何処吹く風eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | あれは多分遠いんだろうな ツイタリ、キエタリ 誘われてノロノロ歩いて 濁って悲しむ 『アカイソラ、キレイダネ。 ナカナイデ、カエロウネ。』 誰の名を呼んでいた? 誰と誰が死んでいった? 時々なら感じる光 ツイタリ、キエタリ 燃え終わればポロリと落ちて 何度も悲しむ 『オツキサマ、キレイダネ。 ウタウタッテ、カエロウネ。』 誰と誰が知っていた? 誰と誰を知っていた? オモカゲ、ミズタマリ、ミナミカゼ。 オモイデ、ハシリサリ、ドコフクカゼ。 |
ポケットから手を出せないでいるeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | ぶら下がった凧の残骸が 冬になって侘びしく揺れている ポケットから俺は手を出せないでいる 突っ立っている魂 雲が美しい 息が白めば落陽が突き刺さる 息が白めば色彩が突き刺さる この世は諸行無常か 永遠の変わらない誓いか ポケットから俺は手を出せないでいる 押し黙る魂 雪を待っている 薄紫の感傷が降り積もる 薄紫の現実が降り積もる 留まらぬその光と闇は 揶揄うように現れて嘘のように消えてゆく 薄紫の感傷が降り積もる 薄紫の現実が降り積もる ポケットから俺は手を出せないでいる 硝子窓に影が映る ポケットから俺は手を出せないでいる 歩みは止めない |
鉛の塊eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 穏やかだ 何も無い 友達は皆死んだ 昼下がり 微睡んで 横たわる鉛の塊 言わないで その先を 取り戻す術など無い 『大丈夫、この儘で何処までも行ける』 飛び立って消えて行く島達の姿を 取り残された様な心持て見送る 君が居て 夜が明けて 日が暮れて 私が居る 掌に汗を掻き 毎日を漂う人に 見せないで その先を 何処へ行く宛など無い 『大丈夫、この儘で何処までも行ける』 飛び立って消えて行く鳥達の姿を 取り残された様な心持て見送る 呼ぶ声がする 誰かが待っている そんな夢を見た 訊かないで その訳を 語り果て灰になる 消えないで灯 胸に咲け |
小さな友人eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | きこえない ふりをして なにをみているの? くうきのなか おしゃべりも つかれたか つちくれで みたされし おもい ほら、また なみだがお でも、すぐ ばかわらい 彼は心の中の影法師 泣いたり笑ったり忙しい奴さ どうだ 少しは気分がすぐれたか? むずかしい かおをして どうしたんだ? よさむのまど とおく めをこらしては おもしろい しらせをまっている あら、また きえちゃったよ でも、まだ いけそうだぞ 彼は心の中の影法師 何時でも何処でも足踏みしている 今尚、何かに焦れている 寄り添い歩み行こうぞ この世の果てまでも 彼は心の中の影法師 時折、迷えば眼鏡もくもる だが目に燃え立つ火を忘れるな |
曇天と面影eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 曇天の心に私の今日は 押し黙る 淡々と流れて 影踏み遊び 鳥の声 何と儚げな 何と朧げな 面影だろうか 何と透き通った 何と淋しげな 囁きだろうか しんしんと降り積む 感傷が降り積む NHKのラジオを小さな音で聴きながら 沈黙が心に染み広がって 夜が降る 何と儚げな 何と朧げな 面影だろうか 何と透き通った 何と淋しげな 囁きだろうか しどけない長雨に 待ち侘びて来る便り 幻だって良いんだ そのまんまが良いんだ 「ほら、もう朝だぞ。もう起きな。」 「ほら、もう今日だぞ。泣き止みな。」 |
