朧月夜菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し 里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 | 倍賞千恵子 | 高野辰之 | 岡野貞一 | 小六禮次郎 | 菜の花畠に 入日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し 里わの火影(ほかげ)も 森の色も 田中の小路を たどる人も 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜 |
夏は来ぬ卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早もきなきて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ 五月雨の そそぐ山田に 早乙女が 裳裾ぬらして 玉苗(たまなえ)ううる 夏は来ぬ 橘の かおるのきばの 窓近く 蛍とびかい おこたり諌(いさ)むる 夏は来ぬ 楝(おうち)ちる 川辺の宿の 門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して 夕月すずしき 夏は来ぬ 五月やみ 蛍とびかい 水鶏なき 卯の花さきて 早苗うえわたす 夏は来ぬ | 倍賞千恵子 | 佐々木信綱 | 小山作之助 | 小六禮次郎 | 卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早もきなきて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ 五月雨の そそぐ山田に 早乙女が 裳裾ぬらして 玉苗(たまなえ)ううる 夏は来ぬ 橘の かおるのきばの 窓近く 蛍とびかい おこたり諌(いさ)むる 夏は来ぬ 楝(おうち)ちる 川辺の宿の 門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して 夕月すずしき 夏は来ぬ 五月やみ 蛍とびかい 水鶏なき 卯の花さきて 早苗うえわたす 夏は来ぬ |
花春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が かいのしずくも花と散る ながめを何にたとうべき 見ずやあけぼの露あびて われにものいう桜木を 見ずや夕暮れ手をのべて われさし招く青柳を にしき織りなす 長堤(ちょうてい)に 暮るればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の ながめを何にたとうべき | 倍賞千恵子 | 武島羽衣 | 滝廉太郎 | | 春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が かいのしずくも花と散る ながめを何にたとうべき 見ずやあけぼの露あびて われにものいう桜木を 見ずや夕暮れ手をのべて われさし招く青柳を にしき織りなす 長堤(ちょうてい)に 暮るればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の ながめを何にたとうべき |
空に星があるように空に星があるように 浜辺に 砂があるように ボクの心に たった一つの 小さな夢が ありました 風が東に 吹くように 川が流れて 行くように 時の流れに たった一つの 小さな夢は 消えました 淋しく 淋しく 星を見つめ ひとりで ひとりで 涙にぬれる 何もかも すべては 終わってしまったけれど 何もかも まわりは 消えてしまったけれど 春に小雨が 降るように 秋に枯葉が 散るように それは誰にも あるような ただの季節の かわりめの頃 | 倍賞千恵子 | 荒木一郎 | 荒木一郎 | 小六禮次郎 | 空に星があるように 浜辺に 砂があるように ボクの心に たった一つの 小さな夢が ありました 風が東に 吹くように 川が流れて 行くように 時の流れに たった一つの 小さな夢は 消えました 淋しく 淋しく 星を見つめ ひとりで ひとりで 涙にぬれる 何もかも すべては 終わってしまったけれど 何もかも まわりは 消えてしまったけれど 春に小雨が 降るように 秋に枯葉が 散るように それは誰にも あるような ただの季節の かわりめの頃 |
かりそめの恋夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか くちびるを かりそめの恋 あゝ虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 あゝ虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 あゝ虹の恋 夜風よ吹くな やは肌に | 倍賞千恵子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 小川寛興 | 夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか くちびるを かりそめの恋 あゝ虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 あゝ虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 あゝ虹の恋 夜風よ吹くな やは肌に |
港が見える丘あなたと二人で 来た丘は 港が見える丘 色あせた桜 ただ一つ 淋しく 咲いていた 船の汽笛 むせび泣けば チラリホラリと 花びら あなたと私にふりかかる 春の午後でした あなたと別れた あの夜 港が暗い夜 青白い灯り ただ一つ 桜を 照らしてた 船の汽笛 消えて行けば チラリホラリと 花びら 涙の雫(しずく)できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて 来る丘は 港が見える丘 葉桜を ソヨロ訪れる 潮風 浜の風 船の汽笛 遠く聞いて うつらとろりと 見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした | 倍賞千恵子 | 東辰三 | 東辰三 | 小六禮次郎 | あなたと二人で 来た丘は 港が見える丘 色あせた桜 ただ一つ 淋しく 咲いていた 船の汽笛 むせび泣けば チラリホラリと 花びら あなたと私にふりかかる 春の午後でした あなたと別れた あの夜 港が暗い夜 青白い灯り ただ一つ 桜を 照らしてた 船の汽笛 消えて行けば チラリホラリと 花びら 涙の雫(しずく)できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて 来る丘は 港が見える丘 葉桜を ソヨロ訪れる 潮風 浜の風 船の汽笛 遠く聞いて うつらとろりと 見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした |
酒とバラの日々幸福の日は 束の間に 過ぎ去りて 行く道を閉ざす 扉のその奥を 人は知らず 一人の夜は 思い出す 去りし日の 満ち足りた 微笑を 酒とバラの日々を 酒とバラの日々を | 倍賞千恵子 | J.Mercer・H.Mancini・訳詩:あらかはひろし | J.Mercer・H.Mancini | | 幸福の日は 束の間に 過ぎ去りて 行く道を閉ざす 扉のその奥を 人は知らず 一人の夜は 思い出す 去りし日の 満ち足りた 微笑を 酒とバラの日々を 酒とバラの日々を |
ムーン・リヴァームーンリヴァー ふるさとの 海につづく川 わかれの かなしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に サヨナラの手紙 折って流そう 髪の小舟 ムーンリヴァー ム……… この世の くるしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に 祈りこめ バラの花を散らし 朝を待とう ムーンリヴァー ム……… | 倍賞千恵子 | J.Mercer・H.Mancini・訳詩:吉田旺 | J.Mercer・H.Mancini | | ムーンリヴァー ふるさとの 海につづく川 わかれの かなしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に サヨナラの手紙 折って流そう 髪の小舟 ムーンリヴァー ム……… この世の くるしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に 祈りこめ バラの花を散らし 朝を待とう ムーンリヴァー ム……… |
リンゴの唄赤いリンゴに 口びるよせて だまってみている 青い空 リンゴはなんにも いわないけれど リンゴの気持は よくわかる リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ あの娘よい子だ 気立のよい娘 リンゴに良く似た 可愛いい娘 どなたがいったか うれしいうわさ かるいクシャミも とんで出る リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 朝のあいさつ 夕べの別れ いとしいリンゴに ささやけば 言葉は出さずに 小くびをまげて あすも又ねと 夢見がお リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 歌いましょうか リンゴの歌を 二人で歌えば なおたのし 皆なで歌えば なおなおうれし リンゴの気持を 伝えよか リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ | 倍賞千恵子 | サトウハチロー | 万城目正 | 小六禮次郎 | 赤いリンゴに 口びるよせて だまってみている 青い空 リンゴはなんにも いわないけれど リンゴの気持は よくわかる リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ あの娘よい子だ 気立のよい娘 リンゴに良く似た 可愛いい娘 どなたがいったか うれしいうわさ かるいクシャミも とんで出る リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 朝のあいさつ 夕べの別れ いとしいリンゴに ささやけば 言葉は出さずに 小くびをまげて あすも又ねと 夢見がお リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 歌いましょうか リンゴの歌を 二人で歌えば なおたのし 皆なで歌えば なおなおうれし リンゴの気持を 伝えよか リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ |
ラブレター“あなたが好き”と書くと ただ それだけで 胸のたかなる 私 ふるえる指で 手紙を破りすてるの だって だって 恥かしいわ あなたには とどかない 私のラブレター あなたの手紙読んで ただ それだけで しあわせになる 私 夜ふけてひとり 手紙を胸に眠るの だって だって 愛してるの 私には 狂おしい あなたのラブレター “あなたが嫌い”と書くと ただ それだけで 涙ぐんでる 私 にじむ言葉を こまかく破りすてるの だって だって 好きなのよ あなたには とどかない 私のラブレター | 倍賞千恵子 | 永六輔 | 小川寛興 | 小川寛興 | “あなたが好き”と書くと ただ それだけで 胸のたかなる 私 ふるえる指で 手紙を破りすてるの だって だって 恥かしいわ あなたには とどかない 私のラブレター あなたの手紙読んで ただ それだけで しあわせになる 私 夜ふけてひとり 手紙を胸に眠るの だって だって 愛してるの 私には 狂おしい あなたのラブレター “あなたが嫌い”と書くと ただ それだけで 涙ぐんでる 私 にじむ言葉を こまかく破りすてるの だって だって 好きなのよ あなたには とどかない 私のラブレター |
ちいさい秋みつけただれかさんが だれかさんが だれかさんが みつけた ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた めかくしおにさん 手の なるほうへ すました お耳に かすかに しみた よんでる 口笛 もずの声 ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた だれかさんが だれかさんが だれかさんが みつけた ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた おへやは 北むき くもりの ガラス うつろな 目の色 とかした ミルク わずかな すきから 秋の風 ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた | 倍賞千恵子 | サトウハチロー | 中田喜直 | 小川寛興 | だれかさんが だれかさんが だれかさんが みつけた ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた めかくしおにさん 手の なるほうへ すました お耳に かすかに しみた よんでる 口笛 もずの声 ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた だれかさんが だれかさんが だれかさんが みつけた ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた おへやは 北むき くもりの ガラス うつろな 目の色 とかした ミルク わずかな すきから 秋の風 ちいさい 秋 ちいさい 秋 ちいさい 秋 みつけた |
