小さな友人eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | きこえない ふりをして なにをみているの? くうきのなか おしゃべりも つかれたか つちくれで みたされし おもい ほら、また なみだがお でも、すぐ ばかわらい 彼は心の中の影法師 泣いたり笑ったり忙しい奴さ どうだ 少しは気分がすぐれたか? むずかしい かおをして どうしたんだ? よさむのまど とおく めをこらしては おもしろい しらせをまっている あら、また きえちゃったよ でも、まだ いけそうだぞ 彼は心の中の影法師 何時でも何処でも足踏みしている 今尚、何かに焦れている 寄り添い歩み行こうぞ この世の果てまでも 彼は心の中の影法師 時折、迷えば眼鏡もくもる だが目に燃え立つ火を忘れるな |
男子畢生危機一髪eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 数多の溜め息が 季節を飲み込むので 私は思わず目を伏せる ―小さな影法師― 何処へ行く 足早に急ぎ行く 名も知れぬ人 走って、走って、走り去る! 月光と太陽を駆け抜ける! 真昼の眩しさが 景色を燃やすので 私は思わず口籠る ―さざめく屋根瓦― 現れて消えて行く 夏の雲 冬の朝焼け 走って、走って、走り去る! 月光と太陽を駆け抜ける! |
大東京牧場eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 上空 白い雲 羊の群れたち 東京 白いシャツ 羊の群れたち ラララララ 何もかも ラララララ 無視する 雑踏 文庫本を右手にぶら下げて 雑踏 新宿通り 良く晴れた月曜日 ラララララ 何もかも ラララララ 無視する 大東京牧場で羊の群れは草を食む 有象無象の夏祭り 善良市民の面の皮 今日 接点ゼロ ノ風景 毛穴ニ詰マル 苦イ電波 今日 接点ゼロ ノ人類 号令一下 ノ盆踊り ラララララ 踊り出す ラララララ 踊り出す お池の岬に佇めば 水面に映る私の姿 多少毛色は違えども やっぱり私も羊だった ラララララ そうだったんだ ラララララ そうだったんだ 大東京牧場で羊の群れは草を食む 有象無象の夏祭り 善良市民の面の皮 |
世界は割れ響く耳鳴りのようだeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 足を一歩踏み出す毎に 世界は割れ響く耳鳴りのようだ 千切れる程手を振れば 朱に染まれるビルの窓 風も茜に鳴り響くのが見えるぜ 割れて響いて壊れて消える 消えるよ 風は歌に変わる 歌えば天気雨 歩道橋の上 Oh! ハレルヤ! もっと降ってこい! 世界に降り注げ! 耳鳴りのように! 駅前では鳩の群れが 陽の行方を追いかける 嬉し悲しが鳴り響くのが見えるぜ 割れて響いて壊れて消える 消えるよ 顔を上げて 目を逸らすな ありのままの世界から 割れろ響けよ 遍く日々に 俺達に 割れろ響けよ 耳鳴りのように 響けよ! |
静寂が燃えるeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 駆け出したはいいが 靴音が跳ね返り突き刺さる 月曜の太陽に静寂が燃えて姦しい 花には風が 風には雲が 揶揄う様に戯れる 誰か私を知らないか? 誰か私を知らないか! 六月の囁きが 狂おしい午後には 屋根には雨が 時計の音が 震えて饐えて 血を吐く様だ 誰か私を知らないか? 誰か私を知らないか! (この静けさに耐えかねて嗚咽を漏らしているのは誰だ!) 哀れ明日知らずの灰色の魂よ |
素晴らしい世界eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 急ぐ言葉は千切れて落ちて足元に転げる 気にすんな、それは蹴飛ばしとけよ 次はすぐ顔出す 笑い、歌い、弾んでいけよ 命かけて笑えるなら 素晴らしい世界 命かけて泣けるなら 素晴らしい世界 君は背中に羽根を生やして 何処へでも飛んでけ 街が季節を飲み干す様に 過ぎし日を飲み干せ 朝に、夜に、弾んでいけよ 命かけて走れるなら 素晴らしい世界 命かけて立ち止まるなら 素晴らしい世界 青い窓開け放て 風の色が見えるだろ? 闇が明日を覆っても 俺達いつもそのまんまさ 時を知る影を知る 笑おうぜ 笑える筈だぜ やがて何処へ消え去るのか そんな事は言わない 目覚めた時が生まれた時だ 鐘の音鳴り響く あそこへ、ここへ、弾んでいけよ 眼に今日も炎を映せ 素晴らしい世界 眼に今日も涙を満たせ 素晴らしい世界 素晴らしい世界の果て 素晴らしい光と影 |
