あの頃のあの子が今、心の底から笑えていますように。

Conton Candy
あの頃のあの子が今、心の底から笑えていますように。
2025年12月10日に“Conton Candy”がニューシングル『Touring』をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『終末ツーリング」オープニングテーマ曲。疾走感あふれるサウンドと、旅の始まりを感じさせるリリックが印象的なナンバーです。カップリングには、バンド結成当初の高校生時代に制作された「道化師(よみ:ピエロ)」を収録。彼女たちの原点を感じられる1枚となっております。 さて、今日のうたではそんな“Conton Candy”の紬衣による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作のカップリング曲「 道化師 」にまつわるお話です。自身を原点に戻してくれた曲。そして、初めて友だちの恋愛模様を綴った曲。そこに込めた思いは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 この曲を書いたのは2018年8月13日。 当時のボイスメモに、今でも鮮明に残っています。 その時の録音は、アンプにも繋いでいない細いエレキギターの音で、はっきり言ってしまえばピッチもガタガタ、メロディもあまりはっきりしていない、そんな曲でした。 でもそんな中でも、当時の私自身が曲を書くことを何よりも楽しんで、表現したいものを不器用なりに生み出していく好奇心は、今の私に真っ直ぐに伝わってきました。 そんなこの曲を書いてから7年。バンドを続けていく上で何よりも大切なのは、“この気持ち”を持ち続けることなんだと強く思います。 私を原点に戻してくれた、そんなタイムカプセルのような「道化師」という曲は、優しくてずるい男の子に恋をしてしまった健気な女の子の話です。 実はこの曲、過去にも現在にも、ただ一つ、私の友達の恋愛模様を綴った曲です。 自分の経験や、架空の話を作り出して書くことは多々あるのですが、「道化師」だけは近くにいた人の恋愛模様を描きました。 土砂降りの心。 毎晩思い悩み溢れる涙。 こうして考えれば考えるほど心に住み着いて、あなたという存在が離れなくなってゆく。そんなこともとっくに分かっていて、苦しくなるのも知っている。 「愛してよ」と嘆いた言葉は届くはずもなく、ただ私の心を蝕んでいく。 嗚呼、バカだよな。 でもこの好きという気持ちが恥ずかしいほどに本物だ。 こんな私の気持ちは一方通行のままで溜まっていく。 君への気持ちは一体どう消化したらいいのか。かと言って告白する勇気もない。告白したら全てが壊れてしまうかもしれない。 そんな光景を横目に見ていた私は、この物語を曲にすることに決めました。 直接その子に、この曲を書いたことは言わなかったけれど、心のどこかで少しでも彼女の気持ちを言語化できていればいいなと思っていました。 共感して、曲の言葉に救われて、前は向かなくてもいいからせめて後ろだけは振り返らずにいてほしい、と今でも強く思います。 この曲は恋愛を描いたけれど、どう解釈してもらっても構いません。 その中に“愛”が生まれていたのだとしたら、この曲はきっと意味があるものになる。 あの頃のあの子が今、無理をしていませんように。 あの頃のあの子が今、心の底から笑えていますように。 <Conton Candy 紬衣> ◆紹介曲「 道化師 」 作詞:Conton Candy 作曲:Conton Candy ◆ニューシングル『Touring』 2025年12月10日発売


















