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  • ヒグチアイ
    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい
    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい

    ヒグチアイ

    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回。綴っていただいたのは、新曲「 小さな夢 」にまつわるお話です。あなたが今、やりたいことは何ですか? 小さな夢は何ですか…? ぜひ、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 ドラえもんの声優が変わってからドラえもんを見ていない。だからスラムダンクの映画を見ても、ジャイアンが頭をよぎることがない。映画、最高だったよね。   樋口家のルールには、テレビは1日1時間まで、という子どもながらに「なかなか厳しいんじゃねえかい?」と思わされていたルールがあった。その中に、30分番組であるドラえもんが入ってしまうと残りの30分の使い所が難しくなってしまい、泣く泣くドラえもんを見ることを諦めていた。その代わり、学校の図書館に置いてある数少ない漫画の中にあったドラえもんに、微かに聞いたことのあるあの嗄れ声を当てはめながら、歯抜けになっていて続編としては読めない巻を何度も何度も読み返していた。   その中の描写の一つに、スモールライトで小さくなったしずかちゃんがドールハウスのお風呂に牛乳を入れて、牛乳風呂に入るシーンがある。その牛乳風呂に入ると、肌がつるつるになる、というものだった。とにかくそれがやりたかった。お風呂いっぱいに牛乳を入れて、そこにどぷーんと入り、お肌をつるつるにしたかった。小学生のわたしは。あれから25年…。今ならやれる。やろうと思えばやれる。でも、少しも、ほんの少しもやりたいと思わないのだ。牛乳は何本買わなきゃいけないんだろうか。追い焚きでなんとかなるだろうか。詰まったりしないだろうか。あの牛乳の上に張る膜の処理はどうしたらいいだろうか。そもそも環境にも牛にも申し訳ない…。そんなことを考え出すと、少しも牛乳風呂に入りたくなくなるのだ。   叶えたいと思った夢はずっと叶えたいものでいてくれる保証はない。やりたいと思ったことは明日やりたくなくなってるかもしれない。   今すぐにできることはやろう。それが叶えられるうちに。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 小さな夢 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2023/01/05

  • ヒグチアイ
    初恋をしよう。何度でも
    初恋をしよう。何度でも

    ヒグチアイ

    初恋をしよう。何度でも

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲「 ネオンライトに呼ばれて 」にまつわるお話です。みなさんは“初恋”にどんなイメージがありますか? 誰の顔が浮かびますか? ヒグチアイにとっての初恋とは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 この世には「First Love」という偉大な曲がある。最近ではそれがNetflixでドラマになっていたりする。 世の中の人をこんなに魅了させる“初恋”とはなんぞ。わたしも自分の初恋について振り返ってみたい。     どれだ? どの男子のことだ?   幼稚園のときに好きになったチカラくん(偽名)、小学生のときに好きだったショウちゃん(偽名)、中学生のときに初めてちゅうしたヨウタ(偽名)、高校の〇〇、△△、□□…みんなそれぞれいろんな形の好きを感じていた。   パッと広がるわかりやすい柑橘系の香り。いや、街角でかぐカレーの匂いかもしれない。そんなふうに好きなものは好きなんだと大声で言えていた幼稚園や小学生。中学生になると子どもから女の子に変わっていきながら、相手を異性として認識する。生花の薔薇のような香り。そして高校生で、いよいよこれが最後の恋かと見間違うような、いや今までの恋は恋じゃなかったんじゃないか、これがほんとうの恋なんじゃないか、と思う色とりどりの花束を胸いっぱい吸ったような香り。これで恋も終わりかと思ったら、あっさり醒めて、繰り返しているうちにどれが初恋なのかわからなくなってしまった。   今は、どんな香りがする? パッと思いついたのは緑茶だった。せめて、玄米茶ぐらいにしたいのだけど。   つまり、恋人がいようが、好きな人がいようが、結婚(はわからないけどたぶんそれでも一緒だと思う)してようが、どこで初恋が来るかわからなくて、いつだって今の恋を初恋だと思いたいのがわたしなんです。ほら、「こんなの初めて!」って言いたいでしょ。言われたいでしょ。   結局のところ初恋は、今好きな人がいれば、恋をしていれば、それが初恋なんです。 初恋をしよう。何度でも <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 ネオンライトに呼ばれて 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2022/12/29

  • ヒグチアイ
    捧げた心臓
    捧げた心臓

    ヒグチアイ

    捧げた心臓

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは「 悪魔の子 」にまつわるお話です。『THE FIRST TAKE』に初登場し、ピアノ弾き語りで披露されたこの曲。公開2日間で100万回再生を記録するなど大きな反響を呼び、現在も再生数を伸ばし続けております。改めて歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 この曲を書き上げるにあたってiPhoneのメモ帳フォルダに“進撃”というフォルダができた。一番最初に書かれた言葉は「僕らは許されたい生き物」だった。悪くない。でも使われなかった。その後、いろんな言葉が出てきた後にこの曲ができあがった。   性善説、性悪説。もともと人間はどっちなんだろうか。どこにも善人なんていないように見える日もある。自分自身の内側に善が一つも見つけられないような日もある。でもはたしてそれは、間違ったことなのか? 悪いことなのか? そもそもそう思うからこそ、人に優しくなれるのではないか?     それはそうと、今食べているパンケーキが美味い。わたしは真ん中に置かれたバターが溶けてメープルシロップがたっぷり吸い込まれているそこが好きだ。だから、周りから少しずつ食べていって、真ん中を残す。一番最後に食べるぬっとりしたその一部分を食べるためにパンケーキを食べている、と言っても過言ではない。   そういえば、メロンパンの上のサクサクした部分だけを集めました、という売り文句で売り出されているお菓子がある。あれを見つけたときに、うわあなんてものを発明してくれたんだ!!神様!!いやお菓子メーカー様!!ありがとう!!そう思いすぐさま購入した。しかし一つ目を食べた瞬間に、あれこれじゃない、と思った。なんか足りない。三つ目で気付いた。メロンパンとは、あの味のない(失礼)ふわふわしたパン部分を食べてこそ、サクサクのメロン部分が生かされていたのだ。このパンケーキもそうで、真ん中のぬっとり部分だけが集まったパンケーキでは魅力が足りない。つまり苦行を経験してこそ悟りを得られるのだ。3歩歩いた先に山の頂上があったら誰も山に登らないし、一瞬で習得できる技は特技とは言わないし、百発百中当たるギャンブルがあったら誰もやらない(?)。   だから遠回りして遠回りして、それになんの意味もなかったなんてことはなくて。大人になったら過程より結果だとか言うけど、きっと一瞬で辿り着いた結果には確信が持てなくて。小さく積み上げたものが、次の一手に確実に繋がっていて。そしてもう一度同じことをやろうとしたら、きっとできる。だって過程を知ってる。レシピを知ってるから。考えて自分で向き合った時間が、そのあとの自分を形作っている。   ということで、わたしの“進撃”というフォルダは「悪魔の子」と「まっさらな大地」を生み出してくれたわけだけど、そこに埋もれていったたくさんの輝かしい命の言葉たちは、この曲たちを歌うときにいつもこっそり、歌の意味を支えてくれているのです。   わたしにとっての“捧げた心臓”は見えないところで高鳴っている。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 悪魔の子 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆New Single「悪魔の子 - From THE FIRST TAKE」 2022年12月23日配信 配信サービス一覧: https://lnk.to/akumanoko_tft 

