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  • イチオシ!
    声にするべきは「さよなら」ではなく、「ありがとう」でした。
    声にするべきは「さよなら」ではなく、「ありがとう」でした。

    イチオシ!

    声にするべきは「さよなら」ではなく、「ありがとう」でした。

     今日のうたコラムでは2020年1月、第1回~第4回に分けて、作詞家・森月キャスさんによる【別れ】をテーマにした歌詞エッセイをお届けいたしましたが、このたび、その反響からアンコール回を掲載…!尚、 第1回 では、Do As Infinity。 第2回 では、X21。 第3回 では、AAA。 第4回 では、浪川大輔の楽曲にまつわるお話を綴っていただきました。    そして、アンコール回となる今回のテーマ曲は AAA「 涙のない世界 」 です。2020年12月31日をもって、活動休止することを発表したばかりの彼ら。そんなAAAの楽曲を数多く手がけてきた作詞家・森月キャスの今の想いも交えた、この歌詞エッセイを是非、受け取ってください…! ~アンコール回歌詞エッセイ:AAA~ 「さよなら。」で幕を閉じた全4回のコラムですが、こんなにも早く再会の機会を頂けたことをたいへん嬉しく思っています。 前回のコラムの執筆中にAAAから2020年12月31日を以って活動を休止すると発表がありました。個人的にファンであると同時に、作詞家としても多くの楽曲に携わらせて頂いていますので何も語らないままでは終われない。その想いを、AAA「 涙のない世界 」をピックアップしながら綴りたいと思います。 「涙のない世界」の作曲は日比野裕史さん、編曲はats-さん、清水武仁さん、渡辺徹さん。私を含め皆が所属するチーム(Blue Bird's Nest)のクリエイターで、想いを一つにして制作した作品です。 4回の連載コラムで私が伝えたこと。それは、 ・“君がいない未来”を想像することがどれだけ人を強くするか ・予め想像していたとしても、実際に別れることはとても辛い ・この主人公たちはやがて別れの時を迎えますが、決して泣いていない ・ずっと立ち止まっていても、願いは叶わない でした。 そう自分の言葉で綴っておきながら、裏腹に突然のAAAの発表に動揺する自分がいました。夕方の週刊誌のリーク記事がネットニュースとして上がり、ファンの皆さんと同じように誰にも確認出来ず不安な気持ちのまま、あの瞬間を迎えました。 活動休止なのだからと、どんなに心を納得させようとしても、来年も再来年もAAAの歌が聴きたい。ライブを観たい。それに、まだまだファンの皆さんに届けて欲しい歌詞がたくさんある。この想いをどこに仕舞えばいいんだろう。さながら、「涙のない世界」の主人公のように狼狽しました。 “涙のない世界があるのなら 今すぐに僕を導いて 君がいない未来で一人きり もう二度とめぐり逢えない愛を探してる” 作詞家は、実はとても無力で、どんなに伝えたいメッセージがあっても、それがどんなに素晴らしいものでも、それを歌にしてくれる曲がないと、それを歌ってくれるアーティストがいないと、虚無と同じなんです。 もしかしたら私達もファンの皆さんの想いと似ているところがあるのかもしれませんね。どんなに伝えたいメッセージがあっても、どんなに逢いたい想いがあっても、その機会を待つことしかできないのですから。 だからアーティストには感謝しかないんです。想いを伝える機会を与えてもらえた感謝の気持ちがライブでの熱狂になるんです。その機会がなくなることを想像すると、涙しかないと想ってしまう。 でも、彼らのクリエイティヴコーディネーターで私達を率いるクリエイターチームのプロデューサーは発表直後のツイッターでこうつぶやきました。 「今は作品に携わってきた音楽クリエイター共々、AAAが見せてくれている沢山の素晴らしい出来事の数々を思い出しながらこれまでの作品1曲1曲をただただ聴き返します」 我々ファンやクリエイターがすべきことは、悲しむことではなくて、想い出を胸に前に進み続けることだと思うんです。これまでリリースされた楽曲を聴けば、いつでもそばに感じられるのですから。 “I'll be there Forever 君をつつむ風のように” 再会は未来でしかできないのだから、立ち止まっていても仕方ない。歩き続ける先にこそ「涙のない世界」があると信じて。 最後に、前回のコラムの内容を一部修正させてください。 “もしも、大切な人を失ったり、夢や生き甲斐、今まで当たり前にあったものを無くして悲しんでいるのなら、無くしたものを数えるのではなく、精一杯のさよならを声にしてください。” と綴りましたが、声にするべきは「さよなら」ではなく、「ありがとう」でした。その感謝の気持ちを胸にファンの皆さんと一緒に11月からのツアーを目に焼きつけたいと思います。 これで本当に、私のコラムはおしまいです。 最後までお付き合い頂けた皆さんに心を込めて伝えます。 ありがとう。 <森月キャス> ◆Information 森月キャス所属 Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント) プロデューサーTwitterアカウントは コチラ ! 森月キャスや所属クリエイターの最新情報をお届け! ◆森月キャス 『言葉の達人』 登場回

    2020/02/04

  • イチオシ!
    そうだ、思い出した、この感じ初恋に似てる。
    そうだ、思い出した、この感じ初恋に似てる。

    イチオシ!

    そうだ、思い出した、この感じ初恋に似てる。

     今日のうたコラムでは、人気コーナー『言葉の達人』にもご登場いただいた作詞家・鈴木まなかさんによる歌詞エッセイを第1弾~第3弾に分けてお届けいたします。2011年、17歳にして作曲家としてメジャーデビュー。わーすた、こんどうようぢのサウンドプロデューサーを担当し、SUPER☆GiRLS、私立恵比寿中学などの作詞も手がけている彼女。    そんな鈴木まなかさんが、歌詞エッセイの第1弾で綴ってくださったのは、2020年2月3日にソーシャルアイドル“notall”がリリースした新曲「 2度目のハツコイは存在した 」にまつわるお話。作詞作曲を手がけた彼女が、この歌を作り上げた背景、描いた主人公像とは…。みなさんにも、経験を重ね、大人になったからこその気づきって、ありませんか? 是非、じっくりとご堪能ください。 ~歌詞エッセイ第1弾「2度目のハツコイは存在した」~ 私は今年で25歳になる。幼少期の夢はピアニストなること。その仕事を断念してからも、ピアノを趣味程度ではあるが弾いたり、気持ちをメロディーにのせて、作詞・作曲をしたりするのも好きだった。 今まで、人並みに恋もしてきたし、かれこれ8年以上、今の仕事を辞めることなく続けている。ハタチを過ぎた頃は、たまにあるお酒での失敗や、職場で幾度となく怒られるような時期を乗り越えて、休日はのんびり親友とカフェに行き、夜になれば恋人と家で夕飯を食べるのが日課。そんな、ごくごく普通の女の子。 だけど、いつからだろう、、、あんなに大好きだったピアノと向き合う事もなく、ただ同じ日々を繰り返している。何に左右されることもなく淡々と進めていくカレンダーは、気持ち良くて、でもちょっとだけ切ない。 考えてみれば、仕事で怒られることや謝ることは、何度も経験をしたから慣れきっていたし、好きな人ができてデートをすることも、誰かに褒めてもらうことさえも慣れて、心を突き動かされる出来事はもう何年も全くと言っても良い程になくなっていた。 「同時に強さを手に入れたし、これが大人になるってこと」 ー 当たり前にそう感じていた私の平凡ないつも通りの恋に、ある日突然不思議な気持ちが芽生えたー 深夜3時。右から聞こえる大きなイビキで目が覚める。間接照明が暗めのオレンジで照らす8帖の寝室。よく見ると口をうっすらと半開きにして寝ている。 「今日はいつもより疲れてるのかな?」そんな事を考えながら、普通に聞いたら煩わしい音と、いつにも増して少し間抜けな寝顔を眺めていたら、彼は眠りながら私の指を優しく握った。 その時、私は心臓を握られているような、少しチクッとするような、くすぐったいような、不思議な感覚に襲われた。そして理由もわからず、ちょっとだけ溢れてきた涙を親指で軽く拭っていた。 本当に突然だった。その瞬間から、当たり前だったはずの景色全てが特別に映るようになった。 まるで遥か昔初めて見た虹を、同じ場所から見たみたいに。むしろ今のほうがあの時見た虹よりも、何倍も儚くて綺麗に思えた。…そうだ、思い出した、この感じ初恋に似てる。 だけど、初恋とは何かが違う。だって何度キスを重ねても慣れることがない。それどころか数を重ねる度に愛おしさが増していく。この歳にして、こんなにも些細な事で嬉しくなったり、心配になる、そんな自分に戸惑った。 今までは耳にも留めなかったラブ・ソングも、毎日通る道の隅に咲く小さな花も、いつだって見上げれば光っている星も、きっと何万回も呼ばれてきたはずの私の名前も、涙が出そうなほどに美しくなった。 あなたは“優しく握る指の温度”それだけで、私のセカイを変えた。 「きっと、これは2度目のハツコイ…」 この想いを忘れたくない。私は数年ぶりにピアノと向き合い、音楽を作った。 <鈴木まなか> ◆紹介曲「 2度目のハツコイは存在した 」/notall 作詞:鈴木まなか 作曲:鈴木まなか・馬場遼太郎 ★鈴木まなか 『言葉の達人』登場回

    2020/02/03

  • イチオシ!
    さよならの後にこそ、本当の愛が見つかるのかもしれません。
    さよならの後にこそ、本当の愛が見つかるのかもしれません。

    イチオシ!

    さよならの後にこそ、本当の愛が見つかるのかもしれません。

     今日のうたコラムでは、作詞家・森月キャスさんによるスペシャル歌詞エッセイを第1回~第4回に分けてお届けいたします。Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、クリス・ハート、浪川大輔、水樹奈々、X21、Do As Infinity、など様々なジャンルのアーティストに歌詞を提供。さらに、自身が手掛けた楽曲は、これまで『日本レコード大賞』で4回の優秀作品賞を受賞。    そんな目覚ましい活躍を見せる森月キャスさんが、今回の歌詞エッセイ連載のテーマに掲げたのは【別れ】です。 第1回 では、Do As Infinity。 第2回 では、X21。 第3回 では、AAA。そして最終回では、浪川大輔の楽曲について執筆。今回はついにその最終回、浪川大輔の楽曲「Say good-bye」にまつわるお話を綴っていただきました。是非、あなたの人生における【別れ】を頭に浮かべながら、最後までご堪能ください…! ~最終回歌詞エッセイ:浪川大輔~ 時代は平成から令和に変わり、西暦は2020年を迎えました。誰もが「出逢い」に期待する今、敢えて「別れ」について想いを綴るこの連載コラム。第1回、第2回、第3回と経て、連載最後となる第4回はこれまでの連載を次に繋げる意味も込めて、自分にとっての「別れの意味」をテーマに、浪川大輔「 Say good-bye 」をご紹介します。 浪川さんとの最初の出逢いは2枚目のミニアルバム『ROOTERS』に収録された「 Only Love 」と「 Oh My Friend 」でした。ミニアルバム自体のコンセプトが「応援」だったので、この2曲も応援歌になっていますが、浪川さんの人柄とも重なり、聴く人の背中を押してくれる素敵な作品になりました。 その後、関わることができた「 UTAO 」でも応援歌のスタイルを引き継ぎ、個人的にも傑作と言える作品に出逢わせて頂きました。この「UTAO」はライブでも何度も歌ってもらえて、大変盛り上がり、愛される楽曲に育てて頂けました。 浪川さんのライブはファン想いの彼と、彼のことが大好きな温かいファンとの絆がとても素敵で、一度ライブを拝見してからは、その後の楽曲制作でどうしてもその絆を無視できなくなりました。 今回ピックアップする「Say good-bye」も、日常的なエピソードに終始していながらも、やはりライブで歌われることを意識して書きました。作曲は、私も所属するチーム(Blue Bird's Nest(旧tearbridge production))のクリエイター、夏海さん。歌詞は、楽しいことが終わってしまうことの寂しさがテーマです。 “Say good-bye Say good-bye 大きな声で 悲しい言葉にならないように せいいっぱい せいいっぱい 明るい笑顔のまま言うよ サヨナラじゃなく また逢う為のpromise” 「Say good-bye」と「せいいっぱい」という似た音の言葉を並べたのはあざとい小技ですね。別れの言葉は切ないけれど、ちゃんと伝えるべきなのかもしれません。心に、一つの区切りをつけることで初めて、次が始まると思います。だからサヨナラは、また逢う為の約束なんですね。 “もしも叶うなら このまま瞬間(とき)を止めたいけど 出逢いと別れの奇跡の中で めぐり逢えた僕らだから” 「出逢い」があれば必ず「別れ」がある。そして、「別れ」があるから「出逢い」もあるんですね。楽しい時間が終わってほしくないからと、ずっと立ち止まっていても、願いは叶わないし、次の出逢いもやってきません。 もしも、大切な人を失ったり、夢や生き甲斐、今まで当たり前にあったものを無くして悲しんでいるのなら、無くしたものを数えるのではなく、精一杯のさよならを声にしてください。さよならの後にこそ、本当の愛が見つかるのかもしれません。 あなたには、大切な人がいますか? 今日、その人を大切にしましたか? その人がいない未来を想像できますか? ちゃんと、さよならを言えますか? 全4回のこのコラムもこれでおしまいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。それでは、またどこかで。さよなら。 <森月キャス> ◆Information 森月キャス所属 Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント) プロデューサーTwitterアカウントは コチラ ! 森月キャスや所属クリエイターの最新情報をお届け! ◆森月キャス 『言葉の達人』 登場回

    2020/01/20

  • イチオシ!
    恋愛対象の人に対しての曲はすべて漢字の<貴方>にしています。
    恋愛対象の人に対しての曲はすべて漢字の<貴方>にしています。

    イチオシ!

