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  • 上野大樹
    人生が変わるような変化を求めている
    人生が変わるような変化を求めている

    上野大樹

    人生が変わるような変化を求めている

     2025年10月22日に“上野大樹”がミニアルバム『かわりたい』をリリース! 今年の上野大樹のテーマ “change”に合わせ、自身の今の想い、変わりたいと願う全てのひとに寄り添う作品が完成。新曲5曲を含む今作では、“未来を切り開く葛藤と希望”が描かれており、新たな上野大樹のサウンドと詩世界が詰め込まれた意欲作となっております。    さて、今日のうたではそんな“上野大樹”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。収録曲「 夜明けをずっと待ってる 」に綴られている<人生が変わるような変化を求めている>というフレーズ。なぜ、今作で“かわりたい”というテーマを掲げたのか。その理由と今の気持ちを綴っていただきました。ぜひ、歌詞とあわせてエッセイを受け取ってください。 “人生が変わるような変化を求めている” EP『かわりたい』1曲目「夜明けをずっと待っている」Aメロの詞である。   かわりたい というプロジェクトがなぜ始まったのか、なぜ始めることにしたのか、なぜ続いているのか。行く道を折り返すタイミングなど何度もあった。立ち止まっても良かった。   今の人生に満足していない、訳ではない。 ことはなかったのだ。 今の人生に満足をしていない。     語弊を恐れずにこのタイミングでこの気持ちを綴ろうと思う。     とても運の良い人生だと思う。 だけど、運の悪い人生でもあると思う。   大きな挫折をしたからこそ得るものも多く、あんな歌やこんな歌が書けたんだ、と思うことがよくある。 だけど、あの挫折がなければその道で行くところまで行けていたのではないか、と思うこともよくある。     嬉しい仕事は沢山あった。 だけど、最後の最後で決まらなかった仕事はそれ以上に沢山あった。 なんで自分じゃなくてあの人が、と思うことが山程あった。     生きることは残酷で、要は今を肯定する他ない。 否定したからと言って何も生まれることはないのだ。     自分はなんて運の悪いツイていない人生なんだ、と思ったところで何も進まないし未来に道はない。   そうやって、今の今まで沢山の逆境を乗り越えてきたと思う。     音楽を始めて10年ちょっと。 転換期は沢山あった。   色々な人の反対を押し切って18歳で上京した時。   就職をせずに音楽の道を選んだ時。   コロナ禍、周りの自粛ムードに流されず半ば強引に曲のリリースやライブを行っていた時。   どの転換期も自分の今に全く満足をしていなくて取った行動だ。 残酷なことも沢山あったけど、肯定する為に塗り替えてきた。     さて、ここ2、3年。 嬉しい仕事、誇らしい仕事。有難いことにその機会に恵まれた。 だけどその分悩むことも増えた。 うまくいかないことも増えた。     思い描く未来がぼやけていくような。 その度に目を強く擦って、ダメだダメだ!と自分を鼓舞してきた。     何かを変えないと、何も変わらない、そう思うことが増えた。     はっきり言って、今の自分の人生に自分が満足をしていない。 みんなが上野大樹についてどう思っているのか、とは全くの別の問題だ。 自分が自分の人生をどう思っているのか。どうなりたいのか。 満足をしていない現状がある。 なら、変わるしかない!変えるしかない!何かを。     “人生が変わるような変化を求めている”   波風立たないなら、自分で起こしちゃえ!理論だ。   どうせ、運の悪い人生。 でも側から見たら。いや、自分でもふとした時に、運の良い人生だ!とも思う。   かわりたい、は色々な意味を含んでいる。   宣言のような、希望のような、呪いのような、無責任のような。今を投げ出す。   「喜劇」     上野大樹は上野大樹。 自分で舵を切って切り開くしかない。 これが正解とか、これは間違いとかないのだ。 当て嵌められる理想像なんてものも存在しない。 あんな風になればいいのに、とか、自分らしさを見失ったな、とかない。 自分で選んで自分で決めた道の先に自分の答えがある。 自分の答えを探し求めて、自分の人生を自分で歩いているのだ。     みんなの、みんな自身もそう。 正解も、間違いもない。     “人生が変わるような変化を求めている”     それは自分自身にも言っているし、みんなにも投げかけている。 このEPで誰かの心が少しでも動いて、誰かの人生がかわりますように。 勿論、良い方向に!     このEPを出した先のことは何もわからないけど、今最高にワクワクしている!   何でもやってやるぞ!何者にでもなってやる!   でも、大切なそれは譲ってやらない!   生きた心地をもっと味わいたい。       最後にもう一度。   “人生が変わるような変化を求めている”   運の良い人生に、絶対してやりましょう。   <上野大樹> ◆紹介曲「 夜明けをずっと待ってる 」 作詞:上野大樹 作曲:上野大樹 ◆ミニアルバム『かわりたい』 2025年10月22日発売   <収録曲> 1.夜明けをずっと待ってる 2.dodo 3.縫い目 4.セピア 5.しあわせ 6.あおぞら 7.此れからの未来 8.かわりたい

    2025/10/23

  • Quw
    変わるということは変わらず続く
    変わるということは変わらず続く

    Quw

    変わるということは変わらず続く

     2025年10月15日に“Quw”が2nd Album『shiki』をリリースしました。2024年9月以降にリリースした「banka」「itadaki」「maigo」「kasumi」「yurei」のシングル5曲に加えて、新曲が4曲収録されたアルバムはアルバムタイトルの「shiki」(=四季)にかけて四季折々の季節の楽曲で構成された1枚となっております。    さて、今日のうたではそんな“Quw”のmdrmによる歌詞エッセイをお届け。音楽に紐づいているさまざまな香り、そして記憶と感情…。アルバム『shiki』のコンセプトに込めた思いを綴っていただきました。ぜひ、歌詞とあわせてエッセイをお楽しみください。 音楽には香りが残るような気がします。 中学1年生の秋に聴いていたあの曲からは、公民館の前で友達と話していた時に感じた金木犀の香りがします。 高校3年生の冬に聴いていたあの曲は、塾の帰り道、住宅街に漂う夕飯の匂い、 大学3年生の春に聴いていたあの曲は、片道徒歩20分以上掛かるスーパーまで歩いていく時の、 舗装されていない道の草の匂いを思い出します。   音楽に紐づいた香り、それに付随した記憶や感情をたくさん保持していることをとても嬉しく思います。 全てが美しい記憶というわけではありませんが、だからこそ一番正直で、鮮明な感覚として残り続けています。   我々Quwは、今回『shiki』というアルバムを作りました。 タイトルの通り“四季”をコンセプトに、春夏秋冬の移り変わりとともに歳を取っていく私や誰かを書きました。 アルバム名、曲名が全て日本語をアルファベット表記にした形になっていますが、 決して半角/全角キーが壊れたわけではございませんのでご安心ください。   私はドが付くほどの田舎で生まれました。 電車は通ってないし、景観を遮るような高層ビルもなく、数人で横並びになって歩くことに全く抵抗がない町でした。 そんな私も今では都心の街を歩いています。もちろん険しい顔つきで。 電車は数分に1本来て便利ですが、背の高い建物に囲われ、たくさんの人が交差する中で邪魔にならないよう歩くのは、未だに閉塞感を抱きます。 上京してきて間もない頃に聴いていた曲は、 通勤時の駅や満員電車特有の匂いを想起させます。 真逆の環境で育った私にとって、東京は試練の街でした。   都会でも地方でも季節は同じように巡ります。 夏は暑く、冬は寒いし、花は咲いて散るし、歳を取ります。物価も高騰します。 この『shiki』というアルバムには、季節が変わっていくように身体も、考え方も、自分を取り巻く環境も変わっていくけれど、 「変わるということは変わらず続く」という思いを込められたら良いなと思い制作しました。 このアルバムを聴いたみなさんが、それぞれの匂いや記憶をしまい込み、 いつかまた聴き返して思い出すような日が来ることを願っています。   <Quw・mdrm>   ◆2nd Album『shiki』 2025年10月15日発売   <収録曲> M1.biku  M2.ginnnan  M3.itadaki M4.maigo  M5.nigatsu  M6.kasumi  M7.koen  M8.yurei  M9.banka 

