軍国子守唄坊や泣かずに ねんねしな 父さん強い 兵隊さん その子がなんで 泣きましょう 泣きはしませぬ 遠い満州の お月さま ねんねおしおし ねんねすりゃ 父さん匪賊 退治して 凱旋なさる おみやげは きっと坊やの 可愛い坊やの 鉄かぶと 坊も大きく なったらば 兵隊さんで 出征して 母さん送りに 行ったなら 汽車の窓から 笑って失敬 するでしょね | 鶴田浩二 | 山口義孝 | 佐和輝禧 | 寺岡真三 | 坊や泣かずに ねんねしな 父さん強い 兵隊さん その子がなんで 泣きましょう 泣きはしませぬ 遠い満州の お月さま ねんねおしおし ねんねすりゃ 父さん匪賊 退治して 凱旋なさる おみやげは きっと坊やの 可愛い坊やの 鉄かぶと 坊も大きく なったらば 兵隊さんで 出征して 母さん送りに 行ったなら 汽車の窓から 笑って失敬 するでしょね |
軍国の母こころ置きなく 祖国(くに)のため 名誉の戦死 頼むぞと 泪も見せず 励まして 我が子を送る 朝の駅 散れよ若木の さくら花 男と生まれ 戦場に 銃剣執るも 大君(きみ)のため 日本男児の 本懐ぞ 生きて還ると 思うなよ 白木の柩(はこ)が 届いたら 出かした我が子 天晴れと お前を母は 褒めてやる 強く雄々しく 軍国の 銃後を護る 母じゃもの 女の身とて 伝統の 忠義の二字に 変りゃせぬ | 鶴田浩二 | 島田磬也 | 古賀政男 | 寺岡真三 | こころ置きなく 祖国(くに)のため 名誉の戦死 頼むぞと 泪も見せず 励まして 我が子を送る 朝の駅 散れよ若木の さくら花 男と生まれ 戦場に 銃剣執るも 大君(きみ)のため 日本男児の 本懐ぞ 生きて還ると 思うなよ 白木の柩(はこ)が 届いたら 出かした我が子 天晴れと お前を母は 褒めてやる 強く雄々しく 軍国の 銃後を護る 母じゃもの 女の身とて 伝統の 忠義の二字に 変りゃせぬ |
散る桜残る桜も散る桜散る桜 残る桜も散る桜 いつか散り行く この身じゃないか 男ごころに咲く花は 今をさかりに 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 ひとり酒でも 盃きゃ二つ 忘れられない面影を 花にうかべて かさね酒 「昨日出逢って 今日別れ 黙って頷く 花もある しかし覚えていてほしい 別れると言う事は また新しい旅立ちなんだ」 散る桜 残る桜も散る桜 所詮 短い命じゃないか 散ってしまえば皆同じ 風の来ぬ間に 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 泣くも笑うも はかない命 一期一会の夢追えば せめて別れの 花と咲け 散る桜 残る桜も散る桜 せめて別れに 歌おうじゃないか 男ごころに咲く花は 花と咲く身の 明日に咲け 花と咲く身の 明日に咲け | 鶴田浩二 | 曽我部博士 | 市川昭介 | 寺岡真三 | 散る桜 残る桜も散る桜 いつか散り行く この身じゃないか 男ごころに咲く花は 今をさかりに 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 ひとり酒でも 盃きゃ二つ 忘れられない面影を 花にうかべて かさね酒 「昨日出逢って 今日別れ 黙って頷く 花もある しかし覚えていてほしい 別れると言う事は また新しい旅立ちなんだ」 散る桜 残る桜も散る桜 所詮 短い命じゃないか 散ってしまえば皆同じ 風の来ぬ間に 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 泣くも笑うも はかない命 一期一会の夢追えば せめて別れの 花と咲け 散る桜 残る桜も散る桜 せめて別れに 歌おうじゃないか 男ごころに咲く花は 花と咲く身の 明日に咲け 花と咲く身の 明日に咲け |
花薫る東京青い空 かがやく街だよ 君とゆく 二人ゆく ペーブメントに そよ風の そよ風の 甘きくちづけ ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 若き東京 陽はうらら 赤 黄 青 ネオンの街だよ 燃えて咲く 誰に咲く 今宵ひととき 七いろの 七いろの 生命ささげて ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 恋の東京 君とゆく あこがれの 花咲く街だよ 君と住む 二人住む スイートホームに ながれ来る ながれ来る 愛のメロディー ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 花の東京 いつまでも | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 万城目正 | 田代与志 | 青い空 かがやく街だよ 君とゆく 二人ゆく ペーブメントに そよ風の そよ風の 甘きくちづけ ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 若き東京 陽はうらら 赤 黄 青 ネオンの街だよ 燃えて咲く 誰に咲く 今宵ひととき 七いろの 七いろの 生命ささげて ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 恋の東京 君とゆく あこがれの 花咲く街だよ 君と住む 二人住む スイートホームに ながれ来る ながれ来る 愛のメロディー ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 花の東京 いつまでも |
