ライトもいなけりゃ困る 精一杯だ いいじゃないか 辛いってなんて 楽しいんだろう 辛いってなんて 楽しいんだろう 学生時代のお前と俺は 何だかドキドキした目をしてる 女なんてと粋がりながら あの娘の恋を争っていた 忘れていたよ幸せの 形なんて無いってことを 誰にも知れず ひと泣きしたら あとは野となれ山となれ 負けるもんか 笑いとばせ 元気でいるだけ立派なもんだ 一生懸命何が悪い 苦しいって なんて面白いんだろう 苦しいって なんて面白いんだろう 負けるもんか 笑いとばせ ありがとう 友よライバルよ 明日は明日の風よ吹け 辛いって なんて楽しいんだろう 辛いって なんて楽しいんだろう | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 石川鷹彦 | 子供の頃のお前と俺は 何ともキラキラした目をしてる 二人並んだ古いアルバムで エースと四番を争っていた 大人になって照れていたよ ときめくことや 夢見ることを も一度泥にまみれてみるか 疲れたなんて お前に恥ずかしい 負けるもんか 笑いとばせ 八番ライトもいなけりゃ困る 精一杯だ いいじゃないか 辛いってなんて 楽しいんだろう 辛いってなんて 楽しいんだろう 学生時代のお前と俺は 何だかドキドキした目をしてる 女なんてと粋がりながら あの娘の恋を争っていた 忘れていたよ幸せの 形なんて無いってことを 誰にも知れず ひと泣きしたら あとは野となれ山となれ 負けるもんか 笑いとばせ 元気でいるだけ立派なもんだ 一生懸命何が悪い 苦しいって なんて面白いんだろう 苦しいって なんて面白いんだろう 負けるもんか 笑いとばせ ありがとう 友よライバルよ 明日は明日の風よ吹け 辛いって なんて楽しいんだろう 辛いって なんて楽しいんだろう |
多情仏心誰がとばしたか竹蜻蛉 横風に追われて あなたとの愛みたいに うしろ向きに落ちた 誰がとばしたか シャボン玉 あき風に追われて あなたとの愛みたいに すぐはじけて消えた | さだまさし | さだまさし | さだまさし | | 誰がとばしたか竹蜻蛉 横風に追われて あなたとの愛みたいに うしろ向きに落ちた 誰がとばしたか シャボン玉 あき風に追われて あなたとの愛みたいに すぐはじけて消えた |
坂のある町海辺の坂のある町で 二人ある日出会った あなたは珈琲店の窓辺の陽だまりで 静かに海をみてた それから高台に登り 船の汽笛を聴いた あなたがいつかひとりで遠くへ行ってしまう その時そんな気がした びいどろ細工の指輪は 壊れ易いと分かっていても 好きなものは好きと思いたかった 今日の喜びと明日の悲しみを比べて 選びなおす程に 利口にだけはなりたくなかった そうして坂のある町で あなたを愛し始めた 青空 坂の上の雲 あなたの好きな風景 あなたがこの町を出て行くと決めた日は 季節の雨が降ってた 必ず迎えに来るから あなたのそんな言葉 嘘ではないけど決して本当でもないと その時そんな気がした びいどろ細工の知恵の輪を はずす時みたいなまなざしで あなた私をみつめてた 今日の悲しみと明日の希望をすりかえて 笑ってあげられる程 いつか利口になってしまってた 青空 坂の上の雲 独りで海をみてる | さだまさし | さだまさし | さだまさし | | 海辺の坂のある町で 二人ある日出会った あなたは珈琲店の窓辺の陽だまりで 静かに海をみてた それから高台に登り 船の汽笛を聴いた あなたがいつかひとりで遠くへ行ってしまう その時そんな気がした びいどろ細工の指輪は 壊れ易いと分かっていても 好きなものは好きと思いたかった 今日の喜びと明日の悲しみを比べて 選びなおす程に 利口にだけはなりたくなかった そうして坂のある町で あなたを愛し始めた 青空 坂の上の雲 あなたの好きな風景 あなたがこの町を出て行くと決めた日は 季節の雨が降ってた 必ず迎えに来るから あなたのそんな言葉 嘘ではないけど決して本当でもないと その時そんな気がした びいどろ細工の知恵の輪を はずす時みたいなまなざしで あなた私をみつめてた 今日の悲しみと明日の希望をすりかえて 笑ってあげられる程 いつか利口になってしまってた 青空 坂の上の雲 独りで海をみてる |
豆腐が街にやって来る木綿 絹ごし 油揚げ 生揚げ 焼豆腐 朧豆腐に胡麻豆腐 卯の花 がんもどき 血圧コレステロールを下げて動脈硬化に レシチン 記憶力を高め脳の老化の予防には コリン 活性酸素の抑制で成人病予防に サボニン 乳がん動脈硬化骨粗鬆症にはイソフラボノイド 骨粗鬆症って言いにくいぞ 素晴らしきかな愛しき我が豆腐 時空を超えた奇跡の食材よ おいしい豆腐が出来ましたので 容器を持って来て下さい 糖尿病の予防に トリプシンインヒビター 骨や歯やストレスにも良い カルシウム 脂肪代謝や脂肪肝にも効果がある レシチン 腸内にビフィズス菌を増やすオリゴ糖 おお どうもオリゴ糖! 完全無欠にして無敵の我が豆腐 宇宙はみな兄弟だ奇跡の和の心 おいしい豆腐が出来ましたので 容器を持って来て下さい 容器を持って 容器を持って 容器を出して 容器を出して 勇気を出して来て下さい お椀出せ 容器を持って 茶碗出せ 容器を持って お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 容器を出して 茶碗出せ 容器を出して お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 勇気を出して 茶碗出せ 勇気を出して お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 勇気を出して 茶碗出せ 勇気を出して お椀出せ茶碗出せ 木綿 絹ごし 油揚げ生揚げ 焼豆腐 朧豆腐に胡麻豆腐 卯の花 がんもどき | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 木綿 絹ごし 油揚げ 生揚げ 焼豆腐 朧豆腐に胡麻豆腐 卯の花 がんもどき 血圧コレステロールを下げて動脈硬化に レシチン 記憶力を高め脳の老化の予防には コリン 活性酸素の抑制で成人病予防に サボニン 乳がん動脈硬化骨粗鬆症にはイソフラボノイド 骨粗鬆症って言いにくいぞ 素晴らしきかな愛しき我が豆腐 時空を超えた奇跡の食材よ おいしい豆腐が出来ましたので 容器を持って来て下さい 糖尿病の予防に トリプシンインヒビター 骨や歯やストレスにも良い カルシウム 脂肪代謝や脂肪肝にも効果がある レシチン 腸内にビフィズス菌を増やすオリゴ糖 おお どうもオリゴ糖! 完全無欠にして無敵の我が豆腐 宇宙はみな兄弟だ奇跡の和の心 おいしい豆腐が出来ましたので 容器を持って来て下さい 容器を持って 容器を持って 容器を出して 容器を出して 勇気を出して来て下さい お椀出せ 容器を持って 茶碗出せ 容器を持って お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 容器を出して 茶碗出せ 容器を出して お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 勇気を出して 茶碗出せ 勇気を出して お椀出せ茶碗出せ お椀出せ 勇気を出して 茶碗出せ 勇気を出して お椀出せ茶碗出せ 木綿 絹ごし 油揚げ生揚げ 焼豆腐 朧豆腐に胡麻豆腐 卯の花 がんもどき |
思い出はゆりかごこうして目を閉ざせば いつでもあなたに遇える そうしてあなたの優しさ 数え乍ら生きてゆける 思い出というものは 泣き疲れて眠る時の 私にたったひとつ許された ゆりかごなの ゆらりゆらり揺れて 夢の行方たどる 楽しかった頃のあなたを も一度呼び戻せる どうしてなくす前に 気付かないものでしょう 余りに見慣れ過ぎて いつの間にか見失う 幸せというものは 丁度雨あがりの空に 立ち登る虹のふもとの 頼りなさに良く似ているわ ゆらりゆらり揺れて 夢の果てに出会う 追えば必ず遠ざかり すぐに消えてしまう ゆらりゆらり揺れて 夢の行方たどる | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | | こうして目を閉ざせば いつでもあなたに遇える そうしてあなたの優しさ 数え乍ら生きてゆける 思い出というものは 泣き疲れて眠る時の 私にたったひとつ許された ゆりかごなの ゆらりゆらり揺れて 夢の行方たどる 楽しかった頃のあなたを も一度呼び戻せる どうしてなくす前に 気付かないものでしょう 余りに見慣れ過ぎて いつの間にか見失う 幸せというものは 丁度雨あがりの空に 立ち登る虹のふもとの 頼りなさに良く似ているわ ゆらりゆらり揺れて 夢の果てに出会う 追えば必ず遠ざかり すぐに消えてしまう ゆらりゆらり揺れて 夢の行方たどる |
玻璃草子ぬばたまの君が黒髪の 褥に貸せるこの腕の 躰温も未ださめやらで 後朝の別離する 侘びぬれど 恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく 振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白 あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ 逢ひみての後の想ひこそ生命より深きものなれど 現世の人は生まれ来て果つるまでただひとり 足曳きの長き山道を君ひとりいかにか越ゆらむ 振り向けば君が振る腕に 散りまどう雪の白 あはれ君に降る雪は 玻璃細工の夢なりき 掌に落ちて とけもせず また積もるほど 降りもせず あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | ぬばたまの君が黒髪の 褥に貸せるこの腕の 躰温も未ださめやらで 後朝の別離する 侘びぬれど 恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく 振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白 あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ 逢ひみての後の想ひこそ生命より深きものなれど 現世の人は生まれ来て果つるまでただひとり 足曳きの長き山道を君ひとりいかにか越ゆらむ 振り向けば君が振る腕に 散りまどう雪の白 あはれ君に降る雪は 玻璃細工の夢なりき 掌に落ちて とけもせず また積もるほど 降りもせず あはれ君に咲く愛は 玻璃細工の花なりき 手折りなば 割れるいとしさよ その指を切る かなしさよ |
仰げば尊しあおげば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年 思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば 互いに睦みし 日頃の恩 別るる後にも やよ忘るな 身を立て名をあげ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば 朝夕なれにし 学びの窓 蛍のともしび つむ白雪 忘るるまぞなき ゆく年月 今こそ別れめ いざさらば | さだまさし | 不肖 | 不肖 | 渡辺俊幸 | あおげば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年 思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば 互いに睦みし 日頃の恩 別るる後にも やよ忘るな 身を立て名をあげ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば 朝夕なれにし 学びの窓 蛍のともしび つむ白雪 忘るるまぞなき ゆく年月 今こそ別れめ いざさらば |
