イチオシ!

解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。

 今日のうたコラムでは、作詞家・森月キャスさんによるスペシャル歌詞エッセイを第1回~第4回に分けてお届けいたします。Hey! Say! JUMPやKis-My-Ft2、クリス・ハート、浪川大輔、水樹奈々、X21、Do As Infinity、など様々なジャンルのアーティストに歌詞を提供。さらに、自身が手掛けた楽曲は、これまで『日本レコード大賞』で4回の優秀作品賞を受賞。
 
 そんな目覚ましい活躍を見せる森月キャスさんが、今回の歌詞エッセイ連載のテーマに掲げたのは【別れ】です。第1回では、Do As Infinity。第2回では、X21。第3回では、AAA。そして最終回では、浪川大輔の楽曲について執筆。今回はその第2回、X21の楽曲「デスティニー」にまつわるお話を綴っていただきました。是非、あなたの人生における【別れ】を頭に浮かべながら、最後までご堪能ください…!

~第2回歌詞エッセイ:X21~

時代は平成から令和に変わり、西暦は2020年を迎えました。誰もが「出逢い」に期待する今、敢えて「別れ」について想いを綴るこの連載コラム。第1回から引き続き、第2回となる今回は、大切な人と積み上げていく「日常」、「時間」をテーマに、X21「デスティニー」をご紹介させて頂きます。

X21は、デビューした2014年からずっと注目していたアイドルグループで、アルバム『少女X』に収録された「席替えウィンク」「ツラくないよ」で初めて関わることができました。

12枚目のシングル「デスティニー」の作曲は大西克巳さん、編曲は日比野裕史さん、渡辺徹さんで、皆、私も所属するチーム(Blue Bird's Nest(旧tearbridge production))のクリエイターです。チーム一丸となって制作されたこの楽曲は、私にとってX21への単独名義での表題曲提供が叶った最初の作品でした。と同時に、彼女たちの最後のシングル曲でもあります。

解散を意識して制作されたわけではありませんが、ディレクターを含め、皆の熱い想い、強いこだわりが込められた作品です。作品制作の熱量に関しては以前avex management Webにて連載されたこちらをご覧頂ければ伝わると思います。

第1回でご紹介したDo As Infinityも解散を経験しているバンドです。バンドやアイドル、アーティストの解散は、応援してきたファンにとっては、恋人にさよならを告げられることに等しいと思います。場合によっては恋人以上の、人生を捧げたい存在になっていたかもしれません。その喪失感は計り知れないものでしょう。

ただ、解散や卒業、引退をしないでずっと活動し続けられるアーティストの方が少ないと思うんです。多くの方がこれらを経験し、第二の人生、その後の活動をしていくのでしょうし、引き続き応援するファンの方もたくさんいることと思います。解散は終わりではないし、歌われてきた楽曲は死にません。

“Good Chance この瞬間が
Get a Chance デスティニーだから
願うことで 未来はいくらでも変わる”


信じたくない現実に直面した時に、「これが運命なのか」とネガティブな諦めの言葉として使うことも多い「運命~デスティニー~」ですが、どんな運命が待っていようとも、ただの挫折や悲しみとして終わらせるのではなく、次へのスタートの切っ掛けや新たなチャンスとして未来へ繋げて欲しい、そんな願いを歌詞に込めました。

「あなたには、大切な人がいますか?」という言葉を前回の最後に投げかけましたが、「大切な人」って、いつどこからそう感じるんでしょうか。

会社の同僚、学校の友達、チームの仲間、そこには様々な個性が存在し、それらがぶつかり合い、すべてを理解できるわけではない。

「大切な人」とは、ただ単純に「好き」と同じ意味ではないと思うんです。むしろ嫌いな人、見返したい人も、大切な人なのかもしれない。ライバルは当然、競い合い、高め合える大切な人でしょうし、足手まといなほど守らなければいけない弱い存在も大切に想うことでしょう。

人生という限られた時間の中にたくさんの出逢いがあり、ありふれた日常の中に運命の瞬間がある。大切な人が一人もいない人なんていないのかもしれませんね。

“驚かせたい君が待ってること
喜ばせたいあなたを想うこと
見返したいあの人の存在も
ぜんぶぜんぶかけがえない
新たな希望へのデスティニー”


X21は華やかなアイドルグループでした。ですが、ステージ上のキラキラした彼女たちだけでなく、陰で努力する姿や悔し涙のキラキラを想像すれば、ただの健気な少女に他なりません。

努力の日々を重ねる中で出逢えたたくさんの大切な人たち。その人たちとの時間をどれほど大切にしてきたか、彼女たちの楽曲をリリース順に聴き直せば、その努力による変化が感じられることでしょう。

予め想像していたとしても、実際に別れることはとても辛い。だからこそ、一緒にいられる時間を大切にしたいですね。

あなたには、大切な人がいますか?
今日、その人を大切にしましたか?

<森月キャス>

【第3回「AAA」編の更新は1月14日(火)です!】

◆Information
森月キャス所属
Blue Bird's Nest(エイベックス・マネジメント)
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◆森月キャス
『言葉の達人』登場回
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