さすらいの湖畔さすらいの さすらいの 乗合馬車の笛の音は 笛の音は 旅をゆく子の咽びなき ああ、高原の湖くれて 岸の旅籠の燈もうるむ 思い出の 思い出の 泪のワルツ あの人の あの人の 忘れられない事ばかり ああ、白樺の梢にかゝる 月もあの夜に見た月か さすらいの さすらいの 乗合馬車の片隅に 肩さむく 揺られ揺られてゆく青春(はる)か ああ、別れては面影一つ 抱いて泣くよと誰か知る | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 吉田正 | 小沢直与志 | さすらいの さすらいの 乗合馬車の笛の音は 笛の音は 旅をゆく子の咽びなき ああ、高原の湖くれて 岸の旅籠の燈もうるむ 思い出の 思い出の 泪のワルツ あの人の あの人の 忘れられない事ばかり ああ、白樺の梢にかゝる 月もあの夜に見た月か さすらいの さすらいの 乗合馬車の片隅に 肩さむく 揺られ揺られてゆく青春(はる)か ああ、別れては面影一つ 抱いて泣くよと誰か知る |
追憶の湖山の湖 恋しさに ひとりはるばる 来たものを 追憶(おもいで)の 花は咲き 花は散り 呼べどこたえる 人もなく 風に山びこ 悲しくかえる 泣いて別れた 白樺に 残る二人の 頭文字 霧が降る 草丘に たたずめば 水に流した 花束が 涙せつない まぶたに浮かぶ 山の湖畔の たそがれは 誰に告げよう この思い いくたびか なつかしく 振り返る 山のホテルの 白い窓 胸のおもかげ また呼びかえす | 鶴田浩二 | 坂口淳 | 吉田正 | 加藤光男 | 山の湖 恋しさに ひとりはるばる 来たものを 追憶(おもいで)の 花は咲き 花は散り 呼べどこたえる 人もなく 風に山びこ 悲しくかえる 泣いて別れた 白樺に 残る二人の 頭文字 霧が降る 草丘に たたずめば 水に流した 花束が 涙せつない まぶたに浮かぶ 山の湖畔の たそがれは 誰に告げよう この思い いくたびか なつかしく 振り返る 山のホテルの 白い窓 胸のおもかげ また呼びかえす |
若人の誓い赤い血潮の純愛は 男いのちのバラの花 君にささげて一すじの 花のあわれを 知るやネオンも涙ぐむ 君のかなしいまぼろしは 忘れようとて忘らりょか 霧の都の遠柳 やつれ姿を みるにつけても思い出す 燃えよ花咲け愛のバラ 君が知ろうと知るまいと 雨の降る日も風の夜も 春が再び めぐり来るまで その日まで | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 加藤光男 | 加藤光男 | 赤い血潮の純愛は 男いのちのバラの花 君にささげて一すじの 花のあわれを 知るやネオンも涙ぐむ 君のかなしいまぼろしは 忘れようとて忘らりょか 霧の都の遠柳 やつれ姿を みるにつけても思い出す 燃えよ花咲け愛のバラ 君が知ろうと知るまいと 雨の降る日も風の夜も 春が再び めぐり来るまで その日まで |
思い出せないことばかりそよかぜは そよ風は 旅の心に ゆれながら 林の奥の 湖の 静かな水に よりそうて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 うきぐもは 浮き雲は 風の誘いに ゆれながら 楽しく咲いた ひまわりの 明るい顔に 影よせて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 ゆくひとは 行く人は 遠い想いに ゆれながら 心を抱いて 思い出の 楽しい町を ふりかえり 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 | 鶴田浩二 | 藤浦洸 | 万城目正 | 田代与志 | そよかぜは そよ風は 旅の心に ゆれながら 林の奥の 湖の 静かな水に よりそうて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 うきぐもは 浮き雲は 風の誘いに ゆれながら 楽しく咲いた ひまわりの 明るい顔に 影よせて 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 ゆくひとは 行く人は 遠い想いに ゆれながら 心を抱いて 思い出の 楽しい町を ふりかえり 『何か忘れて いるような 思い出せない ことばかり』 |
花薫る東京青い空 かがやく街だよ 君とゆく 二人ゆく ペーブメントに そよ風の そよ風の 甘きくちづけ ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 若き東京 陽はうらら 赤 黄 青 ネオンの街だよ 燃えて咲く 誰に咲く 今宵ひととき 七いろの 七いろの 生命ささげて ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 恋の東京 君とゆく あこがれの 花咲く街だよ 君と住む 二人住む スイートホームに ながれ来る ながれ来る 愛のメロディー ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 花の東京 いつまでも | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 万城目正 | 田代与志 | 青い空 かがやく街だよ 君とゆく 二人ゆく ペーブメントに そよ風の そよ風の 甘きくちづけ ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 若き東京 陽はうらら 赤 黄 青 ネオンの街だよ 燃えて咲く 誰に咲く 今宵ひととき 七いろの 七いろの 生命ささげて ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 恋の東京 君とゆく あこがれの 花咲く街だよ 君と住む 二人住む スイートホームに ながれ来る ながれ来る 愛のメロディー ああ夢を呼ぶ 青春のふるさとよ 東京 花の東京 いつまでも |
