惜別のうた遠き別れに 耐えかねて この高殿に のぼるかな 悲しむなかれ わが友よ 旅の衣を ととのえよ 別れといえば 昔より この人の世の 常なるを 流るる水を ながむれば 夢はずかしき 涙かな 君がさやけき 目の色も 君くれないの 唇も 君がみどりの 黒髪も またいつか見ん この別れ | 倍賞千恵子 | 島崎藤村 | 藤江英輔 | 小川寛興 | 遠き別れに 耐えかねて この高殿に のぼるかな 悲しむなかれ わが友よ 旅の衣を ととのえよ 別れといえば 昔より この人の世の 常なるを 流るる水を ながむれば 夢はずかしき 涙かな 君がさやけき 目の色も 君くれないの 唇も 君がみどりの 黒髪も またいつか見ん この別れ |
世界の約束涙の奥にゆらぐほほえみは 時の始めからの世界の約束 いまは一人でも二人の昨日から 今日は生まれきらめく 初めて会った日のように 思い出のうちにあなたはいない そよかぜとなって頬に触れてくる 木漏れ日の午後の別れのあとも 決して終わらない世界の約束 いまは一人でも明日は限りない あなたが教えてくれた 夜にひそむやさしさ 思い出のうちにあなたはいない せせらぎの歌にこの空の色に 花の香りにいつまでも生きて | 倍賞千恵子 | 谷川俊太郎 | 木村弓 | 久石譲 | 涙の奥にゆらぐほほえみは 時の始めからの世界の約束 いまは一人でも二人の昨日から 今日は生まれきらめく 初めて会った日のように 思い出のうちにあなたはいない そよかぜとなって頬に触れてくる 木漏れ日の午後の別れのあとも 決して終わらない世界の約束 いまは一人でも明日は限りない あなたが教えてくれた 夜にひそむやさしさ 思い出のうちにあなたはいない せせらぎの歌にこの空の色に 花の香りにいつまでも生きて |
水中花線香花火チリチリと 松葉模様えがいてる 金魚蜂(ばち)ではポトリ 紙の花咲く 水の中で開く花 外に出せばただの紙 そうよ私は ここで生きているだけ あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら お酒でも飲みます 針の音がシャアシャアと 歌のすきまうずめてる 古いレコードかけて 酒を飲むのよ 辞書を開き知らぬ文字 さがしながら書く手紙 頬に流れる 涙拭きもしないで あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら 夜明けでも待ちます あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら 夜明けでも待ちます | 倍賞千恵子 | 阿久悠 | 井上忠夫 | | 線香花火チリチリと 松葉模様えがいてる 金魚蜂(ばち)ではポトリ 紙の花咲く 水の中で開く花 外に出せばただの紙 そうよ私は ここで生きているだけ あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら お酒でも飲みます 針の音がシャアシャアと 歌のすきまうずめてる 古いレコードかけて 酒を飲むのよ 辞書を開き知らぬ文字 さがしながら書く手紙 頬に流れる 涙拭きもしないで あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら 夜明けでも待ちます あなたには二度と逢えないわ お互いに不幸になるだけよ さよなら さよなら 夜明けでも待ちます |
城ヶ島の雨雨はふるふる 城ヶ島の磯に 利久鼠の 雨がふる 雨は真珠か 夜明けの霧か それとも私の 忍び泣き 舟はゆくゆく 通り矢のはなを 濡れて帆あげた ぬしの舟 ええ 舟は櫓でやる 櫓は歌でやる 歌は船頭さんの 心意気 雨はふるふる 日はうす曇る 舟はゆくゆく 帆がかすむ | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 梁田貞 | 小川寛興 | 雨はふるふる 城ヶ島の磯に 利久鼠の 雨がふる 雨は真珠か 夜明けの霧か それとも私の 忍び泣き 舟はゆくゆく 通り矢のはなを 濡れて帆あげた ぬしの舟 ええ 舟は櫓でやる 櫓は歌でやる 歌は船頭さんの 心意気 雨はふるふる 日はうす曇る 舟はゆくゆく 帆がかすむ |
下町の太陽下町の空に かがやく太陽は よろこびと 悲しみ写す ガラス窓 心のいたむ その朝は 足音しみる 橋の上 あゝ太陽に 呼びかける 下町の恋を 育てた太陽は 縁日に 二人で分けた 丸いあめ 口さえ聞けず 別れては 祭りの午後の なつかしく あゝ太陽に 涙ぐむ 下町の屋根を 温(ぬく)める太陽は 貧しくも 笑顔を消さぬ 母の顔 悩みを夢を うちあけて 路地にも幸の くるように あゝ太陽と 今日もまた | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 江口浩司 | | 下町の空に かがやく太陽は よろこびと 悲しみ写す ガラス窓 心のいたむ その朝は 足音しみる 橋の上 あゝ太陽に 呼びかける 下町の恋を 育てた太陽は 縁日に 二人で分けた 丸いあめ 口さえ聞けず 別れては 祭りの午後の なつかしく あゝ太陽に 涙ぐむ 下町の屋根を 温(ぬく)める太陽は 貧しくも 笑顔を消さぬ 母の顔 悩みを夢を うちあけて 路地にも幸の くるように あゝ太陽と 今日もまた |
叱られて叱られて 叱られて あの子は町まで お使いに この子はぼうやを ねんねしな 夕べさみしい 村はずれ こんときつねが なきゃせぬか 叱られて 叱られて 口には出さねど 目になみだ ふたりのお里は あの山を 越えてあなたの 花の村 ほんに花見は いつのこと | 倍賞千恵子 | 清水かつら | 弘田竜太郎 | 小川寛興 | 叱られて 叱られて あの子は町まで お使いに この子はぼうやを ねんねしな 夕べさみしい 村はずれ こんときつねが なきゃせぬか 叱られて 叱られて 口には出さねど 目になみだ ふたりのお里は あの山を 越えてあなたの 花の村 ほんに花見は いつのこと |