ギラリズム夜明け前eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 硬直した感受性は泣かない くたびれ果てた感受性は泣かないもんだ 寄り集まって慰めあって 文殊の知恵を手に入れた 老成して出来上がって 立派な知恵を手に入れたって それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 あれがこうなったらいいのになぁ これがああだったらもっといいんだがなぁ そんな訳が無ぇだろうと 科学的な検証だ そんな訳が無ぇだろうと 現実的な訓戒だ それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに ああ、遠すぎて見えない ああ、近すぎて気付けない 遠すぎて見えないからって 見ない訳にはいかない 近すぎて気付けなくとも それでいい訳ぁ無ぇだろ さあ! もっとくれ! もっとくれ! もっと!もっと!もっと それでいいんだよ それでいいんだよ! ギラギラしてる 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに |
東京快晴摂氏零度eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 上空一面に広がる真っ白な彫刻が 緩やかなスピードで悠然と去って行く 地上には俺の足音 地上には俺の鼻唄 笑えったって難しいが 苦笑いで見送るぜ また会おう あばよ さよなら 当て所無いのが似てるな、俺達 そうだな そうやって瞬間が過ぎて行く 目まぐるしいスピードは心臓のビートなんだろう 摂氏零度に色が弾ける 上り電車が街を引き裂く 澄み渡る冬の風に 右往左往の影と影 また会おう あばよ さよなら 彷徨う様が似てるな、俺達 青と白 赤と黄色 緑色 ねずみ色 ありふれた色でいいんだ 感じたいんだ 心の底の底まで |
さらばよ、さらばeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 窓から覗く顔は青白い 目が醒めても気が付け無いもどかさよ 唯、流れる儘に流れるのだろうか 唯、佇む儘に佇むのか 姿、無様、 耐え難くも絶えざる息吹き さらばよ、さらば 過ぎし日の 寄せては返す幻よ 日射しの中、道を行けば君に出会う 三十五度に溶ける汗、夏の真昼 この太陽の中に何があるのだろう この毎日の中に何があるのか 強く、弱く、深く、浅く、 縺れる命 さらばよ、さらば 夏の日の ユラリ消える戯言よ さらばよ、さらば… |
地下室の喧騒eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | あなたは本物なのか? これ等は現実なのか? その声は聞こえる 姿も見えるのに その壁は成層圏に達する様だ その溝は地核にさえも達する様だ そうなんだ! 俺とアンタは出会ってない! 幻とビールと煙草の煙 地下室の喧騒は 水洗便所の水に流れて消える 微笑を凌駕する嘲笑の世界で その距離は月への道より遠い様だ 寂寥は砂漠に落ちた一夜の様だ どうなんだ? 俺とアンタは出会うだろうか? 幻とビールと煙草の煙 そんな日の朝は常に悲しいもんだ そんな日の朝は何故か晴れている |
希望の丘eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 「今日こそは良い事がある」 背後から声はする、が 頭の上の雨雲は今も晴れないままだ 闘う誰かの歌は 夜明けの街に今日も又、 脆い夢を震わせながら 歌われて空になる 足音だけが生きている証のようだ 裸足で駆け出したい、そんな気持ちは 路地の朝の霞の消されてゆく 「今日こそは良い事がある」 背後から声はする、が 頭の上の雨雲は今も晴れないままだ 足音だけが生きている証、のようだ 裸足で駆け出したい、そんな気持ちは 路地の朝の霞の消されてゆく 誰かの声が聴きたくて 今日も又、此処に来たが 誰の声も聴こえない 空に黒い鳥が飛ぶ |
365歩のブルースeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ここが旅路の終点なんだろうか それとも全ての始発駅なんだろうか 春風吹いたら、今度こそ飛べる筈さ 現実はいつでも無愛想な壁のよう 足が止まる度に明日が遠くなる 雨が降る度に心が細くなるけど あの日の空の色、忘れた事は無い ポケットの中でギュッとそいつを握りしめ 欠伸を噛み殺して 朝の街に立っている 波に足を攫われて コケながらも尚、走る、走る 「太陽は一体、誰の為にあんなにも燃え盛るのか。 我々は一体、何の為に涙の唄を繰り返すのか。」 欠伸を噛み殺して 朝の街に立っている |
