ある程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの。

ナナヲアカリ
ある程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの。
2025年8月20日に“ナナヲアカリ”がBEST ALBUM『フライングベスト2』をリリースしました。今年、メジャーデビュー7周年を迎えるナナヲアカリの2枚目となるベストアルバム。2枚組で、Disc1は、2nd Album『七転七起』以降セレクト曲を中心に新曲を含10曲+おまけが収録。Disc2は、これまでの全タイアップシングルを収録したCDに。 さて、今日のうたではそんな“ナナヲアカリ”による歌詞エッセイを全3回に渡りお届け。第2弾は、今作のDisc2に収録されている前半8曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 みなさん、こんにちは。 ナナヲアカリです。 前回は8月20日に発売されたメジャーデビュー7周年記念ベストアルバム『フライングベスト2』Disc1収録曲をざざざっとセルフライナーノーツ的な感じで紹介しました。着々と今、回っているツアーの中で新曲たちも育ってきていて良い感じです。 そして、今回は、Disc2ですね。 Disc2には、デビュー以降のすべてのタイアップ曲が時系列順に収録されております。つまりこれを聴くだけである程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの、ということ。 16曲収録されておりますので8曲ずつ思い出語りも含めなどして紹介していこうかなと。 1.ワンルームシュガーライフ ナナヲアカリのデビュー曲。もともと原作を読んでいてめちゃくちゃ好きだったのですが、ある日、「あかりん、『ハッピーシュガーライフ』って知ってる?」と、アニメ化することとOP主題歌どうですかということを聞いて宇宙猫になりました。 作品の持つ二面性をとても良いバランスで表現できている曲でありながら、今では“この部屋”はライブハウスだったり、私の歌が届くこの空間のことを指している気もして。そんな気持ちも込めて歌っています。 2.イエスマンイズデッド この曲がタイアップ2作品目なんだと、驚き。なんだかそんな感じがしない気もする。この曲は『DAMELEON』というミニアルバムに収録されている楽曲で、シングルカットはしていないのです。 というのも、こちらは作品への書き下ろしではなく、ドラマ側から「この曲が合うと思います」と選んでいただいたものであるため。自分の楽曲が、誰かの作る別の世界ともリンクするというのは嬉しいことです。当時、東京という大都会の波に呑まれ、もがき倒していた自分から生まれた切実な歌詞、気に入ってます。 3.チューリングラブ feat. Sou TikTokというSNSが普及しはじめた頃かなあ。『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のアニメ面白かったですよね。ここで初めて、「自分やアニメファンの人々以外に楽曲がリーチする」という経験をしましたが、今でもよくインタビューで言っているけど本当に実感が湧かないです。笑 コロナ禍真っ只中の時期だったので、みんなで声を出して『チューリングラブ』をできない時期が続いていたのが悲しかった思い出として印象的です。 4.Higher's High メジャーデビューしてから初の実写MVを撮ることになったこの楽曲。早朝から都内のいろんな階段を登って、昼は灼熱の屋上でみんなでふらふらになりながら撮影したことをものすごく覚えています。この撮影で、今でもずっとお世話になってるスタイリストさんと出会えたので、監督にとても感謝しています。笑 戦闘機が出てくるアニメだったから高い場所へ、空へ、みたいな表現が多いこの曲。だけれど、これもアニメの曲というよりかは、完全にナナヲとファンのみんな(Nanattic)との曲になっている。ライブで初めて歌った時にナユタセイジ(ナユタン星人)という男のすごさを痛感しました。 5.魔法 漫画×音楽の企画でのタイアップソング。DECO*27さんの楽曲は、テーマやコンセプトがどれもはっきりしていてそれの表現力が凄まじいなと思っているのですが、この曲でもそのテーマをキャッチーにする力に脱帽いたしました。 それぞれの主人公サイドからの目線で切り替わる歌詞がお気に入り。MVも寺田てらちゃんの絵柄で主人公たちを描いてもらって、ありがたいコラボ楽曲になりました。 6.雷火 この辺りから、ナナヲアカリのキーがトップG#という物語が始まったようにも思います。「Higher's High」も高かったですが、「雷火」はまさかのトップロングトーン連発高速ソングで、当初は食らいつくのに精一杯でした。 今ではライブでもかなり安定してきて自分の技術的な成長を一番感じる楽曲かなと。てにをはさんの遊び心前回の歌詞も、TAKU INOUEさん全開のドロップ部分とか、めちゃ楽しくて好き。 7.アイがあるようでないようである ドラマのED主題歌で、出演者のみなさんが踊ってくださるという経験をした楽曲。この曲大好きで、すごくコミカルなサウンドに乗せてめちゃくちゃ真理をついている構造がドツボ。 資本主義に踊らされ、SNS戦国時代という枠組みで踊らされている私たち世代にクリティカルヒットする曲だなと思います。常に多面的に物事を捉えているピノキオピーさんだからこその歌詞だなと、感激します。 8.恋愛脳 ヤンデレピンク髪主人公アニメ『Engage Kiss』のED主題歌。「OPがかっこいい系なので、ラブコメ感あるミドルテンポのEDを」とのオーダーがあった記憶。これは完全に主人公を含め、恋する女の子の歌ではあるものの、"推し活"の歌とも捉えられる内容になっています。 ナユタセイジという作家は常にたくさんの人を救ってくれるというか、同じ歌詞でも見方を変えると違った意味が浮き出てくるような仕掛けを作っている。本当にすごい。わたしもめんどくさい拗らせ恋愛をしまくっていた時代があるので、この歌詞を紐解けば紐解くほど小っ恥ずかしい気持ちになります。 と、こんな感じで前半8曲を紹介しました。 次回は今回のエッセイ最終回、残り8曲の紹介をしていきたいと思います。 ではまた次回。 <ナナヲアカリ> ◆BEST ALBUM『フライングベスト2』 2025年8月20日発売 <収録曲> Disc1[CD] 1.ギミギミ聖域 2.おばけのウケねらい(にゅ~ver.) 3.ヤンキーダンス 4.どうやったって 5.わかんないセブンティーン 6.Jewel 7.POI POI POI 8.Step In The Dark 9.忘れないでベイベー 10.Flying +シークレットトラック(市販品限定) Disc2[CD] 1.ワンルームシュガーライフ 2.イエスマンイズデッド 3.チューリングラブfeat. Sou 4.Higher's High 5.魔法 6.雷火 7.アイがあるようでないようである 8.恋愛脳 9.陽傘 10.二度目の花火 11.奇縁ロマンス 12.FASHION feat. GaL 13.正解はいらない 14.ブループリント 15.明日の私に幸あれ 16.ムリムリ進化論