サンライズ・サンセットだいてねんねさせた 小さな赤ん坊が こんなに美しい 娘 いつの間に この娘は大きくなったのか 昨日までが 夢のよう 陽は昇り 陽は沈み 時は行く 草の種はめばえ 花は今ひらき サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット 時は行く 幸福と涙をのせて今日も行く 青い空の下で 一緒に遊んでた これがむじゃきな あのぼうや いつの間に 二人は 愛し合ったのか 昨日までが 夢のよう 陽はのぼり 陽は沈み 時は行く よろこびと 悲しみをのせて今日も行く サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット 年は行く しあわせと 涙をのせて今日も行く サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット | 倍賞千恵子 | S.Harnick・J.Bock・訳詩:岩谷時子 | S.Harnick・J.Bock | | だいてねんねさせた 小さな赤ん坊が こんなに美しい 娘 いつの間に この娘は大きくなったのか 昨日までが 夢のよう 陽は昇り 陽は沈み 時は行く 草の種はめばえ 花は今ひらき サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット 時は行く 幸福と涙をのせて今日も行く 青い空の下で 一緒に遊んでた これがむじゃきな あのぼうや いつの間に 二人は 愛し合ったのか 昨日までが 夢のよう 陽はのぼり 陽は沈み 時は行く よろこびと 悲しみをのせて今日も行く サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット 年は行く しあわせと 涙をのせて今日も行く サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット サンライズ・サンセット |
さよならはダンスの後に何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね ここはお馴染みの クラブ いつものように 踊りましょう せめてキャンドルの 下で 泣くのだけは やめて…… だれにも負けず 深く愛してた 燃えるその瞳(め)もその手も これきりね 何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね 少しカクテルを ちょうだい 酔ったらまた 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね いまは懐しい クラブ 気のすむまで 踊りましょう せめて恋人の ままで やさしく肩を 抱いて…… 初めて聞いた 夜のささやきが たとえ短い夢でも 忘れない 少しカクテルを ちょうだい 酔ったらまた 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね あなたがとても 好きなこの曲も あすはどこかで独りで 聞くだけね 何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 小川寛興 | | 何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね ここはお馴染みの クラブ いつものように 踊りましょう せめてキャンドルの 下で 泣くのだけは やめて…… だれにも負けず 深く愛してた 燃えるその瞳(め)もその手も これきりね 何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね 少しカクテルを ちょうだい 酔ったらまた 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね いまは懐しい クラブ 気のすむまで 踊りましょう せめて恋人の ままで やさしく肩を 抱いて…… 初めて聞いた 夜のささやきが たとえ短い夢でも 忘れない 少しカクテルを ちょうだい 酔ったらまた 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね あなたがとても 好きなこの曲も あすはどこかで独りで 聞くだけね 何も言わないで ちょうだい 黙ってただ 踊りましょう だってさよならは つらい ダンスの後に してね |
淋しい手夜の中へ手をのべる あなたはいないのに 暗い闇が指にふれ むなしくふるえてる いつでもあなたの 熱いからだ わたしをつつみ そばにいたけれど いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 長い髪を散らして あなたを求めるの 白くやせた指先が はかなく舞うだけよ お願いあなたの 熱い胸に わたしを強く抱いて もう一度 いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 夜明けの光の 中でひとり わたしは死んでしまう 悲しくて いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた | 倍賞千恵子 | 山上路夫 | 田辺信一 | | 夜の中へ手をのべる あなたはいないのに 暗い闇が指にふれ むなしくふるえてる いつでもあなたの 熱いからだ わたしをつつみ そばにいたけれど いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 長い髪を散らして あなたを求めるの 白くやせた指先が はかなく舞うだけよ お願いあなたの 熱い胸に わたしを強く抱いて もう一度 いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 夜明けの光の 中でひとり わたしは死んでしまう 悲しくて いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた |
里の秋静かな 静かな 里の秋 お背戸に木の実の 落ちる夜は ああ母さんと ただ二人 栗の実 煮てます いろりばた あかるい あかるい 星の空 鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は ああ父さんの あのえがお 栗の実 食べては おもいだす さよなら さよなら 椰子の島 お舟にゆられて かえられる ああ父さんよ ご無事でと 今夜も 母さんと 祈ります | 倍賞千恵子 | 斎藤信夫 | 海沼実 | 小六禮次郎 | 静かな 静かな 里の秋 お背戸に木の実の 落ちる夜は ああ母さんと ただ二人 栗の実 煮てます いろりばた あかるい あかるい 星の空 鳴き鳴き夜鴨の 渡る夜は ああ父さんの あのえがお 栗の実 食べては おもいだす さよなら さよなら 椰子の島 お舟にゆられて かえられる ああ父さんよ ご無事でと 今夜も 母さんと 祈ります |
酒とバラの日々幸福の日は 束の間に 過ぎ去りて 行く道を閉ざす 扉のその奥を 人は知らず 一人の夜は 思い出す 去りし日の 満ち足りた 微笑を 酒とバラの日々を 酒とバラの日々を | 倍賞千恵子 | J.Mercer・H.Mancini・訳詩:あらかはひろし | J.Mercer・H.Mancini | | 幸福の日は 束の間に 過ぎ去りて 行く道を閉ざす 扉のその奥を 人は知らず 一人の夜は 思い出す 去りし日の 満ち足りた 微笑を 酒とバラの日々を 酒とバラの日々を |