    2022/12/22

  • ヒグチアイ
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

    ヒグチアイ

    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

     2022年3月2日に“ヒグチアイ”がニューアルバム『最悪最愛』をリリースしました。今作には『進撃の巨人』The Final Season 2のエンディングテーマ「悪魔の子」やドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』のエンディングテーマ「縁」、昨年配信された“配信3部作”の「悲しい歌がある理由」「距離」「やめるなら今」など全11曲が収録。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作の収録曲「劇場」に通ずるお話です。この歌詞の<蛇を飲もうか>というワンフレーズが生まれるきっかけとなった、とあるステージ上の光景…。果たしてこれから自分は己の「劇場」でどう生きていくべきか、どう生きていきたいか。その想いを明かしてくださいました。 <蛇を飲もうか>という歌詞は、10年前にお世話になっていた事務所の人が連れて行ってくれた靖国神社の見世物小屋から来ている。その年齢なら見たことないでしょ? と言われ、興奮気味に見に行った。   入り口で700円を払うと、目の前の人の列に並ぶ。パンダを見る行列と同じだ。前が進めば少しずつ全貌が見えてくる。最初は、本当のパンツではないパンツ(なんだそれ)や作り物の巨乳を見せつけながら踊る人が出てきて、それよりも後ろでウッドベースを弾く人がかっこいいなあなんて思っていた。   最後に出てきたのが、蛇を食べる女だった。生きている蛇を舐めまわし、最終的には食いちぎるという、想像するだけで口の中がゾワゾワするような事が目の前で行われた。それが終わりの合図だというように、少しずつ進んでいた列は解けたように出口に向かっていった。興奮していた気持ちは一瞬で解けてしまった。ステージの上という意味では、わたしもその女性も同じだったからだ。   10年経った今でも、蛇を食べなきゃ、と思ったことはない。幸運にも。それでも、誰にもできない(少なくともできる人の話を聞いたことがない)ことをやっていたあの蛇を食べる女のことは忘れられなかった。   わたしはずっと、自分を切り売りしてきたと思う。歌詞は最たるものだし、今作ってる雑誌もそう、インタビューもそう。切り売りすることにあまり抵抗がない。だから、売れるものであればなんでも売ってしまう。それがこの世に唯一の物だとしても。   切ってきた身は年齢と共に治りが遅くなって、元通りにならなくなってしまった。これ以上、切ってしまうとわたしはわたしに戻れなくなってしまう。それでも、命が短くなっても、歌を歌いたいのか、と常に自問自答する日々だった。   人生は一度きりだ。大切な人たちがいる。音楽より大切なものがある。だから、長く生きるために、わたしを切り売りすることはやめる。全部やめるのはきっと性に合わないから、少しだけにする。   蛇は食べれない、裸は見せれない、血は流せない。そんなわたしが見せられるものを、この劇場で探し続けていく。必死に。人生をかけて。 <ヒグチアイ> ◆ニューアルバム『最悪最愛』 初回限定盤 [CD+DVD] PCCA-06116 ¥4,950 (税込) 通常盤 [CD Only] PCCA-06117 ¥3,300 (税込) <収録曲> 1. やめるなら今 2. 悪魔の⼦ 3. 劇場 4. 縁 5. ハッピーバースデー 6. 距離 7. 悪い⼥ 8. まっさらな⼤地 9. サボテン 10. ⽕々 11. 悲しい歌がある理由  

    2022/03/03

  • ヒグチアイ
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

    ヒグチアイ

    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

     ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年11月24日にリリースされたのが第3弾楽曲「やめるなら今」です。社会に出て、描いていた夢やなりたいものに向かって歩み出してから、誰もが直面する理想と現実。生まれる葛藤や挫折。その末に迫られる決断。人生の岐路に立つ方に、耳を傾けてほしい1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 やめるなら今 」に通ずるお話。何度も音楽をやめたいと思う気持ちが現れながらも、今も続けているその理由とは…。是非、楽曲と併せて、このエッセイを受け取ってください。 ライブ前、鏡の前で前髪と服の皺を撫でていると、ふと「なんでこんなところにいるんだろう」と疑問が浮かんでくる。いやいやと首を振って考えないようにする。   大きな声を出すのが苦手で、友達とご飯をするときはなるべく静かそうな店を探す。バイト中、客席にコーヒーを運ぶと一瞬会話が止まる。「お待たせしました」とコーヒーを机に置く動作を見られているのがとても苦手だった。   そんなわたしが、なぜ、人前でライブをしているのか。それは、勘違いからだったと思う。   人前に出て何かをすることが得意で好きだと思っていた。22歳ぐらいまでは。だんだんヒグチアイと樋口愛は乖離していたのに、気付いていなかったときが一番辛かった。なにもかもがうまくいかなくて空回っていた。やりたい自分となりたい自分が普段のわたしとは真逆のところにいたから。   樋口愛としてステージに出てずっと緊張したままライブをするのはしんどかったし、それならと、どうにかしてヒグチアイに近付けようとしたけど、心が保たなかった。その頃から、やめたいと思う気持ちがよく現れるようになっていた。   やめたい、と、やめる、の間には大きな川が流れている。あちら側の世界に行ってみたら案外音楽のことなんか思い出さず生きていけるかもね。単純作業とかレジ打ちが好きだから、きっと生きていける。でも知ってしまえば、帰ってくることはできないと思う。人生はいつも一方通行だから。   わたしは、川を渡ることの恐怖心から、ずっとこちら側にいるのかもしれない。もしかしたらただの水溜りかもしれないその濁流をいつも眺めてる。眺めながら歩いてきたら、ここまで来てしまった。   未だによくやめたいと思う。衝動的なものではなく、カセットコンロのガスが切れるように、パチパチと音を立てながら、だんだんと火が小さくなっている。でも最近、気付いた。やめたいやつとやめたいのをなだめているやつが同時に存在している。その二人のわたしはきっとあの頃のヒグチアイと樋口愛だ。   「とかいっちゃってさ、結局やめないんでしょ? はいはいレーズンサンドでも食べて、ほら、明日からでいいからやるよ」って言ってる樋口愛がいる。濁流を眺めるヒグチアイの手を引きここまで歩かせて、【ご報告】の文章を作るヒグチアイのメモ帳を消して、もう何も書くことがないとゲームばっかりするヒグチアイのやる気を待つ樋口愛。   本当のわたしは才能なんかなくて、穏やかで、緊張しいで、人前が苦手で、アーティストに向いているとは思えない人間だけど、そのわたしがいなければ、やめたいわたしは勝手にやめていた。樋口愛はヒグチアイに憧れていて、ヒグチアイは樋口愛に助けられていた。なりたいだけだった私はいつしか、必要不可欠な存在になっていた。   なんだっていい、そのままでいい。わたしはわたしを認めてるから。きっとそんな風にして、続いていく未来を信じていける気がする。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 やめるなら今 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/12/01

  • ヒグチアイ
    ほんのちょっとの距離のせいで。
    ほんのちょっとの距離のせいで。

    ヒグチアイ

    ほんのちょっとの距離のせいで。

    ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年10月20日にリリースされたのが第2弾楽曲「距離」です。学生の頃の盲目的な恋愛ではなく、仕事も忙しく、恋愛以外のプライベートも忙しくなった働く女性の恋愛ソング。遠距離というだけではなく、近くにいても感じる精神的な距離やもどかしさも表現した楽曲に仕上がっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。綴っていただいたのは、新曲「 距離 」にも通ずるお話。19歳のときに付き合っていた、遠距離恋愛の年上の彼氏。もしも当時の<わたし>がこの曲を聴いていたら、恋の結末は違ったのかもしれません…。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 距離 」~ 19歳のときに付き合っていた彼氏は、栃木の大学でカラスの研究をしている人だった。早朝に仕掛けた罠を見に行き、カラスが捕まっているとそれを研究所に持っていき生態なんかを調べる、という生活をしている人だった。ちょっと変わった人を好きになる癖を持っていたので、聞いたことのない人生を歩む人に興味を持った。 少し年上の人で、車を運転していて、レストランでご飯を食べた時には、当たり前のように前菜を頼んだ。高校生の付き合いしか知らなかったわたしにはどれも新鮮だった。そして、わたしの家族がバラバラに暮らしてることを知ると涙を流していた。そのとんちんかんな優しさもなんだか逆によかった。 だんだんと関係に慣れていくにつれて、わたしは東京、相手は栃木、見えない時間の中に不安を感じ始めていた。ある日、彼が飲み会があるというので、連絡がないこともまあしょうがないか、と諦めていたのだが、いつまで経っても来ない連絡に、誰と?どこで?どんな?という考えたところで答えの出ない疑問が浮かんできた。 長々と考えた結果、電話をした。何回目かのコールで出た彼は立派に酔っ払っていた。どうしようもなく。「もしもし?!大丈夫なの?」心配してるふりをしながら向こうの様子を探る。ガヤガヤとする中に、キンとした女の声が耳に突き刺さる。「なにー!?!彼女からー!?ヒューヒュー!」その声を聞いた瞬間に電話を切った。 なんだ。普通の男じゃないか。ただの、普通の、どこにでもいる男じゃないか。わたしが今東京で一人なのも、彼が女もいる飲み会でぐずぐずになるまで飲むことも、もう全部どうでもいい。 真夜中、ノートを開いて電子ピアノの電源を入れる。絶対に負けない、絶対に負けない。孤独に負けるもんか。勝手に蔑ろにされたと思って、勝手に意地を張って生きてきた。でも、そうしないと簡単に折れそうだったから。 そうやって磨いてきた刃が、10年後まさかこんな切れ味になるとは。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 距離 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/10/22

