地下室の喧騒eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | あなたは本物なのか? これ等は現実なのか? その声は聞こえる 姿も見えるのに その壁は成層圏に達する様だ その溝は地核にさえも達する様だ そうなんだ! 俺とアンタは出会ってない! 幻とビールと煙草の煙 地下室の喧騒は 水洗便所の水に流れて消える 微笑を凌駕する嘲笑の世界で その距離は月への道より遠い様だ 寂寥は砂漠に落ちた一夜の様だ どうなんだ? 俺とアンタは出会うだろうか? 幻とビールと煙草の煙 そんな日の朝は常に悲しいもんだ そんな日の朝は何故か晴れている |
東京快晴摂氏零度eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 上空一面に広がる真っ白な彫刻が 緩やかなスピードで悠然と去って行く 地上には俺の足音 地上には俺の鼻唄 笑えったって難しいが 苦笑いで見送るぜ また会おう あばよ さよなら 当て所無いのが似てるな、俺達 そうだな そうやって瞬間が過ぎて行く 目まぐるしいスピードは心臓のビートなんだろう 摂氏零度に色が弾ける 上り電車が街を引き裂く 澄み渡る冬の風に 右往左往の影と影 また会おう あばよ さよなら 彷徨う様が似てるな、俺達 青と白 赤と黄色 緑色 ねずみ色 ありふれた色でいいんだ 感じたいんだ 心の底の底まで |
さらばよ、さらばeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 窓から覗く顔は青白い 目が醒めても気が付け無いもどかさよ 唯、流れる儘に流れるのだろうか 唯、佇む儘に佇むのか 姿、無様、 耐え難くも絶えざる息吹き さらばよ、さらば 過ぎし日の 寄せては返す幻よ 日射しの中、道を行けば君に出会う 三十五度に溶ける汗、夏の真昼 この太陽の中に何があるのだろう この毎日の中に何があるのか 強く、弱く、深く、浅く、 縺れる命 さらばよ、さらば 夏の日の ユラリ消える戯言よ さらばよ、さらば… |
曇天と面影eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 曇天の心に私の今日は 押し黙る 淡々と流れて 影踏み遊び 鳥の声 何と儚げな 何と朧げな 面影だろうか 何と透き通った 何と淋しげな 囁きだろうか しんしんと降り積む 感傷が降り積む NHKのラジオを小さな音で聴きながら 沈黙が心に染み広がって 夜が降る 何と儚げな 何と朧げな 面影だろうか 何と透き通った 何と淋しげな 囁きだろうか しどけない長雨に 待ち侘びて来る便り 幻だって良いんだ そのまんまが良いんだ 「ほら、もう朝だぞ。もう起きな。」 「ほら、もう今日だぞ。泣き止みな。」 |
ギラリズム夜明け前eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 硬直した感受性は泣かない くたびれ果てた感受性は泣かないもんだ 寄り集まって慰めあって 文殊の知恵を手に入れた 老成して出来上がって 立派な知恵を手に入れたって それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 あれがこうなったらいいのになぁ これがああだったらもっといいんだがなぁ そんな訳が無ぇだろうと 科学的な検証だ そんな訳が無ぇだろうと 現実的な訓戒だ それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに ああ、遠すぎて見えない ああ、近すぎて気付けない 遠すぎて見えないからって 見ない訳にはいかない 近すぎて気付けなくとも それでいい訳ぁ無ぇだろ さあ! もっとくれ! もっとくれ! もっと!もっと!もっと それでいいんだよ それでいいんだよ! ギラギラしてる 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに |
小さな友人eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | きこえない ふりをして なにをみているの? くうきのなか おしゃべりも つかれたか つちくれで みたされし おもい ほら、また なみだがお でも、すぐ ばかわらい 彼は心の中の影法師 泣いたり笑ったり忙しい奴さ どうだ 少しは気分がすぐれたか? むずかしい かおをして どうしたんだ? よさむのまど とおく めをこらしては おもしろい しらせをまっている あら、また きえちゃったよ でも、まだ いけそうだぞ 彼は心の中の影法師 何時でも何処でも足踏みしている 今尚、何かに焦れている 寄り添い歩み行こうぞ この世の果てまでも 彼は心の中の影法師 時折、迷えば眼鏡もくもる だが目に燃え立つ火を忘れるな |
鉛の塊eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 穏やかだ 何も無い 友達は皆死んだ 昼下がり 微睡んで 横たわる鉛の塊 言わないで その先を 取り戻す術など無い 『大丈夫、この儘で何処までも行ける』 飛び立って消えて行く島達の姿を 取り残された様な心持て見送る 君が居て 夜が明けて 日が暮れて 私が居る 掌に汗を掻き 毎日を漂う人に 見せないで その先を 何処へ行く宛など無い 『大丈夫、この儘で何処までも行ける』 飛び立って消えて行く鳥達の姿を 取り残された様な心持て見送る 呼ぶ声がする 誰かが待っている そんな夢を見た 訊かないで その訳を 語り果て灰になる 消えないで灯 胸に咲け |
ポケットから手を出せないでいるeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | ぶら下がった凧の残骸が 冬になって侘びしく揺れている ポケットから俺は手を出せないでいる 突っ立っている魂 雲が美しい 息が白めば落陽が突き刺さる 息が白めば色彩が突き刺さる この世は諸行無常か 永遠の変わらない誓いか ポケットから俺は手を出せないでいる 押し黙る魂 雪を待っている 薄紫の感傷が降り積もる 薄紫の現実が降り積もる 留まらぬその光と闇は 揶揄うように現れて嘘のように消えてゆく 薄紫の感傷が降り積もる 薄紫の現実が降り積もる ポケットから俺は手を出せないでいる 硝子窓に影が映る ポケットから俺は手を出せないでいる 歩みは止めない |
何処吹く風eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | あれは多分遠いんだろうな ツイタリ、キエタリ 誘われてノロノロ歩いて 濁って悲しむ 『アカイソラ、キレイダネ。 ナカナイデ、カエロウネ。』 誰の名を呼んでいた? 誰と誰が死んでいった? 時々なら感じる光 ツイタリ、キエタリ 燃え終わればポロリと落ちて 何度も悲しむ 『オツキサマ、キレイダネ。 ウタウタッテ、カエロウネ。』 誰と誰が知っていた? 誰と誰を知っていた? オモカゲ、ミズタマリ、ミナミカゼ。 オモイデ、ハシリサリ、ドコフクカゼ。 |
赤い背中eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 知っている事なんて砂で出来た城さ 波に攫われて瞬く間に消える 残されるものは何?残された私は誰? 雲が逃げて行く 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色は 暗く疼く傷か 焼けるように生きている証か 後悔は何時の日も排水溝に流す 道に迷う日は裸足で歩く 立たされた位置を知る それを知り、超えて行く それが今日なんだ 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色が 赤く、赤く、赤く、 悲しいまでに炎を上げている 何がそれを癒すと言うのか? 雨を待っている ただ、雨を待っている 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色は 暗く疼く傷か 焼けるように生きている証か あの日のままさ 全てあの日のままさ 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色のままさ |