ペチカ雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 昔 昔よ 燃えろよ ペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 面は寒い 栗や栗やと 呼びますペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ じき春来ます 今に楊(やなぎ)も 萌(も)えましょペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしいペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよペチカ | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 山田耕筰 | | 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 昔 昔よ 燃えろよ ペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 面は寒い 栗や栗やと 呼びますペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ じき春来ます 今に楊(やなぎ)も 萌(も)えましょペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしいペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよペチカ |
花はおくらないでくださいお別れに花を 贈らないでください お心はとても 嬉しいのです それはあなたの せつない吐息が 花を通して きこえるからよ 白いバラの花は 贈らないで下さい あまりにも清く 淋しいのです お別れに花を 贈らないで下さい さよならはとても 言えないのです それはあなたの やさしい瞳が 花の中から ささやくからよ くちなしの花は 贈らないで下さい あまりにも辛く かなしいのです あの日あなたと 過ごした幸福 ひとりしずかに だきしめたいの お別れの花は 贈らないで下さい 思い出は長く 消えないのです | 倍賞千恵子 | 服部鋭夫 | 江口浩司 | | お別れに花を 贈らないでください お心はとても 嬉しいのです それはあなたの せつない吐息が 花を通して きこえるからよ 白いバラの花は 贈らないで下さい あまりにも清く 淋しいのです お別れに花を 贈らないで下さい さよならはとても 言えないのです それはあなたの やさしい瞳が 花の中から ささやくからよ くちなしの花は 贈らないで下さい あまりにも辛く かなしいのです あの日あなたと 過ごした幸福 ひとりしずかに だきしめたいの お別れの花は 贈らないで下さい 思い出は長く 消えないのです |
雨に濡れた恋恋の甘い嘘が とても つらいのよ 思い出が わたしに 涙を はこぶ 誰もいない お部屋 ため息と わたし 美しい 別れの 指輪がつらい いつから あなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 白い鏡にうつる さみしい微笑 なぐさめは あなたの 遠いささやき 愛の ささやき いつからあなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 好きなひとがすてた 最後のことば 思い出が今夜も 涙をはこぶ 涙をはこぶ | 倍賞千恵子 | 橋本淳 | すぎやまこういち | すぎやまこういち | 恋の甘い嘘が とても つらいのよ 思い出が わたしに 涙を はこぶ 誰もいない お部屋 ため息と わたし 美しい 別れの 指輪がつらい いつから あなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 白い鏡にうつる さみしい微笑 なぐさめは あなたの 遠いささやき 愛の ささやき いつからあなたは わたしをすてて 雨にぬれた 恋に さそわれたの 好きなひとがすてた 最後のことば 思い出が今夜も 涙をはこぶ 涙をはこぶ |
みかんの花咲く丘みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船が遠く 霞んでる 黒い煙を はきながら お船はどこへ 行くのでしょう 波に揺られて 島のかげ 汽笛がぼうと 鳴りました 何時か来た丘 母さんと 一緒に眺めた あの島よ 今日もひとりで 見ていると やさしい母さん 思われる | 倍賞千恵子 | 加藤省吾 | 海沼実 | 小六禮次郎 | みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船が遠く 霞んでる 黒い煙を はきながら お船はどこへ 行くのでしょう 波に揺られて 島のかげ 汽笛がぼうと 鳴りました 何時か来た丘 母さんと 一緒に眺めた あの島よ 今日もひとりで 見ていると やさしい母さん 思われる |
見上げてごらん夜の星を見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる 見上げてごらん 夜の星を ボクらのように 名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる 手をつなご ボクと おいかけよう 夢を 二人なら 苦しくなんか ないさ 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる ささやかな幸せを 祈ってる | 倍賞千恵子 | 永六輔 | いずみたく | 小六禮次郎 | 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる 見上げてごらん 夜の星を ボクらのように 名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる 手をつなご ボクと おいかけよう 夢を 二人なら 苦しくなんか ないさ 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる ささやかな幸せを 祈ってる |
