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  • ビレッジマンズストア
    赤はピンクに
    赤はピンクに

    ビレッジマンズストア

    赤はピンクに

     2025年6月18日に“ビレッジマンズストア”が、バンドキャリア20周年を記念した初のベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』をリリースしました。ほとんどの楽曲を現メンバー5人で演奏・レコーディングした再録ベストアルバム。Disc1、Disc2ごとにテーマがあり、何かとの繋がりを歌ったものがDisc1 遊 、“攻撃的”なのがDisc2 撃 となっております。    さて、今日のうたではそんな“ビレッジマンズストア”の水野ギイによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 PINK 」にまつわるお話です。かつて、いつも何かに対する怒りを燃やしていた自身。形容するなら“真っ赤”だった在り方が、少しずつ変わっていった理由は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 10年前、おれは怒っていた。何に対してかは覚えていない。とにかく毎日火をくべ、怒りを燃やしていた。   不条理、嫉妬、退屈、好きじゃない音楽がどんどん売れていくこと、テレビで見た政治のこと、勢いでバイトをやめてしまった自分のこと、友達や女の子を大切にできないのをそんな自分の生活のせいにしたこと。 おおよそこんな風なものだった。探せばきっとあと150項目以上はあるが、列挙するに値しないものだらけだろう。   自分を形容するとまさしく猩猩緋色。「真っ赤」であった(ステージ衣装の話ではなく)。 とはいえ、その感情を矯正したいかと言われればそうではなく、寧ろ無理矢理自分を特別だと思い込むために自ら選び、そうあろうとした。 「真っ赤」であることはバンドマンとして不可欠な要素である、と考えていた。 だって雑誌で見るロックスターは、いつもなにかに怒っているんだもん。おれもそうしなきゃいけないんだ。   『刃の上を君と行く』発売から1年以上経ち、いよいよ次の製作を終わらせなければならない。 この尖らせたエネルギーを発散させる時だ。   レーベルの人、曲急かしてきやがってちくしょう。でも怖そうだったけど力になってくれたな。ちくしょう。そういえばCD作るまでに色んな人と話したな。幼馴染含むメンバーはたまにむかつくけど結構いいやつらだ。バイトも辞めちゃったけど、なんだか気持ちよく送り出してくれた。女の子はいつもニコニコして、がんばれ大丈夫って言ってくれた。駄目な日は呆れながらメシとか作ってくれた。ちくしょう。   おかしいな、おれは誰よりも「真っ赤」になりたかったけど、そんな姿になってもこの人たちは横を歩いてくれるのだろうか。 おれは本当に「その格好良い」になりたいのだろうか。いやー、困った。全然なりたくないかもな…。 「真っ赤」じゃなきゃ駄目ならばきっともうおれには向いていない、この人たちに優しくしたい。   新しい憧れができてしまった。 これからおれ達はどうなる。きっと望んで薄まっていく。赤はピンクに、生々しくて自然で生活の色。混ぜようによっちゃ、きっと少しだけ格好悪い。ひょっとしたら学生街の下世話なネオン管みたいになっちまうかもな。 まだ分からないけれど、その出来上がった色を何年もかけて少しずつ愛していきたいと思った。   ミニアルバム『正しい夜明け』最後に出来上がった曲「PINK」 <“ビレッジマンズストア・水野ギイ> ◆紹介曲「 PINK 」 作詞:水野ギイ 作曲:水野ギイ   ◆ベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』 2025年6月18日発売   <収録曲> 【CD Disc1 遊】 01. WENDY(20th ver.) 02. みちづれ(20th ver.) 03. 1P 04. 車上A・RA・SHI(20th ver.) 05. アディー・ハディー(20th ver.) 06. アダルト(20th ver.) 07. TV MUSIC SHOW 08. セブン(20th ver.) 09. ロマンティックに火をつけて(20th ver.) 10. きみがいれば 11. People Get Lady(20th ver.) 12. LOVE SONGS(20th ver.) 13. 眠れぬ夜は自分のせい(20th ver.)   【CD Disc2 撃】 01. 夢の中ではない(20th ver.) 02. 逃げてくあの娘にゃ聴こえない(20th ver.) 03. ビレッジマンズ(20th ver.) 04. 黙らせないで(20th ver.) 05. 御礼参り(20th ver.) 06. 猫騙し人攫い(20th ver.) 07. Love Me Fender(20th ver.) 08. 変身(20th ver.) 09. サーチライト(20th ver.) 10. 墜落、若しくはラッキーストライク(20th ver.) 11. 正しい夜明け(20th ver.) 12. PINK(20th ver.)      

    2025/06/17

  • reGretGirl
    どうか誰よりも愛されますように。
    どうか誰よりも愛されますように。

    reGretGirl

    どうか誰よりも愛されますように。

     2025年6月11日に“reGretGirl”がMajor 3rd Full Album『LOVERS』をリリースしました。前作『tear』以来、約2年ぶりとなるフルアルバム。寄り添う= “愛” というテーマを持って、恋愛に限らずさまざまな角度から切り取った“愛” を届ける楽曲たち。2024年にリリースの「帰り道」「純ラブ」「ロスタイム」に加えて、2025年4月2日に先行リリースした「エバーソング」を含む新曲8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け!第2弾は収録曲「 ブルーアワー 」にまつわるお話です。不安を抱き締めながらも、自分の道を必死に進もうとしているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 この度、6月11日に3rd Full Album『LOVERS』がリリースされました。前回このコラムでアルバム『LOVERS』について書かせていただいたのですが、今回はこのアルバムの表題曲「ブルーアワー」について文章を寄せさせていただきました。   思い返すと十代、二十代前半ぐらいの頃は、“どこからともなく現れる不安”と“根拠のない自信”の二つを持って過ごしていて、その二つはうまくバランスを保っていた。将来のことを考えると、「このまま大人になって大丈夫やろか」と漠然と怯えている時もあれば、「なんかわからんけど、なんとかなるやろ」と大雑把だけど前向きになれる時があって、この二足で人生を歩んできた気がする。   それがあったからこそ、僕はバンドマンという不安定で先の見えない道をのらりくらりと歩いてこられたし、若い頃は大人になればこの正体不明の不安はなくなるのだとも思っていた。   それなのに、いざ三十を越えても正体不明の不安はなくならない。困ったものだ。ずっとどこかに小さく穴が空いた様な感覚で、その穴が大きくなったり小さくなったりすることはあれど、塞がることはない。   さらに、昔はあった根拠のない自信には根拠がないと自信を持てなくなった。知らぬ間にバランスを崩し、不安なんてないように振る舞うことばかり上手くなって、気がつけば不安を抱き締め動けなくなっていることもあった。   不安のバランス感覚が変化し今まで通りではなくなって、心許なくなって、三歩進んで二歩下がって、思い通りになんて全然行かないから誰かに本音を吐露したい。そしてその誰かに聞いてほしい本音は本当は誰でもいいわけじゃない。その聞いてほしい人に優しくされたいから、僕は誰かに優しくするのだ。   ブルーアワーは僕自身を救うために書いた。だからみんなもこの曲に勝手に救われてほしい。僕ら同じ道を歩いているわけではないけれど、きっとその道を必死に進もうとしていることは同じだ。辛くなったらreGretGirlを頼ってくれ。僕もみんなを頼りにしてる。   どうか誰よりも愛されますように。   <reGretGirl・平部雅洋> ◆紹介曲「 ブルーアワー 」 作詞:平部雅洋 作曲:平部雅洋 ◆Major 3rd Full Album『LOVERS』 2025年6月11日発売 https://rgg.lnk.to/lovers ・通常盤 ¥3,300 (税込) ・コロムビアミュージックショップ限定盤 (限定タオル付き)  ¥4,500(税込) <収録曲> 1. ハンワライナー 2. 純ラブ 3. ブルーアワー 4. エバーソング 5. 知らんけど 6. ロスタイム 7. 陽のあたる言葉 8. オレンジ 9. オトナビゲーション 10. 摩訶不思議ヒステリー 11. 帰り道 特設サイトはこちら▼ https://columbia.jp/regretgirl/ ◆ライブ情報 <reGretGirl presents ONEMAN TOUR 2025"for LOVERS> 2025年6月19日(木) 千葉LOOK OPEN 18:30/START 19:00 2025年6月22日(日) 水戸LIGHT HOUSE OPEN 17:30/START 18:00 2025年6月29日(日) 奈良EVANS CASTLE HALL OPEN 17:15/START 18:00 2025年7月5日(土) 広島LIVE VANQUISH OPEN 18:00/START 18:30 2025年7月6日(日) 岡山YEBISU YA PRO OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月11日(金) F.A.D YOKOHAMA OPEN 18:30/START 19:00 2025年7月13日(日) 前橋DYVER OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月26日(土) 浜松窓枠 OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月2日(土) 京都MUSE OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月3日(日) 神戸太陽と虎 OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月8日(金) 松本ALECX   OPEN 18:30/START 19:00 2025年8月9日(土) 富山SOUL POWER OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月11日(祝月) 岐阜CLUB-G OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月16日(土) 仙台Rensa OPEN 17:45/START 18:30 2025年8月17日(日) 郡山HIP SHOT JAPAN OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月30日(土) 福岡DRUM LOGOS OPEN 17:00/START 17:45 2025年8月31日(日) 鹿児島SR HALL OPEN 17:00/START 17:30 2025年9月20日(土) 函館 club COCOA OPEN 18:00/START 18:30 2025年9月22日(月) 札幌PENNY LANE24 OPEN 18:15/START 19:00 2025年9月27日(土) 金沢EIGHT HALL OPEN 17:45/START 18:30 2025年10月3日(金) 高松DiME OPEN 18:30/START 19:00 2025年10月4日(土) 松山サロンキティ OPEN 18:00/START 18:30 <東名阪ホールワンマン編> 2025年11月7日(金) NHK大阪ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月21日(金) 岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月28日(金) LINE CUBE SHIBUYA OPEN 18:00 / START 19:00 詳細はこちら▼ https://www.regretgirl.com/news/detail/38674

