少年の悲しい唄バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | ひとりぼっちで 裏通り 夢を爪弾く フラメンコギター アー 少年の淋しい唄は かあさん かあさんを呼ぶ 涙ちょっぴり 夜のうた 愛を求めて 今日も又 町をさまよう フラメンコギター アー 少年のかすれる声は とうさん とうさんを呼ぶ 淋しがりやの 夜のうた 唄い疲れて 夜が更けりゃ 影が泣いてる フラメンコギター アー 少年の悲しい唄は にいさん にいさんを呼ぶ 細いトレモロ 夜のうた |
山の吊橋三山ひろし | 三山ひろし | 横井弘 | 吉田矢健治 | D・C・O | 山の吊橋ゃ どなたが通る せがれなくした 鉄砲うちが 話相手の 犬つれて 熊の親父を みやげにすると 鉄砲ひとなで して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ゃ どなたが通る 遠い都へ はなれた人を そっとしのびに 村むすめ 谷の潮音が 心にしむか 涙ひとふき して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ゃ どなたが通る 酒が切れたか 背中を丸め 呑んべェ炭やき いそぎ足 月をたよりに 枯葉のように くしゃみつづけて して通る ホレ ユーラユラ |
夕焼けとんび三山ひろし | 三山ひろし | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 夕焼け空が まっかっか とんびがくるりと 輪をかいた ホーイノホイ そこから東京が 見えるかい 見えたらここまで 降りて来な 火傷をせぬうち 早ッコヨ ホーイホイ 上りの汽車が ピーポッポ とんびもつられて 笛吹いた ホーイノホイ 兄(あん)ちゃんはどうして いるんだい ちょっぴり教えて くんないか 油揚一丁 進上ヨ ホーイホイ 一番星が チーカチカ とんびはいじ悪 知らぬ顔 ホーイノホイ 祭りにゃ かならず帰るって おいらをだまして 置いてった 兄ちゃんも お前も 馬鹿っちょヨ ホーイホイ |
夕焼けとんび氷川きよし | 氷川きよし | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 石倉重信 | 夕焼け空が まっかっか とんびがくるりと 輪をかいた ホーイノホイ そこから東京が 見えるかい 見えたらここまで 降(お)りて来な 火傷(やけど)をせぬうち 早ッコヨ ホーイホイ 上(のぼ)りの汽車が ピーポッポ とんびもつられて 笛吹いた ホーイノホイ 兄(あん)ちゃんはどうして いるんだい ちょっぴり教えて くんないか 油揚一丁 進上ヨ ホーイホイ 一番星が チーカチカ とんびはいじ悪 知らぬ顔 ホーイノホイ 祭りにゃ かならず帰るって おいらをだまして 置いてった 兄ちゃんも お前も 馬鹿っちょヨ ホーイホイ |
恋椿バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | もしも愛して いたのなら 夜に別れて 欲しかった 縋りたくても 縋れずに 街の真昼に 散って行く 女の胸の あゝ 恋椿 ひとり暮しが 侘びしくて 甘い台詞に 弱かった 尽し続けた だけなのに なんであなたは 遠くなる 紅さえ薄い あゝ 恋椿 街で見つけた 倖せは 消える運命(さだめ)の 虹だった 酒で傷(いた)みは 堪(こら)えても 肌のほてりに また泣ける 女の胸の あゝ 恋椿 |
青い月夜の並木路大津美子 | 大津美子 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | | 並木(なみき)の路(みち)は 青い月 ゆらりゆらゆら 涙がにじむ 待ってみたとて 帰る人でも ないものを ないものを だれか遠くで 呼ぶような 呼ぶような 青い月夜の 並木路 並木の路は 青い月 ゆらりゆらゆら 夢みるところ 閉じた瞼(まぶた)に 浮かぶ姿の わびしさよ わびしさよ ひとり送った あのときも あのときも 青い月夜の 並木路 並木の路は 青い月 ゆらりゆらゆら 面影ばかり 残る一言(ひとこと) 胸にせつなく 抱きながら 抱きながら なにもいわずに 泣いてましょう 泣いてましょう 青い月夜の 並木路 |
