LIVE REPORT

LUNA SEA ライヴレポート

LUNA SEA ライヴレポート

【LUNA SEA ライヴレポート】 『LUNA SEA –RELOAD-』 2021年3月28日 at さいたまスーパーアリーナ

2021年03月28日@さいたまスーパーアリーナ

撮影:田辺佳子、横山マサト/取材:キャベトンコ

2021.04.01

涙を堪え、笑顔で会場に応える真矢(Dr)は“みんなのことが大好きの最上級、大好キングだぜ!”とあふれる想いを表現した。2020年12月に行なわれる予定だった本公演は真矢の新型コロナウイルス感染によって延期に。そのリベンジとなった3月28日&29日のさいたまスーパーアリーナは新型コロナウイルス感染拡大対策として50パーセント以下の観客数となり、途中に換気休憩をはさみ、二部構成で開催された。その最終日をレポートする――。

会えなかった時間を埋めるように、オーディエンスは大きなクラップでメンバーを待ち構える。壮大なSEが会場に響きわたり、5人がステージに現れて空気が変わった。公演2日目とはいえ、約13カ月振りにそろった雄姿に息を飲む。最新アルバム『CROSS』のオープニングナンバーで、希望の光を感じるミディアムテンポな「LUCA」からスタート。彼らの演奏が始まった途端、音が降り注ぎ、身体にビリビリと振動が伝わってくる。まさに五感で味わう空間だ。メンバー全員の音が再会の喜びにあふれていて、客席の人々は体を使ってその気持ちに応えようとしていた。

ライヴでお馴染みの「Déjàvu」では声を上げることができないオーディエンスを気遣い、RYUICHI(Vo)は“お前たちの心の声を聴かせてくれ。行くぞー!”と呼びかけて歌う。“みんな会いたかったぜー!”――RYUICHIは大変な時期に勇気を持って会場に来てくれた人たちに感謝の気持ちを告げ、直接足を運べなくても全世界配信で観てくれているファンにも“画面を観て絶叫してほしい”と語った。

“みんな、行くよー!”と突入したのは、J(Ba)が原曲を担当した「Closer」。2020年には世界的プロデューサーであるスティーヴ・リリーホワイトとともに作り上げた『CROSS』のツアーが予定されていたが、新型コロナの影響によって中断を余儀なくされていた。そのため多くの人は、今回初めて同作の楽曲が演奏されるのを目の当たりにした。スティーヴは「Closer」についてインタビューで“非常にライヴ映えする曲で、ロックキッズたちの心に響くのではないかと思う”と語っていたが、結成から30年以上のバンドでありながら、衝動に身を任せるこういった正統派ロックな作品も未だ新鮮さを失わずに演奏できるところも、彼らの魅力のひとつだろう。

そして、今回の公演で特に新たなLUNA SEAを見せてくれたのは4曲目に置かれたINORAN(Gu)原曲の「You’re knocking at my door」だと思う。アルバムの中でも特に混沌とした楽曲で、ひと筋縄ではいかない匂いを漂わせていたが、ライヴではさらに大化けしていた。渋みのある楽器隊の音と、INORANの低音のコーラス。そこにRYUICHIがマイクを2本使い分けて歌声を変えながら、会場全体を曲の世界へ引きずり込んでいく。ロックバンドとしてダークな荒々しさを表現しつつも、その根底には凛とした美しさが貫かれていて、改めてLUNA SEAの底力に圧倒された。

「You’re knocking at my door」で起こされた嵐、それを抜けて風に乗るように演奏されたのはSUGIZO(Gu)原曲のプログレッシブロックの色が強い「PHILIA」。中盤の楽器と調和しながらも空間を切り裂くヴォーカルの絶叫はRYUICHIでなくては表現できない。また、もうひとつこの曲の見どころは、テンポが切り替わる後半パートやアウトロでJがピアノを奏でるところだろう。激しいベースのパフォーマンスとは違い、繊細に音を紡ぎ出す。アルバムごとに常に進化する彼らだが、今回も予想をはるかに飛び越えたものを提示してくれた。

MCでRYUICHIはウイルスによって物理的な距離は生まれたけれど、LUNA SEAとファンの結びつきを、より強いものにしてくれているのではないかとコメント。そして、“覚悟を持ってルールを守って。でも、僕らにしかできない未来を一緒に勝ち取っていきましょう”と語った。

スティーヴが“SUGIZOの最高の部分が詰まった曲”と評する、魂を昇華させていく「静寂」。RYUICHIの鬼気迫るヴォーカルの背後でJの地を這うような語りが加わり、圧巻の演奏を見せていく。これらの曲がツアーを経て、ますます磨かれていくのを見るのが楽しみだ。そして、ガンダム40周年プロジェクトのテーマソング「The Beyond」で第一部は締め括られた。

トータル20分超えとなる大曲「THE ONE -crash to create-」のインスト版が流れていた20分間の換気休憩のあと、第二部はLUNA SEAのライヴを象徴する「月光」のSEがかかり、2回目のライヴが始まる感覚になる。何度もオープニングナンバーを飾ってきた「LOVELESS」で口火を切ると、ここからは「BELIEVE」や「DESIRE」など“BEST OF LUNA SEA”といった名曲が続く。LUNA SEAの代表曲のひとつ「ROSIER」ではオーディエンスは拳をあげて客席の熱を伝え、多幸感に満ちたナンバー「SHINE」ではRYUICHIに合わせてINORANも後ろで手を振る姿が印象的だった。

