クマのぬいぐるみ井上侑 | 井上侑 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつ腕がちぎれそう 耳がやぶけてそこから 白いわたが のぞいている そうさ古いぬいぐるみ 5年前のクリスマス パパのサンタクロースが 君のために買ってきた それからずっと仲良しで いつもいっしょに眠ってた だけど今日からぼくなしで ひとりで眠れる 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ ぼくはクマのぬいぐるみ 笑えないししゃべれない だけどずっと友だちさ 淋しい時は ママがわり 君はぼくをよくかんだ そしてほおり投げもした なのに泣き虫の君は いつも死ぬほど抱きしめた ある日田舎へ行く時は 一緒でなくっちゃいやだって ただをこねていたあの日が きのうのようだね 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ |
三女・おさがり節加藤梓(NHK東京児童合唱団) | 加藤梓(NHK東京児童合唱団) | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 石原眞治 | 上のねえさん キラキラ長女 二番ねえさん いぶし銀 そしてあたしは ボロボロ三女 泣いて笑って 泣いて笑って おさがり節 シンデレラみたいに 新品のドレスを 毎日着られる 夢を見る 靴はブカブカ ズボンはきつい シャツのポッケは破れてる これが三女の宿命だよと ぐっとこらえてぐっとこらえて おさがり節 家計第一 おしゃれは第二 それが我家の おきてなの ほんのときどき ピカピカルック 他はたいてい 他はたいてい おさがり節 一人っ子みたいに 新品の洋服 毎日着られる 夢を見る 三女の気持 わかっちゃいない だれに言っても笑うだけ だけどあたしは くよくよしない 破れかぶれの破れかぶれの おさがり節 おさがり節 |
酔いどれ女の流れ唄加藤登紀子 | 加藤登紀子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 酔いどれ女が 今夜もひとり 酒場でグラスを 抱いている まつげを濡らして 惚れた男に 生命を預けて 流れ流れた夜の川 男はもういない 酔いどれ女が ルージュをかめば さすらい暮しの 流れ舟 まぶたを下るよ 消えた男にゃ 未練はないが 冷たいグラスにふるさとが 切なく揺れるのさ 酔いどれ女の 行き着く先は 知っちゃいないさ 夜鳴鳥[よなきどり] ねぐらもないのに 雨に濡れながら 口ずさむ唄は 酔いどれ女の流れ唄 巷の風の唄 酔いどれ女の流れ唄 巷の風の唄 |
山口さんちのツトム君川橋啓史 | 川橋啓史 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 広場で遊ぼうって言っても 絵本を見せるって言っても いつも答は同じ 「あとで」 つまんないナァ 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 大事にしていた三輪車 お庭で雨にぬれていた けさは元気になったかナ 「おはよう」 返事がない 山口さんちのツトム君 田舎へ行ってたママが 帰ってきたら たちまち元気になっちゃって 田舎のおみやげ持ってきた つんだばかりのイチゴ チョッピリ すっぱいね |
ユミちゃんの引越し~さよならツトム君~川橋啓史、大塚佳子 | 川橋啓史、大塚佳子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 今日はユミちゃんがね 遠い町へ引越しだよ ぼくはママと二人で お別れに来たんだよ オテンバのくせにね ユミちゃんの目は涙色 ぼくは男の子だからね ママ 泣かないんだよね (ツトム君 さよなら さよなら ツトム君) むこうへついたらね きっと手紙を書いてよね 全部ひらがなで書けば ぼくも読めるからね お正月になったら ユミちゃんの家にいくんだ ぼくはこづかいをためてね ママ 会いにいくんだよ お正月になったら ユミちゃんの家にいくんだ ぼくはこづかいをためてね ママ 会いにいくんだよ |
僕は3丁目の電柱ですこおろぎ'73 | こおろぎ'73 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 僕は3丁目の電柱です 雨の日風の日 町角に立ち 通りを見てます ながめています 夕焼お空はいわし雲 僕の背中に一番星が出た ちっちゃな女の子が信号渡ります そろそろ灯りをつけましょうね 僕は3丁目の電柱です 5年と6ヶ月 立っています 花屋のチエちゃんと 同じ年です バラの香りがする朝に 僕は始めて この町に来ました それから町の人と仲良くなって 今ではすっかり顔なじみ 隣りの町からやってきて 道に迷った人がそばにきて 僕のおなかで番地を調べます そうですここは3丁目 僕は3丁目の電柱です |