さくらのバラード江戸川に雨が降る 渡し舟も 今日はやすみ 兄のいない 静かな町 どこに行ってしまったの 今ごろ なにしてるの いつもみんな 待っているのよ そこは晴れているかしら それとも冷たい雨かしら 遠くひとり 旅に出た 私のお兄ちゃん どこかの街角で みかけた人はいませんか ひとり旅の 私のお兄ちゃん いつもそうなのよ いつも…… 「さくら!しあわせにくらせよ」って…… もう帰らないって あの時いったけど…… そこは晴れているかしら それとも冷たい雨かしら 遠くひとり 旅に出た 私のお兄ちゃん どこかのお祭で 見かけた人はいませんか ひとり旅の 私のお兄ちゃん | 倍賞千恵子 | 山田洋次 | 山本直純 | 小川寛興 | 江戸川に雨が降る 渡し舟も 今日はやすみ 兄のいない 静かな町 どこに行ってしまったの 今ごろ なにしてるの いつもみんな 待っているのよ そこは晴れているかしら それとも冷たい雨かしら 遠くひとり 旅に出た 私のお兄ちゃん どこかの街角で みかけた人はいませんか ひとり旅の 私のお兄ちゃん いつもそうなのよ いつも…… 「さくら!しあわせにくらせよ」って…… もう帰らないって あの時いったけど…… そこは晴れているかしら それとも冷たい雨かしら 遠くひとり 旅に出た 私のお兄ちゃん どこかのお祭で 見かけた人はいませんか ひとり旅の 私のお兄ちゃん |
さくら貝の歌美(うるわ)しき 桜貝一つ 去り行ける 君にささげん この貝は 去年(こぞ)の浜辺に われ一人 ひろいし貝よ ほのぼのと うす紅染むるは わが燃ゆる さみし血潮よ はろばろと かよう香りは 君恋うる 胸のさざなみ ああなれど 我が想いははかなく うつし世の なぎさに果てぬ | 倍賞千恵子 | 土屋花情 | 八洲秀章 | 小川寛興 | 美(うるわ)しき 桜貝一つ 去り行ける 君にささげん この貝は 去年(こぞ)の浜辺に われ一人 ひろいし貝よ ほのぼのと うす紅染むるは わが燃ゆる さみし血潮よ はろばろと かよう香りは 君恋うる 胸のさざなみ ああなれど 我が想いははかなく うつし世の なぎさに果てぬ |
ゴッドファーザー~愛のテーマ広い世界の片隅に やがて二人の朝がくる あふれる光が ほほの涙をうつし出す 愛する心に 言葉はいらない どうぞ一人で 泣かないで 忘れかけてる悲しみを 窓から逃がして そっと二人で見送ろう 愛する心に 言葉はいらない どうぞどこにも 行かないで そばに来ている 幸せに 両手をのばして そっと二人で育てよう | 倍賞千恵子 | L.Kusik・訳詩:千家和也 | N.Rota | | 広い世界の片隅に やがて二人の朝がくる あふれる光が ほほの涙をうつし出す 愛する心に 言葉はいらない どうぞ一人で 泣かないで 忘れかけてる悲しみを 窓から逃がして そっと二人で見送ろう 愛する心に 言葉はいらない どうぞどこにも 行かないで そばに来ている 幸せに 両手をのばして そっと二人で育てよう |
この道この道はいつか来た道 ああ そうだよ あかしやの花が咲いてる あの丘はいつか見た丘 ああ そうだよ ほら 白い時計台だよ この道はいつか来た道 ああ そうだよ お母さまと馬車で行ったよ あの雲もいつか見た雲 ああ そうだよ 山査子(さんざし)の枝も垂れてる | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 山田耕筰 | 小川寛興 | この道はいつか来た道 ああ そうだよ あかしやの花が咲いてる あの丘はいつか見た丘 ああ そうだよ ほら 白い時計台だよ この道はいつか来た道 ああ そうだよ お母さまと馬車で行ったよ あの雲もいつか見た雲 ああ そうだよ 山査子(さんざし)の枝も垂れてる |
心の窓に灯をいじわるこがらし 吹きつける 古いセーター ボロシューズ 泣けてくるよな夜だけど ほっぺをよせて ともしましょう 心の窓に灯を ほら えくぼが浮かんでくるでしょう 真珠に輝やく 飾り窓 うつるまずしい シンデレラ ポッケにゃ 何にもないけれど かじかむ指で ともしましょう 心の窓に灯を ほら 口笛ふきたくなるでしょう ダンロを囲んだ 歌声を 遠くきいてる 細い路地 ちっちゃな たき火は消えたけど お空をみつめ ともしましょう 心の窓に灯を ほら 希望がほのぼのわくでしょう | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 中田喜直 | 小川寛興 | いじわるこがらし 吹きつける 古いセーター ボロシューズ 泣けてくるよな夜だけど ほっぺをよせて ともしましょう 心の窓に灯を ほら えくぼが浮かんでくるでしょう 真珠に輝やく 飾り窓 うつるまずしい シンデレラ ポッケにゃ 何にもないけれど かじかむ指で ともしましょう 心の窓に灯を ほら 口笛ふきたくなるでしょう ダンロを囲んだ 歌声を 遠くきいてる 細い路地 ちっちゃな たき火は消えたけど お空をみつめ ともしましょう 心の窓に灯を ほら 希望がほのぼのわくでしょう |
ここに幸あり嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに わたしは生きる ここに幸あり 青い空 誰にも言えぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける 谺(こだま)の果てに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 | 倍賞千恵子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 小川寛興 | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに わたしは生きる ここに幸あり 青い空 誰にも言えぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける 谺(こだま)の果てに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
鯉のぼりいらかの波と雲の波 重なる波の中空(なかぞら)を たちばなかおる朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり 開けるひろきその口に 船をも呑まん様(さま)見えて ゆたかに振るう尾鰭(おびれ)には 物に動ぜぬ姿あり 百瀬(ももせ)の滝を登りなば たちまち竜になりぬべき わが身に似よや男子(おのこご)と 空におどるや鯉のぼり | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | いらかの波と雲の波 重なる波の中空(なかぞら)を たちばなかおる朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり 開けるひろきその口に 船をも呑まん様(さま)見えて ゆたかに振るう尾鰭(おびれ)には 物に動ぜぬ姿あり 百瀬(ももせ)の滝を登りなば たちまち竜になりぬべき わが身に似よや男子(おのこご)と 空におどるや鯉のぼり |
