北国の春千昌夫 | 千昌夫 | いではく | 遠藤実 | | 白樺 青空 南風 こぶし咲くあの丘 北国のあゝ北国の春 季節が都会では わからないだろと 届いたおふくろの 小さな包み あの故郷へ 帰ろかな帰ろかな 雪どけ せせらぎ 丸木橋 落葉松の芽がふく 北国のあゝ北国の春 好きだとおたがいに 言いだせないまま 別れてもう五年 あのこはどうしてる あの故郷へ 帰ろかな帰ろかな 山吹 朝霧 水車小屋 わらべ唄聞える 北国のあゝ北国の春 あにきもおやじ似で 無口なふたりが たまには酒でも 飲んでるだろか あの故郷へ 帰ろかな帰ろかな |
津軽平野千昌夫 | 千昌夫 | 吉幾三 | 吉幾三 | | 津軽平野に 雪降る頃はよ 親父(おどう)ひとりで 出かせぎ仕度 春にゃかならず 親父は帰る みやげいっぱい ぶらさげてヨ 淋しくなるけど 馴れたや親父 十三みなとは 西風強くて 夢もしばれる 吹雪の夜更け ふるなふるなよ 津軽の雪よ 春が今年も 遅くなるよ ストーブ列車よ 逢いたや親父 山の雪どけ 花咲く頃はヨ かあちゃんやけによ そわそわするネ いつもじょんがら 大きな声で 親父うたって 汽車から降りる お岩木山よ 見えたか親父 |
君がすべてさ千昌夫 | 千昌夫 | 稲葉爽秋 | 遠藤実 | | これきり逢えない 別れじゃないよ 死にたいなんて なぜ云うの 遠く離れて 暮らしても ただひとすじに 愛しているよ 君がすべてさ 君がすべてさ 心の小箱に しまっておくよ やさしい君の 面影を 頬をぬらして 光ってる その涙さえ 愛しているよ 君がすべてさ 君がすべてさ 希望(のぞみ)を果して 迎えにくるよ 必ず待って いておくれ かたく結んだ 約束の 指さきまでも 愛しているよ 君がすべてさ 君がすべてさ |
あんた千昌夫 | 千昌夫 | 吉幾三 | 吉幾三 | | コップ一杯 飲む酒も なぜか淋しい 今日の酒 外は冷たい 雨が降る 飲めば飲むほど 哀しくなるわ 涙流れる グラスの中に 悪い私を叱ってあんた どこへ行ったのよ 戻って来てよ ねえあんた 別れましょうと 強がりを 言ったつもりじゃ なかったわ 濡れて帰るわ 雨の街 弱い私に 冷たい雨が 音もたてずにただ降りしきる もっと叱って私をもっと どこへ行ったのよ 戻って来てよ ねえあんた 眠りたくない 一人では 帰りたくない 一人では 私悪いわ 馬鹿でした 傘もささずに 夜更けの街を 雨よつつんで 朝までずっと 酔うに酔えない今夜の酒は どこへ行ったのよ 戻って来てよ ねえあんた |
アケミという名で十八で千昌夫 | 千昌夫 | 西沢爽 | 遠藤実 | | 波止場でひろった 女の子 死にたいなんて 言っていた アケミという名で 十八で おれと暮らした 三日目に もとの男へ行っちゃった 蹴とばせ 波止場のドラムカン やけで唄った 浪花節 あゝさびしいぜ ごめんなさいって 走り書き 女の匂いが 残るだけ 一間のオンボロ アパートを どんなつもりか 知らないが 花を飾って消えちゃった 蹴とばせ 波止場のドラムカン やけで唄った 浪花節 あゝさびしいぜ 夜霧の波止場にゃ 影もない 遠くで霧笛がむせぶだけ アケミという名の 変な娘が もしもどこかで 泣いてたら 待っているぜと 言ってくれ 蹴とばせ 波止場のドラムカン やけで唄った 浪花節 あゝさびしいぜ |
夕焼け雲千昌夫 | 千昌夫 | 横井弘 | 一代のぼる | | 夕焼け雲に 誘われて 別れの橋を 越えてきた 帰らない 花が咲くまで 帰らない帰らない 誓いのあとの せつなさが 杏の幹に 残る町 二人の家の 白壁が ならんで浮かぶ 堀の水 忘れない どこへ行っても 忘れない忘れない 小指でとかす 黒髪の かおりに甘く 揺れた町 あれから春が また秋が 流れていまは 遠い町 帰れない 帰りたいけど 帰れない帰れない 夕焼け雲の その下で ひとりの酒に 偲ぶ町 |