非力なる者eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 人生は運命塗れ 午後三時、敗北塗れ ふざけるな、生きてんだ 一から十まで抗って 締めと納得だらけ 縄張りと暗黙だらけ 死んだって構うもんか 一から十まで抗って おお、太陽 火の玉のように 怒りと悲しみを燃やせ! それ等は朝に、昼に、夜に、 音無く、形無く、破裂するのだ 「出しゃばるな、身の程知らず 弁えろ、世の中知らず」 誰なんだ?指図すんな! 一から十まで抗って 躓いて明日をも知れず 負け切って行方知れず 認めるな!引っ込めるな! 一から十まで抗って おお、月光 真冬の吹雪のように 孤独と寂しさを磨け! それ等は朝に、昼に、夜に、 音無く、形無く、破裂するのだ 人生は運命塗れ 顔半分、泥塗れ ふざけるな!ふざけるな! 一から十まで抗って 抗って、抗い負けて それでも尚、抗い続け 人生は俺のものだ 一から十まで抗って おお、哀れ 無知で無能なる者 おお、哀れ 無垢で非力なる者 それ等は朝に、昼に、夜に、 音無く、形無く、破裂するのだ |
夜の追憶eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | さらば春の日よ また会おう 何時の日か さらば過ぎし日の 青白い三日月よ あの日も あの時も 月影に縫い付けて置いてきた 淋しさよ 追憶を噛み締める 夜が連れてくる寂寞を弄び 今は噎せ返る夏の夜を感じている カーテンが揺れる度 過去達も揺れている あの日の あの時の 君の目が揺れている さらば春の日よ また会おう 何時の日か さらば過ぎし日の 青白い三日月よ 「帰らざる思い出よ 待ってくれ。 待ってくれ。」 振り返り呼ぶけれど 何もない 何もない… |
淡い影eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 戯れる声は朧気 諭す声は怪し気 虹を架ける空にさえ 笑えない時がある 正しい様でも 答えじゃないんだ Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 散るや散らざるやも 時の波に捲かれて 酔えば風に鼻唄は 泣き濡れては消えたよ 音無く転がる 砂利屑みたいに Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 「答エガ無クテモ 移ロウ儘ダロウ」Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 |
足音eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 黄昏に 行き交う影も伸びれば 味気無く私の空も暮れ行く 足跡なんかは残らない 誰もが昨日に帰れない 弛まなく 続く命の呪縛か 見失い路頭に迷う それでも 行き先なんかは解らない 今更後へは退けないさ 昨日と明日が擦れ違う 足音ばかりが消えて行く |
扉eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 目の中には君は居る 横顔は笑っている 誰なんだろう、まだ見ぬ君 目の中に幽かに在る 『時計を止めてくれ。あと少し寝かせてくれ。』 目覚めては何を知る 微笑みで何を拒む 道行けど何も無く 眼差しは社会を拒む 『時計を止めてくれ。あと少し寝かせてくれ。』 目の前に誰かが居る その顔は笑っていない 誰なんだろう、佇む君 目の前に確かに在る 『震えを止めてくれ。今、永遠の力をくれ。』 |
街灯に明りが灯る前にeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 雨が降る 雨が降り続く 傘に日が暮れる 帰る道 濡れて帰る道 猫も濡れ、走る 誰か涙を奪ってくれ、今すぐ 街灯に明りが灯る前に 笑う顔 泣いて笑う顔 交差点に立つ 青になり、渡り、擦れ違い 滲む影 消えた 早く涙を奪ってくれ、俺から 次の角、あの信号に着く前に 黒い傘に 濡れた猫に 滲む影に 世界中に 雨が降る 誰か涙を奪ってくれ、今すぐ 街灯に明りが灯る前に 雨と共に 時は過ぎる 時と共に 雨は降る |
今日eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雲切れ一つ無い青空だ 迷いの影の無い あなたはいないのだ 自分すらも夢の骸 あれが今日だろう あぁ、夢なんだろ? 何が今日だろう あぁ、嘘なんだろ? ダッテ、サッキ、イッテ、アッテ、 ナンデ、ドウシテ、ソコデ。 見る物全て 雨を吸いこんで 濡れていた 濡れている 地を這う物憂さも泥まみれだ 水面に揺れる月夜 あなたは現れる 現れてはすぐに消えた あれが今日だろう? あぁ、夢なんだろ? 何が今日だろう あぁ、嘘なんだろ? |