短篇小説ささやかな嘘があなたから滲む 季節の替わり目に ふとこぼれたのですね 思い出の中はあたたかいですか 私はその人に よく似ているのですか 短篇小説の始まりの様に ガラス細工の言葉で 明日という文字をあなたの背中に いつもつづっていたのに 積み木細工みたいに つぎだらけの愛 思いあがりですか 幸福(しあわせ)と名づけるには 閉じて下さい できることなら 心の古地図と思い出の中の人 短篇小説のおしまいの様に ふいにつき落とさないで お願いあなたを思い出の人に どうぞしないで下さい どうぞしないで下さい | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | ささやかな嘘があなたから滲む 季節の替わり目に ふとこぼれたのですね 思い出の中はあたたかいですか 私はその人に よく似ているのですか 短篇小説の始まりの様に ガラス細工の言葉で 明日という文字をあなたの背中に いつもつづっていたのに 積み木細工みたいに つぎだらけの愛 思いあがりですか 幸福(しあわせ)と名づけるには 閉じて下さい できることなら 心の古地図と思い出の中の人 短篇小説のおしまいの様に ふいにつき落とさないで お願いあなたを思い出の人に どうぞしないで下さい どうぞしないで下さい |
まりこさん夜中に目が覚めたら まりこさんがベットの端に腰かけて 身づくろいをしていた 酒に張り倒されて 起きられない僕横目で笑ってビール もらうわと冷蔵庫あけて なみ・なみ・なみとグラスに注いで まるで薬あける様に飲み干して 大きなため息を 遠慮無しに吐いて それから下着姿でソファに腰かけて 身体のあちこちの 青アザやバンドエイドを数え乍ら さびしいと独白く お酒に酔えばいつも 必ずいくつかの傷をこさえるのよ みてよこんなに沢山 お湯を沸かす時に カップラーメン食べるつもりで火傷 それにガラスで切った指先 ほら・ほら・ほらとグラスをあおって 何か無理に流し込んでるみたいだ お酒やめればいいのに そんなに好きかときけば ふいに彼女は怒った様に吐きすてた 酒なんて大嫌いよ だけど男にひっかかるよりましね そうよ百倍は好きよ あんた幸福だから わからないのよあたしこれから何処へ 帰ると思うの 誰も待ってない部屋 灯り点けた時の淋しさあんたには 一生わからないわよ 酒・酒・酒友達などないわ 男と心中なんて死んでもいやだわ さみしいねお酒より 上手な嘘つきの 男に逢いたいわね 処であんた バンドエイド持ってない? 新しい傷が出来たと彼女は笑って 靴下をはいた | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 夜中に目が覚めたら まりこさんがベットの端に腰かけて 身づくろいをしていた 酒に張り倒されて 起きられない僕横目で笑ってビール もらうわと冷蔵庫あけて なみ・なみ・なみとグラスに注いで まるで薬あける様に飲み干して 大きなため息を 遠慮無しに吐いて それから下着姿でソファに腰かけて 身体のあちこちの 青アザやバンドエイドを数え乍ら さびしいと独白く お酒に酔えばいつも 必ずいくつかの傷をこさえるのよ みてよこんなに沢山 お湯を沸かす時に カップラーメン食べるつもりで火傷 それにガラスで切った指先 ほら・ほら・ほらとグラスをあおって 何か無理に流し込んでるみたいだ お酒やめればいいのに そんなに好きかときけば ふいに彼女は怒った様に吐きすてた 酒なんて大嫌いよ だけど男にひっかかるよりましね そうよ百倍は好きよ あんた幸福だから わからないのよあたしこれから何処へ 帰ると思うの 誰も待ってない部屋 灯り点けた時の淋しさあんたには 一生わからないわよ 酒・酒・酒友達などないわ 男と心中なんて死んでもいやだわ さみしいねお酒より 上手な嘘つきの 男に逢いたいわね 処であんた バンドエイド持ってない? 新しい傷が出来たと彼女は笑って 靴下をはいた |
博物館ひとつ目の部屋には 手首の傷が置いてある 若い頃に失くした 愛の形見として ふたつ目の部屋には 言葉を全部閉じ込めた 他人の心を いくつか殺した償いに 涙の数だけ 部屋を増やして 怒りの数だけ ドアを叩いて 流れゆく時のほとりで 哀しみ数え乍ら 思い出にするには 余りに重すぎるものや 忘れ去ってゆく程に 軽くもないものたち みっつ目の部屋には 失くした人の面影を 美術館のように 静かに並べてある よっつ目の部屋からは 明るい色で重ねたい あざなう縄の様に 幸せちりばめたい らせん階段昇り続けて 喜び悲しみ まわりつづけて 流れゆく時のほとりで せめて上を向いて そして最后の部屋は お前の為にあけてある 寂しいばかりでない 人生生きた証に 生きた証に | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 服部克久 | ひとつ目の部屋には 手首の傷が置いてある 若い頃に失くした 愛の形見として ふたつ目の部屋には 言葉を全部閉じ込めた 他人の心を いくつか殺した償いに 涙の数だけ 部屋を増やして 怒りの数だけ ドアを叩いて 流れゆく時のほとりで 哀しみ数え乍ら 思い出にするには 余りに重すぎるものや 忘れ去ってゆく程に 軽くもないものたち みっつ目の部屋には 失くした人の面影を 美術館のように 静かに並べてある よっつ目の部屋からは 明るい色で重ねたい あざなう縄の様に 幸せちりばめたい らせん階段昇り続けて 喜び悲しみ まわりつづけて 流れゆく時のほとりで せめて上を向いて そして最后の部屋は お前の為にあけてある 寂しいばかりでない 人生生きた証に 生きた証に |
窓病室の狭い窓から 街路樹の花咲く音が聞こえる 緑は音も立てずに ひと雨ごとに深まる 四角い窓の空へ あなたはため息ついた その切なげに曇る笑顔を 守りたいと思う ふるさとへ帰ろうか 寂し気に呟くけれど あなたと暮らす町が いつもわたしのふるさと マロニエの花の真白さと 生命(いのち)が目映いね あなた 一番辛いはずの あなたが笑ってるから 窓辺の花を変えよう 未来色のポピーに 少し窓を開けたら 春の鳥が聞こえた わたしで構わないなら ずっと離れないよ 希望よ舞い上がれ 高く高くもっと高く いつまでも側にいるよ 今までもこれからも 大丈夫ふたりの歩幅で 少しずつ歩こう 頑張りすぎないで でも決してあきらめないで 強い夢ならばきっと いつか必ず叶うから | さだまさし | さだまさし | 寺岡呼人 | 渡辺俊幸 | 病室の狭い窓から 街路樹の花咲く音が聞こえる 緑は音も立てずに ひと雨ごとに深まる 四角い窓の空へ あなたはため息ついた その切なげに曇る笑顔を 守りたいと思う ふるさとへ帰ろうか 寂し気に呟くけれど あなたと暮らす町が いつもわたしのふるさと マロニエの花の真白さと 生命(いのち)が目映いね あなた 一番辛いはずの あなたが笑ってるから 窓辺の花を変えよう 未来色のポピーに 少し窓を開けたら 春の鳥が聞こえた わたしで構わないなら ずっと離れないよ 希望よ舞い上がれ 高く高くもっと高く いつまでも側にいるよ 今までもこれからも 大丈夫ふたりの歩幅で 少しずつ歩こう 頑張りすぎないで でも決してあきらめないで 強い夢ならばきっと いつか必ず叶うから |
存在理由 ~Raison d'etre~あなたの無事を祈りながら 今日も一日が暮れてゆく ふとテレビのニュース速報 良い知らせばかりじゃないから 少しだけ不安に心が波立つよ もしも何かが起きてしまっても わたしは諦めないと思う どこかで誰かが傷つき どこかで誰かに救われ ささやかに生きているのだから あなたを護るために わたしに何が出来るだろう 迷いに迷う季節の中で わたしの存在理由は あなたの明日の 笑顔を曇らせぬように 神様は何故善悪の二つを わざわざ造り給うたのだろう せめてどちらかの一つに 決めてしまわれたのならば 誰も苦しまずに済んだろうか あなたを護るために わたしに何が出来るだろう 彷徨(さまよ)う時の流れの中で わたしの存在理由は あなたの未来の 笑顔が続きますように あなたを護るために わたしに何が出来るだろう あなたの無事を祈りながら 明日も一日が過ぎてゆく | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | あなたの無事を祈りながら 今日も一日が暮れてゆく ふとテレビのニュース速報 良い知らせばかりじゃないから 少しだけ不安に心が波立つよ もしも何かが起きてしまっても わたしは諦めないと思う どこかで誰かが傷つき どこかで誰かに救われ ささやかに生きているのだから あなたを護るために わたしに何が出来るだろう 迷いに迷う季節の中で わたしの存在理由は あなたの明日の 笑顔を曇らせぬように 神様は何故善悪の二つを わざわざ造り給うたのだろう せめてどちらかの一つに 決めてしまわれたのならば 誰も苦しまずに済んだろうか あなたを護るために わたしに何が出来るだろう 彷徨(さまよ)う時の流れの中で わたしの存在理由は あなたの未来の 笑顔が続きますように あなたを護るために わたしに何が出来るだろう あなたの無事を祈りながら 明日も一日が過ぎてゆく |
銀河鉄道の夜ふるさとを遠く離れ 振り返る幼き日々 遙かに霞む島影 懐かしき我が家 いつかまた巡り会える 恋し友よ初恋よ 老いしこの胸の果ての 忘れがたき人 星空を覚えている 降りしきる銀河の音 ほんとうのさいわいは どこにあるのだろう ふるさとは記憶の果て 微かに綻びつあり なれど思い出は尽きぬ 銀河鉄道の夜 いつかまた巡り会える 恋し友よ初恋よ 老いしこの胸の果ての 忘れがたき人 小さく君の名を呼ぶ 既に君は韃靼の 地平に沈む夕日に 巡り会えただろうか ふるさとは記憶の果て 微かに綻びつあり なれど思い出は尽きぬ 銀河鉄道の夜 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | ふるさとを遠く離れ 振り返る幼き日々 遙かに霞む島影 懐かしき我が家 いつかまた巡り会える 恋し友よ初恋よ 老いしこの胸の果ての 忘れがたき人 星空を覚えている 降りしきる銀河の音 ほんとうのさいわいは どこにあるのだろう ふるさとは記憶の果て 微かに綻びつあり なれど思い出は尽きぬ 銀河鉄道の夜 いつかまた巡り会える 恋し友よ初恋よ 老いしこの胸の果ての 忘れがたき人 小さく君の名を呼ぶ 既に君は韃靼の 地平に沈む夕日に 巡り会えただろうか ふるさとは記憶の果て 微かに綻びつあり なれど思い出は尽きぬ 銀河鉄道の夜 |