    2025/06/16

  • SIX LOUNGE
    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ
    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ

    SIX LOUNGE

    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ

     2025年5月28日に“SIX LOUNGE”が新EP『more than love』をリリースしました。6月からは同EPを引っ提げた全国6都市をまわるツアー『SIX LOUNGE “Do You Love Me?” TOUR』も始まり、最終日にはバンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを予定。ぜひ、こちらも併せてチェックを!    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 」にまつわるお話です。弱音は吐けない、ミスもできない社会のなか。<ひとりにして ひとりにしないで>を繰り返しながら生きているあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 切れるというより、溺れていく。 タクシーの窓に流れる夜景を眺めながら、これからこの凶暴な心を抱きしめてくれるはずの天使に、なんて伝えようかと、曖昧で、いい感じの理由を探していた。     気がつけば悲しい歌ばかり聴いている。 楽しそうな奴を見ると惨めな気分になるから、下ばかり向いて歩くようになった。それなのに僕はよく転ぶ。 社会はいつも弱音を吐かせてくれない。 当たり前の事を当たり前にできる。それが普通なんだって、あいつら簡単に言うから、言い返せなくて、愛想笑いした。   怖がりで、寂しがり屋。ひとりになりたい。だけど、ひとりになりたくない。正直もうよくわからない。何もしたくない。自分だけじゃ世界は変えられない。大人になって気がついた。 違う、言い聞かせて逃げた。   酔っ払うと「死にたい」が口癖になる。 かまってほしい、気にかけてほしい。どうせこんな汚い街なんだから、僕が吐いたところで何も変わらない。 朝、目が覚めると腹がへっている。恥ずかしいくらい腹いっぱい食べる事ができる。 この体はしっかり生きたがっている。   24時間ずっと監視されているような気がする。さっき蒲田で拾ったこのタクシーの車内でもそうだ。バックミラーで運転手がこちらを見ている。行動すべてが記録されていく。増える、増える、増える、増え続ける。どこを見てもカメラが、まばたきしてる。   いつからだろう 僕らの生活にミスが許されなくなったのは。   深夜2時すぎ。タクシーは東京の街へゆっくりと沈んでいく。もう帰れなくてもいい。社会に戻れなくていい。たとえ天使がまぼろしでも、僕は騙されたままでいい。都合のいい解釈をして、そうやって、また大人になっていく。流されて、溺れていく。   明けない夜はない?   うるせえ   うるせえ、     このうそつき。     <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆新EP『more than love』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01 天才になって 02 どん底 03 You&I 04 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 05 グロいラブソング

    2025/06/13

  • 松田今宵
    かくれんぼ
    かくれんぼ

    松田今宵

    かくれんぼ

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第3弾は収録曲「 かくれんぼ 」にまつわるお話です。かすかに感じている不安。だけどこの恋が終わってしまわぬように、“何か”からかくれんぼをし続けているあなたへ…。ぜひ歌詞と併せてエッセイをお楽しみください。 これは、終わりを引き延ばしている2人の話だ。     *     夕飯を終えて一息ついた。   今わたしは、昨日のことを思い出している。 彼と過ごした昨日のこと。     楽しかった、、よな。     いつものように家で いつものようにゲームをして いつものように2人でご飯を作って いつものようにキスをした   …なんだ、ちゃんと幸せじゃん。 こうして事実だけ並べてみると、普通の幸せなカップルだ。   なのに、わたしは今、不安に苛まれている。   1年ほど前から微かに感じている、この小さな不安。 それは埃のようで、 ちゃんと掃除をしていないと、どんどん溜まっていく。   彼は、アレルギーもちだから、そのうち湿疹がでるかもしれない。     *     …彼からの返信がない。   (忙しいのかもしれないけどさ、彼女への返信くらい1日経たないうちにしてよね)と思うのは、きっとわたしだけじゃないはず。(全国のオトメよ!共感求ム!というか誰か曲にしてくれ!)     とはいっても、わたしたちは 正直、毎日を生きるので精いっぱい。 仕事で精神をすり減らし、 生活の余裕もない。   だから、2人で会う日はせめて、楽しく過ごしたい。   日々のストレスから解き放たれ、 何も考えずに、ただ楽しいだけでいい。   今が良ければすべて良し。 だから、2人の関係で、気を揉むようなことは、極力避けたい。   将来のこと。 結婚ってするのかな。 彼がわたしに直してほしいところ。 わたしが彼に直してほしいところ。 (…ねぇ今、2人でゲームしてるのに! 協力してほしいのに、スマホ見てないでよ!!)   …全部、見て見ぬふり。     (ほんとうにそれでいいの?)   心の声が聞こえてくる。   でも、それにちゃんと答えたら、終わっちゃう気がするから 真面目に向き合うことができないでいる。   子どもの頃のかくれんぼと同じ。 鬼が近づいてきても、息を潜めて動かない。 見つからないように、ずっと。     スマホの画面が光る。   「ごめん、寝てた」   はは、それだけで嬉しいなんて。 わたしはまだ、恋を続けている。     息を深く吐く。   「さ、お風呂入ろ」   重い腰をあげ、洗面所に向かう。 今日をちゃんと終わらせるために。   <松田今宵> ◆紹介曲「 かくれんぼ 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵   ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/06/12

  • reGretGirl
    愛情を他者に与えること
    愛情を他者に与えること

    reGretGirl

    愛情を他者に与えること

     2025年6月11日に“reGretGirl”がMajor 3rd Full Album『LOVERS』をリリースしました。前作『tear』以来、約2年ぶりとなるフルアルバム。寄り添う= “愛” というテーマを持って、恋愛に限らずさまざまな角度から切り取った“愛” を届ける楽曲たち。2024年にリリースの「帰り道」「純ラブ」「ロスタイム」に加えて、2025年4月2日に先行リリースした「エバーソング」を含む新曲8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 第1弾は“愛”についてのお話です。とある日の帰り道、感じた小さな喜びや優しさ。今の彼が思う“愛”とは…。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください。 この度、6月11日にメジャー3rdフルアルバム『LOVERS』がリリースされました。 今回は愛を持つものたちへ向け、僕なりの“愛”をテーマにアルバムを作成しました。 アルバムが完成してから、早く皆さんの手に渡ってほしいと思い続けていたので、ようやくこの日を迎えることができて大変嬉しく思います。 今回はこのアルバム『LOVERS』にまつわる文章をかかせていただきました。是非ご一読ください。   快速電車に揺られ帰路に着く。自宅の最寄り駅に到着してもまだ日が登っている。「日が傾く時間もずいぶん遅くなってきたな」と、ここ数日毎日思っていることに気がつき、ひとりで少しニヤけてしまう。   帰宅ラッシュ。ホームの人混みの流れに身を任せ改札を出る。駅前の歩道橋で、お婆さんが階段を登るところを助けている男性を見かけた。荷物を代わりに持ち、優しく声をかけながらゆっくり段差を登る彼と、いっぱいの笑顔を浮かべ「ありがとう」と言っているお婆さんをみて、心が温かくなった。   その歩道橋を越えて僕はさらに家路をたどる。自宅手前のコンビニでビールを買い、この時間いつも働いている店員に普段はなかなか言えないのに、今日は「いつもありがとう」と言って店を出た。   日常に潜む小さな喜びや優しさは“愛”だ。他の誰かに心血を注ぎ込むのも愛だ。自分自身を抱きしめるのも愛だ。愛は、恋や執着や依存とは違う。独占的でも排他的でもなく、私欲とは対極にあるもので、その延長には「優しさ」や「思いやり」があると僕は考えている。   「誰かに優しくしてもらったから、また別の誰かに優しくしよう」みたいなことが続けばいいなと思っている。   愛情を他者に与えることは一筋縄ではいかなくて、良いと思ってるものや、好きな人には簡単に与えることができるけれど、生きていればどうしたって相容れない人がいて、そういう人たちに愛情を向けるのは容易じゃない。   そんな時、僕はいつも思うようにしていることがある。どんなに分かり合えない人でも“その人を大切に思う人がどこかにいるかもしれない”と思えば、なんだか憎むことはできなくて、嫌いにはなれない。   “相容れないやつにも優しくあろうとする意味”を紐解いていくと、「みんなが幸せになれる」みたいなところに繋がっていく気がしているから、別に好きにならなくてもいいけど嫌いにはならないでおこうと思える。自分を幸せにしたければ周りを幸せにできないとね。   うだうだ書き連ねたけど、この度、reGretGirlが最高のアルバムをリリースしました。 普遍的でもあり具体的でもあり、シンプルだけど自分らしさを忘れないように等身大で愛を表現したので、是非このアルバムを愛してやってください。   <reGretGirl・平部雅洋> ◆Major 3rd Full Album『LOVERS』 2025年6月11日発売 https://rgg.lnk.to/lovers ・通常盤 ¥3,300 (税込) ・コロムビアミュージックショップ限定盤 (限定タオル付き)  ¥4,500(税込) <収録曲> 1. ハンワライナー 2. 純ラブ 3. ブルーアワー 4. エバーソング 5. 知らんけど 6. ロスタイム 7. 陽のあたる言葉 8. オレンジ 9. オトナビゲーション 10. 摩訶不思議ヒステリー 11. 帰り道 特設サイトはこちら▼ https://columbia.jp/regretgirl/ ◆ライブ情報 <reGretGirl presents ONEMAN TOUR 2025"for LOVERS> 2025年6月19日(木) 千葉LOOK OPEN 18:30/START 19:00 2025年6月22日(日) 水戸LIGHT HOUSE OPEN 17:30/START 18:00 2025年6月29日(日) 奈良EVANS CASTLE HALL OPEN 17:15/START 18:00 2025年7月5日(土) 広島LIVE VANQUISH OPEN 18:00/START 18:30 2025年7月6日(日) 岡山YEBISU YA PRO OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月11日(金) F.A.D YOKOHAMA OPEN 18:30/START 19:00 2025年7月13日(日) 前橋DYVER OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月26日(土) 浜松窓枠 OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月2日(土) 京都MUSE OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月3日(日) 神戸太陽と虎 OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月8日(金) 松本ALECX   OPEN 18:30/START 19:00 2025年8月9日(土) 富山SOUL POWER OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月11日(祝月) 岐阜CLUB-G OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月16日(土) 仙台Rensa OPEN 17:45/START 18:30 2025年8月17日(日) 郡山HIP SHOT JAPAN OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月30日(土) 福岡DRUM LOGOS OPEN 17:00/START 17:45 2025年8月31日(日) 鹿児島SR HALL OPEN 17:00/START 17:30 2025年9月20日(土) 函館 club COCOA OPEN 18:00/START 18:30 2025年9月22日(月) 札幌PENNY LANE24 OPEN 18:15/START 19:00 2025年9月27日(土) 金沢EIGHT HALL OPEN 17:45/START 18:30 2025年10月3日(金) 高松DiME OPEN 18:30/START 19:00 2025年10月4日(土) 松山サロンキティ OPEN 18:00/START 18:30 <東名阪ホールワンマン編> 2025年11月7日(金) NHK大阪ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月21日(金) 岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月28日(金) LINE CUBE SHIBUYA OPEN 18:00 / START 19:00 詳細はこちら▼ https://www.regretgirl.com/news/detail/38674  

