今日のうたコラム - 歌ネット|歌詞検索サービス「歌ネット」

  • アーティスト
  • 曲名
  • 作詞者
  • 作曲者
  • 歌詞
  • タイアップ
ユーザー登録ログイン
  • ホーム
  • 歌詞検索
    • アーティスト名インデックス検索
    • 作詞者名インデックス検索
    • 作曲者名インデックス検索
    • 編曲者名インデックス検索
    • レーベル名インデックス検索
    • 歌詞全文(フレーズ)検索
    • アニソン検索
    • アルバム検索
    • タイムマシン検索
  • 新曲歌詞情報
    • 新曲歌詞情報(総合)
    • 新曲歌詞情報(演歌・歌謡曲)
    • リクエストフォーム
  • ランキング
    • 総合ランキング
    • 演歌・歌謡曲ランキング
    • 歴代人気曲ランキング
    • 注目度ランキング
    • お気に入りアーティストランキング
    • カラオケランキング
  • コトバのキモチ
    • 新規投稿フレーズ
    • コトバのキモチ
    • コトバのキモチ検索
    • コトバのキモチBEST10
    • 歌詞フレーズ投稿
  • タイムマシン
    • タイムマシンTOP
    • 今月のスポットライト
    • 歌謡界50年史1960-2000年代
    • 年代別テレビドラマ主題歌
    • 年代別日本レコード大賞
    • 年代別アニメソング特集
    • 年代別歌詞検定
  • 音楽番組情報
    • 音楽番組情報TOP
    • TVドラマ主題歌
    • TVアニメソング
    • MUSIC STATION放送曲目リスト
    • 新・BS日本のうた放送曲目リスト
  • 動画プラス
  • 歌詞ショート
  • 今日のうた
  • インタビュー
  • アニメ
  • 特集ピックアップ
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
歌詞検索サービス「歌ネット」

今日のうた

検索ボックスを開く
メニューを開く
  • アーティスト
  • 曲名
  • 作詞者
  • 作曲者
  • 歌詞
  • タイアップ

MENU

  • ホームホーム
  • 動画プラス動画プラス
  • マイ歌ネットマイ歌ネット
  • 歌詞閲覧履歴歌詞閲覧履歴
  • ランキングランキング
  • 新曲歌詞情報新曲歌詞情報
  • 今日のうた今日のうた
  • ニュースニュース
  • 歌ネットピックアップピックアップ
  • コトバのキモチコトバのキモチ
  • 言葉の達人言葉の達人
  • 言葉の魔法言葉の魔法
  • 歌詞ショート歌詞ショート
  • アニメアニメ
  • 音楽番組情報音楽番組情報
  • リクエストリクエスト
  •  
  • X
  • facebook
  • line
今日のうた
ニュース

TODAY SONGS

今日のうたニュース
  • 安田レイ
    また美しい景色をあなたと見る日まで。
    また美しい景色をあなたと見る日まで。

    安田レイ

    また美しい景色をあなたと見る日まで。

     2021年2月24日に“安田レイ”がニューシングル『Not the End』をリリース!タイトル曲は、竹内涼真の主演ドラマ『君と世界が終わる日に』挿入歌として書き下ろされた楽曲です。作詞は安田レイが担当。胸を締め付けるようなミディアムバラードに仕上がっており、スリリングなドラマのストーリーをよりいっそう盛り上げる1曲となっております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“安田レイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその最終回。綴っていただいたのは、ライブに対する今の想いです。もちろん配信ライブもワクワクするけれど、やっぱり何かが足りない、寂しい、会いたい。同じ気持ちを抱えながらこの1年を過ごしてきたあなたへ。このエッセイが届きますように。 ~歌詞エッセイ最終回~ もう一年になりますね。 あなたに会えない日々が こんなにも退屈で、孤独だなんて知らなかった。 月に数回は必ず会ってたし、 いつだって会える気がしてたね。 急に泣けてきたり、予想外に笑えたり、なんだろう、 他の人には見せられない素直な自分になれるの。 “あぁ、こんな自分もこのからだに眠ってたのか。” と、知らないわたしをいつも教えてくれる。 一緒にいる時のあなたの変化していく表情が恋しいよ。 今年は久しぶりに会いたいね。 会おうね。 こんな事を思う日々です。 そうです、最後に有観客ライブをしてから 一年が経ってしまいました。 一年か。。。 一年もライブをしなかったことは、 きっとデビューした20歳から一度も経験がない。 配信ライブは何度かやってみたけど、 やっぱり何か物足りない。 初めて配信ライブをやった時は いつもと違う緊張感と、どこか冷静な自分が怖かった。 いつものライブは緊張とアドレナリンで 冷静な私は存在しないから、 さらにいつものライブが恋しくなった。 というか、この“有観客ライブ”というワードに 未だに違和感を覚える。 だってライブってアーティストひとりで 絶対にできないものだもん。 来てくれるあなたと、 バンドメンバーと、サポートクルーと、わたし。 このパズルがカチッとハマってライブって完成する。 1000ピースパズルだとしたら、 きっと300ピースは足りてない。 いや、気持ち的には半分以上足りていないか。。。 ソファーの間なのか、テレビの裏なのか、 挟まって行方不明なピースを見つけ出して、 早く未完成なパズルを完成させたい。 何日もかけて完成したあの感動をまた味わいたいし、 あの景色は言葉に詰まるほどやっぱり美しい。 でも実は少しの不安はある。 こんなにも、有観客ライブを やらなかった期間が長かった経験がないから、 ライブで一番大切な「感覚」が 鈍っている気がしてしまう。 この「感覚」は何度も何度もステージに立って やっとの思いで見つけ出した大切なもの。 去年の2月にやったワンマンライブで さらにその感覚に近づけた気がしたのに、 また遠くへ行ってしまった。 恋しい。 ただただ恋しい。 少し弱気なことを言ってしまったけど、 こんなことを考えてしまうのは きっと今だけなんだろうな。 またあなたに会ったら、楽しくて、嬉しくて、 言葉に詰まってきっと泣いてしまうね。 また美しい景色をあなたと見る日まで。 すぐかもしれないし、遠い日かもしれない。 必ずあると信じて生きようね。 <安田レイ> ◆ニューシングル「Not the End」 2021年2月24日発売 初回盤 ¥1,800+税 通常盤 ¥1,200+税 <収録曲> M1.「 Not the End 」 M2.「 amber 」 M3.「Not the End -piano ver.-」 M4.「Not the End -Instrrumental-」 M5.「amber -Instrumental-」

    2021/02/26

  • 川村結花
    今のこの状況の世の中で見る桜。どんなことを感じるだろうか。
    今のこの状況の世の中で見る桜。どんなことを感じるだろうか。

    川村結花

    今のこの状況の世の中で見る桜。どんなことを感じるだろうか。

     2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第14回をお届けいたします。 第14回歌詞エッセイ:春は感情の坩堝(るつぼ) 2月だというのに4月並みの陽気が訪れた先日。ワンコを連れて訪れた公園にて「さっくらっがさっいてっるよ~イェイイェイイェ~イ」と大きな声でほがらかに歌いながら自転車にゆられ走り去って行く個性的な紳士に遭遇しました。とても幸せそうでした。春の陽気、生暖かな風、そして桜。それらには何かしら人の心をウズウズさせる何かがあるのでしょう。ちなみに彼の走っていたのは梅の花咲く道でしたが。 それにしても春というのはなんとめまぐるしい季節なのでしょう。雪解け、芽生え、巣立ち、別れ、出会い、入学、進級、卒業、就職、人事異動、年度末、決算、確定申告、、、ちょっと思い浮かぶだけで人生の節目やスタートといった普遍的なハナシからどえらい現実的なハナシまで盛り沢山。出来事が盛り沢山なぶん生まれる感情も盛り沢山。そら歌も出来るわけです。春の名曲多いですもんね。 なんといっても相反する二つの事象と感情「出会いと別れ」「嬉しさと寂しさ」「嬉しい涙と悲しい涙」などがペアになっているということが、こう、心をぎゅーっと切なくさせる一因ではないでしょうか。そんなこと言い出したら何にでも光と影があって嬉しさと寂しさがあるやないかい、なのですが、それを表現するのに最も適しているというか、わかりやすく、そしてなにしろ書きやすいという点で、春に勝る季節はないように思います(当社比)。 卒業して友達と離れ離れになる悲しさと次の場所新しい出会いへの希望。成長して家から巣立って行く我が子を頼もしく見送りながらも溢れて止まらない寂しさ。夢が叶った嬉し涙とそれにより起こりうるであろう恋人との別れの予感。などなど。 こうして箇条書きにしているだけでも色々な場面が浮かんで来て色々な切ない感情が沸き起こってくるのです、そこへ桜なんか絡んできたらもう書くしかないでしょ、って、、なるんじゃないでしょうか。 そう、桜の歌にしてもどんだけというほど世の中にあるのは、やはりあれほど短い期間しか咲かない桜だからこそ「美しく咲いては一瞬で散る」という、人生の素敵さ美しさと共に儚さ切なさ、もっと言えば諸行無常を誰もが心の根底に感じているからだと思うのです。 春の陽光と桜。あんな美しい景色の中に居ながらどこかしら切ない気持ちになるのは、散った後のまるであれは夢だったのかとさえ感じてしまう時が来るのを知っているから。それでも今年も見たい。窓から見える近所の桜でもいい。それこそ文頭に出した公園の桜でもいい。今年の桜を見たいと思うのです。今のこの状況の世の中で見る桜。どんなことを感じるだろうか。何か新しい感情は生まれるだろうか。特に何も感じないかもしれない。それならそれでいい。そう歌にすればいい。 なんだか春について予想外に熱く語ってしまいました。わたしも先日の陽気にちょいとやられてしまったのでしょうか。だいたいこんなん書きながらまだ2月。これから寒の戻りもあるでしょう。そして桜が咲くにはまだちょっと遠く。ここから1ヶ月くらいはまた「近づきつつある春のテンションについて行けない感」にやられて暗~く落ち込んでしまうのが毎年の常、なわたしであります。 ただ、心が不安定なぶん揺れやすいぶん書きたい音楽が湧いてくるのも事実です。この時期そういう方が多いと聞きます。春待ちのこの時期。心はヨワヨワだけどだからこそ創作にはいいのかな。またピアノに向かおう。今しばらくまた相変わらずそんな日々を重ねて行きます。いいの作るからね。ではまた来月。です。 <川村結花> ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】 【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回】 【第12回】 【第13回】

    2021/02/25

  • コアラモード.
    こんなに綺麗なのに、なんで今まで見逃し続けていたんだろう。
    こんなに綺麗なのに、なんで今まで見逃し続けていたんだろう。

    コアラモード.

