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  • まるりとりゅうが
    人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。
    人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。

    まるりとりゅうが

    人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。

     2021年6月30日に“まるりとりゅうが”が1stフルアルバム『まるりとりゅうが』をリリース!アーティスト名を冠した今作。デビュー直後に配信チャートで1位を獲得した「気まぐれな時雨」や失恋ソングの定番曲「幸せになって」、タイアップ曲である「ONE STEP」「サニー」「リナリア」、さらに新曲を含む全12曲を収録。バラエティに富んだ楽曲と、2人ならではのハーモニーが堪能できる充実の内容に仕上がっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“まるりとりゅうが”のRyugaによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは「作詞、作曲」というテーマについて。歌詞人気の高い彼らの楽曲。その「詞」はどんな想いで綴られ、「曲」はどんな役割を果たすのか。是非、今作と併せてエッセイもお楽しみください! ~歌詞エッセイ第1弾:「作詞、作曲」~ 「作詞、作曲とは何か」。こんな問いがあったとする。 この問いに対する明確な「正解」はおそらく存在しないだろう。人は皆違う。それぞれ同じではない感性、感情、価値観、背景を持っているからこそ、世の中にこんなにも様々な詞やメロディーが溢れているのだろう。 僕は「まるりとりゅうが」として活動し始めてから本格的に作詞作曲を始め、これまでに20曲以上の楽曲をリリースしてきた。作家としてはまだまだ初心者ではあるが、作詞をするにあたって、僕なりに重要視していることがある。 それは「寄り添える言葉であるかどうか」。 僕が作る曲は、聴く人の相談相手になれるような存在でありたい。 例えば、悲しかったり悩んでいたりする時に友達と会って相談を乗ってもらうとしよう。友達に対して日頃溜まっている鬱憤を爆発させたり、一方的にマシンガントークしたりするだけでも、気持ちが楽にならないだろうか。自然と笑顔が戻ってきたり、時にはもっと涙してしまったりすることだってあるだろう。どこか一人で抱えていたモヤモヤが無くなった感覚を得る。直接的な解決がその瞬間に起こらなくても、人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。 僕はその相手が「人」ではなくて、「曲」でも同じ効果があるのではないかと考える。曲を聴いた時、詞が自分の心情やモヤモヤと重なって涙が出たり、前向きな気持ちになれたり、そんな経験が誰しもあるのではないだろうか。そんなふうに僕は聴いてくださった人に対して「寄り添える」詞を書きたい。 「寄り添える」詞があった上で、その詞をいかに、相手の心に届けるか。僕はその「詞を届ける手段」がメロディーなのではないかと考えている。なので、僕が楽曲を作るときは、基本的に詞先だ。この曲を通して何を表現したいか、聴いてくださった人にどう感じてほしいか、その重要な部分は詞が担っていると思うから。 「言葉」とは本当に素晴らしい道具だ。どんな形にもなる。僕はこれからも寄り添える言葉を音に乗せて、沢山の方々に届けていきたい。 <まるりとりゅうが・Ryuga> ◆1st Full Album『まるりとりゅうが』 2021年6月30日発売 UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤 PDCN-1017 ¥4,950(税込) 通常盤 UPCH-20589 ¥3,300(税込) <収録曲> 01. 気まぐれな時雨 02.リナリア 03. わけじゃない 04. 幸せになって 05. 甜言蜜語 06. らしく。 07. ONE STEP 08. サニー 09. どこにもないの 10. 嫉妬 (Album ver.) 11. シール 12. 幸せになって (Piano ver.)

    2021/06/22

  • GOOD ON THE REEL
    20代で出会った彼女への最初のプレゼントに選んだのが交換日記でした
    20代で出会った彼女への最初のプレゼントに選んだのが交換日記でした

    GOOD ON THE REEL

    20代で出会った彼女への最初のプレゼントに選んだのが交換日記でした

     2021年6月9日に“GOOD ON THE REEL”が『花歌標本』をリリースしました。結成15年目に放つ4年ぶりのフルアルバム。今作は“あなた”と“わたし”といった、身近な存在に対する想いを描いた楽曲が多く収録されております。15周年を迎え、ゼロから新たな自分たちの音楽を創りあげ、歌詞を付け、標本のように形あるものとして残したい、音楽に定義付けをしたい、そんな想いがアルバムタイトル『花歌標本』に託されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“GOOD ON THE REEL”の千野隆尋による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾です。綴ってくださったのは収録曲「 交換日記 」に通ずるお話。みなさんは交換日記ってやってみたことがありますか? 普段は言葉じゃ伝えないような気持ちを、あえて文字でちゃんと伝えてみると、何かが変わるかもしれません。是非、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください…! ~歌詞エッセイ第2弾:「 交換日記 」~ まずはじめに交換日記とは、複数、又は1冊の日記帳を友人、恋人間などで共有し、順番に回して日記をつけたり、相手へのメッセージを書き込んでいくこと、またはその共有される日記帳自体のことをいう。 30代未満の方々は経験がない、むしろ交換日記という言葉すら知らないという方がいらっしゃるかと思います。僕が小学校の頃はおそらく全盛期で、交換日記用のノートが販売されていたぐらいブームでした。実際僕も小学生の頃、男女数人のグループで交換日記用のノートを使い、交換日記をしていました。 とはいえ、日を重ねるごとに書くことがなくなってくるわけです。毎日特別なことがあるわけでもないので、「今日は長谷くんと公園に行った。いっぱい蚊に刺された。」とか、「今日は秋ちゃんと駄菓子屋に行った。ブタメンのお湯が足りなかった。」とか、そんななんでもない夏休みの宿題のような日記でした。それでも当時はみんな夢中で、それこそ宿題のように書いていました。 それから10数年が経ち、そんな過去を思い出すわけでもなく、20代で出会った彼女への最初のプレゼントに選んだのが交換日記でした。鍵付きのとても可愛らしいノートを見つけて、二人でしか開けられない日記って素敵だなって思ったんです。直接言えないようなことでも気軽に伝えられて、お互いの仲を深めるにはもってこいじゃないかと思って。 同棲をしていなかったこともありますが、お泊まりの時は必ずと言っていいほどお弁当を作ってくれていて、そこにいつも書き置きを残してくれるような彼女だったので、よりぴったりなプレゼントだと思ったんです。 恋人って、距離が近くなればなるほど言いづらいようなこと、というか距離が近いからこそあえて言わないようなことってたくさんあると思います。そんなことも書けちゃうのが交換日記です。 どうでもいいことでも、相手にとっては嬉しいや幸せかもしれない。反対に悲しいや苦しいかもしれない。思いを伝えることによって、相手がどう転ぶかはもちろんわからない。それでもちゃんと文字にして伝えることで、何かが変わるかもしれない。良いことも悪いことも、伝えてくれなきゃわからないですからね。お互いに。 そうそう、古い友人と久しぶりに会って思い出話に花を咲かせていると、案外印象に残っている思い出って違ったりしますよね。むしろ自分は覚えてなかったり。人はどんなに近くにいても、一人一人思うことが違ったりするものです。だからこその交換日記。お互いをより深く分かりたいと思うなら、提案してみるのもいいんじゃないでしょうか。 <GOOD ON THE REEL・千野隆尋> ◆紹介曲「 交換日記 」 作詞:千野隆尋 作曲:岡﨑広平 ◆4thフルアルバム『花歌標本』 2021年6月9日発売 初回限定盤 POCE-92118 ¥4,000(税抜)/¥4,400(税込) 通常盤 POCE-12164 ¥3,000(税抜)/¥3,300(税込) 01 あとさき 02 交換日記 03 虹 04 35°C 05そうだ僕らは 06 オレンジ 07 そんな君のために 08 ノーゲーム 09 目が覚めたら 10 標本

    2021/06/21

  • Amber's
    もしも、コロナが無かったら。
    もしも、コロナが無かったら。

    Amber's

    もしも、コロナが無かったら。

     豊島こうき(Vo.&Gt.)、福島拓人(Gt.&Programming)からなる2人組バンド“Amber's(アンバーズ)が新曲「DRIVE」と「アブノーマル」を2作連続配信リリース!1作目の「DRIVE」は2021年6月18日に配信リリース、2作目の「アブノーマル」は7月にリリース。2曲ともAmber'sのTikTokアカウントで既に公開されているものから、さらに磨きのかかった音源となっております…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“Amber's”の福島拓人による歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾。新曲「 DRIVE 」にも通ずる、コロナ禍での本音を明かしてくださいました。もしも、コロナが無かったら。みなさんもきっと考えたことのあるこの言葉。彼はその先に、一体どんな言葉を続けるのでしょうか。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 DRIVE 」~ はっきりと、この言葉を口にすると負けな気がする。 だけど、僕と同じ事を考えた人は沢山いるはず。 “もしも、コロナが無かったら”って。 「コロナ渦にどうしたら自分たちの音楽が届くだろうか」これは去年の3月以降、音楽活動をしている人たちが悩まされた大きなテーマだと思う。次々と人気アーティストたちのライブ中止が発表され、嘆くアーティスト本人のSNSを見るたびに複雑な気分になったりもした。「俺らよりマシだろ」と。 これまで人を羨ましいとか妬ましいと思うことがあまりない人生だったが、今現状として知名度のない僕らからすれば、人気アーティストはライブができない“だけ”だろとやさぐれたくもなった。 まだ多くの人に音楽を届けることができていない僕らは、どうやって音楽を多くの人に届けたらいいのか。20代としては珍しく、これまでSNSよりも、ライブハウスで直に届けるという手法を取ってきた僕らには分からなかった。 去年の3月に発売されたアルバム『VOSTOK』で初の全国流通デビューを果たし、ツアーも控えていたのだが、もちろんそれはできなくなった。ちなみにアルバム名は「多くの人へどこまでも届くように」と願いを込め、人類初の有人飛行を成功させた宇宙船「VOSTOK」から名前を取ったのだが、なんだか皮肉な結末となった。 ライブ活動が不要不急と言われたあの時、自分のモチベーションを保つ唯一の手段は曲を作り続けることだった。マスク必須の世の中はそう長く続かないと思っていた。来たるべき日に備え、ひたすら今の感情を曲に落とし込んだが、来たるべき日はなかなか来ない。 こんなご時世だからこそ、音楽で寄り添いたいのに。。。 日に日に強くなる思いから、画面越しでもいいから。と、止まっていた時間を取り戻すように一日一曲、毎日オリジナル曲をSNSで投稿した。想像を遥かに超える数の人が僕らの曲を受け取ってくれた。音楽を期待してくれた。存在を知ってくれた。 音楽の発信場所を探していたように、音楽を愛するみんなも受け取り場所を探していたのだ。 こんなご時世だからこそ、届いた音楽や支えになれている音楽がある。僕らの曲を生きる糧にしている人がいる。皮肉にも、コロナのお陰で気付かされた。 “もしも、コロナが無かったら” 新曲「DRIVE」は生まれていないだろう。ライブができない反動から今までで一番ライブを意識した楽曲になった。 “もしも、コロナが無かったら” SNSに100曲以上オリジナル曲を公開するようなぶっ飛んだことはしないだろう。いま、読んでくれているあなたにも出会えなかったかも知れない。 足枷でしかないと思っていた“ヤツ”の存在に背中を押されるとは思っていなかった。 とはいえ、東京 渋谷 下北 吉祥寺のライブハウスでテレキャスターを早くかき鳴らしたい。 <Amber's Gt/Programming 福島拓人> ◆紹介曲「 DRIVE 」 作詞:豊島こうき 作曲:Amber's