    2025/06/11

  • 音羽-otoha-
    あなたは完璧。
    あなたは完璧。

    音羽-otoha-

    あなたは完璧。

     2025年5月28日に“音羽-otoha-”がEP『sukimakaze』をリリースしました。今作には、TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』EDテーマ「pineapple tart」を含む全5曲が収録されております。さらに、7月10日より、第4期ファイナルシーズン第2クールがスタートするTVアニメ『Dr.STONE』のエンディングテーマとして音羽-otoha-が新曲「no man’s world」を書き下ろしたことも発表!    さて、今日のうたではそんな“音羽-otoha-”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け。第1弾は今作EP収録曲「 pineapple tart 」にまつわるお話です。ひとは誰しも後悔を経験し大人になっていくからこそ、大切にしたい、あの日のまっすぐな火花とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 何かが始まりそうな予感がするたびに、別れや終わりを想像してしまうようになったのはいつからだろうか。未完成な頃の僕らにとって、あの校庭は、果てのない冒険の地だった。昼下がりの教室の中で、季節が永遠に巡っていくような気がした。何もかもが新緑に光る雫のようで、その雫が目を離したほんの一瞬の隙に地面に落ちてしまうことを、僕らはまだ知らなかった。       あの日、ファインダー越しに弾けた火花のように、君は現れた。僕とは一挙一動違っているのに、放たれた言葉はまっすぐに胸の奥へすり抜けてきて、飴細工が砕けるみたいにぶち当たっては、ぴりぴりと広がった。甘酸っぱい雷のようなその味。とても忘れられない、忘れようがない感覚に、僕は初めて鏡でも見た猫のように警戒した。   その鏡の前から訳も分からず離れられないままでいた僕は、ようやくその違和感の正体に気付いた。きっと僕は単純に、その違和感がたまらなく面白く、どこまでも知りたいから、離れられないのだ。そう理解し、ようやくまっすぐな瞳でその姿を捉えようとした頃には、君はすでに届かないほど遠くへ立ち去ってしまっていた。僕は何もできないまま、新緑の庭で一人佇んでいた。   あの日の僕には、時間の流れが今とは違って見えていた。混ざり合った夢と現実が少しずつ分離されていくような。ぼんやりとした目覚めの中で君を探すような。そんな感覚だった。とっくに別れの匂いは漂っていたのに、無意識に蓋をしてしまっていたことを、僕は悔いた。そして同時に、僕らは完璧だったのだ、と呟いて、ふっと笑った。       何かを失い、尊び、また失う。そんな繰り返しの末に、僕らは大人になる。後悔のない人間なんてきっとこの世には存在せず、後悔を後悔だと認めない意地の強さを持った者や、後悔の末に辿り着いた今が正解であると自分なりに結論づける者がいるだけなのだと、最近なんとなく気付いた。   自分がどちらなのかということはさして重要ではない。ただ、今目の前に映っているすべてや、これから出会うすべてに対して、心を閉ざさずにいられたら。あのまっすぐな火花のようにいられたら。それだけで、今までの後悔も、新しい予感の中での不穏なざわめきも、いつか消えてくれるんじゃないだろうか。     パイナップルには「あなたは完璧」という花言葉があるらしい。僕はこのことを、大人になってから初めて知った。一生未完成なままの自分には全くそぐわない言葉だが、今この言葉を贈りたい誰かならいるかもしれない。あなたは完璧。あなたさえいれば、僕も完璧でいられる。そんな花束のような想いを。   あなたがその果実なら、僕は一体、何になれるだろうか。 僕はこの一瞬を、永遠に変えたいんだ。   <音羽-otoha-> ◆紹介曲「 pineapple tart 」 作詞:音羽-otoha- 作曲:音羽-otoha- ◆EP『sukimakaze』 2025年5月28日発売 <収録曲> ・pineapple tart ・ヒューマノイドラブ ・ほな、さいなら! ・かざぐるま ・pineapple tart -Instrumental-

    2025/06/10

  • なきごと
    何に歌詞を書くか
    何に歌詞を書くか

    なきごと

    何に歌詞を書くか

     2025年7月9日に“なきごと”がメジャーデビュー初となるEPをリリース! 発売に先駆けて、EPにも収録される新曲「たぶん、愛」を4月9日に先行配信リリースしました。新曲「たぶん、愛」は前作「愛才」と題材がリンクしている楽曲で、“大切な人と一緒に時間を過ごしすぎた心情”という恋愛要素もありながら、作家としての”モノをつくることに対する葛藤”を歌った楽曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“なきごと”の水上えみりによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、“歌詞を書く媒体について”のお話。活動のなかで自身が「デジタル期」に入ったことで変化した作曲・作詞面とは。そして、書く媒体の変化により気づいたことは…。 こんにちわ! こんばんわ! …おはようございます!   …どうも、どうも。 なきごとVo.gt 水上えみりです。   いやー…いつも挨拶迷うんですけど、 どうもどうも。って一番便利と見せかけて、 …変、かもしれませんね。 まだまだ模索は続きそうです。   さて、3ヶ月連続、全3本のコラム連載がはじまりました。   本日は2本目! 早くも折り返しです。   前回は、詞先、メロ先(僕えびせん!)みたいな話から GWの渋滞と歌詞についてのコラムを書きました。 あれってコラムだった??なんか、ほぼブログでしたよね。   今回はちゃんとコラムできるのか…! どうぞお付き合いください。   …そういえば、 歌詞のコラムだからこそ話したかった話がありまして。 …というのも、“歌詞を書く媒体について ”。   あ、改めまして、私水上えみりは、なきごとというバンドで、 作詞、作曲、ボーカル、ギター、お喋り、賑やかし、その他雑務 を務めさせていただいております。 なきごとを始める前からも音楽活動はしていたので、 もうかれこれ10年ちょっとくらいは バンドのフロントマンらしいことをしているようです。   もちろん成長過程で、 歌詞の書き方や、人への届き方、届け方、歌い方や、発声、喋り方など、 変わった部分もたくさんあります。   が、しかし、大きく変わったなと思うのは、 やはり作詞作曲の部分ですかね。   まずは、作曲について。   コロナ禍で活動が止まってしまった時に、 少しでも何かできないかと、模索したのがきっかけで、 はじめたDTM(デスクトップミュージック)。   要は、PCなどの機械を使って曲を作るようになったわけです。   元々はスタジオに入っている時にその場で、 「こんなドラム叩いて!」 「ベースこんな感じでひいて!」 「ギターはお好きに…!」 みたいな指示を出して、その場でせーので合わせて作っていました。   それが、簡易的でも自宅で一人でできるようになると まぁ、そりゃ制作形態が大きく変わりますよね。   少しずつDTMを勉強して、 現在は、アレンジャーさんとチームと データを介してディスカッションしながら楽曲を作るようになりました。   この方法が、色々と最終的には楽なようです。   そして、作詞について。   これは自分でもよくやっていたな、と思うのですが、 元々はノートに手書き派でした。   実は私、文房具とか教材とかをみるとすごくワクワクするんですよね。 新しいノートを開いた時の最初の折り目をつける感触とか、 ふっと香る真新しい紙の匂いとか、 あと、付箋とか、色ペンとか、機能性の高い文具とか。   勉強をするという行為自体は結構好きだったんですよね。 こう見えて。   ほいでほいで、 学校で使っていたノートの反対のページから 歌詞を書いていたりして(授業中に) それを忘れてノート提出の時にドキドキしたのも 今となってはいい思い出ですね。   なので、その流れもあって歌詞はノートに手書きで書いていました。   なきごとの作品でいうと、「sasayaki」や「パトローネの内側で」 くらいまではノートに歌詞を書いていたと思います。    ただ、ノートだと、不便なことがありまして。 …持ってくるのを忘れると歌詞が何もわからない!!   そして、 みんなに共有する時にいちいち文字起こしをしなきゃいけないのが 当時は、二度手間になっているな…と思っていました。   そんなこんなで、利便性が大きな理由で 携帯のメモに移行することとなりました。   やっぱり書く媒体によっての変化を一番感じたのは、 漢字が増えたこと、ですかね。   ノート時代は殴り書きのようにグワァァァと書いていたので、 ひらがなが多かったのですが、 デジタル期に入って勝手に視界に変換された漢字が入ることによって …サブリミナル効果ってやつですかね? 漢字で書こう!と潜在的に刷り込まれていったのだと思います。 この頃から、当て字も使いやすくなったんだろうなぁと、見てとれます。   みなさん、よかったら、ぜひなきごとの初期の頃の曲たちと、 数年前の曲たちの歌詞を見比べて欲しいです。   ノート時代は、「Oyasumi Tokyo」や、「のらりくらり」がおすすめで、 デジタル期でいうと、「ハレモノ」や、「不幸維持法改定案」がおすすめです。   曲調が違うのはありますが、かなり差を感じて面白いのではないかと思います。   そして、ここ近年、この差に気付いてからは、 意図的に漢字で遊びすぎないことを意識しています…笑 なので新譜の歌詞も、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。   ちなみに、スマホで打つと、口語文っぽくなりがちだったり、 PCだと言葉のイメージが硬くなったり、2Dっぽくなりがちだなぁ、 とかそういったところも感じています。   こういう曲をつくりたい、に合わせて うまく使い分けたりもします。 面白いですよね。   やっぱ、実際に書く手紙とLINEだと届く印象が違かったりしますからね。   そういえば、小学生の文通友達がいるのですが、 ちょうど今日お返事が届いて、 名前が漢字になっていたのを見て成長を感じました。   きっと学校で名前の漢字を習ったんだろうな、と思うと同時に、 この手紙にどれだけの時間をかけて書いてくれたんだろう?とか、 色ペンお気に入りの使ってるのかな、とか、 このシールはたくさん使ってもいいやつだからいっぱい貼ってあるのかな、とか、 こっちのは大切にしているやつを貼ってくれたのかな、とか。   ファンレターにも同じことを私は感じます。 気持ち、しっかり届いてます。   音楽も、言葉も、気持ちも、 もちろん“何を届けるか”が大切ですが、 その間の“何で届けるか”も、 とても大切な要素だと、水上は思います。   <なきごと・水上えみり>