あの雲の下島津悦子 | 島津悦子 | 八島義郎 | 吉田矢健治 | | 辛く尾を引く別れの汽笛 押さえる程にはらはらと 掌濡らす切ない涙 私の心捧げ尽した あなたが遠くかすみ行く 胸に無情の潮風が 二人っきりの小部屋の中で 語り明かした思い出を 印して行くよ心の底へ あなたのいないこれからの日を 幻だけを追って行く 恋しい名をば呼び乍ら かすかに残る航跡追いて 眺める行手淡路島 あの雲さえもあなたの姿 飛んで行き度い鴎の様に 又逢う日迄唯一人 冷たい風に染む涙 |
広東エレジー菅原都々子 | 菅原都々子 | 藤間哲郎 | 吉田矢健治 | | 想い出すほど 辛さがつのる 追われ追われた 北の国 あゝ あの日から 泣いて泣いて つぶれた目 今じゃ流れて 広東の 夜毎にひらく 水の花 生きているとは 名のみの命 ともし灯消えた 胸のうち あゝ こんな世は 泣いて泣いて 忘れたい だけど逢いたい ただ一度 顔さえ知らぬ お母さん 粉を挽き挽き 李を食べた 昔のあたし どこへ行った あゝ サンパンで 泣いて泣いて 弾く胡弓 人を待つ間の なぐさみに くずれた夢を そっと抱く |
あなたと共に大月みやこ | 大月みやこ | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 小町昭 | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが 女の弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に灯った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
男心の唄二宮ゆき子 | 二宮ゆき子 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 小町昭 | 愛しているさ 君だけを 信じておくれ これだけは 僕の瞳に 少しでも 嘘のくもりが どこにある ぜったい君は 僕のもの 離しはしない 握った手 いつも一緒に いるときが 僕はとっても 幸せさ やさしく肩を 抱き寄せりゃ ふるえているね 今日の君 たまにゃやきもち やきながら すねて甘えりゃ なお可愛い わきめもふらず 君ひとり 真底慕う この心 僕の気持を 写し出す 恋のテレビが いま欲しい 逢うたびごとに 思うのさ 前よりずっと きれいだよ 嬉しがらせで なぜ言える こんな言葉を いまさらに 好き好き好きさ 大好きさ 誰より君を 愛してる そっと合わせる くちづけの 男心に 裏はない |
さよならも言わないで松島詩子 | 松島詩子 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | | さよならも言わないで 笑顔(えがお)を見せて 思いきらせた あなたはさすが いきな男 ふり向けば ふりかえり 気まぐれなものね さよならも 言わないで さよならも言わないで つれないそぶり 胸で呼んでる わたしはしょせん やぼな女 手を振れば 手をあげて 憎らしい人ね さよならも 言わないで ふり向けば ふりかえり 憎らしい人ね さよならも 言わないで |
故郷はいいなァ小宮恵子 | 小宮恵子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | あの山も この川も みんな昔と そのまゝに 迎えてくれる 懐しさ つきない夢を 秘めている 故郷はいいなァ あゝ やっぱり いいなァ あの人も この顔も 幼なじみの 仲間なら 語れば胸も 溶けてゆく 心に沁みる くになまり 故郷はいいなァ あゝ やっぱり いいなァ 悲しさも 嬉しさも そっと包んで 只ひとり 抱かれて泣けば 気も晴れる いついつまでも 変らない 故郷はいいなァ あゝ やっぱり いいなァ |
スペインの恋唄松島詩子 | 松島詩子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 燃えて開いた 紅(くれない)の バラの花よ ああ カルメン 刺すとげの 痛さ知れど ああ この胸を 誘う香(かお)りよ 君ともに踊らん 狂おしき ハバネラの調べに 夢をたたえて さかずきに よどむ酒か ああ カルメン メフィストの わなと知れど ああ 飲みほして 悔いぬ想(おも)いよ 君ともに語らん さめやすき 青春のよろこび ギター鳴らして セレナーデ 窓におくる ああ カルメン ドン・ホセの 運命(さだめ)知れど ああ わが命 かけし願いよ 君ともに歌わん なやましき スペインの恋唄 |