    2021/06/18

  • 上野優華
    正直言って、私にとって恋愛は人生の全てです
    正直言って、私にとって恋愛は人生の全てです

    上野優華

    正直言って、私にとって恋愛は人生の全てです

     2021年6月9日に“上野優華”がミニアルバム『ヒロインにはなれなくて』をリリースしました。今作には「魔法の絨毯」で大ブレイクを果たした川崎鷹也が初の楽曲提供した「愛しい人、赤い糸」、元Shiggy Jr.の原田茂幸が提供した「君の街まで」を含む全7曲を収録。前作「今夜あたしが泣いても」に続き、様々な恋愛の心情を歌った楽曲が詰め込まれており、上野優華自身も7曲中4曲作詞、2曲作曲を手掛けた意欲作となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその【後編】です。綴っていただいたのは、今作に通ずる「上野優華にとって恋愛とはなんですか?」という問いについての答え。みなさんも自分にとっての“恋愛とは”を考えながら、このエッセイを読んでみてください…! ~歌詞エッセイ『ヒロインにはなれなくて』【後編】~ 「上野優華にとって恋愛とはなんですか?」 いつだったかな。 20歳頃からラブソングをメインに曲を作り リリースし。 そんな私に投げかけられた質問があまりにも衝撃的で。 なんで今まで考えてこなかったんだろう そればっかりが頭に浮かんで 「うわぁ…深いですね…」なんて 浅い返しをしてしまったあの頃を反省してしまう。 こんな事は赤裸々に綴る方がいいのかもしれない と思い今は朝の5:05。 全く寝れず、深夜テンションな感じで書いています。 寝れなかったのはきっと昨日 お昼まで寝てしまったからだなぁ。それも反省。 そうそう。 私にとって恋愛とはなんなのか。 これですよ。 正直言って、私にとって恋愛は人生の全てです。 と言ってしまっては ちょっと言い過ぎかもしれませんが。 そのくらい大切に、大事に思っているということで。 以前、コラムでも書いたかもしれませんが 「恋多き人」に憧れがあるんですね。 なんで?と思ってくれた方、 ぜひ 以前のコラム を読んでください(笑)。 仕事においてもやはり恋をして 詞を曲を書くのがいいと思っています。 実体験じゃなく想像や妄想でも書けるけど、 それだけじゃつまらない。 人を好きになるということの素晴らしさを 好きにならなきゃ良かったという悲しさを 歌える歌手でいたいから。 私の日々の生活においても 「恋愛」にスポットを当てているし 友達や知り合いの「恋愛」にも いつも神経を研ぎ澄ませています… ちょっと怖いね(笑) 結果全部仕事のためじゃん…? って思った方もいるかもですが そうではないのよ。 愛し、愛されるために生まれてきたのだから。 その愛は色んな意味があるけれど やっぱり恋愛の愛は私にとって必要不可欠です。 そんな私が詰まったアルバム 『ヒロインにはなれなくて』 愛されたい気持ちも 愛したい気持ちも書きました。 「 好きが残った 」のMVを公開した時に 「ここまでの恋をしてみたい」なんて コメントもいただきましたが それがとても嬉しかった。 悲しい歌なんだけどさ。 心が痛い歌なんだけどさ。 それでもこんな恋をしたいと思ってくれるほどの 「好き」を描けたのかもしれないと。 みんな、恋したくなって欲しいなぁ。 アルバムを聴いてくれた あなたにとって「恋愛とはなんなのか」 そんな話もいつかしてみたい。 <上野優華> ◆紹介曲「 好きが残った 」 作詞:上野優華 作曲:鶴﨑輝一 ◆New Mini Album『ヒロインにはなれなくて』 2021年6月9日発売 初回限定盤 BZCS-91191 ¥5,000(tax in) 通常盤 BZCS-1191 ¥2,500(tax in) <収録曲> 1.「 愛しい人、赤い糸 」 2.「 好きが残った 」 3.「 君の街まで 」 4.「 好きでごめん 」 5.「 ヒロイン 」 6.「 今日も君でした 」 7.「 幸せ 」

    2021/06/17

  • Ms.OOJA
    家族ってすごいなあ。家族って素晴らしい。
    家族ってすごいなあ。家族って素晴らしい。

    Ms.OOJA

    家族ってすごいなあ。家族って素晴らしい。

     メジャーデビュー10周年を迎え、来年3月27日(日)に初の日本武道館単独公演開催を発表した“Ms.OOJA”が、7ヶ月連続でデジタルシングルを配信リリース!2021年6月16日に第4弾となる新曲「Sweet Home」をリリースしました。同曲は“アサヒグローバルホーム”CMソングとして書き下ろされた1曲。変わらないあたたかな愛の溢れる場所を、いとしく想う気持ちを紡いだ、Ms.OOJAらしい癒しに満ちたミッドナンバーとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな“Ms.OOJA”による歌詞エッセイをお届け。今回はその第5弾。綴っていただいたのは、新曲「 Sweet Home 」のテーマに通ずる“家族”のお話です。Ms.OOJAの幼少期、弟妹のこと、母のこと、父のこと、忘れられない記憶、今、実感している想いを明かしてくださいました。あなたにとって家族とはどんな存在ですか? 是非、歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第5弾:「 Sweet Home 」~ Ms.OOJAデビュー10周年記念企画第四弾は、地元四日市の住宅メーカー『アサヒグローバルホーム』のCMソングとして書き下ろした「Sweet Home」だ。このアサヒグローバルという会社はCMソングと共に昔からよく知っていた。「夢のお家をたてるなら~」というフレーズは東海エリアに住む人ならみんな歌えるんじゃないかと思う。 そんなおなじみソングをしっとりと歌い上げたCMには、なんと私Ms.OOJAがイメージキャラクターとして出演までさせていただいている。そのタイアップバージョンとして6月から「Sweet Home」が使用されたCMが放映されている。この曲は「家族」をテーマに盟友ルンヒャンと共に作った。今回は家族について書いていこうと思う。 記憶にはないが、幼少期の私はとにかくわがままで、世界が自分中心に回っていないと気が済まない子供だったらしい。すべてのものを自分のものだと言い張り、小児科の待合室のTVで大好きなNHKの子供番組ニコニコプンがやっていると、他の子供たちに「これは私のだ!見るな!」という意図の奇声を発していたらしい。そんな子供本当に嫌だ(笑)。 そして少し大きくなって家族で出かける時、2つ下の弟と車の後部座席に常にひっくり返って座っていたので、バックミラーにはいつも二人の足しか映らなかったらしい。その頃の弟との写真を見ると、なぜか毎回お互いの片足を持った謎のポーズのものばかり出てくる。母からは「猿子」と呼ばれていた。猿のように落ち着きが無かったらしい。 その後、妹、弟が生まれ4人きょうだいになるにつれ、食べ物の争奪戦ばかりしていて掴み合い罵り合い本当に騒がしかった。小学生の時の休み時間には、一輪車に乗ったり、放課後には女子サッカー部でキーパーをしたり、かなり活発な方だったと思う。 母は常に面白いことばかり考えている人で、幼少から培われたであろう卓越されたその笑いのセンスで家中が笑いに満ちていた。そして極度の方向音痴でかれこれ40年ほど住んでいる町内で未だに迷子になったりするすごく天然の可愛い人でもある。 父は過去に柔道をやっていて、任侠ものやシュワルツェネッガー、スティーブン・セガールのハードアクション映画が大好きな昔気質の男!という感じの人。『ターミネーター』や『プレデター』に関しては買ったほうが安いのでは?と思うくらいレンタルして何度も観ていた記憶がある。荒っぽくて不器用だけど実は照れ屋で優しい、そんな人だと思う。 両親とのことですごく記憶に残っている出来事が2つある。ひとつは、小学1年生のある日私が泣きながら「学校に行きたくない」と両親に告げた時のこと。一緒に集団登校をする上級生に意地悪をされて辛かったのだ。両親はびっくりした顔をしていたけど、真剣に話を聞いてくれて、その上級生の家に電話をして話をしてくれた。すぐにその子と母親が家まで謝りにきてくれて、それを期にその子とは仲良くなることが出来た。 もう一つは、高校を卒業した後で働いた場所がいわゆるブラック企業的なところで、本当に辛くて精神的に参っていた時のこと。小学1年生の時のように泣きながら「仕事に行きたくない」と両親に告白した。その時も両親はあの頃のように真剣に話を聞いてくれて「そんな会社行く必要はない」と言ってくれてすごく楽になれた。 日々の出来事を何もかも話すような関係でもないけれど、親というものはいつだって全力の味方で、いざという時、温かく抱きしめてくれる大きな存在なのだと心に刻まれている。 思えば、学生時に「勉強をしろ」と一度も言われたことがない。それは私が中学まではどちらかといえば勉強好きで、自分からやる秀才タイプだったからかもしれない。でも、高校受験で燃え尽きてそれ以降勉強についていけなくなり赤点ばかりだった時にも、何も言われなかった。 そして将来歌手になりたいと言っても反対されることはなかった。クラブという未知の場所で歌を歌うことも、良くは思ってなかったかもしれないが、静かに見守っていてくれた。そしてついにメジャーデビューが決まった時、本当に心から喜んでくれた。無責任に放り投げてるわけではなく、ずっと信頼してくれていたんだと、今なら思える。 そんな当たり前に味方でいてくれる家族。自分も歳を重ねて行くに連れて、当たり前ではないことに気づく。30代の後半に差し掛かり、当然親も同じように歳を取った。まだはっきりとは見えないけどいつか必ずくる「その日」が目の端に見え隠れしてくる。 兄弟の中で唯一、数年前に妹が結婚し結婚式をしてくれて、男の子を産んでくれた。両親にとっての初孫、私や兄弟にとっての初甥っ子。本当に目の中に入れても良いくらいに可愛い。それまで実家に帰るのは1年に1回のお正月くらいだったのが、いっきに月イチになった。甥っ子を中心にまた家族が集まる機会が増えて、家の中が明るくなった。 そんな風に甥っ子の成長を嬉しく思い、何が何でも幸せになってほしい、この子のためなら何でも出来ると思う瞬間(もちろん甥っ子の両親である妹夫婦は自分以上に感じてると思うけれど)、自分にもこんな時期があったんだなと思い返す。そしてどれだけ愛されて来たんだろうと思うと同時にこれまでのたくさんの過ちを思い、どんなに心配をかけ悲しませたんだろうと思いを馳せた。 私は結婚もしていなければ子供もいない。子供の頃は大人になれば当たり前に結婚して家族を作るのだろうと思っていたが、それのなんと困難なことだろう(笑)。だからこれまで家族を継続し、四人の子供を育て上げてきた両親に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいだ。 世の中どんどん多様化していて、さまざまな生き方がある。私の人生に結婚や出産を経験する日が出来れば来て欲しいとは思うが、正直なくても幸せに生きていけるとは思っている。それでも家族というものの面白さ楽しさ、時には投げ出したくらい難解で困難な愛おしさに、私はずっと憧れ続けて行くのだろうと思う。 今回「Sweet Home」のMVで使用する大切な家族写真をファンのみなさまからたくさん送っていただいた。MVの構成上すべての写真を使うことは出来なかったのだけど、厳選する上でもすべてを見させて頂いた。様々な家族の形、それぞれの物語を覗き見させてもらったような気分で、懐かしさと愛おしさでいっぱいになり泣けてきた。 家族写真ってどうして泣けて来るんだろう?と考えた時に、それは奇跡だからだと気づいた。とてもかけがえのない簡単じゃない奇跡の重なりが、そこに映し出されているからなんだと。家族ってすごいなあ。家族って素晴らしい。この「Sweet Home」を聴いて家族がもっと楽しくなることを願っている。 <Ms.OOJA> ◆紹介曲「 Sweet Home 」 作詞:Ms.OOJA・RUNG HYANG 作曲:RUNG HYANG・Ms.OOJA