散る桜残る桜も散る桜散る桜 残る桜も散る桜 いつか散り行く この身じゃないか 男ごころに咲く花は 今をさかりに 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 ひとり酒でも 盃きゃ二つ 忘れられない面影を 花にうかべて かさね酒 「昨日出逢って 今日別れ 黙って頷く 花もある しかし覚えていてほしい 別れると言う事は また新しい旅立ちなんだ」 散る桜 残る桜も散る桜 所詮 短い命じゃないか 散ってしまえば皆同じ 風の来ぬ間に 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 泣くも笑うも はかない命 一期一会の夢追えば せめて別れの 花と咲け 散る桜 残る桜も散る桜 せめて別れに 歌おうじゃないか 男ごころに咲く花は 花と咲く身の 明日に咲け 花と咲く身の 明日に咲け | 鶴田浩二 | 曽我部博士 | 市川昭介 | 寺岡真三 | 散る桜 残る桜も散る桜 いつか散り行く この身じゃないか 男ごころに咲く花は 今をさかりに 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 ひとり酒でも 盃きゃ二つ 忘れられない面影を 花にうかべて かさね酒 「昨日出逢って 今日別れ 黙って頷く 花もある しかし覚えていてほしい 別れると言う事は また新しい旅立ちなんだ」 散る桜 残る桜も散る桜 所詮 短い命じゃないか 散ってしまえば皆同じ 風の来ぬ間に 咲けよ咲け 散る桜 残る桜も散る桜 泣くも笑うも はかない命 一期一会の夢追えば せめて別れの 花と咲け 散る桜 残る桜も散る桜 せめて別れに 歌おうじゃないか 男ごころに咲く花は 花と咲く身の 明日に咲け 花と咲く身の 明日に咲け |
軍国の母こころ置きなく 祖国(くに)のため 名誉の戦死 頼むぞと 泪も見せず 励まして 我が子を送る 朝の駅 散れよ若木の さくら花 男と生まれ 戦場に 銃剣執るも 大君(きみ)のため 日本男児の 本懐ぞ 生きて還ると 思うなよ 白木の柩(はこ)が 届いたら 出かした我が子 天晴れと お前を母は 褒めてやる 強く雄々しく 軍国の 銃後を護る 母じゃもの 女の身とて 伝統の 忠義の二字に 変りゃせぬ | 鶴田浩二 | 島田磬也 | 古賀政男 | 寺岡真三 | こころ置きなく 祖国(くに)のため 名誉の戦死 頼むぞと 泪も見せず 励まして 我が子を送る 朝の駅 散れよ若木の さくら花 男と生まれ 戦場に 銃剣執るも 大君(きみ)のため 日本男児の 本懐ぞ 生きて還ると 思うなよ 白木の柩(はこ)が 届いたら 出かした我が子 天晴れと お前を母は 褒めてやる 強く雄々しく 軍国の 銃後を護る 母じゃもの 女の身とて 伝統の 忠義の二字に 変りゃせぬ |
軍国子守唄坊や泣かずに ねんねしな 父さん強い 兵隊さん その子がなんで 泣きましょう 泣きはしませぬ 遠い満州の お月さま ねんねおしおし ねんねすりゃ 父さん匪賊 退治して 凱旋なさる おみやげは きっと坊やの 可愛い坊やの 鉄かぶと 坊も大きく なったらば 兵隊さんで 出征して 母さん送りに 行ったなら 汽車の窓から 笑って失敬 するでしょね | 鶴田浩二 | 山口義孝 | 佐和輝禧 | 寺岡真三 | 坊や泣かずに ねんねしな 父さん強い 兵隊さん その子がなんで 泣きましょう 泣きはしませぬ 遠い満州の お月さま ねんねおしおし ねんねすりゃ 父さん匪賊 退治して 凱旋なさる おみやげは きっと坊やの 可愛い坊やの 鉄かぶと 坊も大きく なったらば 兵隊さんで 出征して 母さん送りに 行ったなら 汽車の窓から 笑って失敬 するでしょね |
皇国の母歓呼(かんこ)の声や 旗の波 あとは頼むの あの声よ これが最後の 戦地の便り 今日も遠くで 喇叭(ラッパ)の音(ね) 思えばあの日は 雨だった 坊やは背(せな)で スヤスヤと 旗を枕に ねむっていたが 頬に涙が 光ってた ご無事のお還(かえ)り 待ちますと 言えばあなたは 雄々しくも 今度逢う日は 来年四月 靖国神社の 花の下 東洋平和の 為ならば なんで泣きましょう 国のため 散ったあなたの 形見の坊や きっと立派に 育てます | 鶴田浩二 | 深草三郎 | 明本京静 | 寺岡真三 | 歓呼(かんこ)の声や 旗の波 あとは頼むの あの声よ これが最後の 戦地の便り 今日も遠くで 喇叭(ラッパ)の音(ね) 思えばあの日は 雨だった 坊やは背(せな)で スヤスヤと 旗を枕に ねむっていたが 頬に涙が 光ってた ご無事のお還(かえ)り 待ちますと 言えばあなたは 雄々しくも 今度逢う日は 来年四月 靖国神社の 花の下 東洋平和の 為ならば なんで泣きましょう 国のため 散ったあなたの 形見の坊や きっと立派に 育てます |
カタカナ忠義戦友見てくれ 倅の手紙 今年ゃ一年アイウエオ 習い覚えたカタカナで 可愛いじゃないか 初の便りだ誉めてくれ エンピツ舐め舐め 書いたのだろう 家の事なら御安心 母も元気で針仕事 可愛いじゃないか 俺によく似た四角い字 頭をひねり 消しては書いた 紙にゃ名誉のゴムの穴 僕も毎日二重丸 可愛いじゃないか ポチが子犬を生んだとさ 戦友見てくれ 一番終い 君の御為(おんため)国の為 どうか立派な働きを 可愛いじゃないか カナで忠義を親に説く | 鶴田浩二 | 十二村哲 | 細田義勝 | 寺岡真三 | 戦友見てくれ 倅の手紙 今年ゃ一年アイウエオ 習い覚えたカタカナで 可愛いじゃないか 初の便りだ誉めてくれ エンピツ舐め舐め 書いたのだろう 家の事なら御安心 母も元気で針仕事 可愛いじゃないか 俺によく似た四角い字 頭をひねり 消しては書いた 紙にゃ名誉のゴムの穴 僕も毎日二重丸 可愛いじゃないか ポチが子犬を生んだとさ 戦友見てくれ 一番終い 君の御為(おんため)国の為 どうか立派な働きを 可愛いじゃないか カナで忠義を親に説く |
