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  • 川村結花
    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。
    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。

    川村結花

    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。

     2020年は、シンガーソングライター“川村結花”のCDデビュー25周年のアニバーサリーイヤー!そこで、今日のうたコラムでは、その記念企画として1年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けいたします。更新は毎月第4木曜!    シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この1年の連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第6回をお届けいたします。 第6回歌詞エッセイ:「ATOKATA」 6月も残りあとほんの僅かとなりました。なんだかやたらと変化の激しい不安定なひと月だったせいか、日にちの経つのが例年よりも早かったように感じます。 前回の記事から今日までの間に東京アラートなるものが点灯してはあっという間に消え(結局何だったんだ、、、)ロードマップのレベルがステップ3へ移行し町に人も増え始めマスクや除菌スプレーなどもだんだん元通りお店に並んできたな、と思っていたら今度は夏へ向けてのクール仕様マスクの争奪戦。気候も極端に暑かったり雨だったり。何から何まで目まぐるしすぎ。 ただでさえこの時期は気圧の変化と湿気にやられ、心身ともにダメダメ続きなわたし、年齢を経るごとにそれが特に酷くなってダメダメ加減が更に加速している昨今であります。 とにかく今はあのギンギンの猛暑に至る前のウダウダした雨の季節。そんなこの時期を意識して書いたわけではないのですが、2004年に藤木直人さんへ提供(作詞&作曲)させていただいた「 ATOKATA 」という曲があります。失恋したわりと直後、2週間以内くらいでしょうか、その頃の心情を書いたミディアムスロウの曲なのですが、この曲の持つ湿度がちょうど今のこの気候の感じにマッチする気がするのです。 思えば藤木直人さんが初めて楽曲制作を依頼してくださったのがこの2004年でした。どっから見ても圧倒的に素敵な男性である藤木さん。爽やかで性格が良くてカッコイイ藤木さん。ライブではギターかき鳴らして爽やかに歌ってみんなを魅了してしまう藤木さん。そんな藤木さんにわたしはあえて繊細で内省的な、未練たっぷりの失恋の歌を歌ってほしい、弱さを吐露するようなどこか女々しいような歌が聴きたい、と思ったのでした。 ここで先述の話と繋がるのですが要は、「湿度高め」な藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も、ということだったのだと思います。けれど決してじめじめしたくはないので、全体的に悲しみや寂しさよりもただただぼう然としている、といった様子を表す空虚感を大事にしました。そうすることで湿度は高いけど温度は低め、というわたしの望む理想的なバランスが出来上がったのでした、というー、温度だ湿度だとややこしい話になってしまいましたが、確かにあるのです、曲には温度も湿度も。そしてその2つは似ているけど全然違うものなのです。ことに歌では。 ともあれ、そんなこんなで、ほどよく女々しく内省的な曲が出来上がり、空虚であるほど切なさも増し、藤木さんのファンの方々からも評判が良く(これがすごく嬉しかった)、ライブではこの曲をピアノで弾き語りしてくださる藤木さんも拝見することができてとっても幸せだったのでした。 ちなみに、今まで自分が書いてきた曲の中で「好きな出だしの2行」を挙げるとしたら、5本の指に入るであろうと思うくらい、この曲の出だしは気に入っています。 “寂しさは 忙しさには まぎれない 足音の気配は ただの勘違い” 、、、なんか雰囲気伝わるでしょうか。湿度高め、温度低め。機会がありましたらお聴きになっていただけたら、そして確認していただけましたら嬉しいです。そして来月のこの原稿を書いている頃にはどうぞ梅雨が明けていますようにー。 <川村結花> ◆紹介曲「 ATOKATA 」 作詞:川村結花 作曲:川村結花 ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】

    2020/06/25

  • 琴音
    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。
    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。

    琴音

    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回。綴っていただいたのは、収録曲「今」にまつわるお話。実はこの曲は、彼女の中学の頃の記憶が題材になっているんだそう。一体その“闇”とは? きっとみなさんもどこか身に覚えがあるかもしれません。是非、楽曲とエッセイを併せてご堪能ください。 ~歌詞エッセイ最終回~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。歌詞エッセイは第3回目になります。1回目2回目とゴロ寝パソコンでまったりお送りしてきたわけですが、3回目にもなったので、より気分を改めしっかり書かなくてはと。 ということで、 今回はゴロ寝スマホでお送りいたします。 前より動きやすくなりました。琴音です。 さて、今回も1stアルバム『キョウソウカ』について書かせて頂きます。どの曲について書こうかなと思っていたのですが、スタッフの人達が「 今 」という曲を気に入っているようで推しが凄いので今回はそれにしました。 そもそも、この曲は以前1stシングルのリード曲としてリリースしたものを再収録したものになります。折角なので、シングルリリース時にはインタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここでまとめ直してみようと思います! これを作っている時、ずっと頭の中に浮かんでいたのは中学生の頃の記憶でした。クラス内では男子も女子も数人のグループになっていて、男子は2~4人くらいで集い、女子は多いと7人くらいで集っていました(ちなみに、私は口数の少ない大人しい友達2人と隅っこぐらしをしておりました)。 ここで特に大変なのが、活発な意識高い系の人数が多い女子集団。どんなクラスにも1グループはいますが、その中で過ごすのは過酷なのです。常に集団行動をし、常にグループ内で気を遣っているのです。中学生という多感な時期もあったのか、このグループは今思い返してみてもどこか張り詰めた感じが漂っていました。 そして、このグループの中の1人が「今」の題材になっています。その子は、声量や口調が荒っぽくて気も強いキャラクターでした。あえて悪く言ってしまえば、計算高い女子や自分をよく見せたい女子にはウケがいいキャラクターでした。 闇の深い話ですが、その子が毒を吐いたり突飛なことをいうと周りの女子はチヤホヤし、その状態を保ちたいがためにその子自身も、自分が求められるキャラクターに依存して行動がエスカレートするという悪循環。自分をどこか偽って誇張することで友達という安定を求めようとする状況。ただ、こういったことは珍しいことではないのです。 高校生の時も、自分を演じているなという子はよくいましたし、親や私より年上の人から話をきいても自分を演じなければならないことは少なくないようです。かく言う私も、小学生の時、友達を作りたい一心で自分のキャラクターをコロコロ変えていた時期がありました。 そう考えた時、自分の求める自分像や人間関係を作るためにそういう行動をとる人は年齢関係なくいるんだなーと思ったのです。ただ綺麗事を書くより、この状況をひとつの記憶として、記録として、残してみたかったのです。 息苦しい状況を嫌い、自分のありのままをさらけ出そうとするのもよし。周りに気を遣ってでも安心できる場所にいようとするものよし。歌詞の中で<そのままでいい>という言葉にこの2つの意味を込めました。 昨今は特に人との関係性は難しいもので、子供にも大人にも面倒なものですが、今一度立ち止まってどう過ごしてみようか考えてみるのも良いかもしれません。 っはい! ということで、今回はこんな感じで終わります。 またどこかでお会いしましょう! ご清覧ありがとうございました!! <琴音> ◆紹介曲「 今 」 作詞:琴音 作曲:琴音 ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/24

  • PLOT SCRAPS
    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。
    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。

    PLOT SCRAPS

    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。 第1弾 、 第2弾 に続く最終回で綴っていただいたのは、今回のコラムのまとめとなる想いです。彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」、そしてみなさんにとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」とは…。 ~歌詞エッセイ最終回~ 「自分と歌詞」について綴ってきたこのコラムも今回で最終回となります。 前回 と 前々回 を読んで貰うと、もしかしたら、こう思う人もいるかと思います。「 オーダーメイド 」を経て得た技法や「 Teardrop 」の歌詞の本質とは?と言った部分が全く解説されてないじゃないか、と。 そういう方達にわかってもらいたい事は、まずそのどちらも勿論、細部まで説明することは可能だという事です。それも圧倒的な文章量と共に。しかしどちらも、その人達に本当の意味で理解して貰う事はできないと思います。何故なら、真の理解というものに重要なのは“思考の過程”を経る事だからです。 あるトピックの最終地点を知った所で、それはその人にとってまだトピックに過ぎません。思考の過程で得る知識や、点が線になる感覚、そもそもの基礎教養がない状態では「真に理解している者」ではなく、ただの「情報を知っている人」になってしまうのです。 「~の~は、~が~になってるから凄いんだ!」と何かの作品のディティールを語る人を頭の中で、「へっ、そんなもんかねぇ…」と訝しげに感じたり「どこに感動してんだか…」と揶揄した事はありませんか? もしあった場合、それはあなた自身でロジカルに思考するプロセスを経ていないから、脳が感動するというラインに及べていないのです。 つまり「真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物」と言う事です。 例えば、藤原基央さん・野田洋次郎さんに直接作詞を教われるような、チートなバンドマンがいたとして、詳細に作詞の描写や表現技法を伝授された所で「理解」の本質を考えない者では何も理解することができないでしょう。 それは「理解」ではなく「情報」に過ぎないから。その技法を教われば、そのバンドマンは同じクオリティの歌詞が書けますか? と言う事です。分かりにくい例えかもしれませんが(笑)。 ちょっと飛躍した話になりますが、日本人には自分の頭で考えると言う基礎概念が全く定着していません。それは何故か? という所は余りにも深淵な話になるので全部は書けませんが、その責任は勿論本人にもあるものの、50%は外的要因と言っていいです。なので自分で思索できないとしても、必ずしもその人だけのせいではないので安心して下さい。 でも半分は自分のせいなのも事実です。もしそこから抜け出したいと思うなら、まずはあらゆる事を疑うことから初めてみて下さい。何を疑ってもいいです。「雲ってなんで浮かんでるのかな?」とかだっていいです。 あなたは何故雲が浮かんでいるか知っていますか? 何故青空が青いか知っていますか? 原子より小さい物質を知っていますか? 重力の正体を知っていますか? 光とは何ですか? 何かに疑問を抱き、それを自分の頭で考えることができなければ、いつまで経っても誰かを理解する事はできないし、誰にも理解されません。 一番最初の疑問、解説しない理由について答えると、考えられる人にとってはアートの理解への阻害行為になってしまうし、考えられない人にとってはそもそも説明する意味がない、という事になります。生きる上で必要最低限の重要な事、そんな肝心なことを教えてくれる大人は世の中にいません。 でも、僕がマネージャーさんにきっかけを貰った様に、変化する上で鍵となる考えは無数に散らばっています。このコラムが迷える人達にとって同じ物になりますようにと、願っています。我、世界の中心にあり、という気概で色々なアートに触れて欲しいです。音楽も絵も映像も、全て同じ事です。 「自分と歌詞」について色々と書いてきましたが、この回に一番重要な事を書きました(笑)。三回とも、関係ない様に見えて全て歌詞に関係することを書いたつもりです。 僕が誰かの歌詞に救われた様に、自分の歌詞で誰かが救われてくれたら嬉しいです。そんな歌詞を書ける人が、いつまでも僕にとっての憧れなので。 Plot Scrapsの3rd Mini Album『INVOKE』は好評発売中です、ぜひ聞いて下さいね! <陶山良太> ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/23