    恋愛対象の人に対しての曲はすべて漢字の<貴方>にしています。

    「僕は君が好き」 「私は貴方が好き」 「俺はお前が好き」 「僕はあなたが好き」 「わたしはあなたが好き」  英語にすれば「I LOVE YOU」で済むのに、日本語だといくつもパターンが思い浮かぶこの言葉。ただ「I」と「YOU」の表記を変えるだけでも、だいぶ印象が違いますよね。たとえば「僕は君が好き」と綴ると、中性的であり、男性目線でも女性目線でも捉えやすい気がします。また、相手の表記が「あなた」になると年上の方や両親を対象にしても違和感がありません。さらに「貴方」だと、より“敬意”が含まれるのではないでしょうか。  「わたしはあなたが好き」なら、どこか柔らかい印象。「俺はお前が好き」なら、主人公の男らしさが強調される。このように、表記ひとつで伝わるものが変わってくるからこそ、アーティストたちは“歌詞”を書く際、人称にもこだわりを持つのです。さて、今日のうたコラムでは【前編】【中編】【後編】に分け、過去のインタビューをもとに 『人称にまつわるこだわり』 の回答をご紹介いたします!今回は【後編】をお届け…! <大塚愛> みなさんに「 さくらんぼ 」を歌っていただくとき、こんなにひらがなでちゃんと<あたし>と表記しているのに“わたしさくらんぼ~♪”と歌う方が本当に多いんです!でも<わたし>と<あたし>ではまったく違うんですよ。 <わたし>って、もうちょっと年齢が高いというか、地に足がついているイメージなんですね。ちゃんとしているんですよ。一方で「さくらんぼ」は爆進力が大切なので、若いエネルギッシュな強さがある<あたし>じゃないと絶対にダメなんです!<わたし>じゃダメなんです!ここ、見出しに書いておいてください(笑)。 <米津玄師> (女性目線の楽曲について) ただひたすら「あたし」って歌いたいと思う瞬間があって。コードやメロディーを作っている段階で「あ、これは女の子の曲だな」と思って、必然的に女性目線の歌詞になっていきます。 イラストでも、単純に女の子のほうが描いていて楽しいんですよね(笑)。やっぱり美しいなぁと思うし。だからそういう自分にないものを補完するために、女の子の目線で歌ったりするのかもしれないですね。 <GLIM SPANKY・松尾レミ> 私は、歌の主人公の性別をすごく考えるんですけど、どちらでも捉えられる<僕>っていう言葉をよく使うようにしています。まぁ男の子が使うものだけれど、女の子が使っても違和感がないし、中性的なので。そういう表現をしたいなと思っています。逆に<俺>とかは使ったことない。自分のものにできないので。そういう言葉は使わないですね。 <スキマスイッチ・常田真太郎> (楽曲「 未来花(ミライカ) 」はスキマスイッチには珍しい<あなた>という表記を使っている) まさにそう気づいてほしかったというか、聴いたひとに「どうして<あなた>なんだろうって考えてほしいという想いを込めたところがあります。あとやっぱり<君>よりも<あなた>のほうが、いろんな対象のひとに当てはまるので、広く取ってもらえるかなという話もしました。自分にとっての<あなた>が誰に当てはまるかなって思い浮かべてほしいんですよね。 <スキマスイッチ・大橋卓弥> 歌詞の人称に関しては、女性ボーカルが羨ましいなぁって思うことのひとつなんですよ。女性の方は<僕>って歌っても<君>って歌っても、響きが良い気がするんですよ。だけど男性ボーカルが自分のことを<私>っていうのは難しいなって。それと同じでやっぱり<あなた>も普段とは違う想いが乗っからないとなかなか歌えない。歌い手としてすごく意識します。 だからこそ僕が<あなた>って言葉を歌っているところに、気づいてもらえたら、心に引っかかってもらえたら、曲としてすごく正解だったなと思いますね。たとえば、女性が男性に急に「お前さぁ」って言われたときにドキッ!とするような感覚というか(笑)。それはなんか歌にも通じるんじゃないかなぁと思って。そういうところはポエムとはまた違う、音楽の面白いところだなぁと感じますね。 <阿部真央> 私は好きになった人をかなり敬っちゃうので、今でも恋愛対象の人に対しての曲はすべて漢字の<貴方>にしています。あと、たとえば「 まだ僕は生きてる 」では<貴女>と“女性”を意味する表記にしているんですね。それは私の母親のことなんです。さらにこの曲にはひらがなの<あなた>も出てきて、それはファンの方たち。 そういう、誰に向かって歌っているかの住み分けは、自分のなかでこだわっていて。なんか私は…貴方、貴女、あなた、ずっと特定の誰かに向けて歌ってきたんですよね。だからあまり「私が!私が!」っていう内容の歌詞はないかもしれない。他にも<YOU>とか<あいつ>とか<あんた>とか<お前>とか、相手を呼ぶ言葉が非常に多い気がします。  今、聴いている曲は<私>なのか<わたし>なのか<あたし>なのか。<あなた>なのか<貴方>なのか<貴女>なのか<貴男>なのか。それは歌詞を文字で読んでこそわかるお楽しみです。是非、いろんな人称にも注目しながら、また、深読みしなら、その歌をご堪能ください。聴くだけでは気づけなかった、新たな発見があるかもしれません…! 【前編は こちら! 】 【中編は こちら! 】

    2020/01/17

  • イチオシ!
    ひらがなの<わたし>っていうのは、子どもだ!と思って。
    ひらがなの<わたし>っていうのは、子どもだ!と思って。

    イチオシ!

    ひらがなの<わたし>っていうのは、子どもだ!と思って。

    「僕は君が好き」 「私は貴方が好き」 「俺はお前が好き」 「僕はあなたが好き」 「わたしはあなたが好き」  英語にすれば「I LOVE YOU」で済むのに、日本語だといくつもパターンが思い浮かぶこの言葉。ただ「I」と「YOU」の表記を変えるだけでも、だいぶ印象が違いますよね。たとえば「僕は君が好き」と綴ると、中性的であり、男性目線でも女性目線でも捉えやすい気がします。また、相手の表記が「あなた」になると年上の方や両親を対象にしても違和感がありません。さらに「貴方」だと、より“敬意”が含まれるのではないでしょうか。  「わたしはあなたが好き」なら、どこか柔らかい印象。「俺はお前が好き」なら、主人公の男らしさが強調される。このように、表記ひとつで伝わるものが変わってくるからこそ、アーティストたちは“歌詞”を書く際、人称にもこだわりを持つのです。さて、今日のうたコラムでは【前編】【中編】【後編】に分け、過去のインタビューをもとに 『人称にまつわるこだわり』 の回答をご紹介いたします!今回は【中編】をお届け…! <I Don't Like Mondays.・YU> (3rd Singleの収録曲「 TONIGHT 」「 LIFE 」「 SING (electric version) 」は、それぞれ“あなた”の表記の仕方が異なる) これは雰囲気なんですけど、「TONIGHT」は曲が明るくてアップテンポなので、漢字の<貴方>が耐えうるというか、逆にロマンチックだと思ったんです。 でも「LIFE」はどちらかというと曲が壮大でお堅いから、ここで<貴方>だと重すぎるかなぁと。聴きながら歌詞を読んでもらったときにスッと入ってくる表記にしたくて<あなた>とひらがなにしました。そういう表記の仕方をすごく考えながら言葉を選んでいますね。文字の並びが綺麗じゃないと僕の美的センスにそぐわないんです(笑)。 <MACO> ちょっと前まで、<君>は“まだ実っていない片想い”のときに使って、自分の恋人とか本当に大切な相手には<あなた>を使う、とか決めていましたね。でもそういえば最近はその縛りがなくなってきたような気がします。 逆に、今はなんか<あなた>のほうが、まだよそよそしい関係に感じます。恋人にしては重たい呼び方というか。もしかしたら、付き合って大切なひとほど、距離感が近くて<君>ってサラッと言えるような曲が増えているのかもしれないですね。 <go!go!vanillas・牧達弥> (楽曲「 バイリンガール 」は、相手をAメロでは<あなた>と、サビでは<お前>と呼んでいる女性目線のラブソング) その表記の違いも重要で、僕は“普遍性”がある音楽やメッセージ、言葉の使い方を大切にするんですけど、今のひとたちに響かなきゃ意味がないから、うまく混ぜ合わせようと思ったんです。 現代は、どんどん女性が主張できるようになってきたというか、立場としても強くなってきたんじゃないかなぁと。(中略) たとえば、フラれたりしたときもメソメソするんじゃなくて「あー!このやろー!」ってイラつくと思うんですよ。それをまたガールズトークにぶつけたり、そういうのが面白いし、めっちゃロックやなぁ!って感じます。 だから、悲しみを自分の中に閉じ込めて、独りで苦しむんじゃなくて、仲間内でもいいからちゃんとそれを1回吐き出して、前に進んでいる感覚を表現したかったんです。<あなた>から<お前>に変わっていくところは、自分でも歌っていて痛快だったりします。 <赤い公園・津野米咲> 歌詞を眺めていて思ったんですけど、2曲(「 闇夜に提灯 」と「 放蕩 」)とも間違いなく私は“女性”の気持ちで書いているんですよ。津野米咲として書いているんです。でも、歌の主人公を“男性”の<僕>にしたほうが、素直に書ける部分がある。より実際の自分の女性としての気持ちを落とし込めるような気がするんです。 …シャイだからですかね(笑)。あと異性の気持ちはわからないから。男性になったことがないからこそ、身勝手に自由に書けるのかもしれないです。(中略) でも「 放蕩 」は、女性の気持ちを<僕>として書いているんですけど、実際に曲の主人公を女性にして、男性へ向けて歌ったらだいぶ意味合いが違ってきますよね。浮気しても良いよ…みたいな。だから“男性目線”っていうのは、なるべくしてなる形なんだろうなぁと思います。 <ハジ→> (<お前>と<君>の使い分けについて) 歌の世界観とキャラ設定によるけど、たとえば「 for YOU。 」で<僕についてこい>だと、ちょっとナヨナヨした感じになりますよね(笑)。だから絶対にここは<俺>なんですよ。とくにこの歌は“俺”と“お前”って言い合える二人の絆を意識して書いたんです。でも女子は結構「男性にお前って言われたくない」とか「何様だ!」って思う子も多いみたいで。 普段、ケンカしたときくらいしか“お前”なんて言わないもんね。だからこの歌にも「“お前”って言葉がイヤだ」という意見をかなりいただいて、たしかになぁ…って考えました。でも俺は「for YOU。」をこのままの形で愛しているし、それなら<お前>でイヤな気持ちになるひとにも寄り添いたいと思って「 君と。 」って歌を書きました。フレーズとかも<愛してる>じゃなくて<愛させてくれよ>って柔らかい言葉を選んだりして。 <吉澤嘉代子> 今までは大体、ひらがなで<わたし>にしていたんですよ。ちょっとレトロな曲だと漢字にすることもあったんですけど。でも実は、三枚目のアルバムを作ったあとからは全て漢字の<私>なんです。決めたんです。自分のなかで。 ひらがなの<わたし>っていうのは、子どもだ!と思って。これからは大人として漢字でいこうって。初めて言いましたけど、これは覚悟の<私>なんです。だから「 残ってる 」でも漢字にしているんですよね。やっぱり文字の表記は好きだなぁと思います。 【後編に続く!】 【前編は こちら! 】

    2020/01/16

  • イチオシ!
    <私(あたし)>じゃなくて<私(わたし)>と歌うところも自分の特徴。
    <私(あたし)>じゃなくて<私(わたし)>と歌うところも自分の特徴。

    イチオシ!

    <私(あたし)>じゃなくて<私(わたし)>と歌うところも自分の特徴。

    「僕は君が好き」 「私は貴方が好き」 「俺はお前が好き」 「僕はあなたが好き」 「わたしはあなたが好き」  英語にすれば「I LOVE YOU」で済むのに、日本語だといくつもパターンが思い浮かぶこの言葉。ただ「I」と「YOU」の表記を変えるだけでも、だいぶ印象が違いますよね。たとえば「僕は君が好き」と綴ると、中性的であり、男性目線でも女性目線でも捉えやすい気がします。また、相手の表記が「あなた」になると年上の方や両親を対象にしても違和感がありません。さらに「貴方」だと、より“敬意”が含まれるのではないでしょうか。  「わたしはあなたが好き」なら、どこか柔らかい印象。「俺はお前が好き」なら、主人公の男らしさが強調される。このように、表記ひとつで伝わるものが変わってくるからこそ、アーティストたちは“歌詞”を書く際、人称にもこだわりを持つのです。さて、今日のうたコラムでは【前編】【中編】【後編】に分け、過去のインタビューをもとに 『人称にまつわるこだわり』 の回答をご紹介いたします!今回は【前編】をお届け…! <緑黄色社会・長屋晴子> 基本的には<私>という主人公が多いんですけど、無意識のうちに、男子メンバーが作ってくる曲には<僕>ってハメがち。あとは<私(あたし)>じゃなくて<私(わたし)>と歌うところも自分の特徴かもしれないです。 たとえばaikoさんだったら<あたし>が多いじゃないですか。でも私の場合はなぜか<わたし>なんですよね。なんでだろう…多分、やっぱりネガティブな歌詞が多いから(笑)。その感情に合う一人称は<わたし>なんだろうなと思っています。 <reGretGirl・平部雅洋> (楽曲「 テレフォン 」には、reGretGirlには珍しく一人称も二人称も綴られてない) その理由のひとつとしては、そうすることで聴くひとが男性でも女性でもより共感しやすいし、どんな立場でも聴けるかなと思って挑戦してみました。あと、もうひとつ僕の実体験に基づく理由があるんですけど…それは内緒で(笑)。なのでこの歌詞の詳細についてはあまり語らず、みなさんのご想像にお任せしたいと思います。 <ちゃんみな> 私は曲を書くときに“友達”だったり“もう別れてしまったひと”に対しては<君>というワードを使うんですね。そして“愛しているひと”とか“付き合っているひと”に対しては<あなた>なんですよ。で、「 Never Grow Up 」は前半では<あなた>と呼んでいるんですけど、後半ではわざと<君>と呼んでいるんです。なんとかこの恋から抜け出そうとしているんですよね。 (中略) ちなみに<君>は“まだ付き合っていないひと”にも使います。それこそ「 Call 」とか。だから今、結構<君>って使っている曲は多めだと思います。逆に、もし<あなた>って呼んでいる曲が急に増えてきたら「あ、彼氏ができたんだな」って思ってください(笑)。 <まるりとりゅうが・Ryuga> 男女2人組ユニットで、曲を作る身として最初に困ったのは、一人称をどこに置けばわからないってところでしたね。男性を主人公にして<僕>として歌詞を書いても、MaRuRiと交互に歌うわけだから、聴いている方からしたら「男女どっちの心情を歌っているの?」ってなったりするんじゃないかな、とか。でも<私>にすると、僕が歌うには女々しくなりすぎてしまうんじゃないかな、とか。そういう歌詞面でも男女って難しいなって。 (そんななか、楽曲「 曖情 」は、女性側の一人称が<私>、男性側の一人称が<俺>となっている掛け合いソング) 今までまるりとりゅうがは<僕>という一人称を二人で共有しながら歌うことが多かったんですけど、「曖情」では“男女の言い合い”というところに特化して。だからMaRuRiの歌っているところは、僕は歌わない。お互いのパートではハモらないようにしたんです。そして最後の最後だけは、まるりとりゅうがらしいハモりを入れました。 <井上苑子> (アルバム『白と色イロ』の歌詞について) 「 はなたば 」と「 くれたもの 」の2曲はとくに難しかったですね。というのも、これはどちらも自分の親に向けて書いた歌詞なんです。だから<君>じゃなくて<あなた>だったりするんですよ。だけどあからさまにそうだとわかる言葉を使っちゃうのもどうなんだろうと思って。 聴く人によって親友とか尊敬できる彼氏とか、ちょっと自分より何かが優っている誰かを思い浮かべながら聴いてほしいので。でも親への感謝が込められている曲なんだとわかってほしい気持ちもあって、そのバランスが難しかったです。 【中編に続く!】

    2020/01/15

  • イチオシ!
    この主人公たちはやがて別れの時を迎えますが、決して泣いていない。
    この主人公たちはやがて別れの時を迎えますが、決して泣いていない。

    イチオシ!