モナリザモナリザ モナリザ 神秘な みわくのそのほほえみよ うれわしげに ほほえむ目よ ああ モナリザ 夢の人 あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように | 倍賞千恵子 | J.Livingston・R.Evans・訳詩:岩谷時子 | J.Livingston・R.Evans | | モナリザ モナリザ 神秘な みわくのそのほほえみよ うれわしげに ほほえむ目よ ああ モナリザ 夢の人 あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように |
霧の花優しいことを 言わないで 橋を渡って いますぐに 霧の夜更けに 二人して 見ていた夢は 霧の花 水に流して 忘れてね あなたの歩く 道ならば ついて行きたい どこまでも それも貧しい 私では はかない望み 霧の花 あきらめなけりゃ いけないの 思い出ばかり 残るけど 来ては駄目 駄目 なみだ橋 きっと私も 忘れます 小さな恋の 霧の花 二度と呼んだり しないでね | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 小川寛興 | | 優しいことを 言わないで 橋を渡って いますぐに 霧の夜更けに 二人して 見ていた夢は 霧の花 水に流して 忘れてね あなたの歩く 道ならば ついて行きたい どこまでも それも貧しい 私では はかない望み 霧の花 あきらめなけりゃ いけないの 思い出ばかり 残るけど 来ては駄目 駄目 なみだ橋 きっと私も 忘れます 小さな恋の 霧の花 二度と呼んだり しないでね |
故郷は遠い北国故郷(ふるさと)は 遠い北国 雪白く 頂く山に いどみ行く 若人の群 大雪山(たいせつ)の いただき高く あゝ 峰々に 響く声々 故郷は 遠い北国 石狩川(いしかり)の 流れる岸辺 こがねなす 広野の中の あたたかい 灯の街 あゝ うまざけの あふれる泉 故郷は 遠い北国 粉雪の 吹きすさぶ夜 赤々と だんろは燃えて 明日の夢 語り合いつつ あゝ 和(なご)やかに まどう家々 | 倍賞千恵子 | 小野寺与吉 | 飯田三郎 | | 故郷(ふるさと)は 遠い北国 雪白く 頂く山に いどみ行く 若人の群 大雪山(たいせつ)の いただき高く あゝ 峰々に 響く声々 故郷は 遠い北国 石狩川(いしかり)の 流れる岸辺 こがねなす 広野の中の あたたかい 灯の街 あゝ うまざけの あふれる泉 故郷は 遠い北国 粉雪の 吹きすさぶ夜 赤々と だんろは燃えて 明日の夢 語り合いつつ あゝ 和(なご)やかに まどう家々 |
揺籃のうた揺籃のうたを、 カナリヤが歌う よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のうえに、 枇杷(びわ)の実が揺れる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のつなを、 木ねずみが揺する よ ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のゆめに、 黄色い月がかかる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 草川信 | 小六禮次郎 | 揺籃のうたを、 カナリヤが歌う よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のうえに、 枇杷(びわ)の実が揺れる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のつなを、 木ねずみが揺する よ ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のゆめに、 黄色い月がかかる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 |
瀬戸の恋唄島のナ 島の娘は 色づくみかん みかんョ あまい香りに ふれもせず 港はなれる 船を呼ぶョ 四国ナ 四国ぐらしは お山のお城 お城ョ 雨や嵐は 堪えても 別れ言葉に ひとしずくョ 恋のナ 恋のさだめは いで湯のけむり けむりョ 熱いこゝろを 寄せたとて 瀬戸の潮風 風に散るョ | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 牧野由多可 | | 島のナ 島の娘は 色づくみかん みかんョ あまい香りに ふれもせず 港はなれる 船を呼ぶョ 四国ナ 四国ぐらしは お山のお城 お城ョ 雨や嵐は 堪えても 別れ言葉に ひとしずくョ 恋のナ 恋のさだめは いで湯のけむり けむりョ 熱いこゝろを 寄せたとて 瀬戸の潮風 風に散るョ |
悲しい旅たったひとりで 旅に出たの 貴方のことを 忘れるために だけど貴方は わたしのすべて 出来ないことよ 忘れるなんて たそがれせまる 見知らぬ町に 恋しい貴方の 名前を呼ぶの かなえてほしい 切ない恋を かなえてほしい 切ない恋を 流してほしい 川の水に この苦しみを この悲しみを どうしてひとりで 生きて行けるの 貴方だけが わたしのいのち 夕べの鐘が むなしくひびく たったひとりの 悲しい旅路 信じていたい 二人の愛を 信じていたい 二人の愛を 二人の愛を | 倍賞千恵子 | 水垣洋子 | すぎやまこういち | | たったひとりで 旅に出たの 貴方のことを 忘れるために だけど貴方は わたしのすべて 出来ないことよ 忘れるなんて たそがれせまる 見知らぬ町に 恋しい貴方の 名前を呼ぶの かなえてほしい 切ない恋を かなえてほしい 切ない恋を 流してほしい 川の水に この苦しみを この悲しみを どうしてひとりで 生きて行けるの 貴方だけが わたしのいのち 夕べの鐘が むなしくひびく たったひとりの 悲しい旅路 信じていたい 二人の愛を 信じていたい 二人の愛を 二人の愛を |
海松原遠く消ゆるところ 白帆の影は浮かぶ 干網(ほしあみ)浜に高くして 鴎(かもめ)は低く波に飛ぶ 見よ昼の海 見よ昼の海 島山闇(しまやまやみ)に著(しる)きあたり 漁火(いさりび)光淡し 寄る波岸に緩くして 浦風かろく沙(いさご)吹く 見よ夜の海 見よ夜の海 | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | 松原遠く消ゆるところ 白帆の影は浮かぶ 干網(ほしあみ)浜に高くして 鴎(かもめ)は低く波に飛ぶ 見よ昼の海 見よ昼の海 島山闇(しまやまやみ)に著(しる)きあたり 漁火(いさりび)光淡し 寄る波岸に緩くして 浦風かろく沙(いさご)吹く 見よ夜の海 見よ夜の海 |