    2025/10/22

  • SIX LOUNGE
    ねがいごと
    ねがいごと

    SIX LOUNGE

    ねがいごと

     2025年10月1日に“SIX LOUNGE”がEP『燦燦』をリリースしました。今作には、以前から親交の深いバンド“TETORA”より、ボーカル上野羽有音を迎えた記念すべき初コラボ楽曲「おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA)」を含む全5曲が収録されております。  さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は収録曲「 儚げブルー 」にまつわるお話です。夜を迎えるクリスマスイブの日、こみ上げてくる感情。今、心に浮かぶねがいごと、本当に欲しいものは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 甘いにおいがする。クッキーを焼いたようなにおい。満腹である。それなのに、食べてください。美味しいですよ。幸せの味ですよ。そう無理やり口にねじ込まれているようで、あまり気分がよくない。   目当ての品物はなかった。居心地の悪さが増す。逃げるように外に出た。吐く息が白い。しっかりこの身体は暖かい。僕はここにいる。なのに、ずっと透明人間みたいな気分だ。背中に力が入る。 時計を見上げる。   12月24日 17時37分   ゆらゆらと人が行き交う駅前に、今年もイルミネーションが灯る。 去年も見た風景。去年も聴いた曲。そこにぽっかり空いた記憶。 駆け抜けていくような時間の流れに、振り落とされてしまいそう。もしかしたら、もう落ちているかもしれないけど。どれだけ頑張っても追いつけない。 暖かい部屋の中に小さなクリスマスツリー。 丸をつけたおもちゃ屋の広告。 サンタクロースは親だって気付いた頃、大人は笑顔で嘘をつくんだと知った。それも正義なんだね。ど平日の昼間から満室のラブホテル。不倫はサブカル。   フィルターギリギリまで吸い切ったタバコをゴミだらけの灰皿に捨て、駅前を振り返る。胸の中のアクが喉まで上がってきた。 やっぱり、まだ家には帰りたくない。   可哀想だね、ずっと寂しかったんだね、そう言われたい。きもいですよね。そうだね、気持ち悪いんですよ。だから誰にも言えない感情は胸の中にしまい込んで、いつか自分でもよくわからなくなってしまうんだ。 何を楽しいと感じていたっけ。 上手な愛され方って、何だっけ。 きれいに騙されている時の顔は、どんなだっけ。 自分より大切な人を傷つけた時 それ以上に何が欲しかったんだっけ。   今夜も満室のラブホテル   人が好きだ 温もりが好きだ くだらないことで笑える世界が好きだ それでも 人が怖いのは 捨てられることが怖いから すれ違っていくことが怖いから 最後に 裏切ることが怖いから   変身できるおもちゃはいらない 甘いだけのクッキーもいらない 可愛くなれるアメもいらない 誤魔化せる薬もいらない すべてをゆるせるこころがほしい   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 儚げブルー 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆EP『燦燦』 2025年10月1日発売 <収録曲> 1 ロックンロール 2 おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA) 3 愛don't OK 4 儚げブルー 5 ロリギャングスター

    2025/10/21

  • ペルシカリア
    僕らはずっと背伸びしていた。
    僕らはずっと背伸びしていた。

    ペルシカリア

    僕らはずっと背伸びしていた。

     2025年10月18日に“ペルシカリア”が6曲入り4th EP『迷子の迷子の僕達の本当の居場所はどこですか』をライブ会場限定でリリースしました。今作には、最新曲の3曲に加え、ライブ定番曲だったインストナンバー「knife」、Vo/Gtの矢口結生が17歳の頃に書き、結成初期にライブで披露していた「17」、そして、2ndミニアルバムのCD限定ボーナストラックとして収録されていた「バンドをしている」バンドバージョンが収録。    さて、今日のうたではそんな“ペルシカリア”の矢口結生による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、収録曲「たとえばなし」にまつわるお話です。ロックシーンのなかの“とあるジャンル”。そのなかでどこか背伸びをしてきた彼らが、自分たちらしく届ける新たなラブソングとは…。 ギターでオンコードを鳴らし胸の内を話す熱いMC。インディーズシーンのみならずロックシーンの中で、今はもはや“そういうジャンル”とも言える1つのライブ名物的な流行。 先人たちが残したロックバンドとしての生き様に憧れ、見様見真似で演奏するフロントマンの胸に今も強く熱を残している。 それは僕も例外ではなかった。   ライブハウスの色や文化や考え方は、その地域や箱によって全く違う。 1年に何百というライブを見ているであろうライブハウス店長、イベンター、ブッカーetc… バンドを始めて6年弱しか経っていないが、ありがたいことにたくさんの人に囲まれ、たくさんの人と価値観を交換して話して、喧嘩して、みたいな日々を割と楽しみながら送っている中で、自分たちが“そういうジャンル”でどうやったら輝けるのか、という課題をずっと考えていた。   喋りがうまければ、ライブの運びがうまければ、もちろんそれもロックバンドとしての腕の見せ所だとは思っている。だが、僕たちはどちらかというともっとオリジナルに、もっと自分たちらしく、というのを突き詰めていて。最もペルシカリアのボーカルらしく、矢口結生らしく歌詞が書けたと思えたものが今回のEPに入っている「たとえばなし」だ。   “そういうジャンル”で戦っていく中で、僕らはずっと背伸びしていた。 カッコつけるために何かを背負って演奏していた。歌を作っていた。ライブをしていた。その中で自分の本質的な弱さ、情けなさ、幼稚的な考え、あらゆるマイナスを、割と積極的に取り入れた曲を作れたらとずっと思っていました。   今までの楽曲はオーディエンスに何か伝えなきゃいけないという使命感から、自分の中で有耶無耶になっていた感情を整理整頓した結果、生まれた答えに名前をつけて保存するように歌になっていたパターンや、曲を書くことによって整理整頓をしていた、というパターンが多かったと思います。ですが「たとえばなし」は、未完成なまま、弱いまま、答えが出ないまま形にすることで自分と似ている人に向けて歌を作れました。   背伸びして何者かになるのではなく、自分たちの元々持っているものを広げて表現することで、ロックバンドペルシカリアとして“そういうジャンル”と簡単に言われてしまうシーンで自分たちを確立しよう、といった形でまた新しく自分らしいラブソングが書けたと思っています。   恋の歌は、ロックバンドなのにラブソング(笑)と一部の層から冷笑の対象とされることもよくあります。 ロックバンドを愛する者としての反骨精神や逆張り、そっちのほうがかっこいいという声も理解もできます。 けれど普通に生きていく上で、恋心というものは避けて生きていくには難しい感情のひとつであり、そこに目を背けているのもなぜかモヤっとします。 だからこそ、生き様ソングのようなもので示すのではなく、自分らしい感情と睨めっこしてうまく織り交ぜながらラブソングで示すというのは、詩人としての腕の見せ所というか。追い求めると面白い美学だと思っています。   「たとえばなし」は、こう受け取ってほしいという気持ちはありません。自分と同じように自己嫌悪して“許し”を求めてライブハウスに来る、再生ボタンを押す、そんな人の宝物になりますように、と思っています。   <ペルシカリア・矢口結生> ◆4th EP『迷子の迷子の僕達の本当の居場所はどこですか』 2025年10月18日発売 <収録曲> 1. 神様の言うとおり 2. knife 3. PiN 4. たとえばなし 5. 17 6. バンドをしている(Band ver.)

    2025/10/20

  • パーカーズ
    幸せじゃないときほど、人は強く幸せを夢見ることができる。
    幸せじゃないときほど、人は強く幸せを夢見ることができる。

    パーカーズ

    幸せじゃないときほど、人は強く幸せを夢見ることができる。

     2025年10月1日に“パーカーズ”が3rd mini Album『HUG』をリリースしました。ストレートな歌詞と、どこか懐かしく口ずさんでしまうメロディが持ち味のロックバンド。POPSを届ける勢いが止まらない彼らの今を詰め込んだ一作となっております。リリースに伴い、11月から全国11箇所を巡るワンマンツアー「Hug me!! TOUR」の開催も決定!    さて、今日のうたではそんな“パーカーズ”による歌詞エッセイを2回に渡りお届け! 第2弾はねたろ(Gt.&Cho.)が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「 おやすみのキス 」にまつわるお話です。何かが“本当の終わり”を迎えることが怖い。だけど、ツラい感情が心に刺さったままでは前に進めないから…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 「おやすみのキス」という曲を書き上げたとき、僕の心の中でひとつの物語が幕を閉じるような感覚があった。完成させた達成感よりもむしろ、どこか絶望に似た寂しさが胸を占めていった。曲を作ることで、これまで自分の中で生き続けていた感情や記憶が、音楽という形になって外へ出てしまう。その瞬間に「終わってしまう」という怖さをどうしても感じてしまうのだ。     僕の夢に知っている人が出てくるとき、それはたいてい今はもう僕のそばにいない人だ。現実では二度と会えなくても、夢の中だけにはその人が現れてくれる。けれど、いつか夢にさえ現れなくなる日が来るのかもしれない。記憶の奥底からも、気づかぬうちに少しずつ薄れていって、本当に消えてしまうのかもしれない。僕にとってそれが「本当の終わり」であり、何よりも恐ろしいことだった。     だけど、僕たちは、悲しみや痛みでさえ曲にしてしまう残酷な生き物だと思う。心に刺さったままでは前に進めない感情を、作品という形に閉じ込め、歌い、鳴らすことで昇華させる。そしてまた、新しい景色を見ようと前を向く。音楽はそのためにあるのかもしれない。     幸せじゃないときほど、人は強く幸せを夢見ることができる。僕はその営み自体がすでに幸せなのだと信じている。だからこそ、この曲を聴いてくれる人が、もし今ツラい状況にいるなら、どうかそれを乗り越えてほしい。そして、僕たちの音楽がほんの少しでもその背中を押せるなら、自分なりの「幸せの答え」を見つけてもらえたらと願っている。   <パーカーズ・ねたろ(Gt.&Cho.)> ◆紹介曲「 おやすみのキス 」 作詞:ねたろ 作曲:ねたろ ◆3rd mini Album『HUG』 2025年10月1日発売