    この主人公たちはやがて別れの時を迎えますが、決して泣いていない。

     今日のうたコラムでは、作詞家・森月キャスさんによるスペシャル歌詞エッセイを第1回~第4回に分けてお届けいたします。Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、クリス・ハート、浪川大輔、水樹奈々、X21、Do As Infinity、など様々なジャンルのアーティストに歌詞を提供。さらに、自身が手掛けた楽曲は、これまで『日本レコード大賞』で4回の優秀作品賞を受賞。    そんな目覚ましい活躍を見せる森月キャスさんが、今回の歌詞エッセイ連載のテーマに掲げたのは【別れ】です。 第1回 では、Do As Infinity。 第2回 では、X21。第3回では、AAA。そして最終回では、浪川大輔の楽曲について執筆。今回はその第3回、AAAの楽曲「さよならの前に」にまつわるお話を綴っていただきました。是非、あなたの人生における【別れ】を頭に浮かべながら、最後までご堪能ください…! ~第3回歌詞エッセイ:AAA~ 時代は平成から令和に変わり、西暦は2020年を迎えました。誰もが「出逢い」に期待する今、敢えて「別れ」について想いを綴るこの連載コラム。第1回、第2回に続き、第3回となる今回は、大切な人との「別れの時」を感じ、迫り来る「その瞬間」をテーマに、AAA「 さよならの前に 」をご紹介させて頂きます。 24枚目のシングル「 逢いたい理由 」で初めて関わることができたAAAですが、他にも「 サヨナラの行方 」「 Thank you 」「 風に薫る夏の記憶 」などたくさんの歌詞を歌って頂けていました。 個人的にも大好きなアーティストですし、世間的にも前年リリースの「恋音と雨空」がヒットし波に乗っているタイミングで表題曲の提供が叶った作品が「さよならの前に」でした。ファンの方から「AAAを初めて知った曲」として挙げられることも多く、とても有難く、作詞家冥利に尽きる想いにさせてくれる作品です。 作曲は丸山真由子さん、編曲は清水武仁さん。共に、私も所属するチーム(Blue Bird's Nest(旧tearbridge production))のクリエイターです。 AAAの楽曲は、シングル「Break Down/Break your name/Summer Revolution」からはBlue Bird's Nest(旧tearbridge production)がクリエイティヴコーディネートを行っていて、その流れもありうちのチームのクリエイターの多くが関わっているのですが、「さよならの前に」もチーム一丸となって制作することができた作品の一つです。 メンバーから、「さよならをテーマに」とリクエストをいただいて書いたのですが、せっかくAAAが歌うのだから単なる失恋ソングではなく、もっと深い、大きなテーマを込めたい、しかし、シングル曲として重たすぎても良くない、と大変苦慮しました。 大切な人との「別れの時」が迫る瞬間、人は何を想うのでしょうか。それまでが幸せであればあるほど、別れが辛く感じることでしょう。重ねた日々を後悔する人もいるかもしれません。愛情が裏返り憎悪に変わる人もいるかもしれません。 “終わりが怖いなら始めなければいい” 時々耳にする言葉です。どうせダメだからと高をくくり挑戦を止めてしまう、失敗の経験の多い大人の人にありがちな傾向ですが、最近では若い人も、この考え方をする方が多いようです。 ですが、この歌詞の主人公は違いました。 “終わりが怖いなら始めなければいいと 出逢う前の僕らなら信じてたね 疑いもせずに” 愛し合えたことが幸せなことだと、たとえ別れを迎えるとしても出逢えてよかったと、想えるようになったんですね。この主人公たちはやがて別れの時を迎えますが、決して泣いていない。涙を流してはいるかもしれませんが、笑顔なんです。 “君にさよなら 告げるため僕ら あんなに愛し合ったのかな これが二人の結末と知っても 好きだよって君に伝えたい 君にさよなら 告げるまででいい 誰より傍(そば)にいて欲しい そんな二人の結末を知っても 出逢えてよかったと想い合えるまで” 考えるまでもなく、有限の時間を生きる我々は、どんなに愛し合っていてもいつか別れの時が来ます。だからこそ、出逢ってから別れるまでの時間が大切なんですね。別れすらも超越するほどの愛情、見つけたいものです。 あなたには、大切な人がいますか? 今日、その人を大切にしましたか? その人がいない未来を想像できますか? <森月キャス> 【第4回「浪川大輔」編の更新は1月20日(月)です!】 ◆Information 森月キャス所属 Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント) プロデューサーTwitterアカウントは コチラ ! 森月キャスや所属クリエイターの最新情報をお届け! ◆森月キャス 『言葉の達人』 登場回

    2020/01/14

  • イチオシ!
    解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。
    解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。

    イチオシ!

    解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。

     今日のうたコラムでは、作詞家・森月キャスさんによるスペシャル歌詞エッセイを第1回~第4回に分けてお届けいたします。Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、クリス・ハート、浪川大輔、水樹奈々、X21、Do As Infinity、など様々なジャンルのアーティストに歌詞を提供。さらに、自身が手掛けた楽曲は、これまで『日本レコード大賞』で4回の優秀作品賞を受賞。    そんな目覚ましい活躍を見せる森月キャスさんが、今回の歌詞エッセイ連載のテーマに掲げたのは【別れ】です。 第1回 では、Do As Infinity。第2回では、X21。第3回では、AAA。そして最終回では、浪川大輔の楽曲について執筆。今回はその第2回、X21の楽曲「デスティニー」にまつわるお話を綴っていただきました。是非、あなたの人生における【別れ】を頭に浮かべながら、最後までご堪能ください…! ~第2回歌詞エッセイ:X21~ 時代は平成から令和に変わり、西暦は2020年を迎えました。誰もが「出逢い」に期待する今、敢えて「別れ」について想いを綴るこの連載コラム。第1回から引き続き、第2回となる今回は、大切な人と積み上げていく「日常」、「時間」をテーマに、X21「 デスティニー 」をご紹介させて頂きます。 X21は、デビューした2014年からずっと注目していたアイドルグループで、アルバム『少女X』に収録された「 席替えウィンク 」「 ツラくないよ 」で初めて関わることができました。 12枚目のシングル「デスティニー」の作曲は大西克巳さん、編曲は日比野裕史さん、渡辺徹さんで、皆、私も所属するチーム(Blue Bird's Nest(旧tearbridge production))のクリエイターです。チーム一丸となって制作されたこの楽曲は、私にとってX21への単独名義での表題曲提供が叶った最初の作品でした。と同時に、彼女たちの最後のシングル曲でもあります。 解散を意識して制作されたわけではありませんが、ディレクターを含め、皆の熱い想い、強いこだわりが込められた作品です。作品制作の熱量に関しては以前avex management Webにて連載された こちら をご覧頂ければ伝わると思います。 第1回でご紹介したDo As Infinityも解散を経験しているバンドです。バンドやアイドル、アーティストの解散は、応援してきたファンにとっては、恋人にさよならを告げられることに等しいと思います。場合によっては恋人以上の、人生を捧げたい存在になっていたかもしれません。その喪失感は計り知れないものでしょう。 ただ、解散や卒業、引退をしないでずっと活動し続けられるアーティストの方が少ないと思うんです。多くの方がこれらを経験し、第二の人生、その後の活動をしていくのでしょうし、引き続き応援するファンの方もたくさんいることと思います。解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。 “Good Chance この瞬間が Get a Chance デスティニーだから 願うことで 未来はいくらでも変わる” 信じたくない現実に直面した時に、「これが運命なのか」とネガティブな諦めの言葉として使うことも多い「運命~デスティニー~」ですが、どんな運命が待っていようとも、ただの挫折や悲しみとして終わらせるのではなく、次へのスタートの切っ掛けや新たなチャンスとして未来へ繋げて欲しい、そんな願いを歌詞に込めました。 「あなたには、大切な人がいますか?」という言葉を前回の最後に投げかけましたが、「大切な人」って、いつどこからそう感じるんでしょうか。 会社の同僚、学校の友達、チームの仲間、そこには様々な個性が存在し、それらがぶつかり合い、すべてを理解できるわけではない。 「大切な人」とは、ただ単純に「好き」と同じ意味ではないと思うんです。むしろ嫌いな人、見返したい人も、大切な人なのかもしれない。ライバルは当然、競い合い、高め合える大切な人でしょうし、足手まといなほど守らなければいけない弱い存在も大切に想うことでしょう。 人生という限られた時間の中にたくさんの出逢いがあり、ありふれた日常の中に運命の瞬間がある。大切な人が一人もいない人なんていないのかもしれませんね。 “驚かせたい君が待ってること 喜ばせたいあなたを想うこと 見返したいあの人の存在も ぜんぶぜんぶかけがえない 新たな希望へのデスティニー” X21は華やかなアイドルグループでした。ですが、ステージ上のキラキラした彼女たちだけでなく、陰で努力する姿や悔し涙のキラキラを想像すれば、ただの健気な少女に他なりません。 努力の日々を重ねる中で出逢えたたくさんの大切な人たち。その人たちとの時間をどれほど大切にしてきたか、彼女たちの楽曲をリリース順に聴き直せば、その努力による変化が感じられることでしょう。 予め想像していたとしても、実際に別れることはとても辛い。だからこそ、一緒にいられる時間を大切にしたいですね。 あなたには、大切な人がいますか? 今日、その人を大切にしましたか? <森月キャス> 【第3回「AAA」編の更新は1月14日(火)です!】 ◆Information 森月キャス所属 Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント) プロデューサーTwitterアカウントは コチラ ! 森月キャスや所属クリエイターの最新情報をお届け! ◆森月キャス 『言葉の達人』 登場回

    2020/01/10

  • イチオシ!
    君のデニムの青が、褪せてゆくほど、味わい増すように。
    君のデニムの青が、褪せてゆくほど、味わい増すように。

    イチオシ!

    君のデニムの青が、褪せてゆくほど、味わい増すように。

    その子二十櫛になるがるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな (与謝野晶子『みだれ髪』より)  そのひとは今、まさに二十歳。櫛(くし)にとくと流れるように揺らぐ黒髪を持つ、誇りに満ちた青春のなんと美しいことよ。そんな意味を持つ、有名な短歌をご紹介いたしました。さて、来たる2020年1月13日は、令和最初の【成人の日】ですね。大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする新成人の皆さんを祝い励ますための人生の節目の日。  二十歳とは、短歌にもあるように、瑞々しく、誇り高く、美しい年齢だと思います。しかし同時に、大人のスタートラインに立ったからこその漠然とした不安や、具体的な悩みも多くなってくることでしょう。なかには「何をしたいのかわからない」という方もいらっしゃるはず。そこで今日のうたコラムでは、そんな新成人のみなさんにイチオシの楽曲たちをピックアップいたします…!今の気持ちにピッタリな歌詞に出逢えますように。 ~【まだ大人になりたくないあなたへ】~ 夢のない街で夢を見ずにいられない yeah 誰が笑っても 守ってあげるよ あこがれやその夢を yeah 君のきれいな気持ちが僕の勇気さ Innocent Wars 20歳(はたち)を過ぎてる大人は信じないさ yeah 天使の消えた世界を君と生きよう 「 イノセント・ウォーズ 」/KinKi Kids 「そろそろ二十歳なんだから」なんて バッチリスーツに言われても ピンときやしねぇ 何億もの種から選ばれた僕等よ 幸せ者の僕達よ 眉間にシワなんか寄せないで お気楽極楽 とにかくしてれば お気楽極楽 お気楽極楽 いいね 「 種 」/ゆず 友達には 少しでも よく思われたい 気にしてないつもりなのに見栄っぱりだ 新しい出会いが夢を支えた だから感謝してる Thank you My friends 大人には なりたくないと思ってた だけど二十歳になる Thank you My teens 「 Thank you My teens 」/YUI ~【将来の自分が思い描けないあなたへ】~ 隣の笑顔に また逢えたなら あなたは あたしに 話してくれるかな? 二十歳になったら 変わることなんて幾つあるのかな? 教えてよ 「 隣の行方 」/新山詩織 二十歳のあなたは何をしていますか 働いて親孝行も出来ていますか 素直になれていますか 夢は覚えていますか 優しい大人になっていますか 「 二十歳のあなたへ 」/沖ちづる 「人の二倍はかかるから努力しなさい」 いつも言われてたな できないことの数ばかり気にしてキライなとこが増えた 比べてばっかの毎日じゃ ねえ何が変われるの? 自分だけの色は何色なんだろう 「 不器用な唄(二十歳の弾き語り) 」/鈴木友里絵 ~【二十歳の今と戦っているあなたへ】~ なにもおそれず 空を見上げて笑っていた あの頃のように もう一度 私は私の弱さを拭いたい 20年目の、カノープス 「 カノープス 」/南波志帆 20 years old and you gotta let me know? 何から何を着せ替えてきて何を置いてきていたの? 気付くはずのモノ見落として余計な事に気付いてるよな そんな気持ちになるの!! 『I think I'm going crazy』No No No!! 「 20 years old 」/ONE OK ROCK 結構めんどくさいです。 ガッカリすることばっかりです。 泣いて 泣いて 笑って 泣いて 笑って 泣いて 泣いて 泣いて 期待ハズレだな大人達 とか言ってるまに私も二十歳 正しいこと言ってるのはどっち? メンタル潰されるサンドウィッチ 「 ENEMY 」/Anly ユラユラゆれた時のはざまで 二十歳の僕らは澄みきっていた 寝っころがって夢をなぞった 怒りと若さのやり場探して 忘れることも壊れることも うまくできない僕らは 謝りたくて殴られたくて それでもいいよ、と許されたくて 正気のままで愛されたくて 「 二十歳の僕らは澄みきっていた 」/ハルカトミユキ ~【未来の自分から、今のあなたへ】~ 無邪気なTeenage 傷跡Twenty's 自分愛したいよMy T hirty's 夢の続き 追いかけても 恋を見つけても 後悔ないよう 生きたいと願う 一人の夜My 30th Birthday 「 30 -My Thirty- 」/YU-A Goodbye 花の20代 Goodbye 私の青春 いろいろあったけど あれもこれもいい思い出 どう考えても分かんない All right 恋の失敗は 記憶から消しましょう そうね、そうよ 新しい30代 「 29 」/西野カナ 10代 憎しみと愛入り交じった目で世間を罵り 20代 悲しみを知って 目を背けたくって 町を彷徨い歩き 30代 愛する人のためのこの命だってことに あぁ 気付いたな 「 俺たちの明日 」/エレファントカシマシ I say it's fun to be 20 You say it's great to be 30 And they say it's lovely to be 40 But I feel it's nice to be 50 満開の桜や 色づく山の紅葉を この先いったい何度 見ることになるだろう ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ 「 人生の扉 」/竹内まりや  二十歳を迎えたばかりの方は、30代、40代、50代といった未来はまだまだ想像もつかないですよね。しかし、人生の先輩方が、音楽で教えてくれることはたくさんあります。その時々で悩みは変わっていくこと。歳を重ねたからこその気づきがあること。たとえつらくとも、歪でも、振り返ってみれば二十歳の自分の生きざまは愛おしいこと。 君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように 長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ 「 人生の扉 」/竹内まりや  ここからまだまだ続いていく、あなたの<長い旅路>をじっくりと味わってみてください。そしてその果てにある<輝く何か>をいつか必ず実感できる日がきますように。最後に改めて、新成人のみなさん、おめでとうございます!

