人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。

 2021年6月30日に“まるりとりゅうが”が1stフルアルバム『まるりとりゅうが』をリリース!アーティスト名を冠した今作。デビュー直後に配信チャートで1位を獲得した「気まぐれな時雨」や失恋ソングの定番曲「幸せになって」、タイアップ曲である「ONE STEP」「サニー」「リナリア」、さらに新曲を含む全12曲を収録。バラエティに富んだ楽曲と、2人ならではのハーモニーが堪能できる充実の内容に仕上がっております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“まるりとりゅうが”のRyugaによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは「作詞、作曲」というテーマについて。歌詞人気の高い彼らの楽曲。その「詞」はどんな想いで綴られ、「曲」はどんな役割を果たすのか。是非、今作と併せてエッセイもお楽しみください!

~歌詞エッセイ第1弾:「作詞、作曲」~

「作詞、作曲とは何か」。こんな問いがあったとする。

この問いに対する明確な「正解」はおそらく存在しないだろう。人は皆違う。それぞれ同じではない感性、感情、価値観、背景を持っているからこそ、世の中にこんなにも様々な詞やメロディーが溢れているのだろう。

僕は「まるりとりゅうが」として活動し始めてから本格的に作詞作曲を始め、これまでに20曲以上の楽曲をリリースしてきた。作家としてはまだまだ初心者ではあるが、作詞をするにあたって、僕なりに重要視していることがある。

それは「寄り添える言葉であるかどうか」。
僕が作る曲は、聴く人の相談相手になれるような存在でありたい。

例えば、悲しかったり悩んでいたりする時に友達と会って相談を乗ってもらうとしよう。友達に対して日頃溜まっている鬱憤を爆発させたり、一方的にマシンガントークしたりするだけでも、気持ちが楽にならないだろうか。自然と笑顔が戻ってきたり、時にはもっと涙してしまったりすることだってあるだろう。どこか一人で抱えていたモヤモヤが無くなった感覚を得る。直接的な解決がその瞬間に起こらなくても、人は人に共感してもらうことで救われるのだと思う。

僕はその相手が「人」ではなくて、「曲」でも同じ効果があるのではないかと考える。曲を聴いた時、詞が自分の心情やモヤモヤと重なって涙が出たり、前向きな気持ちになれたり、そんな経験が誰しもあるのではないだろうか。そんなふうに僕は聴いてくださった人に対して「寄り添える」詞を書きたい。

「寄り添える」詞があった上で、その詞をいかに、相手の心に届けるか。僕はその「詞を届ける手段」がメロディーなのではないかと考えている。なので、僕が楽曲を作るときは、基本的に詞先だ。この曲を通して何を表現したいか、聴いてくださった人にどう感じてほしいか、その重要な部分は詞が担っていると思うから。

「言葉」とは本当に素晴らしい道具だ。どんな形にもなる。僕はこれからも寄り添える言葉を音に乗せて、沢山の方々に届けていきたい。

<まるりとりゅうが・Ryuga>

◆1st Full Album『まるりとりゅうが』
2021年6月30日発売
UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤 PDCN-1017 ¥4,950(税込)
通常盤 UPCH-20589 ¥3,300(税込)

<収録曲>
01. 気まぐれな時雨
02.リナリア
03. わけじゃない
04. 幸せになって
05. 甜言蜜語
06. らしく。
07. ONE STEP
08. サニー
09. どこにもないの
10. 嫉妬 (Album ver.)
11. シール
12. 幸せになって (Piano ver.)