小犬のプルーひとりぼっちのぼくが プルーと逢ったのは 夏も終りの北国(きた)の街 ボクをみるなり駆けてきて 優しい眼(め)をしてついてきた ひとりぼっちのボクと プルーがねむるころ おまえの体に吹きつける 冷たい風が気がかりで 眠れぬ夜もあったのさ ひとりぼっちのボクと プルーが別れたのは 哀しい眼をした日暮れ時 だれかにお前を頼めたら 今また逢いにゆけたのに 栗毛色した小犬のプルー ゆくえの知れないボクのプルー | 倍賞千恵子 | 林權三郎 | 柳澤剛 | 柳澤剛 | ひとりぼっちのぼくが プルーと逢ったのは 夏も終りの北国(きた)の街 ボクをみるなり駆けてきて 優しい眼(め)をしてついてきた ひとりぼっちのボクと プルーがねむるころ おまえの体に吹きつける 冷たい風が気がかりで 眠れぬ夜もあったのさ ひとりぼっちのボクと プルーが別れたのは 哀しい眼をした日暮れ時 だれかにお前を頼めたら 今また逢いにゆけたのに 栗毛色した小犬のプルー ゆくえの知れないボクのプルー |
霧の花優しいことを 言わないで 橋を渡って いますぐに 霧の夜更けに 二人して 見ていた夢は 霧の花 水に流して 忘れてね あなたの歩く 道ならば ついて行きたい どこまでも それも貧しい 私では はかない望み 霧の花 あきらめなけりゃ いけないの 思い出ばかり 残るけど 来ては駄目 駄目 なみだ橋 きっと私も 忘れます 小さな恋の 霧の花 二度と呼んだり しないでね | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 小川寛興 | | 優しいことを 言わないで 橋を渡って いますぐに 霧の夜更けに 二人して 見ていた夢は 霧の花 水に流して 忘れてね あなたの歩く 道ならば ついて行きたい どこまでも それも貧しい 私では はかない望み 霧の花 あきらめなけりゃ いけないの 思い出ばかり 残るけど 来ては駄目 駄目 なみだ橋 きっと私も 忘れます 小さな恋の 霧の花 二度と呼んだり しないでね |
君の瞳君の瞳の中に あどけない頃の 一枚の写真が 色褪せもせず… 君の瞳の中に あの日の海へ 無くしてしまった 童歌が…… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 君の瞳の中に はしゃぎ過ぎて 家を忘れた 迷子がいる… 君の瞳の中に その小さな胸で 何かを叫んでる 張り裂けそうに… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 運命は激しい嵐のよう 私達は追いやられる だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 私がいる | 倍賞千恵子 | 下村明彦 | 下村明彦 | | 君の瞳の中に あどけない頃の 一枚の写真が 色褪せもせず… 君の瞳の中に あの日の海へ 無くしてしまった 童歌が…… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 君の瞳の中に はしゃぎ過ぎて 家を忘れた 迷子がいる… 君の瞳の中に その小さな胸で 何かを叫んでる 張り裂けそうに… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 運命は激しい嵐のよう 私達は追いやられる だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 私がいる |
北国の慕情誰があなたを 招んだのでしょう まだ雪残る 樽前の 山の麓(ふもと)の この湖に ああ 初めて逢った人なのに 白い煙の 胸にしみいる 昨日むなしい 心の底が きょう ほのぼのと 充たされて 時を忘れる 樽前の朝 ああ 初めて話した人なのに 赤いタモの実 緑に映えて 誰があなたを 招んだのでしょう 静かな夜の 湖に ときめく心 影を沈めて ああ 初めて知った人なのに 遥か牧場の 馬のいななき | 倍賞千恵子 | 内村直也 | 飯田三郎 | | 誰があなたを 招んだのでしょう まだ雪残る 樽前の 山の麓(ふもと)の この湖に ああ 初めて逢った人なのに 白い煙の 胸にしみいる 昨日むなしい 心の底が きょう ほのぼのと 充たされて 時を忘れる 樽前の朝 ああ 初めて話した人なのに 赤いタモの実 緑に映えて 誰があなたを 招んだのでしょう 静かな夜の 湖に ときめく心 影を沈めて ああ 初めて知った人なのに 遥か牧場の 馬のいななき |
汽車今は山中 今は浜 今は鉄橋 渡るぞと 思う間もなく トンネルの 闇を通って 広野原(ひろのはら) 遠くに見える 村の屋根 近くに見える 町の軒(のき) 森や林や 田や畑 後へ後へと 飛んで行く 廻り燈篭(どうろう)の 絵の様(よう)に 変る景色の おもしろさ 見とれてそれと 知らぬ間に 早くも過ぎる 幾十里 | 倍賞千恵子 | 不詳 | 大和田愛羅 | 小六禮次郎 | 今は山中 今は浜 今は鉄橋 渡るぞと 思う間もなく トンネルの 闇を通って 広野原(ひろのはら) 遠くに見える 村の屋根 近くに見える 町の軒(のき) 森や林や 田や畑 後へ後へと 飛んで行く 廻り燈篭(どうろう)の 絵の様(よう)に 変る景色の おもしろさ 見とれてそれと 知らぬ間に 早くも過ぎる 幾十里 |
かりそめの恋夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか くちびるを かりそめの恋 あゝ虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 あゝ虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 あゝ虹の恋 夜風よ吹くな やは肌に | 倍賞千恵子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 小川寛興 | 夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか くちびるを かりそめの恋 あゝ虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 あゝ虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 あゝ虹の恋 夜風よ吹くな やは肌に |