秋風と野郎達eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 風を切って行く 秋の肌寒き路地裏を オープン D が焼き払う 俺は知っている 光るその目の イルカの様な単純さの素晴しさ 焦れて焦がれて 俺達は何時だってそう 遠雷が呼んでいる その火薬を その狂気を 飲み干して笑え そしてまた走れ 顧みる迷いを振り捨てて 俺は誰なんだ 此処は何処なんだ 決めるのは誰なんだ? そして何処へ行く 何が出来る 決めるのは誰なんだ? 街灯が照らし出す 去って行くその影を 月光に抱かれて 俺達は何時だってそう 飲み干して笑え そしてまた走れ 顧みる迷いを振り捨てて |
天沼夕景eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ブラリブラリの一人旅 口笛吹けば 悲し侘しの嘆きさえ 路肩の塵よ 滑稽デ、OKダ。 片道切符ダ、サヨナラダ。 コンニチハ。 ドーデスカ? ゴキゲンヨウ。 マタ、イツカ。 今日も 屋根の間に間に陽は落ちて 彼方此方に夜は降る 鳥の声も遠ざかる 馴染みの路地に 夕餉の灯 人々の足並み淡い 何デモナイ今日ダッテ 片道切符ダ、サヨナラダ。 コンニチハ。 ドーデスカ? ゴキゲンヨウ。 マタ、イツカ。 見ろよ 屋根の間に間に陽は落ちて 彼方此方に夜は降る 明日は何かが起こるかな? 無邪気な心は夢を見る そう! 明日もそこらに立っている 駅前で、環八で、何かを待っている 馬鹿は承知のけもの道 涙の花が 明日も何処かに咲くだろう 又、咲くだろう そうさ! 又、陽は落ちて 又、夜が降って 巡り来る 巡り来る |
街頭に舞い散る枯葉eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 彷徨えば戸惑えば 泣き顔もその儘で良い 雪の様に降り積もり 喜びやら悲しみは 積もる儘に積もらせる 放り投げて眺めやる 『舞い散る枯葉の姿を知りたいのだ』 『舞い散る枯葉の心を知りたいのだ』 唯、途方に暮れる 魂が揺れる 泥道を遊びに行く 醜さもその儘で良い 当たり前の顔で在る 正しさやら優しさは 縛りつけて放さない 闇のドアが開かない 『舞い散る枯葉の姿を知らねぇのか』 『舞い散る枯葉の心を知らねぇのか』 唯、途方に暮れる 魂が揺れる |
ジグザグジグザグチクタクチクタクeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雨が降り出して 言論を封鎖する 窓を開けられない 膨張と緊縛 雨が突き刺す矢に見える ジグザグジグザグチクタクチクタク 背に刺さる 雨が降り出して 観念を殴打する 神様が降りてきた 盲信と執着 雨が裁きの声になる ジグザグジグザグチクタクチクタク 知らしめろ! 膨張 緊縛 盲信 執着 有罪!有罪!有罪!有罪! 遍く我等に降り注ぐ ジグザグジグザグチクタクチクタク 背に刺さる |
JET MANeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 一足飛びに彼方の街へ 風吹く速さのままに 手を振り別れ 誰かと出会う 花と涙を携え 月の無い夜を一跨ぎ 絶望の谷を一跨ぎ 飛んで行け 飛んで行け ツバメや雲やジェット機みたいに 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 捨てられる全てを 一足飛びに知らない街へ 躓く弾みのままに 「誰の指図も受けない」なんて ナカナカ難しいもんだなあ そうさ、アイツ等も一跨ぎ そうさ、夕焼けを一跨ぎ 飛んで行け 飛んで行け 目蓋に残る傷の向こうへ 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 追い縋る全てを 旅の夜空に俄に浮かぶ あれは迷い、恐怖、失望 黒い影ニヤリ 「道は閉ざされた 明日は閉ざされた!」 飛んで行け 飛んで行け ツバメや雲やジェット機みたいに 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 捨てられる全てを |
