嗚呼あけぼの荘みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 二日酔いには酒がいいと 悪い友達がいう 痛む頭にたえかねて 一杯やったら これが意外 心浮きうきスッキリ 明るい未来に さあさ張切りもう一杯 器量三分体が七分 そんな女だけれど 電話をしたら土曜なのに敵も一人ぼっち そうさ君と さしつさされつ飲みたいね 出かけに一本 ウイスキーを買って来てくれ 野菜いためをドテンとおき 食べなきゃ駄目という メシは山盛り酒は駄目ともう女房気取り こんなはずじゃなかったのに後の祭り ねえ今夜あたし 泊ってってもいいかしら そしてこうして二年二ヶ月 あけぼの荘で過ぎた 相も変らぬ女出入りに 彼女もあきれて とうとう五月 酔ったついでの痴話喧嘩 お前みたいな 夢のない女は出てゆけ あけぼの荘の年も明けて 年賀状が八枚 雪の国から見慣れた字の 女の便り 『私去年いい人を見つけて 結婚したわ あんたみたいな図ボラじゃないわ』 やたら淋しいくせになぜか ほのぼの涙あふれて こいつあ春から縁ぎがいい あの娘にカンパイ そこでやはり飲むにゃ 女がいて欲しい 向いの部屋のチョイト年増の女を誘う |
憧れは南風なぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 石段登って 右手をかざせば 海の向こうに 白い船 僕の心に 南風吹いて 憧れ揺れて ふくらんだ さよなら言って 町を去った人が あの船で帰ってきそうな 昼下がり まぶしい陽射しに つつまれた町じゃ 陽焼けた笑顔が 君を待つ 石段降りたら ミカン畑じゃ 色づく前の 青い実が 僕の気持と 同じように じっと季節を 待っている カモメの声が 少し哀しい 愛が君にとどかないで 終ったから いつかまたきっと 南風吹けば 帰って来るだろう あの人は |
居酒屋「すずらん」渚ゆう子 | 渚ゆう子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 細い路地を抜ければそこは 急に人通りも少なくなるけど すぐにわかるわ「すずらん」という店よ 暖簾に白く花のぬいとり 店は古くてお客もまばらよ だけどきっと来てね話したくなったら 嬉しい話もたまにはあるわ だけどいつもなぜか湿った話ばかり 縁切り話やだまされて死ぬだとか そんな女や男が来るわ そうねたとえば世間の吹き溜り だけどそこがいいの楽しいこともあるわ 苦い酒ならたくさんあるわよ 私も飲んだわお客といっしょに ずっとこの町を出たことないのに ずいぶん世間を歩いたみたいよ そんな私と会いたくなったら いつでもおいでなさい 居酒屋「すずらん」に |
頂みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 誰もこの道を通さないという 雨も風も岩も怒ったように 立ちはだかっている だけどこの俺は 行かなくちゃならない なんのためなのか 分からないけれど 行かなくちゃならない やりたいことは残さずやったか 友だちはいるか 安らぎはあるか 人を愛したか 夢のカケラはポケットの中で 迷子になったか髪は白くなり道は果てしなく たのむから俺がどこにいるのやら 神様よちょっと教えておくれ人生はどこだ もう少しだけ歩いて行けたなら 光るいただきに着きそうじゃないか霧よ晴れてくれ 誰もこの道を 通さないという 雨も風も岩も 怒ったように 立ちはだかっている だけどこの俺は 行かなくちゃならない なんのためなのか 分からないけれど 行かなくちゃならない 行かなくちゃならない 行かなくちゃならない |
ウィスキーの小瓶みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ウィスキーの小瓶を口に運びながら 涙と思い出を肴にして 酔いつぶれてしまいたいなどと 思っているこの僕を 貴女が見たら子供のようだと きっと僕を笑うでしょうね わかっていながら飲む男の気持ちなど 貴女は知りもせず 列車の窓に僕の顔が写る なんてみじめな姿なんだろう 戯れだと思っていた恋に 打ちのめされてしまうなんて こうして誰もが大人になってゆく そんな話をどこかで聞いたっけ 人間同士の辛い別れという劇を 僕が演じている こうして誰もが大人になってゆく そんな話をどこかで聞いたっけ 人間同士の辛い別れという劇を 今 僕が演じている |
ウイスキー・ドリームみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | オー ウイスキー ドリーム 回れよ回れ 俺の風車 芝居が終わった ピエロみたいだよ 俺の悲しみが 消えてしまうまで 回れよ回れ 酔いどれて回れ せめて この世の女たちよ 男を優しく つつんでおくれ 女なしでは 男は駄目さ 最後はあんたの 切り札が怖い オー ウイスキー ドリーム オー ウイスキー ドリーム 回れよ回れ 俺の星空よ 幻想のようだ 部屋の灯り消せば お前の涙さ 泣くのはお止しよ 回れよ回れ 酔いどれて回れ いつも この世の女たちは 泣けば明日が 晴れると思う 男が悪い 女も悪い だけど最後の切り札はあんたさ オー ウイスキー ドリーム オー ウイスキー ドリーム |