  • ヒグチアイ
    女の子だもん
    女の子だもん

    ヒグチアイ

    女の子だもん

    ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年9月8日にリリースされるのが第1弾「 悲しい歌がある理由 」です。すでにライブで多くのリスナーの琴線と涙腺に触れ、音源化が切望されていたピアノ弾き語りのこの曲。様々な場所で頑張って生きる女性の胸に深く刺さり、気が付くと痛みを少し軽くしてくれる…。言葉の力を大切にするヒグチアイの真骨頂と言える楽曲に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。今回はその第1弾です。かつて、自分の存在全てにコンプレックスを感じていた彼女。その生きづらさがほんの少しずつ変わっていったきっかけとは…? 新曲「 悲しい歌がある理由 」にも通ずる想い。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾~ 幼い私はピンク色が欲しかった。だけど他人と違う私でいたくてどんな時も青色を選んだ。そうしていたら青色が好きになって、ピンク色は似合わなくなっていった。私の本当の好きなものはなんだろう。 22歳の頃、ボイストレーニングの先生に「好きなものを身の回りにおけば個性になる」と言われ、その言葉に従い好きなものを集め始めたのはいいものの、好きなもの、という概念が私の中に存在しないことをその時初めて知って驚いた。 0歳から一緒の樋口愛と、18歳からシンガーソングライターとして活動し始めたヒグチアイが乖離し始めていた頃だった。なりたい私は、本当の私のことをいつも恥ずかしがっていた。あいつには何もない、と思っていた。いつも私を苦しめ、ちょっと近所へ行くのでさえも化粧や服がダサくないか、汚らしい格好をしていないか、においは、爪は、と自分の存在全てにコンプレックスを感じていた。31歳現在、最も生きづらかったのはこの時期だったと断言できる。 なんとなくよく食べている気がするカレー、読み始めればあっという間に時間が過ぎている漫画、そして唯一好きだと自覚のある梨。こんなもんでいいんだろうか、と思いながら、好きなものをカレー、漫画、梨に設定した。なんと!好きなものを決めたらコンプレックスがなくなりました!なんてことはなかった。 好きなものを決めてから、美味しそうな店を食べログで調べて朝から並びに行ったり、漫画にお金をかけていいことにした。入りづらい店も読みにくい漫画も、好きだというだけで挑戦した。それはつまり、私のためにお金を使う、時間を使うことを許すことだった。コンプレックスを隠そうとしていた時は、私のためのようで、誰かのためだった。誰かに嫌な思いをさせないためだった。 でも、好きなもののためにすることは、全て私のためだ。私のために私を使ってあげることで私の濃度が濃くなって、もともとは見たことのある色でも積み重なったらなんとも言えないオリジナルの色になるように、それが私だけの個性になるんだと知った。 最近、ピンク色の物が好きだ。スマホケースもポーチもカバンも財布も全部ピンク色だ。洋服もたくさん持ってる。似合わなくてもいい。だって、女の子だもん。じゃなくて、好きなんだもん。文句ある? <ヒグチアイ>

    2021/09/27

  • ヒグチアイ
    家族は愛さなくてもいい。
    家族は愛さなくてもいい。

    ヒグチアイ

    家族は愛さなくてもいい。

     2021年4月16日に“ヒグチアイ”が新曲「縁(ゆかり)」をリリースしました。ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲であり、ポニーキャニオンへの移籍第1弾シングル。昨年リリースされた楽曲「東京にて」は、ラジオ媒体を中心に大きな話題となり、その輪は今なお拡がり続けております。新たな活動が次々と芽吹いているヒグチアイから目が離せません…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 縁 」に通ずるお話です。家族との距離感が難しい。家族に対する言動や愛情が正しいのかわからない。分かり合えたり、分かり合えなかったりの繰り返し。そんなあなたに、このエッセイと歌詞が届きますように。 ~歌詞エッセイ:「 縁 」~ 家族は愛さなくてもいい。必ずしも、愛さなくてはならない存在ではない。 わたしには妹がいるが、学生の頃、仲が良いことによくびっくりされた。兄弟姉妹という存在は、あまり仲が良いものではないらしい。特に子どもの頃はそういう人が多かったように思う。 幸いにも、虐待や育児放棄などがない家だったし、何不自由なく生活が送れたし、音楽を好き勝手やらせてくれたので、親からもらった愛情をそのまま返したいと思える大人になった。 でもそんなわたしでも、「なんであんなことされたんだろう」「なんであんなこと言われたんだろう」と疑問に思っていることがあった。その全てに、答えが欲しくて、実際に聞こうと思ったことがある。“幼い頃のトラウマは解決しないと後々恐ろしい形で返ってくる”というわたしの確信がさらに深まることが怖かったからだ。 いろんな人に相談したし、親に会う日程まで決めた。最後に妹に相談した。「親にこんなこと聞こうと思っているんだけど聞いてもいいと思う?」と聞いた。きっと、まああいぽ(わたしの呼び名)がそうしたいならいいんじゃない?と答えるはずだと思った。 でも、答えはちょっと違った。「聞かなくてもいいんじゃない?」その後、こう続いた。「今のあいぽになったのはそのおかげだし、今のあいぽがいいよ」と。 その言葉をきっかけに、親に対する疑問の答えを求めることをやめた。考えることも自然となくなった。わたしは、愛される資格が欲しかったし、理由が欲しかった。そうすれば、愛すこともできるから。でも、資格も理由もなく、言葉にもできずとも、「それがいいよ」と認めてくれる存在に、幼い頃のわたしが救われたのだ。 家族は愛さなくてもいい。それでも、わたしは家族を愛すことができて、しあわせだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 縁 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/05/26