    2020/01/09

  • イチオシ!
    あなたは悩むことなく一つだけ、守るべきものを答えられますか?
    あなたは悩むことなく一つだけ、守るべきものを答えられますか?

    イチオシ!

    あなたは悩むことなく一つだけ、守るべきものを答えられますか?

     今日のうたコラムでは、作詞家・森月キャスさんによるスペシャル歌詞エッセイを第1回~第4回に分けてお届けいたします。Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、クリス・ハート、浪川大輔、水樹奈々、X21、Do As Infinity、など様々なジャンルのアーティストに歌詞を提供。さらに、自身が手掛けた楽曲は、これまで『日本レコード大賞』で4回の優秀作品賞を受賞。    そんな目覚ましい活躍を見せる森月キャスさんが、今回の歌詞エッセイ連載のテーマに掲げたのは【別れ】です。第1回では、Do As Infinity。第2回では、X21。第3回では、AAA。そして最終回では、浪川大輔の楽曲について執筆。今回はその第1回、Do As Infinityの楽曲「君がいない未来」にまつわるお話を綴っていただきました。是非、あなたの人生における【別れ】を頭に浮かべながら、最後までご堪能ください…! ~第1回歌詞エッセイ:Do As Infinity~ 時代は平成から令和に変わり、西暦は2020年を迎えました。誰もが新しい「出逢い」の期待に胸を膨らませていることでしょう。しかし私は敢えて、対極に位置する「別れ」について、全4回の連載で、これまでに関わった作品を1曲ずつピックアップしながら、自分なりの想いを綴っていこうと思います。 1つ1つの記事や作品は繋がってはいませんが、この連載で私が伝えたい想いは繋がっていきますのでどうぞ最後までお付き合い頂けましたら幸いです。 初回となる今回は大切な「君がいない」「未来」をテーマに、Do As Infinity「 君がいない未来 」をご紹介させて頂こうと思います。作曲は大西克巳さん。私も所属するチーム(Blue Bird's Nest(旧tearbridge production))のクリエイターです。 Do As Infinityは、これまで「 誓い 」「 黄昏 」「 Mysterious Magic 」と多くの表題曲を提供させて頂けましたが、「君がいない未来」はその先駆けの作品でした。作詞家としてのキャリアが浅い頃に関わることができたことはとても幸運で、後の活動の基盤になっていると言っても過言ではありません。 何よりDo As Infinityは、私が作詞家を志す前から聴いていて、アマチュア作詞家になってからも何度も聴いて、歌詞を読み込んで心を震わせ、作詞法を学んだ憧れのアーティストでした。純粋にリスナーとして再結成を喜んでいたのも束の間、まさか自分がその楽曲制作に関わることができるとは。あの興奮は今も忘れられません。 また、アニメ『犬夜叉』のオープニングテーマだったことも感激の一つです。私の歌詞を元にタイアップに合わせて共作したのですが、過去に『犬夜叉』の主題歌になった曲のタイトルを歌詞に散りばめる手法は、私一人では難しかったことでしょう。ぜひ「君がいない未来」の歌詞を読み込み、探してみてください。 歌詞の中身にも触れてみましょう。 “守るべきものなんて 悩むまでもなく一つしかなかった” 冒頭のフレーズですが、あなたは悩むことなく一つだけ、守るべきものを答えられますか? 思い浮かべてみてください。「守りたいものなんてない」と、答える人はいないと思います。私はと言うと、やっぱりちょっと悩みます。守りたいものはたくさんありますからね。 でも、この歌詞の主人公は違います。守るべきものは君だと、心から想っているんですね。そうまで想える人の存在がどれだけ人を優しくするか、そして、“君がいない未来”を想像することがどれだけ人を強くするか、それが、この歌詞のテーマです。 恋人や友人、家族との些細なすれ違い。誰しもが経験することだと思います。いつの時代も、人間関係は複雑で繊細ですからね。ちょっとした誤解がボタンの掛け違いになり、永遠の別れに繋がることも少なくないでしょう。それが、人間です。ただ、そうなる前に想像力を働かせられるのも人間です。 人も、物も、時間も、無くしてからその有難みに気づきます。なんでもっと大切にしなかったんだろう、と後から悔やみます。その後悔を、先に想像することができたらどうでしょう。今有る当たり前が永遠ではなく、やがて必ず無くなるんだと想うことができたら、今が変わり、未来も変わるはず。 「君がいない未来」は、そんな大切な人との今を想う歌です。 一度、解散という喪失感を味わったリスナーに、再結成後2枚目のシングルでこの曲を届けてくるDo As Infinity。知らないまま過ごすには、あまりにも勿体ないアーティストです。 あなたには、大切な人がいますか? <森月キャス> 【第2回「X21」編の更新は1月10日(金)です!】 ◆Information 森月キャス所属 Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント) プロデューサーTwitterアカウントは コチラ ! 森月キャスや所属クリエイターの最新情報をお届け! ◆森月キャス 『言葉の達人』 登場回

    2020/01/06

  • イチオシ!
    2020年初のうたコラムでは1年を明るく照らす楽曲をピックアップ!
    2020年初のうたコラムでは1年を明るく照らす楽曲をピックアップ!

    イチオシ!

    2020年初のうたコラムでは1年を明るく照らす楽曲をピックアップ!

     みなさま、明けましておめでとうございます!年末年始は『第61回輝く!日本レコード大賞』や『第70回NHK紅白歌合戦』や『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ』など様々な音楽番組をご堪能されたことでしょう。そして、ついにオリンピックイヤーの2020年がやってきましたね。スペシャルな1年、音楽面の盛り上がりにも期待が高まります。  さて、新年初となる今日のうたコラムでは、聴くだけで、心身ともに気持ちがパーッと明るくなるような、フッと上向きになれるような、元気が湧いてくるような、ハツラツとした楽曲のフレーズたちをピックアップ!5つのテーマに分けて、ご紹介いたします。歌詞をきっかけに、あなたの人生のお守りになる1曲と出逢えますように…! 【晴れやかに新年を!】 ~新年を大切なひとと明るく幸せに生きたい!~ 泣く門には福きたる あの夜には意味がある きっとそうだ やっとソーダ飲み終えたところだ ちょっと苦手だったあいつも ちょっと苦手だったあいつも しかたない! 愛しちゃおう 「 泣く門には福きたる 」/コレサワ 頑固で面倒で 腹も立つけど あなたの情熱は あたしの誇りで自慢で覚悟なの もらい泣き もらい笑い もらい怒り もらいっ恥(ぱ)じ どんと来い! 晴天も曇天も霹靂(へきれき)も さあ あなたとトゥラッタッタ♪ 「 あなたとトゥラッタッタ♪ 」/DREAMS COME TRUE 朝日か夕日かもわからないやつが 綺麗だなんて言ってないで 太陽が落ちているんじゃないよ 我らが進んでいるのだ 「 初日の出 」/チャットモンチー 雪解け水 春を待つ息吹 ふとした瞬間に降る微笑み 雨後晴れ 雲間にさす 月明かり 夜空は また新しい朝を連れてくる 明日へ 明日へ 明日へと 歌おう 声がかれても なお 歌い続けよう あなたへ あなたへ あなたへ 歌う 同じこの空の下 共に向かって行こう 明日へ 「 明日へ 」/MISIA A Happy New Year! 今日の日は ああどこから来るの 陽気な人ごみにまぎれて消えるの こうしてもうひとつ年をとり あなたを愛したい ずっと ずっと 今年も沢山いいことが あなたにあるように いつも いつも 「 A HAPPY NEW YEAR 」/松任谷由実 【全女子に捧ぐ!】 ~恋愛、仕事、自分磨き、一生懸命な女の子へ!~ 女ってめんどくさい けど可愛いって言われたい 愛情に飢えても 底無しに与えていたい 辛い時にだって幸せの種を撒いて 「 Woman 」/Superfly いつだって 嫌いな自分を見たくなくて 嫌いな人にうまく笑えなくて 嫌いを嫌いだと言えなくて まだ春を待つ蕾だけど 好きな自分に近づきたくて 好きな人に好きだと伝えたくて 好きな夢を叶えたくて だから 曲がっても咲き誇るわ 「 咲き誇れ feat.マナミ(Goose house) 」/erica 巡り巡る出来事にスカートも揺れる いつか見てろと泣けるのは鏡の前だけ 1つ1つ長い睫毛をすり抜けて この目に焼き付いたものはバスタブに 「 女子達 」/NakamuraEmi 女はいつも戦う 戦う女なの 女の子か女か 心が戦うの 煙草を吸って 酒飲んで 脚広げて ドラマで泣いて 陰口叩いて 友だちぶって 文句ありますか? 「 戦う女 」/チャラン・ポ・ランタン まだまだ世の中は私たちの声 真面目に聞いてくれないけど 持ち前の広い心で すべてを飲み込んで 明日、晴れたら言うよ 今日の事 いつもの笑い声で こらえた涙の理由も全部笑い飛ばしてやるの 私たち 「 女たち 」/阿部真央 【決戦日にはコレ!】 ~就活や受験、勝負のときに聴いてほしい!~ 生まれたあの日降り立った スタートはみんな一緒 そこから始まるレースを どう戦うか?が一生 進むべき道にはいつも 困難が生い茂っている わがままに映るくらいの 強い歩幅で突き進め 棘だらけの時代にも 安らぎの花は咲いている 傷つく事恐れないで 痛みごとその手で掴みとれ 「 奇跡 」/コブクロ “幸せ”や“希望”は誰だってくるから 未だ見ぬ未来よ 輝いて ねぇどうしたって 叶わぬ夢なんてのも きっと自分らしく築ける もう何度も 泣いて苦しくて這い上がって ガムシャラでいい 間違いでいい 踏む出す一歩に迷いはない 「 踏み出す一歩が僕になる 」/井上苑子 やはり自分じゃだめかなんて無駄な言葉だよ 心を少しでも不安にさせちゃだめさ 灯りをともそう あきらめないでどんな時も 君なら出来るんだどんな事も 今世界にひとつだけの強い力をみたよ 君なら出来ないことだって出来るんだホントさ嘘じゃないよ 今世界にひとつだけの強い光をみたよ アイワナビーア君の全て! 「 できっこないを やらなくちゃ 」/サンボマスター 誰にも期待されてないくらいが丁度いいのさ ここにいる意味を刻み込むのさ 何度倒れても 生きていく意味を作り出すのさ 何を失っても 君ではダメだと言われてしまったか? 君じゃない人の方がいいと諦められたか? そんな言葉を本当だと思うのか? まだやれるのにチキショーと叫ぶ君が主役の 明日を さぁ始めよう 「 プライド 」/高橋優 今日現在(いま)を最高値で通過して行こうよ 明日まで電池を残す考えなんてないの 昨日の誤解で歪んだ焦点(ピント)は 新しく合わせて 切り取ってよ、一瞬の光を 写真機は要らないわ 五感を持ってお出で 私は今しか知らない 貴方の今に閃きたい 「 閃光少女 」/東京事変 【働くパワーがほしい!】 ~エンジンがかからない…踏ん張る力をあなたへ!~ やるせない やりきれない よくある話じゃ終われない 簡単に辞める気もないから とりあえずアレ下さい 「 今夜このまま 」/あいみょん 例えば 明日僕が会社を休んだなら そしたら 「代わりはいるさ」と笑い出すのか? 嫌なこと全部飲み干して その場をただただやり過ごして カップの底見つめ ふがいなさのシロップを落として とにかく全部飲み干して いつかは全部吐き出して それで笑って、歌っていられたらな 「 コーヒーとシロップ 」/Official髭男dism 僕のした単純作業が この世界を回り回って まだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく そんな些細な生き甲斐が 日常に彩りを加える モノクロの僕の毎日に 少ないけど 赤 黄色 緑 「 彩り 」/Mr.Children 一休みドアを開けて 非常階段に出る ここが唯一僕だけの場所 時計が止まる場所 缶コーヒーを開けて ため息深く一つ このプルタブの向こう側に リセットを託して 屋上に昇ってみたら はるか彼方にツリーが見える 人はついに雲に届く力を手にしたんだなぁ 見上げた青色のキャンバスに自分の足跡を並べよう 重ねたゴールの数だけ新しいスタートがあると信じて 「 さよならエスケープ 」/スキマスイッチ やさしくて強くて 一生懸命で 生きることはただそれだけでも 大変で その愛も仕事も大切で 頭をさげて 「おつかれさまです」といいかわす ぼくらの国 つらいのはわかってる だけどわからないよ 誰だってそれぞれ 隠した切なさは ほんとうはいえなくて だから いうのだろう ありがとう 大丈夫です おつかれさまです 「 おつかれさまの国 」/斉藤和義 【くじけそうな心に!】 ~うまくいかない日々に、音楽のエネルギーを!~ これからもきっとぐるぐる回っていく 同じようで 同じじゃない 平凡だと誰かに笑われても 昨日より今日の方が良かったり 悪かったり繰り返して 私だけの幸せを探すんだ 「 サボテン 」/SHISHAMO 振り向かれない 大事にされない 気持ち込めてもまるで届かない それでも僕らは生きるのをやめれないから 少しでも君が笑えるように ねえ僕は歌い続けるよ 「 いいひとどまり 」/忘れらんねえよ   なんだか今なら 愛されるより愛したいとさえ思う まだ間に合うかな 私このまま消えちゃわないように刻むの 「 sabotage 」/緑黄色社会 都会の空に月がのぼる 離れた家族は元気かな 思い出をドーピングしても 心は痩せ細っていく いっそ血を流すくらいに カミソリみたいに生きようか だけど本当は分かってる 愛にはなにも勝てやしない 深い闇が去ったら もう一度信じてみたい 「 日日是好日 」/藤巻亮太 ああすれば こうすれば こうしたら なんて考えて 時間まで無駄でしょ 胸の痛み 蹴飛ばし 舞い上がれ 愛してる 愛してる 愛してる なんて 本音さえ言えないでいるなら 複雑な感情 全部捨てちゃえ 「 リブート 」/miwa  この歌たちを口ずさんでみると、なんだか“言霊”のように、明日がひらけてゆくような気がしてきますね。新年、改めて気合を入れ直したい方も、まだなかなか心身が整わない方も、今のご自身に合った音楽を探してみてください。尚、『LINE MUSIC』で掲載中の 【歌ネットプレイリスト】 では、今回ご紹介した楽曲をはじめ、様々なテーマをもとにオススメの楽曲をセレクトしております。こちらも併せてチェックを!    また、あなたのイチオシフレーズは、是非 【コトバのキモチ】 コーナーへのご投稿くださいませ…!では、2020年も歌ネットを何卒よろしくお願いいたします!