寒流春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | 吉田矢健治 | 海の暗さが 侘(わ)びしゅうてならぬ 風は冷たく ほほたたく 胸に浮かぶは あの娘(こ)の港 ほれて ほれて ほれていりゃこそ 思い出す 波が牙(きば)立つ 寒流はるか 行かにゃならない かじ枕 凍りつくよな 星影見れば なぜか なぜか なぜか心が 痛くなる 待っていなよと いうては来たが いつの日にまた 逢える身か 船が揺れれば 思いも揺れる 泣けて 泣けて 泣けてくるよな 海の果て |
あなたと共に倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | 小川寛興 | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが女の 弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に点った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の 希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
深川しぐれ橋鏡五郎 | 鏡五郎 | 松井由利夫 | 吉田矢健治 | | 帯の結び目 逆手で締めて 霧をひと吹き 潔め酒 情け着流し 男の道は 胸に三寸 ぶちこんだ 義理の楔が 義理の楔が 守り札 (セリフ)生きるのも けじめ 死ぬのも けじめ けじめだけはきっちりとつけて 男の道を歩いて行こうと思っております 男いのちの 観音開き 好いた惚れたじゃ 閉じられぬ 酒の力を 借りてじゃないが すがる片袖 ふりはらい 涙ひとつぶ 涙ひとつぶ 反古にする (セリフ)涙は瞼でとめて 言いたいことは呑みこんで それでいいんだ それがあいつのあいつのためなんだ 一度かぎりで 二度ない浮世 濡れりゃ躓く 戻り雨 花は散るから その実が残る 意地のけじめは きっちりと つけて辰巳の つけて辰巳の しぐれ橋 |
男の舞扇三橋美智也 | 三橋美智也 | 服部鋭夫 | 吉田矢健治 | | 親の恩より 師の恩と 父に言われた あのことば 忘れねばこそ 踊りにかけた 男いのちの 舞扇 からむ鹿(ひが)の子 紅鹿の子 かけちゃならない あだなさけ 芸のきびしさ 恋路の闇に 迷やみだれる 足拍子 花のほまれを 人とわば 男冥利の 晴れ舞台 意地の紋付 意気地の袴 今宵まぶしや 金屏風 |
女心の唄五木ひろし | 五木ひろし | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | 宮下博次 | あなただけはと 信じつつ 恋におぼれて しまったの 心変わりが せつなくて つのる思いの しのび泣き どうせ私を だますなら だまし続けて ほしかった 酔っている夜は 痛まぬが さめてなおます 胸の傷 うわべばかりと つい知らず ほれてすがった 薄情け 酒がいわせた ことばだと なんでいまさら 逃げるのよ 女ですもの 人並みに 夢を見たのが なぜ悪い 今夜しみじみ 知らされた 男心の うらおもて 逃げた人なぞ 追うものか 追えばなおさら つらくなる 遠いあの夜の 思い出を そっと抱くたび ついほろり 散って砕けた 夢の数 つなぎあわせて 生きてゆく いつか来る春 幸福(しあわせ)を のぞみすてずに ひとり待つ |
月夜の笛津村謙 | 津村謙 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 村はお祭り お山は月夜 私はぴいひゃら 笛自慢 高い櫓(やぐら)で 笛吹くときは 三里ひびいて ええ風となる 旅の一座の お下髪(さげ)の娘 紫蘇(しそ)の実かみかみ 月をみる 吹いてあげよか 故郷の唄を そばの花咲く ええ里の唄 村はお祭り こころは月夜 祭がすんだら 嫁も来る 月に横笛 浮かれて吹けば 思いばかりか ええ灯も揺らぐ |