  • ヒグチアイ
    太陽の指輪。
    太陽の指輪。

    ヒグチアイ

    太陽の指輪。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回です。綴っていただいたのは収録曲「 東京にて 」に通ずるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 東京にて 」~ 東京のビルがこんなに高く伸びるのは、たくさんの人間のエネルギーを吸っているからだ。人がいなくなれば養分が摂れなくなって、そのビルは倒れてしまう。 人間は、生きているだけで何年も何十年も内臓を腐らせない。死んだら、数日なのに。だから、生き続けるってことは、すっっっっごいことなんです。みんなが思っている以上に。 高校生のときに、家で生まれたウサギがいた。繁殖させようとしたつもりもなく、ただいろんな偶然が重なって、家で妊娠したウサギはわたしが受験勉強をしているときに子どもを産んだ。生まれた子どもたちの中でとても小さく、身体が弱かった1羽をうちで引き取ることにした。 名前はむう。夢宇。どキラキラネームをつけた。 むうはわたしと共に上京し、一緒に暮らしていた。昔の彼氏がくれたBOSEのヘッドフォンを噛みちぎったり、わたしが歌詞を書いた紙を食べて、なんて書いてあったのかわからなくさせた。ウサギに怒ったってわからないだろうし、ストレス溜まるだけだろうから、ということで、一切怒ることはなかった。その分過剰に可愛がることもないし、悩みを聞いてもらったり、慰めてもらったなあ、という経験もない。お互いに、自由に暮らしていた。 その後、彼氏と同棲することになり、その彼氏はアレルギーがあったので、むうと一緒に引っ越すことができなかった。友だちがお世話を引き受けてくれるということで、その友だちにむうを譲った。それ以来、むうに会うことがなかった。 何ヶ月か前に、むうが死んだ。ウサギの中ではかなり長生きだったらしい。病気もなかった。途中から飼ってくれてた友だちが定期検診に連れて行ってくれたり、よくお世話をしてくれたから、ここまで生き延びたのだと思う。 どこかで、むうを捨てたんだ、という記憶が残っている。ちゃんと愛してあげた記憶がない。今更感じてもしょうがない後悔が入道雲のように膨れ上がっていった。 その友だちに話をした。そうしたら「小さなときにストレスを感じてなかったからここまで生きてこれたんじゃないかな、ってお医者さんが言ってたよ」と教えてくれた。 わたしは、後悔を背負っていくしかない。消えることはないから。でも、その後悔のせいで足を絡めとられてはいけない。歩く力がなくなってはいけない。 太陽のような指輪を作ってもらった。その中に、むうのちいさな遺骨が入っている。今では、たくさんの後悔も、わたしを照らしてくれる太陽になっている。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 東京にて 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/17

  • ヒグチアイ
    備忘録。
    備忘録。

    ヒグチアイ

    備忘録。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾です。綴っていただいたのは収録曲「 備忘録 」に通ずるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。   ~歌詞エッセイ第2弾:「 備忘録 」~ 「俺、25歳で売れてなかったら死ぬww」と言っていた大学の同級生は、30歳になった今、音楽をやめて結婚をして子どもができて、順風満帆に暮らしている。 当時、19歳のわたしは、大学のジャズ科に通いながらポップスを歌っていたので、先輩には白い目で見られていたし、先生には「お前の声はジャズ向きだからジャズシンガーになれ」と言われていた。天邪鬼なわたしは、絶対にポップスで売れてやるのだと思いつつ、売れなかったら死ぬと言えばその言葉に首を絞められるだけだから、とのらりくらりと話をかわしながら、内なる炎を消さないように歌を歌い続けてきた。 きっとあの頃も変わらず、冷めていたのだと思う。遡れば中学生の頃から冷めていた。ずっとここじゃないどこかに行けば、みんなみたいに笑い続けられる居場所があるんだと思ってた。 悲しいけど、そんなユートピアは存在しない。そこに行きたいのなら、今いるその地を開拓するしかない。汗水垂らして、自分の力で、作っていくしかない。しかもそれは、いとも簡単に壊れてしまうアンバランスな国だ。 冷めていることは、なにも良いことじゃない。(と今は思う。今後変わるかもしれない。) いつでも面白いと思うハードルは下げておくべきだし、何事にも前のめりでいるべきだ。売れてなかったら死ぬ、って言ってしまえば、死ぬ気で売れようとしたかもしれない。今となっては、全て過ぎてしまったことだけど。 わたしは、言葉にがんじがらめにされることがこわい。最近はSNSでの誹謗中傷問題がよく話題にあがるけど、わたしからしたら、発した言葉に支配されないで済むことが信じられない。誰かに向けた言葉を一番近くで聞いてるのは自分なのに。言葉として自分から離れても、なかったことにならないことなんて、自分が一番よく知っているはずなのにね。 言葉を使う代わりに使われている。なんか等価交換のようで、わたしにはしっくりくる職業である気がする。ソングライターってのは。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 備忘録 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/10

  • ヒグチアイ
    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。
    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。

    ヒグチアイ

    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作の1曲目に収録されている「 ココロジェリーフィッシュ 」にまつわるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 ココロジェリーフィッシュ 」~ 19歳。はじめての一人暮らし。 実は、父親に同棲させてくれと頼んだら、一人暮らしもしてないのに絶対ダメだと言われ、渋々同じマンションに引っ越すことにしたのだ。洗濯機も冷蔵庫も買わないはじめての一人暮らし。 はじめてならこんな物件がオススメですよ。不動産屋は口がうまくなけりゃ務まらない。父親のバックアップがあるとわかれば、相場より高い物件を勧めてくる。 世の中、当たり前だと思っていることが、実は全然違うことってある。一軒家で育つこと、クリスマスにはサンタが来ること、長い休みには祖父母の家に行くこと。両親が築き上げたものを、当たり前として提供してくれていただけのことだった。 風呂トイレ別。それだけで贅沢だった。塀をよじ登れば入れる、形だけのオートロックマンションは、今住んでいる家より高かった。 そこに住んでいた一年半で、どん底の貧乏を味わうことになる。お客さんの差し入れのお菓子を晩ご飯に食べて、ポケットや鞄に迷い込んでる100円を探して、銀行窓口へ通帳を持って行き三桁の小銭を下ろす。風呂トイレ別がわたしにくれたものは貧乏だけ。オートロックが教えてくれたものは、鍵を忘れて出ていくと大変なことになるってことだけだった。 それでも、下手くそながら作る料理も、それを一緒に食べる行為も、二人で布団に入りながらアニメを見る夜も、全てが楽しかった。その中で書いた曲が「 ココロジェリーフィッシュ 」だ。今作の中で一番古い曲。未だに人気のある曲。当時の彼氏がさしていた黒い折り畳み傘は歌詞に出てくる。 苦労から抽出されたエネルギーをいつまでも燃料にしていられない。でも未だに、その日々がわたしを照らしてくれている。その灯りで、わたしはわたしを見つけることができるのだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 ココロジェリーフィッシュ 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/03

  • ヒグチアイ
    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。
    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。

    ヒグチアイ

    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。

     2019年9月25日に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバム『一声讃歌』をリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。第1弾「前線」、第2弾「どうかそのまま」、第3弾「ラブソング」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆!  7月~9月の期間、月1度、スペシャルな記事をお届けしてきました…!そして、今回がその最終回となります。尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それでは 第1弾エッセイ 、 第2弾エッセイ に続く、最終回をじっくりとご堪能ください! 【最終回:ラブソングをあなたに】 知人が出会い系アプリで出会った人と結婚した。下心なのか?そうでないのか?の駆け引きをすっ飛ばしているから、素直になれるらしい。なるほど、恋愛で一番難しいのは素直になることだったんだ。 四年前。何度も浮気され、何度も騙され、お金も貸して、それでも好きで付き合っていた恋人がいた。最後はわたしから別れを告げた。でも真実は、相手が言葉にしないからわたしが言うしかなかった、だけのことだ。もっと前に別れていれば、と思うことが今でもある。後悔先に立たず。 なぜ、わたしが別れなかったかと言うと、恥ずかしかったからだ。浮気されたわたしが可哀想で惨めで、恥ずかしかったから。わたしは大人だと、そんなことで別れるような女じゃないと、もっと肝の座ったでかい女なんだと思われたかった。誰に。たぶんわたしを知る人全員に。それは仮面であり、着ぐるみであり、虚像であったけれど、身につけるのは難しくなかった。 そのせいで、わたしは薄くなっていった。わたしの中のわたしは小さくなり、ヒグチアイさえも消し去りそうになっていた。実際、声の出し方も、歌詞の書き方も、なにもかも変わっていた。わたしを偽ってしまったら止まらなかった。表情はかたく、怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。 そんなときに、思い出したことがある。その話が、このコラムの 第1回 、 第2回 の話だった。わたしはたしかに家族に愛されていて、人を愛していて、どうでもいいようなことを覚えていた。そして、ちゃんとしあわせを知っていた。それに気付くまでにかなりの時間が経った。思い出がわたしを素直にしてくれた。 さよならをして、家を引き払った。敷金が大量に返ってきて、それを全額もらって貸したお金はチャラにした(敷金の方がちょっと多かった)。引っ越した先のアパートは畳の部屋をフローリングに改装したのだろう、窓の低い家だった。春には桜が見える家だった。 思い出すことは、想うことだ。想うことで、想われるはずだ。思い出は燃料だ。たくさんの思い出を作って、また燃やして、わたしは今日も歌をうたっている。 <ヒグチアイ> ◆3rd full ALBUM『一声讃歌』 2019年9月25日発売 初回限定盤 TECG-37127 ¥3,364+税 通常盤 TECG-32128 ¥2,909+税 <収録曲> 01. 前線 02. どうかそのまま 03. 街頭演説 04. 風と影 05. バスタオル 06. 走馬灯 07. ほしのなまえ 08. 一週間のうた 09. いちご 10. 聞いてる 11. ラブソング ◆先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify 第二弾「 どうかそのまま 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify 第三弾「 ラブソング 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify <LIVE> ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/09/06