男と女・昭和編みなみらんぼう・井出せつ子 | みなみらんぼう・井出せつ子 | 阿久悠 | みなみらんぼう | | 暗い酒場の片隅で 一人しみじみ酒を飲む 何をそんなに悲しげに 影をすすっているのやら 酒は心を軽くして 口を重たくさせるもの それじゃ見かけの辛さほど 苦いお酒じゃなかったの 男三十越えたなら 深く刻んだしわもある 邪魔をしないと誓うから 横へ行ってもいいかしら 縁というやつ変なやつ 興味持ったが身の不幸 そうねそうかも知れないわ なぜかあなたが気にかかる 一人飲むのもお酒なら 二人飲むのもまたお酒 これがかためというじゃなし 寒い夜ふけがいやなだけ お前女でおれ男 中に運命が横たわる 歌をうたっていいかしら 私勝手にうたうから 浮いた歌ならしらけるし 暗い歌なら辛くなる それじゃこうして夜ふけまで 口もきかずに飲んでるの 飲めば心が話すもの しゃべりゃ心が黙るもの 暗い酒場の片隅で 二人しみじみ酒を飲む 暗い酒場の片隅で 二人しみじみ酒を飲む |
回転木馬みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 十九だったあの頃は 君はまだ化粧もなく 売れもしない歌を僕は書いては 君に聞かせたっけ 長い髪を肩までたらし 君と僕は見つめ合うだけ それだけでしあわせだった 若き日の僕たち二人 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく 小さな部屋で心だけは大空のように ふくらんでいた 夜を明かし語り合った ボードレールやアルチュールランボー 季節は巡り いつの日か 震えながら花は散って 冷たくなった想い出を抱えては旅に出た 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく 人生は回転木馬 歓びも悲しみもみんな 時の壁の中に 埋もれてゆく |
哀しみのバザールみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 路地裏で買った安物の 青いトルコ石の指輪には 無理に削られたイニシャル 誰かの愛の古い傷跡 降りそそぐ 陽ざしの街角には 日曜日のバザールが立ち並び 思い出も明日の夢も 埃にまみれていきそう 追いかけりゃ逃げる影のような 夢を追いかけてこの街に なぜか懐かしいさびしさを 抱きしめながら歩いてみたよ 芝居をやろう調子の外れかけた 音楽やバザールのざわめきが 愛のない男の胸に 虚ろなさざなみのよう |
乾きゆく夏みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 萩田光雄 | とうもろこし畑を 乾いた風が 吹き抜けて夏はゆく 愛を置き去りに 燃えた後の灰のような 寂しすぎる心の中に 目を閉じれば白い波が 音をたてて押し寄せる 強すぎる光で 君の笑顔が 泣いてるように見える 渚の写真 カレンダーをめくれば そこはもう秋 歩き出そう顔を上げ 明日を見つめ 燃えた夏のあつい砂が 胸の中で冷たくなれば 君もやはり 小麦色に焼けた素肌も色あせて ピンで止めた君の 写真がいつか 丸くめくれていたのに 気づかなかった 燃えた夏のあつい砂が 胸の中で冷たくなれば 君もやはり 小麦色に焼けた素肌も色あせて とうもろこし畑に 秋が来る頃 君も僕の涙も 乾いてゆくだろう |
川はだれのもの?滝沢侑子・タンポポ児童合唱団 | 滝沢侑子・タンポポ児童合唱団 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 悠木昭宏 | 山に 降った 雨の しずく 岩を すべり 落ちて やがて 細い 川となった 川は 森で 生まれた 川は だれのもの? 住んでる 魚のものかしら? それとも 雨のものかな? 森の ものだろうか? 村を くだり 町を流れ 川は 海を 目ざす 鳥が あそぶ 虹が かかる 人の 希望 燃えたつ 川は 誰のもの? 岸辺の 緑のものかしら? それとも 鳥のものかな? 人の ものだろうか? いいえ どの川も 誰の ものでもありません 生きてる すべてのものです 川は みんなのもの 川は みんなのもの |
帰郷みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | バスを降りた僕の故里 夏の草に覆われ 老いた父母迎えてくれた 庭に赤いほうずき 積もる話のひだに わずかの酒がしみたのか ひじを枕に老いた父は 軽いいびきをたててる 幼馴染みが訪ねて来て 昔の僕の部屋で パズルみたいに 思い出の糸 たぐり寄せてはつなぐ 時の流れに任せて ずいぶん遠くに来たものだ あの日抱いた熱い望みは 茂る夏草にまぎれて 明日の朝はバスに揺られて 故里を出て行く 父や母や愛する友を 捨てて行くのはなぜだろう こんな別離を幾度もくり返すこの僕は やはり淋しい時代の中でも親不幸なのだろう やはり淋しい時代の中でも親不孝なのだろう |
