啼くな小鳩よ都はるみ | 都はるみ | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 啼くな 小鳩よ 心の妻よ なまじ啼かれりゃ 未練がからむ たとえ別りょうと 互の胸に 抱いていようよ おもかげを 旅は はるばる 涯(はて)ないとても 呼べば届くよ 夜毎の夢に 思い出したら 祈ろじゃないか つきぬえにしを 身の幸を さらば 小鳩よ 心の妻よ 瞳曇るな また逢う日まで 帽子振り振り 後ふり向けば 暁(あけ)の野風が ただ寒い |
ここに幸あり市川由紀乃 | 市川由紀乃 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに 私は生きる ここに幸あり 青い空 誰にもいえぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける こだまのはてに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
故郷は遠い北国倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 小野寺与吉 | 飯田三郎 | | 故郷(ふるさと)は 遠い北国 雪白く 頂く山に いどみ行く 若人の群 大雪山(たいせつ)の いただき高く あゝ 峰々に 響く声々 故郷は 遠い北国 石狩川(いしかり)の 流れる岸辺 こがねなす 広野の中の あたたかい 灯の街 あゝ うまざけの あふれる泉 故郷は 遠い北国 粉雪の 吹きすさぶ夜 赤々と だんろは燃えて 明日の夢 語り合いつつ あゝ 和(なご)やかに まどう家々 |
君よいづこ三条町子 | 三条町子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 何故か消えないまぼろしの 君が心の花ならば ふるな都の夜の雨 更けてわびしく懐しく にじむ涙に たえらりょか 恋も命も泣きぬれて 風に散りゆく夢ならば ふるな都の夜の雨 思いあきらめ一人抱く 胸のいたみに たえらりょか 何故か忘れぬ面影の 君が心の星ならば ふるな都の夜の雨 涙かくして片恋を 明日のゆくてに 耐えよもの |
ここに幸ありASKA | ASKA | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | Tomoji Sogawa | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに 私は生きる ここに幸あり 青い空 誰にもいえぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける こだまのはてに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
つばくろ笠若原一郎 | 若原一郎 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 男わらじを 涙ではけば またもひと吹き 小夜(さよ)あらし 仇(あだ)な仁義に 生命(いのち)をかけた これがやくざの 泣き笑い あばれ月代(さかやき) 情(なさけ)がからむ ここは追分 別れ道 雁(かり)に頼もか つばめに言おか どうせ旅寝の 片だより 濡れた瞼に おもかげ二つ 誰が呼ぶやら 招くやら 落ちる涙を 黙ってふいて 義理が生命の 道中笠 |
倉敷涙も匂う町中村晃子 | 中村晃子 | 室山多香史 | 飯田三郎 | | 傘をひらけば 掘割りに いつか柳が 灯をともす あなたのおもかげ せつなく浮かぶ 倉敷倉敷 いとしい恋の町 白壁の町よ 橋をくぐった 白鳥の 影を見送る 銀の雨 あの日のくちづけ ひそかに偲ぶ 倉敷倉敷 涙も匂う町 白壁の町よ 雨の吐息に 格子戸が 揺れて路地にも 夜がくる あなたのやさしさ しのんで歩く 倉敷倉敷 ふたりの恋の町 白壁の街よ |
ヨコハマ・ブルース三条町子 | 三条町子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 港の風が 涙の胸に しみるよ切なく やるせなく バイバイ バイバイ 走り行く船を 鴎なぜ呼ぶ あゝ 泣きながら 思い出だけを 心に残し 走り行くあの人 いつ帰る バイバイ バイバイ 見送る波止場 切れたテープの あゝ悲しさよ なんにも言わずに 波間に流す 涙の花びら 胸の花 バイバイ バイバイ 泣くなよ鴎 どうせはかない あゝ恋ならば |
かりそめの恋倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 小川寛興 | 夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか くちびるを かりそめの恋 あゝ虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 あゝ虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 あゝ虹の恋 夜風よ吹くな やは肌に |