山口さんちのツトム君 斎藤こず恵 | 斎藤こず恵 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 広場で遊ぼうって言っても 絵本を見せるって言っても いつも答は同じ 「あとで」 つまんないナァ 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 大事にしていた三輪車 お庭で雨にぬれていた けさは元気になったかナ 「おはよう」返事がない 山口さんちのツトム君 田舎へ行ってたママが 帰ってきたら たちまち元気になっちゃって 田舎のおみやげ持ってきた つんだばかりのイチゴ チョッピリ すっぱいね |
賑やかな酒場佐良直美 | 佐良直美 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 矢野立美 | 賑やかな酒場には さざめきがたちこめて 別れの悲しみを 持ち寄る人もなく 取り残された僕は 酒が染み入るままに 優しさも忘れて あなたを憎みそう ラララ…… 電話の向うで 泣いていたあなたの さよならの言葉が こんなに重いなんて 誰もがこうして 人生を知るのなら 傷ついたお互いを 慰めるのは止そう ラララ…… 賑やかな酒場には 顔見知りが集い 不似合な涙も ここでは酒のさかな ラララ…… |
星うらないキラキラ少年少女合唱団みずうみ | 少年少女合唱団みずうみ | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | おとこだったら おひつじざ いつもげんきでちからもち ちょうどクラスのてつやくん かれはみんなのまとめやく しがつうまれのおうしざは すきなあいてにごようじん かにざあたりのこがいたら うまくいくかも しれないね ゆかいなひとはふたござで ちょっとうつりぎゆかりちゃん ししざうまれのいいんちょう にねんれんぞくいいんちょう どりょくしだいでおとめざは あたまよくなるこがおおい センスいいのはてんびんざ じしんかじょうにきをつけて もえるめをしたさそりざは ひろしくんだよよくもてる ぼうけんずきないてざ やぎざうまれはガマンぼし ちゅうとはんぱがだいきらい ぼくのパパですみずがめざ いつもあまいよぼくのママ うおざうまれのおひとよし |
川はだれのもの?滝沢侑子・タンポポ児童合唱団 | 滝沢侑子・タンポポ児童合唱団 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 悠木昭宏 | 山に 降った 雨の しずく 岩を すべり 落ちて やがて 細い 川となった 川は 森で 生まれた 川は だれのもの? 住んでる 魚のものかしら? それとも 雨のものかな? 森の ものだろうか? 村を くだり 町を流れ 川は 海を 目ざす 鳥が あそぶ 虹が かかる 人の 希望 燃えたつ 川は 誰のもの? 岸辺の 緑のものかしら? それとも 鳥のものかな? 人の ものだろうか? いいえ どの川も 誰の ものでもありません 生きてる すべてのものです 川は みんなのもの 川は みんなのもの |
ルイちあきなおみ | ちあきなおみ | 吉田旺 | みなみらんぼう | | 並木通りにある 小さな画廊の飾り窓 やせた女のデッサンが 朝の銀座をみつめてる その娘の名前はルイと言い 酒場につとめていた 気だてのいい娘で 浮いた噂の 一つも聞かない 娘(こ)だったが ある日絵描きの タマゴと恋に 恋に落ちたよ はたで見るのも いじらしく オトコにつくしていた きっとあのひとは 偉くなるわと くちぐせみたいに くりかえし 飲めぬお酒をむりやり飲んで みつぎ続けた オトコは間もなくフランスへ ひとりで旅立った あとに残されたルイはそのうち 深酒かさねる 日がつづき 彼の帰りを 待たずにひとり 死んでしまった やつれた瞳をして三月あと 戻った恋びとは お金かき集め ルイという名の 小さな画廊を 開いたよ いつもあの娘が どこより好きと 言ってた銀座に 並木通りにある 小さな画廊の飾り窓 やせた女のデッサンが 雨の銀座をみつめてる |
やまぐちさんちのツトムくん 童謡・唱歌 | 童謡・唱歌 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 広場で遊ぼうって言っても 絵本を見せるって言っても いつも答は同じ 「あとで」 つまんないナァ 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 大事にしていた三輪車 お庭で雨にぬれていた けさは元気になったかナ 「おはよう」 返事がない 山口さんちのツトム君 田舎へ行ってたママが 帰ってきたら たちまち元気になっちゃって 田舎のおみやげ持ってきた つんだばかりのイチゴ チョッピリ すっぱいね |
居酒屋「すずらん」渚ゆう子 | 渚ゆう子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 細い路地を抜ければそこは 急に人通りも少なくなるけど すぐにわかるわ「すずらん」という店よ 暖簾に白く花のぬいとり 店は古くてお客もまばらよ だけどきっと来てね話したくなったら 嬉しい話もたまにはあるわ だけどいつもなぜか湿った話ばかり 縁切り話やだまされて死ぬだとか そんな女や男が来るわ そうねたとえば世間の吹き溜り だけどそこがいいの楽しいこともあるわ 苦い酒ならたくさんあるわよ 私も飲んだわお客といっしょに ずっとこの町を出たことないのに ずいぶん世間を歩いたみたいよ そんな私と会いたくなったら いつでもおいでなさい 居酒屋「すずらん」に |