    2025/10/17

  • 上野大樹
    かわりたいと願う全ての人に
    かわりたいと願う全ての人に

    上野大樹

    かわりたいと願う全ての人に

     2025年10月22日に“上野大樹”がミニアルバム『かわりたい』をリリース! 今年の上野大樹のテーマ “change”に合わせ、自身の今の想い、変わりたいと願う全てのひとに寄り添う作品が完成。新曲5曲を含む今作では、“未来を切り開く葛藤と希望”が描かれており、新たな上野大樹のサウンドと詩世界が詰め込まれた意欲作となっております。    さて、今日のうたではそんな“上野大樹”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。自己紹介をするなら、「頑固、人見知り、斜に構えている」と挙げてきたこれまでの人生。しかし、今年起きたとある変化とは…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。 自分を端的に表すとしたら、頑固、人見知り、斜に構えている。 飽きるほどにそんな自分と一番長く付き合ってきたのは紛れもなく自分だ。 柔らかい心を、それはそれは硬い壁で守っていた。       小さい頃からずっとサッカーをしてきた。 音楽とは全くの無縁で、それどころか日々の時間の大半をボールしか蹴っていなかった。テレビもアニメも漫画もゲームも、してこなかった。     全力で熱を注いだ結果、中学生の頃に西日本選抜に選ばれた。 サッカーが自分のアイデンティティだった。       そのアイデンティティが高校生になって、突然に奪われた。 怪我と病気でサッカーが出来なくなった。 日々は突然閉ざされて、途方もない虚無感に苛まれた。 友達と、先生と、家族と、どう話していいのかわからなくなった。       そんな時に出会ったのが、たまたま家にあったギターだった。 何かに熱を注げることは自分の中で“救い”みたいな時間で、ただひたすらにギターを弾いて曲を作って、歌を歌った。     大学生の頃は音楽をあまり知らないということにコンプレックスを抱きつつ、それでも自分の音楽を探し模索し続けた。   就職もしないで、音楽をただただ続けた。         2023年の春、そんな日々が報われたと言って良いのかメジャーデビューという節目を迎えられた。 沢山のライブを重ねて、レコーディングを重ねて、自分の音楽が、音楽家としての自分が、互いが互いを照らしあってアイデンティティが形成されていく手応えがあった。 楽曲提供やドラマ主題歌などの誇らしい功績も肯定してくれるようだった。       音楽がアイデンティティになりかけていっていた。 というか音楽という存在意義にしがみついているような日々。       頑固、人見知り、斜に構えている。 音楽さえ良ければ、という硬い厚い壁でまた自分自身を守ろうとしていた。 結局、臆病なだけで、人としての器だけで話をするのが怖いのだ。         今年2025年の初めに鼻の手術をした。 病状は思ったより深刻で、全身麻酔での手術だった。     手術から目を覚ました時、鼻は完全に塞がっており、酸素マスクで呼吸を補助していた。一週間ほどの入院、一ヶ月ほどの安静を告げられた。     歌が歌えない。。     サッカーを辞めた頃のように、またアイデンティティが奪われるのではという恐怖が日々を襲った。   一ヶ月、全てをまっさらにして自分というモノを改めて考える時間が生まれた。     頑固、人見知り、斜に構えている。     かわりたい。     そう思うようになった。       日常が戻りかけた頃、「チェンジ」という目標を掲げ、新たなプロジェクトが始まった。     変化はまずはわかりやすく見た目から。 目線を遮る前髪を眉上までバッサリと切り、サッカーをしていた頃振りの短髪にしてみた。 気分は晴れやか!     ひとり旅を決行し、初めましての人と旅先で一緒に喋ったりお酒を飲んだりしてみた。 これが意外と楽しい!     流行りにも乗っかってみた。 大きな渦の中に能動的に参加するのはなんだか刺激的で楽しい。 こういう見方、捉え方もあったのか。     かわりたい、はネガティブを脱却するためのものだったけど、とてもポジティブな感情だと気付いた。   大なり小なり、これまでの自分の人生でもかわりたいと強く願うことはあったけどまた違う気分。   沢山立ち向かってきたこと、沢山逃げてきたこと。 良し悪しではなく、何かを変えるための選択だった。       このプロジェクトが進んでいくうちに、かわりたいは自分のテーマから、みんなのテーマだ!と思うようになった。     かわりたいと願う全ての人に寄り添うEP。       別に結果的に何も変わってなくてもいいのだ。 やり方を変えてみるのが、見方を変えてみるのが、ちょっとやってこなかったことをやってみるのが、日々の嬉しいや楽しいや悔しいになる。 誰かの気持ちに気付けるキッカケになる。       音楽していない時間も自分の大事な日々で、存在証明で、それが結果的に音楽に繋がったりもして。   だからそう、結局言いたいことはもっとみんなをたのしく出来る人になりたい。 音楽でも、音楽じゃなくても。       頑固、人見知り、斜に構えている。 一旦、この自己紹介はナシ!       柔らかい心をみんなに見せて、それで傷ついて形が変わっても、たぶん大丈夫。   昔の作品もまた、自分の中に存在し続けているし。   かわりたい、の向こう側に何があるかはわからないけど、今とてもワクワクしている!! <上野大樹>   ◆ミニアルバム『かわりたい』 2025年10月22日発売   <収録曲> 1.夜明けをずっと待ってる 2.dodo 3.縫い目 4.セピア 5.しあわせ 6.あおぞら 7.此れからの未来 8.かわりたい

    2025/10/16

  • Sunny Hock
    スタート地点に立つまで4年。
    スタート地点に立つまで4年。

    Sunny Hock

    スタート地点に立つまで4年。

     2025年10月15日に“Sunny Hock”がニューシングル「君の鼓動が聞こえるくらい」をリリースしました。タイトル曲は、恋愛をテーマにした感情豊かなポップス。SNSで「感動した」「ハモリが天才」と評判を集めた代表曲となっております。CDにはアコースティックver.や新曲「虹」も収録。初のブックレット付きフィジカルとして、ファンにとっても記念碑的な1枚となっております。    さて、今日のうたではそんな“Sunny Hock”のKicoによる歌詞エッセイをお届け。初のCDリリースにあたり、思い出すのはまだ何者でもなかった活動初期のこと。ひたすらに行動してきたふたりの軌跡とは…。ぜひ、今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。 この度、Sunny Hock初となるCDをリリースすることになり、どうしても活動を始めた頃を思い出してしまいます。   音楽大学に入学した頃の私たちは焦っていました。漠然と“歌手になりたい”という夢だけを持っていて、まだ何者にもなれていない自分が嫌でした。でも、まだ何者にもなれていなかったのは、この瞬間に二人が出会う為だったのではないかと思えるほど、当時のお互いの心情はよく似ていました。   ですが、当時の私たちは作詞作曲の知識などなく、晴帆のアコギに合わせて私が声を重ねるだけの音楽でした。それを路上ライブでひたすらに演奏していました。そうしているうちに、私たちの音楽を形にしたいと思い始め、晴帆が作った曲と私が作った曲を2曲入れたCDを1枚1000円で路上で手売りしました。このCDは約200枚売りました。今も持っている人いるのかな?   パソコンで一枚一枚CDに焼いて、ジャケット写真と歌詞カードをコンビニでコピーして、二人でハサミで切ってCDを作っていました。たまにコピーするサイズを間違えて晴帆に怒られたりもしました(笑)。   それから、私たちは2枚目のCDの制作にとりかかり、初めてDTMを学び、何週間もかけて曲を完成させました。そしてまた、パソコンで焼いて…コピーして…ハサミで切って…。路上ライブは毎週日曜日に行なっていたので、毎週土曜日はそのような作業に追われていました。   平日は一緒に大学へ、土日は一緒にSunny Hock。何もしていない時間はまた焦燥感を与えるので、毎日毎日Sunny Hockのことを考え、行動していました。この当時から、“とりあえず行動する”という私たちの性格が一つ一つ身を結び、今回のCDデビューに繋がったのではないかと思います。   スタート地点に立つまで4年。 長かったけれど、これからどんなに高い壁が立ちはだかっても、この4年間が味方になってくれると信じて、これからも精一杯努力していきます。   今回のCDリリースに至るまで、支えてくれた家族、プロデューサー、リリースを共に進めてくださった皆さんに心から感謝しています。そして何より、ここまで歩んでこられたのは応援してくれる皆さんがいたからです。これからも私たちの音楽を愛していただけたら嬉しいです。   <Sunny Hock・Kico>

    2025/10/15

  • SIX LOUNGE
    ナイフインマイハート
    ナイフインマイハート

    SIX LOUNGE

    ナイフインマイハート

     2025年10月1日に“SIX LOUNGE”がEP『燦燦』をリリースしました。今作には、以前から親交の深いバンド“TETORA”より、ボーカル上野羽有音を迎えた記念すべき初コラボ楽曲「おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA)」を含む全5曲が収録されております。  さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 ロックンロール 」にまつわるお話です。今、日常のなかで居場所がないと感じている、そして、ロックンロールを愛しているあなたへ。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 …深夜四時は夜の裂け目 まんまるなお月さまって、夜空にぽかんと開いた傷口みたいね 眠れぬ鳥は目をギラつかせてさまようの ここから先は誰も立ち入れない             ロックンロールって、すごく自由で、めちゃくちゃで、ふざけてて、どうしようもなくて、いやらしくて、何も考えずに踊ることができる、無条件の愛なんだよ。 例えば、休み時間の賑やかな教室でひとり、うつ伏せでイヤホンしてるお前に、ロックンロールはこう叫んでくれる。 「居場所はここにあるんだぜ」 馴染めなくたって、別にダサくないんだ。寂しいやつじゃない。なぜならお前はロックンロールを知っている!すごく幸せな人間なのだよ。 レコードに針を落として、回り出す瞬間、お前の人生も動き出したんじゃないの?   たった一枚のレコードで 3分しかないあの曲で ほんの一行だけのフレーズで 人生は変えられちゃうんだよ。   勉強が嫌なら教科書なんて捨てちまえ。学校なんて、会社なんて、辞めちまえ。どうせ死ぬまで自己責任なんですよ、後先考えずに、好きなことしたいよね。 どうせ死ぬぞ この世界なんて何でもないものだから     おもんない雑踏 ふさがる才能 ろくでもない細胞   中身のないナッツみたいw 鳴り響くロックンロール 脳みそが犯されたあの日の衝動が 胸をかき回すんだ グサグサと刻む 生き様を音にする 合言葉はI LOVE YOU   君の答えに間違ってる事は 一つもない 存在しなくていい人間なんて 一人もいない     それじゃ、おやすみ。 そろそろ太陽が起きるから   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 ロックンロール 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆EP『燦燦』 2025年10月1日発売 <収録曲> 1 ロックンロール 2 おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA) 3 愛don't OK 4 儚げブルー 5 ロリギャングスター

