地球の裏側まで愛だけを祈るように届けたいと思いました。

 2021年1月27日に“ASCA”がニューアルバム『百希夜行』(読:ヒャッキヤコウ)をリリース!今作には、新曲「進化論」のほか、「Howling」「CHAIN」や「天秤 -Libra-」別アレンジバージョンなどヒットシングル曲が満載。さらに、阿部真央によるプロデュース曲「regain」、親交の深いアーティストたちと歌い繋いだ「Wings to fly」、全英語詞に挑戦した「DESIRE」、圧倒的なライブパフォーマンスでも話題となった「命に嫌われている。」カバーが収録されるなど聴きごたえある一枚に仕上がっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“ASCA”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾、第2弾に続く、最終回。綴っていただいたのは、収録曲「君の街へ」に通ずる想いです。今作のなかで唯一のバラードとなるこの歌。一体どのような気持ちから生まれたのでしょうか。是非、エッセイと併せて歌詞を受け取ってください。

~歌詞エッセイ最終回:「君の街へ」~

夕暮れ時、人気のないカフェ。

奥の席を選んで、いつものティーラテを頼んでから、
ふぅ。と、一息。

ティーカップに口付けて、
窓から家路へと急ぐ人々を眺めながら、
イヤホンを両耳に差し込み、
再生ボタンは押さないまま、そっと瞼を閉じる。

もう準備は整った。ふぅー。と、深呼吸。
これが自分だけの世界に入る合図だ。
そうしてようやく私は、歌詞を書き始めた。



こんにちは、ASCAです。
今回で最後のエッセイ。
こんな気持ちになるなんて自分でも驚いていますが、
終わってしまうことが、寂しいです。

気がついたら、時計の短い針が
遥か先の数字を指しているほど、
没頭することのできる貴重な時間だったから。

例えるなら、
熱心に見ていたアニメが
最終話を迎えてしまう時のような。
ロス、ですね。エッセイロス。

食わず嫌いをまた一つ克服できたので、
こんな機会をくれた歌ネットさん、
本当にありがとうございました。



昨年12月。
怒涛のアルバム制作が終わりへと向かっている頃、
収録楽曲全11曲の中で、唯一のバラードを
作詞するにあたり、カフェに入った私は、
まず頭の中を真っさらにすることから始めました。

長い間待っていてくれて、
支えになってくれている人達へ、
本当に届けたい言葉を見つけ出すために。

これが難しかった。時間がかかった。

気づかないうちに人は
自分の気持ちに蓋をしてしまったりする。
私もその一人。
本当は寂しい時だってあるのに、
ついつい強がってしまったりもする。

でも今はできるだけ
自分の内側から出てくる気持ちを大事にしたかった。
嘘は一つも並べたくなかった。

見栄や建前は全部取っ払ってしまおう。
シンプルに、等身大で。
地球の裏側まで
愛だけを祈るように届けたいと思いました。


君の街は晴れてるかな? 元気ですか? そうだといいな
                         
どうか君らしくいつの日も幸せでありますように


大切な人達の顔を思い浮かべて、
涙を滲ませながら書いた一節です。


うん。誰かを想って綴る言葉は、あたたかい。
私はこれからもそんな言葉達を歌う人間でありたい。

<ASCA>

◆紹介曲「君の街へ
作詞:ASCA
作曲:ASCA・Saku・Ryosuke Shigenaga

◆ニューアルバム『百希夜行』
2021年1月27日発売
完全生産限定盤(VVCL-1812~1814) \5,500(税抜)
初回生産限定盤(VVCL-1815〜1816) \4,000(税抜)
通常盤(VVCL-1817) \3,000(税抜)

<収録曲>
M01.「進化論」
M02.「CHAIN」
M03.「Howling」
M04.「regain」
M05.「SAYONARA」
M06.「曖・アイ・愛」
M07.「天秤 -Libra- 百希夜行ver」
M08.「DESIRE」
M09.「命に嫌われている。」カンザキイオリCover
M10.「君の街へ」
M11.「Wings to fly feat. 足立佳奈, MaRuRi, mizuki」