憧れは南風なぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 石段登って 右手をかざせば 海の向こうに 白い船 僕の心に 南風吹いて 憧れ揺れて ふくらんだ さよなら言って 町を去った人が あの船で帰ってきそうな 昼下がり まぶしい陽射しに つつまれた町じゃ 陽焼けた笑顔が 君を待つ 石段降りたら ミカン畑じゃ 色づく前の 青い実が 僕の気持と 同じように じっと季節を 待っている カモメの声が 少し哀しい 愛が君にとどかないで 終ったから いつかまたきっと 南風吹けば 帰って来るだろう あの人は |
ドラ太郎音頭なぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 楽しく踊るなら ドラ太郎音頭 パッと笑顔の花が咲く ドラ太郎音頭 夢があるなら みんなおいで 一人ぼっちも こっちおいで さあさ輪になろう しあわせの あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 愉快にうたうなら ドラ太郎音頭 パッと七色 虹の歌 ドラ太郎音頭 しあわせならば みんなおいで 淋しがり屋も こっちおいで さあさ手拍子 しあわせの あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 みんなで踊るなら ドラ太郎音頭 パッとにぎわう横丁は ドラ太郎音頭 元気いい子は みんなおいで 泣いていた子も こっちおいで さあさ歌おう 幸せを あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 |
花いちもんめなぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ 故里をタンポポの 綿毛のように 弾けて飛び出した 振り返らずに 流れる白い雲 年月は過ぎ去り ポケットの夢だけは 今もあるけれど オオ オオ 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ しあわせは過ぎた日の 思い出のようで あざやかに見えながら 手は届かない 夢一つ愛一つ かないますように 溜息をつく癖は もう止めますから アア アア 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ 重すぎる情より 花をいちもんめ 朝(あした)には散ってゆく 哀しみだから 泣いたら涙が 川の中を 流れて故里へ 帰ってゆくだろう オオ オオ 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ 花いちもんめ |
フーセンのドラ太郎なぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | おいら育ちは岬の外れ 親の名前も知らないけれど 誰が呼んだか ドラ太郎 フーセンのドラ太郎 もって生まれた 頭と顔で 人にめぐまれ 恋に見はなされ かわいい妹が嫁つぐまで もう恋はしません くよくよするときゃ 岡に登って 足の間から港をながめりゃ 股の中です故郷は 朝日が登ります 夢がいっぱいお金は少し 涙もろいがたまにキズ いつも皆に モテモテの フーセンのドラ太郎 イキにシャッポに 腹巻姿 風になったか 南へ北へ たまにゃ気紛れ旅ガラス おいちゃんおさらばだ 生まれ故郷は 磁石みたいに 後髪引くカモメの声か フワリ帰るさ ドラ太郎 フーセンのドラ太郎 フワリ フワフワ ドラ太郎 フーセンのドラ太郎 |
山口さんちのツトム君ののちゃん(村方乃々佳) | ののちゃん(村方乃々佳) | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 佐藤泰将 | 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 広場で遊ぼうって言っても 絵本を見せるって言っても いつも答は同じ 「あとで」 つまんないナァ 山口さんちのツトム君 このごろ少し変よ どうしたのかナ 大事にしていた三輪車 お庭で雨にぬれていた けさは元気になったかナ 「おはよう」 返事がない 山口さんちのツトム君 田舎へ行ってたママが 帰ってきたら たちまち元気になっちゃって 田舎のおみやげ持ってきた つんだばかりのイチゴ チョッピリ すっぱいね |