    こんなに綺麗なのに、なんで今まで見逃し続けていたんだろう。

     2021年2月17日に“コアラモード.”がニューシングル「ネモフィラ」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』エンディングテーマとして書き下ろされた、人と人の絆歌ったミディアムナンバー。そして収録曲「わたしの願いごと」は、ごく普通の日常生活の様子をリズミカルなサウンドに乗せて、優しく歌ったポップソングとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“コアラモード.”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回はあんにゅが執筆。綴っていただいたのは、新曲「 わたしの願いごと 」のお話です。最近、空を見上げたのはいつですか? それはどんな空でしたか? どうしても感情が薄まってしまいそうな今だからこそ、みなさんにこの曲とエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ:「 わたしの願いごと 」~ 数年前の夏、たしか午後2時くらい。打ち合わせのために会社へ向かっていた。その日は雨なのか晴れなのか、なんともいえない不思議な天気だった。東横線のちょうど多摩川を通り過ぎるあたりで、虹が見えた。くっきりと、絵に描いたような綺麗な虹。 わたしはあわてて鞄からスマホを取り出し、車窓にぴったりとレンズをくっつけてシャッターボタンを押した。自由奔放に揺れる車両。やっと顔を出したかと思うとまた物陰に潜り込み、なかなか上手に撮れない。わたしってカメラの才能ないのかな。と首を傾げながら写真フォルダを眺めた。 みんなどうやって撮っているんだろう。そう思いながら振り返り周囲を見渡してみると、オーマイガー。みんな耳にはイヤホン、車窓には目もくれずスマホに夢中だった。本当だったら「ねぇ!見て!虹だよ!」と大声をあげて騒ぎたいくらいだったが、もちろんそんなことはしない。それに、その人たちに「つまらない人たちね。」なんてケチをつけるつもりもまったくない。わたしだって、気付かなかった可能性は十分にあるし、今までもきっと気付かずに、たくさんの虹を見過ごしてきたんだと思う。 しかし、あまりにも綺麗だったので、この車両に乗っている人たちは、なんてもったいないんだろう…とソワソワした。その日は偶然座席がいっぱいでドア付近に立っていたので、外の様子がよく見えた。座れなかったのは残念だったが、それで虹に気付けたのだから、ラッキーだ。その後、乗り換えの駅で降りたが案の定、ビルに隠れて虹の姿は見えなかった。 それからというわけではないけれど、知らず知らず、そんな小さなラッキーを拾いそこねていないか心配になることがある。 「わたしの願いごと」という曲を作った。<夕焼け空と知りながら カーテンを開けないなんて>という歌詞から始まる。正直この数ヶ月は、新型コロナウイルス関連の悲しいニュースで笑顔が少なかったかもしれない。天気も、雨の日に「雨だ」って思うくらい。なんとなく、感情が薄まっているような感じ。 でもあるとき、立ち止まって窓の外を見てみたら、夕焼けがあまりにも美しくておどろいた。胸の底まで照らしてくれるようなオレンジの光。こんなに綺麗なのに、なんで今まで見逃し続けていたんだろう。虹の時と同じだ。 わたしは元気がないとき夕焼けをみると、すっと疲れが吹き飛んで笑顔になってしまう。他にも、ぐっすり眠れたとか、いつもより早起きできたとか、おいしいごはんを食べたとか、そんなことでもいい。 毎日同じサイクルの中で生きていると、あたりまえになってしまうことも多いけれど、よくよく考えてみるとすごく幸せに感じられることって意外とある。だから、もしあなたが落ち込んで帰ってくることがあっても、どうか丸一日ダメだったなんて思わないで欲しい。ちょっと深呼吸しながらお茶でも飲んで、どんな些細なことでもいいから毎日幸せを拾い上げてニコッと笑っていてほしい。 わたしの願いごとは、みんなが元気でいてくれること。 <コアラモード. あんにゅ> ◆紹介曲「 わたしの願いごと 」 作詞:あんにゅ 作曲:あんにゅ ◆ニューシングル「ネモフィラ」 2021年2月17日発売 完全生産限定盤(DVD付) ¥2,000(税込)   <収録曲> 1.ネモフィラ  2.ちゃんと手をつなごう  3.わたしの願いごと  4. ネモフィラ Instrumental 期間限定通常盤(アニメ盤) ¥1,100(税込) <収録曲> 1.ネモフィラ 2.ちゃんと手をつなごう 3. ネモフィラ -TV Size- 4. ネモフィラ Instrumental

    2021/02/24

  • Awesome City Club
    時は2020年、私たちはまたひとつ、たくましくなった。
    時は2020年、私たちはまたひとつ、たくましくなった。

    Awesome City Club

    時は2020年、私たちはまたひとつ、たくましくなった。

     2021年2月10日に“Awesome City Club”が、ニューアルバム『Grower』をリリースしました。今作には全10曲が収録。アルバムタイトルは、前作『Grow apart』でそれぞれ成長した彼らが、今度はその証を聴いてもらえる人たちに伝えていく、与えていくという意味を込めてつけられており、成長、決意を感じられるアルバムとなっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Awesome City Club”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾です。執筆はメンバー・PORINが担当。今作の収録曲「 僕らはこの街と生きていく 」に通ずる想いを綴ってくださいました。この街に、この時代に生きているすべてのひとへ。このエッセイと歌詞が届きますように…! ~歌詞エッセイ第2弾:「 僕らはこの街と生きていく 」~ 時は2020年 私たちはまたひとつ、たくましくなった。 時代は変わったというが 全て地続きで意味のあることだった。 ある人は自然を愛でるようになり、 ある人は孤独を知り他人を想うようになり、 ある人は多様性に耳を傾けるようになり、 人々の心は豊かになった。わたしはそう思う。 未知なるウイルスは いつだって平等に私たちを不安にさせる。 だけど 光を反射させた花木は いつだって平等に私たちに癒しを与えてくれた。 不確かなものに溢れた世の中で、 確かなことは目の前で光り輝いていたのだ。 あらがうことは意味を持たず、 互いを許容し共存していく覚悟が必要。 そんな当たり前なことを 私たちに気づかせてくれたようだった。 そんななか、歩みを止めることなく進んできた私たち。 振り返れば数えられないほどの選択をしてきた。 すべての選択が正しかったのかは誰にもわからないけど 確かなのは、今、私たちは光り輝いているということ。 光を受けて花を咲かせようとしているということ。 大きくても小さくてもどんな色でも匂いでもいい。 ずっと水をやり続けてきたから、 どんな花だって愛せる自信がある。 やがて、色や匂いをなくしても息吹は繰り返される。 刹那は形を変えて繰り返される。 命を絶やさないようにさえしていれば。 足りない部分を補うように、 互いを許容し共存している私たち。 そんな毎日は奇跡のよう。 自然の摂理に導かれるように、 光の差す方へ これから3人で最高の絶景を見にいきたいと思います。 この街と共に。 いってきます! <Awesome City Club・PORIN> ◆紹介曲「 僕らはこの街と生きていく 」 作詞:PORIN 作曲:HIKARI ◆ニューアルバム『Grower』 2021年2月10日発売 <収録曲> 1.勿忘 2.tamayura 3.Sing out loud,Bring it on down 4.ceremony 5.湾岸で会いましょう feat.PES 6.記憶の海 7.Nothing on my mind 8.Fractal 9.僕らはこの街と生きていく 10.夜汽車は走る

    2021/02/22

  • 安田レイ
    また寂しくなったら思い出すね、おじいちゃん
    また寂しくなったら思い出すね、おじいちゃん

    安田レイ

    また寂しくなったら思い出すね、おじいちゃん

     2021年2月24日に“安田レイ”がニューシングル『Not the End』をリリース!タイトル曲は、竹内涼真の主演ドラマ『君と世界が終わる日に』挿入歌として書き下ろされた楽曲です。作詞は安田レイが担当。胸を締め付けるようなミディアムバラードに仕上がっており、スリリングなドラマのストーリーをよりいっそう盛り上げる1曲となっております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“安田レイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾。今作のカップリング曲であり、映画『おもいで写眞』の主題歌である「 amber 」にまつわるお話です。自身のおじいちゃんとの思い出を綴ってくださいました。みなさんも遠く遠く離れていても大切な存在を思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:私のおじいちゃん。~ 先週はたっぷりと新曲「 Not the End 」について お話しさせていただきました。 この世界が教えてくれたことにフォーカスしてみると、 この悪夢のような日々にも 何か少し意味があるのかもしれない。 そんな事を考えながら書かせていただきました。 読んでくださった皆さん、ありがとうございます。 という事で、コラム二回目は、今回カップリングとして 収録される楽曲「amber」を紐解いて、 私の今は亡きおじいちゃんとの大切な思い出について お話ししていきたいと思います。 なぜおじいちゃんとの 思い出について話すかと言いますと… 今回、この「amber」は、 深川麻衣さん主演の遺影写真が鍵となる 映画『おもいで写眞』の主題歌として 書き下ろしをさせていただいたからです。 深川麻衣さん演じる結子ちゃんが、 色んなおじいちゃんやおばあちゃんと出逢っていく中で 自分の本当の居場所を見つけていく、 そんなストーリーとなっています。 この映画を観ているとき、この楽曲を歌っている時、 本当におじいちゃんを近くに感じるんです。 なので、今日は色んなことを教えてくれた 大好きなおじいちゃんについて お話ししていきたいと思います。 私は幼い時にアメリカのおじいちゃんとおばあちゃん、 そして、日本のおばあちゃんを病気で喪いました。 なので、実はあまり 一緒に過ごした思い出がありません。 どんな声だったのか、どんな匂いだったのか、 どんな手で私を抱きしめてくれたのか、 きっとまたどこかで出会わない限り、 私は思い出せないと思います。 でも、いつも近くで 見守ってくれていると信じています。 ありがとう。 私のお母さんの父である日本のおじいちゃん。 おじいちゃんはパチンコが大好きで、 大体家にいない時はパチンコ屋さんにいた。 携帯がなくても、 10分もあれば見つけることができたので、 いつもかくれんぼをしてるみたいで 楽しかったのを覚えています。 一緒に家に帰ると、おじいちゃんは 景品でもらった大量のチョコレートをくれる。 “レイちゃん、一緒に食べよう” そう言いながら、 おじいちゃんが大好きな相撲か、水戸黄門をつける。 私にはチャンネルを変える権利はありません。 小学生の私にはなかなか難しい内容でしたが、 一緒にチョコレートを食べるあの時間は大好きでした。 眩しい西日が差し込む部屋に、 タバコの匂いが染み付いた壁、 ベランダの手入れがされていないシソの苗木。 いつもどこかに寂しさを感じるおじいちゃんの部屋。 今思うと、もしかしたら その寂しさを誤魔化すために よく笑っていたのかもしれない。 一緒にスーパーに行くのも楽しかった。 いつも一緒に食べるお菓子を二人で選んだ。 かりんとう、羊羹、芋けんぴ、どら焼き、お団子。 そう、私が和菓子好きなのは完全におじいちゃんの影響。 一緒に大きな羊羹を切って、 “ママにバレないようにもう少し食べよう”と 二人でこっそりお代わりするのが密かな楽しみだった。 おじいちゃんは私を笑わす天才だった。 よく、“レイちゃん!ちょっと来て!”と 真面目な顔で呼ばれて 人差し指を口の前に立てて“シー!”と 言われた瞬間に“プッ”とオナラをして私を笑わせた。 くすぐられたり、変な顔をしたり、 面白いニックネームをつけられたり、 よく笑った記憶しかない。 私が和菓子が好きなのも、よく笑うのも、 もしかしたらおじいちゃんの影響なのかもしれない。 大好きなおじいちゃんに 自分のライブを見せられなかったのは本当に悔しい。 でも色んな思い出と、 「笑うと楽しい」という 人生のシンプルで大切な事を教えてくれた事、 私は一生感謝し続ける。 そして、歌い続ける。 “心の目はいつも繋がっているんだよ” “心の根はいつも繋がっているんだよ” 「amber」に登場する特に好きなフレーズ。 遠く遠く離れていても、この曲があればいつだって会えるね。 また寂しくなったら思い出すね、おじいちゃん。 <安田レイ> ◆紹介曲「 amber 」 作詞:大西省吾 作曲:大西省吾 ◆ニューシングル「Not the End」 2021年2月24日発売 初回盤 ¥1,800+税 通常盤 ¥1,200+税 <収録曲> M1.「Not the End」 M2.「amber」 M3.「Not the End -piano ver.-」 M4.「Not the End -Instrrumental-」 M5.「amber -Instrumental-」