    2025/10/14

  • DISH//
    「今日何食べたい?」
    「今日何食べたい?」

    DISH//

    「今日何食べたい?」

     2025年10月1日に“DISH//”がニューシングル「ごはん」を配信リリースしました。同曲は、タイトルの通り“ごはん”を通して、大切なひととの時間や、自分を大切にするひとときを描いた作品。作曲を橘柊生(DJ&key.)と泉大智(Dr.)、作詞を北村匠海(Vo&Gt.)が担当しております。    さて、今日のうたではそんな“DISH//”の北村匠海による、歌詞から派生したストーリーをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ごはん 」にまつわるお話です。<僕>にとって、一日一日のごはんが大切であるその理由は…。ぜひ、歌詞とあわせてお楽しみください。 「あのね、今日のごはんは君の大好物にしたよ。明日は僕の大好物にしても良いかな? そうやって毎日繰り返せたら、きっと人生が目を閉じる時笑える気がするんだよね」   僕らは小さな小さな人間で、誰かと支え合って生きなくちゃとてもじゃないけど立っていられない。 そんな弱い僕らだからこそ、あのファストフードも、たまにの贅沢も、冷蔵庫の残り物も、いつものごはんも、全部美味しいねって思えるのかもしれない。   「美味しいね」   いつも元気で明るくて誰かを思いやって生きているあなたは、僕のことはもちろん(嘘でもそうであってくれ)世界中の人のことを優しく包んでいるようだ。何度も何度も転けては起きてを繰り返した僕の膝小僧は、あなたと会うまでは傷だらけだった。   「ありがとう」   こんな簡単な5文字しか出てこない僕をどうか怒ってはくれないか。 そんな情けない僕なのだ。 そんな僕にも自慢できることはある。それはあなた専用のシェフであることだ。   「今日何食べたい?」   僕の中で1番カッコをつけて言える言葉だ。決まっていつもドヤ顔をしている。そんな僕をみてケラケラと笑うあなたは、世界で1番綺麗な人だ。   「……」   そんなあなたも、落ち込む日はある。苦しそうに我慢をしている日だってある。あまりに神様は残酷で、良いことばかりが人生ではないと地面に叩きつけてくるんだ。   「今日…何食べたい?」   少し間ができてしまった。   「いらない」   そんなことを言わないでおくれよ。でも僕はめげない。   「こんな時こそ、ごはん食べなくちゃ」   「……」   人生はシーソーのようであると、時々思う。相手が地面を思い切り蹴って空に飛び上がると、自分はその勢いで下がってしまう。今度は自分が勢いよく地面を蹴ると、相手はスッと下に向かう。でもそれが良い。家族、恋人、友人、今日すれ違った誰かとだって、シーソーのように繋がっているんじゃないかと。僕はそう思う。   どんな人生だって良い。   誰かの為にあれば良い。   ごはんが今日も美味しいと良い。   あのね、僕は今日を愛しています。   <DISH// 北村匠海> ◆紹介曲「 ごはん 」 作詞:北村匠海 作曲:橘柊生・泉大智・Carlos K.

    2025/10/13

  • ポンツクピーヤ
    「大丈夫」自分で自分の心に唱えてみる。
    「大丈夫」自分で自分の心に唱えてみる。

    ポンツクピーヤ

    「大丈夫」自分で自分の心に唱えてみる。

     京都在住の3人組バンド“ポンツクピーヤ”が3ヶ月連続でデジタルシングルをリリース! 2025年9月3日に第1弾となる新曲「それだけ」が各種音楽サービスにて配信スタートしました。さらに、第2弾は10月リリース「センチメンタル・ジャーニー」、第3弾は11月リリース「らふらぶ!」が決定しております。    さて、今日のうたではそんな“ポンツクピーヤ”の大石(Vo.&Gt)による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 第2弾は新曲「センチメンタル・ジャーニー」にまつわるお話です。やっとの思いで完成させたという歌詞。この曲で歌われる<大丈夫>に込めた意味とは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 季節は夏から秋へ変わり、常日頃半袖半ズボンの“夏の少年スタイル”で過ごしている僕には少し肌寒い季節になってきました。   ポンツクピーヤというバンドのボーカル、 大石と申します。   3ヶ月連続コラム第2弾ということで、 某ハンバーガーショップにて、冷房に凍えながら本コラムを書いております。 今回も最後までお付き合いいただければと思います。   先日、ポンツクピーヤの新曲 「センチメンタル・ジャーニー」という楽曲の配信がスタートしました。 他の曲のデモ制作に行き詰まっており、息抜きとして作ったのが本楽曲。   <ねぇ、もしもあの時バンドで売れていたら> という、いかにも女々しいたらればが思い浮かび。 そこから楽曲を展開させ、アレンジまでほぼ一気に完成させました。   しかし、なかなか歌詞が完成せず、レコーディング前日、近所の公園を6時間近く歩きながら書くことになり、、 身体中を蚊に刺され、撫でようと近づいた野良猫に威嚇され、TikTokを撮影する女子高生に怯えながら、心身共に追い詰められた状態で必死に思考を巡らせやっとの思いで完成させました。   さて、その歌詞についてですが、 本楽曲ではポンツクピーヤでは珍しく「大丈夫」という言葉を多用しています。 この「大丈夫」という言葉、無責任で押し付けがましく感じてしまうため、個人的にあまり好きではありません。   例えば、受験生の頃、「あれだけ勉強したんだからきっと受かるよ!大丈夫」と言われたら、こう思うわけです。   “これで落ちたら信じてくれたあなたを裏切ることになる”   無論、「大丈夫」と言った側は裏切られたなんて思わないわけですが、こちらとしてはプレッシャー倍増です。 そして、もし落ちたらまた言われるわけです。 「大丈夫!!まだ次があるし、人生まだまだ長いんだから」   なんて無責任なんでしょう。 そしてその悪意なき「大丈夫」を否定することも許されない。   もちろんこれは受け取り手に問題があります。 それが力になって、「さらに勉強を頑張ろう」となる人もいるでしょう。 しかし、僕に限ってはそういう人間ではありません。   長々と話してきましたが、つまり何を言いたいかというと、 “本楽曲においての「大丈夫」は決してあなたに押し付けるものではない”ということです。   ーーーーーーーーーーーーーーーー   “センチメンタル・ジャーニー”とは直訳すると“感傷旅行”となり、 何か辛いことがあった時、立ち直るための旅という意味があります。   「大丈夫」自分で自分の心に唱えてみる。 誰よりもその弱さと苦しみを知っている自分が自分に唱える「大丈夫」。 こんなヘンテコな名前のバンドマンが歌う大丈夫より、よっぽど効果がある。 そう思いはしないだろうか。   <ポンツクピーヤ・大石(Vo.&Gt)>

    2025/10/10

  • ゆいにしお
    どらやきと手紙とFamily。
    どらやきと手紙とFamily。

    ゆいにしお

    どらやきと手紙とFamily。

     2025年10月8日に“ゆいにしお”が新曲「Family」をリリースしました。同曲は、TVアニメ『父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。』エンディングテーマ。家族愛”をテーマに、大切な人を改めて大切にしたくなるような温もりにあふれた一曲。優しくも開放感のあるサウンドにゆいにしおの伸びやかな歌声が重なり、聴く人を優しく包み込むような雰囲気に仕上がっております。    さて、今日のうたではそんな“ゆいにしお”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 Family 」にも通ずる、“あのどらやき”と、眉間に皺寄せながら書く手紙と、家族にまつわるお話です。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 きちんと包装がかけられた3つの箱を並べる。ひとつはにしおFamily(父と母)に、ひとつは夫のFamilyに、ひとつは兄のFamilyに。中身はぜんぶ、浅草にある「御菓子司 亀十」のどらやき6個入り。   Familyの誕生日が近づくと、わたしは1年に1度だけ浅草に足を運ぶ。 あのどらやきをはじめて口にした時の感動はなかなか忘れられない。手のひらを覆うほど大きく、ずっしりとした重み。ふわふわなのに、口に入れた後もあんこをがっつりとホールドしてくれる口当たりのいい皮に、甘さ控えめで小豆をしっかり感じられる餡。大きさを忘れるほどぺろりと食べられてしまうおいしさだ。おいしいものを各Familyにも贈りたくて、亀十の巡礼が最近の恒例行事となりつつある。   開店からまもない時間に亀十に行くと、すでに店の前の通路にはずらっと人が並んでいた。待っているあいだ、どらやきをいくつ買うのか、あずきと白あんの内訳は何個にするのか考える。もちろん我が家へのプライベートお土産も決して忘れない。 内訳が決まったら、もたつかないように頭の中で何度も唱えて、注文のリハーサルをする。 そうして無事に6個入りのどらやき3箱と我が家のお土産を購入した。二重にした大きな紙袋を抱え込んで、晴れた浅草を歩く。こんなに買い込むのは観光客くらいだと思われたのか、人力車からの営業がアツい。かわしながらようやくカフェに辿り着いた。   サンマルクカフェでアイスコーヒーとチョコクロを注文し、テーブルにつくやいなや、3つの箱にそれぞれつける手紙を書く。 手紙を書くのは大好きだけど、Familyたちに書く手紙は、友達への気軽な手紙とは違い、つい手紙の前で眉間に皺を寄せてしまう。そんなに悩まずとも、「手紙 例文」などと検索すればいくらでも文章は出てくるし、AIに要点を伝えて失礼のないプレーンな文章を書いてもらうことだってできる便利な時代になった。   だけど私は、眉間を限界まで皺寄せて、できるだけ自分の言葉で書きたい。文法や話法がへんてこでも、その人の口から飛び出そうな言葉が並んだ手紙が好きだからだ。自分の思ったままの言葉を書けば、読んだ人に文字を介して話しかけられるものだと信じている。歌だってそうだもの。 そうして、アイスコーヒーが底を尽きるころにメッセージカードは文字いっぱいになった。   手紙をようやく書き終わって、ボロボロこぼしそうだから控えておいたチョコクロをかじる。よりわたしらしい言葉を選ぶために使った脳に甘さが染み込んだ。   わたしの言葉のまま、どらやきがやさしい甘さを保ったまま、それぞれのFamilyに無事に着くことを願う。   <ゆいにしお> ◆紹介曲「 Family 」 作詞:ゆいにしお 作曲:ゆいにしお