    2021/06/16

  • The Songbards
    都内某所の地下スタジオで行われたマスタリングについての連詩。
    都内某所の地下スタジオで行われたマスタリングについての連詩。

    The Songbards

    都内某所の地下スタジオで行われたマスタリングについての連詩。

     2021年6月2日に“The Songbards”がミニアルバム『AUGURIES』をリリースしました。今作は各作品が連動した三部作の第二章。人々の“孤独”をテーマにした、三部作の第一章『SOLITUDE』のリリースから約8ヶ月。第二章となる今作は、その“孤独”から、もう一度助け合いの精神を見つめ直す全5曲が収録された内容となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!The Songbardsの作詞作曲を担当している上野皓平と松原有志が、計3回に渡り、各テーマで“連詩”に挑戦してくださいました。連詩を終えての二人のやり取りも是非、お楽しみください。今回はその最終回。今作のマスタリングを終えた後、制作された連詩です…! ~歌詞エッセイ最終回~ ソングバーズの4thミニアルバム『AIUGURIES』はコロナの影響を受けながら、長期間での制作となりました。CDやサブスクを介して聴いてくれるみなさんのもとに届くまで。曲作りからマスタリングなど大まかに幾つかの過程がありましたが、今回も楽しみながら作業をさせていただいたことは間違いありません。 その最終作業となるマスタリングを終えた後、一息ついた上野と松原が今回最後の連詩に挑もうと思います。都内某所の地下スタジオで行われたマスタリングについての連詩。今回も前回に続き、一行ずつを八回でひとつの詩の完成を目指します!先行は上野。 上野:秘密基地 松原:お邪魔します 上野:わくわく隠してすまし顔 松原:耳を澄まして短く済ます 上野:お尋ねしますメカニズム 松原:刻むリズム沈むイズムフォーマニズム 上野:踏み散らかした足跡消して 松原:できた! ― この八行を終えての補足 ― 上野:まずは一行目やけど、マスタリングスタジオのイメージを割とそのまま書いたかな。 松原:いろんなスタジオがあるけど、秘密基地っていう言葉が確かにあってるスタジオやなと思うな。特に行ったことある人には伝わりやすいんじゃないかなと思ったし、完成に向けて、ワクワクしている雰囲気もあって。それをみて今回の詩を子供っぽく進めてみようかなって思ったけど、実際まあそんな楽ではなかったし、大変なこともあったから、まずはお邪魔しますって、ちょっとよそよそしく行こうかなって。 上野:なるほどな、それはそう(笑)。 松原:その後に、すまし顔ってきてるけど、お邪魔しますの「します」を並び替えて使ってきてるやんとか思って、俺もその語呂感に合わせて「耳を澄まして~」の行を書いたな。あとマスタリングって短く済ました方がなんかかっこよかったりするやん。時間かければいいっていう作業でもないというか。 上野:そうやな、ファーストインプレッションが大事な作業やもんな。 松原:次の「お尋ねしますメカニズム」ってなんなん? 上野:これはマスタリングを早く済ませてから、だいたいいつもマスタリングエンジニアさんにどういう機材使ってるんかとか、この曲はどこをどうしたんですか?とか聞く流れになるやん、それを表現してる(笑)。 松原:なるほど、たしかに聞いてるな(笑)。マスタリングエンジニアさんはそれを嫌がることはないけど、聞いたところでマスタリングエンジニアさんのレベルに簡単に辿り着けるわけもないのにな(笑)。でも恥を忍んでも聞きたくなるくらいやっぱりすごいなって毎回思えるし、そういうところは後の「踏み散らかした~」の行にも通ずるところやな。 上野:たしかに、次の「刻むリズム」行はどういうことなん(笑)? 松原:この行はまずメカニズムっていいなって思って、ここは韻で行こうと思って(笑)。今回のマスタリングはちょっとした調整でテンポが遅く聞こえたり、早く聞こえたりっていうのを気にしたし、そうやって何か一つのことを気にすることで何かを失わないといけないやん。音楽として気持ちよくのれるっていうのを重視した分、思想を消さないとあかんことになるっていうことで「沈む」って表現したのと、「フォーマニズム」は形式的になりすぎることはよくないって意味で使ったかな。 上野:なるほどな(笑)。 松原:で、7行目で「足跡消して」って書いてるけど、本当に消せたんかなって思ったな。マスタリングを終えて、それぞれのメンバーがやりたいこととか、エンジニアの人がやりたいこととか、いろんな人の痕跡が残ってるイメージやったから、「足跡慣らして」とか「足跡残して」とかの方が、物語感はあったんちゃうかなって思ったんやけどどう? 上野:なるほどな。そこを「消して」にした理由として、色々エンジニアさんに土足で踏み込んでる部分と、「刻むリズム」の行の韻を踏み散らかしてるところをかけてて、で結局マスタリング終えたら何事もなかった様に「ありがとうございました!」って出ていく様を書いたかな(笑)。 松原:なるほど、でも助かったといえば助かったかもな(笑)。このマスタリングの難しさと、文章のごちゃごちゃしだした感じっていうのは、マスタリング中とかレコーディング中のわけわかんなくなる瞬間を表そうとしてたし。もう文章としてちゃんと伝わる様なレベルじゃないというか。本当はそこまでぐちゃぐちゃにしたかったんだけど、それをするとさすがにおかしくなったんかな?って思われるかもやし、みんなに見てもらうやつだしと思って(笑)。 だからそこまでぐちゃぐちゃになってたら、「踏み散らかした」の行もより響いたのかもな。で、最後は綺麗にまとめようとしてるんかな?って思って、ちょっと投げやりで「できた!」で終わらせたな(笑)。 上野:なるほど、俺の勝手なイメージでは最後もう一回「すまし顔」ってきたらおもろいんちゃうかなって思っててん(笑)。 松原:でもたしかに近いのでいうと「お邪魔しました」で終わろかなとかも考えたりしたな(笑)。なんかそういうのってアニメっぽいよな。急に来て、ごちゃごちゃワーってして、シュッて冷静になってバイバーイみたいな感じ(笑)。 上野:そうそう。まさに最後はそんな感じ(笑)。 松原:でもやっぱり今回は時間をかけて作ったアルバムではあるし、嬉しさを共有したいなっていう面でも「できた!」ってなってミニアルバム聞いてもらう方がいいかなと思ってそうしたかな。 上野:確かに、それはほんまにそうやな。 松原:連詩3回やってみてどうやった? 上野:1回目から2回目のお互いの成長率を勝手に感じてたな(笑)。 松原:でももっと、未知の領域というか、互いに驚かされたり、納得させられたりするにはまだまだ時間かかりそうやな(笑)。 上野:それはそうかもな(笑)。 <The Songbards> ◆4th Mini Album『AUGURIES』 2021年6月2日発売 完全限定生産盤 VIZL-1897 \2,300 +tax 通常盤 VICL-65502 \1,500 +tax

    2021/06/15

  • GOOD ON THE REEL
    始まりはそう、鼻歌なんです。
    始まりはそう、鼻歌なんです。

    GOOD ON THE REEL

    始まりはそう、鼻歌なんです。

     2021年6月9日に“GOOD ON THE REEL”が『花歌標本』をリリースしました。結成15年目に放つ4年ぶりのフルアルバム。今作は“あなた”と“わたし”といった、身近な存在に対する想いを描いた楽曲が多く収録されております。15周年を迎え、ゼロから新たな自分たちの音楽を創りあげ、歌詞を付け、標本のように形あるものとして残したい、音楽に定義付けをしたい、そんな想いがアルバムタイトル『花歌標本』に託されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“GOOD ON THE REEL”の千野隆尋による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作『花歌標本』というタイトルに込められているもの。曲が“卵”の段階から、どのようにわたしたちの手元にたどり着くのか。是非その過程を彼の言葉でお楽しみください。 ~歌詞エッセイ第1弾:『花歌標本』~ よくライターさんから、「どのように曲を作られているんですか?」とか「詞先ですか?曲先ですか?」なんて質問を受けます。 楽曲の作り方って人それぞれどころか、その人の中でも色んなパターンがあると思います。有名な話だと、夢の中でできたって曲もあるくらいですから。でも根本的には、詞先にせよメロ先にせよオケ先にせよ夢先?にせよ、始まりはそう、鼻歌なんです。 天気や気分、景色や感情、言葉、コード、あるいは体温、様々な環境や刺激の中で、何かが自分と受精して鼻歌になる。それが卵。弱々しく、時に猛々しく。 さぁ、そこでせっかく産まれた卵をどう孵化させるか。卵にだって色んな種類があるように、卵の管理にだって色んなパターンが存在します。温めるしかり、口の中に入れておいて敵から守るとか、他の卵と取り替えて育ててもらっちゃうとか。 数多の方法があるから当然孵化しない卵、鼻歌も出てきます。記憶から食べられちゃうような、昔のデータすぎて見つけられないようなね。その中でも選ばれて、ギターをつけてみたり、ベースをつけてみたり、ドラムをつけてみたりされたものが、ここでいう孵化できたってケースですね。 そこからは育成期間です。どんなリズムにするのか、どんなフレーズをつけるのか、何をメインにするのかとかね。それによって姿形が変わってきます。宝石のように美しい蝶、近づくな危険スズメバチ、甘い蜜に群がるカナブン、どっしり構えたカブトムシ、、、。 楽曲もそうして成虫となりますが、そこでも選別が行われます。成虫になったからといって、バンドとしてはなんでもかんでもよしとはしないでしょ? だからライブで披露されたりされなかったり、お蔵入りになる曲もあるわけです。 しかしながらその中でも選ばれた成虫、1人じゃなく5人で悩んで選んだ楽曲達が、やっとこさCDという形で標本になるんです。ジャケットや歌詞カード、そういったデザインも含め、今の僕らの形を残すんです。長くなりましたが、そういった意味を込めたのが今回のアルバムタイトル『花歌標本』です。 今の僕らの楽曲を標本(CD)として残すことで、聴いてくれた誰かの未来に、微笑むように咲く鼻歌があることを願っています。 <GOOD ON THE REEL・千野隆尋> ◆4thフルアルバム『花歌標本』 2021年6月9日発売 初回限定盤 POCE-92118 ¥4,000(税抜)/¥4,400(税込) 通常盤 POCE-12164 ¥3,000(税抜)/¥3,300(税込) 01 あとさき 02 交換日記 03 虹 04 35°C 05そうだ僕らは 06 オレンジ 07 そんな君のために 08 ノーゲーム 09 目が覚めたら 10 標本