  • ヒグチアイ
    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。
    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。

    ヒグチアイ

    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。

     2019年9月25日に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバム『一声讃歌』をリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。すでに第1弾「前線」と第2弾「どうかそのまま」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆してくださいました。    7月~9月の期間に月1度、スペシャルな記事をお届け…!尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それでは 第1弾エッセイ に引き続き、第2弾をじっくりとご堪能ください! 【第二回:きみはペット】 なんだか可哀想だった。 だから、こっそり、誰にも知られないように 家で飼ってた。 彼氏を。 小学5、6年生ぐらいから片鱗を見せ始めていたのだけれど、中学生に入って途端に崩壊した。学校は休んでもいいものだと知ったし、好きになった先に付き合っていいことを知ったし、キスだけじゃ子どもはできないことを知った。クラスメイトにハブかれたり、逆にハブき返したり、どうにもこうにも自分が崩壊する出来事がたくさんあった。そしてとんでもなくブスだった。生命力が溢れてしょうがないという肌に、どうしたってまとまらない髪、止まらない食欲、おしゃれ=奇抜という間違った方程式、もうとんでもなく崩壊していた。 寂しいなら彼氏を作ればいい。彼氏がいれば友だちがいなくてもいい。そう思ったわたしは、ちょうどいい身軽なブス、になった。そしてその通りになった。彼氏がいなかったことはないし、三年間寂しい気持ちになったこともなかった。これが正解だとも思った。そしてその気持ちをもったまま高校生になった。高校三年生のとき、わたしは寂しくなった。久しぶりの寂しさと自由を手に入れた。 ライブハウスで働いていた男の人と知り合った。路上ライブをしていたわたしに声をかけたその人は、わたしよりいくつか年上で、なんだか大人に見えた。両耳にはたくさんのピアス。少しお腹が出ていて、お酒を飲んでいた。全てが同年代の友達にはないもので、全てがなんか、よかった。 ある夜、長野駅前のベンチに集合した。わたしは自転車に乗って行った。彼は原付に乗ってきた。そして駅前のしょぼい雑貨屋で買った1000円のピアッサーで耳に穴を開けてくれた。普通は片耳ずつ開けるんだよ、って言って両耳に穴を開けてくれた。家に帰ってベッドに横になったとき、ピアスが枕カバーに引っかかって痛かった。そして熱かった。 彼はよくお金がなかった。わたしは1000円や2000円をよく貸していた。彼は仕事をよく休んでいた。そして不満をよく言っていた。大人ってそういうもんなのかな、と思いながらもふらふら生きてる彼となんとなく一緒にいた。 ある日の夜中、家で漫画を読んでいたら彼から「外来て」とメールが届いた。静かに階段を降りて外に出ると彼がいた。「大家に追い出されちゃったんだけど、ちょっとの間家に住めない?」と言われた。部屋は余っていたけど、そういう話ではない。無理だと言うと、入れてくれるまでここを動かない、と言う。ほんとに帰ってね!と言い部屋に戻り、1時間後外を見るとまだそこにいる。このままだと不審者として通報されると思ったわたしは、今日だけね、と言い、こっそり家にあげることにした。 階段を同じタイミングでのぼり、廊下はおんぶされて進んだ。トイレは我慢すること、何かあったらメールすること、を約束させた。親が仕事で外に出て、妹が学校に行って、わたしは学校に行ったふりをして、そのまま帰ってきた。彼にもう出て行ってほしいと伝えるとあと2、3日だけ置いてほしい、それまでに家を決めるから、と言われ、どうにも断れず、そのまま家に置いていた。3日が経ち本当に家を出て行った。 その後も付き合いは続いたが、一向にお金を返してくれない彼に我慢できず、別れることにした。その2年後、偶然街中で彼に会った時にお金を返してほしいと言ったら、手持ちがないと言われたので、彼と一緒に歩いていた女性に、じゃああなたは?あなたはお金持ってないの?と躊躇いなく聞いた19歳のわたしの話はいつかのためにとっておきます。 今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。 わたしを可哀想じゃなく思えるからかもしれない。 <ヒグチアイ> ◆3rd full ALBUM『一声讃歌』 2019年9月25日発売 初回限定盤 TECG-37127 ¥3,364+税 通常盤 TECG-32128 ¥2,909+税 <収録曲> 01. 前線 02. どうかそのまま 03. 街頭演説 04. 風と影 05. バスタオル 06. 走馬灯 07. ほしのなまえ 08. 一週間のうた 09. いちご 10. 聞いてる 11. ラブソング ◆先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify 第二弾「 どうかそのまま 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify <LIVE> ■ヒグチアイ アルバムリリース記念 新曲披露独演会 [ 闇市 ] 2019年8月3日(土) 代官山 晴れたら空に豆まいて 2019年8月10日(土) 大阪 GANZ toi,toi,toi ■HIGUCHIAI presents 好きな人の好きな人 - 氷 山 - 2019年8月24日(土) 渋谷CLUB QUATTRO act:日食なつこ / mol-74 / ヒグチアイ ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/08/02

  • ヒグチアイ
    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。
    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。