  • PLOT SCRAPS
    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった
    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった

    PLOT SCRAPS

    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。 第1弾 に続く第2弾では、今作の収録曲「 オーダーメイド 」にまつわる想いとともに、彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」を明かしていただきました。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 オーダーメイド 」~ 今回は3rd Mini Album『INVOKE』収録の6曲目「オーダーメイド」という曲について書いてみたいと思います。 前回 の最後に書いた様に“読むと、内容にまでは触れないのに、自然と歌詞の奥深さまで踏み込める様になる文章”を目指して行きたいと思います。 この曲を皮切りに『INVOKE』の制作がスタートし、この曲と向き合った事で作詞家としての新たなスタート地点に立てた様な、そんな曲です。 何に一番時間が掛かったのかと言うと、今自分が手にしている作曲に関して確立されたある“感覚”、それを手にするまでの旅が非常に長い道のりだった。ずいぶん遠回りをして今に辿り着いた。 旅というのはもちろん頭の中の、という例えだが、今思うとどこにも行く必要なんて無かった。最初から考えていることは同じだった。視点を少しだけ変えてやれば、根本的に破壊しなければならない部分なんて無かったという事に気づいた。そうして『INVOKE』を世に放てた今がある。 制作のスタート地点、最初の最初はマネージャーさんとカフェで次回作(INVOKEの事)の打ち合わせをしている時に、歌詞に対する提案があった。Plot Scrapsが、何を書きたいのか。何を書くべきなのか。何を“書かぬ”べきなのか。どう書くべきなのか。作曲家として今一度自己と向き合ってみるべきではないかと。それをきっかけに自分と自分の終わらない対話が始まったのを覚えてる。 第1回のエッセイにも書いたが、歌詞表層の一次元的な内容で済むのなら、究極的にはそれは歌詞じゃなくてもいい。早い話が“感想文”にして読んだ方が相手に効率的に伝わるかもしれない。 「オーダーメイド」は自分が今まで書いて来た曲の中で初めて“詞先”の曲になる。今までも部分的にはそういう箇所はあったが、ほぼ全ての曲はメロとオケ先行で、完全に詞先なのは今回が初めてだ(ちなみに「 pinky 」と「 Cover Story 」という曲だけ、不思議ですが詞&曲同時にできた物です。俗に言う“降ってきた”奴です)。 歌詞もメロも、最初の原型とは全く違う物です。とんでもなくこねくり回してしてきたので、初期の名残は欠片も残っていないです。痕跡があるとすれば、A・B・サビの大体の構成と、歌詞のテーマとなる感覚が微かに感じれる程度。 もう一つ自分にとって新しかった事といえば、メロディーが全く無い状態で、歌詞の後にメロを入れた事。自分は歌のメロディーを一番くらいに大事にしてきたので、そんな作り方は不安で仕方がなかった。 新たなやり方で、自分にしかできない手法を見つける旅。途中でゴールは見えきていたのに、何度書き直しても近づいていかない。その期間は中々にしんどい物だった。夢中で書き直す中で「オーダーメイド」という言葉から、自分が書こうとしていたテーマの糸口を掴んだ時に、今まで考えたことの全てが繋がった気がした。 繋がって、一つの技法を手にした後の感覚というのは、もう自分にとってプラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった。それはここ一年で科学を学んできた後と近いものがあった。 歌詞を書くと言う作業は、世界を創り出すと言うより、世界をより高い解像度で理解できる作業と言った方がいいかもしれない。そしてそれは他の分野・業種とも非常に似ている、と言うより、根本的には同じなのだ。果てしなく遠方の銀河の星屑と、自分を構成する細胞の一つが、かつて同じ場所に在った様に。 上記の過程で手にした手法で作られたのが『INVOKE』であり、これの発展系がこれからのPlot Scrapsの音楽です。なので、結果として「オーダーメイド」は僕らにとって、とても重要な存在になりました。 今回は「オーダーメイド」が“どういう曲か”ではなく“どう出来上がったか”について、書いてみました。 圧倒的な自己分析をお届けしてまいりましたが、楽曲の中身を解説するより、こういう部分を知った方が楽しいんじゃないかと。個人的には、アーティストが曲について説明するとすればそういう所じゃないかなと思っているので。内容に関しては、各々が曲と向き合ってくれれば良い訳で。 次回は最終回ですので、このコラムで伝えたかった事のまとめになる様な内容を書ければと思います。それではまた。 <Plot Scraps:陶山良太(Vo/Gt)> ◆紹介曲「 オーダーメイド 」 作詞:陶山良太 作曲:陶山良太 ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/22

  • PLOT SCRAPS
    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。
    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。

    PLOT SCRAPS

    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。まず第1弾では、今作の収録曲「 Teardrop 」にまつわる想いとともに、彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」を明かしていただきました。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 Teardrop 」~ コラムを書くというのは自分にとって初めての行いになるので、何を書こうか非常に迷ったのですが、Plot Scrapsは5月20日に3rd Mini Album『INVOKE』をリリースしたばかりなので、それに触れて然るべきだろうと思いました。『INVOKE』の収録曲を通して「自分と歌詞」について三回分綴ろうと思います。 「自分と歌詞の関係・向き合い方」を三回とも違う視点で描けたら、読み終えた後には立体的に何か浮かぶのでは無いかと思っています。この時点ではどうなるかまだ分からないけど、最後までお付き合いお願いします。 まず一回目はミュージック・ビデオにもなっている、INVOKEの2曲目「Teardrop」について書いてみます。ここでまだ聴いていない人は、YouTubeかサブスクに飛んで、聴いたら戻って来て下さいね。 と言いつつ、この曲についても他の収録曲についても、歌詞の本文以外で語れることは非常に少ない。昔は自分の曲について語りたい事だらけだった。それこそ1stの頃は7000字に近いボリュームのセルフライナーを書いていた程に。 時を経て今では、逆に作品に対する言及は減らしたいと思っている。極端に言うと一言も語りたくないくらいだ。しかしプロモーションの関係だったり、少しくらいは語らなきゃいけない場面もそりゃーあるので、そう言う時(今もそうだ)はなるべく語っても問題のない、サブテキスト的な内容になる様に努めている。 1stから3rdまでの期間のバンドの変化は、端的に自分の内面の変化をイコールで表している。つまり僕は今、自分の作品の歌詞の文面以外の言葉は本質的には必要ないと思っている。 はっきり記しておきたいのが「言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない」という事。 例えば好意を相手に伝えるのに「好きです」「好きだ!(大声)」「好き… (照れながら小声で)」で済むのなら、今すぐ直接声にして伝えればいい。そのほうが早いし、それを遠回しに歌にするのというのは些か不自然だし、個人的には少し不純に思える。そんな歌を否定する気は無いし、不純で悪い事など一つもないが、自分が作る時にそれはやらないという事。 ただしこれは「説明できなければできない程いい」という訳でもない。大抵そんな曲は“表現のための表現”になってしまっていたり、単に意味不明だったりする。僕は、そんな曲を昔は沢山聴いていた。今は全く良さが分からない音楽が山の様にある(その逆も然り)。 届けたいのは自分でも形容し切れていない何かであって、それに付随する技法は、表現する為のツールでしかない。クールに表現する事自体が目標地点になっている表現はナルシシズムでしかなく、自分にとっては避けるべき事だ。頭に渦巻く形のない“何か"”に、適切に形を精査した器を与える行為、それが作曲の一つの定義だと考えている。 別の話。推測になるが、ネット発達以前のミュージシャンはお手紙でしか作品の感想を知る術は無かったのではないだろうか。ライブ会場ではお客さんの反応で少し分かったかもしれないが。 そういう意味でも全く便利な世の中になったもので、このご時世、リスナーの感想というのは至る所から読み取る事ができる。YouTubeに直接書かれる感想や、飛んでくるDM、SNSに流れる感想、自分でブログに長文の感想を書いてくれる人もいる。 「Teardrop」は、ざっくりまとめると“爽やか”“疾走感”“切なさ”みたいな感想が、総意としてあるようだ。その中でも、歌詞の深い所まで触れている感想がごく僅かだがあった。 僕は作曲に関して2ndから、とある決心と共に大きく舵を切り、半年近く自意識と格闘してきた。端的に言うと新しい挑戦だった。「Teardrop」と「オーダーメイド」は特に歌詞に時間が掛かった。その分、それらの感想を見られた時、本当に単純に嬉しかった。それ以外も勿論、感想があるだけで最高に嬉しいが、それらは特別だった。 現在地。何かを失った人は寂しいだろうし。過去と今、振り返れば数多の繋がりが在った歓びを確認できる。それが恋でも、愛でも、愛じゃなくても。 「Teardrop」の内容に関しては、一回書いてみたけど、やっぱりこれ以上書ける事がありません(笑)。でもこの第一回のコラムはちゃんと曲の解説にもなっていると、僕は思うのです。 歌詞の文面の先、最終地点に何を感じるかは、人それぞれ違える様にできている。そんな所がこの曲の歌詞の良い所なんじゃないかと、てめぇの味噌ではあるが、思います。 …コラムとして、ちょっと内容が堅苦しいだろうか? でも自分としては、こんな所を面白いと感じて欲しいのです。 歌詞というと荒唐無稽さまで許容されている世界と思いがちだが、実はそんな事はなく。他のアートと類似した共通点も意外と多く、かつ歌詞でしか表現できない、さらに言えば日本語でしか表現できない叙情。日本のアーティストのそんな所を分析するのが最高に面白いし好きなのです。 次回は「オーダーメイド」という曲について書いてみたいと思います。と言っても歌詞の内容について書けることはほぼ無いですが(笑)。 “読むと、内容にまでは触れないのに、自然と歌詞の奥深さまで踏み込める様になる文章”目指して行きたいと思います。それではまた次回。 <陶山良太> ◆紹介曲「 Teardrop 」 作詞:陶山良太 作曲:陶山良太 ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/19

  • フレンズ
    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。
    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。