    2025/10/09

  • 鉄風東京
    間違えるというのはなんて美しいことだろう
    間違えるというのはなんて美しいことだろう

    鉄風東京

    間違えるというのはなんて美しいことだろう

     2025年10月8日に“鉄風東京”が3rd Mini Album『SPACE/RANGE』をリリースしました。疾走感や何かに期待する感情と、それに混ざる嘆きや悲しみ、二つの軸で進んできた彼ら。そのテーマは一本の軸で存在し続けていながら、あらゆるジャンルをすべてひとつに消化し、等身大でありスケール感も広がった作品となっております。    さて、今日のうたではそんな“鉄風東京”の大黒崚吾による歌詞エッセイをお届け。胸の内でループする、「一体誰になら本当のことを話せて、一体誰となら本当の自分になれるか」という言葉。その問いをよく考えてみたとき、見えてきたものは…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。 全然伝わらないことばかりが続く 一体誰になら本当のことを話せて 一体誰となら本当の自分になれるか、なんて頭の中で彷徨う 10代の時に始まった心のメラメラは消えずに今も存在して だけど少しずつ小さくなることにも恐怖している   髭の伸びるスピードにも怯えながら 時間の中に流れるあれやこれを見つめようとするけど 時代は何よりも早く流れて置いて行かれる   またループする意味のない言葉 「一体誰になら本当のことを話せて、一体誰となら本当の自分になれるか」   ちょっとまった!違った そもそもを僕らは間違えていた 自分が話したい本当のことも 本当になりたい自分とは何かも はなからなんにもわかってなかったじゃないか!   こんな時に僕は思うわけだ 間違うというのはなんて美しいことか 何かの巡り合わせで産み落とされて 突然、瞼が永遠に開かなくなるその日まで 僕らは一回しか生ききれない今を続けている 成功や結果 同調に風化 それらが生み出す心地よさも知っている   ただ、 間違え失敗し孤独になった自分の頭の中は音楽で溢れて言葉で溢れて光で溢れていた   何度だって調子に乗って 何度だってから回る もう間違えないなんて意気込んで また落ち込んでループする   何かに心を動かされて決意し 「明日からは違う自分だ!」と意気込む そしてまたちょっとサボって振り出しに戻る   僕はそれでいいと思った、それがいいと思った 実のところ振り出しになんか戻ってなくて 前にいた場所から少し前のところにきっと立ってる   “一度しかないこの人生の中で 間違えるというのはなんて美しいことだろう 君が落ち込んだその頭の中に 無限の宇宙があって僕はそれに夢中で”   伝わる 伝える 感じる よりも 本当の心は一番近いところにある 間違えろ!調子乗れ!落ち込め!一人になれ! 全部取り返すくらいの光を生み出して そんでまた間違えればいい 僕らはそれくらいでちょうどいい 素直と天邪鬼は同じく体の中に存在する そんくらいめんどくさい自分を 僕は今誰かに伝えたい   <鉄風東京・大黒崚吾> ◆3rd Mini Album『SPACE/RANGE』 2025年10月8日発売 <収録曲> 1 悲しみを集めて 2 In YOURS 3 I keep making the same mistake. 4 FLY 5 さみだれ 6 21km (Re:rec) 7 揺れる髪はレッド  

    2025/10/08

  • パーカーズ
    僕はその優しさを音楽に乗せて届けたいと思った。
    僕はその優しさを音楽に乗せて届けたいと思った。

    パーカーズ

    僕はその優しさを音楽に乗せて届けたいと思った。

     2025年10月1日に“パーカーズ”が3rd mini Album『HUG』をリリースしました。ストレートな歌詞と、どこか懐かしく口ずさんでしまうメロディが持ち味のロックバンド。POPSを届ける勢いが止まらない彼らの今を詰め込んだ一作となっております。リリースに伴い、11月から全国11箇所を巡るワンマンツアー「Hug me!! TOUR」の開催も決定!    さて、今日のうたではそんな“パーカーズ”による歌詞エッセイを2回に渡りお届け! 第1弾は豊田賢一郎(Vo/Gt)が執筆。収録曲「 Hug me!! 」にまつわるお話です。改めて“HUG”というものに向き合ってみたとき、気づいたこと、腑に落ちた言葉の意味は…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 AM 2:00 コーヒーを飲みながら綴りたい。 深夜は静けさを独り占めしてるみたいで、 少しだけ自分に素直になれる気がするからこの時間を選んでみた。   アルバムのタイトルを『HUG』に決めたとき、 「ハグってなんだろう?」と改めて考えてみた。 最初は“抱きしめる”という動作だけを思い浮かべていたけれど、 よく考えてみると、言葉も、思いやりも、ふとした表情も、これまで歩んできた日々も、 全部がハグになり得るのだと気づいたんです。 目には見えないけれど、心を温めてくれたり、気付かぬ間に抱きしめてくれているそれがハグなんだと。   僕はその優しさを音楽に乗せて届けたいと思った。 ハグが持っている温かさと、笑顔に変えるポップさを詰め込んだ一曲を。 そんなきっかけを経て生まれたのが「Hug me!!」です!   「Hug me!!」は、“片思い、恋の始まり”をテーマに書いた曲。 恋愛に奥手な主人公が、伝えたい言葉を心の中にしまい込んだまま、未来の不確かさに足をすくわれてしまう。 そのもどかしさを歌詞にしていくうちに、「いっそ全部をハグに託してしまえたら…」なんていう、大胆だけど不器用な気持ちが出てきて。 ちょっと笑えるようで、でも自分にも覚えがあるからこそ、リアルに感じながら書きました。   実は僕自身も、恋愛も人間関係も奥手なところがあって、言葉にする前に考え込みすぎてしまうタイプです。 だからこそ「ハグ」という言葉に“心を温めてくれるもの”という意味を見つけたとき、すごく腑に落ちたんです。 それは、僕にとっての勇気の代わりであり、音楽に乗せて届けたい優しさそのもの。   抱きしめたくなるくらい大事な曲に、「Hug me!!」が育っていったら嬉しいです。   AM 3:10 なんかウトウトしてきた。   外が明るくなる前に寝てしまおう。   <パーカーズ 豊田賢一郎(Vo/Gt)>   ◆紹介曲「 Hug me!! 」 作詞:豊田賢一郎 作曲:豊田賢一郎 ◆3rd mini Album『HUG』 2025年10月1日発売

    2025/10/07

  • SIX LOUNGE
    弱肉強食
    弱肉強食

    SIX LOUNGE

    弱肉強食

     2025年10月1日に“SIX LOUNGE”がEP『燦燦』をリリースしました。今作には、以前から親交の深いバンド“TETORA”より、ボーカル上野羽有音を迎えた記念すべき初コラボ楽曲「おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA)」を含む全5曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA) 」にまつわるお話です。幸せと不安、死にたいと生きたい、満ちては引く日々のなかで生きているあなたへ。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 帰ってきたらUNOしよう ご飯はたべた? もう構ってくれるまで寝ないから ランドリー回さなきゃね   「ついでに僕らも洗濯しちゃおうか」   よそ見しない 守れない約束しない 連絡ちゃんと返す イライラしない ちゃんと気持ちを伝える Hitotoshite   東京にいる。何も予定を入れていない。 真っ白なスケジュール。 余白を作ることは、人生においてとても大事なことだと最近思う。 クソでかいビルの下、静かな公園でボケーっとしている。このまま何も考えないでいたい。 いま俺がやるべきことは、乾いたスポンジのような今の自分に、色々なものを吸収させることだ。 全ての感覚を使ってさまざまなものを吸収したい。 そして自分の中で煮込む。食えるようになるまで。 みんな色が違う。 やるべきことも違う。 人生。 一つ一つの可能性が交差していく巨大なスクランブル。 嘘みたいにでかいこの建物が、マンションなのか、オフィスビルなのか、わからない。別に知らなくてもいい。そんなことはどうでもいい。 大分の家賃45000円、1Kの秘密基地があれば十分だ。 でも手に入れたいものはたくさんある。 何もかも必要ない、というわけではない 夢といえばそんなものもある。 生活をしていく中での幸せと不安、心を締め付ける焦燥感。 24時間のうちに頭の中で何度も何度も死にたいと思う。でも同じくらい生きたいとも思う。 溺れそうだからもがいている。踊るようにもがいている。弱肉強食。 笑えるくらい小さな世界の中で、それ以上にちっぽけな悩みなのかもしれない 満ちて引く日々に、溺れてはまた浮き上がる。 そのために大きく息を吸い込んであげる。   いつまでも   そこに   太陽がある限り   強くて、あたたかくて、優しい曲です。この曲がとても好きです。何より愛しいです。とても幸せです。   僕らは確かにそこで満ちて引く日々を踊っていました   要するに、   またあえるよ   生きてる限り   俺たちのままで   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA) 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆EP『燦燦』 2025年10月1日発売 <収録曲> 1 ロックンロール 2 おどるらいおん feat. 上野羽有音(TETORA) 3 愛don't OK 4 儚げブルー 5 ロリギャングスター