    2025/06/09

  • SIX LOUNGE
    どん底より胸いっぱいの愛を!
    どん底より胸いっぱいの愛を!

    SIX LOUNGE

    どん底より胸いっぱいの愛を!

     2025年5月28日に“SIX LOUNGE”が新EP『more than love』をリリースしました。6月からは同EPを引っ提げた全国6都市をまわるツアー『SIX LOUNGE “Do You Love Me?” TOUR』も始まり、最終日にはバンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを予定。ぜひ、こちらも併せてチェックを!    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 どん底 」にまつわるお話です。今、どん底にいる大切なあなたへ、このどん底から伝えたい想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ずっと一緒にいれば、ぶつかることも増える 仲がいいほど嫌なところも知ってしまう   ぶつかってしまえ   嫌いになれば良い   喧嘩して、離れて、もう二度と関わらないと言ってしまえ。   残った傷あとを誰かで埋めようとして、 でもどうにもならないなら、   ごめんねって。   照れくさいけど言えたら ご褒美として 少しだけ高い焼肉に行っていいでしょう   日々鍛錬、鍛錬、鍛錬、   失敗して反省   また失敗して、病んで、泣いて、吐いて、病んで   雨が嫌いじゃないのはたぶん、素直に泣けるから。   予報外れの雨は慣れっこなので、 私は黙って傘をさします。   かまわないよ、   いずれ虹ができる その輝きが好きです   わがままなその笑顔が好きです。   だから雨なんてなんぼでも降らせてください   寂しくなったら名前を呼んでください   ねえ   知ってる?   四六時中あなたに振り回されてる人がいること。   幸せだね、愛されてるね、   知らなくても別にかまわないよ   好きに生きてくれーー   自分の事だけで精一杯ですって 言っていいから   誰かのために生きないでいいから   好き放題やってくれーー   失敗した時は、傘持って迎えに行くから。     うける意味わかんないんだけど、って   それでいいです     圧倒的にイタい人間でありたい     私は私のために言葉を呼吸させたい     あー、ごめん、あまり期待しないでください     どん底より胸いっぱいの愛を込めて   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 どん底 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆新EP『more than love』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01 天才になって 02 どん底 03 You&I 04 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 05 グロいラブソング

    2025/06/06

  • 松田今宵
    霞
    霞

    松田今宵

    霞

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第2弾は収録曲「 霞 」にまつわるお話です。自身の心がどこか3月で止まったままになっている、その理由は…。なかったことにできない恋をぼんやりと抱え続けているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 これは、失恋の話ではない。 それよりも、もっと曖昧で、やっかいな話だ。   *   だいぶ陽も延びてきて、太陽が少し西に傾いてから、「夕方」の時間が長くなったように思える。   4限の授業を終えて、バイトへ向かう電車の中、 左耳をドアに張り付けるようにして、電車の一挙手一投足に身体を無駄に揺らされながら ぼんやりと外を眺めていた。   (ずいぶん、あったかくなったな)     わたしは、ある一人の先輩が好きだった。   でも彼には彼女がいた。 だけど時々わたしとも遊んでくれるし、飲みにもつれてってくれた。 自由で気さくな性格が好きだった。   彼のことを好きだった冬という季節は、思い出せば長く、それでもあっという間に時は流れて、やがて先輩は卒業した。     卒業したって、また遊びに誘おうと思っていた。 卒業式の日、また次の約束をしようと思っていた。   だけど、先輩たちが卒業するその日 わたしは、彼が地方配属になったと別の先輩から聞いた。 わたしにはそれまで知らされてなかったのだ。   別にショックじゃない。 だって別に彼女じゃないし、悲しがるのだって、迷惑だ。 彼にとってはちょっとだけ仲のいい、一後輩に過ぎなかったのだ。   一後輩は一後輩らしく、笑顔で送り出さなきゃ。   「先輩○○県に、行くんですね!」 「おう!いや~さみしくなるね。」 「また東京に帰ってきたら遊びましょね!」 「おう!」   嘘つけ。全然寂しくなさそうに、そんなこと言わないでほしいよ。 って、わたしが勝手に期待してただけなんだけど。     泣きたい気もしたが、わたしは泣かなかった。   泣くのはお門違いと思った。       今頃、彼は仕事を頑張っているんだろうか。   わたしはきっと、学生気分なんだろう。 そりゃそうだ。だってまだ学生だし。   でもでも、彼からみたらわたしは、無垢で世間知らずで、女としての魅力がなく、 本当にただの友達… いや、もしかしたら、ただの暇つぶしだったのかもしれない。 本当のところは、わからないけど、 とにかくわたしは子どもだったんだろうな、と思う。     思ったより悲しくないことも、 彼が、頻繁に会いに行けるような場所にはいないことも、 もてあそばれていたかもしれないことも、 それらすべてが、ただなんとなく、 虚しさという、感情のヴェールを被って、まとわりついていた。     別に失恋したわけじゃないし、大げさに悲しむこともできない。 勇気がないので、追いかけることも、思いを伝えることもできない。 そして全部なかったことにもできない…。 でも何か、わたしが少しでも動いたら。この感情が、少しでも何かに傾いたら、 わたしはきっと立っていられなくなるだろうと思った。 だからこのまま、時間が解決してくれるのを待つしかないのだ。たぶん。     何色にも染まれないわたしは、 季節の変わり目のだるさを抱えながら、電車に揺られている。   まるで、空にありながら、晴れにも曇りにも、夕焼けにも染まれない、 ただそこに浮かんでいるだけの、春霞のよう。   お前も季節の変わり目で、動けないんだろう。     今日はバイトに新しい子がはいってくるらしいから、わたしが教えなきゃ。   “新しい子”   きっと先輩も、わたしの知らない、誰かの“新しい子”として 誰かに何かを教わっているんだろうな。     なんだかわたしだけが、ずっと3月にいるような気がする。     …霞よ、お前もか。 <松田今宵> ◆紹介曲「 霞 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵 ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/06/05