    フレンズ

    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。

     2020年6月17日に“フレンズ”が、TVアニメ『ハクション大魔王2020』エンディングテーマの新曲「あくびをすれば」をリリース!今年6月でバンド結成5周年を迎えた彼らの一発目のシングルとなる本作のタイトル曲は、“アニメと共に最後まで楽しんで欲しい”という思いを込めて書き下ろされたリズミカルで爽快なナンバーとなっております。  ポップで楽しい世界観に加え、アニメと連動した遊び心溢れるフレンズらしい新ビジュアルとアートワークにも是非ご注目を!さて、今日のうたコラムでは、ニューシングルリリース&バンド結成5周年を記念して、フレンズの“おかもとえみ”が歌詞エッセイを執筆!【前編】と【後編】でお届けいたします…! 【前編】 に続く【後編】で綴っていただいたのは、今作の収録曲「 A.S.A.P. (フレンズcover ver.) 」にまつわるお話です。幼い頃、聴いたことがある曲。大人になってから改めて歌詞を読んでみると、どんな感情が生まれるのでしょうか…。 ~歌詞エッセイ【後編】~ カラオケが好きだ。 いくらステージに立ってもカラオケはまた別。誰かの曲を何にも縛られず自由に歌うカラオケならではの雰囲気が好きだ。音程を外したって構わない。自分が心地よくその場の空気に乗りながら歌う心地よさ。好きな曲が流れたらその場にいる仲間と盛り上がる一体感。マイクリレーなんかしちゃったりして。 小学校の頃は近所の“オンチッチ”というカラオケ店に良く行った。子供たちと、その親と同じ空間を楽しんだ。その時に友達のお母さんが歌っていた高橋真梨子さんの「桃色吐息」はいまだに鮮明に思い出せる。今思うと、私が歌謡曲を好きになったきっかけだったかもしれない。 短冊CDと呼ばれた8cmシングルをよく買ってた。謎のプラスチックの網網がすぐぽろっと取れてしまうもどかしさ。開けばすぐ見える歌詞は歌を覚えるのにとっても好都合だった。開閉しすぎて紙で出来たジャケットがぼろぼろになっていく儚さも含めて好きだった。 その中に石橋貴明さんと工藤静香さんのユニット“Little kiss”の「A.S.A.P」という曲も含まれている。この曲を知った頃はまだ歌詞の意味も、英語も読めない幼い少女だったけど、妖艶な2人の雰囲気と、大人の魅力がビシビシ伝わってきて、意味を理解できずにもハマっていった。 大人の魅力に興味を持ち始めたのは、いとこの影響も大きい。篠原涼子さんの「愛しさと切なさと心強さと」を、4歳の時にひらがなでノートに歌詞を書いてもらったことは歌が好きになる要因の一部だった。 未だ見ぬ先の先の話、夢みたいな歌詞、なんて思ってたらあっという間に「A.S.A.P.」を歌ってた頃の工藤静香さんの年齢になっていた。 今この歌詞をみてどんな解釈になるのかな?と思いじっくり眺めてみた。…やっぱり小学校の時に感じた大人な魅力のままだ。あの頃よりかは理解は出来るようになったけど、それでもまだ大人を感じる。キスに対する感情、男女の心の揺らぎ、どこをとってもはるか上の経験値。 この曲はカラオケで必ず歌う。石橋貴明さんを完コピした友達と2人で歌うのが最近の鉄板だ。そしてフレンズでもこの曲を歌うことになった。カラオケではなく、自身の中に取り入れて、自分の歌声に乗せてたくさんの人に届けるために。自由な歌からひとつ踏み出した歌声で。 今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。背伸びしているのか、それとも経験者のように? <おかもとえみ> ◆紹介曲「 A.S.A.P. (フレンズcover ver.) 」 作詞:秋元康 作曲:後藤次利 ◆「あくびをすれば」 2020年6月17日発売 通常盤 AICL-3811 ¥1,500+税 アニメ盤 AICL-3812 ¥1,500+税

    2020/06/18

  • 琴音
    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。
    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。

    琴音

    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾!綴っていただいたのは、今作の収録曲「あなたのようになるために」にまつわるお話です。彼女にとってこの曲の<あなた>とは? みなさんにとってのそれぞれの<あなた>も思い浮かべながら、楽曲&エッセイを楽しんでみてください。 ~歌詞エッセイ第2弾~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。前回に引き続き第2回目。相も変わらずまったりゴロ寝パソコンでお送りしております。ゴロ寝パソコンといってもうつ伏せの状態から上半身だけ持ち上げているような体勢なので、その姿はさながら岩の上で日光浴をするオットセイのようです。 家族にはトドみたいと言われました。琴音です。 さて、人との関わりが減ってしまうこの頃、何だか寂しい気持ちになってしまう方も多いのではないでしょうか。というのも最近、しばらく連絡を取っていなかった中学生の時の友人から突如電話をかけてもいいかと連絡が来たのです。あまりに突然だったので、何か悪いことが起きたのかとかなり心配しましたが、いざ事情を聞いてみるとただ寮暮らしで退屈なので話したかっただけとのこと。 私自身の勝手な思い違いではありましたが、心の中でちょっとだけいじけました…。ですが、やはり今の時期、人との関わりに渇望する人は多いのだなと。実際、お家大好きで家族にトド呼ばわりされる私でさえ、人恋しくなる瞬間はあるものです。 今回リリースする1stアルバム『キョウソウカ』の中で言えば、「あなたのようになるために」という曲を作っていた時がまさにそうでした。この曲は準リード曲のような位置づけなのですが、私の中ではそれ以上に思い入れのあるものになりました。 実はこのアルバムの前、「白く塗りつぶせ」という2ndシングルをリリースしたあたりから、個人で音楽活動をしていた時にお世話になった先輩アーティストさん方を題材にした曲を作ったり、先輩アーティストさんの曲をカバーさせて頂いたりしていました。尊敬する先輩方を色んな人に自慢したい!そんな思いから自分の中で勝手に始動している、先輩への曲を作ろうのコーナー。今回が第2回目というわけです。 今回はMVもつくることになりまして、しかも初の全編アニメーション。歌詞が忠実に可視化されている素敵なMVを作って頂きました。中でも特に私が気に入っているところは、主な登場人物である2人の足と腕のあたりについている色です。あなた、が赤。主人公、が青。実はこの色は、題材になった先輩と私のイメージカラーのようなものなのです。 個人で活動していた当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。私はそれを真似して自分の好きな青色の時計と靴を身につけていました。それを知ってか知らずか、当時を思い起こさせるシーンがMVに入っているというのはとても感慨深いもので、同時に懐かしさの込み上げてくるものでもありました。 MVが公開されたあと、その先輩にも連絡をさせて頂きました。とても喜んでくださり、励ましの言葉も頂き、元気がでました。いつかまた、先輩方とライブでご一緒できる日が来て欲しいものです…。 さて、次はどの先輩を自慢しようか…。今から色々考えてしまいます。うふふ。 ということで、歌詞エッセイ第2弾を終わります。またどこかでお会いしましょう!ご清覧有難うございました!! <琴音> ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/17

  • フレンズ
    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。
    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。

    フレンズ

    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。

     2020年6月17日に“フレンズ”が、TVアニメ『ハクション大魔王2020』エンディングテーマの新曲「あくびをすれば」をリリース!今年6月でバンド結成5周年を迎えた彼らの一発目のシングルとなる本作のタイトル曲は、“アニメと共に最後まで楽しんで欲しい”という思いを込めて書き下ろされたリズミカルで爽快なナンバーとなっております。  ポップで楽しい世界観に加え、アニメと連動した遊び心溢れるフレンズらしい新ビジュアルとアートワークにも是非ご注目を!さて、今日のうたコラムでは、ニューシングルリリース&バンド結成5周年を記念して、フレンズの“おかもとえみ”が歌詞エッセイを執筆!【前編】と【後編】でお届けいたします…!まず【前編】で綴っていただいたのは、新曲「 あくびをすれば 」に通ずるお話。あなたはこれまで“あくび”について考えてみてことはありますか…? ~歌詞エッセイ【前編】~ あくびってなんだろう? あなたは何をイメージする? 私は、頭がぼんやりしている時。昨日夜更かししちゃったなぁと感じた昼間。退屈な授業中。いつ帰ろうかなと思い時間が経ってしまう飲み会。そんな時に出るイメージ。全くポジティブじゃない。ピントが合わず靄がかかったようにぼやけた写真みたいな。 そんなイメージを持ったまま、新曲「あくびをすれば」を作ろうとして、あくびについて調べたら、思いも寄らぬ言葉が。 “覚醒” “集中力アップ” “脳の温度を下げる” ?! あくびをしたら怒られると思ってたけど、良いことなの?!たしかにあくびをした後ってスッキリする場合が多い。あくびをするまでの行為や状況に重きを置きがちだったけど、その後の効果に対して全く注目していなかった。そしてあの時怒った担任の先生も同じ思考であっただろう(前者のイメージも間違ってないからその理由怒られていた事も理解)。 あくびのイメージが打って変わった。 頭の中の行き詰まっていた迷路がするする進む。まるで答えを知っているかのように止まる事無く。ゴールしたその先には高層ビルが立ち並び、整理された道路に巨大なフリスクがばら撒かれ、爽やかな風が吹く高層ビル街。目の前の人の気持ちが瞬時に読み取れる。街ゆく人を横目に、ある高層ビルの中へ。エレベーターを上り辿り着いた部屋の中、陽気で聡明な学者たちに囲まれて、ひらめきについて話す。限られた時間の中で端的に会話が進んでいく。まさに脳がスムースな回路を辿っている状態だ。 これがあくびの効能なのか。 なんて、妄想も出来ちゃうくらいあくびの可能性は幅広い。検索すればするほど、良い面と、悪い面が出てきて、あくびの真相ははいまだに謎らしい。人間以外の動物たちでコミュニケーションとしてあくびを使っている生き物もいるらしい。不思議! まだまだ謎だらけのあくび。でも、その中でひとつだけ見えた事がある。 あなたがあくびをすれば、それは何かを乗り越えたい時。退屈な日々を変えたい時。少なからずその気持ちがあることを自分の身に置き換えて感じた。次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。退屈な瞬間を共に乗り越えて行こう。 <おかもとえみ> ◆紹介曲「 あくびをすれば 」 作詞:おかもとえみ 作曲:ひろせひろせ ◆「あくびをすれば」 2020年6月17日発売 通常盤 AICL-3811 ¥1,500+税 アニメ盤 AICL-3812 ¥1,500+税

