サイダーガール

産まれた瞬間に生き方が決まるなんてたまったもんじゃない。

 2020年9月2日に“サイダーガール”が両A面ニューシングル『落陽/ID』をリリースしました。ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』の主題歌として書き下ろされた「落陽」は、内なるエナジーを最大限にぶつけた、疾走感あるロックチューン。アニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』エンディング主題歌として書き下ろされた「ID」は、理想と現実の葛藤を抱える不器用な自分も、いつか愛せるようにと希望を込めた、ミドルテンポの優しいメロディが心地よい楽曲。サイダーガールの魅力を存分に詰め込んだ一作です…!

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“サイダーガール”による歌詞エッセイをお届け【前編】に続く【後編】は、メンバー・Yurinが執筆。綴っていただいたのは、新曲「ID」にまつわるお話です。今、自分の生き方を愛せていないひとへ、自分自身のことを好きになれないひとへ、このエッセイと歌詞が届きますように。

~歌詞エッセイ【後編】:「ID」~

産まれた瞬間から生き方の半分ぐらいは決まってしまうのではないか、と考えていたことがある。それは遺伝だったり、環境だったり、起因するものは様々である。

例えば、ありがたいことに私は音楽家を生業とさせていただいている。もし両親が何かの楽器に通じていたり、音楽が好きで日常に質の良い音が溢れていたり、はたまた著名で実力のある音楽家であったとする。子供が将来音楽に関わる仕事をしたいと思うのなら、かなりのアドバンテージになり得るだろう。何にせよ周りの環境というものは、生きていく上でかなり重要だと思う。幸い我が家にはよく歌う母がいて、ピアノがあった。音楽に興味を持つには十分だった。才能の有無は別として。

私は、残念なことに努力の限界というものは存在してしまうと思っている。正確には才能の限界なのかもしれない。よく友人と「金持ちと顔の良さは才能だよな」と冗談と嫉妬交じりで話す。悲しい。誰しもが、あの人になりたい、あの人の人生を歩みたかったと、当人の苦悩や葛藤をよく知りもせず思ったことがあるだろう。どんなに頑張ったとしても、憧れる人そのものにはなれない。容姿も声も才能も人間関係も、生きてきた軌跡も、その人だけのものなのである。

私は私に音楽の才能があるとは思っていない。器用貧乏。劣等感も常にある。憧れは遠い。いつまで音楽で生きていけるかもわからない。傍から見るとないものねだりなのかもしれないが。

ただ、そう自覚した上で、私自身のことを好きでいられている。好きになれたのは最近になってからだと思う。嫌いだった部分を好きだと言ってくれる人もたくさん出来た。きっと一人で音楽をやっていたらとうの昔に辞めていた。メンバーや両親や友人達、周りで関わってくれている人達に本当に恵まれていると思う。その人達がいることが私にとっての一番の才能だと思っている。まあただ単にポジティブすぎるだけかもしれない。

ここまで云々書いておいてなんだが、別に何かの才能があろうとなかろうと、環境が良かろうと悪かろうと好きなことをすればいいと思う。劣等感まみれで生きればいいと思う。産まれた瞬間に生き方が決まるなんてたまったもんじゃない。自分の好きなところを増やすことも大切だが、嫌いなところもずっと持ち続けてもいいと思う。それが強みになる時と場合がある。不思議である。

いつか最低な自分を愛せますように。

<サイダーガール・Yurin>

◆紹介曲「ID
作詞:Yurin
作曲:Yurin

◆5th Single『落陽/ID』
2020年9月2日発売
初回限定盤(CD+DVD) UPCH-7568 ¥2,000(税抜)
初回限定アニメジャケット盤(CD) UPCH-7569 ¥1,300(税抜)
通常盤(CD) \1,200(税抜) / \1,320(税込) UPCH-5974
UNIVERSAL MUSIC STORE 限定 『サイダーガール アニメジャケット盤絵柄 T シャツ』付初回限定アニメジャケット盤 ¥5,500(税抜)


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