  • 五十嵐ハル
    蛍
    蛍

    五十嵐ハル

    蛍

    2025年6月4日に“五十嵐ハル”が新曲「蛍」をリリースしました。今日のうたではそんな“五十嵐ハル”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 蛍 」にまつわるお話です。求愛行動のため、夜に光る蛍。蛍と人間の恋の共通点とは…。今、報われない恋をしているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 蛍が夜に光るのは、求愛行動のためらしい。 昼間はろくに目立てず見られもしない、夜の闇の中だからこそあの淡い光が恋のサインとして機能する。   ふと、人間も同じだと思った。   都合良い曖昧な関係と分かっていながら夜には光ってアピールをして。 「今日こそちゃんと見てもらえるかも」なんて期待しても、夜にしか価値を見出してもらえない。 朝が来たらまた、見つかることもなく夜を待つだけだ。   自分でバカなことをしてると分かってるのにやめられないのは何故なのだろうか。 いくら考えても分からないなら、いっそ夏のせいにしてもいい気がする。 「かいた汗も流せるし」なんて精一杯の理由で言い聞かせて、だらだら続けても仕方ないのではないか。 それほどまで理性じゃどうにもならない気持ちが、確かに存在する。   蛍の寿命は短いとされている。 その短い寿命の内くらい、好きに光ってもいいじゃないかと思う。   恋人じゃない。だけど、ただの友達でもない。 その間にある、名前のつかない関係。 見返りを求めない愛は、強さなんかじゃない。 ただ、そうしないと自分が壊れてしまうだけ。 平気なフリばかり慣れてきて、大した興味もないようなフリが上手になった。   この関係は醜いものだろうか。 もしくは関係が終われば醜く変化するのだろうか。 自分の気持ちを確かめるたびに悲しくなる、報われない恋に意味はないのだろうか。   答えのない愛とともに生きている、そんな曲。   <五十嵐ハル> ◆紹介曲「 蛍 」 作詞:五十嵐ハル 作曲:五十嵐ハル

    2025/06/04

  • 鉄風東京
    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。
    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。

    鉄風東京

    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。

     2025年5月7日に“鉄風東京”が配信シングル「さみだれ」をリリースしました。すでにLIVEで披露されている同曲は、Vo.大黒の憂いを帯びた感情を吐露するような歌い出しからドラマチックに展開。そして<あなたとなら壊れてもいいと思えた>というサビのフレーズが印象的なミドルナンバーとなっております。    今日のうたではそんな“鉄風東京”の大黒崚吾による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 さみだれ 」にまつわるお話です。雨が降ると気が沈む。この時代のことを考えるともっと沈む。そこで今、自身が必要だと思う音楽は…。 雨が降るといつも気が沈む 服が濡れたり頭が痛くなったり用事がなくなったり 5月になると梅雨に入る、夏が大好きな自分からしたら、「そんなのいいから早く夏来いや!」の部分でしかなかった   ネットでは ずっと誰かと誰かが喧嘩しあってそれにみんな“いいね”をつけあってた 全くもって具合の悪い時代になったもんだなぁとおもう   大きな声で曲がった正義を歌う人   冷笑しながら誰かを馬鹿にしてる人   もう飽き飽きしてる、ただでさえ雨が降るこの時期に全くもって気が滅入る バイトすら受からず生活の足取りも重い   こんな時代にどんな音楽があればいいのだろうと考えることが多くなった 自分が学生の頃は、ただただ憧れが輝いてる姿を見て、尊敬して熱狂して自分を重ねていた   心はずっとライブハウスのフロアにあって なりたい自分になんてよくわからないままで ただ大事な人と酒を組み交わせれば十分だなってままで   そう考えると鉄風東京を好きでいてくれてる人たちにもきっと自分と似ているところがあって共感する楽しいことや悲しいことがあるのか、と今になって腑に落ちた   僕らの幸せや悲しみは目の前にあって、ネットのいざこざの中には僕らの心の余白に入るべき話などひとっっっつもないのだ   ただただ、それだけだと思う お互いめんどくさい時代に生きたもんだなぁとも思う どうせどの時代でもそうだと思うんだけど   大事なものはずっと目の前にある 誰かの悪意にいらつくよりも雨で気が滅入ってるなんてことのほうがよっぽど人間だなって思い始めた   そんなことを考えて「さみだれ」と言う曲を書いた 自分の生活の中に自分の心の起伏は完成されていて、悲しいも嬉しいもすべて自分のものでいいんだって思いながら書いた曲   たいして悪くない体調でライブをキャンセルして希少性を上げる奴らより 喋ったこともない人の写真を使って音楽の楽しみ方わかってないとか言う奴らより   僕らは目の前の幸せと悲しみで十分なんだ 雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ この音楽を このバンドを   <鉄風東京・大黒崚吾> ◆紹介曲「 さみだれ 」 作詞:大黒崚吾 作曲:大黒崚吾 

    2025/06/03

  • Dannie May
    レアライフ
    レアライフ

    Dannie May

    レアライフ

     2025年5月28日に“Dannie May”が配信シングル「色欲」をリリースしました。七つの大罪の一つとして知られる、色欲。男女の“お互いに都合のいい関係”をテーマに制作され、人間の持つえぐみをDannie May独特のエキゾチックな雰囲気で現代風に落とし込んだ本楽曲。持ち味であるボカロ×ネットロックの曲調に、初めて取り入れた生のブラスが艶やかさとヒリつきを生み出す、新感覚ミュージックとなっております。    さて、今日のうたではそんな“Dannie May”のマサ(Vo&Gt)による歌詞エッセイを2カ月連続でお届け。第1弾は、今年2月にリリースされた楽曲「 レアライフ 」にまつわるお話です。ある日のライブ終わりにもらった一通の手紙。そこにしたためられていた思いとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 対バンという形式のライブに出る時、時間が許せば物販に出るようにしている。 もちろん撤収が遅れてライブハウスや共演者に迷惑がかからない範囲で、とは思うのだが、僕たちの音楽を愛してくれてる人と直接話すのは励みになるし、ライブやSNSとはまた違った形で繋がれるのは楽しい。   何度目ましてかで友達のように話していたとしても、緊張して上手く話せなかったとしても、等しく愛情を伝えて貰えるのはとても嬉しいことだ。   そこで差し入れを頂いたりもするのだが、中には直接お手紙を渡してくれる方もいる。   ある日のライブ終わり、自分の母親と同じくらいのある女性から一通お手紙を頂いた。お話を聞くに、普段ライブに来てくれているファンの男の子のお母様だった。 「今日は体調不良で本人はライブに来れなくて。でもライブ、とても楽しかったです」と、お褒めの言葉とお手紙を頂きつつ、帰ったら読もうと思い上着の懐にしまった。   大体ライブの日は撤収を終え家に着く頃には24時を回ることが多い。この日も同じだった。 持ち帰った機材や差し入れを整理して疲れた体をシャワーでほぐし、眠る準備もあらかた済んだ頃、あの手紙のことを思い出した。   上着のポケットを探り、封筒から便箋を取り出す。3枚の便箋にしたためられていたのは、彼と僕らの出会い。彼の生まれながらの境遇。そして彼と僕らが出会ったことでのお母様から見た彼の変化だった。   詳細は個人的な事なので伏せるが、まとめるとこのような内容だった。   生まれながらの持病を持っていて、社会人になった今でも戦いながら懸命に生きているということ。 青年として経験するには辛い出会いと別れがあったこと。 僕たちと出会って彼の世界が少し明るくなったこと。そんな事が本当に暖かい言葉でしたためられていた。   胸がいっぱいになった。 音楽をやっていて良かったと思ったしもっと続けていこうと思った。   自分の部屋で色んなものをこねくり回しながら作った音楽が誰かの助けになっていて、自分の音楽が「存在してて良いんだよ」と言われた気がして、きっと彼と同じくらいに僕も救われた。   お手紙に返事が書きたくて、でも音楽で返したくてこの曲を作ろうと決めた。   ―――   満点ばっかじゃつまらない 恥かいてるくらいが丁度良いのさ たまに躓き たまに迷い 不恰好な程胸躍る 未完成な方がおもしろい 汗かいてる君は輝いてるんだ 雨のち晴れさ歩いてゆこう 心の向く方へ   ―――   どうしようもないような不条理も憂いも、1人で受け止めるしかない時がある。 人に相談する気力も起きなくてただただ砂嵐のような日々を耐え抜くだけで精一杯の日もある。   だけどきっとそういう人のために僕たちの音楽はある。 言葉だけでは到底信じられないようなエールも、音に載せれば途端に魔法に変わることがある。     彼がこれからもその強さを持ち続けられますように。もし不安な日があったとしたらこの曲がその日だけでも糧になりますように。     僕からの最大限のエールをこめて。 出会ってくれた感謝をこめて。   <Dannie May・マサ> ◆紹介曲「 レアライフ 」 作詞:マサ 作曲:マサ  