片道切符の歌eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 降り立ったホームには 温い風が吹いている 帰らない覚悟を決めて この街にやって来た 嘘みたいな風景 でも嘘じゃない風景 空が割れて落ちてくる アスファルトに影が 歩き疲れた影が 焼き付いて動かない 誰もが知っている、 誰でも知っている事が 未だに分らないから 探してばかりの、 迷ってばかりの日々を 今日も又、繰り返すだけ 地平線の彼方で夕空が 小さな俺を嘲っている やがて月日も流れ去り やがてそれ等も忘れ去る 「目を覚ます。目を覚まして家を出る 歩き出して何処へ行く 歩き出して彼所へ行く 四番線、色が剥がれて消えて行く 慣れてしまえば大丈夫 何が起きても大丈夫」 みんな分っている、 全て分っている事が どうしても捨てられないから 探してばかりの 迷ってばかりの日々を やっぱり今日も繰り返している 地平線の彼方の朝焼けが 小さな背中を押すようだ 握りしめた切符は片道だ 分らない儘、 列車は走る 迷った儘で、行け。 |
徒手空拳eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 此処から始まる物語 歩く姿も軽やかに ところが俄に雨と雲 白む吐息と冬の街 『雪になりゃあ良いなぁ』と呟いて 歩幅さえ変わらない ココロニ、 ココロニ、 何ガアル? ココロニ、 ココロニ、 何モナイ。 『明日晴れるだろうか』 まだまだ終わらぬ物語 立ち枯れて尚、日々は続く 何時しか心も色褪せて 日毎夜毎、燻る想い 気が付けば昔日を抱きかかえて 哀れ気な薄笑い ソノ手ニ、 ソノ手ニ、 何ガアル? ソノ手ニ、 ソノ手ニ、 何カアル。 明日が呼んでいる 幾度も、幾度も、幾度も、 繰り返し繰り返す 明日が呼んでいる |
破戒無慙八月eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 手を叩いて俺はそれを呼んで 捕まえて闇夜に放り出す 泣いたって駄目だよ 逃げられねえよ もんどり打ってるデクノボウの八月 行かないでくれ!消えないでくれ! 波が押し寄せて波が去ってゆく 星は瞬く 葉は茂る 涙ぐんでる馬鹿野郎の八月 夢を片手、闇を片手に振り回す 真夏の交差点 俺は血だ 俺は花だ 俺は存在だ 無尽蔵の発熱体だ 踏み出して 転がって そう! ホラ! 手の鳴る方へ! 焼けて我等に照り返す 狂ったようなエナジー 猛り立つエナジー 世界を俺を焼き払う 狂ったようなエナジー 猛り立つエナジー 夢を片手、闇を片手に振り回す 白昼の交差点 俺は血だ 俺は花だ 俺は存在だ 破戒無慙八月 |
寄る辺ない旅eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 面映ゆい記憶の窓に 映る顔、どんな顔? 涙顔、声無き声を憶えている 夢の間に見た日々に サヨナラダ! 遠く遠くと来る程に 『カエロウ、カエロウ』と声がする。 旅空に、ぼやけて過ぎる 並木道 街灯り 笑顔持て擦り抜けて行く 虚しさよ 日々の間に間に見た夢に サヨナラダ! 遠く遠くと来る程に 『カエロウ、カエロウ』と声がする。 旅路ニ季節ハ燃エ落チテ 虚ロナ心ニハ雪ト風ダケ 遠く遠くと来る程に 『カエロウ、カエロウ』と声がする。 |
風ノ中eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 裂けて弾ける様な 怒り持て 今日は 又、茜入り日の中 薄らぎて 霞か雲か 梢を揺らしているのは 都市の木枯らし 吹き曝しの一日は くれてやるから連れて去れ 今、西日 街を打てり 宵待つ人波に 吹き抜け 吠える 風の音 遠く 連ね連なる 甍の波を 埓も無く眺めていた 寒空に冴えて 青い月 午前四時の風景画 四辻に 路地に 彼らの背中は消える 擦れ違う 日々の狭間に 今、朝日 街を撃てり 徒労の始まりに 聞こえ来るのは 風の音 響き渡る 数多の夢 水は流れ 空に星 野には徒花 風の中 |