生きることの1/3生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来てるはずさ きっときっと生きることは そんな風なものなんだ 泣きすぎても 悔しすぎても 笑いすぎても きっといけないのだろう 1/3は何処まで行っても 割り切れることがないように 生きるということも 何処まで行っても 割り切れないのかな きっと人を愛しながら きっと人を憎みながら その手のひらに 最後に残る 1/3は きっと笑顔なんだろう 生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来ている | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来てるはずさ きっときっと生きることは そんな風なものなんだ 泣きすぎても 悔しすぎても 笑いすぎても きっといけないのだろう 1/3は何処まで行っても 割り切れることがないように 生きるということも 何処まで行っても 割り切れないのかな きっと人を愛しながら きっと人を憎みながら その手のひらに 最後に残る 1/3は きっと笑顔なんだろう 生きるということの 1/3は哀しみで出来ている 生きるということの 1/3は悔しさで出来ている 残りの1/3はね 笑うことで出来ている |
勇気を出して時折自分だけ不幸に思えてきたり 独りきりで生きている気がしたり よくあることだね 僕は そんな時思い出す言葉がある ずっと昔僕を愛してくれた人の 膝の上で聴いた言葉 鳥は高く空を飛べるけれど 決して海の深さを知らぬように 何処かで必ずあなたを愛している 人がいるから さあ 勇気を出して 捜してごらん 勇気を出して みつめてごらん 幸せはこころの中に住んでいるから 僕に 出来ることはほんの少しだけれど ほんの少しでも出来ることがある 君のために 君が 寂しい時はそばにいてあげよう どんな時にも君を信じていよう そして君を守ろう 山は高さを競わないけれど それぞれに頂きがあるように 僕はいつでも君の頂きに拡がる 青空でいよう さあ 勇気を出して 歩いてごらん 勇気を出して みつめてごらん 幸せはここにあるから 勇気を出して 捜してごらん 勇気を出して みつめてごらん 勇気を出して 歩いてごらん 勇気を出して みつめてごらん この道を信じよう この愛を | さだまさし | さだまさし | さだまさし | | 時折自分だけ不幸に思えてきたり 独りきりで生きている気がしたり よくあることだね 僕は そんな時思い出す言葉がある ずっと昔僕を愛してくれた人の 膝の上で聴いた言葉 鳥は高く空を飛べるけれど 決して海の深さを知らぬように 何処かで必ずあなたを愛している 人がいるから さあ 勇気を出して 捜してごらん 勇気を出して みつめてごらん 幸せはこころの中に住んでいるから 僕に 出来ることはほんの少しだけれど ほんの少しでも出来ることがある 君のために 君が 寂しい時はそばにいてあげよう どんな時にも君を信じていよう そして君を守ろう 山は高さを競わないけれど それぞれに頂きがあるように 僕はいつでも君の頂きに拡がる 青空でいよう さあ 勇気を出して 歩いてごらん 勇気を出して みつめてごらん 幸せはここにあるから 勇気を出して 捜してごらん 勇気を出して みつめてごらん 勇気を出して 歩いてごらん 勇気を出して みつめてごらん この道を信じよう この愛を |
住所録住所録を替える度 消さねばならない人がある 忘れるはずもない人を 忘れるために消してゆく 古いノォトを捨てたなら 想い出までも捨て去るようで 捨てたふりしてひきだしの 二度と開けない場所に置く 空で覚えたあの人の 住所と癖のある文字で 「元気ですか」とある日突然 手紙が届く 来るはずのない人からの 手紙の中身は知っている 自分で書いた戯れの 少し哀しい一人遊び 指が覚えたダイヤルを 夜中にそっと廻してる 昔の合図を忠実に守り 二度鳴らしてまたかけて 出てくれるはずもない人の 部屋で私のベルが鳴る それだけで胸が高鳴って 息を殺した一人遊び 出てくれるはずもない人が もしもふいに出た時には 間違えましたと 切ればいい 間違えましたと 切ればいい | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 服部克久 | 住所録を替える度 消さねばならない人がある 忘れるはずもない人を 忘れるために消してゆく 古いノォトを捨てたなら 想い出までも捨て去るようで 捨てたふりしてひきだしの 二度と開けない場所に置く 空で覚えたあの人の 住所と癖のある文字で 「元気ですか」とある日突然 手紙が届く 来るはずのない人からの 手紙の中身は知っている 自分で書いた戯れの 少し哀しい一人遊び 指が覚えたダイヤルを 夜中にそっと廻してる 昔の合図を忠実に守り 二度鳴らしてまたかけて 出てくれるはずもない人の 部屋で私のベルが鳴る それだけで胸が高鳴って 息を殺した一人遊び 出てくれるはずもない人が もしもふいに出た時には 間違えましたと 切ればいい 間違えましたと 切ればいい |
小夜曲あはれ宙空に 月影冴え 寂黙に染む 仄き片恋 其は遥けき 愛し人へ 実に幽けく 独奏ける小夜曲 今宵 淡き星に言伝てむ 寄る辺無き想ひを 聞こし召せ 我が心は 永遠に変らじ 其は遥けき 愛し人へ 実に幽けく 独奏ける小夜曲 | さだまさし | さだまさし | 服部克久 | 服部克久 | あはれ宙空に 月影冴え 寂黙に染む 仄き片恋 其は遥けき 愛し人へ 実に幽けく 独奏ける小夜曲 今宵 淡き星に言伝てむ 寄る辺無き想ひを 聞こし召せ 我が心は 永遠に変らじ 其は遥けき 愛し人へ 実に幽けく 独奏ける小夜曲 |
桐の花鈍色の空を 低く飛ぶ鳥が 短く啼いてゆきます 真昼の雨 遠くで季節のかわりゆく音を 独りきり聴いている午后 手紙を書きます 少しつらいです 離れて暮らしてる あなたが見えない 私元気です 本当は嘘です 書けない言葉を 読んでください 咲いてよいのか 枯れてよいのかわからない うらみがましい文字になるのがやるせない 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花 浅薄な色に やせてゆく心 あなたにはけして 見せたくない顔で カステラの色に 珈琲の湯気に いらだつ自分がせつない 例えばあなたに 裁かれるのなら 疑いもせずに うなずけるはずです 忘れていいです 今のは嘘です 抱きしめてください 嘘でもいいから 待てというなら 二千年でも待ちましょう 去れというなら 夕暮れ迄に消えましょう ひとことで かまわない 返事を ください 咲けというなら 二千年でも咲きましょう 散れというなら 夕暮れ迄に散りましょう 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 鈍色の空を 低く飛ぶ鳥が 短く啼いてゆきます 真昼の雨 遠くで季節のかわりゆく音を 独りきり聴いている午后 手紙を書きます 少しつらいです 離れて暮らしてる あなたが見えない 私元気です 本当は嘘です 書けない言葉を 読んでください 咲いてよいのか 枯れてよいのかわからない うらみがましい文字になるのがやるせない 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花 浅薄な色に やせてゆく心 あなたにはけして 見せたくない顔で カステラの色に 珈琲の湯気に いらだつ自分がせつない 例えばあなたに 裁かれるのなら 疑いもせずに うなずけるはずです 忘れていいです 今のは嘘です 抱きしめてください 嘘でもいいから 待てというなら 二千年でも待ちましょう 去れというなら 夕暮れ迄に消えましょう ひとことで かまわない 返事を ください 咲けというなら 二千年でも咲きましょう 散れというなら 夕暮れ迄に散りましょう 窓の外 宙高く 音もなく 桐の花 |
帰郷疲れた時 見る夢は 故郷の夢 家に着いて扉を開けて そこで目が覚める 幼い頃 庭で遊んだ 犬の夢も見る 若い頃の 父と母に とても会いたい 今も あの海は 青く澄んでいるか オリーブ色の風は 今日も吹いているか あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい 子供の頃 夕陽を追って 岬まで行った 帰り道が 遠すぎて 泣いた事がある 今でもまだ 思い出す 家の灯(あかり)の色 疲れた時 故郷の 言葉が聴きたい 今も あの空は 島の影を写し 鳥たちは白い船を かすめて飛んでいるか あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい | さだまさし | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 疲れた時 見る夢は 故郷の夢 家に着いて扉を開けて そこで目が覚める 幼い頃 庭で遊んだ 犬の夢も見る 若い頃の 父と母に とても会いたい 今も あの海は 青く澄んでいるか オリーブ色の風は 今日も吹いているか あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい 子供の頃 夕陽を追って 岬まで行った 帰り道が 遠すぎて 泣いた事がある 今でもまだ 思い出す 家の灯(あかり)の色 疲れた時 故郷の 言葉が聴きたい 今も あの空は 島の影を写し 鳥たちは白い船を かすめて飛んでいるか あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい あの海を渡って 故郷へ帰ろう 君の手を離さずに ずっと歩いてゆこう あの橋を渡って 故郷へ帰ろう 君は手を離さずに 僕についてくるかい |
軽井沢ホテル誰もいなくなった テニスコートにひとつ 忘れ去られたテニスボールひとつ まるであの日二人が置き去りにした 愛の様に折からの雨に打たれてた 部屋のぬくもりで曇った窓ガラスに ありもしない家の間取りを書いた 無邪気なあなたが あの日静かに ふと曇った僕の胸にサヨナラと書いた 軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた 失くしてから気付くものたちは かえらない分だけ悲しい あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ あなたは今頃 何処でこの歌を 聴いていてくれるだろうか あるいはそれとも 思い出すのも 辛くて耳を塞いでいるかしら 女は自分が不幸だと思った時に 別れた人を思い出すと聞いた それならばずっと あの愛のことは 思い出さずに居ることを 遠くで祈ってる 軽井沢ホテルの空から 雨の日は思い出が見える どれ程深く刻んだ恋も 時のしずくに けずられてゆく あゝ愛が哀しいのではなくて 自分の こころが哀しいのだ 軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 誰もいなくなった テニスコートにひとつ 忘れ去られたテニスボールひとつ まるであの日二人が置き去りにした 愛の様に折からの雨に打たれてた 部屋のぬくもりで曇った窓ガラスに ありもしない家の間取りを書いた 無邪気なあなたが あの日静かに ふと曇った僕の胸にサヨナラと書いた 軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた 失くしてから気付くものたちは かえらない分だけ悲しい あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ あなたは今頃 何処でこの歌を 聴いていてくれるだろうか あるいはそれとも 思い出すのも 辛くて耳を塞いでいるかしら 女は自分が不幸だと思った時に 別れた人を思い出すと聞いた それならばずっと あの愛のことは 思い出さずに居ることを 遠くで祈ってる 軽井沢ホテルの空から 雨の日は思い出が見える どれ程深く刻んだ恋も 時のしずくに けずられてゆく あゝ愛が哀しいのではなくて 自分の こころが哀しいのだ 軽井沢ホテルで別れた 白樺が霧に滲んで消えた あゝ忘れられないのではなくて あなたを 忘れたくないのだ |