自由eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | そこから何が見えるか 西の窓は世界と繋がっている あの屋根の向こうでは何が 何が起きているのか 雀や鴉が飛び回り 学校帰りの子供等は戯れる ナンデモナイカラ ナンデモナイカラ 風吹いて忘れる 風吹いて消えてしまう それは何処から生まれ来るのか それ等は何処へ辿り着くのか 俺はアッという間に見失って 心の中で心を殺す なんて悲しい夕景なんだ 雀や鴉が飛び回り 学校帰りの子供等は戯れる ナンデモナイカラ ナンデモナイカラ 陽が差して忘れる 陽が差して消えてしまう 光の中で俺は自由か 光の中で何が出来るか |
ジグザグジグザグチクタクチクタクeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雨が降り出して 言論を封鎖する 窓を開けられない 膨張と緊縛 雨が突き刺す矢に見える ジグザグジグザグチクタクチクタク 背に刺さる 雨が降り出して 観念を殴打する 神様が降りてきた 盲信と執着 雨が裁きの声になる ジグザグジグザグチクタクチクタク 知らしめろ! 膨張 緊縛 盲信 執着 有罪!有罪!有罪!有罪! 遍く我等に降り注ぐ ジグザグジグザグチクタクチクタク 背に刺さる |
JET MANeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 一足飛びに彼方の街へ 風吹く速さのままに 手を振り別れ 誰かと出会う 花と涙を携え 月の無い夜を一跨ぎ 絶望の谷を一跨ぎ 飛んで行け 飛んで行け ツバメや雲やジェット機みたいに 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 捨てられる全てを 一足飛びに知らない街へ 躓く弾みのままに 「誰の指図も受けない」なんて ナカナカ難しいもんだなあ そうさ、アイツ等も一跨ぎ そうさ、夕焼けを一跨ぎ 飛んで行け 飛んで行け 目蓋に残る傷の向こうへ 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 追い縋る全てを 旅の夜空に俄に浮かぶ あれは迷い、恐怖、失望 黒い影ニヤリ 「道は閉ざされた 明日は閉ざされた!」 飛んで行け 飛んで行け ツバメや雲やジェット機みたいに 捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け 捨てられる全てを |
365歩のブルースeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ここが旅路の終点なんだろうか それとも全ての始発駅なんだろうか 春風吹いたら、今度こそ飛べる筈さ 現実はいつでも無愛想な壁のよう 足が止まる度に明日が遠くなる 雨が降る度に心が細くなるけど あの日の空の色、忘れた事は無い ポケットの中でギュッとそいつを握りしめ 欠伸を噛み殺して 朝の街に立っている 波に足を攫われて コケながらも尚、走る、走る 「太陽は一体、誰の為にあんなにも燃え盛るのか。 我々は一体、何の為に涙の唄を繰り返すのか。」 欠伸を噛み殺して 朝の街に立っている |
さらばよ、さらばeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 窓から覗く顔は青白い 目が醒めても気が付け無いもどかさよ 唯、流れる儘に流れるのだろうか 唯、佇む儘に佇むのか 姿、無様、 耐え難くも絶えざる息吹き さらばよ、さらば 過ぎし日の 寄せては返す幻よ 日射しの中、道を行けば君に出会う 三十五度に溶ける汗、夏の真昼 この太陽の中に何があるのだろう この毎日の中に何があるのか 強く、弱く、深く、浅く、 縺れる命 さらばよ、さらば 夏の日の ユラリ消える戯言よ さらばよ、さらば… |