    2020/06/16

  • 植田真梨恵
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

    植田真梨恵

    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

     2020年5月1日に“植田真梨恵”がダブル配信シングルをリリースしました。「WHAT's」は、映画『ミセス・ノイズィ』の主題歌。そして「I JUST WANNA BE A STAR」はドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』エンディング主題歌です。また現在、絶賛アルバム制作に入っているという彼女。近々発表されるであろうアルバムを楽しみに、まずは今年の第1弾リリースとなった2曲を是非、歌詞と併せてチェックしてみてください…!    さて、今日のうたコラムではそんな“植田真梨恵”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしてまいります。今回は 第1弾 に続く、第2弾!綴っていただいたのは、新曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」にまつわるお話。彼女にとっての、歌詞とは?メロディーとは?歌とは? みなさんにとって、音楽とはどんな存在のものでしょうか…。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 I JUST WANNA BE A STAR 」~ 歌詞。アルバムを作っている。おおむね全ての曲の歌詞を書き終えた。歌詞を書きながら、自分の中にある自分でも気付いていなかった気持ちに出会う。書き上がるまで自分でもそれがなんのことなのかわからない。その大きなものをなんとか操縦しようとしても、そんなにうまくいくことはない。とにかくからっぽの器を、気の力だけをつかってガタガタ震わせるようなつもりで、心に圧をかけて歌詞を書く。 思ったけど、歌詞は体だと思う。人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。以前は考える余地もなく、ただなんとなく、歌詞が心だと思っていた。けど違うなと思った。心はメロディーのほうだ。浮遊している霊魂みたいに、メロディーは漂っている。意外と、それが入るべき、おさまるべき型のような、体のようなものが歌詞のように感じた。なぜか。歌詞はひとめ見て一読することができる。もちろん、1行ずつ味わうこともできるけど、決められた時間軸はなく、パッと目で見て文字が羅列されている、見てくれである。 体がないと、メロディーはふわふわ浮いているだけだ。そのふわふわ浮いているメロディーは、目には見えない。だいすきな人と話をするみたいに、すこしずつ心に触れるように、時間をかけてメロディーが入ってくる。歌詞を書くというのは、その心がおさまるべき、美しい腕や目や口や腰を形作るような感じがした。だからなんなんだ。だからなにというわけでもない。とにかくお互いがないと歌にはなれない。 最近こんなことを感じたのにはわけがあって、今作っているアルバムの中で初めて、人様に書いてもらったメロディに対して歌詞を書いている。基本的にわたしはふだん、メロディと歌詞をほとんど同時に書いていくことが多いので、独立したメロディーに歌詞をあてがうことがとても難しかった。しかしおもしろかった。久しぶりに次に曲を書くとすれば、歌詞の方を先に書いて歌にしたいな。 今から8年前、21歳の頃に24時間ぶっとおしの生配信を行なった。配信中はいろんな企画をして過ごした。なんでそんな企画が持ち上がったのかももう覚えてないけれど、久しぶりに、そんな24時間生配信企画をやろうという話が出た。せっかく24時間かけて配信をするならば、何かをつくる工程にしようとなった。何かを作るならば、歌にしよう。歌をつくって、アレンジをして、レコーディングをして、もしかしたらミュージックビデオまで作ってしまえば、配信終了とともにそのまま、できたてほやほやの歌を他の曲とおんなじようにお届けできるかもしれない。そうやってできた曲が「I JUST WANNA BE A STAR」だ。 日頃から「どんな曲にする」という構想を持って作り始めることがないので、この日もなにも考えずに画面の前で作り始めた。というか、作り出してみないとどんなものになるのかまったくわからない。でも、せっかくみんなが画面越しに観ていて、コメントを送ってくれるなら、観てる人たちからコメントで飛んで来た歌詞のイメージを一曲にまとめられたら素敵じゃないかと思った。それで、その当時わたしの心の中におおきくドンと幅をきかせていた「わくわくすること」というのをテーマに、観てる人たちからたくさんのイメージをもらった。 「わくわくすること」と一言で言っても、どんなイメージにもなりえる。それこそ人の数だけわくわくはあるだろう。断片的にイメージを拾っていくうち、ちょっと悪いことをしているような、夜に車を飛ばしてひとつのミッションを遂行するような、そんなシチュエーションだとわたしもわくするな、と思いながら歌詞のイメージが膨らんでいった。作りながらそのイメージを、観てる人たちとどれくらい共有できていたのかはわからないけれど、なんというか、結果的にものすごく素直な歌ができた。 人前で作詞作曲をするというのはやったことがなかったので、まずそもそも一曲できあがるのかまとまるのかもわからないし、集中力が何回も切れかかった。けどまあなんとか、ひらめきとかアイデアのしっぽを、ひっつかむような感じでできあがった。時間の限りがあることによって、普段ならもっとかっこつけてしまうところがそうはいかず、より素直な歌詞になったのかもしれない。たくさんの人のイメージが含まれたことによって、大声で歌えるような大きな私の願いを歌って、大切な曲になるようにしたいと思えたのかもしれない。いろんな要素がふくまれて、ぎりぎりのバランスで一曲になっている。 私が歌のことをものすごく、すきだなって感じる部分がある。たかが歌、されど歌なのだ。別に誰かを感動させる決まりなんかなくて、むしろ何の意味もなくたっていい。でも何の意味もなくただ好きなことばたちが羅列されただけでも、メロディといっしょになるとそれはもう歌になる。逆に好きなだけ疑って、こだわってもいい。でも好きなだけこだわったところで、それが人に届くかなんてわからない。もっというと人に届かなくたっていい。誰にもわからなくってもいい。なのに、ものすごく、わかるなって瞬間がやってきたりもする。ぜんぜんわかんなくたって、なんかすっごい好きっていう場合もある。 好きな人のどこが好きなのかうまく言えないみたいに、共に過ごした年月や巡り合わせで、大切に思う歌が私にも何曲も思い浮かぶ。たったの5分弱でいくらでも、何回でも、気が済むまで心に抱きしめられる。これからどれくらいの歌を、どんな歌を書いて歌って死ねるだろうかと思う。まだ今の私には、なんにもわからない。できるだけいっぱいの歌を作りたい。満足いくまで歌って死にたい。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」 作詞:植田真梨恵とみんな 作曲:植田真梨恵 ◆ダブル配信シングル 「WHAT's / I JUST WANNA BE A STAR」 2020年5月1日発売

    2020/06/15

  • 琴音
    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…
    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…

    琴音

    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作『キョウソウカ』で一番苦労したという“ラブソング作り”についてのお話。途中で作詞を挫折してしまった曲とは?その分、成長できたこととは? リリース前に是非、エッセイをご堪能ください…! ~歌詞エッセイ第1弾~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。新潟県長岡市出身18歳、琴音です。最近は、家の中にばかりいて気が滅入ってしまうのではと心配する親を後目に、まったり悠々とインドアライフを楽しんでおります。 今は実家におりますが、今年上京するので家族との生活ももうしばらくで終わります。新生活か…と誰もいない時に感慨に浸るのが少し癖になってきました。18年の中で時に一緒に過ごすのが面倒になったことさえある家族と、いざ離れるとなると寂しがっているという矛盾…。いつだったか、学校では「帰りたい」が口癖だった友人が最近になって学校に行きたいと連絡してきたときに感じたこの感覚…笑。やはり、人はないものねだりをしたくなってしまうものなのですね…。 ないものねだりと言えば、6月24日に初めてのフルアルバムをリリースするのですが、そのアルバムにも私のないものねだり精神がつまっています。色々な雰囲気の曲を入れたい、バンドサウンドやらアコースティックサウンドやらというくくりにも縛られたくない、新しいことにも挑戦しなくては、という気持ちを盛り込んだ今回のアルバム、自分史上初のことも沢山やってみました。 その中でも一番苦労したのは、ラブソングを書くことです。ラブソングを提供曲としてCDに入れたことはあれど、自作というのは実は今までやったことがなかったのです。というか、やれないだろうなーと思って書いてこなかったのです。でも、今回、やってみました!そして思ったことは、めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…。ということです。 失恋ソングを書きまくっているアーティストさん達の偉大さを知りました。というのも、リード曲になっている「咲かない花」という曲、実は当初は作詞作曲の両方をしようとしていたのですが、なんと…作詞をやりきれなかったのです…っ。最終的に他の方に書いて頂いた歌詞は気に入っていますが、初挑戦で挫折というのは痛いもので、しばらくへこみました。 ただ、悲しいことばかりという訳でもなく、愛情を伝える内容のラブソングは書き切ることができました!また全編英語詞のものも出来、新たな扉を開けた部分もありました。意外とやってみるものですね。自分にとっては色んな意味で成長できたアルバムになりました。うんうん。 さて、最後に少し真面目に書かせて頂きます。このアルバムのタイトルは『キョウソウカ』です。このタイトルはカタカナですが、漢字を当てはめることもできます。あなたはどんな字を当てはめるのでしょうか。アルバムを聴く前と後で、その字は変わっているかもしれません。勿論私とは当てはめる字は違うかもしれません。もしかしたら、同じかもしれません。でも、それが音楽の素敵なところだと思います。 自分の中で好きなように捉え、噛み砕いて、あなたの心の中に取り込んで頂ければ嬉しいです。 私の声と曲が、あなたの力になるよう届きますように。 っはい!!こんな感じで私のエッセイはおわりです(思ってたより難しかったです...笑)。またどこかでお会いしましょう!ご清覧有難うございました!! <琴音> ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/12

  • 大比良瑞希
    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。
    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。

    大比良瑞希

    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。

     2020年6月3日に“大比良瑞希”がニューアルバム『IN ANY WAY』をリリース。彼女は、tofubeats、LUCKY TAPES、Alfred Beach Sandal×STUTS、Awesome City Club等の作品やライブへの参加でも知られるように様々なアーティストから愛される次世代型シンガーソングライター。今作にはその個性的な歌声を堪能できる全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“大比良瑞希”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回。綴っていただいたのは、彼女にとって“歌詞を書く”とはどんなことなのかというお話です。歌詞を書いてみたいけれど、書き方がわからない、正解がわからない、というあなた。是非、この記事を読んでみてください…! ~歌詞エッセイ最終回~ こんにちは。じわじわあつくなってきて、いい感じですね。こんな日は、先日無事にリリースできましたアルバム『IN ANY WAY』の中から、M5「 RESCUE 」をぜひ、流してみてほしい大比良瑞希です。 さて 前回 は、深海生物の謎に迫ります。という、謎な終わり方してしまいましたので、第3回の書き始めに困り、仕方ないので検索してみてしまいました「深海生物の謎」。歌詞のエッセイを書いてください、とのことだったのに、完全にズレていきそうです。こわいです。 ただ実際、検索先をたどってみると、どんどん引き込まれちゃう。海は皆好きで身近な場所なのに、その海の底の、95パーセントはいまだ人目に触れたことがない、らしい。深海でクジラが歌を歌っているのは本当か、どうして深海のタコはあんな巨大なのか、水中都市の噂はどうなのか、そんなことを考えただけでも、ワクワクする。やっぱり答えがわからないもの、想像し放題な物事って、脳内がくすぐられる。大人になって、毎日のTo Doに追われると、なかなかこんな事を考えることも少なくなっちゃいますけどね。 歌詞を書く行為は私にとって、このくらい奥深いところがあります(無理やり繋げた)。実際、書き始めて10年以上経つけど、全然辿り着かないし、答えもわからないし。手中にいつまでも入ってくれない感覚が、ちょっとあります。なんでだろう。でも好きだ、という片思いなこの感覚。 歌詞を書いてみたいと思っている人、それなのに歌詞の書き方がわからない人、きっと結構いるんだろうな、と思うのは、歌詞の書き方の本や記事って結構たくさんあるから。そして事実、私もそうだったから。 そもそも私が歌詞を書き始めたのは、中学3年生の頃。今ふと思い出したけど、確か映画『チェケラッチョ』を見て、主人公がとても簡単そうに歌を作っていて、これなら私でも曲作れるんじゃないかと思い立ち、家に帰って簡単な気持ちでポロっと弾き歌ったら、ポロっとできちゃった、最初はそんな雰囲気だった気がする。それからは、自分だけのオリジナルソングを作ることに夢中になって、授業中も夜中も歌詞を書いていました。 10年以上経った今、あの時より難しく考えてしまう時がある。考えれば考えるほどこんがらがって、焦って歌詞の本など読んでみたこともあるけど、一向に解決しない。いつの間に、あの頃の日常のポロっとした感覚を、どこかに忘れてきてしまった。気付くと足が着かず深海まで潜り込んでいて、真っ暗な中どんどん迷い込んでいくような日々があった。深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような、誰しも大人になったらそんな感覚に陥る時って、きっとあるよね。 うまく書こうとしてしまうし、正解を探そうとしてしまうけど、でも実際歌詞の書き方に、正解も法則も、本当はないと思うのです。正解は私であって、あなたであって。創作において、本来正解やルールや法則なんて、なくていい。新しくていいし、オリジナルでいい。歴史を変えてきたミュージシャンこそ、そうだったりするように。何にも縛られず自由に、ありのままの脳内を注ぎ込むことを、いつになっても全身で楽しんでいるかどうか、の方が大事だし、伝わるはず。 深海の奥深くで一人、息を潜めて右左迷うのは楽しみつつ、表面ではキラキラザブーンと勢い良く。海のバランスで歌詞を書くって、新しくていいかも? こんなこと、自分でもこのエッセイを書き始めていなければ、出てこなかったことです。不思議。1文字が連なっていけば、すでに第一歩。これからも、たくさん言葉と背景を紡いでいきたいと思います。 というわけで、エッセイ3回分読んでくださった方、どうもありがとうございました。きっとまたどこかでお会いできますように…! <大比良瑞希> ◆2ndアルバム『IN ANY WAY』 2020年6月3日発売 UXCL-241 ¥2,500(本体)+税 <収録曲> 01.Eternal My Room 02.甘い涙 03.無重力 04.SAIHATE 05.RESCUE 06.In a small lake 07.ムーンライトfeat.七尾旅人 08.いかれたBABY 09.ミントアイス 10.からまる feat. 大比良瑞希/KERENMI 11.Somewhere 12.Real Love -熊井吾郎Remix-