    2020/01/01

  • イチオシ!
    ウィークリーランキングから歌ネットの2019年を振り返ります!
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    イチオシ!

    ウィークリーランキングから歌ネットの2019年を振り返ります!

     2019年のうたコラム、年内ラスト更新です。新曲のコラムから、アーティスト本人が執筆した歌詞エッセイまで、ご堪能いただけましたでしょうか。みなさま、いつも歌ネットをご愛用&ご愛読いただき誠にありがとうございます!さて、今回は1年の集大成ということで、歌詞ウィークリーランキングの記録をもとに今年を振り返ってみましょう。  ちなみに、2018年はウィークリーランキングの首位を、back number「瞬き」と米津玄師の「Lemon」とUru「プロローグ」がバトンタッチするような形で独走し続けていたのが印象的でした。しかし、2019年(とくに下半期)は月ごと週ごとにランキングが細かく変動する年だったのです。まず、今年1月1日の時点で首位に輝いていたのは、米津玄師の「Lemon」です。 あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ そのすべてを愛してた あなたとともに 胸に残り離れない 苦いレモンの匂い 雨が降り止むまでは帰れない 今でもあなたはわたしの光 「 Lemon 」/米津玄師  平成最後の『紅白歌合戦』に初出場し、同曲を披露。すると、大晦日と元旦だけで合わせて10万回以上の歌詞アクセス数を獲得。その後も余波は続き、2018年末~2019年2月4日付のウィークリーランキングまで、6週連続1位を記録しておりました。そんな“Lemon旋風”を新曲で抑えたのが、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」です。 くだらない話は思い付くのに 君を抱き締めていい理由だけが見付からない ああそうか そうだよな ハッピーバースデー 片想いの俺” 「 HAPPY BIRTHDAY 」/back number  2019年2月27日にリリースされたシングルタイトル曲であり、深田恭子の主演ドラマ『初めて恋をした日に読む話』主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞先行公開時には【注目度ランキング】の1位を記録し、瞬く間に歴代人気曲(歌詞アクセス10万回以上の楽曲)に認定。そして2月11日付~3月25日付のウィークリーランキングで7週連続1位に!    くだらない話なら、いくらでもできるくらいの親しい関係ではあるのに、いつまでも<抱き締めていい>ところには至らないもどかしさ。そこで<ああそうか そうだよな>と、思い知る恋の現状。【誕生日】をテーマに、片想いをしているすべてのひとが深く共感できるような想いが描かれていますよねぇ。この歌は現在も人気が高く、200万回に迫る歌詞アクセス数を記録するミリオンリリックとなっております。  そして【平成】から【令和】へと移り変わる4月1日付~5月20日付のウィークリーランキングでは、再び米津玄師「Lemon」が首位に返り咲き、8週連続で1位。これは様々な音楽番組で“平成の音楽史のヒット曲”として「Lemon」が紹介された影響が大きいと考えられます。現在、歌詞はなんと前人未到の1000万回に迫る総アクセス数を記録。さらに、歌ネットの歴代人気曲の1位として輝く、伝説の名曲となっております。 グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない 辛いけど否めない でも離れ難いのさ その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや グッバイ それじゃ僕にとって君は何? 答えは分からない 分かりたくもないのさ 「 Pretender 」/Official髭男dism  新時代・令和に突入し、新曲でウィークリーランキング首位を記録したのは、“ヒゲダン”ことOfficial髭男dismの「Pretender」です!2019年5月15日にリリースされたシングルタイトル曲であり、映画『コンフィデンスマンJP』主題歌として書き下ろされた楽曲。歌詞先行公開時から35位(4月29日付)→19位(5月6日付)→4位(5月13日付)→3位(5月20日付)と着実にランキングを上昇し、ついに5月27日付のウィークリーで1位を獲得!    そこから9月2日付のランキングまで、15週にも渡り、首位を独走し続けました。尚、ボーカルの藤原聡は同曲のリリース時、歌ネットの インタビュー にも登場。この歌について「俯瞰で二人の関係をはっきりさせるような、簡単に関係に名前をつけられるような歌詞にしたくなかった」「この曲がそのひとの人生にとってのお気に入りになってくれたら」と歌詞への真摯な想いを語ってくださいました。    そんな“愛”がリスナーの心を揺さぶったからこそ、ヒゲダンはこの歌をきっかけに大ブレイク。デビュー時から歌詞人気の高いアーティストでしたが、彼らの音楽はより多くの方に愛され、今年の 歌ネット年間ランキング でも、楽曲別歌詞アクセスランキングで「Pretender」が2位、アーティスト別では5位と、支持率の大きさが表れる結果となりました。 パプリカ 花が咲いたら 晴れた空に種を蒔こう ハレルヤ 夢を描いたなら 心遊ばせあなたにとどけ 「 パプリカ 」/Foorin これが愛じゃなければなんと呼ぶのか 僕は知らなかった 呼べよ 花の名前をただ一つだけ 張り裂けるくらいに 鼻先が触れる 呼吸が止まる 痛みは消えないままでいい 「 馬と鹿 」/米津玄師  そして、現在に至るまで、Official髭男dism「Pretender」は、繰り返しウィークリーの1位を獲得し続けているのですが、9月以降は、ランキングの首位が週ごとに変化。登場したのは、Foorin「パプリカ」と米津玄師「馬と鹿」です。まずFoorinとは、NHK主催の“2020応援ソングプロジェクト”による応援ソングを歌う小中学生の音楽ユニット。その応援ソングが、米津玄師による作詞・作曲・プロデュース「パプリカ」です。    昨年8月15日にCDリリース。さらに同曲を米津玄師がセルフカバーし、2019年8月・9月の『みんなのうた』として公開。FoorinのMV再生回数は1億回を超え、ダンス動画が投稿されるなど、子どもから大人まで幅広い年代に愛される歌としてロングヒットしております。また、米津玄師「馬と鹿」は、2019年9月11日にリリースされたシングルタイトル曲であり、大泉洋の主演ドラマ『ノーサイド・ゲーム』主題歌として大ヒット。 まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気でいたけど まちがいさがしの正解の方じゃ きっと出会えなかったと思う 「 まちがいさがし 」/菅田将暉    さらに、首位獲得には至らなかったものの、2019年5月14日に菅田将暉が配信リリースした「まちがいさがし」も米津玄師による提供曲であり、100万回アクセスを超えるミリオンリリックとして歴代人気曲に認定。現在も尚、ウィークリーTOP10入りをキープし続けております。このように、米津玄師は自身の曲も提供曲も次々とヒット。年始の“Lemon旋風”を超える“米津旋風”が巻き起こっていると言えるのではないでしょうか。 真っ白に全てさよなら 降りしきる雪よ 全てを包み込んでくれ 今日だけは 全てを隠してくれ 「 白日 」/King Gnu あなたの瞳に映って 私たち二人笑い合って 絵空に見ていた儚い夢だ 白い息を小さく吐いて 「最高に幸せ」って きっとまだ 解っていた ずっと“まだ”なんだね 「 願い 」/sumika  ただし現在、ランキング上位には、今年リリースされたKing Gnu「白日」やsumika「願い」もランクインしており、いずれも歴代人気曲に認定されております。Official髭男dismの新曲「 宿命 」や「 イエスタデイ 」も然り。つまり今年は、様々なアーテイストがそれぞれの大きな“旋風”を巻き起こしながら、ランキングを動かしてきたのです。    あなたは2019年、どの曲がもっとも印象的でしたか? お気に入りの歌詞は年末年始に是非、改めて検索してみてください。また、グッときたフレーズに出逢えたときには、 【コトバのキモチ】 コーナーへのご投稿もお待ちしております。オリンピックイヤーの2020年にはどんな名曲が誕生するのか、期待が高まりますね…!それではみなさま、良いお年を。そして来年も何卒、よろしくお願いいたします!

    2019/12/30

  • イチオシ!
    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?後編!
    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?後編!

    イチオシ!

    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?後編!

     突然ですが、みなさんは【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか? 2019年11月10日に開催された『未確認クリニック2019』というイベントでは、作詞家・音楽プロデューサーの“いしわたり淳治”さんを講師に迎え、歌詞に関する講義が行われました。そのなかでは『“良い歌詞”と“悪い歌詞”』をテーマにしたトークもあったんだそう。    10代向けのTOKYO FMの番組『SCHOOL OF LOCK!』では、11月27日の放送でその模様を特集。参加した10代の『“良い歌詞”と“悪い歌詞”』についての意見には「自分の言いたいことが半分、相手が受け取ることが半分で、想像ができるような歌詞がいい」「良い歌詞は、感性に届く歌詞、心に届く歌詞」などがあったようです。詳しくは こちら 。  さて、歌ネットの人気コーナー 『言葉の達人~伝えるための作詞術~』 でも、これまで多くの“言葉の達人”たちが『自分が思う「良い歌詞」とは?』という質問に答えているんです。今日のうたコラムではその回答を【前編】と【後編】に分け、一挙ご紹介!短文の方、長文の方、それぞれの“歌詞観”を楽しんでみてください。本日は後編をお届け! <有森聡美> 何気に聞いても心に触れるもの、深く聞くともっと色んなメッセージが隠されているような作品。歌った時により生きる歌詞。 <川村結花> その世界へ連れて行かれてしまうもの。トリップさせてくれるもの。自分にそんな経験がなくてもあるような気になったり、経験のあることは痛いくらい共感できるもの。 <小倉しんこう> 色々な「良い」があるので難しいですが、一番好きなのは素直で奥行きがある歌詞です。聴く側の心境の角度によって「切なく」見えたり「幸せ」が見えたり。どんな時も聴き手の心の形に合わせてくれるような。 <槇原敬之> 時と経験を重ねるほどに、真意が解き明かされていくような歌詞って素敵ですよね。こういうと、若い人の書く歌詞にはそれが無いように思われがちですが、そうでもないんですよ(笑)。書くべき人が書くなら、年齢は関係ないんですよね。 <Sally#Cinnamon(Heavenstamp)> 無駄がなく、足りないものがない歌詞。いしわたり淳治さん作詞の「神様のいうとおり」の<あの娘 はすっぱ 恋泥棒 わたし けなげ いいひと>という、少ない言葉でどんなことが起こったか、どんな人物像か想像が膨らむ歌詞に感銘を受けました。 <中嶋ユキノ> 世代を超えて、時代を超えて、愛され歌い継がれていく歌詞。人生の何かのきっかけになったり、励まされたり、背中を押されたり、共感できたりする歌詞だと思います。ただ、歌詞というのは「良い」「悪い」「◯」「×」ではないと思うし、まさに「人それぞれ」誰からも良いと言ってもらえないからといって「良くない歌詞」とは限らないとも思っています。 <さだまさし> 短くて季節感があり、心の働きや人としての心情が聞こえ、感動さえ伝わるものです。俳人、石橋秀野の絶唱『蝉時雨児は担走車に追ひつけず』など凄いですね。なんとこれは自分が吐血してストレッチャーで運ばれる最中に書かれたもので、母に追いすがる幼い娘の不安や表情や蝉時雨の音まで聞こえてきます。これが遺作になりました。俳句は最高の文学だ、と言う言葉に同意します。 <杉山勝彦> 聴く人のことを考えてあって伝わってくる、伝え方の温度がふさわしい歌詞ですね。歌い手や楽器の演奏も含めて、言葉の持つ温度感が、その音楽にマッチしている歌詞はすごく好きです。ドラマ主題歌であれば、ドラマの世界観を壊さない歌詞がふさわしいと思いますし、アーティスト単体のアルバムに入っている曲であれば、そのアーティストの独自性が存分に発揮されている歌詞が良いと思います。それぞれの場所において、表現を書き分けられている歌詞は良いと思います。 <志倉千代丸> つきなみですが、やっぱり「長く愛されるもの」なんだと思います。長く愛されるという事は、より多くの人と心の波長が合うという事ですよね?ピンポイントな層を狙いがちな僕にとって、永遠のテーマでもあり、チャンスがあれば僕も出来る限りチャレンジしていきたいと思っていますが、恐らく明確な答えは無いんだと思います。音楽は、自分の為に作るものではなく、誰かの為に作るもの。思考が停止するまで、この難解なテーマに取り組んで行きたいと思います。肩の力を抜いて。  答えを受け取った上で、それぞれの達人の手掛けた歌詞を深く読み入ってみると、より腑に落ちるものがあるかと思います。2019年もいよいよ終わりを迎えようとしておりますが、歌詞愛好家の方、作詞家を目指している方、来年も是非『言葉の達人~伝えるための作詞術~』をご堪能くださいませ…!