    2021/06/14

  • SCANDAL
    ある水曜の夜、お風呂に入っている時の私の独り言を書いた。
    ある水曜の夜、お風呂に入っている時の私の独り言を書いた。

    SCANDAL

    ある水曜の夜、お風呂に入っている時の私の独り言を書いた。

     2021年6月16日に“SCANDAL”がニューシングル「アイボリー」をリリースしました。結成15周年のアニバーサリーイヤー真っ只中の彼女たち。今作は2021年の第2弾作品です。作詞作曲を担当したのはギターのMAMI。ミュージシャンの宗本康兵氏と共同アレンジし、制作。カップリングには同曲の弾き語りバージョンが収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SCANDAL”のMAMIによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 アイボリー 」のお話。世界が大きく変わり、自身の曲作りのモチベーションの矢印も変わってゆくなかで、どのようにこの曲が誕生したのか。今、いろんな感情に振り回されながらも、日々生きているあなたへ。この曲とエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ:「 アイボリー 」~ 世界が一瞬にしてステイホームになったあの日から、バンドを結成してから今まで続いていた生活のルーティーンが別物になり、正直どうやって生きていいのかわからなくなった。 ツアーで海外や日本全国をまわり、帰ってきたらレコーディングに取り掛かる。作る曲もライブを中心に考えてきたし、いかに体を動かせて声を出すことができるかが重要だったりもした。だから、制作や楽曲へのモチベーションの矢印が、どんどん変わっていって、その変化についていけずへこたれる日々も少なくなかった。 1回目の緊急事態宣言が終わってからは、ルールを守った上で無観客の配信ライブやライブ会場のキャパに対してだいぶ少ない人数だけど、ありがたいことに有観客でのライブもやらせてもらってすこーーーーーーしずつ曲やライブに対しての感覚を取り戻しつつあるような気でいた。 だけれど、やはり、なかなか思うように曲作りは進まない。音楽の神に何か粗相でもしたのかしらと思うほどに(きっとそんなことはないと思いたい)。 私たちの毎週水曜日はミーティングの日。そこで毎週聞かれる『曲、どんな感じ?』に、降参!と言いたかったけど、書きたい気持ちもあったから上手く答えられなくてスタッフ陣を困らせてたと思う。 そのミーティングが終わったある水曜の夜。お風呂に入りながらやり場のないもどかしさと向き合って、どうにか曲が舞い降りてこないものかと額に汗をかきながら沸騰しそうな頭で考えていると、かれこれ何回悩んできただろう、また同じことで悩んでいるということに改めて気づくのだ(今更)。いや、もうその悩みええわ!と自分にツッコミを入れざるを得ない流れだ。 こんなやりとりを頭の中でしていると呆れて笑えてくる。“まあ、これが私か”と少し自分を肯定できた気もしたし、なんだか人間らしくていいなとも思った。 そんな苦しさやもどかしさに焦らされながらも私は生きてきて、きっとこれからもそうやって生きていく。そう思う。それでいい。そして、そんな自分をたまにクスッと笑えばいいのだ。いろんな感情に振り回されようが、矢印がどこを向こうが、まずは人間らしく生きようと思えた。 ある水曜の夜、お風呂に入っている時の私の独り言を書いた、アイボリー。もどかしく楽しく生きるのって意外と悪くないと思う。 <MAMI> ◆紹介曲「 アイボリー 」 作詞:MAMI 作曲:MAMI

    2021/06/11

  • 上野優華
    ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある
    ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある

    上野優華

    ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある

     2021年6月9日に“上野優華”がミニアルバム『ヒロインにはなれなくて』をリリースしました。今作には「魔法の絨毯」で大ブレイクを果たした川崎鷹也が初の楽曲提供した「愛しい人、赤い糸」、元Shiggy Jr.の原田茂幸が提供した「君の街まで」を含む全7曲を収録。前作「今夜あたしが泣いても」に続き、様々な恋愛の心情を歌った楽曲が詰め込まれており、上野優華自身も7曲中4曲作詞、2曲作曲を手掛けた意欲作となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその【前編】です。今作に込めた想いを綴っていただきました。歌詞を書くたびに自身の恋愛観を実感したという彼女。とくにリアルな新曲「 幸せ 」についての気持ちも明かしてくださいました。是非、歌詞と併せてお楽しみください…! ~歌詞エッセイ『ヒロインにはなれなくて』【前編】~ あなたの世界のヒロインになりたかった。 現実にはドラマよりもドラマのような 恋が沢山あるの、と思っていて ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある。 そんな恋をしてきた そんな恋がしたい あなたへ贈るアルバムを作りました。 『ヒロインにはなれなくて』 私らしいなぁ、とつくづく思います笑。 失恋、片想いをテーマに 色んな曲を詰め込んだので 色んな恋を体験しているような制作期間で。 作詞を4曲したのですが 歌詞を書く度に 上野優華の恋愛観を恥ずかしいほど感じます。 とくに痛感したのは「 幸せ 」という曲。 アルバムの最後の曲にしました。 リアルすぎるかな、なんて思いながらも 私から溢れ出てくる言葉で紡ぎました。 “さよならの後 振り返らない癖をつけた さっきまでの笑顔が消えてるような気がしてて” これは本当にそうなんです。 私は昔から、好きな人であっても 友達であっても家族であっても。 どんな人でもそうしてしまう癖が付いてしまっていて。 私に見せていたあの笑顔が消えていた時、 過ごした時間が嘘になってしまいそう。 それが怖くて、いつの間にか 振り返ることが出来なくなってしまいました。 寂しいな、なんて自分でも思うのですが こんな私だから書けるものがあって歌えるものがある。 さっぱりしてるね、なんて言われがちです。 割と自分でもそう思うけど 曲を書いてみれば 女々しさとワガママ全開なものが多いので きっと本当の私はそうなんだと思います。 音楽は知らなかった自分を 教えてくれるツールでもあると そう感じるような制作期間でした。 今回も色んなアーティストさんに 提供していただきました。 川崎鷹也さんに 提供していただいた「愛しい人、赤い糸」 原田茂幸さんからは「君の街まで」 私一人の価値観で制作するのではなく 色んなアーティストさんの言葉や音楽を 私の声で届けられる喜びはとても大きいです。 歌手として生きていきたいと思うのは この喜びが大きいから。 ラブソングを歌うのは あなたの心に寄り添うことが出来るのが嬉しいから。 このアルバムがあなたのそばに 私の音楽があなたのそばにありますように。 そんな願いを込めて。 <上野優華> ◆紹介曲「 幸せ 」 作詞:上野優華 作曲:松岡美弥子 ◆New Mini Album『ヒロインにはなれなくて』 2021年6月9日発売 初回限定盤 BZCS-91191 ¥5,000(tax in) 通常盤 BZCS-1191 ¥2,500(tax in) <収録曲> 1.「 愛しい人、赤い糸 」 2.「 好きが残った 」 3.「 君の街まで 」 4.「 好きでごめん 」 5.「 ヒロイン 」 6.「 今日も君でした 」 7.「 幸せ 」

    2021/06/10

  • The Songbards
    その企画の撮影を終えた後の上野と松原で連詩をしたいと思います。
    その企画の撮影を終えた後の上野と松原で連詩をしたいと思います。

    The Songbards

    その企画の撮影を終えた後の上野と松原で連詩をしたいと思います。

     2021年6月2日に“The Songbards”がミニアルバム『AUGURIES』をリリースしました。今作は各作品が連動した三部作の第二章。人々の“孤独”をテーマにした、三部作の第一章『SOLITUDE』のリリースから約8ヶ月。第二章となる今作は、その“孤独”から、もう一度助け合いの精神を見つめ直す全5曲が収録された内容となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!The Songbardsの作詞作曲を担当している上野皓平と松原有志が、計3回に渡り、各テーマで“連詩”に挑戦してくださいました。連詩を終えての二人のやり取りも是非、お楽しみください。今回はその第2弾。新曲「 夕景 」の企画撮影を終えて制作された連詩です…! ~歌詞エッセイ第2弾~ 2021の4月。ソングバーズはデジタルシングルとして「 夕景 」という曲をリリースしました。 そのリリースに伴って、「夕景SNSショートビデオ企画」という参加型の企画を実行。日本各地にいるみなさんに、同じ日同じ時間に夕日が沈む様子をSNSにあげてもらい、メンバーで編集したものをまたSNSにあげます、という趣旨のもの。 第一回目は日本の半分以上が雨に見舞われ、一部の方に託すことに。そして第二回目は晴れの地域が多かったようで、ついに東京に住むメンバーも参加することができました! 今回はその企画の撮影を終えた後の上野と松原で連詩をしたいと思います。まだ編集を控えているので、ビデオの完成は想像するしかありません。そんな状態での連詩は今回も前回に続き、一行ずつを八回でひとつの詩を完成させようと思います!先行は松原。 松原:とかいはひかげがおおすぎる 上野:ぼくらはいそぐ上へ上へ 松原:ビルをかき分け上へ上へ上へ 上野:だれかがぼくのかげになる 松原:とかいはひかげがおおすぎる 上野:かさなることばをかき分けて 松原:ぼくらはいきいそぐ 上野:だれかに光をみせたくて ― この八行を終えての補足 ― 松原:まず前回の詩はなんとなくソングバーズっぽさがあったなと思って、今回は自分たちっぽくなるのは避けたいなと思ったかな。あとみんなで夕日が沈むのを見るっていうのは、捉えようによってはちょっとロマンチックすぎる気もしたから、より純粋に捉えれるように都会とかをあえて平仮名にしたりしてスタートした。 上野:最初の一行目の詩の段階で、今回の詩の全体の雰囲気がすぐ掴めたし、すごい良いなと思った。谷川俊太郎さんとかまどみちをさんの感じか、なるほど。という(笑)。だから二行目の「ぼくら」とかは最初漢字ににしてたけど、ちょっと書き直したりしたりして。あとは自分が企画を参加した体験と詩の雰囲気を崩さないように心がけて進めていったかな。 松原:二行目は動きを感じる描写でいいなと思ったな。景色と動きの描写って、それぞれの方向性は違うけど、同じくらい力強い文章になると思うねん。ちゃんと今回の夕景の企画に沿った動きやと思ったし、俺もその流れに乗って続けようと思って三行目は書いたな。 上野:たしかに次も同じ感じの動きの描写を重ねたことで、臨場感とか躍動感みたいなのがより出たよな。 松原:うん、で次の「だれかがぼくのかげになる」はちょっと技ありって感じやと思ったかな(笑)。ここで一展開終わったなと思ったから、もう一回最初の文章が来て違う展開に繋がったら、前回との違いも含めて面白いんじゃないかなと思って。この前は八行で一文て感じやったから。 上野:うん、前回の反省をちゃんといかせてると思った(笑)。 松原:次の展開は、二行目に皓平が「いそぐ」って言葉を使ってて、三行目に俺が「かき分けて」を使ってた流れから、六行目に皓平が「かき分けて」を使ってきたからその反対かなと思って七行目に「いそぐ」ってのを入れたな。 上野:なるほど、それは意識してなかったんやけど(笑)。俺的に「かさなることば」っていうのは最初の文章をもう一回重ねてきたことと、都会の喧騒をかき分けるっていうのをイメージしてダブルミーニング的に使ってみようと思って。 松原:なるほどな。今度はビルとかの物理的なものをかき分けるんじゃないってことでな。 上野:うん、で最後の有志の「急いでいる」っていう状態を受けて、やっぱり最後はプラスのメッセージで終わりたいなと思った。自分が誰かに影を作ってしまってたとしても、その影を作ってしまった理由はせめて、自分のためじゃなくて誰かの為であってほしいなと。最後ちょっとくさいかもと思ったけどこうしたかな(笑) 松原:なるほど。最後ワードとしては普通よりな表現やなとは思ったけど、今補足を聞いてあぁなるほどなって伝わってくるものがあったから、次はそれを詩だけで伝えられるといいよな。 上野:(笑)。はい、ありがとうございます。 松原:(笑)。 <The Songbards> ◆紹介曲「 夕景 」 作詞:上野皓平・松原有志 作曲:上野皓平・松原有志 ◆4th Mini Album『AUGURIES』 2021年6月2日発売 完全限定生産盤 VIZL-1897 \2,300 +tax 通常盤 VICL-65502 \1,500 +tax