    2021/02/19

  • クボタカイ
    最後の恋しか正解じゃないんなら今はどんな間違いでも良い。
    最後の恋しか正解じゃないんなら今はどんな間違いでも良い。

    クボタカイ

    最後の恋しか正解じゃないんなら今はどんな間違いでも良い。

     2021年2月17日に“クボタカイ”がNew Digital Single「Youth love」をリリースしました。「MENOU」「MIDNIGHT DANCING」に続いてリリースとなる今作は、ただまっすぐに進み、その中で覚える喜びや痛みや切なさが描かれております。淡く儚いけれど、その瞬間を大切にする若者の愛を、クボタカイならではの視点で歌う1曲です。    さて、今日のうたコラムではそんな“クボタカイ”による歌詞エッセイをお届け!前回は 「MIDNIGHT DANCING」 について執筆いただきましたが、今回綴っていただいたのは、新曲「 Youth love 」に込めた想いです。傷つき、痛み、翻弄される若い恋。それでも止められない恋をしているあなたへ。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! ~歌詞エッセイ:「 Youth love 」~ なぜ人は恋愛のことばかり歌いたがるのだろうか。 例えば仕事のことや学校のこと、 部活、人間関係、金銭問題。 恋愛じゃなくとも僕たちはたくさんの悩みごとに 追われて生活しているはずなのに、 ヒットチャートには恋愛の曲ばかり。 なぜだろう。 歳をとるにつれて 僕たちは色々な距離感が分かってくる。 理想との距離感、 嫌な自分との距離感、 他人との距離感。 距離を遠くすれば傷付くことも少なくなって、 息がしやすくなってくる。 これをぶち壊すのが「恋」だ。 ぎゅっとくっつきたい。 ずっと一緒にいたい。 もっとあなたのことを知りたい。 折角上手な距離が分かってきても、恋は易々と上回る。 ただの友達なら分かろうとしなかったことも知りたい。 でもたどり着くのは… 「あなたの気持ちがわからない!」 最初の話に戻ろう。 どうして恋愛ソングばかりなのか。 僕は「人のことなんてわからない」と分かっていても、 それでも知りたいからだと思う。 答えのないどうしようもない気持ちに 恋愛ソングは都合が良いから。 恋は強力距離感ぶち壊しマシーン。 ジレンマまみれの問題用紙。 気を使っとけよ細かい容姿。 なんてラップ歴三ヶ月くらいの韻を踏みつつ、 新曲「Youth love」のエッセイを書いていこうと思う。 風が冷たい夜では余計に 君の熱が身体に籠ってて 哲学で出来たこの脳みそは 君のせいで全てがやり直し この病に知性は衰退中 でも本当は暗いとこでしたいchu 理性と野生はまだ延長戦 君には明かさない意中 あれこれ考えるタイプの理性的な主人公。 そんな人間性も一瞬ですっ飛ばすくらい恋愛は強い。 オールマイトくらい強い。 分かってても勝てないから、 分かろうとする人ほどしんどくなる。 脳みそは恋愛に勝てない!!! そんな最強の壁に翻弄されまくる若い恋。 誰もが通るYouth loveを逃げずに歌詞にしてみた。 私会いたい愛が痛いくらいに 馬鹿馬鹿しいくらいに我愛你 側から見りゃ痛い けど止められない ああ若いな 若いな ああ今自分馬鹿だな!って何となく分かる。 若いなあって自分が一番思っているんだけど、 でも会いたい気持ちって確かだ。 恋愛なんて最後の一人以外は全員失敗だ。 傷付いて傷付いて傷付いて、最後にゴールに辿り着く。 最後の一人以外は何なんだろう。 傷だけ残して、カサブタになるのを待つだけの… いや、本当にカサブタなのかもしれない。 カサブタに雨が溜る。 生まれたての傷口には染みるけれど、 時間が経ってカサブタになれば 誰かを受け入れる器になる。 ボロボロの姿ってエロいし、良いと思う。 今はブサイクでも、うんと恋をして腹一杯泣けば きっといつかの良い自分に会えるし。 これは恋愛だけじゃなくって 「悔しい」って思うこと、これは本当に大事。 今も文章を書きながら何かに悔しかったりする。 21歳アーティスト、そりゃトガる。 こんな歳だからまだ恋愛も結論も 答えを持っているわけじゃないけど、 今自分が手に入れた物くらいは文章として共有したい。 人を好きになること それは傷を知ること 始まり、いつか終わることを肌で知ること それでも君を知りたい 全て知りたい 君はどんな風な音楽で胸を打つのか 頭で分かるだけじゃ恋愛は止められない。 身を以て体験して、 トラウマになってから次の一歩がはじまる。 これは体験談だが、 「一生この子と一緒に居るんだろうな」と思っても、 案外終わりは来る。 でも終わる前提の恋なんてつまんないし どれだけ傷を負おうがそれで正解だと思う。 最後の恋しか正解じゃないんなら 今はどんな間違いでも良い。 Youth love、それは受け身も知らない恋。 ボロボロになって知る前のいたいけな恋。 <クボタカイ> ◆紹介曲「 Youth love 」 作詞:クボタカイ 作曲:クボタカイ・Taro Ishida

    2021/02/18

  • コアラモード.
    最終的に互いに「受け容れる」「許しあう」ことさえできたら。
    最終的に互いに「受け容れる」「許しあう」ことさえできたら。

    コアラモード.

    最終的に互いに「受け容れる」「許しあう」ことさえできたら。

     2021年2月17日に“コアラモード.”がニューシングル「ネモフィラ」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』エンディングテーマとして書き下ろされた、人と人の絆歌ったミディアムナンバー。そして収録曲「わたしの願いごと」は、ごく普通の日常生活の様子をリズミカルなサウンドに乗せて、優しく歌ったポップソングとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“コアラモード.”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回は小幡康裕が執筆。綴っていただいたのは、新曲「 ネモフィラ 」のお話です。この歌詞に込めたメッセージ。そして、彼らの軌跡を振り返りつつ、これまでの“コアラモード.らしさ”や曲の作り方とは異なるアプローチ法を明かしてくださいました…!是非、楽曲と併せてエッセイをお楽しみください。 ~歌詞エッセイ:「 ネモフィラ 」~ コアラモード.8枚目のシングルにあたる「ネモフィラ」。このたびは、この楽曲にまつわる“歌詞エッセイ”を書く機会をいただいた。この歌詞エッセイ、知り合いのミュージシャンたちも多く寄稿しており、しかもそれぞれに大変センス溢れる記事をまとめ上げておられ、いささかプレッシャーを感じている。 この記事を書いている現在はまだ楽曲のリリース前なので、この楽曲が発表後にどのように皆様に受け取っていただけるか、今はまさに期待と不安の入り混じった気持ちで過ごしているところだが、せっかくの“歌詞エッセイ”ということで、どんなアプローチでこの曲の歌詞を作り上げたか、振り返りながら記していこうと思う。 この曲はTVアニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』のエンディング・テーマとしての書き下ろし曲なのだが、ネモフィラという花を題材に楽曲を書けたらいいな、という構想自体は、実際のところ以前からあった。 ネモフィラの花言葉の一つに「あなたを許す」というものがある。許すといっても、ここで触れたいのは、相手の罪を免ずる…みたいなニュアンスではなく、相手を「受け容れる」こと。「包容する」こと。この花言葉を知った時、 ネモフィラという花を通じてスケールの大きなラブソングが書けるかもしれない、という着想を得た。 恋人同士でも、友人同士でも、家族同士でも……かたちを問わず、人間というものは、一見打ち解けあっているように見えても、結局のところはそれぞれの人生で異なる歴史を重ねてきた上で、個人差のある価値観をおのおのに抱えて生きている。さらには、その違いが原因で衝突してしまうことが多々あったりする。 その違いを埋めるために、喧嘩したりぶつかり合うことも、それはそれで大切かもしれないけれど、最終的に互いに「受け容れる」「許しあう」ことさえできたら、人間関係はより円満であることができるよなぁ、そして僕らを結びつける“絆”はより強靭なものになるよなぁ…そんなことを、日頃考えていた。そして、そんなメッセージを「ネモフィラ」の花言葉を通じて楽曲にしてみたい、と思った。   振り返れば、コアラモード.としてメジャーデビューしたのが2015年。自分たちは“カラフルメロディーとピュアボイスが奏でるサウンド・ア・ラ・モード.”というキャッチコピーをプロフィールにひっさげてこれまで活動してきた。 カラフルメロディーと謳ってきただけあって、これまで生み出してきた楽曲のカラーバリエーションも多岐にわたる気がするけれど…どちらかというと、ラブソングであれば 主人公像が10代~20代前半くらいのイメージで、若々しく純粋で、心情描写にもあどけなさの残る詞世界が多かった。 また、詞の言葉の選び方においては、「歌詞カード」を見なくても、耳で聴いて瞬時に分かりやすい、速達力のあるストレートで具体的な言葉をあえて選んできた(近頃はもはや「歌詞カード」を見ながら音楽を聴く機会が減ってしまい、歌詞が知りたければ歌詞サイトを参照すればよいため)。 純粋さと分かりやすさ。あえて公言した事もないけれど、デビューしてからしばらくは“コアラモード.らしさ”を、自分の中で“ストレート・ピュア・ポップ”なイメージと位置付けていた。そして今回も、今まで多く作ってきたような、ストレートで、ピュアでポップな楽曲を目指すべきかどうか……。「うーん、なんか違うかもな」自分の胸に手を当てて考えるうちに、この「ネモフィラ」というテーマが、なんとなく今までとテイストの違う色合いを呼んでいるような気がした。 きっと、自分がこのテーマを通して描きたいものは、いろいろな過去を抱えて生きてきた人間同士が出逢い、お互いの違いを許し合いながら愛を育んでいく光景。だから、ピュアさというよりもむしろ「くすみ」のような質感も大切にしたかったし、できるだけ説明っぽい「具体的」な言葉も使わず、「抽象的」な表現に比重をおいて味わい深い楽曲にしたいな、という漠然としたイメージがあった。 こういう心境の変化は、きっと自分が年齢を重ねたから――という理由もあるかもしれないし、そもそもこの曲の主人公像が、今まで発表してきた楽曲に比べて、少し大人びているからなのかもしれない。しかし、「わかりやすい」「ビビッド」みたいなものとは一線を画して、歌詞作りに於いて「抽象性」を重視する、というのは、コアラモード.の曲作りにおいて、ひとつのチャレンジだった。 コアラモード.は結成当時、1週間にひとり7曲ストックを作る、なんてノルマを課しながら、ひたすら歌詞研究を続けていた。時にはキャッチコピーにまつわる書籍を参照したりして、コピーライティングの手法にヒントを得ながら「キラーフレーズをどう生むか」なんてことを当時のディレクターと一緒に勉強しつつ曲作りを進めていた。そこで学んでいたことは、いかに「誰も言ったことのない表現で説明しきれるか」だったり、もっと端的に言うと、いかに「上手いこと言うか」といった事だった。 たとえば、僕の作詞曲である4thシングル「 雨のち晴れのちスマイリー 」のサビの詞を引用すると <いつか笑うためじゃなくて いつも笑ってこその私> <“辛”いという字に フタして “幸”せだって うたいながら> など、コピーライティングの手法を活かして、出来るだけ印象的なセンテンスを多用して書いた作品で、これはやはり「詞先」だ。パンチのある言葉の並びを用意したうえで、そのワードに相応しい乗り物=メロディをあとから作る手法だ。 ただ、今作「ネモフィラ」の完成形を今改めて聴くと、浮き出てくる極端な言葉でノックアウトを狙うとか、なにかを説明しきるとか、そう言った“掟”から解放された歌詞作りに終始した気がしている。 祈るように 仰ぐように 待ちわびたネモフィラの花が咲いた 冬の夜の長い闇も その笑顔だけが 一縷の光で 過ぎた日々も 見えぬ明日も 二人で受け止めてゆけたらいいな だから どうかそばにいて あなたがいるなら 大丈夫 こちらがワンコーラスのサビの歌詞。「あなた」と巡り合えた歓びを謳歌し、様々な過去をお互いに背負いつつも、先行きの見えない未来を二人で受け止めていく覚悟を決めた現在…を描写している。でも、具体的にいつ、誰が、何を、どこで…といった説明的な描写もなしに、また、取り立てて意外性や異質感を押し出した言葉選びもなしに、楽曲の顔ともいえるサビが進行していくのは、自分の曲作りにおいてはチャレンジングなことだった。 ただし、これらの言葉たちは、必然性を持って「ネモフィラ」と言う楽曲のサビを構成するに至ったと思っている。どのフレーズも【メロディが呼んでいた】言葉たちなのだ。 今まで自分が書いてきた楽曲のほとんどは、「詞先」(まず歌詞を作り、そこに後からメロディをつける)で作り上げたものだった。 あれは小学6年生ごろだっただろうか…、なんとなくで作曲を始めたばかりの頃、自ずと作詞もやってみようかな…?という興味だけが沸きつつあったとき、テレビで槇原敬之さんが曲作りについて語っていらして、「自分は詞先。曲を先に作ると、歌詞で何が言いたいかわからなくなっちゃうから」という旨のことを仰っていて。「じゃあ自分もそうしよう!」と思い立ってから、ずっと詞先のスタイルを貫いてきた。それからずっと、自分の曲作りは あくまで“言葉だけ”で情報を成立させたうえで、その言葉が乗っかるにふさわしいメロディを捻り出す…そんな作業の連続だった。 だが、いつものように作業机の前で、取っ掛かりとなるアイディアを探していたときのこと。今回は「抽象性」「空気感」を重んじた曲作りがしたい―――そんな方向性が自分の中で定まりつつある中で、「ネモフィラ」の原型となるサビのメロディがふと浮かんできた。 もともと作曲を始めた当時から、メロディを生み出す作業は、歌詞を考える以上に大好きだ。ただ、言葉ありきで旋律を生み出したい、という自分の理念ゆえに、言葉を持たないメロディを僕の作品作りに積極的に活かすパターンは、今まであまり無かった。 ところが今回生まれてきたメロディ、そしてそのメロディが呼ぶコード進行が醸し出す雰囲気は、明るすぎず暗すぎず、どことなく爽やかで暖かな「風」を帯びているような空気感を持っていて、自分が描きたい「ネモフィラ」の完成イメージを想起させるのに十分な素材だった。そこで、ここに誕生したメロディという乗り物に乗っかるにふさわしい「言葉」を探す――すなわち「曲先」のアプローチで今回は作曲しよう、と決めた。 「詞先」が、ひらめいた言葉を優先してメロディに落とし込んでいくのに対して、「曲先」ならではの、メロディが呼んでいる言葉や感情はどんなものか、旋律が持つ感情の起伏に耳をすませ“言葉を聴く”イメージで、パズルをはめていくような作詞作業だった。 音符を何度も歌いながら、そこに乗せるにふさわしい言葉たちを探っては並べ、その言葉の羅列の中に意味を織りなしていく作業が、自分の中では非常に新感覚の行程だった。その結果として、抽象度が高くも、メロディと歌詞をまとった歌声がアレンジと軽やかに調和して風のように流れていくイメージの楽曲が出来上がったと思う。 決して言葉で1から10まで説明しきらずとも、行間の補足は、この曲のメロディライン、それを唄い上げる声のトーン、バックで鳴っている楽器たちのアンサンブル……それら全ての構成要素が担ってくれているような、そんなバランスの作品になった。 冒頭で示したような、「ネモフィラ」という楽曲テーマを通して描きたかったメッセージを、この楽曲がまとう抽象性の中に感じ取っていただけたら本望である。 <コアラモード. 小幡康裕> ◆紹介曲「 ネモフィラ 」 作詞:小幡康裕 作曲:小幡康裕 ◆ニューシングル「ネモフィラ」 2021年2月17日発売 完全生産限定盤(DVD付) ¥2,000(税込)   <収録曲> 1.ネモフィラ  2.ちゃんと手をつなごう  3.わたしの願いごと  4. ネモフィラ Instrumental 期間限定通常盤(アニメ盤) ¥1,100(税込) <収録曲> 1.ネモフィラ 2.ちゃんと手をつなごう 3. ネモフィラ -TV Size- 4. ネモフィラ Instrumental