    2019/12/19

  • イチオシ!
    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?前編!
    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?前編!

    イチオシ!

    あなたにとっての【良い歌詞】とはどんなものだと思いますか?前編!

     突然ですが、みなさんは 【良い歌詞】 とはどんなものだと思いますか? 2019年11月10日に開催された『未確認クリニック2019』というイベントでは、作詞家・音楽プロデューサーの“いしわたり淳治”さんを講師に迎え、歌詞に関する講義が行われました。そのなかでは『“良い歌詞”と“悪い歌詞”』をテーマにしたトークもあったんだそう。    10代向けのTOKYO FMの番組『SCHOOL OF LOCK!』では、11月27日の放送でその模様を特集。参加した10代の『“良い歌詞”と“悪い歌詞”』についての意見には「自分の言いたいことが半分、相手が受け取ることが半分で、想像ができるような歌詞がいい」「良い歌詞は、感性に届く歌詞、心に届く歌詞」などがあったようです。詳しくは こちら 。  さて、歌ネットの人気コーナー 『言葉の達人~伝えるための作詞術~』 でも、これまで多くの“言葉の達人”たちが『自分が思う「良い歌詞」とは?』という質問に答えているんです。今日のうたコラムではその回答を【前編】と【後編】に分け、一挙ご紹介!短文の方、長文の方、それぞれの“歌詞観”を楽しんでみてください。本日は前編をお届け! <高橋優> 聴く人の心が元気になること。 <大宮エリー> つい口ずさんじゃう、ですかね。 <michico> ちゃんとリアルにfeel出来るもの。 <マシコタツロウ> 【解りやすい言葉と深い意味の共存】 <玉井健二> 良い歌詞だという事を見破られない歌詞。良い曲だな、と思わされる歌詞です。 <平義隆> 分かりやすい言葉やフレーズで、受け手によってさまざまな解釈ができる歌詞。 <奥華子> 聞いたその瞬間に、心の中にイメージが広がる歌詞が良い歌詞だなと思います。 <仲宗根泉(HY)> みんなが書くようなものではなく、1つのものでも、違ったものの見方で書かれた詞。 <宮川弾> 普段の生活のなかにあるものに違う角度から光をあてた言葉。いやそれが難しいんですけど。 <鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)> 狙った感じが一切なく、時にメロディを飛び越えて、胸の奥に突っ込んで来る歌詞が好きです。 <水野良樹> それ以上でも、それ以下でもない、聴き手が感動し、想像するために、必要なものだけがある歌詞。 <新藤晴一(ポルノグラフィティ)> メロに乗った時に、映える言葉。文学ではないので、言葉単体で成り立っていてもしょうがないと思います。 【後編に続く!】

    2019/12/18

  • イチオシ!
    どんな想い出も、感情も「今」を通してしか知ることはできない。
    どんな想い出も、感情も「今」を通してしか知ることはできない。

    イチオシ!

    どんな想い出も、感情も「今」を通してしか知ることはできない。

     今日のうたコラムでは、元ふぇのたすのメンバーであり、バンド解散後、より本格的に作詞作曲家として活躍をなさっている“ヤマモトショウ”さんのスペシャル歌詞エッセイを3週に渡ってお届けいたします。フィロソフィーのダンス、桜エビ~ず、MINT mate box、寺嶋由芙、などこれまで数々のアーティストに歌詞を提供してきた彼。  そのなかで“共作”をする機会も多々あるんだそう。そこで今回のうたコラムでは、本人との歌詞の共作をテーマにエッセイを綴っていただきました。 第1回 、 第2回 に続く最終回では “SHE IS SUMMER” の “MICO” さんとの共作について。同じく元ふぇのたすのメンバーである彼女。そんな二人がそれぞれ音楽活動を再スタートさせ、作り上げた楽曲とは…。是非、最後までご熟読を! ~最終回歌詞エッセイ~  僕はバンドが好きで、音楽をはじめるときもバンドとしてはじめるという選択肢以外はなかった。好きだからというのもあるけれど、当時は音楽の授業でやったレベルでしか楽譜も読めないし、ましてや曲をつくることもできない。とりあえずバンドを組んでみて、そこからギターをはじめた。それしかなかった。  ところがやってみれば意外となんでもできるもので、曲をつくってみると曲になった。音楽は好きだったし、それをつくるのも楽しかったので、ひとつプロを目指してみようと思ったけれど、やっぱりそれでもバンドが好きだった。バンドを続けてそこで曲を書いたり詞を書いたりしてデビューした。自分が今、音楽の仕事をしているのは、バンドをやっていたからであって、もう少しいえば、誰かひとりのボーカリストのために音楽を作っていた時代があったからだ。  この連載中になんども自身の言葉で書いていることだけれど、僕はアーティストが自分の思いだけを歌う必要はないと思っている。というよりも、もう少しつっこんでいうならば、聞き手はそれを「アーティストの思い」であると想定して聞く必要はないともいえる。だが、もちろん作り手はある種の、当然そこに存在するだろうなんらかの思いをもって楽曲をつくっている。そりゃそうだ、と誰もが思うかもしれないが、本当はそれほど簡単なことではない。実際に、これがもう我々にとって単に職業であったり、日々のルーチンのようになってしまったら、極論「何も考えなくても」それは出来上がってしまう。  だから、バンドをやめたときにやりたいことでもない音楽を量産するくらいなら、別にそこで音楽をやめてしまうこともできただろう。僕はそう思ったし、 ふぇのたす として一緒にやっていたボーカルの MICO も、そこで音楽を続けないという選択肢もあったように思う。  でも二人ともあれからずっと、音楽を続けている。彼女が SHE IS SUMMER としてソロプロジェクトをはじめるとき、あるいは僕が作詞作曲家として音楽活動を再スタートをするとき、もうすでに「音楽がつくれるようになっていた」僕らはそれぞれ、もう一度何かをつくりはじめることの意味と意義を確認しなければならなかったと思う。そしてそれはたぶん、それぞれに間違いなく必要なものだった。だから今も、音楽を続けている。  SHE IS SUMMERプロジェクトとして最初に「 とびきりのおしゃれして別れ話を 」という楽曲を共作した。ふぇのたすでやったこととは違うことをやる、それは新しく始める以上当たり前のことだと思うけれど、意外と難しい。なぜなら、少なくともこれまでの経験がそこにあるからだ。それをなしに、前に進むことはできない。    しかし、一方で我々はおそらく誰かが自分たちのことを「こうみている」というのとは全く異なる意味で、自分たちの経験を、認識し直し続けている。端的に言えば、それが「自分らしさ」であって、誰かがそうしろといったように「別れ話」をしてその先に行かなきゃいけない、でも私は「とびきりのおしゃれして」その話をするけどね、ということなのだ。  「 出会ってから付き合うまでのあの感じ 」をつくったときには、一度やりたいことがわかってその上で創作をしなければいけなくなっていた。それは簡単なような、むしろハードルはあがっているような、ちょっと感じたことのない状況だった。「同じことはしたくない」というのはクリエイターの基本的な信念だとは思うが、人はそんなに器用ではない。どうしても、過去の自分とも比べてしまう。今度はその音楽をはじめたときの、まっさらな気持ちも思い出してみたかった。「出会ってから付き合うまであの感じ」というタイトルにたどりつくまで、考えていたことはそんなことだったように思う。  そして去年の年末から今年にかけて一緒に作ったのは「 君をピカソの目でみたら 」。つくるまえに、久々にMICOと色々なことを話したと思う。「色々なこと」というのは、本当にそうとしかいえないことだ。そのとき、僕らはどうしても過去を振り返る。未来はまだ見えないし、みているとしてもそれは「今」という視点の中で見ている。実はそれは過去も同じだ。「今思えばこうだった」「今だからこう思える」という陳腐な言い換えもできるけれど、僕らはどんな想い出も、感情も「今」を通してしか知ることはできない。    そして、その「今」が過去や未来に移動していく。そのすべてをもって、「色々」を語ったときにはじめてその出来事の全体像がみえてくるし、僕らにとってそれがどんな出来事なのかわかってくる。ピカソのキュビズムは時間的制約をこえた視点をもった芸術であるといえるが、音楽にもその音としての経過をこえた時間的な拡がりがあって、僕らは常にその中にいる。  きっとまた未来から僕らのつくった言葉と音楽をまた「違う目」でみる、そんな時が来るだろうと思う。そのときのために、きょうも、音楽を続けている。 <ヤマモトショウ> ◆ヤマモトショウ主催による作詞ワークショップ #ロゴススタジオ 第二期最終回スペシャル ゲスト:SHE IS SUMMER・MICO 2019年12月20日(金) 19:00 open 19:30 start(予定) 場所:ピースオブケイク本社イベントスペース 入場料:1500円 詳細はコチラ!

    2019/11/26

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    共作は単に共同作業というより、何を共有するか。
    共作は単に共同作業というより、何を共有するか。

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    共作は単に共同作業というより、何を共有するか。

     今日のうたコラムでは、元ふぇのたすのメンバーであり、バンド解散後、より本格的に作詞作曲家として活躍をなさっている“ヤマモトショウ”さんのスペシャル歌詞エッセイを3週に渡ってお届けいたします。フィロソフィーのダンス、桜エビ~ず、MINT mate box、寺嶋由芙、などこれまで数々のアーティストに歌詞を提供してきた彼。そのなかで“共作”をする機会も多々あるんだそう。  そこで今回のうたコラムでは、歌詞の“共作”をテーマにエッセイを綴っていただきました。アイドルである“寺嶋由芙”さんとの共作について綴っていただいた 第1回 に続く第2回では、3人組バンド“ MINT mate box ”とシンガーソングライター“ 中村千尋 ”さん、そして“ 大森靖子 ”さんとの共作について。普段はなかなか知ることのない裏話。是非、ご熟読を! ~第2回歌詞エッセイ~  作詞の共作にも色々な形がある。例えば作曲家の方が作った曲に、誰かと一緒に歌詞を乗せるパターン、詞先でどんな歌詞にしたいかという話から始めるパターン、僕は作曲家でもあるので僕自身が作曲をしてその時点で歌詞のイメージを一部つくり、そのあとを共作するパターン。どれも、つくりかたが違って、出来上がるものも違う。設計図は共通するはずなのに、使う道具は違うし、道具の持ちかたも違う。   MINT mate box は結成当初からプロデューサとして関わっており、全楽曲の作曲と作詞もほとんどの曲を僕が1人で行っていた。前回も書いたが、「歌詞というのはアーティストの思っていることである」というのは端的に現代のドグマである。バンドやシンガーソングライターでは特にその傾向が強く、やってる本人もそのように思い込んでしまっていることが多い。  しかし、本質的に重要なのは「音楽が良くなること」ただひとつだ。最新アルバムで、メンバーから作詞に関わることで曲への取り組みかたが良くなる気がするという申し出があったので、試してみた。たしかにそうなったようにも感じる。共作をしたことによってもっとも成長したのは自分だったかもしれない。音楽にどうやって関わっていくべきなのか、この共作を経てアルバムのリード曲「 hanabi 」の歌詞を今度は1人で書いたときに、そのドグマを超えられるかもしれない「一瞬と永遠」をテーマにすることが可能になった。   中村千尋 さんのアルバムでの彼女との共作曲も他にはない経験だった。彼女はシンガーソングライターで、もちろん普段は自身で作詞作曲をされている。僕は中村さんのこれまでの曲を聴いて、その素晴らしさはそこに書かれていることが「彼女自身のことであってもそうでなくても面白い」という点なのではないかと思っていた。切り取られた視点は本人のもののようにも思える。でも、話をしてみるとそんな人に見えないような気もする。  僕は人間観察という言葉があまり好きではない。それをしているという人の大半がぜんぜん人間を見ることができていないからだ。人はみんな違うけれど、どこか同じ部分があるから面白い。一見、見落としそうなその共通項を見つけるのが本当の人間観察で、中村千尋さんはそれをしているし、しかもシンガーとしてそれを表現もできる。これだったら一緒に人間観察をしてみたいかもしれないと思って「 インスタントラブ 」と「 下心スケルトン 」という曲をつくった。  都合のいい人になってしまう人と相手の下心が見えちゃう人の話。僕がひとりでかいたら妄想すぎる話で、中村さん一人で書いたら冷静すぎる話、それが共作でちょうどいい「人間観察」になっている。好きじゃなかった言葉を、自分のものにして好きになることすらできるのが共作だ。  そういえば、前述した通り僕は作曲家でもあるけれど、自分で作曲した曲にはほとんど自分で作詞をする(他の方が作曲した曲に作詞だけをすることは多いし、詞が先にあるものに曲をつけることもままあるが)。これはまあ単純にそのほうが早いし良い、ということなのだけれど、たまに例外的に僕が曲を書いた後、詞を別の人に書いてもらうことがある。  「作詞家」としての自分の感覚からすればこれは共作に近い。なぜなら、作曲の段階で自分の中にはある程度こんな歌詞というイメージがあるからだ。しかしそれを直接歌詞として伝えてしまったら、意味がない(だったら自分でかくわけで)。だから結局それを曲のイメージとして伝えなければいけないし、伝わる人でなければいけない。自分はこれを読み取る力はあると思うが(だから作詞家をやっている)、伝える力(つまり単独の作曲家としての力)がどこまであるのか不明である。  その数少ない例外として、 大森靖子 さんとの作品があり「 コミュニケイション・バリア 」などは、明らかに僕がイメージした通りの内容で、かつそれ以上クオリティの詞になった。逆に、僕が大森さんの歌う曲を作詞したときは(SOROR「 大人の恋愛 feat. 大森靖子 」)また今までに感じたことのない緊張感があった。これも含めて、また違う形での共作という感覚が生まれた。  この秋から、 simpatix という新しいアイドルグループのサウンドプロデュースも行っている。こちらではプロデューサーの高井つき奈さんと歌詞を一部共作している。彼女は僕のやっていた“ふぇのたす”というバンドが非常に好きらしく、このsimpatixというグループでは「世界一かわいい曲を歌うアイドルグループ」をつくりましょうというコンセプトを共有している。  僕は実際にはふぇのたすをやっていた頃「かわいい音楽」ということだけを意図してつくっていたわけではない(と思うのだが例えば「 かわいいだけじゃダメみたい 」という曲はなぜかタイトルに反してその感想の99%が「かわいい」なのである。ダメってことか?)。いうなればこんな音楽がボーカル・みこには合うのではないかとその時の僕が考えていた、というだけのことなのだ。それはたぶん、それなりにバンドらしい話で、またプロの作詞家というよりはグループを通して何かを表現したかったのだろう。それは自分自身のこととしても。そして、今度は他者の目も通して僕がどうやらかねてから表現できていた「らしい」、かわいいを追求してみたいということも思っていたのでこれはとてもありがたい機会でもあった。  作詞、という作業における共作は単に共同作業というより「何を共有するか」という点においても、まだまだ信じられないくらい多様に開かれている。 <ヤマモトショウ> 【最終回に続く!】

    2019/11/20

  • イチオシ!
    実はどんなテーマでも気にせず歌えるのがアイドルなのだ。
    実はどんなテーマでも気にせず歌えるのがアイドルなのだ。

    イチオシ!