砂塵の彼方へeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 砂の様に 霧雨の様に 真昼は降り注ぐ 拒絶の矢は雲間を射抜いて 空を射落とす 「目蓋に菜の花、思い出哀しい」か、 馬鹿げた感傷だぜ 目を上げる それを識ろうが識らざろうが 目の前に広がる世界は砂塵の中 流れて消えて行くちぎれ雲 秋風身に滲むビル影の中 鼻唄をぶら下げて立っている 「ソレハアマイノ? ソレハニガイノ? アタタカイノ? ツメタイノ?」 恥じるな声 躊躇うな声よ 太陽の真下へ! そぞろに歩めば何時の日か 懶惰の闇さえ慈しむ様に 口元に薄笑み浮かべている 何時でも心に鳴り響く 俄かに眠りも打ち覚ます あれは声無き声 歌無き歌 それを識ろうが識らざろうが 目の前に広がる世界は砂塵の中 流れて消えて行くちぎれ雲 秋風身に滲むビル影の中 鼻唄をぶら下げて立っている (言葉は持たずとも) |
小羊と月明りeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ビルの屋上 日暮れ前 流れる雲を眺めてた 物音は全て遠くにあり 子供等の声が聴こえる 「結論はまだ出ない」 人々の影が消える頃 私が言葉を捨てる頃 顔の無い人が駅前で 誰かの顔を拾う 「結論は先送り」 暗い道程 楽しげに 本当は楽しくも無いくせに 無理に作った笑顔には 泣きたいような淋しさがある 大都会の真夜中に月明り 空から星が落ちて来て 私はそれを受け止めて 暫く眺めていたけれど 結局、道端に捨てた 「結論はまだ早い」 沈黙が明日を塗り潰し 溜息が顔を剥ぎ取って ポロリと落ちた駅前で 誰かがそれを拾う 「結論は何処にある? 暗い道程 憂鬱げに 本当はそうでもないくせに 無理に作った理屈には 狂ったみたいな虚しさがある 大都会の真夜中の月明り 未明の空気を引き裂いて 一番列車が今日も又、 新しい朝を告げて行く 私はそれを見てる 「結論は求めない! 結論は求めない! 結論は求めない!」 大都会の月明り サヨナラさ 大都会の月明り サヨナラさ」 |
声eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 花に曇の空模様 俺の心は何処にある 彼方此方を駆け回り 辺り構わず呼ぶのだが 「神様は死んじゃったよ」 まだ俺は生きているようだ 「もう花は散っちゃったよ」 だが日々は続くんだ 鐘を打ち鳴らす 何回も打ち鳴らす 雨雲を打ち壊し 俺を打ち壊せ 喉の奥から沸き上がる 風の吹くような声が 風に四月が砕け飛ぶ 砕け飛ぶなら砕け飛べ 気が済むまで彷徨って 気が済んで微睡んで 両頬を打ち据える幻に飛び起きる 窓を開け放て 魂を開け放て 過去を開け放ち 未来を開け放て 地平の果てを叩き割る 雷のような声を 焼き付く声を 引き裂く声を 血潮の声を 声を! |
荒野に針路を取れeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 生れて来た意味は知る由も無いが 此処に立って「今」を見据えている それは傷つき疲れ果ててはいるが 走り出す姿勢を保っている 見渡す限り、青空 旅立つには良い日和だ 水たまりに映る街が 心の風景によく似ていた 「夜が明ける前に覚悟を決めろ」 幾千夜、それを唱えたか 迫りくる闇の中にこそ 探していたものがある筈だ 身を乗り出して手を振って サヨナラを繰り返して 人々の旅は続く 境界線を飛び越して 嵐の荒野に踏み出して 人々の旅は続く 明日に何があるか知る由も無いが 生きている「今日」を見据えている 悲しみは不意に溢れて来るけれど 溺れてちゃ走れないんだ 頭の上から嵐が吹いて 涙代わりの歌を歌って 人々の旅は続く 歩幅をちょっと広く取って 目を開いて、風を切って 人々の旅は続く |
黒い太陽eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 留まって発達中の真っ黒雲に 抗って戦闘中の俺の午後は 傷も露わに前進する 怒り露わに前進すれば また風は止む またヤツが来る また風は止む 血を吐く様な三十三℃ 黒い太陽 焼き付く感傷 街は陽炎 黒く雪は降り積むばかり ひっ絡まってもんどり打って転げ廻って 突風三秒、猛り狂って花が散るんだ 神の非力 驢馬の背中 手を拱いて呆けた面 また風は止む またヤツが来る また風は止む 皮膚を抉る三十三℃ 黒い太陽 焼き付く感傷 街は陽炎 黒く雪は降り積むばかり 嗅覚神経人格 |