思い出せないことばかりそよかぜは そよ風は 旅の心に ゆれながら 林の奥の 湖の 静かな水に よりそうて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 うきぐもは 浮き雲は 風の誘いに ゆれながら 楽しく咲いた ひまわりの 明るい顔に 影よせて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 ゆくひとは 行く人は 遠い想いに ゆれながら 心を抱いて 思い出の 楽しい町を ふりかえり 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 | 鶴田浩二 | 藤浦洸 | 万城目正 | 田代与志 | そよかぜは そよ風は 旅の心に ゆれながら 林の奥の 湖の 静かな水に よりそうて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 うきぐもは 浮き雲は 風の誘いに ゆれながら 楽しく咲いた ひまわりの 明るい顔に 影よせて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 ゆくひとは 行く人は 遠い想いに ゆれながら 心を抱いて 思い出の 楽しい町を ふりかえり 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 |
若人の誓い赤い血潮の純愛は 男いのちのバラの花 君にささげて一すじの 花のあわれを 知るやネオンも涙ぐむ 君のかなしいまぼろしは 忘れようとて忘らりょか 霧の都の遠柳 やつれ姿を みるにつけても思い出す 燃えよ花咲け愛のバラ 君が知ろうと知るまいと 雨の降る日も風の夜も 春が再び めぐり来るまで その日まで | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 加藤光男 | 加藤光男 | 赤い血潮の純愛は 男いのちのバラの花 君にささげて一すじの 花のあわれを 知るやネオンも涙ぐむ 君のかなしいまぼろしは 忘れようとて忘らりょか 霧の都の遠柳 やつれ姿を みるにつけても思い出す 燃えよ花咲け愛のバラ 君が知ろうと知るまいと 雨の降る日も風の夜も 春が再び めぐり来るまで その日まで |
追憶の湖山の湖 恋しさに ひとりはるばる 来たものを 追憶(おもいで)の 花は咲き 花は散り 呼べどこたえる 人もなく 風に山びこ 悲しくかえる 泣いて別れた 白樺に 残る二人の 頭文字 霧が降る 草丘に たたずめば 水に流した 花束が 涙せつない まぶたに浮かぶ 山の湖畔の たそがれは 誰に告げよう この思い いくたびか なつかしく 振り返る 山のホテルの 白い窓 胸のおもかげ また呼びかえす | 鶴田浩二 | 坂口淳 | 吉田正 | 加藤光男 | 山の湖 恋しさに ひとりはるばる 来たものを 追憶(おもいで)の 花は咲き 花は散り 呼べどこたえる 人もなく 風に山びこ 悲しくかえる 泣いて別れた 白樺に 残る二人の 頭文字 霧が降る 草丘に たたずめば 水に流した 花束が 涙せつない まぶたに浮かぶ 山の湖畔の たそがれは 誰に告げよう この思い いくたびか なつかしく 振り返る 山のホテルの 白い窓 胸のおもかげ また呼びかえす |
さすらいの湖畔さすらいの さすらいの 乗合馬車の笛の音は 笛の音は 旅をゆく子の咽びなき ああ、高原の湖くれて 岸の旅籠の燈もうるむ 思い出の 思い出の 泪のワルツ あの人の あの人の 忘れられない事ばかり ああ、白樺の梢にかゝる 月もあの夜に見た月か さすらいの さすらいの 乗合馬車の片隅に 肩さむく 揺られ揺られてゆく青春(はる)か ああ、別れては面影一つ 抱いて泣くよと誰か知る | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | さすらいの さすらいの 乗合馬車の笛の音は 笛の音は 旅をゆく子の咽びなき ああ、高原の湖くれて 岸の旅籠の燈もうるむ 思い出の 思い出の 泪のワルツ あの人の あの人の 忘れられない事ばかり ああ、白樺の梢にかゝる 月もあの夜に見た月か さすらいの さすらいの 乗合馬車の片隅に 肩さむく 揺られ揺られてゆく青春(はる)か ああ、別れては面影一つ 抱いて泣くよと誰か知る |
お芝居船おとす白粉(おしろい) さびしい素顔 わたしゃ瀬戸海 旅役者 泪一すじ お芝居船で きくは千鳥の声ばかり あの夜 舞台の 前髪すがた 見染められたか 見染めたか 月もおぼろに 幟(のぼ)りのかげで 人目忍んだ影法師 呼ぶは千鳥か あの娘の声か 淡路寝たやら 灯が見えぬ 逢うた夢さえ お芝居船は つらや波めが揺りおこす | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | おとす白粉(おしろい) さびしい素顔 わたしゃ瀬戸海 旅役者 泪一すじ お芝居船で きくは千鳥の声ばかり あの夜 舞台の 前髪すがた 見染められたか 見染めたか 月もおぼろに 幟(のぼ)りのかげで 人目忍んだ影法師 呼ぶは千鳥か あの娘の声か 淡路寝たやら 灯が見えぬ 逢うた夢さえ お芝居船は つらや波めが揺りおこす |