    2025/06/02

  • 関取花
    会いたくて
    会いたくて

    関取花

    会いたくて

     2025年5月7日に“関取花”がニューアルバム『わるくない』をリリースしました。今年2月に独立を発表した彼女が自身のレーベルより発表する第一弾目のアルバム。全7曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“関取花”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は収録曲「 会いたくて 」にまつわるお話です。スマホのメモ帳に残っていたワンフレーズ。自身が音楽を続けてきた理由とは。そして、続けてきた先に在ったものは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 生きていると、自分はこの人やこの景色、この瞬間のためにここまでいろんな道を歩いてきたんだなと思う時がたまにある。遠回りをしながら、つまずきながら、何度も諦めそうになりながら、それでもいつか何かに誰かに会えると信じて、歩いてきたのだなと。   生まれた時からそばにいてくれた家族というものに始まり、友人、恋人、仕事、環境、感情と、人は様々なものと出会い、そして別れ、また何かを探しに旅に出てを繰り返して生きていく。   30歳を過ぎた頃あたりから、自分の中でなんというか出会えるべき人たちに出会えているという感覚になることが増えた。20代で膨れ上がった人脈やガッツもいい意味で落ち着いてきて、「結局自分は何を選びたいのか」というところと向き合うようになったのがそのあたりだったのだと思う。   スマホのメモ帳に、「たった一人の恋人と 片手で足りる友達と」というメモ書きを残していたのもその頃だった。べつに歌詞にするために書いたわけではなく、ただなんとなくふと残したものだった。ちなみに私は普段からこういうのをメモするタイプではない。メモしたとしても大体忘れてしまうのだが、なぜかこのワードだけはずっと頭に残っていた。   「会いたくて」という曲を書いたのは1年半くらい前だった気がする。思い出したようにギターを手に取ったある日、「たった一人の恋人と 片手で足りる友達と」のところにメロディーがついた状態でいきなり口から出てきたのだから驚いた。ああ、この瞬間に出会うために音楽を続けてきたんだな、あの時メモを残したんだな、と思った。   大切な人やものに出会えた時、私は同時に自分自身にも出会えていると感じる。自分が心から尊敬し愛せる人やものに出会い、相手も同じように自分のことを思ってくれていたとしたら、これまでの自分が歩んできた道はきっと間違いではなかったと思える。過去の大嫌いだった自分もやるせない日々もやっと肯定してあげられる時がくる。その時、私はやっと私に出会えたと感じる。今の私に出会うために、これまでのすべての自分は必要不可欠だったのだと。   私は私に会いたくて、音楽をずっと続けてきた。その道中で、たくさんの人やものに出会うことができた。会いたくて、会いたくてと手探りで続けてきたその先にいたのは、「わるくない」と思える自分自身だった。   <関取花> ◆紹介曲「 会いたくて 」 作詞:関取花 作曲:関取花 ◆ニューアルバム『わるくない』 2025年5月7日発売   <収録曲> 1.わるくない 2.VRぼく 3.いつかね 4.空飛ぶリリー 5.安心したい 6.二十歳の君よ 7.会いたくて

    2025/05/30

  • 松田今宵
    記憶捏造計画
    記憶捏造計画

    松田今宵

    記憶捏造計画

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第1弾は収録曲「 記憶捏造計画 」にまつわるお話です。ひとりの女の子の、恥ずかしい記憶。今でも思い出してしまう、情けない青春のワンシーンとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! これは、ひとりの女の子の、とても恥ずかしい記憶の話だ。     *     思い出したくない記憶がある。     だけど、思い出したくないと強く思っているほど、そいつは顔を出す。   これは、わたしの、そんな恥ずかしい記憶。     その人は、斜めまえの席だった。 授業中、先生の独り語りを子守歌に、気持ちよさそうに寝ていた。 穏やかに上下する背中が、どんな夢を見ているのかと、わたしに想像させた。   その温かな呼吸を見ていて、ふと、その姿を記録しておきたいと思った。 ノートにシャーペンで しゃっ、しゃっ、しゃっ、と画家にでもなった気分で、その人の姿を描いた。   別に絵はうまくない。むしろ下手。 だけど、出来上がった“わたしの好きな人”は、なんとも愛しかった。     「…見せたい」     そう思ってしまった。   気づいてほしかったのだ。わたしの気持ちに。 今だって、わたしが思いを寄せていることなんて気づかずに、のんきに寝息を立てている。 (授業中だというのに!!)     「ねぇこれ、誰だと思う?」   休み時間、気づいたら、 わたしは彼にこんなことを言っていた。   瞬間、心臓が飛び跳ねるように激しく波打った。顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。 なんて恥ずかしい。   「? わかんない」   ですよね。下手ですもん。   恥ずかしい。恥ずかしい。今すぐこの場から逃げたい。 だけど、受けた質問には答えないといけない…という、変な正義感がギリギリ勝ち、   「まっちゃん」   「…?」   数秒の沈黙でこの世界が終わったと思った。   恥ずかしさに耐えられず、わたしは、かなりキモい笑い方をしてたと思う。     ― 結局、冴えないわたしは、はっきりと伝えられないまま、 その、小さな、情けない、片思いの幕は閉じた。       わたしは、今でもたまに、この無様な青春を思い出しては、うなだれている。   いやいや、このような青い記憶は経験だ!むしろ勲章である!!  と自分に言い聞かせてみたこともある。    いやはや、やっぱ無理だ。恥ずかしくてたまらない。    そんな情けない行ったり来たりをしながらも、 ひとつだけ、決意したことがある。      この恥ずかしさは、墓場まで持っていこう。 誇れるものではないかもしれないけど 恥なら恥のまま、それでいいじゃないか。   だからわたしは、忘れられなかったこの記憶を、 歌にすることにしました。   「 記憶捏造計画 」というタイトルで。   *   …まぁ、それでもやっぱり、恥ずかしいですけどね。   <松田今宵> ◆紹介曲「 記憶捏造計画 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵 ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/05/29

  • サイダーガール
    CIDER + UTOPIA
    CIDER + UTOPIA

    サイダーガール

    CIDER + UTOPIA

     2025年5月28日に“サイダーガール”が5th FULL ALBUM『CIDERPIA』をリリースしました。従来の炭酸系サウンドは感じられつつも、一度離れたメンバーたちが再度集まり、今までの“爽やか”なイメージという一言では伝えきれない厚みや温もりさえ感じられる、一皮も二皮も向けた作品となっております。    さて、今日のうたではそんな“サイダーガール”の知による歌詞エッセイを3日連続でお届け! 今回が最終回です。できるだけ目立ちたくない。その思いが音楽にも反映されてしまった時期を越えて、新たに放つアルバム『CIDERPIA』で表現したものは…。ぜひ今作と併せて、エッセイを受け取ってください。 僕もメンバーも、出来ればそんな目立ちたくないと日頃話しており、じゃあなんで音楽やって人前立ってんねんと思う方も居ると思うけど、音楽が好きだしバンドを続けられたから。ただそれだけなので、目立ちたくない思いと相反するわけではない。   音楽で自己表現をする上ではそりゃあ目立ちたいのですが、普段の立ち振る舞いの話なのである。 万年暗いねと言われるような性格だけど、暗いわけじゃなくて、落ち着いているだけだと思う。 世間から少し逸れただけで、居ないものとされるけど、そこにも自分は居ると思いたい。     誰かが群れを作っているのを見ると妬み嫉みに襲われてしまうし、常日頃、孤独を抱えて生きている。自分のことを分かってもらいたいから、曲を作り、言葉を綴る。 顔出しをしていない僕らが何者なのか、どうやって生きているのか、何を考えているのか、漠然としていると思うけど、音楽を通してみれば、そこには一人の人間が居る。それを分かってもらいたい。エゴなのだけど。     昔、地方へ遠征する時に、両手に抱えた機材とキャリーケースを持って空港へ向かう電車へ乗り込んだら、満員電車で誰も乗り口を譲ってくれなくて、乗れなかったことがある。 そりゃ、邪魔だよな。こんな何人分にもなるような荷物を持ったまま電車に乗るなんて迷惑だよな。 ごめんなさい、ただそれだけ伝えて少しでも空いている電車を駅のホームで待った。     人より目立ちたくないから、帽子は深く被るし、上下無地の黒の服を着るようになったし、出来るだけ人であろうとした。 どうしても音楽ではそれはしたくなかった。けど、少し負けちゃって流行りものとか、分かりやすい言葉を並べて、不特定多数の“みんな”が共感してくれるナニカを目指していた。 それは、誰にも届かない言葉として、壁に投げつける音楽もどきとして僕は感じてしまった。     だからこそ、音楽を再開した僕は、自分が好きでいられる作品を作り続けた。 その集合体が『CIDERPIA』である。   心の泥を曝け出すことも、思い出を振り返ることも、ただなんとなく過ごした日常も、誰かの背中を押したいと願ったことも全て、僕自身だった。 そして、これが僕自身であり、サイダーガールとして表現する一つの桃源郷である。 だから、CIDER + UTOPIAからなる造語の『CIDERPIA』というタイトルになった。 この作品を通して、サイダーガールというバンドを色んな角度で解釈してもらえたら嬉しい。 少しでも僕の人生が其処に在ると感じてもらいたい。 あなたの背中を押せる作品になっていれば、何よりも幸せである。     これは壮大な自分語りなのだ、と思っている。   <サイダーガール・知>   ◆5th FULL ALBUM『CIDERPIA』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01.栞 02.Choose!!! 03.生きルンです 04.ヒナ 05.透明 06.火鍋 07.HELLO 08.wagon 09.夜に揺られて 10.わすれもの