雨の戦地で風はゆすぶる 雨は漏る 仮寝の哨舎に ボタボタと 濡れた軍服 乾(ほ)せもせず 父さん坊やの 真似をして テルテル坊主 ぶら下げた 可愛い坊やが 七ッ頃 遠足前の 日暮方 垣根に下げた この坊主 浮かぶ坊やの 笑い顔 テルテル坊主も 笑っている 明日は戦い 戦友も 笑って眺めた 紙人形 も一ツこさえて ぶら下げた テルテル坊主 テル坊主 あした天気に しておくれ | 鶴田浩二 | 真木一葉 | 佐々木俊一 | 寺岡真三 | 風はゆすぶる 雨は漏る 仮寝の哨舎に ボタボタと 濡れた軍服 乾(ほ)せもせず 父さん坊やの 真似をして テルテル坊主 ぶら下げた 可愛い坊やが 七ッ頃 遠足前の 日暮方 垣根に下げた この坊主 浮かぶ坊やの 笑い顔 テルテル坊主も 笑っている 明日は戦い 戦友も 笑って眺めた 紙人形 も一ツこさえて ぶら下げた テルテル坊主 テル坊主 あした天気に しておくれ |
明日はお立ちか明日はお立ちか お名残りおしや 大和男児(やまとおのこ)の 晴れの旅 朝日を浴びて いでたつ君を 拝むこころで 送りたや 駒の手綱を しみじみとれば 胸にすがしい 今朝の風 お山も晴れて 湧きたつ雲よ 君を見送る 峠道 時計みつめて いまごろあたり 汽車を降りてか 船の中 船酔いせぬか 嵐はこぬか アレサ夜空に 夫婦星 | 鶴田浩二 | 佐伯孝夫 | 佐々木俊一 | 寺岡真三 | 明日はお立ちか お名残りおしや 大和男児(やまとおのこ)の 晴れの旅 朝日を浴びて いでたつ君を 拝むこころで 送りたや 駒の手綱を しみじみとれば 胸にすがしい 今朝の風 お山も晴れて 湧きたつ雲よ 君を見送る 峠道 時計みつめて いまごろあたり 汽車を降りてか 船の中 船酔いせぬか 嵐はこぬか アレサ夜空に 夫婦星 |
空中艦隊の歌仰げば雲の果て遠く 銀翼連ね轟々と 大鵬六機今日もまた 紅南指して驀(ばく)進す 我が爆撃の大威力 虹橋蘇州も何のその 微塵に砕く飛行場 はむこうものはただ一機 小癪な敵よそれ討てと たちまち晴れの一騎打ち 翔けるは鷲か隼か 疾風のごとき逆落し 指揮官小谷鬼大尉 壮烈空に死すとても 妙技を尽くす戦術に 敵機は焼けて墜落す 夕波暗し黄浦江(こうほこう) 屍を負える若鳥を いたわり抱く母艦こそ げに空軍の母なれや 甲板(デッキ)に白く霜冴えて 眠れぬ夜半の釣床(ハンモック) いで明日こそは亡き友の 仇をと誓(ちこ)う我が勇士 | 鶴田浩二 | 長田幹彦 | 中山晋平 | 寺岡真三 | 仰げば雲の果て遠く 銀翼連ね轟々と 大鵬六機今日もまた 紅南指して驀(ばく)進す 我が爆撃の大威力 虹橋蘇州も何のその 微塵に砕く飛行場 はむこうものはただ一機 小癪な敵よそれ討てと たちまち晴れの一騎打ち 翔けるは鷲か隼か 疾風のごとき逆落し 指揮官小谷鬼大尉 壮烈空に死すとても 妙技を尽くす戦術に 敵機は焼けて墜落す 夕波暗し黄浦江(こうほこう) 屍を負える若鳥を いたわり抱く母艦こそ げに空軍の母なれや 甲板(デッキ)に白く霜冴えて 眠れぬ夜半の釣床(ハンモック) いで明日こそは亡き友の 仇をと誓(ちこ)う我が勇士 |
軍国舞扇可愛い二八の 花かんざしに ちらり咲かした 心意気 見やれ今宵も 賀茂川あたり 皇国(すめら)乙女の 舞扇 「何時どしたやろか、あてらもお国のために 立派な仕事せんとあかんなア いうていやったことがおましたなア。 そういうてからもう二年たったんどっせ。 一生懸命やったわ。 そやけどそれが、ようやっと実い結んで、 こないな嬉しいことあらへんわ。 あんたの心 あての心、 そして祇園中の心 が明日は日本の空へ向いて 飛び立つのどっせ。」 花の振りそで だらりの帯も かたちばかりの 浮き調子 勤めはなれりゃ 銃後のまもり 綾(あや)にかけます 紅だすき 「飛んだえ、飛んだえ、 あんた泣いてはんの、おんなしやわ。 あてかて、あてかて、 いゝえ祇園の人かて みんなおんなし気持やわ。 あてらの真心が天に通じたんどすもの、 泣いてもかまへんわ、 泣いてもかまへんわ。」 橋の擬球(ぎぼし)に 朝風受けて 待てばくるくる 銀の鳥 ほんに嬉しや 祇園の空を 晴れてひとさし 舞う翼 | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 陸奥明 | 寺岡真三 | 可愛い二八の 花かんざしに ちらり咲かした 心意気 見やれ今宵も 賀茂川あたり 皇国(すめら)乙女の 舞扇 「何時どしたやろか、あてらもお国のために 立派な仕事せんとあかんなア いうていやったことがおましたなア。 そういうてからもう二年たったんどっせ。 一生懸命やったわ。 そやけどそれが、ようやっと実い結んで、 こないな嬉しいことあらへんわ。 あんたの心 あての心、 そして祇園中の心 が明日は日本の空へ向いて 飛び立つのどっせ。」 花の振りそで だらりの帯も かたちばかりの 浮き調子 勤めはなれりゃ 銃後のまもり 綾(あや)にかけます 紅だすき 「飛んだえ、飛んだえ、 あんた泣いてはんの、おんなしやわ。 あてかて、あてかて、 いゝえ祇園の人かて みんなおんなし気持やわ。 あてらの真心が天に通じたんどすもの、 泣いてもかまへんわ、 泣いてもかまへんわ。」 橋の擬球(ぎぼし)に 朝風受けて 待てばくるくる 銀の鳥 ほんに嬉しや 祇園の空を 晴れてひとさし 舞う翼 |