味噌汁の詩千昌夫 | 千昌夫 | 中山大三郎 | 中山大三郎 | | しばれるねぇ。冬は寒いから味噌汁がうまいんだよね。 うまい味噌汁、あったかい味噌汁、これがおふくろの味なんだねえ。 あの人この人 大臣だって みんないるのさ おふくろが いつか大人になった時 なぜかえらそな顔するが あつい味噌汁飲む度に 思い出すのさ おふくろを 忘れちゃならねえ 男意気 へぇーそうか、おまえさんも東北の生まれか。 気持ちはわかるがあせらねえ方がいいな。 やめろ!あんなあまったるいもの 好きな女なんか。 何がポタージュだい、味噌汁の好きな女じゃなくちゃ! 寝るのはふとん、下着はふんどし、 ごはんのことをライスだなんて言うんじゃないよ。 田園調布?家を建てるなら岩手県、それも陸前高田がいいね。 金髪?きん……金髪だけはいいじゃないべかねえ。 それにしても近頃の人は何か忘れてるね。 これでも日本人なんだべかねぇ。 日本人なら 忘れちゃこまる 生まれ故郷と 味噌汁を 何だかんだと世の中は 腹が立つやら 泣けるやら どこへ行ったか親孝行 まるで人情 紙風船 忘れちゃならねぇ 男意気 ふるさとを出てから16年、 いつもおふくろさんのふところを夢見ておりました。 思い出すたびに、この胸がキューッと痛くなるんです。 思わず涙が出てくるんだなぁ。 それにしても今夜はしばれるねぇ、 このぶんだと雪になるんでねぇべか。 おふくろさんの味噌汁が食いたいなぁ…… かあちゃーん! |
星影のワルツ千昌夫 | 千昌夫 | 白鳥園枝 | 遠藤実 | | 別れることは つらいけど 仕方がないんだ 君のため 別れに星影のワルツを うたおう…… 冷たい心じゃ ないんだよ 冷たい心じゃ ないんだよ 今でも好きだ 死ぬ程に 一緒になれる 幸せを 二人で夢見た ほほえんだ 別れに星影のワルツを うたおう…… あんなに愛した 仲なのに あんなに愛した 仲なのに 涙がにじむ 夜の窓 さよならなんて どうしても いえないだろうな 泣くだろうな 別れに星影のワルツを うたおう…… 遠くで祈ろう 幸せを 遠くで祈ろう 幸せを 今夜も星が 降るようだ |
人生ふたり旅千昌夫 | 千昌夫 | いではく | 弦哲也 | | 子供育てて 嫁にも出して しあわせ者だよ おれ達ふたり そうさ今夜は しみじみ酒を のんで祝いの めおとの旅だ 惚れたおまえの 背中をみつめ 一緒に歩いて 人生半ば 今日は苦労を いたわりあって ちょいと幸せ めおとの旅だ 泣いたぶんだけ 笑おじゃないか これからほんとの しむ暮らし 過ぎた山坂 涙もみんな お湯に流そう めおとの旅だ |
屋台千昌夫 | 千昌夫 | 万城たかし | 高野かつみ | 若草恵 | 前略 おふくろ様 根雪も溶けて桜の季節になりましたが、お元気でしょうか? ふと田舎が恋しくなって星空を見ると思うんです。 ささやかな店ですが、俺の汗と涙でダシを取った 日本一のラーメンを父ちゃんと母ちゃんに 苦労かけた分だけ腹いっぱい食わしてあげたいと 思っております。 また手紙書きます。 修行重ねた 甲斐があり 小さなお店を 持ちました でかした奴だと 田舎では てんやわんやの 大騒ぎ 露地裏流して 夜泣きそば 俺の屋台の あゝ笛が鳴る 背広姿の 里がえり 貫禄ついたと 人々(ひと)が言う じょんがら訛りも 無くなって 今じゃ東京の 匂いだけ 露地裏流して 夜泣きそば 俺の屋台にゃ あゝ夢がある 故郷(くに)じゃ出世と 評判で 開店祝いに 来るという 言い訳なんかじゃ ないけれど 皆んな親父(おやじ)の 早とちり 露地裏流して 夜泣きそば 俺の屋台は あゝ日本一 |