雨の夜と淋しい午後は忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人は 季節はずれの薔薇のように 今も鮮やかに密やかに咲いてる たとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いた そのひとの泣き顔の ストップモーション おそらく あゝ 一杯のスープ分け合うような ささやかなぬくもり 求め合う恋だった 別れの理由を思い出せない あれ程 熱い恋も知らない その人が 仮に僕を忘れても あの恋を忘れることはないだろう たとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが 激しく抱きあっていた ストップモーション おそらく あゝ 傷つけ乍ら いたわりあった 哀しいくらい倖せな恋だった 忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人も どこかで僕のことを ふと こんな風に思い出すだろうか たとえば あゝ 雨の夜と淋しい午後は 甘く痛む恋の ストップモーション おそらく あゝ 君という名の愛しい花は 僕の中で もう枯れることはない あゝ 雨の夜と淋しい午後は 君という名の花が咲く季節(シーズン) あゝ 雨の夜と淋しい午後は…… | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 服部隆之 | 忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人は 季節はずれの薔薇のように 今も鮮やかに密やかに咲いてる たとえば あゝ 雨の中を濡れて歩いた そのひとの泣き顔の ストップモーション おそらく あゝ 一杯のスープ分け合うような ささやかなぬくもり 求め合う恋だった 別れの理由を思い出せない あれ程 熱い恋も知らない その人が 仮に僕を忘れても あの恋を忘れることはないだろう たとえば あゝ 雨の中で愛と憎しみが 激しく抱きあっていた ストップモーション おそらく あゝ 傷つけ乍ら いたわりあった 哀しいくらい倖せな恋だった 忘れられない ひとがいる 青春のきらめきの彼方に その人も どこかで僕のことを ふと こんな風に思い出すだろうか たとえば あゝ 雨の夜と淋しい午後は 甘く痛む恋の ストップモーション おそらく あゝ 君という名の愛しい花は 僕の中で もう枯れることはない あゝ 雨の夜と淋しい午後は 君という名の花が咲く季節(シーズン) あゝ 雨の夜と淋しい午後は…… |
向日葵の影送り火を焚く軒先に妹背鳥(せきれい)の 短く鳴いて庭を飛ぶ影 盂蘭盆会(うらぼんえ)精霊船の船溜まり 幼子の花火ゆらりと香る 折り懸けの灯籠白く仄めいて 在りし日の君の小さき写真 向日葵の花の僅かにうつむける 影を眺むる影に声なし 日の暮れのひかり朧に黒揚羽 船の舳先にひらり留まれり 爆竹に嗚咽のごとき声挙げて ひしめく船出別れの始め 生命とはかくも重しと知りながら 日々の軽さを悔やむ夕暮れ 港にて手を離したるその時に 永久(とわ)の別れを吟(うた)いしものを さようなら 声を限りのさようなら 振り仰ぐ夜空 鵲の橋 面影の君を背負いて明日から 生きてゆくから生きてゆくから さようなら 声を限りのさようなら 僕と出会ってくれて ありがとう | さだまさし | さだまさし | さだまさし | グレープ・渡辺俊幸 | 送り火を焚く軒先に妹背鳥(せきれい)の 短く鳴いて庭を飛ぶ影 盂蘭盆会(うらぼんえ)精霊船の船溜まり 幼子の花火ゆらりと香る 折り懸けの灯籠白く仄めいて 在りし日の君の小さき写真 向日葵の花の僅かにうつむける 影を眺むる影に声なし 日の暮れのひかり朧に黒揚羽 船の舳先にひらり留まれり 爆竹に嗚咽のごとき声挙げて ひしめく船出別れの始め 生命とはかくも重しと知りながら 日々の軽さを悔やむ夕暮れ 港にて手を離したるその時に 永久(とわ)の別れを吟(うた)いしものを さようなら 声を限りのさようなら 振り仰ぐ夜空 鵲の橋 面影の君を背負いて明日から 生きてゆくから生きてゆくから さようなら 声を限りのさようなら 僕と出会ってくれて ありがとう |
キーウから遠く離れて君は誰に向かって その銃を構えているの 気づきなさい君が撃つのは 君の自由と未来 力で生命を奪う事が出来たとしても 力で心を奪う事は決して出来ない わたしは君を撃たないけれど 戦車の前に立ち塞がるでしょう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに キーウから遠く離れた平和な町では 人はささやかに自分の生命を生きています 何も出来ずに悔し涙に暮れる生命があり 何が起きているかも知らずに生きる生命がある わたしは君を撃たないけれど 世界に生命の重さを歌おう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに 色とりどりに 色とりどりに | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 君は誰に向かって その銃を構えているの 気づきなさい君が撃つのは 君の自由と未来 力で生命を奪う事が出来たとしても 力で心を奪う事は決して出来ない わたしは君を撃たないけれど 戦車の前に立ち塞がるでしょう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに キーウから遠く離れた平和な町では 人はささやかに自分の生命を生きています 何も出来ずに悔し涙に暮れる生命があり 何が起きているかも知らずに生きる生命がある わたしは君を撃たないけれど 世界に生命の重さを歌おう ポケット一杯に花の種を詰めて 大きく両手を拡げて わたしが撃たれても その後にわたしが続くでしょう そしてその場所には きっと花が咲くでしょう 色とりどりに 色とりどりに 色とりどりに |
初恋通学バスが止まる坂道を少し降りたら 小さな公園があったでしょう あの頃の私はあなたに声もかけられず そこであなたの通るのを見てた 好きとつぶやくだけで 胸が張り裂けそうで 大きな桜の樹に そっと ささやいてた あの人よ あの人よ 誰かにもらったあなたの写真に 音もなく 降りしきった 桜の花 花 花びら 初恋はそうして季節の花とともに いつしか消えてしまったけど つらい時も私のこの胸の中で咲いて 時折悲しみを支えてくれた あなたは何も知らずに 何処かで幸せですか 大きな桜の樹は 今年 公園と一緒に消えたけど あなたの写真の中では今も その腕をひろげて 桜の花 花 咲いてる あなたの写真の中では今も 音もなく 降りしきる 桜の花 花 花びら | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 通学バスが止まる坂道を少し降りたら 小さな公園があったでしょう あの頃の私はあなたに声もかけられず そこであなたの通るのを見てた 好きとつぶやくだけで 胸が張り裂けそうで 大きな桜の樹に そっと ささやいてた あの人よ あの人よ 誰かにもらったあなたの写真に 音もなく 降りしきった 桜の花 花 花びら 初恋はそうして季節の花とともに いつしか消えてしまったけど つらい時も私のこの胸の中で咲いて 時折悲しみを支えてくれた あなたは何も知らずに 何処かで幸せですか 大きな桜の樹は 今年 公園と一緒に消えたけど あなたの写真の中では今も その腕をひろげて 桜の花 花 咲いてる あなたの写真の中では今も 音もなく 降りしきる 桜の花 花 花びら |
手紙あなたの夢見ました とても悲しそうでした 胸の痛みで目覚めて 窓辺の花に救われた 春の曙 夏の青空 秋の白菊 冬の風 色とりどりの 景色の中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「さびしい」と 会えば言葉になりません 会うだけで幸せだから それで手紙を書いたら もっと言葉にならなかった 春の朝焼け 夏の海風 秋の山の彩 冬の温もり 色様々の 暮らしの中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「恋しい」と 色様々の 暮らしの中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「恋しい」と 手紙をください ひとこと「会いたい」と | さだまさし | さだまさし | 照屋林賢 | 倉田信雄 | あなたの夢見ました とても悲しそうでした 胸の痛みで目覚めて 窓辺の花に救われた 春の曙 夏の青空 秋の白菊 冬の風 色とりどりの 景色の中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「さびしい」と 会えば言葉になりません 会うだけで幸せだから それで手紙を書いたら もっと言葉にならなかった 春の朝焼け 夏の海風 秋の山の彩 冬の温もり 色様々の 暮らしの中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「恋しい」と 色様々の 暮らしの中で いつでもあなたを 遠くで想っているのです 手紙をください ひとこと「恋しい」と 手紙をください ひとこと「会いたい」と |
望郷故郷 母の生まれた町 はじめて 人を愛した町 はじめて 人を怨んだ町 はじめて 人と別れた町 傷つく度に 苦しむ毎に 遠く離れる程に 喜びにつけ 悲しみにつけ この魂が還りたがる 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き …… 故郷 故郷 友を育てた町 選ばぬことばで話せる町 涙も笑いもここで知った それから 歩くことも覚えた 夢見て破れ 恋して溺れ 裏切り また裏切られ 知らず知らずに 汚れるこの身 恥じ乍らも唄う この唄 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き 傷つく度に 苦しむ毎に 遠く離れる程に 喜びにつけ 悲しみにつけ この魂が 還りたがる 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き …… 故郷 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | | 故郷 母の生まれた町 はじめて 人を愛した町 はじめて 人を怨んだ町 はじめて 人と別れた町 傷つく度に 苦しむ毎に 遠く離れる程に 喜びにつけ 悲しみにつけ この魂が還りたがる 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き …… 故郷 故郷 友を育てた町 選ばぬことばで話せる町 涙も笑いもここで知った それから 歩くことも覚えた 夢見て破れ 恋して溺れ 裏切り また裏切られ 知らず知らずに 汚れるこの身 恥じ乍らも唄う この唄 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き 傷つく度に 苦しむ毎に 遠く離れる程に 喜びにつけ 悲しみにつけ この魂が 還りたがる 故郷 はるかなり 故郷 忘れ難き …… 故郷 |