    ヒグチアイ

    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。

     今秋に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバムをリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。すでに第1弾「前線」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆してくださいました。    7月~9月の期間に月1度、スペシャルな記事をお届け…!尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それではまず、第1回エッセイをじっくりとご堪能ください! 【第一回:ウオノメと幼きわたし】 良い毛抜きを買う。 わたしのこだわりの一つである。 こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。それがどんなに小さなこだわりだとしても。 実家には大量の毛抜きがあった。家系なのか、足の裏にウオノメがよくできる家族だった。ウオノメ、というのは直径5ミリほどのイボで、中心にある芯を抜くと治る、と樋口家では言われていた。母親が、ウオノメの芯を抜くのが、死ぬほど好きだった。それはもう、すごかった。母は、巻き爪で、よくその爪を自分で抜いていた。ぼろぼろで血だらけになった足を見て満足げだった。 母に見つかるとウオノメの芯を抜かれてしまう。そしてあんな風にぼろぼろの血だらけにされてしまう。そう思ったわたし、兄、妹は、こっそり自分でウオノメの芯を抜いていたのだ。そしてその作業をするうちに、わたしにもその血が流れていることを知った。わたしは、ウオノメの芯を抜くのが死ぬほど好きだと。 家にあった毛抜きは、先が四角く持ち手まで同じ太さの「定番毛抜き」、そして先が少し細くなっている「台形毛抜き」、そして先がとても細く少し曲がっている「ピンセット毛抜き」の三種類だった。わたしの一番のお気に入りはピンセット毛抜き。どんな隙間でも追い求められるし、掴めば離さない、それはサバンナで生きる蛇のようでもあった。 実はこのピンセット毛抜きがうちの一番人気。常にトップを走り続ける看板ピンセットだったため、よく借り出されていた。家族五人暮らしだったため、ウオノメ時期が重なるとかなりの確率で借りることができない。 「あ、あのさ、ピンセット毛抜きどこ行ったかな?」なんて言おうもんなら母親の餌食になる。そして、芯を抜き終わった誰かは元の場所に毛抜きを戻したりなんかしない。自分の手元に置いて、常に監視していたいのだ。束縛したいのだ。だってピンセット毛抜き以外毛抜きじゃないの…。 大人になり、ウオノメの出来ない身体になったわたしはもうピンセット毛抜きへの依存はなくなった。しかし、驚いたことに、大人の女性というのは、毛抜きが必要な生き物だったのだ。わたしはピンセット毛抜きを探した。いやピンセット毛抜きよりもっといい毛抜きがあるのかもしれない。Amazonをかき分け、楽天市場で迷子になり、そしてたどり着いた東急ハンズで出会った。壁一面に並んだ毛抜きの中でそいつは輝いて見えた。値段も意味わからんぐらい高かった。 買った。買ってやった。そして勝った。勝ったのだ。 以来一度も浮気せずその毛抜きを使い続けている。 こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。それがどんなに小さなこだわりだとしても。そしてそのこだわりは幼少期に作られたものがとても多い。思い返してみてほしい。あなたのこだわりはなんですか? <ヒグチアイ> ◆3rd Album 今秋リリース決定! 先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify <LIVE> ■ヒグチアイ アルバムリリース記念 新曲披露独演会 [ 闇市 ] 2019年8月3日(土) 代官山 晴れたら空に豆まいて 2019年8月10日(土) 大阪 GANZ toi,toi,toi ■HIGUCHIAI presents 好きな人の好きな人 - 氷 山 - 2019年8月24日(土) 渋谷CLUB QUATTRO act:mol-74 / ヒグチアイ +1act(後日発表) ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/07/05

  • ヒグチアイ
    あたためればいいよ、そういうことじゃない、一緒に食べたいだけ。
    あたためればいいよ、そういうことじゃない、一緒に食べたいだけ。

    ヒグチアイ

    あたためればいいよ、そういうことじゃない、一緒に食べたいだけ。

    女はほめてほしいわけじゃない。 わかってほしいのである。 (黒川伊保子『夫婦脳』より)  夫心と妻心は、なぜこうも相容れないのか。冒頭では、エッセイスト・黒川伊保子さんの著書『夫婦脳』に綴られていた一節を引用いたしました。女性のみなさん「そういうことじゃない」「言わないでもわかってよ」と思うことありませんか? 一方、男性のみなさんは「ちゃんと説明してくれないとわからないよ」「言ってくれればやったのに」と不満を吐きたくなるときはありませんか…?  今日のうたコラムでは、そんな女性脳と男性脳の違いにも通じる1曲をご紹介いたします。2018年6月20日に“ヒグチアイ”がリリースしたミニアルバム『日々凛々』に収録されている「玉ねぎ」という新曲です。料理によく登場する玉ねぎ。切っていると涙が出てくる玉ねぎ。その玉ねぎが、この歌の中ではどのように描かれているのでしょうか。 帰らないなら 連絡ぐらいしたらいいのに あたためればいいよ そういうことじゃない 一緒に食べたいだけ 溶けてるから 見えないけど 一番手間かけて炒めた玉ねぎ 「玉ねぎ」/ヒグチアイ  あるある…。頷いた女性の方、多いのではないでしょうか。きっと<わたし>が大切にしたいのは作った料理そのものではありません。二人で「一緒に食べたい」という想い。「美味しい!」って<あなた>が笑う顔。作りながら想像したそういうあたたかい時間。でも、それらは「あたためればいいよ」なんて言葉じゃ叶わないのです。冷め切った料理は再びあたたまっても<わたし>の心はあたたまらないのです。  また<わたし>はいつだって<一緒に食べたいだけ>というような本音は口にしないのでしょう。言わなくてもわかってほしいから。だけどその気持ちは<一番手間かけて炒めた玉ねぎ>と同じです。どれだけ時間がかかっていても、その分だけ愛が込められていても、結局<あなた>には見えない。言ってくれないとわからない。それなのに<わたし>は<帰らないなら 連絡ぐらいしたらいいのに>などと“本当”を抜いた言葉だけを伝えてしまい、二人の間にすれ違いが生じるのだと思います。 お風呂掃除も 洗濯もちゃんとやったよ 僕がやったらいいの? そういうことじゃない 抱きしめてほしいだけ あきらめること 悲しいことじゃない 一生一緒にいるんだから 違う さっき玉ねぎ切ってて それなら なんでずっと 泣いているの? 不満じゃない不安なんだ 言えない わたしのこと 優しいって 思ってるでしょ? 「玉ねぎ」/ヒグチアイ  続くフレーズでは、冒頭でご紹介した【女はほめてほしいわけじゃない。わかってほしいのである。】という言葉がいっそう刺さりますね。もしも男性のみなさんが、恋人に<お風呂掃除も 洗濯もちゃんとやったよ>と言われたら、自分が責められているように感じて<僕がやったらいいの?>と言いますか?それとも(褒めてあげなきゃダメ?)と思いますか? いえ<そういうことじゃない>のです。  一緒に暮らし始めたからこそ、手間をかけて玉ねぎを炒めるのと同じように、じっくり二人の日常を築いていこうとしている。そんな<わたし>の意志が<お風呂掃除も 洗濯もちゃんとやったよ>という、他愛ない一言に表れているように感じられます。ただ、伝わらない。何もかもわかりあえない。それならもう“わかってほしい”なんて気持ちを<あきらめること>を選ぼうと思ったのでしょう。それが<一生一緒にいる>ために必要なことなのだから。  しかし<一生一緒にいる>のに、こんなに伝わらなくて、こんなに何もかもわかりあえなくて、大丈夫なんだろうか…。我慢ばっかりだ…。そんな本音は、思わず涙になって溢れてしまいます。どうせ<あなた>にはわからないから<玉ねぎ>のせいにしているけど、本当は<不満じゃない不安なん>です。実はいつもいろいろ気にしているのに、ものわかりの良い<優しい>フリをしていることへの自己嫌悪も伝わってきます。 ありきたりなエンディングの二人は 気づかない間に はなればなれ あの日の熱 変わらないもの 探して 夜が来ても 帰らないまま きつね色に染まる空は 一瞬で 写真の中 ずっとずっと 見ていた 「玉ねぎ」/ヒグチアイ  歌のラスト。なんだか<きつね色に染まる空>は<一番手間かけて炒めた玉ねぎ>に重なりますね。それは、じっくり築いたはずの二人の愛でもあるのかもしれません。でも、時間をかけた全ては<一瞬>でなくなってしまう。そして<写真>としてただの思い出になってしまう…。そんな“わかりあえない”すれ違いから生まれた空しさや切なさ、それでも変わらぬ愛しさが綴られているのが、ヒグチアイの「玉ねぎ」なんです。    あなたは恋人と“わかりあうこと”をあきらめてはいませんか? 恋人の気持ちをわかろうとすること、または、自分の気持ちをわかってもらおうとすることを、あきらめてはいませんか? どうか<気づかない間に はなればなれ>になるその前に、うまく説明できなくても、不器用でも、本当の気持ちを言葉で伝えてみてください。ほんの少しでも、あなたと大切な人の“今”が良い方へ変わってゆきますように…! ◆メジャーセカンド・フルアルバム『日々凛々』 2018年6月20日発売 [初回限定盤] TECG-30121 ¥2,778+税 [通常盤] TECG-26122 ¥2,407+税 <収録曲> 01.わたしはわたしのためのわたしでありたい 02.永遠  03.コインロッカーにて 04.かぜ薬 05.玉ねぎ 06.わたしのしあわせ 07.ぽたり 08.不幸ちゃん 09.最初のグー 10.癖

    2018/07/03

  • ヒグチアイ
    彼氏いたってお金あったってつらくなることないですか?
    彼氏いたってお金あったってつらくなることないですか?

