The Songbards

上野と松原の二人で「ある挑戦」をしてみようかなと思います。

 神戸発4人組バンド“The Songbards”が、新たな挑戦として三部作を始動させることを発表しました。そして2020年9月23日、その第一章を飾る3rd Mini Album『SOLITUDE』(ヨミ:ソリチュード)をリリース。タイトルは“孤独”を意味する“SOLITUDE”です。誰しもが経験のある、他人と自分を比べた瞬間に訪れる“孤独”にぶつかった時、それを打ち破るキッカケを与えてくれるような内容となっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“The Songbards”の歌詞エッセイをお届けいたします。第1弾第2弾に続く最終回は、メンバーの上野皓平&松原有志が執筆。今回はなんと、うたコラムでも初の“連詩”に挑戦してくださいました。まずは生まれた詩を味わい、そしてお二人の「のちの会話と補足」をお楽しみください…!

~歌詞エッセイ最終回:初めての“連詩”挑戦~

The Songbardsとして3回目のエッセイは、上野と松原の二人で「ある挑戦」をしてみようかなと思います。それは、“連詩”です。二人で交互に詩を書いていく試み。1人2行ずつを4回でひとつの詩を完成させます。「部屋」と「ご飯屋さん」と「公園」の3つのシチュエーションで書いていきました。二人ともにとって初となる「連詩」スタートです!

①部屋編

楽曲制作のために上野の部屋へ。先行は松原。

松原 初めてではない馴染みのない部屋
   まじまじと見る恥のない部屋
上野 そこにいた物の古株は
   被った塵が語っている
松原 暮らしの証ということにして
   もっと集めてやろうか
上野 人にとっての誇りとは
   それくらいのものかのように

のちの会話と補足

松原 「男の一人暮らし特有の細かいところまで掃除しきれていない感じから書き始めてみたんやけど」
上野 「自分の部屋のことを書かれていることをわかりつつも、自分も来客者として部屋に来ている気持ちになって俺も続けたわ」
松原 「初の連詩やったから、お互いに共有できているイメージを探りつつ、これでしょみたいな感じで進めたけど。その中でも“塵”を“暮らしの証”って言ったり、“ホコリ”とかけたんやと思うけど“誇り”って言ってみたりそういう部分のおもしろさはあったよな(笑)」
上野 「そうやな、まあ探り探り作っていった感じはあるかな(笑)」

②ご飯屋さん編

楽曲制作終了後、夜ご飯を食べに駅前のご飯屋さんへ。今回も先行は松原。

松原 ファミレスの進化系
   ファミレスト
上野 飾られた渋い陶器たち
   テーマパークの父親のよう
松原 アラサー男二人
   店のルールに従います
上野 ご飯大盛り出来ずとも
   最上級の笑顔でもって

のちの会話と補足

松原 「まず最初に店に入って皓平が言った「ファミレスの進化系みたいやな」って言ったのから書き始めたんやけど、こういうのやる上では相手が言ったことに影響されているっていうのも面白いなと思って」
上野 「たしかに、なるほどなとは思った(笑)。次のセクションのイメージは、有志の後ろにある飾られているお皿やけど、すごい綺麗でおしゃれなお店に渋い陶器が飾ってあって、なんとなくミスマッチな感じがして、“テーマパークの父親のよう”って例えをしたな」
松原 「そこは上手いなとは思った(笑)。そういうコンセプチュアルなところにいる浮いているものってなんか愛おしいよな」
上野 「そうそう、わかる」
松原 「ほんで最後はノンフィクションやな。皓平のメニューはご飯大盛りにできたけど、俺はメニュー的に大盛りにしようとしたけどできなかったという(笑)。でも最後を笑顔で終われたのはこのお店がええお店やったからやと思うな(笑)」
上野 「それはある、ご飯も美味しかったし(笑)。そういう影響で結末の表現が変わったりするもんやねんな」

③公園編

公園編は、前日上野が行った公園を想像しての連詩に。先行は上野。

上野 金木犀の風が吹いて
   僕は芝生に溶けてしまった
松原 残ったのは鼻だけ
   それは花へと変わって香りを作った
上野 そして遠くで鈴虫たちが
   歓迎の歌を奏でています
松原 身体と楽器が一緒なんて羨ましい
   次は鈴虫になろうかな

のちの会話と補足

上野 「これはもともと、このエッセイで連詩をするってなる前に書いていた詩やねん」
松原 「なるほど、じゃあ自分で書いた続きの詩とどう変わってゆくのかていう感じやったんか。そんなことも知らず、ダジャレで攻めてしまったわ(笑)。でも“溶けてしまった”っていう表現は普段は比喩として使われるけど、目で見える表現として使ってみようと思って、本当に体が溶けるっていう表現をしてみた」
上野 「最初に想定してたこうなってほしいなっていう方向がファンタジーな感じやってんけど、自然とそうなっていくのはびっくりして結構イメージが共有できているなとは思ったな」
松原 「はじまりのキザな印象を崩したいなとは思って。部屋編では割と作品を完成させよう!っていう意識が2人ともにあって。でもせっかくこの二人でやっているから、ふざけてもう一人の方を笑かしたろかなって気持ちは働いてたな(笑)」
上野 「確かにそれはあった(笑)。お互いに全体のバランスを取り合っているていうのは、曲作りでも共有している部分やとは思うし」
松原 「あと今回の連詩の中で、どこかで最終的には音楽と関係ある部分を入れたかったから鈴虫とかが出てきて偶然にもうまく入れれたなとは思った」
上野 「うまく偶然が重なったな(笑)」

連詩をしてみての感想

客観的に自分たちで一連の詩と会話を見返すと少々仲の良さが気持ち悪くは感じるところではありますが…笑。でも普段の歌詞を書く感じとは違って、気の抜けた感じで楽しめたことと、ある程度共有している世界が多い二人で連詩をするという部分で、実際のところかなり楽しめました。

そして詩とは関係ありませんが、お互いに笑かしたり、おっと唸らせたろうという気持ちは対人関係おいてとても大切なことだと改めて感じることも。

そこで使われる言葉の持つ力というのは、間違いなく人生をより豊かにしうる存在で、さらにその中で詩という表現は日常会話における表現の枠の外に出て、使い慣れた言葉、そしてそれに付随する思想の枠から飛び出すことのできるものとして、あらためて価値のある形態だと感じました。ぜひ興味のある方は試してみてほしいです!

おまけ 二人でそれぞれの詩にタイトルをつけました。

部屋編「ひとんち」
ご飯屋さん編「歯並び」
公園編「10月生まれ」

<The Songbards・上野皓平&松原有志>

◆3rd Mini Album『SOLITUDE』
2020年9月23日発売
完全限定生産盤CD+書籍 VIZL-1783 ¥2,300 +tax
通常盤CD VICL-65406 \1,500 +tax]

<収録曲>
1.孤独と海
2.リトル・ヴァンパイア
3.Dream Seller
4.夏の重力
5.窓に射す光のように


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