    2025/10/06

  • hoge
    二人が見つけたかった“救い”は。
    二人が見つけたかった“救い”は。

    hoge

    二人が見つけたかった“救い”は。

     2025年10月1日に“hoge”が新曲「幽霊」をリリースしました。小説家兼作曲家のnasuo.sinoが送り出す、音楽×短編小説プロジェクト初のリリース作品。同名の小説から生まれた楽曲であり、ボーカルは台頭著しい新進気鋭の歌い手:aixe(アイゼ)をフィーチャリング。唯一無二の歌声で、nasuo.sinoによる「幽霊」の世界を歌い上げております。    さて、今日のうたではそんな“hoge”のnasuo.sinoによる歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 幽霊 」の歌詞へとつながる前日譚です。純粋無垢な愛とは。そして、この物語の二人が見つけたかった“救い”とは何だと思いますか…? こんにちは、nasuo.sinoです。 音楽×短編小説プロジェクト“hoge”で活動しています。 10月1日に新曲「幽霊」をリリースしました。   今回の作品は、期待はずれの世界で、互いの存在を唯一の“救い”とした二人と、その後に待ち受ける喪失の物語です。異常な環境や倫理外の世界でも、純粋無垢な愛があるのではないかと思い、この曲を作りました。   これから綴る短編小説は、「幽霊」の歌詞へとつながる前日譚です。   ____________________________________   「生まれるべきじゃなかった」   彼女は息を吐くように、この言葉を口にする。長い付き合いではないが、聞き慣れたものだ。彼女にとっての日常は、まるで無数に流れる雲のようだ。一見、感じの良い言葉に聞こえるかもしれないが、そうではない。   たまたま自然の摂理によって生まれ、形は今一つはっきりとせず、だらだらと空を泳ぐ。生まれてきたこの姿に仕方なく名前をつけたり、何かに喩えたりする。それが彼女にとっての日常。ただ、その日常は緩やかなものばかりではなく、風が強い日もあれば、雨が降る日もある。というか、晴れた日なんか滅多にないだろう。   消化されない不平不満は、タバコの煙と共に空へ吐き出され、灰皿に積まれた吸い殻が物語っている。それらを踏まえれば、彼女の言葉には何の違和感もない。   その最中、僕の空も絶賛大雨警報中。新調したばかりのスマホを落とし、画面に蜘蛛の巣が住み着いてしまったのだ。悪天候な二人が隣り合わせで歩いていると目の前で大災害でも起きてしまいそうで、ヒヤヒヤとする。この彼女の何とも言えない怠惰に親しみを感じ、惹かれていった。   そんな浮かれたことを考えながら「僕も」と答える。その後は、二人で「早く死にてぇな」そう言うことまでが、僕たちのお決まり。   最近、僕の空に気だるそうな雲一つと晴れが増えた。       彼女と付き合ってから数ヶ月が経った。世間は相も変わらず、不倫や不祥事のネタで賑わっている。そんな中、連続殺人事件ニュースも注目を浴びている。被害者は決まって刃物で腹部を刺され、×印のような切られ方をしている。事件で殺された被害者は、四十代の大手会社員、二十代の風俗店員、七十代の老婦人。   同じような犯行が相次いでるため、連続殺人として予測されている。しかし、殺され方の関連性以外は証拠が掴めず、捜査は難航し、未だ犯人は捕まっていない。不幸なことにその事件は近所で起きている。   「何してんだよ、警察は」   蜘蛛の巣の画面に小さく愚痴を吐く。   夜飯の支度に取り掛かろうと冷蔵庫を開けると、缶ビール一つしか見当たらなかった。仕方なく近所のスーパーへ向かおうとしたが、例のニュースが頭をよぎる。急に誰もいないはずのカーテンから視線を感じる。こんな思いをするなら、もっと早くに買い溜めをしておけば良かったと、今さら後悔する。そうは言っても朝から何も食べていない。静寂の騒音に怯えながら家を出る。   いつもより少し早く足を進ませ、近所のスーパーへ辿り着くと、入口は閉まっていた。   「マジか~」   どうやらこのスーパーは、深夜十二時までが営業時間となっているようだ。スマホで調べたところ、少し離れたスーパーなら、まだ営業していると出てきた。お腹の減りは限界を達しているため、急いで向かった。   無事に買い物を済ませ、スマホを見ながら帰宅していると、ふと扉が開いている一軒家が目に入った。住人が出入りしている様子はないが、灯りはついている。そのまま立ち去ろうとしたが、二階に人影が見えた。連続殺人のニュースを思い出す。検死の結果、推測される犯行時間は、深夜帯であると。呼吸が浅くなる。足は無意識と一軒家へ近づいていた。   恐る恐る玄関を上がると、リビングの扉の近くで、服の上から×印に切り裂かれてる男性が倒れていた。思わず息を呑んだ。不思議なことに声が出ない。まるで犯人に首を絞められているかのようだ。すぐにその場から逃げ出そうとしたその時、階段から人が降りてくる足音が聞こえた。腰が抜けてしまい、声が漏れないよう口を塞いでいると、目の前に刃物を持った女が立っていた。   「何でいるの?」   馴染みある声が耳を通った。ゆっくり目を開けると、そこに立っていたのは、僕の彼女だった。   「えっ?」   思考が停止した。心音がやけに鮮明に聞こえる。茫然と座り込んでいると、   「逃げるよ」   と手を掴まれた。   反射的に手を振り払おうとしたが、その手はいつもの慣れ親しんだ安心感のある手だった。考える間もなく、二人は一軒家をあとにした。   彼女は慣れた手つきで、防犯カメラの死角に隠れ、血のついた服からいつも通りの服へと着替えた。そのあとは、何事もなかったかのように僕の自宅へ向かった。側から見れば、深夜買い出しに行ったカップルのようだろう。しかし、ここにいるのは連続殺人犯とその第一発見者。   自宅に着き、不安な気持ちが駆け巡り、蛇口の水を一気に飲み込んだ。少し落ち着いてから、彼女は話し始めた。   「神様っていると思う? もし存在するなら、きっと酷い人だよ。人を殺したい欲望と才能を与えたりするんだから。生まれてくるなら普通の女の子が良かったな。連続殺人の犯人、あれ、私なんだよね。好きでやってないって言ったら嘘になるけど、これでしか私の生きがいは得られないの。何回も警察に自首しようと思ったけど、なかなか勇気が出なくてさ。人を殺しておいて言うことじゃないけど、ダラダラと生きて命を消費していくのも怖いし、自殺するのも怖いんだよね。ただ、殺してる瞬間は生きてる実感があるの。ごめんね、こんな彼女で。捕まるのは時間の問題だと思う。別れよ。」   これからの人生で、二度と聞くことがないであろう別れ話だった。目の前に座っている彼女が、巷で有名な殺人犯であることは分かっている。けど、どう見たってどこにでもいるような普通の女の子で、いつもの僕の彼女なんだ。   黙り込んで座っていると、彼女は僕の返事も聞かずに、その場から立ち去ろうとした。何の言葉も浮かんでいないまま、彼女の手を掴んだ。   「僕が君を助ける。僕が君を殺すよ」       短かった冬を取り戻すかのように、今日はよく冷えている。空は雲ひとつない快晴だ。空気はカラッとして、手を繋ぐにはちょうどいい気温。朝から買い物をして、昼はお洒落なカフェでパンケーキ。UFOキャッチャーで持ち金の半分を使って、映画を観た。まさに絵に描いたような休日デート。今は居酒屋の個室に入って、映画の感想を語り合っている。一体、誰が気づくと言うのだろうか。ここにいるのがあの連続殺人事件の犯人で、その目の前にいる男は、これからその犯人を殺そうとしているということに。   「僕が君を殺す」   そう伝えた時、彼女は炭酸が吹き出したかのように笑った。   「そんなことできるの?」   馬鹿にした声で聞いてきた。   「そんなのやってみないと分からないよ」   そう言うと、また気が抜けたように笑っていた。呼吸を整えてから彼女は喋り始めた。   「なんか、君らしくていいね。嬉しいよ。いきなり笑っちゃってごめんね。ずっと生きているのも死ぬのも怖かったけど、最後に君に殺されるなら、怖くないかも」   彼女の予想外の反応に戸惑いを隠せなかったが、何故か僕も笑っていた。   「場所はここら辺でいいかな」   人気のない山の奥で彼女がそう呟いた。手の震えが止まらない。人を殺したことなんて一度もないし、ましてや最愛の彼女を殺すことになるなんて。それを察した彼女が   「大丈夫。首の頸動脈を狙えばすぐに終わるから」   刃物を持った僕の手を彼女の手が暖かく包んだ。   「あとは私が死んだら、教えた通りにやれば何も問題ないから」   「ちゃんと最後までやってね」   「約束だよ」   「じゃあ、よろしくね」   意を決して今日を迎えたが、途中で怖くなってしまった。   「やっぱりこんなことやめよう」   「誰もいない遠くに行って、二人だけで生きてこ」   しかし、彼女は僕の気持ちとは裏腹に、覚悟を決めていた。   「それもいいと思うけど、私はこれが最善策だと思う」   「私にとって一番の幸せな終わり方」   涙が止まらない。   「でも、殺すなんてできないよ」   すると彼女は少し笑って   「いい?」   「今から私が言うことちゃんと覚えておいてね」   「これからはあんなカッコつけたこと簡単に言ったりしちゃダメだよ」   彼女の手に力が入る。   「まぁ、君のそんな所が好きなんだけどね」   彼女が勢いよく刃物を引き、首元を切り裂いた。   人が死ぬ瞬間は呆気なかった。彼女が僕に溢れて出てくる。冷えた空気を打ち消すように、彼女は優しく包み込んでくれた。抱きしめれば抱きしめるほど、温かかった。彼女との約束を果たすため、教えてくれた作業に取り掛かかる。   僕は、最後の最後で彼女を裏切ることにした。手に持ったナイフで彼女を×印に切り裂いた。血のついた服のまま、近くの交番へ向かい、自首した。   「僕が連続殺人犯です。全て僕がやりました」   彼女のいない人生なんて考えられない。最後くらいカッコつけたっていいよね。だって、僕にとっての彼女はどこにでもいる普通の女の子なんだから。普通の女の子として、彼女を終わらせてあげたかったんだ。   この日、僕の空から気だるそうな雲一つと晴れが消えた。   ____________________________________     最後まで読んでいただき、ありがとうございます。二人が見つけたかった“救い”は、何だったのか。ぜひ、その答えを曲と共に見つけてください。   <hoge・nasuo.sino> ◆紹介曲「 幽霊 」 作詞:nasuo.sino 作曲:nasuo.sino