    実はどんなテーマでも気にせず歌えるのがアイドルなのだ。

     今日のうたコラムでは、元ふぇのたすのメンバーであり、バンド解散後、より本格的に作詞作曲家として活躍をなさっている“ヤマモトショウ”さんのスペシャル歌詞エッセイを3週に渡ってお届けいたします。フィロソフィーのダンス、桜エビ~ず、MINT mate box、寺嶋由芙、などこれまで数々のアーティストに歌詞を提供してきた彼。  そのなかで“共作”をする機会も多々あるんだそう。そこで今回のうたコラムでは、本人との歌詞の共作をテーマにエッセイを綴っていただきました。第1回では、アイドルである“寺嶋由芙”さんとの共作について。普段はなかなか知ることのない裏話。是非、ご熟読を! ~第1回歌詞エッセイ~  学生の頃、音楽をやってみたいと思ってバンドをはじめた。ライブハウスに出て、CDも出してみたいと思って、はじめて曲をつくった。歌は好きだけど、うまく歌うことはできない。でも、素敵な歌い手の歌う音楽をつくることができる気がする。誰もが知っている言葉で誰もかいたことのない言葉を、歌詞にすることができる、と思った。無知や過信も含めて、そのときから、誰かの力を借りなければ歌詞がかけないと思った日はない。  しかし、音楽は、他者との行為である。聞く、演奏する、つくる、これらは一人のものではないものになったとき、はじめて僕の知っている音楽になる。歌詞も、自分が知らなかった誰かと“一緒に”それをつくる意味と意義を、僕は数年前からさがしはじめた。  いつのまにか気づいたら、本当に女性アイドルの歌詞をたくさん書いている。「女の子の気持ちがよくわかる」とか、なんなら「女子ならではの歌詞」と形容されることもあった(別に自分のことを男子だとも女子だとも意識してないけれど)。まあそうなのか、と思いながら、それはきっと女の子のアイドルたちのことを日々考えながら歌詞をつくっているからだろうとも思う。実は彼女たちと直接あって話をしたりすることはあまりない。歌詞はプロデューサーやディレクター、作曲家たちと話し合った上でつくられる。もちろん本人たちのことを調べたりライブをみたりすることもあるけど、だからといって彼女たちが日々考えていることを歌詞にするわけではない(そもそも僕だって自分の思っていることを歌詞にしている、わけではない)。  自分の気持ちを歌わなければいけない、という現代的音楽病が蔓延している。アイドルはその必要がないから、実はどんなテーマでも気にせず歌えるのがアイドルなのだ。恋愛は禁止だけど、恋愛の曲を歌う。それは彼女たちが「自分の気持ちを歌わなくても、表現できる」表現者だから可能なのである。そしてだからこそ、その先にその表現を貫くことでうまれてくるストーリーがある。客観性からうまれてくる自己、それは明確にオリジナリティである。  オタク、というアイドルファンたちの呼称をあえてつかえば、オタクたちはそのストーリーの上でアイドルたちを応援している。そして、そのストーリーにのっとった音楽の楽しみ方をしているのだ。  今年の夏、「 君も好きだったんだね、夏 」という曲の歌詞を共作した。アイドルである“寺嶋由芙”さんとの共作というのはかなりめずらしいことだと思う。この曲には明確に歌われる「過去」が存在している。まっさらな白に、何かを描いていく瞬間ではない。描き直すわけでは決してないけれど、モチーフならもう何種類も持っている。  僕は彼女の曲をソロデビューの頃からたくさんつくってきた。まったくそんな曲になるつもりでつくったわけではないのだけど(そして実際そんなアレンジになっているわけでもないのだけど)、「 ぜんぜん 」という曲はライブでいつもちょっとびっくりするくらい盛り上がっていて、心を動かされる。アルバムには現在と未来を思って「 まだまだ 」という曲もかいた。僕は、彼女とオタク(ゆふぃすとと言われてる)の関係が好きで、ライブハウスやweb上や色んなところでそれを感じてきたのだけれど、その関係値に向ける愛おしい感情を、次の歌詞にいつも反映させたいと思っているし、多分そう思わなくてもいつのまにかそうなってしまっている。「 世界で一番かわいい君へ 」は歌詞を書く前にめずらしく本人も同席した打ち合わせで、彼女のゆるキャラへの愛を1時間くらい語られてしまったのだけど、「ああ、きっとゆふぃすとにあったら、ゆふぃすとは寺嶋由芙への愛を同じように語るんだろうな」と思った。それで、もう僕の書くべきことはすでに決まっていた。  寺嶋由芙さんもソロデビューして5年目、色々なことが変わったし、また、だからこそわかる彼女の中で変わらないものも見える。僕が彼女やゆふぃすとに対してこう思っていた、ということを今度は本人の視点から、どう見えていたのか聞いてみたいとも思った。ゆふぃすとへの愛も、ゆるキャラへの愛も変わっていない、そしてストーリーを重ねた上で、そのストーリーを踏まえた「自分の思いだけを歌わないアイドルとしての歌」それを表現するためにこそ、彼女が形にした言葉を見せてもらった。  僕がする必要があったことは、この表現を意思として固定することだ。彼女がかいてきた言葉をみて、まずタイトルをつけた。「 君も好きだったんだね、夏 」というワードは、元々の歌詞にはなかったのだけど、サビもそこから再構築する。しかしそれは、作り直すことでも修正することでもない。ただ、今度は僕がみてきた側、つまり客観としてのアイドル像をふまえた確認でしかない。もうすでにかくべきことは、この5年間の中でほとんど提出されていたのだ。  今回も、特別この歌詞を共作するために、直接あって話した時間はない。メールで、最近のゆふぃすとはこうなんです、とか、最近のアイドルはこうなんですとか、あるいは僕はここ最近こういう風にみてたよ、ということを伝えたりしただけだ。アイドル曲で歌われるべき世界は、必ずしもそのリアルの中にあるわけではないことはもうすでにわかっていた。過激な言葉をつかわなくても、炎上するより暑い夏が見えた。そして、また新しい夏を越えて、きっと新しい愛情の形を歌詞にする日がくる気がしている。 <ヤマモトショウ> 【第2弾に続く!】

    2019/11/12

  • イチオシ!
    歌詞公開中の秋冬ドラマ主題歌を一挙ご紹介!
    歌詞公開中の秋冬ドラマ主題歌を一挙ご紹介!

    イチオシ!

    歌詞公開中の秋冬ドラマ主題歌を一挙ご紹介!

     ついにスタートした2019年の“秋冬ドラマ”ですが、みなさんは現時点でどの作品がお気に入りですか? 今回はとくに『まだ結婚できない男』や『時効警察はじめました』や『孤独のグルメ Season8』など、人気作品の続編が目立ちますよね。11月2日(土)からは『おっさんずラブ-in the sky-』もスタート!いずれもファン待望の復活でしょう。    さて、今日のうたコラムではそんな続編ドラマも含め、今年の“秋冬ドラマ”注目の主題歌を一挙ご紹介いたします。2018年は、戸田恵梨香×ムロツヨシによるドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と~』の主題歌、back number「 オールドファッション 」が大ヒットしたことが記憶に新しいでしょう。同曲は、歌詞アクセス数100万回超えのミリオンリリックとして歴代人気曲に認定!では今期、歌詞ランキングを上昇していくのは…? 不思議なことがあるよ 綺麗なことがあるよ 秋の匂い 屈む風が僕を勇気づける 夢歌う日々があるよ 戸惑う日々もあるよ 君の匂い 凪ぎる空へこころ満ちてゆけば 奥にかさばった遠い日の想い 今まだ晒せるだろう 「 まだスイミー 」/持田香織  まず、阿部寛の主演ドラマ『まだ結婚できない男』主題歌は、持田香織の新曲「まだスイミー」です。2006年に放送された『結婚できない男』では、Every Little Thingの「スイミー」が主題歌でしたが、今回の続編でも“『結婚できない男』といえば「スイミー」”ということで、持田香織ソロとしてセルフカバーのリクエストがあり、実現したんだそう。 不思議なことがあるよ きれいなことがあるよ 夏の匂い 青む風が ぼくを通り抜ける 夢うたう日々があるよ とまどう日々もあるよ 君の匂い 滲む空に こころ 流れつけば 奥にかさばった 遠い日の想い 今なら 晒せるだろう 「 スイミー 」/Every Little Thing  ちなみに新曲のタイトルには、ドラマに併せて“まだ”というワードがついておりますが、歌詞もただのセルフカバーではございません。季語が秋になっていたり、持田香織自身が主人公(阿部寛)の“あれから”の生活を想像してフレーズを少し変えていたり。曲からも成長や変化が感じられる新たな1曲となっているんです。是非、元祖「スイミー」の歌詞と聴き比べ、その違いも楽しんでみてください。 せーので駆け出したはずなのにどうして まるで私だけがサボタージュ YESかNOの間でなんとなく生きて まとわりついた悪いクセ そんなはずはない だって集めてきた 好きなモノやヒト あれ なんだったっけ なんだか今なら 愛されるより愛したいとさえ思う まだ間に合うかな 私このまま消えちゃわないように刻むの 「 sabotage 」/緑黄色社会  波瑠の主演ドラマ『G線上のあなたと私』主題歌は、緑黄色社会の「sabotage」です。寿退社間近に婚約破棄され、仕事も結婚も失った主人公は、どこか藁にもすがるような気持ちで大人のバイオリン教室に通い始めます。そこで出会ったのは、様々な面での問題を抱える人たち。そんな悩める大人の恋と友情の物語が、劇中で展開されてゆくのです。  怠けていたわけじゃないのに、仕事はない、恋愛もうまくいかない。その状態は<まるで私だけがサボタージュ>というフレーズに表れており、これまで<集めてきた 好きなモノやヒト>さえ忘れてしまうくらい自信喪失に陥っている様子が伝わってきます。しかし<このまま消えちゃわないように>もがいている<私>の姿は、ドラマが進むにつれどんどん、主人公(波瑠)や登場人物たちとリンクしていくのではないでしょうか。 「いいね!」は気軽につけれるのに 目の前のキミには何も言えない また少しだけ 髪型を変えて 気づかない それでまた落ちて いつだって自分に 付いたタグが悲しい 誰よりスキだから 誰よりもキライになる 私の気持ちを どうしてわからないんだろう キミとは全然違う 生き物じゃ泣けたりしない 心の答え合わせは やめてありのままに 恋をしよう 「 アシンメトリー 」/安田レイ  新木優子×高良健吾によるドラマ『モトカレマニア』オープニング曲は、安田レイの「アシンメトリー」です。同曲は、ドラマの第1話が放送されるや否や「アシンメトリー最高!雰囲気ぴったり」「ポップだけど切ない歌詞がすごく良い」など、SNS上で話題に。もちろん歌詞もアクセスが集中し、リアルタイムランキング2位まで浮上しました。  主人公(新木優子)は、恐ろしいまでに元カレ(高良健吾)の存在を引きずりまくっている“モトカレマニア”な女の子。ときに混乱し、ときに暴走しながらも、試行錯誤して前に進んでゆくのがこのドラマです。そんな物語に<誰よりスキだから 誰よりもキライになる>チグハグな恋愛模様を描いた主題歌がさらなる彩りを加えていくことでしょう。 愛はスローにちょっとずつ 黄昏(セピア)に染まるんだ Oh, yeah 忘られぬ 鳶色の瞳 もう愛なんて要らないさ ぬくもり消せないんだ Oh, yeah 溢れ来る ひとすじの涙 「 愛はスローにちょっとずつ 」/サザンオールスターズ  賀来賢人の主演ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』主題歌は、サザンオールスターズの「愛はスローにちょっとずつ」です。今年の3月から6月にかけて行われた全国ツアーを通して作り上げられていった最新曲であり、ツアー終了後にレコーディング。8月に配信リリース。その楽曲が改めてドラマの主題歌という形でお茶の間に届くことに! No, I don't cry もう泣かないさ 夜明けが待っている Oh, yeah 君だけが 希望の光 さよならも云えず 「 愛はスローにちょっとずつ 」/サザンオールスターズ  愛する人との離別を経て、今なお感じる慕情、そして孤独感を、せつなく美しいメロディでつづった1曲となっております。ただ、楽曲の雰囲気とは相反するかのように、ハードで衝撃的なドラマ…。ドラマ関係者によると、主題歌は、毎回のエンディングを飾ることになるとのことで、この優しくあたたかなバラードが流れることには、深い意味が隠されていそう。その意味は、ドラマが進行していくなかで徐々にわかっていくはず! 何がどのように歌詞とリンクしていくのか、注目です。    他にも、福士蒼汰×菜々緒による『4分間のマリーゴールド』の主題歌、平井堅「#302」や、オダギリジョー×麻生久美子による『時効警察はじめました』の主題歌、椎名林檎「公然の秘密」や、木村拓哉の主演ドラマ『グランメゾン東京』の主題歌、山下達郎「RECIPE (レシピ)」など気になる楽曲揃い!是非、お気に入りの主題歌を見つけてみてください。そして是非是非、歌詞は歌ネットで検索を…!

    2019/11/05

  • イチオシ!
    器用に生きられない自分だったからこそ、言葉に蓄積されたんだ。
    器用に生きられない自分だったからこそ、言葉に蓄積されたんだ。

    イチオシ!