かなりや唄を忘れた 金糸雀(かなりや)は 後の山に 棄てましょうか いえいえそれは なりませぬ 唄を忘れた 金糸雀は 背戸の小藪(こやぶ)に 埋めましょうか いえいえそれは なりませぬ 唄を忘れた 金糸雀は 柳の鞭(むち)で ぶちましょうか いえいえそれは かわいそう 唄を忘れた 金糸雀は 象牙の船に 銀の櫂(かい) 月夜の海に 浮かべれば 忘れた唄を 思い出す | 倍賞千恵子 | 西條八十 | 成田為三 | 小六禮次郎 | 唄を忘れた 金糸雀(かなりや)は 後の山に 棄てましょうか いえいえそれは なりませぬ 唄を忘れた 金糸雀は 背戸の小藪(こやぶ)に 埋めましょうか いえいえそれは なりませぬ 唄を忘れた 金糸雀は 柳の鞭(むち)で ぶちましょうか いえいえそれは かわいそう 唄を忘れた 金糸雀は 象牙の船に 銀の櫂(かい) 月夜の海に 浮かべれば 忘れた唄を 思い出す |
悲しい旅たったひとりで 旅に出たの 貴方のことを 忘れるために だけど貴方は わたしのすべて 出来ないことよ 忘れるなんて たそがれせまる 見知らぬ町に 恋しい貴方の 名前を呼ぶの かなえてほしい 切ない恋を かなえてほしい 切ない恋を 流してほしい 川の水に この苦しみを この悲しみを どうしてひとりで 生きて行けるの 貴方だけが わたしのいのち 夕べの鐘が むなしくひびく たったひとりの 悲しい旅路 信じていたい 二人の愛を 信じていたい 二人の愛を 二人の愛を | 倍賞千恵子 | 水垣洋子 | すぎやまこういち | | たったひとりで 旅に出たの 貴方のことを 忘れるために だけど貴方は わたしのすべて 出来ないことよ 忘れるなんて たそがれせまる 見知らぬ町に 恋しい貴方の 名前を呼ぶの かなえてほしい 切ない恋を かなえてほしい 切ない恋を 流してほしい 川の水に この苦しみを この悲しみを どうしてひとりで 生きて行けるの 貴方だけが わたしのいのち 夕べの鐘が むなしくひびく たったひとりの 悲しい旅路 信じていたい 二人の愛を 信じていたい 二人の愛を 二人の愛を |
風の子守歌おやすみなさい かぜはいってしまったひを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた あおいそら おやすみなさい かぜは死んでしまったひとを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた しろいくも おやすみなさい かぜは忘れてしまったことを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた ひのひかり | 倍賞千恵子 | 別役実 | 池辺晋一郎 | 池辺晋一郎 | おやすみなさい かぜはいってしまったひを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた あおいそら おやすみなさい かぜは死んでしまったひとを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた しろいくも おやすみなさい かぜは忘れてしまったことを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた ひのひかり |
朧月夜菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し 里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 | 倍賞千恵子 | 高野辰之 | 岡野貞一 | 小六禮次郎 | 菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し 里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 |
オホーツクの舟唄(知床旅情)何地から 吹きすさぶ 朔北の吹雪よ わたしの胸を刺すように オホーツクは 今日も 海鳴りの中に 明け 暮れてゆく 父祖の地のクナシリに 長い冬の夜があける日を 白いカモメが告げるまで 最涯の茜の中で わたしは 立ちつくす 何故か 眼がしらの涙が凍るまで オホーツクの海原 ただ白く凍て果て 命あるものは暗い雪の下 春を待つ心 ペチカに燃やそ 哀れ東(ひんがし)にオーロラかなし 最涯の番屋に 命の火チロチロ トドの鳴く夜は いとし娘が瞼に 誰に語らん このさみしさ ランプの灯影に 海鳴りばかり スズランの緑が 雪解けに光れば アイヌの唄声 谷間にこだます シレトクの春は 潮路(しおじ)に開けて 舟人のかいな 海に輝く オレーオレー オーシコイ 沖の声 舟唄 秋あじだいエリャンサ 揚げる網ゃ大漁 霞むクナシリ 我が故郷 何日の日か詣でむ 御親の墓に ねむれ静かに | 倍賞千恵子 | 森繁久彌 | 森繁久彌 | 小六禮次郎 | 何地から 吹きすさぶ 朔北の吹雪よ わたしの胸を刺すように オホーツクは 今日も 海鳴りの中に 明け 暮れてゆく 父祖の地のクナシリに 長い冬の夜があける日を 白いカモメが告げるまで 最涯の茜の中で わたしは 立ちつくす 何故か 眼がしらの涙が凍るまで オホーツクの海原 ただ白く凍て果て 命あるものは暗い雪の下 春を待つ心 ペチカに燃やそ 哀れ東(ひんがし)にオーロラかなし 最涯の番屋に 命の火チロチロ トドの鳴く夜は いとし娘が瞼に 誰に語らん このさみしさ ランプの灯影に 海鳴りばかり スズランの緑が 雪解けに光れば アイヌの唄声 谷間にこだます シレトクの春は 潮路(しおじ)に開けて 舟人のかいな 海に輝く オレーオレー オーシコイ 沖の声 舟唄 秋あじだいエリャンサ 揚げる網ゃ大漁 霞むクナシリ 我が故郷 何日の日か詣でむ 御親の墓に ねむれ静かに |
おはなはんの歌いつでも 明るく 南の日射しのように だれにも優しく 愛に生きる人 胸に抱いた 望みを育てて いつでも 明るく 笑顔消さない おはなはん 雨の日 風の日 激しいいくさの後も 涙に負けずに 唄う子守唄 指と指を けなげにつないで 雨の日 風の日 夢を捨てない おはなはん 春なつ 秋ふゆ 落葉と花とを越えて 涯てない旅路の 愛に生きる人 過ぎた道の 遠さは言わずに 春なつ 秋ふゆ 歩きつづける おはなはん | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 小川寛興 | 小川寛興 | いつでも 明るく 南の日射しのように だれにも優しく 愛に生きる人 胸に抱いた 望みを育てて いつでも 明るく 笑顔消さない おはなはん 雨の日 風の日 激しいいくさの後も 涙に負けずに 唄う子守唄 指と指を けなげにつないで 雨の日 風の日 夢を捨てない おはなはん 春なつ 秋ふゆ 落葉と花とを越えて 涯てない旅路の 愛に生きる人 過ぎた道の 遠さは言わずに 春なつ 秋ふゆ 歩きつづける おはなはん |