    2025/10/03

  • Gaku
    Blue
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    Gaku

    Blue

     2025年9月24日に“Gaku”がニューシングル「Blue」をリリースしました。自身の生い立ちを背景に、悲しい出来事に直面した日に書き下ろされたエモーショナルなバラード。幼少期から抱えてきた心の痛みや葛藤を“Blue(青)”と表現し、「今夜だけでも世界の主役になりたい」という切実な願いを、ピアノアレンジに乗せて歌い上げております。    さて、今日のうたでは“Gaku”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「Blue」にまつわるお話です。本当の自分を封じ込め、ずっと「自分の言葉」を探していた10代。そんな自身が溢れ出る本心を書くことができたきっかけは…。 “もしも願いが一つだけ叶うなら”   それはきっと誰もが一度は考えたことのあるような、 ありきたりな歌い出しなのかもしれない。   ただ、僕のたった22年の人生の中で、 本当に心からそれを願った瞬間が、1度だけある。   あの日僕は、自分ではどうしようもできない出来事が起きて、 自分の無力さに直面した。     僕は幼少期から家庭環境が複雑で、 自分の意向とは関係なく名前が変わったり、 生活環境が変わったり、 アイデンティティを失うような出来事が多かった。   次第に本当の自分を封じ込めて、 聞き分けの良い優等生な子どもを演じるようになっていたと思う。   そのためか、曲を書き始めた10代の頃は 誰の言葉だかわからない、 教科書に載っているような綺麗な文章しか思いつかず、 「自分の言葉」をずっと探していた。     あの日、 先述した、自分の無力さを痛感した日。   暗い部屋から月を眺めていたら、 書きたい想いが身体中から溢れてきて 初めて一気に曲を書き上げた。   タイトルは「Blue」。 今まで僕を蝕んできた全てに、つけた名前だ。   まだまだ未熟な、拙い歌詞かもしれない。 でもそれで良いと思った。   自分が自分であること、 僕の人生の主人公は僕であること。   そんな当たり前のことを自分に言い聞かせるように、 本当の気持ちを書き殴った。     “もしも願いが一つだけ叶うなら”   僕は自分の痛みを救えるような、 そしてその先に、聴いてくれる人を救っていけるような歌を歌う、 そんなアーティストになりたいと願う。   僕を蝕む過去も全部含めて、僕だから。   胸を張って、これからも ありのままの歌を歌っていけたらと思う。   <Gaku>

    2025/10/02

  • 井上苑子
    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。
    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。

    井上苑子

    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。

     2025年10月1日に“井上苑子”が歌唱活動休止前ラストシングル「ナチュラル」をリリースしました。作詞作曲は、これまでに「ふたり」や「線香花火」など、数々の名曲を手がけてきたSUPER BEAVER・柳沢亮太が担当。8年ぶりの黄金タッグの復活による、井上苑子の“いま”をまっすぐに描き出すエモーショナルなロックソングとなっております。    さて、今日のうたではそんな“井上苑子”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ナチュラル 」にまつわるお話です。柳沢亮太に楽曲を依頼し、今作をリリースするまでの軌跡。そして今、伝えたい想いは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 井上苑子です! こうしてエッセイを書かせていただくのがとてもお久しぶりで嬉しいな~、、嬉しい嬉しい。 今回は10月1日にリリースの新曲のお話をさせてください。   8年ぶりにSUPER BEAVER・柳沢亮太さんに曲を提供していただきました。 タイトルは「ナチュラル」。   インディーズの頃に出したミニアルバム『線香花火』の表題曲「線香花火」と「青とオレンジ」を柳沢さんが作ってくださったときから、2017年リリースの「なみだ」までの間で井上苑子が歌う柳沢亮太さんの曲が6曲もあります。 これまでその6曲が大好きで、毎回大事に歌ってきました。   やなぎさんが作ってくださる曲は、私が経験していないことでも頭の中に情景が広がって。その世界の真ん中にいるように感じさせてくれる歌詞、芯が通っている物語、親しい友人と喋っているかのような温度感でスッと入ってきて、最後は胸が熱くなって自然と両手を空に向けてしまいたくなるようなポジティブなパワーを持つメロディ、、えっと、とにかく私は虜だということですね。。   今年は私がメジャーデビューをしてから10年という節目の年で、これまで以上に大事にしたい一年でした。 なので、新曲リリースは絶対にしたかったのですが、どんな曲にするかを考えたとき、一番に浮かだのは、これまでの私を作ってくれたやなぎさんの曲でした。 そして、無理を承知の上、とんでもなくドキドキしながら何度も何度も文章を書き直して、“曲を作っていただけませんか”と連絡させていただきました。   やなぎさんは快く引き受けてくださり、私が伝えたいこと、どんなことを曲にしていただきたいのかを包み隠さずお話しすると、数日でデモを送ってくださいました。 まずはとにかく大興奮で、目を瞑って曲を聴きました。 そりゃもう、これでもかというぐらい一音一音を染み渡らせて噛み締めましたよ。 その後、歌詞もしっかり読みながら聴き、電車の中だということも忘れて爆泣。。。笑   大阪の路上でがむしゃらにひたすらに歌っていたあの日から16年、夢だったメジャーデビューから10年経った今だから歌える曲です。   10年というのは、ただ数字だけ見たらそこまで大きなものではないかもしれないけど、私の中では今後の人生に影響を受けるくらい、悔しくて泣きたくなることや、人の優しさに触れ崩れ落ちそうなぐらいほっとすることもたくさんありました。   今作の歌詞に <変わりたい 変われない で、変わらなかったのが「わたし」> とあるように、選択肢は常にたくさんあったはずなのに、結局は自分の意思で選んできた道だったんだなぁと思います。 エゴかもしれませんが、こんな私の歌や生き方で、何かを感じてくれる人がいてくれると信じて続けていきたいです。   そんな、大好きで時に執着してしまう?ような音楽の世界で、ずっとかっこいい背中を見せてくれているやなぎさんから、まっすぐで自然体でいられる曲をいただけたことで、私はさらに強くなれると自信を持てました。   自分の話ばかりになってしまったけど、 きっと私と同じように、日々苦しんで悔しい気持ちでいる方もいらっしゃるかと思います。 でも、そんな気持ちになるほど、自分は投げ出さずにやってきたんだと、この曲を聴いてる時間は自分のことを誇りましょう。 ここだけの話、あなたは十分やっています。自分が十分やっているなんて大きな声で言えなかったりするよね。 でもこの時間だけは、そう思ってもらえたら。 私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。   <井上苑子> ◆紹介曲「 ナチュラル 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

    2025/10/01

  • 黒木渚
    亡霊の歌を聴く
    亡霊の歌を聴く

    黒木渚

    亡霊の歌を聴く

     2025年9月3日に“黒木渚”がニューアルバム『ゴーストノート』をリリースしました。「亡霊」というテーマで作品をつくり続けてきた2025年。亡霊とは、失われた面影のことかもしれないし、あるいは果たされなかった約束や、過去の恋愛、青春の残像のことかもしれません。目には見えないけれど、確かにそこに存在している亡霊たちの“声”を音楽としてすくい上げた今作をご堪能ください。    さて、今日のうたではそんな“黒木渚”による歌詞エッセイをお届け。黒木渚の人生にとって、今年のテーマは“亡霊”。このテーマを紐解き、導き出された“亡霊たち”とはどんなものなのか…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。 亡霊のことばかり考えている。   私の人生は1年ごとにコンセプトが変わる。 一昨年は「ロックンロールと量子力学」去年は「耽美」、そして今年は「亡霊」。   正月に掲げたテーマを1年かけてじっくり紐解き、作品にしてゆく。 それが音楽になることもあれば、小説になることもあるし、映像作品やグッズのデザインになることもある。今年、私が集めた亡霊たちは『ゴーストノート』と題したフルアルバムになった。   亡霊とは 初恋であり、 果たせなかった約束であり、 トラウマであり、 自死を選んだ友人であり、 単なる妄想であり、 羨ましいあの子であり、 見つからない無くし物であり、 飢えであり、 白いブラウスであり、 諦めた夢であり、 アナログシンセの揺らぎであり、 忘れられない痛みであり、 原体験であり、 二度と戻らない青春であり、 底のない穴である。   私が導き出した亡霊たちは音や詞に変換され、歌へと生まれ変わった。 これから全国を回って亡霊の歌を歌う。透明で何の音も持たなかった亡霊の物語を私の肉声で歌い聞かせるのだ。 歌を聴いた人の心のなかをすうっと通り抜けて亡霊たちは成仏するかもしれないし、その人の側に留まって寂しさを癒すかもしれない。もしかすると、その人を亡霊そのものにしてしまうかもしれない。   <黒木渚>   ◆ニューアルバム『ゴーストノート』 2025年9月3日発売   <収録曲> 1.アンモナイト 2.ゴーストノート 3.カタルシスかく語りき 4.ONE 5.かたつむりとダリア 6.ブラウスと亡霊 7.Magnolia 8.死んだ文豪に恋をした 9.分裂