    2021/06/09

  • 奇妙礼太郎
    うそやろ。笑っちゃった。ぼくも少し泣いた。
    うそやろ。笑っちゃった。ぼくも少し泣いた。

    奇妙礼太郎

    うそやろ。笑っちゃった。ぼくも少し泣いた。

     2021年6月9日に“奇妙礼太郎”がミニアルバム『ハミングバード』をリリース!先行シングル「humming bird」の他、「アスファルト」など6曲が収録されております。本作に映し出されるのは、人生の儚さや未来への希望。エモーショナルに歌い上げる曲から、ポップで広がりのある曲まで、奇妙礼太郎の“今”を切り取った作品をご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“奇妙礼太郎”による歌詞エッセイをお届け。まずは自己紹介。そして、最近のメモしたことを明かしてくださいました。是非、今作の歌詞と併せて、エッセイもお楽しみください! ~歌詞エッセイ~ こんにちは奇妙礼太郎です。 音楽活動を主に行って暮らしています。 ひとつよろしくお願いします。 さて、はじめましての方はいったい私にどのような印象を持ちはるんでしょうか、この名前。まあやはり変わっている、変わっている寄りの名前ではあるので、由来等々質問頂くこともままあります。 名前の由来、エピソードとしてなにかおもしろいものあれば良かったんですが、取り立ててそういうわけもなく、チラシに載った時に、無名やけど一回見てみたくなるような名前てどんなんかな、という流れでふと思いついたまま、気がつくと20年ほど経ちました。 そんな私ですが、2005年にアニメーションズとしてローズレコードからアルバムを出してからというもの、2008年から奇妙礼太郎トラベルスイング楽団やら天才バンドというグループをやり、現在は主にソロアーティストとして活動しております。 最近の動向といたしましては、6月9日にニューミニアルバム『ハミングバード』発表。それに伴いレコ発ライブもございます。6月29日大阪梅田シャングリラ、7月1日東京duo music exchange、こちら両日共にバンドライブです。 そしてそのまま弾き語りツアーがはじまります。全国津々浦々、お会い出来ること楽しみにしております。 さあ自己紹介はこの辺りにしまして、最近のメモしたことをこちらにしたためたいと思います。 ①真面目 真面目な人、って褒め言葉として自分も使ってたんだけど、もうやめたほうがいいかもなと。不真面目でいいやん。不真面目によって出来た隙間に生まれた良さあるやん。生まれてなくてもいいし。 真面目だけで成り立つ世界は息苦しい。 真面目さを褒めることが、それを求める事になり、窮屈な世界の手助けをしてるかもしれん。 だから真面目に不真面目をやっていこう。 わけのわからない文章になってしまった。 ②あの頃 もう10何年前だろう ローリングストーンズを見にいった。 バンドメンバー4人。 はじまる少し前に居酒屋に入り、ビールで乾杯。 一曲目が何か当てようということになった。 サティスファクション、 スタートミーアップ、 新しい曲かも。 色々な意見が出た中、ギターの生島くんが 「ブラウンシュガー」と言った。 居酒屋を出て大阪ドームへ。 すごい熱気だ。 ミュージシャンの姿もチラホラ見かけた。 売店でビールを買い、席へ向かう。 しばらくすると照明が暗転し、ステージが照らされた。 ダッダーン、ダダダーダダダーダダダ ダッダーン、ダダダー ブラウンシュガー! そう思ってとなりの生島くんを見た。 口を大きく開けて叫んでいた。 ダッダーン!ダダダーダダダーダダダ! ダッダーン!ダダダー! ギターのリフを口で叫んでる人をはじめてみた。 しかも涙を流しながら。 うそやろ。 笑っちゃった。 ぼくも少し泣いた。 奇妙礼太郎でした。 それでは、また。 <奇妙礼太郎> ◆ミニアルバム『ハミングバード』 2021年6月9日発売 VICL-65495 ¥2,200(tax in) <収録曲> 1.humming bird 2.お茶を飲もう 3.Life Is Beautiful 4. アスファルト 5. 思い出の店 6. すぐそばのハッピー

    2021/06/08

  • 生活は忘れて
    いろんなことから逃れるために、夜に浸って浸っているんだろうな。
    いろんなことから逃れるために、夜に浸って浸っているんだろうな。

    生活は忘れて

    いろんなことから逃れるために、夜に浸って浸っているんだろうな。

     2021年6月2日にソロミュージシャン“生活は忘れて”が1st Full Album『生活』をリリース!リード曲「生活」をはじめ、インターネットを中心に活躍する女性シンガー“ねんね”とのコラボ楽曲「夜通し (feat. ねんね ) 」、シンプルなピアノサウンドで厭らしさと一瞬の色気を感じさせるようなインストゥルメンタル楽曲「あこがれ」などを含めた全12曲が収録。まさに“生活を忘れて浸りたい”繊細かつ丁寧に仕上げた至極の1作です。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“生活は忘れて”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 生活 」に通ずるお話です。人間関係について、将来について、夜について、不安、迷い、ネガティブな本音、様々な気持ちを等身大の言葉で明かしてくださいました。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 生活 」~ “毎日の暮らしに怯えた” 「生活」という歌詞の冒頭ですが、 最近の自分を端的に表した 言葉でもあるかなと思います。 小学生や中学生の頃の僕は 今思えばそんなに意識せずとも 人の輪の中に溶け込めていける人間でした。 それが、高校生のころから徐々に 人付き合いが下手になってきた気がしていて、 その頃友人だったといえる人は 片手で数えても余る程です。 お昼ご飯はたまに来る友人と よく保健室で食べていました。 無理して輪に入っていこうとしたこともありましたが やっぱり無理なものは無理でした。 大学に入ってからは、 周りの人に恵まれていて、そこでは救われました。 けれども、自分自身の心持ちが 根本的に変化したかと言われればそうでは無いわけで。 今年大学を卒業して 音楽系の専門に通っているのですが、 現状は、以前よりも酷くなっているなと感じています。 「友達」とか「友人」とか 以前はよく口に出していましたが、 最近はそのワードを発するのに何故か 結構なハードルを感じてしまう自分がいます。 (友達って何?とかって考えこんじゃいます) 自分の心持ちを根本から変えるためには そういうところが良くないのだろうと思っていますが なかなか変えられないもので…。 それと、大人に近づくにつれて、 最近は将来に対する不安という 誰しも経験するよくある不安も出てきていて、 音楽でやっていけるんだろうかとか 興味がないであろう音楽以外のことを 仕事にしても続くんだろうかとか (そんなもんは甘えだと言われればそうかもしれません) そういう本当によくあるありふれた不安も相まって 最近の心持ちは下方向に一直線な自分です。 普段の生活を顧みないで ずっとやりたいことばかりに熱中していたら その期間が長くなればなるほど、 普段の生活に戻った時の反動が 大きくなる気がしています。 そこからずっと抜け出したくないから 夜更かしし出したのかなと思います。 よく夜更かしをするようになったのは たしか高校生くらいからだったと思います。 自分にとって生きづらい昼間から 逃げた先の夜の居心地がとっても良くて、 “夜”というものに対して 何か特別な思いを持つようになった、 とかって考えてしまいます。 人間関係のこととか将来のこととか いろんなことから逃れるために 夜に浸って浸っているんだろうなと。 そうしている間にも時間は経っていってしまって。 そんなことを考えていると、 自分が音楽やっていなければ (音楽以外にも積極的に可能性を見出せれば) こんな思いになることもなかったのかなとか 思ってしまいます。 たらればを言っても仕方無いですが。 友人のことや将来のこと、夜のこと等々、 考えたことを次々書いたので 書き散らしも甚だしい駄文になってしまいました…。 本当に申し訳ないです。 けれども、背伸びをした文章ではなく、 等身大の考えを書けたと思います。 なんだか暗い文章になったけれども 僕みたいな心持ちの人は きっと結構いるんじゃないかと勝手に思っています。 そんな方に寄り添う文章になっていれば幸いです。 <生活は忘れて> ◆紹介曲「 生活 」 作詞:生活は忘れて 作曲:生活は忘れて ◆1st Full Album『生活』 2021年6月2日発売 PECF-3260 ¥2,420(税込) <収録曲> 01. intro.01 02. 生活 03. throw off 04. 綺麗なものだけ 05. 素肌 06. おでかけ 07. 浅めの夜で 08. 夜通し (feat.ねんね) 09. あこがれ 10. Alternative 11. それまでおやすみ 12. 22