    2025/05/28

  • サイダーガール
    悲しみを鍋でコトコトに煮込んで
    悲しみを鍋でコトコトに煮込んで

    サイダーガール

    悲しみを鍋でコトコトに煮込んで

     2025年5月28日に“サイダーガール”が5th FULL ALBUM『CIDERPIA』をリリースしました。従来の炭酸系サウンドは感じられつつも、一度離れたメンバーたちが再度集まり、今までの“爽やか”なイメージという一言では伝えきれない厚みや温もりさえ感じられる、一皮も二皮も向けた作品となっております。    さて、今日のうたではそんな“サイダーガール”の知による歌詞エッセイを3日連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 火鍋 」にまつわるお話です。飲み会で他者に気を遣いすぎて楽しみ切れなかったり、逆に気を遣われることにまた気を遣ってしまったりするあなたへ…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 飲み会って脳みそ溶けちゃうくらい楽しいのに、物凄く面倒臭いし煩わしいなと思う時がある。 すごく都合が良い話をすると、自分が行きたい時は楽しくて行きたくない時は楽しくない、ただそれだけなのだと思う。   それは逆の目線もあって、僕だけが楽しんでて周りは楽しくないのに、無理やり付き合わせてるとか悪い想像ばかり考えてしまって。そうなると、飲み会って何のために存在しているんだろうとすごく悲しくなってしまったりもする。日本人らしいのかしら。   じゃあ学生の時は何して遊んでたんだろうと思ったけど、大体の休みのタイミングは学生の頃に組んでいたコピーバンドの面子と一緒に居たなァ。僕が殆ど連絡を断っているのに元気でやってるかな、なんて思うのもすごく失礼な話なのに、歳を取ると旧友は何をしているか気にしてしまう。     他人の頭の中を想像する行為は不毛だと常々感じている。大抵は悪い方向で物事を捉えてしまうから。 自分が思ってもいないことを勝手に想像されたりもする。伝え方が下手なだけで、そんなことないよと思うけど、そんなことないよ、すらまともに伝えられない。   「同じ釜の飯を食う」という慣用句があるけど、友人の友人を紹介してもらう時に初対面なのに、しゃぶしゃぶ食べに行きましょう!と提案してしまって、すごく気まずい空気が流れたことがある。 結局、僕は人の目ばかり気にして生きてきたせいで、出来る限り平均点を取れるように行動するようになった。いや、じゃあしゃぶしゃぶ誘うなよ…。     「火鍋」という曲は、そんな僕の悲しみを鍋でコトコトに煮込んだ歌詞だと思う。 大人数での飲み会で、誰か喋れてない人居ないかなとか、飲み物足りてるかなとか考えてる内に鍋の中の肉がごっそり無くなっていたり。エ~~~これ参加費払ってるのに元取れてないよ~と思いながらも、みんなが楽しんでるならそれで良いか、と自分が楽しむことを心の奥に閉じ込めて過ごしたりする。だけど、それを察した人が逆に気を遣って気まずくなったり、ア~~~もう面倒臭いです!   それに、後輩とかお金をあんまり持ってこない人と飲みに行くとご飯奢っちゃうんだよォ…。無い身銭を切って奢ることにすら自分の是非を考えてしまう。どうしたらいいんだよォ。 気を遣ってもらえることは嬉しいんですけど、なんかスミマセン! って思いで溢れて帰り道メソメソしちゃうし。気を遣いすぎた飲み会の後はほぼほぼ高熱出して寝込むし。 もはや火鍋というより闇鍋状態だけど、僕のそんなみみっちい矮小な心の内を吐露している。   人間誰しも、言いづらい事を言えなかったりすると思うんだけど、そういう関係値だとあまり仲は深まらない。僕も壁を感じるとあまり近寄らなくなってしまうので、出来る限り壁は作らないようにと心がけてる。 気を遣って本音を言わないくらいなら嫌われてもいいと思って行動することが、誰かに好かれる要因なのかもなと最近は思うようにしてる。     こんな歌詞を書くと、誰もご飯に誘ってくれなくなりそうだけど、延々と愚痴のように歌詞にしたりしないので誘ってくださいね。 それではお手を拝借。   <サイダーガール・知> ◆紹介曲「 火鍋 」 作詞:知 作曲:知 ◆5th FULL ALBUM『CIDERPIA』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01.栞 02.Choose!!! 03.生きルンです 04.ヒナ 05.透明 06.火鍋 07.HELLO 08.wagon 09.夜に揺られて 10.わすれもの

    2025/05/27

  • サイダーガール
    壮大な自分語り
    壮大な自分語り

    サイダーガール

    壮大な自分語り

     2025年5月28日に“サイダーガール”が5th FULL ALBUM『CIDERPIA』をリリース! 従来の炭酸系サウンドは感じられつつも、一度離れたメンバーたちが再度集まり、今までの“爽やか”なイメージという一言では伝えきれない厚みや温もりさえ感じられる、一皮も二皮も向けた作品となっております。    さて、今日のうたではそんな“サイダーガール”の知による歌詞エッセイを3日連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作『CIDERPIA』に込めた想い。活動休止中に自身が考えていたこと。昔とは変わっていた音楽に対する意識とは…。 これは壮大な自分語りなのだ、と思っている。   5月28日、ニューアルバム『CIDERPIA』(読み方はサイドピア)をリリース致しました。サイダーガールGt.の知です。   一見爽やかなバンド名、清涼感の強い楽曲、耳にすっと馴染むボーカル。様々な要素で青年たちの集いと思われるかもしれませんが、全くそんな事はありません。 帰宅部、よく言えばほぼ活動しない部活の幽霊部員、根暗引きこもり、逆張り、インターネット育ちのひねくれ者集団だと自認しています。   そういう僕らでも集まれば同じ音楽を奏で、スタジオではくだらない話や下ネタで延々とゲラゲラ笑い、喜怒哀楽を共有しています。言わば、ヒエラルキーの下層部で土いじりをしているような人間が集まり(だがしかし他のメンバーは僕よりよっぽど人間として出来ている)、人生における第一の青春の時期を上手に過ごせなかった僕としては、第二の青春をひしひしと痛感しながら活動しているわけです。   だからこそ、このアルバムは自分のそんな人生の一部を切り取りお裾分けする気持ちで、誰かに届けばいいなと瓶に封じ海に流す手紙のような作品であると自負しています。 切り取るとは言え、アンパンマン程の慈悲深さを生憎自分は兼ね備えておらず、自己の心情吐露ではありますが、未来へ向かう岐路で迷っている人に寄り添える作品であったらいいなと思っております。   なのでいつか流れ着いたその時に、この文章を読み返していただけたらと思います。     今作は、全10曲入り。その内「Choose!!!」を除く9曲は僕が活動を再開してから楽曲を制作しました。     そう、僕は活動を休止していました。しかし先輩や知人にも「あ、そうだったんだ」としれっと流されるくらい緩やかにお休みを頂き、緩やかに只々生きていました。 勿論心中穏やかではなかったですし、バンドの事を忘れた日はありませんでしたし、ふと頭の中によぎる度に何かイケない事をしている気持ちにも苛まれていました。 音楽に人生の殆どを注いできた僕は、何も持っていない空っぽの人間になってしまったのです。   昔、実家で働きもせず引きこもっていた時期がありました。その時も何もやる気は出ず、一日中ゲームをして、たまに思い立って作曲でもやってみるかとmidiシーケンサーのソフトでポチポチと打ち込み、自宅で仕事をしている父の来客が来れば、自室を持っておらずリビングのPCを触っていた僕は迷惑にならないようにそっと物陰に隠れ身を潜めていました。   その時ポチポチと打ち込んだ音楽たちが、今もバンドの楽曲になっているものなどもあるのですが、当時はその音楽を聴いてくれる人は一人もおらず、作る人間もその音楽のファンである人間も僕ただ一人だけでした。     僕が作っていたものは、音楽もどきだった、と強く思ったのです。     誰もが知っていて、誰もに愛される、など他人由来で生まれるものが音楽なんじゃないかと。 大言壮語を吐いて必死で作っていたものも、誰にも届かなかったらそんなの音楽もどきじゃないかと。 僕がインターネットでボカロ曲を公開し、バンドを始めて誰かに自分の音楽もどきを聴かれるようになって、ようやく音楽として進化したんじゃないかと、思うのです。   自己満足の末に辿り着く理想も自分の中にはありますよ。だけど僕にとっては誰かに聴いてもらいたいという原体験が大切なんだと思います。 だからこそ、自分の音楽を愛してくれる人たちが直ぐ近くに居たのに、そこから目を背けてしまったから、イケない事をしている気持ちに繋がったんだと思います。 僕はもう一度バンドに戻る事になり、第二というよりはむしろ第三の青春を仲間たちと送らせてもらっています。     引きこもって一日中ゲームをしていた日々も、 ドキドキしながら自作の音楽をインターネットに公開した日も、 バンドでステージに上がって見えるみんなの顔も、 下ネタでゲラゲラ笑うスタジオも、     沢山の思い出が僕の人生という日記帳にいつの間にか栞として挟まっていたんだと思います。 僕が忘れてしまっていたものを取りに帰る時間に少しだけ、お付き合い下さい。   <サイダーガール・知> ◆5th FULL ALBUM『CIDERPIA』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01.栞 02.Choose!!! 03.生きルンです 04.ヒナ 05.透明 06.火鍋 07.HELLO 08.wagon 09.夜に揺られて 10.わすれもの