弥太郎くずし生まれついての 一本刀 惚れた相手が 武家(さむらい)育ち 当たってままよ 砕けたら 月もおいらと 泣いてくれ 泣いてくれ あきらめようと 言ってはみたが あんな女は 二人とないし 惚れなきゃ惚れて くれるまで つくしてみたい 気にもなる 気にもなる 武士とやくざの 違いはあるが 恋と言う字に 二つはないし 好きも嫌いも 紙一重 いつか寄り添う 時くる 時もくる | 鶴田浩二 | 竹中香 | 吉田正 | 佐野鋤 | 生まれついての 一本刀 惚れた相手が 武家(さむらい)育ち 当たってままよ 砕けたら 月もおいらと 泣いてくれ 泣いてくれ あきらめようと 言ってはみたが あんな女は 二人とないし 惚れなきゃ惚れて くれるまで つくしてみたい 気にもなる 気にもなる 武士とやくざの 違いはあるが 恋と言う字に 二つはないし 好きも嫌いも 紙一重 いつか寄り添う 時くる 時もくる |
花の小次郎夢が夢呼ぶ 男の旅の なぜに袖ひく いとしや野菊 花の小次郎 長剣(つるぎ)に賭けて どこがわが身の どこがわが身の置きどころ おんな可愛いと 前髪若衆 生きてやれたらよろこんだろに 花の小次郎 色白なれど どこか冷たい どこか冷たい横顔が 背の愛刀 物干竿と 噂されされ二十と四年 花の小次郎 巌流島へ 燕返しの 燕返しの門出舟 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | 夢が夢呼ぶ 男の旅の なぜに袖ひく いとしや野菊 花の小次郎 長剣(つるぎ)に賭けて どこがわが身の どこがわが身の置きどころ おんな可愛いと 前髪若衆 生きてやれたらよろこんだろに 花の小次郎 色白なれど どこか冷たい どこか冷たい横顔が 背の愛刀 物干竿と 噂されされ二十と四年 花の小次郎 巌流島へ 燕返しの 燕返しの門出舟 |
街は魔術師何か淋しいときもある 何かときめくときもある なぜかなんだか知らないが ネオンが花咲くたそがれの 街は魔術師 呼ぶんだぜ 天気予報にゃ出ていない にわか雨ふるときもある レーン・コートも傘もなく 知らない二人が雨宿り 街は魔術師 気をもます 街はやさしいときもある とてもいじわるするときも プロムナードのゆきかえり 仕事のカバンがおもい夜も 街は魔術師 身が細る | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 寺岡真三 | 何か淋しいときもある 何かときめくときもある なぜかなんだか知らないが ネオンが花咲くたそがれの 街は魔術師 呼ぶんだぜ 天気予報にゃ出ていない にわか雨ふるときもある レーン・コートも傘もなく 知らない二人が雨宿り 街は魔術師 気をもます 街はやさしいときもある とてもいじわるするときも プロムナードのゆきかえり 仕事のカバンがおもい夜も 街は魔術師 身が細る |
運河のある町夜の悪魔が 忘れたような 青い利鎌の 三日月覗く 寒いベンチで 破れた夢を 吹いて散らして 風が吹く あゝあゝ ここも東京の空の下 雨がどしゃ降りゃ ガードの下か ごろ寝覚悟の 地下道泊り 泣けというよな 夜汽車の汽笛(ふえ)が ジンと男の 胸を打つ あゝあゝ ここも東京の空の下 黒い運河の 在るこの街が 暗い人生 終着駅か いいや そうじゃない また立上ろ 明日はまた来る 陽も当る あゝあゝ ここも東京の空の下 | 鶴田浩二 | 吉川静夫 | 利根一郎 | 利根一郎 | 夜の悪魔が 忘れたような 青い利鎌の 三日月覗く 寒いベンチで 破れた夢を 吹いて散らして 風が吹く あゝあゝ ここも東京の空の下 雨がどしゃ降りゃ ガードの下か ごろ寝覚悟の 地下道泊り 泣けというよな 夜汽車の汽笛(ふえ)が ジンと男の 胸を打つ あゝあゝ ここも東京の空の下 黒い運河の 在るこの街が 暗い人生 終着駅か いいや そうじゃない また立上ろ 明日はまた来る 陽も当る あゝあゝ ここも東京の空の下 |
あの娘まかせの港町泣いておくれか その気なら 雨よなんとかしておくれ 今夜かぎりのかなしい恋と 知って涙の可愛(めんこ)い瞳 ドラも切ないョ この波止場 いくら時化(しけ)よと この男 にぎる舵輪(ラット)は離さぬが 陸(おか)へ上ればカッパの俺さ あの娘まかせの二晩三日 情身にしむョ この出船 待てば逢えるさ 別れても 想いおもうているならば 海はベタ凪 晴れるぜ雨も それじゃ元気でくらしていなよ オイル・コートがョ なぜ重い | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | 泣いておくれか その気なら 雨よなんとかしておくれ 今夜かぎりのかなしい恋と 知って涙の可愛(めんこ)い瞳 ドラも切ないョ この波止場 いくら時化(しけ)よと この男 にぎる舵輪(ラット)は離さぬが 陸(おか)へ上ればカッパの俺さ あの娘まかせの二晩三日 情身にしむョ この出船 待てば逢えるさ 別れても 想いおもうているならば 海はベタ凪 晴れるぜ雨も それじゃ元気でくらしていなよ オイル・コートがョ なぜ重い |