星屑の町両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで やさしかった 夢にはぐれず 瞼をとじて 帰えろ まだ遠い 赤いともしび 指笛吹いて 帰えろ ゆれながら 星屑分けて 町をはなれて わすれない 花のかずかず 瞼をとじて 帰えろ 思い出の 道をひとすじ 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで | 倍賞千恵子 | 東條寿三郎 | 安部芳明 | 小六禮次郎 | 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで やさしかった 夢にはぐれず 瞼をとじて 帰えろ まだ遠い 赤いともしび 指笛吹いて 帰えろ ゆれながら 星屑分けて 町をはなれて わすれない 花のかずかず 瞼をとじて 帰えろ 思い出の 道をひとすじ 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで |
毬ころころと 転がせば ころころと 戻ります 縁側の 昼下がり 子猫も あくびする 毬遊びが 好きでした にこにこと 笑ったら にこにこと 返します そんな素敵な 父でした 友達は 笑うけれど やっぱり父が 好きでした ころころと 転ばせば ころころと 戻ります いつも優しい 父でした 幼い頃の私 毬遊びが 好きでした いつまでも 一緒だね いつまでも 一緒だよ 指きりしたね おばあちゃん かなしいな さみしいな 戻らぬ人と なりました 大嫌い もういやよ 大嫌い 父のこと なんて冷たい 父だろう 涙も見せず もくもくと 葬儀をこなす 父でした わぁわぁと 泣いている わぁわぁと 泣きじゃくる 子供のような 父でした 私 見てしまいました おばあちゃんの写真 抱いていた… ころころと 転がせば ころころと 戻ります あの毬のよに やっぱり優しい 父でした やっぱり私の 父でした | 倍賞千恵子 | としおちゃん | 菊池一仁 | 山下康介 | ころころと 転がせば ころころと 戻ります 縁側の 昼下がり 子猫も あくびする 毬遊びが 好きでした にこにこと 笑ったら にこにこと 返します そんな素敵な 父でした 友達は 笑うけれど やっぱり父が 好きでした ころころと 転ばせば ころころと 戻ります いつも優しい 父でした 幼い頃の私 毬遊びが 好きでした いつまでも 一緒だね いつまでも 一緒だよ 指きりしたね おばあちゃん かなしいな さみしいな 戻らぬ人と なりました 大嫌い もういやよ 大嫌い 父のこと なんて冷たい 父だろう 涙も見せず もくもくと 葬儀をこなす 父でした わぁわぁと 泣いている わぁわぁと 泣きじゃくる 子供のような 父でした 私 見てしまいました おばあちゃんの写真 抱いていた… ころころと 転がせば ころころと 戻ります あの毬のよに やっぱり優しい 父でした やっぱり私の 父でした |
あしたそろえたハンカチと 水筒 体操着 遅くまで 針仕事 名前を縫い込む 母の影 ああ なつかしく ああ よみがえる 眠れない 今宵 私は あの日の 小学生 ふすまの隙間から 灯りが もれてくる 忘れもの さがしもの 幾度も 確かめ かぞえてる ああ ありがとう ああ ごめんなさい あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 ああ なにもかも ああ 母ゆずり あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 | 倍賞千恵子 | 麻生香太郎 | 小六禮次郎 | 小六禮次郎 | そろえたハンカチと 水筒 体操着 遅くまで 針仕事 名前を縫い込む 母の影 ああ なつかしく ああ よみがえる 眠れない 今宵 私は あの日の 小学生 ふすまの隙間から 灯りが もれてくる 忘れもの さがしもの 幾度も 確かめ かぞえてる ああ ありがとう ああ ごめんなさい あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 ああ なにもかも ああ 母ゆずり あふれてくる 涙 ぬぐえば あしたは 花嫁 |
君の瞳君の瞳の中に あどけない頃の 一枚の写真が 色褪せもせず… 君の瞳の中に あの日の海へ 無くしてしまった 童歌が…… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 君の瞳の中に はしゃぎ過ぎて 家を忘れた 迷子がいる… 君の瞳の中に その小さな胸で 何かを叫んでる 張り裂けそうに… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 運命は激しい嵐のよう 私達は追いやられる だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 私がいる | 倍賞千恵子 | 下村明彦 | 下村明彦 | | 君の瞳の中に あどけない頃の 一枚の写真が 色褪せもせず… 君の瞳の中に あの日の海へ 無くしてしまった 童歌が…… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 君の瞳の中に はしゃぎ過ぎて 家を忘れた 迷子がいる… 君の瞳の中に その小さな胸で 何かを叫んでる 張り裂けそうに… 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 運命は激しい嵐のよう 私達は追いやられる だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 生れて 育って 歩き始めて みんな何処へ行った 時の流れはとめどもなく 私達を変えてしまう だけど 君の瞳の中に あの日のままの 私が見える 私がいる 私がいる |
やさしく歌って悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 何気なく 一人来た酒場に 知らない歌が 流れていた ざわめきの中 聞えるこの歌 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 おねがいよどうか もうやめてよ 聞きたくないわ この唄は 忘れたいのに 思い出すきのう 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 | 倍賞千恵子 | N.Gimbel・訳詩:山川啓介 | C.Fox | | 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 何気なく 一人来た酒場に 知らない歌が 流れていた ざわめきの中 聞えるこの歌 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 おねがいよどうか もうやめてよ 聞きたくないわ この唄は 忘れたいのに 思い出すきのう 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 |