    2025/05/26

  • アヤハラヨウ
    Don't Look Back
    Don't Look Back

    アヤハラヨウ

    Don't Look Back

     2025年5月21日に“アヤハラヨウ”が新曲「ドラマソング」をリリースしました。したたかに、誰よりも強く日々を生きている人々に捧げる楽曲。深みのある優しくも力強い歌声と、誰の物でもない自分の人生(ドラマ)を自分らしく生きていくことの喜びを込めた1曲となっております。    今日のうたではそんな“アヤハラヨウ”による歌詞エッセイをお届け。この歌が生まれたのは、自身が高校生のとき。当時、どんな日々を過ごし、何を考え、何に悩んでいたのか。そして大人になった今、思うことは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 「ドラマソング」という曲は今から数年前、僕が高校生の頃に生まれた曲 そして、この話は僕が高校生の頃に遡るところから始まる。   -------------------------------------------   正方形の箱の中、全員が同じ方向を向いて座り、同じことに時間を費やす あの「教室」という場所を 当時の僕は牢獄の様に感じていた。   授業をサボって、保健室のベッドでエッチな空想に耽ることにも 屋上で「人生」について想いを馳せることにも飽きた挙句、 結局、教室という牢獄で科される「オトナ製造カリキュラム」を ただぼんやりと窓の向こうを眺めて、やり過ごしていた僕は、 夢の中に片足を突っ込みながら眺めていた、戦闘機のように滑空する鳥を やけに羨ましく感じたことを覚えている。   あの頃の僕は「自分らしさ」を見出すことに躍起になっていた。 “自分にしか出来ないこと” “自分が胸を張って誇れること” 周りは口を開けば、就職、進学、将来の話 それもある意味、僕のケツを叩いていたのかもしれない。   本当に色んなことをした。 小説を書いたり、絵を描いたり、興味はさほどなかったがスポーツもした 全ては“自分らしさ”を見つけるために。 その度に「お前には無理だ」と言われたし、 「もっと自分らしくさあ笑」なんて鼻で笑われた。   そんな刺々しい言葉たちをニコニコとした顔で聞き流しながら、 心の中では幾度となく中指を立てたものだった。   そんな“自分さがし”の毎日から、数年が経ち 僕は大人になり、音楽に出会った。 その音楽は誇れるモノとして胸の中で輝くようになった。   「あの日々は決して無駄なんかじゃなかった」 今では、本当に今だからこそ、 やっと、そう思えるようになった。   手のひらに収まる機械の中で全てが完結する時代、 それでも人生はまるでドラマのように 起承転結、忙しなく転がっていく。   時に涙を流し、誰かを愛し その愛は泡の様に消え、 眠れない夜を幾度となく過ごす。 そんなことを繰り返すうちに、本当に大切なものだけが手に残る。   そうして、いつかこの人生の最後のカットを 「ああ、楽しかった」と終えられることを 切に願いながら、 前を向いて、今日も生きていく。 僕も、貴方も   Fin.   <アヤハラヨウ> ◆紹介曲「 ドラマソング 」 作詞:アヤハラヨウ 作曲:アヤハラヨウ

    2025/05/23

  • 関取花
    いつかっていつだ
    いつかっていつだ

    関取花

    いつかっていつだ

     2025年5月7日に“関取花”がニューアルバム『わるくない』をリリースしました。今年2月に独立を発表した彼女が自身のレーベルより発表する第一弾目のアルバム。全7曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“関取花”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 いつかね 」にまつわるお話です。みなさんにも「いつか○○しよう」という誰かとの約束、自分との約束ありませんか? 関取花が今、その「いつか」に対して思うことは…。 「いつかあれしようね」「いつかあそこ行こうね」なんて言いながら、結局実現できなかったことはこれまで一体いくつあっただろう。   「守れない約束ならするな」と言ったり聞いたりすることがある。たしかに私もそうだと思う。特に何らかの責任が伴う場合において、守れないくせに口先だけで約束なんてするもんじゃないと思う。でも約束にはいくつか種類があるとは思っていて、守ることが大前提じゃない約束、みたいなものも世の中にはある気がしている。   例えば、私はとある友人といくつかの約束をしている。小さい頃に秘密基地を作っていた丘の上へ今度行こうとか、かつてのバイト先までの道を歩いてみようとか、ネットで見つけた変な店を見に行こうとか。日常の何気ない会話の中でそれらはふっと現れて、具体的にじゃあいつにするという話にはならずに大体は消えていく。   それはべつに適当に話していたわけでもなくて、もちろんお互い行きたくないわけでもなくて、なんならもちろん実現できれば嬉しい。でも実際にどうするかということ以上に、どちらかというと「また会うもんね」とか「私たちならどこに行っても楽しいよね」とか、そういう空気感をやんわり共有することが楽しくて、尊くて、そのやりとりを照れずに何も気にせずにできているということだけで、じゅうぶん満たされるものがあるのだと思う。言葉にはせずとも、「同じ気持ちだよね」という思いを交換できているような。   だからそういう約束は、個人的には必ずしも果たされなくてもいいのではないかと思う。(もちろん果たすことができたのならそんなに素晴らしいことはないが)なんなら、果たされないからこそ永遠に光り輝くものもある気がしている。   でも同時に、「いつか」と思うんだったらそれは今なんじゃないか、と思う自分もいる。単純に果たせないでいる約束という意味ではなく、物理的にその約束がもう果たせないという時が、生きていると必ずやってくる。それは例えば、誰かが死ぬ時。あるいはバンドが解散する時。アイドルがマイクを置く時かもしれない。その時私たちは、ようやく長い夢から覚める。永遠に光り輝いていると思っていたものは一夜にしてあっけなく幻になることを知る。遠い日々を思い出し、幾度となくあったチャンスを見逃してきたことを後悔したりする。   約束というのは難しい。多分正解なんてなくて、だからこそ契約書みたいなものが世の中にはあるのだとも思う。「いつかね」の「いつか」を具体的に設定し共通認識として置いておく。それがあるから「今だ!」という瞬間を見逃さずに行動に移せる部分はきっとあると思う。   契約の話で言うと、私は昨年の12月から所属していたレーベルと事務所を離れ、インディペンデントで活動している。レコード会社との契約も、事務所との契約も、特にない。だって私が所属しているレーベルの長は私だし、私をお世話しているのも私だからだ。   プレッシャーが少なく気楽でいられる反面、「いつかって、いつ?」とせっついてくれる人がいないのもなかなか考えものだなと思う今日この頃である。ともすれば、すべてのことを「いつかね」で流せてしまう状況というわけだ。「新曲作ります、いつかね」「バンドでライブやります、いつかね」「音楽辞めます、いつかね」もう、どれも自分次第でしかないのである。あらゆるタイミングに目を凝らしていないと、すべてを見逃してしまいかねない。でも私の体は一つだし、目は二つしかないし、一日は24時間しかない。ぼーっとしていたら、「いつか」はどんどん通り過ぎて行く。   でも不思議と焦りはない。「いつかっていつだ」という話に繋がってくるのだが、結論、それは神のみぞ知ると思うからだ。どんなに努力をして手繰り寄せた糸でもたった一つの偶然でちぎれる時はちぎれるし、何もしないでサボっていても、玄関まで勝手に「いつか」が歩いてくることだってある。だからあんまり身構えずに、毎日自分のできることを精一杯やって過ごすに尽きると今は思う。そうしたらいつかはそれなりの場所にちゃんと辿り着くんじゃないかな、と。それが思い描いていた「いつか」や「どこか」、「誰かと」じゃなかったとしても。   <関取花> ◆紹介曲「 いつかね 」 作詞:関取花 作曲:関取花 ◆ニューアルバム『わるくない』 2025年5月7日発売   <収録曲> 1.わるくない 2.VRぼく 3.いつかね 4.空飛ぶリリー 5.安心したい 6.二十歳の君よ 7.会いたくて

    2025/05/22

  • 愛内里菜
    過去と未来をつなぐ翼。
    過去と未来をつなぐ翼。

    愛内里菜

    過去と未来をつなぐ翼。

     2025年4月29日に“愛内里菜”が、25周年を記念した両A面シングル『手紙/Let me fly』をリリースしました。今回の両A面シングルは2形態での発売。2000年3月23日にデビュー、これまでリリースした全楽曲の作詞を手掛けてきた愛内里菜。現在も音楽活動をしながら、YouTubeなどでの配信活動も行っております。    さて、今日のうたではそんな“愛内里菜”による歌詞エッセイをお届け! 活動25年のなかで、音楽から離れた際、抱いた気持ちや気づき。そしてその時間を経て放つ新曲「手紙」と「Let me fly」への思いを綴っていただきました。ぜひ楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。 25年という時の流れ。 その途中、私は一度、歌うことを手放しました。 音楽の世界から離れ過ごした日々。 それでも心のどこかには、いつも“自分の歌”が生きていたように思います。   その道のりの中で私の歌を待っていてくれた人たちがいました。 声をかけてくれた人、手紙をくれた人、静かに見守ってくれた人。 そのひとつひとつが心の奥で優しく灯り続けています。   離れてみて改めて気づいたのは、 私はやっぱり、誰かの心に寄り添う歌を歌いたいということ。 そして時を超え、また歌を形にできたことが心から嬉しいです。   誰かを想いながら歩く人生は、どこまでも続く旅。 その旅の途中で迷ったとき、悲しみに立ち止まったとき、そっと差し出された言葉のぬくもりに救われた経験が私にもあります。   「手紙」は、あの頃から変わらず心に宿っている「ありがとう」を言葉にできたような一曲です。 あたたかい場所をくれたあなたへ。 迷いながらも歩いてきた道の途中で、そっと背中を押してくれた人たちへ。 1000の言葉を翼に変えて、大切な背中へと届けたい。 そんな想いをそっと綴りました。   「Let me fly」は、ゼロから走り出したあの日の情熱と、今の私を重ねて生まれた歌です。 想いを共にしてきたあなたと笑い合い、涙を流し、いくつもの物語を刻んできた。 そのすべてが力となって、今、新しい未来へと羽ばたく勇気をくれる。 一人では開けなかった扉も、あなたとなら越えていける。 そんな信頼や希望を弾けるようなビートに乗せて歌いました。   この2曲は、過去と未来をつなぐ翼。 あなたの心に寄り添いながら、そっと力を与えられる存在になれたら嬉しいです。   この先も、心の奥にある声を信じて大切に音と言葉を紡いでいきたいです。   読んでくれてありがとう。 この音が、あなたの旅路に光を灯しますように。   <愛内里菜> ◆両A面シングル『手紙/Let me fly』 2025年4月29日発売

    2025/05/21

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