裏町の女街を捨てよか 恋に生きようか 霧も冷たい 裏通り 聞くんじゃなかった 身の上ばなし 安宿の女が 今夜も 窓辺で 泣いている ギターひとつが せめての頼り チョッピリ泣きたい 夜もある 云わなきゃ良かった 慰めなんか トレモロもやけに 今夜は 咽んで 泣いている ほんのはずみで 語った夜が 胸に錆びつく 流し唄 見るんじゃなかった 酒場の蔭で 安宿の女が 今夜も 一人で 泣いている | 鶴田浩二 | 司潤吉 | 小西潤 | 佐野雅美 | 街を捨てよか 恋に生きようか 霧も冷たい 裏通り 聞くんじゃなかった 身の上ばなし 安宿の女が 今夜も 窓辺で 泣いている ギターひとつが せめての頼り チョッピリ泣きたい 夜もある 云わなきゃ良かった 慰めなんか トレモロもやけに 今夜は 咽んで 泣いている ほんのはずみで 語った夜が 胸に錆びつく 流し唄 見るんじゃなかった 酒場の蔭で 安宿の女が 今夜も 一人で 泣いている |
裏町ポルカ涙が出た時ゃ ポルカ 頬っぺた濡らして ポルカ ポルカを唄えば 悩みも晴れる やさしいポルカ 嘆きも憂いも さらりと消える ポルカ ポルカ 裏町ポルカ 泣きたかったら 唄およポルカ 口笛鳴らして ポルカ 星空仰いで ポルカ ポルカを踊れば あの娘も唄う うれしいポルカ 泣き顔なおして あの娘も唄う ポルカ ポルカ 裏街ポルカ 肩をたたいて 踊ろよポルカ 小雨の降る夜も ポルカ ネオンが濡れても ポルカ ポルカを唄えば ミモザが香る あかるいポルカ 貧しい小窓に 灯りをともす ポルカ ポルカ 裏街ポルカ せつなかったら 唄およポルカ | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | 涙が出た時ゃ ポルカ 頬っぺた濡らして ポルカ ポルカを唄えば 悩みも晴れる やさしいポルカ 嘆きも憂いも さらりと消える ポルカ ポルカ 裏町ポルカ 泣きたかったら 唄およポルカ 口笛鳴らして ポルカ 星空仰いで ポルカ ポルカを踊れば あの娘も唄う うれしいポルカ 泣き顔なおして あの娘も唄う ポルカ ポルカ 裏街ポルカ 肩をたたいて 踊ろよポルカ 小雨の降る夜も ポルカ ネオンが濡れても ポルカ ポルカを唄えば ミモザが香る あかるいポルカ 貧しい小窓に 灯りをともす ポルカ ポルカ 裏街ポルカ せつなかったら 唄およポルカ |
街を流れるブルース街を流れるブルースは 誰のみじめな溜息か 少し降ってる雨に濡れ 疲れごころで暗い夜を ああ 何処へゆく 泣いているくせ乾いてて ひどく物憂い歌い声 何かをかなしく失くなして ひとりさがしているようで ああ つまされる 街を流れるブルースを 瞼とざしてきいている やさしく抱えてくちづけて せめてねかせてやりたいぜ ああ あったかく | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 寺岡真三 | 街を流れるブルースは 誰のみじめな溜息か 少し降ってる雨に濡れ 疲れごころで暗い夜を ああ 何処へゆく 泣いているくせ乾いてて ひどく物憂い歌い声 何かをかなしく失くなして ひとりさがしているようで ああ つまされる 街を流れるブルースを 瞼とざしてきいている やさしく抱えてくちづけて せめてねかせてやりたいぜ ああ あったかく |
東京ブルース酒場横丁を 横目で抜けりゃ 花のネオンも 嘲笑(わら)ってる 酔うてよろめく 寂しい肩に 霧が沁みこむ 銀座裏 ああ東京 東京ブルース 立てた背広の 襟からのぞく あせたマフラーで 拭く泪 新宿(じゅく)の馴染も 落目の俺にゃ みんなそっぽを 向いて行く ああ東京 東京ブルース 泣きに帰ろか 浅草(ロック)の隅は あぶれ仲間の 吹き溜り 消えちゃいないよ 男の夢は 熱い血潮の 底にある ああ東京 東京ブルース | 鶴田浩二 | 吉川静夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | 酒場横丁を 横目で抜けりゃ 花のネオンも 嘲笑(わら)ってる 酔うてよろめく 寂しい肩に 霧が沁みこむ 銀座裏 ああ東京 東京ブルース 立てた背広の 襟からのぞく あせたマフラーで 拭く泪 新宿(じゅく)の馴染も 落目の俺にゃ みんなそっぽを 向いて行く ああ東京 東京ブルース 泣きに帰ろか 浅草(ロック)の隅は あぶれ仲間の 吹き溜り 消えちゃいないよ 男の夢は 熱い血潮の 底にある ああ東京 東京ブルース |
夜霧のシャンソン銀杏の枯葉が 舗道に眠る 月も傾く 夜更けの街で 秘めた想いを 唄うシャンソン あの娘は もう寝たか 灯りも見えぬ ただ 夜霧だけ 夜霧だけが いつか この胸を 濡らすよ 夜空のネオンも 侘びしく消える 一人せつなく ギターを鳴らし 熱い泪で 唄うシャンソン あの娘は 聞くだろか せめても夢で ああ 星屑も 星屑さえも いつか 消えてゆく はかなさ | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | 多忠修 | 銀杏の枯葉が 舗道に眠る 月も傾く 夜更けの街で 秘めた想いを 唄うシャンソン あの娘は もう寝たか 灯りも見えぬ ただ 夜霧だけ 夜霧だけが いつか この胸を 濡らすよ 夜空のネオンも 侘びしく消える 一人せつなく ギターを鳴らし 熱い泪で 唄うシャンソン あの娘は 聞くだろか せめても夢で ああ 星屑も 星屑さえも いつか 消えてゆく はかなさ |