かりそめの恋大月みやこ | 大月みやこ | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 川上英一 | 夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか 唇を かりそめの恋 ああ 虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 ああ 虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 ああ 虹の恋 夜風よ吹くな やわ肌に |
十九の春はゆく三条町子 | 三条町子 | 矢野亮 | 飯田三郎 | | 空をはるばる流れゆく 雲にもにたる恋悲し のせしちかいもあの夢も 風はいづこに消えるやら 哀れ十九の春はゆく 香る野の花つみながら たどる小路は愛の道 幹にきざみし文字あとの 残る嘆きを君知るや 哀れ十九の春はゆく 去りて帰らぬ若き日の 清き乙女の思い出よ 胸をぬらしてふる霧(きり)の 晴れる明日(あした)のあるものを 哀れ十九の春はゆく |
ここに幸あり氷川きよし | 氷川きよし | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 石倉重信 | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険(けわ)し 君を頼りに わたしは生きる ここに幸あり 青い空 誰にもいえぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷(ちまた)の 風哀し いのちの限り 呼びかける こだまのはてに 待つは誰 君に寄り添い 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
ここに幸あり倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 小川寛興 | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに わたしは生きる ここに幸あり 青い空 誰にも言えぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける 谺(こだま)の果てに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
北国の慕情倍賞千恵子 | 倍賞千恵子 | 内村直也 | 飯田三郎 | | 誰があなたを 招んだのでしょう まだ雪残る 樽前の 山の麓(ふもと)の この湖に ああ 初めて逢った人なのに 白い煙の 胸にしみいる 昨日むなしい 心の底が きょう ほのぼのと 充たされて 時を忘れる 樽前の朝 ああ 初めて話した人なのに 赤いタモの実 緑に映えて 誰があなたを 招んだのでしょう 静かな夜の 湖に ときめく心 影を沈めて ああ 初めて知った人なのに 遥か牧場の 馬のいななき |
横顔高倉健 | 高倉健 | 矢野亮 | 飯田三郎 | | ともる灯に 横顔見せて 俺はひとりで 街を行く 女心は 知るまいと 言った あの娘の あの娘の 別れの言葉 無理に作った ポーカー・フェイス じっと耐えた 胸のなか せめて祈った 幸福は どうせ あの娘にゃ あの娘にゃ とどかぬ思い 霧にかくした 横顔見れば 頬に涙の 跡がある 男なりゃこそ ただ一度 ほれた あの娘を あの娘を 棄ててく辛さ |
長崎悲歌小畑実 | 小畑実 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 青い波散る 長崎の 夜の巷(ちまた)に 咲く仇(あだ)花よ なぜに降るのか 心の傷に 更けて冷たい 霧の雨 山も燃えるか 君ゆえに 秘めてせつない 男のこころ ひとり牧場(まきば)の 夕空ながめ 涙拭(ぬぐ)えば 風が吹く 紅(べに)の月さす 窓陰に 肩を寄せれば 流れる涙 みなと長崎 マリアの鐘は だれが鳴らすか 身にしみる |
江差恋しや福田こうへい | 福田こうへい | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 白石十四男 | 江差(えさし)恋しや 別れて三月 夢もあの娘(こ)の ことばかり 沖の鴎(かもめ)の 鳴く声聞けば 逢えぬつらさが エー 身にしみる 影は瞼(まぶた)に 思いは胸に ひとりはるばる 波の上 月が傾く 高島忍路(おしょろ) せめて聞きたや エー 風だより 飛んで行きたい 心はあれど 船頭する身は 船まかせ 無事でいるかと 鴎に問えば 泣いているよな エー 声がする |
