自分の輪郭を描くこと

奥華子
自分の輪郭を描くこと
2026年7月22日に“奥華子”がデビュー20周年を記念するニューアルバム『会いたいと思えること』をリリース。今作は、約7年ぶりのオリジナルアルバム。CDには全12曲が収録され、完全限定豪華盤・初回盤・通常盤の3形態でのリリースとなります。 さて、今日のうたではそんな“奥華子”による歌詞エッセイを3日連続でお届けします。最終回は、自分の輪郭を描くことについてのお話です。“自分らしさとは何か”。そう問いかけ続けてきた先で、気づいた大切なことは…。 “自分らしさとは何か” 自分らしくとは、どんなことを指すのか。 人生のいろんな場面で自分自身に問いかけるけれど、なかなか正解を見つけにくい。 いつも綺麗な丸も四角も描けなくて、ガタガタの歪な形しか描けないでいた気がする。普通はこうじゃない、だから、自分はダメなんだと落ち込んだり、諦めたりしていた。 普通の形は綺麗な丸や四角だと決めつけていた。 普通の幸せとはどうゆう形でどんな色なのか、本当のことは、その人にしかわからないのに。 きっと漠然とした『普通の誰か』と比べて落ち込んだりすることに、なんの意味もないと気付くまで時間がかかったような気がする。 音楽活動を休止して、ピアノも弾かず歌も歌わずに2年ほど過ごした。それまでたくさんの抱えていた全てを手放して、本当に必要なものを知りたかった。 何もしないで、ただ生きている。 行かなくちゃいけないところも、やらなくちゃいけないこともない。 自由という孤独は、自由では無いのだと気づいた。 生きるために働く。それがどれだけ大事で尊いことなのか。 大人になってから社会の中で自分という存在が生きている証は、やっぱり仕事で、社会との繋がりなんだと改めて感じた。自分がやっている事が、少なからず他の誰かの役にたっていると感じたときに、自分の存在を認めて自分を好きでいられる。 本当は誰もがみんな違う色の輝きをもっていて、宝石のように、磨けば磨くほど光輝き、自分の色を見つけられるのだと思う。自分と同じ石は世界中どこを探してもなくて、たった1人だけのもの。 “自分らしさ”は、探すまでもなく、すでに誰もが生まれ持っているんだ。 そしてそれを輝かせるかどうかは、すべて自分次第なのだと。誰のせいでも、誰のためでもなく、自分が輝くために磨くだけ。 よく割れやすい物を箱に入れたり、動かないようにするために、隙間にクシャクシャに丸めた紙を詰めたりするけれど、どんな隙間にも入れて、その形を埋めることができる紙は凄いなと思う。 世の中が用意した「綺麗な丸」や「四角」の型に自分を押し込める必要なんてなく、ガタガタで歪な形だからこそ引っかかる場所があったり、誰かといびつに噛み合ったりする。 その形と色こそが、もうすでに“自分らしさ”そのものなのだから、ただただ、できることは、自分だけの輪郭を描いていくことなんだと思う。 <奥華子> ◆ニューアルバム『会いたいと思えること』 2026年7月22日発売 <収録曲> 1 会いたいと思えること 2 僕を失くした日 3 向日葵 4 ガラクタの思い出 5 輪郭 6 あなたに出会えたことで 7 好きになってしまったものはしょうがない 8 車窓 9 宝石 10 まばたき 11 カナリア 12 奇跡のかたまり



