    ヒグチアイ

    彼氏いたってお金あったってつらくなることないですか?

     2018年6月20日に、鍵盤弾き語りシンガーソングライター“ヒグチアイ”が2ndフルアルバム『日々凛々(ひびりんりん)』をリリースします。そして、今作に収録される新曲「わたしはわたしのためのわたしでありたい」の先行配信が4月18日より開始。併せて、歌詞の掲載もスタートいたしましたので、さっそく今日のうたコラムでご紹介!  この曲には、自分のなかにいるもう一人の自分と向き合う、等身大の“ヒグチアイ”の気持ちが映し出されております。現状の<わたし>を認識する怖さやツラさ、みなさんにもそれぞれあるのではないでしょうか。しかし、そんなグズグズした気持ちをうまく言葉に変換することも、それを誰かに吐き出すことも、実はとても難しいんですよね…。 彼氏いたってお金あったって つらくなることないですか? 世界で一番わたしが 不幸だって思ってもいいですか? なにが不満だって 言えないよわかって 誰のせいでもないんだよ 呪いみたいに縛られて 寝ても覚めてもいつも夢の中 「わたしはわたしのためのわたしでありたい」/ヒグチアイ  たとえば【彼氏】【お金】【整った容姿】【優秀な頭脳】など、それらがただ【ある】という条件が満たされているだけで、他人に何か悩みを相談しても「贅沢な悩みだね」と言われてしまう場合がございます。それだけ“幸せの条件”が全てそろっているのに<なにが不満>なの?と。むしろ自慢のように捉えられてしまいかねません。また、そんな反応が予想できるからこそ<つらくなること>を自ら隠してしまったり。  さらに「もっとツライ人はたくさんいる」とか「あなただけじゃないよ」という励ましは、力になることもありますが、みんなもツライからといって<わたし>のツラさが軽くなるわけじゃないんですよね。それでも、その言葉によって自分の感じている<不幸>を心のなかに閉じ込めてしまう人もいるでしょう。苦しいけど、どんな風に説明すればいいのかわからない人もいるでしょう。だから<言えないよわかって>とただ口をつぐんで、いつも<呪いみたいに縛られて>いる状態に陥ってしまうのです。 ハードルを高く高く決めたの 絶対下げたくない 傷はいつかを 思い出す鍵だ なんども転べ 誰もいない街 誰も見てないステージ 踊り続けられるだろうか 擦れたかかと 引き摺って それでもまわるまわる 誰もいない道 誰もくれないトロフィー 走り続けられるだろうか わたしのために わたしのための わたしでわたしでありたい 「わたしはわたしのためのわたしでありたい」/ヒグチアイ  だけど、単純に何かが【ある】という条件を手に入れたところで、そこがゴールではありません。恋も夢も。手に入れた先にこそ長い道があり、悩みが生まれてゆくのです。そして、もし自分が<ハードルを高く高く決めた>なら、それを跳べるまで、怖さやツラさや痛みや悩みは消えないのです。他人からは高望みに見えたとしても、まったく関係ありません。そのハードルを跳べないがゆえに感じる<不幸>は自分だけのもの。<世界で一番わたしが 不幸だって>思ったっていいのです。自分にとっては、自分が一番でいいのです。 ねえどうか今を最高地点と 決めつけないでいて 旗は立てるな 大きく振れよ 風を味方に 「わたしはわたしのためのわたしでありたい」/ヒグチアイ  大切なのは、現状の<わたし>が感じる全ての気持ちを受け入れて、その上で<わたしのために わたしのための><わたしでありたい>という強い気持ちを持って生きてゆくことのみ。そうやって、自分の人生というステージで踊り続けよう。人生という道で走り続けよう。常に未来の<最高地点>を見つめて旗を大きく振ろう。そんな意志が込められているのが、ヒグチアイの「わたしはわたしのためのわたしでありたい」という楽曲なんです。 誰もいない街 誰も知らないメロディー うたい続けると誓うよ わたしのために わたしのための わたしでわたしでありたい わたしでわたしでありたい わたしでわたしでありたい 「わたしはわたしのためのわたしでありたい」/ヒグチアイ  自分の不幸を誰かの不幸と比べて、黙ってしまう方に。自分の幸せを誰かの幸せと比べて、不安になってしまう方に。もっともっとたくましく生きてゆきたい方に。あなたがあなたのためのあなたであることができるよう、この歌が届きますように…! ◆2nd full album『日々凛々』 2018年6月20日発売 [初回限定盤] TECG-30121 ¥2778+TAX [通常盤]  TECG-26122 ¥2407+TAX

    2018/04/26

  • ヒグチアイ
    あなたの生活にわたしのものがあるってことでしょ。
    あなたの生活にわたしのものがあるってことでしょ。

    ヒグチアイ

    あなたの生活にわたしのものがあるってことでしょ。

    「なにしてんの?」 「お風呂入ってるの」 「なら写真送ってよ」 「なにバカなこと言っちゃってんの」 「会いたいな」 「わたしも、会いたい」 大人になっても キラキラ恋してた 「猛暑です」/ヒグチアイ  シンガーソングライター・ヒグチアイが、7月5日にミニアルバム『猛暑です-e.p-』をリリースしました。まずタイトル曲は、LINEのやり取りから、イチャイチャ全開の二人の姿が伝わってきます。がしかし、実はこのカップル、歌詞の冒頭が温度のピークなのです。段々、心が冷えてゆく彼…。今や、iPhoneをひっくり返して、彼女からの電話さえ無視し続けている模様。しかし、彼女はそれでも<あたし悪い子だから 大切にされないのはしょうがない>なんて自分に言い聞かせて、恋の熱病に独り悶えております。 扇風機返してよ 返さなくたっていいよ 会えたらなんだっていいよ とりあえず話しがしたいよ 無視してる連絡は そのまま無視していいよ 30度超えたらもう猛暑です 猛暑です 君に会えないまま 猛暑です 猛暑です ハッピーエンドはドラマの中だけ 中だけ 「猛暑です」/ヒグチアイ  そんな二人を繋ぐ唯一のアイテムが、扇風機。二人は一緒に暮らしていたわけではなさそうなので、クーラーもない彼の部屋に、彼女が持っていって貸したものなのでしょう。本当は扇風機なんてどうでもいいけれど、それを返してもらうことを口実に、ただ会いたい、会いたい、会いたい…。思いが汗と共にジットリ“あたし”にまとわりつき、体も心も<猛暑>に苦しめられているのです。ただ、そのような苦しみがひと夏も続けば、人はちょっとおかしくなってしまうことだってありますよね。 「なにしてんの?」 「誰と一緒にいるの?」 「ねえ返事返してよ」 「あなたのことずっと想ってる」 「ああ会いたいなあ」 既読はつかない むしろ前より 全然 恋してる 「残暑です」/ヒグチアイ  この歌は、同じくミニアルバムの収録曲であり「猛暑です」の続編!彼女はすでにLINEをブロックされていることでしょう。もう彼は引っ越してしまい、住所すらわからない状態です。それなのに何故か<むしろ前より 全然 恋してる>のです。歌詞には“私”が<お揃いiPhoneケース>や<毛先の広がった青の歯ブラシ>をまだ大切にしている様子も描かれています。さらに彼が脱いだであろう<寝巻きのXLTシャツ>をそのまま保存しておこうともしていました(でも間違って洗濯してしまったとのこと…)。 いつもの三倍の電気代も痛い 人に言えないバイト こっそり始めたり 「残暑です」/ヒグチアイ  また、彼が結局<扇風機>を返してくれなかったせいで、彼女はクーラーを使う羽目になり、電気代は三倍。ついには<人に言えないバイト>まで始めたのです。でも“あなたのために”こうなったと思うことさえ、彼女にとっては“恋”なのかもしれません。だんだん電気代も、想いの値段に感じられてきました…。<猛暑>で心身ともに滅入ってしまった彼女は、もはや彼の抜け殻に恋をしているとも言えるのではないでしょうか。呼び名が<君>から<あなた>に変わっていることからも、彼女が好きなのはあの頃の“君”そのものではないように思えます。 たまの休みは友だちとランチ 口を揃えて「別れろ」絶対?絶対! だけどあなたのいいところ一番 知ってるのは私 絶対 間違いない 「残暑です」/ヒグチアイ 扇風機 返してよ 返さなくたっていいよ あなたの生活にわたしのものがあるってことでしょ いつまでも持っててね 夏には思い出して 30度続く九月 残暑です 残暑です あなたに会えないまま 残暑です 残暑です ハッピーエンドはあなたの中だけ 中だけ 「残暑です」/ヒグチアイ  しかし、どうして彼女はこんなにも彼にこだわるのでしょうか。なんせ相手は、友だちが口を揃えて「別れろ」と言うような男性だったようです。……だからこそ、なのかもしれません。彼の魅力を知っているのは自分だけ、わかってあげられるのは自分だけ。その「誰にもわからないよ!」という思いは、みんなに否定されればされるほど燃え上がるのではないでしょうか。そして彼女は、彼に対して失望することを、自ら拒むのです。  まだまだ<30度続く九月>のように熱病が治らない彼女。早く涼しい秋がやって来て、少しずつ回復することを願います。ちなみに、2017年の夏は、猛暑になり、残暑も厳しくなるんだとか。みなさまもどうか、いろんな意味の熱で、心身を壊されませぬように…! ◆紹介曲「 残暑です 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆ミニアルバム「猛暑ですe.p」  2017年7月5日発売 TECG-17119 ¥1,700(税込) 1:猛暑です – e.p ver - 2:夏のまぼろし 3:みなみかぜ 4:やわらかい仮面 5:ラジオ体操 6:妄想悩殺お手ガール 7:残暑です