    2020/06/11

  • SUPER BEAVER
    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。
    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。

    SUPER BEAVER

    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。

     2020年6月10日に“SUPER BEAVER”がニューシングル『ハイライト / ひとりで生きていたならば』をリリースしました。今年4月1日で結成15周年を迎え、4月8日にメジャー再契約を表明した彼らの今作は、疾走感あるロックサウンドに強い意志が込められた「ハイライト」と壮大なミディアムバラード「ひとりで生きていたならば」の両A面シングル。  さらに、約10年前のメジャー在籍時最後にリリースしたアルバム収録曲「まわる、まわる」のセルフカバーも収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回をお届け!綴っていただいたのは、今作に再録される楽曲「 まわる、まわる 」についてのお話。かつて、潰えたとさえ思った未来。それはどんな“今という未来”として存在しているのでしょうか。3日連続エッセイのラストに綴られた想い、受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 まわる、まわる 」~ 拝啓 数年前の僕は何を 描きもがき笑ってるの? 終わりの見えた日常 新しい生活の足音 大好きな人に歌うメロディ 冗談ばかりで濁してた未来 わかったつもりで知らなかった 社会 世間 現実の世界 「大きくなったら〇〇になる」「将来の夢は△△」そんな、いつまでも来ないような気がしていた「いつか」の入り口が半ば強制的に目の前に現れ始めるような、17歳~22歳頃というのは人生において重要な分岐点の一つだと思う。 願いや夢、それらは叶うか・叶わないかの二択であると気がついてしまったときの恐怖は言葉にならない。「人はいつか必ず死ぬ」を自分に当てはめて、深く考え込んで眠れなくなったあの感じに似ている。 かつて在籍していたメジャーレーベルから最後にリリースした『SUPER BEAVER』というアルバムがある。同レーベルを離れることが概ね決定していた中で、一枚好きなように作りな、と厚意により制作させてもらった。「まわる、まわる」という曲はその作品に収録されていて、つまり今回は再録だ。 2010年当時は、自分たちで自分たちを取り戻す、みたいな所があったと思う。原点回帰、歌も楽器もせーので一発録り、多重録音も極力避けた。曲も詞も手直しはほとんど無かったはずだ。バンドを結成した学生時代に持っていた気がする大事な何かを必死で手繰り寄せるように、とにかく「今表現したいこと」だけを純粋に作品にしていった。久しぶりの感覚だった。 正直なことを言えば、メジャー契約終了が議題に上がった時、自分のバンドマンとしての未来は潰えたと本気で思った。“メジャーデビュー=プロ”だと勝手に思っていた20~21歳の自分にとって、メジャー契約終了は即ちプロじゃなくなることと同義で、「バンドで飯を食ってやる!」と夢を抱いていた自分が、飯を食えないままプロじゃなくなることは、「あなたの夢は叶わないという結果になりました」と通告されたようなものだった。 その後の人生が怖くなったし、寂しくて辛かった。この先どうしていくべきなのか、考えて、考えて…その中で“バンドであることの心強さ”に改めて気がついたようにも思う。ひとりじゃなく、共にこの感覚を分かち合えるメンバーがいる歓び。良いことも悪いことも、共有していく、それを鳴らす、これがバンドなんだ、と再確認していった。 もう一度4人で、4人が納得いくことをやろう。そうして題されたセルフタイトル『SUPER BEAVER』だった。 拝啓 数年先の僕は何を手にして、また無くしてるの? 今の生活の先に 一体何が待っているの? 大切な人に捧ぐメロディ 冗談みたいな僕の願いは どんな形でそこにある? 遠い遠い 現実の未来 2020年現在。潰えたとさえ思った未来、願いや夢。叶うか・叶わないかの二択だと思っていたそれらを、叶えるか・ 叶えないかという視点を加えて捉えられるようになっている。僕だけの明日を望んでいたはずが、僕だけじゃない今日に強く歓びを感じるようになった。 そういった変化や変化のきっかけを、メロディに乗せて歌い続けていきたいと思う今日こそが、いつまでも来ないような気がしていた「いつか」で、あの日の自分が知りたかった現実の未来だ。 良いか悪いか、満足か不満足か。きっと今日は一つの応えであり、答えではない。 それでも確かな気持ちとして「10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った」この事実にどうしようもなくロマンを感じてしまう。繋いでいく。続いていく。SUPER BEAVERが歌うのは、そういう歌たちだ。意味や形、捉え方を少しずつ変えながら、これからも歌い続けていく。今日の自分たちから過去と未来に向けて、今度はあなたと一緒に。 この歌に結びの言葉がなくて良かったな、と思っている。 <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆紹介曲「 まわる、まわる 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆New Single 『ハイライト / ひとりで生きていたならば』 2020年6月10日発売 初回生産限定盤 SRCL-11496~7 ¥1,727+税 通常盤 SRCL-11498 \1,182+税 <収録曲> 01. ハイライト 02. ひとりで生きていたならば 03. まわる、まわる

    2020/06/10

  • SUPER BEAVER
    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。
    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。

    SUPER BEAVER

    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。

     2020年6月10日に“SUPER BEAVER”がニューシングル『ハイライト / ひとりで生きていたならば』をリリースしました。今年4月1日で結成15周年を迎え、4月8日にメジャー再契約を表明した彼らの今作は、疾走感あるロックサウンドに強い意志が込められた「ハイライト」と壮大なミディアムバラード「ひとりで生きていたならば」の両A面シングル。  さらに、約10年前のメジャー在籍時最後にリリースしたアルバム収録曲「まわる、まわる」のセルフカバーも収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回は 第1弾 に続く第2弾をお届け!綴っていただいたのは、新曲「 ひとりで生きていたならば 」に通ずるお話です。みなさんには“こだわり”ってありますか? そしてその“こだわり”は何のために持っているものか、意識したことは、ありますか…? ~歌詞エッセイ第2弾:「 ひとりで生きていたならば 」~ こだわり。 好み、ちょっとしたマイルール、誇りや信念、自らの生き方に関わることだってあるかもしれない。 子どもの頃の話。友達に冷やかされて嫌だったこと。言い返したこと。喧嘩になってしまったこと。ひどい言葉を吐いてしまったし、ひどい言葉を浴びせられたこと。それを家族に話せなかったこと。その感覚を今もよく憶えている。 幼心にも冷やかされた自分自身をどこか惨めに思ったり、喧嘩の後に我に返って不安になってしまったり。その気持ち自体が口を閉ざさせた部分もあっただろうけれど、「心配させてしまうかもしれない」と想像した瞬間に完全に言い出せなくなった。あの何とも形容しがたい寂しい辛さは、実はその後も度々目の前に現れ続けている。 人間関係、学校、受験、就職活動、面接、会社、営業、取引、試合、オーディション、商売、夢、目標、挑戦、etc…。 「いざ」という瞬間、自らで「選択」し「勝負する」ような瞬間は幾度となく訪れる。その全てが100%上手くいく人は……どこかには居るのかもしれないけれど、多くの人が、大なり小なり、失敗や挫折を味わったことがあると思う。そこに懸ける気持ちが大きければ大きいほど、反動は、巨大。 歳を重ねると、経験も増える。経験は予測を生み出して、時に、悔しさ、哀しさ、虚しさを和らげる術へと形を変えもする。例えば本心を誤魔化し、懸けた気持ちを無かったことにしようとしてみたり。経験が、悔しさ、哀しさ、虚しさ、その辛さを知っているからだ。 …本当はそれこそが悔しくて、哀しくて、虚しいよなあって思う。こだわりを、マイルールを、誇りや信念を、懸けた気持ちを誤魔化そうと、言い訳しようとした。それに自分で気がついた瞬間はとてもキツい。 この世に「独り」で生きていたならば、何も気にならない。失敗も挫折もない、冷やかされもしないし、ひどい言葉を浴びせられもしない。「一人」分のこだわりに、マイルールに、誇りや信念に、それだけに従っていればいい。いや「こだわり」にさえこだわらないのかもしれない。 ひとりで生きていないから、簡単じゃない。 「いざ」という瞬間、「選択」したり「勝負する」ような瞬間、思考のどこかに自分以外の人がいる。「一人」分の感情ではなく、ましてや「独り」ではないと強く実感する。家族や友達、同僚や仲間、恋人、あなた、自分の好きな人。好きな人には好かれていたい。シンプルだ。期待に応えたい、歓ぶ顔が見たい、心配をかけたくない、失望させたくない、情けない姿を見せたくない。 そういう自分でありたいのだと思う。想い、想われて、心の底から笑いあう。 そんな歓びを幸せに感じる。こだわりだ。 そのために、時に自分の中の矛盾とも戦い、葛藤だってする。 失敗して失敗して挫折も味わって、あの何とも形容しがたい寂しい辛さとも何度も何度も向き合っていく。 何かを為そうとするときに人の顔が頭をよぎることは、本当に幸せで嬉しいことだ。 言い訳でもない、重荷でもない。「大切」ってそういうことなんじゃないだろうか。寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。だとしたらこの先もずっと向き合い、付き合い続けていきたいと思う。 あなたはどうだろう。 ひとりで生きていたならば こんな気持ちにならなかった ひとりで生きていたならば 理不尽も許せたかもな ひとりで生きていたならば ひとりで生きていないから 悔しさこみ上げるほどの 大切に出会えたんじゃないか こだわって生きると 今一度言い切るよ 原動力はずっと ひとりで生きていないこと <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆紹介曲「 ひとりで生きていたならば 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆New Single 『ハイライト / ひとりで生きていたならば』 2020年6月10日発売 初回生産限定盤 SRCL-11496~7 ¥1,727+税 通常盤 SRCL-11498 \1,182+税 <収録曲> 01. ハイライト 02. ひとりで生きていたならば 03. まわる、まわる