月月火水木金金朝だ夜明けだ 潮(うしお)の息吹(いぶ)き うんと吸い込む あかがね色の 胸に若さの 漲(みなぎ)る誇り 海の男の 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 赤い太陽に 流れる汗を 拭(ふ)いてにっこり 大砲手入れ 太平洋の 波 波 波に 海の男だ 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 度胸ひとつに 火のような錬磨(れんま) 旗は鳴る鳴る ラッパは響く 行くぞ日の丸 日本の艦(ふね)だ 海の男の 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 どんとぶつかる 怒濤(どとう)の唄に ゆれる釣床(つりどこ) 今宵の夢は 明日の戦(いく)さの この腕試し 海の男だ 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 | 鶴田浩二 | 高橋俊策 | 江口夜詩 | 近藤進 | 朝だ夜明けだ 潮(うしお)の息吹(いぶ)き うんと吸い込む あかがね色の 胸に若さの 漲(みなぎ)る誇り 海の男の 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 赤い太陽に 流れる汗を 拭(ふ)いてにっこり 大砲手入れ 太平洋の 波 波 波に 海の男だ 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 度胸ひとつに 火のような錬磨(れんま) 旗は鳴る鳴る ラッパは響く 行くぞ日の丸 日本の艦(ふね)だ 海の男の 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 どんとぶつかる 怒濤(どとう)の唄に ゆれる釣床(つりどこ) 今宵の夢は 明日の戦(いく)さの この腕試し 海の男だ 艦隊勤務 月 月 火 水 木 金 金 |
九段の母上野駅から 九段まで かってしらない じれったさ 杖をたよりに 一日がかり せがれきたぞや 逢いにきた 空をつくよな 大鳥居 こんな立派な おやしろに 神とまつられ もったいなさよ 母は泣けます うれしさに とびが鷹の子 うんだよで 今じゃ果報が 身にあまる 金鵄勲章が 見せたいばかり 逢いに来たぞや 九段坂 | 鶴田浩二 | 石松秋二 | 能代八郎 | 寺岡真三 | 上野駅から 九段まで かってしらない じれったさ 杖をたよりに 一日がかり せがれきたぞや 逢いにきた 空をつくよな 大鳥居 こんな立派な おやしろに 神とまつられ もったいなさよ 母は泣けます うれしさに とびが鷹の子 うんだよで 今じゃ果報が 身にあまる 金鵄勲章が 見せたいばかり 逢いに来たぞや 九段坂 |
あゝ草枕幾度ぞああ草枕 幾度ぞ 棄てる命は 惜しまねど まだ尽きざるか 荒野原 駒の吐息が 気にかかる 鞍を浸して 濁流を 超えてまた衝く 雲の峰 嘶(いなな)け黒馬(あお)よ 高らかに 俺もお前も つわものだ 思えば遠く 来しものぞ 渡る風さえ 母の声 未練じゃないが ふる里へ 夢や今宵は 通うらん | 鶴田浩二 | 徳土良介 | 陸奥明 | 寺岡真三 | ああ草枕 幾度ぞ 棄てる命は 惜しまねど まだ尽きざるか 荒野原 駒の吐息が 気にかかる 鞍を浸して 濁流を 超えてまた衝く 雲の峰 嘶(いなな)け黒馬(あお)よ 高らかに 俺もお前も つわものだ 思えば遠く 来しものぞ 渡る風さえ 母の声 未練じゃないが ふる里へ 夢や今宵は 通うらん |
上海だより拝啓 御無沙汰しましたが 僕もますます元気です 上陸以来今日までの 鉄の兜の弾の痕 自慢じゃないが見せたいな 酷寒零下の戦線は 銃に氷の花が咲く 見渡す限り銀世界 敵が頼みのクリークも 江南の春未だしです 隣の村の戦友は えらい元気な奴でした 昨日も敵のトーチカを 進み乗取り占領し 土鼠(もぐら)退治と高笑い あいつがやれば僕もやる 見てろ今度の激戦に タンクを一つ分捕って ラジオニュースで聞かすから 待ってて下さいお母さん | 鶴田浩二 | 佐藤惣之助 | 三界稔 | 近藤進 | 拝啓 御無沙汰しましたが 僕もますます元気です 上陸以来今日までの 鉄の兜の弾の痕 自慢じゃないが見せたいな 酷寒零下の戦線は 銃に氷の花が咲く 見渡す限り銀世界 敵が頼みのクリークも 江南の春未だしです 隣の村の戦友は えらい元気な奴でした 昨日も敵のトーチカを 進み乗取り占領し 土鼠(もぐら)退治と高笑い あいつがやれば僕もやる 見てろ今度の激戦に タンクを一つ分捕って ラジオニュースで聞かすから 待ってて下さいお母さん |
あゝ紅の血は燃ゆる花も蕾(つぼみ)の若桜 五尺の生命(いのち)ひっさげて 国の大事に殉(じゅん)ずるは 我等学徒の面目ぞ あゝ紅の血は燃ゆる あゝ紅の血は燃ゆる 後に続けと兄の声 今こそ筆を擲(なげう)ちて 勝利揺るがぬ生産に 勇み起ちたるつわものぞ あゝ紅の血は燃ゆる 何をすさぶか小夜嵐(さよあらし) 神州(しんしゅう)男児ここにあり 決意ひとたび火となりて 護る国土は鉄壁ぞ あゝ紅の血は燃ゆる あゝ紅の血は燃ゆる | 鶴田浩二 | 野村俊夫 | 明本京静 | 寺岡真三 | 花も蕾(つぼみ)の若桜 五尺の生命(いのち)ひっさげて 国の大事に殉(じゅん)ずるは 我等学徒の面目ぞ あゝ紅の血は燃ゆる あゝ紅の血は燃ゆる 後に続けと兄の声 今こそ筆を擲(なげう)ちて 勝利揺るがぬ生産に 勇み起ちたるつわものぞ あゝ紅の血は燃ゆる 何をすさぶか小夜嵐(さよあらし) 神州(しんしゅう)男児ここにあり 決意ひとたび火となりて 護る国土は鉄壁ぞ あゝ紅の血は燃ゆる あゝ紅の血は燃ゆる |
ハバロフスク小唄ハバロフスク ラララ ハバロフスク ラララ ハバロフスク 河の流れは ウスリー江 あの山もこの谷も 故郷を 想い出させる その姿 母の顔 ラララ 母の顔 ラララ母の顔 浮かぶ夜空に 星が出る ただひとつ呼んでいる あの星は 遠いわが家の 窓あかり 元気でね ラララ 元気でね ラララ 元気でね やがて帰れる その日まで 今宵また逢いにゆく 夢でゆく かわいあの娘の 枕もと | 鶴田浩二 | 野村俊夫 | 島田逸平 | 近藤進 | ハバロフスク ラララ ハバロフスク ラララ ハバロフスク 河の流れは ウスリー江 あの山もこの谷も 故郷を 想い出させる その姿 母の顔 ラララ 母の顔 ラララ母の顔 浮かぶ夜空に 星が出る ただひとつ呼んでいる あの星は 遠いわが家の 窓あかり 元気でね ラララ 元気でね ラララ 元気でね やがて帰れる その日まで 今宵また逢いにゆく 夢でゆく かわいあの娘の 枕もと |