ギラリズム夜明け前eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 硬直した感受性は泣かない くたびれ果てた感受性は泣かないもんだ 寄り集まって慰めあって 文殊の知恵を手に入れた 老成して出来上がって 立派な知恵を手に入れたって それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 あれがこうなったらいいのになぁ これがああだったらもっといいんだがなぁ そんな訳が無ぇだろうと 科学的な検証だ そんな訳が無ぇだろうと 現実的な訓戒だ それがなんだろう? それがなんだろう! 汗が冷える 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに ああ、遠すぎて見えない ああ、近すぎて気付けない 遠すぎて見えないからって 見ない訳にはいかない 近すぎて気付けなくとも それでいい訳ぁ無ぇだろ さあ! もっとくれ! もっとくれ! もっと!もっと!もっと それでいいんだよ それでいいんだよ! ギラギラしてる 夜明け前 帰ろう帰ろう俺に帰ろう 滾る想いもそのままに |
木枠の窓eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雨降りの暗き朝の 目覚め悪しきは 凡そくだらん人生 悪夢の中 今すぐ立てよ、男よ 窓を開ければ 雨雲の黒き儘に 鈍く光る 力と風 渦巻く今日だなぁ 孤独と雨 身を打つ今日だなぁ 西の空は予感に満ちていた 開けっ放している木枠の窓 拓かれて味気の無い 日々の行く方に 項垂れて諦め顔 『さよなら、君』 木漏れ陽に手を翳して 『死ぬな、生きるな』 哀れ人 悲しき性 微笑む癖 力と風 木々が揺れているなぁ 孤独と雨 傘を差そうかなぁ 西の空は薄日が射していた 開けっ放している木枠の窓 ―あれは二十八年の虚無と怠惰の形 あれは二十八年の嘘と欺瞞の形― |
矯正視力〇.六eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 何回だってやり直す 悲しみなんて川に捨てる 本当は内ポケットに仕舞ったままだ 仕様が無いから連れて歩く 午後の陽が陰って来て 俺は目を挙ぐ 何も見えちゃいないが 朝な夕なに俺達独り あんな街 こんな街さ 其処で風を見たり 月を見たり、さ 擦れ違って すぐ見えなくなる 携帯電話を破壊して 漸く世界と繋がった 馬鹿な俺は何時でも爪先立ちで ヘッドライトに怯えて歩く 遠くで犬が吠えている 俺は手を振る 誰も振り向きやしないが ビル間に夜に雨は落ちて あんな人 こんな人さ 其処で夢を見たり 花を見たり、さ 四つ角でまた見えなくなる 何回だってやり直す 何回だってやり直すんだ 静かに朝がやって来て それを迎えて涙をグッと飲み込んでいる ホームの一番電車にはわざと乗らずに 赤い空を見ていた 夜明けに雲が燃えて光って 横顔滲ませるんだ そして俺は右に 君は左、さ 振り向けばもう見えなくなる 朝な夕なに俺達独り あんな街 こんな街さ 其処で風を見たり 月を見たり、さ 擦れ違って すぐ見えなくなる |
今日eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 雲切れ一つ無い青空だ 迷いの影の無い あなたはいないのだ 自分すらも夢の骸 あれが今日だろう あぁ、夢なんだろ? 何が今日だろう あぁ、嘘なんだろ? ダッテ、サッキ、イッテ、アッテ、 ナンデ、ドウシテ、ソコデ。 見る物全て 雨を吸いこんで 濡れていた 濡れている 地を這う物憂さも泥まみれだ 水面に揺れる月夜 あなたは現れる 現れてはすぐに消えた あれが今日だろう? あぁ、夢なんだろ? 何が今日だろう あぁ、嘘なんだろ? |
希望の丘eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 「今日こそは良い事がある」 背後から声はする、が 頭の上の雨雲は今も晴れないままだ 闘う誰かの歌は 夜明けの街に今日も又、 脆い夢を震わせながら 歌われて空になる 足音だけが生きている証のようだ 裸足で駆け出したい、そんな気持ちは 路地の朝の霞の消されてゆく 「今日こそは良い事がある」 背後から声はする、が 頭の上の雨雲は今も晴れないままだ 足音だけが生きている証、のようだ 裸足で駆け出したい、そんな気持ちは 路地の朝の霞の消されてゆく 誰かの声が聴きたくて 今日も又、此処に来たが 誰の声も聴こえない 空に黒い鳥が飛ぶ |
瓦の屋根に雪が降るeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 瓦の屋根に雪が降る 人、皆眠らすように 高層ビルに雪が降る 憂いを眠らすように、降る 都会の雪はすぐ溶けて 醜く汚れてゆく 汚れた雪に雪が降る 汚れ続けながらも、降る 大通りを逃れて細い路地へ 大通りを逃れて、雪の中へ ああ、降るは涙か夢か 音も無きそれらに 鼓膜が震えている 東京は今夜、雪の中 瓦屋根もビルも雪の中 |
