いつか終わるとわかって過ごしたろくでもない日々。

 2026年4月15日に“FINLANDS”がデジタルEP『しょせんの二人』を配信リリースしました。そして、今作を携えて、全国7都市を巡るワンマンライブツアー『一生涯TOUR』を5月15日(金)札幌SPIRITUAL LOUNGE公演を皮切りに、ツアーファイナルの6月13日(土)東京LIQUIDROOMまで約1ヶ月間にわたって開催! 新曲がどのように披露されるのか、ぜひお楽しみに!
 
 さて、今日のうたではそんな“FINLANDS”の塩入冬湖による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は収録曲「しょせんの二人」にまつわるお話です。「いつかは終わる」とわかっていながらも、現実から目を背けて、「今日も楽しい」と言いたかったあの頃の記憶…。


夏休みが終わる間際のような
嘘でしょ?
もう8月28日?
何にも宿題してないけど?
を歌にしたかった。
 
ちなみにわたしは昔からせっかちだったので宿題は必ず7月中に終わらせて8月にふざけきっただらけきった日々をおくっていました。
 
楽しいだけでいいじゃん!
このままでいいよ!
 
 
このままじゃいられないことくらいわかってる。
 
が混在していた頃がある。
 
好きだから一緒にいるだとか、楽しいから飲みに出かけるだとか、朝まで遊びふけるだとか。
楽しそうでいなければ心がおかしくなりそうだった。
現実に目を向けたくなかった。
 
だから楽しいふりの日々を続けた。
きっとあなたもそうなのね。
という人と一緒に。
 
「今日も楽しい」と言いたかったわたしの為に。
 
とことん生活から目を背けた。
美しいものもそんなに美しいと思えなかった。
社会のことなどどうでも良かった。
賢さなど役に立たなかった。
気軽で簡単な幸せの模造品を集め続けた。
 
 
生活の話のない生活に、日々の義務を果たさない事にあげる祝杯、昼に起きてから無いものを有ることにして過ごす。
 
いつか終わることくらいはわかっていたし、利口ではないが理性はしっかり残っていた。
だから終わることを考えながら毎日を消耗していく。
 
このままじゃ駄目だなんて百も承知で。
 
わたしはあの日々を終えられて心底ほっとした。
楽しくなんてなかった。
生活なんて整って計画的に行う方が楽に決まっていたのだ。
 
ただあの「いつか終わるとわかって過ごしたろくでもない日々」をたまに思い出す。
 
恋ということにして、楽しいということにして、幸せということにして、わたしたちが過ごした日々は夏休みの終わり3日前とよく似ている気がする。
 
ろくでもないしょせんの二人。
 
<FINLANDS 塩入冬湖>



◆紹介曲「しょせんの二人
作詞:塩入冬湖
作曲:塩入冬湖

◆デジタルEP『しょせんの二人』
2026年4月15日発売