やいま(八重山)千昌夫 | 千昌夫 | 宮城衛 | 宮城衛 | | 海を見れば 故郷(ふるさと)思い出し 山を見れば 又故郷思い出す 月の浜辺で 泡盛飲みながら 夜の明けるまで 唄った島唄よ 故郷離れてから早十二年 変わるなよその眺め 八重山(やいま)の島々よ 情け深き父に 元気でいるかなと 便り書いては 出せずに読み返し 母のぬくもり 思い出しながら 今も唄うよ 八重山の島唄よ 故郷離れてから早十二年 変わるなよその情け 八重山の島唄よ 故郷離れてから早十二年 変わるなよその眺め 八重山(やいま)の島々よ |
還暦祝い唄千昌夫 | 千昌夫 | 神谷まみ | 神谷まみ | | 早いもんだね 六十年よ 夢を追いかけ 人世(ひとよ)の坂を 越えてしみじみ お蔭様 祝いのお酒 両手で受けて 今日はめでたい 今日はめでたい 還暦祝い唄 振り向きゃ続く 六十年よ 言うに言えない 苦労もしたが 今じゃ笑える 人がいる 可愛い孫も手拍子軽く 今日はめでたい 今日はめでたい 還暦祝い唄 気がつきゃ何と 六十年よ 白髪(しらが)小じわが 我が勲章さ 胸をたたいて 悠々と も一度春を 呼ぼうじゃないか 今日はめでたい 今日はめでたい 還暦祝い唄 |
望郷酒場千昌夫 | 千昌夫 | 里村龍一 | 桜田誠一 | | おやじみたいなヨー 酒呑みなどに ならぬつもりが なっていた 酔えば恋しい 牛追い唄が 口に出るのさ こんな夜は ハーヤイ 田舎なれどもサー 南部の国はヨー 風にちぎれてヨー のれんの裾を 汽車がひと泣き 北へ行く 呼べばせつない あの娘の面影(かお)が 酒のむこうに 揺れるのさ ハーヤイ 酒に溺れてヨー やつれてやせた 故里(くに)へ土産の 夢ひとつ 北はみぞれか しぐれる頃か やけにおふくろ 気にかかる ハーヤイ |
長持祝い唄千昌夫 | 千昌夫 | 横内淳 | 横内淳 | 丸山雅仁 | 今日はめでたい 金屏風 縁が結んだ 皆様方に 真心(こころ)こめての この晴れ姿 見てて下さい 最後まで 父母(おや)がみとめた この人と 乗って行きます 長持船で 俺が育てた 宝だと 嫁にやらぬと 言ってた親父 口じゃ強がり 言ってはみても なぜかほころぶ 顔になる 一生一度の 喜びを 鶴と亀との 長持船だ あげろ帆柱 天までも 出船一から 人生勝負 世間荒波 苦しい時も 泣くな焦るな くじけずに 父母(おや)の心を 胸に染め 乗せて大漁の 長持船だ |
倖せぐらし千昌夫 | 千昌夫 | いではく | 千昌夫 | 猪股義周 | ひょんな出会いで 一緒になって 二人三脚 早三十年 ひとり娘も 嫁いだいまは 肩の荷おろし 肩の荷おろして 幸せぐらし 仕事ばかりで かまけた家を 守ったあんたに 頭が下がる 孫の世話する 笑顔の横に 白いほつれ毛 白いほつれ毛も 幸せぐらし 泣きも笑いも ふたりで分けて よりそい歩こう 今後もたのむ たまにゃ行こうか 温泉旅行 いのち洗濯 いのちの洗濯 幸せぐらし |
古希祝い千昌夫 | 千昌夫 | いではく | 千昌夫 | 岩上峰山 | 長生きしてりゃ 喜寿米寿 次々来るよ 祝い事 前向きがんばる 姿みて にっこり笑う 福の神 めでためでたの めでためでたの 古希祝い 昔とちがい 今の世は 還暦古希は まだ若い みんなで働き 宝船 実りの秋を 迎えたら 歌い踊って 歌い踊って 古希祝い 人生いつも 節目には めでたく歌う 祝い節 生まれて節句に 七五三 門松かさね 七十年 いつの間にやら いつの間にやら 古希祝い |