    2021/02/17

  • Awesome City Club
    「私を忘れないで。」なんて直接言えるはずない。
    「私を忘れないで。」なんて直接言えるはずない。

    Awesome City Club

    「私を忘れないで。」なんて直接言えるはずない。

     2021年2月10日に“Awesome City Club”が、ニューアルバム『Grower』をリリースしました。今作には全10曲が収録。アルバムタイトルは、前作『Grow apart』でそれぞれ成長した彼らが、今度はその証を聴いてもらえる人たちに伝えていく、与えていくという意味を込めてつけられており、成長、決意を感じられるアルバムとなっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Awesome City Club”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、有村架純×菅田将暉の映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして書き下ろされた「 勿忘 」のお話。メンバーのatagiとPORINがそれぞれの想いを明かしてくださいました。歌ネットの注目度ランキング1位も記録したこの曲。是非、エッセイと併せて、改めて歌詞を味わってみてください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 勿忘 」~ <Awesome City Club atagi> 「ヤマアラシのジレンマ」 思春期から現在に至るまで、僕にとって大きな人生のテーマだ。 アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で、赤木リツコが話すこの言葉の意味を繰り返し繰り返し反芻し、物思いに耽ったのは高校生の頃だった。 その頃からなんとなく、正義と悪は視点の違いで正反対の立場になる事を理解していた。なんとも悲しい話で、豊かな世界は別々の未来にある。常に交わる事はない。 「へえ、大人になるとそんな事もあるんだな。分かり合えないって悲しいな。」そんな風に思っていた。しかし大人になって気付く、さらに救われない世界。それがヤマアラシのジレンマではないだろうか。 ---以下ネットより引用--- 冬の寒い日に、ヤマアラシの群れがお互いの体をくっつけて温め合おうとしました。しかし、双方の針毛が刺さり痛くてすぐに離れてしまいます。離れると寒いのでまた体を寄せ合いますが、やはり針毛が痛くてくっついていられません。ヤマアラシたちはくっついたり離れたりを繰り返して、いい距離を見つけることができたのです。 ------ この寓話をオーストリアの心理学者フロイトが精神分析の説明に引用したのちに、アメリカの精神分析医ベラックが、人間関係における心理的距離感の葛藤を「ヤマアラシのジレンマ」と名付けた。 -----------引用終わり とある。先程の「正義と悪の関係」とは違い、互いが同じ未来を望み、さらには働きかけているにも関わらず、互いを傷つけてしまうのだ。こんな残酷な話があるか。と辛くなるが、もっと辛い事に、こういう事は実社会において往々にして起こる。こと恋愛では特に。 前置きが長くなり過ぎたが、映画『花束みたいな恋をした』は、最高純度のヤマアラシのジレンマを僕に投げかけてきた。これは刺さる、痛い。 「良かれと思って」の思いやりの糸がどんどんぐしゃぐしゃになって、次第に手枷足枷になっていく様は、過去の自分を見ている様でやりきれなかった。だけど、人生の複雑な味わいは、この辺りに結構味噌が詰まっている気がするのだ。 「勿忘」の歌詞を書くにあたり、このことはずっと頭にあった。 そして ・在りし日の後悔を自身が 前向きに受け止めるまで、その成長の過程。 ・初期衝動を伴った恋の始まり、 その瞬きの前に人は無力であるということ。 だからこそ、その瞬間を取り戻したいという願い。 歌詞の中に感じて欲しいストーリーはこういった所。細かく解説するには字数が足りないので、またの機会にしようと思う。この歌を聴いてくれた方に、この軸となるメッセージを少しでも感じて貰えたら僕の狙いはひとまず成功と言えるだろう。 <Awesome City Club PORIN> 勿忘 女の子は花言葉に想いを乗せて、 花を渡したり部屋に飾ったりする。 「私を忘れないで。」 なんて直接言えるはずない。そんなこと言ったらおこがましいし、めんどくさい女って思われそう。だからこの女の子は勿忘草を部屋の隅に飾っていた。ドライフラワーにして君との思い出を閉じ込めて。 映画『花束みたいな恋をした』インスパイアソングとして描き始めたこの曲、映画を観てまず心に刺さったシーン、それは押しボタン式の信号待ちで二人がはじめてキスしたあのシーン。キスを終え絹ちゃんが発した一言が、脳裏に焼きついて離れなかった。 「こういうコミュニケーションは頻繁にしたい方です」 やっと絹ちゃんの心に触れることができた気がした。この言葉をちゃんと相手に伝えることができる彼女の強さ、素直さ、ここから始まる二人のラブストーリーへの期待が詰まっているようだった。 「あのキスから芽吹く日々」 二人の日々は芽吹いていく。だけど花は芽吹いて綺麗に咲いたら、あとは枯れていってしまう。どんなに水をあげても肥料を与えても。月日を重ねるうちに当たり前のように環境は変化し、二人の関係も変化していった。ずっと一緒にいられるなんてことは確約できないし、約束もできなかった。色とりどりな花束みたいな恋は枯れていく。 いつかこの恋が枯れてしまうなら、最高に綺麗で輝かしい時だけを閉じ込めていたい。「覚えたての愛の美しさ」を閉じ込めていたい。だってその刹那はきっと永遠に続くのだから。そう感じた。 絹ちゃんは強くてたくましい女性像だったけど、ほんとは口に出せない弱さも同じくらい持ち合わせているだろうと私は思った。だからこの曲ではその弱さも表現したかった。花の香りも二人の思い出も日に日に薄れ、思い出に生きていた心も散ってしまいそうになる。 願いが叶うなら、ふたりの世界をまた生きてみたい。 だから、「私を忘れないで。」 そんな心の声を表現したかった。 ◆紹介曲「 勿忘 」 作詞:atagi・PORIN 作曲:atagi ◆ニューアルバム『Grower』 2021年2月10日発売 <収録曲> 1.勿忘 2.tamayura 3.Sing out loud,Bring it on down 4.ceremony 5.湾岸で会いましょう feat.PES 6.記憶の海 7.Nothing on my mind 8.Fractal 9.僕らはこの街と生きていく 10.夜汽車は走る

    2021/02/16

  • 山本彩
    友人の話を聞いて、私はすぐ「曲が書けそう」と、思った。
    友人の話を聞いて、私はすぐ「曲が書けそう」と、思った。

    山本彩

    友人の話を聞いて、私はすぐ「曲が書けそう」と、思った。

     2021年2月24日に“山本彩”がニューシングル『ドラマチックに乾杯』をリリース!タイトル曲は、土曜ドラマ『その女、ジルバ』主題歌。山本彩が描くドラマに寄り添った女性への“応援歌”は、歌詞はもちろんの事、ブラスバンドを加えたラテンロックという新しいジャンルに挑戦。このドラマの世界観にぴったりの楽曲に仕上がっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“山本彩”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 ドラマチックに乾杯 」に通ずるお話です。彼女が自身の友達との会話から気づいた思いとは? そして歌詞を書く際に大切にしたいこととは…? 是非、エッセイを読んだうえで、じっくりと楽曲をご堪能ください! ~歌詞エッセイ:友達との会話~ はじめまして、山本彩です。 今回、歌詞にちなんだエッセイという事で 何を書こうか迷いましたが、 携帯のメモに書き留めていた 何気ない、古い友人との話をしようと思います。 私と友人は、よく一緒に映画を観に行き、 観終わったら、近くのお店で 感想を語らいながら食事をする。 何て事ない、いつも通りの私達の一日。 そして、暫くすると友人が話し出す。 そう、お決まりの恋愛相談。 友人には付き合って数ヶ月の恋人が居て 私はよく、その話を聞いている。 だが、内容の殆どは惚気ではなく愚痴なのだ。 二人で過ごす時間が増えれば 良くも悪くも、相手のことが見えてくるのは 普通の事なので、そこに疑問はないのだが 不満の理由を分かっていて 「別れたい」とまで口にする割に 一向に別れない友人自身が不思議なのだ。 「嫌なら別れればいいのに」 「どこが好きなのか?」 「都合のいい女になってはいけない」 色々と意見したものの、自分でも分からない、と 私の言葉は聞き流されてしまった。 お互い、本心ではなかったのかもしれない。 未だに全ては理解しきれず 疑問は残っているが 自分が持ち得ない経験を持つ友人に 少しの羨ましさがあった。 (こう書いてはいるが、友人との仲は勿論良い) なぜなら、私のシンガーソングライターという仕事は そういった経験から伴う考えや発想が 創作に大きく関係してくると思うからだ。 友人の話を聞いて、私はすぐ 「曲が書けそう」と、思った。 職業病というやつなのだろうか。 シンガーソングライターが作り上げた作品達は言わば 自分の生き写しのようなもの。 その人の人生や心が見える。 一方で 経験でモノを書くのは難しい事ではないが 経験だけでモノを書くのは難しい。 いつか経験というストックが尽きたら 書けなくなってしまう。 だから、それに想像を加えて “100%実体験”の作品ではなく 如何に“100%実体験”っぽい リアルなフィクションを書くかを極めたい、 と常に思っている。 皆さんにとっての何気ない日常も 他の人には羨ましく思える事が 沢山あるんじゃないかと思います。 この曲を聴いて、それぞれのドラマチックな日常に 乾杯し合える日が一日でも増えれば幸いです。 <山本彩> ◆紹介曲「 ドラマチックに乾杯 」 作詞:山本彩 作曲:山本彩 ◆ニューシングル「ドラマチックに乾杯」 2021年2月24日発売 通常盤 ¥1,200 +税 初回限定盤 ¥1,800 +税 FC限定盤 ¥3500+税