泥濘に住む男eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 消したくて 消えなくて 消えたくて 消せなくて 朝が濁り 溜め息濁り 又後悔と戯れて過ぎ去る 『戻れない』 『否、戻らない』 『道がない』 否、道を知らずに明日へと旅立つ 吹き付けろ 打ち付けろ 打ち付けて 打ち抜いて 黄泉の国へ我を誘え 修羅の闇を彷徨える世界へ 『歩けない』 『まだ止まれない』 『ホラ、笑う顔』 否、笑う顔さえ光を遮る 泥水に身を横たえて 待っている 君が来るのを 『いずれ又会おう、 ぬかるむ街角で。』 |
歌は夜空に消えてゆくeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 燃え尽きて 一日を道連れに 太陽が死ぬ時 雲さえ泣いている 今の今迄生きて来た 何がどうやらやって来て 歌は夜空に消えてゆく 夕焼けよ この俺も連れて行け 背中に手を振る 笑顔の淋しさ 行こか戻ろか路地裏を 何が何やらやって来て 歌は夜空に消えてゆく 『明日また、陽が昇るなら、 笑えるさ。 笑ってみせるさ。』 何を儚む事があろう 何を失うものがあろう 歌は夜空に消えてゆく |
荒野に針路を取れeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 生れて来た意味は知る由も無いが 此処に立って「今」を見据えている それは傷つき疲れ果ててはいるが 走り出す姿勢を保っている 見渡す限り、青空 旅立つには良い日和だ 水たまりに映る街が 心の風景によく似ていた 「夜が明ける前に覚悟を決めろ」 幾千夜、それを唱えたか 迫りくる闇の中にこそ 探していたものがある筈だ 身を乗り出して手を振って サヨナラを繰り返して 人々の旅は続く 境界線を飛び越して 嵐の荒野に踏み出して 人々の旅は続く 明日に何があるか知る由も無いが 生きている「今日」を見据えている 悲しみは不意に溢れて来るけれど 溺れてちゃ走れないんだ 頭の上から嵐が吹いて 涙代わりの歌を歌って 人々の旅は続く 歩幅をちょっと広く取って 目を開いて、風を切って 人々の旅は続く |
街はふるさとeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 「何がどうなっているんだろう?」 見えぬ眼で睨むれば 「何がどうだって言うんだろう?」 縺れながらも走るだけ 悲しいなら泣けよ 泣けば世界は土砂降りの雨だろう 泣き飽きて 泣き飽きて夕焼けがくすぐったい くすぐったくて 笑い転げて涙出た 涙拭いたら、もう行くぜ 冷めて張り付いた横顔のままで 彷徨えば 足許、今日もフラフラ 歌は今日も涙と風の その声だ 人間万事グラグラ 地平の果て 決して届かぬ虹が 架かっている まるで陽炎のように 水に映る空が それを見ている俺の 眼鏡に映る 人並み縫うように 風は吹く |
DON QUIJOTEeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 馬鹿な男が立っている 雨上がりに 唇噛んで太陽が去るのを待っている 連なるテールライトが 河のように赤く流れる国道で 独り突っ立って風の中 憧れて 人の世に焦がれて 窓枠のもどかしさを 飛び越えてやって来た 魂は燃えている 夕焼けに負けない程 無様に転げ落ちたって どこまでも信じている 見えざる影に刃を振り翳しては 敗れる事が唯一の生きている証 馬鹿な男が立っている 大事そうに胸に抱えているものは 二束三文のシケた詩 二束三文の真実 現れて 忽然と消えて行く 暁の儚さを 携えてやって来た 魂は燃えている 雷鳴を蹴散らす程 励ましなんて用は無い 目隠しで立ち向かうさ そうさ 「明日はきっと晴れる。俺には判る。」 |
黒い太陽eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 留まって発達中の真っ黒雲に 抗って戦闘中の俺の午後は 傷も露わに前進する 怒り露わに前進すれば また風は止む またヤツが来る また風は止む 血を吐く様な三十三℃ 黒い太陽 焼き付く感傷 街は陽炎 黒く雪は降り積むばかり ひっ絡まってもんどり打って転げ廻って 突風三秒、猛り狂って花が散るんだ 神の非力 驢馬の背中 手を拱いて呆けた面 また風は止む またヤツが来る また風は止む 皮膚を抉る三十三℃ 黒い太陽 焼き付く感傷 街は陽炎 黒く雪は降り積むばかり 嗅覚神経人格 |