空の神兵 藍(あい)より蒼(あお)き 大空に 大空に たちまち開く 百千の 真白き薔薇(ばら)の 花模様 見よ落下傘 空に降り 見よ落下傘 空を征(ゆ)く 見よ落下傘 空を征く 世紀の華(はな)よ 落下傘 落下傘 その純白に 赤き血を 捧げて悔(く)いぬ 奇襲隊 この青空も 敵の空 この山河も 敵の陣 この山河も 敵の陣 敵撃摧(げきさい)と 舞降(くだ)る 舞降る まなじり高き つわものの いずくか見ゆる おさな顔 ああ純白の 花負いて ああ青雲に 花負いて ああ青雲に 花負いて 讃(たた)えよ空の 神兵を 神兵を 肉弾粉(こな)と 砕くとも 撃(う)ちてしやまぬ 大和魂(やまとだま) わが丈夫(ますらお)は 天降(あまくだ)る わが皇軍は 天降る わが皇軍は 天降る | 鶴田浩二 | 梅木三郎 | 高木東六 | 近藤進 | 藍(あい)より蒼(あお)き 大空に 大空に たちまち開く 百千の 真白き薔薇(ばら)の 花模様 見よ落下傘 空に降り 見よ落下傘 空を征(ゆ)く 見よ落下傘 空を征く 世紀の華(はな)よ 落下傘 落下傘 その純白に 赤き血を 捧げて悔(く)いぬ 奇襲隊 この青空も 敵の空 この山河も 敵の陣 この山河も 敵の陣 敵撃摧(げきさい)と 舞降(くだ)る 舞降る まなじり高き つわものの いずくか見ゆる おさな顔 ああ純白の 花負いて ああ青雲に 花負いて ああ青雲に 花負いて 讃(たた)えよ空の 神兵を 神兵を 肉弾粉(こな)と 砕くとも 撃(う)ちてしやまぬ 大和魂(やまとだま) わが丈夫(ますらお)は 天降(あまくだ)る わが皇軍は 天降る わが皇軍は 天降る |
梅と兵隊春まだ浅き 戦線の 古城にかおる 梅の花 せめて一輪 母上に 便りに秘めて 送ろじゃないか 覚悟をきめた 吾が身でも 梅が香(か)むせぶ 春の夜は 戦(いくさ)忘れて ひとときを 語れば戦友(とも)よ 愉快じゃないか 明日出てゆく 前線で 何(いず)れが華(はな)と 散ろうとも 武士の誉じゃ 白梅を 戦闘帽(ぼうし)にさして 行こうじゃないか | 鶴田浩二 | 南條歌美 | 倉若晴生 | 寺岡真三 | 春まだ浅き 戦線の 古城にかおる 梅の花 せめて一輪 母上に 便りに秘めて 送ろじゃないか 覚悟をきめた 吾が身でも 梅が香(か)むせぶ 春の夜は 戦(いくさ)忘れて ひとときを 語れば戦友(とも)よ 愉快じゃないか 明日出てゆく 前線で 何(いず)れが華(はな)と 散ろうとも 武士の誉じゃ 白梅を 戦闘帽(ぼうし)にさして 行こうじゃないか |
燃ゆる大空燃ゆる大空 気流だ雲だ あがるぞ翔(かけ)るぞ 迅風(はやて)の如く 爆音正しく 高度を持して 輝くつばさよ 光華(ひかり)と勢(きそ)え 航空日本 空ゆくわれら 機翼どよもす 嵐だ雨だ 燦めくプロペラ 真先かけて 皇国(みくに)に捧ぐる 雄々しき命 無敵のつばさよ 溌剌挙れ 闘志はつきぬ 精鋭われら 地上はるかに 南だ北だ 攻むるも守るも 縦横無尽 戦闘爆撃 第一線に 降魔(ごうま)のつばさよ 電波と奮え 東亜の空を 制するわれら 空を拓(ひら)かん 希望だ道だ 七つの海原 大陸衝(つ)いて 文化を進むる 意気高らかに 金鴻(きんし)のつばさよ 世界を凌(しの)げ 国威をになう 若人われら | 鶴田浩二 | 佐藤惣之助 | 山田耕筰 | 寺岡真三 | 燃ゆる大空 気流だ雲だ あがるぞ翔(かけ)るぞ 迅風(はやて)の如く 爆音正しく 高度を持して 輝くつばさよ 光華(ひかり)と勢(きそ)え 航空日本 空ゆくわれら 機翼どよもす 嵐だ雨だ 燦めくプロペラ 真先かけて 皇国(みくに)に捧ぐる 雄々しき命 無敵のつばさよ 溌剌挙れ 闘志はつきぬ 精鋭われら 地上はるかに 南だ北だ 攻むるも守るも 縦横無尽 戦闘爆撃 第一線に 降魔(ごうま)のつばさよ 電波と奮え 東亜の空を 制するわれら 空を拓(ひら)かん 希望だ道だ 七つの海原 大陸衝(つ)いて 文化を進むる 意気高らかに 金鴻(きんし)のつばさよ 世界を凌(しの)げ 国威をになう 若人われら |
還らざる戦友戦い済んで 三十年 やっと来れたぞ 戦友よ 白い夏雲 蒼い海 波間に散った特攻機 特攻機 緑静かな シャングルに 一きわ高い パイプ山 激戦の跡 そのままに 赤肌見せてそそり立つ そそり立つ 噴煙あげる 天山(てんざん)の 丘に鎮まる 慰霊碑に 故郷(くに)から運んだ 水筒の 水をそそいで俺は泣く 俺は泣く 燃える日差しと この地熱 生きてる希望(のぞみ)は ないけれど どこかに潜むか わが戦友(とも)よ 早く出て来い逢いに来い 逢いに来い 昼なお暗い 密林の 奥で見つけた 壕ひとつ 錆びた食器と 弾薬の 中に白骨横たわる 横たわる あゝ玉砕の 硫黄島 どんなに祖国が 恋かしろ 桜の花を 手向けては 言葉もなくてただ涙 ただ涙 | 鶴田浩二 | 鈴木一成 | 吉田正 | 寺岡真三 | 戦い済んで 三十年 やっと来れたぞ 戦友よ 白い夏雲 蒼い海 波間に散った特攻機 特攻機 緑静かな シャングルに 一きわ高い パイプ山 激戦の跡 そのままに 赤肌見せてそそり立つ そそり立つ 噴煙あげる 天山(てんざん)の 丘に鎮まる 慰霊碑に 故郷(くに)から運んだ 水筒の 水をそそいで俺は泣く 俺は泣く 燃える日差しと この地熱 生きてる希望(のぞみ)は ないけれど どこかに潜むか わが戦友(とも)よ 早く出て来い逢いに来い 逢いに来い 昼なお暗い 密林の 奥で見つけた 壕ひとつ 錆びた食器と 弾薬の 中に白骨横たわる 横たわる あゝ玉砕の 硫黄島 どんなに祖国が 恋かしろ 桜の花を 手向けては 言葉もなくてただ涙 ただ涙 |
たんぽぽの花たんぽぽの花は可愛い ラララ ランラン 春の乙女よ 姿やさしく美しく 心わびしく しとやかに 燃えて輝く丘の上 ゆかし香りの ララ たんぽぽの花 たんぽぽの花よ さらば ラララ ランラン さらば故郷(ふるさと)よ 風に手を振るたんぽぽよ いつまでも美しく 燃えて輝く丘の上 ゆかし香りの ララ たんぽぽの花 さらば さらばよ ララ たんぽぽの花 | 鶴田浩二 | 不詳・補作詞:曽我部博士 | 不詳・補作曲:曽我部博士 | 寺岡真三 | たんぽぽの花は可愛い ラララ ランラン 春の乙女よ 姿やさしく美しく 心わびしく しとやかに 燃えて輝く丘の上 ゆかし香りの ララ たんぽぽの花 たんぽぽの花よ さらば ラララ ランラン さらば故郷(ふるさと)よ 風に手を振るたんぽぽよ いつまでも美しく 燃えて輝く丘の上 ゆかし香りの ララ たんぽぽの花 さらば さらばよ ララ たんぽぽの花 |