哀愁酒場酒は飲めても 酔えない人が 肩を寄せ合う 身を寄せる それでなくても 寂しいものを 誰が呼んだか 哀愁酒場 滲む灯影も あゝ ほの暗い 何も云ううまい 云うのは辛い 胸にしまって 忍ぼうよ 青いグラスに 落とした涙 乾(ほ)せば切ない 哀愁酒場 尽きぬ嘆きが あゝ また溜る 笑うつもりで 歪んだ笑顔 何処へ向けたら いいのやら 喫(ふ)かす煙草の 煙りも細く 揺れて消えゆく 哀愁酒場 月も小窓で あゝ 泣いている | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | 寺岡真三 | 酒は飲めても 酔えない人が 肩を寄せ合う 身を寄せる それでなくても 寂しいものを 誰が呼んだか 哀愁酒場 滲む灯影も あゝ ほの暗い 何も云ううまい 云うのは辛い 胸にしまって 忍ぼうよ 青いグラスに 落とした涙 乾(ほ)せば切ない 哀愁酒場 尽きぬ嘆きが あゝ また溜る 笑うつもりで 歪んだ笑顔 何処へ向けたら いいのやら 喫(ふ)かす煙草の 煙りも細く 揺れて消えゆく 哀愁酒場 月も小窓で あゝ 泣いている |
無情のブルースはじき出された 半端(はんぱ)ないのち 捨てても未練が あるじゃなし 義理も人情も 紙風船だ これがやくざの これがやくざの 生きる道 俺の女房と 抱いてもやれず あの娘と他人に なれもせず 死んだつもりで 忘れる恋だ 流す涙は 流す涙は 何故あつい 意地を賭けたら 一分も引かぬ 来るなら度胸を きめて来い 聞いてくれるな やくざな世界 俺は笑って 俺は笑って ゆくだけさ | 鶴田浩二 | 木賊大次郎 | 小西潤 | 一ノ瀬義孝 | はじき出された 半端(はんぱ)ないのち 捨てても未練が あるじゃなし 義理も人情も 紙風船だ これがやくざの これがやくざの 生きる道 俺の女房と 抱いてもやれず あの娘と他人に なれもせず 死んだつもりで 忘れる恋だ 流す涙は 流す涙は 何故あつい 意地を賭けたら 一分も引かぬ 来るなら度胸を きめて来い 聞いてくれるな やくざな世界 俺は笑って 俺は笑って ゆくだけさ |
忘れじのブルースいまでも変わらず 愛していると ひと言つげたい いとしい人よ 逢える日は 逢える日は もうないけれど 抱いているのさ 面影だけは なんにもいわない 街灯ひとつ 泣かないつもりの 涙をさそう 遠いゆめ 遠いひと 君の名よべば 風にふるえて 落葉がむせぶ どんなに遠くに はなれていても 心をよせあい 過ごしたあの日 忘れない 忘れない いついつまでも 抱いているのさ 想い出だけを | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | 吉田正 | いまでも変わらず 愛していると ひと言つげたい いとしい人よ 逢える日は 逢える日は もうないけれど 抱いているのさ 面影だけは なんにもいわない 街灯ひとつ 泣かないつもりの 涙をさそう 遠いゆめ 遠いひと 君の名よべば 風にふるえて 落葉がむせぶ どんなに遠くに はなれていても 心をよせあい 過ごしたあの日 忘れない 忘れない いついつまでも 抱いているのさ 想い出だけを |
流転夜曲酔ったあなたは きらいよと いつかお前が いったっけ 罪なギターさ この俺を 泣かす流転の 嘆き歌 夜に流した 情なら 散るも儚(はかな)い ネオン花 そんな恋なら この俺が なんで流転の 忘れ酒 好きで別れて 来たんだと いえばなおさら キザになる 遠く離れて 面影が 浮かぶ流転の この酒場 | 鶴田浩二 | 東次郎 | 吉田正 | 吉田正 | 酔ったあなたは きらいよと いつかお前が いったっけ 罪なギターさ この俺を 泣かす流転の 嘆き歌 夜に流した 情なら 散るも儚(はかな)い ネオン花 そんな恋なら この俺が なんで流転の 忘れ酒 好きで別れて 来たんだと いえばなおさら キザになる 遠く離れて 面影が 浮かぶ流転の この酒場 |
上海ブルース涙ぐんでる 上海の 夢の四馬路(スマロ)の 街の灯(ひ) リラの花散る 今宵は 君を想い出す 何(なん)にも言わずに 別れたね 君と僕 ガーデン・ブリッジ 誰と見る青い月 甘く悲しい ブルースに なぜか忘れぬ 面影 波よあれるな 波止場の 月も エトランゼ 二度とは逢えない 別れたら あの瞳 想いは乱れる 上海の月の下 | 鶴田浩二 | 島田磬也 | 大久保徳二郎 | 寺岡真三 | 涙ぐんでる 上海の 夢の四馬路(スマロ)の 街の灯(ひ) リラの花散る 今宵は 君を想い出す 何(なん)にも言わずに 別れたね 君と僕 ガーデン・ブリッジ 誰と見る青い月 甘く悲しい ブルースに なぜか忘れぬ 面影 波よあれるな 波止場の 月も エトランゼ 二度とは逢えない 別れたら あの瞳 想いは乱れる 上海の月の下 |
琵琶湖周航の歌われは湖(うみ)の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと 昇る狭霧(さぎり)や さざなみの 滋賀の都よ いざさらば 松は緑に 砂白き 雄松が里の 乙女子は 赤い椿の 森蔭に はかない恋に 泣くとかや 瑠璃の花園 珊瑚(さんご)の宮 古い伝えの 竹生(ちくぶ)島 仏の御手(みて)に いだかれて ねむれ乙女子 やすらけく | 鶴田浩二 | 小口太郎 | 小口太郎 | 寺岡真三 | われは湖(うみ)の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと 昇る狭霧(さぎり)や さざなみの 滋賀の都よ いざさらば 松は緑に 砂白き 雄松が里の 乙女子は 赤い椿の 森蔭に はかない恋に 泣くとかや 瑠璃の花園 珊瑚(さんご)の宮 古い伝えの 竹生(ちくぶ)島 仏の御手(みて)に いだかれて ねむれ乙女子 やすらけく |