白い桟橋大津美子 | 大津美子 | 内村直也 | 飯田三郎 | 飯田三郎 | 海につきでた 白い桟橋 はてしなくはてしなく 波とたたかう 夜空に赤く ひかる星くず うつろなる 心にしみて われもゆかん 海と空との間を ただひとり 時の流れに 海につきでた 白い桟橋 はてしなくはてしなく 波とたたかう ほほをかすめて 飛びさる風の うつろなる 心にしみて 海につきでた 白い桟橋 たゆみなくたゆみなく 夢とただよう 人は来たりて 人は去りゆく うつろなる 心にしみて われもゆかん はるかなる日の思い出 ただひとり 胸にいだきて |
純愛の砂大津美子 | 大津美子 | 矢野亮 | 飯田三郎 | | 愛のなぎさを さすらいの 旅は悲しい 我が運命(さだめ) さらさらと さらさらと 指より逃げる 砂に似て はかなき故に なおさらに 風にさらされ 波に揺れ 泣けば涙で また濡れる さらさらと さらさらと 崩れて消える 砂の搭 いつの日届く あの夢に 燃える乙女の 祈りこめ 一人積みましょ いつまでも さらさらと さらさらと せめても歌え 愛の砂 虚(うつ)ろな小さい この胸に |
ここに幸あり江利チエミ | 江利チエミ | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに 私は生きる ここに幸あり 青い空 誰にも言えぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける 谺(こだま)の果てに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
その灯を消すな高倉健 | 高倉健 | 横井弘 | 飯田三郎 | | 消しちゃいけない その灯を消すな それでなくても 辛い夜 濡れたまンまの お前の顔が せめて名残りさ 抱いて行こ (セリフ) 憎いなあ 運命(うんめい)って奴は…… 泥んこの俺たちが やっと幸せになれると思った時にゃ もう別れなきゃならないなんて、 だがどんなに遠くはなれてたって お前の思い出だけは灯りのように胸に点ってるぜ 無理は承知だ 泣くのも承知 ささえきれない 運命(さだめ)だよ もしも夜更けに 霧笛がなれば 俺の声だと きいてくれ 消しちゃいけない その灯を消すな 消せばお前が 遠くなる よろけよろける 重たい靴に 船が出るぜと 霧がくる |
紅椿の唄津村謙 | 津村謙 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 燃えて咲いても 紅椿 散るが運命(さだめ)の 身は悲し 君と歩いた 思い出の海辺 一人たどれば 胸は痛むよ 何をむせぶか 紅椿 昏(く)れて身に沁む 風の中 君と眺めた 思い出の月よ ひとり仰げば 胸はぬれゆく 散るなこころの 紅椿 たとえ二度ない 夢だとて 君と歌った 思い出の歌を ひとり歌えば 胸はくもるよ |
啼くな小鳩よ石原裕次郎 | 石原裕次郎 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 啼くな小鳩よ 心の妻よ なまじなかれりゃ 未練がからむ たとえ別りょと 互の胸に 抱いて居ようよ おもかげを 旅ははるばる 涯ないとても 呼べば届くよ 夜毎の夢に 思い出したら 祈ろじゃないか つきぬえにしを 身の幸を さらば小鳩よ 心の妻よ 瞳曇るな また逢う日まで 帽子振り振り 後ふり向けば 暁(あけ)の野風が ただ寒い |
郭公啼く里春日八郎 | 春日八郎 | 矢野亮 | 飯田三郎 | | 山の里なら 淋しいに ましてかっこうの 啼く日暮れ 俺ら一人を 置き去りに 行ってしまった 憎い娘よ 遠い都は あの辺り 去年祭りに 二人して 買ったショールの 後影 行かせともない この胸を 知って居たやら 知らぬやら 振ったその手も 浮き浮きと 暗い夜業(よなべ)の 燈火(あかり)さえ 揺れて吐息の 物思い 女ごころに あこがれた 夢がさめたら 辛かろに 泣いてくれるな すき間風 |
ここに幸あり美空ひばり | 美空ひばり | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに 私は生きる ここに幸あり 青い空 誰にも言えぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける 谺の果に 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |
小樽の赤い灯が見える三船浩 | 三船浩 | 内村直也 | 飯田三郎 | | 夜の闇ゆく ヘッド・ライトに はねありの散る 札樽国道 君と肩 かすかに ふれて あゝ 赤い小樽の 灯が見える 姿うるわし テイネの山の 影迫りくる 張碓峠 君の手の 熱き言葉に あゝ 赤い小樽の灯が見える 飛ばすこの道 80キロの 夢のスピード 頬をよすれば 君なくて なんでこの世が あゝ 赤い小樽の 灯が見える |