学徒進軍歌足音も高らかに 高らかに いざ征かん 初陣の朝は晴れたり みどりなす 母校の森よ なつかしの師よ友よ さらばさらば 勢(きお)えこぞれ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 待ち待ちし時は来ぬ 時は来ぬ ペンを棄て 剣をとる腕は逞し たくわえし 叡智の力 一人もて萬人の敵を屠(ほふ)らん 勢えこぞれ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 歓喜(よろこび)におどる胸 おどる胸 大君に奉る生命(いのち)明るし 若き眉 決意に燃えて仰ぐ空 決戦の旗は招く 勢えこれぞ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 | 鶴田浩二 | 西條八十 | 橋本国彦 | 寺岡真三 | 足音も高らかに 高らかに いざ征かん 初陣の朝は晴れたり みどりなす 母校の森よ なつかしの師よ友よ さらばさらば 勢(きお)えこぞれ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 待ち待ちし時は来ぬ 時は来ぬ ペンを棄て 剣をとる腕は逞し たくわえし 叡智の力 一人もて萬人の敵を屠(ほふ)らん 勢えこぞれ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 歓喜(よろこび)におどる胸 おどる胸 大君に奉る生命(いのち)明るし 若き眉 決意に燃えて仰ぐ空 決戦の旗は招く 勢えこれぞ あゝ光栄ある学徒 あゝ学徒 |
飛行予備学生ほれてくれるな俺達にゃ 熱も涙もあるけれど 何処で散るやら果てるやら 皇国(みくに)に捧げたこの体 腰の短剣にすがりつき 連れてゆきゃんせソロモンへ 連れてゆくのはやすけれど 女は乗せない戦闘機 赤き血燃ゆる若き日の 夢を抱いて大空に 飛び立つ我等は若桜 春の盛りに散りゆかん 金もなければ妻もない 俺は天下の一人者 どこで散っても悔いはない 靖国神社の若桜 恋も未練もふりすてて 行くぞ敵陣なぐりこみ 学徒海鷲手をとって 靖国神社でクラス会 君が御楯と選ばれて 明日は栄(はえ)ある鹿島立ち 雲染む屍となり果てん 空征く我等は予備学生 空征く我等は予備学生 | 鶴田浩二 | 不詳 | 倉若晴生 | 寺岡真三 | ほれてくれるな俺達にゃ 熱も涙もあるけれど 何処で散るやら果てるやら 皇国(みくに)に捧げたこの体 腰の短剣にすがりつき 連れてゆきゃんせソロモンへ 連れてゆくのはやすけれど 女は乗せない戦闘機 赤き血燃ゆる若き日の 夢を抱いて大空に 飛び立つ我等は若桜 春の盛りに散りゆかん 金もなければ妻もない 俺は天下の一人者 どこで散っても悔いはない 靖国神社の若桜 恋も未練もふりすてて 行くぞ敵陣なぐりこみ 学徒海鷲手をとって 靖国神社でクラス会 君が御楯と選ばれて 明日は栄(はえ)ある鹿島立ち 雲染む屍となり果てん 空征く我等は予備学生 空征く我等は予備学生 |
あゝ戦友肩を抱きたい 奴があり 共に泣きたい 奴もある あゝ戦友よ 幾星霜 生きてまみえた よろこびを この盃に 受け給え いくさ破れて 山河あり 捨てた生命が ここにある あゝ戦友よ ひとすじに 日本(くに)を愛した 純血を 空しと誰か云うやある 彼は草むす 土となり 彼は水漬く 海鳥(とり)となる あゝ戦友よ 亡き友の 夢を願いを真心を 子々孫々に 語り継げ 歳(とし)は去(ゆ)けども 若さあり 職業(つとめ)ちがえど 誇りあり あゝ戦友よ この胸の 底に輝く 栄光は われら同期の 道しるべ われら同期の 道しるべ | 鶴田浩二 | 柴田よしかず | 豊田あつし | 寺岡真三 | 肩を抱きたい 奴があり 共に泣きたい 奴もある あゝ戦友よ 幾星霜 生きてまみえた よろこびを この盃に 受け給え いくさ破れて 山河あり 捨てた生命が ここにある あゝ戦友よ ひとすじに 日本(くに)を愛した 純血を 空しと誰か云うやある 彼は草むす 土となり 彼は水漬く 海鳥(とり)となる あゝ戦友よ 亡き友の 夢を願いを真心を 子々孫々に 語り継げ 歳(とし)は去(ゆ)けども 若さあり 職業(つとめ)ちがえど 誇りあり あゝ戦友よ この胸の 底に輝く 栄光は われら同期の 道しるべ われら同期の 道しるべ |
異国の丘今日も暮れゆく 異国の丘に 友よ辛(つら)かろ 切(せつ)なかろ 我慢(がまん)だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ 帰る日もくる 春がくる 今日も更けゆく 異国の丘に 夢も寒かろ 冷たかろ 泣いて笑って 歌ってたえりゃ 望む日がくる 朝がくる 今日も昨日も 異国の丘に おもい雪空 陽がうすい 倒れちゃならない 祖国の土に 辿(たど)りつくまで その日まで | 鶴田浩二 | 増田幸治・補作詞:佐伯孝夫 | 吉田正 | 吉田正 | 今日も暮れゆく 異国の丘に 友よ辛(つら)かろ 切(せつ)なかろ 我慢(がまん)だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ 帰る日もくる 春がくる 今日も更けゆく 異国の丘に 夢も寒かろ 冷たかろ 泣いて笑って 歌ってたえりゃ 望む日がくる 朝がくる 今日も昨日も 異国の丘に おもい雪空 陽がうすい 倒れちゃならない 祖国の土に 辿(たど)りつくまで その日まで |