街頭に舞い散る枯葉eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 彷徨えば戸惑えば 泣き顔もその儘で良い 雪の様に降り積もり 喜びやら悲しみは 積もる儘に積もらせる 放り投げて眺めやる 『舞い散る枯葉の姿を知りたいのだ』 『舞い散る枯葉の心を知りたいのだ』 唯、途方に暮れる 魂が揺れる 泥道を遊びに行く 醜さもその儘で良い 当たり前の顔で在る 正しさやら優しさは 縛りつけて放さない 闇のドアが開かない 『舞い散る枯葉の姿を知らねぇのか』 『舞い散る枯葉の心を知らねぇのか』 唯、途方に暮れる 魂が揺れる |
街灯に明りが灯る前にeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 雨が降る 雨が降り続く 傘に日が暮れる 帰る道 濡れて帰る道 猫も濡れ、走る 誰か涙を奪ってくれ、今すぐ 街灯に明りが灯る前に 笑う顔 泣いて笑う顔 交差点に立つ 青になり、渡り、擦れ違い 滲む影 消えた 早く涙を奪ってくれ、俺から 次の角、あの信号に着く前に 黒い傘に 濡れた猫に 滲む影に 世界中に 雨が降る 誰か涙を奪ってくれ、今すぐ 街灯に明りが灯る前に 雨と共に 時は過ぎる 時と共に 雨は降る |
片道切符の歌eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 降り立ったホームには 温い風が吹いている 帰らない覚悟を決めて この街にやって来た 嘘みたいな風景 でも嘘じゃない風景 空が割れて落ちてくる アスファルトに影が 歩き疲れた影が 焼き付いて動かない 誰もが知っている、 誰でも知っている事が 未だに分らないから 探してばかりの、 迷ってばかりの日々を 今日も又、繰り返すだけ 地平線の彼方で夕空が 小さな俺を嘲っている やがて月日も流れ去り やがてそれ等も忘れ去る 「目を覚ます。目を覚まして家を出る 歩き出して何処へ行く 歩き出して彼所へ行く 四番線、色が剥がれて消えて行く 慣れてしまえば大丈夫 何が起きても大丈夫」 みんな分っている、 全て分っている事が どうしても捨てられないから 探してばかりの 迷ってばかりの日々を やっぱり今日も繰り返している 地平線の彼方の朝焼けが 小さな背中を押すようだ 握りしめた切符は片道だ 分らない儘、 列車は走る 迷った儘で、行け。 |
風ノ中eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 裂けて弾ける様な 怒り持て 今日は 又、茜入り日の中 薄らぎて 霞か雲か 梢を揺らしているのは 都市の木枯らし 吹き曝しの一日は くれてやるから連れて去れ 今、西日 街を打てり 宵待つ人波に 吹き抜け 吠える 風の音 遠く 連ね連なる 甍の波を 埓も無く眺めていた 寒空に冴えて 青い月 午前四時の風景画 四辻に 路地に 彼らの背中は消える 擦れ違う 日々の狭間に 今、朝日 街を撃てり 徒労の始まりに 聞こえ来るのは 風の音 響き渡る 数多の夢 水は流れ 空に星 野には徒花 風の中 |
踵鳴るeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 窓を叩く空は 割れる様に笑うよ 汚れ眼鏡が青く染まれば 足を鳴らして俺も笑うよ どうもこうも無い 只、それだけだ 一握の生命のカケラだ 行けば帰らざる雲が行きゃ 俺は口笛を吹きまくるさ 解答は知らない 教典はいらない 歩く踵がそれを識るだろう 朝の地鳴りが告げるだろう 怠く横たわる川面の憂鬱を 赤く煮え立つ空が染めれば 俺は涙をそこに捨てるよ 日も暮れた帰ろうかな 午後六時 全てが遠いが それを誰一人尋ねども 血巡り季巡り撃ち放つさ 道程など知らない 標識はいらない 微笑を湛えて闇と遊べば 誰ぞ知り得ぬ灯も点る |
歌は夜空に消えてゆくeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 燃え尽きて 一日を道連れに 太陽が死ぬ時 雲さえ泣いている 今の今迄生きて来た 何がどうやらやって来て 歌は夜空に消えてゆく 夕焼けよ この俺も連れて行け 背中に手を振る 笑顔の淋しさ 行こか戻ろか路地裏を 何が何やらやって来て 歌は夜空に消えてゆく 『明日また、陽が昇るなら、 笑えるさ。 笑ってみせるさ。』 何を儚む事があろう 何を失うものがあろう 歌は夜空に消えてゆく |