これまでとはまったく違う環境の下で行なわれている今回の公演。ステージ上の彼らから見える景色も大きく変わったようで、“本当にこんなに静かな、静まり返った会場もなかなかないけれど。でも、すごいアツいんだよね。みんなの想いがすごく伝わっているし、今(換気休憩中)も「THE ONE」を聴きながら、メンバーで“アツいね、今日は”と言っていたので、みんなどうもありがとう!”とRYUICHIが語っていた。

アンコールの拍手とともに、客席からはオーディエンスによる青いライトが灯る。その光景を見たRYUICHIが“世界中の頑張っている人たちに、その青い光を届けられたらいいなと、そんなふうに思っています。絶対にトンネルの出口まで、一緒に行こうね。世界中の仲間たちに届けましょう”と話し、昨年コロナ禍の中にリモートで作られた「Make a vow」を披露。ウイルスとの戦いで途切れてしまった絆。不安に飲み込まれそうになっていく人の手を、この曲はしっかりとつなぎ止めていき、ひと筋の光を見つけようと励ましてくれる。そして、5人が同じ空間にいて演奏することができている、今という時間の尊さを感じた。

ここでメンバー紹介。その最初を託された真矢は、コロナに感染して患者として医療従事者の方々に大変お世話になったこと、彼らが日本だけではなく、人類を支えてくれている方々なのだと感じたこと、さらにメンバー、スタッフ、ファンの温かいコメントや声援を受けて、どれだけ助けられたかと語り、“これからみんなに恩返しをしていきたいと思います。本当にどうもありがとう! みんなのことが、大好きの最上級、大好キングだぜ!”と言葉を残す。Jは“止まっていた時間が、みんなとともに進めることができた感じがします”と会場全体の想いを言葉し、SUGIZOは“昨日やってつくづく思ったこと。ライヴがないと生きていけない。LUNA SEAのライヴがないと生きていけない。そういうみんなが俺たちと一緒にここに集まっている。そして、もうひとつ、命があることに心から感謝”とコメント。この状況を迎えていることが奇跡なのだから、今、この瞬間を完璧に生きようと呼びかける。さらに“ライヴがないと、音楽がないと、エンターテインメントがないと、世の中は、文化は死にますよ”と続け、いろいろな制約がある中で、それを超えて、新しい音楽シーンを一緒に引っ張っていこうと決意を述べた。そして、INORANは“明るい未来に行くために、音楽は必要だと思うんだよね、僕ら。そのために僕ら5人は、僕らスタッフ、僕らのファミリーは、これからも全力で音楽を鳴らし続ける。それを全力でやりたいと思います”と宣言した。

アンコール2曲目はラストに来ることが多い「WISH」。イントロが始まって一斉に“I WISH”と叫ぶが、今回はできないため、オーディエンスはいつも以上に目いっぱいジャンプする。そんな場面からも、会場の一体感を目の当たりにした。

“5人から心を込めて”――ライヴの締め括りは、メンバーがアルバムのラストに持ってくることにこだわったという、さわやかだが切なさも混じる「so tender...」。おだやかな真矢のドラム、INORANのやさしいアコースティックのギターとSUGIZOの繊細なヴァイオリンの音色が重なる。そこにJの懐の深いベースが加わり、RYUICHIはそれらの音に自由自在に乗る。スティーヴが“聴いたあとにしみじみと、これはいいアルバムだったなと余韻にひられるような曲”と語っていたことを思い出した。アルバムではスッと終わっていくが、ライヴではさらにパートが付け加えられていて、雄大にラストを飾っていくアレンジになっていたのは特筆すべきところだろう。

最後はLUNA SEA のライヴでは恒例となっている、ここにいる全員が手をつないでのジャンプ...だが、今は接触ができない。RYUICHIは“昨夜もやったんだけど、エアーでもめちゃめちゃ気持ち良かったので、最後にこの会場にいるみんな、それからモニターの前にいるみんな、一緒にエアーでひとつになりたいと思います”と呼びかけ、一斉に手を上げてジャンプして終演を迎えた。

メンバーが新型コロナウイルスに感染してライヴがキャンセルになるという苦難を乗り越えて行なわれた本公演。ステージ後方の大きなスクリーンがなく、シンプルなセットとなっていたが、それでも彼らが音を発すれば、何よりも会場が華やかに色づいていく。ロックバンドとしてのあるべき姿を示してくれた。まだコロナ禍という状況は変わらないが、延期となっている全国ツアーに彼らの気持ちは向かっている。今日体感した最高を、LUNA SEAはこれからのライヴで更新するのは間違いないだろう。

撮影:田辺佳子、横山マサト/取材:キャベトンコ

LUNA SEA

ルナシー:1989年、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始(当時の表記は“LUNACY”)。90年にバンドの表記を“LUNA SEA”に変更し、翌91年に1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。そして、92年にアルバム『IMAGE』でメジャーデビューを果たす。00年12月26日&27日の東京ドーム公演を最後に終幕を迎えるが、07年12月24日の満月のクリスマスイヴに東京ドームにて一夜限りの復活公演を経て、10年に“REBOOT(再起動)”を宣言。13年12月には13年5カ月振りとなる8枚目のオリジナルアルバム『A WILL』を発表する。その後、バンド結成25周年を迎え、自身初の主宰フェスとなる『LUNATIC FEST.』も開催し、17年12月にはオリジナルアルバム『LUV』を、19年12月にはグラミー賞5度受賞のスティーヴ・リリーホワイトとの共同プロデュースによる10枚目のオリジナルアルバム『CROSS』をリリース。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    【第一部】

  2. 3

    2. Déjàvu

  3. 7

    6. 宇宙の詩〜Higher and Higher〜

  4. 11

    【第二部】

  5. 20

    <ENCORE>

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