蒙古の旅(蒙古放浪歌)心猛くも 鬼神ならぬ 人と生まれて 情はあれど 母を見捨てて 波越えて行く 友よ兄等と いつまた逢わん 海の彼方の 蒙古の砂漠 男多恨の 身の捨てどころ 胸に秘めたる 大願あれば 生きて還らん 望みは持たぬ 砂丘出でて 砂丘に沈む 月の幾夜か 我らが旅路 明日も河辺が 見えずばどこに 水を求めん 蒙古の砂漠 朝日夕日を 馬上に受けて 続く砂漠の 一筋道を 大和男子の 血潮を秘めて 行くや若人 千里の旅路 | 鶴田浩二 | 村岡昊 | 園山民平 | | 心猛くも 鬼神ならぬ 人と生まれて 情はあれど 母を見捨てて 波越えて行く 友よ兄等と いつまた逢わん 海の彼方の 蒙古の砂漠 男多恨の 身の捨てどころ 胸に秘めたる 大願あれば 生きて還らん 望みは持たぬ 砂丘出でて 砂丘に沈む 月の幾夜か 我らが旅路 明日も河辺が 見えずばどこに 水を求めん 蒙古の砂漠 朝日夕日を 馬上に受けて 続く砂漠の 一筋道を 大和男子の 血潮を秘めて 行くや若人 千里の旅路 |
弥太郎笠「や」の字育ちの 弥太郎さんに 誰がきせたか 三度笠 いいじゃないかえ 一天地六 狭い身巾の 旅がらす 惚れちゃいけない 我慢をおしな 惚れりゃ相手を つらくする なまじ小意気に 別れたせいか 野菊見てさえ おもい出す 草は一秋 人一生の ままよ短い この命 張るも意地なら 勝目の背(せな)に なぜに淋しい 山の鐘 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 佐々木俊一 | | 「や」の字育ちの 弥太郎さんに 誰がきせたか 三度笠 いいじゃないかえ 一天地六 狭い身巾の 旅がらす 惚れちゃいけない 我慢をおしな 惚れりゃ相手を つらくする なまじ小意気に 別れたせいか 野菊見てさえ おもい出す 草は一秋 人一生の ままよ短い この命 張るも意地なら 勝目の背(せな)に なぜに淋しい 山の鐘 |
ハワイの夜ハー ハワイ みどりの夜 月も宵から 波間に燃えて ああ パパイヤは仄(ほの)かあまく 君慕うウクレレ やさしのハワイ ああ ハワイ ハー ハワイ 君待つ夜 つきぬ想いに 花さえ咽(むせ)ぶ ああ ささやくは風か波か ひとり漕ぐ独木船(カヌー)よ いとしのハワイ ああ ハワイ | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 司潤吉 | | ハー ハワイ みどりの夜 月も宵から 波間に燃えて ああ パパイヤは仄(ほの)かあまく 君慕うウクレレ やさしのハワイ ああ ハワイ ハー ハワイ 君待つ夜 つきぬ想いに 花さえ咽(むせ)ぶ ああ ささやくは風か波か ひとり漕ぐ独木船(カヌー)よ いとしのハワイ ああ ハワイ |
ラバウル海軍航空隊銀翼連ねて 南の前線 ゆるがぬ護りの 海鷲たちが 肉弾砕く 敵の主力 栄えあるわれら ラバウル航空隊 海軍精神 燃えたつ闘魂 いざ見る南の 輝く太陽 雲に波に 敵を破り 轟くその名 ラバウル航空隊 沈めた敵艦 墜した敵機も 忘れて見つめる 夜ふけの星は われに語る 戦友のみたま その名は高し ラバウル航空隊 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 古関裕而 | | 銀翼連ねて 南の前線 ゆるがぬ護りの 海鷲たちが 肉弾砕く 敵の主力 栄えあるわれら ラバウル航空隊 海軍精神 燃えたつ闘魂 いざ見る南の 輝く太陽 雲に波に 敵を破り 轟くその名 ラバウル航空隊 沈めた敵艦 墜した敵機も 忘れて見つめる 夜ふけの星は われに語る 戦友のみたま その名は高し ラバウル航空隊 |
街のサンドイッチマンロイド眼鏡に 燕尾服 泣いたら燕が 笑うだろう 涙出た時ゃ 空を見る サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 呆(とぼ)け笑顔で 今日もゆく 嘆きは誰でも 知っている この世は悲哀の 海だもの 泣いちゃいけない 男だよ サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 今日もプラカード 抱いてゆく あかるい舗道に 肩を振り 笑ってゆこうよ 影法師 夢をなくすりゃ それまでよ サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 胸にそよ風 抱いてゆく | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | | ロイド眼鏡に 燕尾服 泣いたら燕が 笑うだろう 涙出た時ゃ 空を見る サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 呆(とぼ)け笑顔で 今日もゆく 嘆きは誰でも 知っている この世は悲哀の 海だもの 泣いちゃいけない 男だよ サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 今日もプラカード 抱いてゆく あかるい舗道に 肩を振り 笑ってゆこうよ 影法師 夢をなくすりゃ それまでよ サンドイッチマン サンドイッチマン 俺らは街の お道化者 胸にそよ風 抱いてゆく |