    2020/06/09

  • SUPER BEAVER
    4人で必死になるほどに、4人だけではなくなっていった。
    4人で必死になるほどに、4人だけではなくなっていった。

    SUPER BEAVER

    4人で必死になるほどに、4人だけではなくなっていった。

     2020年6月10日に“SUPER BEAVER”がニューシングル『ハイライト / ひとりで生きていたならば』をリリースしました。今年4月1日で結成15周年を迎え、4月8日にメジャー再契約を表明した彼らの今作は、疾走感あるロックサウンドに強い意志が込められた「ハイライト」と壮大なミディアムバラード「ひとりで生きていたならば」の両A面シングル。  さらに、約10年前のメジャー在籍時最後にリリースしたアルバム収録曲「まわる、まわる」のセルフカバーも収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、新曲「 ハイライト 」に通ずるお話。結成15周年を迎えた今だからこその想いを明かしていただきました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 ハイライト 」~ 2020年4月、SUPER BEAVERは結成15周年を迎えた。メンバー全員が高校生だった結成当時のことを思えば、まさか15年後の自分たちなど…想像してみるという発想すら無かったと思う。嬉しかった、だけどどこか漠然とした心持ちで『あ、いいですよ、やります!』と、返答したあの放課後から、結局15年間ずっとSUPER BEAVERであるわけだから、人生は本当に絶妙だ。 これまでの何か一つでも欠けていたら、今ある今日は無い……かどうかもわからないのが実際のところだと、年々思うようになった。「もし」とか「例えば」とか、その類の言葉をどれだけ過去に投げかけても、「今」に変化は起こらないことを経験してきたからだと思う。 時間軸という観点においてだけは、人生は間違いなくやり直しがきかなくて、だからこそ昨日を悔やんだり、明日に不安を抱いたり、「身に起きた全ての物事には意味がある」と自分自身に言い聞かせたくなったりもする。SUPER BEAVERが20歳そこそこでメジャーデビューし、呆気なく契約終了した時も、それまでの人生で一番の挫折を味わった自分に言い聞かせていた。 他方で、忘れてしまっていることにすら気がついていないことが、きっと山のようにあるのもまた人生。嬉しかったこと、楽しかったこと、悔しかったこと、辛くて仕方がなかったことでさえも、だ。「身に起きた全ての物事には意味がある」と自分自身に言い聞かせたくなったりもするけれど、身に起きた全ての物事を憶えてはいない。 所属していたレコード会社と事務所を離れた頃には、かつての高校生も21~23歳。周りはどんどんと就職していき、自分たちは結成7年目にして、どこかまた1からバンドを始める感覚。朝から晩までアルバイト、稼いだお金を持って各地でライブ、ライブ、ライブ。 不思議なもので不安より希望が勝った。辛いより楽しいが強かった。何よりSUPER BEAVERを通じて出会う人との関わり合い、その間に生まれていく一つ一つが心から嬉しかった。 4人で必死になるほどに、4人だけではなくなっていった。幾つも手が差し伸べられ、何度も目を見て言葉を交わし、そして肩を組んだ。4人だけではないことを実感するほどに、SUPER BEAVERは過去の一番を超え、そして過去一番を更新していった。 2020年4月、SUPER BEAVERは結成15周年を迎えた。おまけにメジャーレーベルと再契約を結んだ。メンバー全員が高校生だった結成当時のことを思えば、まさか30歳を超えた今が一番楽しいなど…想像してみるという発想すら無かったと思う。嬉しかった、だけどどこか漠然とした心持ちで『あ、いいですよ、やります!』と、返答したあの放課後から、結局今も明日もSUPER BEAVERであろうというのだから、人生は本当に絶妙だ。 これまでの何か一つでも欠けていたら、今ある今日は無い……かどうかもわからないのが実際のところだけど、「これが欠けていたら今ある今日は無い」と思える出来事は幾つもある。「もし」とか「例えば」とか、その類の希望を今に叶えることで、過去の捉え方が変化していくことを経験してきたからだと思う。 僕らは身に起きた全ての物事を憶えてはいない。 だからこそ、こうして不意に想っても即座に蘇る記憶こそ、欠けてはならない今日までのハイライト。 圧倒的な感動を、圧倒的な感情を、この先も。 僕らの人生に咲き誇り続ける、語り続けたくなる、ハイライトを。 おかげで今がある、だから今日も生きている、そう言いたくなるようなハイライトを。 <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆紹介曲「 ハイライト 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆New Single 『ハイライト / ひとりで生きていたならば』 2020年6月10日発売 初回生産限定盤 SRCL-11496~7 ¥1,727+税 通常盤 SRCL-11498 \1,182+税 <収録曲> 01. ハイライト 02. ひとりで生きていたならば 03. まわる、まわる

    2020/06/08

  • 川嶋あい
    どんな関係に置いてもこの“信頼”を勝ち得ることはとても難しい。
    どんな関係に置いてもこの“信頼”を勝ち得ることはとても難しい。

    川嶋あい

    どんな関係に置いてもこの“信頼”を勝ち得ることはとても難しい。

     2020年6月3日に“川嶋あい”がニューアルバム『針の穴』をリリース!都々逸や短歌にインスピレーションを受け”恋愛短歌集”のような作品となった今作。彼女は「針の穴に糸を通すように、ただ1つのものだけに想いを注ぐ女性の、濃密な感情が詰まった」楽曲だとコメントしております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“川嶋あい”による歌詞エッセイを、3ヶ月連続でお届けいたします! 第1弾 、 第2弾 に続く最終回では、収録曲「 雪割草 」にまつわるお話を綴っていただきました。この花の持つ花言葉、みなさんはご存じですか? そしてその言葉を大切にできていますか…? ~歌詞エッセイ最終回:「 雪割草 」~ ミスミソウという花がある。早春に咲く花だ。三角形の葉を持ち、色は青や紫、赤、ピンクなど。冬の終わりに雪を割るようにして咲くことから雪割草という別名もある。 私自身はまだこの花を実際に見たことがない。子供の頃からずっとこの花を見てみたかった。というのも、大好きなアニメの物語の中でこの花が象徴的に出てくる場面があった。 桜のように華やかというよりは、可憐で繊細で物静かな印象。だけれど、内に秘めた強い情熱みたいなものを幼心に感じ、どうしても見てみたい衝動に駆られた。いまだ実現はできていないが、この憧れは永遠であってもいい。願いというものは達成するまでのプロセスやイメージの方が遥かに重要に思うからである。 ただ、今回の最新アルバム『針の穴』を制作してゆく中で、ふとこのまだ出会ったことのない小さな花を、今私が描く世界の中で楽曲に落とし込んでみたいと思い立った。 雪割草が持つ花言葉は、信頼や自信、はにかみ。 家族や恋人、友人、どんな関係に置いてもこの“信頼”を勝ち得ることはとても難しい。信頼は愛情とはまた違うところにある。この人になら、伝えたい、相談したい、任せたい…。もしかしたら愛情よりも付加価値の高いポジションにいる時もあるくらいに思える。 付き合ってきた恋人同士の中で、もし少しでも互いへのその信頼が薄れた時、あるいは失ってしまった時、それを取り戻してゆくのは困難だ。ゼロではなくマイナスからのスタート。もしかしたら関係はそこで終わってしまう場合もあるだろう。だからこそ、本当に原点に帰れるのだが、人の気持ちを軽薄に考えたり捉えたりしてはいけないのだろうなと思う。自分で人の気持ちを想像する力。この能力も必要だろう。 そして、人は誰でもいつかはその人生を終える。ということは、産まれた瞬間から終わりに向かって歩いているのだ。それは一見悲しいように思うけれど、多くの意味を持っている。自分のために今何ができるか、そして誰かのために今何をすべきか。あらゆることを想像して考えることができるからだ。 それを実行する生き方がベストなのだろうけれど、そんなに上手くは事運ばない。だけど、トライする気持ちがあるのとないのとでは人生は大きく変わってくる。 限りある時の中で、目の前にいる人と一緒にこれからも歩んでゆけるために、時にぶつかっても悩んでも、その都度乗り越えながら前に進んでゆくことはきっといつの日か“信頼”になってゆく。そしてその信頼が今度は“自信”へと変わってゆくはず。 長い冬を超えて、たくさん我慢をして、たくさん成長をしてやっと蕾を開かせた雪割草のように、今が苦しくても待った先の未来には必ず希望があると信じて、生きてゆきたい…。そんな誠実な想いがこの「雪割草」という楽曲には込められている。 お金があることや権力があること、名誉があること、愛があること。生きていれば必要な物はたくさんあるし、求めるほど増えてゆく。人それぞれに優先順位は違ったとしても。 私はそこに生き方を足してみたい。穏やかでも破天荒でも、悔いのない生き方を選んでいきたいと思えば、自分も誰かの人生も、そこからいつでも始まりに変わってゆけるのだ。雪割草がその身を枯らしても、また次の春に花を咲かそうとするように…。 <川嶋あい> ◆紹介曲「 雪割草 」 作詞:川嶋あい 作曲:川嶋あい ◆9th ALBUM『針の穴』 2020年6月3日発売 初回限定盤 TRAK-0168~9 ¥3,500(税別) 通常盤 TRAK-0170 ¥3,000(税別) <収録曲> 1.Paradox 2.くるくる 3.綴 4.ペペロンチーノ 5.Home 6.Life 7.私を彼女にして 8.雪割草