世界は割れ響く耳鳴りのようだeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 足を一歩踏み出す毎に 世界は割れ響く耳鳴りのようだ 千切れる程手を振れば 朱に染まれるビルの窓 風も茜に鳴り響くのが見えるぜ 割れて響いて壊れて消える 消えるよ 風は歌に変わる 歌えば天気雨 歩道橋の上 Oh! ハレルヤ! もっと降ってこい! 世界に降り注げ! 耳鳴りのように! 駅前では鳩の群れが 陽の行方を追いかける 嬉し悲しが鳴り響くのが見えるぜ 割れて響いて壊れて消える 消えるよ 顔を上げて 目を逸らすな ありのままの世界から 割れろ響けよ 遍く日々に 俺達に 割れろ響けよ 耳鳴りのように 響けよ! |
敗者復活の歌eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 避けて通れぬ道さ どの道も 見ろよ 朝日がそれを告げている 此処が世界の果ての果て 暗く寂しい故郷さ 感傷に絡まって見失う 現実に踏み出して取り戻せ 燃える太陽 背に受けて 歩き出せ 風の彼方に何がある それの彼方に何がある 妄想に捕まって動けない 執着を断ち切って歩き出せ 燃える太陽 背に受けて 廻る世界を 背に受けて 歩き出せ |
浮き雲eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 今、午前の空の下 目に滲みいる青と白 舗道が焼ければ 濁った憂いが溶けて流れる 歩く速さで人生は逃げる 想いを連れ去る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 道すがらに様々の 今日は千切れて転げている 木立の緑が 私の迷路に午後を告げている 頭上を飛び去る飛行機の音が 怠惰を叱る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 「どこまでゆこうか どこへゆこうか 浮き雲なれば何処へも行けるだろう また流されて日々から日々へ また流されて流れてやるさ。」 そして 電信柱も枯れる頃 雲散霧消の君の顔 流れて漂う浮き雲の 旅は続く |
静寂が燃えるeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 駆け出したはいいが 靴音が跳ね返り突き刺さる 月曜の太陽に静寂が燃えて姦しい 花には風が 風には雲が 揶揄う様に戯れる 誰か私を知らないか? 誰か私を知らないか! 六月の囁きが 狂おしい午後には 屋根には雨が 時計の音が 震えて饐えて 血を吐く様だ 誰か私を知らないか? 誰か私を知らないか! (この静けさに耐えかねて嗚咽を漏らしているのは誰だ!) 哀れ明日知らずの灰色の魂よ |
ドアを開ける俺eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 憂い深く暗く ドアを開ける俺だ 何処へだって行けると信じてる 背中を真昼の風が押す 「やれ、頑是ねえ子だ。駄々捏ねてよ。」 街は入り日の雨上がり また静かに燃え立つ富士の山 なんて豪華な夕焼けなんだろう だってそうだろ?なあ、そうだろう? 時を重ねて人は 訳知り顔に変わり 喜んで鎖に繋がれて それでも夜明けを待っている 「やれ、しょうがねえ子だ。ベソかいてよ。」 街は午前の帰り道 また怒りと息吹きの陽が昇る なんて豪華な朝焼けなんだろう だってそうだろ?なあ、そうだろう? 躍動 怠惰 陽が沈む 安寧 狂気 陽が昇る |
自由eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | そこから何が見えるか 西の窓は世界と繋がっている あの屋根の向こうでは何が 何が起きているのか 雀や鴉が飛び回り 学校帰りの子供等は戯れる ナンデモナイカラ ナンデモナイカラ 風吹いて忘れる 風吹いて消えてしまう それは何処から生まれ来るのか それ等は何処へ辿り着くのか 俺はアッという間に見失って 心の中で心を殺す なんて悲しい夕景なんだ 雀や鴉が飛び回り 学校帰りの子供等は戯れる ナンデモナイカラ ナンデモナイカラ 陽が差して忘れる 陽が差して消えてしまう 光の中で俺は自由か 光の中で何が出来るか |