    2021/06/07

  • um-hum
    ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。
    ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。

    um-hum

    ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。

     2021年5月26日に“um-hum(ウンウン)”が1st mini album『[2O2O]』をリリースしました。彼らは2020年関西最大の音楽コンテスト<eo Music Try19/20>でグランプリ受賞。急速に注目を集める、結成1年半の平均年齢21才大阪発4ピースバンドです。今作には、全8曲を収録。3日間で一気にレコーディングを終え、彼らの初期衝動が詰まった現時点での最高傑作となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“um-hum(ウンウン)”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は最終回。執筆を担当したのは小田乃愛(Vo)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Ungra 」のお話。コロナ禍、本当か嘘かもわからない様々な情報が溢れるなか、飛び交う思いやりのカケラもない言葉たち。現実を目の当たりにしながら、小田乃愛が歌詞に込めた本音を明かしてくださいました。歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:[2O2O]1曲目、「 Ungra 」という曲。~ 「Ungra」は、um-humとしては“キャッチーな曲”として作られた分、当時自分が一番伝えたい事を歌詞にしたいと思って書いたものです。 ここで「Ungra」を出した時、ライブの物販スペースに“小田脳ート”というノートを置いたのですが、そこに書いたものを載せます。 202007~ 公の世の素敵な方々が亡くなる中で 色んな情報が自分のスマホに流れてきて、それを見ているとなんだか不安になりました。世の中こういうもんなのか。心無い言葉、冷静になれない言葉が、連鎖していました。 自分でよく考えて行動するということを出来てない人達が情報に集って群れている気がする。なんか終わってんな。しかもこれが後に何度も繰り返される、なんだか恐ろしいなと思った。  謂わばインターネットの時代、変えていくなら自分達しか居ないよなと思った。「この世には色んな人がいるから、こういうのはこの先も終わらない」とかそんな事言うけど、じゃあどうやって歴史は変わっていったと思ってるんだ。こんな事を思うばかりである。 自分はこういう事は心にしまっておきたい人なのですが、どうにか伝えられるよう、自分が歌詞を書いて、ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。 例えばこの曲のサビに「助けが身を滅ぼす」という、聞いただけではまぁ凄い大袈裟なワードがあるんですけど。こんな感じで、この曲の歌詞全体を通し、耳にすんなり入っていかない歌詞にすることによって、視聴者を考えさせるような歌詞にしようと思ったんです。聴いた人が自分で答えを見つけていくように. 皆さま各々の考え方、各々の感性で、この曲の答えを見つけてくれたならば、私はこの曲の歌詞を生み出した甲斐があったと心底思います。 この曲の歌詞の言葉に、これからも責任を持って歌います。見てくださってありがとうございました。 と、1ページに纏めてこんな感じでした。 「助けが身を滅ぼす」という歌詞を作るのにめちゃくちゃ時間をかけたのを思い出しました。このサイトに書かせていただいた前作で後輩の話をしたのですが、その後輩とコメダ珈琲店へ行った際に作った歌詞が「戯言、豆の煮物」だったことも思い出しました。 人の真実かどうかもわからない情報を聞けば聞くほど、見れば見るほど、その情報をあたかも“本当の事”と受け取る人が多いよな、自分で考えろよ。ってマクドで女子高生が言ってました。 <um-hum・小田乃愛> ◆紹介曲「 Ungra 」 作詞:Oda Noah 作曲:R.ioka ◆1st mini album『 [2O2O]』 2021年5月26日発売 <収録曲> 01 Ungra(2O2Over.) 02 芥 03 Yawning 04 JoJo(2O2Over.) 05 続予報 06 20?? 07 space interval 08 secret track

    2021/06/04

  • 手嶌葵
    なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのは…。
    なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのは…。

    手嶌葵

    なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのは…。

     2021年6月2日に“手嶌葵”が、デビュー15周年を記念したオールタイムベストアルバム『Simple is best』をリリースしました。彼女の「素敵だなって思うことやものって、意外にシンプルだったりするんですよねぇ」という一言から名付けられた今作。まさに手嶌葵のアーティスト活動の集大成ともいえる全15曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“手嶌葵”による歌詞エッセイをお届け。15周年を振り返っての想いを綴っていただきました。また、ベストアルバムの選曲を進めていくなかで、改めて「一番難しい」と感じた歌やコンサートで必ず歌う思い出の歌、デビューのきっかけになった歌とは…? 是非、アルバムと併せてこのエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:15周年を迎えて~ 歌手としてデビューさせて頂いて、2021年6月7日に15周年を迎えます。 今、皆さんにお伝えしたいことは、シンプルに…歌を聴いてくださってありがとう、です。ラジオや映画・TVで流れる歌を聞いてくださったり、CDを手に取ってくださったり、コンサートで応援してくださったり。皆様、いつも優しく支えてくださって本当にありがとうございます。 なんてあっと言う間に15年もの月日が経っているのか…と、少しぞっとしながらベストアルバムの準備を始めました。選曲に悩みながら、色々と曲を聴いたり一緒に歌ったりしていると、忘れっぽい私でもレコーディングルームの様子、来て下さっていたミュージシャンの皆さんのこと、何度も歌詞が変わった曲や憧れの人に作って貰えた曲、素敵なファーストテイクがとれて嬉しかったこと…。歌を歌う小さなブースのなかでの思い出が溢れてきて、なんて幸せな15年だったんだろうと改めて思いました。 振り返ってみると、こんなにも沢山の美しい曲を作って頂いていたんだなと感じ、記念日というものは、今まで出会ってきた方々に感謝する日なんだなと思いました。そうして選曲を進めていくうちに、なぜだか一番難しい歌は…とふと考えてしまい、思いついたのはデビュー曲「 テルーの唄 」です。 18歳の私は福岡の音楽学校のレッスン室でこの曲を聴きながら、そしてこの物悲しい詞を読みながら、『このオーディションの曲は難しい』と少し投げやりになっていたのを思い出します。学校の終わりに録音スタジオに向かい、緊張しながら歌った『テルーの唄』は、今でも歌う前、あの頃と同じ様に少し力が入ってしまいます。ですが、一番私自身に溶け込んでいる唄であり、これからも一番歌う歌であると思います。大事にしていきたいと改めて思います。 それから「 明日への手紙 」という曲は、コンサートでは必ず歌う曲です。ドラマの主題歌に採用して頂いたという理由もありますが、美しいメロディと色々な年齢の方に寄り添うことが出来ると思える優しい歌詞のバラードだからです。私自身、歌っていて、だんだんと気持ちが熱くなっていくのと同時に、とても優しい気持ちにもなる曲です。皆さんもそう感じてくれてるのではないかと思っています。そして、この曲をきっかけにコンサートに遊びに来て頂く方が増えた思い出の曲でもあります。 今回のアルバムでは日本語の歌も大切に歌っていきたいという思いから、オリジナル曲を中心に収録していますが、15周年記念という事で、私のデビューのきっかけとなった「 The Rose 」を新しくレコーディングしました。今まで支えてくださった皆さんに、感謝の気持ちを今のこの声で伝えることが出来る歌は『The Rose』だと思ったからです。 15周年を迎えた今、私が愛する曲達を集めたベストアルバム『simple is best』。是非沢山の方に聞いて頂けたら幸せです。 <手嶌葵> ◆紹介曲「 テルーの唄 」 作詞:宮崎吾朗 作曲:谷山浩子 「 明日への手紙 」 作詞:池田綾子 作曲:池田綾子 「 The Rose 」 作詞:Amanda McBroom 作曲:Amanda McBroom ◆デビュー15周年記念 オールタイムベストアルバム 『Simple is best』 2021年6月2日発売 初回限定盤 VICL-70246 ¥4,950(税抜¥4,500) 完全生産限定盤 VIZL-1906 ¥7,700(税抜¥7,000) 通常盤 VICL-65505 ¥3,300(税抜¥3,000) <収録曲> 通常盤、初回限定盤Disc1、完全生産限定盤Disc 1 1.テルーの唄 2.時の歌 3.岸を離れる日 4.虹 5.さよならの夏~コクリコ坂から~ 6.流星 7.明日への手紙 8.海を見つめる日 9.風の谷のナウシカ 10.東京 11. 瑠璃色の地球 12.こころをこめて 13.散りてなお 14.ただいま 15.The Rose(15th Anniversary Version)

    2021/06/03

  • The Songbards
    詩から絵を描いてもらったのとは逆に、絵を見て詩を書いてみようと。
    詩から絵を描いてもらったのとは逆に、絵を見て詩を書いてみようと。

    The Songbards

    詩から絵を描いてもらったのとは逆に、絵を見て詩を書いてみようと。

     2021年6月2日に“The Songbards”がミニアルバム『AUGURIES』をリリースしました。今作は各作品が連動した三部作の第二章。人々の“孤独”をテーマにした、三部作の第一章『SOLITUDE』のリリースから約8ヶ月。第二章となる今作は、その“孤独”から、もう一度助け合いの精神を見つめ直す全5曲が収録された内容となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!The Songbardsの作詞作曲を担当している上野皓平と松原有志が、計3回に渡り、各テーマで“連詩”に挑戦してくださいました。連詩を終えての二人のやり取りも是非、お楽しみください。今回はその第1弾。とあるプラネタリウムを観た後に制作された連詩です…! ~歌詞エッセイ第1弾~ 詩を読む時、言葉から連想される景色や感情は本当に色とりどり。僕たちはそれを音楽として表現することを選んでいますが、それ以外にも表現する方法はいくつもあります。 ソングバーズの『SOLITUDE』というミニアルバムにはブックレットの特典がついているのですが、その中でバンド初となる試みをしました。歌詞とは違う詩も作り、曲とその詩のイメージから「絵を描いて」もらうということです。絵を描いてくれたのはライブペインティングパフォーマーで絵描きの近藤康平さん。Gt.Vo.の上野は弾き語りで一緒にステージに立つ経験もしています。 今回はソングバーズの作詞作曲を担当している上野と松原のニ人で、その繋がりにまつわる新たな試みをしようと思いました。詩から絵を描いてもらったのとは逆に、絵を見て詩を書いてみようと! 現在、コスモプラネタリウム渋谷では『Starry Music~世界を巡る星とピアノと色彩~』という、絵と音楽とプラネタリウムを融合した番組が上映されていて、その絵の役割を担当しているのが近藤さんでした。インスピレーションにもぴったりなこの機会を逃すまいと二人で足を運びました…! その作品を見た後で作った 二人での連詩です。先行は上野から。 一行ずつを八回でひとつの詩を完成させます。 上野:暗闇に空いた小さな窓に 松原:大きな筆が迷いなく舞う 上野:街を、そして木や人を 松原:気配のない温もりが包む 上野:見えるものと見えないもの 松原:をみつめる 上野:たくさんの小さな目が 松原:をみつける ― この八行を終えての補足 ― 上野:まず 前回 は二行ずつ連詩をして、今回は一行ずつにしてみたけど結構感覚が違うかったな。前は小さい展開が始まって終わってを二行で繰り返しながら繋がっていったけど、今回は二人で一つの展開を始めて終えないとあかんのかな、っていう難しさを勝手に感じてた。 松原:今回は八行で一文って感じよな、展開があったとかじゃなくて一つのことを八行で言ったなって感じはしたかな。順番的に皓平が展開を作る役割で、俺がそれに対して受けて何かを書くっていう役割に自然となってたけど、六行目からそれが嫌になってきて、ちょっと変なことしたいと思って「をみつめる」を書いてみたりしたな(笑) 上野:こういう崩してくる感じええなと思った(笑) 松原:改行して「をみつめる」ってなると「何を?」ってなるところに、皓平が「~を」って書いて、最後に「をみつける」って終われたら気持ちいいなと思ってここはこうしたんやけど。まさかの「たくさんの小さな目が」ってきてどうしよかなって思った。けど、たくさんの小さな目が宇宙の目なのか、プラネタリウムをみている人たちの目なのかはかっていうのは想像の余地があると思ったから、そこはあえて何も書かないで、何をみつけたんやっていう気持ち悪さを持たせるのもありやなって思って。 上野:うん、確かに小さな目っていうのはまさに宇宙から見た目線でもあるし、自分たちが星を見ている目線でもあるし、誰かには見えないものを見ることができる生物の目線でもあると思って書いたな。見えるものと見えないものの違いは、それを見る生物の体の機能によって違うしなと思って。電磁波を見ることができる生物もいるし。 松原:なるほどね。あと今回のやりとりの中で、「みつめる」っていう言葉が実際に見えてるかどうかっていうのは関係ないってことに気付いたな。逆に「みつける」っていうのは見えている状態だど思うんやど、「みつめる」っていうのは見えてるとは限らないんやなって。心の中をみつめるっていう表現もあるし、なんか綺麗やな思って。 上野:なるほど、それはたしかに。 松原:あと今回、助詞の役割っていうのが、すごい無意識的に日本人には刷り込まれてるんじゃないかと思ったな。「~に」ってきたら次は「~だ。」っていう終わるしかない雰囲気を感じたというか。 上野:なるほどね、それは順番的にあんまり俺は感じられなかったな(笑) 松原:じゃあ次回は順番を入れ替えてということで(笑) <The Songbards> ◆4th Mini Album『AUGURIES』 2021年6月2日発売 完全限定生産盤 VIZL-1897 \2,300 +tax 通常盤 VICL-65502 \1,500 +tax