土曜日は私となにもいらないわ 傍(そば)にいるだけで とても倖せな 気持ちになるの それはささやかな 愛の誕生日 だから土曜日は あたしのために あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ それはささやかな 愛の誕生日 ふたりの土曜日を 忘れないでね なにも言えないわ 好きになりすぎて どうぞだましたり しないで欲しい たとえ他の日は よそで過ごしても せめて土曜日は あたしのために あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ たとえ他の日は よそで過ごしても ふたりの土曜日を 忘れないでね あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ たとえ他の日は よそで過ごしても ふたりの土曜日を 忘れないでね | 倍賞千恵子 | 横井弘 | 小川寛興 | | なにもいらないわ 傍(そば)にいるだけで とても倖せな 気持ちになるの それはささやかな 愛の誕生日 だから土曜日は あたしのために あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ それはささやかな 愛の誕生日 ふたりの土曜日を 忘れないでね なにも言えないわ 好きになりすぎて どうぞだましたり しないで欲しい たとえ他の日は よそで過ごしても せめて土曜日は あたしのために あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ たとえ他の日は よそで過ごしても ふたりの土曜日を 忘れないでね あなたの あつい胸が 生きてく ささえなのよ たとえ他の日は よそで過ごしても ふたりの土曜日を 忘れないでね |
春が来た春が来た 春が来た どこに来た 山に来た 里に来た 野にも来た 花が咲く 花が咲く どこに咲く 山に咲く 里に咲く 野にも咲く 鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く 山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く | 倍賞千恵子 | 高野辰之 | 岡野貞一 | 小六禮次郎 | 春が来た 春が来た どこに来た 山に来た 里に来た 野にも来た 花が咲く 花が咲く どこに咲く 山に咲く 里に咲く 野にも咲く 鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く 山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く |
胸の振子柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が なるなる 朝から今日も なにも言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたに私 胸の振子が なるなる 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮べ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 | 倍賞千恵子 | サトウハチロー | 服部良一 | 小六禮次郎 | 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が なるなる 朝から今日も なにも言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたに私 胸の振子が なるなる 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮べ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 |
私でよかったら私でよかったら 私はよろこんで あなたの胸に だかれます 明日のことは 知らない きらいになるかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの愛を ちかいます わかれの日は 知らない 泣きかなしむかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの言葉を 信じます 幸福(しあわせ)かは 知らない 苦しみぬくかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ どうぞ | 倍賞千恵子 | 永六輔 | 中村八大 | | 私でよかったら 私はよろこんで あなたの胸に だかれます 明日のことは 知らない きらいになるかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの愛を ちかいます わかれの日は 知らない 泣きかなしむかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの言葉を 信じます 幸福(しあわせ)かは 知らない 苦しみぬくかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ どうぞ |
汽車今は山中 今は浜 今は鉄橋 渡るぞと 思う間もなく トンネルの 闇を通って 広野原(ひろのはら) 遠くに見える 村の屋根 近くに見える 町の軒(のき) 森や林や 田や畑 後へ後へと 飛んで行く 廻り燈篭(どうろう)の 絵の様(よう)に 変る景色の おもしろさ 見とれてそれと 知らぬ間に 早くも過ぎる 幾十里 | 倍賞千恵子 | 不詳 | 大和田愛羅 | 小六禮次郎 | 今は山中 今は浜 今は鉄橋 渡るぞと 思う間もなく トンネルの 闇を通って 広野原(ひろのはら) 遠くに見える 村の屋根 近くに見える 町の軒(のき) 森や林や 田や畑 後へ後へと 飛んで行く 廻り燈篭(どうろう)の 絵の様(よう)に 変る景色の おもしろさ 見とれてそれと 知らぬ間に 早くも過ぎる 幾十里 |