    2020/06/05

  • 大比良瑞希
    そういう時、言葉は、背景を必要とするんだと思う。
    そういう時、言葉は、背景を必要とするんだと思う。

    大比良瑞希

    そういう時、言葉は、背景を必要とするんだと思う。

     2020年6月3日に“大比良瑞希”がニューアルバム『IN ANY WAY』をリリース。彼女は、tofubeats、LUCKY TAPES、Alfred Beach Sandal×STUTS、Awesome City Club等の作品やライブへの参加でも知られるように様々なアーティストから愛される次世代型シンガーソングライター。今作にはその個性的な歌声を堪能できる全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“大比良瑞希”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾。綴っていただいたのは、歌詞を書くときにも欠かせない“言葉”についてのお話。言葉を助けてくれる“背景”とは、一体どんなものなのでしょうか…! ~歌詞エッセイ第2弾~ 皆さまこんにちは、大比良瑞希です。 ぬるっと、緊急事態宣言、解除されましたね。5月末はどうなっているんだろう、6月3日のアルバム発売日に、渋谷の街は戻っているんだろうかと、心がざわついていましたが、この感じだと展開もできそうで、とりあえず、ホッです。みなさま、アルバム『IN ANY WAY』ぜひ、手にとってみてくださいね! さて前回のコラムでは、毎分毎秒気づかないうちに最後の瞬間を過ごしている、という、人生は全てラストダンス話を書いてみましたが、まさに今も。緊急事態宣言の中にある日本は終わった。もう誰も外で遊ばない、静かで奇妙なGWは過ぎた。 でも宣言WEEKは終わったけれど、昨日と今日で何が違うのか、と言ってしまったら、昨日ウイルスがさようならしたわけではなくって。言葉は常に世界を作っているし、世界を区切っているし、世界を繋げている。言葉によって、動いている私たち。 ところで私には愛犬がいまして、巨大なフランスパンみたいな巨大なフレンチブルドッグ(20kg!)が、家族の一員です。彼と言葉を話せたら、どうなんだろうとたまに考える。よく、犬は喋らないから良いといったりするし、口は災いのもと、ということわざもあるくらいで、言葉は時として武器にもなってしまう。 つまり、言葉がなければ、争いは無くなるかもしれないってこと? 逆に、言葉をもっとたくさん知っていれば、悩みは減るかもしれない? 私たちの気持ちはいつだって複雑が普通で、言葉の連なりくらいではきっと喩えきれないんだよね。日本語は表現が多い言語とされているけど、それでも人と人とのコミュニケーションは、時に難しい。英語を勉強するどころか、まだ日本語でも気持ちを表現しきれなくて、ムズムズする時があるくらい私なんて。 そういう時、言葉は、背景を必要とするんだと思う。 それが、挿絵であったり、写真であったり、表情であったり、音楽であったり。音楽が言葉の背景に寄り添ってくると、「嫌い」という言葉も、「好き」という意味になって、ただの「好き」以上に気持ちが伝わってくる場合があるように。音楽が想像の助けになって、言葉だけでは削ぎ落とされてしまう、わずかな気持ちをすくい取ったり、曖昧な部分の存在を認めてくれたり、気持ちのグラデーションみたいなところを描いてくれる。 私は、シンガーソングライターの道を突き進めながらも、普段の気持ちを言葉にするのがすごく得意なわけではない。だからこそ、言葉だけでは伝えきれない気持ちを、音楽として形にすることの、虜になっているのかもしれない。 言葉にしきれないやわらかい部分を残したくて、まず音に想いを託すことでメロディや響きができて、その音が発している言葉をたぐりよせて、歌詞にしていく。言葉と向き合うために、一度言葉から離れる。 でもたまには、その逆で、その一行にどんな背景がくるのか、という言葉遊びをして見ても良いかもしれない。同じ一行に対して、いろんなBGMを鳴らしてみる、いろんな挿絵を並べてみる、そんな想像はちょっと楽しそうだし、相手の気持ちを察する上で日常においても必要な想像なのかもしれない、とも思ったり。 歌詞は、有限で無限な難しさと楽しさを秘めている、私にとって深海生物みたいな存在。 次回はそんな深海生物の謎に迫ります。笑 <大比良瑞希> ◆2ndアルバム『IN ANY WAY』 2020年6月3日発売 UXCL-241 ¥2,500(本体)+税 <収録曲> 01.Eternal My Room 02.甘い涙 03.無重力 04.SAIHATE 05.RESCUE 06.In a small lake 07.ムーンライトfeat.七尾旅人 08.いかれたBABY 09.ミントアイス 10.からまる feat. 大比良瑞希/KERENMI 11.Somewhere 12.Real Love -熊井吾郎Remix-

    2020/06/04

  • コレサワ
    ほんとは歌詞のこと書きたかったけど全然違う話になりました。
    ほんとは歌詞のこと書きたかったけど全然違う話になりました。

    コレサワ

    ほんとは歌詞のこと書きたかったけど全然違う話になりました。

     2020年8月5日に“コレサワ”が1st Single「憂鬱も愛して」をリリース。今作は、コレサワ初となるCDシングルで、デビュー前の2014年3月に自主制作盤として発売した「憂鬱も愛して」を再アレンジ&再レコーディングした楽曲。この自主制作盤は現在入手困難な幻の名曲となっており、ファン待望の音源化となります…!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“コレサワ”本人による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けいたします!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回!コロナの影響で自粛生活が続く中、コレサワが改めて見つけた、ある“答え”とは…。新曲にも通ずる、今の彼女の想いを是非、受け取ってください! ~歌詞エッセイ最終回:ほんとは歌詞のこと書きたかったけど全然違う話になりました。~ お久しぶりですコレサワです。 6月になりましたね。少しずつ半袖が着れる日が増えてウキウキしてます。でもまだ「買い物行くぞぉおー~!!!」「友達とランチだぁぁぁぁ」とはいかないなぁ。これを読んでいるあなたは、コロナがなかった時とコロナ中の今で、自分のこんなところが変わったなーってとこはありますか? わたしはね洋服が好きで、いつも仕事終わりや休日に暇さえあれば好きな服屋さんを巡って買い物することが多かったんやけど、ここ2ヶ月全く服を買ってない。いつぶり?ってくらい。顔なじみの大好きな店員さん達に移したくはないし、そもそもどこの店も休業してたし、お洋服は形や素材も確認したいのでなかなか通販で買う勇気がなかった。誰にも見てもらえないなら着飾る必要もない。 あれ?私は今まで服が好きだから買ってたのか、それとも服を着てる自分を見てほしくて買ってたのか、どっちなんだろう?本当に服が好きなら、誰に見せるとか関係なく買ってるんじゃないか。自分にとって洋服とはなんなんだろうって、暇だと普段考えないことを考え込んでしまいますね、いいのやら悪いのやら。 でもやっぱり私は誰かに見てほしいな!それは服を見てほしいというか、その服によって自信がついた私を見てほしいのかもしれません。私にとって洋服は、気持ちを明るくしてくれる存在です。いつだって主人公にしてくれるそんな存在かも。それが自粛生活で見つけた答えでした。次服を買う時があったら、前とは選び方が変わる気がする。もちろん良い意味で。世の中の素敵なファッションデザイナーの皆さんいつもかわいい服を作ってくれてありがとう!!! そういえばファンレターに“この曲を作ってくれてありがとう”って書いてくれる子がいたなぁ、、こんな気持ちなのかぁ、、自分じゃ絶対服なんか作れないもん(前に作ってみたけど向いてなかった)。音楽もそうなんだろなー。音楽に関しては作る側の方が好き。もちろん聞いたりもするけど、でも作る方が好き。 私はいつも心掛けていることがあるよ。この曲を聞いた人の人生が少しでも華やかに、勇敢に、寄り添えますように。そう想っています。今回の新曲はどれも優しく寄り添って、でもしっかりと手を握ってあげられるような曲になりました。 まだまだ油断できない時期ですが、お互い体調に気をつけて過ごそう!今回でコラムはラストです。読んでいただきありがとうございました!またねー! <コレサワ> ◆1st Single「憂鬱も愛して」 2020年8月5日発売 通常盤 KICM-2052 ¥1,000+税 れ子ちゃん盤 ECB-974 ¥4,527+税

    2020/06/03

  • SCANDAL
    大好きな東京にいつまでも心を躍らせながら健やかな日々を送りたい。
    大好きな東京にいつまでも心を躍らせながら健やかな日々を送りたい。

    SCANDAL

    大好きな東京にいつまでも心を躍らせながら健やかな日々を送りたい。

     2020年6月3日に“SCANDAL”が新曲「 Living in the city 」を配信リリース。今作は、もともと今年2月に発売された彼女たちの最新アルバム『Kiss from the darkness』の制作時にベースの“TOMOMI”によって作詞作曲された曲で、東京でのなんてことない日常が愛おしく思えるような情景が歌われたメロウなナンバーです。SCANDALにとって初となる宅録音源のままでのリリースとなる新曲を是非、ご堪能あれ…!  さて、今日のうたコラムではそんな新曲の作詞作曲を手掛けた“TOMOMI”による歌詞エッセイをお届けいたします。綴っていただいたのは「Living in the city」に込めた想いに通ずる、彼女の“東京”での日常のお話。ステイホーム期間が長く続いた今だからこそ、改めて大切に想う場所や存在、みなさんにもありませんか…? 大好きなあの場所、あの人を思い浮かべながら、このエッセイを読んでみてください。 ~歌詞エッセイ:「 Living in the city 」~ 兵庫の田舎から上京して10年以上が経ち、私にも所謂「行きつけ」と言えるお店がいくつか出来た。駒沢公園通り沿いにある小さなコーヒーショップ“Pretty Things”は、そのひとつである。 ガラス張りの扉を開けると、挽きたてのコーヒーの香りと、明らかに拘り抜かれた音響シムテムを通して流れるアナログレコードの音に包まれる。この日かかっていたのはDARYL HALL&JOHN OATES。私の大好きなDe La Soulもサンプリングしたあの曲だ。自然と体が動く。ルンルンなのである。 たった5歩くらいではあるが、踊りながらカウンターへ向かうと、いつもの小さなおじさんといつもの可愛いお姉さんが注文を受けてくれる。選べる豆は3種類。その中でも酸味が強いとされているエチオピアを頼む。私は毎回エチオピアだ。それにハニートースト。鉄板中の鉄板である。 私が“Pretty Things”に通う理由はたくさんあり、エチオピアやハニートーストが美味しいことや、DARYL HALL&JOHN OATESがかかっていることはもちろん、その他もろもろがいつだって私の気分を最高潮にしてくれるからだ。 幾何学模様のタイルが敷き詰められた床、ユニークな雑貨、カルチャー雑誌、オリジナルのアパレルライン。まさにPretty Tingsで溢れたこのお店は朝から晩まで私をワクワクさせ、たくさんの気付きを与えてくれる心強い味方なのである。 さて、先程チラリと登場したカウンターにいる小さなおじさん。この小さなおじさんがここのオーナーであり、90年代後半の東京カフェブームを巻き起こしたその人だ。 もちろん、田舎出身の私は当時のことを知らないし、後から聞いた話ではあるが、どうやらカフェを経営している人にこのおじさんを知らない人はいないらしい。凄い。 にも関わらず、いつも気さくでスマートなのだ。そう、本当に凄い人はその凄さを自ら表現しない。表現しないが、その周りには同じような感性を持った人間が自然と集まる。 “Pretty Things”に顔を出す人々は、なんというか、東京の街で思いっきり働き、遊び尽くし、いろんな経験をしたのちにやっと出せる余裕を感じさせる。東京カルチャーの匂いを染み込ませた色気のある大人たち。とてつもなく、どうしようもなく、憧れるのだ。 憧れながらエチオピアを飲む。実は数年前までコーヒーが飲めなかった。苦くてダメだった。だけど憧れのあの人たちみたいに生きてみたくて無理して飲んでいたら、いつの間にか好きになっていた。この10年、こういうことがたくさんある。今の私を構築するものの多くは東京で暮らす日常の中にあった。 上京したばかりの頃、毎日スイッチを入れていないと、一生懸命汗をかいていないと、この世から置いていかれそうだとどこか孤独を感じていた場所が、いつの間にか「ただいま」と言いたくなる場所になっていた。東京が愛しいのだ。心地良いのだ。 全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、最後まで自粛生活が続いた東京も5月25日に緊急事態宣言が解除された。この2ヶ月くらい行けていなかったが、近々様子を見ながらエチオピアとハニートーストとDARYL HALL&JOHN OATESと小さなおじさんに会いに行こうと思う。 ステイホーム期間中、心がすり減ってしまう瞬間も多かった。だけどこのお店は朝から晩まで私をワクワクさせ、たくさんの気付きを与えてくれる心強い味方だ。新しい生活様式を受け入れ、手洗いうがいをサボることなく、大好きな東京にいつまでも心を躍らせながら健やかな日々を送りたい。 <SCANDAL・TOMOMI> ◆紹介曲「 Living in the city 」 作詞:TOMOMI 作曲:TOMOMI