春雷はじめは小さな雲だった それが少しずつ拡がって やがて大空を埋め尽くして いま春の嵐 嘘なら嘘で許せる つかねばならない時もある 誰かを傷つけたにしても 知らずにだったら仕方もない 悲しいのはお前の胸 悲しい人達みたいに 薄い愛で重ね着して 心は凍えてるのに 稲妻が空を切り裂けば 黒雲は胸を圧しつぶせ 季節よ果てろ 時よ流れろ 心吹きとばせ 自分さえもだまして生きられる おまえの心がわからない 女が女でなくなれば 男は男でいられない 例えるなら女は枝 例えるなら男は花 おまえは美しく枯れてゆけ 僕は美しく散ってゆく | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | はじめは小さな雲だった それが少しずつ拡がって やがて大空を埋め尽くして いま春の嵐 嘘なら嘘で許せる つかねばならない時もある 誰かを傷つけたにしても 知らずにだったら仕方もない 悲しいのはお前の胸 悲しい人達みたいに 薄い愛で重ね着して 心は凍えてるのに 稲妻が空を切り裂けば 黒雲は胸を圧しつぶせ 季節よ果てろ 時よ流れろ 心吹きとばせ 自分さえもだまして生きられる おまえの心がわからない 女が女でなくなれば 男は男でいられない 例えるなら女は枝 例えるなら男は花 おまえは美しく枯れてゆけ 僕は美しく散ってゆく |
いつも君の味方ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 支えていてくれて ありがとう 愛してくれて たった一人で生まれてきて それから たった一度の人生 不安だらけで歩いてた 独りきりじゃないよって君の笑顔が 孤独から僕を救い出してくれた あの空の高さ海の青さに初めて 気づいたときに 僕は自分が生まれてきたことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう もしも生まれた意味があるというなら きっと誰かを支えるため生まれてきた もっと強くもっと優しくなりたい 君を守って僕が生きてゆくために この夢の高さ愛の広さに初めて 気づいたときに 人は心で生きると言うことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう ありがとう ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | さだまさし | ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 支えていてくれて ありがとう 愛してくれて たった一人で生まれてきて それから たった一度の人生 不安だらけで歩いてた 独りきりじゃないよって君の笑顔が 孤独から僕を救い出してくれた あの空の高さ海の青さに初めて 気づいたときに 僕は自分が生まれてきたことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう ありがとう ありがとう ありがとう もしも生まれた意味があるというなら きっと誰かを支えるため生まれてきた もっと強くもっと優しくなりたい 君を守って僕が生きてゆくために この夢の高さ愛の広さに初めて 気づいたときに 人は心で生きると言うことに 初めて感謝を捧げた 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう 巡り会ってくれて ありがとう 元気でいてくれて ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方 ありがとう ありがとう ありがとう 忘れないで 僕はいつも君の味方 |
桜月夜桜月夜の二年坂 薄紅色の風の中 祇園あたりははなやいで 酔人達の歌の中 藍の浴衣の君の手を ひいて人混みさけながら 枝垂れ桜を抱くように 月に隠れて君を抱く 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 世に永遠のないように 儚き夢は風の中 花見小路のきらめきも いにしえ人の歌の中 紅い花緒の塗り下駄の 音も消される東山 せめて一夜の恋にだけ 溺れていたい春の夜 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど | さだまさし | 谷村新司 | さだまさし | 渡辺俊幸 | 桜月夜の二年坂 薄紅色の風の中 祇園あたりははなやいで 酔人達の歌の中 藍の浴衣の君の手を ひいて人混みさけながら 枝垂れ桜を抱くように 月に隠れて君を抱く 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 世に永遠のないように 儚き夢は風の中 花見小路のきらめきも いにしえ人の歌の中 紅い花緒の塗り下駄の 音も消される東山 せめて一夜の恋にだけ 溺れていたい春の夜 見えるものより見えないものを 求めつづけた二人なら 明日もなければ過去もない 今宵限りがふさわしい 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど 咲け爛漫の桜花 月の光をかくすほど 散れ爛漫の桜花 月の光に溶けるほど |
銀杏散りやまず春未だ浅き如月の 望月の頃君逝けり 来たれば還る生命にて 何ぞ悲しむ事やある あの戦いを終へし折 我をば共に誘ひて 君が故郷に帰りしが 我が青春の始めにて 思へば君が妹の 吾が子の母となりてより 兄弟の契りもて 爾来(じらい)過ごせし半世紀 共に誇りし不器用の 生活(くらし)は楽にあらねども 吾俺(わいおい)のまた管鮑(かんぽう)の 友よ君の名を呼べば 桜 散りやまず 春風 黄砂 舞いやまず 我が涙 流れてやまず 桜 散りやまず 奇しくも八月十五日 君の御影を吾が子らと 精霊船に花火もて 送る事とは思はざり 君旅立ちし港より 敬礼をもて老兵の 送りし心届きしや 君終戦を迎へしや 時待たずして秋となり 我のみ歳を加へたり 未だ独り我戦場に 立つ老木の心地なり 共に笑ひし不器用の 青春遥か遠けれど 嗚呼 兄弟よ君の名を 誇りもて語る時 銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が思ひ あふれてやまず 銀杏 散りやまず 銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が涙 あふれてやまず 銀杏 散りやまず | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 春未だ浅き如月の 望月の頃君逝けり 来たれば還る生命にて 何ぞ悲しむ事やある あの戦いを終へし折 我をば共に誘ひて 君が故郷に帰りしが 我が青春の始めにて 思へば君が妹の 吾が子の母となりてより 兄弟の契りもて 爾来(じらい)過ごせし半世紀 共に誇りし不器用の 生活(くらし)は楽にあらねども 吾俺(わいおい)のまた管鮑(かんぽう)の 友よ君の名を呼べば 桜 散りやまず 春風 黄砂 舞いやまず 我が涙 流れてやまず 桜 散りやまず 奇しくも八月十五日 君の御影を吾が子らと 精霊船に花火もて 送る事とは思はざり 君旅立ちし港より 敬礼をもて老兵の 送りし心届きしや 君終戦を迎へしや 時待たずして秋となり 我のみ歳を加へたり 未だ独り我戦場に 立つ老木の心地なり 共に笑ひし不器用の 青春遥か遠けれど 嗚呼 兄弟よ君の名を 誇りもて語る時 銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が思ひ あふれてやまず 銀杏 散りやまず 銀杏 散りやまず 秋風 紅葉 舞いやまず 我が涙 あふれてやまず 銀杏 散りやまず |
月蝕あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々の 送り囃子か 速神楽 遙かな山際の雲間には 稲妻かまさか流星か 今宵群れなす人々と あなたを送る 舟を出す 出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか ああ 暗闇散りばめた 舟を曳く 涙隠して 舟を押す 花火にまぎれて名を呼べば 思い出すのは 笑顔ばかり 振り仰げば夜空には赤い月 今宵月蝕の月明かり 翳れば満ちてゆく理も わたしの胸は ああ 出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々を 呼ぶ声遙か 夢祭 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々の 送り囃子か 速神楽 遙かな山際の雲間には 稲妻かまさか流星か 今宵群れなす人々と あなたを送る 舟を出す 出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか ああ 暗闇散りばめた 舟を曳く 涙隠して 舟を押す 花火にまぎれて名を呼べば 思い出すのは 笑顔ばかり 振り仰げば夜空には赤い月 今宵月蝕の月明かり 翳れば満ちてゆく理も わたしの胸は ああ 出会えば別れ行く運命にしても 余りに短きは この生命 心重ねた一瞬の時の重さを 「愛」と呼ぶのか あなたを奪い去る 舟が行く 二度と帰らない 舟が逝く 微かな夜風に 神々を 呼ぶ声遙か 夢祭 |