浮き雲eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 今、午前の空の下 目に滲みいる青と白 舗道が焼ければ 濁った憂いが溶けて流れる 歩く速さで人生は逃げる 想いを連れ去る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 道すがらに様々の 今日は千切れて転げている 木立の緑が 私の迷路に午後を告げている 頭上を飛び去る飛行機の音が 怠惰を叱る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 「どこまでゆこうか どこへゆこうか 浮き雲なれば何処へも行けるだろう また流されて日々から日々へ また流されて流れてやるさ。」 そして 電信柱も枯れる頃 雲散霧消の君の顔 流れて漂う浮き雲の 旅は続く |
浮き雲BiS | BiS | 吉野寿 | 吉野寿 | SCRAMBLES | 今、午前の空の下 目に滲みいる青と白 舗道が焼ければ 濁った憂いが溶けて流れる 歩く速さで人生は逃げる 想いを連れ去る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 道すがらに様々の 今日は千切れて転げている 木立ちの緑が 私の迷路に午後を告げている 頭上を飛び去る飛行機の音が 怠惰を叱る 苦りきって空を見る 立ち止まって空を見る 漂える我は浮き雲 「どこまでゆこうか どこへゆこうか 浮き雲なれば何処へも行けるだろう また流されて日々から日々へ また流されて流れてやるさ。」 そして 電信柱も枯れる頃 雲散霧消の君の顔 流れて漂う浮き雲の 旅は続く |
いずこへeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 揺れるアスファルトに白い雲 『幸せなの?』 『幸せだよ』と頷く命 さらば少年の夏の宵 『死んでしまえ、死んでしまえ』と嘯く命 溢れ出る涙は拭わない いずこへ、彷徨い消える 馬鹿でかい暮らしの怒鳴り声 売り払えば物悲しくも安らぐ命 消えかけても尚、絶え間無く 風に吹かれ雨にも打たれ求める命 溢れ出る涙は拭わない いずこへ、彷徨い消える |
淡い影eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 戯れる声は朧気 諭す声は怪し気 虹を架ける空にさえ 笑えない時がある 正しい様でも 答えじゃないんだ Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 散るや散らざるやも 時の波に捲かれて 酔えば風に鼻唄は 泣き濡れては消えたよ 音無く転がる 砂利屑みたいに Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 「答エガ無クテモ 移ロウ儘ダロウ」Yeah 一人と、一人と、又一人 見渡す限りの淡い影 |
雨曝しなら濡れるがいいさeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | コンクリートの隙間から顔出した 草の様な花の様な 「なんだってかんだったって知らないよ」 なんでもねぇやと突っ立っている 『雨曝しなら濡れるがいいさ だって、どうせ傘など持って無いんだ 時が来たなら終わるもいいさ それが俺の最後の運命だったら その時、瞼に吹く風も見えるだろう 静かに揺れるだろう 吐き出した溜め息は干涸びて 鳥達が啄んでいったよ 雲が誘いに来るけれど 君の背中には乗れないもんな 雪が降ったら泣いてやるのさ 涙がちょっとの雪なら溶かしちまうだろう 凍りついたら怒りを燃やす それが全ての景色を燃やしちまうだろう その時、心も焼け焦げてしまうだろう 煙と変わるだろう 生まれた日から 後ろは無いさ 広がる世界が在るばかり 見据えてやるさ 強がりばかり並べてやれば ホラ雨雲さえも逃げ出す気配 時が来たなら消えるもいいさ それが俺の最後の運命だったら その時、瞼に吹く風も見えるだろう 静かに揺れるだろう』 |
