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J

【J】 『J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F. -Special 3 Nights-』 2017年8月13日 at 赤坂BLITZ

2017年08月13日@赤坂BLITZ

撮影:橋本 塁/取材:大前多恵

2017.08.21

Jのソロデビュー20周年を記念した、赤坂BLITZでのライヴ企画『Special 3 Nights』。恒例のバースデーライヴ(FC限定)を開催した8月12日を挟み、前夜11日は2枚組ベストアルバム『W.U.M.F.』のDISC1、翌日の13日はDISC2にフォーカス。レポートするのは第三夜、Jのメロウな側面にフォーカスした、前例のない公演である。

「Graceful days」で重厚に幕を開けると、「I know」ではソリッドなベースラインを刻みながら、迷いのない力強い歌を聴かせた。“いつもと違うムードですけど、みんなリラックスして楽しんでいってね!”とファンに語りかける。テンポ感がゆったりとしていてバラード寄りである、という共通点はあるものの、グイグイと引っ張られるようなグルーブが心地良い「ray of light」、アンサンブルがドラマチックな高まりを見せる「walk along」と、息の合ったバンドの演奏は曲ごとに演奏の印象も異なり、平板さとは無縁である。また、自身がMCで“3日目なので声がガラガラ”と言及していた通り、やや苦しげに振り絞るようにして歌う場面も時折ありながら、それがむしろ焦(じ)れるような切実さ、訴求力を高めているようにも思えた。

「white」で締め括った前編が太陽の光のイメージだとすれば、気怠い3連のリズムとリバーブ感が幻想的な「When You Sleep」からは、夜空に月が輝き星が瞬く世界。久々の披露となった「Heaven」ではスタンドマイクを両手で握りしめ、艶やかな低音を響かせた。“ここから盛り上がっていきたいので、良かったら一緒に歌ってください”と呼び掛けると、まずは「baby baby」へ。ロマンチックな歌詞、どこか牧歌的ですらあるメロディーラインが安らぎを感じさせる。「Blank」ではコーラスに合わせてファンは手をあげ、一体感が広がっていく。間奏で見せたJの笑顔からは、自身が心底ライヴを楽しんでいる様子が伝わって来たし、《このまま全てを感じたい》と歌いながら右腕を広げる姿には目を惹き付けられた。パワフルな「NOWHERE」へと雪崩れ込むと、フロント3人でリフを勢いよくユニゾン。2番の冒頭は“歌ってくれるかい?”とフロアーにマイクを向け、巻き込んでいく。BPMは速くないとはいえ、落ち着きとは無縁で、内なる高まりをひしひしと感じる曲だ。本編ラストは「Endless sky」。一歩一歩進める着実な歩みのようなリズム、遠くまで届けとでも言うように高音で叫ぶようにして歌われるサビ、重ねられる観客のコーラス。全てが揃って織り成される音楽に身を預けながら、Jがファンとともに20年に渡って紡ぎ上げてきた“信じられる何か”がそこにあるのを体感した。

Jコールに応えて行なわれたアンコールでは、“まったく新しいスタイルのライヴだったんだけど、どう? 俺も演奏しながら気持ち良かった。速いとか激しいとかだけでロックミュージックが語られる部分があるけれども、実は俺の中ではそうではなくて。やっぱりメロディーやリズムや、そこにある力強さみたいなものを自分の音楽で表現できたらいいな、とずっと思っている人間で。またこういうのやりたいな!”とMC。3日間を振り返り、“まさに俺自身の今を映し出す3日間だったと思います。この刺激をエネルギーに変えて、年末(12月30日&31日)に向けて飛ばしていこうかなと思ってます”と、新機軸の企画に手応えを感じている様子だった。

“今日は、こういう曲たちでライヴを終えたいな、と思ってますので”と前置きして、アンコールでもアッパーな曲はチョイスしないことを静かに、しかし毅然と示すと、「Tomorrow」を披露。ストリングスパートを同期で鳴り響かせ、壮大なサウンドスケープを立ち上げる。フロアー上方のミラーボールが星空のような情景を作り上げ、立ち尽くすようにして聴き入る観客たちの頭上を照らした。


“3デイズ来てくれた奴も、来たくても来られなかった奴も、全ての人に、最後のこの曲を贈りたいと思います”との言葉から、ベストアルバム選曲時にファンのリクエストで1位を獲得した「ACROSS THE NIGHT」を届けた。子守歌のようなギターアルペジオ、心の奥に語り掛けてくるような歌詞。時には小声で囁くように、次の瞬間には全開のパワーで、寄せては返す波のようにして徐々に高まっていく熱量。迷いながらもその都度乗り越えながら進んできたであろう、Jの心の軌跡を音楽で追体験するような時間だった。“最高の刺激をもらって、20周年イヤーを突っ走っていきたいと思います。最後にひとつ、約束いい? 次会う時まで何があっても、くたばるなよ! 年末に会おうぜ!”とファンと固く誓いを交わし合ったJ。ステージを去ったあとも、再度アンコールを求める声が止まなかったが、ライヴはDISC2の世界を貫いたまま、潔く幕が下ろされた。

DISC1に象徴されるJの激しさ、雄々しさは、DISC2に宿る繊細さやロマンと表裏一体。いずれもJの欠くことのできない本質であり、両輪に支えられてこそ、炎は熱く燃え続けている。その想いを新たにする第三夜だった。

撮影:橋本 塁/取材:大前多恵

J

ジェイ:1992年にLUNA SEAのベーシストとしてメジャーテビュー。97年、LUNA SEA の活動休止を機にソロ活動を開始。翌年LUNA SEA を再開するが、00年12月の東京ドーム公演にて終幕し、本格的にソロ活動をスタートする。03年にはアリーナ・オールスタンディングによる、ソロ活動初の武道館公演を実施。その後もとどまることなく自身の音楽を追求し続け、15年9月にソロ10作目となるアルバム『eternal flames』を、17年3月にはソロデビュー20周年を記念したベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> [W.U.M.F]』を発表。

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