息子へ ~父からの風~お前はいくつも 大切な事を 選べないで生まれて来た 時代も国も 場所も名前も あげくは親さえも 親がこうなので 顔も頭も 余り期待はしないがいい 血筋がああだから 才能の方も まずはあきらめろ 強く明るく優しくたくましく それが何より一番 それが何より 駄目な親に 恵まれたのだから よりによってここへ来たのだから それともお前は 全て承知の上で ここを選んでくれたのだろうか 落ち着きのない子だと 言われて育つだろう 俺がそうだった 受験も一度くらい 失敗するだろう 俺がそうだった きっと女には 結構もてるだろう 俺がそうだったかな 借金なんかも するかもしれない 俺も親父もそうだった 愛する人と別れる苦しみや 憎しみという切ない苦しみや 生きることは辛く恥ずかしいことと お前も少しずつ覚えてゆくだろう 生まれて来た以上 いつか消えてゆくのだ それも選んだのだよ 誰の真似でもなく お前はお前らしく お前の空を飛べ たったひとつの お前の生命 輝けばそれでいい どちらかを選ぶなら 傷つける人よりも 傷つく人に 騙す人よりも 騙される人に その方がずっといい 生きてゆくのは 楽しいぞ 辛いけど 辛い時こそ 胸を張れ 前を見ろ いつか愛する人が出来たなら お前の勇気で包み込んでやれ 喜びの種をまけ 幸せの花が咲く どこかに味方はいる お前はひとりじゃない 父は いつでも お前の味方だよ おたんじょう おめでとう | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | お前はいくつも 大切な事を 選べないで生まれて来た 時代も国も 場所も名前も あげくは親さえも 親がこうなので 顔も頭も 余り期待はしないがいい 血筋がああだから 才能の方も まずはあきらめろ 強く明るく優しくたくましく それが何より一番 それが何より 駄目な親に 恵まれたのだから よりによってここへ来たのだから それともお前は 全て承知の上で ここを選んでくれたのだろうか 落ち着きのない子だと 言われて育つだろう 俺がそうだった 受験も一度くらい 失敗するだろう 俺がそうだった きっと女には 結構もてるだろう 俺がそうだったかな 借金なんかも するかもしれない 俺も親父もそうだった 愛する人と別れる苦しみや 憎しみという切ない苦しみや 生きることは辛く恥ずかしいことと お前も少しずつ覚えてゆくだろう 生まれて来た以上 いつか消えてゆくのだ それも選んだのだよ 誰の真似でもなく お前はお前らしく お前の空を飛べ たったひとつの お前の生命 輝けばそれでいい どちらかを選ぶなら 傷つける人よりも 傷つく人に 騙す人よりも 騙される人に その方がずっといい 生きてゆくのは 楽しいぞ 辛いけど 辛い時こそ 胸を張れ 前を見ろ いつか愛する人が出来たなら お前の勇気で包み込んでやれ 喜びの種をまけ 幸せの花が咲く どこかに味方はいる お前はひとりじゃない 父は いつでも お前の味方だよ おたんじょう おめでとう |
八ヶ岳に立つ野ウサギ諏訪湖を渡る風は もう春の匂いがします 元気ですか 今日も君は 何処かで歌っているのでしょう 六斗川沿いの 桜はまだまだ遠いね 今朝ほど診療所に来る鶯が やっと地鳴きを始めたところ 悪い風邪が流行り 実は僕も移されてね 看護婦に注射して貰い 僻地の患者を回っている 一昨日の夜中のこと 山二つ越えた村まで 呼び出されたら僕の方が 熱が高かった これは笑えるだろう? 都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生命について あるいは心について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ 診療室の壁は 相変わらず美術館 下手くそだけど子供達の 愛と真心で溢れてる みんな大きくなって いつかこの町離れて まるで僕だけ一人廃校に 取り残された教師のようだよ 花の季節が過ぎ 短い夏が去って 秋になりすぐにまた 白い冬がやって来る 僻地の子供達や 老人の笑顔に 背中を押されて小さな医者は 今日も一所懸命に歩いています 都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生活(くらし)について あるいは涙について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ 君の歌に出てくる ライオンには ほど遠いけれど 心が健康であるように 誇りを忘れないように 今日からは 「八ヶ岳に立つ野ウサギ」と 自分で名乗ることにしたんだ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 諏訪湖を渡る風は もう春の匂いがします 元気ですか 今日も君は 何処かで歌っているのでしょう 六斗川沿いの 桜はまだまだ遠いね 今朝ほど診療所に来る鶯が やっと地鳴きを始めたところ 悪い風邪が流行り 実は僕も移されてね 看護婦に注射して貰い 僻地の患者を回っている 一昨日の夜中のこと 山二つ越えた村まで 呼び出されたら僕の方が 熱が高かった これは笑えるだろう? 都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生命について あるいは心について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ 診療室の壁は 相変わらず美術館 下手くそだけど子供達の 愛と真心で溢れてる みんな大きくなって いつかこの町離れて まるで僕だけ一人廃校に 取り残された教師のようだよ 花の季節が過ぎ 短い夏が去って 秋になりすぐにまた 白い冬がやって来る 僻地の子供達や 老人の笑顔に 背中を押されて小さな医者は 今日も一所懸命に歩いています 都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生活(くらし)について あるいは涙について 切ないようでそれぞれ美しい ひとつひとつの生命の重さ 君の歌に出てくる ライオンには ほど遠いけれど 心が健康であるように 誇りを忘れないように 今日からは 「八ヶ岳に立つ野ウサギ」と 自分で名乗ることにしたんだ |
立ち止まった素描画別れたんだってね彼とまるであっけなく 僕との時の様に君から云い出して 一寸買物に出かける様な調子で ふらりと部屋を出て来たに決まってる いい加減に『幸せ』の奴と 妥協してみたらどうなんだ 忘れちゃいけないもし君が 地図にない町を捜したきゃ 初めに地図が必要だって事 君と僕で前に一度 身に浸みたはずなのに君は スケッチ・ブックに素描画だけ済ませたら 色付けの前に投げ出すくり返し 確かにこの世はとても虚しい事だらけ だからといって投げていいものだろうか 僕も偉そうに云えた義理じゃないけれど 優しいくせに悪ぶるのはお止し 走り疲れたらお歩き 歩き疲れたらお休み やがて休み疲れたなら どうせまた走りたくなるさ ファッションだけでは語り尽くせない 君も僕もひとつふたつ それなりの夢がある 多分 人生って奴はかなしいよね でもごらん よく見りゃまんざら捨てたもんじゃない | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 別れたんだってね彼とまるであっけなく 僕との時の様に君から云い出して 一寸買物に出かける様な調子で ふらりと部屋を出て来たに決まってる いい加減に『幸せ』の奴と 妥協してみたらどうなんだ 忘れちゃいけないもし君が 地図にない町を捜したきゃ 初めに地図が必要だって事 君と僕で前に一度 身に浸みたはずなのに君は スケッチ・ブックに素描画だけ済ませたら 色付けの前に投げ出すくり返し 確かにこの世はとても虚しい事だらけ だからといって投げていいものだろうか 僕も偉そうに云えた義理じゃないけれど 優しいくせに悪ぶるのはお止し 走り疲れたらお歩き 歩き疲れたらお休み やがて休み疲れたなら どうせまた走りたくなるさ ファッションだけでは語り尽くせない 君も僕もひとつふたつ それなりの夢がある 多分 人生って奴はかなしいよね でもごらん よく見りゃまんざら捨てたもんじゃない |
きみのとなりにたとえば青信号を渡る少年が 事故に遭うことがある あんなに頑張ってるのに 酷い目に遭う人がいる 辛い思いをしている人ばかりが 辛い目に遭うようで みんな 「不公平」という言葉を じっと呑み込んでる 善人がついうっかり悪事に手を染めたり 悪人が何故かふらり善いことをしたり 笑っちゃうくらい 今を生きてる 悲しいくらい 必死に生きてる 切ないくらい 今を生きてる 大嫌いな人も 大好きなきみも きみはあの時何故生き残ったのだろうと ため息をつくけれど おそらくきみにはまだ 為すべき何かがあるのだろう 今日は確かに昨日の 続きだけど明日が 決して今日の続きじゃない筈さ 笑っちゃうくらい 僕も生きてる 悲しい今日を 必死に生きてる 切ないくらい きみを想ってる きみも誰かを 想っているのかな 笑っちゃうくらい 今を生きてる 悲しいくらい 必死に生きてる 切ないくらい 今を生きてる 大嫌いな僕も 大好きなきみも ラララララ… 大好きなきみへ | さだまさし | ナオト=マサシ・インティライミ | ナオト=マサシ・インティライミ | 大久保薫・ナオト・インティライミ | たとえば青信号を渡る少年が 事故に遭うことがある あんなに頑張ってるのに 酷い目に遭う人がいる 辛い思いをしている人ばかりが 辛い目に遭うようで みんな 「不公平」という言葉を じっと呑み込んでる 善人がついうっかり悪事に手を染めたり 悪人が何故かふらり善いことをしたり 笑っちゃうくらい 今を生きてる 悲しいくらい 必死に生きてる 切ないくらい 今を生きてる 大嫌いな人も 大好きなきみも きみはあの時何故生き残ったのだろうと ため息をつくけれど おそらくきみにはまだ 為すべき何かがあるのだろう 今日は確かに昨日の 続きだけど明日が 決して今日の続きじゃない筈さ 笑っちゃうくらい 僕も生きてる 悲しい今日を 必死に生きてる 切ないくらい きみを想ってる きみも誰かを 想っているのかな 笑っちゃうくらい 今を生きてる 悲しいくらい 必死に生きてる 切ないくらい 今を生きてる 大嫌いな僕も 大好きなきみも ラララララ… 大好きなきみへ |
檸檬(アルバムVer.)或の日湯島聖堂の白い石の階段に腰かけて 君は陽溜まりの中へ盗んだ檸檬細い手でかざす それを暫くみつめた後で きれいねと云った後で齧る 指のすきまから蒼い空に 金糸雀色の風が舞う 喰べかけの檸檬聖橋から放る 快速電車の赤い色がそれとすれ違う 川面に波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 捨て去る時には こうして出来るだけ 遠くへ投げ上げるものよ 君はスクランブル交差点斜めに渡り 乍ら不意に涙ぐんで まるでこの町は青春達の姥捨山みたいだという ねェほらそこにもここにも かつて使い棄てられた愛が落ちてる 時の流れという名の鳩が舞い下りて それをついばんでいる 喰べかけの夢を聖橋 から放る 各駅停車の檸檬色がそれをかみくだく 二人の波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 消え去る時には こうして出来るだけ 静かに堕ちてゆくものよ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | | 或の日湯島聖堂の白い石の階段に腰かけて 君は陽溜まりの中へ盗んだ檸檬細い手でかざす それを暫くみつめた後で きれいねと云った後で齧る 指のすきまから蒼い空に 金糸雀色の風が舞う 喰べかけの檸檬聖橋から放る 快速電車の赤い色がそれとすれ違う 川面に波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 捨て去る時には こうして出来るだけ 遠くへ投げ上げるものよ 君はスクランブル交差点斜めに渡り 乍ら不意に涙ぐんで まるでこの町は青春達の姥捨山みたいだという ねェほらそこにもここにも かつて使い棄てられた愛が落ちてる 時の流れという名の鳩が舞い下りて それをついばんでいる 喰べかけの夢を聖橋 から放る 各駅停車の檸檬色がそれをかみくだく 二人の波紋の拡がり数えたあと 小さな溜息混じりに振り返り 消え去る時には こうして出来るだけ 静かに堕ちてゆくものよ |