かすりの女と背広の男三橋美智也 | 三橋美智也 | 黒田すゝむ・横井弘 | 吉田矢健治 | | かすりの女(むすめ)と 背広の男 指切りしていた 別れの港 小島の鴎も 椿の花も 見て見ぬふりした その涙 都と小島に 三年過ぎた 泣き泣きかすりは お嫁に行った 来なけりゃいいのに 背広の男 今ごろひょっこり やって来た 浮世(うきよ)の常さと 汽笛が鳴った 諦(あきら)めなされと 南(みなみ)風が吹いた どうなることかと 世間は騒ぎ かすりと背広は また涙 |
旅の燈台春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | どうせ波間の 渡り鳥 啼(な)き啼き行くのが 旅ならば 呼ぶな他国の 燈台あかり 男瞼が なお濡れる 海の暗さよ 夜(よ)の寒さ マストが揺れれば 身も揺れる 裂いて捨てよか 形見の写真 それで未練が 消えるなら そらを仰げば 流れ星 流れて消えれば また哀し 呼ぶなよふけの 燈台あかり 思い切る気で 行くものを |
青い月夜だ春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 波止場(はとば)離れりゃ 未練は捨てな 陸にゃ住めない 海の鳥 あすはどこかの 異国の港 待っているだろ 一夜(ひとよ)の夢が 青い月夜だ 甲板(デッキ)で語ろ 呼んでいたのか 故郷の空を わかるおぼえが ないじゃなし 帰りたいとも 思わぬくせに たまにゃ夢見て いまでも泣ける 青い月夜だ 甲板で語ろ 濡(ぬ)れてしょんぼり 小雨(こさめ)の浜で 送るあの娘(こ)を 俺(おれ)も見た 昔しのんで ついつまされて やけに痛むぜ 心のきずが 青い月夜だ 甲板で語ろ |
ギター鴎清水博正 | 清水博正 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 夜の裏町 ネオンの海に 今日もただよう かもめ鳥 淋しくなんか 淋しくなんか あるもんか 俺らにゃギターが 残ってる ここは都の 波止場じゃないか 逢えば別れが あたりまえ あきらめちゃいな あきらめちゃいな あの娘なら 俺らのギターが そういった 波のしぶきに つばさを濡らし どうせとべない かもめ鳥 明日があるぜ 明日があるぜ 本当さ 俺らとギターが 唄うだけ |
月の嫁入り舟春日八郎 | 春日八郎 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 舟がゆくゆく 嫁入り舟が 祭り囃子の その中を おさななじみが 思いをこめて 打てば太鼓も 月の流れを 泣いて行く 木の実ふるふる 社(やしろ)のかげで きいた子守の 唄のかず ばちの重さを 悲しくこらえ 打てば太鼓に 浮ぶあの日の 風ぐるま 舟がゆくゆく 嫁入り舟が つらい伏目の 人のせて 月に涙を さらしたままで 打てば太鼓は 川面(かわも)三里を 流れゆく |
カクテル小唄バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | おれとおまえの ふたつのグラス 離れ離れは 淋(さび)しいネ 振ってみようか シェーカーに入れて 恋のカクテル 甘い味 そっとふれれば すぐ散りそうな かわいあの娘の 片えくぼ だますつもりが ついだまされて 乗ったあぶない サイドカー 恋の終わりは お金の切れ目 ノック・アウトで さようなら やけであおった ミリオン・ダラー せめてさめるな いつまでも 東京_大阪 ふたりをつなぐ 恋のルートの 新幹線 遠く別れて 一日だって とてもマティニー 深い仲 燃えるお酒と 冷たい氷 なかで身をもむ この私(わたし) ほれちゃいけない バーテンさんに どうせ振るのは お手のもの おいら土産子(どさんこ) おまえは博多 今じゃ東京の どまん中 ピンク・レディーと マンハッタンの グラス合わせて 夢を見る |
ごめんヨかんべんナ春日八郎 | 春日八郎 | 伊吹とおる | 吉田矢健治 | | 待っていたのか 今日まで一人 そんなかぼそい 体で胸で そうかい そうだろう せつなかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ 勝手気ままな 俺らの意地が 好きとひと言 いわせなかった そうかい そうだろう 泣きたかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ 待っておいでよ 死ぬんじゃないぜ きっと俺らが 治してみせる そうかい そうだろう 淋しかったろネ ほんとにごめんヨ かんべんナ |