東京は恋人大津美子 | 大津美子 | 横井弘 | 飯田三郎 | | 東京は 恋人 私のこころを 知っている 「ひとりぼっちでも めそめそするな お金がなくても くよくよするな」 いつもそよ風 口笛吹いて 若いこころを はずませる だから私は 大好き すねて甘えて 暮らす 東京は恋人 やさしい恋人よ 東京は 恋人 私の涙を 知っている 「男なんかに うろちょろするな 洋服ボロでも もじもじするな」 並木通りに 花びら咲かせ 若いこころを なぐさめる だから私は 大好き すねて甘えて 暮らす 東京は恋人 やさしい恋人よ 東京は 恋人 私の思い出 知っている 「ママがなくても しくしくするな 夢がさめても くさくさするな」 いつも青空 明るくみせて 若いこころに 春を呼ぶ だから私は 大好き すねて甘えて 暮らす 東京は恋人 やさしい恋人よ |
夜霧の滑走路三船浩 | 三船浩 | 横井弘 | 飯田三郎 | | いま一度 もう一度 ただ一度 君に逢いたい そればかり 霧に駈け込む 空港の つきぬ怨みを そのままに 濡れてかすんだ あゝ 滑走路 馬鹿な娘(こ)よ 弱い娘よ 可愛い娘よ 抱いて叱って やろうもの 君をかくして ひっそりと 泣いているやら 窓灯り ひとつ揺らいで あゝ 空へ発つ 遠くなる 薄くなる 闇になる 君の心か あの翼 凍りつくよに 立ちつくす 僕の思いを 知らぬげに 霧が埋(うず)める あゝ 滑走路 |
丘にのぼりて若原一郎 | 若原一郎 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 丘にのぼりて 黄昏の 山に向かえば ふるさと恋し ああ いつの日かえる この身やら 心にしみる 遠い星 青いすすきの 穂を抜いて かめば苦いよ ふるさと恋し ああ 嫁ぐと聞いた あの人の まぼろしばかり 浮かぶ胸 流れ行く雲 なぜ急ぐ 山の向こうの ふるさと恋し ああ 遠くにありて 思う身に わびしくしみる 丘の風 |
東京悲歌(エレジー)三条町子 | 三条町子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 飯田三郎 | まぶたとじれば まぶたに浮かぶ 思い出恋し 影いとし 命かぎりに 呼べばとて 君は答えず ああ雨が降る 祈る 三百六十五日 別れた人よ なぜ逢えぬ 鐘が鳴る鳴る ニコライ堂 ひとり泣けとか ああ雨が降る たもと重たい 花嫁衣裳 泣き泣き着れば なお悲し ぬれた瞳に まぼろしの 君はいずこか ああ雨が降る |
かりそめの恋三条町子 | 三条町子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 夜の銀座は 七いろネオン 誰にあげよか 唇を かりそめの恋 ああ 虹の恋 ふと触れ合うた 指かなし どうせ売られた 花嫁人形 胸で泣いても 笑い顔 かりそめの恋 ああ 虹の恋 まぼろしならぬ 君欲しや 金の格子の 鳥籠抜けて 飛ぶか心の 青空へ かりそめの恋 ああ 虹の恋 夜風よ吹くな やわ肌に |
江差恋しや三橋美智也 | 三橋美智也 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 江差恋しや 別れて三月(みつき) 夢もあの娘(こ)の ことばかり 沖の鴎(かもめ)の 啼く声きけば 逢えぬつらさが エ─ 身にしみる 影は瞼(まぶた)に 思いは胸に ひとりはるばる 波の上 月がかたむく 高島忍路(おしょろ) せめて聞きたや エ─ 風だより とんで行きたい 心はあれど 船頭(せんどう)する身は 船まかせ 無事でいるかと 鴎に問えば 泣いているよな エ─ 声がす |
山蔭の道若原一郎 | 若原一郎 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 白樺そよぐ 山かげの 丘の細道 どこまでつづく ああ君恋し 思い出の あの日につづく この道悲し 夕月あわく 浮かぶ頃 青い湖 なぜ目にしみる ああ君恋し 君去りて 面影ばかり まぶたに悲し ひとりで居れば 山かげの 風もわびしや 涙をさそう ああ君恋し 胸に呼ぶ あの日は遠く しみじみ悲し |
啼くな小鳩よ 岡晴夫 | 岡晴夫 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | | 啼くな小鳩よ 心の妻よ なまじ啼かれりゃ 未練がからむ たとえ別りょと 互いの胸に 抱いていようよ 面影を 旅ははるばる 果てないとても 呼べば届くよ 夜ごとの夢に 思い出したら 祈ろじゃないか つきぬ縁(えにし)を 身の幸(さち)を さらば小鳩よ 心の妻よ 瞳曇るな また逢う日まで 帽子ふりふり 後(あと)ふり向けば 暁(あけ)の野風が ただ寒い |
ここに幸あり 大津美子 | 大津美子 | 高橋掬太郎 | 飯田三郎 | 飯田三郎 | 嵐も吹けば 雨も降る 女の道よ なぜ険し 君を頼りに 私は生きる ここに幸あり 青い空 誰にもいえぬ 爪のあと 心にうけた 恋の鳥 ないてのがれて さまよい行けば 夜の巷の 風かなし 命のかぎり 呼びかける こだまのはてに 待つは誰 君によりそい 明るく仰ぐ ここに幸あり 白い雲 |