お月様と影ぼうし人まねこまねのお月様 わたしが歩むとお月様 笑いながらも歩いてる わたしが止るとお月様 笑いながらも止ってる 人まねこまねのかげぼうし 歩むとまねするかげぼうし わたしのまねして歩いてる 止るとまねするかげぼうし わたしのまねして止ってる 人まねこまねのお月様 人まねこまねのかげぼうし お月様はお兄様 かげぼうしは弟で 二人はきっと兄弟だ | 倍賞千恵子 | 三浦綾子 | 合田道人 | 小六禮次郎 | 人まねこまねのお月様 わたしが歩むとお月様 笑いながらも歩いてる わたしが止るとお月様 笑いながらも止ってる 人まねこまねのかげぼうし 歩むとまねするかげぼうし わたしのまねして歩いてる 止るとまねするかげぼうし わたしのまねして止ってる 人まねこまねのお月様 人まねこまねのかげぼうし お月様はお兄様 かげぼうしは弟で 二人はきっと兄弟だ |
お多福キラリ恥じらいが紅を差す 両頬の火照りは 身に余る幸があふれた 不器量ぐせ あゝねたみそねみ 愚痴こぼさない あるがまま あゝ分を弁え お天道様に手を合わす 清く強く名前なく 人は生きてゆく 正直者の福笹に かんざしキラリ お多福の御利益は 場を照らす明るさ 哀しみも笑い語りの あどけなさよ あゝ男心 受け止めましょう うなずいて あゝつよがりさえ 抱き止めましょう 母のよに 汗と涙きらめかせ 人は生きてゆく 働き者の寝姿に 満月キラリ 陰に日向に夫婦舟 残照キラリ | 倍賞千恵子 | 麻生香太郎 | 小六禮次郎 | 小六禮次郎 | 恥じらいが紅を差す 両頬の火照りは 身に余る幸があふれた 不器量ぐせ あゝねたみそねみ 愚痴こぼさない あるがまま あゝ分を弁え お天道様に手を合わす 清く強く名前なく 人は生きてゆく 正直者の福笹に かんざしキラリ お多福の御利益は 場を照らす明るさ 哀しみも笑い語りの あどけなさよ あゝ男心 受け止めましょう うなずいて あゝつよがりさえ 抱き止めましょう 母のよに 汗と涙きらめかせ 人は生きてゆく 働き者の寝姿に 満月キラリ 陰に日向に夫婦舟 残照キラリ |
海松原遠く消ゆるところ 白帆の影は浮かぶ 干網(ほしあみ)浜に高くして 鴎(かもめ)は低く波に飛ぶ 見よ昼の海 見よ昼の海 島山闇(しまやまやみ)に著(しる)きあたり 漁火(いさりび)光淡し 寄る波岸に緩くして 浦風かろく沙(いさご)吹く 見よ夜の海 見よ夜の海 | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | 松原遠く消ゆるところ 白帆の影は浮かぶ 干網(ほしあみ)浜に高くして 鴎(かもめ)は低く波に飛ぶ 見よ昼の海 見よ昼の海 島山闇(しまやまやみ)に著(しる)きあたり 漁火(いさりび)光淡し 寄る波岸に緩くして 浦風かろく沙(いさご)吹く 見よ夜の海 見よ夜の海 |
いらっしゃいおいでんせー。ようきたなー。 まんずまんず。よぐぎだなー。 いらっしゃい。よくきたね。 やんわ~っとして行かれ。 ゆっくりしちっちょくれ。 ゆっくりしてってね。 あの駄菓子屋はね、コンビニになったけれど おばあちゃんは今も元気 「あなたに会いたがってたよ」 おじゃったもんせー。ひさしかぶい。 ようきたね。ひさしぶりだがね。 いらっしゃい。ひさしぶりだね。 さいきんどうしょうた? このごろどなんしょうたん? なにかいいことあった? あのとき一緒に 散歩した並木道は すっかりすべてこがね色 「自転車で行ってみようよ」 風がふいて ほら、生まれたての落ち葉だね こっちむいて ほら、くつひもほどけてるよ あなたが笑う 私も笑った 楽しかったちゃ。またこられ。 楽しかったけん。またきちょくれ。 楽しかったわ。またきてね。 何度もふり返って手をふる人 たんぽぽの花が咲く頃 じゃあね、またいらっしゃい 楽しかったのう。またこられ。 へばのー、元気でな。 それじゃ、元気でね。 何度もふり返って手をふる人 菜の花の季節になったら じゃあね、またいらっしゃい じゃあね、またいらっしゃい 「じゃあね、またいらっしゃい」 | 倍賞千恵子 | 白峰美津子 | 小六禮次郎 | 小六禮次郎 | おいでんせー。ようきたなー。 まんずまんず。よぐぎだなー。 いらっしゃい。よくきたね。 やんわ~っとして行かれ。 ゆっくりしちっちょくれ。 ゆっくりしてってね。 あの駄菓子屋はね、コンビニになったけれど おばあちゃんは今も元気 「あなたに会いたがってたよ」 おじゃったもんせー。ひさしかぶい。 ようきたね。ひさしぶりだがね。 いらっしゃい。ひさしぶりだね。 さいきんどうしょうた? このごろどなんしょうたん? なにかいいことあった? あのとき一緒に 散歩した並木道は すっかりすべてこがね色 「自転車で行ってみようよ」 風がふいて ほら、生まれたての落ち葉だね こっちむいて ほら、くつひもほどけてるよ あなたが笑う 私も笑った 楽しかったちゃ。またこられ。 楽しかったけん。またきちょくれ。 楽しかったわ。またきてね。 何度もふり返って手をふる人 たんぽぽの花が咲く頃 じゃあね、またいらっしゃい 楽しかったのう。またこられ。 へばのー、元気でな。 それじゃ、元気でね。 何度もふり返って手をふる人 菜の花の季節になったら じゃあね、またいらっしゃい じゃあね、またいらっしゃい 「じゃあね、またいらっしゃい」 |
妹よ髪をとく 髪をとく 鏡の中で 笑ってる 笑ってる 妹の瞳(め)よ 買いたてのセーターに 胸はずませて 歌ってる 歌ってる かわいい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ ゆれている ゆれている 手かごのすみに ひと束の ひと束の すいせんの花 暮れなずむ空の下 胸うるませて 走ってる 走ってる やさしい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ 街をゆく 街をゆく 電車の窓で 夢みてる 夢みてる あかいほおよ 恋人のまつ家へ 胸おどらせて 急いでる 急いでる たのしい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ | 倍賞千恵子 | 岩谷時子 | 桜井順 | | 髪をとく 髪をとく 鏡の中で 笑ってる 笑ってる 妹の瞳(め)よ 買いたてのセーターに 胸はずませて 歌ってる 歌ってる かわいい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ ゆれている ゆれている 手かごのすみに ひと束の ひと束の すいせんの花 暮れなずむ空の下 胸うるませて 走ってる 走ってる やさしい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ 街をゆく 街をゆく 電車の窓で 夢みてる 夢みてる あかいほおよ 恋人のまつ家へ 胸おどらせて 急いでる 急いでる たのしい妹よ 約束しましょうよ 夢をすてないって 夜のつぎには 朝が来る きょうのあとから 明日がくるわ |