葉桜並木eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 心を眠らせ 人々の中へ 花は終わった様だ 葉桜並木 遥か地平に立ちのぼる 焼却場の煙 鍵穴はいつか 合わなくなっていた 雨はあがった様だ 埃の匂い 寝惚け眼に陽光は ぶれる視界を示す そぞろ歩きの疲れ 足の裏との対話 せめて一時、通い合う そっと笑顔を交わし合う 水の底に深く、光る鍵が見える だけど、それは、いまだ、水の底。 |
声eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 花に曇の空模様 俺の心は何処にある 彼方此方を駆け回り 辺り構わず呼ぶのだが 「神様は死んじゃったよ」 まだ俺は生きているようだ 「もう花は散っちゃったよ」 だが日々は続くんだ 鐘を打ち鳴らす 何回も打ち鳴らす 雨雲を打ち壊し 俺を打ち壊せ 喉の奥から沸き上がる 風の吹くような声が 風に四月が砕け飛ぶ 砕け飛ぶなら砕け飛べ 気が済むまで彷徨って 気が済んで微睡んで 両頬を打ち据える幻に飛び起きる 窓を開け放て 魂を開け放て 過去を開け放ち 未来を開け放て 地平の果てを叩き割る 雷のような声を 焼き付く声を 引き裂く声を 血潮の声を 声を! |
未ダ未ダヨeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 鳥ガ飛ブ 街路樹ノ枝 子供等ノ走ル声 窓ニ焼キ付ク 長イ影 何気ナク頬ニ笑ミ 番茶を飲んでは裁きを待っている 鼻唄混じり 洗濯しながら運命を待ている 小躍リ踊ル 家ヲ出ル 何処ヘ行コウカ 人イキレ 街ニ夜 飲メバ飲マレテ空回リ 夜ノ底 街ノ底 大酒飲んでは裁きを待っている ヨロメキ歩く 酩酊しながら運命を待っている 心ニ雨ガ降ル 『背中ヲ激シク叩カレテ 勢イ余ッテ飛ビ出シテ 右モ左モワカラナイ。 東西南北サマヨッテ 行クモ千里 戻ルモ千里 泣イタッテナンニナル。』 枯れ草を蹴り上げて 何もかも飛び越える 泥まみれで舞い狂う 東西南北さまよって 行くも千里 戻るも千里 未ダ未ダヨ 未ダ未ダヨ ホラ、夜ガ明ケル 夜ガ明ケル アンナニ遠クマデ夜ハ明ケル |
夏の光eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 背中を丸めて奴は駅前で 週末の街の風景に溶けている 手に入らぬものなら多くある 甘い夢は逃げてゆく 興醒め顔が見送っている 花のように 着飾った男や女が過ぎてゆく 今、あまりにそれ等は遠過ぎて 麻痺した心に風だけが 生きている事実を告げている 歌うように、微笑むように 静かに凍りついてゆく夏の光 イントロが鳴りだしそうな雲行きだ 夕刻に嗚咽のような鐘の音だ ふと、泣き顔と笑い顔は入り交じる いつもの見慣れた街角が 知らない何処かに見えてくる 終わりの始まりのような 黄ばんだ雲が光っている 手厚い祝福のように 悪魔の囁きのように |
ひとり道、風の道eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 「なあ、みんなそうなのか?」 街の中 「君はどうなんだ?」 分かれ道 君の後ろ姿、消えてゆく 空に渡り鳥も消えてゆく いつだってそうなんだ 足元に いつだってそうだった 長い影 お前だけがいつも付いてくる 風に砂埃が舞い上がる 「今暫く、待ってくれ 今ちょっと笑えないから」 空ばかり見上げて歩いて来た 影だけが後ろを付いてくる 何も言わないから、それが、いい 空と影ばかりで、それが、いい 友情とビジネスは紙一重 情熱と虚無は紙一重、さ 「またここらでお別れだ またいつか、何処かで会おう」 両足を揃えて息を吐く 一歩目を踏み出して風を知る 空ばかり見上げて歩いてゆく 影だけが後ろを付いてくる 何も言わないから、それが、いい 空と影ばかりで、それが、いい |