淋しい手夜の中へ手をのべる あなたはいないのに 暗い闇が指にふれ むなしくふるえてる いつでもあなたの 熱いからだ わたしをつつみ そばにいたけれど いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 長い髪を散らして あなたを求めるの 白くやせた指先が はかなく舞うだけよ お願いあなたの 熱い胸に わたしを強く抱いて もう一度 いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 夜明けの光の 中でひとり わたしは死んでしまう 悲しくて いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた | 倍賞千恵子 | 山上路夫 | 田辺信一 | | 夜の中へ手をのべる あなたはいないのに 暗い闇が指にふれ むなしくふるえてる いつでもあなたの 熱いからだ わたしをつつみ そばにいたけれど いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 長い髪を散らして あなたを求めるの 白くやせた指先が はかなく舞うだけよ お願いあなたの 熱い胸に わたしを強く抱いて もう一度 いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた 夜明けの光の 中でひとり わたしは死んでしまう 悲しくて いまは闇があるだけよ わたしは捨てられた |
愛は輝く瞳愛は輝く瞳 あどけない こころ あふれる微笑が いつか しあわせ運んでくれる 悲しい歌はいらない 本当の歌があれば あの入江の波も くり返しながら 平和のうたを歌ってる 愛のかけ橋 渡ろう あなたと手をつなぎ 愛はこの手で守るもの 誰をも傷つけないで さあ! 涙をふいて 夕陽が笑ってるから 強がらなくてもいいの やさしい気持があれば あの岬を渡る風のように さわやかな言葉を伝えましょう 愛のかけ橋 渡ろう あなたと 微笑みながら あなたと 微笑みながら | 倍賞千恵子 | いまなりあきよし | いまなりあきよし | | 愛は輝く瞳 あどけない こころ あふれる微笑が いつか しあわせ運んでくれる 悲しい歌はいらない 本当の歌があれば あの入江の波も くり返しながら 平和のうたを歌ってる 愛のかけ橋 渡ろう あなたと手をつなぎ 愛はこの手で守るもの 誰をも傷つけないで さあ! 涙をふいて 夕陽が笑ってるから 強がらなくてもいいの やさしい気持があれば あの岬を渡る風のように さわやかな言葉を伝えましょう 愛のかけ橋 渡ろう あなたと 微笑みながら あなたと 微笑みながら |
野性のエルザBorn Free 風のように 草のように 気ままにくらせ Live Free 花やとりと 遊びたわむれ 星を迎える Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの Born Free いきることは ただそれだけで すばらしい Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの | 倍賞千恵子 | D.Black・J.Barry・訳詩:若谷和子 | D.Black・J.Barry | | Born Free 風のように 草のように 気ままにくらせ Live Free 花やとりと 遊びたわむれ 星を迎える Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの Born Free いきることは ただそれだけで すばらしい Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの |
ペィチカ雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ むかしむかしよ 燃えろよ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペチカ燃えろよ おもては寒い 栗や栗やと 呼びます ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ じき春来ます いまに楊も 萌えましょ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしい ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよ ペィチカ | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 山田耕筰 | | 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ むかしむかしよ 燃えろよ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペチカ燃えろよ おもては寒い 栗や栗やと 呼びます ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ じき春来ます いまに楊も 萌えましょ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしい ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよ ペィチカ |
お多福キラリ恥じらいが紅を差す 両頬の火照りは 身に余る幸があふれた 不器量ぐせ あゝねたみそねみ 愚痴こぼさない あるがまま あゝ分を弁え お天道様に手を合わす 清く強く名前なく 人は生きてゆく 正直者の福笹に かんざしキラリ お多福の御利益は 場を照らす明るさ 哀しみも笑い語りの あどけなさよ あゝ男心 受け止めましょう うなずいて あゝつよがりさえ 抱き止めましょう 母のよに 汗と涙きらめかせ 人は生きてゆく 働き者の寝姿に 満月キラリ 陰に日向に夫婦舟 残照キラリ | 倍賞千恵子 | 麻生香太郎 | 小六禮次郎 | 小六禮次郎 | 恥じらいが紅を差す 両頬の火照りは 身に余る幸があふれた 不器量ぐせ あゝねたみそねみ 愚痴こぼさない あるがまま あゝ分を弁え お天道様に手を合わす 清く強く名前なく 人は生きてゆく 正直者の福笹に かんざしキラリ お多福の御利益は 場を照らす明るさ 哀しみも笑い語りの あどけなさよ あゝ男心 受け止めましょう うなずいて あゝつよがりさえ 抱き止めましょう 母のよに 汗と涙きらめかせ 人は生きてゆく 働き者の寝姿に 満月キラリ 陰に日向に夫婦舟 残照キラリ |
パパとママの銀婚式明るい光 部屋いっぱい ステキなケーキ 壁かざり 黄色と白の フリージャ パパ ありがとう ママ ありがとう 銀婚式 おめでとう ママには 銀の手鏡を パパには 銀のネクタイピン 二十五年の アルバムには 悲しい時も つらい時も いつも笑ってる パパとママ 兄は得意の カメラマン 妹が吹く ハーモニカ みんなで歌う 愛の唄 パパは テレて ママは あがって 銀婚式 おめでとう | 倍賞千恵子 | 園井啓介 | 萩原哲晶 | | 明るい光 部屋いっぱい ステキなケーキ 壁かざり 黄色と白の フリージャ パパ ありがとう ママ ありがとう 銀婚式 おめでとう ママには 銀の手鏡を パパには 銀のネクタイピン 二十五年の アルバムには 悲しい時も つらい時も いつも笑ってる パパとママ 兄は得意の カメラマン 妹が吹く ハーモニカ みんなで歌う 愛の唄 パパは テレて ママは あがって 銀婚式 おめでとう |