    2021/06/02

  • Omoinotake
    弱くて脆い、僕はただの人間だから。だからこの曲を書いた。
    弱くて脆い、僕はただの人間だから。だからこの曲を書いた。

    Omoinotake

    弱くて脆い、僕はただの人間だから。だからこの曲を書いた。

     2021年5月26日に“Omoinotake”が最新デジタルシングル「彼方」をリリースしました。自らの未来への決意と想いを歌った楽曲となっており、東京国際工科専門職大学・大阪国際工科専門職大学・名古屋国際工科専門職大学のCMソングとして制作された1曲です。「心がおもむく場所を信じたい」という確かな想いを表現したエモーショナルな歌声を、ご堪能あれ…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Omoinotake”の福島智朗/エモアキ(Ba&Cho)による歌詞エッセイをお届け!今作の作詞を手掛けた彼。新曲「 彼方 」に通ずるお話を綴っていただきました。これまでの人生における様々な選択を振り返りながら、Omoinotakeを組んだときの気持ち、初ライブを行ったときの手ごたえ、そして今の想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 彼方 」~ 人生は選択の連続だ。 何時に起きて何時に寝る、何を食べて何を飲む。 何気ない生活の中でも、本当に些細な選択を 無意識の中で、僕たちは選んで暮らしている。 18歳の時、僕は高専を中退した。 それまでの人生の中で、一番大きな選択だった。 東京でバンドがしたかった。 中学生の頃から、ぼんやりと胸の中にあった、僕の夢。 「売れなかったらどうしよう」 「僕みたいな田舎者が、都会で成功できるはずがない」 頼りない僕の夢は、 まだ起こってもいない未来を勝手に想像して、 あっけなく折れた。 まだ何も始まってすらいなかったのに。 音楽の専門学校を勧めてくれた母ちゃんを、 ありったけの言い訳で説得して、 僕は服飾の専門学校へ進学して上京した。 正しかったのは母ちゃんだったのに。 音楽だけを選択して、 何者にもなれなかった時の自分が怖かった。 これが正しい選択だって自分に言い聞かせて、 初めての一人暮らしが始まった。 学校とバイト先を往復する毎日の中で、 島根から持ってきたベースとアコギは、 部屋の隅で埃をかぶっていた。 たまに思い出したように取り出して、 背面に貼られた昔組んでたバンドのステッカーを 眺めては、寂しくなった。 後戻りはできない、自分で選んだ道だった。 高専を辞めたことも、上京したことも、 服飾の専門に進学したことも、どの選択も。 それなのに、なんでこんなに 寂しくて悔しい気持ちがするのか、わからなかった。 心の内を吐露できるような、友達もいなかった。 眠れない夜には アコギを取り出して、曲を作るようになった。 家賃5万5千円の壁の薄いアパートだった。 何度も何度も壁ドンと床ドンを繰り返されて、 毛布にくるまって「ごめんなさい」と 呪文のように呟きながら眠りについた。 冬が明けて、 壁ドンがピンポン連打に進化した頃、 数曲ができあがっていた。 忘れたふりをしていた夢のこと、 ちゃんと見つめたいって、思った。 2年目。 レオが浪人を終えて上京してきた。 Omoinotakeを組んだ。 2012年の8月5日。 最低の1年間の中で書いた曲を演奏した初ライブ。 僕らのお客さんは片手で数えるほどしかいなかったけど あの日の手応えが、ずっと今も僕の中に残ってる。 あの日からもうすぐ9年が経つ。 いつも大切なところで 落ちてしまったオーディションライブ、 何度も何度も繰り返した渋谷の路上ライブ、 どんな一瞬も、今思えば 決して無意味じゃなかったと、思いたい。 あの頃に出会った同世代のバンドは、 みんないつの間にか解散してしまった。 中途半端に一度逃げた僕は、今も音楽を続けている。 今日もバンドを続けるための、 夢を叶えるための選択を、僕たちは続けている。 失ったものや、会えなくなった人、 叶わなかった想いもあるけれど、 少しずつ、少しずつ、守りたいものや、 大切な人たちが増えていく。 「彼方」で書いた歌詞は理想論だ。 毎日、毎分、毎秒。こんなに強い想いを、 僕は保ってはいられない。 きっと明日も明後日も、 きっと漠然とした不安に襲われる。 投げ出してしまう夜もある。 進んだ先に何があるのか、 マイナスのイメージから先に勘繰ってしまう。 弱くて脆い、僕はただの人間だから。 だからこの曲を書いた。 迷った時にいつでも帰ってこれる指針が、欲しかった。 選択を間違えたと泣いた、あの日の僕のことさえも、 愛しい過去と、いつか言い張れるように。 夢はまだ、彼方のように遠くにある。 だけど、この胸のおもむく方向に、 僕らの想い描く未来があると、信じている。 <Omoinotake・福島智朗/エモアキ> ◆紹介曲「 彼方 」 作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央

    2021/06/01

  • みきなつみ
    やっぱり帰る場所は、ベストフレンドフォーエバー!です!!
    やっぱり帰る場所は、ベストフレンドフォーエバー!です!!

    みきなつみ

    やっぱり帰る場所は、ベストフレンドフォーエバー!です!!

     2021年5月26日に“みきなつみ”がミニアルバム『イエローバタフライ』をリリース。4月に配信リリースにされた「ウシロマエ」、自身の失恋体験を綴った「君が普通に生きてるなんて嫌だ」など、全7曲が収録されております。みきなつみが「2020年があったからこそ生まれた曲が、ほとんどです」と語る今作。是非、じっくりとご堪能あれ!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“みきなつみ”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回は【後編】です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 GIRL 」に通ずるお話。幼馴染、学生時代の友達、大人になってからの友達、あなたにとってのベストフレンドを思い浮かべながらこのエッセイと歌詞をお楽しみください! ~歌詞エッセイ【後編】:「 GIRL 」~ 私には、地元や学校が一緒で 仲良くなった友達 音楽活動をはじめて知り合い 仲良くなった友達がいます。 大人になるにつれて、 学生の頃の友達とは少しずつ疎遠になって 現在、生活の軸となっている音楽での 交友関係が増えていきます。 学生の頃の友達と会わなくなっていくのは 少し寂しくなる時もあるけれど それぞれのやりたいこと、守りたい人が できたからこそであって、 幸せなことなんだろなあ と、思います。 それに何年ぶりに会っても 「先週ぶり?あれ、昨日ぶりだっけ?」 みたいな感覚にさせてくれます。 ちょ~~キツかった部活を一緒に 乗り越えたり、受験を一緒に乗り越えたり、 青春の一部を共有していた友達というのは とても貴重で、恥ずかしい時代もダメなとこも 全部知られちゃってるわけなので なんでもさらけ出せる存在!になりますよね。 だからこそ、大人になってるとこを見て しみじみ時の流れを感じるし やっぱり変わらないな~ ってところを見てホッとするし なんか最近は、親戚みたいになっています。 そんな大切な友達に これからどんなことが起きても 味方でいたいし、変わらない場所で ありたいなと思います! 悩みがあれば、いつでも話を聞くし 悲しければ、泣ける場所で 嬉しいことは、シェアして何倍も喜べる そんな存在(居場所)でありたいです。 「ベストフレンドフォーエバー!」です! 23歳にもなって、何を言ってるんだとか 思わないでください! ちょっと照れますが 本気なので仕方ないです(笑)! 私は、いつでも本気なので! 友達も仕事も恋愛も!!!沢山信じて、 それなりに裏切られたりもして 気づいたのです。 やっぱりどんな時も揺るがないのは ベスト!フレンド!フォーエバー!だな! と、、、。 そして、そんな場所があるから また人を信じられるし 何度も立ち上がれるんだなと。 ありがとう友よ、、、。 遠くにいても、会うのが10年に一回でも それでもいいんです! だって、どんな時も私たちBFFだから! (平成裏ピース☆) <みきなつみ> ◆紹介曲「 GIRL 」 作詞:みきなつみ・矢作綾加 作曲:みきなつみ・大知正紘 ◆ミニアルバム『イエローバタフライ』 2021年5月26日発売 FOCD-0062 ¥2,000+tax <収録曲> 1.君にだけバレて欲しいな 2.青春のフィルター 3.Letter 4.GIRL 5.君が普通に生きてるなんて嫌だ 6.ウシロマエ 7.バタフライ