暁のサンタマリアeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 暁のサンタマリア 光る雲 綺麗だよ 真夏のサンタマリア 噛み殺す苦い夢 また見えないものばかり追い掛けて 見慣れぬ空の下 またひとつ詩を手に入れて それだけ それだけ 何なんだか見えねえんだよ でも何なんだか知りてえんだよ 山影のグラデーションに 心が壊れそうだ また遠くの方ばかり眺めてる いつもの空の下 溢れ出た歌を聴いたのは 風だけ 風だけ 夏の朝焼けに星が消えるよ 深く息を吐き涙を捨てるよ 1,2,3で元に戻るよ サヨナラさ 暁のサンタマリア 夜明けに佇む時 暁のサンタマリア 何時だって君を想う |
俄か雨を待つeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雲に別れの散る朝 青梅街道の朝焼け 幽かに風は吹いている 後ろ姿はもう無い 瞬きをする間に消えて行く 仄淡き想いの儚さよ 降り出す俄か雨が面影を洗い流す 花に別れの散る朝 『サヨナラダケガ人生』と 無理な笑顔で吐き捨てて 明日に命を繋ぐのだ 瞬きをする間に消えて行く 仄淡き想いの儚さよ 降り出す俄か雨が面影を洗い流す そして何時もの通り路地を行く そして何時もの通り日々を行く 降り出す俄か雨が面影を洗い流す |
走る自画像eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | まるで踊り出すような足取りで 長い坂道駆け降りる 俺を呼ぶのは誰なんだろう? 雪の匂いと白樺並木 靴音と連れ立って 逃げる逃げ水追い掛ける 俺を呼ぶのは俺なんだろう 倦めど絶えざる彼の呼び声 正体は危うく 燃焼は儚い 誰だってそうなんだって 人込みに逃げ込むのか 残像に火を付けろ 体温で駆け抜けろ 孤独のそのままで 人間のそのままで 夜の雨音寂しさに 胸の灯消えかけても 皮膚に眼に焼き付いた 蒼き決意を忘れるな 実体は小さく 諦念は根深い 誰だってそうなんだって 両耳を差し出すのか 残像に火を付けろ 体温で駆け抜けろ 孤独のそのままで 人間のそのままで |
道端eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 何処までも何処までも 道は唯唯、其処にある 何気無く口ずさむ あの歌は昨日の夢か 立ち止まりては振り返る 影とそぞろに歩むれば 子供等の声もする街の角 誰ぞやの声もする 諫める声のある 道の端で苦笑い 道の端で我に返る 何時までも何時までも 今日も唯唯、其処にある 巡り来る悲しみの 行く果ては眠りの底か 見知らぬ街に立ち在りぬ 己が力の頼り無さ 子供等の声もする街の角 誰ぞやの声もする 諌める声のある 道の端で苦笑い 道の端で我に返る |
大東京牧場eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 上空 白い雲 羊の群れたち 東京 白いシャツ 羊の群れたち ラララララ 何もかも ラララララ 無視する 雑踏 文庫本を右手にぶら下げて 雑踏 新宿通り 良く晴れた月曜日 ラララララ 何もかも ラララララ 無視する 大東京牧場で羊の群れは草を食む 有象無象の夏祭り 善良市民の面の皮 今日 接点ゼロ ノ風景 毛穴ニ詰マル 苦イ電波 今日 接点ゼロ ノ人類 号令一下 ノ盆踊り ラララララ 踊り出す ラララララ 踊り出す お池の岬に佇めば 水面に映る私の姿 多少毛色は違えども やっぱり私も羊だった ラララララ そうだったんだ ラララララ そうだったんだ 大東京牧場で羊の群れは草を食む 有象無象の夏祭り 善良市民の面の皮 |
窓辺eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 窓辺に立つ私の想いは 遥かの空の何処まで届くか 窓辺に立つ私達の涙は 遥かの夕陽の呼び声を映すか 此処では花弁が舞っている 時折、鳥達が鳴いている 窓辺に立つ私達の明日は 遥かの山並の向こうから訪うか ビル風に砂ぼこり舞っている 時折、電線が鳴っている 窓辺に私達立っている 此処から遠い空見ている |
木枠の窓eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雨降りの暗き朝の 目覚め悪しきは 凡そくだらん人生 悪夢の中 今すぐ立てよ、男よ 窓を開ければ 雨雲の黒き儘に 鈍く光る 力と風 渦巻く今日だなぁ 孤独と雨 身を打つ今日だなぁ 西の空は予感に満ちていた 開けっ放している木枠の窓 拓かれて味気の無い 日々の行く方に 項垂れて諦め顔 『さよなら、君』 木漏れ陽に手を翳して 『死ぬな、生きるな』 哀れ人 悲しき性 微笑む癖 力と風 木々が揺れているなぁ 孤独と雨 傘を差そうかなぁ 西の空は薄日が射していた 開けっ放している木枠の窓 ―あれは二十八年の虚無と怠惰の形 あれは二十八年の嘘と欺瞞の形― |