ありがとう小さな物語を 愛しく抱きしめて 君は美しい故郷で 生きてる それはささやかな 祈りにも似ている 川の清らかな 流れにも似ている 多くを望みもせず 望みを捨てもせず めぐり来る明日を 穏やかに見ている それは健やかな 子供にも似ている いつもきらめいた 瞳には青空 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい さざめく鳥の声を 窓辺に散りばめて 朝日のびやかに 枕辺に日だまり 君のやわらかな 一日は始まる 辛いことは全て 夜の闇に 埋めて 優しさを誇りもせず 優しさに流されもせず めぐり来る季節は いつも君の友達 海は海の色に 山は山の色に 君は君の色に 床しき 故郷 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 君がそれを幸せというなら 永遠に守ってあげたい ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 小さな物語を 愛しく抱きしめて 君は美しい故郷で 生きてる それはささやかな 祈りにも似ている 川の清らかな 流れにも似ている 多くを望みもせず 望みを捨てもせず めぐり来る明日を 穏やかに見ている それは健やかな 子供にも似ている いつもきらめいた 瞳には青空 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい さざめく鳥の声を 窓辺に散りばめて 朝日のびやかに 枕辺に日だまり 君のやわらかな 一日は始まる 辛いことは全て 夜の闇に 埋めて 優しさを誇りもせず 優しさに流されもせず めぐり来る季節は いつも君の友達 海は海の色に 山は山の色に 君は君の色に 床しき 故郷 ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 君がそれを幸せというなら 永遠に守ってあげたい ありがとう美しき人 ありがとう美しき町 それを平和と呼んでいいなら 君を守ってあげたい |
かすてぃら昭和の頃ふるさとを離れ 随分未来まで来たもんだ 手に入れたものと失ったものと 一体どちらが多いんだろう いつの間にか得体の知れない 生き物に変身しちまったようで 捨ててはいけないものと 捨てなきゃいけないものの 境目がぼやけちまった 母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら 青空にかざしてみたら 涙こぼれて味がわからなかった 子供の頃天まで届いた 東京タワーが小さく見えた 僕は大きくなったのか それとも小さくなったのか ライトアップが目に染みる 押上までこっそり出掛けて スカイツリーを見上げた時に 嬉しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合って 「東京」って小さく呟いた 父が大好きだった かすてぃら一切れ ふるさとに透かしてみたら 涙こぼれて少し塩っぽかったな 母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら いつの間にか遠い未来に 僕は辿り着いてしまったようだ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 昭和の頃ふるさとを離れ 随分未来まで来たもんだ 手に入れたものと失ったものと 一体どちらが多いんだろう いつの間にか得体の知れない 生き物に変身しちまったようで 捨ててはいけないものと 捨てなきゃいけないものの 境目がぼやけちまった 母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら 青空にかざしてみたら 涙こぼれて味がわからなかった 子供の頃天まで届いた 東京タワーが小さく見えた 僕は大きくなったのか それとも小さくなったのか ライトアップが目に染みる 押上までこっそり出掛けて スカイツリーを見上げた時に 嬉しい気持ちと切ない気持ちが混ざり合って 「東京」って小さく呟いた 父が大好きだった かすてぃら一切れ ふるさとに透かしてみたら 涙こぼれて少し塩っぽかったな 母がふと送ってくれた 五三焼のかすてぃら いつの間にか遠い未来に 僕は辿り着いてしまったようだ |
虹の木空港の長い回廊を 君の肩さえ抱けずに 途切れ途切れの言葉で 時はゆく 28番ゲート 折りから風に吹かれて散る 虹の木の花びらが まるで遠くで雨の降る如く キラキラと光ってた 「逢わなければ」と僕が 何気なく独白けば 「逢えたから」と君は 小さな声でさえ切り乍ら あふれる涙拭いもせずに それでも眩しそうに笑った そしてお互いが想い出とすれ違うのを みつめあっている 足早に去る僕の背中に君の声「ALOHA MAHALO」 ふり返ればまだ君はそこに居て ちぎれる程 手を振る タべタンタロスの丘でみつめた ホノルル・シティ・ライツそれから 君の髪に咲いたプルメリア 風に揺れる「月下美人草」 そしてミシェルの窓辺に寄り添い 波打際のガス燈みつめ ピアノに乗せて君は歌う様に 僕にさよならと言った 思えば君からは 奪うことばかりで 与えるひとつもない片肺飛行の夢だった だから静かに氷がとけてゆく様に おだやかに疲れたのは君 為す術もなく一輪の花が枯れてゆくのを 見送るのは僕 フリーウェイでふと空を仰げば 君を乗せた飛行機が 丁度真珠湾の蒼い空を ゆっくり横切る処 | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 空港の長い回廊を 君の肩さえ抱けずに 途切れ途切れの言葉で 時はゆく 28番ゲート 折りから風に吹かれて散る 虹の木の花びらが まるで遠くで雨の降る如く キラキラと光ってた 「逢わなければ」と僕が 何気なく独白けば 「逢えたから」と君は 小さな声でさえ切り乍ら あふれる涙拭いもせずに それでも眩しそうに笑った そしてお互いが想い出とすれ違うのを みつめあっている 足早に去る僕の背中に君の声「ALOHA MAHALO」 ふり返ればまだ君はそこに居て ちぎれる程 手を振る タべタンタロスの丘でみつめた ホノルル・シティ・ライツそれから 君の髪に咲いたプルメリア 風に揺れる「月下美人草」 そしてミシェルの窓辺に寄り添い 波打際のガス燈みつめ ピアノに乗せて君は歌う様に 僕にさよならと言った 思えば君からは 奪うことばかりで 与えるひとつもない片肺飛行の夢だった だから静かに氷がとけてゆく様に おだやかに疲れたのは君 為す術もなく一輪の花が枯れてゆくのを 見送るのは僕 フリーウェイでふと空を仰げば 君を乗せた飛行機が 丁度真珠湾の蒼い空を ゆっくり横切る処 |
荒城の月春高楼の 花の宴 めぐる盃 かげさして 千代の松ヶ枝わけ出でし むかしの光 いまいずこ 秋陣営の 霜の色 鳴きゆく雁の 数見せて 植うる剣に 照りそいし むかしの光 いまいずこ いま荒城の 夜半の月 かわらぬ光 誰がためぞ 垣に残るは ただかずら 松にうたうは ただ嵐 天上影は 変らねど 栄枯は移る 世のすがた 写さんとてか 今もなお ああ荒城の 夜半の月 | さだまさし | 土井晩翠 | 滝廉太郎 | 渡辺俊幸 | 春高楼の 花の宴 めぐる盃 かげさして 千代の松ヶ枝わけ出でし むかしの光 いまいずこ 秋陣営の 霜の色 鳴きゆく雁の 数見せて 植うる剣に 照りそいし むかしの光 いまいずこ いま荒城の 夜半の月 かわらぬ光 誰がためぞ 垣に残るは ただかずら 松にうたうは ただ嵐 天上影は 変らねど 栄枯は移る 世のすがた 写さんとてか 今もなお ああ荒城の 夜半の月 |
椎の実のママへ漢口の春は 大使館の柳の青 それから池の降る その花の白 甘露園のコール・コーヒー越しに うちあけられた愛 それが春 漢口の秋は 焼き栗のはじける香り 読み終えた文庫本で うけとめた愛 かぞえの二十二で嫁いでそのまま 終戦を迎え だから秋 天津からひきあげたあと七年たって彼女にとって初めての そして最後の子供を産んだ 夫は優しくて働き者だったから 誰もが彼女を幸福とよんだし 確かに幸福なはずだった いくつかの春は 知らず知らず人を変え 淡い思い上がりが その心を変え 煙草とコルトレーンの中で二度目の恋をみつけて それも春 ひとつ屋根の下で やがて別の愛 それぞれが違う 愛を過ごして 一人息子だけが取り残される形で 終わるも愛 つまり秋 みんなの謗(そし)りの中で 彼女は故里の長崎へ帰り 小さな喫茶店をはじめた 「椎の実」のママを慕って沢山の若者達が集まって 「椎の実」はいつでも 煙草とコルトレーンで一杯だった 僕と同い年の一人息子は おきまりの様に ビーチボーイズを聴き乍ら一度ぐれたが 自分の足で歩き出す迄に随分迷ったけれど やがて歩き出した 彼は父親を愛するのと同じ位に 母親を愛していたし 僕はそんな彼が大好きだった 長崎の春は黄砂と凧(はた)上げ 一人息子は母と暮らすと決めた 小さな店のカウンターに二人で 立てたらいいねと そんな春 彼がもうひとつの 愛を手にした頃 母は突然に病いをみつけた 癒るはずのない病名を知らされて 立ちつくしたのは それも春 まさか彼が母より先に まさか逝っちまうなんて 誰も思わなかった だって恋人と海に出かけて オールを流されて 飛び込んだまま だって昨日まで 元気だったんだもの 母は嘆き悲しみ出来るなら私とひきかえにと 今までを悔やんだ ねェ早かったよ ねェ早過ぎたよ 僕は彼の為に 唄を作った…… ジャズとクラシック以外は耳を貸さなかった彼女が 僕の唄を愛する様になったのはこの頃だった 自分の残り時間のすべてをかけて 息子の為に祈り それと同じ位に 僕を 僕の唄を愛した 三度目の手術の後は 彼女の生き甲斐だった お店にも立てなくなってしまい それでも生きようとしたのは この時初めてひとつになった 彼女の兄弟達の心と 死んだ息子の為だったと思う 思い起こせば 誰も彼も皆 本当はとても愛し合っていた わずかなすれ違いが物語を 変えてしまうなんて それも愛 椎の実のママが 死んだ晩に みんな同じ色の涙を流した 結局愛されて死んでいった彼女は 幸福だったと 思っていいかい ねェ愛されて死んでいったあなたは 幸福だったよね そうだよね さよなら 椎の実のママ さよなら 僕のおばさん | さだまさし | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 漢口の春は 大使館の柳の青 それから池の降る その花の白 甘露園のコール・コーヒー越しに うちあけられた愛 それが春 漢口の秋は 焼き栗のはじける香り 読み終えた文庫本で うけとめた愛 かぞえの二十二で嫁いでそのまま 終戦を迎え だから秋 天津からひきあげたあと七年たって彼女にとって初めての そして最後の子供を産んだ 夫は優しくて働き者だったから 誰もが彼女を幸福とよんだし 確かに幸福なはずだった いくつかの春は 知らず知らず人を変え 淡い思い上がりが その心を変え 煙草とコルトレーンの中で二度目の恋をみつけて それも春 ひとつ屋根の下で やがて別の愛 それぞれが違う 愛を過ごして 一人息子だけが取り残される形で 終わるも愛 つまり秋 みんなの謗(そし)りの中で 彼女は故里の長崎へ帰り 小さな喫茶店をはじめた 「椎の実」のママを慕って沢山の若者達が集まって 