いい日旅立ち雪解け間近の 北の空に向かい 過ぎ去りし日々の 夢を叫ぶ時 帰らぬ人達 熱い胸をよぎる せめて今日から 一人きり旅に出る ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日 旅立ち 夕焼けをさがしに 母の背中で聞いた 歌を道連れに…… 岬のはずれに 少年は魚つり 青い芒(すすき)の 小径を帰るのか 私は今から 想い出を創るため 砂に枯木で 書くつもり「さよなら」と ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 羊雲をさがしに 父が教えてくれた 歌を道連れに…… ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 幸福をさがしに 子供の頃に歌った歌を道連れに…… | 倍賞千恵子 | 谷村新司 | 谷村新司 | 小六禮次郎 | 雪解け間近の 北の空に向かい 過ぎ去りし日々の 夢を叫ぶ時 帰らぬ人達 熱い胸をよぎる せめて今日から 一人きり旅に出る ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日 旅立ち 夕焼けをさがしに 母の背中で聞いた 歌を道連れに…… 岬のはずれに 少年は魚つり 青い芒(すすき)の 小径を帰るのか 私は今から 想い出を創るため 砂に枯木で 書くつもり「さよなら」と ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 羊雲をさがしに 父が教えてくれた 歌を道連れに…… ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる いい日旅立ち 幸福をさがしに 子供の頃に歌った歌を道連れに…… |
雨にぬれても雨がふってきた 私が出てきた世のなかは チグハグで 頭にはいつでも雨ふる 空に文句を云いたいよ 私は年じゅう仕事場で 寝るのさ いつでも頭からズブ濡れ それでも雨に私は 負けやしないさ 幸せ迎える日は近い 雨がふってきた 明日は文句を云わないよ これからは 泣いたりしないだろう なぜなら 私は自由だから 空に文句を云いたいよ 私は年じゅう仕事場で 寝るのさ いつでも頭からズブ濡れ それでも雨に私は 負けやしないさ 幸せ迎える日は近い 雨がふってきた 明日は文句を云わないよ これからは 泣いたりしないだろう なぜなら 私は自由だから | 倍賞千恵子 | H.David・訳詩:岩谷時子 | B.Bacharach | | 雨がふってきた 私が出てきた世のなかは チグハグで 頭にはいつでも雨ふる 空に文句を云いたいよ 私は年じゅう仕事場で 寝るのさ いつでも頭からズブ濡れ それでも雨に私は 負けやしないさ 幸せ迎える日は近い 雨がふってきた 明日は文句を云わないよ これからは 泣いたりしないだろう なぜなら 私は自由だから 空に文句を云いたいよ 私は年じゅう仕事場で 寝るのさ いつでも頭からズブ濡れ それでも雨に私は 負けやしないさ 幸せ迎える日は近い 雨がふってきた 明日は文句を云わないよ これからは 泣いたりしないだろう なぜなら 私は自由だから |
雨に濡れた恋恋の甘い嘘が とても つらいのよ 思い出が わたしに 涙を はこぶ 誰もいない お部屋 ため息と わたし 美しい 別れの 指輪がつらい いつから あなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 白い鏡にうつる さみしい微笑 なぐさめは あなたの 遠いささやき 愛の ささやき いつからあなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 好きなひとがすてた 最後のことば 思い出が今夜も 涙をはこぶ 涙をはこぶ | 倍賞千恵子 | 橋本淳 | すぎやまこういち | すぎやまこういち | 恋の甘い嘘が とても つらいのよ 思い出が わたしに 涙を はこぶ 誰もいない お部屋 ため息と わたし 美しい 別れの 指輪がつらい いつから あなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 白い鏡にうつる さみしい微笑 なぐさめは あなたの 遠いささやき 愛の ささやき いつからあなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 好きなひとがすてた 最後のことば 思い出が今夜も 涙をはこぶ 涙をはこぶ |
あなたと共にあなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが女の 弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に点った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の 希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう | 倍賞千恵子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 小川寛興 | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが女の 弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に点った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の 希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