好きだった好きだった 好きだった 嘘じゃなかった 好きだった こんな一言 あの時に 言えばよかった 胸にすがって 泣きじゃくる 肩のふるえを ぬくもりを 忘れられずに いるのなら 好きだった 好きだった 俺は死ぬ程 好きだった 云っちゃならない 「さよなら」を 云ったあの日よ 笑うつもりが 笑えずに 顔をそむけた 悲しみを 今も捨てずに いるくせに 好きだった 好きだった 口にゃ出さぬが 好きだった 夢にまで見た せつなさを 知っていたやら 馬鹿な男の 強がりを せめて恨まず いておくれ 逢える明日(あした)は ないけれど | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | | 好きだった 好きだった 嘘じゃなかった 好きだった こんな一言 あの時に 言えばよかった 胸にすがって 泣きじゃくる 肩のふるえを ぬくもりを 忘れられずに いるのなら 好きだった 好きだった 俺は死ぬ程 好きだった 云っちゃならない 「さよなら」を 云ったあの日よ 笑うつもりが 笑えずに 顔をそむけた 悲しみを 今も捨てずに いるくせに 好きだった 好きだった 口にゃ出さぬが 好きだった 夢にまで見た せつなさを 知っていたやら 馬鹿な男の 強がりを せめて恨まず いておくれ 逢える明日(あした)は ないけれど |
さすらいの舟唄流れ水藻のさみしく咲いた 月の入江のとなり舟 誰がひくやらギターがむせぶ 故郷恋しと ああ 旅の唄 風に吹かれて別れたままの 白い襟足 ほつれ髪 思い出さすなギターの音色 青いペンキの ああ となり舟 帰る故郷があるならよかろ 俺にゃ故郷も恋もない 月も悲しいギターもつらい 真菰(まこも)がくれの ああ 浮寝鳥 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | | 流れ水藻のさみしく咲いた 月の入江のとなり舟 誰がひくやらギターがむせぶ 故郷恋しと ああ 旅の唄 風に吹かれて別れたままの 白い襟足 ほつれ髪 思い出さすなギターの音色 青いペンキの ああ となり舟 帰る故郷があるならよかろ 俺にゃ故郷も恋もない 月も悲しいギターもつらい 真菰(まこも)がくれの ああ 浮寝鳥 |
東京詩集六月十日 雨運河のほとりで 雨 雨 雨 誰の涙かしめやかに 黒い運河に雨がふる 恋は男をこんなに泣かす きみを抱けば きみを抱けば ああ 涙ふる 十月四日 霧 夜の酒場で 霧 霧 霧 いうにいえない淋しさに もらす吐息か 窓の霧 逢えばつらさも忘れるものを グラス冷たい グラス冷たい ああ カウンター 十二月六日 風 枯葉散る夕べ 風 風 風 並木道吹く今日の風 恋も枯葉と散らしゆく 哀し詩集の表紙のように 空は灰色 空は灰色 ああ 凍え空 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | | 六月十日 雨運河のほとりで 雨 雨 雨 誰の涙かしめやかに 黒い運河に雨がふる 恋は男をこんなに泣かす きみを抱けば きみを抱けば ああ 涙ふる 十月四日 霧 夜の酒場で 霧 霧 霧 いうにいえない淋しさに もらす吐息か 窓の霧 逢えばつらさも忘れるものを グラス冷たい グラス冷たい ああ カウンター 十二月六日 風 枯葉散る夕べ 風 風 風 並木道吹く今日の風 恋も枯葉と散らしゆく 哀し詩集の表紙のように 空は灰色 空は灰色 ああ 凍え空 |
名もない男のブルース何も知らずに 咲いてた頃が 俺にゃいちばん 花だった 夢を見ながら飲む酒ならば なんでにがかろ 今のように 想い出してる カウンター 何処へ消えたか おんなの娘さえ 今日は見知らぬ 顔ばかり うしろ向かずに ただ前向きに 生きていたっけ あの頃は 明日がくるのが 嬉しくて せめて云いたい でっかいことを 言葉ばかりで 終っても 酔いのまわらぬ グラスを重ね ぎゃくに淋しく なるばかり 誰のせいでも ないけれど | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | | 何も知らずに 咲いてた頃が 俺にゃいちばん 花だった 夢を見ながら飲む酒ならば なんでにがかろ 今のように 想い出してる カウンター 何処へ消えたか おんなの娘さえ 今日は見知らぬ 顔ばかり うしろ向かずに ただ前向きに 生きていたっけ あの頃は 明日がくるのが 嬉しくて せめて云いたい でっかいことを 言葉ばかりで 終っても 酔いのまわらぬ グラスを重ね ぎゃくに淋しく なるばかり 誰のせいでも ないけれど |
男子供の頃、阿母に、よく言われました。 「お前、大きくなったらなんになる、 なんになろうと構わないが、 世間様に笑われないような 良い道を見つけて歩いておくれ」って… それが、胸に突き刺さるのでございます。 自分の道は 自分で探す 躓きよろけた その時は 見つけた道の 溜り水 はねる瞼に 忍の字を 書いて涙を くいとめるのさ 咲いた花は綺麗でございます。 然し、実のなる花は、 もっと綺麗でございます。 実のなる花、 私はそれが男の夢だと信じております。 実のなる花を 咲かせるために 生まれたときから 死ぬ日まで 真実一路 こころから 祈りつづける 俺たちに きびし過ぎるぜ 今年の風も やはり人間、頼るものは、 自分ひとりでございます。 男というものは墓場に行く日まで 自分の選んだ道を 守り通すものでございます。 行く先ァ一つ どこどこまでも 男が命を 閉じる日は 男が夢を 捨てるとき 信じられない 世の中に 俺は自分を 信じて生きる | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 吉田正 | | 子供の頃、阿母に、よく言われました。 