クマのぬいぐるみ井上侑 | 井上侑 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつ腕がちぎれそう 耳がやぶけてそこから 白いわたが のぞいている そうさ古いぬいぐるみ 5年前のクリスマス パパのサンタクロースが 君のために買ってきた それからずっと仲良しで いつもいっしょに眠ってた だけど今日からぼくなしで ひとりで眠れる 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ ぼくはクマのぬいぐるみ 笑えないししゃべれない だけどずっと友だちさ 淋しい時は ママがわり 君はぼくをよくかんだ そしてほおり投げもした なのに泣き虫の君は いつも死ぬほど抱きしめた ある日田舎へ行く時は 一緒でなくっちゃいやだって ただをこねていたあの日が きのうのようだね 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ |
クマのぬいぐるみ福村亮治 | 福村亮治 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 柳田ヒロ | ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつ腕がちぎれそう 耳がやぶけてそこから 白いわたが のぞいている そうさ古いぬいぐるみ 5年前のクリスマス パパのサンタクロースが 君のために買ってきた それからずっと仲良しで いつもいっしょに眠ってた だけど今日からぼくなしで ひとりで眠れる 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ ぼくはクマのぬいぐるみ 笑えないししゃべれない だけどずっと友だちさ 淋しい時は ママがわり 君はぼくをよくかんだ そしてほおり投げもした なのに泣き虫の君は いつも死ぬほど抱きしめた ある日田舎へ行く時は 一緒でなくっちゃいやだって ただをこねていたあの日が きのうのようだね 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ |
クマのぬいぐるみ吉岡雄介(東京放送児童劇団) | 吉岡雄介(東京放送児童劇団) | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつ腕がちぎれそう 耳がやぶけてそこから 白いわたがのぞいている そうさ 古いぬいぐるみ 五年前のクリスマス パパのサンタクロースが 君のために買ってきた それからずっと仲良しで いつもいっしょに眠ってた だけど今日からぼくなしで ひとりで眠れる 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ ぼくはクマのぬいぐるみ 笑えないし しゃべれない だけどずっと友だちさ 淋しい時はママがわり 君はぼくをよくかんだ そして放り投げもした なのに泣き虫の君は いつも死ぬほど抱きしめた ある日 田舎へ行く時は 一緒でなくっちゃいやだって だだをこねていたあの日が きのうのようだね 少し淋しくて ちょっと悲しくて とてもうれしいよ |
コートにスミレをみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | まだ肌を刺す北風が 君の髪の毛を 胸の想いを 語るように 乱しては過ぎる なんて辛い恋の終わりか 言葉も少なく 愛のかけらを 重ね合っても 空しく崩れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差して 君は小さな肩をすぼめ 坂を降りて行く まだ春浅い丘の道 枯れた草を踏んで 風の隙間を 歩いて行こう さよならを言わず なんて淋しい恋の終わりか 信じていながら 愛を大事にすればするほど ふたりは離れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差せば 燃えて咲くには早すぎた 紫が淡く なんて淋しい恋の終わりか 信じていながら 愛を大事にすればするほど ふたりは離れる コートにスミレの花ひとつ さり気なく差せば 燃えて咲くには早すぎた 紫が淡く |
さらば追憶みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 町が流れてゆく 涙に潤むせいで 季節に追われた蝶のように 一人旅の空 愛はいつでも 夜に紛れた星屑 君の微笑は今も 胸に熱い 想い出抱きしめて 孤独な闇に眠る 乾いた涙の彼方に 熱い日が沈む 風に吹かれてゆく 千切れた雲のように 優しくされたら心が 挫けてしまいそう 夢はいつでも 夜をさまようはぐれ鳥 揺れてゆらゆら男を 少年に戻す 面影抱きしめて 峠に佇めば 哀しい星座の彼方に 熱い日が昇る |