天沼夕景eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | ブラリブラリの一人旅 口笛吹けば 悲し侘しの嘆きさえ 路肩の塵よ 滑稽デ、OKダ。 片道切符ダ、サヨナラダ。 コンニチハ。 ドーデスカ? ゴキゲンヨウ。 マタ、イツカ。 今日も 屋根の間に間に陽は落ちて 彼方此方に夜は降る 鳥の声も遠ざかる 馴染みの路地に 夕餉の灯 人々の足並み淡い 何デモナイ今日ダッテ 片道切符ダ、サヨナラダ。 コンニチハ。 ドーデスカ? ゴキゲンヨウ。 マタ、イツカ。 見ろよ 屋根の間に間に陽は落ちて 彼方此方に夜は降る 明日は何かが起こるかな? 無邪気な心は夢を見る そう! 明日もそこらに立っている 駅前で、環八で、何かを待っている 馬鹿は承知のけもの道 涙の花が 明日も何処かに咲くだろう 又、咲くだろう そうさ! 又、陽は落ちて 又、夜が降って 巡り来る 巡り来る |
足音eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 黄昏に 行き交う影も伸びれば 味気無く私の空も暮れ行く 足跡なんかは残らない 誰もが昨日に帰れない 弛まなく 続く命の呪縛か 見失い路頭に迷う それでも 行き先なんかは解らない 今更後へは退けないさ 昨日と明日が擦れ違う 足音ばかりが消えて行く |
秋風と野郎達eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | 風を切って行く 秋の肌寒き路地裏を オープン D が焼き払う 俺は知っている 光るその目の イルカの様な単純さの素晴しさ 焦れて焦がれて 俺達は何時だってそう 遠雷が呼んでいる その火薬を その狂気を 飲み干して笑え そしてまた走れ 顧みる迷いを振り捨てて 俺は誰なんだ 此処は何処なんだ 決めるのは誰なんだ? そして何処へ行く 何が出来る 決めるのは誰なんだ? 街灯が照らし出す 去って行くその影を 月光に抱かれて 俺達は何時だってそう 飲み干して笑え そしてまた走れ 顧みる迷いを振り捨てて |
暁のサンタマリアeastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | イースタンユース | 暁のサンタマリア 光る雲 綺麗だよ 真夏のサンタマリア 噛み殺す苦い夢 また見えないものばかり追い掛けて 見慣れぬ空の下 またひとつ詩を手に入れて それだけ それだけ 何なんだか見えねえんだよ でも何なんだか知りてえんだよ 山影のグラデーションに 心が壊れそうだ また遠くの方ばかり眺めてる いつもの空の下 溢れ出た歌を聴いたのは 風だけ 風だけ 夏の朝焼けに星が消えるよ 深く息を吐き涙を捨てるよ 1,2,3で元に戻るよ サヨナラさ 暁のサンタマリア 夜明けに佇む時 暁のサンタマリア 何時だって君を想う |
赤い背中eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | eastern youth | 知っている事なんて砂で出来た城さ 波に攫われて瞬く間に消える 残されるものは何?残された私は誰? 雲が逃げて行く 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色は 暗く疼く傷か 焼けるように生きている証か 後悔は何時の日も排水溝に流す 道に迷う日は裸足で歩く 立たされた位置を知る それを知り、超えて行く それが今日なんだ 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色が 赤く、赤く、赤く、 悲しいまでに炎を上げている 何がそれを癒すと言うのか? 雨を待っている ただ、雨を待っている 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色は 暗く疼く傷か 焼けるように生きている証か あの日のままさ 全てあの日のままさ 背中に赤く背負い込んだ夕焼け色のままさ |
青すぎる空eastern youth | eastern youth | 吉野寿 | 吉野寿 | | あの人が あの雲の彼方で 呼んでいる様な そんな気がして 足を止めるよ あの人が あのビルの彼方で 待っている様な そんな気がして 足を止めるよ 『かかる暮らしの味気無さ』 遠くには電車の音もある 青すぎる空 嘆く心をあやし歩むよ 歩みては擦れ違う人達 笑い声やら泣き声やらも 寄せて消えるよ 『馳せる想いのいじらしさ』 絶え間無く震える現身は 幻の誰ぞや夢む 『いずれ暮らしの果てに散る』 |