    2025/09/30

  • ナナヲアカリ
    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。
    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。

    ナナヲアカリ

    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。

     2025年8月20日に“ナナヲアカリ”がBEST ALBUM『フライングベスト2』をリリースしました。今年、メジャーデビュー7周年を迎えるナナヲアカリの2枚目となるベストアルバム。2枚組で、Disc1は、2nd Album『七転七起』以降セレクト曲を中心に新曲を含10曲+おまけが収録。Disc2は、これまでの全タイアップシングルを収録したCDに。    さて、今日のうたではそんな“ナナヲアカリ”による歌詞エッセイを全3回に渡りお届け。最終回は、今作のDisc2に収録されている後半8曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。そして最後に、ナナヲアカリが今、思うことは…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 みなさん、こんにちは。 ナナヲアカリです。   歌ネットさんでの歌詞エッセイ、今回は全3回載せていただいておりまして、いよいよ最終回になりました。 8月に発売した7年ぶりのベストアルバム『フライングベスト2』収録曲について一曲ずつ端的に語っておりますので、初めてご覧いただいた方は、第1回から読んでいただくとわかりやすいかなと思います。   第1回: https://www.uta-net.com/user/writer/todaysong.html?id=15840 第2回: https://www.uta-net.com/user/writer/todaysong.html?id=15841   さて、Disc2の後半戦です。 9曲目「陽傘」の紹介から参りたいと思います。   9.陽傘   ようやく秋を感じ始める今日この頃にぴったりの曲です。私はこの曲が大好きです。ナナヲアカリがナナヲアカリ役として出演した短編映画『日曜日とマーメイド』の主題歌でもあります。10代の頃の青さ、危うさ、それゆえの輝きが内包された美しい楽曲。この曲を聴いて思い浮かべた人はあなたにとってとても大切な人だと思います。   10.二度目の花火   こちらは先述した短編映画の挿入歌となっています。聴いているだけで情景が浮かぶ、そんな曲。履きなれない下駄で歩く音や夜を照らす屋台の光、喧騒が聞こえないくらい夢中になるその人の横顔なんかを想像してもらえたらなという気持ちで歌っています。今、うちに秘めた恋をしている人、していた人へ。   11.奇縁ロマンス   ライブでもお馴染みになりつつあるこの曲。軽快なメロ感と散りばめられた和楽器たちが主題歌作品のイメージをばっちり表現しています。うじうじ発展途上の中で、変わりたい、進みたい、君といたいというポジティブなメッセージを歌っています。今見えている世界をちょっと好きになれるような、そんな曲です。   12.FASHION (feat. GaL)   Nintendo Switch用着せ替えファッション&コミュニケーションゲーム『ファッションドリーマー』のCMソングということもありファッションをテーマにした『FASHION』という楽曲(わかりやすくて良い)が誕生。   ナナヲ自身も衣服で自分を表現することが大好きなのでノリノリで歌ってしまいます。MVも本当に大変な撮影でしたがめちゃくちゃ着替えてめちゃくちゃ楽しかったので、まだ見れてない人は見てね。笑   13.正解はいらない   タイアップソングはポップなものが多いナナヲアカリですが、こちらは異質な尖りを魅せる楽曲になりました。久しぶりのNeruさんとのタッグで、色褪せないどころか鋭さと洗練さが増された楽曲でご一緒できて本当に歓喜でした。   改めて、聞き分けが良くなったとはいえ自分の中にはやっぱりずっと鬱屈とした怒りのような諦めのような感情があるんだなと気づけて安心した部分もありました。   14.ブループリント   とてもトリッキーな制作をした思い出。ゆえにおもしろい展開の高難易度ダンジョンみたいな作品になりました。笑   ゲームとか地図とかそういったキーワードからどんどん広げていって、何度もナユタンさんとやり取りして歌詞も書き直して…。本当にこの曲そのものみたいな軌跡を辿って制作したので完成した時のしっくり感がすごかった。アニメの最終回での演出も素敵でありがたかったなあ。   15.明日の私に幸あれ   ここからは今年の話になってくるのでなんだか記憶に新しい!この曲でナナヲアカリを認識してくれた人もたくさんいるのではないでしょうか。主人公のアリナさんとナナヲの共通点を探していたら、それは多くの人の共通点だったみたいです。ゆるくてキャッチーなんだけれど、どんな時代にも響くライフソングになったかなと。本当に沢山の人が踊ってくれていて、なんだかその光景もいいなぁと思いました。   16.ムリムリ進化論 つい先日、最終回をむかえたTVアニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』のオープニングテーマ。主人公のれな子ちゃんの歌すぎる!と言っていただくことが多いのですが、完全にナナヲアカリすぎる歌でもある。つまり「れな子≒ナナヲ」だったということです。   一見、キャラソンみの強い楽曲ですが、後半になるにつれて不思議と泣けてくる展開がお気に入りです。ナナヲアカリの基本姿勢が「頑張りたくない!でも頑張りたい!!」なのですが、それを凝縮した作品。長年やってきたナユタンさんとだから生まれた曲だと思います。     と、まあこんな感じで全3回に分けてアルバムを振り返ってみました!!!   当たり前すぎることだけど、すべての楽曲に本当にいろいろな制作背景や思い出があって、時には発狂するくらい大変なこともあって…。とんでも飽き性でヘタレな私が、それを7年以上つづけてこられたという事実が、音楽の素晴らしさを物語っているなと思いました。   デビュー7周年、そして私は今年で30歳ということもあり、2025年は自分の中でもかなりの転換期で、特別な年になっています。   相変わらず自信なんてないし頑張るのだって苦手だし、でもなんだかそんなことも言ってられなくなってきている感じと、そんな中での楽しみ方みたいなものもわかり始めてきております。スロースターターにもほどがありますが、そんな感じです。   とはいえ、張り切りすぎると空回りしてしまうのも私の常。たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく歌を届けていければいいなと思います。   これからもどうぞよろしく   そして3回にわたる長めのエッセイ読んでくれたあなたへ、どうもありがとうございました。   また会いましょう~   <ナナヲアカリ>   ◆BEST ALBUM『フライングベスト2』 2025年8月20日発売   <収録曲> Disc1[CD] 1.ギミギミ聖域 2.おばけのウケねらい(にゅ~ver.)  3.ヤンキーダンス 4.どうやったって 5.わかんないセブンティーン 6.Jewel 7.POI POI POI  8.Step In The Dark 9.忘れないでベイベー 10.Flying  +シークレットトラック(市販品限定)   Disc2[CD] 1.ワンルームシュガーライフ 2.イエスマンイズデッド 3.チューリングラブfeat. Sou 4.Higher's High 5.魔法 6.雷火 7.アイがあるようでないようである 8.恋愛脳 9.陽傘 10.二度目の花火 11.奇縁ロマンス 12.FASHION feat. GaL 13.正解はいらない 14.ブループリント 15.明日の私に幸あれ 16.ムリムリ進化論  

    2025/09/29

  • プッシュプルポット
    ステージから見える景色はすごく面白い
    ステージから見える景色はすごく面白い

    プッシュプルポット

    ステージから見える景色はすごく面白い

     2025年9月24日に、金沢発4ピースロックバンド“プッシュプルポット”が4th mini album『日々を彩って』をリリースしました。今作には、昨年リリースした楽曲「ゴールドマーチ」「今を生きるあなたへ」、石川テレビ『石川さんパレット』に書き下ろした楽曲「パレット」の3曲と、新曲5曲を含む全8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“プッシュプルポット”の山口大貴による歌詞エッセイを2日連続でお届け。第2弾は収録曲「 雨上がり 」にまつわるお話です。曲を作るときに思い浮かべたのは、ステージから見える景色と自身の思い。ライブハウスが特別であると感じる理由は…。ぜひ、歌詞と合わせて、エッセイを受け取ってください。 なんかこの曲が出来た時、懐かしい気持ちに包まれた。 同時に、今まで作った曲達を振り返るキッカケをくれたそんな曲。   “THE プッシュプルポット”ぽいよね?   でも今までの自分じゃこの曲は歌いきれなかっただろうな。 少しずつでも前に進んで来ることができたから、こんな曲が今出来たんだろうな。   あの頃はライブで「泣くな」とか言ってたけど、今じゃ「泣いてもいいんだよ」って言うようになった。少しずつ自分の中で変わっていったものもある。   勿論来てくれる人が笑顔になってほしいんだけど、涙の理由を肯定した上で互いに笑えたらいいなって思うようになってきた。きっと俺らにとってライブハウスって逃げ場所みたいなものなんだろうなってずっと思ってる。   ステージから見える景色はすごく面白い。   同じ曲を同じ空間でやってるのに、笑ってる人もいれば、泣いてる人もいる。それってすごく素敵なことだなって思う。だからこそライブハウスが特別で、そんなところが好きだ。   曲を作る時、真っ先にその景色を頭に思い浮かべる。それと同時に、この曲の歌詞は自分が辛い時にこんなこと言われたいなって思いながら書いた。強くて優しい歌が出来た。ぜひ近くに置いて聞いてほしい、そんな曲。   <プッシュプルポット・山口大貴> ◆紹介曲「 雨上がり 」 作詞:山口大貴 作曲:山口大貴 ◆4th mini album『日々を彩って』 2025年9月24日発売 <収録曲> 1 雨上がり 2 ゴールドマーチ 3 ダイブアライブ 4 やってやろうぜ!! 5 パレット 6 今を生きるあなたへ 7 光 8 僕らだけのもの

    2025/09/26

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