三女・おさがり節加藤梓(NHK東京児童合唱団) | 加藤梓(NHK東京児童合唱団) | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 石原眞治 | 上のねえさん キラキラ長女 二番ねえさん いぶし銀 そしてあたしは ボロボロ三女 泣いて笑って 泣いて笑って おさがり節 シンデレラみたいに 新品のドレスを 毎日着られる 夢を見る 靴はブカブカ ズボンはきつい シャツのポッケは破れてる これが三女の宿命だよと ぐっとこらえてぐっとこらえて おさがり節 家計第一 おしゃれは第二 それが我家の おきてなの ほんのときどき ピカピカルック 他はたいてい 他はたいてい おさがり節 一人っ子みたいに 新品の洋服 毎日着られる 夢を見る 三女の気持 わかっちゃいない だれに言っても笑うだけ だけどあたしは くよくよしない 破れかぶれの破れかぶれの おさがり節 おさがり節 |
山遊歌みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | またいつか 会おうね あの山に 花が咲く頃 サンカヨウやキヌガサソウが 風に揺れて 呼んでる 水の流れ 雲の流れ あの日はみんな 輝いていた 野の花のように 自由で またいつか 行こうね あの峰に 雲がわく頃 燃えるモミジ 旅立つ鳥に 声もなく 立ち尽くし 夢は流れ 時は流れ あの日は二度と 戻らないけど 春はすぐ巡り 来るから 水の流れ 雲の流れ あの日はみんな 輝いていた 野の花のように 自由で |
stationみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 日だまりの 停車場に 見知らぬ 人が集う 思い出と 哀しみと 花束を 抱きしめて station ここはまほろば 疲れたら ちょっと休もうよ ああ station ここから先は 一人じゃないから やすらぎの 停車場に 見知らぬ 人が集う 小鳥達の 噂話 追いかけて やって来た station ここはまほろば 羽根を休める 渡り鳥 ああ station 笑ってゆこう 旅はまだ途中 station ここはまほろば 疲れたら ちょっと休もうよ ああ station ここから先は 一人じゃないから |
空飛ぶ鯨の話みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | ある朝ある町で鯨が空を飛んでた 海よりも広い大空 夢を求めて飛び立った 昔の森の中には鯨が暮らしていた しあわせの花の咲いてた森で楽しく遊んでた いつか時代(とき)の流れに押し流されて 海に沈んだ可愛そうな鯨 今では海でさえ鯨は暮らせなくて せっせと羽根を作って狭い波間を飛び出した 話は五十年経った後の出来事 宇宙には夢が広がる だけど地上は荒れ果てる みんなはある町の窓から鯨を見た 大空が暗くなるほど鯨で空は埋(うず)まった いつか人の流れに押し流されて 空に飛び立つ可愛そうな鯨 その日の昼過ぎに哀れな鯨の群れは つぎつぎに撃ち落されて 魂だけが飛んで行った |
誕生みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 若草恵 | 病院の廊下を歩く 靴音が乾いて響く 僕が生まれて 大人になって 恋をして結ばれた そしてもうすぐ僕達の 新しい生命が生まれる これから生まれる子供は 21世紀に向う その日子供は20才になって 何を想うことだろう 愛と自由と勇気ある 人生を送れますように 母親になる妻は 短い月日の中で 少女から妻へ そして母へ 少しずつ旅を続けて 前よりずっとたくましく ちょっぴりきれいになった 父親になるということは やはり神のおぼしめし 心の準備といってもただ 酒を飲んで祈るだけ どうぞ元気でつつがなく うぶ声をあげますように どうぞ元気でつつがなく うぶ声をあげますように |
通り雨みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 雨に降られてしかたないから お茶を飲んだの 駅前の店で 思いがけないこともあるのね ここであなたと遇うなんて もう何年になるかしら別れてから ねえ 眩しそうにみるのはやめてよ あの日の出逢いも はげしい雨ね 夢のつづきに いるみたい 雨がやんだらすぐに帰るわ 別にいそいだ用事もないけれど だめよお酒を飲みにゆくなんて 世間話はここでしましょう あのアパートはとっくに引っ越したわ そうね 一人歩きの似合うのが悲しい きっとはげしい雨のいたずら 通り過ぎれば虹がでる もっと友達になれたらよかったわ ほら わるい癖よ溜め息をつくなんて あの日の出逢いも はげしい雨ね 夢のつづきに いるみたい |
都会みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 夕暮れの街角で 人込みに紛れたら わたしのちっぽけな 悲しみのありかなど 笑い声や音楽や 車の音にかき消され まるで嘘みたいだとショーウインドウが歪む それでも涙はちゃんと流れてきて やり場のない孤独が どっと押し寄せてくる 愛のない優しさは 酔わないアルコール にぎりしめていたはずの 夢は 傷つきやすい 胸に降りつもり いくつものちいさな 砂漠をつくる ブルースが聞こえた 少年の頃のように 見えない扉を なんども押すしぐさ |