    2017/07/10

  • ヒグチアイ
    汗が伝う太ももに、暑いよロングスカート…。
    汗が伝う太ももに、暑いよロングスカート…。

    ヒグチアイ

    汗が伝う太ももに、暑いよロングスカート…。

     11月29日は「11(いい)29(ふく)」の語呂合わせから<いい服の日>と呼ばれております。良い服とは何か、良い服を作るのに必要なものは何か、考える日なんだそう。生きていく上で欠かせない“洋服”には、着る人それぞれの記憶が染み込んでいるものですよね…。そこで今日のうたコラムでは、歌詞に登場する<服>がどんな物語を語ってくれるのかいろんなアーティストの楽曲をご紹介しようかと思ったのですが、とあるニューアルバムは、収録曲全11曲中7曲もの歌詞に“衣服”に関するワードが登場することに気がつきました。    それは、“ヒグチアイ”が11月23日にリリースしたメジャーアルバム『百六十度』です!彼女は、歌声とピアノで聴くものをスーッと惹き込み、生身の心をさらけだした歌詞を届ける鍵盤シンガーソングライター。尚、アルバムタイトルは、人間の視野が200度だということに由来しており、「その見えていない残りの160度を大切にしたい。」というヒグチアイの想いが込められております。そんな作品の収録曲の歌詞を読んでみると… 新しく買ってくれた服よりも あなたのほつれたセーターが好き 知らない街へ旅をするよりも 編み物するあなたの横が好き 「ぼくとおばあさん」/ヒグチアイ 慣れない服と席と匂い 大人びた彼の隣にいるのは背の高い綺麗な人 さっちゃんはね ずっと言えなかった 大好きです、と 言えなかった 「さっちゃん」/ヒグチアイ 帰ってきてよ なんて言えない 一人きりのこの部屋は しみついた君のにおい消えない 紛れてる 一つしかない君の靴下 「アイカギ」/ヒグチアイ  <ほつれたセーター>、<慣れない服>、<一つしかない君の靴下>、…いずれも忘れられない“記憶”と共にある衣服であることが伝わってきますね。さらに、「霙(みぞれ)」には<眩しい光に喪服が映えるわ>、<慣れないヒールで剥がれた絆創膏>というフレーズ。「ハダノアレ」には、<ローファーじゃ足りないよ 制服のスカート 折り込んで>、<想い続けることが大事 ラッキーアイテムは黄色いバンダナ>というフレーズ。「シンプル」には、<僕はいつも何かに迷っていた 朝着る服も食べるものも>というフレーズ。“ヒグチアイ”にとって、ファッションアイテムというのは歌詞を描く上での大切な一要素なのかもしれませんね! 「なにしてんの?」 「お風呂入ってるの」 「なら写真送ってよ」 「なにバカなこと言っちゃってんの」 「会いたいな」 「わたしも、会いたい」 大人になっても キラキラ恋してた エレベーターで こっそりキスをする 人に言えない 秘密の夜を 過ごしたり 別れたあとで すぐ電話しても しゃべりたりない ランラン恋してた 「猛暑です」/ヒグチアイ  また、大人のリアルな恋愛模様を描いたこの曲にも洋服が登場します。冒頭ではキラキラ、ドキドキ、ワクワク…恋しあう二人のやり取りにキュンキュンしてしまいますねぇ。さらに歌詞の中には<たまの休みは お弁当作って 卵焼きは甘いの シュウマイは絶対絶対 たまの出張は ご褒美みたい 二人好き同士なら 全然 恋のスパイス>なんて幸せな回想シーンも。しかし実はこのラブソング、そのまま“ハッピーエンド”には連れていってくれないのです…。 “12時過ぎてから何回も 電話してるけど繋がんない ひっくり返してる iPhoneを想像して胸ぎゅっとなる 扇風機返してよ 車で返しに来てよ エアコン高いよ 絶対 7月乗り越えたいよ 汗が伝う 太ももに 暑いよロングスカート 30度超えたらもう猛暑です 猛暑です ハッピーエンドはドラマの中だけ 中だけ” 「猛暑です」/ヒグチアイ “君を想ってたら ツンとする鼻の奥 こころがあるのかな 窓開けたら夏 お祭りだって行こう 約束指切った 扇風機返してよ 返さなくたっていいよ 会えたらなんだっていいよ とりあえず話しがしたいよ 無視してる連絡はそのまま無視していいよ 30度超えたらもう猛暑です 猛暑です 君に会えないまま 猛暑です 猛暑です ハッピーエンドはドラマの中だけ 中だけ” 「猛暑です」/ヒグチアイ  7月、本格的な夏がやって来る頃、彼の心は<あたし>から離れていってしまったのです。彼女の<扇風機>を借りたまま…。そして、エアコンもつけない部屋で、ただただ彼を想って、連絡を待ち続けている彼女が履いているのが<ロングスカート>。太ももに伝った汗はまるで涙のように、そのスカートへと染み込んでいくようにも感じられます。彼女は<扇風機>を口実に、彼と再び会えることを望んでおりますが、猛暑のような“恋心”が報われることはあるのでしょうか…。聴けば聴くほど、鼻の奥がツンとしてしまう切ない歌詞ですが…オススメの名曲です。    さて、ここまでご紹介した“衣服”に関するワードが登場する7曲に加え、「誰かの幸せは僕の不幸せ」、「衝動」、「恋人よ」、「備忘録」の全11曲が詰まった“ヒグチアイ”の『百六十度』。是非、1曲1曲じっくりと歌詞を味わいながら聴いてみてください…! ◆メジャーデビューアルバム「百六十度」 2016年11月23日発売 TECG-25116 ¥2,500 <収録曲> 1:誰かの幸せは僕の不幸せ 2:猛暑です 3:ぼくとおばあさん 4:さっちゃん 5:衝動 6:恋人よ 7:霙 (ヨミ:みぞれ) 8:ハダノアレ 9:アイカギ 10:シンプル 11:備忘録

    2016/11/29

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