小羊と月明りeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ビルの屋上 日暮れ前 流れる雲を眺めてた 物音は全て遠くにあり 子供等の声が聴こえる 「結論はまだ出ない」 人々の影が消える頃 私が言葉を捨てる頃 顔の無い人が駅前で 誰かの顔を拾う 「結論は先送り」 暗い道程 楽しげに 本当は楽しくも無いくせに 無理に作った笑顔には 泣きたいような淋しさがある 大都会の真夜中に月明り 空から星が落ちて来て 私はそれを受け止めて 暫く眺めていたけれど 結局、道端に捨てた 「結論はまだ早い」 沈黙が明日を塗り潰し 溜息が顔を剥ぎ取って ポロリと落ちた駅前で 誰かがそれを拾う 「結論は何処にある? 暗い道程 憂鬱げに 本当はそうでもないくせに 無理に作った理屈には 狂ったみたいな虚しさがある 大都会の真夜中の月明り 未明の空気を引き裂いて 一番列車が今日も又、 新しい朝を告げて行く 私はそれを見てる 「結論は求めない! 結論は求めない! 結論は求めない!」 大都会の月明り サヨナラさ 大都会の月明り サヨナラさ」 |
安手の仮面と間抜けた男eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 立ち上がって 意地になって 振り解いて行く 懈い人生 懈い安寧を その気になって 飛び上がって 飛べぬ毎日 降り積もってカビが生えていく 午前零時 言い訳 逃げ道探し 何処へ行く? 安手の仮面を被ったままで 霧になって消えて行った面影達 後尾灯の暗い光 恥ずかしくて 情けなくて うつむく度 保身の鎧を継ぎ足して来た 塗り込んで 誤魔化した 空の色 涙ぐんで夜を待っている 「駄目なんだ 嫌なんだ」長い影 つまらん仮面は被ったままで 街灯の白い光が歪む 何処にある? 誰かが言ってた「本当の姿」 ―草葉ノ影カラ虫ノ声― 午前零時 奴等に別れを告げろ 午前零時 間抜けた素顔のそのままで |
瓦の屋根に雪が降るeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 瓦の屋根に雪が降る 人、皆眠らすように 高層ビルに雪が降る 憂いを眠らすように、降る 都会の雪はすぐ溶けて 醜く汚れてゆく 汚れた雪に雪が降る 汚れ続けながらも、降る 大通りを逃れて細い路地へ 大通りを逃れて、雪の中へ ああ、降るは涙か夢か 音も無きそれらに 鼓膜が震えている 東京は今夜、雪の中 瓦屋根もビルも雪の中 |
夜更けと蝋燭の灯eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 蝋燭の小さな灯が揺れる度 消えては現れて 今迄が揺れている 窓の外は雨 後悔が濡れている 今は遠過ぎて その姿さえ曖昧だ 音無く夜は更けて 想いは一秒刻みだ 音無く夜は更けて 潤んだ赤茶けた風景だ 見知らぬ街の角 風だけが親しい 騒ぎ立つ木立が私の今を告げる 虹を追い掛ける その嘘を知りながら 窓の外は雨 光と闇が曖昧だ 音無く夜は更けて 想いは弛んだ弦のようだ 音無く夜は更けて 漂う愛おしい一秒だ |
浮き雲BiS | BiS | 吉野寿 | 吉野寿 | SCRAMBLES | 今、午前の空の下 目に滲みいる青と白 舗道が焼ければ 濁った憂いが溶けて流れる 歩く速さで人生は逃げる 想いを連れ去る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 道すがらに様々の 今日は千切れて転げている 木立ちの緑が 私の迷路に午後を告げている 頭上を飛び去る飛行機の音が 怠惰を叱る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 「どこまでゆこうか どこへゆこうか 浮き雲なれば何処へも行けるだろう また流されて日々から日々へ また流されて流れてやるさ。」 そして 電信柱も枯れる頃 雲散霧消の君の顔 流れて漂う浮き雲の 旅は続く |