クマのぬいぐるみ福村亮治 | 福村亮治 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 柳田ヒロ | ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつ腕がちぎれそう 耳がやぶけてそこから 白いわたが のぞいている そうさ古いぬいぐるみ 5年前のクリスマス パパのサンタクロースが 君のために買ってきた それからずっと仲良しで いつもいっしょに眠ってた だけど今日からぼくなしで ひとりで眠れる 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ ぼくはクマのぬいぐるみ 笑えないししゃべれない だけどずっと友だちさ 淋しい時は ママがわり 君はぼくをよくかんだ そしてほおり投げもした なのに泣き虫の君は いつも死ぬほど抱きしめた ある日田舎へ行く時は 一緒でなくっちゃいやだって ただをこねていたあの日が きのうのようだね 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ |
時計を見ないで松方弘樹・安倍里葎子 | 松方弘樹・安倍里葎子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | (女)時計を見ないで 私の目を見てよ (女)夢なんか見ないで 今だけ考えて (男)今しあわせなら 明日なんかくれてやる (男)くるおしいほど 燃えてみようよ (男)短い人生 (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない (男)時計を見ないで 口唇合せたら (男)過去なんか見ないで 今だけ考えて (女)今のしあわせが あふれてこぼれるから (女)逃がさないでよ もっと私を (女)だきしめて強く (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない |
バラの花束松原のぶえ | 松原のぶえ | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 愛に挫けて 街を離れた 別れもいわずに 部屋をとび出した 古里に戻って バラを育てた 家族に隠れて 泣いてばかりいた 母は静かに 私に呟いた バラにも相手の 気持ちが分かる 優しくならなきゃ 花はいじける まして愛など 実りはしない 涙だけでは バラは咲かない あなたなしでは 私も生きられない 日傘を回して 母が手を振る 涙の中で 父がうるんでゆく 古里の駅は 一人ぼっちで 笑う人泣く人 ただ見つめている バラの花束 指先にまだ 愛のトゲが 刺ったままで なのにこんなに 優しくなれた こんどはきっと 愛を離さない 涙で育てた バラの花束 胸にかかえて あなたの待つ街へ あなたの待つ街へ |
嗚呼あけぼの荘みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 二日酔いには酒がいいと 悪い友達がいう 痛む頭にたえかねて 一杯やったら これが意外 心浮きうきスッキリ 明るい未来に さあさ張切りもう一杯 器量三分体が七分 そんな女だけれど 電話をしたら土曜なのに敵も一人ぼっち そうさ君と さしつさされつ飲みたいね 出かけに一本 ウイスキーを買って来てくれ 野菜いためをドテンとおき 食べなきゃ駄目という メシは山盛り酒は駄目ともう女房気取り こんなはずじゃなかったのに後の祭り ねえ今夜あたし 泊ってってもいいかしら そしてこうして二年二ヶ月 あけぼの荘で過ぎた 相も変らぬ女出入りに 彼女もあきれて とうとう五月 酔ったついでの痴話喧嘩 お前みたいな 夢のない女は出てゆけ あけぼの荘の年も明けて 年賀状が八枚 雪の国から見慣れた字の 女の便り 『私去年いい人を見つけて 結婚したわ あんたみたいな図ボラじゃないわ』 やたら淋しいくせになぜか ほのぼの涙あふれて こいつあ春から縁ぎがいい あの娘にカンパイ そこでやはり飲むにゃ 女がいて欲しい 向いの部屋のチョイト年増の女を誘う |
頂みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 誰もこの道を通さないという 雨も風も岩も怒ったように 立ちはだかっている だけどこの俺は 行かなくちゃならない なんのためなのか 分からないけれど 行かなくちゃならない やりたいことは残さずやったか 友だちはいるか 安らぎはあるか 人を愛したか 夢のカケラはポケットの中で 迷子になったか髪は白くなり道は果てしなく たのむから俺がどこにいるのやら 神様よちょっと教えておくれ人生はどこだ もう少しだけ歩いて行けたなら 光るいただきに着きそうじゃないか霧よ晴れてくれ 誰もこの道を 通さないという 雨も風も岩も 怒ったように 立ちはだかっている だけどこの俺は 行かなくちゃならない なんのためなのか 分からないけれど 行かなくちゃならない 行かなくちゃならない 行かなくちゃならない |
ウィスキーの小瓶みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ウィスキーの小瓶を口に運びながら 涙と思い出を肴にして 酔いつぶれてしまいたいなどと 思っているこの僕を 貴女が見たら子供のようだと きっと僕を笑うでしょうね わかっていながら飲む男の気持ちなど 貴女は知りもせず 列車の窓に僕の顔が写る なんてみじめな姿なんだろう 戯れだと思っていた恋に 打ちのめされてしまうなんて こうして誰もが大人になってゆく そんな話をどこかで聞いたっけ 人間同士の辛い別れという劇を 僕が演じている こうして誰もが大人になってゆく そんな話をどこかで聞いたっけ 人間同士の辛い別れという劇を 今 僕が演じている |