    2021/02/15

  • 安田レイ
    この世界が教えてくれた事。
    この世界が教えてくれた事。

    安田レイ

    この世界が教えてくれた事。

     2021年2月24日に“安田レイ”がニューシングル『Not the End』をリリース!タイトル曲は、竹内涼真の主演ドラマ『君と世界が終わる日に』挿入歌として書き下ろされた楽曲です。作詞は安田レイが担当。胸を締め付けるようなミディアムバラードに仕上がっており、スリリングなドラマのストーリーをよりいっそう盛り上げる1曲となっております!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“安田レイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは新曲「 Not the End 」に通ずるお話です。何もかもが変わった2020年。だからこそやっと気づけたこと、痛感したこと、そして歌に込めた想い。是非、このエッセイと併せて歌詞を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 Not the End 」~ 2020年は皆さんどんな風に過ごしていましたか? “いつも通り” と答えられる人は少ないのかもしれない。 私はとにかく、その「いつも通り」が 恋しくて仕方がない一年でした。 そして今も続いています。。。 2020年より前の自分を想像してみる。 “いつも通りに生きたい” と考える日はほとんどなかった気がする。 昨日より強くなりたい、 昨日より器用になりたい、 もっともっと欲深かった気がします。 いつも自分に納得ができなくて。。。 いつも自分に自信がなくて。。。 自分を許す方法が全然わからなかったんです。 何か成功しても、何か褒められても、 “いや、もっと良くできたはずだ こんなレベルで褒められてしまった。。。” と素直に喜べなかったり。 欲深かったり、不器用すぎる自分が本当に嫌いでした。 12歳でこの仕事を始めたので、 もう15年目になります。 振り返ってみると、 何よりも愛するこの仕事のために 色んな事を手放してきました。 でも自分の人生で一番大切で 失いたくないものだったから、 その犠牲が出来たんだと思うんです。 今はその後悔は全くないし、 15年も続けられている事に感謝しかありません。 でも2020年を経験して、 その「大切なもの」の価値観がガラッと変わりました。 もちろん歌うことは大好きだし、 できれば一生手放したくない。 でもそれ以上に手放したくないものが あるんだとやっと気付いたんです。 それは大切な人との繋がり、 そしてその人の命そのもの。 27年間生きてきた中で、 あまり命というテーマで自分の人生を 覗いたことはなかったかもしれない。 日本で暮らしていると 平和ボケすると聞いた事があるが、 それに近い感覚があったのかもしれない。 いつも仕事のことばかりで頭がいっぱいで、 もっと大切な部分に フォーカス出来ていなかったのかもしれない。 今までの自分は なんて小さな世界で生きていたのだろう。。。 と少し情けなくなるほど、 私は色んな事を見失っていたんだと気付いたんです。 この見えない敵は私達からたくさんの日常を奪った。 そして、今もなお奪い続けている。 家族、友達、恋人と気軽に会うことも難しくなり、 どこまでも付き纏うこの孤独感から抜け出せない日々。 でもこの出口の見えない薄暗い世界の中で、 本当に大切なものは微かに光っていて、 何かメッセージを送ってくれている気がするんです。 自分にとって本当に大切なものは何か。 そんな想いを全てぶつけたのが 新曲「Not the End」です。 2020年を経験しなかったら、 この歌詞に辿り着けなかったと思います。 「大切な人と共に生きていく。」 辿り着いたのはこのシンプルで力強いテーマでした。 何度も何度も書き直して、 やっとの思いで辿り着いたこの曲から、 何か受け取って頂けたら嬉しいです。 <安田レイ> ◆紹介曲「 Not the End 」 作詞:安田レイ 作曲:永澤和真 ◆ニューシングル「Not the End」 2021年2月24日発売 初回盤 ¥1,800+税 通常盤 ¥1,200+税 <収録曲> M1.「Not the End」 M2.「amber」 M3.「Not the End -piano ver.-」 M4.「Not the End -Instrrumental-」 M5.「amber -Instrumental-」

    2021/02/12

  • 井上苑子
    だから私は恋が好きだ。
    だから私は恋が好きだ。

    井上苑子

    だから私は恋が好きだ。

     2021年2月10日に“井上苑子”がニューミニアルバム『PANっと音がした』をリリース!23歳になる彼女が作り上げたのは、女の子の可愛いを詰め込んだおもちゃばこのような一作。井上苑子が感じた音、リズム、空気感を色の世界基準である【PANTONE】を介して表現することに挑戦 ! 再出発の合図で進んでゆく井上苑子の音楽をご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“井上苑子”による歌詞エッセイを3ヵ月連続でお届けいたします。今回はその最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 恋におめかし 」に通ずるお話。子供の頃の記憶に立ち返りながら、自身が大きな幸せを感じること、苦しさから抜け出す方法、そして恋愛についての素直な気持ちを明かしてくださいました。歌詞と併せて是非、このエッセイを受け取ってください…! ~歌詞エッセイ最終回:『PANっと音がした』~ このコラムを書くにあたって、子供の頃のことから思い返してみた。そういえば、数年前までは年号が変わるということを想像していなかった。平成9年に生まれて23年経ったが、これまで十分に幸せで、なんの不自由もなく過ごせてきた。それは、親や出会った方々のおかげであり、私は様々な経験が出来て、強くなって、今こうやって立てているのだと思う。 そんな私が大きな幸せを感じるときは、恋愛だけじゃなく、人と人との関係で愛を受け取ったり、誰かに贈ったりできたときだ。何に幸福を覚えるかは人それぞれで、正解なんてない。だからこそ悩んだり、苦しんだりするのだろう。人に愛を贈ることは、自分のエゴでしかなかったりする。そのことで悩んだこともある。でも、私は自分の気持ちを言葉にしたくなってしまう人間だ。優しく、愛をもって言葉にしたら、とっても素晴らしいことが起こるかもしれない。そう思って、伝えることにしている。 子供の頃から、誰かと比べてしまって、劣等感に苛まれ息苦しくなるときがある。最近はそんな苦しいこともなくなってきたのだが、なくなってきた理由はきっと、自分でそれを理解し、“そんな自分でも大丈夫。自分だから出来ることがある”と割り切って、仕事ややりたいことに打ち込めているからだろう。 自分を理解することが、楽になれる方法である気がする。みんながみんなに当てはまるわけではないが、私はそうだった。劣等感を抱くなら、抱いていることにまず気づいて、認めていたほうがいい。自分のことを客観視できる人間でいられると、苦しくなったとき、自分を俯瞰して見ることができる。そうすると、自然と楽になれた。 仕事のことや人間関係は そういう風に考えられていたのだが 恋愛になると、まるでそうもいかない。 怖い。 恋愛って複雑だ。 でも、恋愛でしか補えない感情や感覚がある。優しくなれるし、言葉や行動に愛を持てる。自分が知らなかった自分を知ることができる。繊細で綺麗で、醜くもあり、汚い。溺れれば溺れるほど、一生懸命になって、命も懸けられるほど。それぐらい恋愛は人を動かしてしまう。 恋は、人の数だけパターンがあって 今回ミニアルバムで描いた女の子の恋は たまたま出会った人に 心を奪われたところから始まった。 恋の穴にどんどん落ちていくと、周りが見えなくなって冷静ではいられなくなる。そんな状況だと、身近な人が、おかしくなっていることを伝えて、いつも通りに過ごしてほしいと言いたくなるが、その穴の中にいる張本人には何を伝えても、アドバイスなどしても、無駄なのだ。 今回の曲でいうと3曲目の「 恋におめかし 」は、自分を取り戻すための曲。恋に恋していても、たまに自分らしさを取り戻したくなるものだ。 4曲目からはまた恋愛モードになって、上がったり下がったり。恋愛で波がないことなんて滅多にない。どんな穏やかな人たちのところにも、一度は大波がきたりする。残酷さもあるが、全ては経験になり、強くなれる。 だから私は恋が好きだ。 そんな私が書いた今回の6曲の恋物語は、まだまだ青くて淡いものばかりなので、この先の物語もいつかは描いて、私なりに言葉にしてみたい。 <井上苑子> ◆紹介曲「 恋におめかし 」 作詞:井上苑子 作曲:さとうもか ◆ミニアルバム『PANっと音がした』 2021年2月10日発売 初回限定盤 TRAK-0171/172 ¥2,600(税込) 通常盤 TRAK-0173 ¥2,000(税込) <収録曲> 01. おとぎ話って言わないで 02. ダーリンって呼べない 03. 恋におめかし 04. ロマンス 05. epilogue 06. ほんと

    2021/02/10

  • ソナーポケット
    そんな風に思える恋愛は、本気で向き合った証だ。
    そんな風に思える恋愛は、本気で向き合った証だ。

    ソナーポケット

    そんな風に思える恋愛は、本気で向き合った証だ。

     2021年2月10日に“ソナーポケット”がニューアルバム『80億分の1 ~to you~』をリリース!前作から約2年4ヶ月ぶりとなる今作には、コロナの影響で変わってしまった日常を映し出すフレーズを盛り込んだ楽曲も収録。ラブソング・応援歌・会えなかったファンへの思い、メンバーが感じた思いが詰まった“大切な人へ”届けたい1枚となっております。  さて、今日のうたこらむではそんな最新作を放つ“ソナーポケット”のボーカル・ko-daiによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、アルバムリリースに先駆け、先行配信がスタートしている新曲「 忘れることなんて出来ないや 」に通ずるお話。女々しくても、ダサくても、未練たらたらでも、本気で誰かに恋をしているあなたへ。是非、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 忘れることなんて出来ないや 」~ 「忘れることなんて出来ないや」 そんな風に思える恋愛は、本気で向き合った証だ。 僕らソナーポケットの世間のイメージは、 おそらく“ラブソングを歌っている人たち”。 その中でも、女々しく切ない曲の印象が強いと思う。 「 好きだよ。~100回の後悔~ 」という 楽曲の影響だろう。 この楽曲は本当に沢山の人に聴いてもらった。 というのも、 曲ができた時点で、 沢山の人に聴いてもらえる自信があった。 それは何故か。 基本的に男性アーティストが歌う失恋ソングは、 前向きな作品が多かった。 男らしいというか、 カッコいい男像の目線で歌った曲が大半だった。 しかし、いざ自分の恋愛に置き換えた時に、 そんなにカッコよく別れた相手を思いやれなかったし、 女々しい部分だってあって、後悔だってしてきた。 本当の自分は、既存の曲の中には居なかった。 そして、曲を作る上で 「嘘をつきたくない。」 そんな拘りもあり、 この男のダサい一面を曲にしたのだが、 楽曲ができた時、当時のレコード会社では 「こんな女々しい曲は出せない。」と 言われる始末だった。 しかし、世の中には響いたわけで。 僕らのように、 女々しくダサい部分を歌う 失恋ソングが刺さる人たちは、 “本気の恋愛”をしている人たちだと思っている。 じゃなきゃ、 こんな未練たらたらな曲を聴いても 何も思わないだろう。 今回のアルバムにも 二曲ほど哀しい歌が収録されているが、 どちらも未練と女々しさが詰まった、 至極の失恋ソングだ。 共感できても、 共感できなくても、 男のダサく女々しい一面を 少し覗いてもらえたら嬉しいです。 <ソナーポケット・ko-dai> ◆紹介曲「 忘れることなんて出来ないや 」 作詞:ソナーポケット 作曲:ソナーポケット・KOUGA 編曲:KOUGA ※アルバムに先駆けての先行配信曲 ◆8th Album『80億分の1 ~to you~』 通常盤 WPCL-13224 ¥3,000+税 初回限定盤A WPZL-31767/8 ¥4,000+税 初回限定盤B WPCL-13225 ¥4,000+税 通常盤 WPCL-13224 ¥3,000+税 ソナーポケット、2年4ヶ月ぶりのアルバム。リード曲の「80億分の1」は、MVで田中圭主演、ko-dai共同監督で話題を。「忘れることなんて出来ないや」のMVはチョコレートアーティスト澤田明男さんの手によって、素晴らしいリリック・ビデオに。様々なラブソングを収録した全11曲。全国ツアーも開催。詳しくはHPを。 <収録曲> 1.大切な人へ 2.輝け僕らの魂 3.好き 4.Oh difficult ~Sonar Pocket×GFRIEND 5.過ぎ去りし時は僕らの中に 6.拝啓、元恋人 7.静かな夜空であなたと繋がった 8.もう直接言うことはできないから、こうして歌にして届けようとしてる。 9.大本命 10.忘れることなんて出来ないや 11.80億分の1 「80億分の1」MUSIC VIDEO https://www.youtube.com/watch?v=orwVa8EkvuM 「忘れることなんて出来ないや」MUSIC VIDEO https://www.youtube.com/watch?v=Xps8LQidzME