    2021/05/31

  • um-hum
    部屋でぼーっと日向ぼっこしているとピロンとスマホの通知が鳴った。
    部屋でぼーっと日向ぼっこしているとピロンとスマホの通知が鳴った。

    um-hum

    部屋でぼーっと日向ぼっこしているとピロンとスマホの通知が鳴った。

     2021年5月26日に“um-hum(ウンウン)”が1st mini album『[2O2O]』をリリースしました。彼らは2020年関西最大の音楽コンテスト<eo Music Try19/20>でグランプリ受賞。急速に注目を集める、結成1年半の平均年齢21才大阪発4ピースバンドです。今作には、全8曲を収録。3日間で一気にレコーディングを終え、彼らの初期衝動が詰まった現時点での最高傑作となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“um-hum(ウンウン)”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾。執筆を担当したのは小田乃愛(Vo)です。綴っていただいたのは、日常のとある3つのお話。友人とマックを食べたり、LINEのグループ電話をしたり、後輩の美人な恋人の話を聞いたり。どこか歌詞に通じているリアル。是非、楽曲と併せてお楽しみください。 ~歌詞エッセイ第2弾~ 1.この間友人とマクドナルドを食べた。 夜マックの、倍マックの、ビッグマックを食べた。僕らは偶然音楽の世界で出会った間柄だけど「同じクラスの友人」と言う設定で、嘘の話を作り上げながら2人、学生の多い店内で盛り上がっていた。 「あの英語の永田、今度結婚するらしいな」とかマジの顔をしながら。それに合わせるように会話を広げる。途端に“笑ったら負け”みたいなゲームが始まって、僕は思わずニヤニヤしまった。もしかしたら僕らは音楽とかより本気で演技に向き合った方がいいのかもしれないとか思ったり、しなかったりした。 満たされた腹がふたつ、ヘニョヘニョになりながら帰っていた。「爆弾落としてくるわ」とコンビニを見ながら言うので僕もついて行く。向かい合っている位置にあるトイレへ、戦場に向かうかのように二人してドアを閉じる。すると途端に向かいのトイレから「ブフォオオオ」と爆弾が落ちる音が聞こえた。僕は思わず吹いてしまった。もしかしてこのコンビニはブラジルまで陥没してしまうのではないか。トイレを出て とんでもない兵器とまた訳の分からない話をし合い、爆笑しながら帰った。 2.週に3~4回、LINEのグループ電話の通知が鳴る。 「お、来たな」と思いながら電話に参加する。鈴木と、鈴木と、長井と僕の4人でゲームをする。一瞬で遠い場所と繋がる。空にはどんな線がうじゃうじゃしているのか知らないが、途切れない4本の線で 多分僕らは繋がっている。 何気ない話をしながらコントローラーを握りしめる。この時間だけは本当に何にも考えずに敵を殺す。話していると、どうやら鈴木と長井はもう少しで同棲をするらしい。しかも2LDKらしい。電話を切るとき、いつも少し物寂しい感じになるから、自分は一瞬で切るようにしている。 切った後、あいつらの2LDKはどんな部屋になるのだろうとか、どんな飯を作るのだろうとか、ちょっと考えて楽しみになった。そして寝る前にちょっと歌詞を書いた。 3.部屋でぼーっと日向ぼっこしているとピロンとスマホの通知が鳴った。後輩だ。こいつはもう10年くらいの仲で、なんでもかんでも話せる唯一の友人だ。「暇」と書いていたので、「さて公園でも行くか」と返した。僕らはいつもこんな感じで喫茶店に出向いたり、コンビニでアイスを買って食ったりする。 めでたい事に最近こいつには彼女ができたらしい。それも、画像を見せてもらう限りとびきりの美女である。こんな美女と、これから傷付きながらも2人の世界を作っていくのだ。ただただ応援の気持ちでいっぱいである。僕はこの美女のことを、話を聞くのみでしか知ることができないが、勝手に想像して歌詞を書いたりする。 ごめんな後輩。この世界で描く美女は、お前の世界で見ている美女ではないかもしれないが、俺はお前より、この世界でその美女のことを知ってしまっている。惚気話を聞きながらこっそりひとりで答え合わせをするのが、最近のちっちゃい趣味だ。 これが日常。思い出せる範囲の日記。 <um-hum・小田乃愛> ◆1st mini album『 [2O2O]』 2021年5月26日発売 <収録曲> 01 Ungra(2O2Over.) 02 芥 03 Yawning 04 JoJo(2O2Over.) 05 続予報 06 20?? 07 space interval 08 secret track

    2021/05/28

  • 川村結花
    わたしにとって叫びとは歌を作る上でなくてはならないものなのです。
    わたしにとって叫びとは歌を作る上でなくてはならないものなのです。

    川村結花

    わたしにとって叫びとは歌を作る上でなくてはならないものなのです。

     2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第17回をお届けいたします。 第17回歌詞エッセイ:叫びたがる心 西の方から梅雨入りが始まりつつあるせいで、曇天率が高く朝から重たーい気圧に心も身体もやられがちな最近。親しい誰かとどっか飲みに行こうにも、叶わずの日々は長きに渡り。故に自宅でハイボールをちびちびやりながら、ひとりピアノと五線紙に向かう静かな日々を送っております、シンガーソングライター・川村結花であります。 でもね、今月初めには1年3ヶ月ぶりにライブというものが出来たのでした。それも大好きなピアニストでありシンガーソングライターの斎藤有太さんと。グランドピアノを2台、向かい合わせて交互に弾き歌いセッションし、という至福の時間。あの夜のシアワセとお客様からいただいたエネルギーが新しい曲を作りたいと願う燃料となって、今のわたしを動かしてくれているのです(大感謝!)。 そんなわけで久しぶりに本当に本気で新しい曲が書きたいと、魂が欲しているのをひしひし感じ、喜びを噛みしめているわたしです。例えるならばそれは、あっついあっつい温泉のあっちこっちで茶色いお湯の玉がボコボコ弾けている状態です。湧き上がって来るあっつい泡はココロの叫びです。 叫び、と言ってしまうとどうしても激しい感情を思い浮かべてしまいがちですが(そしてそれも大いにありなのですが)それだけじゃない。いとおしさや尊さ大切さ安らぎといった優しく静かな感情。もー、挙げればキリがないけれど、なにしろ表現せずにはいられない。外に出さずにはいられなくて、溢れ出す感情全てを叫びと呼んでいます。そしてそれこそを言葉にしメロディにしピアノに託すというのが、わたしの歌づくりにおける信条です。 なので、そういう状態=心の中にあっつい温泉の泡ボッコボコしてる状態、にいる時は、とにかく文字でも音符でも書いていたい。歌いながらピアノ弾いていたい。その世界に浸っていたいのです。今も5つくらいその泡が湧いて来ていて、毎日少しずつあっちに手をつけこっちに手をつけ、というのを繰り返している最中です。すべて自分のための歌であります。 それと同時に、ご依頼いただいている提供楽曲の歌詞も進めています。そちらの方は勿論アーティストさんやスタッフさんからのご要望がありますので、そこから外れないように指定された内容の範囲内であれやこれや物語の場面を考えます。 たとえば、失恋の歌にしてほしい、というオーダーだったとしたならば、サヨナラした3日後なのか。1年後なのか。今自分はどこにいて何を見ているのか。などなど。そのうち、あ、こういう場面がいいな。だとしたら自分はどんな気持ちでいるだろうか。そしたらきっとこんな感情が湧いてくるだろうな。ああ心が叫んでるわ、、、となって叫びに辿り着き書き始める。逆の方から攻めて行くやりかたをしているんやわ、と今初めて気づきました。 なににせよ、わたしにとって叫びとは歌を作る上でなくてはならないものなのです。それは言葉にならない時だってあります。心のままに弾いていたピアノの響きがただただ美しかった。そこに無理やり歌詞をつけるよりこのままインストの曲にしてしまおう。メロディが、コードがもう叫びを代弁してくれている。それもわたしにとっては歌なのであります。 なので、よく「なんにもないところから作る」という言い方をしますが、なんにもないなんてことはないのです。これまでの生きて来た道がある。喜び悲しみがある。感じる心がある。叫びがある。そこから作るのです(わたしは)。 なんだか語ってしまいましたが。久しぶりのライブで物凄く初心に立ち帰ったせいでしょう。50を過ぎて25年+1年やっていても、本質は変わらないのですね。今でも叫びが心に生まれてくれることがわたしにはただただうれしく、ちょっとほっとしていたりします。ああよかった、心は枯れてなかったわ。また歩いて行ける。よし作り続けよう。 <川村結花> ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】 【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回】 【第12回】 【第13回】 【第14回】 【第15回】 【第16回】

    2021/05/27

  • ヒグチアイ
    家族は愛さなくてもいい。
    家族は愛さなくてもいい。

    ヒグチアイ

    家族は愛さなくてもいい。

     2021年4月16日に“ヒグチアイ”が新曲「縁(ゆかり)」をリリースしました。ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲であり、ポニーキャニオンへの移籍第1弾シングル。昨年リリースされた楽曲「東京にて」は、ラジオ媒体を中心に大きな話題となり、その輪は今なお拡がり続けております。新たな活動が次々と芽吹いているヒグチアイから目が離せません…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 縁 」に通ずるお話です。家族との距離感が難しい。家族に対する言動や愛情が正しいのかわからない。分かり合えたり、分かり合えなかったりの繰り返し。そんなあなたに、このエッセイと歌詞が届きますように。 ~歌詞エッセイ:「 縁 」~ 家族は愛さなくてもいい。必ずしも、愛さなくてはならない存在ではない。 わたしには妹がいるが、学生の頃、仲が良いことによくびっくりされた。兄弟姉妹という存在は、あまり仲が良いものではないらしい。特に子どもの頃はそういう人が多かったように思う。 幸いにも、虐待や育児放棄などがない家だったし、何不自由なく生活が送れたし、音楽を好き勝手やらせてくれたので、親からもらった愛情をそのまま返したいと思える大人になった。 でもそんなわたしでも、「なんであんなことされたんだろう」「なんであんなこと言われたんだろう」と疑問に思っていることがあった。その全てに、答えが欲しくて、実際に聞こうと思ったことがある。“幼い頃のトラウマは解決しないと後々恐ろしい形で返ってくる”というわたしの確信がさらに深まることが怖かったからだ。 いろんな人に相談したし、親に会う日程まで決めた。最後に妹に相談した。「親にこんなこと聞こうと思っているんだけど聞いてもいいと思う?」と聞いた。きっと、まああいぽ(わたしの呼び名)がそうしたいならいいんじゃない?と答えるはずだと思った。 でも、答えはちょっと違った。「聞かなくてもいいんじゃない?」その後、こう続いた。「今のあいぽになったのはそのおかげだし、今のあいぽがいいよ」と。 その言葉をきっかけに、親に対する疑問の答えを求めることをやめた。考えることも自然となくなった。わたしは、愛される資格が欲しかったし、理由が欲しかった。そうすれば、愛すこともできるから。でも、資格も理由もなく、言葉にもできずとも、「それがいいよ」と認めてくれる存在に、幼い頃のわたしが救われたのだ。 家族は愛さなくてもいい。それでも、わたしは家族を愛すことができて、しあわせだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 縁 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/05/26

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