    器用に生きられない自分だったからこそ、言葉に蓄積されたんだ。

     今日のうたコラムでは、作家・作詞家として活躍している“高橋久美子”さんのスペシャル歌詞エッセイを3週に渡ってお届けいたします。今回は 第1弾 、 第2弾 に続く、最終回です。これまで、作家としての活動と並行して、大原櫻子、コアラモード.、私立恵比寿中学、ももいろクローバーZ、足立佳奈など、数々のアーティストに歌詞を提供してきた彼女。    2019年10月16日“原田知世”がリリースするバラード・セレクション・アルバム『Candle Lights』に収録される新曲「冬のこもりうた」の作詞も担当しております。尚、同アルバム収録の「銀河絵日記」と「2月の雲」も高橋久美子の作詞楽曲。そんな彼女が歌詞エッセイの最終回で綴ってくださったのは、言葉と共に生きてきた軌跡です。最初に歌詞を書いたときのこと、チャットモンチーの歌詞のこと、初の詩画集のこと、原田知世さん「2月の雲」のこと…。是非、最後までじっくりとご堪能くださいませ…! 【歌詞エッセイ最終回:歌詞と詩】  私が詩を書き始めたのは中学生の頃で、人に言えない気持ちを成仏させるためだけに書いていた(今読むと恥ずかしい)。高校生、大学生になっても同じで誰にも見せるつもりなどなかった。歌詞はすごい。書いて、人が見るどころか歌ってくれるのだ。大学で軽音部に入り、オリジナルバンドを始めたとき、歌詞を書いてほしいとボーカルの先輩に頼まれた。詩を書く要領で書いてみたら、なんなく書けた。じゃあ次は曲をつけてみてと言われて、練習室にあるグランドピアノで作ってみた。一応ついたが、あまりパッとしなかった。先輩がサビはこんな風にしてみたら?と言葉の最後を伸ばして、その延長でスカ―ンと抜けたサビを作ってくれた。おお、いい感じ。なるほど、音楽には構成があるのか。私にはAメロやBメロという概念がなかった。ただただ言葉を連ねていくと、にょろにょろごにょごにょした曲になることがわかった。でも、曲は先輩が作る方がいい。私は詩だけ書くことにした。  大学4年でチャットモンチーに正式加入し、チャットで本格的に歌詞を書き始めた。やっぱり、ただただにょろにょろとした作文のような詩であった。構成もへったくれもなかった。けれど、えっちゃんの手にかかればどんどん曲ができていった。それもとびきりメロディアスでスパイシーなのが。「 シャングリラ 」や「 サラバ青春 」「 ハナノユメ 」などは大学の頃に作ったものだった。「シャングリラ」は “時には僕の胸で泣いてくれよ” の「よ」の部分がはみ出るから、そこだけ一拍多くすることにした。後で人に言われて、なるほど、そこだけ5拍子だなあと気づいたが、自分たちにその意識はなかった。「言葉を変えてほしい」とえっちゃんから言われたことはほとんどなく(足りないときは付け足したが)あくまでメロディーが言葉に寄り添っていた。当時何を考えていたのか、どんどんと記憶が薄れていくけれど、歌詞を読めば、あるいは音楽を聴けば、私の気持ちがよくよくわかる。長い作文や日記を読むよりもわかると思う。 “何でもない毎日が本当は 記念日だったって今頃気づいたんだ” なんて歌っている「サラバ青春」にはびっくりするけど、私はしっかりと気づきながら生きてきたんだなあと思う。器用に生きられない自分だったからこそ、言葉に蓄積されたんだ。  そうして気づけば私は十年以上作詞をして、詩も書いてきた。歌詞として詞は飛び立つことになったが、詩は見せるつもりがなかった。けれど今度は詩画集という形で出版され、人々の手に渡っていくようになった。歌詞よりも音がない分、歌ってくれない分、言葉が体当たりする。出版されるのはものすごく勇気がいることだった。家族や友人には見せられない。だったら何故出すのだろう。わからない。本当に変な気持ちだ。  十二月に発売される詩画集『今夜 凶暴だから わたし』は、34才から約4年間をついやして書いてきた詩の中から選抜隊が入ることになっている。やっぱり嬉しい。誰かの人生のお供をできることは幸せなことだなと思う。私の分身のような、それでいて自分さえも知らない自分のような気がする。  さて、今週でコラムも最後ですからね。最後に原田知世さんの「 2月の雲 」をご紹介します。こちらも私の作詞で、とても気に入っています。 “君のこといつも見てた 君のこと何も知らない 君のこと全部わかるよ 嘘じゃない” “私を全部伝えたいよ 私を忘れてもいい 私は息を吸って 歌うから”  この曲は、先に曲ができていて、「ムーンライダーズの『 9月の海はクラゲの海 』のアンサーソングのようなイメージなんだよね」と作曲・プロデュースの伊藤ゴローさんが仰っていて、私も初めて曲へのお返事のような気持ちで歌詞を作ってみた。手紙の返事を書くようでとてもおもしろかった。歌詞を作るのは楽しい。曲やアレンジや声とコラボレーションして晴れやかに空を飛べる。  ああ、今コラムを書いていてわかった。詩だけを書いていた中学生頃よりも私は随分と明るくなった。人が好きになった。人を思うようになった。それは音楽のお陰である。これからも歌詞と詩の両輪でゆっくりと進んでいけたらいいなと思う。連載3回、読んでくださってありがとうございました。 <高橋久美子> ◆Information 12月中旬に詩画集 『今夜 凶暴だから わたし(仮)』を ちいさいミシマ社から出版。 詩:高橋久美子 絵・紙版画:濱愛子 価格未定 様々な女性の視点から書かれた高橋の鋭い言葉と、個性的な風合いを持つ濱の紙版画が寄り添い呼吸する。今を生きる全てのあなたへ。 <高橋久美子イベント情報> 11/2「朝活!高橋久美子の作詞教室」 11/4 食と農業のイベント「東京米友達」  11/8 Kaco×高橋久美子の「音楽×朗読ライブ、アイノメ」 等、イベント情報は 高橋久美子公式HP を御覧ください。 公式Twitter も! ◆原田知世バラード・セレクション・アルバム 『Candle Lights』 2019年10月16日発売 UCCJ-2171 3,000(+tax) <収録曲> 1. Love Me Tender - Haruomi Hosono Rework 2. 冬のこもりうた (新曲) 3. ソバカス 4. 2月の雲 - Hiroshi Takano Rework 5. 夏に恋する女たち 6. イフ・ユー・ウェント・アウェイ 7. ハーモニー 8. 銀河絵日記 - Goro Ito Rework 9. いちょう並木のセレナーデ 10. ベイビー・アイム・ア・フール 11. SWEET MEMORIES 12. 夢のゆりかご

    2019/10/30

  • イチオシ!
    消えていくことを肯定したい。辿り着かないことを楽しんでいたい。
    消えていくことを肯定したい。辿り着かないことを楽しんでいたい。

    イチオシ!

    消えていくことを肯定したい。辿り着かないことを楽しんでいたい。

     今日のうたコラムでは、作家・作詞家として活躍している“高橋久美子”さんのスペシャル歌詞エッセイを3週に渡ってお届けいたします。今回は 第1弾 に続く、第2弾です。これまで、作家としての活動と並行して、大原櫻子、コアラモード.、私立恵比寿中学、ももいろクローバーZ、足立佳奈など、数々のアーティストに歌詞を提供してきた彼女。    2019年10月16日“原田知世”がリリースするバラード・セレクション・アルバム『Candle Lights』に収録される新曲「冬のこもりうた」の作詞も担当しております。尚、同アルバム収録の「銀河絵日記」と「2月の雲」も高橋久美子の作詞楽曲。そんな彼女が第2弾歌詞エッセイで綴ってくださったのは、自身が作詞を手掛けた、足立佳奈「この夕日は誰かの朝日なんだ」、原田知世「銀河絵日記」、コアラモード.「革命前夜」、Kaco「たてがみ」についてのエピソードです。是非、最後までじっくりとご堪能くださいませ…! 【歌詞エッセイ第2弾:辿り着くだけが旅じゃない】  「歌詞を書いていて降りてくる瞬間ってあるんですか?」と聞かれることがよくある。「そんな格好いいもんじゃないですよー」と答えるが、稀にそういうときはある。それは書斎ではあまり起こらない。普通の状況では起こらないみたい。  例えば、足立佳奈さんに提供した「 この夕日は誰かの朝日なんだ 」は、何も書けずに夕焼け小焼けが流れる道を、罪悪感いっぱいで自転車で登っていたときにできた。夕日が街中を赤く赤く染めて美しくて、私はふと、ああこの夕日は地球の裏側では朝日なんだなあ、と考えていた。 “この夕日はずっと 誰かの朝日なんだと気づいたの さよならだって悲しいだけじゃないよね”  私の今日は終わるけれど、誰かの朝が始まるのだと思うと何か嬉しくて元気が出てきた。書けそう、書けそうだぞ!私は急いでメモをして、自転車に乗って帰路を急いだ。  先週リリースされた原田知世さんのバラードセレクションアルバム『Candle Lights』にも収録されている「 銀河絵日記 」の歌詞は私の失敗の産物だった。    昨年の夏、実家に帰っていた私は、出演予定のイベントに向かうため電車を待っていた。私は考え事をしていることが多く、東京でも度々やってしまうのだが……逆方向の電車に乗ってしまったのだ!  走り出して車内アナウンスを聞いて我に返った。ああ、またやっちまった。急いで隣駅で降り、時刻表を見ると、次の松山行きは一時間半後であった。そうここは愛媛。蝉が大合唱の無人駅のホームで私はひたすら電車を待った。特急電車が目の前を猛スピードで走り抜けていく。ああ、宇宙の小さな星にぽっかりと自分一人だけが取り残されたようだ。私は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出していた。 “ジョバンニ 夜汽車にゆられて ライン川を眺めてる 君とまた旅をしてみたい 帰りの予定も決めずに”  真夏の昼下がり、どんどんと言葉が溢れてきた。原田さんの世界観は宮沢賢治にも通ずるものを感じたからだと思う。私は失敗をしてしまったけど、失敗ではなかった。猛烈に旅をしていると感じた。スマホができて以来、こんな状況ないもの。楽しくて仕方ないと思った。 “辿り着くだけが旅じゃない” “自分を抜け出して初めて 自分があることを知ったの”  ジョバンニとカンパネルラも銀河を旅しながらそんな風に思ったかもしれない。死生さえも超えていける世界観は実は私達のすぐ傍に転がっているのかもしれなかった。銀河を旅する原田さんの色をイメージしたとき「エメラルド」がいいなあと思った。消えていくことを肯定したい。辿り着かないことを楽しんでいたい。原田さんに、そんな少年のような部分を感じたのかもしれない。 “エメラルドの夜の中 言葉はいつも流れ星 ひとつ ふたつ みっつ よつ 消えてゆくから美しい”  一時間半後、「銀河絵日記」の大部分が完成した。  ご本人に会って書くのか、会わないで書くのか…これもけっこう重要なところである。アイドルの方達には会わずに書くことが多い。シンガーソングライターやバンドマン達には会って話をしてから書くことが多いかな。楽曲の殆どを自作しているからこそ、歌詞も自分の言葉に近い方がいいと思うからだ。    コアラモード.に今年春に歌詞提供した「 革命前夜 」もそうだった。カフェでお二人と会ってお茶をしながら一時間半くらい、いろんな話をした。音楽のこと最近気になること、地元のこと、好きなお店の話、葛藤。これまではあまり自分のリアルな物語を歌うことは少なかったそうだけれど、彼女たちにとっても自分に近い物語を歌う、そういうタイミングなんじゃないかと思ったりして、いろいろとお話をしてから書いた。 “ああ、月が満ちて また欠けて満ちて ふと終わる瞬間が明日ならば 私はきっと 歌うのだろう”  いつでも真摯に音楽に向き合う彼女たち。それは二人の姿をみていたら本当によくわかる。そして同時に同世代の子達が持つ悩みだって同じように感じる瞬間はあるのではないかと思ったりもして。空想も交えながら、2曲作ってしまった! 好きな方に曲をつけてねと渡した。あんにゅちゃんは、より等身大な方の歌詞を選んでくれた。自分に近すぎる歌を歌うのはしんどいのではないかとも思うけど、でもそちら選んでくれたことが私は嬉しかった。  本人達が気に入ってくれたとき、本当に嬉しい。書いてよかったなあと心から思える。ライブで歌っている姿を見た時、楽しんでいるファンを目にした時、やっと曲が完成したと感じる。  共作の場合は、さらに面白いことになる…最近だとKacoさん(同じ愛媛出身)と、三作品を共作した。ご飯屋さんでまず食事をするはずだったが、早速ディスカッションが繰り広げられ、あれよあれよという間に「 たてがみ 」が完成してしまった。その場で面と向かって一回りも年上の作詞家に「うーん、それはちょっと違うなあ」というのは勇気のいることかもしれないが、彼女はお構いなし、清々しい笑。    年齢も経歴も関係ない。とにかく最高の曲にすることだけだ。どんどん二人は言葉を出し続ける。ノートはすぐに真っ黒になっていった。一枚上手な言葉を絞り出してやろうじゃないの! とわたしも必死! 帰りにはマラソンでも走ったかのようにくたくたになって、でも世界はさっきより輝いていた。    シンガーソングライターだから一人で書かないといけないなんてことはない。音楽と一緒で、二つの脳みそで言葉のセッションをすれば、思いもしなかった奇跡が起こる。それがたまらなく楽しくて依頼してくれるのだと思う。私も挑むところだ!と待っている。作詞にも音楽にも本当のところ何のルールもない。「痺れる!」その一瞬を見つけるために私は書いている。 “正しさも 間違いも全部 どうだっていい 味方でいるから あなたはあなただ 幸せになれ さあ 生きるの”    来週で最終回です!お楽しみに!  Kacoさんと11/8イベントを開催しますよ。第二部では愛についてを語るトークセッションも。生で二人の言葉セッションが見られます! http://kaco-official.com/information/news/2413/  高橋久美子の作詞講座も11月2日の朝、開催されます。朝活の一環として、気軽にご参加くださいね。 https://ps.uta-net.com/qhfl <高橋久美子> ◆原田知世バラード・セレクション・アルバム 『Candle Lights』 2019年10月16日発売 UCCJ-2171 3,000(+tax) <収録曲> 1. Love Me Tender - Haruomi Hosono Rework 2. 冬のこもりうた (新曲) 3. ソバカス 4. 2月の雲 - Hiroshi Takano Rework 5. 夏に恋する女たち 6. イフ・ユー・ウェント・アウェイ 7. ハーモニー 8. 銀河絵日記 - Goro Ito Rework 9. いちょう並木のセレナーデ 10. ベイビー・アイム・ア・フール 11. SWEET MEMORIES 12. 夢のゆりかご

    2019/10/23

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