    2021/02/09

  • Hakubi
    このどん底にいる自分に少し手を差し伸べたいと思った。
    このどん底にいる自分に少し手を差し伸べたいと思った。

    Hakubi

    このどん底にいる自分に少し手を差し伸べたいと思った。

     2021年2月10日に“Hakubi(ハクビ)”が新曲「在る日々」を配信リリース。彼らは、2017年京都にて結成されたスリーピースバンド。今年1月8日オンエア、日本テレビ『バズリズム02』の“これバズ2021”にて13位にランクイン!テーマに「大人になりきれない、明けない夜に光を指す音楽を。」を掲げ、切なくも激しい音楽をかき鳴らす彼らの最新作をじっくりご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“Hakubi”の片桐(Vo.)による歌詞エッセイをお届けいたします。綴っていただいたのは、自身の作詞法と新曲「在る日々」のお話です。この曲のカケラが生まれたときのこと。そのカケラが時を経て、曲になろうとしてゆくときのこと。是非、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 在る日々 」~ はじめまして。Hakubi vo./gt.片桐です。 初めてエッセイなるものを書かせて頂いています。 自分にかけるのだろうかと不安になってきましたが、 楽しく書かせていただきます。 拙い文章ですが、お付き合いください。 私の基本的な制作方法は、メロディを先につけて、それに歌詞をつける“曲先”でも、歌詞を先に作って、それにメロディをつける“詞先”でもなくて、ギターで好きなコードを弾きながら、思いついた言葉に音をつけていく“声日記”みたいな感覚。 同じ日の同じコードでも、毎回メロディも言葉も違ってくるから、iPhoneのボイスメモで録音するのは欠かせない。気がついたら1時間録音し続けている時もあって、後から自分が何を言っているのか解読して書き起こすのがとにかく大変。 このやり方だと一人言もちゃんと録れてしまっているので、改めて聴き直すと恥ずかしいようなものがいくつもあったり、その時の感情のままが入ってることで、思い出したくないようなことまで思い出したりしてしまうこともある。だからこそ、1曲が完成した時の達成感はすごく大きい。 そんな日記のような去年2月か3月のボイスメモが、今回の新曲「在る日々」の基になっている。そのボイスメモは1番しかなくて、現在のフルバージョンでもその歌詞とメロディがそのまま使われている。 聴いていただいた方は分かる通り、どん底にまで落ちきった気持ちになった最悪な朝の話。自分がその日、体験して思ったことをそのままぶつぶつと歌に残した。当時、このボイスメモを基にバンドアレンジを加えようとしたものの、この後に続く歌詞もバンドアレンジもうまくいかず諦めてしまった。 私がこの続きを書けなかったのは、あの時の自分の気持ちに戻れなかったからだった。実際、最初のバンドアレンジの際に、当時の気持ちに戻ったつもりで書いた続きの歌詞は嘘っぽくて歌えなかった。それに、どうしようもないほど迫られていたあの時の自分に失礼だと思った。 そんな曲が現在の形になったのは去年の11月。新曲を作ろうという話になって、そういえば…と、このボイスメモの話になった。私はバンドアレンジを諦めてからというもの、なかったもののようにしてそのボイスメモを一度も聴いてこなかった。 改めて聴いてみた時、今の一歩進んだ自分から、このどん底にいる自分に少し手を差し伸べたいと思った。今ならこの続きがかけるような気がした。すぐに書きたいことが浮かんだ。 きっとそう思えたのは、周りに当たり前にあった小さな幸せや優しさに気づけるようになったからだろう。 例えば、朝コンビニの店員さんに「いってらっしゃい」と言われたこと、目の前に座っている小さな子供が笑いかけてくれたこと、急に昔の友達から連絡が来たこと、帰り道とても綺麗な夕日を見たこと。 そんな些細なことが、何かを抱えこんで押しつぶされそうになっている気持ちを少し軽くしてくれていた気がする。もっともっと大きな不安で覆いつくされて、それどころではないのは、重々承知の上でこの曲を書いている。本当にすこしだけ、一瞬だけでも小さな幸せや優しさに気づいてほしい。肩の荷を軽くする、自分にすこし優しくなれる、小さな気づきのきっかけになってほしいという思いをこの曲に託した。 私は自分がいなくなってしまったら悲しいと思ってくれる人のことを、思い浮かべると生きていかなければいけないと思うことができる。あなたが生きていることを誰かのせいにしてもいいと思う。あなたが生きていることを音楽のせいや、この曲のせいにしてもいい。繰り返すそれぞれのある日々が小さな幸せで溢れますように。 読んでくれてありがとうございました。 <Hakubi gt./vo. 片桐> ◆紹介曲「 在る日々 」 作詞:片桐 作曲:Hakubi

    2021/02/08

  • 緑黄色社会
    まるで最初から決まっていたかのように、この人だと思った。
    まるで最初から決まっていたかのように、この人だと思った。

    緑黄色社会

    まるで最初から決まっていたかのように、この人だと思った。

     2021年2月3日に“緑黄色社会”がニューシングル「結証」をリリース。タイトル曲は、テレビアニメ『半妖の夜叉姫』1月クールエンディングテーマであり、同作のために書き下ろされたミディアムナンバーです。作詞を長屋晴子(Vo./Gt.)、作曲を小林壱誓(Gt./Cho.)が手掛けました。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“緑黄色社会”の長屋晴子による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 結証 」に通ずるお話です。みなさんは、人と人との“運命”というものを信じますか? 今回は彼女自身が“運命”を実感したときの想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください…! ~歌詞エッセイ:「 結証 」~ 新曲「結証」は、運命や絆といった形のないものこそ信じて守っていきたいというテーマで歌詞を書いた楽曲です。 はて、 形のないものって?運命って?絆って?実際どんなもの?本当にあるの? 絆はなんとなく分かるかも。あるとかないとかじゃなくて、自分で築き上げていくことができるものだから。 じゃあ、運命って一体なんだろう。 うんめい【運命】 人間の意志にかかわりなく、身の上にめぐって来る吉凶禍福。それをもたらす人間の力を超えた作用。人生は天の命めいによって支配されているという思想に基づく。めぐりあわせ。転じて、将来のなりゆき。 (広辞苑より引用) どうやら人間の意志とは関係ないらしい。人間の力を超えるらしい。 自分でどうこう出来るものではないとしたら、神様なのかそれ以外の何かなのか分からないけれど、人間以外の何かの力が加わらなければ、一生、運命というものに出会うことはないのかもしれない。 これでは運命に対してあるないの論争が繰り広げられるのも頷ける。 かくいう私は、運命を信じている。あるとかないとかではなく、信じている。 中学3年生。高校では絶対にバンドを組むと決意し、軽音部のある高校を探して受験した。 無事合格し、入学前からSNSでバンドメンバーを探した。軽音部入部希望者は数人いて、その中でも一際変なやつがいた。ギターボーカル志望は被っていたけれど、絶対にこの人とバンドを組みたいと思い連絡をした。 入学式の日、SNSで友達になっていた女の子と校門で出会い話を聞くと、ピアノを長年習っていたという。迷いも躊躇いもなく、バンドを組まないかと声をかけた。迷いも躊躇いもなく「いいよ」と返事をくれた。 軽音部で活動して少し経った頃、それまでのベースが抜け、新しいベースを探していた。ギターが「幼なじみなんだ」と連れてきた2歳年下の男の子がいた。年齢も学校も違う初対面の男の子、同い年で同じ学校の誰よりもガッツがあって不思議な魅力があった。 そんな3人と一緒にやっていこうと決めたのは間違いなく自分の意志だったから、先程の定義に基づけばこれは運命ではないのかもしれない。 それでもこの出会いを運命だと信じたい所以がある。 普段、お店で料理を頼むにも同行者の注文を聞いて回ってからでしか決められないくらい優柔不断な私が、一切迷わなかった。まるで最初から決まっていたかのように、この人だと思った。 自分でもびっくりするくらい、一寸の迷いもなく決めたので、神様のお告げなのか、天使の導きなのか、あの時の決断は何者かに誘導してもらっていたような気さえする。 とするならば、この出会いを運命と呼んでも良いのかもしれない。 運命はあるのかないのか、正直分からない。 分からないので、この話は一旦置いておいて、否、永遠に置いておいて。 運命は信じるか信じないかの話だと思う。 もっと言えば、運命は信じた者勝ちだと思う。 だって 信じていなければ、強く願っていなければ、 運命が存在していても、気付くことさえ出来ずに通り過ぎてしまうから。 <緑黄色社会・長屋晴子> ◆紹介曲「 結証 」 作詞:長屋晴子 作曲:小林壱誓 ◆3rd SINGLE「結証」 2021年2月3日発売 初回生産限定盤 ESCL-5480~1 ¥3,545+税 通常盤 ESCL-5482 ¥1,091+税 期間生産限定盤 ESCL-5483~4 ¥1,818+税

    2021/02/05

  • Panorama Panama Town
    最近、夜の街にはめっきり人がいなくて、寂しい。
    最近、夜の街にはめっきり人がいなくて、寂しい。

    Panorama Panama Town

    最近、夜の街にはめっきり人がいなくて、寂しい。

     2021年2月3日に“Panorama Panama Town”が新曲「Rodeo」を配信リリースしました。今作はデモから曲を完成させる過程を公開する企画、YouTube PPT Online Studioで作り上げた“じゃじゃ馬サーフロック”です。前作「Sad Good Night」に続き、石毛輝(the telephones、Yap!!!)をサウンドプロデューサー迎えた1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“パノラマパナマタウン”の岩渕想太(Vo.)による歌詞エッセイをお届けいたします。綴っていただいたのは、新曲「 Rodeo 」に通ずるお話。夜の街で賑やかに騒ぐことも、飲み歩くことも、難しくなっている今だからこそ、読んでいただきたいエッセイ、聴いていただきたい楽曲です…! ~歌詞エッセイ:「 Rodeo 」~ 飲み歩くことが好きだ。 飲むことも、歩くこともいいけど、飲み歩くことが好きだと気づいたのは、コロナ禍、緊急事態宣言が発令されてからのことだ。街の様相はすっかり変わってしまい、20時という時間に冷たい意味が与えられる。店から店へと渡り歩く、以前のような飲み方はできなくなってしまった。 夜は膨大で、未確定で、謎に満ちている。知らない街に降り立って、あるいは仲間と駅で集合して、さあ飲み始めよう!という瞬間が好きだ。今からどこへでも行ける、という全能感。いつもの居酒屋に、知り合いがやってるバーに、常連客の声が漏れるあの扉の先に。できれば、同じところには留まりたくない。夜は長い。1時間後、自分がどこにいるのか、そんなことは自分しか分からない。 「Rodeo」という曲は、初めから終わりまで駆け回る曲だ。リフからリフに、展開から展開に、歌から歌に、目まぐるしく進行していく。歌詞にも、そのイメージを込めている。 どこまでも大きな夜にしがみつきながら、振り落とされないように、走っていく。夜に委ねたり、夜に抗ったりしながら、一瞬一瞬を積み重ねて朝を迎える。もう一杯、もう一軒。夜の街には、何千通りもの命がうごめいてるけど、そのどれもが夜に振り回されている。その光景だ。 最近、夜の街にはめっきり人がいなくて、寂しい。滅多にない静寂を味わうのもいいけど、やっぱり夜には力が溢れていて欲しい。際限なく、壮大に、そこにあってくれないと張り合いがない。 今となっては、夢のようになってしまった、あの街の姿を思い浮かべながらこの曲を聴いて欲しい。そこでは、スナックのネオンが四方八方光っていて、知らない同士がキスをする。BPM215を乗りこなしながら、どこまでも夜はつづき、いつの日か現実の街にも灯りがともる。そしたら、寿司詰めのライブハウスで会おう。 <パノラマパナマタウン・岩渕想太> ◆紹介曲「 Rodeo 」 作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太

