それでも“好き”はやめられなかった

 2025年11月19日に“みさき”がデビュー第4弾となるデジタルシングル「恋に落ちた私の負け」をリリース。7月にTikTokとYouTubeで弾き語り動画を披露するやいなや国内外から、歌声の魅力に加えて楽曲への絶賛コメントが殺到。リリース前にもかかわらずTikTokの弾き語り動画再生回数が100万回超え。リリースが待ち望まれていた楽曲です。
 
 さて、今日のうたではそんな“みさき”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「恋に落ちた私の負け」にまつわるお話です。報われないとわかっているけれど、まわりからも反対されるけれど、それでも“好き”を手放せない、手放さないあなたへ。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。



昔から、優しくされたり、ちょっとでも褒めてもらったりすると、すぐ人を好きになってしまうタイプでした。
ひとりで勝手に「もしかして脈アリ?」なんて期待して、些細なことでキュンキュンできる。
我ながら単純だなって思うけど、そんな恋の仕方しかできないんです。
 
「恋に落ちた私の負け」は、そんな過去の自分の恋愛と、想像を混ぜて描きました。
 
本命じゃないって分かっているのに、
ただの都合のいい存在になっていることも気づいているのに、
それでも“好き”はやめられなかったんです。
夜になるとひとりで「何してるんだろ…」ってため息をつくことが何度もありました。
 
“先に好きになった方が負け”って言葉の意味を、そのとき初めてちゃんと理解しました。
勝ち負けの話じゃないと分かっているけれど、
「私だから何をしても離れない」と思われていたのなら、それはたしかに負けていたのかもしれません。
まぁ、今思えば笑える話ですけどね。
 
でも不思議なことに、時間が経つとあの恋も
「いい恋だったな」と思えるんです。
報われなかったとしても、ちゃんと誰かを想って、本気で恋をした証拠だから。
 
当時、周りから「やめなよ」って言われ続けても、それでも好きでいられた自分の強さ、
そして最後には自分で離れるという選択をした強さ。
この曲には、そんな想いも込めています。
 
今、同じように報われない恋をしている人がいたら、この曲が少しでも支えになってくれると嬉しいです。
 
<みさき>



◆紹介曲「恋に落ちた私の負け
作詞:みさき
作曲:みさき