砂塵の彼方へeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 砂の様に 霧雨の様に 真昼は降り注ぐ 拒絶の矢は雲間を射抜いて 空を射落とす 「目蓋に菜の花、思い出哀しい」か、 馬鹿げた感傷だぜ 目を上げる それを識ろうが識らざろうが 目の前に広がる世界は砂塵の中 流れて消えて行くちぎれ雲 秋風身に滲むビル影の中 鼻唄をぶら下げて立っている 「ソレハアマイノ? ソレハニガイノ? アタタカイノ? ツメタイノ?」 恥じるな声 躊躇うな声よ 太陽の真下へ! そぞろに歩めば何時の日か 懶惰の闇さえ慈しむ様に 口元に薄笑み浮かべている 何時でも心に鳴り響く 俄かに眠りも打ち覚ます あれは声無き声 歌無き歌 それを識ろうが識らざろうが 目の前に広がる世界は砂塵の中 流れて消えて行くちぎれ雲 秋風身に滲むビル影の中 鼻唄をぶら下げて立っている (言葉は持たずとも) |
いずこへeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 揺れるアスファルトに白い雲 『幸せなの?』 『幸せだよ』と頷く命 さらば少年の夏の宵 『死んでしまえ、死んでしまえ』と嘯く命 溢れ出る涙は拭わない いずこへ、彷徨い消える 馬鹿でかい暮らしの怒鳴り声 売り払えば物悲しくも安らぐ命 消えかけても尚、絶え間無く 風に吹かれ雨にも打たれ求める命 溢れ出る涙は拭わない いずこへ、彷徨い消える |
素晴らしい世界eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 急ぐ言葉は千切れて落ちて足元に転げる 気にすんな、それは蹴飛ばしとけよ 次はすぐ顔出す 笑い、歌い、弾んでいけよ 命かけて笑えるなら 素晴らしい世界 命かけて泣けるなら 素晴らしい世界 君は背中に羽根を生やして 何処へでも飛んでけ 街が季節を飲み干す様に 過ぎし日を飲み干せ 朝に、夜に、弾んでいけよ 命かけて走れるなら 素晴らしい世界 命かけて立ち止まるなら 素晴らしい世界 青い窓開け放て 風の色が見えるだろ? 闇が明日を覆っても 俺達いつもそのまんまさ 時を知る影を知る 笑おうぜ 笑える筈だぜ やがて何処へ消え去るのか そんな事は言わない 目覚めた時が生まれた時だ 鐘の音鳴り響く あそこへ、ここへ、弾んでいけよ 眼に今日も炎を映せ 素晴らしい世界 眼に今日も涙を満たせ 素晴らしい世界 素晴らしい世界の果て 素晴らしい光と影 |
裸足で行かざるを得ないeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 遍く照らし出す光へ 渋々歩み行く毎日へ 嬉しかれ悲しかれ道すがら 声高く歌はある 誰にでも 朝を告げるベルの鳴る頃は 夢は海の底に沈み行く 孤立無援の花、咲くばかり 明日の在りや無しや、知るものか そぼ降る雨に濡れ帰り道 『過ぎ去りし夢だよ』と気取るなよ その命、燃ゆるなら何時の日も 声高く歌はある 誰にでも 五時の鐘の音が鳴る頃は 夕闇に心を解き放つ 孤立無援の花、咲くばかり 明日の在りや無しや、知るものか そして何時の間にか消えていて 氷細工の様に脆過ぎた |
雨曝しなら濡れるがいいさeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | コンクリートの隙間から顔出した 草の様な花の様な 「なんだってかんだったって知らないよ」 なんでもねぇやと突っ立っている 『雨曝しなら濡れるがいいさ だって、どうせ傘など持って無いんだ 時が来たなら終わるもいいさ それが俺の最後の運命だったら その時、瞼に吹く風も見えるだろう 静かに揺れるだろう 吐き出した溜め息は干涸びて 鳥達が啄んでいったよ 雲が誘いに来るけれど 君の背中には乗れないもんな 雪が降ったら泣いてやるのさ 涙がちょっとの雪なら溶かしちまうだろう 凍りついたら怒りを燃やす それが全ての景色を燃やしちまうだろう その時、心も焼け焦げてしまうだろう 煙と変わるだろう 生まれた日から 後ろは無いさ 広がる世界が在るばかり 見据えてやるさ 強がりばかり並べてやれば ホラ雨雲さえも逃げ出す気配 時が来たなら消えるもいいさ それが俺の最後の運命だったら その時、瞼に吹く風も見えるだろう 静かに揺れるだろう』 |