父よあなたは強かった父よ あなたは強かった 兜(かぶと)も焦がす炎熱(えんねつ)を 敵の屍(かばね)と共に寝て 泥水(どろみず)すすり草を噛み 荒れた山河(さんが)を幾千里 よくこそ撃って下さった 夫よ あなたは強かった 骨まで凍る酷寒(ごくかん)を 背(せい)も届かぬクリークに 三日も浸っていたとやら 十日も食べずにいたとやら よくこそ勝ってくださった 兄よ 弟よ ありがとう 弾丸(たま)も機雷も濁流も 夜を日に進む軍艦旗 名も荒鷲の羽ばたきに 残る敵機の影もなし よくこそ遂げてくださった 友よ わが子よ ありがとう 誉(ほま)れの傷のものがたり 何度聞いても目がうるむ あの日の戦に散った子も きょうは九段の桜花(さくらばな) よくこそ咲いてくださった | 鶴田浩二 | 福田節 | 明本京静 | 寺岡真三 | 父よ あなたは強かった 兜(かぶと)も焦がす炎熱(えんねつ)を 敵の屍(かばね)と共に寝て 泥水(どろみず)すすり草を噛み 荒れた山河(さんが)を幾千里 よくこそ撃って下さった 夫よ あなたは強かった 骨まで凍る酷寒(ごくかん)を 背(せい)も届かぬクリークに 三日も浸っていたとやら 十日も食べずにいたとやら よくこそ勝ってくださった 兄よ 弟よ ありがとう 弾丸(たま)も機雷も濁流も 夜を日に進む軍艦旗 名も荒鷲の羽ばたきに 残る敵機の影もなし よくこそ遂げてくださった 友よ わが子よ ありがとう 誉(ほま)れの傷のものがたり 何度聞いても目がうるむ あの日の戦に散った子も きょうは九段の桜花(さくらばな) よくこそ咲いてくださった |
荒鷲の歌 見たか銀翼 この勇姿 日本男子が精こめて 作って育てたわが愛機 空の護りは引き受けた 来るなら来てみろ赤蜻蛉(あかとんぼ) ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 誰が付けたか荒鷲の 名にも恥じないこの力 霧も嵐もなんのその 重い爆弾抱えこみ 南京ぐらいは一またぎ ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 金波銀波(きんぱぎんぱ)の海越えて 曇らぬ月こそわが心 正義の日本知ったかと 今宵また飛ぶ荒鷲よ 御苦労しっかり頼んだぜ ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 翼に日の丸乗り組は 大和魂の持主だ 敵機はあらまし潰(つぶ)したが あるなら出てこいおかわり来い プロペラばかりか腕も鳴る ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ | 鶴田浩二 | 東辰三 | 東辰三 | 吉田正 | 見たか銀翼 この勇姿 日本男子が精こめて 作って育てたわが愛機 空の護りは引き受けた 来るなら来てみろ赤蜻蛉(あかとんぼ) ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 誰が付けたか荒鷲の 名にも恥じないこの力 霧も嵐もなんのその 重い爆弾抱えこみ 南京ぐらいは一またぎ ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 金波銀波(きんぱぎんぱ)の海越えて 曇らぬ月こそわが心 正義の日本知ったかと 今宵また飛ぶ荒鷲よ 御苦労しっかり頼んだぜ ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ 翼に日の丸乗り組は 大和魂の持主だ 敵機はあらまし潰(つぶ)したが あるなら出てこいおかわり来い プロペラばかりか腕も鳴る ブンブン荒鷲ブンと飛ぶぞ |
ラバウル小唄さらばラバウルよ 又来るまでは しばしわかれの 涙がにじむ 恋しなつかし あの島見れば 椰子(やし)の葉かげに 十字星 波のしぶきで 眠れぬ夜は 語りあかそよ デッキの上で 星がまたたく あの星見れば くわえ煙草も ほろにがい | 鶴田浩二 | 若杉雄三郎 | 島口駒夫 | 吉田正 | さらばラバウルよ 又来るまでは しばしわかれの 涙がにじむ 恋しなつかし あの島見れば 椰子(やし)の葉かげに 十字星 波のしぶきで 眠れぬ夜は 語りあかそよ デッキの上で 星がまたたく あの星見れば くわえ煙草も ほろにがい |
加藤部隊歌(加藤隼戦闘隊の歌)エンジンの音轟々(ごうごう)と 隼は征く雲の果て 翼(よく)に輝く日の丸と 胸に描きし赤鷲の 印はわれらが戦闘機 寒風酷暑ものかわと 艱難辛苦打ちたえて 整備に当る強兵(つわもの)が しっかりやって来てくれと 愛機に祈る親ごころ 過ぎし幾多の空中戦 銃弾うなるその中で 必ず勝つの信念と 死なばともにと団結の 心で握る操縦桿(そうじゅうかん) 干才(かんか)交ゆる機星霜(いくせいそう) 七度(ななたび)重なる感状の いさおの蔭に涙あり ああ今は亡き武士(もののふ)の 笑って散ったその心 世界に誇る荒鷲の 翼(つばさ)のばせし幾千里 輝く伝統受けついで 新たに興(おこ)す大アジア われらは皇軍(すめらぎ)戦闘隊 | 鶴田浩二 | 田中林平 | 原田喜一・岡野正幸・森屋五郎 | 寺岡真三 | エンジンの音轟々(ごうごう)と 隼は征く雲の果て 翼(よく)に輝く日の丸と 胸に描きし赤鷲の 印はわれらが戦闘機 寒風酷暑ものかわと 艱難辛苦打ちたえて 整備に当る強兵(つわもの)が しっかりやって来てくれと 愛機に祈る親ごころ 過ぎし幾多の空中戦 銃弾うなるその中で 必ず勝つの信念と 死なばともにと団結の 心で握る操縦桿(そうじゅうかん) 干才(かんか)交ゆる機星霜(いくせいそう) 七度(ななたび)重なる感状の いさおの蔭に涙あり ああ今は亡き武士(もののふ)の 笑って散ったその心 世界に誇る荒鷲の 翼(つばさ)のばせし幾千里 輝く伝統受けついで 新たに興(おこ)す大アジア われらは皇軍(すめらぎ)戦闘隊 |