ウイスキー・ドリームみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | オー ウイスキー ドリーム 回れよ回れ 俺の風車 芝居が終わった ピエロみたいだよ 俺の悲しみが 消えてしまうまで 回れよ回れ 酔いどれて回れ せめて この世の女たちよ 男を優しく つつんでおくれ 女なしでは 男は駄目さ 最後はあんたの 切り札が怖い オー ウイスキー ドリーム オー ウイスキー ドリーム 回れよ回れ 俺の星空よ 幻想のようだ 部屋の灯り消せば お前の涙さ 泣くのはお止しよ 回れよ回れ 酔いどれて回れ いつも この世の女たちは 泣けば明日が 晴れると思う 男が悪い 女も悪い だけど最後の切り札はあんたさ オー ウイスキー ドリーム オー ウイスキー ドリーム |
回転木馬みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 十九だったあの頃は 君はまだ化粧もなく 売れもしない歌を僕は書いては 君に聞かせたっけ 長い髪を肩までたらし 君と僕は見つめ合うだけ それだけでしあわせだった 若き日の僕たち二人 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく 小さな部屋で心だけは大空のように ふくらんでいた 夜を明かし語り合った ボードレールやアルチュールランボー 季節は巡り いつの日か 震えながら花は散って 冷たくなった想い出を抱えては旅に出た 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく |
哀しみのバザールみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 路地裏で買った安物の 青いトルコ石の指輪には 無理に削られたイニシャル 誰かの愛の古い傷跡 降りそそぐ 陽ざしの街角には 日曜日のバザールが立ち並び 思い出も明日の夢も 埃にまみれていきそう 追いかけりゃ逃げる影のような 夢を追いかけてこの街に なぜか懐かしいさびしさを 抱きしめながら歩いてみたよ 芝居をやろう調子の外れかけた 音楽やバザールのざわめきが 愛のない男の胸に 虚ろなさざなみのよう |
乾きゆく夏みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 萩田光雄 | とうもろこし畑を 乾いた風が 吹き抜けて夏はゆく 愛を置き去りに 燃えた後の灰のような 寂しすぎる心の中に 目を閉じれば白い波が 音をたてて押し寄せる 強すぎる光で 君の笑顔が 泣いてるように見える 渚の写真 カレンダーをめくれば そこはもう秋 歩き出そう顔を上げ 明日を見つめ 燃えた夏のあつい砂が 胸の中で冷たくなれば 君もやはり 小麦色に焼けた素肌も色あせて ピンで止めた君の 写真がいつか 丸くめくれていたのに 気づかなかった 燃えた夏のあつい砂が 胸の中で冷たくなれば 君もやはり 小麦色に焼けた素肌も色あせて とうもろこし畑に 秋が来る頃 君も僕の涙も 乾いてゆくだろう |
帰郷みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | バスを降りた僕の故里 夏の草に覆われ 老いた父母迎えてくれた 庭に赤いほうずき 積もる話のひだに わずかの酒がしみたのか ひじを枕に老いた父は 軽いいびきをたててる 幼馴染みが訪ねて来て 昔の僕の部屋で パズルみたいに 思い出の糸 たぐり寄せてはつなぐ 時の流れに任せて ずいぶん遠くに来たものだ あの日抱いた熱い望みは 茂る夏草にまぎれて 明日の朝はバスに揺られて 故里を出て行く 父や母や愛する友を 捨てて行くのはなぜだろう こんな別離を幾度もくり返すこの僕は やはり淋しい時代の中でも親不幸なのだろう やはり淋しい時代の中でも親不孝なのだろう |
コートにスミレをみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | まだ肌を刺す北風が 君の髪の毛を 胸の想いを 語るように 乱しては過ぎる なんて辛い恋の終わりか 言葉も少なく 愛のかけらを 重ね合っても 空しく崩れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差して 君は小さな肩をすぼめ 坂を降りて行く まだ春浅い丘の道 枯れた草を踏んで 風の隙間を 歩いて行こう さよならを言わず なんて淋しい恋の終わりか 信じていながら 愛を大事にすればするほど ふたりは離れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差せば 燃えて咲くには早すぎた 紫が淡く なんて淋しい恋の終わりか 信じていながら 愛を大事にすればするほど ふたりは離れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差せば 燃えて咲くには早すぎた 紫が淡く |