時計を見ないで松方弘樹・安倍里葎子 | 松方弘樹・安倍里葎子 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | (女)時計を見ないで 私の目を見てよ (女)夢なんか見ないで 今だけ考えて (男)今しあわせなら 明日なんかくれてやる (男)くるおしいほど 燃えてみようよ (男)短い人生 (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない (男)時計を見ないで 口唇合せたら (男)過去なんか見ないで 今だけ考えて (女)今のしあわせが あふれてこぼれるから (女)逃がさないでよ もっと私を (女)だきしめて強く (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない (男)踊ろう (男女)朝まで (女)踊りましょう (男女)二人で (男女)あなたの他に 何も見えない (男女)愛しか見えない |
途上にてみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | | 風が激しく吹いている 愚かな昔みだらにすぎて 道は途上で夢も破れた そんな昔はまぼろしか 風よ運べ燃える思いを 火を放て俺の心に 過ぎ去るものは過ぎ去ればいい 流れるものは流れてゆけ 命あるものは生きていればいい 酒があるなら飲み明かせばいい 風よ運べ燃える思いを 火を放て俺の心に 風よ運べ燃える思いを 火を放て俺の心に |
友をたずねてみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | 遠き友を訊ね バスを降りた町は 波の音も間近な 小さなさびれた港 日焼けた笑顔の君は 土地の言葉で話す 君は僕の荷物を みんな両手にかかえてさ 窓を全部開けた 座敷にあぐらをかいて 釣ったばかりの魚を 囲んで昔を語れば めっきり弱くなったなんて 淋しいことは言うなよ 明日の朝は舟で 島をめぐってみようぜ もっと長く居ろと 君の家族は言うけど さよなら友よ 今度は笑顔を土産に来るさ 遠く離れて行くんだね 流れる日々のすき間に 両手を伸ばしてみても 君にはもう届かないよ 君にはもう届かないよ |
ドラ太郎音頭なぎら健壱 | なぎら健壱 | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 千代正行 | ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 楽しく踊るなら ドラ太郎音頭 パッと笑顔の花が咲く ドラ太郎音頭 夢があるなら みんなおいで 一人ぼっちも こっちおいで さあさ輪になろう しあわせの あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 愉快にうたうなら ドラ太郎音頭 パッと七色 虹の歌 ドラ太郎音頭 しあわせならば みんなおいで 淋しがり屋も こっちおいで さあさ手拍子 しあわせの あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 みんなで踊るなら ドラ太郎音頭 パッとにぎわう横丁は ドラ太郎音頭 元気いい子は みんなおいで 泣いていた子も こっちおいで さあさ歌おう 幸せを あちらもこちらも ドンと行こう ドラ太郎音頭 ドンと出ましたドラ太郎 ヨイショ ドンと出たドラ太郎 |
夏のページみなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 石原眞治 | 夏はひとりぼっちに見えた 子供たちの夏休みが終わって さわさわと風わたるお花畑 君の胸の痛みはとれたろうか すり減ったスニーカー 片方だけころがってる バンガローの入り口 もうきっと君の足には 小さすぎてはいらない 夏のページ 夏が列車に乗って帰る うつむいてるヒマワリに内緒で 摘みとったホウセンカの 甘い夏は 君の手から未来に はじけたろうか 澄みきった湖 光り浴びて空をすべる 赤トンボのまぶしさ もう君は振り返らない 胸のなかに匂いたつ 夏のページ 澄みきった湖 光り浴びて空をすべる 赤トンボのまぶしさ もう君は振り返らない 胸のなかに匂いたつ 夏のページ |
波みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | みなみらんぼう | 若草恵 | 寄せては返す 波の音も 恋が終われば 泣いているよう 楽しい日々も 過ぎてゆけば ため息ばかりの波の音さ 明日はきっと 歩き始めるさ だから今日だけは 波に身をゆだねて あなたの名前を つぶやいたら ほんの少しだけ 哀しみが増えた 手さぐりしても 千切れた愛は 風が散らした 足跡のようさ 過ぎゆくとき季節は 淋しいものさ だから今日だけは 波に身をゆだねて あなたの名前を もう一度だけ つぶやいてそっと さよならをしよう |