戦友ここは御(お)国を何百里 はなれて遠き満州の 赤い夕日にてらされて 友は野末の石の下 思えば悲し昨日(きのう)まで 真先にかけて突進し 敵をさんざん懲らしたる 勇士はここに眠れるか あゝ戦いの最中に 隣に居ったこの友の にわかにハタと倒れしを 我は思わず駈け寄って 軍律きびしい中なれど これが見捨てて置かりょうか 「しっかりせよ」と抱き起し 仮繃帯も弾丸(たま)の中 折から起る突貫(とっかん)に 友はようよう顔あげて 「お国の為だ かまわずに 遅れてくれな」と目に涙 あとに心は残れども 残しちゃならぬこの身体 「それじゃ行くよ」と別れたが 永(なが)の別れとなったのか 戦いすんで日が暮れて さがしにもどる心では どうぞ生きて居てくれよ 物なと言えと願うたに 空しく冷えて魂は 故郷(くに)へ帰ったポケットに 時計ばかりがコチコチと 動いているも情なや | 鶴田浩二 | 真下飛泉 | 三善和気 | 吉田正 | ここは御(お)国を何百里 はなれて遠き満州の 赤い夕日にてらされて 友は野末の石の下 思えば悲し昨日(きのう)まで 真先にかけて突進し 敵をさんざん懲らしたる 勇士はここに眠れるか あゝ戦いの最中に 隣に居ったこの友の にわかにハタと倒れしを 我は思わず駈け寄って 軍律きびしい中なれど これが見捨てて置かりょうか 「しっかりせよ」と抱き起し 仮繃帯も弾丸(たま)の中 折から起る突貫(とっかん)に 友はようよう顔あげて 「お国の為だ かまわずに 遅れてくれな」と目に涙 あとに心は残れども 残しちゃならぬこの身体 「それじゃ行くよ」と別れたが 永(なが)の別れとなったのか 戦いすんで日が暮れて さがしにもどる心では どうぞ生きて居てくれよ 物なと言えと願うたに 空しく冷えて魂は 故郷(くに)へ帰ったポケットに 時計ばかりがコチコチと 動いているも情なや |
麦と兵隊徐州(じょしゅう)徐州(じょしゅう)と人馬は進む 徐州いよいか住みよいか しゃれた文句に振り返えりゃ お国訛りのおけさ節 髭が微笑む麦畑 戦友(とも)を背にして道なき道を 行けば戦野(せんや)は夜の雨 済まぬ済まぬを背中にきけば 馬鹿をいうなとまた進む 兵の歩みの頼もしさ 腕をたたいて遥かな空を 仰ぐ眸(ひとみ)に雲が飛ぶ 遠く祖国を離れ来て しみじみ知った祖国愛 戦友よ来て見よあの雲を 行けど進めど麦また麦の 波の深さよ夜(よ)の寒さ 声を殺して黙々と かげを落して粛々と 兵は徐州へ前線へ | 鶴田浩二 | 藤田まさと | 大村能章 | 寺岡真三 | 徐州(じょしゅう)徐州(じょしゅう)と人馬は進む 徐州いよいか住みよいか しゃれた文句に振り返えりゃ お国訛りのおけさ節 髭が微笑む麦畑 戦友(とも)を背にして道なき道を 行けば戦野(せんや)は夜の雨 済まぬ済まぬを背中にきけば 馬鹿をいうなとまた進む 兵の歩みの頼もしさ 腕をたたいて遥かな空を 仰ぐ眸(ひとみ)に雲が飛ぶ 遠く祖国を離れ来て しみじみ知った祖国愛 戦友よ来て見よあの雲を 行けど進めど麦また麦の 波の深さよ夜(よ)の寒さ 声を殺して黙々と かげを落して粛々と 兵は徐州へ前線へ |
戦友の遺骨を抱いて一番のりを やるんだと 力んで死んだ 戦友の 遺骨を抱いて 今入る シンガポールの 街の朝 男だ なんで泣くものか 噛んでこらえた 感激も 山からおこる 万歳に 思わずほほが ぬれてくる 負けずぎらいの 戦友の 遺品(かたみ)の国旗(はた)を とりだして 雨によごれた 寄せ書きを 山の頂上に 立ててやる 友よみてくれ あの凪(な)いだ マラッカ海の 十字星 夜を日についだ 進撃に 君とながめた あの星を シンガポールは 陥としても まだ進撃は これからだ 遺骨を抱いて 俺は行く 守ってくれよ 戦友よ | 鶴田浩二 | 逵原実 | 松井孝造 | 寺岡真三 | 一番のりを やるんだと 力んで死んだ 戦友の 遺骨を抱いて 今入る シンガポールの 街の朝 男だ なんで泣くものか 噛んでこらえた 感激も 山からおこる 万歳に 思わずほほが ぬれてくる 負けずぎらいの 戦友の 遺品(かたみ)の国旗(はた)を とりだして 雨によごれた 寄せ書きを 山の頂上に 立ててやる 友よみてくれ あの凪(な)いだ マラッカ海の 十字星 夜を日についだ 進撃に 君とながめた あの星を シンガポールは 陥としても まだ進撃は これからだ 遺骨を抱いて 俺は行く 守ってくれよ 戦友よ |
ダンチョネ節沖の鴎と 飛行機乗りは どこで散るやらネ はてるやら ダンチョネ 俺が死ぬ時 ハンカチふって 友よ彼女(あのこ)よネ さようなら ダンチョネ タマは飛びくる マストは折れる ここが命のネ 捨てどころ ダンチョネ 俺が死んだら 三途の川で 鬼を集めてネ すもうとる ダンチョネ 飛行機乗りには 娘はやれぬ やれぬ娘がネ 行きたがる ダンチョネ | 鶴田浩二 | 不詳 | 不詳 | 寺岡真三 | 沖の鴎と 飛行機乗りは どこで散るやらネ はてるやら ダンチョネ 俺が死ぬ時 ハンカチふって 友よ彼女(あのこ)よネ さようなら ダンチョネ タマは飛びくる マストは折れる ここが命のネ 捨てどころ ダンチョネ 俺が死んだら 三途の川で 鬼を集めてネ すもうとる ダンチョネ 飛行機乗りには 娘はやれぬ やれぬ娘がネ 行きたがる ダンチョネ |
戦友よ安らかに「この歌を― こよなく祖国を愛し、肉親を愛して、 かけがえのない青春を 南の空に散らした 今は亡き、戦友(とも)たちに捧げます。」 年に一度の靖国詣で 集まる仲間は少ないが 遠い遥かな特攻基地で 眠るか友は安らかに 安らかに 若い生命(いのち)を燃やして消えた あの友あの声あの瞳 一足先に三途の川で 待っているぜと別れたが 別れたが あいつが散った南の空も 今日の青さによく似てた 無理に笑った涙の顔が 浮かんで見える雲の果て 雲の果て | 鶴田浩二 | 小野栄一 | 吉田正 | 吉田正 | 「この歌を― こよなく祖国を愛し、肉親を愛して、 かけがえのない青春を 南の空に散らした 今は亡き、戦友(とも)たちに捧げます。」 年に一度の靖国詣で 集まる仲間は少ないが 遠い遥かな特攻基地で 眠るか友は安らかに 安らかに 若い生命(いのち)を燃やして消えた あの友あの声あの瞳 一足先に三途の川で 待っているぜと別れたが 別れたが あいつが散った南の空も 今日の青さによく似てた 無理に笑った涙の顔が 浮かんで見える雲の果て 雲の果て |