    2020/06/02

  • CHIHIRO
    寝顔の後ろでずっと泣いていたことなんて一生知らないでしょう。
    寝顔の後ろでずっと泣いていたことなんて一生知らないでしょう。

    CHIHIRO

    寝顔の後ろでずっと泣いていたことなんて一生知らないでしょう。

     2020年5月20日に“CHIHIRO”が新曲「 もうおしまい 」を配信リリースしました。3ヶ月連続配信リリースの第2弾となる今作。切ない失恋を描きながらも、前向きになれるメッセージが込められており、アレンジャーにはトオミヨウを迎えて制作。CHIHIROの新たなスタンダードナンバーが誕生したといえる1曲となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな新曲を放った“CHIHIRO”の歌詞エッセイをお届け!<さよなら私の恋 人生の中できっと多分... 一番好きだったよ でも運命じゃなかったんだ>と幕を開ける歌。この物語には一体、どんな背景が見えてくるのでしょうか。新曲「 もうおしまい 」に通ずる小説風のエッセイ、是非、歌詞と併せてご堪能ください。 ~歌詞エッセイ:「もうおしまい」~ 私の楽曲は泣き歌と呼ばれる失恋ソングが多いのですが、歌詞に共感してくれる方が多くて今回の歌詞もすごくリアルに言葉を選んで描きました。 新曲の「もうおしまい」は曖昧な恋を終わりにする恋の歌です。おしまいという言葉はマイナスなイメージもありますが、終わりにすることで新しい扉が開くはじまりのきっかけの言葉でもあると思います。大好きな人とのさよならを決断する、選択する事はとても勇気が必要です。この曲を聴くことで、何かきっかけになる、勇気になるそんな前向きなパワーになる力になれたらって思ってます。 今日は新曲の「もうおしまい」の世界観を描いたエッセイを描かせて頂きました。楽曲にあわせて読んでみてください。 ーもうおしまいー 雨の降ったあとのけだるい匂いが消えない夜。 今日もなんてことのない一日が終わろうとしていた。 午後22時30分 「今から行ってもいい?」 いつもこうやって彼から 気まぐれに突然ラインが届く。 だめだって分かっていながら私は即答する。 「いいよ」 彼には恋人がいる。 でも9か月前から私達は曖昧な関係が続いてる。 “だめだよね....” 毎回自問自答しても“会いたい”を選んでしまう。 馬鹿だな.... そう、寂しさってやっかいだ。 午前0時25分 インターホンが鳴る。 彼の顔をインターホン越しに久しぶりに見た。 心が舞い上がりそうになった...でも抑えた。 玄関を開けた途端 決まってキスをしてくる。 触れる温度も鼻につく香水の香りも その声も笑顔も...全部 一瞬で魔法にかかってしまうんだ。 “ずるいよ...”心で呟いた。 いつもこの魔法のせいで 私は恋人ごっこをしてしまう。 私は彼と過ごす時間が好きだった。 少しライトを落として 彼の好きな曲を夜中に二人で聴く時間。 ベッドの上で横顔をみながら色んな話をする時間。 私の中にある隙間に心地よく入ってくる、 そんな不思議な人。 この部屋にいるこの時間だけは 永遠のような錯覚になる 私だけのものだったらいいのに... これが運命だったらいいのに... 午前2時20分 彼のLINEが鳴る。 「彼女?」 少し無言になった彼は冷静に 「うん...そう。」 「こんなことしてていいのかな、私たち」 「うーん、だめだけど、落ち着くんだよね。一緒にいると」 落ち着くって何だろう... 彼は返事をいつもぼやかす。 「ねぇ、私の事好き?」 「うん...そうだね」 何度この質問しただろう... 私が欲しいのは“うん”じゃなくて“好き”なのに... いつか欲しい2文字をくれるかな..... 心変わりを待っていたけど その時は来る気配もなさそうだ。 重くしないように責めなかった。 離れたくなくて核心は迫らなかった。 でもね心が痛いよ..... 彼は私が泣きそうな顔してるのにも気づかないまま... ベッドに横になっていつのまにか眠ってた。 午前5時55分。 私は一睡もできないままだった。 いつも彼がこの部屋に来た日は寝れなくて 色んな感情で胸がいっぱいになる。 好きとやめようが行き来して 夜から朝に変わる光に現実を知らされる。 あと少しで1年。 平行線は平行線のままで 何も変化してないことに気づいた。 むしろその線は滲んできている。 私だけが本気なこの恋は 泣くことが増えただけ.. 傷つくことが増えただけ.. 寝顔の後ろで ずっと泣いていたことなんて一生知らないでしょう。 私の好きな人は誰かの恋人。 きっと変わらない現実。 「もうおしまい...」 彼の背中に小さく伝えた。 光が見えない恋なんてきっと幸せになれない。 ずっと必死に切れないように 握ってた糸は赤色じゃなかった。 ーサヨナラ、私の恋ー 次は愛し愛される恋探すんだ。 <CHIHIRO> ◆紹介曲「 もうおしまい 」 2020年5月20日リリース 作詞:CHIHIRO 作曲:CHIHIRO

    2020/06/01

  • 花*花
    やりっきった!がんばった!納得した!そこがゴールというか。
    やりっきった!がんばった!納得した!そこがゴールというか。

    花*花

    やりっきった!がんばった!納得した!そこがゴールというか。

     2020年5月27日に“花*花”が、オールタイムベストアルバム『2×20』をリリース。今年はメジャーデビューから20年目となるアニバーサリーイヤー。「あ~よかった」や「さよなら大好きな人」などの名曲を始め、数々のJ-POPスタンダードとなる楽曲を発表してきた2人の20年間と、今の花*花の最新曲が詰まった1作となっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな“花*花”が歌詞エッセイを執筆!スペシャルな記事を【前編】と【後編】に分けてお届けいたします。! 【前編】 に続く【後編】を綴ってくださったのは、おのまきこさん。新曲「 ゴール 」にまつわるお話です。仕事や恋愛、人間関係、いろいろな“ゴール”を目指して、今を生きているあなたに、この歌詞とエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ「 ゴール 」~ 20年。あっという間でもあり、まだまだ道半ばという感じでしょうか? 今年デビューして20年を迎えます。幸い2人組なのでどんなに忙しくても大変でも楽しかったし、大変なことも一緒に乗り越えて、そんな2人をたくさんのスタッフの皆さんに支えていただいて、たくさん助けていただきました。(現在も継続中。感謝です。) 今回20周年を記念してアルバムを出すにあたり、オールタイムベスト&ニューというコンセプトに、デビューしてからの楽曲を振り返って聴いてみたわけですが、懐かしくもあり新鮮でもありようやく客観的に聞くことができました。 当時のアレンジャーさんのアイディアのすごさや、若い(20代!)2人の歌声も、照れくさい気持ちと、レコーディングや当時の思い出の中をぐるぐるしながら楽しく選曲しました。 さぁ、振り返った次は『ニュー』を生み出さなければならないわけで。どんな曲を作ろうか…歌詞はどんなことを描こうか。相方に向けて書いてみようか、感謝を綴ってみようか。いやありきたりか。ふと気がついたら、別に20年で終わるわけじゃないし、とはいえ1つの節目でもあり、ゴールってどこにあるんやろう? みたいなことに辿り着き、まだまだこれから続いていくんだよという気持ちも含めて、新しくできたのが「ゴール」でした。 すぐ目の前にあるゴール、ずっとずっと先にある遠いゴール。何事にも必ず終わりが来るし、人間にもいつか人生が終わるときがきます。マラソン(小学生以来やったことはないけれど笑)は途中すごくしんどくなったり、足を止めたくなったりしますが、必ずゴールはやってきます。 だけど、仕事や恋愛、人間関係、ほかにはなんだろう? いろいろ。終わりたくても終われなかったり、不可抗力で突然終わりがやってきたり理不尽なことも多々あって、思い通りに進まないことも当然あるわけで。 まぁ、当然その時は苦しいし前向きになれなかったりすることもあるけれど、後で振り返るといい思い出になっていたり、笑い話になったりしていることもたくさんあって、だから人生が面白かったり豊かになったりするのかな? と40代になって感じています。 歌詞の中にも出てきますが、自分でゴールを決めるのもいいんじゃないかと。(途中で投げ出してはいけませんよ!) やりっきった!がんばった!納得した!そこがゴールというか。そしてその先にはまた新しい未来が待っていて、次のステップにつながるゴールは自分で決めて進んでいきたい。 これからの花*花にとって、30年、40年…どんな未来になるか、どんなゴールが待っているのかは、この先の音楽人生が楽しく豊かであれあればあるほど素晴らしいゴールになるはず! 今年は新型コロナウィルスの流行で、残念ながら20周年のツアーも延期となってしまいました。ですが。ここは気持ちを切り替えて、いつか絶対にやるツアーのために、ぜひ20周年記念アルバム、オールタイムベスト&ニュー『2×20』を聴いて予習、復習しておいてください!(笑) デビューから長く応援してくださってる方も、初めて花*花を知ってくださった方も、全33曲の中に1曲でも皆さんの気持ちにフィットする楽曲があると嬉しいです。とにかく健康でいてくださいね!また会いましょう。 <花*花 おのまきこ> ◆紹介曲「 ゴール 」 作詞:おのまきこ 作曲:おのまきこ ◆ALL TIME BEST & NEW『2×20』 2020年5月27日発売 UPCY-7670 ¥3,545(税別) DISC1 1.雨の雫(ALBUM MIX) 2.赤い自転車(ALBUM MIX) 3.あ~よかった(setagaya mix) 4.さよなら大好きな人 5.あくび 6.奇跡の裏側 7.中途半端な恋 8.やっぱり! 9.愛を少し語ろう 10.恋が育った休日 11.ばんそうこう1枚(spice version) 12.あなたへ・・・(h.mix) 13.スープ 14.涙のチカラ 15.童神(U.F.O.ver.) 16.夜香梅 17.風の花 DISC2 1.キャンディ 2.いつも心に花を持て 3.イロイロ 4.疼木 5.こがね菜の花(2020ver.) 6.僕の大事な人 7.good night honey 8.手(band ver.) 9.赤い自転車(新車ver.) 10.ただいま おかえり 11.ゴール 12.まだ愛してる 13.for a music 14.額縁 15.小さい箱 16.乾杯のうた

    2020/05/29

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