さよなら故郷さん三船浩 | 三船浩 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | | ながながお世話に なりました 悲しいけれど 今日限り あなたの側を 離れます 後は何んにも 何んにも言えません さようなら ふるさとさん さようなら 涙をみせて ごめんなさい 夕焼け雲を 見るにつけ どこかに母が いるようで 胸のつぶれる つぶれる想いです さようなら ふるさとさん さようなら お便りきっと ねがいます はなれて遠く 暮らす日に 昔の歌の かずかずを どうかそれでは それではご機嫌よう さようなら ふるさとさん さようなら |
岩手の和尚さん三橋美智也 | 三橋美智也 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 大寒(おおさむ) 小寒(こさむ) 山からこがらし 降りて来た 岩手の和尚(おしょう)さん 寒がりで すっぽりかぶった 白頭巾(ずきん) それではお里で 踊ろかな トッピキピーヒャラ ピーヒャラリ 笛ッコ吹き吹き やって来た 大寒 小寒 山から小僧が 逃げて来た お寺はひっそり 冬ごもり おかあがしみじみ 恋しゅうて 念仏あげるも うわのそら ナンマイダーブツ ナンマイダー 木魚(もくぎょ)をかついで 抜け出した 大寒 小寒 山からいっしょに 降りて来た 墨染め衣に 風入れて 来てみりゃお里は お祭りだ 吹きゃんせ打たんせ 踊りゃんせ スッテンテレツク テレドンドン 頭巾をぬぐまで 泊まりゃんせ |
街の燈台春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | 夜の巷(ちまた)の 小ぬか雨 なぜに男の 胸濡(ぬ)らす 流れ流れの しがない生命(いのち) せめて一夜(いちや)は 愛の灯(ひ)に 折れた翼に 風が吹く そんな気がする はぐれ鳥 どこが心の やどり木なのか 涙ばかりが ただ熱い よるべなければ なお淋し 街(まち)のあかりよ なぜうるむ 愛の燈台 照らしておくれ せめて希望の わが夢を |
故郷は遠い空春日八郎 | 春日八郎 | 東條寿三郎 | 吉田矢健治 | 吉田矢健治 | 熱い涙に頬を濡(ぬら)し じっと見つめてる 忘れもしない 淋しいひとみ 何故にこうまで 故郷は遠い 雨の都の片隅は 片隅は 暗い嘆(なげ)きの 夢ばかり 誰が忘りょう 指を結び誓った一言(ひとこと)を 変らず今も 待ってるのやら 丁度(ちょうど)あの日も 小雨の降る夜 我慢してくれ今暫(しば)し 今暫(しば)し 胸に希望を 抱く日まで 遠い故郷の空は いつも重たいなまりいろ 想いはめぐる 幼い日ごろ どおせ戻らぬ 夢とは知れど 更けて都(みやこ)に降る雨に 降る雨に 俺もかくれて 泣いている |
ギター流し春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 春が来たとて 行ったとて 旅の流しにゃ 知らぬこと ギター泣かせて 俺も泣く どうせはかない 恋の歌 好いちゃいけない 好けぬ身は いっそせつない 胸のうち 閉じた瞼(まぶた)の 裏側に せめておまえを 抱いて行こ 故郷(くに)を出たときゃ この俺も 夢も希望(のぞみ)も あったもの 街(まち)のあかりが 消えるよに 今じゃやつれた 影ひとつ |
ひとり泣く夜のワルツ江利チエミ | 江利チエミ | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 花が咲いても 淋しくて 花が散ったら なお悲し 誰が私を こうさせた 夜が 夜が泣かせるの 好きと何度も 書いた文字 いつか涙で 溶けてゆく どうせ貴方にゃ とどかない 夜が 夜が泣かせるの 酔って忘れる お酒さえ 思い出させる 苦い味 胸にせつなく なぜ沁みる 夜が 夜が泣かせるの とぎれとぎれの 夢にまで 追えば遠のく じれったさ 醒めりゃやつれた 影ばかり 夜が 夜がなかせるの |