「お前、大きくなったらなんになる、 なんになろうと構わないが、 世間様に笑われないような 良い道を見つけて歩いておくれ」って… それが、胸に突き刺さるのでございます。 自分の道は 自分で探す 躓きよろけた その時は 見つけた道の 溜り水 はねる瞼に 忍の字を 書いて涙を くいとめるのさ 咲いた花は綺麗でございます。 然し、実のなる花は、 もっと綺麗でございます。 実のなる花、 私はそれが男の夢だと信じております。 実のなる花を 咲かせるために 生まれたときから 死ぬ日まで 真実一路 こころから 祈りつづける 俺たちに きびし過ぎるぜ 今年の風も やはり人間、頼るものは、 自分ひとりでございます。 男というものは墓場に行く日まで 自分の選んだ道を 守り通すものでございます。 行く先ァ一つ どこどこまでも 男が命を 閉じる日は 男が夢を 捨てるとき 信じられない 世の中に 俺は自分を 信じて生きる |
傷だらけの人生「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ 新しいものを欲しがるもんでございます。 どこに新しいものがございましょう。 生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、 右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」 何から何まで 真っ暗闇よ すじの通らぬ ことばかり 右を向いても 左を見ても ばかと阿呆の からみあい どこに男の 夢がある 「好いた惚れたとけだものごっこが まかり通る世の中でございます。 好いた惚れたは、もともと心が決めるもの… こんなことを申し上げる私も やっぱり古い人間でござんしょうかね。」 ひとつの心に 重なる心 それが恋なら それもよし しょせんこの世は 男と女 意地に裂かれる 恋もあり 夢に消される 意地もある 「なんだかんだとお説教じみたことを申して参りましたが そういう私も日陰育ちのひねくれ者、 お天道様に背中を向けて歩く…馬鹿な人間でございます。」 真っ平ご免と 大手を振って 歩きたいけど 歩けない 嫌だ嫌です お天道様よ 日陰育ちの 泣きどころ 明るすぎます 俺らには | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 吉田正 | | 「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ 新しいものを欲しがるもんでございます。 どこに新しいものがございましょう。 生まれた土地は荒れ放題、今の世の中、 右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。」 何から何まで 真っ暗闇よ すじの通らぬ ことばかり 右を向いても 左を見ても ばかと阿呆の からみあい どこに男の 夢がある 「好いた惚れたとけだものごっこが まかり通る世の中でございます。 好いた惚れたは、もともと心が決めるもの… こんなことを申し上げる私も やっぱり古い人間でござんしょうかね。」 ひとつの心に 重なる心 それが恋なら それもよし しょせんこの世は 男と女 意地に裂かれる 恋もあり 夢に消される 意地もある 「なんだかんだとお説教じみたことを申して参りましたが そういう私も日陰育ちのひねくれ者、 お天道様に背中を向けて歩く…馬鹿な人間でございます。」 真っ平ご免と 大手を振って 歩きたいけど 歩けない 嫌だ嫌です お天道様よ 日陰育ちの 泣きどころ 明るすぎます 俺らには |
赤と黒のブルース夢をなくした 奈落の底で 何をあえぐか 影法師 カルタと酒に ただれた胸に なんで住めよか なんで住めよか ああ あのひとが 赤と黒とのドレスの渦に ナイトクラブの 夜は更ける 妖しく燃える 地獄の花に 暗いこころが 暗いこころが ああ またうずく 月も疲れた 小窓の空に 見るは涯ない 闇ばかり 倒れて眠る モロッコ椅子に 落ちた涙を 落ちた涙を ああ 誰が知ろ | 鶴田浩二 | 宮川哲夫 | 吉田正 | | 夢をなくした 奈落の底で 何をあえぐか 影法師 カルタと酒に ただれた胸に なんで住めよか なんで住めよか ああ あのひとが 赤と黒とのドレスの渦に ナイトクラブの 夜は更ける 妖しく燃える 地獄の花に 暗いこころが 暗いこころが ああ またうずく 月も疲れた 小窓の空に 見るは涯ない 闇ばかり 倒れて眠る モロッコ椅子に 落ちた涙を 落ちた涙を ああ 誰が知ろ |
望郷歌夢の 儚さ 涙の苦さ 心よお前と ふたりづれ いつか帰ろう いつか帰ろう 我身をつれて たったひとつの故郷へ 人の 情よ 無情の雨よ お酒よ今夜もふたりづれ 飲めば切なく 飲めば切なく 忍べば遠い グラスのむこうの故郷は 恋の未練か 淋しき影か 涙よ明日も ふたりづれ 肩に月日が 肩に月日が 流れてみても 想いだすのは故郷よ | 鶴田浩二 | 荒木とよひさ | 吉田正 | 寺岡真三 | 夢の 儚さ 涙の苦さ 心よお前と ふたりづれ いつか帰ろう いつか帰ろう 我身をつれて たったひとつの故郷へ 人の 情よ 無情の雨よ お酒よ今夜もふたりづれ 飲めば切なく 飲めば切なく 忍べば遠い グラスのむこうの故郷は 恋の未練か 淋しき影か 涙よ明日も ふたりづれ 肩に月日が 肩に月日が 流れてみても 想いだすのは故郷よ |