「椎の実」はいつでも 煙草とコルトレーンで一杯だった 僕と同い年の一人息子は おきまりの様に ビーチボーイズを聴き乍ら一度ぐれたが 自分の足で歩き出す迄に随分迷ったけれど やがて歩き出した 彼は父親を愛するのと同じ位に 母親を愛していたし 僕はそんな彼が大好きだった 長崎の春は黄砂と凧(はた)上げ 一人息子は母と暮らすと決めた 小さな店のカウンターに二人で 立てたらいいねと そんな春 彼がもうひとつの 愛を手にした頃 母は突然に病いをみつけた 癒るはずのない病名を知らされて 立ちつくしたのは それも春 まさか彼が母より先に まさか逝っちまうなんて 誰も思わなかった だって恋人と海に出かけて オールを流されて 飛び込んだまま だって昨日まで 元気だったんだもの 母は嘆き悲しみ出来るなら私とひきかえにと 今までを悔やんだ ねェ早かったよ ねェ早過ぎたよ 僕は彼の為に 唄を作った…… ジャズとクラシック以外は耳を貸さなかった彼女が 僕の唄を愛する様になったのはこの頃だった 自分の残り時間のすべてをかけて 息子の為に祈り それと同じ位に 僕を 僕の唄を愛した 三度目の手術の後は 彼女の生き甲斐だった お店にも立てなくなってしまい それでも生きようとしたのは この時初めてひとつになった 彼女の兄弟達の心と 死んだ息子の為だったと思う 思い起こせば 誰も彼も皆 本当はとても愛し合っていた わずかなすれ違いが物語を 変えてしまうなんて それも愛 椎の実のママが 死んだ晩に みんな同じ色の涙を流した 結局愛されて死んでいった彼女は 幸福だったと 思っていいかい ねェ愛されて死んでいったあなたは 幸福だったよね そうだよね さよなら 椎の実のママ さよなら 僕のおばさん |
一杯のコーヒーから一杯のコーヒーから 夢の花咲くこともある 街のテラスの夕暮に 二人の胸の灯し火が チラリホラリと つきました 一杯のコーヒーから モカの姫君 ジャバ娘 唄は南のセレナーデ 貴女と二人 ほがらかに 肩を並べて 唄いましょう 一杯のコーヒーから 夢はほのかに 香ります 赤い模様の アラベスク あそこの窓の カーテンが ゆらりゆらりと ゆれてます 一杯のコーヒーから 小鳥さえずる 春も来る 今宵二人の ほろにがさ 角砂糖二つ入れましょうか 月の出ぬ間に 冷えぬ間に | さだまさし | 藤浦洸 | 服部良一 | 服部隆之 | 一杯のコーヒーから 夢の花咲くこともある 街のテラスの夕暮に 二人の胸の灯し火が チラリホラリと つきました 一杯のコーヒーから モカの姫君 ジャバ娘 唄は南のセレナーデ 貴女と二人 ほがらかに 肩を並べて 唄いましょう 一杯のコーヒーから 夢はほのかに 香ります 赤い模様の アラベスク あそこの窓の カーテンが ゆらりゆらりと ゆれてます 一杯のコーヒーから 小鳥さえずる 春も来る 今宵二人の ほろにがさ 角砂糖二つ入れましょうか 月の出ぬ間に 冷えぬ間に |
十六夜火をおこせ 木をくべろ 今宵は十六夜 初恋を偲びながら いざ酔い 酒を注げ 夜空ふんわり雲が往く 火の粉が舞い上がる あれは土星か 木星か さて螢か幻か 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 ここをせんどの盛り上がり 旅は道連れ世は情 友よ 友よ 頼りなき友よ ずぼんが焦げておるぞ ふと黙るその一瞬を 虫の音が埋めてゆく 照れ乍ら恋を語る おまえが愛しくなる 時はゆく時はゆく 土足で胸こじあけて 負けるもんか 負けるもんかと 何故か昂ぶる心 我等どの道 風まかせ 子供の顔で生きている 宝の地図の切れ端を 信じて 生命 無駄に はしゃぐ 友よ 友よ 情無き友よ 酒をこちらにも廻せ 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 上を下への大騒ぎ 一里踏み出しゃ旅の空 友よ 友よ ふがいなき友よ 寝るにはまだ早いぞ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 火をおこせ 木をくべろ 今宵は十六夜 初恋を偲びながら いざ酔い 酒を注げ 夜空ふんわり雲が往く 火の粉が舞い上がる あれは土星か 木星か さて螢か幻か 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 ここをせんどの盛り上がり 旅は道連れ世は情 友よ 友よ 頼りなき友よ ずぼんが焦げておるぞ ふと黙るその一瞬を 虫の音が埋めてゆく 照れ乍ら恋を語る おまえが愛しくなる 時はゆく時はゆく 土足で胸こじあけて 負けるもんか 負けるもんかと 何故か昂ぶる心 我等どの道 風まかせ 子供の顔で生きている 宝の地図の切れ端を 信じて 生命 無駄に はしゃぐ 友よ 友よ 情無き友よ 酒をこちらにも廻せ 我等どの道 ひとり旅 風も哀れの 風媒花 上を下への大騒ぎ 一里踏み出しゃ旅の空 友よ 友よ ふがいなき友よ 寝るにはまだ早いぞ |
邂逅父が私を許さなかったのか 私が父を拒んでしまったのか 彼はついに孫の顔も見ずに 三年前に世を去った 今となれば果たして人の世に 生命を懸けていさかい合う程の 憎しみなどあろうはずもないと 今更に気付く愚かしさ 形見といえば古くさい 写真機が一台あるばかり 無趣味の人のなぐさみに 何を写していたのやら 無骨な指で不器用に シャッターを切ったのだろうか ふと気付けば撮りかけの フィルムが入ったままだった 父のフィルムの残り半分を 私が引き継ぐことにした 少し悩んでやはり最初には こっそりと母を撮った それから彼の孫の姿を撮り 最后に母が私達を撮り 出来上がったそのフィルムが 今 私の前にある 父は最初に庭を撮っており 次に道端の花を撮り そして最后は多分こっそりと 母の姿を写してた ネガフィルムに隣り合わせて 二人の写した母がいる 初めて父とめぐり逢った 涙が止まらなかった 涙が止まらなかった | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 石川鷹彦 | 父が私を許さなかったのか 私が父を拒んでしまったのか 彼はついに孫の顔も見ずに 三年前に世を去った 今となれば果たして人の世に 生命を懸けていさかい合う程の 憎しみなどあろうはずもないと 今更に気付く愚かしさ 形見といえば古くさい 写真機が一台あるばかり 無趣味の人のなぐさみに 何を写していたのやら 無骨な指で不器用に シャッターを切ったのだろうか ふと気付けば撮りかけの フィルムが入ったままだった 父のフィルムの残り半分を 私が引き継ぐことにした 少し悩んでやはり最初には こっそりと母を撮った それから彼の孫の姿を撮り 最后に母が私達を撮り 出来上がったそのフィルムが 今 私の前にある 父は最初に庭を撮っており 次に道端の花を撮り そして最后は多分こっそりと 母の姿を写してた ネガフィルムに隣り合わせて 二人の写した母がいる 初めて父とめぐり逢った 涙が止まらなかった 涙が止まらなかった |
流星雨いつか君に会えたら告げたいことがある どんなときも 片時も 君のこと忘れずにいたと 悲しいときは悲しく切ないときは切なく いつもいつも ずっといつも 君に語りかけていたと 愛はひとときのまぼろしの呼び名でなく 永久にめぐり来る季節のようなもの 君に教えられたあの夜 空に降りしきった流星雨 ふたり 時を越えた あの一瞬 いつか君に会えたら 告げたいことがある どんなときも なにごとも あきらめずに生きてきたと 夏が過ぎれば秋の 風は必ず訪れ 冬が来れば 信じていい いつか必ず春は来る 愛はつかの間の浅い夢のなごりでなく 永久に寄せて返す水辺の波のよう 君に約束したあの夜空を埋め尽くした流星雨 今も 愛している 君に 逢いたい | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | いつか君に会えたら告げたいことがある どんなときも 片時も 君のこと忘れずにいたと 悲しいときは悲しく切ないときは切なく いつもいつも ずっといつも 君に語りかけていたと 愛はひとときのまぼろしの呼び名でなく 永久にめぐり来る季節のようなもの 君に教えられたあの夜 空に降りしきった流星雨 ふたり 時を越えた あの一瞬 いつか君に会えたら 告げたいことがある どんなときも なにごとも あきらめずに生きてきたと 夏が過ぎれば秋の 風は必ず訪れ 冬が来れば 信じていい いつか必ず春は来る 愛はつかの間の浅い夢のなごりでなく 永久に寄せて返す水辺の波のよう 君に約束したあの夜空を埋め尽くした流星雨 今も 愛している 君に 逢いたい |
私は犬に叱られた犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少し思い上がっているんじゃないかって 何の役にも立たぬ死に様を犬死になんて 軽々しく言うんじゃないと本気で怒ってた 犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少しのぼせ上がっているんじゃないかって 散々人に迷惑かけて死ぬことを これからは人死にと呼ぶことにするがいいって 飼い犬に手をかまれるなどと平気で言うけど 飼い主に殺される犬の方が多いくらいだ 言っておくが別に猿とは仲も悪くないし 負けて遠吠えするのは君らじゃないかって もっともだ もっともだ 犬に叱られた夢を見た 君らの前頭葉が発達した訳は 犬が臭いの部分を受け持ってやったからだ 君らに知恵を持たせてやった感謝を忘れてるって 犬に叱られた夢を見た 花咲か爺から桃太郎まで面倒見たのに 猫と違って泥棒もせず恨んで化けもせず 救助や介助やおまわりさんまで務めてきたのに 第一 人も食わぬ夫婦喧嘩やなんかを 犬が食わぬのは当たり前のことだろう それより犬も歩けば棒に当たると言うけど それの何処が幸せなのか説明してみろって もっともだ もっともだ 犬に叱られた夢を見た 犬死になんて軽く言うなと叱られた もっともだ もっともだ | さだまさし | さだまさし | さだまさし | 渡辺俊幸 | 犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少し思い上がっているんじゃないかって 何の役にも立たぬ死に様を犬死になんて 軽々しく言うんじゃないと本気で怒ってた 犬に叱られた夢を見た 君ら人間は少しのぼせ上がっているんじゃないかって 散々人に迷惑かけて死ぬことを これからは人死にと呼ぶことにするがいいって 飼い犬に手をかまれるなどと平気で言うけど 飼い主に殺される犬の方が多いくらいだ 言っておくが別に猿とは仲も悪くないし 負けて遠吠えするのは君らじゃないかって もっともだ もっともだ 犬に叱られた夢を見た 君らの前頭葉が発達した訳は 犬が臭いの部分を受け持ってやったからだ 君らに知恵を持たせてやった感謝を忘れてるって 犬に叱られた夢を見た 花咲か爺から桃太郎まで面倒見たのに 猫と違って泥棒もせず恨んで化けもせず 救助や介助やおまわりさんまで務めてきたのに 第一 人も食わぬ夫婦喧嘩やなんかを 犬が食わぬのは当たり前のことだろう それより犬も歩けば棒に当たると言うけど それの何処が幸せなのか説明してみろって もっともだ もっともだ 犬に叱られた夢を見た 犬死になんて軽く言うなと叱られた もっともだ もっともだ |