男子畢生危機一髪eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 数多の溜め息が 季節を飲み込むので 私は思わず目を伏せる ―小さな影法師― 何処へ行く 足早に急ぎ行く 名も知れぬ人 走って、走って、走り去る! 月光と太陽を駆け抜ける! 真昼の眩しさが 景色を燃やすので 私は思わず口籠る ―さざめく屋根瓦― 現れて消えて行く 夏の雲 冬の朝焼け 走って、走って、走り去る! 月光と太陽を駆け抜ける! |
踵鳴るeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 窓を叩く空は 割れる様に笑うよ 汚れ眼鏡が青く染まれば 足を鳴らして俺も笑うよ どうもこうも無い 只、それだけだ 一握の生命のカケラだ 行けば帰らざる雲が行きゃ 俺は口笛を吹きまくるさ 解答は知らない 教典はいらない 歩く踵がそれを識るだろう 朝の地鳴りが告げるだろう 怠く横たわる川面の憂鬱を 赤く煮え立つ空が染めれば 俺は涙をそこに捨てるよ 日も暮れた帰ろうかな 午後六時 全てが遠いが それを誰一人尋ねども 血巡り季巡り撃ち放つさ 道程など知らない 標識はいらない 微笑を湛えて闇と遊べば 誰ぞ知り得ぬ灯も点る |
矯正視力〇.六eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 何回だってやり直す 悲しみなんて川に捨てる 本当は内ポケットに仕舞ったままだ 仕様が無いから連れて歩く 午後の陽が陰って来て 俺は目を挙ぐ 何も見えちゃいないが 朝な夕なに俺達独り あんな街 こんな街さ 其処で風を見たり 月を見たり、さ 擦れ違って すぐ見えなくなる 携帯電話を破壊して 漸く世界と繋がった 馬鹿な俺は何時でも爪先立ちで ヘッドライトに怯えて歩く 遠くで犬が吠えている 俺は手を振る 誰も振り向きやしないが ビル間に夜に雨は落ちて あんな人 こんな人さ 其処で夢を見たり 花を見たり、さ 四つ角でまた見えなくなる 何回だってやり直す 何回だってやり直すんだ 静かに朝がやって来て それを迎えて涙をグッと飲み込んでいる ホームの一番電車にはわざと乗らずに 赤い空を見ていた 夜明けに雲が燃えて光って 横顔滲ませるんだ そして俺は右に 君は左、さ 振り向けばもう見えなくなる 朝な夕なに俺達独り あんな街 こんな街さ 其処で風を見たり 月を見たり、さ 擦れ違って すぐ見えなくなる |
夜明けの歌eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 夜が明ける 見えるだろ? 東の空 白むのが 朝が来る 判るだろ? 涙眼に陽が映る 俺にも その部屋の窓にも 朝が来る 涙よ止まれよ今直ぐ もう朝だから 夜が明ける 悲しみを笑い飛ばして 夜が明ける 朝が来る 甘い夢叩き壊して 朝が来る 逃げても逃げても逃げても 朝が来る 涙よ止まれよ今直ぐ もう朝だから |
青すぎる空eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | あの人が あの雲の彼方で 呼んでいる様な そんな気がして 足を止めるよ あの人が あのビルの彼方で 待っている様な そんな気がして 足を止めるよ 『かかる暮らしの味気無さ』 遠くには電車の音もある 青すぎる空 嘆く心をあやし歩むよ 歩みては擦れ違う人達 笑い声やら泣き声やらも 寄せて消えるよ 『馳せる想いのいじらしさ』 絶え間無く震える現身は 幻の誰ぞや夢む 『いずれ暮らしの果てに散る』 |
夏の日の午後eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 神様 あなたは何でも知っていて 心悪しき人を打ち負かすんだろう でも真夏の太陽は罪を溶かして 見えないが確かに背中にそれを焼き付ける 蝉時雨と午後の光 まだ生きて果てぬ この身なら 罪も悪も我と共に在りて 俄雨と濡れた舗道 傘持たず走る街の角 追い付けない 追えば逃げる影に 明日を呼べば雲垂れ籠めて 甘い夢を見れば雷光る 濁り河流れ、水面に揺れる 拙い歌はゆっくりと沈みゆく 日暮れる街 風凪ぐ道 灯も遠く 誘えども 『振り返るな』 どこかで低い声 月の明かり 縺れる足 酔い痴れて帰る帰り道 感じている永遠に続く闇を |