足摺岬春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | つらい別れも 男であれば 涙見せずに 行く俺だ 土佐の高知の あの娘(こ)の声が 呼んで 呼んでいるよな 足摺岬(あしずりみさき) 思い残せば 港もかすむ 揺れるマストに 風が鳴る 胸に形見の かんざし抱いて つきぬ つきぬなごりの 足摺岬 鯨潮吹く 潮路をはるか 涙こらえて 行く俺だ 恋も情(なさけ)も また逢う日まで 捨てにゃ 捨てにゃならない 足摺岬 |
あなたと共に津村謙・吉岡妙子 | 津村謙・吉岡妙子 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | あなたと共に 行きましょう 恋の甘さと 切なさを はじめて教えて くれた人 それが 私の運命(さだめ)なら あなたと共に 行きましょう あなたと共に 泣きましょう 辛い浮世の 波風に 破れた翼の はぐれ鳥 それが 女の弱さなら あなたと共に 泣きましょう あなたと共に 呼びましょう 胸に灯(とも)った このあかり 消さずにかばって 抱きしめて それが 本当の希望(のぞみ)なら あなたと共に 呼びましょう |
別れの燈台春日八郎 | 春日八郎 | 高橋掬太郎 | 吉田矢健治 | | 別れ 別れ辛さに 唇かめば 啼いて渡るか 空とぶ鳥も 今宵かぎりの ふたりの影を 照らす岬の 燈台あかり どこへ どこへ行こうが 逢わずにいよが 変らないのが 男のこころ つきぬ思いの その思い出に ともれ岬の 燈台あかり ないて ないてはるばる 旅ゆく鳥も いつか帰るよ 故郷の空へ 明日は他国で 夢見る海を 照らせ岬の 燈台あかり |
雨降る街角 春日八郎 | 春日八郎 | 東篠寿三郎 | 吉田矢健治 | | つらいだろうが 野暮な事言うでない これきり逢えぬ 二人じゃないさ せめて震える 肩を引き寄せ 揺れて歩けば 雨が降る ああ 別れ街角 あれもこれも ひとときの夢ならば 今さら俺が 泣けたりするか 洩れる吐息に うるむ青い灯 なぜか今宵も 雨が降る ああ 馴れた街角 思い出して ただ一人待っていな 忘れずきっと 迎えにゃ来るぜ 未練きれずに 濡れてたたずむ 影に嘆きの 雨が降る ああ さらば街角 |
夕焼とんび 三橋美智也 | 三橋美智也 | 矢野亮 | 吉田矢健治 | | 夕焼け空が マッカッカ とんびがくるりと 輪を描(か)いた ホーイのホイ そこから東京が 見えるかい 見えたらここまで 降りて来な 火傷(やけど)をせぬうち 早くこヨ ホーイホイ 上りの汽車が ピーポッポ とんびもつられて 笛吹いた ホーイのホイ 兄(あん)ちゃはどうして いるんだい ちょっぴり教えて くんないか 油揚げ一丁 進上(しんじょう)ヨ ホーイホイ 一番星が チーカチカ とんびは意地悪 知らぬ顔 ホーイのホイ 祭りにゃ必ず 帰るって 俺らをだまして 置いてった 兄ちゃもおまえも ばかっちょヨ ホーイホイ |
山の吊橋 春日八郎 | 春日八郎 | 横井弘 | 吉田矢健治 | | 山の吊橋(つりばし)ァ どなたが通る せがれなくした 鉄砲うちが 話相手の 犬つれて 熊のおやじを みやげにすると 鉄砲ひとなで して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ァ どなたが通る 遠い都へ 離れた人を そっとしのびに 村娘 谷の瀬音が 心にしむか 涙ひとふき して通る ホレ ユーラユラ 山の吊橋ァ どなたが通る 酒がきれたか 背中をまるめ のんべェ炭焼き 急ぎ足 月をたよりに 枯れ葉のように くしゃみ続けて して通る ホレ ユーラユラ |
女心の唄 バーブ佐竹 | バーブ佐竹 | 山北由希夫 | 吉田矢健治 | | あなただけはと 信じつつ 恋におぼれて しまったの 心変わりが せつなくて つのる思いの しのび泣き どうせ私を だますなら だまし続けて ほしかった 酔っている夜は 痛まぬが さめてなおます 胸の傷 うわべばかりと つい知らず ほれてすがった 薄情け 酒がいわせた ことばだと なんでいまさら 逃げるのよ 女ですもの 人並みに 夢を見たのが なぜ悪い 今夜しみじみ 知らされた 男心の うらおもて 逃げた人なぞ 追うものか 追えばなおさら つらくなる 遠いあの夜の 思い出を そっと抱くたび ついほろり 散って砕けた 夢の数 つなぎあわせて 生きてゆく いつか来る春 幸福(しあわせ)を のぞみすてずに ひとり待つ |