風の子守歌おやすみなさい かぜはいってしまったひを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた あおいそら おやすみなさい かぜは死んでしまったひとを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた しろいくも おやすみなさい かぜは忘れてしまったことを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた ひのひかり | 倍賞千恵子 | 別役実 | 池辺晋一郎 | 池辺晋一郎 | おやすみなさい かぜはいってしまったひを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた あおいそら おやすみなさい かぜは死んでしまったひとを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた しろいくも おやすみなさい かぜは忘れてしまったことを かぞえながら吹くのです あのひのしあわせと このひのふしあわせと いつかみた ひのひかり |
はるかに蝶ははるかな海の かなたから 春をひらひら 舞いながら 渡ってくると 人のいう まぼろしの蝶を しらないか かすかにひかる 地平線 まだ見ぬ国を 夢みつつ 嵐にたえて けなげにも かよわい蝶は 夜をとぶ ある朝蝶は 陸をみる いのちのかぎり はばたいて 春の香りを まきながら しずかに蝶は 虹となる そのとき大地 花ひらき まぼろしの蝶は よみがえる | 倍賞千恵子 | 片岡輝 | 小川寛興 | 小川寛興 | はるかな海の かなたから 春をひらひら 舞いながら 渡ってくると 人のいう まぼろしの蝶を しらないか かすかにひかる 地平線 まだ見ぬ国を 夢みつつ 嵐にたえて けなげにも かよわい蝶は 夜をとぶ ある朝蝶は 陸をみる いのちのかぎり はばたいて 春の香りを まきながら しずかに蝶は 虹となる そのとき大地 花ひらき まぼろしの蝶は よみがえる |
鳩笛鳩笛は 日の昏(く)れの音色 しのび寄る 冬のあしおと 鳩笛に なき友おもう 岩木山 雨にけむる日 鳩笛を くちびるにあてる 思い出は 雲と流れて 鳩笛に 涙する人よ 君もまた 津軽 生まれか 鳩笛を くちびるにあてる 思い出は 雲と流れて | 倍賞千恵子 | 清水みのる | 長谷川きよし | 若松正司 | 鳩笛は 日の昏(く)れの音色 しのび寄る 冬のあしおと 鳩笛に なき友おもう 岩木山 雨にけむる日 鳩笛を くちびるにあてる 思い出は 雲と流れて 鳩笛に 涙する人よ 君もまた 津軽 生まれか 鳩笛を くちびるにあてる 思い出は 雲と流れて |
美山の子守唄ねんねしなされ 今日は二十五日 明日はこの子の 誕生日よ ホホー 誕生日には まめの飯(まま)炊いて 一生この子が まめなよによ ホホー まめで暮らして 赤いべべ着せて ひもの下がりに 房つけてよ ホホー 房は何色 お紺と白と 赤を混ぜたら なおよかろよ ホホー ねんねしょと言(ゆ)うて 寝るよな子なら 親も子も楽 守も楽よ ホホー 乳が飲みたけりゃ つれて来い飲まそ つれて行(ゆ)くまに 日が暮れたよ ホホー 守のつらいのは 霜月師走 雪は散らつく 子はぐずるよ ホホー | 倍賞千恵子 | 京都地方のわらべ唄 | 尾上和彦 | 若松正司 | ねんねしなされ 今日は二十五日 明日はこの子の 誕生日よ ホホー 誕生日には まめの飯(まま)炊いて 一生この子が まめなよによ ホホー まめで暮らして 赤いべべ着せて ひもの下がりに 房つけてよ ホホー 房は何色 お紺と白と 赤を混ぜたら なおよかろよ ホホー ねんねしょと言(ゆ)うて 寝るよな子なら 親も子も楽 守も楽よ ホホー 乳が飲みたけりゃ つれて来い飲まそ つれて行(ゆ)くまに 日が暮れたよ ホホー 守のつらいのは 霜月師走 雪は散らつく 子はぐずるよ ホホー |
博多人形に寄せて博多人形の やさしさを 飾る窓 中洲 那珂川 川端あたり 街に灯(あかり)の ともるころ よみがえる よみがえる 遠い日の歌 博多人形に 花ごよみ めくる姉 やがて どんたく 山笠まつり はずむ囃子に 亡き母の ほほえみを ほほえみを 思い浮かべて 博多人形の 舞扇 あでやかに 博多帯しめ 筑前しぼり 粋な姿に おもかげの なつかしい なつかしい 幼ななじみよ | 倍賞千恵子 | 清水みのる | 中田喜直 | 中田喜直 | 博多人形の やさしさを 飾る窓 中洲 那珂川 川端あたり 街に灯(あかり)の ともるころ よみがえる よみがえる 遠い日の歌 博多人形に 花ごよみ めくる姉 やがて どんたく 山笠まつり はずむ囃子に 亡き母の ほほえみを ほほえみを 思い浮かべて 博多人形の 舞扇 あでやかに 博多帯しめ 筑前しぼり 粋な姿に おもかげの なつかしい なつかしい 幼ななじみよ |
小犬のプルーひとりぼっちのぼくが プルーと逢ったのは 夏も終りの北国(きた)の街 ボクをみるなり駆けてきて 優しい眼(め)をしてついてきた ひとりぼっちのボクと プルーがねむるころ おまえの体に吹きつける 冷たい風が気がかりで 眠れぬ夜もあったのさ ひとりぼっちのボクと プルーが別れたのは 哀しい眼をした日暮れ時 だれかにお前を頼めたら 今また逢いにゆけたのに 栗毛色した小犬のプルー ゆくえの知れないボクのプルー | 倍賞千恵子 | 林權三郎 | 柳澤剛 | 柳澤剛 | ひとりぼっちのぼくが プルーと逢ったのは 夏も終りの北国(きた)の街 ボクをみるなり駆けてきて 優しい眼(め)をしてついてきた ひとりぼっちのボクと プルーがねむるころ おまえの体に吹きつける 冷たい風が気がかりで 眠れぬ夜もあったのさ ひとりぼっちのボクと プルーが別れたのは 哀しい眼をした日暮れ時 だれかにお前を頼めたら 今また逢いにゆけたのに 栗毛色した小犬のプルー ゆくえの知れないボクのプルー |
星から落ちた迷い子星から落ちた迷い子は 暗い夜道に 銀の笛 コダマするのがいとしくて 暗い夜空に笛を吹く 星から落ちた迷い子は 螢火ひかる山峡(やまはざま) コダマするのが悲しくて ひとり夜道に笛を吹く 会うことのない人を呼ぶ | 倍賞千恵子 | 北杜夫 | 宮崎尚志 | 宮崎尚志 | 星から落ちた迷い子は 暗い夜道に 銀の笛 コダマするのがいとしくて 暗い夜空に笛を吹く 星から落ちた迷い子は 螢火ひかる山峡(やまはざま) コダマするのが悲しくて ひとり夜道に笛を吹く 会うことのない人を呼ぶ |