    2021/02/04

  • SUPER BEAVER
    大切な人だらけ。本当に大切な人だらけだ。
    大切な人だらけ。本当に大切な人だらけだ。

    SUPER BEAVER

    大切な人だらけ。本当に大切な人だらけだ。

     2021年2月3日に“SUPER BEAVER”がニューアルバム『アイラヴユー』をリリースしました。今年結成15周年を迎え、メジャー再契約第1弾アルバムとなる今作。数多くのタイアップ楽曲が収録されるほか、アルバムタイトルにもなっている「アイラヴユー」を始めとした新曲6曲が収録された全11曲入り、約2年半ぶりのフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、アルバムタイトル曲「 アイラヴユー 」に通ずる想いです。わたしたちに今、必要なものとは。自分にとってのたくさんの“大切”を思い出しながら、このエッセイと曲を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ:「 アイラヴユー 」~ 今僕らに必要なのは、想う気持ち、想像力。 今あなたに必要なのは、想われている、その実感。 SUPER BEAVERは結成15周年、16年目のバンド。早くも17年目に突入しようとしている。歩みを振り返るたびに思い出すのは、出来事そのものだけではなく、そこにいた人の顔や、言葉だったりする。 どれだけの人とともに生きてきたのだろう。どれだけの人とともに生きているのだろう。言葉にするのは難しいけれど…「自分という存在は本当に多くの人の存在があって成り立っている」その実感は年々強さを増している。 これはバンド活動に限ったことではなく、人生においての話とも言えるかもしれない。 今思えば、子どもの頃でさえ無意識的にカテゴライズしていた、人との関係性。クラスメイトと友達は何かが違ったし、幼馴染と親友は何かが違った。歳を重ねるにつれ、それらは意識的に分類されていき、時に歪みを生んだ。誰のため、何のためだかわからない優劣や、変な意味をつけようとしていたように思う。…とにかく安心したかったんだ、きっと。 やがて社会に出ると、そんなちゃちな枠組みはあっという間に崩壊する。勝手に引いていた線の、その向こう側からやって来た人と初めましてを繰り返す。自分の世界の中には無かった新しい景色だらけになる。不思議なもんで、和気あいあいと仕事をしたり食事をしたとしても、その後は二度と会わない、なんて人も少なくない。 膨大な情報に触れ、人の数だけある価値観に触れ、溢れかえる悪意に触れ。混乱して、葛藤して、苦悩する。それでも挑んで、必死になって…そうして一生懸命に生きている最中で、ふと、我に返るかのように実感することがある。 大切な人がたくさんいるなって。矛盾した言い方になるかもしれないけれど、親密度がその限りではない。あらゆる意味で「大切」な人が本当に増えていく。 あれだけ毎日会っていたのに、もう何年会っていないだろう?という友達を思い出す。あの時、一緒にツアーを回っていた人を思い出す。昔の恋人を思い出す。嫌いなオトナを思い出す。初めてワンマンライブが出来た各地のライブハウスを思い出す。今はもういない店長との打ち上げを思い出す。バイト先のバックルームを思い出す。始発を待ちながら本音をこぼした居酒屋を思い出す。大げんかした駐車場を思い出す。期待に応えたくて、応えられなくて、悔しかった夜を思い出す。幾つも幾つも思い出す。 ライブ会場で、大きな声で、いい顔して、歌っているあなたのことを思い出す。 どれだけの人とともに生きてきたのだろう。どれだけの人とともに生きているのだろう。心の底から思う、もうとっくに、いちいちカテゴライズなんて出来るわけないくらいの出会いを経験している。大切な人だらけ。本当に大切な人だらけだ。 親密度がその限りではない。すぐ会える距離にいなくたっていい。毎日連絡を取らなくたっていい。趣味も、思考も、価値観も、もうあらゆることが全然違くっていい。 「でも好きなんだ」って。 そう思うあなたに聴かせたくて。届けたくて。だから作った曲。アイラヴユー。 今僕らに必要なのは、想う気持ち、想像力。 今あなたに必要なのは、想われている、その実感。 この気持ちを全部言葉にするのは難しいから、歌うんだ。 ねえ、元気しているかい? <柳沢亮太> ◆紹介曲「 アイラヴユー 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆ニューアルバム『アイラヴユー』 2021年2月3日発売 <収録曲> 1.今夜だけ 2.ハイライト 3.突破口 5.自慢になりたい 6.パラドックス 7.アイラヴユー 8.予感 -Album mix- 9.時代 10.ひとりで生きていたならば 11.さよなら絶望

    2021/02/03

  • いーどぅし
    沖縄旅行を自粛してくれてる人々へ、航空券のいらない沖縄の旅を。
    沖縄旅行を自粛してくれてる人々へ、航空券のいらない沖縄の旅を。

    いーどぅし

    沖縄旅行を自粛してくれてる人々へ、航空券のいらない沖縄の旅を。

     2021年2月10日“いーどぅし”がニューアルバム『HOPE』をリリース!沖縄県出身の“かーなー”と“なみなみ”によるポップス・デュオ。今作には、BEGIN・島袋優をプロデューサーに迎え、Kiroro・金城綾乃や多くのミュージシャンが参加。心揺さぶられるアルバムが誕生いたしました!是非、彼女たちのあたたかな歌声をご堪能あれ。    さて、今日のうたコラムではそんな“いーどぅし”による歌詞エッセイを3ヵ月連続でお届けいたします。今回はその第1弾。執筆してくださったのは、かーなーです。故郷・沖縄への恋しい想い。その想いを込めた今作『HOPE』について。まっすぐであたたかな気持ちを綴っていただきました。まずはエッセイから、沖縄の景色を感じてみてください…! ~歌詞エッセイ第1弾~ 飛行機が着陸する瞬間が好きだ。 搭乗橋で感じる生ぬるい隙間風。 空港の出口に大きく掲げられた おもてなしの言葉「めんそーれ」 “ただいま沖縄” そう呟きながらシャッターを切る。 沖縄に着いた瞬間の決まったルーティーン。 オリオンビールや海人(うみんちゅ)のTシャツを着た 同い年ぐらいの観光客。 学生服を身にまとい、 先生の合図を今か今かと待ちわびる修学旅行生。 …そんな那覇空港を恋しく思う。 いたる場所から三線の音が聞こえた国際通りも、 いつしかシャッター街に変わり、 おばーが切り盛りする食堂も 紙切れ一枚だけが貼られていた。 売れ残ったお土産品、撤退の決まったホテル。 目の前の光景から受けるインスピレーション。 ボイスメモに溜まっていく新しいメロディー。 2020年の私は、行き場のない思いを とにかく歌詞に書き留めた。 日常のハッピーはもちろん、苛立ちや焦りも含めて。 “現状”“瞬間”にこだわり続け、 何十曲もの中から抜粋されて完成したのが 今回の『HOPE』という作品だ。 勇気を与えたい。元気を与えたい。 そんな想いもあるけれど 今回ばかりは強がりを捨てて、 聞き手の日常に寄り添うような優しい音楽でありたい。 帰省ができないうちなーんちゅへ故郷を。 沖縄旅行を自粛してくれてる人々へ、 航空券のいらない沖縄の旅を。 コロナウイルスが落ち着いたその日には 街中のシャッターが開くその日には だいすきな故郷で、ライブがしたい。 マスクを外して、思いっきり歌いたい。 賑やかな那覇空港に帰るその日まで、 いーどぅしの音楽が心の拠り所でありますように。 <いーどぅし・かーなー> ◆ニューアルバム『HOPE』 2021年2月10日発売 ASCU-6110 ¥2,500 (税込) <収録曲> 1.Hope 2.便座 3.アナタにアイタイ 4.真夜中のウチナーンチューン 5.キミの島 6.かなさんどー(いーどぅしVer.) 7.雄飛 8.エンディングサーサー 9.マタハーリヌ [Bonus track.]世界はおくりもので出来てる(いーどぅし×HoRookies)

    2021/02/02

  • 城南海
    ムーランから学んだ「私を生きる」ことを胸に
    ムーランから学んだ「私を生きる」ことを胸に

    城南海

    ムーランから学んだ「私を生きる」ことを胸に

     2021年1月27日に“城南海”がニューアルバム『Reflections』をリリースしました。今作には、ディズニー実写映画『ムーラン』日本版主題歌「リフレクション」を収録。根強い人気を誇るカバー曲歌唱も、今回は映画音楽を中心に選曲。さらにはオリジナル楽曲も収録されております。出身地・鹿児島県奄美大島の歌唱法“グイン”をふんだんに使用し、城南海らしさも全開に、洋楽と奄美大島の三味線も融合させるなど、新境地にも挑んだ記念すべき10枚目のアルバムです。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“城南海”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、ディズニー実写映画『ムーラン』日本版主題歌「リフレクション」のお話です。城南海本人が訳詞を手掛けたこの歌。ムーランを表現するため、そして、みんなに愛されるディズニーソングを歌うため、大切にしたこととは。是非、エッセイを読んでから改めて楽曲を楽しんでみてください…! ~歌詞エッセイ:「 Reflection 」~ 2020年、ディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌「リフレクション」の歌唱、そして訳詞をさせていただきました。 私がこれまでに詞を書いた曲はあまり多くありません。なのでディズニーさんから訳詞のご依頼をいただいた時は「私でいいんですか?」と、大変驚きました。しかもその曲は1998年に発表されたアニメーション『ムーラン』の主題歌でChristina Aguileraが歌い、日本はもちろん世界中で長年愛されている楽曲「Reflection」。日本語では劇中のワンシーンで歌われる歌詞が存在していましたが、今回は作品全体を通しての訳詞(直訳ではなく意訳)で書いてほしいとのことでした。 私がまず意識したのは、当たり前のことですが“原曲の良さを無くさない”こと。その上で、実写版だからこその“新しい「Reflection」”を表現すること。 『ムーラン』は、自分の愛する家族を守るため、男性と偽り戦いに出て行く少女の物語。 制作段階ではまだ実写の映像が観られなかったので、まずはアニメーションの方を繰り返し観ながら、私が作品から感じた大事なキーワードだと思う言葉を、下記のように箇条書きにしていきました。 ・運命 ・素顔 ・自分らしく生きたい …など そして既存の「Reflection」の歌詞を直訳し、そのメッセージを解読していきました。 ・何故本当の自分を隠さなければならないの? ・いつになれば自分らしさを開放して生きられるの? そんな問いが続く中で沸々と湧き上がる信念を感じ、私の中に1つのテーマが浮かびました。 <私を生きる いつの日か> それはムーランの悩みであるとともに願いでもある。どんな時代でも共感していただけるテーマなのではないかと思い、この言葉から歌詞を紡いでいきました。 ムーランはディズニー史上最強のヒロイン。実写版ではアニメーションよりもアクションにフューチャーし、美しく勇敢に戦うムーランの姿が描かれています。 「忠義・勇気・真実」 家に代々伝わるこの3つの美徳を胸に刻み、本当の自分を信じ、開放して強くなっていくムーランの姿を歌詞にも映しました。 また冒頭には私自身の自分らしさも取り入れたいと思い、私の歌手活動のテーマでもある“月”の情景から世界を広げていきました。月には光と影があり、その二面性がムーランの心情に重なりますし、淡い光や満ち欠け、雲に隠れてしまったりするその変化がムーランの揺れ動く葛藤や願いを表すと感じたからです。 そして最後にもう一つ大切なポイント。それは、皆さんに分かりやすく、皆さんが歌いやすい言葉にするということ。ディズニーソングは老若男女に愛され、みんなの夢や希望を乗せて受け継がれていく曲。なので基本的にシンプルな言葉で、尚且つ原曲の英語詞と同じ母音の言葉で組み立てていきました。難しい作業でしたが、これに拘ったことで“ディズニーソング”として完成したのではないかと思います。 私のような作詞経験に乏しい歌手に訳詞を依頼するのはリスクもあったと思います。でも、歌う本人が持つ言葉のパワーというものを信じ、挑戦をさせてくださったディズニーさんには心から感謝しています。ムーランから学んだ「私を生きる」ことを胸に、これからも自分を信じ自分らしく歌い続けていきたいです。 そしてこの新たな「リフレクション」を、皆さんに受け取っていただけたら幸いです。 <城南海> ◆紹介曲「 Reflection 」 作詞:David Zippel・Matthew Wilder・訳詞:Minami Kizuki 作曲:David Zippel・Matthew Wilder ◆ALBUM『Reflections』 2021年1月27日発売 初回限定盤 PCCA.04994 ¥5,800(税別) 通常盤 PCCA 04995 ¥2,800(税別) <収録曲> 1.リフレクション 2.Change the World (カバー) 3.カントリー・ロード(カバー) 4.Good-bye days(カバー) 5.Never Enough(カバー) 6.蘇州夜曲(カバー) 7.Over the Rainbow(カバー) 8.君だけのメロディー 9.Encounter in Space “THE EARTH” 10.産声