あしたそろえたハンカチと 水筒 体操着 遅くまで 針仕事 名前を縫い込む 母の影 ああ なつかしく ああ よみがえる 眠れない 今宵 私は あの日の 小学生 ふすまの隙間から 灯りが もれてくる 忘れもの さがしもの 幾度も 確かめ かぞえてる ああ ありがとう ああ ごめんなさい あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 ああ なにもかも ああ 母ゆずり あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 | 倍賞千恵子 | 麻生香太郎 | 小六禮次郎 | 小六禮次郎 | そろえたハンカチと 水筒 体操着 遅くまで 針仕事 名前を縫い込む 母の影 ああ なつかしく ああ よみがえる 眠れない 今宵 私は あの日の 小学生 ふすまの隙間から 灯りが もれてくる 忘れもの さがしもの 幾度も 確かめ かぞえてる ああ ありがとう ああ ごめんなさい あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 ああ なにもかも ああ 母ゆずり あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 |
あざみの歌山には山の 愁(うれ)いあり 海には海の 悲しみや ましてこころの 花ぞのに 咲きしあざみの 花ならば 高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を ひとすじに くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが想い いとしき花よ 汝(な)はあざみ こころの花よ 汝はあざみ さだめの径は 涯てなくも かおれよせめて わが胸に | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 八洲秀章 | 小川寛興 | 山には山の 愁(うれ)いあり 海には海の 悲しみや ましてこころの 花ぞのに 咲きしあざみの 花ならば 高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を ひとすじに くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが想い いとしき花よ 汝(な)はあざみ こころの花よ 汝はあざみ さだめの径は 涯てなくも かおれよせめて わが胸に |
赤とんぼ夕やけ小やけの 赤とんぼ おわれてみたのは いつの日か 山の畑の くわの実を 小かごにつんだは まぼろしか 十五でねえやは 嫁にゆき お里のたよりも たえはてた 夕やけ小やけの 赤とんぼ とまっているよ さおのさき | 倍賞千恵子 | 三木露風 | 山田耕筰 | 小川寛興 | 夕やけ小やけの 赤とんぼ おわれてみたのは いつの日か 山の畑の くわの実を 小かごにつんだは まぼろしか 十五でねえやは 嫁にゆき お里のたよりも たえはてた 夕やけ小やけの 赤とんぼ とまっているよ さおのさき |
赤い靴赤い靴 はいてた 女の子 異人さんに つれられて 行っちゃった 横浜の 埠頭(はとば)から 船に乗って 異人さんに つれられて 行っちゃった 今では 青い目に なっちゃって 異人さんのお国に いるんだろ 赤い靴 見るたび 考える 異人さんに逢うたび 考える | 倍賞千恵子 | 野口雨情 | 本居長世 | 小六禮次郎 | 赤い靴 はいてた 女の子 異人さんに つれられて 行っちゃった 横浜の 埠頭(はとば)から 船に乗って 異人さんに つれられて 行っちゃった 今では 青い目に なっちゃって 異人さんのお国に いるんだろ 赤い靴 見るたび 考える 異人さんに逢うたび 考える |
青葉の笛一の谷の 軍 破れ 討たれし平家の 公達あわれ 暁 寒き 須磨の嵐に 聞えしはこれか 青葉の笛 更くる夜半に 門を敲き わが師に託せし 言の葉あわれ 今わの際まで 持ちし箙に 残れるは 「花や 今宵」の歌 一の谷の 軍 破れ 討たれし平家の 公達あわれ 暁 寒き 須磨の嵐に 聞えしはこれか 青葉の笛 | 倍賞千恵子 | 大和田建樹 | 田村虎蔵 | | 一の谷の 軍 破れ 討たれし平家の 公達あわれ 暁 寒き 須磨の嵐に 聞えしはこれか 青葉の笛 更くる夜半に 門を敲き わが師に託せし 言の葉あわれ 今わの際まで 持ちし箙に 残れるは 「花や 今宵」の歌 一の谷の 軍 破れ 討たれし平家の 公達あわれ 暁 寒き 須磨の嵐に 聞えしはこれか 青葉の笛 |
愛は輝く瞳愛は輝く瞳 あどけない こころ あふれる微笑が いつか しあわせ運んでくれる 悲しい歌はいらない 本当の歌があれば あの入江の波も くり返しながら 平和のうたを歌ってる 愛のかけ橋 渡ろう あなたと手をつなぎ 愛はこの手で守るもの 誰をも傷つけないで さあ! 涙をふいて 夕陽が笑ってるから 強がらなくてもいいの やさしい気持があれば あの岬を渡る風のように さわやかな言葉を伝えましょう 愛のかけ橋 渡ろう あなたと 微笑みながら あなたと 微笑みながら | 倍賞千恵子 | いまなりあきよし | いまなりあきよし | | 愛は輝く瞳 あどけない こころ あふれる微笑が いつか しあわせ運んでくれる 悲しい歌はいらない 本当の歌があれば あの入江の波も くり返しながら 平和のうたを歌ってる 愛のかけ橋 渡ろう あなたと手をつなぎ 愛はこの手で守るもの 誰をも傷つけないで さあ! 涙をふいて 夕陽が笑ってるから 強がらなくてもいいの やさしい気持があれば あの岬を渡る風のように さわやかな言葉を伝えましょう 愛のかけ橋 渡ろう あなたと 微笑みながら あなたと 微笑みながら |
愛の讃歌(セリフ) ふるえながら 愛の時をたどって行く 限りなくやさしい愛の姿は 永遠の夢の中で いつまでも息づいているもの 心のなかで 失くした時を求めて 想い出が かけぬけて行く あなたの燃える手で 私を抱きしめて ただ二人だけで 生きていたいの ただ生命のかぎり 私は愛したい 生命のかぎりに あなたを愛したい ほほとほほ寄せ 燃えるくちづけを かわすよろこび あなたと二人で くらせるものなら なんにもいらない なんにもいらない あなたと二人で 生きて行くのよ 私の願いは ただそれだけよ あなたと二人 たとえ山はさけて 海はあせる時も 君の愛あれば 何をかおそれん 生命終わるときも あなたを愛したい 君の愛あれば さらに何を望まん | 倍賞千恵子 | E.Piaf・訳詩:岩谷時子 | M.Monnot | | (セリフ) ふるえながら 愛の時をたどって行く 限りなくやさしい愛の姿は 永遠の夢の中で いつまでも息づいているもの 心のなかで 失くした時を求めて 想い出が かけぬけて行く あなたの燃える手で 私を抱きしめて ただ二人だけで 生きていたいの ただ生命のかぎり 私は愛したい 生命のかぎりに あなたを愛したい ほほとほほ寄せ 燃えるくちづけを かわすよろこび あなたと二人で くらせるものなら なんにもいらない なんにもいらない あなたと二人で 生きて行くのよ 私の願いは ただそれだけよ あなたと二人 たとえ山はさけて 海はあせる時も 君の愛あれば 何をかおそれん 生命終わるときも あなたを愛したい 君の愛あれば さらに何を望まん |