    2021/02/01

  • ASCA
    地球の裏側まで愛だけを祈るように届けたいと思いました。
    地球の裏側まで愛だけを祈るように届けたいと思いました。

    ASCA

    地球の裏側まで愛だけを祈るように届けたいと思いました。

     2021年1月27日に“ASCA”がニューアルバム『百希夜行』(読:ヒャッキヤコウ)をリリース!今作には、新曲「進化論」のほか、「Howling」「CHAIN」や「天秤 -Libra-」別アレンジバージョンなどヒットシングル曲が満載。さらに、阿部真央によるプロデュース曲「regain」、親交の深いアーティストたちと歌い繋いだ「Wings to fly」、全英語詞に挑戦した「DESIRE」、圧倒的なライブパフォーマンスでも話題となった「命に嫌われている。」カバーが収録されるなど聴きごたえある一枚に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“ASCA”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾、第2弾に続く、最終回。綴っていただいたのは、収録曲「 君の街へ 」に通ずる想いです。今作のなかで唯一のバラードとなるこの歌。一体どのような気持ちから生まれたのでしょうか。是非、エッセイと併せて歌詞を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 君の街へ 」~ 夕暮れ時、人気のないカフェ。 奥の席を選んで、いつものティーラテを頼んでから、 ふぅ。と、一息。 ティーカップに口付けて、 窓から家路へと急ぐ人々を眺めながら、 イヤホンを両耳に差し込み、 再生ボタンは押さないまま、そっと瞼を閉じる。 もう準備は整った。ふぅー。と、深呼吸。 これが自分だけの世界に入る合図だ。 そうしてようやく私は、歌詞を書き始めた。 こんにちは、ASCAです。 今回で最後のエッセイ。 こんな気持ちになるなんて自分でも驚いていますが、 終わってしまうことが、寂しいです。 気がついたら、時計の短い針が 遥か先の数字を指しているほど、 没頭することのできる貴重な時間だったから。 例えるなら、 熱心に見ていたアニメが 最終話を迎えてしまう時のような。 ロス、ですね。エッセイロス。 食わず嫌いをまた一つ克服できたので、 こんな機会をくれた歌ネットさん、 本当にありがとうございました。 昨年12月。 怒涛のアルバム制作が終わりへと向かっている頃、 収録楽曲全11曲の中で、唯一のバラードを 作詞するにあたり、カフェに入った私は、 まず頭の中を真っさらにすることから始めました。 長い間待っていてくれて、 支えになってくれている人達へ、 本当に届けたい言葉を見つけ出すために。 これが難しかった。時間がかかった。 気づかないうちに人は 自分の気持ちに蓋をしてしまったりする。 私もその一人。 本当は寂しい時だってあるのに、 ついつい強がってしまったりもする。 でも今はできるだけ 自分の内側から出てくる気持ちを大事にしたかった。 嘘は一つも並べたくなかった。 見栄や建前は全部取っ払ってしまおう。 シンプルに、等身大で。 地球の裏側まで 愛だけを祈るように届けたいと思いました。 君の街は晴れてるかな? 元気ですか? そうだといいな                           どうか君らしくいつの日も幸せでありますように 大切な人達の顔を思い浮かべて、 涙を滲ませながら書いた一節です。 うん。誰かを想って綴る言葉は、あたたかい。 私はこれからもそんな言葉達を歌う人間でありたい。 <ASCA> ◆紹介曲「 君の街へ 」 作詞:ASCA 作曲:ASCA・Saku・Ryosuke Shigenaga ◆ニューアルバム『百希夜行』 2021年1月27日発売 完全生産限定盤(VVCL-1812~1814) \5,500(税抜) 初回生産限定盤(VVCL-1815〜1816) \4,000(税抜) 通常盤(VVCL-1817) \3,000(税抜) <収録曲> M01.「進化論」 M02.「CHAIN」 M03.「Howling」 M04.「regain」 M05.「SAYONARA」 M06.「曖・アイ・愛」 M07.「天秤 -Libra- 百希夜行ver」 M08.「DESIRE」 M09.「命に嫌われている。」カンザキイオリCover M10.「君の街へ」 M11.「Wings to fly feat. 足立佳奈, MaRuRi, mizuki」

    2021/01/29

  • 川村結花
    「過去の作品を磨いてキラキラに生き返らす」ということ。
    「過去の作品を磨いてキラキラに生き返らす」ということ。

    川村結花

    「過去の作品を磨いてキラキラに生き返らす」ということ。

     2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第13回をお届けいたします。 第13回歌詞エッセイ:リメイクもよきかな 2021年になりました。今年もまた月イチでこちらのページに歌詞コラムを書かせていただけることとなりました。本年も毎月第4木曜日18時頃に更新してまいりますので、どうぞゆらりぶらりお付き合いくださいませ。 さて、今回のテーマは「リメイク」=過去に作ったものを新たに作り直すこと。当エッセイにおいては、既にリリースされた作品のリメイクというお話ではなく、まだ世に出る前の制作段階において、自分の昔書いた未発表作品を引っ張り出してきて手を加え作り直して新作とする、という意味での“自分内リメイク”のお話です。 ちなみにわたしは、つい数年前までこのリメイクということに多少の抵抗感がありました。20代30代の頃は「全力で書く。そして書いたら忘れる。そして次へ!」という方針で書いては投げ捨てて、を繰り返し突き進んでいた自分。それは後ろを振り返りたくないというよりも、過去の作品に今の作品が負けたような気がするのが許せなかった、今新たにイチから書いた方がもっといい作品が書けるに決まってる、というような頑固な思い込みによるものでした。 しかしながら、40代半ばあたりからだんだんとその考えも変わっていきました。そのくらいだと作詞作曲を始めて20年を過ぎたあたりということもあり、自然と書きかけのフレーズそのまんま放置したものや、ボツになったまるまるワンコーラスぶん、そんな作品のカケラたち、いわゆるストックがそこそこたくさん溜まっていました。 その中には何年も忘れられない美メロがあったり、ひさびさに聴いてみたらあの時はピンとこなかったけど今は妙に心に響く切ないフレーズがあったり。たとえ当時フィットしなかったからといって今もしないとはかぎらないんだな、ダイヤの原石(なのかもしれないカケラたち)がいっぱいあったんだな、それをずっと邪険にして来たんだな、自分、あほやな、、、。と。 試しに引っ張り出してきた過去の曲を今聴いていただいた折、とても気に入っていただけたり、サビだけ生かして他を書き直したものが、やはりすごく褒めていただけたり。なにより自分自身で「ええやん、、、」と思える作品に仕上がるのだということが実感できるようになったのでした。 なので今ではわたし“自分内リメイク”をおおいに推奨している次第であります(←自分に)。もちろん書き下ろし中心ではありますが、カケラちゃんたちの「そろそろ外、出して~」という声も聞きつつ。その時の時代感や自分の気分とも相談しつつ。 なにしろ“自分内リメイク”それは「過去の作品を磨いてキラキラに生き返らす」ということ。この考え方に行き着いてから、とてもラクになったし曲作りの幅も広がりました。20代の頃の自分の作品に50代の今の自分が「あのな、ここはな、こないしてこないしたほうがええんちゃうか」と赤ペン入れてく感じ、でしょうか。なにしろそれでいい作品が生まれればもう万事OKなのであります。そして実際生まれているのであります。 ということで今年もまだLiveの予定は立てられないでいますが、そのぶん作品づくりのための時間とし、ひたすら曲作りに邁進、そして1曲でも多く世の人に届けることができますよう精進して参りたいと本当に本当に思います。がんばろう自分! <川村結花> ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】 【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回】 【第12回】

    2021/01/28

前の20件
次の20件

デイリーランキングDAILY RANKING

  1. 夏の影
    夏の影
    Mrs. GREEN APPLE
  2. 革命道中
    革命道中
    アイナ・ジ・エンド
  3. らしさ
    らしさ
    Official髭男dism
  4. 366日
    366日
    HY
  5. 賜物
    賜物
    RADWIMPS
もっと見る

歌ネットのアクセス数を元に作成
サムネイルはAmazonのデータを参照

新着歌詞情報NEW RELEASE

  • 修羅 / ヨルシカ
    【ヨルシカ】ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』主題歌「修羅」歌詞公開中!!
  • 夏の影 / Mrs. GREEN APPLE
    夏の影 / Mrs. GREEN APPLE
  • 未確認領域 / Number_i
    未確認領域 / Number_i
  • Topping / ILLIT
    Topping / ILLIT
  • PUNKS / カメレオン・ライム・ウーピーパイ
    PUNKS / カメレオン・ライム・ウーピーパイ
  • ゾンビ / shallm
    ゾンビ / shallm
  • おやすみTaxi / MON7A
    おやすみTaxi / MON7A
  • I Wish to See You Again / 感覚ピエロ
    I Wish to See You Again / 感覚ピエロ
  • いつも隣で / FANTASTICS
    いつも隣で / FANTASTICS
  • ELUSIVE / m-flo loves n-choco
    ELUSIVE / m-flo loves n-choco
もっと見る
TOP
  • アーティスト名インデックス
  • アニソン検索・索引
  • アルバム検索
  • 歌詞全文(フレーズ)検索
  • タイムマシン検索
  • 新曲歌詞情報
  • 新曲歌詞情報(演歌・歌謡曲)
  • アニメ
  • 動画プラス
  • 音楽番組情報
  • 総合ランキング
  • 演歌歌謡曲ランキング
  • カラオケランキング
  • 歴代人気曲ランキング
  • 注目度ランキング
  • 歌詞ショート
  • 今日のうた
  • ニュース
  • 特集ピックアップ
  • インタビュー
  • コトバのキモチ(ワタフレ)
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
  • その他(バックナンバー)
    • 大人の歌ネット
    • ストリーミング
    • ライブレポート
    • キラ☆歌発掘隊
  • 運営会社
  • メディア掲載情報
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • お問い合わせ・リクエスト
  • コンテンツ
  • 広告掲載
  • スタッフ募集
各ページに掲載されたジャケット画像、歌詞に関する著作権は、各レコード会社、アーティストなどに帰属します。

(C)2001 PAGE ONE All Rights Reserved.

このページの先頭へ

MENU

  • ホーム
  • 動画プラス
  • マイ歌ネット
  • 歌詞閲覧履歴
  • ランキング
  • 新曲歌詞情報
  • 今日のうた
  • ニュース
  • ピックアップ
  • コトバのキモチ
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
  • 歌詞ショート
  • アニメ
  • 音楽番組情報
  • その他
    • ・大人の歌ネット
    • ・ストリーミング
    • ・ライブレポート
  • 運営会社
  • メディア掲載情報
  • ご利用規約
  • お問い合わせ
  • 検索ヘルプ
  • プライバシーポリシー
(c) 2025 Copyright. PAGE ONE All Rights Reserved.()